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特許7560343コンデンサ素子用の金属化フィルムおよびそれを用いた金属化フィルムコンデンサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】コンデンサ素子用の金属化フィルムおよびそれを用いた金属化フィルムコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/32 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
H01G4/32 511A
H01G4/32 544
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020207546
(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公開番号】P2022094587
(43)【公開日】2022-06-27
【審査請求日】2023-06-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】割山 知昭
【審査官】田中 晃洋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-077215(JP,U)
【文献】特開2008-283102(JP,A)
【文献】特開2008-263172(JP,A)
【文献】特開平06-168844(JP,A)
【文献】特開平09-275029(JP,A)
【文献】特開平2-138720(JP,A)
【文献】特開平9-260189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体フィルムと、この誘電体フィルムを間に挟む第1および第2の蒸着電極とを有し、
前記第1の蒸着電極は、
フィルム長手方向に沿うライン上に列状に並べられて形成された複数の第1の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で複数の区画領域に区画され、
フィルム長手方向で隣り合う前記第1の長手方向絶縁スリットどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間が隣り合う前記区画領域どうしを電気的に接続する第1のヒューズ部に形成され、
前記第2の蒸着電極は、
フィルム長手方向に沿うライン上に列状に並べられて形成された複数の第2の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で複数の区画領域に区画され、
フィルム長手方向で隣り合う前記第2の長手方向絶縁スリットどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間が隣り合う前記区画領域どうしを電気的に接続する第2のヒューズ部に形成され、
前記第1の蒸着電極は、
フィルム幅方向の一側方端部に位置して第1の極性の電極引出し部に対して電気的に接続される第1の接続用辺縁部と、前記第1の接続用辺縁部に接続される第1の外部直結型の区画領域と、前記第1のヒューズ部を介して前記第1の外部直結型の区画領域と接続される第1の外部非直結型の区画領域とを有し、
前記第2の蒸着電極は、
フィルム幅方向の他側方端部に位置して第2の極性の電極引出し部に対して電気的に接続される第2の接続用辺縁部と、前記第2の接続用辺縁部に接続される第2の外部直結型の区画領域と、前記第2のヒューズ部を介して前記第2の外部直結型の区画領域と接続される第2の外部非直結型の区画領域とを有し、
前記第1の長手方向絶縁スリットが並べられているラインと前記第2の長手方向絶縁スリットが並べられているラインはフィルム幅方向で位置を異にし、
前記第1の外部直結型の区画領域は、そのフィルム幅方向における占有幅が前記第1の外部非直結型の区画領域に比べて小さく構成され、
前記第2の外部直結型の区画領域は、そのフィルム幅方向における占有幅が前記第2の外部非直結型の区画領域に比べて小さく構成され、
前記第1の外部直結型の区画領域と前記第2の外部直結型の区画領域とは互いに重ならない配置関係に構成されており、
前記第1の蒸着電極において、フィルム長手方向で隣接する前記第1の長手方向絶縁スリットどうし間の前記第1のヒューズ部を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第1の幅方向絶縁スリットが前記各第1のヒューズ部ごとに対応して形成され、前記第1の幅方向絶縁スリットはその一端側が前記第1のヒューズ部を越えて前記第1の接続用辺縁部側に延在するとともに、他端側が前記誘電体フィルムの辺縁に沿って細長く連続的に形成された金属非蒸着部としての第1の絶縁マージンにまで達しており、
前記第2の蒸着電極において、前記第1の蒸着電極におけるのと同様に、前記第2のヒューズ部を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第2の幅方向絶縁スリットが前記各第2のヒューズ部ごとに対応して形成され、前記第2の幅方向絶縁スリットはその他端側が前記第2のヒューズ部を越えて前記第2の接続用辺縁部側に延在するとともに、一端側が前記誘電体フィルムの辺縁に沿って細長く連続的に形成された金属非蒸着部としての第2の絶縁マージンにまで達しており、
前記第1の幅方向絶縁スリットと前記第2の幅方向絶縁スリットとは、前記第1の蒸着電極と前記第2の蒸着電極との重なり方向において、フィルム長手方向での配列位置が互いにずれているコンデンサ素子用の金属化フィルム。
【請求項2】
前記第1および第2の蒸着電極の各々において、フィルム幅方向で複数の領域に区画された前記区画領域は、その数がそれぞれ2に制限されている請求項1に記載のコンデンサ素子用の金属化フィルム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンデンサ素子用の金属化フィルムを巻回して巻回体を構成するとともに、前記巻回体において、前記第1の蒸着電極のフィルム幅方向の一側方端部に位置する第1の外部直結型の区画領域が第1の極性の電極引出し部に対して電気的に接続され、前記第2の蒸着電極のフィルム幅方向の他側方端部に位置する第2の外部直結型の区画領域が第2の極性の電極引出し部に対して電気的に接続されている金属化フィルムコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として充放電用や交流用の金属化フィルムコンデンサおよびコンデンサ素子用の金属化フィルムにかかわり、特には誘電体フィルム上に形成される蒸着電極の蒸着パターンの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
充放電用コンデンサは直流用のコンデンサと同様、誘電体フィルムの片面または両面に金属蒸着による蒸着電極が形成されていて、強磁場発生装置や遮断器試験装置やフラッシュランプ点灯装置などに適用される。その蒸着電極のパターンとしては自己保安機構(ヒューズ付きの分割電極)を有しない「べた蒸着タイプ」と自己保安機構ありの「パターン蒸着タイプ」とがある。自己保安機構ありの「パターン蒸着タイプ」としては、例えば特許文献1記載の金属化フィルムコンデンサが知られている。
【0003】
図9に自己保安機構なしの「べた蒸着タイプ」と自己保安機構ありの「パターン蒸着タイプ」における静電容量の経時的変化を示す。充放電用コンデンサの静電容量維持の特性を比較したものである。
【0004】
(1)べた蒸着タイプの充放電用コンデンサ
べた蒸着タイプの充放電用コンデンサにあっては、1枚の誘電体フィルムを挟む一対の蒸着電極がともに広い領域にわたって連続したままの非分割状態(べた)の電極パターンを有している。「べた」というのは分割電極を形成しないで、金属蒸着領域がほぼ隙間なく全面にわたって連続的に展開している状態のことである。分割電極を形成しないのでヒューズ部もなく、自己保安機構は備えていない。静電容量の変化について、べた蒸着タイプの充放電用コンデンサにおいては、自己回復機能による蒸着金属の飛散によってわずかに容量減少を生じるものの、分割電極形成のための蒸着パターンがないので使用初期から寿命末期までの間、静電容量の低下が殆どなく、比較的長い期間にわたって必要エネルギーを維持することが可能である。
【0005】
なお、使用初期で静電容量が増加しているのは、電圧印加によりコンデンサ素子が締め付けられることで電極間隔が小さくなることによる。この現象は後述するパターン蒸着タイプの充放電用コンデンサにも同様に発生するが、パターン蒸着タイプではパターン消失による静電容量減少が電界締付による静電容量増加を上回っているため、容量増加分が見えなくなっている。
【0006】
べた蒸着タイプの充放電用コンデンサにあっては、蒸着電極の膜抵抗値を高くする(金属蒸着膜の膜厚を薄くする)ことで金属蒸着時の誘電体フィルムへのダメージを容易に抑制できる。この高膜抵抗化により部分的絶縁破壊時には蒸着金属の飛散が効率良く行われ、放電エネルギーは小さくてすむ。その結果として、重なり合う誘電体フィルムへのダメージ、絶縁性の低下が抑制され、自己回復性能と耐電圧性能を向上させることができる。
【0007】
(2)パターン蒸着タイプの充放電用コンデンサ
パターン蒸着タイプの充放電用コンデンサにあっては、金属化フィルムにおける金属蒸着部には、複数の分割電極とヒューズ部からなる自己保安機構が構成される。コンデンサ素子において誘電体フィルムを挟んで対向する一対の蒸着電極間で部分的絶縁破壊が生じた場合、部分的絶縁破壊の生じた分割電極に対してヒューズ部を介して周囲の分割電極から大きな電流を流れ込ませることによりヒューズ部の蒸着金属を飛散させる。この動作により、部分的絶縁破壊が生じた分割電極を隣接する他の分割電極から切り離し、絶縁を回復させてショート破壊を防止し、高い安全性を確保する。結果的に、自己回復時のエネルギーを小さく抑制しつつ、自己回復性に加え自己保安性を持たせ、耐電圧性能を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第4704951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記(1),(2)の互いにタイプを異にする2種類の充放電用コンデンサにはそれぞれ一長一短がある。
【0010】
(1)の自己保安機構を有しないべた蒸着タイプの充放電用コンデンサの場合、(2)のパターン蒸着タイプの充放電用コンデンサに比べて自己保安性能が劣ることは避けがたく、寿命末期近くでは誘電体フィルムを挟む一対の蒸着電極間の絶縁が消失するショート破壊の可能性がある。
【0011】
一方、(2)のパターン蒸着タイプで自己保安機構付きの充放電用コンデンサの場合、隣接する複数の分割電極どうし間を仕切る絶縁スリットのために、蒸着金属の外縁角部(エッジ)(絶縁スリットの内縁角部)の範囲が多くなる。その結果、静電容量に寄与する有効電極面積の低下が避けられない。また、蒸着金属の外縁角部は電界が集中するため電圧変動による放電が発生しやすく、蒸着金属の飛散や誘電体フィルムの部分的絶縁破壊が誘発されやすくなる。その結果、電圧変動が頻回に繰り返され、静電容量の低下率が大きなものとなる。特に電圧変動が大きい充放電用や交流用では使用初期における容量低下率が大きい。
【0012】
充放電用コンデンサはエネルギーを蓄積した上で供給を行うので、エネルギー維持には静電容量が重要なファクターとなっている。すなわち、寿命末期に至るまでの静電容量の大幅な低下が問題となる。
【0013】
静電容量の減少を抑制するには誘電体フィルムに対する印加電圧を下げる必要があるが、その対策をとるとコンデンササイズの大型化を招くことになる。
【0014】
図9に示すように、べた蒸着タイプの場合、使用初期から寿命末期までの長期間にわたり所要の静電容量を維持することができる。しかし、寿命末期になると、ショート破壊を引き起こすおそれがある。一方、自己保安機構付きの場合、使用初期から早期のうちに静電容量の低下が著しく、所要のエネルギーを持続的に発揮できないという大きな問題があった。
【0015】
これまでの充放電用コンデンサにおける対応策としては、「蒸着金属の高膜抵抗化」か「自己保安機構付き」かのいずれか一方のみであった。近時の当該業界における要請に対して、自己保安機構なしのべた蒸着タイプではエネルギー維持の特性と自己回復性があるものの、自己保安性の面では満足できる状況にはなく、他方、自己保安機構付きのパターン蒸着タイプにおいては、安全性と耐電圧性のさらなる向上を図りたいが、上記のとおり静電容量の低下の問題を解消できていないのが実情である。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みて創作したものであり、充放電用コンデンサに好適なコンデンサ素子用の金属化フィルムに関して、自己回復性と自己保安性とを兼ね備えさせつつ、高エネルギー密度化と静電容量低下の抑制とを図り、耐電圧性能をさらに向上させ、もって充放電用コンデンサとしての総合的な特性を優れたものにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、次の手段を講じることにより上記の課題を解決する。
【0018】
本発明によるコンデンサ素子用の金属化フィルムは、
誘電体フィルムと、この誘電体フィルムを間に挟む第1および第2の蒸着電極とを有し、
前記第1の蒸着電極は、
フィルム長手方向に沿うライン上に列状に並べられて形成された複数の第1の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で複数の区画領域に区画され、
フィルム長手方向で隣り合う前記第1の長手方向絶縁スリットどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間が隣り合う前記区画領域どうしを電気的に接続する第1のヒューズ部に形成され、
前記第2の蒸着電極は、
フィルム長手方向に沿うライン上に列状に並べられて形成された複数の第2の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で複数の区画領域に区画され、
フィルム長手方向で隣り合う前記第2の長手方向絶縁スリットどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間が隣り合う前記区画領域どうしを電気的に接続する第2のヒューズ部に形成され、
前記第1の蒸着電極において、フィルム幅方向で区画された複数の前記区画領域のうちフィルム幅方向の一側方端部に位置する第1の外部直結型の区画領域は第1の極性の電極引出し部に対して電気的に接続される第1の接続用辺縁部を有し、
前記第2の蒸着電極において、フィルム幅方向で区画された複数の前記区画領域のうちフィルム幅方向の他側方端部に位置する第2の外部直結型の区画領域は第2の極性の電極引出し部に対して電気的に接続される第2の接続用辺縁部を有し、
前記第1の長手方向絶縁スリットが並べられているラインと前記第2の長手方向絶縁スリットが並べられているラインはフィルム幅方向で位置を異にしていることを特徴とする。
【0019】
本発明の上記の構成によれば、次のような作用が発揮される。
【0020】
第1の蒸着電極、第2の蒸着電極のいずれにおいてもその全体的な蒸着領域が、フィルム長手方向(MD)に沿うラインに沿って列状に並べられた複数の第1および第2の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向(TD)で複数の区画領域に区画されている。この場合に、ラインに沿って列状に並べられた複数の第1および第2の長手方向絶縁スリットにおいて、フィルム長手方向で隣り合う第1の長手方向絶縁スリットどうし間および第2の長手方向絶縁スリットどうし間はそれぞれ第1および第2のヒューズ部に形成されている。その第1および第2のヒューズ部は、フィルム幅方向で隣接する区画領域どうしを電気的に接続している。
【0021】
第1および第2の各蒸着電極における複数の第1および第2の長手方向絶縁スリットが列状に並べられているラインが誘電体フィルムにおいてフィルム幅方向で占める位置は、第1の蒸着電極と第2の蒸着電極とで互いに位置を異にしている。断面構造で捉えると、次のようにいうことができる。フィルム長手方向に対して垂直でかつフィルム幅方向に沿って展開する切断面において、第1の蒸着電極における第1の長手方向絶縁スリットの位置と第2の蒸着電極における第2の長手方向絶縁スリットの位置とがフィルム幅方向で互いに位置を異にしている。
【0022】
第1の蒸着電極における第1のヒューズ部のフィルム幅方向での位置は、誘電体フィルムを挟んで対向している第2の蒸着電極における区画領域の中間部分の位置に対応している。一方、第2の蒸着電極における第2のヒューズ部のフィルム幅方向での位置は、第1の蒸着電極における区画領域の中間部分の位置に対応している。
【0023】
上記のように構成された金属化フィルムを用いた金属化フィルムコンデンサにおいては、その使用の初期にはヒューズが動作していないので、第1の蒸着電極においても第2の蒸着電極においても、すべての区画領域がヒューズ部を介して1枚物の蒸着電極を構成している。第1、第2のいずれの蒸着電極においても、すべてのヒューズ部の蒸着金属が部分的絶縁破壊によって飛散しない限り、フィルム長手方向に沿うラインを境として隣接する一方の区画領域と他方の区画領域とはそれぞれの全領域が電気的に接続されている状態が保たれる。すなわち、第1の蒸着電極においても第2の蒸着電極においてもヒューズ部がすべて動作してその蒸着金属が飛散しなければ、第1の蒸着電極も第2の蒸着電極も1枚物のべた電極状態を維持する。
【0024】
対の蒸着電極がともに1枚物のべた電極状態に維持されていれば、充放電用コンデンサは自己保安機能を発揮することはないが、部分的絶縁破壊時にはべた状態の蒸着金属の飛散が効率良く行われるので、放電エネルギーは小さいものですむ。その結果、両蒸着電極間の誘電体フィルムへのダメージ、絶縁性の低下が抑制され、寿命末期まで高い自己回復性能と耐電圧性能を持続させることができる。つまり、自己保安機構付きのパターン蒸着タイプにもかかわらず、初期状態とあまり変わらない大きな静電容量を長期間保持することができる。
【0025】
多数あるヒューズ部は使用の時間経過に伴って少しずつ動作してゆく。寿命末期に近づくに従って蒸着金属が飛散するヒューズ部の数が増えてゆき、最終的には第1の蒸着電極および第2の蒸着電極の両者においてそれぞれすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散することになる。
【0026】
第1および第2の蒸着電極においてすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至ると、当初において複数の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で区画されていた複数の区画領域は互いに電気的に分離(絶縁)された状態となる。この場合のより詳しい態様は次のようなものである。
【0027】
第1の蒸着電極における一側方端部の第1の外部直結型の区画領域は第1の極性の電極引出し部(メタリコン)に接続されている。第2の蒸着電極における他側方端部の第2の外部直結型の区画領域は第2の極性の電極引出し部に接続されている。
【0028】
そして、第1の蒸着電極における一側方端部の第1の外部直結型の区画領域は、第2の蒸着電極における同一側方端部の区画領域(第2の外部非直結型の区画領域)に対して位置的面積的にちょうどに対向するのではなく、第2の蒸着電極における同一側方端部の第2の外部非直結型の区画領域の一部分に対して対向し、フィルム幅方向一端部での静電容量部(第1の静電容量部)を形成する。
【0029】
また、第2の蒸着電極における他側方端部の第2の外部直結型の区画領域は、第1の蒸着電極における同他側方端部の区画領域(第1の外部非直結型の区画領域)に対して位置的面積的にちょうどに対向するのではなく、第1の蒸着電極における同他側方端部の第1の外部非直結型の区画領域の一部分に対して対向し、フィルム幅方向他端部での静電容量部(第nの静電容量部)を形成する。
【0030】
第1の蒸着電極における複数の区画領域は前記の一側方端部の第1の外部直結型の区画領域とそれ以外の1または2以上の第1の外部非直結型の区画領域とに区別される。同様に、第2の蒸着電極における複数の区画領域は前記の他側方端部の第2の外部直結型の区画領域とそれ以外の1または2以上の第2の外部非直結型の区画領域とに区別される。
【0031】
さらに、第2の外部非直結型の区画領域において、第1の外部直結型の区画領域に対向する一部分を除く残りの部分(幅方向の中央寄り部分)は、第1の外部非直結型の区画領域の一部分に対して対向し、静電容量部(第2の静電容量部)を形成する。
【0032】
また、第1の外部非直結型の区画領域において、第2の外部直結型の区画領域に対向する一部分を除く残りの部分(幅方向の中央寄り部分)は、第2の外部非直結型の区画領域の一部分に対して対向し、静電容量部(第n-1の静電容量部)を形成する。
【0033】
整数nは奇数(3,5‥)である。n=3の場合、前記「第n-1の静電容量部」が前記「第2の静電容量部」と同じとなり、n≧5である場合、第1の外部非直結型の区画領域の一部分と第2の外部非直結型の区画領域の一部分とが対向する。すべての静電容量部が第1の極性の電極引出し部と第2の極性の電極引出し部との間で少なくとも3つの直列の状態とされた静電容量部の1つに該当する。換言すれば、第1の極性の電極引出し部と第2の極性の電極引出し部との間には少なくとも3つの直列接続された静電容量部が存在する。
【0034】
上記で「第1および第2の蒸着電極はそれぞれ、フィルム長手方向に沿うライン上に列状に並べられて形成された複数の第1および第2の長手方向絶縁スリットによってフィルム幅方向で複数の区画領域に区画され」ている旨を述べたが、その「複数の区画領域に区画」の複数をm個(mは2以上の自然数)、第1から第nまでの形成される静電容量部の数(第1の極性の電極引出し部と第2の極性の電極引出し部との間に形成される静電容量部の総数ではなく、第1の極性の電極引出し部から第2の極性の電極引出し部に至る最短の電気的経路上に存在する直列接続された静電容量部の数)をnとして、n=2m-1の関係にある(nは3以上の奇数)。
【0035】
以上のようにして、第1・第2双方の蒸着電極におけるすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至ると、第1の蒸着電極において第1の極性の電極引出し部に電気的に接続されている部分と第2の蒸着電極において第2の極性の電極引出し部に電気的に接続されている部分との間で、前記「第1の静電容量部」、「第2の静電容量部」…「第nの静電容量部)」のn個の静電容量部の直列回路が形成されることになる。
【0036】
説明が前後するが、第1・第2双方の蒸着電極におけるすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至る前の段階(べたの状態)では、第1の蒸着電極において第1の極性の電極引出し部に電気的に接続されている部分と第2の蒸着電極において第2の極性の電極引出し部に電気的に接続されている部分との間で形成される静電容量部は1つのみである。
【0037】
この静電容量部1つのみの状態がn個の静電容量部の直列接続の状態に変化するに至るのであるが、第1の極性の電極引出し部と第2の極性の電極引出し部との間に印加される電圧がn個の静電容量部で分圧される結果、個々の静電容量部に印加される電圧は使用初期における電圧に対して大幅に低電圧化される。
【0038】
その結果、本発明によれば、寿命末期までべた蒸着タイプを維持して静電容量の減少を回避しながら、第1および第2の蒸着電極においてすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至った寿命末期以降の最終局面においては、誘電体フィルムに対する印加電圧を低電圧化して耐電圧性能を向上し、寿命末期におけるショート破壊の問題を回避することができる。すなわち、コンデンササイズを大型化することなく、自己回復性と自己保安性とを両立させながら、エネルギー維持の特性を満たすことができる。
【0039】
上記構成の本発明のコンデンサ素子用の金属化フィルムには、次のようないくつかの好ましい態様ないし変化・変形の態様がある。
【0040】
〔1〕前記第1の蒸着電極において、フィルム幅方向で区画された複数の前記区画領域のうち前記第1の接続用辺縁部を有する前記第1の外部直結型の区画領域は、そのフィルム幅方向における占有幅が他の区画領域である第1の外部非直結型の区画領域に比べて小さく構成され、
前記第2の蒸着電極において、フィルム幅方向で区画された複数の前記区画領域のうち前記第2の接続用辺縁部を有する前記第2の外部直結型の区画領域は、そのフィルム幅方向における占有幅が他の区画領域である第2の外部非直結型の区画領域に比べて小さく構成されていること。
【0041】
この構成によれば、第1の蒸着電極においてフィルム幅方向で区画された複数の区画領域のうち幅小の第1の外部直結型の区画領域は第1の極性の電極引出し部に接続され、第2の蒸着電極においてフィルム幅方向で区画された複数の区画領域のうち幅小の第2の外部直結型の区画領域は第2の極性の電極引出し部に接続される。
【0042】
第1の蒸着電極における幅小の第1の外部直結型の区画領域は第2の蒸着電極における幅大の第2の外部非直結型の区画領域の一部分に対向し、第2の蒸着電極における幅小の第2の外部直結型の区画領域は第1の蒸着電極における幅大の第1の外部非直結型の区画領域の一部分に対向する。使用初期から寿命末期にかけては、第1の蒸着電極でも第2の蒸着電極でも有効なヒューズ部が存在しているため、両蒸着電極とも1枚物のべた状態を維持し、この1枚物のべた状態の第1の蒸着電極と1枚物のべた状態の第2の蒸着電極との対向からなる広い対向面積の静電容量部1つのみのコンデンサとなっている。
【0043】
そして、寿命末期において第1・第2双方の蒸着電極におけるヒューズ部の蒸着金属が飛散してすべて消失した後には、第1の極性の電極引出し部に接続された第1の蒸着電極における幅小の第1の外部直結型の区画領域は第2の蒸着電極における幅大の第2の外部非直結型の区画領域の一部分に対向して第1の静電容量部を形成する。一方、第2の極性の電極引出し部に接続された第2の蒸着電極における幅小の第2の外部直結型の区画領域は第1の蒸着電極における幅大の第1の外部非直結型の区画領域の一部分に対向して第nの静電容量部を形成する。さらに、第1の蒸着電極における幅大の第1の外部非直結型の区画領域の残りの部分は第2の蒸着電極における幅大の第2の外部非直結型の区画領域の残りの部分に対向し、前記の第1の静電容量部と第nの静電容量部との間でそれぞれ直列に接続される1つ以上の静電容量部を形成する。結果的には、各蒸着電極におけるフィルム幅方向での領域区画数をm(mは2以上の自然数)、形成される静電容量部の数をn(nは3以上の奇数)として、n=2m-1の関係がある。
【0044】
本構成は、使用初期において第1の蒸着電極と第2の蒸着電極との間で形成される単一の静電容量部が、部分的絶縁破壊によってすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散した後に、複数の静電容量部の直列接続の状態に変容するという作用を担保するものである。
【0045】
〔2〕前記第1の蒸着電極において、フィルム長手方向で隣接する前記第1の長手方向絶縁スリットどうし間の前記第1のヒューズ部を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第1の幅方向絶縁スリットが前記各第1のヒューズ部ごとに対応して形成され、前記第1の幅方向絶縁スリットはその一端側が前記第1のヒューズ部を越えて前記第1の接続用辺縁部側に延在するとともに、他端側が前記誘電体フィルムの辺縁に沿って細長く連続的に形成された金属非蒸着部としての第1の絶縁マージンにまで達しており、
前記第2の蒸着電極において、前記第1の蒸着電極におけるのと同様に、前記第2のヒューズ部を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第2の幅方向絶縁スリットが前記各第2のヒューズ部ごとに対応して形成され、前記第2の幅方向絶縁スリットはその他端側が前記第2のヒューズ部を越えて前記第2の接続用辺縁部側に延在するとともに、一端側が前記誘電体フィルムの辺縁に沿って細長く連続的に形成された金属非蒸着部としての第2の絶縁マージンにまで達していること。
【0046】
この構成は、第1の蒸着電極でも第2の蒸着電極でも、幅方向絶縁スリットによって幅大の外部非直結型の区画領域をフィルム長手方向において分割し、複数の分割電極を形成したものである。この分割電極の集合体構造により、自己回復性をさらに向上させることが可能となる。
【0047】
〔3〕前記第1の幅方向絶縁スリットと前記第2の幅方向絶縁スリットとは、前記第1の蒸着電極と前記第2の蒸着電極との重なり方向において、フィルム長手方向での配列位置が互いに位置ずれしていること。
【0048】
〔4〕前記第1および第2の蒸着電極の各々において、フィルム幅方向で複数の領域に区画された前記区画領域は、その数がそれぞれ2に制限されていること。
【0049】
〔5〕上記したいずれかのコンデンサ素子用の金属化フィルムを巻回して巻回体を構成するとともに、前記巻回体において、前記第1の蒸着電極のフィルム幅方向の一側方端部に位置する第1の外部直結型の区画領域が第1の極性の電極引出し部に対して電気的に接続され、前記第2の蒸着電極のフィルム幅方向の他側方端部に位置する第2の外部直結型の区画領域が第2の極性の電極引出し部に対して電気的に接続されている金属化フィルムコンデンサの構成とすること。
【発明の効果】
【0050】
本発明によれば、第1・第2双方の蒸着電極ともべた蒸着タイプとなっていて両蒸着電極間に形成される静電容量部が1つのみとなっている使用初期から寿命末期近くまでの期間に代わって、両蒸着電極のすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散する寿命末期以降の最終局面になると、静電容量部1つのみの状態から複数個(3個以上)の静電容量部の直列接続の状態に変化し、個々の静電容量部に印加される電圧が大幅に低減することになる。その結果として、寿命末期までべた蒸着タイプを維持して静電容量の減少を回避しながら、コンデンササイズを大型化することなく誘電体フィルムに対する印加電圧を低電圧化して耐電圧性能を向上し、寿命末期におけるショート破壊の問題を回避することができる。すなわち、コンデンササイズを大型化することなく、自己回復性と自己保安性とを両立させながら、エネルギー維持の特性を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】本発明の実施例におけるコンデンサ素子用の金属化フィルムの第1および第2の蒸着電極のパターンを示す平面図
図2】本発明の実施例における第1および第2の蒸着電極の平面図と断面図
図3】本発明の実施例における第1の蒸着電極と第2の蒸着電極を重ね合わせて作製された金属化フィルムの平面図と断面図
図4】本発明の実施例におけるすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至ったときに第1ないし第3の3つの静電容量部の直列回路が構成される様子を示す断面図
図5】本発明の実施例における金属化フィルムコンデンサの概略構成を示す断面図
図6】前記同様にすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至ったときにある1つの分割電極が他の複数の分割電極とそれぞれ別個に局部的な静電容量部を形成する様子を示す機能説明図
図7】前記同様にすべてのヒューズ部の蒸着金属が飛散するに至ったときにある1つの分割電極が他の複数の分割電極とそれぞれ別個に局部的な静電容量部を形成する様子を示す等価回路図
図8】本発明の別の実施例において第1ないし第3の3つの静電容量部の直列回路が構成される様子を示す断面図
図9】従来例の問題点を指摘するための図で、自己保安機構を有しないべた蒸着タイプの充放電用コンデンサと自己保安機構付きの充放電用コンデンサの静電容量比の経時変化を比較したグラフ
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、上記構成の本発明のコンデンサ素子用の金属化フィルムおよび金属化フィルムコンデンサにつき、その実施の形態を図1図8に基づいて具体的な実施例のレベルで詳しく説明する。
【0053】
図1図8において、1は誘電体フィルム、2は第1の蒸着電極、3は第2の蒸着電極、2aは第1の長手方向絶縁スリット、3aは第2の長手方向絶縁スリットである。2b1 は第1の蒸着電極2におけるフィルム幅方向での一側方(図2図5で右側)端部の幅小(狭幅)の区画領域である第1の外部直結型の区画領域、2b2 は第1の蒸着電極2におけるフィルム幅方向での他側方(図2図5で左側)端部の幅大(広幅)の区画領域である第1の外部非直結型の区画領域、3b1 は第2の蒸着電極3におけるフィルム幅方向での他側方端部の幅小の区画領域である第2の外部直結型の区画領域、3b2 は第2の蒸着電極3におけるフィルム幅方向での一側方端部の幅大の区画領域である第2の外部非直結型の区画領域である。2cは第1のヒューズ部、3cは第2のヒューズ部、2dは第1の接続用辺縁部、3dは第2の接続用辺縁部、2eは第1の絶縁マージン、3eは第2の絶縁マージン、2fは第1の幅方向絶縁スリット、3fは第2の幅方向絶縁スリットである。
【0054】
巻回体に構成された金属化フィルムコンデンサの断面構造を示す図5において、4は第1の蒸着電極2に対する第1の極性の電極引出し部(メタリコン)、5は第2の蒸着電極3に対する第2の極性の電極引出し部である。
【0055】
このコンデンサ素子用の金属化フィルムは、基本的構成として、誘電体フィルム1と、誘電体フィルム1を間に挟む第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3とを有している。
【0056】
第1の蒸着電極2は、フィルム長手方向(MD)に沿うラインL1-L1上に列状に並べられて形成された複数の第1の長手方向絶縁スリット2a‥によってフィルム幅方向(TD)で複数の区画領域2b1 ,2b2 に区画されている。第1の蒸着電極2において、フィルム長手方向で隣り合う第1の長手方向絶縁スリット2a,2aどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第1の幅方向絶縁スリット2fが、第1の長手方向絶縁スリット2a,2aの端部どうしごとに形成され、第1の長手方向絶縁スリット2aの端部と第1の幅方向絶縁スリット2fの間で第1のヒューズ部2cを形成している。第1のヒューズ部2cはフィルム幅方向で隣接する区画領域2b1 ,2b2 どうしを電気的に接続している。
【0057】
第2の蒸着電極3は、フィルム長手方向に沿うラインL2-L2上に列状に並べられて形成された複数の第2の長手方向絶縁スリット3a‥によってフィルム幅方向で複数の区画領域3b1 ,3b2 に区画されている。第2の蒸着電極3において、フィルム長手方向で隣り合う第2の長手方向絶縁スリット3a,3aどうしはそれぞれの端部どうしが互いに接近して配置され、その端部どうし間を横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第2の幅方向絶縁スリット3fが、第2の長手方向絶縁スリット3a,3aの端部どうしごとに形成され、第2の長手方向絶縁スリット3aの端部と第2の幅方向絶縁スリット3fの間で第2のヒューズ部3cを形成している。第2のヒューズ部3cはフィルム幅方向で隣接する区画領域3b1 ,3b2 どうしを電気的に接続している。
【0058】
第1の蒸着電極2において複数の第1の長手方向絶縁スリット2a‥が並べられているラインL1-L1は、第2の蒸着電極3において複数の第2の長手方向絶縁スリット3a‥が並べられているラインL2-L2に対してフィルム幅方向で位置を異にしている(図3参照)。
【0059】
なお、第1の蒸着電極2における複数の区画領域2b1 ,2b2 と第2の蒸着電極3における複数の区画領域3b1 ,3b2 につき、図示例ではそれぞれの個数を2としているが、フィルム幅方向での位置の割り付けにおいて、符号の2b1 ,3b1 は幅小側の外部直結型の区画領域に適用し、符号の2b2 ,3b2 は幅大側の外部非直結型の区画領域に適用している。
【0060】
以下、より具体的に説明する。
【0061】
第1の蒸着電極2において、フィルム幅方向で区画された2つの区画領域2b1 ,2b2 のうちフィルム幅方向の一側方(図2図5で右側)端部に位置する幅小の第1の外部直結型の区画領域2b1 は、第1の極性の電極引出し部4に対して電気的に接続される第1の接続用辺縁部2dを有している(図5参照)。
【0062】
一方、第2の蒸着電極3において、フィルム幅方向で区画された2つの区画領域3b1 ,3b2 のうちフィルム幅方向の他側方(図2図5で左側)端部に位置する幅小の第2の外部直結型の区画領域3b1 は第2の極性の電極引出し部5に対して電気的に接続される第2の接続用辺縁部3dを有している。
【0063】
各極性の接続用辺縁部2d,3dは一般的にヘビーエッジ部と呼ばれる厚肉な低抵抗部に構成されている。
【0064】
第1の蒸着電極2においてフィルム幅方向で区画された2つの区画領域2b1 ,2b2 のうち第1の接続用辺縁部2dを有する第1の外部直結型の区画領域2b1 は、そのフィルム幅方向における占有幅が他の区画領域である第1の外部非直結型の区画領域2b2 に比べて小さく構成されている。また、第2の蒸着電極3においてフィルム幅方向で区画された2つの区画領域3b1 ,3b2 のうち第2の接続用辺縁部3dを有する第2の外部直結型の区画領域3b1 は、そのフィルム幅方向における占有幅が他の区画領域である第2の外部非直結型の区画領域3b2 に比べて小さく構成されている。区画領域2b1 ,3b1 を幅小の外部直結型の区画領域と呼び、区画領域2b2 ,3b2 を幅大の外部非直結型の区画領域という。
【0065】
第1の蒸着電極2において、第1の接続用辺縁部2dとはフィルム幅方向で反対側の辺縁部に沿いかつ誘電体フィルム1の全長にわたって、蒸着金属の形成を施さない未蒸着の領域である第1の絶縁マージン2eが形成されている。同様に、第2の蒸着電極3において、第2の接続用辺縁部3dとはフィルム幅方向で反対側の辺縁部に沿いかつ誘電体フィルム1の全長にわたって、蒸着金属の形成を施さない未蒸着の領域である第2の絶縁マージン3eが形成されている。第1の絶縁マージン2eと第2の絶縁マージン3eとはフィルム幅方向で互いに反対側の位置関係にあり、誘電体フィルム1の辺縁に沿って細長く連続的に形成されている。
【0066】
第1の蒸着電極2において、一側方(右側)端部の幅小の第1の外部直結型の区画領域2b1 は第1の極性の電極引出し部4に接続される部分である。第2の蒸着電極3において、他側方(左側)端部の幅小の第2の外部直結型の区画領域3b1 は第2の極性の電極引出し部5に接続される部分である(図5参照)。
【0067】
第1の蒸着電極2において、第1の幅方向絶縁スリット2fはその一端側が第1のヒューズ部2cを越えて第1の接続用辺縁部2d側に延在するとともに、他端側が第1の絶縁マージン2eにまで達している。第1の幅方向絶縁スリット2fは第1の絶縁マージン2eに連続し、両者で一連一体の非蒸着部を形成している。
【0068】
第2の蒸着電極3において、第1の蒸着電極2におけるのと同様に、第2のヒューズ部3cを横切る状態で、ほぼフィルム幅方向に沿う姿勢の第2の幅方向絶縁スリット3fが各第2のヒューズ部3cごとに形成され、第2の幅方向絶縁スリット3fはその他端側が第2のヒューズ部3cを越えて第2の接続用辺縁部3d側に延在するとともに、一端側が第2の絶縁マージン3eにまで達している。第2の幅方向絶縁スリット3fは第2の絶縁マージン3eに連続し、両者で一連一体の非蒸着部を形成している。
【0069】
第1、第2の幅方向絶縁スリット2f,3fはフィルム長手方向に対して直角をなすフィルム幅方向から少し傾いた角度で斜行しているが、その斜行の角度は30度以下が好ましい。なお、斜行の角度0度の斜行なし(フィルム長手方向に対してちょうど直角をなす方向)でもよい。
【0070】
第1の幅方向絶縁スリット2fと第2の幅方向絶縁スリット3fとは、第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3との重ね合わせ状態で、フィルム長手方向での配列位置が互いに位置ずれしている。
【0071】
誘電体フィルム1とその誘電体フィルム1を間に挟む第1の蒸着電極2および第2の蒸着電極3との関係については、次の複数の形態がある。
【0072】
1つの誘電体フィルム1の表面側に第1の蒸着電極2を形成し、さらに別のもう1つの誘電体フィルム1の表面側に第2の蒸着電極3を形成する。そして、これら2つの蒸着電極付きの誘電体フィルムを重ね合わせる。この場合に、第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3との姿勢関係、方向性関係が上記で説明した条件となるように規定する。これは図示例の金属化フィルムに該当する。この重ね合わせ状態で多重に巻回し巻回体(円筒体)とする。
【0073】
あるいは、1つの誘電体フィルム1の表面側と裏面側とにそれぞれ第1の蒸着電極2、第2の蒸着電極3の両者を形成する。この場合に、第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3との姿勢関係、方向性関係が上記で説明した条件となるように規定する。この表裏両面に第1および第2の蒸着電極2,3を形成した両面蒸着タイプの誘電体フィルム1とは別に蒸着電極を表裏ともに形成していない無垢の誘電体フィルムを用意し、両面蒸着タイプの誘電体フィルムと無垢の誘電体フィルムとを重ね合わせた状態で多重に巻回し巻回体(円筒体)とする。
【0074】
さらに直径方向にプレスして断面小判形の扁平柱状体とする。そして、その扁平柱状体において軸方向の一端側の端面に臨む第1の接続用辺縁部2dに第1の極性の電極引出し部4を電気的に接続し、軸方向の他端側の端面に臨む第2の接続用辺縁部3dに第2の極性の電極引出し部5を電気的に接続する(図5参照)。これらの電気的接続は、金属微粒子の溶射によって行われる。これによって、金属化フィルムコンデンサが得られる。
【0075】
上記のように構成された金属化フィルムコンデンサにおいては、使用初期から寿命末期にかけて、第1の蒸着電極2でも第2の蒸着電極3でも第1、第2のヒューズ部2c‥,3c‥が有効状態で存在している。すなわち、まだ蒸着金属が飛散していない正常な第1、第2のヒューズ部2c‥,3c‥が存在している。時間経過とともに蒸着金属が飛散するヒューズ部は増えるが、正常なヒューズ部が少しでも残っている間は、第1の蒸着電極2、第2の蒸着電極3の双方とも静電容量に寄与する有効状態を維持する。そして、この有効状態の第1の蒸着電極2と同じく有効状態の第2の蒸着電極3との対向からなる広い対向面積の静電容量部1つのみのコンデンサとなっている(図2図3参照)。
【0076】
有効状態の蒸着電極であることは、次の説明によって理解できる。
【0077】
図2に示すように、第1の蒸着電極2は、複数の第1の長手方向絶縁スリット2a‥が並べられているラインL1-L1によってAの領域(A1,A2,A3‥)とBの領域(B1,B2,B3‥)とに区画され、さらにAの領域は複数の第1の幅方向絶縁スリット2f‥によってA1,A2,A3‥の領域に区画され、Bの領域は複数の第1の幅方向絶縁スリット2f‥によってB1,B2,B3‥の領域に区画されている。区画されているとはいっても、A1とB1とは、またA2とB2とは、またA3とB3とは、それぞれ第1のヒューズ部2c‥によって電気的に接続された状態となっている。さらに、B1とB2とは、またB2とB3とは、それぞれ第1の極性の電極引出し部4の近傍で第1の幅方向絶縁スリット2f‥の延長上にある蒸着つなぎ部2c′‥によって電気的に接続された状態となっている。このような関係が蒸着電極付き長尺金属化フィルムの全長にわたって繰り返しながら展開している。結果的に、A1,B1,A2,B2,A3,B3‥等の全区画が電気的に一連一体となっており、その長尺金属化フィルムは第1の蒸着電極2が全長にわたって形成されている。
【0078】
第2の蒸着電極3は、複数の第2の長手方向絶縁スリット3a‥が並べられているラインL2-L2によってDの領域(D1,D2,D3‥)とEの領域(E1,E2,E3‥)とに区画され、さらにDの領域は複数の第2の幅方向絶縁スリット3f‥によってD1,D2,D3‥の領域に区画され、Eの領域は複数の第2の幅方向絶縁スリット3f‥によってE1,E2,E3‥の領域に区画されている。第1の蒸着電極2の場合と同様に、D1とE1とは、またD2とE2とは、またD3とE3とは、それぞれ第2のヒューズ部3c‥によって電気的に接続された状態となっている。さらに、D1とD2とは、またD2とD3とは、それぞれ第2の極性の電極引出し部5の近傍で第2の幅方向絶縁スリット3f‥の延長上にある蒸着つなぎ部3c′‥によって電気的に接続された状態となっている。このような関係が蒸着電極付き長尺金属化フィルムの全長にわたって展開している。結果的に、E1,D1,E2,D2,E3,D3‥等の全区画が電気的に一連一体となっており、その長尺金属化フィルムは第2の蒸着電極3が全長にわたって形成されている。
【0079】
このような第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3とを図3のように重ね合わせて金属化フィルムを得る。
【0080】
なお、第1の蒸着電極2と第2の蒸着電極3とは、蒸着電極面に垂直な軸まわりでの180度の回転対称の関係を有している。この場合、長尺金属化フィルムはその1種類を2つ用意し、一方を180度回転させた上で他方に重ね合わせればよい。180度の回転によっても第1の蒸着電極2における第1の幅方向絶縁スリット2fと第2の蒸着電極3における第2の幅方向絶縁スリット3fとは平行関係を保つ。
【0081】
時間経過により寿命末期が訪れて、第1・第2双方の蒸着電極2,3における第1、第2のヒューズ部2c‥,3c‥がすべて動作して蒸着金属が飛散した後には、次の状態が出現する。これを図4を用いて説明する。
【0082】
第1の極性の電極引出し部4に接続された第1の蒸着電極2における一側方端部の幅小の第1の外部直結型の区画領域2b1 は第2の蒸着電極3における一側方端部の幅大の第2の外部非直結型の区画領域3b2 の端部側幅半分領域に対向して第1の静電容量部C1を形成する。一方、第2の極性の電極引出し部5に接続された第2の蒸着電極3における他側方端部の幅小の第2の外部直結型の区画領域3b1 は第1の蒸着電極2における他側方端部の幅大の第1の外部非直結型の区画領域2b2 の端部側幅半分領域に対向して第3の静電容量部C3を形成する。さらに、第1の蒸着電極2における他側方端部の幅大の第1の外部非直結型の区画領域2b2 の中央側幅半分領域は第2の蒸着電極3における一側方端部の幅大の第2の外部非直結型の区画領域3b2 の中央側幅半分領域に対向し、第2の静電容量部C2を形成する。
【0083】
以上のようにして形成された第1の静電容量部C1と第2の静電容量部C2と第3の静電容量部C3とは、結果的に直列に接続された3つの静電容量部を形成する。
【0084】
以上、第1の蒸着電極2も第2の蒸着電極3もともに全長にわたって1枚物のべた状態となっていて静電容量部1つのみの場合と、第1ないし第3の静電容量部C1,C2,C3の静電容量部3つの直列接続の場合とを説明した。そこで、これら2つの場合につき、誘電体フィルム1に印加される電圧の高低を比較する。
【0085】
第1の静電容量部C1と第2の静電容量部C2と第3の静電容量部C3とで、それぞれの対向電極面積が互いに等しく、静電容量が互いに等しいときは、寿命末期以降の最終局面での静電容量部3つの直列接続の場合の印加電圧は、使用初期から寿命末期にかけての静電容量部1つのみ場合の印加電圧の3分の1に低電圧化される。また、対向電極面積が互いに等しくない場合には低電圧化は3分の1から外れるが、それでも、印加電圧が分圧される結果、印加電圧の低電圧化は達成される。
【0086】
次に、第1ないし第3の静電容量部C1,C2,C3の静電容量部3つの直列接続の具体的な態様を図6図7を用いて説明する。
【0087】
図6(a)は第1の蒸着電極2における幅小の領域B1での一部の蒸着電極が第2の蒸着電極3における幅大の領域E2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。幅小の領域B1での蒸着電極は抵抗素子の記号で示した第1の極性の電極引出し部4に接続されている。すべてのヒューズ部2c,3c‥が部分的絶縁破壊によって蒸着金属が飛散した状態では、幅大の領域E2は他の領域から切り離された独立の分割電極を構成している。
【0088】
図6(b)は第2の蒸着電極3における幅大の領域E2での3つの部分のそれぞれが第1の蒸着電極2における幅大の領域A1での一部の蒸着電極、幅大の領域A2での一部の蒸着電極および幅小の領域B2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。これらの状態を3つに分けて図6(c),(d),(e)に示す。幅大の領域E2に関して4つの部分ごとに説明しているが、これら4つの部分は一連一体の状態にあることは言うまでもない。
【0089】
図6(c)は第2の蒸着電極3における幅大の領域E2での一部の蒸着電極が第1の蒸着電極2における幅大の領域A1での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。
【0090】
図6(d)は第2の蒸着電極3における幅大の領域E2での一部の蒸着電極が第1の蒸着電極2における幅大の領域A2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。
【0091】
図6(e)は第2の蒸着電極3における幅大の領域E2での一部の蒸着電極が第1の蒸着電極2における幅小の領域B2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。
【0092】
図6(f)は図6(c)の続きで考えるもので、第1の蒸着電極2における幅大の領域A1での一部の蒸着電極が第2の蒸着電極3における幅小の領域D2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。
【0093】
図6(g)は図6(d)の続きで考えるもので、第1の蒸着電極2における幅大の領域A2での一部の蒸着電極が第2の蒸着電極3における幅小の領域D2での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。幅小の領域D2は図6(f)と(g)とで共通となっている。幅小の領域D2での蒸着電極は抵抗素子の記号で示した第2の極性の電極引出し部5に接続されている。
【0094】
図6(h)は図6(e)の続きで考えるもので、第1の蒸着電極2における幅小の領域B2での一部の蒸着電極が第2の蒸着電極3における幅大の領域E3での一部の蒸着電極と対向している状態を示す。幅小の領域B2は図6(e)と(h)とで共通となっている。幅小の領域B2での蒸着電極は、図6(a)の場合の幅小の領域B1と同様に第1の極性の電極引出し部4に接続されている。
【0095】
なお、図6(a)では説明を省略したが、幅小の領域B1は幅大の領域E2だけでなく、幅大の領域E1に対しても対向している。
【0096】
上述のようなパターンがフィルム長手方向に沿って繰り返されている。
【0097】
図7図6(a)~(h)で説明したことに基づいて等価回路を作成したものである。第2の蒸着電極3に対する第1の蒸着電極2の関係が第1の蒸着電極2に対する第2の蒸着電極3の関係と等価的であることも考慮に入れて作図している。
【0098】
図8に示す別の実施例の金属化フィルムにおいては、第1および第2の蒸着電極2,3をフィルム幅方向で複数の区画領域に区画する場合に、その区画数mを3とし、形成されることとなる静電容量部の個数nを5とするものである(m=3、n=5)。
【0099】
第1の蒸着電極2は、フィルム幅方向の一側方端部に位置する幅小の第1の外部直結型の区画領域2b1 とフィルム幅方向の他側方側に位置する2つの第1の外部非直結型の区画領域2b2 ,2b3 とに区画されている。
【0100】
第2の蒸着電極3は、フィルム幅方向の他側方端部に位置する幅小の第2の外部直結型の区画領域3b1 とフィルム幅方向の一側方側に位置する2つの第2の外部非直結型の区画領域3b2 ,3b3 とに区画されている。
【0101】
静電容量部としては、第1の静電容量部C1、第2の静電容量部C2、第3の静電容量部C3、第4の静電容量部C4および第5の静電容量部C5の5つが形成される。
【0102】
区画領域の区画数は任意であるが、あまり多くすると、静電容量の持続性に好ましくない影響を与える可能性がある。そこで、区画数は好ましくは2または3とするのがよい。この場合、静電容量部の数は3と5となる。
【0103】
なお、第1および第2の幅方向絶縁スリット2f,3fは幅大の外部非直結型の区画領域2b2 ,3b2 を電気的に複数に分離して複数の分割電極を形成するためのものであるが、これらの幅方向絶縁スリット2f,3fは必ずしも必要ではなく、省略した実施例も可能である。
【0104】
上記実施例では1種類で同じ長尺金属化フィルムを2つ用意し、一方を180度回転させた上で他方に重ねる実施例について言及したが、必ずしも回転対称としなければならないものではない。
【0105】
上記した図1図4の実施例においては、寿命末期での使用初期に対する低電圧化の比を3分の1としたが、本発明ではこの低電圧化の比について、nを静電容量部の数として必ずしも正確にn分の1に限定するものではない。このことに関連するが、第1ないし第3の静電容量部C1,C2,C3あるいは図8での第1ないし第5の静電容量部C1,C2,C3,C4,C5の面積比についても、どのような数値関係にするかは任意とする。すべて互いに等しくしてもよいし、すべて異ならせてもよいし、あるいは複数のグループに分けてグループ間で適当な比に定めても構わない。フィルム幅方向での幅寸法について第1の静電容量部C1の幅寸法と第3の静電容量部C3の幅寸法とは互いに等しくするのが好ましいが、さらにこれらと第2の静電容量部C2の幅寸法との関係については、互いに等しくするほか、図4図3で表されているように多少の差を持たせて、中央の第2の静電容量部C2の幅寸法をより大きくするのでもよいし、あるいはその逆でより小さくするのでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、充放電用コンデンサに適用するコンデンサ素子用の金属化フィルムに関して、自己回復性と自己保安性とを兼ね備え、高エネルギー密度化と静電容量低下の抑制とを図り、耐電圧性能を向上させる技術として有用である。
【符号の説明】
【0107】
1 誘電体フィルム
2 第1の蒸着電極
3 第2の蒸着電極
2a 第1の長手方向絶縁スリット
3a 第2の長手方向絶縁スリット
2b1 第1の外部直結型の区画領域
3b1 第2の外部直結型の区画領域
2b2 第1の外部非直結型の区画領域
3b2 第2の外部非直結型の区画領域
2c 第1のヒューズ部
3c 第2のヒューズ部
2d 第1の接続用辺縁部
3d 第2の接続用辺縁部
2e 第1の絶縁マージン
3e 第2の絶縁マージン
2f 第1の幅方向絶縁スリット
3f 第2の幅方向絶縁スリット
4 第1の極性の電極引出し部
5 第2の極性の電極引出し部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9