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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】装着装置及び照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/34 20060101AFI20240925BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240925BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240925BHJP
【FI】
F21V21/34 100
F21S2/00 300
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021012942
(22)【出願日】2021-01-29
(65)【公開番号】P2022116654
(43)【公開日】2022-08-10
【審査請求日】2023-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】藤本 佳史
【審査官】吉田 昌弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054655(JP,A)
【文献】特開2015-164098(JP,A)
【文献】特開2018-073555(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0137374(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/34
F21S 2/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レールに照明器具を装着可能な装着装置であって、
前記レールに対して着脱可能に電気的に接続される接続部と、
前記接続部が配置されるベース部と、
前記ベース部を収容し、前記接続部が前記レールに接続された状態で前記レールに沿って延びる筐体と、
前記接続部が前記レールに接続された状態で、前記レールの内部に位置する凸部と
を備え、
前記凸部は、前記筐体が延びる方向に、前記接続部と隣り合
前記筐体を覆う蓋部をさらに備え、
前記蓋部の熱伝導率は、前記ベース部の熱伝導率よりも高い、装着装置。
【請求項2】
前記凸部は、複数の壁部を含み、
前記複数の壁部の各々は、互いに交差しており、連接している、請求項1に記載の装着装置。
【請求項3】
前記ベース部と前記凸部とは、一体的に構成される、請求項1または請求項に記載の装着装置。
【請求項4】
前記蓋部は、前記凸部を含む、請求項1または請求項に記載の装着装置。
【請求項5】
前記接続部に電気的に接続される電源装置をさらに備え、
前記電源装置は、前記筐体の内部に収容される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装着装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の装着装置と、
光を出射する灯具と
を備える、照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着装置及び照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の照明器具は、ダクトレールに取り付けられる。照明器具は、ダクトレールに沿った長さを有する基体と、基体の上面の一端部に備えられた電源プラグと、他端部に備えられた係止体とを備える。電源プラグの通電用翼体がダクトレールの通電板に接触し、電源プラグの係止用翼体がダクトレールに係止することによって、電源プラグがダクトレールに固定される。また、係止体の突起部がダクトレールに係合することによって、係止体がダクトレールに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-302740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された照明器具では、係止体をダクトレールに固定させなくとも、電源プラグのみがダクトレールに固定されて、照明器具がダクトレールに取り付けられる可能性がある。この場合、電源プラグを中心として筐体が不意に回転し、電源プラグが筐体から外れてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、照明器具を安定してレールに装着できる装着装置及び照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に開示する装着装置は、レールに照明器具を装着可能である。装着装置は、接続部と、ベース部と、筐体と、凸部とを備える。接続部は、前記レールに対して着脱可能に電気的に接続される。ベース部は、前記接続部が配置される。筐体は、前記ベース部を収容し、前記接続部が前記レールに接続された状態で前記レールに沿って延びる。凸部は、前記接続部が前記レールに接続された状態で、前記レールの内部に位置する。前記凸部は、前記筐体が延びる方向に、前記接続部と隣り合う。
【0007】
本願に開示する装着装置において、前記凸部は、複数の壁部を含むことが好ましい。前記複数の壁部の各々の主面は、互いに交差しており、連接していることが好ましい。
【0008】
本願に開示する装着装置は、前記筐体を覆う蓋部をさらに備えることが好ましい。前記蓋部の熱伝導率は、前記ベース部の熱伝導率よりも高いことが好ましい。
【0009】
本願に開示する装着装置において、前記ベース部と前記凸部とは、一体的に構成されることが好ましい。
【0010】
本願に開示する装着装置は、前記筐体を覆う蓋部をさらに備えることが好ましい。前記蓋部は、前記凸部を含むことが好ましい。
【0011】
本願に開示する照明器具は、上記装着装置と、灯具とを備える。灯具は、光を出射する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、照明器具を安定してレールに装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係る照明器具を示す側面図である。
図2】実施形態1に係る照明器具及びダクトレールを示す斜視図である。
図3】実施形態1に係る照明器具を示す斜視図である。
図4】実施形態1に係る照明器具を示す分解斜視図である。
図5】本発明の実施形態2に係る照明器具を示す斜視図である。
図6】(a)は、本発明の実施形態3に係る照明器具の蓋部を示す展開図である。(b)は、実施形態3に係る照明器具の蓋部を示す側面図である。(c)は、実施形態3に係る照明器具の蓋部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を参照して説明することがある。例えば、X方向及びY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。ただし、X方向及びY方向は水平方向以外の方向に平行であってもよく、Z方向は鉛直方向以外の方向に平行であってもよい。
【0015】
(実施形態1)
まず、図1を参照して、本発明の実施形態1に係る照明器具50について説明する。図1は、実施形態1に係る照明器具50を示す側面図である。図1に示すように、照明器具50は、ダクトレール100に着脱自在に装着される。ダクトレール100は、「レール」の一例である。
【0016】
ダクトレール100は、例えば天井Cに固定される。本実施形態では、天井Cに固定されたダクトレール100に照明器具50を取り付ける場合を例に挙げて、照明器具50を説明する。なお、ダクトレール100は、天井Cに埋設されてもよいし、アーム又はワイヤ等によって天井Cから吊下げられてもよい。また、ダクトレール100は、壁又は床に固定されてもよい。従って、照明器具50は、壁又は床に配置されてもよい。実施形態1において、ダクトレール100は、第1方向D1に延びる。第1方向D1は、例えば、天井Cに平行な方向である。
【0017】
照明器具50は、装着装置1と、灯具2と、連結アーム部4とを備える。
【0018】
灯具2は、光出射面2aを有する。灯具2は、光出射面2aから灯具2の外部に光を出射する。
【0019】
装着装置1は、ダクトレール100に照明器具50を装着可能である。図1に示す装着装置1は、ダクトレール100に照明器具50を装着させている。装着装置1は、筐体3と、接続部6と、凸部9と、係合部10と、ベース部11とを備える。
【0020】
筐体3は、ダクトレール100に着脱可能に装着される。筐体3は、例えば、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、ダクトレール100に沿って延びる。すなわち、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、筐体3は、例えば、第1方向D1に延びる。実施形態1では、筐体3は、例えば、ダクトレール100との間に隙間が無い状態又は略隙間が無い状態でダクトレール100に装着される。
【0021】
ベース部11は、筐体3に収容される。実施形態1において、ベース部11には、接続部6及び凸部9が配置される。照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、ベース部11は、第1方向D1において、筐体3の一方端部3e1の側に配置される。従って、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、接続部6及び凸部9の各々は、第1方向D1において、筐体3の一方端部3e1の側に配置される。
【0022】
接続部6は、ダクトレール100に対して着脱可能に電気的に接続される。接続部6は、例えばプラグである。具体的には、接続部6には、ダクトレール100から外部電源電圧が印加される。接続部6がダクトレール100に接続された状態、すなわち、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、接続部6は、ベース部11から天井Cに向かって突出する。また、接続部6がダクトレール100に接続された状態で、接続部6は、ダクトレール100の内部に位置する。
【0023】
凸部9は、筐体3が延びる方向(第1方向D1)に、接続部6と隣り合う。すなわち、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、凸部9は、第1方向D1に、接続部6と隣り合う。実施形態1において、凸部9は、例えば、第1方向D1において、接続部6よりも、筐体3の他方端部3e2に近い。なお、実施形態1において、筐体3の一方端部3e1と、筐体3の他方端部3e2とは、互いに略平行である。
【0024】
係合部10は、例えば、筐体3に配置される。具体的には、係合部10は、筐体3の蓋部31に配置される。照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、蓋部31は、筐体3のうちのダクトレール100に対向する面に配置される。なお、図1では、理解の容易のため、蓋部31の記載を省略している。
【0025】
また、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、係合部10は、第1方向D1において、筐体3の他方端部3e2の側に配置される。すなわち、係合部10と、接続部6、凸部9及びベース部11とは、筐体3において、互いに反対の側に配置される。
【0026】
係合部10は、ダクトレール100に着脱可能である。具体的には、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、係合部10は、ダクトレール100の内部に係合される。従って、地震等に起因する建物の揺れによって照明器具50に振動が加わる場合であっても、係合部10がダクトレール100に係合しているため、照明器具50を安定してダクトレール100に装着できる。
【0027】
また、実施形態1において、接続部6がダクトレール100に接続された状態、すなわち、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、凸部9は、ダクトレール100の内部に位置する。従って、係合部10がダクトレール100に精度よく係合していない状態で、照明器具50に振動が加わる場合であっても、凸部9がストッパーとして機能し、接続部6を中心として筐体3が回転することを抑制できる。例えば、図1に示す例では、筐体3が水平方向に回転することを抑制できる。その結果、筐体3の回転に伴う接続部6の回転を抑制できるため、接続部6がダクトレール100から外れることを抑制できる。ひいては、照明器具50を安定してダクトレール100に装着できる。また、筐体3が回転することを抑制できるため、筐体3の回転に伴って灯具2が回転したり傾いたりすることを抑制できる。その結果、灯具2による光の出射方向がユーザーの意図しない方向に変わることを抑制できる。
【0028】
連結アーム部4は、灯具2と筐体3とを連結する。実施形態1の照明器具50は、スポットライトであり、灯具2は、連結アーム部4によって、筐体3に対して傾動自在に支持されている。従って、灯具2と筐体3との間の角度を変化させることができる。例えば、灯具2と筐体3との間の角度を、0°以上92°以下の範囲で変化させることができる。また、灯具2は、連結アーム部4を回転軸として回転自在である。ここで、仮に、照明器具50が凸部9を備えておらず、係合部10がダクトレール100から外れている場合、連結アーム部4を回転軸として灯具2を回転させることに伴なって、筐体3が回転する可能性がある。従って、実施形態1では、照明器具50が凸部9を備えているため、係合部10がダクトレール100から外れている場合であっても、灯具2の回転に伴う筐体3の回転を抑制できる。その結果、灯具2の姿勢をユーザーの意図した姿勢に変化させる場合であっても、筐体3の回転に伴う接続部6の回転に起因して接続部6がダクトレール100から外れることを抑制できる。
【0029】
次に、図2を参照して、ダクトレール100に装着される照明器具50について説明する。図2は、照明器具50及びダクトレール100を示す斜視図である。具体的には、図2は、照明器具50に対して天井Cと反対の側から見たときの照明器具50及びダクトレール100を示す斜視図である。以下では、説明の便宜のために、ダクトレール100に対して照明器具50が配置される側を「下側」と規定し、照明器具50に対してダクトレール100が配置される側を「上側」と規定して、上下方向を規定する場合がある。
【0030】
図2に示すように、ダクトレール100は、レールベース101を有する。レールベース101は、直線状に延設される。
【0031】
レールベース101は、下壁101aを有する。下壁101aは、ダクトレール100の下面を構成する。レールベース101の下壁101aには、挿通溝101bが形成される。挿通溝101bは、レールベース101が延びる方向(第1方向D1)に延びる。挿通溝101bは、レールベース101の内部と連通するスリットである。
【0032】
レールベース101は、2つの導体部102、及び2つの支持部103を内部に有する。2つの導体部102、及び2つの支持部103は、レールベース101が延びる方向(第1方向D1)に延びる。
【0033】
2つの導体部102は、挿通溝101bを挟んで対向する。各導体部102には、外部電源電圧が印加される。2つの支持部103は、2つの導体部102の下方に設けられる。2つの支持部103は、挿通溝101bを挟んで対向する。
【0034】
実施形態1において、第1方向D1に交差する第2方向D2に沿った凸部9の幅W1は、第2方向D2に沿った挿通溝101bの幅W2より小さい。照明器具50がダクトレール100に装着されるときには、接続部6及び凸部9は、挿通溝101bを通過する。その結果、照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、凸部9は、ダクトレール100の内部に位置する。なお、実施形態1において、第1方向D1と第2方向D2とは、互いに直交する。
【0035】
また、実施形態1において、第2方向D2に沿った筐体3の幅W3は、例えば第2方向D2に沿ったダクトレール100の幅W4と略同一である。また、筐体3の長手方向に沿った一対の側面は、それぞれ、ダクトレール100の長手方向に沿った一対の側面に対して面一である。従って、照明器具50をダクトレール100に装着した場合、装着装置1とダクトレール100とが一体感のあるデザインとなる。また、筐体3のうちのダクトレール100に対向する面を覆う蓋部31の全面又は略全面がダクトレール100によって覆われるため、蓋部31に埃等が付着し難くなる。
【0036】
次に、図3及び図4を参照して、照明器具50についてさらに説明する。図3は、照明器具50を示す斜視図である。図4は、照明器具50を示す分解斜視図である。具体的には、図3及び図4は、天井Cの側から見たときの照明器具50を示している。また、図3及び図4では、説明の便宜のため、ダクトレール100を省略している。
【0037】
図3及び図4に示すように、灯具2は、光源21を含む。光源21は、灯具2の内部に配置される。光源21は光を出射する。光源21から発生した光は、光出射面2aから灯具2の外部に出射される。光源21は、発光素子として、例えばLED(Light Emitting Diode)素子を有する。光源21は、例えばSMD(surface mount device)、又はCOB(chip on board)である。本実施形態において、光源21は面状光源である。
【0038】
接続部6は回転軸線AXを中心軸として回転自在である。照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、回転軸線AXは、例えばZ軸方向に延びる。接続部6が回転することにより、接続部6の姿勢が切り替わる。接続部6の姿勢が切り替わることによって、ダクトレール100と接続部6とが電気的に接続された状態と、ダクトレール100と接続部6とが電気的に非接続である状態とが切り替わる。
【0039】
実施形態1において、接続部6は、例えば、支柱部61と、2つのプラグ端子62と、レール係合部63とを含む。
【0040】
支柱部61は、回転軸線AXに沿って延びる。支柱部61は、接続部6の回転軸として機能する。回転軸線AXは支柱部61の中心軸であり、支柱部61は、回転軸線AXを中心軸として回転自在である。
【0041】
2つのプラグ端子62の各々は、支柱部61の周面から突出する。プラグ端子62は、支柱部61の回転に応じて、回転軸線AXを中心軸として回転する。レール係合部63は、支柱部61の周面に設けられる。レール係合部63は、回転軸線AXに沿う方向において、プラグ端子62よりもベース部11に近い位置に配置される。レール係合部63もまた、支柱部61の回転に応じて、回転軸線AXを中心軸として回転する。
【0042】
図3及び図4に示す接続部6の姿勢は、ダクトレール100と接続部6とが電気的に接続されるときの姿勢である。接続部6が、ダクトレール100と接続部6が電気的に接続するときの姿勢である場合、プラグ端子62とダクトレール100の導体部102とが電気的に接続するとともに、レール係合部63とダクトレール100の支持部103とが係合する(図2参照)。
【0043】
プラグ端子62がダクトレール100の導体部102と接続すると、導体部102からプラグ端子62に外部電源電圧が印加される。外部電源電圧は、図示しないケーブルを介して、プラグ端子62から電源装置5へ伝送される。電源装置5については後述する。
【0044】
レール係合部63がダクトレール100の支持部103に係合すると、照明器具50がダクトレール100に装着(固定)される。具体的には、レール係合部63は、支持部103とレールベース101の下壁101aとによって挟持される。
【0045】
一方、図3及び図4に示す接続部6が、回転軸線AXを中心軸として90度回転した場合、接続部6は、ダクトレール100と接続部6とが電気的に非接続であるときの姿勢に遷移する。接続部6が、ダクトレール100と接続部6とが電気的に非接続であるときの姿勢である場合、ダクトレール100の挿通溝101bと、接続部6のプラグ端子62及びレール係合部63とは略平行である。すなわち、接続部6が、ダクトレール100と接続部6とが電気的に非接続であるときの姿勢である場合、ダクトレール100の導体部102と接続部6のプラグ端子62とが接続せず、ダクトレール100の支持部103と接続部6のレール係合部63とが係合しない。従って、接続部6が、ダクトレール100と接続部6が電気的に非接続であるときの姿勢である場合、ダクトレール100の挿通溝101bに対してプラグ端子62及びレール係合部63を挿脱することが可能となる。
【0046】
照明器具50は、電源装置5と、操作レバー7と、回転止め部8とを更に備える。
【0047】
実施形態1において、電源装置5は、例えば、筐体3の内部に収容される。電源装置5は、外部電源電圧に基づいて、光源21に供給する電力を生成する。光源21が発光素子としてLED素子を有する場合、電源装置5は、LED素子を駆動させる直流電圧を生成する。電源装置5は、電力生成部の一例である。
【0048】
操作レバー7は、作業者によって操作される。操作レバー7は、例えば、回転軸線AXを中心軸として回転自在である。操作レバー7が回転することに伴って、接続部6が回転する。すなわち、作業者は、操作レバー7を回転させることによって、接続部6を回転させることができる。
【0049】
回転止め部8は、操作レバー7の回転を阻止する。図3及び図4に示す回転止め部8は、操作レバー7の回転を阻止している状態である。回転止め部8は、突起81と操作部82とを含む。回転止め部8が操作レバー7の回転を阻止した状態では、突起81は、操作レバー7に当接している。操作部82は、作業者によって操作される部位である。作業者が操作部82を第3方向D3にスライドさせることによって、突起81が第3方向D3に移動する。その結果、突起81が操作レバー7から離れて、操作レバー7の回転が許容される。
【0050】
図3及び図4に示すように、実施形態1において、ベース部11と凸部9とは、一体的に構成される。従って、凸部9をベース部11に配置させるための部材が不要であり、部品点数、及び照明器具50の組立工数を削減できる。実施形態1において、ベース部11は、例えば樹脂製である。ベース部11が樹脂製である場合には、凸部9もまた、ベース部11と同様に樹脂製である。
【0051】
また、実施形態1において、例えば、凸部9は、第1方向D1において、接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に近い。従って、凸部9が接続部6よりも他方端部3e2に遠い場合よりも、凸部9から筐体3の他方端部3e2までの距離が短くなる。その結果、仮に係合部10が精度よくダクトレール100に係合していない場合に、筐体3の他方端部3e2が、回転軸線AXを中心として回転方向Rに回転することを精度よく抑制できる。回転方向Rは、例えば水平方向に沿った方向である。
【0052】
図4に示すように、実施形態1において、筐体3は、ダクトレール100に対向する面が開放されている。装着装置1は、蓋部31を更に備える。照明器具50がダクトレール100に装着された状態で、蓋部31は、ダクトレール100に対向する(図1参照)。蓋部31は、筐体3を覆う。具体的には、蓋部31は、筐体3のうちの開放された面を覆う。すなわち、蓋部31は、例えば、筐体3の蓋として機能する。蓋部31は、例えば金属製である。蓋部31は、筐体3に装着される。具体的には、蓋部31は、例えば、ビスのような固定部材3bによって、筐体3に固定される。
【0053】
実施形態1において、蓋部31の熱伝導率は、ベース部11の熱伝導率よりも高い。ベース部11と凸部9とが一体的に構成される場合には、蓋部31の熱伝導率は、ベース部11及び凸部9の熱伝導率よりも高い。従って、蓋部31によって電源装置5の熱を効果的に放散できる。
【0054】
図4に示すように、蓋部31は、開口31h及び切り欠き31nを有する。蓋部31を筐体3に固定する場合、凸部9は、開口31hに挿通される。そして、蓋部31が筐体3に固定された状態で、凸部9は、蓋部31の開口31hの内部に位置する。また、蓋部31を筐体3に固定する場合、接続部6は、切り欠き31nを通過する。蓋部31が筐体3に固定された状態で、ベース部11の一部は、切り欠き31nを介して露出している。
【0055】
実施形態1において、凸部9は、例えば複数の壁部9wを含む。複数の壁部9wの各々は、互いに交差しており、連接している。具体的には、凸部9は、平面視において、角ばったU字形状を有する。従って、凸部9が単数の壁部9wによって構成される場合よりも、凸部9の強度を向上でき、例えば凸部9が第1方向D1に折れ曲がったり倒れたりすることを抑制できる。なお、凸部9の壁部9wの強度が高い場合、凸部9が複数の壁部9wを含むことは必須ではない。例えば、凸部9は、接続部6から離れる方向、又は接続部6に近づく方向に向かって凸状に湾曲する単数の壁部9wを含んでもよい。また、凸部9は、第1方向D1に沿った厚みの大きい単数の壁部9wを含んでもよい。
【0056】
具体的には、凸部9は、1枚の壁部9w1と、一対の壁部9w2とを含む。壁部9w1は、一対の壁部9w2の間に位置する。壁部9w1は、例えば、一対の壁部9w2の各々に対して交差している。具体的には、壁部9w1は、例えば、一対の壁部9w2の各々に対して略直交している。一対の壁部9w2は、第2方向D2に、互いに対向する。壁部9w1は、第2方向D2及び第3方向D3に沿って延びる。また、一対の壁部9w2の各々は、第1方向D1及び第2方向D2に沿って延びる。
【0057】
(実施形態2)
次に、図5を参照して、本発明の実施形態2に係る照明器具50aについて説明する。図5は、実施形態2に係る照明器具50aを示す斜視図である。なお、図5では、図3に示す実施形態1の照明器具50と同様の視点で、実施形態2に係る照明器具50aを示している。また、蓋部31aが凸部9aを含む点で、実施形態2は実施形態1と異なる。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる事項について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は割愛する。
【0058】
図5に示すように、装着装置1aは、筐体3と、蓋部31aと、接続部6と、凸部9aと、係合部10と、ベース部11とを備える。実施形態2において、蓋部31aは、凸部9aを含む。すなわち、実施形態2において、蓋部31aと凸部9aとは、一体的に構成される。
【0059】
接続部6がダクトレール100に接続された状態、すなわち、照明器具50aがダクトレール100に接続された状態で、凸部9aは、ダクトレール100の内部に位置する。従って、係合部10が精度よくダクトレール100に係合していない場合に、照明器具50aに振動が加わる場合であっても、凸部9aがストッパーとして機能して、接続部6を中心として筐体3が回転方向Rに回転することを抑制できる。その結果、照明器具50aを安定してダクトレール100に装着できる。
【0060】
例えば、蓋部31aの一部を切り起こすことによって、凸部9aが形成される。具体的には、例えば、蓋部31aに角ばったU字形状の切込みを形成して、切込みの内側を起こすことによって、凸部9aが形成される。従って、凸部9aを蓋部31aに配置させるための部材が不要であるため、部品点数、及び照明器具50aの組立工数を削減できる。
【0061】
実施形態2において、凸部9aは、単数の壁部9w(9w3)を含む。ただし、凸部9aは、複数の壁部9wを含んでいてもよい。複数の壁部9wを含む凸部9aは、例えば、平面視において角ばったU字形状を有する。すなわち、凸部9aの複数の壁部9wは、例えば、互いに交差しており、連接している。
【0062】
実施形態2において、第1方向D1から凸部9aを見た場合、凸部9aは、略矩形形状を有する。具体的には、凸部9aは、長方形形状を有する。ただし、凸部9aは、台形形状を有していてもよい。また、凸部9aは、テーパー形状を有していてもよい。凸部9aがテーパー形状を有する場合、凸部9aを、ダクトレール100の挿通溝101b(図2参照)に挿入させやすい。従って、照明器具50aをダクトレール100に装着させる作業者の負担を軽減しつつ、安定して照明器具50aをダクトレール100に装着できる。
【0063】
また、実施形態2において、例えば、凸部9aは、筐体3が延びる方向(第1方向D1)において、接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に近い。従って、凸部9aが接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に遠い場合よりも、凸部9aから筐体3の他方端部3e2までの距離が短くなる。その結果、第1方向D1において、凸部9aが接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に遠い場合よりも、回転軸線AXを中心として筐体3が回転方向Rに回転することを精度よく抑制できる。
【0064】
(実施形態3)
次に、図6を参照して、本発明の実施形態3に係る照明器具50aの蓋部31bについて説明する。図6(a)は、蓋部31bを示す展開図である。図6(b)は、蓋部31bを示す側面図である。図6(c)は、蓋部31bを示す斜視図である。また、蓋部31bが凸部9bを含む点で、実施形態3は実施形態2と異なる。以下、実施形態3について、実施形態2と異なる事項について説明し、実施形態2と重複する部分についての説明は割愛する。なお、発明を理解しやすくするため、図6(a)では、蓋部31bの折り曲げ線L1、折り曲げ線L2及び折り曲げ線L3を示しており、実際には存在しない。
【0065】
図6(a)に示すように、装着装置1aの蓋部31bは、一対の溝31bgを有する。一対の溝31bgは、第1方向D1において、蓋部31bの一方端部31beの側に位置する。また、一対の溝31bgは、第2方向D2に互いに対向する。一対の溝31bgの各々は、第2方向D2に沿って延びる。
【0066】
折り曲げ線L1は、第2方向D2に沿って延びる。また折り曲げ線L1は、一方の溝31bgから他方の溝31bgまで延びる。折り曲げ線L2及び折り曲げ線L3の各々は、第1方向D1に沿って延びる。すなわち、折り曲げ線L2と折り曲げ線L3とは、互いに略平行である。また、折り曲げ線L2及び折り曲げ線L3の各々は、蓋部31bの一方端部31beから、一対の溝31bgの各々まで延びる。
【0067】
折り曲げ線L1、折り曲げ線L2及び折り曲げ線L3の各々に沿って、蓋部31bを折り曲げることによって、図6(b)及び図6(c)に示すように、蓋部31bの凸部9bが形成される。すなわち、蓋部31bの一部を折り曲げ加工することによって、凸部9bが形成される。
【0068】
実施形態3において、凸部9bは、複数の壁部9wを含む。複数の壁部9wの各々は、互いに交差しており、連接している。具体的には、凸部9bは、平面視において、角ばったU字形状を有する。従って、凸部9bが単数の壁部9wを構成される場合よりも、凸部9bの強度を向上できる。
【0069】
具体的には、凸部9bは、1枚の壁部9w4と、一対の壁部9w5とを含む。壁部9w4は、一対の壁部9w5の間に位置する。壁部9w4は、例えば、一対の壁部9w5の各々に対して略直交している。一対の壁部9w5は、第2方向D2に互いに対向する。
【0070】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態及び変形例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素のD、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0071】
(1)図3及び図5を参照して説明したように、本発明の実施形態において、凸部9は、筐体3が延びる方向において、接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に近い位置に配置された。ただし、凸部9と接続部6とが隣り合う限り、凸部9は、接続部6よりも筐体3の他方端部3e2に遠い位置に配置されてもよい。
【0072】
(2)図3及び図4を参照して説明したように、本発明の実施形態において、凸部9は、複数の壁部9wを含んだ。ただし、凸部9が接続部6に隣接し、照明器具50がダクトレール100に装着される状態で凸部9がダクトレール100の内部に位置する限り、凸部9は、単数の壁部9wを含んでもよい。
【0073】
(3)図3図5を参照して説明したように、本発明の実施形態において、電源装置5は、筐体3の内部に収容された。ただし、電源装置5は、筐体3の内部に収容されなくてもよい。電源装置5は、例えば、灯具2に配置されてもよい。この場合、筐体3には、電源装置5と接続部6とを接続する配線が収容されていてもよい。また、筐体3には、電源装置5、電源装置5と接続部6とを接続する配線、及び電源装置5と光源21とを接続する配線が収容されていてもよい。
【0074】
(4)図3図5、及び図6を参照して説明したように、本発明の実施形態において、凸部9(凸部9a、凸部9b)は、壁部9wを含んだ。ただし、接続部6がダクトレール100に装着された状態で、凸部9がダクトレール100の内部に位置する限り、凸部9の形状は特に限定されない。例えば、凸部9は、略円柱形状、略角柱形状、略半球形状、又は略半楕円体形状を有していてもよい。
【0075】
(5)図4を参照して説明したように、本発明の実施形態において、筐体3を覆う蓋部31は、金属製であった。ただし、蓋部31の熱伝導率がベース部11の熱伝導率よりも高い限り、蓋部31は、樹脂製であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、装着装置及び照明器具の分野に利用可能であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0077】
1 装着装置
3 筐体
31 蓋部
6 接続部
9 凸部
9w 壁部
50 照明器具
100 ダクトレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6