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特許7560363連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッド
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  • 特許-連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッド 図1
  • 特許-連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッド 図2
  • 特許-連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッド
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/20 20060101AFI20240925BHJP
【FI】
B62D55/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020563758
(86)(22)【出願日】2019-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019029779
(87)【国際公開番号】W WO2019226284
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】15/984,554
(32)【優先日】2018-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイクス、デイビット
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】アベロ、ブノワ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/035025(WO,A1)
【文献】特表平08-504144(JP,A)
【文献】特開昭61-046772(JP,A)
【文献】特開2001-293551(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0185404(US,A1)
【文献】国際公開第2006/064644(WO,A1)
【文献】特開2005-271656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む連続トラックアセンブリ用のトラックパッド(100):
地面係合面(110)を備えた本体(105)であって、
前記本体(105)は、第1の硬度を有する金属材料で形成されている、本体(105);
ローラー係合面(115)であって、
前記ローラー係合面(115)は、前記第1の硬度よりも大きい第2の硬度を有するセラミック材料で形成されているローラー係合面(115)
前記セラミック材料で形成されている第1のスプロケット係合面(120);及び
前記セラミック材料で形成されている第2のスプロケット係合面であって、前記第1のスプロケット係合面は、長手方向において、前記第2のスプロケット係合面から離間している、第2のスプロケット係合面:
前記トラックパッド(100)を別のトラックパッド(100)にリンクさせるように構成されている1つ以上のブッシング(125)であって、
前記トラックパッド(100)の鋳造用の鋳造鋳型に垂れ下げたり、配置させている前記1つ以上の前記ブッシング(125)。
【請求項2】
前記1つ以上のブッシング(125)は、前記本体(105)に配置し、前記セラミック材料で形成されている、請求項1に記載のトラックパッド(100)。
【請求項3】
前記ローラー係合面(115)は、前記本体(105)に埋め込まれる、請求項1または2に記載のトラックパッド(100)。
【請求項4】
前記ローラー係合面(115)は、前記本体(105)の表面に提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の連続トラックパッド(100)。
【請求項5】
前記ローラー係合面(115)は、実質的に平坦である、請求項1~4のいずれか一項に記載の連続トラックアセンブリ用のトラックパッド(100)。
【請求項6】
前記ローラー係合面(115)は、実質的に互いに平行である複数のローラー係合面(115)のうちの1つである、請求項1~5のいずれか一項に記載のトラックパッド(100)。
【請求項7】
前記スプロケット係合面(120)は、湾曲している、請求項1~6のいずれか一項に記載のトラックパッド(100)。
【請求項8】
前記スプロケット係合面(120)は、スプロケットが互いに異なる方向に動作するとき、前記スプロケットと係合するように構成されている複数のスプロケット係合面(120)のうちの1つである、請求項1~7のいずれか一項に記載のトラックパッド(100)。
【請求項9】
以下を含む連続トラックアセンブリ用のトラックパッド(100):
第1の硬度を有する第1の材料で形成されている本体(105);
前記連続トラックアセンブリのローラー(300)と係合するように構成されているローラー係合面(115)であって、
前記ローラー係合面(115)は、前記第1の硬度よりも大きい第2の硬度を有する第2の材料で形成され、前記第2の材料は、前記ローラー(300)と係合するように構成されている、ローラー係合面(115);及び
前記第2の材料で形成されている第1のスプロケット係合面(120);
前記第2の材料で形成されている第2のスプロケット係合面であって、前記第1のスプロケット係合面は、長手方向において、前記第2のスプロケット係合面から離間している、第2のスプロケット係合面:
前記トラックパッド(100)を別のトラックパッド(100)にリンクさせるように構成されている1つ以上のブッシング(125)であって、
前記トラックパッド(100)の鋳造用の鋳造鋳型に垂れ下げたり、配置させている前記1つ以上の前記ブッシング(125)。
【請求項10】
前記第1の材料は鋼鉄であり、
前記第2の材料は、
工具グレード鋼、
硬化鋼、
炭素鋼、
粉末冶金鋼、または
タングステンカーバイド
のうちの少なくとも1つを含む、
請求項9に記載のトラックパッド(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に連続トラックアセンブリに関し、より具体的には、連続トラックアセンブリ用の多材トラックパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
タンクトレッド(tank tread)またはキャタピラートラックとも呼ばれる連続トラックは、連続されるバンドのトレッド(たとえば、トラックパッド、トラックリンクなど)が2つ以上のホイール及び/またはスプロケットによって駆動される車両推進システムである。そのバンドは、モジュラープレートまたはパッドでできている場合がある。トラックの大きい表面積は、同級の車両において鋼鉄やゴムタイヤよりも車両の重量をよりよく分散させ、連続トラック車両が陥没によって動けない現象を少なくした状態で柔らかい地面を走行できるようにする。重機の場合、このバンドのトラックパッドは、ローラー及び/またはバンドを駆動するスプロケットとの接触によって深刻に磨耗される可能性がある。
【0003】
トラックリンクへの摩耗を低減させる1つの試みが1999年1月5日出願された、バーロー(Barlow)の国際出願公開第99/35025号(「‘025出願」)に開示されている。特に、この‘025出願では、トラックリンクが本体部と案内ホーン(horn)を含み、上記本体部と上記案内ホーンは互いに一体に形成され、軽い合金でできており、上記本体部と上記案内ホーンのうちの少なくとも1つは別個のセラミック材料からなる軽い合金内に埋め込まれている。
【0004】
‘025出願のトラックリンクが、軽い合金に埋め込まれる別個のセラミック材料を備えた案内ホーンを有するトラックリンクを開示することがあるが、‘025は、トラックリンクのスプロケット係合面またはローラー係合面のための耐摩耗性や強靭性の増加を提供することはない。さらに、‘025出願のトラックリンクは、軽い合金で形成される場合があり、これは、いくつかの応用例のための十分な軸受強度や強靭性を提供しない場合がある。本開示の多材トラックパッドは、上述の問題のうちの1つ以上及び/または本分野における他の問題を解決する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの様態では、本開示は、連続トラックアセンブリ用のトラックパッドにおいて、地面係合面を備えた本体であって、上記本体は、第1の硬度を有する金属材料で形成されている本体と、ローラー係合面であって、上記ローラー係合面は、上記第1の硬度よりも大きい第2の硬度を有するセラミック材料で形成されているローラー係合面と、上記セラミック材料で形成されているスプロケット係合面とを含む、連続トラックアセンブリ用のトラックパッドに関する。
【0006】
いくつかの様態では、本開示は、連続トラックアセンブリ用のトラックパッドにおいて、第1の硬度を有する第1の材料で形成されている本体と、上記連続トラックアセンブリのローラーと係合するように構成されているローラー係合面であって、上記ローラー係合面は、上記第1の硬度よりも大きい第2の硬度を有する第2の材料で形成され、上記第2の材料は、上記ローラーと係合するように構成されているローラー係合面と、上記セラミック材料で形成されているスプロケット係合面とを含む、連続トラックアセンブリ用のトラックパッドに関する。
【0007】
いくつかの様態では、本開示は、連続トラックアセンブリ用のトラックパッドにおいて、上記トラックパッドの本体上に提供される複数のローラー係合面であって、上記本体は、第1の硬度を有する金属材料で形成され、上記ローラー係合面は、上記第1の硬度よりも大きい第2の硬度を有するセラミック材料で形成され、上記第2の硬度は、上記第1の硬度よりも大きいローラー係合面と、上記本体上に提供され、上記セラミック材料で形成されている複数のスプロケット係合面と、上記本体に提供され、上記セラミック材料で形成されている複数のブッシングとを含む連続トラックアセンブリ用のトラックパッドに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】例示的なトラックパッドのダイアグラムである。
図2】例示的なトラックパッドの上面図のダイアグラムである。
図3】ローラーと係合する例示的なトラックパッドのダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、トラックパッドに関する。トラックパッドは、連続トラックアセンブリにおいて、これらのトラックパッドを活用する機械に対して汎用性を持つ。「機械」という用語は、重機及び/またはその類似のものなど、連続トラックアセンブリを有する機械を指す場合がある。
【0010】
図1は、例示的なトラックパッド100のダイアグラムである。図示のように、トラックパッド100は、本体105、地面係合面110、1つ以上のローラー係合面115、1つ以上のスプロケット係合面120、及び/または1つ以上のブッシング125を備えることができる。トラックパッド100は、場合によってはトラックチェーンとも呼ばれる連続トラックアセンブリの一部であり得る。たとえば、連続トラックアセンブリは、以下の図2に関連してより詳細に記述されるように、一緒にリンクされる多数のトラックパッド100で構成され得る。
【0011】
いくつかの実施形態において、本体105は、鋼鉄(Steel)または類似の材料で形成され得る。たとえば、本体105は、永久鋳型鋳造などの金属鋳造工程を用いて形成され得る。永久鋳型鋳造において、鋳造材料(たとえば、鋼鉄)は、鋳型に注がれて冷却され、本体105を形成する。本体105を形成するために使用される材料は、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125用の材料の硬度よりも小さい硬度に関連付けられ得る。非限定的な例示において、本体105を形成するのに使用される材料は、約40HRCの硬度を有し得る。これは、クラッキング耐性または本体105が脆弱であり得る他の変形に対する耐性を提供し得る。
【0012】
さらなる図示のように、本体105は、地面係合面110に関連付けられ得る。いくつかの実施形態において、地面係合面110は、本体105と同じ材料であり得る。たとえば、地面係合面110は、本体105の一部であり得る。いくつかの実施形態において、地面係合面110は、本体105に取り付けられ得る。たとえば、地面係合面110は、所望の場合、代替され得る脱着可能なシュー(shoe)、及び/またはその類似のものであり得る。いくつかの実施形態において、地面係合面110は、鋼鉄または類似の材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、地面係合面110は、本体105とは異なる材料で形成され得る。
【0013】
ローラー係合面115及びスプロケット係合面120は、図1~3に菱形ハッチングで示されている。菱形ハッチングは、ローラー係合面115を示し、スプロケット係合面120は、本体105(例えば、及び/または地面係合面110)とは異なる材料で形成される。いくつかの実施形態において、ブッシング125は、本体105とは異なる材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125は、本体105よりも大きい硬度を有するセラミック材料で形成され得る。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125は、約45HRCよりも大きい硬度を有する材料など、本体105(たとえば、工具グレード鋼、硬化鋼、炭素鋼、粉末冶金鋼、マンガン鋼、タングステンカーバイドなど)よりもさらに大きい硬度を有する材料などの非セラミック材料で形成され得る。
【0014】
いくつかの実施形態において、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125は、本体105の融点よりも高い融点に関連付けられ得る。これは、以下により詳細に記述されるように、金属鋳造技術を用い、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125を備えた本体105の形成が可能になり得る。
【0015】
いくつかの実施形態において、トラックパッド100は、金属鋳造技術を用いて形成され得る。たとえば、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125は、トラックパッド100用の鋳型に垂れ下がっていてよい。別の例において、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125は、鋳型内に配置され得る。たとえば、ローラー係合面115は、鋳型の底面に配置でき、スプロケット係合面120は、スプロケット係合面120に対応する鋳型の表面に配置することができる。溶融鋼鉄は、トラックパッド100を形成するために鋳型内に注がれ得る。鋳型内に垂れ下がっているか、配置される結果として、ローラー係合面、スプロケット係合面、及び/またはブッシング125は、トラックパッド100と嵌合され得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、ローラー係合面115またはスプロケット係合面120は、少なくとも部分的にトラックパッド100内に埋め込まれ得る。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115は、実質的に互いに平行である複数のローラー係合面115のうちの1つであり得る。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115またはスプロケット係合面120は、トラックパッド100の表面上に提供され得る。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115またはスプロケット係合面120の面(たとえば、図1を参照して内向きの面)は、ローラー係合面115またはスプロケット係合面120をトラックパッド100と確実に嵌合するようにする1つ以上の特徴を有し得る(たとえば、溝または刻み目など)。いくつかの実施形態において、ローラー係合面115は、ローラー(たとえば、図3のローラー300)とトラックパッド100との間の実質的にすべての接触領域を一括して覆うことができる。
【0017】
いくつかの実施形態において、ローラー係合面115は、実質的に平坦であり得る。たとえば、ローラー係合面115は、機械の動作中にローラー(たとえば、図3のローラー300)が係合する表面上に提供され得る。いくつかの実施形態において、スプロケット係合面120は、曲面であり得る。いくつかの実施形態において、スプロケット係合面120は、実質的に平坦であり得る。いくつかの実施形態において、スプロケット係合面120は、スプロケット(図示せず)と係合するように構成されている溝、カップ、及び/またはその類似のものを備えることができる。いくつかの実施形態において、スプロケット係合面120は、スプロケット(図示せず)と係合するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、ブッシング125は、図1に示されるように、露出されているブッシング125の環状ベース(たとえば、ブッシング125の円筒状シェル)を有し得る。たとえば、環状ベースは、トラックパッド100の表面と高さが同じであり得るか、またはトラックパッド100が表面からオプセットされ得る。いくつかの実施形態において、ブッシング125の環状ベースは、トラックパッド100によって覆われ得る。たとえば、鋼鉄表面は、環状ベースを覆うためにブッシング125の側面の周りをラップすることができる。
【0019】
上述されるように、図1は、例示として提供される。他の例も可能であり、図1に関連して記述されるものとは異なる場合がある。
【0020】
図2は、例示的なトラックパッド100の上面図のダイアグラムである。示されるように、いくつかの実施形態において、トラックパッド100は、2つのローラー係合面115及び2つのスプロケット係合面120を備えることができる。たとえば、スプロケットが、第1の(たとえば、前方)方向に動作するとき、第1のスプロケット係合面120がスプロケット(図示せず)と係合でき、スプロケットが、第2の(たとえば、逆)方向に動作するとき、第2のスプロケット係合面120がスプロケットと係合することができる。単純化のために図2には、ブッシング125は示されていない。本願にて記述されている実装例は、ブッシング125を備える場合もあって、備えない場合もある。
【0021】
ローラー(たとえば、図3に示されているローラー300)は、ローラー係合面115と係合することができる。いくつかの実施形態において、ローラーは、動くトラックパッド100をガイドするためにガイド要素を備えることができる。たとえば、(図3に示されている)ガイド要素は、(図1にも示されている)スロット210に提供され得る。
【0022】
複数のトラックパッド100が、互いに接続され、トラックチェーンや連続トラックを形成することができる。たとえば、突出部220が、スロット230内に嵌合され得る。ブッシング125は、各突出部220に提供され得る。ピンまたは類似の要素が(図2に示されていない)ブッシング125を通して挿入され、隣接するトラックパッド100をリンクさせることができる。
【0023】
上述されるように、図2は、例示として提供される。他の例も可能であり、図2に関連して記述されるものとは異なる場合がある。
【0024】
図3は、ローラー300と係合する例示的なトラックパッド100のダイアグラムである。参照番号310によって示されるように、ローラー300は、ローラー係合面(たとえば、図1及び図2のローラー係合面115)と係合することができる。さらに示されるように、ガイド要素320は、スロット(たとえば、図2のスロット210)内に延びられ得、機械の動作中にトラックパッド100をガイドするように構成され得る。たとえば、ローラー300が、ローラー係合面と係合するとき、スロットは、ガイド要素320を収容するように構成され得る。示されるように、ガイド要素320は、トラックパッド100の上面に係合しないこともある。
【0025】
上述されるように、図3は、例示として提供される。他の例も可能であり、図3に関連して記述されるものとは異なる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本明細書に記載のトラックパッド100は、連続トラックアセンブリのトラックパッドの期待寿命を改善することができる。単に例示により、誘導ベースの硬化など、硬化表面用技術と比較したとき、トラックパッドの期待寿命が二倍(またはそれ以上)に延びられ得る。たとえば、誘導ベースの硬化と比較し、ローラー係合面115、スプロケット係合面120、及び/またはブッシング125の硬度増加は、改善された軸受強度と摩擦ベースの摩耗に対する耐性を提供し、期待寿命を改善することができる。
【0027】
鋳造鋳型内にブッシング125を垂れ下げたり、配置させたりする技法は、ブッシング125の硬度上限値を増加させることができる。たとえば、トラックパッドにブッシングを配置させる1つの技法は、締り嵌め技法であり、ブッシングは、開口部を埋め込んでブッシングを固定するように圧縮される。しかしながら、締り嵌め技法は、十分に硬い材料にクラッキングを引き起こす可能性があるため、締り嵌め技法は、ブッシング用として使用され得る材料の硬度を制限する可能性がある。ブッシング125をトラックパッド100の鋳造用の鋳造鋳型に垂れ下げたり、配置させたりし、より硬い材料がブッシング125に使用でき、ブッシング125の期待寿命及び耐摩耗性を改善することができる。
【0028】
いくつかの実施形態において、ローラー係合面115及び/またはスプロケット係合面120は、トラックパッド100内に埋め込まれ得る。これは、汚染物質が表面とトラックパッド100との間に入るのを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、ブッシング125の環状ベースは、本体105によって囲まれ得る。これはまた、汚染物質がブッシング125と本体105との間に入るのを防ぎ、ブッシング125の期待寿命を増加させることができる。
【0029】
本願にて使用されるように、冠詞「a」または「an」は、1つ以上のアイテムを含むように意図され、「1つ以上の(one or more)」に互換的に使用することができる。また、本願にて使用されるように、用語「有している(has)」、「有する(have)」、「備える(having)」などは制限のない用語として意図される。さらに、文句「ベースの(based on)」は「少なくとも部分的にベースとなる」を意味するように意図される。
【0030】
上述の開示は、例示及び説明を提供するが、徹底的であったり、開示されている正確な形式に対する実装例を限定したりすることを意図するものではない。変形例及び変更例が、上述の開示に照らして可能であるか、または実装例の実施からえられ得る。本明細書は、単の例と見なされるべきであり、真の本開示の範囲が以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示されることが意図されている。たとえ、特徴の特別な組み合わせが請求項に言及され、及び/または本明細書にて開示されているが、これらの組み合わせは、可能な実装例の開示を制限することを意図するものではない。以下に挙げられる各従属項は、単に1つの請求項に直接従属されるが、可能な実装例の開示は、請求項セットで他の請求項と組み合わされる各従属項を含む。
図1
図2
図3