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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240925BHJP
   A61H 23/02 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A61H7/00 323G
A61H23/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021017204
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120361
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 正生
【審査官】立花 啓
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-084268(JP,A)
【文献】国際公開第2009/078147(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/230304(WO,A1)
【文献】特開2000-242277(JP,A)
【文献】特開平09-222892(JP,A)
【文献】特開平09-081157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲音を集音し、前記周囲音を音信号に変換して前記音信号を出力するマイクロフォン部と、
前記音信号に基づくノイズ抑制信号を生成する信号生成部と、
前記ノイズ抑制信号を音に変換して前記音を出力するスピーカ部と、
エアバッグと、
前記エアバッグにエアを供給するエアポンプと、
施療子を含むマッサージユニットと、
前記マッサージユニットを昇降させる昇降モータと、
を備え
前記信号生成部は、前記音信号のうちの前記エアポンプの駆動音が変換された信号に基づき前記ノイズ抑制信号を生成するマッサージ機。
【請求項2】
前記信号生成部は、前記音信号のうちの前記昇降モータの駆動音が変換された信号に基づかずに、前記ノイズ抑制信号を生成する請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記マイクロフォン部と前記信号生成部と前記スピーカ部は、前記マッサージ機が有する密閉空間内に設けられている、請求項1又は請求項2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、をさらに備え、
前記マイクロフォン部は、前記座部の下方に設置される第1マイクロフォンと、前記背凭れ部に設置される第2マイクロフォンと、を含み、
前記スピーカ部は、前記座部の下方に設置される第1スピーカと、前記背凭れ部に設置される第2スピーカと、を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記第2マイクロフォンは、前記背凭れ部の左側部分に配置される左側マイクロフォンと、前記背凭れ部の右側部分に配置される右側マイクロフォンと、を含み、
前記第2スピーカは、前記背凭れ部の左側部分に配置される左側スピーカと、前記背凭れ部の右側部分に配置される右側スピーカと、を含む、請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記信号生成部は、前記音信号のうちの3000Hz未満の前記周囲音が変換された信号に基づき前記ノイズ抑制信号を生成する、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
マッサージ機は、エアバッグの膨縮、施療子の移動などによって被施療者に対するマッサージを実行する。エアバッグの膨縮、施療子の移動などは、モータの駆動が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-205628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータの駆動音は、被施療者にとっての騒音であり、被施療者に不快感を与える。特許文献1で提案されているエアーマッサージ装置は、防音部を備える。特許文献1では、防音部の防音の方法として、遮音、吸音、消音、及び防振が例示されている。これらの例示された方法では、被施療者に到達する騒音を少し小さくできるものの、被施療者に与える不快感を抑制するには至らない。
【0005】
本発明は、上記の状況に鑑み、被施療者に与える不快感を抑制することができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書中に開示されているマッサージ機は、周囲音を集音し、前記周囲音を音信号に変換して前記音信号を出力するマイクロフォン部と、前記音信号に基づくノイズ抑制信号を生成する信号生成部と、前記ノイズ抑制信号を音に変換して前記音を出力するスピーカ部と、を備える構成である。
【発明の効果】
【0007】
本明細書中に開示されているマッサージ機によれば、被施療者に与える不快感を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施例に係るマッサージ機の概略斜視図
図2】一実施例に係るマッサージ機に設けられる騒音対策装置のブロック図
図3】一実施例に係るマッサージ機の動作を制御する制御系を示すブロック図
図4】一実施例に係るマッサージ機の基台フレームを模式的に示す側面図
図5】フットマッサージャーの概略斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中に開示されているマッサージ機は、周囲音を集音し、前記周囲音を音信号に変換して前記音信号を出力するマイクロフォン部と、前記音信号に基づくノイズ抑制信号を生成する信号生成部と、前記ノイズ抑制信号を音に変換して前記音を出力するスピーカ部と、を備える構成(第1の構成)である。
【0010】
上記第1の構成のマッサージ機において、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持する背凭れ部と、をさらに備え、前記マイクロフォン部は、前記座部の下方に設置される第1マイクロフォンと、前記背凭れ部に設置される第2マイクロフォンと、を含み、前記スピーカ部は、前記座部の下方に設置される第1スピーカと、前記背凭れ部に設置される第2スピーカと、を含む構成(第2の構成)にしてもよい。
【0011】
上記第2の構成のマッサージ機において、前記第2マイクロフォンは、前記背凭れ部の左側部分に配置される左側マイクロフォンと、前記背凭れ部の右側部分に配置される右側マイクロフォンと、を含み、前記第2スピーカは、前記背凭れ部の左側部分に配置される左側スピーカと、前記背凭れ部の右側部分に配置される右側スピーカと、を含む構成(第3の構成)にしてもよい。
【0012】
上記第1~第3いずれかの構成のマッサージ機において、前記信号生成部は、前記音信号のうちの所定周波数以下の前記周囲音が変換された信号に基づき前記ノイズ抑制信号を生成する構成(第4の構成)にしてもよい。
【0013】
上記第4の構成のマッサージ機において、エアバッグと、前記エアバッグにエアを供給するエアポンプと、施療子を含むマッサージユニットと、前記マッサージユニットを昇降させる昇降モータと、をさらに備え、前記信号生成部は、前記音信号のうちの前記エアポンプの駆動音が変換された信号に基づき、且つ、前記音信号のうちの前記昇降モータの駆動音が変換された信号に基づかずに、前記ノイズ抑制信号を生成する構成(第5の構成)にしてもよい。
【0014】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1は一実施例に係るマッサージ機100の前方斜視図である。以下の説明において、マッサージ機100に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」という。また、マッサージ機100に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、マッサージ機100に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0016】
マッサージ機100は、座部200、背凭れ部300、基台部400、腕施療部500、操作部600、コード線700、スタンド800、及びオットマン900を備える。
【0017】
座部200は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する。基台フレーム(図1において不図示)は、座部200の下方に位置する。
【0018】
背凭れ部300は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。背凭れ部300は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸回りに回動可能に、座部200の後端に取り付けられている。背凭れ部300は、被施療者の肩及び腰に接する面300Aに沿って延びるガイドレール300B及び300Cを内蔵している。背面用マッサージユニット(不図示)は、ガイドレール300B及び300Cによって案内されて背凭れ部300内で昇降する。なお、ガイドレール300B及び300Cを座部200の後部にまで延長し、背面用マッサージユニットが座部200及び背凭れ部300内で昇降するようにしてもよい。背面用マッサージユニットは、背面用施療子と、背面用施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、背面用施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と、を備える。また、背面用マッサージユニットは、背面用マッサージユニットを昇降させる昇降モータをさらに備える。
【0019】
基台部400は、座部200の左右両側且つ座部200の下方に立設して設けられる。
【0020】
腕施療部500は、座部200の左右両側且つ座部200の上方に立設して設けられる。腕施療部500は、膨縮可能なエアバッグを内蔵する。当該エアバッグの膨縮によって被施療者の腕はマッサージされる。なお、膨縮可能なエアバッグは、腕施療部500以外に、背凭れ部300、基台部400、及びオットマン900にも設けられる。各エアバッグは、被施療者の各被施療部をマッサージする。
【0021】
操作部600は、被施療者が施療パターンの選択や施療の強弱調節などを行うための入力装置である。操作部600はコード線700を介して座部200の下方に設けられる制御部(図1において不図示)に接続される。制御部(図1において不図示)は、操作部600から出力される信号に基づいてマッサージ機100の各部を制御する。
【0022】
スタンド800は、座部200の左側に設けられる腕施療部500に固定されている。操作部600はスタンド800に対して装脱着可能である。
【0023】
オットマン900は、被施療者の下腿を収容する。オットマン900は、基台フレーム(図1において不図示)に回動可能に取り付けられる。より詳細には、オットマン900は、左右方向に沿って延びる回転軸回りに回動可能に、基台フレーム(図1において不図示)に取り付けられる。オットマン900は、基台フレーム(図1において不図示)の前方に位置する。
【0024】
図2は、マッサージ機100に設けられる騒音対策装置のブロック図である。マッサージ機100は、騒音対策装置として、マイクロフォン部1と、信号生成部2と、スピーカ部3と、を備える。
【0025】
マイクロフォン部1は、周囲音を集音し、その周囲音を音信号に変換してその音信号を出力する。信号生成部2は、マイクロフォン部1から出力される音信号に基づくノイズ抑制信号を生成する。スピーカ部3は、信号生成部2から出力されるノイズ抑制信号を音に変換してその音を出力する。
【0026】
スピーカ部3から出力される音が上述した周囲音をキャンセルすることによって、マッサージ機100は、被施療者に与える不快感を抑制することができる。なお、上述したキャンセルとは、周囲音を完全にキャンセルする場合に限定されることはなく、周囲音の少なくとも一部をキャンセルすることを意味している。
【0027】
なお、マッサージ機100は、マイクロフォン部1、信号生成部2、及びスピーカ部3以外に、遮音部材、吸音部材、消音部材、及び防振部材の少なくとも一つを備える構成であってもよい。
【0028】
本実施例では、マイクロフォン部1は、座部200の下方に設置される第1マイクロフォン11と、背凭れ部300に設置される第2マイクロフォン12と、を含む。座部200の下方は、被施療者に接する箇所ではないため密閉空間を作り易い。つまり、第1マイクロフォン11は密閉空間を作り易い箇所に設置されている。マッサージ機100において騒音が発生する箇所は複数あるが、密閉空間を作り易い箇所において騒音対策を施すことが非常に効果的である。したがって、第1マイクロフォン11が座部200の下方に設置されることで、非常に効果の高い騒音対策を実現することができる。また、本実施例では、第2マイクロフォン12は、背凭れ部300の左側部分に配置される左側マイクロフォン12Lと、背凭れ部300の右側部分に配置される右側マイクロフォン12Rと、を含む。なお、本実施例とは異なり、マイクロフォン部1が単一のマイクロフォンのみを含む構成であってもよい。
【0029】
なお、ここでいう「密閉空間」とは厳密に密閉された空間に限定されない。例えば、配線を通すための貫通孔が基台部400に穿孔されており、この貫通孔を介して基台部400の内部空間がマッサージ機の外界と連通している形態であっても、内部空間が全体として閉じている状態であれば、このような内部空間も密閉空間に含まれる概念である。
【0030】
本実施例では、信号生成部2は、フーリエ変換部21、22L、及び22Rと、ローパスフィルタ部23、24L、及び24Rと、位相反転部25、26L、及び26Rと、逆フーリエ変換部27、28L、及び28Rと、を含む。
【0031】
フーリエ変換部21は、第1マイクロフォン11から出力される音信号S1を周波数軸の信号S2に変換してローパスフィルタ部23に出力する。ローパスフィルタ部23は、周波数軸の信号S2から所定周波数以下の信号S3を抽出して位相反転部25に出力する。位相反転部25は、逆位相信号S4を逆フーリエ変換部27に出力する。逆位相信号S4は、所定周波数以下の信号S3を位相反転した信号である。逆フーリエ変換部27は、逆位相信号S4を時間軸の信号S5に変換する。時間軸の信号S5は、音信号S1のうちの所定周波数以下の周囲音が変換された信号に基づき生成されるノイズ抑制信号である。
【0032】
フーリエ変換部22Lは、左側マイクロフォン12Lから出力される音信号S6を周波数軸の信号S7に変換してローパスフィルタ部24Lに出力する。ローパスフィルタ部24Lは、周波数軸の信号S7から所定周波数以下の信号S8を抽出して位相反転部26Lに出力する。位相反転部26Lは、逆位相信号S9を逆フーリエ変換部28Lに出力する。逆位相信号S9は、所定周波数以下の信号S8を位相反転した信号である。逆フーリエ変換部28Lは、逆位相信号S9を時間軸の信号S10に変換する。時間軸の信号S10は、音信号S6のうちの所定周波数以下の周囲音が変換された信号に基づき生成されるノイズ抑制信号である。
【0033】
フーリエ変換部22Rは、右側マイクロフォン12Rから出力される音信号S11を周波数軸の信号S12に変換してローパスフィルタ部24Rに出力する。ローパスフィルタ部24Rは、周波数軸の信号S12から所定周波数以下の信号S13を抽出して位相反転部26Rに出力する。位相反転部26Rは、逆位相信号S14を逆フーリエ変換部28Rに出力する。逆位相信号S14は、所定周波数以下の信号S13を位相反転した信号である。逆フーリエ変換部28Rは、逆位相信号S14を時間軸の信号S15に変換する。時間軸の信号S15は、音信号S11のうちの所定周波数以下の周囲音が変換された信号に基づき生成されるノイズ抑制信号である。
【0034】
上述した所定周波数の値は、例えば500Hzとする。上述した所定周波数の値は、マイクロフォン部1、信号生成部2、及びスピーカ部3によって構成される騒音対策装置が適切に騒音をキャンセルできる値であればよい。したがって、信号生成部2が一般的な音信号処理装置よりも高速処理が可能であれば、上述した所定周波数の値を500Hzより高くしてもよい。逆に、信号生成部2が一般的な音信号処理装置よりも処理速度が遅ければ、上述した所定周波数の値を500Hzより低くすればよい。
【0035】
本実施例では、スピーカ部3は、座部200の下方に設置される第1スピーカ31と、背凭れ部300に設置される第2スピーカ32と、を含む。また、本実施例では、第2スピーカ32は、背凭れ部300の左側部分に配置される左側スピーカ32Lと、背凭れ部300の右側部分に配置される右側スピーカ32Rと、を含む。なお、本実施例とは異なり、スピーカ部3が単一のスピーカのみを含む構成であってもよい。
右側マイクロフォン、左側マイクロフォン、右側スピーカ、左側スピーカを施療者の耳に近い背もたれ部の左右側に設けることで、騒音を低減したことを被施療者にすぐに認識させることができる。
【0036】
第1スピーカ31は、逆フーリエ変換部27から出力される時間軸の信号(ノイズ抑制信号)S5を音に変換してその音を出力する。左側スピーカ32Lは、逆フーリエ変換部28Lから出力される時間軸の信号(ノイズ抑制信号)S10を音に変換してその音を出力する。右側スピーカ32Rは、逆フーリエ変換部28Rから出力される時間軸の信号(ノイズ抑制信号)S15を音に変換してその音を出力する。
【0037】
図3は、マッサージ機100の動作を制御する制御系を示すブロック図である。
【0038】
マッサージ機100は、制御部41と、記憶部42と、駆動回路43~48と、座部用アクチュエータ49と、背凭れ部用アクチュエータ50、オットマン用アクチュエータ51と、マッサージユニット用アクチュエータ52と、エアポンプ53と、電磁弁群54と、を備える。
【0039】
記憶部42は、制御部41がマッサージ機100の動作を制御するために必要なプログラム及びデータ等を記憶している。
【0040】
制御部41は、操作部600から出力される信号に基づいてマッサージ機100の動作を制御する。具体的には、制御部41は以下のような制御を行う。
【0041】
制御部41は、駆動回路43を介して座部用アクチュエータ49を制御する。制御部41は、駆動回路44を介して背凭れ部用アクチュエータ50を制御する。制御部41は、駆動回路45を介してオットマン用アクチュエータ51を制御する。制御部41は、駆動回路46を介してマッサージユニット用アクチュエータ52を制御する。なお、駆動回路46及びマッサージユニット用アクチュエータ52は、マッサージユニット内に設けられる。マッサージユニット用アクチュエータ52は、上述した昇降モータと、上述した揉み駆動機構に含まれる揉みモータと、上述したたたき駆動機構に含まれるたたきモータと、を備える。
【0042】
制御部41は、駆動回路47を介してエアポンプ53を制御する。制御部41は、駆動回路48を介して電磁弁群54を制御する。電磁弁群54は複数の電磁弁を含む。各電磁弁は、エアポンプ53と、少なくとも1つのエアバッグとの間に配置される。電磁弁は、例えば分流型の3方弁である。エアポンプ53は、配管を通じて電磁弁の入力側の弁に連結される。電磁弁の出力側の一方の弁は、配管を通じて少なくとも1つのエアバッグに連結される。電磁弁の出力側の他方の弁は大気開放が可能な弁である。
【0043】
上述したエアポンプ53及び電磁弁は、エアバッグへのエア供給及びエアバッグからのエア排出を行う給排気部の一例であり、エア供給及びエア排出を停止させることもできる。
【0044】
図4は、マッサージ機100の基台フレームF1を模式的に示す側面図である。
【0045】
基台フレームF1のフレームによって囲まれる空間に、第1マイクロフォン11、第1スピーカ31、制御部41、及びエアポンプ53が配置される。上記空間を囲んでいる基台フレームF1のフレームによって座部(図4において不図示)が支持される。つまり、座部200(図4において不図示)の下方に、第1マイクロフォン11、第1スピーカ31、制御部41、及びエアポンプ53が配置される。なお、基台フレームF1のフレームによって囲まれる空間を密閉空間にすると、効果が大きい。
【0046】
エアポンプ53の駆動音の周波数は100Hz以下である。したがって、上述した所定周波数の値を100Hzより大きく設定すると、信号生成部2は、エアポンプ53の駆動音が変換された信号に基づき時間軸の信号(ノイズ抑制信号)S5を生成する。これにより、第1スピーカ31から出力される音がエアポンプ53の駆動音をキャンセルすることができる。
【0047】
一方、昇降モータの駆動音の周波数は3000Hzを超える。3000Hzを超える駆動音を追従して逆位相の音によってキャンセルすることは難しく、逆位相の音が新たな騒音になりかねない。そこで、上述した所定周波数の値は3000Hz未満であることが望ましい。上述した所定周波数の値を3000Hz未満に設定すると、信号生成部2は、昇降モータの駆動音が変換された信号に基づかずに時間軸の信号(ノイズ抑制信号)S5、S10、S15を生成する。これにより、スピーカ部3から出力される音が新たな騒音になることを防止することができる。
【0048】
マッサージ機100は、第1マイクロフォン11及び第1スピーカ31のみならず、第2マイクロフォン12及び第2スピーカ32を備える構成であるため、上述した所定周波数の値を上述した揉みモータ及びたたきモータの駆動音の周波数以下(一般的に500Hz以下)に設定することで、上述した揉みモータ及びたたきモータの駆動音もキャンセルすることができる。
【0049】
マッサージ機100は、第1マイクロフォン11及び第1スピーカ31のみならず、第2マイクロフォン12及び第2スピーカ32を備える構成であるため、マッサージ機100以外で発生した音(例えばマッサージ機100の近くに設置され、騒音対策装置を備えない構成であるマッサージ機から発せられる騒音)も効果的にキャンセルすることができる。
【0050】
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0051】
本発明は、椅子式マッサージ機に限定されることはなく、例えば図5に示すフットマッサージャーにも適用可能である。図5に示すフットマッサージャーは、被施療者の左下腿を収容する左側収容部L1と、被施療者の右下腿を収容する右側収容部R1と、を備え、被施療者の脹脛、足裏等をマッサージするマッサージ機である。図示していないが、フットマッサージャーはその内部に密閉空間を有しており、その密閉空間内にマイクロフォン部、信号生成部、スピーカ部を内蔵させることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 マイクロフォン部
11 第1マイクロフォン
12 第2マイクロフォン
12L 左側マイクロフォン
12R 右側マイクロフォン
2 信号生成部
3 スピーカ部
31 第1スピーカ
32 第2スピーカ
32L 左側スピーカ
32R 右側スピーカ
51 エアポンプ
100 マッサージ機
図1
図2
図3
図4
図5