(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ドラムロッドスクリーン
(51)【国際特許分類】
B07B 1/22 20060101AFI20240925BHJP
B07B 1/46 20060101ALI20240925BHJP
B07B 1/50 20060101ALI20240925BHJP
B07B 1/14 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
B07B1/22 C
B07B1/46 B
B07B1/50
B07B1/14
(21)【出願番号】P 2021199886
(22)【出願日】2021-12-09
【審査請求日】2023-11-01
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日 令和3年9月6日 販売した者 株式会社幸袋テクノ 住所 福岡県飯塚市有安958番地23 販売した会社 株式会社池田開発 住所 長崎県諫早市上大渡野1133番地
(73)【特許権者】
【識別番号】503110266
【氏名又は名称】株式会社幸袋テクノ
(74)【代理人】
【識別番号】100114627
【氏名又は名称】有吉 修一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100182501
【氏名又は名称】森田 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100190975
【氏名又は名称】遠藤 聡子
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】山室 寿輝也
(72)【発明者】
【氏名】末吉 琢也
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-342583(JP,A)
【文献】特開2007-083115(JP,A)
【文献】特開2010-005614(JP,A)
【文献】特開2021-130099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00 - 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、挿通円環状フレームが中間部に設けられ、上記各軸受円環状フレームと上記挿通円環状フレームの周方向に複数の固定穴が設けられ、上記各固定穴に複数の固定ロッドが固定して設けられることによりドラムロッドスクリーンの骨格が構成され、かつ、上記一対
の軸受円環状フレームの各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記挿通円環状フレームの各固定穴間に複数の回転穴が設けられ、上記各先端支持軸回転穴に回転ロッドの両端の先端支持軸が遊挿され、上記各回転ロッドの線路途中が上記挿通円環状フレームの上記各回転穴に遊挿された状態で、各回転ロッドがロッド中心軸の周りに自転可能に設けられ、台枠上に前後に一対の回転ローラが設けられ上記ドラムロッドスクリーンの前後の上記軸受円環状フレームの各外周部が上記回転ローラに載置され、駆動モータにより上記回転ローラが回転駆動されることにより上記円筒共通中心軸を中心として一方向に回転駆動されるドラムロッドスクリーンにおいて、
上記各回転ロッドは、断面が円の丸棒にて構成され、上記丸棒の外周を断面が四角形状の中空被覆管にて被覆され、上記先端支持軸は上記丸棒の両端部に形成され、
上記中空被覆管は
、前方の上記軸受円環状フレームと、上記挿通円環状フレームとの間と
、後方の上記軸受円環状フレームと上記挿通円環状フレームとの間にて、分割されていることを特徴とするドラムロッドスクリーン。
【請求項2】
上記中空被覆管の外周部に、1個又は2個の四角形状のリング状部材が設けられており、
周方向に隣接する回転ロッドに対して、上記リング状部材が千鳥配置に配列されるものである請求項1記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項3】
上記挿通円環状フレームは、上記一対の軸受円環状フレーム間に、2台設けられており、上記前方の上記軸受円環状フレームと上記前方側の挿通円環状フレーム間の範囲、2台の上記挿通円環状フレーム間の範囲、上記後方側の上記挿通円環状フレームと上記後方の上記軸受円環状フレーム間の範囲の距離は同一であり、
かつロッド中心軸の上記丸棒は1本であるが、上記丸棒に被覆されている上記中空被覆管は各範囲毎に3つに分割されているものである請求項1又は2記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項4】
上記3つに分割されている上記中空被覆管の外周部に、1個又は2個の四角形状のリング状部材が設けられており、
周方向に隣接する回転ロッドに対して、上記リング状部材が千鳥配置に配列されるものである請求項3記載のドラムロッドスクリーン。
【請求項5】
両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、中間軸受円環状フレームが中間部に設けられ、前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に挿通円環状フレームが設けられ、後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に挿通円環状フレームが設けられ、上記各軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームと上記各挿通円環状フレームの周方向に複数の固定穴が設けられ、上記各固定穴に複数の固定ロッドが固定して設けられることによりドラムロッドスクリーンの骨格が構成され、かつ、上記一対
の軸受円環状フレームの上記各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記中間軸受円環状フレームの上記各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記挿通円環状フレームの各固定穴間に複数の回転穴が設けられ、前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間と、後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間において、回転ロッドを2分割し、前半部の回転ロッドの両端の先端支持軸が前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間の上記各先端支持軸回転穴に遊挿され、後半部の回転ロッドの両端の先端支持軸が後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間の上記各先端支持軸回転穴に遊挿され、上記各回転ロッドの線路途中が上記各挿通円環状フレームの上記各回転穴に遊挿された状態で、上記各回転ロッドがロッド中心軸の周りに自転可能に設けられ、台枠上に前後に一対の回転ローラが設けられ上記ドラムロッドスクリーンの前後の上記軸受円環状フレームの各外周部が前後の上記回転ローラに載置され、駆動モータにより上記回転ローラが回転駆動されることにより上記円筒共通中心軸を中心として一方向に回転駆動されるドラムロッドスクリーンにおいて、
上記各回転ロッドは、断面が円の丸棒にて構成され、上記丸棒の外周を断面が四角形状の中空被覆管にて被覆され、上記先端支持軸は上記各丸棒の両端部に形成され、
上記中空被覆管は、前方の上記軸受円環状フレームと前方側の上記挿通円環状フレームの間と、前方側の上記挿通円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間で2分割され、上記中間軸受円環状フレームと後方側の上記挿通円環状フレームとの間と、後方側の上記挿通円環状フレームと後方の上記軸受円環状フレームとの間で2分割され、
さらに、前方の上記軸受円環状フレームと前方側の上記挿通円環状フレームの間と、前方側の上記挿通円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間においてのみ、周方向に隣接する上記回転ロッド間において、上記中空被覆管に四角形状のリング状部材が、千鳥配置に配列されているものであるドラムロッドスクリーン。
【請求項6】
上記ドラムロッドスクリーンにおいて、左上部及び/又は右上部にクリーナ中心軸に対して放射状に複数のクリーナ板が設けられ、上記クリーナ中心軸は筐体に回転可能に支持されており、上記クリーナ板の先端縁は
、複数の上記回転ロッドに係合しており、
上記ドラムロッドスクリーンが上記円筒共通中心軸に対して回転することにより、上記クリーナ板は、上記回転ロッドの上記回転により、クリーナ中心軸を以って、一方向に回転するものであり、粘性物質の居着きを防止するものである請求項1~5の何れかに記載のドラムロッドスクリーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば土、泥等の付着物のある高水分、高粘性の原料の篩分けに適したドラムロッドスクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるドラムロッドスクリーンといわれる回転篩分け装置は、前後に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配置され、各軸受円環状フレーム間を複数本の角ロッド(回転ロッド)で上記円筒共通中心軸を中心として接続して円筒形状(ドラム状)のスクリーンを構成し、一方、台枠上には、上記軸受円環状フレームの外周部に対応し得る前後一対ずつの回転ローラを軸支し、上記円筒形状の上記スクリーンの前後の各軸受円環状フレームの各外周部を、前後の上記各回転ローラ上に載置し、上記台枠上に設置された駆動モータの駆動軸と上記回転ローラの駆動軸とを接続し、上記駆動モータを駆動して上記回転ローラを回転することにより、上記円筒形状(ドラム状)の上記スクリーンを、上記円筒共通中心軸を中心に一方向に回転させる構造であった(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記軸受円環状フレーム間を複数本のいわゆる角ロッド(回転ロッド、断面が例えば正方形)で接続して円筒形状のスクリーンを構成していたが、上記角ロッドの外周に角パイプ(断面が正方形)を挿入していたため、角ロッドと角パイプの重量アップ(角ロッドを複数本使用しているので、全体としての重量アップは相当の重量アップとなる)、及び、上記軸受円環状フレーム間に挿通円環状フレームを設け、挿通円環状フレームの回転穴に角ロッドを挿通した場合、角ロッドと回転穴に原料(例えば石等)が噛み込み、角ロッド自体の回転(自転)を阻害していた。
【0005】
また、各角ロッド自体が回らないと、粘性原料が円筒形状(ドラム状)のスクリーン内において、疑似塊(泥団子)に居着きが生じ、篩効率がダウンするという課題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、ドラムロッドスクリーンを構成するロッドを全て丸棒とし、その丸棒に中空被覆管(断面が四角形状)を挿入することにより、重量減と共に、外側の中空被覆管は回り易くなり、結果として、ドラムロッドスクリーン内に粘性原料等の居着きが生じ難くなり、篩効率がダウンすることが無くなった。
【0007】
また、中空被覆管に四角形状のリング状部材が設けられ、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0008】
また、クリーナ板に中空被覆管の角が当たり易くなり、中空被覆管が良く回ることで、クリーナ効果も期待できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、挿通円環状フレームが中間部に設けられ、上記各軸受円環状フレームと上記挿通円環状フレームの周方向に複数の固定穴が設けられ、上記各固定穴に複数の固定ロッドが固定して設けられることによりドラムロッドスクリーンの骨格が構成され、かつ、上記一対の上記軸受円環状フレームの各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記挿通円環状フレームの各固定穴間に複数の回転穴が設けられ、上記各先端支持軸回転穴に回転ロッドの両端の先端支持軸が遊挿され、上記各回転ロッドの線路途中が上記挿通円環状フレームの上記各回転穴に遊通された状態で、各回転ロッドがロッド中心軸の周りに自転可能に設けられ、台枠上に前後に一対の回転ローラが設けられ上記ドラムロッドスクリーンの前後の上記軸受円環状フレームの各外周部が上記回転ローラに載置され、駆動モータにより上記回転ローラが回転駆動されることにより上記円筒共通中心軸を中心として一方向に回転駆動されるドラムロッドスクリーンにおいて、上記各回転ロッドは、断面が円の丸棒にて構成され、上記丸棒の外周を断面が四角形状の中空被覆管にて被覆され、上記先端支持軸は上記丸棒の両端部に形成され、上記中空被覆管は、上記前方の上記軸受円環状フレームと、上記挿通円環状フレームとの間と、上記後方の上記軸受円環状フレームと上記挿通円環状フレームとの間にて、分割されていることを特徴とするドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0010】
このように構成すると、回転ロッドは、断面が円の丸棒により構成され、その丸棒に断面が四角形状(例えば正方形)の中空被覆管により被覆されており、回転ロッドの内部が、従来の角と異なり、断面が円の丸棒により構成されているので、外周の中空被覆管が回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質等が中空被覆管の角に当たった場合、中空被覆管が回り易くなっており、これにより、中空被覆管が回り易く、結果として、粘性物質等の疑似塊(泥団子)の居着きが生じない。また、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に、石等が挟まったとき、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッドを丸棒とすることにより、ドラムロッドスクリーンの全体の重量減を実現できる。
【0011】
第2に、上記中空被覆管の外周部に、1個又は2個の四角形状のリング状部材が設けられており、周方向に隣接する回転ロッドに対して、上記リング状部材が千鳥配置に配列されるものである上記第1記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0012】
このように構成することにより、中空被覆管に四角形状(例えば正方形状)のリング状部材が設けられているので、このリング状部材の角によって、粘性物質等が疑似塊(泥団子)になることがなく、従来より、泥団子等の居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材の角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0013】
第3に、上記挿通円環状フレームは、上記一対の上記軸受円環状フレーム間に、2台設けられており、上記前方の上記軸受円環状フレームと上記前方側の挿通円環状フレーム間の範囲、2台の上記挿通円環状フレーム間の範囲、上記後方側の上記挿通円環状フレームと上記後方の上記軸受円環状フレーム間の範囲の距離は同一であり、かつロッド中心軸の上記丸棒は1本であるが、上記丸棒に被覆されている上記中空被覆管は各範囲毎に3つに分割されているものである上記第1又は第2記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0014】
このように構成すると、上記挿通円環状フレームは、2台設けられており、各3か所の範囲に、上記丸棒に被覆されている中空被覆管は各範囲毎に3つに分割されているから、各範囲毎に独立して回転(自転)し得て、粘性物質等の居着き等をより解消することができる。また、回転ロッドの内部が、従来の角と異なり、断面が円の丸棒により構成されているので、外周の中空被覆管が回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質が中空被覆管の角に当たった場合、中空被覆管が回り易くなっており、これにより、中空被覆管が回り易く、結果として、粘性物質等の居着きが生じない。また、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に、砕石等が挟まったとき、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に砕石等が挟まることがない。さらに、回転ロッドを丸棒とすることにより、ドラムロッドスクリーンの全体の重量減を実現できる。
【0015】
第4に、上記3つに分割されている上記中空被覆管の外周部に、1個又は2個の四角形状のリング状部材が設けられており、周方向に隣接する回転ロッドに対して、上記リング状部材が千鳥配置に配列されるものである上記第3記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0016】
このように構成することにより、中空被覆管に四角形状(例えば正方形状)のリング状部材が設けられているので、このリング状部材の角によって、粘性物質等が塊になることがなく、従来より、居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材に角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0017】
第5に、両側に一対の軸受円環状フレームが円筒共通中心軸上に配設され、中間軸受円環状フレームが中間部に設けられ、前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に挿通円環状フレームが設けられ、後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間に挿通円環状フレームが設けられ、上記各軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームと上記各挿通円環状フレームの周方向に複数の固定穴が設けられ、上記各固定穴に複数の固定ロッドが固定して設けられることによりドラムロッドスクリーンの骨格が構成され、かつ、上記一対の上記軸受円環状フレームの上記各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記中間軸受円環状フレームの上記各固定穴間に複数の先端支持軸回転穴が設けられ、上記挿通円環状フレームの各固定穴間に複数の回転穴が設けられ、前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間と、後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間において、回転ロッドを2分割し、前半部の上記回転ロッドの両端の先端支持軸が前方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームの上記各先端支持軸回転穴に遊挿され、後半部の上記回転ロッドの両端の先端支持軸が後方の上記軸受円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームの上記各先端支持軸回転穴に遊挿され、上記各回転ロッドの線路途中が上記各挿通円環状フレームの上記各回転穴に遊通された状態で、上記各回転ロッドがロッド中心軸の周りに自転可能に設けられ、台枠上に前後に一対の回転ローラが設けられ上記ドラムロッドスクリーンの前後の上記軸受円環状フレームの各外周部が前後の上記回転ローラに載置され、駆動モータにより上記回転ローラが回転駆動されることにより上記円筒共通中心軸を中心として一方向に回転駆動されるドラムロッドスクリーンにおいて、上記各回転ロッドは、断面が円の丸棒にて構成され、上記丸棒の外周を断面が正方形の中空被覆管にて被覆され、上記先端支持軸は上記各丸棒の両端部に形成され、上記中空被覆管は、前方の上記軸受円環状フレームと前方側の上記挿通円環状フレームの間と、前方側の上記挿通円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間で2分割され、上記中間軸受円環状フレームと後方側の上記挿通円環状フレームとの間と、後方側の上記挿通円環状フレームと後方の上記軸受円環状フレームとの間で2分割され、さらに、前方の上記軸受円環状フレームと前方側の上記挿通円環状フレームの間と、前方側の上記挿通円環状フレームと上記中間軸受円環状フレームとの間においてのみ、上記中間被覆管に、周方向に隣接する上記回転ロッド間において、四角形状のリング状部材が、千鳥配置に配列されているものであるドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0018】
このように構成すると、原料がそれほど水分と高粘性でない場合、前方の上記軸受円環状フレームと中間軸受円環状フレームの回転ロッドにのみリング状部材を有する中空被覆管を挿通し、中間軸受円環状フレームと後方の上記軸受円環状フレームの間は、リング状部材を設けない中空被覆管を設けることにより、前半部(前方の軸受円環状フレームと中間軸受円環状フレームとの間)で高水分と高粘性等の居着きを防止し、後半部(後方の軸受円環状フレームと中間軸受円環状フレームとの間)で篩目Sより小の砕石等を落すことで、篩効率を向上させることができる。
【0019】
第6に、上記ドラムロッドスクリーンにおいて、左上部及び/又は右上部にクリーナ中心軸に対して放射状に複数のクリーナ板が設けられ、上記クリーナ中心軸は筐体に回転可能に支持されており、上記クリーナ板の先端縁は、上記複数の上記回転ロッドに係合しており、上記ドラムロッドスクリーンが円筒共通中心軸に対して回転することにより、上記クリーナ板は、上記回転ロッドの回転により、クリーナ中心軸を以って、一方向に回転することにより、粘性物質の居着きを防止するものである上記第1~4の何れかに記載のドラムロッドスクリーンにより構成される。
【0020】
このように構成すると、回転ロッド(中空被覆管)の断面は正方形であり、クリーナ板の先端部は、断面が角の中空被覆管に当接しており、回転ロッドの内部は丸棒であり、上記中空被覆管が回転し易いので、従来より、粘性物質等の居着きを防止することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、回転ロッドは、断面が円の丸棒により構成され、その丸棒に断面が四角形状の中空被覆管により被覆されており、回転ロッドの内部が、従来の角と異なり、断面が円の丸棒により構成されているので、外周の中空被覆管が回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質等が中空被覆管の角に当たった場合、中空被覆管が回り易くなっており、これにより、中空被覆管が回り易く、結果として、粘性物質等の居着きが生じない。また、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に、石等が挟まったとき、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッドを丸棒とすることにより、ドラムロッドスクリーンの全体の重量減を実現できる。
【0022】
また、中空被覆管に四角形状のリング状部材が設けられているので、このリング状部材の角によって、粘性物質等が塊になることがなく、従来より、居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材の角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0023】
また、上記挿通円環状フレームは、2台設けられており、各3か所の範囲に、上記丸棒に被覆されている中空被覆管は各範囲毎に3つに分割されているから、各範囲毎に独立して回転(自転)し得て、粘性物質等の居着き等をより解消することができる。また、回転ロッドの内部が、従来の角と異なり、断面が円の丸棒により構成されているので、外周の中空被覆管が回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質が中空被覆管の角に当たった場合、中空被覆管が回り易くなっており、これにより、中空被覆管が回り易く、結果として、粘性物質の居着きが生じない。また、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に、石等が挟まったとき、丸棒が回転することにより、挿通円環状フレームの回転穴と丸棒との間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッドを丸棒とすることにより、ドラムロッドスクリーンの全体の重量減を実現できる。
【0024】
また、中空被覆管に四角形状のリング状部材が設けられているので、このリング状部材の角によって、粘性物質等が塊になることがなく、従来より、居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材の角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0025】
また、原料がそれほど水分と高粘性等でない場合、前方の軸受円環状フレームと中間軸受円環状フレームの回転ロッドにのみリング状部材を有する中空被覆管を挿通し、中間軸受円環状フレームと後方の軸受円環状フレームの間は、リング状部材を設けない中空被覆管を設けることにより、前半部で高水分と高粘性等の居着きを防止し、後半部で篩目Sより小の石等を落すことで、篩効率を向上させることができる。
【0026】
また、回転ロッド(中空被覆管)の断面は四角形状であり、クリーナ板の先端部は、断面が角の中空被覆管に当接しており、回転ロッドの内部は丸棒であり、上記中空被覆管が回転し易いので、従来より、粘性物質の居着きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明に係るドラムロッドスクリーン(第1の実施形態)の側面図を示す。
【
図2】同上ドラムロッドスクリーンであり、(a)(b)は、
図1のY-Y線断面図である。
【
図3】同上ドラムロッドスクリーンの主要部の側面図を示す。
【
図4】同上ドラムロッドスクリーンの右端部の回転ロッドの支持状況を示す断面図である。
【
図5】同上ドラムロッドスクリーンの挿通円環状フレームを示す正面図である。
【
図6】同上ドラムロッドスクリーンの軸受円環状フレームを示す正面図である。
【
図7】同上ドラムロッドスクリーンの回転ロッドを示し、(a)は丸棒と中空被覆管の斜視図、(b)は丸棒とリング状部材が設けられた中空被覆管を示す斜視図である。
【
図8】同上ドラムロッドスクリーンの中空被覆管を示すものであり、(a)(b)は中空被覆管の側面図、(c)は中空被覆管の正面図である。
【
図9】同上ドラムロッドスクリーンの丸棒と中空被覆管の接続関係を示す図であり、(a)(b)は丸棒に中空被覆管を挿入する状態、(c)は中空被覆管を丸棒に挿入した状態を示す側面図である。
【
図10】同上ドラムロッドスクリーンの一部側面図である。
【
図11】同上ドラムロッドスクリーンのクリーナゴムと中空被覆管との関係を示す図であり、(a)はクリーナ板の斜視図、(b)はドラムロッドスクリーンとクリーナ板との関係の説明図である。
【
図12】同上ドラムロッドスクリーンの丸棒と中空被覆管との関係を示す斜視図である。
【
図13】同上ドラムロッドスクリーンの丸棒と中空被覆管と挿通円環状フレームの回転穴との関係図である。
【
図14】(a)は同上ドラムロッドスクリーンの1枚のゴム板を示すクリーナ板の斜視図、(b)は第1の実施形態の3分割されたゴム板を示すクリーナ板の側面図を示す図である。
【
図15】同上ドラムロッドスクリーン(第2の実施形態)の斜視図である。
【
図16】同上ドラムロッドスクリーン(第2の実施形態)の内部の斜視図である。
【
図17】同上ドラムロッドスクリーン(第2の実施形態)の回転ロッドを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るドラムロッドスクリーン1について詳細に説明する。
【0029】
(第1の実施形態)
図1は、本発明のドラムロッドスクリーン1の概略側面図、
図2(a)(b)はドラムロッドスクリーン1を矢印Y-Y線から見た断面図、
図3はドラムロッドスクリーン1の主要部の側面図である。
【0030】
尚、
図1において、紙面に向かって左方向を「前方」、紙面に向かって右側を「後方」といい、「後方」から「前方」を向いた場合の左右方向を「左右」と定義付ける。また、ドラムロッドスクリーン1は、前方側から原料を投入し、隣接する回転ロッド6,6を構成する篩目S(例えば目開き25mm)から小のもの(石等(自然石)の固体物)は、下方のコンベア8に落下し、上記篩目S(例えば目開き25mm)から大のもの(石等(自然石)の固体物)は、後方からコンベア9に落下するものである。また、ドラムロッドスクリーン1は、前方側が高く、後方側が低く構成されており、そのような台枠2上に、円筒共通中心軸Pも前方側が高く、後方側が低いように、上記台枠2と円筒共通中心軸Pが平行に構成されている。また、固定ロッド5、回転ロッド6の中心をロッド中心軸Qという(
図1参照)。
【0031】
また、前方の上記軸受円環状フレーム3を「前方」、後方の上記軸受円環状フレーム4を「後方」、前方側の挿通円環状フレーム7を「前方側」、後方側の挿通円環状フレーム7を「後方側」という。
【0032】
上記ドラムロッドスクリーン1は(
図1参照)、前方にリング板状の軸受円環状フレーム3、後方にリング板状の軸受円環状フレーム4を有し(何れも円筒中心軸は、上記円筒共通中心軸P)(
図6参照)、この間(前後)に、一定間隔おきに、リング板状の挿通円環状フレーム7,7が設けられている(
図5、
図1参照)。よって、前方から後方に向けて、上記軸受円環状フレーム3と上記挿通円環状フレーム7の間の範囲を範囲A、上記挿通円環状フレーム7,7間の範囲を範囲B、上記挿通円環状フレーム7と上記軸受円環状フレーム4の間の範囲を範囲Cに区分けされている(範囲A~Cは等間隔)。尚、上記挿通円環状フレーム7は1台でも良く、その場合は、上記挿通円環状フレーム7は、上記軸受円環状フレーム3,4間の中間部に設けられる。
【0033】
そして、上記軸受円環状フレーム3,4と、上記挿通円環状フレーム7,7には、径方向に固定ロッド5(断面は円)が5本設けられ(
図2(a)(b)、
図5、
図6参照、各固定ロッド5,5の角度は、65度~75度、上記軸受円環状フレーム3,4と、上記挿通円環状フレーム7,7に円形の固定穴5’(貫通穴)が周方向に各々5個ずつ設けられ(上記軸受円環状フレーム3,4と上記挿通円環状フレーム7,7の固定穴5’の位置は、ロッド中心軸Q方向に同一、各固定穴5’の角度は65度~75度)(
図2(a)(b)、
図5、
図6参照)、5本の固定ロッド5が各固定穴5’に固定されることにより、円筒共通中心軸Pの回りに、円筒形状にドラムロッドスクリーン1の骨格が形成されている(
図1参照)。尚、上記固定ロッド5の本数(固定穴5’の数)は一例であり、他の数も選択可能である。
【0034】
また、上記軸受円環状フレーム3,4と、上記挿通円環状フレーム7,7の間には、前後方向に回転ロッド6が、周方向に隣接する各固定ロッド5,5間に、5本又は6本ずつ設けられている(回転ロッド6は全部で28本、
図2(a)(b)、
図5、
図6参照)。よって、固定ロッド5と回転ロッド6を合わせると、ロッドは全33本となる。尚、回転ロッド6の本数(回転穴6’の数)は一例であり、他の数も選択可能である。
【0035】
この回転ロッド6は、
図7(a)に示すように、断面が円形の丸棒6aであり、その外側に、断面が四角形状(ここでは正方形とする)の中空被覆管6c,6cが挿通されており、上記丸棒6a両端は、丸棒6aの断面より小径(断面は円形)の先端支持軸6b,6bが設けられている。即ち、回転ロッド6は、丸棒6a(両端は先端支持軸6b,6b)と、中空被覆管6cにより構成されている(
図3参照)。
【0036】
上記軸受円環状フレーム3と上記軸受円環状フレーム4には、周方向に隣接する上記固定穴5’,5’の間に、5個又は6個ずつの円形の回転穴6’(貫通穴、全部で回転穴6’は28個(回転穴6’の数も一例であり、他の数も選択可能である、
図6参照)が設けられ、さらに、ロッド中心軸Qを中心として、上記軸受円環状フレーム3,4の外側に、リング状円盤13,13が設けられ(
図3参照)、上記回転穴6’と同心に先端支持軸回転穴6”が設けられている(先端支持軸回転穴6”は回転穴6’と同数、
図3、
図4、
図9参照)。尚、上記軸受円環状フレーム3,4とリング状円盤13,13を分けずに、一体として上記軸受円環状フレーム3,4ということがある。この場合、上記軸受円環状フレーム3,4に各先端支持軸回転穴6”,6”が形成されている等と表現する。尚、先端支持軸回転穴6”も一例であり、他の数も選択可能である。尚、回転穴6‘と先端支持軸回転穴6”の数は一致している。
【0037】
上記回転穴6’は、直径は上記丸棒6aの直径より大に設けられており、上記先端支持軸回転穴6”は、直径は上記先端支持軸6bの直径より大に設けられている(先端支持軸回転穴6”は、丸棒6aの直径よりは小)(
図4参照)。尚、上記軸受円環状フレーム3は図示していないが、上記軸受円環状フレーム3の外側にリング状円盤13が設けられ、上記軸受円環状フレーム4と左右対称形状である(
図4、
図9(a)~(c)参照)。
【0038】
また、上記挿通円環状フレーム7,7には、周方向に隣接する上記固定穴5’,5’間に、5個又は6個ずつの円形の回転穴6’(貫通穴、全部で回転穴6’は28個、回転穴6’の数は一例であり、他の数も選択可能である、但し、回転穴6’の数(先端支持軸回転穴6”)の数と回転ロッド6の数は一致している)が設けられており、これらの回転穴6’は、丸棒6aの直径より若干大きく形成されている(
図3、
図5参照)。そして、上記軸受円環状フレーム3,4と、上記挿通円環状フレーム7,7の各回転穴6’とリング状円盤13の先端支持軸回転穴6”は、軸方向のロッド中心軸Qは全て同一に構成されており、1本の丸棒6aが挿通される状態となっている(
図3、
図4参照)。
【0039】
上記丸棒6aの右側の先端支持軸6bは、回転穴6’を介して、後方の上記軸受円環状フレーム4の上記リング状円盤13の上記先端支持軸回転穴6”に遊挿(挿通)され、上記丸棒6aの線路途中は、上記挿通円環状フレーム7,7の各回転穴6’,6’に遊挿(挿通)され、上記丸棒6aの左側の先端支持軸6bは、回転穴6’を介して、前方側の上記軸受円環状フレーム3の上記リング状円盤13の上記先端支持軸回転穴6”に遊挿(挿通)され、上記丸棒6aは、ロッド中心軸Q方向に回転(右方向又は左方向に自転)可能に構成されている(
図3参照)。
【0040】
他の27本の丸棒6aも同様であり、他の27本の丸棒6aの両端の先端支持軸6b,6bは、前後の軸受円環状フレーム3,4の上記リング状円盤13,13の先端支持軸回転穴6”,6”に各々遊挿(挿通)され、上記丸棒6aの線路途中は、上記挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’に遊挿(挿通)され、ロッド中心軸Q方向に回転(右方向又は左方向に自転)可能に構成されている(
図13参照)。
【0041】
さらに、1本の丸棒6aの外周には、上記範囲A、上記範囲B、上記範囲Cにおいて、3個の上記中空被覆管6c,6c,6c(断面は四角形状(例えば正方形))が、上記丸棒6aの外周に被覆されている(
図3、
図7(a)参照)。尚、上記軸受円環状フレーム3,4と上記挿通円環状フレーム7が1台の場合は、上記中空被覆管6cは、2分割となる(
図7(a)(b)参照)。また、上記軸受円環状フレーム3,4と上記挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’の直径T2と、中空被覆管6cの断面の正方形の対角線T1との関係は、上記中空被覆管6cが回転穴6’に挿通されないように、上記回転穴6’の直径T2は、上記中空被覆管6cの対角線の長さT1より小に構成されている(T1>T2、
図13参照)。
図2(a)(b)で示す丸棒6aは円形の断面を記載しているが、実際には、
図7(a)、
図13に示すように、丸棒6aに中空被覆管6cが被覆されている。
【0042】
この中空被覆管6cは、1本の丸棒6aに対して、上記範囲A、上記範囲B、上記範囲Cにおいて、3分割されている(上記挿通円環状フレーム7が1台の場合は、中空被覆管6cは2分割)(
図7(a)、(b)、
図3参照)。また上記中空被覆管6cの長さは、各範囲A,B,Cより若干短く形成されており(
図3参照)、各中空被覆管6cは、上記丸棒6aに対して、ロッド中心軸Qを中心として、左右に回転(ロッド中心軸Qを中心に右方向又は左方向に自転)可能となっている(
図3、
図10参照)。また、中空被覆管6cは、上記範囲A、上記範囲B、上記範囲Cにおいて、回転は独立であり、各原料が中空被覆管6cの断面の正方形の角部に当たることにより、上記範囲A,B,Cにおいて、独立に回転(右方向又は左方向に自転)可能となっている(
図10、
図11参照)。
【0043】
他の27本の丸棒6aも同様であり、他の27本の丸棒6aにおいても、上記範囲A,B,Cにおいて、各1本の丸棒6a毎に、3本の上記中空被覆管6c,6c,6cが被覆されており、各々の丸棒6a毎に、範囲A~Cにおいて、上記中空被覆管6cの回転は独立している。尚、挿通円環状フレーム7が1台の場合は、中空被覆管6cは2分割であり、各範囲毎に中空被覆管6cの回転は独立している(
図7(a)(b)参照)。
【0044】
また、回転ロッド6は、上記丸棒6aとすることで、上記中空被覆管6cが回転し易くなっている(
図12参照)。即ち、従来、中空被覆管6cの内部は、断面が正方形の角棒であった。従って、断面が正方形の角棒に、断面が正方形の中空被覆管を被覆していた。これでは、角棒と中空被覆管が一緒に回らざるを得ず、中空被覆管自体が回り難かった。これに対して、本発明は、中空被覆管6cの内部は、丸棒6aであり、粘性物質等が中空被覆管6cの角に当たることにより、中空被覆管6cが回り易くなっており、これにより、粘性物質等の居着きをなくし、篩効率を向上させることができる。
【0045】
また、
図7(b)、
図8に示すように、上記1本の中空被覆管6cには、四角形状(ここでは正方形とする)のリング状部材6dが、1個又は2個、固定されている。
【0046】
上記2個の正方形のリング状部材6dが設けられた中空被覆管6cは、長さ方向の外周端よりの位置の2か所にリング状部材6d,6dが設けられ、1個の正方形のリング状部材6dが設けられた中空被覆管6cは、中央部にリング状部材6dが設けられている(
図7(b)、
図8(a)~(c)参照)。
【0047】
そして、上記範囲A,B,Cにおいて、周方向に隣接する丸棒6a,6a・・・(周方向に隣接する回転ロッド6,6・・・)に対して、中空被覆管6cは、1個のリング状部材6dが設けられたものと、2個のリング状部材6d,6dが設けられたものを、交互に配置することにより、周方向に隣接する回転ロッド6,6において、リング状部材6dが千鳥配置となるように構成されている(
図1参照)。尚、中空被覆管6cが2分割の場合は、周方向に隣接する回転ロッド6,6間に、1個のリング状部材6dと、2個のリング状部材6d,6dが設けられたものを、交互に配置することにより、周方向に隣接する回転ロッド6,6に対して、リング状部材6dが千鳥配置となるように構成されている(
図7(a)(b)、
図8参照)。
【0048】
また、上記中空被覆管6cには、上記1個又は2個の上記リング状部材6dは、設けなくても良い。これは、原料の水分、粘性等が高い場合は、上記リング状部材6dを設け、原料の水分、粘性等が低い場合は、上記リング状部材6dを設けなくても良い。尚、
図1は、上記中空被覆管6cに千鳥配置にリング状部材6dを設けた事例を図示している。
【0049】
図1に戻って、10は円筒状のガイドリングであり、上記軸受円環状フレーム3の前方に突出している。上記軸受円環状フレーム3の上記リング状円盤13の内周部に前方に向け突出している(
図3参照)。11は円筒状の小径円筒部であり、上記軸受円環状フレーム4の後方側に突出して設けられている。上記軸受円環状フレーム4の上記リング状円盤13の内周部に後方に小径円筒部11が突出している。尚、前方側のガイドリング10より後方側の小径円筒部11は前後方向に長く形成されている。
【0050】
上記挿通円環状フレーム7,7には、複数の基板部19が円周方向に設けられており、その基板部19にリング状堰板18がボルトBにて設けられている(
図2、
図5、
図6参照)。上記リング状堰板18は、高粘性の原料が、容易に出口方向に行かないようにすることで、粘性物質等の疑似塊(泥団子)をできるだけ細かく破砕して、篩効率を向上させるためである。
【0051】
上記台枠2上には、前方側回転ローラ12a,12aと後方側回転ローラ12b,12bが台枠2上の軸受15,15に設けられており(
図1、
図2(a)(b)参照)、上記前方側回転ローラ12a,12aと後方側回転ローラ12b,12bは、その中心軸部12cによって前後方向に連結されている。そして、上記前方側の軸受円環状ローラ3の外周部3’と、後方側の軸受円環状ローラ4の外周部4’とが、上記回転ローラ12a,12aと上記回転ローラ12b,12b上に載置されている(
図1、
図2参照)。
【0052】
さらに、上記台枠2上に前方側に設けられた駆動モータMのプーリに傘歯車を介して、前方側回転ローラ12aの上記中心軸部12cが連結接続されており、上記駆動モータMを駆動することにより、上記ドラムロッドスクリーン1が矢印D方向に回転し得るように構成されている。
【0053】
図9(a)(b)(c)は、1本の丸棒6aと、3本の中空被覆管6c,6c,6cを構成するための図であり、上記範囲A、上記範囲B、上記範囲Cに3本の中空被覆管6c,6c,6cを配置してから、前方側から丸棒6aの右端部(先端支持軸6b)を、上記軸受円環状フレーム3の上記回転穴6’に挿入し(
図9(b)参照)、丸棒6aを範囲A,範囲B,範囲Cの中空被覆管6c,6c,6cに挿通し(
図9(c)参照)、丸棒6aの右端部の先端支持軸6bを後方の上記軸受円環状フレーム4の回転穴6’と先端支持軸回転穴6”に遊挿し、最終的に前方側のリング状円盤13を上記軸受円環状フレーム3の前面側に閉鎖して終了する(前方側の先端支持軸6bは、上記軸受円環状フレーム3の先端支持軸回転穴6”に遊挿される、
図9(c)参照)。上記丸棒6aの両端の先端支持軸6b,6bはリング状円盤13,13の先端支持軸回転穴6”,6”に遊挿されている。また、丸棒6aは挿通円環状ロッド7,7の回転穴6’に挿通(遊挿)されている。このような構成を、他の回転ロッド6の27本について繰り返し行う(
図12参照)。上記挿通円環状ロッド7が1台の場合は、中空被覆管6c,6cは2分割となる。
【0054】
図2(a)(
図11(a)(b)参照)は、左上にクリーナ板14を取り付けたもの、
図2(b)は左上と右上にクリーナ板14,14を取り付けたものである。上記クリーナ板14は、クリーナ中心軸Rから8枚の長方形状の板状のゴム板(クリーナ板)14aが設けられ(
図14(a)参照)、上記ゴム板14aの先端縁14bが回転ロッド6(中空被覆管6c)に当たることにより、ドラムロッドスクリーン1が矢印D方向に回転すると、専用の動力なしで矢印E方向に回転し得るように構成されている(
図2(a)(b)参照)。上記クリーナ中心軸Rは筐体17に回転可能に軸支されている(
図14(b)参照)。上記ゴム板(クリーナ板)14aは、
図14(b)に示すように、上記範囲A,上記範囲B,上記範囲Cにおいて、各々ゴム板14a,14a,14aが回転ロッド6(中空被覆管6c,6c,6c)に当たるように設けられており、上記各範囲A~Cにおいて、粘性物質等を回転ロッド6から除去するものである(
図11(a)(b)参照)。勿論、挿通円環状フレーム7が1台の場合は、上記板状のゴム板14a,14aは前後に2分割されており、各2分割されたゴム板14a,14aが各回転ロッド6(中空被覆管6c)に当たる構成となる。
【0055】
また、上記挿通円環状ロッド7が1台の場合は、中空被覆管6c,6cは2分割となるので、ゴム板14a,14aも2分割となる。
【0056】
尚、
図2(a)(b)にて、回転ロッド6の内部の丸棒6aの断面を円で表現しているが、正確には、断面が円の丸棒6aの外周には、断面が正方形の中空被覆管6cが被覆されている状況である(
図13参照)。
【0057】
図7(b)、
図8(a)~(c)に示すように、上記中空被覆管6cは角ロッド(断面が正方形)であり、しかもリング状部材6dも正方形であるため、従来の円形のリング状部材では、粘性物質等が疑似塊(泥団子)の居着きの原因になっていたが、中空被覆管6cは断面が四角形状(例えば正方形)であり、しかもリング状部材6dも四角形状(例えば正方形)であるため(
図2(a)(b)参照)、粘性物質等が上記中空被覆管6cの正方形の角部にて除去され、その結果、粘性物質等の疑似塊(泥団子)の居着きが発生せず、また、リング状部材6dも正方形なので、粘性物質等がリング状部材6dの角部にて除去され、その結果粘性物質等の居着きが発生せず、良好なクリーナ性能を発揮し得る。尚、符号17は筐体である。
【0058】
本発明は、上述のように構成されているものであり、以下、本発明の動作について説明する。尚、
図1に示すように、丸棒6aに中空の中空被覆管6cを範囲A~Cに挿通し、かつ、中空被覆管6cには、1個又は2個の正方形のリング状部材6dが設けられており、上記リング状部材6dは、
図1に示すように、周方向に隣接する回転ロッド6,6間に千鳥配置に設けられているものとする。
【0059】
この状態で、駆動モータMを駆動して、ドラムロッドスクリーン1を矢印D方向に回転する。すると、クリーナ板14も矢印E方向に回転する(
図2(a)(b)参照)。
【0060】
さらに、この状態で、原料を前方のガイドリンク10から、ドラムロッドスクリーン1の内部に投入する。尚、原料は、高水分と泥等の粘性物質(残土)を含み、大小の石等の固体物をも含む。上記回転ロッド6,6間の隙間、即ち、
図10の方形の篩目S(例えば目開き25mm)より小の石等の固体物は、回転ロッド6,6から下方に落下し、コンベア8上に落下し、矢印F方向(前方)に搬送される。
【0061】
また、方形の篩目S(例えば目開き25mm)より大の石等の固体物は、後方の小径円筒部11から下方に落下し、コンベア9上に落下し、矢印G方向に搬送される。これにより、篩目Sより小と大の固体物が篩にかけられる。
【0062】
また、中空被覆管6cの内部は、丸棒6aであるので、中空被覆管6cは従来より、回転(自転)し易くなっており、上記中空被覆管6cがより回転(ロッド中心軸Qを中心とする右方向又は左方向への自転)することにより、粘性物質等の疑似塊(泥団子)の居着きが発生し難くなっている(
図11(a)参照)。
【0063】
即ち、原料の水分を含む粘性物質等は、上記範囲A、上記範囲B、上記範囲Cにおいて、各中空被覆管6c,6c,6cの角部に各々当接して、上記範囲A~Cにおいて中空被覆管6c,6c,6cが独立して回転(ロッド中心軸Qの回りの右方向又は左方向への自転)するため、粘性物質等の疑似塊(泥団子)の居着きが生じ難くなり、結果として、篩効率を向上させることができる(
図11(a)参照)。
【0064】
さらに、上記中空被覆管6cは、周方向に隣接する回転ロッド6,6間において、正方形の上記リング状部材6dが千鳥配置に設けられているため(
図1、
図2、
図7(b)、
図8参照)、泥等の粘性物質等が、正方形の角部にて破砕されるため(
図11(a)(b)参照)、従来より、疑似塊(泥団子)等の居着きが発生し難くなり、結果として、篩効率を向上させることができる。また、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に、石等が挟まったとき、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に石等が挟まることがない(
図12参照)。さらに、回転ロッド6を丸棒6aとすることにより、従来の角棒に比べて、ドラムロッドスクリーン1の全体の重量減を実現できる。
【0065】
また、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’に丸棒6aが通っていることにより、石等の固体物の噛み込みが軽減され、結果として、篩目Sより小の固体物は、コンベア8に落下し、篩目Sより大の固体物は、コンベア9に落下し、篩効率を向上させることができる。即ち、丸棒6aが従来より回転(自転)することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に、石等が挟まったとき、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に石等が挟まることがない。
【0066】
また、クリーナ板14が矢印E方向に回転することにより、中空被覆管6c,6c,6cは、内部が丸棒6aであるため(
図3、
図11(b)参照)、従来より、ロッド中心軸Qを中心として自転し易くなっており、上記各範囲A,B,Cにおいて、中空被覆管6c,6c,6cが独立して自転することにより、粘性物等の疑似塊(泥団子)の居着きがなくなり、篩効率を向上し得るものである。また、リング状部材6dも正方形であるため(
図7(b)参照)、粘性物等が正方形のリング状部材6dの角部にて破砕され、居着きが発生し難くなり、篩効率を向上し得るものである。
【0067】
また、正方形状のリング状部材6dが設けられているので、高水分の粘性物質等は、正方形状のリング状部材6dの角にて剥離・解砕が可能であり、しかも中空被覆管6cが良く回るため、疑似塊(泥団子)等が発生せずに、疑似塊は、剥離・解砕され、より細かくして篩効率を向上させることができる(
図11(a)参照)。
【0068】
原料がそれほど高水分、高い粘性物質等が含まない場合は、中空被覆管6cにリング状部材6dを設ける必要はない。この場合、中空被覆管6cの内部は丸棒6aであるため、中空被覆管6cが良く回転(右方向又は左方向に自転)し(
図11(a)参照)、粘性物質等が中空被覆管6cの角に当たることで、中空被覆管6cが良く回転することにより、粘性物質等の居着きを防止し、結果として篩効率を向上し得る。
【0069】
挿通円環状フレーム7が前後の軸受円環状フレーム3,4の中間に1台のみ設けられた場合は、回転ロッド6に対して、中空被覆管6c,6cは2分割となる。この場合であっても、回転ロッド6(中空被覆管6c)の内部は丸棒6aであるので、中空被覆管6c,6cが良く回転することにより、粘性物質等の居着きを防止し得るものである。
【0070】
また、挿通円環状フレーム7が前後の軸受円環状フレーム3,4の中間に1台のみ設けられた場合は、中空被覆管6c,6cに正方形のリング状部材6dを設けた場合においても(設ける場合は千鳥配置に設ける)、粘性物質等が正方形のリング状部材6dの角部に当接して破砕され、結果として居着きを防止して、篩効率を向上し得るものである。
【0071】
(第2の実施形態)
図15~
図17参照
本発明に係る第2の実施形態のドラムロッドスクリーン1は、前方の軸受円環状フレーム3と、後方の軸受円環状フレーム4との間の中間部に、中間軸受円環状フレーム16を有し、上記中間軸受円環状フレーム16と前方の上記軸受円環状フレーム3との間(中間部)に、前方側の挿通円環状フレーム7が存在し、上記中間軸受円環状フレーム16と後方の上記軸受円環状フレーム4との間(中間部)に、後方側の挿通円環状フレーム7が存在するものである。尚、前方側の上記挿通円環状フレーム7を「前方側」、後方側の上記挿通円環状フレーム7を「後方側」、前半の範囲H,Iの中空被覆管6c,6cを「前半」、後半の範囲J,Kの中空被覆管6c,6cを「後半」と表現する。前半の丸棒6aを「前半部」、後半の丸棒6aを「後半部」と表現する(
図17参照)。
【0072】
また、前方の上記軸受円環状フレーム3、後方の上記軸受円環状フレーム4、上記挿通円環状フレーム7,7、上記中間軸受円環状フレーム16の固定穴5’は8個(角度は45度ずつ)、及び、回転穴6’及び先端支持軸回転穴6”の構成(数、直径)は、周方向の固定穴5’間において5個又は6個ずつである(回転穴6’の数は、各々42個)。直径は第1実施形態と同様である。尚、固定穴5’の数、固定ロッド5の本数、回転穴6’、先端支持軸回転穴6”、回転ロッド6の本数は一例であり、他の数も選択可能である。但し、固定穴5’と固定ロッド5の本数、回転穴6’、先端支持軸回転穴6”と回転ロッド6の本数は一致している。
【0073】
また、前方の上記軸受円環状フレーム3、後方の上記軸受円環状フレーム4、上記挿通円環状フレーム7,7の固定穴5’(貫通穴)には、各8本の固定ロッド5が固定されており、これにより、ドラムロッドスクリーン1の骨格が形成されている。さらに、上記挿通円環状フレーム7,7の周方向に隣接する固定穴5’間には、5個又は6個ずつの回転穴6’(貫通穴)が設けられており、上記中間軸受円環状フレーム16には、周方向に隣接する固定穴5’間には、5個又は6個ずつの先端支持軸回転穴6”(貫通穴)が設けられており、前方の上記軸受円環状フレーム3、後方の上記軸受円環状フレーム4には、周方向に隣接する固定穴5’間には、5個又は6個ずつの回転穴6’(貫通穴)が設けられており、かつ、回転穴6’と同心に先端支持軸回転穴6”(貫通穴)が、5個又は6個ずつ設けられている。これらの固定穴5’、回転穴6’、先端支持軸回転穴6”はロッド中心軸Qを中心とした同一位置に設けられている(回転穴6’の数は42個、先端支持軸回転穴6”の数は42個)。そして、上記回転穴6’と上記先端支持軸回転穴6”には、42本の回転ロッド6が遊挿(挿通)されている。尚、上記固定ロッド5と上記回転ロッド6を合わせると、50本となる。
【0074】
図17に示すように、上記前後の挿通円環状フレーム7,7は、上記中間軸受円環状フレーム16が中間に設けられおり、前半部の範囲Hと範囲Iとの間と、後半部の範囲Jと範囲Kとの間に、1つのロッド中心軸Qを中心として、丸棒6aは2分割されている。よって、前半部の丸棒6aは42本、後半部の丸棒6aは42本である。即ち、1つのロッド中心軸Qに、前半部の丸棒6aと後半部の丸棒6aが各々設けられており、上記範囲H~Kは、等距離である(
図17参照)。従って、前方の上記軸受円環状フレーム3、前方側の上記挿通円環状フレーム7、上記中間軸受円環状フレーム16の各回転穴6’及び先端支持軸回転穴6”には、回転ロッド6(丸棒6a、中空被覆管6c、全42本)が挿通されている。また、上記後方の軸受円環状フレーム4、後方側の上記挿通円環状フレーム7、上記中間軸受円環状フレーム16の各回転穴6’及び先端支持軸回転穴6”には、回転ロッド6(丸棒6a、中空被覆管6c、全42本)が挿通されている。
【0075】
上述のように、前半部の上記丸棒6aは、ロッド中心軸Qを中心として、前方部の丸棒6aの前端の先端支持軸6bは、前方の上記軸受円環状フレーム3の回転穴6’を介して上記リング状円盤13の上記先端支持軸回転穴6”に遊挿(挿入)されており、上記前半部の丸棒6aの線路途中は、前方側の上記挿通円環状フレーム7の回転穴6’に遊挿(挿入)され、後端の先端支持軸6bは、上記中間軸受円環状フレーム16の回転穴6”に遊挿(挿入)されている。
【0076】
また、後半部の上記丸棒6aの前端の先端支持軸6bは、上記中間軸受円環状フレーム16の回転穴6”に遊挿(挿通)され、上記後半部の上記丸棒6aの線路途中は、後方側の上記挿通円環状フレーム7の回転穴6’に遊挿(挿通)され、上記後半部の上記丸棒6aの先端支持軸6bは、上記後方の軸受円環状フレーム4の回転穴6’を介して上記リング状円盤13の先端支持軸回転穴6”に遊挿(挿通)されている。
【0077】
そして、上記丸棒6aの外周には、中空被覆管6c,6c,6c,6cが、上記範囲H、範囲I、範囲J、範囲Kに各々挿通されており、しかも前半の上記範囲H,Iにのみ、上記中空被覆管6c,6cには1個又は2個の正方形のリング状部材6dが設けられている(
図15、
図16参照)。即ち、リング状部材6d,6dには、上記範囲H,Iにおいて、周方向に隣接する回転ロッド6,6間において千鳥配置に設けられており、上記範囲J、範囲Kには、リング状部材6dは設けられていない。
【0078】
勿論、範囲J,Kにおいても、中空被覆管6c,6cに正方形状のリング状部材6dを設けても良いが(設ける場合は、千鳥配置に設ける)、原料がそれほど高水分ではなく、泥等の高粘性でない場合は、上記範囲H,Iのみ正方形状のリング状部材6dを設け、上記範囲J,Kには正方形状の上記リング状部材6dを設けなくても良い。例えば、原料が高水分で、泥等の高粘性である場合は、範囲J,Kにおいてもリング状部材6dを設けても良い。
【0079】
本発明に係る第2の実施形態では、範囲H,Iにのみ正方形のリング状部材6dを千鳥配置に設け、範囲J,Kにはリング状部材6dを設けない事例を説明する。尚、固定ロッド5の本数は8本、回転ロッド6の本数は42本であり、上記中間軸受円環状フレーム16には、固定ロッド5用の固定穴5’が8個設けられており、それらに固定ロッド5が8本固定されている(
図15、
図16参照)。また、上記中間軸受円環状フレーム16には、周方向の固定穴5’,5’間に、5個の先端支持軸回転穴6”が設けられており(先端支持軸回転穴6”の数は全部で42個)、これらは、丸棒6aの前半部の後端の先端支持軸6bと、丸棒6aの後半部の前端の先端支持軸6bが前後から係合している。尚、先端支持軸回転穴6”の直径は、上記先端支持軸6bの直径より大で、かつ丸棒6aの直径より小である。
【0080】
尚、上記軸受円環状フレーム3,4と、上記挿通円環状フレーム7,7の固定穴5’(8個)、回転穴6’、先端支持軸回転穴6”の数は42個である。そして、上記固定ロッド5,5間には、回転ロッド6が5本又は6本、ロッド中心軸Qの回りに回転(自転)可能に構成されている(回転ロッド6の数は全部で42本)。また、篩目S(例えば目開き25mm)であり、駆動モータMの構成、回転ローラ12a,12bの構成は、第1の実施形態と同様である。
【0081】
また、クリーナ板14のコム板14aは、上記範囲H,I,J,Kにおいて、クリーナ中心軸Rに対して、各分離して前後方向に4枚のゴム板14a,14a,14a,14aが設けられており、各先端縁14b,14b,14b,14bが各回転ロッド6(中空被覆管6c)に接触しているものとする。
【0082】
また、挿通円環状フレーム7,7には複数の基板部19に、リング状堰板18がボルトBにて設けられている。この構成は、第1の実施形態と同様である。
【0083】
本発明(第2の実施形態)は、上述のように構成されているものであり、以下、本発明の動作について説明する。尚、
図1に示すように、丸棒6aに中空の中空被覆管6c,6c,6c,6cを範囲H~Kに挿通し、かつ、中空被覆管6cには、範囲H,Iのみ1個又は2個の正方形のリング状部材6dが設けられており、リング状部材6dは、
図13に示すように、周方向に隣接する回転ロッド6,6間において、千鳥配置に設けられているものとする。
【0084】
この状態で、駆動モータMを駆動して、ドラムロッドスクリーン1を矢印D方向に回転する。すると、クリーナ板14も矢印E方向に回転する(
図2(a)(b)参照)。さらに、この状態で、原料を前方のガイドリンク10から、ドラムロッドスクリーン1の内部に投入する。尚、原料は、高水分と泥等の粘性物質を含み、大小の石等の固体物をも含む。また、原料はそれほど高水分と泥等の粘性物質を含んでいるとはいえない場合である。原料が高水分と粘性物質を含んでいる場合は、後半の範囲J,Kにおいても、中空被覆管6c,6cに正方形のリング状部材6dを設ける。
【0085】
前半の上記範囲H,Iにおいては、中空被覆管6cが独立して回転(自転)し、正方形のリング状部材6dの角部と、中空被覆管6cの断面の角部により、泥等の粘性物質の居着きが抑止され、後半の上記範囲J,Kにおいて、隣接する回転ロッド6,6の篩目Sより小の砕石等は、下方のコンベア8上に落下し、矢印F方向(前方)に搬送される。
【0086】
また、篩目Sより大の石等(自然石)の固体物は、後方の小径円筒部11から下方に落下し、コンベア9上に落下し、矢印G方向に搬送される。尚、前半の上記範囲H,Iにおいても、篩目より小の石等(自然石)は、下方のコンベア8に落下し、矢印F方向(前方)に搬送される。
【0087】
また、前半の上記範囲H,Iにおいて、中空被覆管6cが独立して回転(自転)し、中空被覆管6cの内部は、丸棒6aであるので、中空被覆管6cは従来より、回転(ロッド中心軸Qを中心とした右回り又は左回りの自転)し易くなっており、上記中空被覆管6cの角部に粘性物質等が当たり、また正方形状のリング状部材6dの角部に粘性物質等が当たることにより、上記前半の中空被覆管6cがより回転(ロッド中心軸Qを中心とした右回り又は左回りの自転)することにより、上記範囲H,Iにおいて、独立して中空被覆管6c,6cが回転することにより、粘性物質等の疑似塊(泥団子)の居着きが発生し難くなっている。結果として、篩効率も向上する。
【0088】
また、ドラムロッドスクリーン1の後半の範囲J、範囲Kにおいて、各範囲の上記中空被覆管6c,6cが、粘性物質等が角部に当たることにより、上記範囲J,Kにおいて、独立して回転(ロッド中心軸Qを中心とした右回り又は左回りの自転)することで、粘性物質等の居着きが発生し難くなり、篩効率が向上する。
【0089】
また、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’に丸棒6aが通っていることにより、石の噛み込みが軽減される。
【0090】
全体として、前半の上記範囲H,Iにおいて、主に、粘性物質等の居着きを解消し、後半の上記範囲J,Kにおいて、篩目Sより小の石等(自然石)が、下方に落下して、コンベア8により矢印F方向に搬送され、篩目Sより大の石等(自然石)は、後方の小径円筒部11から下方に落下し、コンベア9にて矢印G方向に搬送される。
【0091】
また、クリーナ板14が矢印E方向に回転することにより、中空被覆管6cは、内部が丸棒6aであるため、従来より、ロッド中心軸Qを中心として自転し易くなっており、上記各範囲H~Kにおいて、中空被覆管6c,6c,6c,6cが独立して右回り又は左回りに自転することにより、粘性物等の居着きが抑止され、篩効率を向上し得るものである。また、前半のリング状部材6d,6dも正方形であるため、粘性物等の居着きが発生し難くなり、篩効率を向上し得るものである。また、原料が正方形状のリング状部材6dの角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0092】
また、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に、石等が挟まったとき、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッド6を丸棒6aとすることにより、ドラムロッドスクリーン1の全体の重量減を実現できる。
【0093】
本発明によれば、回転ロッド6は、断面が円の丸棒6aにより構成され、その丸棒6aに断面が正方形の中空被覆管6cにより被覆されており、回転ロッド6の内部が、従来の断面が角と異なり、断面が円の丸棒6aにより構成されているので、外周の中空被覆管6cが回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質等が中空被覆管6cの角に当たった場合、中空被覆管6cが回り易くなっており、これにより、中空被覆管6cが回り易く、結果として、粘性物質等の居着きが生じない。また、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7の回転穴6’と丸棒6aとの間に、石等が挟まったとき、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7の回転穴6’と丸棒6aとの間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッド6を丸棒6aとすることにより、ドラムロッドスクリーン1の全体の重量減を実現できる。
【0094】
また、中空被覆管6cに正方形状のリング状部材6dが設けられているので、このリング状部材6dの角によって、粘性物質等が塊になることがなく、従来より、居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材6dの角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0095】
また、上記挿通円環状フレーム7,7は、2台設けられており、各3か所の範囲A,B,Cに、上記丸棒6aに被覆されている中空被覆管6cは各範囲毎に3つに分割されているから、各範囲A,B,C毎に独立して回転(自転)し得て、粘性物質等の居着き等をより解消することができる。また、回転ロッド6の内部が、従来の断面が四角形と異なり、断面が円の丸棒6aにより構成されているので、外周の中空被覆管6cが回り易く(自転し易く)、よって原料の粘性物質が中空被覆管6cの角に当たった場合、中空被覆管6cが回り易くなっており、これにより、中空被覆管6cが回り易く、結果として、粘性物質の居着きが生じない。また、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に、石等が挟まったとき、丸棒6aが回転することにより、挿通円環状フレーム7,7の回転穴6’と丸棒6aとの間に石等が挟まることがない。さらに、回転ロッド6を丸棒6aとすることにより、ドラムロッドスクリーン1の全体の重量減を実現できる。
【0096】
また、中空被覆管6cに正方形状のリング状部材6dが設けられているので、このリング状部材6dの角によって、粘性物質等が塊になることがなく、従来より、居着きを防止することができる。また、原料がリング状部材6dの角に当接することにより、原料の剥離・解砕が可能なものである。
【0097】
また、原料がそれほど水分と高粘性でない場合、前方の軸受円環状フレーム3と中間軸受円環状フレーム16の回転ロッド6にのみ四角形状のリング状部材6dを有する中空被覆管6cを挿通し、中間軸受円環状フレーム16と後方の軸受円環状フレーム4の間は、リング状部材を設けない中空被覆管6cを設けることにより、前半部で高水分と高粘性等の居着きを防止し、後半部で篩目Sより小の砕石等を落すことで、篩効率を向上させることができる。
【0098】
また、回転ロッド6(中空被覆管6c)の断面は四角形状(例えば正方形)であり、クリーナ板14の先端縁14bは、断面が角の中空被覆管6cに当接しており、回転ロッド6の内部は丸棒6aであり、上記中空被覆管6cが回転し易いので、従来より、粘性物質等の居着きを防止することができる。尚、
図1、
図2において、17は筐体である。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明に係るドラムロッドスクリーン1によれば、高粘性、高水分の泥等を含む石等の原料の篩分けを確実に行うことができ、各種採石場、産業廃棄物等の篩分け装置として、広く利用が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 ドラムロッドスクリーン
2 台枠
3,4 軸受円環状フレーム
3’,4’ 外周部
5 固定ロッド
5’ 固定穴
6 回転ロッド
6’ 回転穴
6” 先端支持軸回転穴
6a 丸棒
6b 先端支持軸
6c 中空被覆管
6d リング状部材
7 挿通円環状フレーム
12a,12b 回転ローラ
14 クリーナ板
14a ゴム板
14b 先端縁
16 中間軸受円環状フレーム
17 筐体
A,B,C 範囲
H,I,J,K 範囲
M 駆動モータ
P 円筒共通中心軸
Q ロッド中心軸
R クリーナ中心軸