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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】画素回路およびその駆動方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3225 20160101AFI20240925BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G09G3/3225
G09G3/20 624B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020560968
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-23
(86)【国際出願番号】 CN2019090148
(87)【国際公開番号】W WO2020052287
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】201811069681.1
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー チュエンフー
(72)【発明者】
【氏名】ディアオ ヨンフー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ウェンカン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ヂョンリィウ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ミンジン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-103660(JP,A)
【文献】特開2014-137601(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0157125(US,A1)
【文献】特開2002-287683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0220040(US,A1)
【文献】特開2005-157283(JP,A)
【文献】特開2008-165166(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H10K 50/10
H10K 59/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶回路と、データ書き込み回路と、発光駆動回路と、補償回路とを含む画素回路であって、
前記データ書き込み回路は、前記記憶回路に接続され、かつ走査制御信号の制御でデータ電圧を前記記憶回路に書き込むように構成され、
前記記憶回路は、前記データ電圧を記憶し、かつ記憶されたデータ電圧を前記補償回路により補償操作を行うことに用いられるように構成され、
前記補償回路は、前記発光駆動回路に接続され、かつ補償制御信号の制御で前記記憶されデータ電圧に基づいた補償電圧を、前記発光駆動回路の制御端に保持するように構成され、
前記発光駆動回路は、発光素子にさらに接続され、かつ前記補償電圧の制御で前記発光素子が発光するように駆動するように構成され、
前記走査制御信号の有効時間と前記補償制御信号の有効時間とが部分的に重なり、前記走査制御信号の有効時間は前記補償制御信号の有効時間よりも短く、
前記データ書き込み回路と前記記憶回路とはいずれも前記発光駆動回路に直接接続されており、
前記記憶回路は、第1コンデンサを含み、前記第1コンデンサの第1端は、第1電源端に直接接続され、前記第1コンデンサの第2端は、前記データ書き込み回路に接続され、
前記発光駆動回路は、前記発光素子の前記第1端に接続され、前記発光素子の第2端は、第3電源端に直接接続され、
前記第1電源端から出力される第1電圧信号と、前記第3電源端から出力される第3電圧信号とが同一であ
前記補償制御信号の有効時間は連続的であり、前記補償制御信号は、個別で幅が調整可能な信号であり、
前記発光駆動回路は駆動トランジスタを含み、前記補償回路は補償トランジスタと第2コンデンサを含み、
前記補償トランジスタの第1電極は前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記補償トランジスタの第2電極は前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記補償トランジスタの制御電極は前記補償制御信号を受信するように構成され、
前記第2コンデンサの第1端は第2電源端に接続され、前記第2コンデンサの第2端は前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、
前記第1コンデンサの静電容量の値は前記第2コンデンサの静電容量の値よりも大きく、前記第1コンデンサの静電容量の値は前記第2コンデンサの静電容量の値の50から1000倍である、画素回路。
【請求項2】
記発光駆動回路の制御端が、前記駆動トランジスタの前記制御電極を含み、
前記駆動トランジスタの第1電極が前記データ書き込み回路と前記第1コンデンサの第2端とに接続される、請求項1に記載の画素回路。
【請求項3】
前記データ書き込み回路は、データ書き込みトランジスタを含み、
前記データ書き込みトランジスタの第1電極が前記データ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタの第2電極が前記第1コンデンサの第2端と前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記データ書き込みトランジスタの制御電極が前記走査制御信号を受信するように構成される、請求項2に記載の画素回路。
【請求項4】
前記発光駆動回路と前記発光素子にそれぞれ接続され、かつ発光制御信号の制御で前記発光駆動回路が前記発光素子を駆動して発光させるように制御するように構成される発光制御回路をさらに含む、請求項に記載の画素回路。
【請求項5】
前記発光制御回路は、第1発光制御トランジスタを含み、前記発光制御信号が第1発光制御サブ信号を含み、
前記第1発光制御トランジスタの第1電極が前記第2電源端に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記第1発光制御トランジスタの制御電極が前記第1発光制御サブ信号を受信するように構成される、請求項に記載の画素回路。
【請求項6】
前記発光制御回路は、第2発光制御トランジスタをさらに含み、前記発光制御信号は、第2発光制御サブ信号を含み、
前記第2発光制御トランジスタの第1電極が前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第2電極が前記発光素子の前記第1端に接続され、前記第2発光制御トランジスタの制御電極が前記第2発光制御サブ信号を受信するように構成される、請求項に記載の画素回路。
【請求項7】
前記発光駆動回路の制御端とリセット信号端とに接続され、かつ第1リセット制御信号の制御で前記発光駆動回路の制御端をリセットするように構成される第1リセット回路をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項8】
前記発光素子の前記第1端とリセット信号端とに接続され、かつ第2リセット制御信号の制御で前記発光素子の前記第1端をリセットするように構成される第2リセット回路をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項9】
前記補償制御信号と前記第2リセット制御信号とは、同一の信号である、請求項に記載の画素回路。
【請求項10】
前記第1電源端により出力される前記第1電圧信号は、前記リセット信号端により出力されるリセット信号と同一である、請求項のいずれか一項に記載の画素回路。
【請求項11】
第1コンデンサと、第2コンデンサと、駆動トランジスタと、データ書き込みトランジスタと、補償トランジスタと、第1発光制御トランジスタと、第2発光制御トランジスタと、第1リセットトランジスタと、第2リセットトランジスタとを含む画素回路であって、
前記データ書き込みトランジスタの第1電極がデータ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタの第2電極が前記第1コンデンサの第2端に接続され、前記データ書き込みトランジスタの制御電極が走査制御信号を受信するように構成され、
前記第1コンデンサの第1端が第1電源端に直接接続され、前記第1コンデンサが前記データ書き込みトランジスタに書き込まれた前記データ電圧を記憶するように構成され、
前記駆動トランジスタの第1電極が前記データ書き込みトランジスタの第2電極と前記第1コンデンサの第2端とに接続され、前記駆動トランジスタの第2電極が前記補償トランジスタの第1電極に接続され、前記駆動トランジスタの制御電極が前記補償トランジスタの第2電極に接続され、
前記補償トランジスタの制御電極が補償制御信号を受信するように構成され、
前記第2コンデンサの第1端が前記第1電源端に接続され、前記第2コンデンサの第2端が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、
前記第1発光制御トランジスタの第1電極が前記第1電源端に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記第1発光制御トランジスタの制御電極が第1発光制御サブ信号を受信するように構成され、
前記第2発光制御トランジスタの第1電極が前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第2電極が発光素子の第1端に接続され、前記第2発光制御トランジスタの制御電極が前記第1発光制御サブ信号を受信するように構成され、
前記発光素子の第2端が第3電源端に直接接続され、
前記第1リセットトランジスタの第1電極がリセット信号端に接続され、前記第1リセットトランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記第1リセットトランジスタの制御電極が第1リセット制御信号を受信するように構成され、
前記第2リセットトランジスタの第1電極が前記リセット信号端に接続され、前記第2リセットトランジスタの第2電極が前記発光素子の第1端に接続され、前記第2リセットトランジスタの制御電極が第2リセット制御信号を受信するように構成され、
前記走査制御信号の有効時間と前記補償制御信号の有効時間とが部分的に重なり、前記走査制御信号の有効時間は前記補償制御信号の有効時間よりも短く、
前記データ書き込みトランジスタと前記第1コンデンサとはいずれも前記駆動トランジスタに直接接続されており、
前記第1電源端から出力される第1電圧信号と、前記第3電源端から出力される第3電圧信号とが同一であ
前記補償制御信号の有効時間は連続的であり、前記補償制御信号は、個別で幅が調整可能な信号であり、
前記第1コンデンサの静電容量の値は前記第2コンデンサの静電容量の値よりも大きく、前記第1コンデンサの静電容量の値は前記第2コンデンサの静電容量の値の50から1000倍である、画素回路。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載の画素回路に応用される駆動方法であって、
データ書き込み段階では、前記記憶回路に前記データ電圧を書き込むことと、
補償段階では、前記記憶されたデータ電圧に基づいて、前記補償回路に前記補償電圧を書き込むことと、
発光段階では、前記補償電圧に基づいて前記発光素子が発光するように駆動することと、を含む、駆動方法。
【請求項13】
前記データ書き込み段階の持続時間は、前記補償段階の持続時間よりも短いである、請求項12に記載の駆動方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載の画素回路を含む、表示装置。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の発光素子をさらに含み、
前記画素回路は、前記発光素子が発光するように駆動するように構成される、請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年09月13日に提出された出願番号が第201811069681.1である中国特許出願の優先権を主張し、ここで、上記中国特許出願に開示されている内容の全体が本願の一部として援用される。
【0002】
本開示の実施例は、画素回路およびその駆動方法、表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLED)表示パネルは、自発光で、コントラストが高く、消費エネルギーが低く、視野角が広く、応答速度が速く、可撓性パネルに使用でき、使用温度の範囲が広く、製造が簡単などの特徴を有し、広い発展見通しを持っている。OLED表示パネルの高速な発展に伴い、OLED表示パネルには高解像度かつ高リフレッシュレートの特性を有するように求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の少なくともいくつかの実施例は、記憶回路と、データ書き込み回路と、発光駆動回路と、補償回路とを含み、前記データ書き込み回路は、前記記憶回路に接続され、かつ走査制御信号の制御でデータ電圧を前記記憶回路に書き込むように構成され、前記記憶回路は、前記データ電圧を記憶し、かつ記憶されたデータ電圧を前記補償回路により補償操作を行うことに用いられるように構成され、前記補償回路は、前記発光駆動回路に接続され、かつ補償制御信号の制御で前記記憶されたデータ電圧に基づいた補償電圧を、前記発光駆動回路の制御端に保持するように構成され、前記発光駆動回路は、発光素子にさらに接続され、かつ前記補償電圧の制御で発光素子が発光するように駆動するように構成される、画素回路を提供する。
【0005】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記記憶回路は、第1コンデンサを含み、前記第1コンデンサの第1端が第1電源端に接続され、前記第1コンデンサの第2端が前記データ書き込み回路に接続されている。
【0006】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路中において、前記発光駆動回路は、駆動トランジスタを含み、前記発光駆動回路の制御端が前記駆動トランジスタの制御電極を含み、前記駆動トランジスタの第1電極が前記データ書き込み回路と前記第1コンデンサの第2端とに接続され、前記駆動トランジスタの第2電極と制御電極とがともに前記補償回路に接続されている。
【0007】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記データ書き込み回路は、データ書き込みトランジスタを含み、前記データ書き込みトランジスタの第1電極が前記データ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタの第2電極が前記第1コンデンサの第2端と前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記データ書き込みトランジスタの制御電極が前記走査制御信号を受信するように構成される。
【0008】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記補償回路は、補償トランジスタと第2コンデンサとを含み、前記補償トランジスタの第1電極が前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記補償トランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記補償トランジスタの制御電極が前記補償制御信号を受信するように構成され、前記第2コンデンサの第1端が第2電源端に接続され、前記第2コンデンサの第2端が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記第1コンデンサの静電容量の値が前記第2コンデンサの静電容量の値よりも大きい。
【0009】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路は、発光制御回路をさらに含み、前記発光制御回路は、前記発光駆動回路と前記発光素子にそれぞれ接続され、かつ発光制御信号の制御で前記発光素子が発光するように駆動する前記発光駆動回路を制御するように構成される。
【0010】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記発光制御回路は、第1発光制御トランジスタを含み、前記発光制御信号が第1発光制御サブ信号を含み、前記第1発光制御トランジスタの第1電極が前記第2電源端に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記第1発光制御トランジスタの制御電極が前記第1発光制御サブ信号を受信するように構成される。
【0011】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1電源端から出力される第1電圧信号は、前記第2電源端から出力される第2電圧信号と同一である。
【0012】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記発光制御回路は、第2発光制御トランジスタをさらに含み、前記発光制御信号は、第2発光制御サブ信号を含み、前記第2発光制御トランジスタの第1電極が前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第2電極が前記発光素子の第1端に接続され、前記第2発光制御トランジスタの制御電極が前記第2発光制御サブ信号を受信するように構成され、前記発光素子の第2端が第3電源端に接続されている。
【0013】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1電源端から出力される第1電圧信号は、前記第3電源端から出力される第3電圧信号と同一である。
【0014】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路は、第1リセット回路をさらに含み、前記第1リセット回路は、前記発光駆動回路の制御端とリセット信号端とに接続され、かつ第1リセット制御信号の制御で前記発光駆動回路の制御端をリセットするように構成される。
【0015】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路は、第2リセット回路をさらに含み、前記第2リセット回路は、前記発光素子の第1端とリセット信号端とに接続され、かつ第2リセット制御信号の制御で前記発光素子の第1端をリセットするように構成される。
【0016】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記補償制御信号は、前記第2リセット制御信号と同一の信号である。
【0017】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路において、前記第1電源端から出力される第1電圧信号は、前記リセット信号端から出力されるリセット信号と同一である。
【0018】
本開示の少なくともいくつかの実施例は、第1コンデンサと、第2コンデンサと、駆動トランジスタと、データ書き込みトランジスタと、補償トランジスタと、第1発光制御トランジスタと、第2発光制御トランジスタと、第1リセットトランジスタと、第2リセットトランジスタとを含み、前記データ書き込みトランジスタの第1電極がデータ電圧を受信するように構成され、前記データ書き込みトランジスタの第2電極が前記第1コンデンサの第2端に接続され、前記データ書き込みトランジスタの制御電極が走査制御信号を受信するように構成され、前記第1コンデンサの第1端が第1電源端に接続され、前記第1コンデンサが前記データ書き込みトランジスタに書き込まれた前記データ電圧を記憶するように構成され、前記駆動トランジスタの第1電極が前記データ書き込みトランジスタの第2電極と前記第1コンデンサの第2端とに接続され、前記駆動トランジスタの第2電極が前記補償トランジスタの第1電極に接続され、前記駆動トランジスタの制御電極が前記補償トランジスタの第2電極に接続され、前記補償トランジスタの制御電極が補償制御信号を受信するように構成され、前記第2コンデンサの第1端が前記第1電源端に接続され、前記第2コンデンサの第2端が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第1電極が前記第1電源端に接続され、前記第1発光制御トランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの第1電極に接続され、前記第1発光制御トランジスタの制御電極が第1発光制御サブ信号を受信するように構成され、前記第2発光制御トランジスタの第1電極が前記駆動トランジスタの第2電極に接続され、前記第2発光制御トランジスタの第2電極が前記発光素子の第1端に接続され、前記第2発光制御トランジスタの制御電極が前記第1発光制御サブ信号を受信するように構成され、前記発光素子の第2端が第3電源端に接続され、前記第1リセットトランジスタの第1電極がリセット信号端に接続され、前記第1リセットトランジスタの第2電極が前記駆動トランジスタの制御電極に接続され、前記第1リセットトランジスタの制御電極が第1リセット制御信号を受信するように構成され、前記第2リセットトランジスタの第1電極が前記リセット信号端に接続され、前記第2リセットトランジスタの第2電極が前記発光素子の第1端に接続され、前記第2リセットトランジスタの制御電極が第2リセット制御信号を受信するように構成される、画素回路をさらに提供する。
【0019】
本開示の少なくともいくつかの実施例は、上記のいずれか一項に記載の画素回路に応用される駆動方法であって、データ書き込み段階では、前記記憶回路に前記データ電圧を書き込むことと、補償段階では、前記記憶されたデータ電圧に基づいて、前記補償回路に前記補償電圧を書き込むことと、発光段階では、前記補償電圧に基づいて前記発光素子が発光するように駆動することと、を含む、駆動方法を提供する。
【0020】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される駆動方法では、前記データ書き込み段階の持続時間は、前記補償段階の持続時間よりも短い。
【0021】
本開示の少なくともいくつかの実施例は、上記のいずれか一項に記載の画素回路を含む、表示装置をさらに提供する。
【0022】
例えば、本開示のいくつかの実施例により提供される表示装置は、上記のいずれか一項に記載の発光素子を含み、前記画素回路は、前記発光素子が発光するように駆動するように構成される。
【0023】
本開示の実施例の技術構成をさらに明確に説明するために、以下に実施例の図面について簡単に紹介する。言うまでもないが、下記に記載の図面は本発明の実施例に係るものに過ぎず、本開示に対し制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の概略ブロック図である。
図2A】本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の構成図である。
図2B】本開示のいくつかの実施例により提供されるもう一つの画素回路の概略構成図である。
図3】本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の駆動方法の概略フローチャットである。
図4A】画素回路の構成概略図である。
図4B図4Aに示す画素回路の駆動方法のタイムチャットである。
図5】本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の駆動方法の例示的なタイムチャットである。
図6】本開示のいくつかの実施例により提供される表示装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施例の目的、技術構成、及びメリットをさらに明確に説明するために、以下において本発明の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術構成について明確に、完全に記載する。明らかなように、記載した実施例は本開示の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。上記に記載の本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を必要としない前提において得ることができるその他の実施例は、いずれも本開示の範囲に属するものとなる。
【0026】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解する通常の意味である。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する語は、何らかの順序、数量又は重要性を示すものではなく、異なる構成部分を区別するためのものにすぎない。「含む」や「含まれる」などの類似する語は、この語の前に出現した素子や物がこの語の後に挙げられる素子や物、及びそれらの均等物を含むことを意味するが、その他の素子や物を排除するものではない。「接続」や「互いに接続」などの類似する語は、物理的又は機械的な接続に限定されず、直接的か間接的かを問わず、電気的な接続を含んでもよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係を示すためのものにすぎず、説明対象の絶対位置が変わると、該相対位置関係もそれに応じて変わる可能性がある。
【0027】
本開示の実施例の以下の説明を明確かつ簡潔にするために、本開示は既知の機能および既知の部品の詳細な説明を省略する。
【0028】
現在、高リフレッシュレートを有するOLEDディスプレイにはいくつかの問題が存在している。例えば、解像度が2400(RGB)×1600の120HZの電子製品(例えば、ノートパソコン)について、1ラインのデータ書き込み時間はただ5マイクロ秒であり、電子製品の画素回路に大きな負荷があるため、画素回路における駆動トランジスタのゲート電圧の上昇時間が長く、画素回路に対する補償が不足になり、パネルの輝度に不均一の現象を生じ、さらに、表示パネルの表示効果に影響してしまう。
【0029】
本開示の少なくとも1つの実施例は、記憶回路によりデータ電圧を一時的に記憶することにより、データ書き込み段階の後でも依然として補償操作を可能とし、補償時間を延長し、十分に補償するという目的を達成し、補償時間が表示パネルのリフレッシュレート、解像度に関係ないようにすることを実現し、表示パネルの表示輝度の均一性を改善し、表示効果を向上させる、画素回路及びその駆動方法、表示装置を提供する。
【0030】
例えば、トランジスタの特性によって、トランジスタは、N型トランジスタとP型トランジスタとに分けられるが、明確にするために、本開示の実施例は、トランジスタがP型トランジスタ(例えば、低温ポリシリコン(LTPS)P型薄膜トランジスタ)であるものを例に、本開示の技術構成を詳しく述べたが、本開示の実施例のトランジスタはP型トランジスタに限定されず、当業者は、実際の必要に応じてN型トランジスタ(例えば、N型MOSトランジスタ)をさらに利用して本開示の実施例における一つまたは複数のトランジスタの機能を実現することができる。
【0031】
なお、本開示の実施例で用いられるトランジスタは、薄膜トランジスタや電界効果トランジスタや同じ特性のその他のスイッチングデバイスでもよく、薄膜トランジスタは、酸化物半導体薄膜トランジスタ、アモルファスシリコン薄膜トランジスタ、又はポリシリコン薄膜トランジスタなどを含むことができる。トランジスタは、ソース、ドレインが構造的に対称でもよいため、そのソース、ドレインが物理的な構造では区別されなくてもよい。本開示の実施例において、トランジスタを区別するために、制御電極であるゲート以外に、一つの電極を第1電極とし、もう一つの電極を第2電極として直接記載している。よって、本開示の実施例において、全部または一部のトランジスタの第1電極と第2電極とは、必要に応じて交換してもよい。
【0032】
以下、図面を参照して、本開示のいくつかの実施例について詳細に説明するが、本開示は、これらの具体的な実施例に限定されるものではない。
【0033】
図1は、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の概略ブロック図であり、図2Aは、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の構成図である。
【0034】
例えば、図1に示すように、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路100は、記憶回路11と、データ書き込み回路12と、発光駆動回路13と、補償回路14とを含むことができる。例えば、データ書き込み回路12は、記憶回路11と発光駆動回路13とにそれぞれ接続され、かつ走査制御信号の制御でデータ電圧を記憶回路11に書き込むように構成される。記憶回路11は、発光駆動回路13に接続され、かつ発光駆動回路13を介して補償回路14に接続されることにより、記憶回路11は、データ電圧を記憶し、かつ記憶されたデータ電圧を補償回路14により補償操作を行うことに用いられるように構成される。補償回路14は、発光駆動回路13に接続され、かつ補償制御信号の制御で記憶されデータ電圧に基づいた補償電圧を、発光駆動回路13の制御端に保持するように構成され、つまり、補償回路14は、補償制御信号の制御で記憶されたデータ電圧に基づいて補償電圧を決定し、かつ補償電圧を発光駆動回路13の制御端に保持することができる。発光駆動回路13は、発光素子ELにさらに接続され、かつ補償電圧の制御で発光素子ELが発光するように駆動するように構成される。
【0035】
例えば、記憶回路11に記憶されたデータ電圧は、データ書き込み回路12により受信されたデータ電圧と異なってもよく、例えば、伝送中の信号線での電圧降下などの要素に影響され、記憶回路11に記憶されたデータ電圧の値は、データ書き込み回路12により受信されたデータ電圧の値よりも小さくてもよい。
【0036】
例えば、画素回路100は、例えば、アクティブマトリクス有機発光ダイオード(AMOLED)表示パネル等のような表示パネルに応用されることができる。AMOLED表示パネルは、本開示の実施例により提供される画素回路100を含むことにより、当該AMOLED表示パネルは、高リフレッシュレート、高解像度、良好な輝度の均一度、中大型サイズ等の特徴を持つことができる。
【0037】
例えば、発光素子ELは、動作時に発光信号(例えば、電流信号でもよい)を受信し、かつ当該発光信号に応じた強度の光を発光するように構成される。発光素子ELは、発光ダイオードでもよく、発光ダイオードは、例えば、有機発光ダイオード(OLED)又は量子ドット発光ダイオード(QLED)などでもよいが、本開示の実施例は、これらに限定されるものではない。発光素子ELは、例えば、異なる発光材料を用いることにより、異なる色の光を発光し、カラー発光を行うことができる。
【0038】
例えば、図2Aに示すように、記憶回路11は、第1コンデンサC1を含む。第1コンデンサC1の第1端が第1電源端V1に接続され、第1コンデンサC1の第2端が第1ノードSに接続され、データ書き込み回路12も第1ノードSに接続され、つまり、第1コンデンサC1の第2端がデータ書き込み回路12に接続されている。
【0039】
例えば、第1電源端V1は、一定の直流基準電圧を出力するように、直流基準電圧端である。第1電源端V1は、一定の直流基準電圧を供給できるものであれば、高圧端でも低圧端でもよく、本開示では、これを限定しない。例えば、いくつかの例において、第1電源端V1は、接地することができる。
【0040】
例えば、図2Aに示すように、発光駆動回路13は、駆動トランジスタM1を含み、発光駆動回路13の制御端が駆動トランジスタM1の制御電極を含む。駆動トランジスタM1の第1電極が第1ノードSに接続され、即ち、駆動トランジスタM1の第1電極がデータ書き込み回路12及び第1コンデンサC1の第2端に接続され、駆動トランジスタM1の第2電極と制御電極がともに補償回路14に接続されている。図2Aに示すように、駆動トランジスタM1の第2電極が第2ノードDに接続され、駆動トランジスタM1の制御電極が第3ノードGに接続されている。
【0041】
例えば、駆動トランジスタM1は、P型トランジスタであり、また駆動トランジスタM1の第1電極はソースであり、駆動トランジスタM1の第2電極はドレインであり、以下においてこれを例に説明するが、本開示の実施例は、これに限定されるものではない。
【0042】
例えば、図2Aに示すように、データ書き込み回路12は、データ書き込みトランジスタM2を含む。データ書き込みトランジスタM2の第1電極がデータ電圧Vdata1を受信するように構成され、データ書き込みトランジスタM2の第2電極が第1ノードSに接続され、即ち、データ書き込みトランジスタM2の第2電極が第1コンデンサC1の第2端と駆動トランジスタM1の第1電極とに接続され、データ書き込みトランジスタM2の制御電極が走査制御信号VG1を受信するように構成される。例えば、データ書き込みトランジスタM2の第1電極が、データ電圧Vdata1を受信するようにデータ線DAに接続され、データ書き込みトランジスタM2の制御電極が走査制御信号VG1を受信するようにゲートラインG1に接続されている。
【0043】
例えば、図2Aに示すように、補償回路14は、補償トランジスタM4と第2コンデンサC2を含むことができる。補償トランジスタM4の第1電極が第2ノードDに接続され、即ち、補償トランジスタM4の第1電極が駆動トランジスタM1の第2電極に接続され、補償トランジスタM4の第2電極が第3ノードGに接続され、即ち、補償トランジスタM4の第2電極が駆動トランジスタM1の制御電極に接続され、補償トランジスタM4の制御電極が補償制御信号VG2を受信するように構成され、例えば、補償トランジスタM4の制御電極が補償制御信号VG2を受信するように補償制御信号線G2に接続されるように構成される。第2コンデンサC2の第1端が第2電源端V2に接続され、第2コンデンサC2の第2端が第3ノードGに接続され、即ち、第2コンデンサC2の第2端が駆動トランジスタM1の制御電極に接続されている。
【0044】
例えば、第1ノードSの電圧の補償過程での減少量が少ないことを確保するために、第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値よりも大きい。例えば、第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値の複数倍でもよく、例えば、50~1000倍、さらに例えば、200~500倍でもよいことにより、第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値よりも大幅に大きい。
【0045】
例えば、走査制御信号VG1と補償制御信号VG2とが異なるため、データ書き込みトランジスタM2と補償トランジスタM4とを別々に制御することができる。例えば、走査制御信号VG1の有効時間は、補償制御信号VG2の有効時間よりも短く、つまり、データ書き込みトランジスタM2のオン状態にある時間は、補償トランジスタM4のオン状態にある時間よりも短い。例えば、補償制御信号VG2は、任意の信号でもよく、当該信号は、データ書き込みトランジスタM2のオン状態にある時間帯とデータ書き込みトランジスタM2のオフされた後の時間帯に有効である。
【0046】
例えば、第2電源端V2は、一定の直流電圧を出力するように、直流電圧端でもよい。第2電源端V2は、高圧端でもよい。
【0047】
例えば、第1電源端V1から出力される第1電圧信号は、第2電源端V2から出力される第2電圧信号と同一でもよい。例えば、画素回路における電源端の数を節約し、生産コストを節約するために、第1電源端V1と第2電源端V2とは、同一の電源端である。
【0048】
なお、第1電源端V1から出力される第1電圧信号は、第2電源端V2から出力される第2電圧信号と異なってもよく、本開示では、これを限定しない。
【0049】
例えば、データ書き込み段階では、データ書き込みトランジスタM2の制御電極は、有効な走査制御信号VG1(例えば、ローレベル信号)を受信することで、データ書き込みトランジスタM2が導通することができる。補償トランジスタM4の制御電極は、有効な補償制御信号VG2(例えば、ローレベル信号)を受信することで、補償トランジスタM4が導通することができる。データ書き込みトランジスタM2が導通するため、データ電圧Vdata1は、データ書き込みトランジスタM2を介して第1コンデンサC1に書き込まれることができる。補償トランジスタM4も導通するため、駆動トランジスタM1の制御電極と第2電極が電気的に接続されることにより、駆動トランジスタM1がダイオード接続状態にあり、かつ飽和状態にある。データ電圧Vdata1は、順次駆動トランジスタM1と補償トランジスタM4を介して第2コンデンサC2に書き込まれることができる。
【0050】
例えば、補償段階では、走査制御信号VG1が無効信号(例えば、ハイレベル信号)となり、即ち、データ書き込みトランジスタM2がオフされ、補償制御信号VG2が依然として有効信号であり(即ち、補償制御信号VG2が依然としてローレベル信号である)、これにより補償トランジスタM4が導通を保持する。第1コンデンサC1が当該記憶されたデータ電圧Vdata2を記憶することができるため、このとき、第1ノードSでの電圧は、依然として記憶されたデータ電圧Vdata2であり、これにより、記憶されたデータ電圧Vdata2は、依然として順次駆動トランジスタM1と補償トランジスタM4を介して第2コンデンサC2に書き込まれ、補償過程を実現することができる。この補償段階では、第1ノードSの電圧が徐々に低減し、第3ノードGの電圧が徐々に上昇し、第3ノードGと第1ノードSとの電圧差VGSが駆動トランジスタM1の閾値電圧Vthに等しくなり、即ち、VGS=Vthとなるとき、駆動トランジスタM1がオフされ、補償段階を終了する。
【0051】
例えば、第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値よりも大幅に大きいため、第1ノードSの電圧の補償過程での減少量が小さいため、補償段階が終了するとき、第1ノードSの電圧は、記憶されたデータ電圧Vdata2と基本的に同一である。つまり、補償段階が終了するとき、第1ノードSの電圧は、およそ記憶されたデータ電圧Vdata2であり、第3ノードGの電圧は、およそVdata2+Vthである。例えば、補償電圧は、補償段階が終了するときの第3ノードGでの電圧であり、即ち、補償電圧は、Vdata2+Vthである。なお、伝送中の信号線の電圧降下などの要素による影響を考慮に入れないとき、記憶回路11に記憶されたデータ電圧の値は、データ書き込み回路12により受信されたデータ電圧の値に等しく、即ち、Vdata1=Vdata2と見なすことができ、本開示は、Vdata1=Vdata2を例に本開示の実施例を詳細に説明する。
【0052】
上記により、本開示の実施例において、第2コンデンサC2は、データ電圧Vdata1を記憶することができるため、補償制御信号VG2の制御で、補償トランジスタM3のオン状態にある時間を延長することにより、補償時間を延長し、十分に補償するという目的を達成することができる。なお、走査制御信号VG1と補償制御信号VG2とは、二つの別々な信号であり、補償過程は、データ書き込み過程と関係がなく、即ち、補償時間は、表示パネルのリフレッシュレート、解像度と関係がない。
【0053】
例えば、図2Aに示すように、画素回路100は、発光制御回路15をさらに含む。発光制御回路15は、発光駆動回路13と発光素子ELとにそれぞれ接続され、かつ発光制御信号の制御で導通又はオフされるように構成されることにより、電流が発光素子ELが発光するように駆動する発光駆動回路13を流れるか否かを制御する。
【0054】
例えば、図2Aに示すように、発光制御回路15は、第1発光制御トランジスタM6を含むことができる。第1発光制御トランジスタM6は、第2電源端V2と発光駆動回路13との間に設けられ、かつ第2電源端V2と発光駆動回路13との間の接続を導通または切断するように制御するように構成される。
【0055】
例えば、発光制御信号は、第1発光制御サブ信号VEM1を含む。図2Aに示すように、第1発光制御トランジスタM6の第1電極が第2電源端V2に接続され、第1発光制御トランジスタM6の第2電極が駆動トランジスタM1の第1電極(即ち、第1ノードS)に接続され、第1発光制御トランジスタM6の制御電極が第1発光制御サブ信号VEM1を受信するように構成され、例えば、第1発光制御トランジスタM6の制御電極が第1発光制御サブ信号VEM1を受信するように第1発光制御信号線EM1に接続されるように構成される。
【0056】
なお、図2Aに示す例において、第1発光制御トランジスタM6の第1電極は、個別な一つの電源端(第2電源端V2)に接続されることができ、即ち、第1発光制御トランジスタM6の第1電極と第2コンデンサC2の第1端は、異なる電源端にそれぞれ接続されている。しかし、本開示の実施例はそれに限定されるものではなく、第1発光制御トランジスタM6の第1電極も、第1電源端V1に接続されてもよく、即ち、第1発光制御トランジスタM6の第1電極と第2コンデンサC2の第1端は、ともに同一の第1電源端V1に接続されている。
【0057】
例えば、図2Aに示すように、発光制御回路15は、第2発光制御トランジスタM7をさらに含むことができる。第2発光制御トランジスタM7は、発光駆動回路13と発光素子ELとの間に設けられ、かつ発光駆動回路13と発光素子ELとの間の接続を導通又は切断するように制御するように構成される。
【0058】
例えば、発光制御信号は、第2発光制御サブ信号VEM2をさらに含む。図2Aに示すように、第2発光制御トランジスタM7の第1電極が駆動トランジスタM1の第2電極(即ち、第2ノードD)に接続され、第2発光制御トランジスタM7の第2電極が発光素子ELの第1端に接続され、第2発光制御トランジスタM7の制御電極が第2発光制御サブ信号VEM2を受信するように構成され、例えば、第2発光制御トランジスタM7の制御電極が第2発光制御サブ信号VEM2を受信するように第2発光制御信号線EM2に接続されるように構成される。発光素子ELの第2端が第3電源端V3に接続されている。
【0059】
例えば、発光素子ELの第1端は、陽極でもよく、発光素子ELの第2端は、陰極でもよい。
【0060】
例えば、第1発光制御信号線EM1により提供される第1発光制御サブ信号VEM1は、第2発光制御信号線EM2により提供される第2発光制御サブ信号VEM2と同一でもよい。
【0061】
なお、2Aに示す例において、第1発光制御トランジスタM6の制御電極と第2発光制御トランジスタM7の制御電極は、異なる発光制御信号を受信するように異なる発光制御信号線に接続されることができる。しかし、それに限定されず、第1発光制御トランジスタM6の制御電極と第2発光制御トランジスタM7の制御電極は、例えば、同一の第1発光制御サブ信号VEM1を受信するように第1発光制御信号線EM1のような同一の発光制御信号線に電気的に接続されることもできる。本開示は、これを限定しない。
【0062】
例えば、第3電源端V3は、一定の直流電圧を出力するように、直流電圧端でもよい。第3電源端V3は、低圧端でもよい。例えば、いくつかの例において、第3電源端V3は、接地することもできる。
【0063】
例えば、第1電源端V1から出力される第1電圧信号は、第3電源端V3から出力される第3電圧信号と同一でもよく、つまり、画素回路における電源端の数を節約し、生産コストを節約するために、第1電源端V1と第3電源端V3は、同一の電源端でもよい。
【0064】
なお、第2電源端V2から出力される第2電圧信号は、第3電源端V3から出力される第3電圧信号と異なる。
【0065】
例えば、図2Aに示すように、画素回路100は、第1リセット回路16をさらに含むことができる。第1リセット回路16は、発光駆動回路13の制御端とリセット信号端VINTとに接続され、かつ第1リセット制御信号VRT1の制御で発光駆動回路13の制御端をリセットするように構成される。
【0066】
例えば、図2Aに示すように、第1リセット回路16は、第1リセットトランジスタM3を含むことができ、第1リセットトランジスタM3の第1電極がリセット信号を受信するようにリセット信号端VINTに接続され、第1リセットトランジスタM3の第2電極が発光駆動回路13の制御端(即ち、第3ノードG)に接続され、第1リセットトランジスタM3の制御電極が第1リセット制御信号VRT1を受信するように第1リセット制御信号線RT1に接続されるように構成される。
【0067】
例えば、図2Aに示すように、画素回路100は、第2リセット回路17をさらに含むことができる。第2リセット回路17は、発光素子ELの第1端とリセット信号端VINTとに接続され、かつ第2リセット制御信号VRT2の制御で発光素子ELの第1端をリセットするように構成される。
【0068】
例えば、図2Aに示すように、第2リセット回路17は、第2リセットトランジスタM5を含み、第2リセットトランジスタM5の第1電極がリセット信号を受信するようにリセット信号端VINTに接続され、第2リセットトランジスタM5の第2電極が発光素子ELの第1端に接続され、第2リセットトランジスタM5の制御電極が第2リセット制御信号VRT2を受信するように第2リセット制御信号線RT2に接続されるように構成される。
【0069】
例えば、補償制御信号VG2は、個別で幅が調整可能な信号でもよいが、これに限定されず、補償制御信号VG2は、当該画素回路100における他の制御信号を用いてもよい。リセット段階は、補償段階と衝突しないため、第2リセット制御信号VRT2を補償制御信号VG2として利用することができ、つまり、補償制御信号G2と第2リセット制御信号VRT2は、同一の信号でもよく、第2リセット制御信号VRT2は、補償制御信号VG2を兼ねる。例えば、第2リセットトランジスタM5の制御電極と補償トランジスタM4の制御電極とがともに第2リセット制御信号VRT2を受信するように第2リセット制御信号線RT2に接続されることにより、当該画素回路には補償制御信号線G2を設けなくてもよく、信号線の数を節約することができる。
【0070】
例えば、第1電源端V1から出力される第1電圧信号は、リセット信号端VINTから出力されるリセット信号と同一であり、即ち、第1電源端V1とリセット信号端VINTは、同一の電源端でもよい。
【0071】
例えば、図2Aに示す例において、第1リセットトランジスタM3の第1電極と第2リセットトランジスタM5の第1電極とは、ともに同一のリセット信号端VINTに接続されるが、これに限定されず、第1リセットトランジスタM3の第1電極と第2リセットトランジスタM5の第1電極とは、異なるリセット信号端にそれぞれ接続されることもでき、第1リセットトランジスタM3と第2リセットトランジスタM5は、対応するリセット機能をそれぞれ実現できればよく、本開示は、これを限定しない。
【0072】
実際の応用ニーズに応じて、画素回路100は、電源線における電源電圧降下(IR drop)をさらに補償することができることに注意すべきである。データ書き込み回路12と、補償回路14と、発光制御回路15と、第1リセット回路16と、第2リセット回路17と等の回路の具体的な構造を実際の応用ニーズに応じて設定でき、本開示の実施例は、これらを具体的に限定しない。
【0073】
図2Bは、本開示のいくつかの実施例により提供されるもう一つの画素回路の概略構成図である。例えば、図2Bに示すように、本開示の実施例により提供されるもう一つの画素回路100は、第1コンデンサC1と、第2コンデンサC2と、駆動トランジスタM1と、データ書き込みトランジスタM2と、補償トランジスタM4と、第1発光制御トランジスタM6と、第2発光制御トランジスタM7と、第1リセットトランジスタM3と、第2リセットトランジスタM5とを含む。
【0074】
例えば、図2Bに示すように、データ書き込みトランジスタM2の第1電極がデータ電圧Vdata1を受信するように構成され、データ書き込みトランジスタM2の第2電極が第1コンデンサC1の第2端に接続され、データ書き込みトランジスタM2の制御電極が走査制御信号VG1を受信するようにゲートラインG1に接続されるように構成される。第1コンデンサC1の第1端が第1電源端V1に接続されることにより、第1コンデンサC1は、データ書き込みトランジスタM2に書き込まれて記憶されたデータ電圧Vdata2を記憶するように構成される。
【0075】
例えば、図2Bに示すように、駆動トランジスタM1の第1電極がデータ書き込みトランジスタM2の第2電極と第1コンデンサC1の第2端とに接続され、駆動トランジスタM1の第2電極が補償トランジスタM4の第1電極に接続され、駆動トランジスタM1の制御電極が補償トランジスタM4の第2電極に接続されている。補償トランジスタM4の制御電極が補償制御信号VG2を受信するように補償制御信号線G2に接続されるように構成される。
【0076】
例えば、図2Bに示すように、第2コンデンサC2の第1端が第1電源端V1に接続され、第2コンデンサC2の第2端が駆動トランジスタM1の制御電極に接続されている。
【0077】
例えば、図2Bに示すように、第1発光制御トランジスタM6の第1電極が第1電源端V1に接続され、第1発光制御トランジスタM6の第2電極が駆動トランジスタM1の第1電極に接続され、第1発光制御トランジスタM6の制御電極が第1発光制御サブ信号VEM1を受信するように第1発光制御信号線EM1に接続されるように構成され、第2発光制御トランジスタM7の第1電極が駆動トランジスタM1の第2電極に接続され、第2発光制御トランジスタM7の第2電極が発光素子ELの第1端に接続され、第2発光制御トランジスタM7の制御電極が第1発光制御サブ信号VEM1を受信するように第1発光制御信号線EM1に接続されるように構成され、発光素子ELの第2端が第3電源端V3に接続されている。
【0078】
例えば、図2Bに示すように、第1リセットトランジスタM3の第1電極がリセット信号端VINTに接続され、第1リセットトランジスタM3の第2電極が駆動トランジスタM1の制御電極に接続され、第1リセットトランジスタM3の制御電極が第1リセット制御信号VRT1を受信するように第1リセット制御信号線RT1に接続されるように構成される。第2リセットトランジスタM5の第1電極がリセット信号端VINTに接続され、第2リセットトランジスタM5の第2電極が発光素子ELの第1端に接続され、第2リセットトランジスタM5の制御電極が第2リセット制御信号VRT2を受信するように第2リセット制御信号線RT2に接続されるように構成される。
【0079】
なお、発光素子EL、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、駆動トランジスタM1、データ書き込みトランジスタM2、補償トランジスタM4、第1発光制御トランジスタM6、第2発光制御トランジスタM7、第1リセットトランジスタM3および第2リセットトランジスタM5等に関する記載について、上記の図2Aに示す実施例における、画素回路に関する説明を参照でき、ここでは、詳細な説明が省略される。
【0080】
本開示の少なくとも1つの実施例は、上記何れか1項に記載の画素回路に応用される駆動方法をさらに提供する。図3は、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の駆動方法の概略フローチャットである。図3に示すように、当該駆動方法は、
データ書き込み段階では、記憶回路にデータ電圧を書き込むステップS101と、
補償段階では、記憶されたデータ電圧に基づいて、補償回路に補償電圧を書き込むステップS102と、
発光段階では、補償電圧に基づいて発光素子が発光するように駆動するステップS103と、を含むことができる。
【0081】
本開示の実施例により提供される駆動方法は、データ書き込み段階において、データ電圧を記憶回路に書き込むことで、データ書き込み段階の後の補償段階において、記憶回路に記憶されたデータ電圧に基づいて依然として補償操作を行い、補償時間を延長し、十分に補償するという目的を達成し、補償時間が表示パネルのリフレッシュレート、解像度と関係ないようにすることを実現し、表示パネルの表示輝度の均一性を改善し、表示効果を向上させることができる。
【0082】
例えば、いくつかの実施例において、当該駆動方法は、第1リセット段階において、発光駆動回路の制御端をリセットすることと、第2リセット段階において、発光素子の第1端をリセットすることと、をさらに含むことができる。
【0083】
例えば、画素回路のタイムチャットは、実際の必要に応じて設定でき、本開示の実施例はこれを具体的に限定しない。
【0084】
図4Aは、画素回路の構成概略図であり、図4Bは、図4Aに示す画素回路の駆動方法のタイムチャットであり、図5は、本開示のいくつかの実施例により提供される画素回路の駆動方法の例示的なタイムチャットである。
【0085】
例えば、図4Aに示すように、7TIC型画素回路200は、データ書き込みトランジスタM2’と、駆動トランジスタM1’と、補償トランジスタM4’と、第2コンデンサC2’と、第1リセットトランジスタM3’と、第2リセットトランジスタM5’と、第1発光制御トランジスタM6’と、第2発光制御トランジスタM7’とを含むことができる。画素回路200は、発光素子EL’が発光するように駆動するために用いられる。
【0086】
例えば、図4A図4Bに示すように、第1リセット段階1では、第1リセット制御信号線RT1により提供される第1リセット制御信号VRT1は、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、走査制御信号線G3により提供される走査制御信号VG3と、第2リセット制御信号線RT2により提供される第2リセット制御信号VRT2と、発光制御信号線EMにより提供される発光制御信号VEMなどとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、第1リセットトランジスタM3’は、導通し、データ書き込みトランジスタM2’と、駆動トランジスタM1’と、補償トランジスタM4’と、第2リセットトランジスタM5’と、第1発光制御トランジスタM6’と、第2発光制御トランジスタM7’との全部は、オフされる。リセット信号端VINTから出力されるリセット信号は、駆動トランジスタM1’の制御電極をリセットするように第1リセットトランジスタM3’を介して駆動トランジスタM1’の制御電極に書き込まれることができる。これにより、直前のフレームにおいて、駆動トランジスタM1’の制御電極に保持される電圧は、クリアされ、駆動トランジスタM1’の制御電極における電圧VG’と駆動トランジスタM1’の第1電極における電圧VS’とは、ともにローレベル信号へリセットされる。
【0087】
例えば、図4A図4Bに示すように、データ書き込みおよび補償段階2において、走査制御信号VG3は、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、第1リセット信号VRT1と、第2リセット信号VRT2と、発光制御信号VEMなどとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、データ書き込みトランジスタM2’と、駆動トランジスタM1’と、補償トランジスタM4’との全部は、導通し、第1リセットトランジスタM3’と、第2リセットトランジスタM5’と、第1発光制御トランジスタM6’と、第2発光制御トランジスタM7’との全部は、オフされる。データ書き込みトランジスタM2’と、駆動トランジスタM1’と、補償トランジスタM4’との全部は、導通するため、データ電圧Vdata1は、順次データ書き込みトランジスタM2’、駆動トランジスタM1’および補償トランジスタM4’を介して駆動トランジスタM1’の制御電極(即ち、ノードG’)に書き込まれ、補償時間が十分であれば、最終的な駆動トランジスタM1’の制御電極の電圧は、Vdata1+Vth’でもよく、Vth’は、駆動トランジスタM1’の閾値電圧である。しかし、データ書き込みおよび補償段階2の持続する時間が短いため、データ書き込みおよび補償段階2が終了するとき、駆動トランジスタM1’の制御電極の電圧VG’はVdata1+Vth’に達することができず、即ち、VG’<Vdata1+Vth’となる。図4Bに示すように、当該画素回路200の駆動方法では、補償過程の時間は、走査制御信号VG3がローレベル信号である時間と同一である。
【0088】
例えば、図4A図4Bに示すように、第2リセット段階3では、第2リセット信号VRT2は、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、第1リセット信号VRT1と、走査制御信号VG3と、発光制御信号VEMなどとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、第2リセットトランジスタM5’は、導通し、その他のトランジスタの全部は、オフされ、リセット信号端VINTから出力されるリセット信号は、発光素子EL’の第1端をリセットするように、第2リセットトランジスタM5’を介して発光素子EL’の第1端に書き込まれることができ、このとき、発光素子EL’は発光しない。
【0089】
例えば、図4A図4Bに示すように、発光段階4では、発光制御信号VEMは、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、第1リセット信号VRT1と、走査制御信号VG3と、第2リセット信号VRT2などとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、データ書き込みトランジスタM2’と、補償トランジスタM4’と、第1リセットトランジスタM3’と、第2リセットトランジスタM5’との全部は、オフされ、第1発光制御トランジスタM6’と第2発光制御トランジスタM7’とは、ともに導通し、駆動トランジスタM1’の第1電極における電圧Vは、電源電圧端VDDから出力される高電圧Vに上昇し、駆動トランジスタM1’の制御電極における電圧Vは、駆動トランジスタM1’が飽和状態にあるように制御でき、駆動トランジスタM1’の飽和電流の式により、駆動トランジスタM1’を流れる発光電流Iは、I=K*(VGS-Vth’)=K*(VG’-V-Vth’)と表すことができる。
【0090】
上記の式において、VGSは、駆動トランジスタM1’のゲート(即ち、制御電極)とソース(即ち、第1電極)との間の電圧差である。VG’<Vdata1+Vth’、VG’-V-Vth’<Vdata1-Vであるため、発光素子EL’から発する光は、書き込まれたデータ電圧Vdata1に一致しなく、表示パネルの表示ムラの現象を引起す。
【0091】
以下、図2A図5を参照し本開示の実施例により提供される画素回路の駆動方法の操作手順を詳細に説明する。
【0092】
例えば、図2A図5に示すように、第1リセット段階T1において、第1リセット制御信号線RT1により提供される第1リセット制御信号VRT1は、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、ゲートラインG1により提供される走査制御信号VG1と、補償制御信号線G2により提供される補償制御信号VG2と、第2リセット制御信号線RT2により提供される第2リセット信号VRT2と、第1発光制御信号線EM1により提供される第1発光制御サブ信号VEM1と、第2発光制御信号線EM2により提供される第2発光制御サブ信号VEM2などとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、第1リセットトランジスタM3は、導通し、データ書き込みトランジスタM2と、駆動トランジスタM1と、補償トランジスタM4と、第2リセットトランジスタM5と、第1発光制御トランジスタM6と、第2発光制御トランジスタM7との全部は、オフされる。リセット信号端VINTから出力されるリセット信号(例えば、低電圧信号)は、駆動トランジスタM1の制御電極をリセットするように駆動トランジスタM1の制御電極に書き込まれることができる。これにより、直前のフレームでは、駆動トランジスタM1の制御電極に保持された電圧は、クリアされ、駆動トランジスタM1の制御電極における電圧Vと駆動トランジスタM1の第1電極における電圧Vとは、ともにローレベル信号へリセットされる。
【0093】
例えば、図2A図5に示すように、データ書き込み段階T2(例えば、第1補償段階)において、走査制御信号VG1と補償制御信号VG2とは、ともにローレベル信号(即ち、有効信号)であり、第1リセット信号VRT1と、第2リセット信号VRT2と、第1発光制御サブ信号VEM1と、第2発光制御サブ信号VEM2などとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、データ書き込みトランジスタM2と、駆動トランジスタM1と、補償トランジスタM4との全部は、導通し、第1リセットトランジスタM3と、第2リセットトランジスタM5と、第1発光制御トランジスタM6と、第2発光制御トランジスタM7との全部は、オフされる。データ電圧Vdata1は、データ書き込みトランジスタM2を介して第1コンデンサC1の第2端(即ち、駆動トランジスタM1の第1電極)に書き込まれ、第1コンデンサC1は、当該記憶されたデータ電圧Vdata2(即ち、データ電圧Vdata1)を記憶することができる。駆動トランジスタM1の第1電極の電圧Vは、記憶されたデータ電圧Vdata2でもよい。補償トランジスタM4が導通するため、駆動トランジスタM1は、ダイオード接続方式を形成し、駆動トランジスタM1も導通することによって、データ電圧Vdata1は、さらに順次駆動トランジスタM1と補償トランジスタM4を介して駆動トランジスタM1の制御電極(即ち、第3ノードG)に書き込まれ、駆動トランジスタM1の制御電極の電圧Vが徐々に上昇ことによって、補償操作をし始める。
【0094】
例えば、図2A図5に示すように、補償段階T3(例えば、第2補償段階)において、補償制御信号VG2は、ローレベル信号(即ち、有効信号)に保持され、走査制御信号VG1は、ハイレベル信号(即ち、無効信号)になり、第1リセット信号VRT1と、第2リセット信号VRT2と、第1発光制御サブ信号VEM1と、第2発光制御サブ信号VEM2等との全部も、ハイレベル信号に保持されることによって、駆動トランジスタM1と補償トランジスタM4とは、導通を保持し、データ書き込みトランジスタM2は、オフされ、第1リセットトランジスタM3と、第2リセットトランジスタM5と、第1発光制御トランジスタM6と、第2発光制御トランジスタM7との全部も、オフを保持する。記憶されたデータ電圧Vdata2が第1コンデンサC1に記憶されるため、記憶されたデータ電圧Vdata2は、補償操作をし続けるように依然として順次駆動トランジスタM1と補償トランジスタM4を介して第2コンデンサC2に書き込まれることができる。このとき、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧Vが徐々に下がり、駆動トランジスタM1の制御電極の電圧Vが依然として徐々に上昇する。補償段階T3は十分に長いため、最終的に、駆動トランジスタM1の第1電極と駆動トランジスタM1の制御電極との電圧差VGSは、駆動トランジスタM1の閾値電圧Vthに等しくなり、即ち、VGS=Vthとなるとき、駆動トランジスタM1は、オフされ、補償段階T3は、終了する。第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値よりも大幅に大きいため、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧Vの補償段階T3の補償過程での減少量は、小さいため、補償段階T3が終了するとき、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧Vは、記憶されたデータ電圧Vdata2と基本的に同一である。つまり、補償段階T3が終了するとき、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧Vは、およそ記憶されたデータ電圧Vdata2であり、駆動トランジスタM1の制御電極の電圧Vは、およそVdata2+Vthである。第1コンデンサC1の静電容量の値は、第2コンデンサC2の静電容量の値よりも大幅に大きいとき、補償段階T3において、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧の減少量は、無視してもよく、即ち、補償段階T3が終了するとき、駆動トランジスタM1の第1電極の電圧V=Vdata2(即ち、Vdata1)であり、駆動トランジスタM1の制御電極の電圧V=Vdata2+Vthである。
【0095】
例えば、図5に示すように、当該画素回路の駆動方法では、補償過程の時間は、データ書き込み段階T2の時間と補償段階T3の時間とを含む。
【0096】
例えば、図5に示すように、走査制御信号VG1がローレベル信号である時間は、データ電圧Vdata1が提供される時間と同一であるが、補償制御信号VG2がローレベル信号である時間は、データ電圧Vdata1が提供される時間と関係がない。補償制御信号VG2が有効信号である時間を調整し、第1コンデンサC1によりデータ電圧Vdata1を一時的に記憶することによって、補償時間を間接延長することができ、少ないコストで高解像度、高リフレッシュレートの画素駆動を実現することができる。
【0097】
例えば、図5に示すように、データ書き込み段階T2(第1補償段階)の持続時間は、補償段階T3(第2補償段階)の持続時間よりも短く、即ち、本開示の実施例により提供される駆動方法は、補償時間を延長し、十分に補償するという目的を達成することができる。
【0098】
なお、データ書き込み段階T2において、データ電圧Vdata1は、駆動トランジスタM1の制御電極に書き込まれることができ、およびデータ書き込み段階T2において、補償操作をし始め、補償段階T3において、データ電圧Vdata1は、補償操作をし続けるように依然として駆動トランジスタM1の制御電極に書き込まれることができる。これにより、本開示の実施例において、閾値電圧の補償は、第1補償段階(データ書き込み段階T2)と第2補償段階(補償段階T3)とを含むことができる。
【0099】
例えば、図2A図5に示すように、第2リセット段階T4において、第2リセット信号VRT2は、ローレベル信号(即ち、有効信号)であり、第1リセット信号VRT1と、走査制御信号VG1と、補償制御信号VG2と、第1発光制御サブ信号VEM1と、第2発光制御サブ信号VEM2などとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、第2リセットトランジスタM5は、導通し、その他のトランジスタは、全部オフされ、リセット信号端VINTから出力されるリセット信号は、発光素子ELの第1端をリセットするように発光素子ELの第1端に書き込まれることができ、このとき、発光素子ELは発光しない。
【0100】
例えば、図2A図5に示すように、発光段階T5では、第1発光制御サブ信号VEM1と第2発光制御サブ信号VEM2とは、ともにローレベル信号(即ち、有効信号)であり、走査制御信号VG1と、補償制御信号VG2と、第1リセット信号VRT1と、第2リセット信号VRT2などとの全部は、ハイレベル信号であり、これにより、データ書き込みトランジスタM2と、補償トランジスタM4と、第1リセットトランジスタM3と、第2リセットトランジスタM5との全部は、オフされ、第1発光制御トランジスタM6と第2発光制御トランジスタM7とは、ともに導通し、駆動トランジスタM1の第1電極における電圧Vが第2電源端V2から出力される第2電圧信号Vd2に上昇し、駆動トランジスタM1の制御電極における電圧Vが駆動トランジスタM1が飽和状態にあるように制御することができ、駆動トランジスタM1の飽和電流の式により、駆動トランジスタM1を流れる発光電流IELは、
EL=K*(VGS-Vth)
=K*[(Vdata2+Vth-Vd2)-Vth]
=K*(Vdata2-Vd2
と表すことができる。
【0101】
上記の式において、VGSは、駆動トランジスタM1のゲートとソースとの間の電圧差であり、Vthは、駆動トランジスタM1の閾値電圧である。上記の式によりわかるように、発光電流IELは、既に駆動トランジスタM1の閾値電圧Vthに影響されず、第2電源端V2から出力される第2電圧信号Vd2と記憶されたデータ電圧Vdata2(即ち、データ電圧Vdata1)のみに関係がある。記憶されたデータ電圧Vdata2は、データ電圧線により直接伝送され、駆動トランジスタM1の閾値電圧Vthと関係がなく、このように、駆動トランジスタM1の工程プロセスおよび長時間の操作による閾値電圧のドリフトの問題を解決することができる。上記により、本開示の実施例により提供される画素回路は、発光電流IELの正確性を確保し、駆動トランジスタM1の閾値電圧による発光電流IELへの影響を解消し、発光素子ELが正常に動作することを確保し、表示画面の均一性を向上させ、表示効果を向上させることができる。
【0102】
例えば、上記の式では、Kは、定数であり、かつKは、K=0.5*μ*Cox*(W/L)と表すことができる。
【0103】
ただし、μは、駆動トランジスタM1の電子移動度であり、Coxは、駆動トランジスタM1のゲート単位静電容量であり、Wは、駆動トランジスタM1のチャネル幅であり、Lは、駆動トランジスタM1のチャネル長である。
【0104】
なお、第1リセット段階、第2リセット段階、補償段階、データ書き込み段階および発光段階などとの設置形態は、実際の応用ニーズに応じて設定でき、本開示の実施例は、それらを具体的に限定しない。
【0105】
本開示のいくつかの実施例は、表示装置をさらに提供する。図6は、本開示のいくつかの実施例により提供される表示装置の概略ブロック図である。図6に示すように、表示装置80は、画像を表示するための表示パネル70を含むことができる。表示パネル70は、複数の画素ユニットを含み、複数の画素ユニットは、アレイ配置されることができる。各画素ユニットは、上記の何れか1つの実施例に記載の画素回路100を含むことができる。当該画素回路100は、記憶回路によりデータ電圧を一時的に記憶することにより、データ書き込み段階の後でも依然として補償操作を行うことができ、補償時間を延長し、十分に補償するという目的を達成し、補償時間が表示パネルのリフレッシュレート解像度と関係ないようにすることを実現し、表示パネルの表示の輝度の均一性を改善し、表示効果を向上させる。
【0106】
例えば、各画素ユニットは、上記の何れか1つの実施例に記載の発光素子をさらに含むことができる。各画素ユニットにおいて、画素回路は、発光素子が発光するように駆動するように構成される。
【0107】
例えば、表示パネル70は、矩形のパネル、円形のパネル、楕円形のパネル又は多角形のパネル等でもよい。なお、表示パネル70は、平面のパネルだけではなく、曲面のパネル、さらに球面のパネルでもよい。
【0108】
例えば、表示パネル70は、タッチ機能をさらに備えてもよく、即ち、表示パネル70は、タッチ表示パネルでもよい。
【0109】
例えば、図6に示すように、表示装置80は、ゲートドライバ82をさらに含むことができる。ゲートドライバ82は、データ書き込み回路へ走査制御信号を提供するように、ゲートラインを介して画素ユニットの画素回路におけるデータ書き込み回路に電気的に接続されるように構成される。ゲートドライバ82は、補償回路へ補償制御信号を提供するように、補償制御信号線を介して画素ユニットの画素回路における補償回路に電気的に接続されるようにさらに構成される。
【0110】
例えば、図6に示すように、表示装置80は、データドライバ84をさらに含むことができる。データドライバ84は、データ書き込み回路へデータ電圧を提供するように、データ線を介して画素ユニットの画素回路におけるデータ書き込み回路に電気的に接続されるように構成される。
【0111】
例えば、ゲートドライバ82とデータドライバ84とは、各自の専用集積回路チップによってそれぞれ実現されることができ、または半導体製造プロセスで表示パネル70に直接製造されることによって実現されることもできる。例えば、ゲートドライバ82は、GOA(Gate Driver On Array)型ゲート駆動回路を含むことができる。
【0112】
例えば、表示装置80は、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーション等の任意の表示機能を持つ製品や部材でもよい。
【0113】
なお、表示装置80の他の構成部分(例えば、制御装置、画像データ符号化/復号化装置、時計回路等)の全部は、当業者の理解すべきものであり、ここで詳細な説明が省略され、本開示を限制するものとしてはいけない。
【0114】
本開示について、下記の点をさらに説明する必要がある。
(1)本開示の実施例の図面は、本開示の実施例の関する構造のみに関し、他の構造について通常の設計を参照することができる。
(2)コンフリクトがない場合、本開示の実施例および実施例における特徴を互いに組合せて新しい実施例を得ることができる。
以上は、本開示の具体的な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、これに限定されず、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6