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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】皮膚疾患の治療のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 7/01 20060101AFI20240925BHJP
   C12N 15/869 20060101ALI20240925BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240925BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20240925BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C12N15/869
C12N15/12
A61K38/17
A61P17/00
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2021516991
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019053005
(87)【国際公開番号】W WO2020069018
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】62/737,009
(32)【優先日】2018-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/744,531
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520417056
【氏名又は名称】クリスタル バイオテック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナン スマ
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル プージャ
(72)【発明者】
【氏名】パリー トレバー
【審査官】松本 淳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/176336(WO,A1)
【文献】特表2016-525349(JP,A)
【文献】Nat. Med.,2006年12月,Vol.12, No.12,pp.1397-1402
【文献】J. Invest. Dermatol.,2016年02月,Vol.136, No.2,pp.352-358
【文献】PNAS,2001年04月24日,Vol.98, No.9,pp.5193-5198
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00- 7/08
C12P 1/00-43/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
PubMed
Google/Google Scholar
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換えヘルペスウイルスゲノムであって、
コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、またはケラチンI型細胞骨格17ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含まない、前記組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項2】
ラミニンポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む、請求項1に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項3】
組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、任意で、前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノムである、請求項1または2に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項4】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが不活性化変異を含み、任意で、前記不活性化変異が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択される単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、請求項3に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項5】
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、または、前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、請求項4に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項6】
前記ラミニンポリペプチドがヒトラミニン(Lam)ポリペプチドである、任意で、前記ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドが、ヒトLamA1ポリペプチド、ヒトLamA2ポリペプチド、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamA4ポリペプチド、ヒトLamA5ポリペプチド、ヒトLamB1ポリペプチド、ヒトLamB2ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、ヒトLamC1ポリペプチド、ヒトLamC2ポリペプチド、ヒトLamC3ポリペプチド、及びそれらの任意のキメラポリペプチドからなる群から選択される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項7】
前記ラミニンポリペプチドが、配列番号7~9または32~35からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも95%または100%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
【請求項9】
複製可能である、請求項8に記載のヘルペスウイルス。
【請求項10】
複製欠損である、請求項8に記載のヘルペスウイルス。
【請求項11】
対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する、請求項8~10のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項12】
単純ヘルペスウイルスである、任意で、前記単純ヘルペスウイルスがHSV-1である、請求項8~11のいずれか1項に記載のヘルペスウイルス。
【請求項13】
請求項1~7のいずれか1項に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムまたは請求項8~12のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【請求項14】
局所、経皮、皮下、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上(epicutaneous)投与のための、請求項13に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
メチルセルロースゲル、リン酸緩衝液、グリセロール、脂質担体、またはナノ粒子担体を含む、請求項13または14に記載の薬学的組成物。
【請求項16】
接合部型表皮水疱症の1つ以上の兆候または症状を治療するための薬剤の製造における、請求項8~12のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項13~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物の、使用。
【請求項17】
その必要がある対象において接合部型表皮水疱症(JEB)の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための薬学的組成物であって、請求項8~12のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスを含むか、または、請求項13~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物である、前記薬学的組成物。
【請求項18】
JEBの前記1つ以上の兆候または症状が、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ(horse cry)、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管(gastrourinary tract)の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯及び/またはエナメル質形成不全、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項17に記載の薬学的組成物。
【請求項19】
皮膚疾患の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための薬剤の製造における、請求項8~12のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスまたは請求項13~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物の、使用。
【請求項20】
その必要がある対象において皮膚疾患の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための薬学的組成物であって、請求項8~12のいずれか1項に記載のヘルペスウイルスを含むか、または、請求項13~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物である、前記薬学的組成物。
【請求項21】
前記皮膚疾患が、接合部型表皮水疱症(JEB)である、請求項20に記載の薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、各々参照により全体が本明細書に組み込まれる、2018年9月26日に出願された米国仮出願第62/737,009号及び2018年10月11日に出願された米国仮出願第62/744,531号の優先権の利益を主張する。
【0002】
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる:配列表のコンピュータ可読形式(CRF)(ファイル名:761342000940SEQLIST.txt、記録日:2019年9月23日、サイズ:376KB)。
【0003】
発明の分野
本開示は、部分的には、ラミニンポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)及び/またはフィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸、それを含むウイルス、その薬学的組成物、製剤、及び薬剤、ならびにその使用方法(例えば、接合部型表皮水疱症の治療のための)に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
接合部型表皮水疱症(JEB)は、皮膚を非常に脆弱にする遺伝性状態の一群である表皮水疱症の主要な形態の1つである。JEBに罹患している個体において、皮膚及び粘膜に水疱が形成され、軽度の損傷または摩擦に応答してびらんを起こす。この疾患は、典型的には、2つの主なタイプ:接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)及び接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に分類される。JEB-Hは、JEBのより重度の形態であり、多くの場合、抗し難い感染症、栄養失調、電解質不均衡、または呼吸器、胃腸管、もしくは尿生殖路の水疱形成に起因する合併症により、乳児期の死亡に至る。JEB-nHは、重症度が低く、出生時または出生直後に明らかになり得る全身性水疱及び粘膜の関与を特徴とする。これらのタイプの重症度が異なるが、それらの特徴は著しく重複しており、同じ遺伝子(複数可)の根底にある変異によって引き起こされる可能性がある。
【0005】
ラミニンは、3つのジスルフィド結合ポリペプチド、α鎖、β鎖、及びγ鎖の集合によって構成されるより高分子量の糖タンパク質である。ヒトゲノムは11個の遺伝的に異なるラミニン鎖をコードし、ラミニンファミリーの様々なメンバーは共通機能及び固有機能の両方を有する。具体的には、ラミニンは、基底膜のアーキテクチャ及び生理学を決定するのみならず、細胞内区画と細胞外区画を物理的に架橋し、かつ細胞挙動に重要なシグナルを伝えることによって細胞ネットワークにおいて中心的役割も果たす、細胞外ポリマーの不可欠な構成要素である。
【0006】
JEBは、ヒトラミニン遺伝子LAMA3、LAMB3、またはLAMC2の変異に起因するが、LAMB3変異が最も一般的であり、全てのJEB症例の80%超を引き起こす。LAMA3、LAMB3、及びLAMC2の遺伝子産物は各々、ラミニン332と呼ばれるタンパク質巨大分子のサブユニットであり、これは、皮膚(表皮)の上層を下層に付着させるのを助けることによって皮膚を強化する及び安定化する際に重要な役割を果たす。ラミニン332のサブユニットをコードする3つの遺伝子のうちのいずれかにおける変異は、このタンパク質巨大分子の欠損バリアントまたは非機能的バリアントの産生をもたらし、表皮内の細胞が脆弱になり、容易に損傷され、摩擦または他の軽度の外傷後に皮膚層が分離する原因となる。
【0007】
JEBの管理は、生涯にわたる努力である。残念ながら、JEBの分子的原因を標的とする利用可能なFDA承認の療法は存在せず、JEB患者の治療選択肢は限定されている。疼痛及び掻痒を制御するための薬剤の提供、皮膚及び粘膜上の開放創に起因する感染症を防ぐための抗生物質の投与、ならびに瘢痕化及び変形に対処するための外科的戦略を含む疾患管理は、通常、対症的である。したがって、この感受性患者集団において観察されるラミニンタンパク質の欠乏に対処することができるJEBのための新規の低侵襲的または非侵襲的治療選択肢が明らかに必要とされている。
【0008】
特許出願、特許刊行物、非特許文献、及びNCBI/UniProtKB/Swiss-Prot受入番号を含む本明細書で引用される全ての参考文献は、個々の参考文献が各々参照により組み込まれると明確かつ個別に示されるかのように、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
簡単な概要
いくつかの実施形態では、これら及び他の必要性を満たすために、その必要がある対象においてラミニン欠乏症を治療するのに有用なウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)、薬学的組成物及び製剤、薬剤、及び/または方法に使用するための、及び/またはラミニン関連障害を有するか、またはそれを発症するリスクのある個体を治療する(例えば、JEBの1つ以上の兆候または症状を有するか、またはそれを発症するリスクのある対象における皮膚の創傷、障害、または疾患の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する)ための、ラミニンポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)をコードする組換え核酸(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)が本明細書に提供される。
【0010】
本発明人らは、本明細書に記載の組換えウイルスが、哺乳類細胞(ヒト皮膚細胞を含む)を効果的に形質導入することができ、かつそれらのコードされた外因性ヒトラミニン(mRNA及びタンパク質)を首尾よく発現することができたことを示した(例えば、実施例1を参照のこと)。さらに、本発明人らは、野生型バリアント及びコドン最適化バリアントの両方として複数の異なるラミニンタンパク質が本明細書に記載のウイルスによって送達され得ることを示した(例えば、実施例1を参照のこと)。さらに、本発明人らは、本明細書に記載のウイルスが、ラミニンタンパク質が皮膚の適切な領域に局在する関連性のあるラミニン欠損動物モデルにおいてインビボでヒトラミニンを発現するように首尾よく操作され得ることを示した(例えば、実施例2を参照のこと)。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、組成物、及び/または薬剤のうちの1つ以上を投与することによって、その必要がある対象の1つ以上の細胞におけるヒトラミニンレベルを増加させる、増強する、及び/または補充することにより、対象における機能的ラミニンの産生の増加が可能になるであろうと考えられる。加えて、理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、組成物、及び/または薬剤のうちの1つ以上を投与することによって個体の1つ以上の細胞におけるヒトラミニンレベルを増加させる、増強する、及び/または補充することにより、治療された個体の皮膚における細胞接着の増加、透明帯の分離の減少、及び基底膜の安定化がもたらされるであろうとさらに考えられる。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、組成物、薬剤、及び方法が、ラミニン欠乏症(例えば、JEB)に罹患している個体における既存の皮膚異常の治療、ならびに治療された対象における創傷または他の皮膚もしくは粘膜異常の再形成の予防または遅延を助けるであろうと考えられる。
【0011】
したがって、本開示のある特定の態様は、ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換えヘルペスウイルスゲノムに関する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ラミニンポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを、1つ以上のウイルス遺伝子座内に含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の組み合わせまたは派生物から選択される。
【0012】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生物である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。
【0013】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス遺伝子は、感染細胞タンパク質(ICP)0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55から選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、連結領域に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、連結領域の欠失を含む。
【0014】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを、1つ以上のウイルス遺伝子座内に含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内にラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22ウイルス遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41ウイルス遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0015】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、ヒトラミニンポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドは、ヒトLamA1ポリペプチド、ヒトLamA2ポリペプチド、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamA4ポリペプチド、ヒトLamA5ポリペプチド、ヒトLamB1ポリペプチド、ヒトLamB2ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、ヒトLamC1ポリペプチド、ヒトLamC2ポリペプチド、ヒトLamC3ポリペプチド、及びそれらの任意のキメラポリペプチドから選択される。いくつかの実施形態では、ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドは、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、及びヒトLamC2ポリペプチドから選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、配列番号7~9または32~35から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、配列番号7~9から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0016】
前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、標的細胞に導入された場合に、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、表皮細胞及び/または真皮細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ケラチノサイトまたは線維芽細胞である。
【0017】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれかを含むヘルペスウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製欠損である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の組み合わせまたは派生物から選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1、HSV-2、またはそれらの任意の派生物である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、HSV-1である。
【0018】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノムのうちのいずれか及び/または本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれかと、薬学的に許容される賦形剤とを含む薬学的組成物に関する。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所、経皮、皮下、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、皮膚上(epicutaneous)投与、またはそれらの任意の組み合わせに好適である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所、経皮、及び/または皮内投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、局所投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、皮内投与に好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、経口または吸入投与に好適である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、メチルセルロースゲル(例えば、カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースゲル等)を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、リン酸緩衝液を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、グリセロールを含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、脂質担体を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、薬学的組成物は、ナノ粒子担体を含む。
【0019】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの薬剤としての使用に関する。
【0020】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの療法における使用に関する。
【0021】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ヘルペスウイルス、及び/または薬学的組成物のうちのいずれかの、(例えば、JEB患者における)ラミニン欠乏症の1つ以上の兆候または症状を治療するための薬剤の生産または製造における使用に関する。
【0022】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の細胞におけるラミニンポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、対象に、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に皮内投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象の皮膚は、投与前に擦過される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、経口投与または吸入により投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している。
【0023】
本開示の他の態様は、対象の皮膚の1つ以上の細胞の細胞接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、対象に、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、細胞接着は、インテグリン媒介性細胞接着である。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に皮内投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象の皮膚は、投与前に擦過される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、経口投与または吸入により投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している。
【0024】
本開示の他の態様は、対象の透明帯を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、対象に、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に皮内投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象の皮膚は、投与前に擦過される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、経口投与または吸入により投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している。
【0025】
本開示の他の態様は、対象の上皮基底膜集合、上皮基底膜組織化、及び/または上皮基底接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、対象に、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に皮内投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象の皮膚は、投与前に擦過される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、経口投与または吸入により投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している。
【0026】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において接合部型表皮溶解症(JEB)の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、対象に、本明細書に記載のヘルペスウイルスのうちのいずれか及び/または本明細書に記載の薬学的組成物のうちのいずれかの有効量を投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、JEBの1つ以上の兆候または症状は、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ(horse cry)、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管(gastrourinary tract)の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯及び/またはエナメル質形成不全、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象のゲノムは、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、皮下、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象に皮内投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、対象の皮膚は、投与前に擦過される。いくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、経口投与または吸入により投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。前述の実施形態のうちのいずれかと組み合わせられ得るいくつかの実施形態では、ウイルス及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している。
【0027】
本開示の他の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかと、その投与に関する指示とを含む製品またはキットに関する。
[本発明1001]
ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1002]
ラミニンポリペプチドをコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む、本発明1001の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1003]
複製可能である、本発明1001または本発明1002の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1004]
複製欠損である、本発明1001または本発明1002の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1005]
組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の派生物からなる群から選択される、本発明1001~1004のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1006]
組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、本発明1001~1005のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1007]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生物である、本発明1006の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1008]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが組換えHSV-1ゲノムである、本発明1006または本発明1007の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1009]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが不活性化変異を含む、本発明1006~1008のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1010]
前記不活性化変異が単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、本発明1009の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1011]
前記不活性化変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の一部または全部の欠失である、本発明1010の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1012]
前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択される、本発明1010または本発明1011の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1013]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、本発明1012の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1014]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1012または本発明1013の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1015]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1012~1014のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1016]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、本発明1012~1015のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1017]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、本発明1012~1016のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1018]
前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ラミニンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを、1つ以上のウイルス遺伝子座に含む、本発明1006~1017のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1019]
前記ラミニンポリペプチドがヒトラミニン(Lam)ポリペプチドである、本発明1001~1018のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1020]
前記ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドが、ヒトLamA1ポリペプチド、ヒトLamA2ポリペプチド、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamA4ポリペプチド、ヒトLamA5ポリペプチド、ヒトLamB1ポリペプチド、ヒトLamB2ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、ヒトLamC1ポリペプチド、ヒトLamC2ポリペプチド、ヒトLamC3ポリペプチド、及びそれらの任意のキメラポリペプチドからなる群から選択される、本発明1019の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1021]
前記ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドが、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、及びヒトLamC2ポリペプチドからなる群から選択される、本発明1019または本発明1020の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1022]
前記ラミニンポリペプチドが、配列番号7~9または32~35からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、本発明1001~1021のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1023]
標的細胞に導入された場合に、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する、本発明1001~1022のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1024]
前記標的細胞がヒト細胞である、本発明1023の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1025]
前記標的細胞が表皮細胞及び/または真皮細胞である、本発明1023または本発明1024の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1026]
前記標的細胞がケラチノサイトまたは線維芽細胞である、本発明1023~1025のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1027]
本発明1001~1026のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
[本発明1028]
複製可能である、本発明1027のヘルペスウイルス。
[本発明1029]
複製欠損である、本発明1027のヘルペスウイルス。
[本発明1030]
対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する、本発明1027~1029のいずれかのヘルペスウイルス。
[本発明1031]
単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の派生物からなる群から選択される、本発明1027~1030のいずれかのヘルペスウイルス。
[本発明1032]
単純ヘルペスウイルスである、本発明1027~1031のいずれかのヘルペスウイルス。
[本発明1033]
前記単純ヘルペスウイルスが、HSV-1、HSV-2、またはそれらの任意の派生物である、本発明1031または本発明1032のヘルペスウイルス。
[本発明1034]
前記単純ヘルペスウイルスがHSV-1である、本発明1031~1033のいずれかのヘルペスウイルス。
[本発明1035]
本発明1001~1026のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノムまたは本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1036]
局所、経皮、皮下、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上(epicutaneous)投与に好適である、本発明1035の薬学的組成物。
[本発明1037]
局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与に好適である、本発明1035または本発明1036の薬学的組成物。
[本発明1038]
局所、経皮、または皮内投与に好適である、本発明1035~1037のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1039]
局所投与に好適である、本発明1035~1038のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1040]
皮内投与に好適である、本発明1035~1038のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1041]
経口または吸入投与に好適である、本発明1035または本発明1036の薬学的組成物。
[本発明1042]
メチルセルロースゲルを含む、本発明1035~1041のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1043]
リン酸緩衝液を含む、本発明1035~1042のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1044]
グリセロールを含む、本発明1035~1043のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1045]
脂質担体を含む、本発明1035~1044のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1046]
ナノ粒子担体を含む、本発明1035~1045のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1047]
薬剤としての使用のための、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1048]
療法における使用のための、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物。
[本発明1049]
接合部型表皮水疱症の1つ以上の兆候または症状を治療するための薬剤の製造における、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の、使用。
[本発明1050]
対象の1つ以上の細胞におけるラミニンポリペプチドレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1051]
対象の皮膚における1つ以上の細胞の細胞接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1052]
前記細胞接着がインテグリン媒介性細胞接着である、本発明1051の方法。
[本発明1053]
対象の透明帯を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1054]
対象の上皮基底膜集合、上皮基底膜組織化、及び/または上皮基底接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1055]
その必要がある対象において接合部型表皮水疱症(JEB)の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、本発明1027~1034のいずれかのヘルペスウイルスまたは本発明1035~1046のいずれかの薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1056]
JEBの前記1つ以上の兆候または症状が、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ(horse cry)、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管(gastrourinary tract)の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯及び/またはエナメル質形成不全、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、本発明1055の方法。
[本発明1057]
前記対象がヒトである、本発明1050~1056のいずれかの方法。
[本発明1058]
前記対象のゲノムが、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む、本発明1050~1057のいずれかの方法。
[本発明1059]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される、本発明1050~1058のいずれかの方法。
[本発明1060]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される、本発明1050~1059のいずれかの方法。
[本発明1061]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、または皮内投与される、本発明1050~1060のいずれかの方法。
[本発明1062]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に局所投与される、本発明1050~1061のいずれかの方法。
[本発明1063]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に皮内投与される、本発明1050~1061のいずれかの方法。
[本発明1064]
前記対象の皮膚が、投与前に擦過される、本発明1050~1063のいずれかの方法。
[本発明1065]
前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、経口投与または吸入により投与される、本発明1050~1059のいずれかの方法。
[本発明1066]
フィラグリンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1067]
前記フィラグリンポリペプチドがヒトフィラグリンポリペプチドである、本発明1066の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1068]
前記フィラグリンポリペプチドがヒトフィラグリンポリペプチドまたはヒトフィラグリン-2ポリペプチドである、本発明1066または本発明1067の組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1069]
前記フィラグリンポリペプチドが、配列番号39~50からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、本発明1066~1068のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノム。
[本発明1070]
本発明1066~1069のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
[本発明1071]
本発明1066~1069のいずれかの組換えヘルペスウイルスゲノムまたは本発明1070のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
[本発明1072]
その必要がある対象において皮膚疾患の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、本発明1070のヘルペスウイルスまたは本発明1071の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
[本発明1073]
前記皮膚疾患が、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、及び皮膚剥離症候群からなる群から選択される、本発明1072の方法。
[本発明1074]
薬剤としての使用のための、本発明1070のヘルペスウイルスまたは本発明1071の薬学的組成物。
[本発明1075]
療法における使用のための、本発明1070のヘルペスウイルスまたは本発明1071の薬学的組成物。
[本発明1076]
アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、及び/または皮膚剥離症候群の1つ以上の兆候または症状を治療するための薬剤の製造における、本発明1070のヘルペスウイルスまたは本発明1071の薬学的組成物の、使用。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1-1】図1A~Eは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。図1Aは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Bは、ヒトLAMB3の野生型コード配列を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Cは、ヒトLAMB3のコドン最適化コード配列を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Dは、ヒトLAMC2の野生型コード配列を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図1Eは、ヒトLAMC2のコドン最適化コード配列を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図1-2】図1-1の説明を参照のこと。
図1-3】図1-1の説明を参照のこと。
図2図2A~Bは、指示されたウイルス分離株に感染したVero細胞における野生型(WT)ヒトLamB3の発現を示す。図2Aは、qRT-PCR分析によって評価される、感染Vero細胞における野生型ヒトLAMB3の発現を示す。図2Bは、ウエスタンブロットによって評価される、感染Vero細胞における野生型ヒトLamB3タンパク質の発現を示す。
図3】ウエスタンブロットによって評価される、指示されたウイルス分離株に感染したVero細胞における野生型(WT)またはコドン最適化(CO)ヒトLamB3タンパク質の発現を示す。非感染Vero細胞を陰性対照として使用した。
図4】ウエスタンブロットによって評価される、指示されたウイルス分離株に感染した初代ヒトケラチノサイトにおける野生型(WT)またはコドン最適化(CO)ヒトLamB3タンパク質の発現を示す。非感染初代ケラチノサイトを陰性対照として使用し、GAPDHを負荷対照として使用した。
図5図5A~Cは、指示されたウイルス分離株に感染したVero細胞における野生型(WT)及びコドン最適化(CO)ヒトLamC2の発現を示す。図5Aは、qRT-PCR分析によって評価される、感染Vero細胞における野生型ヒトLAMC2の発現を示す。図5Bは、qRT-PCR分析によって評価される、感染Vero細胞におけるコドン最適化ヒトLAMC2の発現を示す。図5Cは、ウエスタンブロットによって評価される、感染Vero細胞における野生型及びコドン最適化ヒトLamC2タンパク質の発現を示す。非感染Vero細胞を陰性対照として使用した。コドン最適化LamC2を発現するウイルス分離株「LGA」を追加の実験のために選択した。
図6A図6A~Cは、指示された感染多重度(MOI)で感染した不死化初代ヒトケラチノサイト中のウイルス分離株「LGA」から発現されたヒトLAMC2を示す。図6Aは、qPCR分析によって評価される、指示されたMOIでのウイルス分離株「LGA」による感染後の初代不死化ヒトケラチノサイト中のウイルスゲノムコピー数を示す。
図6B図6A~Cは、指示された感染多重度(MOI)で感染した不死化初代ヒトケラチノサイト中のウイルス分離株「LGA」から発現されたヒトLAMC2を示す。図6Bは、qRT-PCR分析によって評価される、指示されたMOIでのウイルス分離株「LGA」による感染後に初代不死化ヒトケラチノサイトで発現されたコドン最適化LAMC2の転写物レベルを示す。qPCR分析及びqRT-PCR分析について、データを、2つの複製物の平均±標準誤差として提示する。
図6C図6A~Cは、指示された感染多重度(MOI)で感染した不死化初代ヒトケラチノサイト中のウイルス分離株「LGA」から発現されたヒトLAMC2を示す。図6Cは、ウエスタンブロットによって評価される、指示されたMOIでのウイルス分離株「LGA」による感染後の初代不死化ヒトケラチノサイトにおけるヒトLamC2タンパク質の発現を示す。GAPDHを負荷対照として使用した。各分析について、非感染初代ケラチノサイト、ならびにmCherryコードHSVベクター(mCherry)に感染した初代ケラチノサイトを陰性対照として使用した。
図7A図7A~Dは、HSV分離株「LGA」またはビヒクル対照のLAMC2-/--hLAMC2tet-onマウス(ドキシサイクリン15日間中断(doxy-))への皮内注射の72時間後に採取した皮膚生検におけるLamC2核酸及びタンパク質分析を示す。図7Aは、処理した動物上の皮内注射部位の概略図を示す。
図7B図7A~Dは、HSV分離株「LGA」またはビヒクル対照のLAMC2-/--hLAMC2tet-onマウス(ドキシサイクリン15日間中断(doxy-))への皮内注射の72時間後に採取した皮膚生検におけるLamC2核酸及びタンパク質分析を示す。図7Bは、qPCR分析によって評価される、LGAまたはビヒクル対照の皮内投与後に皮膚生検に存在するヒトLAMC2 DNAレベルを示す。
図7C図7A~Dは、HSV分離株「LGA」またはビヒクル対照のLAMC2-/--hLAMC2tet-onマウス(ドキシサイクリン15日間中断(doxy-))への皮内注射の72時間後に採取した皮膚生検におけるLamC2核酸及びタンパク質分析を示す。図7Cは、qRT-PCR分析によって評価される、LGAまたはビヒクル対照の皮内投与後に皮膚生検に存在するヒトLAMC2転写物レベルを示す。qPCR分析及びqRT-PCR分析における各条件について、データを、2つの複製物の平均±標準誤差として提示する。
図7D図7A~Dは、HSV分離株「LGA」またはビヒクル対照のLAMC2-/--hLAMC2tet-onマウス(ドキシサイクリン15日間中断(doxy-))への皮内注射の72時間後に採取した皮膚生検におけるLamC2核酸及びタンパク質分析を示す。図7Dは、LGAまたはビヒクル対照の皮内投与後の皮膚生検におけるヒトLamC2タンパク質発現の代表的な免疫蛍光画像を示す。DAPI染色を使用して核を可視化し、pKal染色を使用してマウスラミニン-332を可視化した。
図8-1】図8A~Fは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム及び修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムの概略図を示す。図8Aは、野生型単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図8Bは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図8Cは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP4遺伝子座の各々に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図8Dは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがICP22遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びICP22のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図8Eは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがUL41遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)及びUL41のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。図8Fは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする核酸を含む発現カセットがUL41遺伝子座に組み込まれている、ICP4(両方のコピー)、ICP22、及びUL41のコード配列の欠失を含む修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムを示す。
図8-2】図8-1の説明を参照のこと。
図8-3】図8-1の説明を参照のこと。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
いくつかの実施形態では、本開示は、ラミニンポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、及び/または(例えば、ゲノムがラミニン遺伝子の機能喪失変異及び/または病原性バリアントを有する対象における)ラミニンタンパク質レベルを補充する及び/またはラミニン遺伝子欠乏症を治療する、及び/または医学的介入を、それを必要とする対象に提供する(例えば、ラミニン欠乏症(例えば、JEB)に起因する1つ以上の疾患または障害に対して予防的、姑息的、及び/または治療的緩和を提供する)ための、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)、組成物、製剤、薬剤、及び/または方法における組換え核酸の使用に関する。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、組成物、製剤、薬剤、及び/または方法が、ラミニン欠乏症に罹患している個体(例えば、JEB患者)における既存の皮膚及び/または粘膜異常の治療、ならびに治療された対象におけるかかる皮膚及び/または粘膜異常の再形成の防止または遅延を助けるであろうと考えられる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本開示は、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)、及び/または(例えば、ゲノムがFLG及び/またはFLG2遺伝子の機能喪失変異及び/または病原性バリアントを有する対象における)フィラグリンタンパク質レベルを補充する及び/またはフィラグリン遺伝子欠乏症を治療する、及び/または医学的介入を、それを必要とする対象に提供する(例えば、フィラグリン欠乏症(例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬等)に起因する1つ以上の疾患または障害に対して予防的、姑息的、及び/または治療的緩和を提供する)ための、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)、組成物、製剤、薬剤、及び/または方法における組換え核酸の使用に関する。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、組成物、製剤、薬剤、及び/または方法が、フィラグリン欠乏症に罹患している個体(例えば、アトピー性皮膚炎及び/または尋常性魚鱗癬患者)における既存の皮膚異常の治療、ならびに治療された対象におけるかかる皮膚異常の再形成の防止または遅延を助けるであろうと考えられる。
【0031】
以下の記述は、例示的な方法及びパラメータ等を説明する。しかしながら、かかる記述が本開示の範囲を限定するようには意図されておらず、代わりに、例示的な実施形態の記述として提供されることを認識されたい。
【0032】
I.一般的な技法
本明細書に記載または参照される技術及び手順は、当業者によって一般に十分に理解されており、従来の方法論、例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d edition(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel,et al.eds.,(2003))、the series Methods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR 2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.Hames and G.R.Taylor eds.(1995)),Harlow and Lane,eds.(1988)、Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,ed.,1984)、Methods in Molecular Biology,Humana Press、Cell Biology:A Laboratory Notebook (J.E.Cellis,ed.,1998)Academic Press、Animal Cell Culture(R.I.Freshney),ed.,1987)、Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press、Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,and D.G.Newell,eds.,1993-8)J.Wiley and Sons、Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.Miller and M.P.Calos,eds.,1987)、PCR:The Polymerase Chain Reaction(Mullis et al.,eds.,1994)、Short Protocols in Molecular Biology(Wiley and Sons,1999)に記載の広く利用されている方法論を使用して一般的に用いられている。
【0033】
II.定義
本開示を詳細に説明する前に、本開示が特定の組成物または生物学的系に限定されず、これらが言うまでもなく変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0034】
本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容がそうではないと明らかに指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子(a molecule)」への言及は、2つ以上のかかる分子の組み合わせを任意に含むといった具合である。
【0035】
本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列記される項目のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含み得る。例えば、「a及び/またはb」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「aまたはb」、または「a及びb」を指し得、「a、b、及び/またはc」という用語は、「aのみ」、「bのみ」、「cのみ」、「aまたはb」、「aまたはc」、「bまたはc」、「a、b、またはc」、「a及びb」、「a及びc」、「b及びc」、または「a、b、及びc」を指し得るといった具合である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、当業者に容易に知られているそれぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。
【0037】
本開示の態様及び実施形態が、態様及び実施形態を「含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、「核酸」という用語、及びそれらの変形は、ポリマーが、DNA及びRNAに見られるように、塩基対合及び塩基スタッキングを可能にする立体配置で核酸塩基を含むという条件で、ポリデオキシリボヌクレオチド(2-デオキシ-D-リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D-リボースを含む)、プリンまたはピリミジン塩基のN-グリコシドである任意の他のタイプのポリヌクレオチド、及び非ヌクレオチド骨格を含む他のポリマーに対して包括的であるものとする。したがって、これらの用語には、既知のタイプの核酸配列修飾、例えば、天然に存在するヌクレオチドのうちの1つ以上の類似体での置換、及びヌクレオチド間修飾が含まれる。
【0039】
本明細書で使用される場合、核酸は、それが別の核酸配列と機能的関係に置かれている場合、「作動的に連結されている」または「作動可能に連結されている」。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、コード配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結されており、リボソーム結合部位は、翻訳を促進するように位置付けされている場合、コード配列に作動可能に連結されている。一般に、「作動的に連結されている」または「作動可能に連結されている」とは、連結されているDNA配列が連続していることを意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「ベクター」という用語は、異種核酸の発現または複製のいずれかのためにそれを細胞に導入するために使用される別個の要素を指す。発現ベクターには、かかる核酸の発現をもたらすことができるプロモーター領域等の調節配列と作動的に連結された核酸を発現することができるベクターが含まれる。したがって、発現ベクターは、適切な宿主細胞に導入されたときに核酸の発現をもたらす、プラスミド、ファージ、組換えウイルス、または他のベクター等のDNAまたはRNA構築物を指し得る。適切な発現ベクターは当業者に周知であり、真核細胞で複製可能なもの、及びエピソームのままであるか、または宿主細胞ゲノムに組み込まれるものを含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、「オープンリーディングフレーム」または「ORF」とは、タンパク質またはポリペプチドをコードするDNAまたはRNAのいずれかの連続した伸長を指す。典型的には、核酸は、ATGまたはAUG等の翻訳開始シグナルまたは開始コドン及び終止コドンを含む。
【0042】
本明細書で使用される場合、「非翻訳領域」または「UTR」とは、オープンリーディングフレームの5’末端及び/または3’末端における非翻訳核酸を指す。1つ以上のUTRをポリヌクレオチドに含めることにより、転写後制御、mRNA安定性、及び/またはポリヌクレオチドの翻訳に影響が及ぼされ得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「導入遺伝子」という用語は、細胞に導入された後に、RNAに転写され、適切な条件下で翻訳及び/または発現されることができるポリヌクレオチドを指す。いくつかの実施形態では、これは、それが導入された細胞に所望の特性を付与するか、またはさもなければ所望の治療結果または診断結果をもたらす。
【0044】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」、「タンパク質」、及び「ペプチド」という用語は、互換的に使用され、2つ以上のアミノ酸のポリマーを指し得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「対象」、「宿主」、または「個体」とは、ヒト、家畜及び農場動物、ならびに動物園、スポーツ、またはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ネコ、ウシ、ならびに研究で使用される動物、例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、及び非ヒト霊長類等を含む、哺乳動物として分類される任意の動物を指す。いくつかの実施形態では、哺乳動物は、ヒトである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「薬学的製剤」または「薬学的組成物」という用語は、活性成分(複数可)の生物学的活性が有効になることを可能にするような形態であり、組成物または製剤が投与される対象に対して許容し難いほどに毒性の追加の成分を含まない調製物を指す。「薬学的に許容される」賦形剤(例えば、ビヒクル、添加物)は、用いられる活性成分(複数可)の有効用量を提供するために対象哺乳動物に適度に投与され得るものである。
【0047】
本明細書で使用される場合、「有効量」とは、特定の障害の1つ以上の症状の測定可能な改善または予防に影響を及ぼすのに必要な少なくとも最低限の量である。「有効量」は、患者の疾患状態、年齢、性別、及び体重等の要因に応じて変化し得る。有効量は、治療の任意の毒性または有害効果を治療上有益な効果が上回る量でもある。予防的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患、その合併症、及び疾患の発症中に提示される中間病理学的表現型のリスクの排除または低下、その重症度の軽減、またはその発症の遅延等の結果が含まれる。治療的使用の場合、有益なまたは所望の結果には、疾患に起因する1つ以上の症状の軽減、疾患に罹患している者の生活の質の向上、疾患の症状を治療するために使用される他の薬剤の用量の減少、疾患の進行の遅延、及び/または生存期間の延長等の臨床結果が含まれる。有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本開示の目的のために、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物の有効量は、直接または間接的のいずれかで予防的または治療的治療を達成するのに十分な量である。臨床状況で理解されるように、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物の有効量は、別の薬物、化合物、または薬学的組成物と併せて達成される場合も達成されない場合もある。したがって、「有効量」は、1つ以上の治療剤を投与する状況で考慮され得、1つ以上の他の薬剤と併せて望ましい結果が達成され得るまたは達成された場合、単一の薬剤が有効量で与えられたとみなされ得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「治療」とは、臨床病理学の過程において治療される個体または細胞の自然経過を変化させるように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい効果には、疾患/障害/欠損症の進行速度の低下、疾患/障害/欠損症状態の改善または緩和、及び寛解または予後の改善が含まれる。例えば、皮膚または粘膜上の1つ以上の創傷の減少または除去を含む、JEBに関連する1つ以上の症状が軽減または除去された場合、個体は首尾よく「治療」される。
【0049】
本明細書で使用される場合、疾患/障害/欠損症の「進行を遅延させる」という用語は、疾患/障害/欠損症の発症を引き延ばす、妨げる、遅延させる、遅らせる、安定化する、及び/または延期することを指す。この遅延は、疾患/障害/欠損症及び/または治療される個体の病歴に応じて、様々な長さまたは時間であり得る。当業者には明らかであるように、十分なまたは有意な遅延は、個体が疾患を発症しないという点で、実際には予防を包含し得る。
【0050】
III.組換え核酸
本開示のある特定の態様は、ラミニンポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)をコードする1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上等)のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、単離された組換え核酸)に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ラミニンポリペプチドをコードする1つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ラミニンポリペプチドをコードする2つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、ヒトラミニンポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、ラミニンサブユニットアルファ-3(LamA3)ポリペプチド、ラミニンサブユニットベータ-3(LamB3)ポリペプチド、またはラミニンサブユニットガンマ-2(LamC2)ポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、またはヒトLamC2ポリペプチドである。
【0051】
本開示の他の態様は、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)をコードする1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上等)のポリヌクレオチドを含む組換え核酸(例えば、単離された組換え核酸)に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、フィラグリンポリペプチドをコードする1つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、フィラグリンポリペプチドをコードする2つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、フィラグリンポリペプチドをコードする3つのポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチドは、全長プロフィラグリンポリペプチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチドは、フィラグリンモノマー(例えば、全長プロフィラグリンポリペプチドのタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じるフィラグリンモノマー)である。
【0052】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルスタイプ1(HSV-1)ゲノムである。
【0053】
ラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、ラミニン遺伝子(例えば、ヒトラミニン遺伝子)のコード配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸、またはその一部に関する。例えば、LAMA1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:284217を参照のこと)、LAMA2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3908を参照のこと)、LAMA3遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3909を参照のこと)、LAMA4遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3910を参照のこと)、LAMA5遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3911を参照のこと)、LAMB1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3912を参照のこと)、LAMB2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3913を参照のこと)、LAMB3遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3914を参照のこと)、LAMC1遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3915を参照のこと)、LAMC2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:3918を参照のこと)、LAMC3遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:10319を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なラミニン遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)が、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のポリヌクレオチドは、LAMB3遺伝子をコードしない。非ヒトラミニン遺伝子の例には、例えば、マウスラミニン(例えば、NCBI遺伝子ID:16774、16780、及び16782を参照のこと)、ラットラミニン(例えば、NCBI遺伝子ID:307582、305078、及び192362を参照のこと)、チンパンジーラミニン(例えば、NCBI遺伝子ID:455339、469668、及び457571を参照のこと)等が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のラミニン遺伝子(及び/またはそのコード配列)のうちのいずれかのコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastn suite等の核酸配列アラインメントプログラムの使用を含む、追加の種由来のラミニン遺伝子ホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトラミニン遺伝子のコード配列を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のラミニン遺伝子のうちのいずれかのコドン最適化バリアントを含む。いくつかの実施形態では、ラミニン遺伝子のコドン最適化バリアント(例えば、ヒトラミニン遺伝子のコドン最適化バリアント)の使用により、対応する非コドン最適化野生型配列の異種発現の安定性及び/または収率と比較して、標的細胞(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞等の標的ヒト細胞)におけるコードされたラミニンの異種発現(RNA及び/またはタンパク質)の安定性及び/または収率が増加する。例えば、Fath et al.(PLoS One.2011 Mar 3;6(3):e17596)によって説明される方法を含む、1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒト細胞)における発現のための配列のコドン最適化を行うための当該技術分野で既知の任意の好適な方法が使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトLAMA3遺伝子(またはそのコドン最適化バリアント)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1~2または24~29から選択される配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1~2または24~29から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2、25、27、または29から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号2の配列を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号1または配列番号2の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号1または配列番号2の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、または少なくとも5000個であるが、5175個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2の核酸1~5172の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2の核酸1~5172の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2の核酸82~5172の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号1または配列番号2の核酸82~5172の配列を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号24または配列番号25の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号24または配列番号25の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号24または配列番号25の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500、少なくとも10000個であるが、10002個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号24または配列番号25の核酸1~9999の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号24または配列番号25の核酸1~9999の配列を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号26または配列番号27の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号26または配列番号27の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号26または配列番号27の配列の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、少なくとも5500、少なくとも6000、少なくとも6500、少なくとも7000、少なくとも7500、少なくとも8000、少なくとも8500、少なくとも9000、少なくとも9500個であるが、9834個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号26または配列番号27の核酸1~9831の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号26または配列番号27の核酸1~9831の配列を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号28または配列番号29の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号28または配列番号29の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号28または配列番号29の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2500、少なくとも3000、少なくとも3500、少なくとも4000、少なくとも4500、少なくとも5000、であるが、5007個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号28または配列番号29の核酸1~5004の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号28または配列番号29の核酸1~5004の配列を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトLAMB3遺伝子(またはそのコドン最適化バリアント)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の配列を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号3または配列番号4の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号3または配列番号4の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500個であるが、3519個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の核酸1~3516の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の核酸1~3516の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の核酸55~3516の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号3または配列番号4の核酸55~3516の配列を含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトLAMC2遺伝子(またはそのコドン最適化バリアント)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5~6または30~31から選択される配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5~6または30~31から選択される配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号6または配列番号31の配列を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号5または配列番号6の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号5または配列番号6の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250、少なくとも3500個であるが、3582個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の核酸1~3579の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の核酸1~3579の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の核酸67~3579の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号5または配列番号6の核酸67~3579の配列を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号30または配列番号31の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号30または配列番号31の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号30または配列番号31の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250個であるが、3336個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号30または配列番号31の核酸1~3333の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号30または配列番号31の核酸1~3333の配列を含む。
【0065】
フィラグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
いくつかの実施形態では、本開示は、フィラグリン遺伝子のコード配列(例えば、プロフィラグリンポリペプチドのコード配列)またはその一部分(例えば、プロフィラグリンポリペプチドのタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーに対応するコード配列)を含む1つ以上のポリヌクレオチドを含む組換え核酸に関する。例えば、ヒトFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:2312を参照のこと)、ヒトFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:388698を参照のこと)、チンパンジーFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:104002779を参照のこと)、チンパンジーFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:100614947を参照のこと)、マウスFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:14246を参照のこと)、マウスFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:229574を参照のこと)、ラットFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:24641を参照のこと)、ラットFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:310586を参照のこと)、イヌFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:102157111を参照のこと)、イヌFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:483211を参照のこと)、ウサギFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:100351762を参照のこと)、ウサギFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:100344953を参照のこと)、ウシFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:788551を参照のこと)、ウシFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:101909133を参照のこと)、アカゲザルFLG遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:102138001、NCBI遺伝子ID:712658を参照のこと)、アカゲザルFLG2遺伝子(例えば、NCBI遺伝子ID:102140950、NCBI遺伝子ID:714566を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なフィラグリン遺伝子(その任意のアイソフォームを含む)が、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のフィラグリン遺伝子(例えば、FLG遺伝子、FLG2遺伝子)のうちのいずれかの配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のフィラグリン遺伝子(例えば、FLG遺伝子、FLG2遺伝子)産物のタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーに対応するコード配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastn suite等の核酸配列アラインメントプログラムの使用を含む、追加の種由来のフィラグリン遺伝子ホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。
【0066】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のフィラグリン遺伝子のうちのいずれかのコドン最適化バリアントを含む。いくつかの実施形態では、フィラグリン遺伝子のコドン最適化バリアントの使用により、対応する非コドン最適化野生型配列の異種発現の安定性及び/または収率と比較して、標的細胞(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞等の標的ヒト細胞)におけるコードされたフィラグリンポリペプチドの異種発現(RNA及び/またはタンパク質)の安定性及び/または収率が増加する。例えば、Fath et al.(PLoS One.2011 Mar 3;6(3):e17596)によって説明される方法を含む、1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒト細胞)における発現のための配列のコドン最適化を行うための当該技術分野で既知の任意の好適な方法が使用され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトフィラグリン遺伝子のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリン遺伝子は、ヒトFLG遺伝子、ヒトFLG2遺伝子、またはそれらの任意の派生物である。いくつかの実施形態では、本開示の1つ以上のポリヌクレオチドは、ヒトフィラグリン遺伝子のタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーのコード配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィラグリンモノマーは、ヒトFLG遺伝子及び/またはヒトFLG2遺伝子に由来するモノマーである。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトFLG遺伝子(またはそのコドン最適化バリアント)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の配列を含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号36または配列番号37の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号36または配列番号37の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも5000、少なくとも6000、少なくとも7000、少なくとも8000、少なくとも9000、少なくとも10000、少なくとも11000、少なくとも12000個であるが、12186個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1~12183の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1~12183の配列を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1411~2385の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1411~2385の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1441~2385の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸1441~2385の配列を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸2386~3357の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸2386~3357の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸2416~3357の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸2416~3357の配列を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸3358~4329の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸3358~4329の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸3388~4329の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸3388~4329の配列を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸4330~5301の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸4330~5301の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸4360~5301の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸4360~5301の配列を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸5302~6276の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸5302~6276の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸5332~6276の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸5332~6276の配列を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸6277~7248の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸6277~7248の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸6307~7248の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸6307~7248の配列を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸7249~8220の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸7249~8220の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸7279~8220の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸7279~8220の配列を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸8221~9192の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸8221~9192の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸8251~9192の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸8251~9192の配列を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸9193~10164の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸9193~10164の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸9223~10164の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸9223~10164の配列を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸10165~11136の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸10165~11136の配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸10195~11136の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号36または配列番号37の核酸10195~11136の配列を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトFLG2遺伝子(またはそのコドン最適化バリアント)のコード配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号38の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号38の配列を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号38の配列の5’切断、3’切断、または断片を含む。いくつかの実施形態では、配列番号38の配列の5’切断、3’切断、または断片は、配列番号38の少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも250、少なくとも300、または少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000、少なくとも5000、少なくとも6000、少なくとも7000個であるが、7176個未満の連続するヌクレオチドを有するポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、配列番号38の核酸1~7173の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。
【0082】
本開示の(例えば、ラミニンポリペプチドをコードする)ポリヌクレオチドは、追加のコード配列及び非コード配列をさらにコードし得る。追加のコード配列及び非コード配列の例には、追加のポリペプチドタグをコードする配列(例えば、融合タンパク質を産生するためにラミニンまたはフィラグリンポリペプチドとインフレームでコードされる)、イントロン(例えば、天然、修飾、または異種イントロン)、5’UTR及び/または3’UTR(例えば、天然、修飾、または異種5’UTR及び/または3’UTR)等が挙げられるが、これらに限定されない。好適なポリペプチドタグの例には、精製タグ、例えば、hisタグ、flagタグ、マルトース結合タンパク質及びグルタチオン-S-トランスフェラーゼタグ、検出タグ、例えば、測光的に検出され得るタグ(例えば、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質等)及び検出可能な酵素活性を有するタグ(例えば、アルカリホスファターゼ等)、分泌配列、シグナル配列、リーダー配列、及び/または安定化配列、プロテアーゼ切断部位(例えば、フラン切断部位、TEV切断部位、トロンビン切断部位等)等を含むタグの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、ポリヌクレオチドの安定性、局在化、及び/または翻訳効率を増加させる。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、タンパク質発現レベル及び/または持続時間を改善する。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、オフターゲット発現を遮断し得るまたは減少させ得る(例えば、特定の細胞型(例えば、神経細胞)における発現を、細胞周期の特定の時点で、特定の発達段階で阻害する)エレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位等)を含む。いくつかの実施形態では、5’UTR及び/または3’UTRは、特定の細胞型(ヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞等)におけるエフェクタータンパク質発現を強化し得るエレメント(例えば、1つ以上のmiRNA結合部位等)を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、コードされたタンパク質(例えば、コードされたラミニンポリペプチド)のN末端のリーダー配列、シグナル配列、及び/または分泌配列を(インフレームで)コードする。例えば、天然ラミニンシグナル配列、天然フィラグリンシグナル配列、または異種もしくは合成シグナル配列を含む、当該技術分野で既知の任意のリーダー配列、シグナル配列、及び/または分泌配列が、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る(例えば、von Heijne G.(1983)Patterns of amino acids near signal-sequence cleavage sites.Eur J Biochem 133(1)17-21、Martoglio B.and Dobberstein B.(1998)Signal sequences:More than just greasy peptides.Trends Cell Biol 8(10),410-5、Hegde R.S. and Bernstein H.D.(2006)The surprising complexity of signal sequences.Trends Biochem Sci 31(10),563-71、Kapp K.,Schrempf S.,Lemberg M.K.and Dobberstein B.(2009)Post-Targeting Functions of Signal Peptides.Chapter in:Protein Transport into the Endoplasmic Reticulum,Landes Bioscience、及びwww.signalpeptide.deに開示されている配列を参照のこと)。
【0084】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、10以上等)の調節配列に作動可能に連結されている。「調節配列」という用語は、エンハンサー、インシュレーター、プロモーター、及び他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含み得る。例えば、哺乳類遺伝子(例えば、グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトタンパク質、インスリン等)由来のエンハンサー配列、真核細胞ウイルス由来のエンハンサー配列(例えば、複製起点の後半側(bp100~270)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後半側のポリオーマエンハンサー、アデノウイルスエンハンサー等)、及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なエンハンサー(複数可)が使用され得る。例えば、ヒトインターフェロンベータ遺伝子(IFNB1)由来の単純ヘルペスウイルス(HSV)クロマチン境界(CTRL/CTCF結合/インシュレーター)エレメントCTRL1及び/またはCTRL2、ニワトリ高感受性部位4インシュレーター(cHS4)、ヒトHNRPA2B1-CBX3ユビキタスクロマチンオープニングエレメント(UCOE)、足場/マトリックス結合領域(S/MAR)、及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なインシュレーター(複数可)が使用され得る。例えば、ウイルス(例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(アデノウイルス2等)、ウシ乳頭腫ウイルス、鳥肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、シミアンウイルス40(SV40)等)のゲノムから得られるプロモーター、異種哺乳類遺伝子由来のプロモーター(例えば、アクチンプロモーター(例えば、β-アクチンプロモーター)、ユビキチンプロモーター(例えば、ユビキチンC(UbC)プロモーター)、ホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)プロモーター、免疫グロブリンプロモーター、熱ショックタンパク質プロモーター等)、天然及び/または相同哺乳類遺伝子由来のプロモーター(例えば、ヒトラミニン遺伝子プロモーター、ヒトフィリン遺伝子プロモーター)、合成プロモーター(例えば、CAGGプロモーター等)、及びそれらの任意の組み合わせを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なプロモーター(例えば、哺乳類宿主細胞での転写に好適なプロモーター)が使用され得る。調節配列は、核酸、ならびに組織特異的調節配列及び/または誘導性もしくは抑制性配列の構成的発現を指示する配列を含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、1つ以上の異種プロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、時間的プロモーター、空間的プロモーター、誘導性プロモーター、及び抑制性プロモーターのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、1つ以上の異種プロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)前初期プロモーター、ヒト伸長因子-1(EF1)プロモーター、ヒトβ-アクチンプロモーター、ヒトUbCプロモーター、ヒトPGKプロモーター、合成CAGGプロモーター、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上である。いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、HCMVプロモーターに作動可能に連結されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、複数の発現カセットを含み、これらの発現カセットは各々、ポリペプチド(例えば、ラミニンポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、内部リボソーム進入部位(IRES)をコードする核酸によって連結されたポリペプチド(例えば、ラミニンポリペプチド)をコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、リンカーポリペプチド(例えば、切断可能なリンカーポリペプチド)をコードする核酸によって連結されたポリペプチド(例えば、ラミニンポリペプチド)をコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。
【0087】
複数の発現カセットを含む組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、2つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上等)の発現カセットを含み、これらの発現カセットは各々、本開示のポリペプチド(例えば、本明細書に記載のラミニンポリペプチドのうちのいずれか)をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、それら自身の独立した調節配列(例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル等)を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを各々含む2つの発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、これらの2つの発現カセットは、同一のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの2つの発現カセットは、異なるラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む(例えば、第1の発現カセットが第1のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットが第2のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットがLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットがLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットがLamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットがLamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第2の発現カセットは、DNA内で同じ配向である。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第2の発現カセットは、DNA内で互いに反対の配向である。理論に拘束されることを望むことなく、2つの発現カセットをアンチセンス配向(DNAの反対側の鎖)で組み込むことにより、リードスルーを回避し、各カセットの適切な発現を確実にする助けとなり得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ラミニンポリペプチド(例えば、本明細書に記載のラミニンポリペプチドのうちのいずれか)をコードするポリヌクレオチドを各々含む3つの発現カセットを含む。いくつかの実施形態では、これらの3つの発現カセットは、同一のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの発現カセットは各々、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、同じラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットが異なるラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、第1の発現カセット及び第2の発現カセットが各々、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、これらの3つの発現カセットは、異なるラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む(例えば、第1の発現カセットが第1のラミニンポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットが第2のラミニンポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットが第3のラミニンポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む)。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットがLamA3ポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチドを含み、第2の発現カセットがLamB3ポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含み、第3の発現カセットがLamC2ポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第2の発現カセットは、DNA内で同じ配向である。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第2の発現カセットは、DNA内で互いに反対の配向である。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第3の発現カセットは、DNA内で同じ配向である。いくつかの実施形態では、第1の発現カセットと第3の発現カセットは、DNA内で互いに反対の配向である。いくつかの実施形態では、第2の発現カセットと第3の発現カセットは、DNA内で同じ配向である。いくつかの実施形態では、第2の発現カセットと第3の発現カセットは、DNA内で互いに反対の配向である。
【0092】
ポリシストロニックmRNAをコードする組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、IRESをコードする核酸(すなわち、少なくとも1つのポリシストロニックmRNAをコードする組換え核酸)によって連結された本開示のポリペプチド(例えば、本明細書に記載のラミニンポリペプチドのうちのいずれか)をコードする2つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上等)のポリヌクレオチドを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、(a)第1のポリペプチド(例えば、第1のラミニンポリペプチド)をコードする第1のポリヌクレオチド、(b)第2のポリペプチド(例えば、第2のラミニンポリペプチド)をコードする第2のポリヌクレオチド、及び(c)(a)を(b)に連結するIRESをコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは同一である(例えば、第1のラミニンポリペプチド及び第2のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドがLamA3ポリペプチドであり、第2のラミニンポリペプチドがLamB3ポリペプチドである)。
【0094】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、(a)第1のポリペプチド(例えば、第1のラミニンポリペプチド)をコードする第1のポリヌクレオチド、(b)第2のポリペプチド(例えば、第2のラミニンポリペプチド)をコードする第2のポリヌクレオチド、(c)第3のポリペプチド(例えば、第3のラミニンポリペプチド)をコードする第3のポリヌクレオチド、(d)(a)を(b)に連結する第1のIRESをコードする第1の核酸、及び(e)(b)を(c)に連結する第2のIRESをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド、第2のポリペプチド、及び第3のポリペプチドは同一である(例えば、第1のラミニンポリペプチド、第2のラミニンポリペプチド、及び第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは同一であり(例えば、第1のラミニンポリペプチドと第2のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第3のポリペプチドは異なる(例えば、第3のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第3のポリペプチドは同一であり(例えば、第1のラミニンポリペプチドと第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第2のポリペプチドは異なる(例えば、第2のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドと第3のポリペプチドは同一であり(例えば、第2のラミニンポリペプチドと第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第1のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド、第2のポリペプチド、及び第3のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり、第2のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドであり、第3のラミニンポリペプチドはLamC2ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のIRESと第2のIRESは同じである。いくつかの実施形態では、第1のIRESと第2のIRESは異なる。
【0095】
例えば、ウイルス由来IRES(例えば、ポリオウイルス、ライノウイルス、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、口蹄疫ウイルス、C型肝炎ウイルス、古典的ブタ熱ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、クリケット麻痺ウイルス、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス等に由来するIRES)、細胞mRNA由来IRES(例えば、線維芽細胞増殖因子2、血小板由来増殖因子B、及び血管内皮増殖因子等の増殖因子mRNAに由来するIRES、アンテナペディア、ウルトラビソラックス、及びNF-κB抑制因子等の転写因子RNAに由来するIRES、c-myc、pim-1、及びタンパク質キナーゼp58PITSLRE等のがん遺伝子mRNAに由来するIRES)、合成IRES(例えば、CP148 IRES)、及び他のIRES(例えば、Mokrejs et al.(2007)A Bioinformatical Approach to the Analysis of Viral and Cellular Internal Ribosome Entry Sites.Columbus F editors.New Messenger RNA Research Communications.Hauppauge,NY:Nova Science Publishers;pp.133-166を参照されたく、Mokrejs et al.(2006)Nucleic Acids Res 1;34(Database issue):D125-30も参照されたい)を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なIRESが、本開示のポリシストロニックmRNAに使用され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、IRESは、CP148 IRESである。CP148 IRESをコードする例示的な核酸配列は、配列番号10として提供される。いくつかの実施形態では、IRESは、EMCV IRESである。EMCV IRESをコードする例示的な核酸配列は、配列番号11として提供される。
【0097】
いくつかの実施形態では、IRESをコードする核酸配列は、配列番号10または配列番号11から選択される核酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する。いくつかの実施形態では、IRESをコードする核酸配列は、配列番号10または配列番号11の配列を有する。
【0098】
5’から3’方向に、1)第1のラミニンポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、2)IRES、及び3)第2のラミニンポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含むポリシストロニックmRNAをコードする例示的な核酸配列は、配列番号12として提供される。5’から3’方向に、1)第1のラミニンポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、2)第1のIRES、3)第2のラミニンポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、4)第2のIRES、及び5)第3のラミニンポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含むポリシストロニックmRNAをコードする例示的な核酸配列は、配列番号13として提供される。
【0099】
キメラポリペプチドをコードする組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、リンカーポリペプチドをコードする核酸(すなわち、キメラポリペプチドをコードする組換え核酸)によって連結された本開示のポリペプチド(例えば、本明細書に記載のラミニンポリペプチドのうちのいずれか)をコードする2つ以上のポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、切断可能なリンカーポリペプチドである。
【0100】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、(a)第1のポリペプチド(例えば、第1のラミニンポリペプチド)をコードする第1のポリヌクレオチド、(b)第2のポリペプチド(例えば、第2のラミニンポリペプチド)をコードする第2のポリヌクレオチド、及び(c)(a)を(b)に連結するリンカーポリペプチドをコードする核酸を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは同一である(例えば、第1のラミニンポリペプチド及び第2のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドがLamA3ポリペプチドであり、第2のラミニンポリペプチドがLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、切断可能なリンカーポリペプチドである。
【0101】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、(a)第1のポリペプチド(例えば、第1のラミニンポリペプチド)をコードする第1のポリヌクレオチド、(b)第2のポリペプチド(例えば、第2のラミニンポリペプチド)をコードする第2のポリヌクレオチド、(c)第3のポリペプチド(例えば、第3のラミニンポリペプチド)をコードする第3のポリヌクレオチド、(d)(a)を(b)に連結する第1のリンカーポリペプチドをコードする第1の核酸、及び(e)(b)を(c)に連結する第2のリンカーポリペプチドをコードする第2の核酸を含む。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド、第2のポリペプチド、及び第3のポリペプチドは同一である(例えば、第1のラミニンポリペプチド、第2のラミニンポリペプチド、及び第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第2のポリペプチドは同一であり(例えば、第1のラミニンポリペプチドと第2のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第3のポリペプチドは異なる(例えば、第3のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチドと第3のポリペプチドは同一であり(例えば、第1のラミニンポリペプチドと第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第2のポリペプチドは異なる(例えば、第2のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第2のポリペプチドと第3のポリペプチドは同一であり(例えば、第2のラミニンポリペプチドと第3のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり)、第1のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のポリペプチド、第2のポリペプチド、及び第3のポリペプチドは異なる(例えば、第1のラミニンポリペプチドはLamA3ポリペプチドであり、第2のラミニンポリペプチドはLamB3ポリペプチドであり、第3のラミニンポリペプチドはLamC2ポリペプチドである)。いくつかの実施形態では、第1のリンカーポリペプチドと第2のリンカーポリペプチドは同じである。いくつかの実施形態では、第1のリンカーポリペプチドと第2のリンカーポリペプチドは異なる。
【0102】
例えば、T2Aリンカー、P2Aリンカー、E2Aリンカー、F2Aリンカー等の切断可能なリンカーポリペプチドを含む、当該技術分野で既知の任意のリンカーポリペプチドが、本開示のキメラポリペプチドに使用され得る。T2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、配列番号14として提供される。T2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、配列番号18として提供される。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、P2Aリンカーポリペプチドである。P2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、配列番号15として提供される。P2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、配列番号19として提供される。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、E2Aリンカーポリペプチドである。E2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、配列番号16として提供される。E2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、配列番号20として提供される。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、F2Aリンカーポリペプチドである。F2Aリンカーポリペプチドをコードする例示的な核酸配列は、配列番号17として提供される。F2Aリンカーポリペプチドの例示的なアミノ酸配列は、配列番号21として提供される。
【0103】
いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、配列番号18~21から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、リンカーポリペプチドは、配列番号18~21から選択される配列を含む。
【0104】
5’から3’方向に、1)第1のラミニンポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、2)リンカーポリペプチドをコードする核酸、及び3)第2のラミニンポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチドを含む(キメラポリペプチドをコードする)例示的な核酸配列は、配列番号22として提供される。5’から3’方向に、1)第1のラミニンポリペプチドをコードする第1のポリヌクレオチド、2)第1のリンカーポリペプチドをコードする第1の核酸、3)第2のラミニンポリペプチドをコードする第2のポリヌクレオチド、4)第2のリンカーポリペプチドをコードする第2の核酸、及び5)第3のラミニンポリペプチドをコードする第3のポリヌクレオチドを含む(キメラポリペプチドをコードする)例示的な核酸配列は、配列番号23として提供される。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド(COL7)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド(LH3)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド(KRT17)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド(例えば、ヒトTGM1ポリペプチド等のヒトトランスグルタミナーゼポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、美容タンパク質、コラーゲンタンパク質、フィブロネクチン、エラスチン、ルミカン、ビトロネクチン/ビトロネクチン受容体、神経調節物質、フィブリリン、追加の皮膚細胞外マトリックスタンパク質等(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、抗体(例えば、全長抗体、抗体断片等)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、フィラグリンポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、セリンプロテアーゼインヒビターKazal型(SPINK)ポリペプチド(例えば、ヒトSPINK5ポリペプチド等のヒトSPINKポリペプチド)(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、コラーゲンアルファ-1(VII)鎖ポリペプチド、リシルヒドロキシラーゼ3ポリペプチド、ケラチンI型細胞骨格17ポリペプチド、トランスグルタミナーゼ(TGM)ポリペプチド、抗体、SPINKポリペプチド、及び/またはそれらの任意のキメラポリペプチド(例えば、それをコードする導入遺伝子)のコード配列を含むポリヌクレオチドを含まない。
【0106】
ラミニンポリペプチド
いくつかの実施形態では、本開示は、ラミニン(Lam)ポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)またはその任意の一部分をコードする1つ以上のポリヌクレオチドに関する。例えば、ラミニンサブユニットアルファ-1(LamA1)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P25391を参照のこと)、ラミニンサブユニットアルファ-2(LamA2)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P24043を参照のこと)、ラミニンサブユニットアルファ-3(LamA3)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q16787を参照のこと)、ラミニンサブユニットアルファ-4(LamA4)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q16363を参照のこと)、ラミニンサブユニットアルファ-5(LamA5)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号O15230を参照のこと)、ラミニンサブユニットベータ-1(LamB1)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P07942を参照のこと)、ラミニンサブユニットベータ-2(LamB2)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P55268を参照のこと)、ラミニンサブユニットベータ-3(LamB3)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q13751を参照のこと)、ラミニンサブユニットガンマ-1(LamC1)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P11047を参照のこと)、ラミニンサブユニットガンマ-2(LamC2)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q13753を参照のこと)、ラミニンサブユニットガンマ-3(LamC3)ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q9Y6N6を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なラミニンポリヌクレオチドが、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、LamB3ポリペプチドではない。非ヒトラミニンポリペプチドの例には、例えば、マウスラミニン(例えば、UniProt受入番号Q61789、Q61087、及びQ61092を参照のこと)、ラットラミニン(例えば、UniProt受入番号D3ZN05、F1LPI5、及びF1LRH4を参照のこと)、チンパンジーラミニン(例えば、UniProt受入番号H2QEC7、H2R041、及びH2Q0R2を参照のこと)等が挙げられる。いくつかの実施形態では、本開示のラミニンポリペプチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の任意のラミニンポリペプチドのアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastp suiteまたはOrthoDB等のアミノ酸配列アラインメントプログラムの使用を含む、追加の種由来のラミニンポリペプチドホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示のラミニンポリペプチドは、配列番号7~9または32~35から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。いくつかの実施形態では、本開示のラミニンポリペプチドは、配列番号7~9または32~35から選択される配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。
【0108】
いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、ヒトラミニンポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ヒトラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7~9または32~35から選択される配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7~9または32~35から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0109】
いくつかの実施形態では、ヒトラミニンポリペプチドは、ヒトLamA3ポリペプチド(例えば、配列番号7)、ヒトLamB3ポリペプチド(例えば、配列番号8)、ヒトLamC2ポリペプチド(例えば、配列番号9)、またはそれらの任意の派生物である。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトLamA3ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7または32~34から選択される配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLAMA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7または32~34から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0111】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列または配列番号7と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0112】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号7の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500個であるが、1724個未満の連続するアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸28~1724の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号7のアミノ酸28~1724を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0113】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列または配列番号32と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号32のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0114】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号32のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号32の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250個であるが、3333個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列または配列番号33と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0116】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号33のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号33の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500、少なくとも1750、少なくとも2000、少なくとも2250、少なくとも2500、少なくとも2750、少なくとも3000、少なくとも3250個であるが、3277個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列または配列番号34と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号34のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0118】
いくつかの実施形態では、LamA3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号34のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号34の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1000、少なくとも1250、少なくとも1500個であるが、1668個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトLamB3ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0120】
いくつかの実施形態では、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号8の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1100個であるが、1172個未満の連続するアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、LamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸18~1172の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamB3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号8のアミノ酸18~1172を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトLamC2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9または配列番号35の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLAMC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9または配列番号35のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0122】
いくつかの実施形態では、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号9の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1100個であるが、1193個未満の連続するアミノ酸を含み得る。いくつかの実施形態では、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸22~1193の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトLamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号9のアミノ酸22~1193を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0123】
いくつかの実施形態では、LamC2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号35のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号35の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1000、少なくとも1100個であるが、1111個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチド(例えば、ヒトラミニンポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが対象の1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上の皮膚及び/または粘膜細胞)に送達されると、ラミニンポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドは、(例えば、外因性ラミニンポリペプチドの発現前と比較して)対象の1つ以上の標的細胞におけるラミニンポリペプチドのレベル、機能、及び/または活性を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドの発現は、対象の皮膚及び/または粘膜中の1つ以上の細胞の細胞接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドの発現は、対象の透明帯を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンポリペプチドの発現は、対象における上皮基底膜集合、組織化、及び/または接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。
【0125】
フィラグリンポリペプチド
いくつかの実施形態では、本開示は、フィラグリンポリペプチド(例えば、全長プロフィラグリンポリペプチド)またはその一部分(例えば、全長プロフィラグリンポリペプチドのタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーのアミノ酸配列)をコードする1つ以上のポリヌクレオチドに関する。例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P20930を参照のこと)、ヒトフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q5D862を参照のこと)、チンパンジーフィラグリンポリペプチド(例えば、UniProt受入番号H2R8N0、UniProt受入番号A0A2J8JJv8を参照のこと)、チンパンジーフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号H2Q003を参照のこと)、マウスフィラグリンポリペプチド(例えば、UniProt受入番号P11088を参照のこと)、マウスフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q2VIS4を参照のこと)、ラットフィラグリンポリペプチド(例えば、UniProt受入番号Q8CIU0を参照のこと)、ラットフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号M0RBW0を参照のこと)、ウサギフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号G1T229を参照のこと)、アカゲザルフィラグリンポリペプチド(例えば、UniProt受入番号A0A0U4MFE5を参照のこと)、アカゲザルフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、UniProt受入番号F6Q6L1、UniProt受入番号A0A2K5W550を参照のこと)等を含む、当該技術分野で既知の任意の好適なフィラグリンポリペプチドが、本開示のポリヌクレオチドによってコードされ得る。いくつかの実施形態では、本開示のフィラグリンポリペプチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知のフィラグリンポリペプチドのうちのいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの実施形態では、本開示のフィラグリンポリペプチドは、本明細書に記載のまたは当該技術分野で既知の全長フィラグリンポリペプチドのうちのいずれかのタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーに対応するアミノ酸配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。例えば、BLAST(登録商標)blastp suiteまたはOrthoDB等のアミノ酸配列アラインメントプログラムの使用を含む、追加の種由来のフィラグリンポリペプチドホモログ/オルソログを特定する方法は、当業者に既知である。
【0126】
いくつかの実施形態では、本開示のフィラグリンポリペプチドは、ヒトフィラグリンポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリンポリペプチドは、ヒトフィラグリンポリペプチド(例えば、配列番号39)、ヒトフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、配列番号50)、またはそれらの任意の派生物である。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0128】
いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号39のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号39の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも2000、少なくとも3000、少なくとも4000個であるが、4061個未満の連続するアミノ酸を含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、本開示のポリヌクレオチドは、ヒトフィラグリン-2ポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態では、フィラグリン-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号50の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリン-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号50のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0130】
いくつかの実施形態では、ヒトフィラグリン-2ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、配列番号50のアミノ酸配列のN末端切断、C末端切断、または断片をコードするポリヌクレオチドである。N末端切断、C末端切断、または断片は、配列番号50の少なくとも10、少なくとも12、少なくとも14、少なくとも16、少なくとも18、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも1000、少なくとも1500、少なくとも2000、少なくとも2100、少なくとも2200、少なくとも2300個であるが、2391個未満の連続するアミノ酸であり得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示のフィラグリンポリペプチドは、全長ヒトフィラグリンポリペプチドのタンパク質分解切断から(例えば、セリンプロテアーゼ切断により)生じる1つ以上のフィラグリンモノマーのアミノ酸配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のフィラグリンモノマーは、全長ヒトフィラグリンポリペプチド(例えば、配列番号39)または全長ヒトフィラグリン-2ポリペプチド(例えば、配列番号50)に由来するモノマーである。
【0132】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40のアミノ酸11~325と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号40のアミノ酸11~325を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0133】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号41のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0134】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号42の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号42のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号42のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号42のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0135】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号43のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0136】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44のアミノ酸11~325と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号44のアミノ酸11~325を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0137】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号45のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0138】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、配列番号46のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるフィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチド。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号46のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0139】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号47の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号47のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号47のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号47のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0140】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号48の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号48のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号48のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号48のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0141】
いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号49の配列に対して少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号49のアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号49のアミノ酸11~324と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンモノマーをコードするポリヌクレオチドは、配列番号49のアミノ酸11~324を含むか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0142】
いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチドをコードする本開示のポリヌクレオチドは、配列番号39~50から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチドをコードする本開示のポリヌクレオチドは、配列番号39~50から選択される配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0143】
いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)をコードする本開示のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドが対象の1つ以上の標的細胞に送達されると、フィラグリンポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)の発現は、(例えば、フィラグリンポリペプチドの発現前と比較して)対象の1つ以上の標的細胞におけるフィラグリンポリペプチドのレベル、機能、及び/または活性を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)の発現は、(例えば、フィラグリンポリペプチドの発現前と比較して)対象の皮膚の角質層の生成を強化する及び/または皮膚の角質層を安定化する。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)の発現は、(例えば、フィラグリンポリペプチドの発現前と比較して)対象における皮膚バリア機能欠損(例えば、TEWL)を軽減するまたは治療する。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)の発現は、(例えば、フィラグリンポリペプチドの発現前と比較して)対象におけるアレルゲンの経皮移入を減少させるまたは阻害する。いくつかの実施形態では、フィラグリンポリペプチド(例えば、ヒトフィラグリンポリペプチド)の発現は、(例えば、フィラグリンポリペプチドの発現前と比較して)対象における皮膚障害(例えば、アトピー性皮膚炎)の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する。
【0144】
組換え核酸
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチドのうちのいずれか1つ以上を含む組換え核酸に関する。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、ベクター(例えば、発現ベクター、ディスプレイベクター等)である。いくつかの実施形態では、ベクターは、DNAベクターまたはRNAベクターである。一般に、ポリヌクレオチドを維持する、増殖させる、及び/または発現して、対象において1つ以上のポリペプチドを産生するのに好適なベクターが使用され得る。好適なベクターの例には、例えば、プラスミド、コスミド、エピソーム、トランスポゾン、及びウイルスベクター(例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、シンドビスウイルスベクター、麻疹ベクター、ヘルペスウイルスベクター、レンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター等)が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、ベクターは、ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自己複製することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主細胞内で自己複製することができない。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、宿主DNAに組み込むことができない(例えば、エピソーム性である)。例えば、化学合成または核酸の単離されたセグメントの人為的操作(例えば、遺伝子操作技法)等による、目的とする1つ以上のポリヌクレオチドを含むベクターを作製する方法は、当業者に周知である。
【0145】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、単純ヘルペスウイルス(HSV)アンプリコンである。構造的特徴を含むヘルペスウイルスアンプリコン及びそれを作製する方法は、当業者に一般に既知である(例えば、de Silva S.and Bowers W.“Herpes Virus Amplicon Vectors”.Viruses 2009,1,594-629を参照のこと)。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1アンプリコンである。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスアンプリコンは、HSV-1ハイブリッドアンプリコンである。HSV-1ハイブリッドアンプリコンの例には、HSV/AAVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBVハイブリッドアンプリコン、HSV/EBV/RVハイブリッドアンプリコン、及び/またはHSV/スリーピングビューティーハイブリッドアンプリコンが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/AAVハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、アンプリコンは、HSV/スリーピングビューティーハイブリッドアンプリコンである。
【0146】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸は、組換えヘルペスウイルスゲノムである。例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の組み合わせまたは派生物を含む、組換えヘルペスウイルスゲノムは、当該技術分野で既知のDNAウイルスのヘルペスウイルス科ファミリーの任意のメンバー由来の組換えゲノムであり得る。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化変異は、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)のヘルペスウイルス遺伝子に存在する。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、(例えば、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して)弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。
【0147】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え単純ヘルペスウイルス(HSV)ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生物である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、組換えHSV-1ゲノムである。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、例えば、株17、Ty25、R62、S25、Ku86、S23、R11、Ty148、Ku47、H166syn、1319-2005、F-13、M-12、90237、F-17、KOS、3083-2008、F12g、L2、CD38、H193、M-15、India 2011、0116209、F-11I、66-207、2762、369-2007、3355、MacIntyre、McKrae、7862、7-hse、HF10、1394,2005、270-2007、OD4、SC16、M-19、4J1037、5J1060、J1060、KOS79、132-1988、160-1982、H166、2158-2007、RE、78326、F18g、F11、172-2010、H129、F、E4、CJ994、F14g、E03、E22、E10、E06、E11、E25、E23、E35、E15、E07、E12、E14、E08、E19、E13、ATCC 2011等を含む、当該技術分野で既知の任意のHSV-1株由来であり得る(例えば、Bowen et al.J Virol.2019 Apr 3;93(8)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、KOS株由来である。いくつかの実施形態では、組換えHSV-1ゲノムは、McKrae株由来ではない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製可能である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の不活性化変異は、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、7つ以上、8つ以上、9つ以上、10以上等)の単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する。本明細書で使用される場合、「不活性化変異」とは、(例えば、不活性化変異を欠く対応する配列と比較して)低下した、検出不能な、または排除された量及び/または機能を有する遺伝子またはレギュロン産物(RNAまたはタンパク質)をもたらす任意の変異を指し得る。不活性化変異の例には、欠失、挿入、点変異、ならびに所与の遺伝子もしくはレギュロンの転写制御配列(プロモーター、エンハンサー、インシュレーター等)及び/またはコード配列の再編成が挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、qPCR、ノーザンブロット、RNAseq、ウエスタンブロット、ELISA等を含む、当該技術分野で既知の遺伝子またはレギュロン産物の量を測定する任意の好適な方法が使用され得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、感染細胞タンパク質(または感染細胞ポリペプチド)(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及び/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、または8つ全てに不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子及び/またはICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない(例えば、免疫刺激ウイルスの産生を回避するために)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP34.5(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルス遺伝子及びICP47単純ヘルペスウイルス遺伝子に不活性化変異を含まない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、腫瘍溶解性ではない。
【0149】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4遺伝子(一方または両方のコピー)に不活性化変異を含み、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0151】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP22遺伝子に不活性化変異を含み、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP22及び/またはUL41遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP27遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP47、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP27遺伝子のコード配列の欠失である。
【0153】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、UL41、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、ICP47遺伝子のコード配列の欠失である。
【0154】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL41遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及び/またはUL55遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、UL41遺伝子のコード配列の欠失である。
【0155】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、UL55遺伝子に不活性化変異を含み、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、不活性化変異は、UL55遺伝子のコード配列の欠失である。
【0156】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、内部リピートロング(IR)領域及び内部リピートショート(IR)領域を含む内部リピート(ジョイント)領域に不活性化変異(例えば、その欠失)を含む。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP4遺伝子及びICP0遺伝子の各々1つのコピーを除去する。いくつかの実施形態では、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーターをさらに不活性化する(例えば、欠失させる)。所望の場合、これらの遺伝子の一方または両方の発現は、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムへの前初期プロモーターの挿入によって回復し得る(例えば、Hill et al.(1995).Nature 375(6530):411-415、Goldsmith et al.(1998).J Exp Med 187(3):341-348を参照のこと)。理論に拘束されることを望むことなく、ジョイント領域の不活性化(例えば、欠失)が、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムの安定性に寄与し得る、及び/または組換え単純ヘルペスウイルスゲノムがより多くの及び/またはより大きい導入遺伝子を収容することを可能にすると考えられる。
【0157】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及びICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及び/またはUL55遺伝子における不活性化変異は、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失である。いくつかの実施形態では、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子における不活性化変異は、ICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域の欠失である(例えば、ICP22コード配列及びICP47コード配列はインタクトであるが、転写的に活性ではない)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP27、及びUL55遺伝子のコード配列の欠失、ならびにICP22遺伝子及びICP47遺伝子のプロモーター領域の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0遺伝子(1つまたは両方のコピー)及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)及びICP4(一方または両方のコピー)遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、及びICP22遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、及びICP27遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及びUL55遺伝子に不活性化変異を含む。いくつかの実施形態では、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及び/またはUL55遺伝子における不活性化変異は、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、及び/またはUL55遺伝子のコード配列の欠失を含む。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ICP47遺伝子及び/またはUL41遺伝子に不活性化変異をさらに含む。
【0159】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、1、2、3、4、5、6、7、またはそれ以上のウイルス遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む。好適なウイルス遺伝子座の例には、ICP0(一方または両方のコピー)、ICP4(一方または両方のコピー)、ICP22、ICP27、ICP47、tk、UL41、及び/またはUL55単純ヘルペスウイルス遺伝子座が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方内にラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス、ICP4遺伝子座の一方または両方内にポリシストロニックmRNAをコードする核酸を含む組換えウイルス、ICP4遺伝子座の一方または両方内にキメラポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP22遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス、ICP22遺伝子座内にポリシストロニックmRNAをコードする核酸を含む組換えウイルス、ICP22遺伝子座内にキメラポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、UL41遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス、UL41遺伝子座内にポリシストロニックmRNAをコードする核酸を含む組換えウイルス、UL41遺伝子座内にキメラポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP27遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP27遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス、ICP27遺伝子座内にポリシストロニックmRNAをコードする核酸を含む組換えウイルス、ICP27遺伝子座内にキメラポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP47遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP47遺伝子座内にラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス、ICP47遺伝子座内にポリシストロニックmRNAをコードする核酸を含む組換えウイルス、ICP47遺伝子座内にキメラポリペプチドをコードする核酸を含む組換えウイルス等)。
【0160】
いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方に第1のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びICP22遺伝子座に第2のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方に第1のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びUL41遺伝子座に第2のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、UL41遺伝子座に第1のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド及びICP22遺伝子座に第2のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス等)。いくつかの実施形態では、組換え単純ヘルペスウイルスゲノムは、ウイルスICP4遺伝子座の一方または両方内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスICP22遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み、ウイルスUL41遺伝子座内に本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含む(例えば、ICP4遺伝子座の一方または両方に第1のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ICP22遺伝子座に第2のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びUL41遺伝子座に第3のラミニンポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換えウイルス等)。
【0161】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、HSV ICP0遺伝子の一方または両方のコピー、HSV ICP4遺伝子の一方または両方のコピー、HSV ICP22遺伝子、HSV UL41遺伝子、HSV ICP27遺伝子等の1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子(例えば、1つ以上の毒性ヘルペスウイルス遺伝子)の発現を減少させるまたは排除するように操作されている。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、(例えば、標的細胞に導入された場合)対応する野生型ヘルペスウイルスゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して組換えゲノムの細胞毒性を減少させるように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、表皮細胞及び/または真皮細胞(例えば、ヒト表皮細胞及び/またはヒト真皮細胞)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ケラチノサイトまたは線維芽細胞(例えば、ヒトケラチノサイトまたはヒト線維芽細胞)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の(例えば、ヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞における)細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%減少する(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定等)。いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)の(例えば、ヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞における)細胞毒性は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上減少する(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムに対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムの相対的細胞毒性の測定等)。例えば、生体色素(ホルマザン色素)、プロテアーゼバイオマーカー、MTTアッセイ(またはXTT、MTS、水溶性テトラゾリウム塩等の関連テトラゾリウム塩を使用するアッセイ)の使用、ATP含有量の測定等を含む、細胞毒性を測定する方法は、当業者に既知である。
【0162】
いくつかの実施形態では、組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノム(例えば、野生型単純ヘルペスウイルスゲノム)と比較して、標的細胞の組換えゲノムへの曝露後の宿主細胞増殖に対するその影響を低減するように操作されている。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ヒト細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、表皮細胞及び/または真皮細胞(例えば、ヒト表皮細胞及び/またはヒト真皮細胞)である。いくつかの実施形態では、標的細胞は、ケラチノサイトまたは線維芽細胞(例えば、ヒトケラチノサイトまたはヒト線維芽細胞)である。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の宿主細胞増殖(例えば、ヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の宿主細胞増殖と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%速い(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定等)。いくつかの実施形態では、組換えゲノムへの曝露後の宿主細胞増殖(例えば、ヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞)は、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の宿主細胞増殖と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、または少なくとも約1000倍速い(例えば、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定、ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞(初代細胞または細胞株)における野生型単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の細胞増殖に対する組換えΔICP4(一方または両方のコピー)/ΔICP22単純ヘルペスウイルスゲノムへの曝露後の相対的細胞増殖の測定等)。例えば、Ki67細胞増殖アッセイ、BrdU細胞増殖アッセイ等の使用を含む、細胞増殖を測定する方法は、当業者に既知である。
【0163】
ベクター(例えば、ヘルペスウイルスベクター)は、宿主細胞におけるポリヌクレオチドの発現に好適な形態で本開示の1つ以上のポリヌクレオチドを含み得る。ベクターは、(例えば、上述のように)発現されるポリヌクレオチドに作動的に連結された1つ以上の調節配列を含み得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、本開示の組換え核酸(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム等の組換えヘルペスウイルスゲノム)は、組換え核酸に任意の配向で挿入された本明細書に記載のポリヌクレオチドのうちの1つ以上を含む。組換え核酸が本明細書に記載の2つ以上(例えば、2つ以上、3つ以上等)のポリヌクレオチドを含む場合、これらのポリヌクレオチドは、同じ配向でまたは互いに反対の配向で挿入され得る。理論に拘束されることを望むことなく、2つのポリヌクレオチド(例えば、2つの導入遺伝子)をアンチセンス配向で組換え核酸(例えば、ベクター)に組み込むことにより、リードスルーを回避し、各ポリヌクレオチドの適切な発現を確実にする助けとなり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載の組換え核酸のうちのいずれかを含む1つ以上の異種ポリヌクレオチド(例えば、細菌人工染色体(BAC))に関する。
【0166】
IV.ウイルス
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載のポリヌクレオチド及び/または組換え核酸のうちのいずれかを含むウイルスに関する。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対象(例えば、ヒト)の1つ以上の標的細胞に感染することができる。いくつかの実施形態では、ウイルスは、ポリヌクレオチド及び/または組換え核酸を対象(例えば、ヒト)の1つ以上の標的細胞に送達するのに好適である。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のポリヌクレオチド及び/または組換え核酸のうちのいずれかを含む1つ以上のウイルス粒子に関する。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上のヒト細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ラミニン欠乏症を有する1つ以上の細胞(例えば、LAMA3、LAMB3、またはLAMC2遺伝子等の天然ラミニン遺伝子における機能喪失変異、またはその病原性バリアントを含む1つ以上の細胞)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、フィラグリン欠乏症を有する1つ以上の細胞(例えば、天然FLGまたはFLG2遺伝子における機能喪失変異、またはその病原性バリアントを含む1つ以上の細胞)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の皮膚細胞(例えば、1つ以上の表皮細胞、真皮細胞、及び/または皮下細胞)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、表皮細胞及び/または真皮細胞(例えば、ヒト表皮細胞及び/または真皮細胞)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ケラチノサイト、メラノサイト、ランゲルハンス細胞、メルケル細胞、マスト細胞、線維芽細胞、及び/または脂肪細胞から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、ケラチノサイトである。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、角質層、顆粒層、有棘層、基底層、及び/または基底膜に存在する。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の表皮細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞は、1つ以上の真皮細胞である。
【0167】
例えば、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、レトロウイルス、レンチウイルス、センダイウイルス、パピローマウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ワクシニアウイルス、及び/またはそれらの任意のハイブリッドもしくは派生物ウイルスを含む、当該技術分野で既知の任意の好適なウイルスが使用され得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対応する修飾されていない野生型ウイルスの組織向性と比較してその組織向性を改変するように修飾されている。いくつかの実施形態では、ウイルスは、対応する野生型ウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。組換え核酸を含むウイルスを産生する方法は、当業者に周知である。
【0168】
いくつかの実施形態では、ウイルスは、例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルス等を含む、DNAウイルスのヘルペスウイルス科ファミリーのメンバーである。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、腫瘍溶解性ではない。
【0169】
いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルスである。組換え核酸を含む単純ヘルペスウイルスは、例えば、WO2015/009952及び/またはWO2017/176336に開示されるプロセスによって産生され得る。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、複製可能である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、複製欠損である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の派生物である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)である。いくつかの実施形態では、HSV-1は、弱毒化されている。いくつかの実施形態では、HSV-1は、複製可能である。いくつかの実施形態では、HSV-1は、複製欠損である。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス(例えば、HSV-1)は、対応する野生型単純ヘルペスウイルス(例えば、野生型HSV-1)と比較して減少した細胞毒性を有する。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルス(例えば、HSV-1)は、腫瘍溶解性ではない。
【0170】
いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、修飾されていない野生型単純ヘルペスウイルスの組織向性と比較してその組織向性を改変するように修飾されている。いくつかの実施形態では、単純ヘルペスウイルスは、修飾されたエンベロープを含む。いくつかの実施形態では、修飾されたエンベロープは、1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上等)の変異単純ヘルペスウイルス糖タンパク質を含む。単純ヘルペスウイルス糖タンパク質の例には、糖タンパク質gB、gC、gD、gH、及びgLが挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、修飾されたエンベロープは、野生型単純ヘルペスウイルスと比較して単純ヘルペスウイルス組織向性を改変する。
【0171】
いくつかの実施形態では、1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞)に対する本開示のウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス等のヘルペスウイルス)の形質導入効率(インビトロ及び/またはインビボ)は、少なくとも約25%である。例えば、1つ以上の標的細胞に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、またはそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、ウイルスは、単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒトケラチノサイト及び/または線維芽細胞)に対するウイルスの形質導入効率は、約85%~約100%である。いくつかの実施形態では、ウイルスは、単純ヘルペスウイルスであり、1つ以上の標的細胞(例えば、1つ以上のヒトケラチノサイト)に対するウイルスの形質導入効率は、少なくとも約85%、少なくとも約86%、少なくとも約87%、少なくとも約88%、少なくとも約89%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または100%である。例えば、qPCR分析、ディープシーケンシング、ウエスタンブロッティング、蛍光定量分析(蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、蛍光レポーター遺伝子発現、免疫蛍光、FACS等)等を含む、ウイルス形質導入効率をインビトロまたはインビボで測定する方法は、当業者に周知である。
【0172】
V.薬学的組成物及び製剤
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)及び/またはウイルス(例えば、組換えゲノムを含むヘルペスウイルス(組換え単純ヘルペスウイルスゲノムを含む単純ヘルペスウイルス等)のうちのいずれかと、賦形剤または担体(例えば、薬学的に許容される賦形剤または担体)とを含む組成物及び製剤(例えば、薬学的組成物または製剤)に関する。
【0173】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、本明細書に記載のウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)のうちのいずれか1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、約10~約1012プラーク形成単位(PFU)/mLのウイルスを含む。例えば、薬学的組成物または製剤は、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約10~約1012、約1010~約1012、約1011~約1012、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約10~約1011、約1010~約1011、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約1010、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約108、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、約10~約10、または約10~約10PFU/mLのウイルスを含み得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、約10、約10、約10、約10、約10、約10、約1010、約1011、または約1012PFU/mLのウイルスを含む。
【0174】
薬学的組成物及び製剤は、所望の純度を有する活性成分(複数可)(組換え核酸及び/またはウイルス等)を1つ以上の薬学的に許容される担体または賦形剤と混合することによって調製され得る。薬学的に許容される担体または賦形剤は、一般に、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、緩衝液(リン酸、クエン酸、酢酸、及び他の有機酸等)、抗酸化剤(アスコルビン酸及びメチオニン等)、保存料(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、ブチルアルコールまたはベンジルアルコール、アルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾール等)、アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジン等)、低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等)、ポリオール(グリセロール等、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%等のグリセロールを含む製剤)、親水性ポリマー(ポリビニルピロリドン等)、単糖、二糖、及び他の炭水化物(グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む)、キレート剤(EDTA等)、糖(スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトール等)、塩形成対イオン(ナトリウム等)、金属錯体(Zn-タンパク質錯体等)、及び/または非イオン性界面活性剤(ポリエチレングリコール(PEG)等)を含み得る。薬学的に許容される担体の詳細な考察は、REMINGTON’S PHARMACEUTICAL SCIENCES(Mack Pub.Co.,N.J.1991)で入手可能である。
【0175】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上の脂質(例えば、カチオン性脂質)担体を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上のナノ粒子担体を含む。ナノ粒子は、迅速放出または制御放出のためのカプセル化された薬物(合成小分子、タンパク質、ペプチド、細胞、ウイルス、及び核酸ベースの生物学的治療薬等)を運ぶことができるサブミクロン(約1000nm未満)のサイズの薬物送達ビヒクルである。様々な分子(例えば、タンパク質、ペプチド、組換え核酸等)は、当該技術分野で周知のプロセスを使用してナノ粒子中に効率的にカプセル化され得る。いくつかの実施形態では、ナノ粒子中に「カプセル化」された分子とは、ナノ粒子中に含まれているか、ナノ粒子の表面に付着している及び/またはそれと会合しているか、またはそれらの任意の組み合わせである分子(ウイルス等)を指し得る。本明細書に記載の組成物または製剤に使用するためのナノ粒子は、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、PLGA、PLA、PGA、及びそれらの任意の組み合わせを含むナノ粒子を含む、当該技術分野で既知の任意のタイプの生体適合性ナノ粒子であり得る(例えば、Vauthier et al.Adv Drug Del Rev.(2003)55:519-48、US2007/0148074、US2007/0092575、US2006/0246139、US5753234、US7081483、及びWO2006/052285を参照のこと)。
【0176】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、経鼻、気管内、舌下、頬、局所、経皮内、皮内、腹腔内、眼窩内、網膜下、硝子体内、経粘膜、関節内、埋め込みによる、吸入による、髄腔内、脳室内、及び/または鼻腔内投与を含む、当該技術分野で既知の任意の投与経路に適合され得るか、またはそれらに好適であり得る。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚、経口、経鼻、気管内、舌下、口腔内、局所、経皮、皮内、腹腔内、眼窩内、硝子体内、網膜下、経粘膜、関節内、埋め込みによる、吸入による、髄腔内、脳室内、及び/または鼻腔内投与を含む、当該技術分野で既知の任意の投与経路に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、局所、経皮、皮下、皮内、及び/または経粘膜投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、局所、経皮、皮下、皮内、及び/または経粘膜投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、局所、経皮、皮下、及び/または皮内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、局所、経皮、皮下、及び/または皮内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、局所、経皮、及び/または皮内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、局所、経皮、及び/または皮内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、局所投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、局所投与に適合されるか、またはそれに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、経口、舌下、経鼻、もしくは口腔投与、または吸入による投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、経口、舌下、経鼻、もしくは口腔投与、または吸入による投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体または賦形剤は、局所(眼)、硝子体内、網膜下、または眼窩内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、局所(眼)、硝子体内、網膜下、または眼窩内投与に適合されるか、またはそれらに好適である。
【0177】
本開示の薬学的組成物または製剤における使用に適合されたまたはそれに好適な担体または賦形剤の例には、軟膏、油、ペースト、クリーム、エアロゾル、懸濁液、乳剤、脂肪性軟膏、ゲル(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のメチルセルロースゲル)、粉末、液体、ローション、溶液、スプレー、パッチ(例えば、経皮パッチまたはマイクロニードルパッチ)、接着ストリップ、マイクロニードルまたはマイクロニードルアレイ、及び吸入剤が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、担体または賦形剤(例えば、薬学的に許容される担体または賦形剤)は、軟膏、油、ペースト、クリーム、エアロゾル、懸濁液、乳剤、脂肪性軟膏、ゲル、粉末、液体、ローション、溶液、スプレー、パッチ、接着ストリップ、及び吸入剤のうちの1つ以上(例えば、1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上等)を含む。いくつかの実施形態では、担体は、経皮パッチまたはマイクロニードルパッチ等のパッチ(例えば、皮膚に付着するパッチ)を含む。いくつかの実施形態では、担体は、マイクロニードルまたはマイクロニードルアレイを含む。組成物の送達に好適なマイクロニードルアレイを作製及び使用するための方法は、当該技術分野で一般に既知である(例えば、Kim Y.et al.“Microneedles for drug and vaccine delivery”.Advanced Drug Delivery Reviews 2012,64(14):1547-68を参照のこと)。
【0178】
いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、1つ以上の追加の成分をさらに含む。追加の成分の例には、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、またはヒドロキシプロピルメチルセルロース等)、充填剤(例えば、ラクトース及び他の糖、微結晶性セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート、またはリン酸水素カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩、水素化植物油、トウモロコシデンプン、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、崩壊剤(例えば、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム等)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ラクトース、アミラーゼ、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、甘味料、香味料、香料、着色剤、保湿剤、日焼け防止剤、抗菌剤、ポリヌクレオチドを安定化するか、またはそれらの分解を阻止することができる薬剤等が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、メチルセルロースゲル、例えば、カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースゲル等を(例えば、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、約11%、約11.5%、約12%等)含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、リン酸緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、グリセロールを(例えば、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%等)含む。いくつかの実施形態では、薬学的組成物または製剤は、メチルセルロースゲル(カルボキシメチルセルロースゲル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースゲル等)、リン酸緩衝液、及び/またはグリセロールを含む。
【0179】
インビボ投与のために使用される組成物及び製剤(例えば、薬学的組成物及び製剤)は、一般に、滅菌である。滅菌は、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過によって、容易に達成され得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のラミニン欠損細胞、ラミニン遺伝子変異を有する1つ以上の細胞等)に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、療法に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニンポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、ラミニン欠乏症に関連する疾患/障害/欠損症、及び/またはラミニン遺伝子変異に関連する疾患(例えば、JEB))の治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニン欠乏症の1つ以上の兆候または症状の治療に使用され得る。ラミニン欠乏症の兆候及び症状には、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯、エナメル質形成不全、及び/または他の口腔もしくは歯の欠損、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、接合部型表皮水疱症の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するために使用され得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のラミニン欠損細胞、ラミニン遺伝子変異を有する1つ以上の細胞等)に送達するのに有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニンポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、ラミニン欠乏症に関連する疾患/障害/欠損症、及び/またはラミニン遺伝子変異に関連する疾患(例えば、JEB))の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、ラミニン欠乏症の1つ以上の兆候または症状の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。ラミニン欠乏症の兆候及び症状には、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯、エナメル質形成不全、及び/または他の口腔もしくは歯の欠損、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、接合部型表皮水疱症の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のフィラグリン欠損細胞、FLGまたはFLG2遺伝子変異を有する1つ以上の細胞等)に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、療法に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリンポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、フィラグリン欠乏症に関連する疾患/障害/欠損症、及び/またはFLGもしくはFLG2遺伝子変異に関連する疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、魚鱗癬、皮膚剥離症候群等)の治療に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリン欠乏症の1つ以上の兆候または症状の治療に使用され得る。フィラグリン欠乏症の兆候及び症状には、乾燥皮膚、特に夜間に重度になる可能性のある掻痒、特に手、足、足首、手首、首、上部胸部、眼瞼、肘及び膝の屈曲部の内側、ならびに乳児では顔及び頭皮上の赤色~茶色がかった灰色の斑点、湿潤性である可能性のある皮膚における小さい隆起した突出物、皮膚感染症、眼瞼皮膚炎、白内障、IgEレベルの上昇、肥厚した、ひび割れした、または鱗状の皮膚、引っ掻きにより皮が剥けて敏感になった腫れた皮膚、及びにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、アトピー性皮膚炎の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するために使用され得る。
【0183】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを対象の1つ以上の細胞(例えば、1つ以上のフィラグリン欠損細胞、FLGまたはFLG2遺伝子変異を有する1つ以上の細胞等)に送達するのに有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリンポリペプチドの発現から利益を得るであろう疾患または状態(例えば、フィラグリン欠乏症に関連する疾患/障害/欠損症、及び/またはFLGもしくはFLG2遺伝子変異に関連する疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等))の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、フィラグリン欠乏症の1つ以上の兆候または症状の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。フィラグリン欠乏症の兆候及び症状には、乾燥皮膚、特に夜間に重度になる可能性のある掻痒、特に手、足、足首、手首、首、上部胸部、眼瞼、肘及び膝の屈曲部の内側、ならびに乳児では顔及び頭皮上の赤色~茶色がかった灰色の斑点、湿潤性である可能性のある皮膚における小さい隆起した突出物、皮膚感染症、眼瞼皮膚炎、白内障、IgEレベルの上昇、肥厚した、ひび割れした、または鱗状の皮膚、引っ掻きにより皮が剥けて敏感になった腫れた皮膚、及びにそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれも、アトピー性皮膚炎の治療に有用な薬剤の調製または製造に使用され得る。
【0184】
VI.方法
本開示のある特定の態様は、対象の1つ以上の細胞及び/または細胞外マトリックスにおける1つ以上のラミニンポリペプチド(例えば、1つ以上のヒトラミニンポリペプチド)のレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかの有効量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性ラミニン遺伝子(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子)に変異(例えば、機能喪失変異、病原性バリアント)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型表皮水疱症(JEB)に罹患している。いくつかの実施形態では、JEBは、ヘルリッツ型JEB(JEB-H)である。いくつかの実施形態では、JEBは、非ヘルリッツ型JEBである。
【0185】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象の1つ以上の対応する未処理細胞における内因性ラミニンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるラミニンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約25%増加させる。いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象の1つ以上の対応する未処理細胞における内因性ラミニンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるラミニンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、またはそれ以上増加させる。いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象の1つ以上の対応する未処理細胞における内因性ラミニンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるラミニンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍増加させる。例えば、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象の1つ以上の対応する未処理細胞における内因性ラミニンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるラミニンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上増加させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の接触細胞または処理細胞は、1つ以上の表皮細胞、真皮細胞、及び/または粘膜細胞である。例えば、qPCR、ウエスタンブロット、質量分析等を含む、試料から転写物またはタンパク質レベルを測定する方法は、当業者に周知である。
【0186】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の細胞の細胞接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、強化された、増加した、増強された、または補充された細胞接着は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物と接触していないか、またはそれが投与されていない対応する細胞の細胞接着レベルとの比較である。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞は、1つ以上の表皮細胞、真皮細胞、及び/または粘膜細胞である。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞は、対象の1つ以上の皮膚細胞である。いくつかの実施形態では、細胞接着は、インテグリン媒介性細胞接着である。細胞接着を測定する方法は、当業者に既知である(例えば、Boettiger D.Methods Enzymol.2007;426:1-25を参照のこと)。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性ラミニン遺伝子(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子)に変異(例えば、機能喪失変異、病原性バリアント)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型表皮水疱症(JEB)に罹患している。いくつかの実施形態では、JEBは、ヘルリッツ型JEB(JEB-H)である。いくつかの実施形態では、JEBは、非ヘルリッツ型JEBである。
【0187】
本開示の他の態様は、1)対象の透明帯を強化すること、増加させること、増強すること、及び/または補充することと、2)対象の透明帯を安定化することと、3)対象の透明帯内の水疱の形成を阻害すること、遅延させること、予防すること、及び/または改善することと、4)対象の透明帯における皮膚分離を予防することとに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、透明帯の構造または安定性に対する1つ以上の有益な効果は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物の投与前の対象における透明帯の構造及び/または安定性との比較(または対象の未処理領域における透明帯の構造及び/または安定性との比較)である。例えば、微視的評価を含む、透明帯の構造及び/または安定性の変化/改善を監視する方法は、当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性ラミニン遺伝子(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子)に変異(例えば、機能喪失変異、病原性バリアント)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型表皮水疱症(JEB)に罹患している。いくつかの実施形態では、JEBは、ヘルリッツ型JEB(JEB-H)である。いくつかの実施形態では、JEBは、非ヘルリッツ型JEBである。
【0188】
本開示の他の態様は、対象における上皮基底膜集合、上皮基底膜組織化、上皮基底膜接着、及び/または真皮表皮接合部完全性を強化すること、増加させること、増強すること、及び/または補充することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、上皮基底膜及び/または真皮表皮接合部の集合、組織化、接着、及び/または完全性に対する1つ以上の有益な効果は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物の投与前の対象の基底膜及び/または真皮表皮接合部の集合、組織化、接着、及び/または完全性との比較(または対象の未処理領域における基底膜及び/または真皮表皮接合部の集合、組織化、接着、及び/または完全性との比較)である。例えば、微視的評価を含む、基底膜及び/または真皮表皮接合部の集合、組織化、接着、及び/または完全性の変化/改善を監視する方法は、当該技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性ラミニン遺伝子(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子)に変異(例えば、機能喪失変異、病原性バリアント)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、接合部型表皮水疱症(JEB)に罹患している。いくつかの実施形態では、JEBは、ヘルリッツ型JEB(JEB-H)である。いくつかの実施形態では、JEBは、非ヘルリッツ型JEBである。
【0189】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において接合部型表皮水疱症(JEB)の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性ラミニン遺伝子(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子)に変異(例えば、機能喪失変異、病原性バリアント)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、JEBを有するか、またはJEBを発症する危険性がある。いくつかの実施形態では、JEBは、ヘルリッツ型JEB(JEB-H)である。いくつかの実施形態では、JEBは、非ヘルリッツ型JEBである。JEBの兆候及び/または症状には、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織の存在または発生、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯及び/またはエナメル質形成不全、抜け毛、脱毛症、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0190】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、組換え核酸が対象の1つ以上の標的細胞に送達されると、コードされたラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)を発現する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、1つ以上の標的細胞におけるラミニンレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、1つ以上の標的細胞によって分泌されるラミニンレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、対象における細胞外マトリックスの安定性を強化する、増加させる、強化する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、対象における透明帯、基底膜、及び/または真皮表皮接合部を強化する、増強する、及び/または補充する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、JEB患者におけるラミニン欠乏症を治療する。いくつかの実施形態では、ラミニンタンパク質(複数可)(例えば、ヒトLamA3、LamB3、及び/またはLamC2タンパク質)の発現は、JEB患者における1つ以上の兆候または症状(例えば、水疱形成)の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する。
【0191】
本開示の他の態様は、対象の1つ以上の細胞におけるフィラグリンポリペプチドのレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等を含む、皮膚疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。
【0192】
いくつかの実施形態では、対象への組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞における内因性フィラグリンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるフィラグリンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍増加させる。例えば、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与は、対象における1つ以上の対応する未処理細胞における内因性フィラグリンレベルと比較して、対象の1つ以上の接触細胞または処理細胞におけるフィラグリンレベル(転写物またはタンパク質レベル)を少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約25倍、少なくとも約50倍、少なくとも約75倍、少なくとも約100倍、少なくとも約250倍、少なくとも約500倍、少なくとも約750倍、少なくとも約1000倍、またはそれ以上増加させ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の接触細胞または処理細胞は、1つ以上の表皮細胞及び/または真皮細胞(例えば、ケラチノサイトまたは線維芽細胞)である。例えば、qPCR、ウエスタンブロット、質量分析等を含む、試料から転写物またはタンパク質レベルを測定する方法は、当業者に周知である。
【0193】
本開示の他の態様は、その必要がある対象の皮膚の角質層の生成を強化する及び/または皮膚の角質層を安定化することに関し、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等を含む、皮膚疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。例えば、微視的評価を含む、角質層の生成及び/または安定化の変化/改善を監視する方法は、当業者に既知である。
【0194】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において皮膚バリア機能欠損を軽減または治療する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、バリア機能欠損は、経表皮水分喪失(TEWL)である。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、その必要がある対象において経表皮水分喪失を軽減する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等を含む、皮膚疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。例えば、Antonov et al.(Curr Probl Dermatol.2016;49:61-70)によって説明された方法のうちのいずれかを含む、TEWLを含むバリア機能を測定する方法は、当業者に周知である。
【0195】
本開示の他の態様は、その必要がある対象においてアレルゲンの経皮移入を減少させるまたは阻害する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等を含む、皮膚疾患に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。例えば、Shtessel et al.(Ann Allergy Asthma Immunol.2018 Jan;120(1):80-83)によって説明された方法を含む、アレルゲンの経皮移入を測定する方法は、当業者に周知である。
【0196】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において皮膚疾患の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、皮膚疾患は、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、及び皮膚剥離症候群(例えば、非炎症性A型皮膚剥離症候群、炎症性B型皮膚剥離症候群、末端皮膚剥離症候群等)から選択される。いくつかの実施形態では、対象は、アトピー性皮膚炎に罹患している。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。
【0197】
本開示の他の態様は、その必要がある対象においてアトピー性皮膚炎の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。
【0198】
アトピー性皮膚炎の兆候及び症状には、乾燥皮膚、特に夜間に重度になる可能性のある掻痒、特に手、足、足首、手首、首、上部胸部、眼瞼、肘及び膝の屈曲部の内側、ならびに乳児では顔及び頭皮上の赤色~茶色がかった灰色の斑点、湿潤性である可能性のある皮膚における小さい隆起した突出物、皮膚感染症、眼瞼皮膚炎、白内障、IgEレベルの上昇、肥厚した、ひび割れした、または鱗状の皮膚、引っ掻きにより皮が剥けて敏感になった腫れた皮膚が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0199】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において尋常性水疱症の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、対象に、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、及び/または薬学的組成物は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。
【0200】
尋常性魚鱗癬の兆候及び症状には、頭皮の剥離、皮膚の掻痒、皮膚の多角形またはタイル状鱗屑、茶色、灰色、または白色の鱗屑、重度に乾燥した皮膚、皮膚の有痛性ひび割れ、及び肥厚した皮膚が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0201】
本開示の他の態様は、その必要がある対象において皮膚剥離症候群(例えば、非炎症性A型皮膚剥離症候群、炎症性B型皮膚剥離症候群、末端皮膚剥離症候群等)の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを投与することを含む、方法に関する。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、対象のゲノムは、内因性FLG及び/またはFLG2遺伝子に変異(例えば、機能喪失変異)を含む。いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される。
【0202】
皮膚剥離症候群の兆候及び症状には、皮膚の異常な水疱形成、アミノ酸尿症、乾燥皮膚、魚鱗癬、複数のカフェオレ斑、脆弱毛髪、紅斑、IgEレベルの上昇、爪甲離床症、及び皮膚の鱗屑化が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0203】
本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、経口投与、舌下投与、口腔投与、局所投与、直腸投与、吸入による投与、経皮投与、皮下注射、皮内注射、静脈内注射、動脈内注射、筋肉内注射、心臓内注射、骨内注射、腹腔内注射、経粘膜投与、膣内投与、硝子体内投与、眼窩内投与、網膜下投与、結膜下投与(例えば、結膜下デポの使用)、脈絡膜上投与、関節内投与、関節周囲投与、局部投与、皮膚上投与、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の好適な方法または経路によって投与され得る。したがって、本開示は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを個体(またはその特定の部位もしくは組織)に送達する方法を包含する。
【0204】
いくつかの実施形態では、本開示の方法で使用される組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、皮膚、局所、経皮、皮下、皮内、経粘膜、舌下、経鼻、口腔、硝子体内、網膜下、結膜下、脈絡膜上、関節内投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、局所、経皮、または皮内投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に局所投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に皮内投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、経口、舌下、口腔、経鼻投与、または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に、経口投与または吸入により投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象の眼窩内、硝子体内、網膜下、結膜下、脈絡膜上、または局所(眼に)投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1回投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に少なくとも2回(例えば、少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回等)投与される。いくつかの実施形態では、投与間(例えば、第1の投与と第2の投与との間、第2の投与と第3の投与との間等)で、少なくとも1時間(例えば、少なくとも約1時間、少なくとも約6時間、少なくとも約12時間、少なくとも約18時間、少なくとも約1日間、少なくとも約2日間、少なくとも約3日間、少なくとも約4日間、少なくとも約5日間、少なくとも約6日間、少なくとも約7日間、少なくとも約15日間、少なくとも約20日間、少なくとも約30日間、少なくとも約40日間、少なくとも約50日間、少なくとも約60日間、少なくとも約70日間、少なくとも約80日間、少なくとも約90日間、少なくとも約100日間、少なくとも約120日間等)が経過している。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象に1日1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤は、対象の1つ以上の罹患領域(例えば、JEBの1つ以上の兆候もしくは症状を呈する1つ以上の領域)及び/または非罹患領域に投与される。
【0206】
いくつかの実施形態では、対象の皮膚の1つ以上の部分は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤での治療前に擦過されるか、またはより透過性にされる。例えば、皮膚ローラーの使用、皮膚細胞層を除去するための接着ストリップの繰り返しの使用(テープ剥離)、メスまたはブレードでの掻爬、サンドペーパーの使用、化学的透過促進剤または電気エネルギーの使用、音波エネルギーまたは超音波エネルギーの使用、光(例えば、レーザー)エネルギーの使用、表皮を完全に貫通しないが、突き刺すのに好適な長さを有するミクロンサイズの針またはブレードの使用等を含む、皮膚を擦過するか、または皮膚の透過性を増加させる任意の好適な方法が使用され得る。
【0207】
VII.宿主細胞
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸のうちのいずれかを含む1つ以上の宿主細胞に関する。例えば、真正細菌を含む原核細胞、例えば、グラム陰性またはグラム陽性生物、例えば、エシェリキア(Escherichia)(例えば、大腸菌(E.coli))、エンテロバクター(Enterobacter)、エルミニア(Erminia)、クレブシエラ(Klebsiella)、プロテウス(Proteus)、サルモネラ(Salmonella)(例えば、ネズミチフス菌(S.typhimurium))、セラチア(Serratia)(例えば、霊菌(S.marcescans))、及びシゲラ(Shigella)等の腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、ならびに枯草菌(B.subtilis)及びB.リケニフォルミス(B.licheniformis)等のバチルス(Bacilli)、真菌細胞(例えば、S.セレビシエ(S.cerevisiae))、昆虫細胞(例えば、S2細胞等)、及び哺乳類細胞(例えば、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651)、ヒト胚腎臓株(懸濁培養液中での増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞)、ベビーハムスター腎細胞(BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(TM4)、サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳房腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞、MRC5細胞、FS4細胞、ヒトヘパトーマ(Hep G2)、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、DHFR’’CHO細胞)、ならびにNS0及びSp2/0等の骨髄腫細胞株)を含む、当該技術分野で既知の任意の好適な宿主細胞(原核細胞または真核細胞)が使用され得る。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、ヒトまたは非ヒト霊長類細胞である。いくつかの実施形態では、宿主細胞は、細胞株由来の細胞である。好適な宿主細胞または細胞株の例には、293、HeLa、SH-Sy5y、Hep G2、CACO-2、A549、L929、3T3、K562、CHO-K1、MDCK、HUVEC、Vero、N20、COS-7、PSN1、VCaP、CHO細胞等が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0208】
いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスベクターである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、単純ヘルペスウイルスアンプリコンである。いくつかの実施形態では、組換え核酸は、HSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンである。いくつかの実施形態では、ヘルパーウイルスを含む宿主細胞は、本明細書に記載のHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触し、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むウイルスの産生をもたらす。いくつかの実施形態では、ウイルスは、接触した宿主細胞の上清から収集される。ヘルパーウイルスを含む宿主細胞をHSV-1アンプリコンまたはHSV-1ハイブリッドアンプリコンと接触させることによってウイルスを生成する方法は、当該技術分野で既知である。
【0209】
いくつかの実施形態では、宿主細胞は、補完宿主細胞である。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞は、本明細書に記載のウイルスベクターのうちのいずれかにおいて不活性化される1つ以上の遺伝子を発現する。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞は、本明細書に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム(例えば、組換え単純ヘルペスウイルスゲノム)と接触する。いくつかの実施形態では、補完宿主細胞を組換えヘルペスウイルスゲノムと接触させることにより、本明細書に記載の1つ以上の組換え核酸を含むヘルペスウイルスの産生がもたらされる。いくつかの実施形態では、ウイルスは、接触した宿主細胞の上清から収集される。補完宿主細胞を組換え単純ヘルペスウイルスと接触させることによってウイルスを生成する方法は、概して、WO2015/009952及び/またはWO2017/176336に記載されている。
【0210】
VIII.製品またはキット
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤のうちのいずれかを含む製品またはキットに関する。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、(例えば、LAMA3、LAMB3、及び/またはLAMC2遺伝子変異等のラミニン遺伝子変異を有する対象において)ラミニン欠乏症を治療するための及び/またはその必要がある対象においてラミニン欠乏症に関連する疾患または障害(JEB等)の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、もしくは治療的緩和を提供するための組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与に関する指示を含む添付文書を含む。いくつかの実施形態では、製品またはキットは、(例えば、FLGまたはFLG2遺伝子変異を有する対象において)フィラグリン欠乏症を治療するための及び/またはその必要がある対象においてフィラグリン欠乏症に関連する疾患もしくは障害(アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等)の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供するための組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤の投与に関する指示を含む添付文書を含む。
【0211】
組換え核酸、ウイルス、薬剤、及び/または薬学的組成物もしくは製剤に好適な容器には、例えば、ボトル、バイアル、バッグ、チューブ、及びシリンジが含まれ得る。容器は、ガラス、プラスチック(ポリ塩化ビニルもしくはポリオレフィン等)、または金属合金(ステンレス鋼もしくはハステロイ等)等の様々な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、容器は、容器上にラベルを含むか、または容器に関連するラベルを含み、ラベルは、使用に関する指示を示す。製品またはキットは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、添付文書等を含む、商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0212】
IX.列挙される実施形態
実施形態1:ラミニンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0213】
実施形態2:複製可能である、実施形態1に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0214】
実施形態3:複製欠損である、実施形態1に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0215】
実施形態4:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ラミニンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを、1つ以上のウイルス遺伝子座内に含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0216】
実施形態5:組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の派生物からなる群から選択される、実施形態1~4のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0217】
実施形態6:前記ラミニンポリペプチドがヒトラミニン(Lam)ポリペプチドである、実施形態1~5のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0218】
実施形態7:前記ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドが、ヒトLamA1ポリペプチド、ヒトLamA2ポリペプチド、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamA4ポリペプチド、ヒトLamA5ポリペプチド、ヒトLamB1ポリペプチド、ヒトLamB2ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、ヒトLamC1ポリペプチド、ヒトLamC2ポリペプチド、ヒトLamC3ポリペプチド、及びそれらの任意のキメラポリペプチドからなる群から選択される、実施形態6に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0219】
実施形態8:前記ヒトラミニン(Lam)ポリペプチドが、ヒトLamA3ポリペプチド、ヒトLamB3ポリペプチド、及びヒトLamC2ポリペプチドからなる群から選択される、実施形態6または7に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0220】
実施形態9:前記ラミニンポリペプチドが、配列番号7~9からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態1~8のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0221】
実施形態10:組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0222】
実施形態11:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換え単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)ゲノム、組換え単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)ゲノム、またはそれらの任意の派生物である、実施形態10に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0223】
実施形態12:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが不活性化変異を含む、実施形態10または11に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0224】
実施形態13:前記不活性化変異が単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、実施形態12に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0225】
実施形態14:前記不活性化変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、実施形態13に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0226】
実施形態15:前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択される、実施形態13または14に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0227】
実施形態16:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、実施形態15に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0228】
実施形態17:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態15または16に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0229】
実施形態18:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態15~17のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0230】
実施形態19:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、実施形態15~18のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0231】
実施形態20:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態15~19のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0232】
実施形態21:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に前記ラミニンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、実施形態10~20のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0233】
実施形態22:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22ウイルス遺伝子座内に前記ラミニンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、実施形態10~21のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0234】
実施形態23:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41ウイルス遺伝子座内に前記ラミニンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、実施形態10~22のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0235】
実施形態24:標的細胞に導入された場合に、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する、実施形態1~23のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0236】
実施形態25:前記標的細胞がヒト細胞である、実施形態24に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0237】
実施形態26:前記標的細胞が表皮細胞及び/または真皮細胞である、実施形態24または25に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0238】
実施形態27:前記標的細胞がケラチノサイトまたは線維芽細胞である、実施形態24~26のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0239】
実施形態28:実施形態1~27のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
【0240】
実施形態29:複製可能である、実施形態28に記載のヘルペスウイルス。
【0241】
実施形態30:複製欠損である、実施形態28に記載のヘルペスウイルス。
【0242】
実施形態31:対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する、実施形態28~30のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0243】
実施形態32:単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス、及びそれらの任意の派生物からなる群から選択される、実施形態28~31のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0244】
実施形態33:単純ヘルペスウイルスである、実施形態28~32のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0245】
実施形態34:前記単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の派生物である、実施形態32または33に記載のヘルペスウイルス。
【0246】
実施形態35:実施形態1~27のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノムまたは実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【0247】
実施形態36:局所、経皮、皮下、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上投与に好適である、実施形態35に記載の薬学的組成物。
【0248】
実施形態37:局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与に好適である、実施形態35または36に記載の薬学的組成物。
【0249】
実施形態38:局所投与に好適である、実施形態35~37のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0250】
実施形態39:経口または吸入投与に好適である、実施形態35または36に記載の薬学的組成物。
【0251】
実施形態40:ヒドロキシプロピルメチルセルロースゲルを含む、実施形態35~39のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0252】
実施形態41:リン酸緩衝液を含む、実施形態35~40のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0253】
実施形態42:グリセロールを含む、実施形態35~41のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0254】
実施形態43:脂質担体を含む、実施形態35~42のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0255】
実施形態44:ナノ粒子担体を含む、実施形態35~43のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0256】
実施形態45:対象の1つ以上の細胞におけるラミニンポリペプチドのレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態35~44のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0257】
実施形態46:対象の皮膚における1つ以上の細胞の細胞接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態35~44のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0258】
実施形態47:前記細胞接着がインテグリン媒介性細胞接着である、実施形態46に記載の方法。
【0259】
実施形態48:対象の透明帯を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態35~44のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0260】
実施形態49:対象の上皮基底膜集合、上皮基底膜組織化、及び/または上皮基底接着を強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態35~44のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0261】
実施形態50:その必要がある対象において接合部型表皮水疱症(JEB)の1つ以上の兆候または症状に対する予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、実施形態28~34のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態35~44のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0262】
実施形態51:前記対象がヒトである、実施形態45~50のいずれか1つに記載の方法。
【0263】
実施形態52:前記対象のゲノムが、ラミニン遺伝子に機能喪失変異を含む、実施形態45~51のいずれか1つに記載の方法。
【0264】
実施形態53:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される、実施形態45~52のいずれか1つに記載の方法。
【0265】
実施形態54:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、または皮内投与される、実施形態45~53のいずれか1つに記載の方法。
【0266】
実施形態55:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に局所投与される、実施形態45~54のいずれか1つに記載の方法。
【0267】
実施形態56:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に皮内投与される、実施形態45~54のいずれか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態57:前記対象の皮膚が、投与前に擦過される、実施形態45~56のいずれか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態58:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、経口投与または吸入により投与される、実施形態45~53のいずれか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態59:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、1日1回、2回、3回、4回、5回、または以上投与される、実施形態45~58のいずれか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態60:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象の1つ以上の罹患領域及び/または非罹患領域に投与される、実施形態45~59のいずれか1つに記載の方法。
【0272】
実施形態61:JEBの前記1つ以上の兆候または症状が、皮膚の水疱形成、創傷形成、及び/または瘢痕化、肉芽組織、皮膚びらん、手指の爪及び/または足指の爪の変形、手指及び/または足指の癒着、皮膚のひきつれ及び/または菲薄化、拘縮、粘膜の水疱形成及び/または瘢痕化、呼吸困難、ホースクライ(horse cry)、感染症に対する易罹患性の増加、脱水症、体液喪失、電解質不均衡、胃腸管及び/または胃尿管の水疱形成及び/または瘢痕化、虫歯及び/またはエナメル質形成不全、抜け毛、栄養失調、発育遅延、貧血症、ならびにそれらの任意の組み合わせから選択される、実施形態50~60のいずれか1つに記載の方法。
【0273】
実施形態62:前記対象が接合部型ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-H)に罹患している、実施形態50~61のいずれか1つに記載の方法。
【0274】
実施形態63:前記対象が接合部型非ヘルリッツ表皮水疱症(JEB-nH)に罹患している、実施形態50~61のいずれか1つに記載の方法。
【0275】
実施形態64:フィラグリンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0276】
実施形態65:複製可能である、実施形態64に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0277】
実施形態66:複製欠損である、実施形態64に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0278】
実施形態67:前記フィラグリンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを、1つ以上のウイルス遺伝子座内に含む、実施形態64~66のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0279】
実施形態68:組換え単純ヘルペスウイルスゲノム、組換え水痘帯状疱疹ウイルスゲノム、組換えヒトサイトメガロウイルスゲノム、組換えヘルペスウイルス6Aゲノム、組換えヘルペスウイルス6Bゲノム、組換えヘルペスウイルス7ゲノム、組換えカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスゲノム、及びそれらの任意の派生物からなる群から選択される、実施形態64~67のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0280】
実施形態69:前記フィラグリンポリペプチドがヒトフィラグリンポリペプチドまたはヒトフィラグリン-2ポリペプチドである、実施形態64~68のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0281】
実施形態70:前記フィラグリンポリペプチドが、配列番号39~50からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態64~69のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0282】
実施形態71:前記フィラグリンポリペプチドが、配列番号39のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む、実施形態64~70のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0283】
実施形態72:組換え単純ヘルペスウイルスゲノムである、実施形態64~71のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0284】
実施形態73:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、組換えHSV-1ゲノム、組換えHSV-2ゲノム、またはそれらの任意の派生物である、実施形態72に記載の組換え単純ヘルペスウイルスゲノム。
【0285】
実施形態74:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが不活性化変異を含む、実施形態72または73に記載の組換えヘルペスウイルス。
【0286】
実施形態75:前記不活性化変異が単純ヘルペスウイルス遺伝子に存在する、実施形態74に記載の組換えヘルペスウイルス。
【0287】
実施形態76:前記不活性化変異が、前記単純ヘルペスウイルス遺伝子のコード配列の欠失である、実施形態75に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0288】
実施形態77:前記単純ヘルペスウイルス遺伝子が、感染細胞タンパク質(ICP)0、ICP4、ICP22、ICP27、ICP47、チミジンキナーゼ(tk)、ロングユニーク領域(UL)41、及びUL55からなる群から選択される、実施形態75または76に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0289】
実施形態78:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、実施形態77の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0290】
実施形態79:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態77または78に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0291】
実施形態80:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態77~79のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0292】
実施形態81:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP0遺伝子の一方または両方のコピーに不活性化変異を含む、実施形態77~80のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0293】
実施形態82:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP27遺伝子に不活性化変異を含む、実施形態77~81のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0294】
実施形態83:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP4ウイルス遺伝子座の一方または両方内に前記フィラグリンポリペプチドをコードする前記1つ以上を含む、実施形態72~82のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0295】
実施形態84:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、ICP22ウイルス遺伝子座内に前記フィラグリンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、実施形態72~83のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0296】
実施形態85:前記組換え単純ヘルペスウイルスゲノムが、UL41ウイルス遺伝子座内に前記フィラグリンポリペプチドをコードする前記1つ以上のポリヌクレオチドを含む、実施形態72~84のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0297】
実施形態86:標的細胞に導入された場合に、対応する野生型ヘルペスウイルスゲノムと比較して減少した細胞毒性を有する、実施形態64~85のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0298】
実施形態87:標的細胞がヒト細胞である、実施形態86に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0299】
実施形態88:前記標的細胞が表皮細胞及び/または真皮細胞である、実施形態86または87に記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0300】
実施形態89:前記標的細胞がケラチノサイトまたは線維芽細胞である、実施形態86~88のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノム。
【0301】
実施形態90:実施形態64~89のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノムを含む、ヘルペスウイルス。
【0302】
実施形態91:複製可能である、実施形態90に記載のヘルペスウイルス。
【0303】
実施形態92:複製欠損である、実施形態90に記載のヘルペスウイルス。
【0304】
実施形態93:対応する野生型ヘルペスウイルスと比較して減少した細胞毒性を有する、実施形態90~92のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0305】
実施形態94:単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス6A、ヘルペスウイルス6B、ヘルペスウイルス7、及びカポジ肉腫関連ヘルペスウイルスからなる群から選択される、実施形態90~93のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0306】
実施形態95:単純ヘルペスウイルスである、実施形態90~94のいずれか1つに記載のヘルペスウイルス。
【0307】
実施形態96:前記単純ヘルペスウイルスが、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)、単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2)、またはそれらの任意の派生物である、実施形態94または95に記載のヘルペスウイルス。
【0308】
実施形態97:実施形態64~89のいずれか1つに記載の組換えヘルペスウイルスゲノムまたは実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスと、薬学的に許容される賦形剤とを含む、薬学的組成物。
【0309】
実施形態98:局所、経皮、皮下、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、吸入、静脈内、動脈内、筋肉内、心臓内、骨内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部、または皮膚上投与に好適である、実施形態97に記載の薬学的組成物。
【0310】
実施形態99:局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与に好適である、実施形態97または98に記載の薬学的組成物。
【0311】
実施形態100:局所投与に好適である、実施形態97~99のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0312】
実施形態101:ヒドロキシプロピルメチルセルロースゲルを含む、実施形態97~100のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0313】
実施形態102:リン酸緩衝液を含む、実施形態97~101のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0314】
実施形態103:グリセロールを含む、実施形態97~102のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0315】
実施形態104:脂質担体を含む、実施形態97~103のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0316】
実施形態105:ナノ粒子担体を含む、実施形態97~104のいずれか1つに記載の薬学的組成物。
【0317】
実施形態106:対象の1つ以上の細胞におけるフィラグリンポリペプチドのレベルを強化する、増加させる、増強する、及び/または補充する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0318】
実施形態107:その必要がある対象の皮膚の角質層の生成を強化する及び/または角質層を安定化する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0319】
実施形態108:その必要がある対象において皮膚バリア機能欠損を軽減または治療する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0320】
実施形態109:前記皮膚バリア欠損が経上皮水分喪失(TEWL)である、実施形態108に記載の方法。
【0321】
実施形態110:その必要がある対象においてアレルゲンの経皮移入を減少させるまたは阻害する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0322】
実施形態111:その必要がある対象において皮膚疾患の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0323】
実施形態112:前記皮膚疾患が、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、及び皮膚剥離症候群からなる群から選択される、実施形態111に記載の方法。
【0324】
実施形態113:その必要がある対象においてアトピー性皮膚炎の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0325】
実施形態114:アトピー性皮膚炎の前記1つ以上の兆候または症状が、皮膚の掻痒、乾燥皮膚、皮膚における赤色~茶色がかった灰色の斑点、皮膚における小さい隆起した突出物、肥厚した皮膚、ひび割れした皮膚、鱗状の皮膚、腫れた皮膚、湿潤性ただれ(weeping sore)、皮膚感染症、眼瞼皮膚炎、白内障、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態113に記載の方法。
【0326】
実施形態115:その必要がある対象において尋常性魚鱗癬の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供する方法であって、前記対象に、実施形態90~96のいずれか1つに記載のヘルペスウイルスまたは実施形態97~105のいずれか1つに記載の薬学的組成物の有効量を投与することを含む、前記方法。
【0327】
実施形態116:尋常性魚鱗癬の前記1つ以上の兆候または症状が、頭皮の剥離、皮膚の掻痒、皮膚の多角形またはタイル状鱗屑、茶色、灰色、または白色の鱗屑、重度に乾燥した皮膚、皮膚の有痛性ひび割れ、肥厚した皮膚、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、実施形態115に記載の方法。
【0328】
実施形態117:前記対象がヒトである、実施形態106~116のいずれか1つに記載の方法。
【0329】
実施形態118:前記対象のゲノムが、FLG遺伝子及び/またはFLG2遺伝子に機能喪失変異を含む、実施形態106~117のいずれか1つに記載の方法。
【0330】
実施形態119:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、皮下、皮膚上、皮内、経口、舌下、口腔、直腸、膣内、静脈内、動脈内、筋肉内、骨内、心臓内、腹腔内、経粘膜、硝子体内、網膜下、関節内、関節周囲、局部投与、または吸入により投与される、実施形態106~118のいずれか1つに記載の方法。
【0331】
実施形態120:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に、局所、経皮、皮下、皮内、または経粘膜投与される、実施形態106~119のいずれか1つに記載の方法。
【0332】
実施形態121:前記ヘルペスウイルスまたは前記薬学的組成物が、前記対象に局所投与される、実施形態106~120のいずれか1つに記載の方法。
【0333】
実施形態122:前記対象の皮膚が、投与前に擦過される、実施形態106~121のいずれか1つに記載の方法。
【0334】
本明細書は、当業者が本開示を実施することを可能にするのに十分であると考えられる。本明細書に示され、かつ記載される修正に加えて、本開示の様々な修正は、前述の記述から当業者に明らかになり、添付の特許請求の範囲内に入るであろう。
【実施例
【0335】
本開示は、以下の実施例を参照することにより、より完全に理解されるであろう。しかしながら、それが本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本明細書に記載の実施例及び実施形態が例証のみを目的としており、それに照らして様々な修正または変更が当業者に提案され、本出願の趣旨及び範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0336】
実施例1:ヒトラミニンをコードする修飾された単純ヘルペスウイルスベクターの生成
以下の実施例は、ヒトラミニンタンパク質を発現するように修飾された組換え単純ヘルペスウイルス1型の構築を説明する。
【0337】
野生型単純ヘルペスウイルスゲノム(図1A)を、最初にウイルスICP4遺伝子の両方のコピー及びICP22遺伝子の単一のコピーのコード配列を欠失させることによって修飾した(4/22)。4/22ウイルスゲノムを、ICP4遺伝子座の各々にmCherry発現カセットも含むように操作した。その後、ウイルスゲノムを、野生型またはコドン最適化ヒトLAMB3またはLAMC2をコードするようにさらに修飾した。簡潔には、ICP4の上流(US)領域及び下流(DS)領域に隣接する(hCMVプロモーターの制御下の)野生型またはコドン最適化ヒトLAMB3またはLAMC2を含むプラスミドを、ヘルペスウイルスICP4遺伝子を発現するように修飾されたVero細胞にトランスフェクトした。その後、これらのトランスフェクト細胞を上述の修飾されたmCherry発現ウイルスに感染させた。ラミニン遺伝子に隣接するUS及びDS ICP4領域は、mCherry遺伝子座の各々の二重交差及び置換を可能にした。その後、mCherry蛍光の不在についての目視スクリーニングを使用して、組換えウイルスを含む細胞を特定した。これらの弱毒化した組換えウイルス構築物の4つのバリアント:1)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下の野生型ヒトLAMB3(配列番号3)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1B)、2)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のコドン最適化ヒトLAMB3(配列番号4)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1C)、3)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下の野生型ヒトLAMC2(配列番号5)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム (図1D)、及び4)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のコドン最適化ヒトLAMC2(配列番号6)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図1E)を、この方法を用いて作製した。修飾されたウイルスの各々の複数の分離株を、さらなる検証のために収集した。
【0338】
これらの分離株がコードされた野生型ヒトLamB3タンパク質を発現することができるかを試験するために、ICP4補完Vero細胞を6ウェルプレートにプレーティングし、感染が完了するまで野生型LamB3コードウイルスの12個の非力価化ウイルス分離株に感染させた。感染後、RNAを収集し、cDNAを生成し、各分離株由来の野生型LAMB3の発現をqRT-PCRにより決定した(図2A)。12個全ての分離株が、形質導入Vero細胞において様々なレベルで野生型ヒトLAMB3を発現することができた。これらの分離株のうちの10個のヒトLamB3を発現する能力も、ウエスタンブロットにより試験した。ICP4補完Vero細胞を6ウェルプレートにプレーティングし、感染が完了するまで野生型LamB3発現ウイルスの10個の非力価化ウイルス分離株に感染させた。Vero細胞のウェルを陽性対照としてLamB3発現プラスミドでトランスフェクトした。感染後、細胞を穏やかに掻爬して収集し、遠心分離して細胞ペレットを収集し、培養培地を吸引し、細胞ペレットをPBSで1回洗浄した。洗浄後、各細胞ペレットを、プロテアーゼインヒビターを含有する200μLのRIPA緩衝液中に再懸濁し、再懸濁液を5分毎に穏やかに撹拌しながら4℃で20分間インキュベートした。インキュベートした後、試料を17,000×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、5%2-メルカプトメタノールを含有する4倍LDS還元試料緩衝液を各精製上清に添加した。その後、試料を10分間沸騰させた後、4~20%トリス-グリシンポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動後、タンパク質をPVDF膜に移し、膜を5%乳/TBS中で30分間ブロックした。一次ウサギ抗LamB3抗体(Abcam、カタログ番号ab128864)を、5%乳/TBS中1:1000希釈でPVDF膜に添加し、室温で一晩(約16時間)インキュベートした。その後、ブロットをTBSで3回(各5分間)洗浄し、次いで、5%乳/TBS中APコンジュゲートヤギ抗ウサギIgG抗体(Sigma、カタログ番号A3687)で、室温で1時間染色した。その後、膜をTBSで3回(各5分間)洗浄し、BCIP/NBTを添加し、ブロットを室温で約10分間展開した。qRT-PCRデータと一致して、10個全てのウイルス分離株が、コードされた野生型ヒトLamB3タンパク質を様々なレベルで発現することができた(図2B)。
【0339】
ヒトLamB3のコドン最適化バリアントをコードするウイルスも、ウエスタンブロット分析により、Vero細胞においてそれらのカーゴを発現するそれらの能力について試験した。簡潔には、上述のように、コドン最適化(CO)LamB3コードウイルスの10個の非力価化ウイルス分離株を使用してVero細胞を感染させ、細胞ペレットを収集し、各ペレットを、プロテアーゼインヒビターを含有するRIPA緩衝液中に再懸濁し、これらの細胞溶解物を使用してウエスタンブロットを行った。10個全てのウイルス分離株が、Vero細胞においてコードされたコドン最適化ヒトLamB3を発現することができた(図3)。
【0340】
次に、野生型LAMB3またはコドン最適化LAMB3のいずれかをコードする4つのウイルス分離株を、初代ヒト細胞を形質導入し、かつそれらのカーゴを発現するそれらの能力について試験した。不死化初代正常ケラチノサイトを感染多重度(MOI)1.0で48時間感染させた。非感染細胞を陰性対照として使用した。その後、感染ヒトケラチノサイトにおけるLamB3の発現をウエスタンブロットにより試験した。一次ウサギ抗LamB3抗体(Abcam、カタログ番号ab128864)を使用して、ウエスタンブロットを上述のように行った。Vero細胞を使用して生成されたデータと一致して、野生型LamB3及びコドン最適化LamB3のいずれかを発現するウイルス分離株が、初代ヒトケラチノサイトを効果的に形質導入し、かつそれらのコードされた構築物を適切なレベルで発現することが確認された(図4)。
【0341】
LamC2含有分離株が、コードされた野生型またはコドン最適化ヒトLAMC2を発現することができるかを試験するために、ICP4補完Vero細胞を6ウェルプレートにプレーティングし、感染が完了するまでいくつかの非力価化野生型またはコドン最適化LAMC2発現ウイルス分離株に感染させた。感染後、RNAを収集し、cDNAを生成し、各分離株由来の野生型LAMC2(図5A)またはコドン最適化LAMC2(図5B)の発現をqRT-PCRにより決定した。12個の分離株のうちの8つが、形質導入Vero細胞において野生型ヒトLAMC2を様々なレベルで発現することができた一方で、7つの分離株のうちの3つは、コドン最適化ヒトLAMC2を発現することができた。
【0342】
次に、ヒトLamC2タンパク質を発現するある特定の野生型分離株及びコドン最適化分離株の能力をウエスタンブロットにより試験した。ICP4補完Vero細胞を6ウェルプレートにプレーティングし、感染が完了するまで非力価化ウイルス分離株に感染させた。Vero細胞のウェルを陰性対照として非感染のままにした。感染後、細胞を穏やかに掻爬して収集し、遠心分離して細胞ペレットを収集し、培養培地を吸引し、細胞ペレットをPBSで1回洗浄した。洗浄後、各細胞ペレットを、プロテアーゼインヒビターを含有する200μLのRIPA緩衝液中に再懸濁し、再懸濁液を5分毎に穏やかに撹拌しながら4℃で20分間インキュベートした。インキュベートした後、試料を17,000×gで5分間遠心分離し、上清を除去し、5%2-メルカプトメタノールを含有する4倍LDS還元試料緩衝液を各精製上清に添加した。その後、試料を10分間沸騰させた後、4~20%トリス-グリシンポリアクリルアミドゲルにロードした。電気泳動後、タンパク質をPVDF膜に移し、膜を5%乳/TBS中で30分間ブロックした。その後、一次ウサギ抗LamC2抗体(Abcam、カタログ番号ab96327)を、5%乳/TBS中1:1000希釈でPVDF膜に添加し、室温で一晩(約16時間)インキュベートした。その後、ブロットをTBSで3回(各5分間)洗浄し、次いで、5%乳/TBS中APコンジュゲートヤギ抗ウサギIgG抗体(Sigma、カタログ番号A3687)で、室温で1時間染色した。その後、膜をTBSで3回(各5分間)洗浄し、BCIP/NBTを添加し、ブロットを室温で約10分間展開した。qRT-PCRデータと一致して、9つ全ての試験したウイルス分離株も、コードされたヒトLamC2を発現することができた(図5C)。
【0343】
コドン最適化LamC2発現ウイルス分離株「LGA」を、ヒト細胞におけるさらなる試験のために選択した。不死化初代正常ケラチノサイトを、LGA分離株に感染多重度(MOI)0.3、1.0、または3.0で48時間感染させた。非感染細胞(対照)及びmCherry発現ウイルス感染細胞を陰性対照として使用した。感染の48時間後にDNA及びRNAを不死化ケラチノサイトから抽出し、qPCR/qRT-PCRを行った(図6A~B)。DNA50ng当たり検出されたウイルスゲノムコピーによって評価されるように、不死化ケラチノサイトにおけるLGA分離株において良好な用量応答が観察された(図6A)。興味深いことに、MOIを0.3から1.0に増加させた場合、用量応答が転写物レベルで観察された一方で、MOIを1.0から3.0に増加させた場合、転写物レベルのさらなる増加は観察されなかった(図6B)。感染ヒトケラチノサイトにおけるLamC2タンパク質の発現も、ウエスタンブロットにより試験した。上述のようにウエスタンブロットを行った(一次ウサギ抗LamC2抗体(Abcam、カタログ番号ab96327)を使用した)。転写物分析と一致して、MOIを0.3から1.0に増加させた場合、用量応答がタンパク質レベルで観察されたが、1.0から3.0に増加させた場合には観察されなかった(図6C)。
【0344】
まとめると、このデータは、複数のヒトラミニンタンパク質(野生型及びコドン最適化核酸配列由来)が組換え複製欠損HSV-1ウイルスからの発現に成功することができたことを示唆する。
【0345】
実施例2:ヒトLAMC2をコードする修飾された単純ヘルペスウイルスベクターのインビボ分析
ラミニンの機能を研究するためのノックアウト動物モデルの使用は、マウスにおけるラミニンサブユニットの標的欠失がLAMB3またはLAMC2のいずれかの場合に新生児死亡を含む重度の発育障害をもたらすという事実によって複雑になる。したがって、内因性マウスLAMC2及びドキシサイクリン誘導性(tet-on)野生型ヒトLAMC2発現構築物(LAMC2-/--hLAMC2tet-onマウス)のホモ接合性欠失を有するトランスジェニック免疫担当マウスモデルを用いてインビボ研究を行った。これらのマウスを、ヒトLAMC2がテトラサイクリントランス活性化因子(hLAMC2tet-on)の制御下にあったため、ドキシサイクリンの存在下でのこのヒト構築物の発現により内因性LAMC2のノックアウトをレスキューすることによって、LAMC2ノックアウト動物において観察される新生児死亡を防止するように生成した。これらの動物の食餌からドキシサイクリンを除去することにより、(体重の減少及び呼吸困難によって決定される)機能的ラミニン-332の喪失に関連する症状の同時増加を伴うヒトLamC2タンパク質レベルの緩徐な減少が引き起こされる。これらのラミニン欠損(doxy-)動物を、ヒトラミニン発現を回復させるウイルス分離株「LGA」の能力について試験した。
【0346】
具体的には、インビボヒトLAMC2発現を、LGAの皮内注射後に、qPCR、qRT-PCR、及び免疫蛍光により評価した。被験物質での処理前にラミニン-332欠乏症を誘発するために、ドキシサイクリンをLGA投与前にマウスから15日間中止した(doxy-)。1×10プラーク形成単位(PFU)の製剤化LGAを、2匹のマウスの背側皮膚及び足蹠に皮内注射した。等価体積のビヒクルのみを1匹のマウスの背側皮膚に皮内投与し、陰性対照としての役割を果たした。本研究で処理したこれらの2匹の動物の注射部位の概略図を図7Aに提供する。
【0347】
投与の72時間後に、全厚8mmの生検を各処理部位から採取し、半分に分けた。各切片の半分を液体窒素中で急速凍結し、その後、qPCR分析及びqRT-PCR分析のために処理して、背側皮膚におけるLAMC2 DNAコピー数及び転写物レベルを定量化した。外因性LGAコードヒトLAMC2 DNA(図7B)及びRNA(図7C)を各LGA処理組織試料中で検出し、これは、操作したベクターがインビボでLAMC2欠損組織に感染したときにその導入遺伝子を発現することができたことを示す。
【0348】
各生検の残りの半分を、免疫蛍光(IF)のためにOCTに包埋した。凍結切片におけるLamC2発現を、抗ヒトLamC2抗体(Abcam、カタログ番号ab96327)を使用した免疫蛍光分析により決定した。ドキシサイクリンに連続的に曝露されたマウス(doxy+)から生検された背側皮膚の領域を試験して、ドキシサイクリン除去前にトランスジェニックマウスで発現されたヒトLamC2タンパク質のベースラインレベルも決定した。さらに、LGAから発現されたヒトLamC2が、天然ラミニン-332が見られる皮膚の領域に正しく局在したことを確認するために、背側皮膚試料をマウスラミニン-332で対比染色(pKal)した。LGAの皮内投与により、マウス皮膚の形質導入の成功がもたらされ、コードされたヒト導入遺伝子を表皮の正しい層にロバストに発現させた(図7D)。生検の組織学的評価は、処理部位で炎症性浸潤を示さず、この療法の安全性を実証した。
【0349】
まとめると、この実施例に示されるデータは、(1)HSVベースの遺伝子療法ベクターが関連性のある免疫担当動物モデルにおいてインビボでヒトラミニン-332サブユニットを首尾よく送達することができ、かつ(2)組換えヒトラミニン-332サブユニットが処理動物の表皮の適切な領域に局在したことを示す。理論に拘束されることを望むことなく、これらの前臨床研究が、ラミニン欠乏症(例えば、JEB患者におけるLAMB3欠乏症)の直接分子補正のための便利かつ安全で有効な遺伝子療法ベクターとしての操作されたHSVの使用を十分に支持すると考えられる。
【0350】
実施例3:ヒトフィラグリンをコードする修飾された単純ヘルペスウイルスベクターの生成
フィラグリンモノマーは、ケラチノサイトによって産生されるプロフィラグリン由来のタンパク質であり、ケラトヒアリン顆粒の主成分である。プロフィラグリンのフィラグリンモノマーへの変換は、セリンプロテアーゼによる脱リン酸化及びタンパク質分解により生じ、複数(典型的には10~12個)の活性フィラグリンモノマーを放出する。皮膚におけるプロフィラグリン/フィラグリン及び/またはプロフィラグリン-2/フィラグリン-2の発現の減少、ならびにフィラグリン(FLG)またはフィラグリン-2(FLG2)遺伝子における機能喪失変異等の皮膚バリアタンパク質の変化は、広範囲にわたるしばしば破壊的な効果を有する。FLG変異を有する患者において観察される皮膚透過性の増加により、アレルゲンへの経皮曝露が強化される。さらに、FLG変異は、増加したIgE血清レベル、減少した角質層水和、増幅された経表皮水分喪失(TEWL)、より高い皮膚pH、及び増加した皮膚炎症に関連する。実際には、機能喪失FLGまたはFLG2変異を有する患者は、皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、及び皮膚剥離症候群)及びアレルギー(例えば、鼻炎、ある特定の食物アレルギー、及びアレルギー性喘息)を発症するリスクがより高い。したがって、これらの感受性患者において観察されるフィラグリンまたはフィラグリン-2欠乏症の分子補正を目標とする新規の治療選択肢が明らかに必要とされている。
【0351】
いくつかの実施形態では、これら及び他の必要性を満たすために、その必要がある対象においてフィラグリン欠乏症を治療するのに有用なウイルス(例えば、ヘルペスウイルス)、薬学的組成物及び製剤、薬剤、及び/または方法における使用のための1つ以上のフィラグリンポリペプチドをコードする組換え核酸(例えば、組換えヘルペスウイルスゲノム)が本明細書に提供される。理論に拘束されることを望むことなく、本明細書に記載の組換え核酸、ウイルス、及び/または組成物のうちの1つ以上を投与することによって、その必要がある個体の1つ以上の細胞におけるフィラグリンレベルを増加させること、増強すること、及び/または補充することが、1)角質層を安定化する、及び/またはその産生を強化する、2)TEWLを減少させる、3)アレルゲンの経皮移入を阻害する、4)皮膚バリア欠損を軽減または治療する、及び/または5)皮膚疾患(例えば、アトピー性皮膚炎、尋常性魚鱗癬、皮膚剥離症候群等)の1つ以上の兆候または症状の予防的、姑息的、または治療的緩和を提供すると考えられる。
【0352】
標的哺乳類細胞(ヒトケラチノサイトまたは線維芽細胞等)においてフィラグリンポリペプチドを発現することができる修飾された単純ヘルペスウイルスベクターを作製するために、単純ヘルペスウイルスゲノム(図8A)を、最初に1つ以上の単純ヘルペスウイルス遺伝子を不活性化するように修飾する。かかる修飾は、哺乳類細胞におけるゲノムの毒性を減少させ得る。次に、これらの修飾/弱毒化された組換えウイルス構築物のバリアントを、それらが所望のフィラグリンポリペプチドをコードする1つ以上のポリヌクレオチドを有するように生成する。これらのバリアントには、1)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトフィラグリンポリペプチド(配列番号39)のコード配列(配列番号37)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4修飾HSV-1ゲノム(図8B)、2)各ICP4遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトフィラグリンポリペプチド(配列番号39)のコード配列(配列番号37)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図8C)、3)ICP22遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトフィラグリンポリペプチド(配列番号39)のコード配列(配列番号37)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22修飾HSV-1ゲノム(図8D)、4)UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトフィラグリンポリペプチド(配列番号39)のコード配列(配列番号37)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔUL41修飾HSV-1ゲノム(図8E)、及び5)UL41遺伝子座に組み込まれた異種プロモーターの制御下のヒトフィラグリンポリペプチド(配列番号39)のコード配列(配列番号37)を含む発現カセットを含む組換えΔICP4/ΔICP22/ΔUL41修飾HSV-1ゲノム(図8F)が含まれる。
【0353】
これらの修飾された単純ヘルペスウイルスゲノムベクターを、1つ以上のヘルペスウイルス遺伝子を発現するように修飾された操作されたVero細胞にトランスフェクトする。これらの操作されたVero細胞は、修飾されたゲノムを内部にパッケージングした複製欠損単純ヘルペスウイルスを細胞培養物の上清に分泌する。その後、上清を収集し、濃縮し、5μmフィルターに通して滅菌濾過する。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8-1】
図8-2】
図8-3】
【配列表】
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