(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】インタフェース回路、ソースドライバ及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20240925BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240925BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G09G3/36
G02F1/133 550
G09G3/20 623E
G09G3/20 623G
G09G3/20 623R
G09G3/20 670E
G09G3/20 670F
(21)【出願番号】P 2020196820
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】320012037
【氏名又は名称】ラピステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡部 五常
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-054830(JP,A)
【文献】特開2012-163734(JP,A)
【文献】特開2011-112970(JP,A)
【文献】国際公開第2019/208390(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0251036(US,A1)
【文献】韓国登録特許第2174972(KR,B1)
【文献】特開2008-152023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/133
G09G3/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイスを駆動する1のソースドライバに設けられ、各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号の入力を受け、前記複数のデータ信号を前記1のソースドライバに設けられたデータラッチ部に供給するインタフェース回路であって、
クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記データラッチ部に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、
前記データラッチ部への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記データラッチ部への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記第1のスタートパルス信号を遅延させた信号である第2のスタートパルス信号を前記1のソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、
前記1のソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、
前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、
前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、
ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、
を有
し、
前記セレクタは、前記タイミング信号の信号レベルが前記非入力期間に対応する信号レベルである場合には前記検出結果信号を出力し、前記タイミング信号の信号レベルが前記データ入力期間に対応する信号レベルである場合には前記第2のスタートパルス信号を出力することを特徴とするインタフェース回路。
【請求項2】
各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号に基づいて表示デバイスを駆動するソースドライバであって、
クロック信号及び前記複数のデータ信号を受信し、前記クロック信号のクロックタイミングに応じて前記複数のデータ信号を出力するインタフェース回路と、
前記インタフェース回路から出力された前記複数のデータ信号を取り込み、前記表示デバイスの走査線方向の画素列に対応する複数の画素データ片毎に出力するラッチ回路と、
前記ラッチ回路から出力された前記複数の画素データ片に基づいて複数の階調電圧を生成する階調電圧生成部と、
前記複数の階調電圧のうちから前記画素データ片にて示される輝度レベルに対応した1の階調電圧を選択し、前記1の階調電圧を有する信号を前記表示デバイスの駆動信号として出力する出力部と、
を含み、
前記インタフェース回路は、
前記クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記ラッチ回路に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、
前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記第1のスタートパルス信号を遅延させた信号である第2のスタートパルス信号を前記ソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、
前記ソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、
前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、
前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、
ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、
を有
し、
前記セレクタは、前記タイミング信号の信号レベルが前記非入力期間に対応する信号レベルである場合には前記検出結果信号を出力し、前記タイミング信号の信号レベルが前記データ入力期間に対応する信号レベルである場合には前記第2のスタートパルス信号を出力することを特徴とするソースドライバ。
【請求項3】
複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示
デバイスと、
クロック信号と、各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号と、前記画素データ片の取り込み開始を示すスタートパルス信号と、を出力する表示制御部と、
前記走査線の伸長方向にそって複数配置され、各々が前記複数のデータ信号に基づいて前記表示デバイスを駆動する複数のソースドライバと、
を有する表示装置であって、
前記複数のソースドライバの各々は、
クロック信号及び前記複数のデータ信号を受信し、前記クロック信号のクロックタイミングに応じて前記複数のデータ信号を出力するインタフェース回路と、
前記インタフェース回路から出力された前記複数のデータ信号を取り込み、前記表示デバイスの走査線方向の画素列に対応する複数の画素データ片毎に出力するラッチ回路と、
前記ラッチ回路から出力された前記複数の画素データ片に基づいて複数の階調電圧を生成する階調電圧生成部と、
前記複数の階調電圧のうちから前記画素データ片にて示される輝度レベルに対応した1の階調電圧を選択し、前記1の階調電圧を有する信号を前記表示デバイスの駆動信号として出力する出力部と、
を含み、
前記インタフェース回路は、
前記クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記ラッチ回路に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、
前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記スタートパルス信号を遅延させた信号を前記ソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、
前記ソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、
前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、
前記スタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記スタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、
ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、
を有
し、
前記表示制御部は、前記複数のソースドライバの各々の前記信号出力部から出力された出力信号の信号レベルに基づいて、前記出力信号の信号レベルが所定レベルになった回数と前記複数のソースドライバの個数とを比較し、比較結果に基づいて前記複数のソースドライバのいずれかにおいて前記信号出力部の不良が発生しているか否かを判定することを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタフェース回路、ソースドライバ及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、タイミングコントローラ等の表示制御装置から液晶パネルを駆動するソースドライバへと映像信号が伝送される。例えば、映像信号の伝送方式として、mini-LVDS(mini-Low Voltage Differential Signaling)方式が用いられている。mini-LVDS方式は、映像信号を差動信号として伝送する差動信号方式の1種であり、1ペア(2本1組)の信号配線で8bitの映像信号まで伝送することが可能となっている。
【0003】
ところで、液晶表示装置には、ソースドライバ等に発生した異常を検出するため、異常検出回路が設けられている。例えば、温度異常、電圧値の異常、極性反転の異常等の様々な異常を検出するため、ソースドライバには複数の異常検出回路が設けられる場合がある。これらの複数の異常検出回路による検出結果を出力するため、異常検出回路の各々を異なるタイミングで選択し、選択した回路の検出結果を時分割で出力することが行われる。その際、ソースドライバ内のインタフェース回路は、タイミングコントローラ等の表示制御装置から選択信号の供給を受け、これに応じて異常検出回路の選択を行う。このようなインタフェース回路として、例えば、各異常検出回路による異常状態の検出結果をmini-LVDS方式の通信を用いて、ソースドライバからTCON(Timing Controller)に伝送することが可能なインタフェース回路が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
かかるインタフェース回路には、例えばTCONから供給されたクロック信号及び複数の入力データ信号を取り込む入力データ制御回路と、表示データの区切りとなるLS信号の供給を受けてデータ入力開始のタイミングを計るコントロール信号入力モード信号を生成するコントロールモード信号入力検知回路と、が設けられている。また、インタフェース回路には、複数のソースドライバをカスケード接続した際にソースドライバ間で入出力されるスタートパルス信号を伝送するための信号ラインが設けられている。そして、これらの回路とは別に、複数の異常検出回路と、mini-LVDSインタフェースの差動入力信号のNAND出力を選択信号とし、複数の異常検出回路の検出結果を選択的に出力する異常検出セレクト回路と、が設けられている。異常検出セレクト回路の出力は、FD-OUT信号としてオープンドレイン端子構成となっており、チップの外側で電源によりプルアップされている。
【0005】
例えば、コントロール信号入力モードでは、Hレベルのコントロールモード信号が供給され、複数の異常検出回路の検出結果がFD_OUT信号として順次出力される。また、TCONからの入力データ信号が全てHレベルなるとLレベルのFD_OUT信号を出力するように制御することにより、FD_OUT端子の断線(すなわち、オープン不良)が起きていないかを検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のような構成のインタフェース回路では、複数のソースドライバがカスケード接続されているような場合に、オープン不良を検知することができないという問題があった。例えば、互いにカスケード接続された第1~第3のドライバのうち、第1のドライバ及び第2のドライバが正常に動作し、第3のドライバのみが断線(オープン)となっていた場合、FD_OUT端子のオープン不良を検出するために入力データ信号を全てHレベルにすると、第1のドライバ及び第2のドライバがLレベルの信号を出力するため、TCON側はLレベルの信号を検知し、断線が生じていないと判断してしまう。したがって、複数のソースドライバのうちの1つにオープン不良が生じていたとしても、TCON側がこれを検知することができないという問題があった。
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、複数のソースドライバがカスケード接続されている場合にも、ソースドライバの信号出力端子のオープン不良を検知することが可能なインタフェース回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るインタフェース回路は、表示デバイスを駆動する1のソースドライバに設けられ、各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号の入力を受け、前記複数のデータ信号を前記1のソースドライバに設けられたデータラッチ部に供給するインタフェース回路であって、クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記データラッチ部に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、前記データラッチ部への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記データラッチ部への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記第1のスタートパルス信号を遅延させた信号である第2のスタートパルス信号を前記1のソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、前記1のソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、を有し、前記セレクタは、前記タイミング信号の信号レベルが前記非入力期間に対応する信号レベルである場合には前記検出結果信号を出力し、前記タイミング信号の信号レベルが前記データ入力期間に対応する信号レベルである場合には前記第2のスタートパルス信号を出力することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るソースドライバは、各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号に基づいて表示デバイスを駆動するソースドライバであって、クロック信号及び前記複数のデータ信号を受信し、前記クロック信号のクロックタイミングに応じて前記複数のデータ信号を出力するインタフェース回路と、前記インタフェース回路から出力された前記複数のデータ信号を取り込み、前記表示デバイスの走査線方向の画素列に対応する複数の画素データ片毎に出力するラッチ回路と、前記ラッチ回路から出力された前記複数の画素データ片に基づいて複数の階調電圧を生成する階調電圧生成部と、前記複数の階調電圧のうちから前記画素データ片にて示される輝度レベルに対応した1の階調電圧を選択し、前記1の階調電圧を有する信号を前記表示デバイスの駆動信号として出力する出力部と、を含み、前記インタフェース回路は、前記クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記ラッチ回路に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記第1のスタートパルス信号を遅延させた信号である第2のスタートパルス信号を前記ソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、前記ソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記第2のスタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、を有し、前記セレクタは、前記タイミング信号の信号レベルが前記非入力期間に対応する信号レベルである場合には前記検出結果信号を出力し、前記タイミング信号の信号レベルが前記データ入力期間に対応する信号レベルである場合には前記第2のスタートパルス信号を出力することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る表示装置は、複数本のデータ線及び複数本の走査線と、前記複数本のデータ線及び複数本の走査線の交差部の各々に設けられた画素スイッチ及び画素部と、を有する表示デバイスと、クロック信号と、各々が画素データ片の系列からなる複数のデータ信号と、前記画素データ片の取り込み開始を示すスタートパルス信号と、を出力する表示制御部と、前記走査線の伸長方向にそって複数配置され、各々が前記複数のデータ信号に基づいて前記表示デバイスを駆動する複数のソースドライバと、を有する表示装置であって、前記複数のソースドライバの各々は、クロック信号及び前記複数のデータ信号を受信し、前記クロック信号のクロックタイミングに応じて前記複数のデータ信号を出力するインタフェース回路と、前記インタフェース回路から出力された前記複数のデータ信号を取り込み、前記表示デバイスの走査線方向の画素列に対応する複数の画素データ片毎に出力するラッチ回路と、前記ラッチ回路から出力された前記複数の画素データ片に基づいて複数の階調電圧を生成する階調電圧生成部と、前記複数の階調電圧のうちから前記画素データ片にて示される輝度レベルに対応した1の階調電圧を選択し、前記1の階調電圧を有する信号を前記表示デバイスの駆動信号として出力する出力部と、を含み、前記インタフェース回路は、前記クロック信号の入力を受け、前記複数のデータ信号のうちの少なくとも1つと前記クロック信号とに基づいて、前記ラッチ回路に前記複数のデータ信号の供給を行うデータ入力期間と前記複数のデータ信号の供給を停止する非入力期間との切り替えのタイミングを示すタイミング信号を生成するタイミング信号生成回路と、前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号のデータ入力の開始を示す第1のスタートパルス信号の入力を受け、前記タイミング信号及び前記第1のスタートパルス信号に基づいて前記ラッチ回路への前記複数のデータ信号の供給を制御するとともに、前記スタートパルス信号を遅延させた信号を前記ソースドライバに接続された他のソースドライバに出力するデータ制御回路と、前記ソースドライバに発生した異常を検出する複数の異常検出回路と、前記非入力期間において、前記複数のデータ信号に基づいて前記複数の異常検出回路のうちの1つを選択し、選択した前記異常検出回路の検出結果を示す検出結果信号を、前記タイミング信号及び前記クロック信号に応じたタイミングで出力する検出結果選択回路と、前記スタートパルス信号及び前記検出結果信号の入力を受け、前記タイミング信号に基づいて、前記スタートパルス信号及び前記検出結果選択回路の出力のうちのいずれか一方を選択的に出力するセレクタと、ゲート端子が前記セレクタの出力部に接続され且つソース端子が所定電位に接続された第1導電型のMOSトランジスタと、前記MOSトランジスタのドレイン端子に接続された信号出力ラインと、を含む信号出力部と、を有し、前記表示制御部は、前記複数のソースドライバの各々の前記信号出力部から出力された出力信号の信号レベルに基づいて、前記出力信号の信号レベルが所定レベルになった回数と前記複数のソースドライバの個数とを比較し、比較結果に基づいて前記複数のソースドライバのいずれかにおいて前記信号出力部の不良が発生しているか否かを判定するすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るインタフェース回路によれば、複数のソースドライバがカスケード接続されている場合にも、信号出力端子のオープン不良が生じているか否かを検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係る表示装置100の構成を示すブロック図である。
【
図2】ソースドライバ13の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施例のインタフェース回路14の構成を示すブロック図である。
【
図4】複数のソースドライバ及び表示制御部の接続関係を示すブロック図である。
【
図5】異常検出結果の出力動作を示すタイムチャートである。
【
図6】オープン不良の検出に関する各信号の変化を示すタイムチャートである。
【
図7】オープン不良が発生した場合の信号変化を示すタイムチャートである。
【
図8】表示制御部に設けられるオープン不良検出回路の構成を示すブロック図である。
【
図9】比較例のインタフェース回路の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施例における説明及び添付図面においては、実質的に同一又は等価な部分には同一の参照符号を付している。
【0015】
図1は、本発明に係るインタフェース回路を含む表示装置100の構成を示すブロック図である。表示装置100は、アクティブマトリクス駆動方式の液晶表示装置である。表示装置100は、表示制御部11、ゲートドライバ12A、12B、ソースドライバ13-1~13-p、及び表示デバイス20を有する。
【0016】
表示制御部11は、例えばタイミングコントローラ(TCON)等から構成され、ソースドライバ13-1~13-pに映像データ信号VD、クロック信号CLK及びライン開始信号LSを供給することにより、液晶表示パネルにおける画像の表示タイミングを制御する表示制御装置である。表示制御部11は、例えばmini-LVDS(mini-Low Voltage Differential Signaling)等の差動信号方式により、映像データ信号VDの伝送を行う。
【0017】
表示制御部11は、入力映像信号VSに基づき各画素の輝度レベルを例えば6ビットの輝度階調で表す画素データ片PDの系列を生成し、この画素データ片PDの系列を含む映像データ信号VDをソースドライバ13に供給する。以下の説明では、映像データ信号VDが、入力データ信号LV0、LV1及びLV2からなる例について説明する。なお、入力データ信号LV0、LV1及びLV2は、クロック信号CLKのクロック周期に応じて信号レベルが論理レベル1及び論理レベル0の間でレベル変化する信号であり、mini-LVDS方式によって伝送される差動信号である。以下の説明では、論理レベル1のことをHレベル(ハイレベル)、論理レベル0のことをLレベル(ローレベル)と称する。
【0018】
また、表示制御部11は、クロック信号CLKと、各水平走査ラインに対応したn個の画素データ片PDの系列の区切りとなる位置(例えば先頭位置)を示すライン開始信号LSと、をソースドライバ13-1~13-pに供給する。更に、表示制御部11は、入力映像信号VSから水平同期信号HSを検出し、ゲートドライバ12A及び12Bに供給する。
【0019】
表示デバイス20は、例えば液晶表示パネル又は有機EL(electro luminescence)パネル等からなる画像表示デバイスである。表示デバイス20には、2次元画面の水平方向に伸張するn本(nは2以上の自然数)の水平走査ラインGL1~Glnと、2次元画面の垂直方向に伸張するm本(mは2以上の自然数)のソースラインSL1~SLmとが形成されている。水平走査ライン及びソースラインの各交叉部の領域、には、画素部P11~Pnm及び画素スイッチM11~Mnmが設けられ、画素を担う表示セルが形成されている。
【0020】
ゲートドライバ12A及び12Bは、表示制御部11から供給された水平同期信号HSの同期タイミングに基づいて、ゲート信号Vg1~Vgnをゲート線GL1~GLnに供給する。ゲート信号Vg1~Vgnの供給により、画素行毎に画素部P11~Pnmが選択される。そして、選択された画素部に対して、ソースドライバ13-1~13-pから階調電圧信号Vd1~Vdmが供給されることにより、画素電極への階調電圧信号Vd1~Vdmの書き込みが行われる。
【0021】
ソースドライバ13-1~13-pは、ソース線SL1~SLmを分割した所定数のソース線毎に設けられている。各ソースドライバが駆動するソース線の本数は、当該ソースドライバの出力ch数に対応している。例えば、ソースドライバ1個あたり960chの出力を有し、表示パネルが1画素列あたりソース線1本を備えている場合、4Kパネルは12個、8Kパネルは24個のソースドライバでソース線が駆動される。ソースドライバ14-1~14-pの各々は、半導体IC(Integrated Circuit)チップに形成されている。
【0022】
ソースドライバ13-1~13-pは、映像データ信号VD、ライン開始信号LS及びクロック信号CLKに基づいて階調電圧信号Vd1~Vdmを生成し、ソースラインSL1~SLnに印加する。また、ソースドライバ13-1~13-pの各々は、自身の内部における異常を検出し、検出結果を示す異常検出信号ERRを生成して表示制御部11に供給する機能を有する。
【0023】
図2は、ソースドライバ13-1~13-pのうちの1つであるソースドライバ13-1の内部構成を示すブロック図である。ソースドライバ13-1は、ラッチ部131、階調電圧変換部132、出力部133、及びインタフェース回路14を含む。なお、他のソースドライバ13-2~13-pも同様の構成を有する。
【0024】
ラッチ部131は、表示制御部11からインタフェース回路14を介して供給された映像データ信号VDに含まれる画素データ片PDの系列を順次取り込む。ラッチ部131は、ラッチ開始信号LSに応じてソースドライバ13-1の出力ch数(すなわち、1水平走査ライン分の画素データ片をソースドライバの数に応じて分割した数)に相当する画素データ片PDの取り込みが為される度に、k個の画素データ片PDを画素データQ1~Qkとして階調電圧変換部132に供給する。
【0025】
階調電圧変換部132は、画素データQ1~Qkの各々を、その画素データQによって表される輝度階調に対応した電圧値を有する正極性及び負極性の階調電圧A1~Akに変換する。
【0026】
出力部133は、階調電圧A1~Akを夫々個別に利得1で増幅した電圧を生成し、画素駆動電圧G1~Gkとして表示デバイス20のソースラインD1~Dkに夫々供給する。
【0027】
インタフェース回路14は、表示制御部11から映像データ信号VD、クロック信号CLK及びライン開始信号LSの供給を受け、これらの信号に示されるタイミングで映像データ信号VDをラッチ部131に供給する。また、インタフェース回路14は、ソースドライバ13における異常を検出し、検出結果を示す異常検出信号ERRを表示制御部11に出力する。
【0028】
図3は、インタフェース回路14の構成を示すブロック図である。インタフェース回路14は、データ制御ブロック15及び異常検出ブロック16から構成されている。
【0029】
データ制御ブロック15は、コントロール信号入力モード検知回路151及び入力データ制御回路152を有する。また、データ制御ブロック15は入力端子T1、T2、T3及びT4を有し、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0~LV2の入力を受ける。入力端子T1、T2、T3及びT4は、夫々データ信号ライン(図示せず)により表示制御部11に接続されている。
【0030】
入力端子T1に入力されたクロック信号CLKは、コントロール信号入力モード検知回路151及び入力データ制御回路152に供給される。入力端子T2に入力された入力データ信号LV0は、コントロール信号入力モード検知回路151、入力データ制御回路152及び異常検出ブロック16の異常検出セレクト回路168に供給される。入力端子T3及びT4に入力された入力データ信号LV1及びLV2は、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給される。
【0031】
コントロール信号入力モード検知回路151は、表示制御部11からライン開始信号LSの供給を受けるとともに、入力端子T1及びT2を介してクロック信号CLK及び入力データ信号LV0の供給を受ける。コントロール信号入力モード検知回路151は、ライン開始信号LS、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0に基づいて、ラッチ回路131への入力データLV0、LV1及びLV1の供給を行うデータ入力モードの期間(データ入力期間)と、ラッチ回路131への入力データLV0、LV1及びLV2の供給を行わず入力データ信号以外の制御信号(コントロール信号)の入力を行うコントロール信号入力モードの期間(データ非入力期間)とを検知する。例えば、コントロール信号入力モード検知回路151は、入力データ信号LV0の信号レベルが2クロック期間の間論理レベル1となり、続くクロック期間で論理レベル0となった場合(すなわち、H→H→Lへと3クロック期間に亘って変化した場合)に、コントロール信号入力モードからデータ入力モードに切り替わったことを検知する。
【0032】
コントロール信号入力モード検知回路151は、コントロール信号入力モードであるか否かを信号レベルによって示すコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給する。このコントロールモード信号CTMは、コントロール信号入力モードの期間とデータ入力モードの期間との切り替えのタイミングを信号レベルの変化によって示すタイミング信号としての性質を有する。
【0033】
入力データ制御回路152は、データ入力モードの期間において、入力データ信号LV0、LV1及びLV2をラッチ回路131に供給する。
【0034】
また、入力データ制御回路152は、カスケード接続された隣接する他のソースドライバ(すなわち、カスケード接続されたソースドライバ)のインタフェース回路内に設けられた入力データ制御回路に、信号ラインL1及びL2を介して接続されている。入力データ制御回路152は、信号ラインL1に接続された信号入力端子SPOIと、信号ラインL2に接続された信号出力端子SPIOと、を有する。入力データ制御回路152は、隣接する1のソースドライバ又は表示制御部11から、信号ラインL1を介してスタートパルス信号SP(第1のスタートパルス信号)の供給を受ける。そして、入力データ制御回路152は、受信したスタートパルス信号SPを遅延させたスタートパルス信号SP(第2のスタートパルス信号)を生成し、他のソースドライバ又は表示制御部11に供給する。スタートパルス信号SPは、データ入力の開始を示す信号であり、ソースドライバのカスケード接続時にmini-LVDSの画像データの入力のタイミングを各ソースドライバにおいて認識するために用いられる。
【0035】
図4は、カスケード接続された複数のソースドライバと表示制御部11との接続関係を模式的に示すブロック図である。ここでは、ソースドライバの個数が3個の場合(すなわち、
図1のブロック図においてp=3の場合)を例として示している。
【0036】
表示制御部11からソースドライバ13-1、13-2及び13-3の各々に、ライン開始信号LS、クロック信号CLK及び入力データ信号LV0~LV2がそれぞれ供給される。また、表示制御部11から出力されたスタートパルス信号SPは、ソースドライバ13-3に供給され、ソースドライバ13-2、ソースドライバ13-1へと順次供給される。
【0037】
また、ソースドライバ13-1~13-3の各々は、異常検出信号ERRを出力して表示制御部11に供給するためのFD_OUT端子を有する。
【0038】
再び
図3を参照すると、異常検出ブロック16は、第1異常検出回路161、第2異常検出回路162、第3異常検出回路163、第4異常検出回路164、第5異常検出回路165、第6異常検出回路166及び第7異常検出回路167(以下、これらをまとめて第1~第7異常検出回路161~167と称する)と、異常検出セレクト回路168とを有する。
【0039】
第1~第7異常検出回路161~167は、ソースドライバ13内における温度異常、電圧異常、極性反転の異常等の異常状態を検出する。なお、第1~第7異常検出回路161~167は、夫々異なる種類の異常を検出する。第1~第7異常検出回路161~167は、各々の異常検出の結果を示す検出結果信号ER1~ER7を異常検出セレクト回路168に供給する。
【0040】
異常検出セレクト回路168は、データ制御ブロック15から供給されたコントロールモード信号CTM、入力データ信号LV0、LV1及びLV2に基づいて第1~第7異常検出回路161~167のうちの1つを異なるクロックタイミングで選択し、選択した異常検出回路の検出結果信号を異常検出信号ERRとして出力する。
【0041】
また、異常検出ブロック16は、オープンドレイン端子を構成するトランジスタを含む信号出力部17と、オープンドレイン端子の不良(以下、オープン不良と称する)を検知するための追加回路であるセレクタ18と、を有する。
【0042】
信号出力部17は、第1導電型であるNチャネル型のMOSトランジスタからなるトランジスタTR1と、トランジスタTR1のドレイン端子に接続された信号出力ラインL3と、を含む。
【0043】
トランジスタTR1のソース端子は接地され、所定電位(すなわち、本実施例では接地電位)に接続されている。トランジスタTR1のゲート端子は、セレクタ18の出力部に接続されている。トランジスタTR1のドレイン端子は、FD_OUT信号を出力する信号出力ラインL3に接続されている。すなわち、トランジスタTR1のドレイン端子は、FD_OUT信号を出力するオープンドレイン端子(以下の説明では、FD_OUT端子とも称する)を構成している。
【0044】
セレクタ18は、異常検出セレクト回路168から出力された異常検出信号ERR、及び入力データ制御回路152から出力されたスタートパルス信号SPの入力を受け、これらの信号のうちの一方を選択的に切り替えて出力するセレクタである。セレクタ18は、コントロール信号入力モード検知回路151からコントロールモード信号CTMの供給を受け、コントロールモード信号CTMの信号レベルに応じて出力信号の切り替えを行う。例えば、コントロールモード信号CTMの信号レベルがHレベルである場合、セレクタ18は、異常検出信号ERRを出力する。例えば、コントロールモード信号CTMの信号レベルがLレベルである場合、セレクタ18は、スタートパルス信号SPを出力する。
【0045】
セレクタ18の出力信号は、トランジスタTR1のゲート端子に供給される。これにより、セレクタ18の出力信号がHレベルである場合には、トランジスタTR1がオン状態となり、接地電位レベル(すなわち、Lレベル)の信号がFD_OUT端子から出力される。
【0046】
次に、データ制御ブロック15及び異常検出ブロック16の動作について、
図5及び
図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、コントロール信号入力モードの期間において行われる異常検出動作について、
図5のタイムチャートを参照して説明する。なお、コントロールモード信号CTMは、コントロール信号入力モードの期間においてHレベル、データ入力モードの期間においてLレベルの信号レベルを有する信号である。また、異常検出信号ERRは、異常が検出されない正常な状態ではHレベル、異常が検出された場合にはLレベルの信号レベルを有する信号である。
【0048】
コントロール信号入力モード検知回路151は、ライン開始信号LSが立ち上がるタイミングに合わせて信号レベルがHレベルとなるコントロールモード信号CTMを生成し、入力データ制御回路152及び異常検出セレクト回路168に供給する。コントロールモード信号CTMがHレベルの期間はコントロール信号入力モードの期間(すなわち、データ非入力期間)であるため、入力データ制御回路152はラッチ部131への入力データ信号LV0、LV1及びLV2の供給を行わない。一方、異常検出セレクト回路168は、当該期間において第1~第7異常検出回路161~167の選択及び検出結果の出力を行う。
【0049】
入力データ信号LV0、LV1及びLV2の信号レベルがいずれもLレベルの場合、異常検出セレクト回路168は第1~第7異常検出回路161~167をいずれも選択せず、Hレベルの異常検出信号ERRを出力する。
【0050】
入力データ信号LV0及びLV2がLレベル、入力データ信号LV1がHレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第1異常検出回路161を選択する。異常検出セレクト回路168は、第1異常検出回路161から供給された検出結果信号ER1に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0051】
入力データ信号LV0及びLV1がLレベル、入力データ信号LV2がHレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第2異常検出回路162を選択する。異常検出セレクト回路168は、第2異常検出回路162から供給された検出結果信号ER2に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0052】
入力データ信号LV0がLレベル、入力データ信号LV1及びLV2がHレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第3異常検出回路163を選択する。異常検出セレクト回路168は、第3異常検出回路163から供給された検出結果信号ER3に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0053】
入力データ信号LV0がHレベル、入力データ信号LV1及びLV2がLレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第4異常検出回路164を選択する。異常検出セレクト回路168は、第4異常検出回路164から供給された検出結果信号ER4に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0054】
入力データ信号LV0及びLV1がHレベル、入力データ信号LV2がLレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第5異常検出回路165を選択する。異常検出セレクト回路168は、第5異常検出回路165から供給された検出結果信号ER5に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0055】
入力データ信号LV0及びLV2がHレベル、入力データ信号LV1がLレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第6異常検出回路166を選択する。異常検出セレクト回路168は、第6異常検出回路166から供給された検出結果信号ER6に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0056】
入力データ信号LV0、LV1及びLV2がいずれもHレベルとなった場合、異常検出セレクト回路168は、第7異常検出回路167を選択する。異常検出セレクト回路168は、第7異常検出回路167から供給された検出結果信号ER7に応じて、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有する異常検出信号ERRを出力する。
【0057】
セレクタ18は、Hレベルのコントロールモード信号の供給に応じて、異常検出信号ERRを出力する。これにより、異常検出信号ERRの信号レベルに応じてトランジスタTR1がオン又はオフに制御され、異常が検出された場合にはLレベル、検出されなかった場合にはHレベルの信号レベルを有するFD_OUT信号がFD_OUT端子から出力される。
【0058】
その後、入力データ信号LV0がLレベルになると、入力データ信号LV0の3クロック期間に亘る信号レベルの変化がH→H→Lであることから、コントロール信号入力モード検知回路151は、コントロール信号入力モードからデータ入力モードに移行したことを検知し、コントロールモード信号CTMの信号レベルをLレベルに変化させる。
【0059】
Lレベルのコントロールモード信号CTMの供給を受け、異常検出セレクト回路168は、異常検出回路の選択を停止する。異常検出セレクト回路168は、信号レベルがHレベルに固定された異常検出信号ERRを出力する。
【0060】
入力データ制御回路152は、コントロールモード信号CTMの信号レベルがLレベルに変化したことを受け、入力データ信号LV0、LV1及びLV2のラッチ回路131への供給を開始する。
【0061】
次に、データ入力モードの期間において行われるオープン異常検知処理の処理動作について、
図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0062】
コントロールモード信号CTMの信号レベルがLレベルとなり、クロック信号CLKの立ち上がりで入力データ信号LV0の信号レベルがH→H→Lと変化したことを検知すると、ソースドライバ13-1(
図6のドライバ1)の入力データ制御回路152は、スタートパルス信号SPを出力する。スタートパルス信号SPは、所定期間に亘ってHレベルとなる1パルスの信号である。スタートパルス信号SPは、信号出力端子SPIOから隣接する他のソースドライバに向けて出力されるとともに、セレクタ18に供給される。
【0063】
セレクタ18は、Lレベルのコントロールモード信号CTMの供給を受けて出力信号の切り替えを行い、スタートパルス信号SPを出力する。
【0064】
トランジスタTR1は、ゲート端子にスタートパルス信号SPの印加を受け、スタートパルス信号SPの信号レベルがHレベルの期間においてオン状態となる。これにより、トランジスタTR1のドレイン端子からLレベルのFD_OUT信号が出力される。
【0065】
同様の動作が、ソースドライバ13-1、13-2及び13-3の各々において順次行われる。すなわち、
図6に示すように、スタートパルス信号SPとは逆の論理で所定期間の間LレベルとなるFD_OUT信号が各々のソースドライバについて順次出力され、表示制御部11に供給される。
【0066】
図7は、ソースドライバ13-3(ドライバ3)にオープン不良があった場合のFD_OUT信号の信号レベルを示すタイムチャートである。ソースドライバ13-3にオープン不良があった場合、本来はソースドライバ13-3からLレベルのFD_OUT信号が出力されるべき期間(図中に破線の円で示す部分)において、HレベルのFD_OUT信号が出力される。
【0067】
表示制御部11は、ソースドライバ13-1~13-3の各々からFD_OUT信号の供給を受け、FD_OUT信号のLレベルの回数とソースドライバの数(例えば、本実施例では“3”)とを比較することにより、ソースドライバ13-1~13-3のいずれかにオープン不良があるか否かを判定する。
【0068】
図8は、表示制御部11の内部に設けられる不良検知回路110の構成例を示すブロック図である。不良検知回路110は、ORゲート111、カウンタ112、比較部113、ディレイ回路114、及びDフリップフロップ115から構成されている。
【0069】
NORゲート111は、ソースドライバ13-1から出力されたFD_OUT信号(以下、第1FD_OUT信号(1)と称する)、ソースドライバ13-2から出力されたFD_OUT信号(以下、第2FD_OUT信号(2)と称する)、及びソースドライバ13-3から出力されたFD_OUT信号(以下、第3FD_OUT信号(3)と称する)の入力を受け、これらの否定論理和からなる否定論理和信号NRSを出力する。第1FD_OUT信号(1)、第2FD_OUT信号(2)及び第3FD_OUT信号(3)のうちの少なくとも1つがLレベルになった場合、Lレベルの否定論理和信号NRSが出力される。
【0070】
カウンタ112は、否定論理和信号NRSのLレベルをカウントするカウンタである。カウンタ112は、Lレベルの否定論理和信号NRSの供給に応じてカウントアップを行い、カウント値COUTを出力する。カウンタ112のリセット端子にはスタートパルス信号SPが供給され、スタートパルス信号SPの立ち上がりに応じてカウント値COUTがリセットされる。
【0071】
比較部113は、カウント値COUTと、ソースドライバの数(本実施例では、3)とを比較し、一致した場合には“1”、不一致の場合には“0”を示す比較結果信号CRSを出力する。なお、ソースドライバの数についての情報は、例えば表示制御部11内のメモリ(図示せず)に格納されており、当該メモリから読み出された情報が比較部113に供給される。
【0072】
ディレイ回路114は、スタートパルス信号SPを所定期間遅らせたディレイ信号DS信号を生成し、Dフリップフロップ115のクロック端子に供給する。
【0073】
Dフリップフロップ115は、比較部113から出力された比較結果信号CRSの信号値をディレイ信号DSに同期して読み込み、所定期間保持した後、不良判定信号JSとして出力する。
【0074】
不良判定信号JSの信号レベルにより、ソースドライバ13-1~13-3のオープンドレイン端子がいずれも正常であるか、あるいは少なくとも1つにオープン不良があるかが判定される。例えば、FD_OUT信号のLレベルの数とソースドライバの数とが一致していれば、いずれのソースドライバにもオープン不良が生じていない(すなわち、正常である)ことを示すHレベルの不良判定信号JSが出力される。一方、FD_OUT信号のLレベルの数とソースドライバの数とが一致していない場合、いずれかのソースドライバにおいてオープン不良が生じている(すなわち、異常である)ことを示すLレベルの不良判定信号JSが出力される。
【0075】
以上のように、本実施例のインタフェース回路14では、オープンドレイン端子の不良がない場合、スタートパルス信号SPの供給のタイミングに応じて、LレベルのFD_OUT信号が出力され、表示制御部11に供給される。表示制御部11は、ソースドライバ13-1~13-3の各々からFD_OUT信号を受信し、FD_OUT信号の信号レベルがLレベルになった回数とソースドライバの数とを比較することにより、ソースドライバ13-1~13-3にオープン不良が生じているか否かを判定(すなわち、ソースドライバのいずれかにオープン不良が生じていること又はいずれのソースドライバにもオープン不良が生じていないことを検知)する。
【0076】
したがって、本実施例に係るインタフェース回路14によれば、カスケード接続された複数のソースドライバのうちのいずれかに信号出力端子のオープン不良が生じている場合に、それを検知することが可能となる。
【0077】
図9は、本実施例のインタフェース回路14とは異なり、セレクタ18に相当する構成を有しない比較例のインタフェース回路24の構成を示すブロック図である。本実施例のインタフェース回路14とは異なり、比較例のインタフェース回路24では、スタートパルス信号SPの供給タイミングにかかわらず、異常検出セレクト回路168の出力に応じた電圧がトランジスタTR1のゲート端子に印加される。
【0078】
比較例のインタフェース回路24では、入力データ信号LV0、LV1及びLV2の信号レベルが全てHレベルになった場合に、LレベルのFD_OUT信号を出力するように構成することにより、FD_OUT端子のオープン不良を検知することができる。しかし、複数のソースドライバがカスケード接続されている場合、ソースドライバのうちの1つ(例えば、
図4のソースドライバ13-3)のFD_OUT端子に断線が生じていたとしても、他のソースドライバ(例えば、
図4のソースドライバ13-1及び13-2)がLレベルのFD_OUT信号を出力するため、表示制御部11はいずれのソースドライバにもオープン不良が生じていないと判定してしまう。
【0079】
これに対し、本実施例のインタフェース回路14によれば、複数のソースドライバの各々が異なるタイミングでFD_OUT信号を出力するため、表示制御部11は、LレベルのFD_OUT信号の数をカウントし、ソースドライバの数と比較することにより、ソースドライバ13-1~13-3のいずれかにオープン不良が生じていないかどうかを判定することができる。
【0080】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上記実施例では、ソースドライバの数が3個である場合を例として説明したが、ソースドライバの個数はこれに限られない。
【0081】
また、各信号の信号レベル(H及びL)の組み合わせは、適宜変更可能である。例えば、上記実施例では、オープン不良が生じていない場合にLレベルのFD_OUT信号を出力する構成について説明したが、信号レベルを反転させてHレベルのFD_OUT信号を出力する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0082】
11 表示制御部
12 ゲートドライバ
13 ソースドライバ
14 インタフェース回路
15 データ制御ブロック
16 異常検出ブロック
17 信号出力部
18 セレクタ
20 表示デバイス
100 表示装置
131 ラッチ部
132 階調電圧変換部
133 出力部
151 コントロール信号入力モード検知回路
152 入力データ制御回路
161~167 異常検出回路
168 異常検出セレクト回路