特許 7560379 デッキプレート及びデッキ工法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-09-24

(45)【発行日】2024-10-02

(54)【発明の名称】デッキプレート及びデッキ工法

(51)【国際特許分類】

   E04B 5/40 20060101AFI20240925BHJP

【ＦＩ】

E04B5/40 D

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2021021135

(22)【出願日】2021-02-12

(65)【公開番号】P2022123680

(43)【公開日】2022-08-24

【審査請求日】2023-11-02

(73)【特許権者】

【識別番号】000231110

【氏名又は名称】ＪＦＥ建材株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100114890

【弁理士】

【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス＝ラインハルト

(74)【代理人】

【識別番号】100116403

【弁理士】

【氏名又は名称】前川 純一

(74)【代理人】

【識別番号】100162880

【弁理士】

【氏名又は名称】上島 類

(72)【発明者】

【氏名】関 勝輝

(72)【発明者】

【氏名】加藤 鐘悟

(72)【発明者】

【氏名】島田 稜子

(72)【発明者】

【氏名】山本 歩未

【審査官】兼丸 弘道

(56)【参考文献】

【文献】特開２０２０－１３３２３８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２０－０２９６６３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特公昭５０－０２９５７０（ＪＰ，Ｂ１）

【文献】特開平０８－１４４４１３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平０９－０３２２０１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１８－０９１０５６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開昭５５－１５５８６７（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０２１－０８０６６３（ＪＰ，Ａ）

【文献】特許第７０９４１７６（ＪＰ，Ｂ２）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｅ０４Ｂ ５／４０

Ｅ０４Ｃ ５／００－５／２０

Ｅ０４Ｇ ２１／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

鉄筋構造体用のデッキプレートであって、
板状のプレート本体と、
前記プレート本体に沿った面のうち所定の延在方向に沿って延びる棒状の補強部材と、
前記プレート本体に前記補強部材を支持させる支持部と、を備え、
前記支持部は、前記プレート本体に対して回動可能に軸支された被軸支部と、前記補強部材に対して回動可能に接続された接続部と、を有することにより、前記被軸支部と前記接続部とが、前記被軸支部と前記接続部とを結ぶ直線が前記プレート本体に交差するように並んだ起立状態と、前記プレート本体に沿うように並んだ倒れ状態と、を切り替え可能に構成され、
前記延在方向に並んだ複数の前記支持部が、１つの前記補強部材を支持する支持ユニットを構成するとともに、２組の前記支持ユニットが、前記延在方向に並ぶように配置され、
前記２組の支持ユニットにおいて、前記支持部が前記倒れ状態から前記起立状態に変化する際、各々によって支持された前記補強部材が前記延在方向において互いに遠ざかる側に移動するように、前記被軸支部及び前記接続部が回動可能に設けられていることを特徴とするデッキプレート。

【請求項2】

前記２組の支持ユニットにおいて、各々によって支持された前記補強部材が互いに遠ざかる側に移動しつつ前記支持部が前記起立状態から前記倒れ状態に変化することを規制するように、前記被軸支部の回動可能範囲が設定されていることを特徴とする請求項１に記載のデッキプレート。

【請求項3】

前記２組の支持ユニットの各々によって支持された前記補強部材は、前記支持部が前記起立状態となった際に、前記延在方向において互いに重なりを有することを特徴とする請求項１又は２に記載のデッキプレート。

【請求項4】

前記２組の支持ユニットの各々によって支持された前記補強部材は、前記支持部が前記倒れ状態となった際に、前記延在方向において前記プレート本体の端縁から突出せず、前記支持部が前記起立状態となった際に、前記延在方向において前記プレート本体の端縁から突出することを特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載のデッキプレート。

【請求項5】

請求項１～４のいずれか１項に記載のデッキプレートを用いたデッキ工法であって、
前記デッキプレートの搬送状態においては、前記支持部を前記倒れ状態としておき、
前記デッキプレートの使用状態においては、前記支持部を前記起立状態とすることを特徴とするデッキ工法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、デッキプレート及びデッキ工法に関する。

【背景技術】

【0002】

従来から、合成スラブ構造に用いられる鉄筋構造体として、鉄筋等の線材を支持する支持部材を備えたものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。特許文献１に記載された鉄筋構造体では、波形鋼板に対して支持部材が折り畳み可能に構成されており、支持部材を折り畳んだ状態で搬送した後、施工現場において支持部材を組み立てることができるようになっており、搬送効率及び施工性の向上が図られている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０２０－２９６６４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

特許文献１に記載された鉄筋構造体では、施工現場において、線材が波形鋼板から所定寸法だけ離れるように配置され、且つ、線材が波形鋼板の端縁から所望の突出寸法を有するように配置される。この鉄筋構造体において支持部材を折り畳む（回動させる）と、組み立て完了状態における線材と波形鋼板との間の距離に応じて、線材がその延在方向において移動する。従って、線材の延在方向の一方側において、線材の波形鋼板からの突出量が、組み立て完了状態よりも折り畳み状態において大きくなる。そこで、線材の突出量を抑制し、搬送を容易なものとすることが望まれていた。

【0005】

本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送を容易なものとすることができるデッキプレート及びデッキ工法を提供することにある。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記目的を達成するために、本発明に係るデッキプレートは、鉄筋構造体用のデッキプレートであって、板状のプレート本体と、前記プレート本体に沿った面のうち所定の延在方向に沿って延びる棒状の補強部材と、前記プレート本体に前記補強部材を支持させる支持部と、を備え、前記支持部は、前記プレート本体に対して回動可能に軸支された被軸支部と、前記補強部材に接続された接続部と、を有することにより、前記被軸支部と前記接続部とが前記プレート本体に交差するように並んだ起立状態と、前記プレート本体に沿うように並んだ倒れ状態と、を切り替え可能に構成され、前記延在方向に並んだ複数の前記支持部が、１つの前記補強部材を支持する支持ユニットを構成するとともに、２組の前記支持ユニットが、前記延在方向に並ぶように配置され、前記２組の支持ユニットにおいて、前記支持部が前記倒れ状態から前記起立状態に変化する際、各々によって支持された前記補強部材が前記延在方向において互いに遠ざかる側に移動するように、前記被軸支部が回動可能に設けられていることを特徴とする。

【0007】

本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記２組の支持ユニットにおいて、各々によって支持された前記補強部材が互いに遠ざかる側に移動しつつ前記支持部が前記起立状態から前記倒れ状態に変化することを規制するように、前記被軸支部の回動可能範囲が設定されている。

【0008】

本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記２組の支持ユニットの各々によって支持された前記補強部材は、前記支持部が前記起立状態となった際に、前記延在方向において互いに重なりを有する。

【0009】

本発明の一態様に係るデッキプレートにおいて、前記２組の支持ユニットの各々によって支持された前記補強部材は、前記支持部が前記倒れ状態となった際に、前記延在方向において前記プレート本体の端縁から突出せず、前記支持部が前記起立状態となった際に、前記延在方向において前記プレート本体の端縁から突出する。

【0010】

一方、本発明に係るデッキ工法は、上記のデッキプレートを用いたデッキ工法であって、前記デッキプレートの搬送状態においては、前記支持部を前記倒れ状態としておき、前記デッキプレートの使用状態においては、前記支持部を前記起立状態とすることを特徴とする。

【発明の効果】

【0011】

本発明に係るデッキプレート及びデッキ工法によれば、搬送を容易なものとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0012】

【図1】本発明の実施の形態に係るデッキプレートを示す斜視図である。

【図2】本発明の実施の形態に係るデッキプレートを示す正面図である。

【図3】本発明の実施の形態に係るデッキプレートを模式的に示す側面図である。

【発明を実施するための形態】

【0013】

以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。

【0014】

図１は、本発明の実施の形態に係るデッキプレート１を示す斜視図であり、図２は、デッキプレート１を示す正面図であり、図３は、デッキプレート１を模式的に示す側面図である。

【0015】

図１、２に示すように、本発明の実施の形態に係るデッキプレート１は、鉄筋構造体用のデッキプレートであって、板状のプレート本体２と、プレート本体２に沿った面のうち所定の延在方向に沿って延びる棒状の補強部材３と、プレート本体２に補強部材３を支持させる支持部４と、を備え、支持部４は、プレート本体２に対して回動可能に軸支された被軸支部４１１と、補強部材３に接続された接続部４３と、を有することにより、被軸支部４１１と接続部４３とがプレート本体２に交差するように並んだ起立状態と、プレート本体２に沿うように並んだ倒れ状態と、を切り替え可能に構成され、延在方向に並んだ複数の支持部４が、１つの補強部材３を支持する支持ユニット４０Ａ，４０Ｂを構成するとともに、２組の支持ユニット４０Ａ，４０Ｂが、延在方向に並ぶように配置され、２組の支持ユニット４０Ａ，４０Ｂにおいて、支持部４が倒れ状態から起立状態に変化する際、各々によって支持された補強部材３Ａ，３Ｂが延在方向において互いに遠ざかる側に移動するように、被軸支部４１１が回動可能に設けられている。以下、デッキプレート１について具体的に説明する。

【0016】

デッキプレート１は、プレート本体にコンクリートが打設されることにより、合成スラブ構造が構成されるようになっている。尚、この合成スラブ構造には、補強用の金網等が含まれていてもよい。また、デッキプレート１には、後述する補強部材３以外の補強部材が設けられていてもよいが、説明の都合上、補強部材３に着目し、他の補強部材については説明を省略する。

【0017】

板状のプレート本体２は、平面視長方形状に形成されている。以下では、この長方形の長辺方向をＸ方向とし、短辺方向をＹ方向とし、プレート本体２に直交する方向をＺ方向とする。プレート本体２は、Ｘ方向に延びる溝部と、Ｘ方向に延びる山部と、がＹ方向に交互に並んだ波型鋼板である。プレート本体２は、山頂面部２１と、谷底面部２２と、山頂面部２１と谷底面部２２とを接続する傾斜面部２３と、を有する。プレート本体２は、全体が１枚の薄鋼板により形成されおり、その表面には溶融亜鉛メッキ等の耐食加工が適宜に施されていてもよい。

【0018】

補強部材３は、例えば鉄筋であって、Ｘ方向を延在方向とする棒状に形成されている。後述する１つの支持部４に対して２本の補強部材３が接続されるようになっており、複数の支持部４がＹ方向に並ぶことで、複数の補強部材３がＹ方向に並ぶように設けられている。

【0019】

支持部４は、Ｙ方向に並ぶように配置された一対の回動部４１と、一対の回動部４１同士を接続する中間部４２と、を有し、全体がＭ字状に形成されている。回動部４１は線状部材によって形成されている。一対の回動部４１のうち一方の一端部は、プレート本体２の谷底面部２２に設けられた軸支部２４によって軸支される被軸支部４１１となる。

【0020】

中間部４２は、１本の線状部材によって一体に形成され、一対の回動部４１の他端部のそれぞれからＹ方向に互いに近づくように（内側に向かって）延びる一対の外側部分４２１と、一対の外側部分４２１の内側端部のそれぞれから互いに近づきつつ外側部分４２１に対して傾斜して延びる一対の傾斜部４２２と、一対の傾斜部４２２の内側端部同士を接続する内側部分４２３と、を一体に有している。

【0021】

中間部４２は、Ｙ方向に沿った回動軸を中心に、回動部４１に対して回動可能に接続されている。図２では、傾斜部４２２が外側部分４２１から下側に向かうように傾斜した様子を示しているが、この状態から中間部４２を１８０°回動させ、且つ、回動部４１を回動させて倒した際、内側部分４２３がプレート本体２の山頂面部２１に沿い、傾斜部４２２が傾斜面部２３に沿い、外側部分４２１が谷底面部２２に沿うようになっている。中間部４２と回動部４１との接続構造は、例えば一方がリング状となり他方がこのリングに挿通される構造であってもよいし、両方がフック状に形成されて互いに掛け留めされる構造であってもよく、互いに回動可能な構造であればよい。

【0022】

支持部４は、中間部４２のうち回動部４１に接続される部分近傍に、補強部材３が接続される接続部４３を有する。このとき、中間部４２が回動部４１に対して回動可能であることにより、補強部材３も、Ｙ方向に沿った回動軸を中心として回動部４１に対して回動可能となっている。

【0023】

上記のように構成された支持部４は、被軸支部４１１を中心として回動部４１がプレート本体２に対して回動することにより、被軸支部４１１と接続部４３とがＺ方向（プレート本体２に直交する方向）に並んだ起立状態と、被軸支部４１１と接続部４３とがＸ方向（プレート本体２に沿う方向）に並んだ倒れ状態と、を切り替え可能となっている。このとき、被軸支部４１１の回動可能範囲は９０°に設定されており、それ以上の範囲で回動することが規制されている。即ち、支持部４が倒れ状態から一方向への回動によって起立状態となった際、この一方向においてさらに回動することができないようになっている。

【0024】

ここで、複数の支持部４の動作及びこれに伴う補強部材３の移動について図３を参照しつつ説明する。以下では、図３における左側をＸ方向の一方側とし、右側を他方側とする。また、Ｚ方向の上下及び回動の方向は図３を基準とする。また、以下では説明の都合上、支持部４のうち主に回動部４１に着目する。

【0025】

図示の例では、デッキプレート１において合計で８つの支持部４がＸ方向に並ぶとともに、２つの補強部材３Ａ，３Ｂが重なりを有しつつＸ方向に並ぶように設けられている。図３では、倒れ状態の支持部４と、倒れ状態の支持部４に支持された補強部材３Ａ，３Ｂと、を一点鎖線により示し、起立状態の支持部４と、起立状態の支持部４に支持された補強部材３Ａ，３Ｂと、を実線により示す。Ｘ方向一方側の４つの支持部４が、１つの補強部材３Ａを支持し、支持ユニット４０Ａを構成する。Ｘ方向他方側の４つの支持部４が、１つの補強部材３Ｂを支持し、支持ユニット４０Ｂを構成する。尚、異なるＹ方向位置においても同様に支持ユニット４０Ａ，４０Ｂが構成されているものとする。

【0026】

支持ユニット４０Ａにおいては、支持部４が倒れ状態となった際、接続部４３が被軸支部４１１よりもＸ方向他方側に位置する。このような状態から支持部４が反時計回りに９０°回転することにより起立状態になる。このとき、接続部４３は、被軸支部４１１と接続部４３との間隔であるアーム長さ（回動部４１の長さに略等しい）だけＺ方向上側及びＸ方向一方側に移動する。

【0027】

支持ユニット４０Ｂにおいては、支持部４が倒れ状態となった際、接続部４３が被軸支部４１１よりもＸ方向一方側に位置する。このような状態から支持部４が時計回りに９０°回転することにより起立状態になる。このとき、接続部４３は、被軸支部４１１と接続部４３との間隔であるアーム長さだけＺ方向上側及びＸ方向他方側に移動する。

【0028】

このように、２組の支持ユニット４０Ａ，４０Ｂにおいて、支持部４が倒れ状態から起立状態に変化する際、各々によって支持された補強部材３Ａ，３ＢがＸ方向において互いに遠ざかる側に移動する。

【0029】

また、２組の支持ユニット４０Ａ，４０Ｂによって支持された２つの補強部材３Ａ，３Ｂは、支持部４が起立状態となった際及び倒れ状態なった際のいずれにおいても、Ｘ方向において互いに重なりを有する。このとき、補強部材３Ａ，３Ｂは互いに固定されないものとするが、全体の寸法や強度等によっては固定してもよい。

【0030】

また、上記のように被軸支部４１１の回動可能範囲が９０°に設定されていることにより、２組の支持ユニット４０Ａ，４０Ｂにおいて、各々によって支持された補強部材３Ａ，３Ｂが互いに遠ざかる側に移動しつつ支持部４が起立状態から倒れ状態に変化することが規制されている。

【0031】

また、図３に示すように、補強部材３Ａ，３Ｂは、支持部４が倒れ状態となった際にはプレート本体２のＸ方向一方側の端縁２Ａ及び他方側の端縁２Ｂから突出せず、支持部４が起立状態となった際には、端縁２Ａ，２Ｂのそれぞれから突出する。

【0032】

上記のようなデッキプレート１は、工場等において補強部材３が支持部４を介してプレート本体２に予め取り付けられた状態で出荷される。即ち、施工現場においては、支持部４を起立状態とすることにより、鉄筋等の補強部材３が所定位置に設けられた状態となり、施工現場においてプレート本体に補強部材を取り付ける方法と比較して、省力化することができるようになっている。尚、起立状態の支持部４に支持された補強部材３Ａ，３Ｂの上側に、金網等の他の補強部材を載置してもよい。

【0033】

一方、デッキプレート１を搬送する際には、支持部４を起立状態とすると梱包が大型化してしまうため、倒れ状態としておく。即ち、デッキプレート１を用いたデッキ工法では、デッキプレート１の搬送状態においては支持部４を倒れ状態としておき、デッキプレート１の使用状態においては支持部４を起立状態とする。

【0034】

これにより、デッキプレート１の使用状態においては補強部材３Ａ，３Ｂをプレート本体２の端縁２Ａ，２Ｂから適宜に突出させた状態としつつ、デッキプレート１の搬送状態においては、補強部材３Ａ，３Ｂの端縁２Ａ，２Ｂからの突出量を小さくし（突出量を０とすることも含む）、梱包が小型化される。

【0035】

このように、本発明の実施の形態に係るデッキプレート１によれば、支持部４が倒れ状態から起立状態に変化する際、支持ユニット４０Ａ，４０Ｂによって支持された補強部材３Ａ，３ＢがＸ方向において互いに遠ざかる側に移動することで、搬送を容易なものとすることができる。

【0036】

また、補強部材３Ａ，３Ｂが互いに遠ざかる側に移動しつつ支持部４が起立状態から倒れ状態に変化することを規制するように被軸支部４１１の回動可能範囲が設定されていることで、作業者が支持部４を誤った方向に回動させて梱包が大型化してしまうことを抑制することができる。

【0037】

また、補強部材３Ａ，３Ｂが、支持部４が起立状態となった際にＸ方向において互いに重なりを有することで、合成スラブ構造における強度を確保しやすくすることができる。さらに、補強部材３Ａ，３Ｂが、プレート本体２の端縁２Ａ，２Ｂから適宜突出することにより、合成スラブ構造における強度をより確保しやすくすることができる。

【0038】

また、補強部材３Ａ，３Ｂが、支持部４が倒れ状態となった際にはプレート本体２のＸ方向一方側の端縁２Ａ及び他方側の端縁２Ｂから突出しないことで、梱包をより小型化することができるとともに、梱包において局所的な凸部が生じることを抑制し、搬送を容易なものとすることができる。

【0039】

尚、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形等も本発明に含まれる。例えば、上記の本発明の実施の形態では、被軸支部４１１の回動可能範囲が９０°に設定されることにより、補強部材３Ａ，３Ｂが互いに遠ざかる側に移動しつつ支持部４が起立状態から倒れ状態に変化することが規制されているが、被軸支部４１１の回動可能範囲は９０°よりも大きくてもよい。即ち、被軸支部４１１の回動可能範囲が１８０°未満であれば、誤った方向への回動によって完全に倒れ状態とすることはできず、梱包の大型化を抑制することができる。

【0040】

また、被軸支部４１１の回動可能範囲が１８０°（またはそれ以上）となっていてもよく、誤った方向への回動を抑制する他の方法（例えば、回動範囲や方向を示す矢印等を記載する）が採用されていてもよい。

【0041】

また、上記の本発明の実施の形態では、補強部材３Ａ，３Ｂが、支持部４が起立状態となった際にＸ方向において互いに重なりを有するものとしたが、補強部材の長さは、補強部材が設けられる位置や必要な強度等に応じて適宜に設定されればよく、Ｘ方向において互いに重なりを有していなくてもよい。

【0042】

また、上記の本発明の実施の形態では、補強部材３Ａ，３Ｂが、支持部４が倒れ状態となった際にはプレート本体２のＸ方向一方側の端縁２Ａ及び他方側の端縁２Ｂから突出しないものとしたが、補強部材がプレート本体の端縁から突出してもよい。即ち、使用状態（支持部の起立状態）において、補強部材は、プレート本体の端縁から所定量だけ突出し、且つ、プレート本体からＺ方向に所定距離だけ離れた位置で保持されることが求められており、この所定量及び所定距離によって、支持部の倒れ状態において補強部材がプレート本体の端縁から突出するか否かが決まればよい。

【0043】

また、上記の本発明の実施の形態では、一対の回動部４１及び中間部４２を有するＭ字状の支持部４を例示したが、支持部の形状はこれに限定されず、プレート本体に対して回動可能に軸支された被軸支部と、補強部材に接続された接続部と、を有するものであればよい。

【0044】

また、上記の本発明の実施の形態では、起立状態において被軸支部４１１と接続部４３とが、プレート本体２に直交する方向であるＺ方向に並ぶものとしたが、起立状態において被軸支部と接続部とがプレート本体に対して交差する方向に並べばよく、この並ぶ方向は、プレート本体との直交方向に対して多少の傾きを有していてもよい。

【0045】

以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記本発明の実施の形態に係る密封装置に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果の少なくとも一部を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせてもよい。例えば、上記実施の形態における、各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的使用態様によって適宜変更され得る。

【符号の説明】

【0046】

１…デッキプレート、２…プレート本体、３，３Ａ，３Ｂ…補強部材、４…支持部、４１１…被軸支部、４３…接続部、４０Ａ，４０Ｂ…支持ユニット

【図1】

【図2】

【図3】