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特許7560463マージモード動きベクトル候補を用いる改良されたイントラプラナー予測
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】マージモード動きベクトル候補を用いる改良されたイントラプラナー予測
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/105 20140101AFI20240925BHJP
   H04N 19/134 20140101ALI20240925BHJP
   H04N 19/139 20140101ALI20240925BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20240925BHJP
   H04N 19/593 20140101ALI20240925BHJP
【FI】
H04N19/105
H04N19/134
H04N19/139
H04N19/176
H04N19/593
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021540020
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 US2020013018
(87)【国際公開番号】W WO2020146697
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2023-01-10
(31)【優先権主張番号】62/791,448
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィナム、ラーフル
(72)【発明者】
【氏名】フ、ユーウェン
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/073360(WO,A1)
【文献】Luong Pham Van et al.,CE10-related: Inter-intra prediction combination,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 13th Meeting: Marrakech, MA, 9-18 Jan. 2019,JVET-M0096-v4,2019年01月10日,pp.1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00-19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオエンコードまたはビデオデコードのための方法であって、
レントブロックと隣り合う参照サンプルのセットを取得するステップと、
再構成されていない、参照サンプルの前記セットからの参照サンプルに対して、隣接ブロックから導出される動き情報に基づいて前記参照サンプルを予測するステップと、
照サンプルの前記セットからの参照サンプルのラインを少なくとも使用して、前記カレントブロックのイントラ予測を行うステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
参照サンプルの前記ラインは、前記カレントブロックと隣り合い、前記カレントブロックの端に沿って配列されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
参照サンプルの前記ラインは、前記カレントブロックの右端、前記カレントブロックの下端、前記カレントブロックの左端、および前記カレントブロックの上端のうちのいずれかに沿って配列されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
記隣接ブロックは、(1)前記カレントブロックが予測される時点でまだ再構成されていない、または(2)既知のブロック再構成順に従って前記カレントブロックの後に再構成される、のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うステップは、参照サンプルの別のラインを使用することをさらに含み、
その他のラインの前記参照サンプルは、前記カレントブロックと隣り合う任意の数の既に再構成されたブロックから選択される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うステップは、参照サンプルの別のラインを使用することをさらに含み、
その他のラインの前記参照サンプルは、前記カレントブロックと隣り合う別の隣接ブロックの動き情報を使用して予測され、
その他の隣接ブロックは、前記隣接ブロックとは異なるブロックである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うステップは、参照サンプルの前記ラインを使用して、平面イントラ予測モード、DCイントラ予測モード、および方向イントラ予測モードのうちのいずれかに従って、前記カレントブロックに対して予測サンプルを生成することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うステップは、インターおよびイントラ組み合わせモードに従って、別の予測信号に組み合わされる前記カレントブロックのイントラ予測を生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記カレントブロックの前記イントラ予測は、(1)ビデオエンコーダーであって、前記カレントブロックが、エンコードされているピクチャの一部である、ビデオエンコーダーと、(2)ビデオデコーダーであって、前記カレントブロックが、デコードされているピクチャの一部である、ビデオデコーダーとのうちのいずれかにおいて行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ビデオエンコードまたはビデオデコードのためのデバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサー
前記少なくとも1つのプロセッサーによって実行されると
レントブロックと隣り合う参照サンプルのセットを取得し、
再構成されていない、参照サンプルの前記セットからの参照サンプルに対して、隣接ブロックから導出される動き情報に基づいて前記参照サンプルを予測し、
照サンプルの前記セットからの参照サンプルのラインを少なくとも使用して、前記カレントブロックのイントラ予測を行う
ように前記デバイスにさせる命令を格納しているメモリと
を備えたことを特徴とするデバイス。
【請求項11】
参照サンプルの前記ラインは、前記カレントブロックと隣り合い、前記カレントブロックの端に沿って配列されることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
参照サンプルの前記ラインは、前記カレントブロックの右端、前記カレントブロックの下端、前記カレントブロックの左端、および前記カレントブロックの上端のうちのいずれかに沿って配列されることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
記隣接ブロックは、(1)前記カレントブロックが予測される時点でまだ再構成されていない、または(2)既知のブロック再構成順に従って前記カレントブロックの後に再構成される、のうちのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項14】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うことは、参照サンプルの別のラインを使用することをさらに含み、
その他のラインの前記参照サンプルは、前記カレントブロックと隣り合う任意の数の既に再構成されたブロックの中から選択される
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項15】
前記カレントブロックのイントラ予測を行うことは、参照サンプルの別のラインを使用することをさらに含み、
その他のラインの前記参照サンプルは、前記カレントブロックと隣り合う別の隣接ブロックの動き情報を使用して予測され、
その他の隣接ブロックは、前記隣接ブロックとは異なるブロックである
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項16】
参照サンプルの前記ラインは、上の参照ライン、下の参照ライン、左の参照ライン、または右の参照ラインのうちのいずれかであることを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項17】
前記カレントブロックがCUおよびサブCUのうちのいずれかであり、
前記CUおよび前記サブCUの各々は、それぞれピクセル数の高さおよび幅を有する
ことを特徴とする請求項10に記載のデバイス。
【請求項18】
前記CUはイントラCUであり、前記サブCUは、イントラサブCUであり、
前記イントラCUおよび前記イントラサブCUは、インターピクチャからである
ことを特徴とする請求項17に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信の分野に関し、より詳細には、新しい無線(new radio)および/または新しい無線(NR)アクセス技術および通信システムを用いて実行される通信を含む、先進のまたは次世代のワイヤレス通信システムにおける通信のための方法、装置、システム、アーキテクチャ、およびインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオ符号化(VC)システムは、デジタルビデオ信号を圧縮するのに、例えば、ストレージニーズ、および/または上記信号の伝送帯域幅を減らすのに用いられることがある。ビデオ符号化システムは、ブロックベース、ウェーブレットベース、およびオブジェクトベースのシステムを含むことがあり、ブロックベースのハイブリッドビデオ符号化システムは、広く用いられ展開されることがある。例えば、ブロックベースのビデオ符号化システムは、国際ビデオ符号化規格、例えば、ITU-T(国際電気通信連合-電気通信標準化部門)/SG16/Q.6/VCEG(Video Coding Experts Group)およびISO/IEC/MPEGのJCT-VC(Joint Collaborative Team on Video Coding)によって開発された、MPEG1/2/4 part2、H.264/AVC(MPEG-4 part 10 Advanced Video Coding)、VC-1、およびHEVC(High Efficiency Video Coding)[4]のようなMPEG(Motion Picture Experts Group)を含む。
【0003】
HEVCシステムは、標準化されており、例えば、HEVC規格の第1版は、前世代のビデオ符号化規格H.264/MPEG AVCと比較して(例えば、およそ50%の)ビットレートセービングおよび/または同等の知覚的品質を提供し得る。HEVC規格は、前のものを越えて大幅な符号化の改善を提供することがあるが、優れた符号化効率は、HEVCを介して追加の符号化ツールによって達成され得る。VCEGもMPEGも、将来のビデオ符号化標準化について新しい符号化技術の研究開発を開始した。例えば、符号化効率を提供する先進技術を研究するJVET(Joint Video Expression Team)を形成したITU-T VCEGおよびISO/IEC MPEGは、HEVCと比較されるように進歩する。さらに、JEM(Joint Expression Model)と呼ばれるソフトウェアコードベースは、将来のビデオ符号化の探求作業のために確立されている。JEM参照ソフトウェアは、JCT-VCによってHEVC用に開発されたHEVCテストモデル(HM)に基づいていた。どんな追加提案されるコーディングツールでも、JEMソフトウェアに統合され、JVET CTC(common test condition)を用いてテストされる必要があり得る。
【0004】
その上さらに、図面の同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】1つまたは複数の開示されている態様が実装されることがある例示的な通信システムのシステム図である。
図1B】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがある例示的なWTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)を例示するシステム図である。
図1C】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがある例示的なRAN(無線アクセスネットワーク)および例示的なCN(コアネットワーク)を例示するシステム図である。
図1D】一態様に係る図1Aに例示される通信システム内において用いられることがあるさらなる例示的なRANおよびさらなる例示的なCNを例示するシステム図である。
図2】ブロックベースのハイブリッドビデオエンコードシステムを例示する図である。
図3】ブロックベースのビデオデコーダーを例示する図である。
図4】イントラ予測モードを例示する図である。
図5】予測サンプルを取得するのに用いられる参照サンプルを例示する図である。
図6】イントラプラナー予測(intra-planar prediction)を例示する図である。
図7】隣接する空間的な候補の位置を例示する図である。
図8】ブロックを例示する図である。
図9】態様に係るCUを例示する図である。
図10】態様に係る下および右の参照ラインを決定することを例示する図である。
図11】態様に係るCUベースのスキームを例示する図である。
図12】態様に係る4個のサブブロックを有するCUを例示する図である。
図13】態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
図14】態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
図15】態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
図16】態様に係るプラナーマージモードフラグ(planar merge mode flag)をシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
図17】態様に係るCUベースのスキームに対してシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
図18】態様に係る適応的なスキームに対してシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
図19】態様に係る適応的なスキームに対してシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
図20】態様に係るイントラアンギュラー予測(intra angular prediction)を例示する図である。
図21】態様に係るイントラアンギュラー予測を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
態様の実装のための例示的なネットワーク
図1Aは、1つまたは複数の開示される態様が実装されることがある例示的な通信システム100を例示する図である。通信システム100は、例えば、音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのようなコンテンツを、複数のワイヤレスユーザーに提供するマルチプルアクセスのシステムであることがあり得る。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザーに、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、上記のコンテンツにアクセスできるようにすることがあり得る。例えば、通信システム100は、例えば、CDMA(符号分割多元接続)、TDMA(時分割多元接続)、FDMA(周波数分割多元接続)、OFDMA(直交周波数分割多元接続)、SC-FDMA(シングルキャリアFDMA)、ZT UW DTS-s OFDM(zero-tail unique-word DFT-Spread OFDM)、UW-OFDM(unique word OFDM)、リソースブロックフィルターされた(resource block-filtered)OFDM、FBMC(filter bank multicarrier)などのような1つまたは複数のチャネルアクセスの方法を採用することがあり得る。
【0007】
図1Aに示すように、通信システム100は、WTRU(ワイヤレス送信/受信ユニット)102a、102b、102c、102d、RAN104/113、CN106/115、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110、および他のネットワーク112を含むことがあり得るが、開示される態様は、いくつものWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワークエレメントを予想すると理解されるであろう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、ワイヤレス環境において動作するおよび/または通信するように構成されるどのタイプのデバイスであってもよい。例として、WTRU102a、102b、102c、102dは、いずれも、「局」および/または「STA」ということがあり、ワイヤレス信号を送信するおよび/または受信するように構成されることがあり、UE(ユーザー機器)、移動局、固定または移動の加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ページャー、セルラー電話、PDA(パーソナルデジタルアシスタント)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピューター、ワイヤレスセンサー、ホットスポットまたはMi-Fiデバイス、IoT(モノのインターネット)デバイス、腕時計または他のウェアラブル、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、車両、ドローン、医療用のデバイスおよびアプリケーション(例えば、遠隔手術)、工業用のデバイスおよびアプリケーション(例えば、工業のおよび/または自動化された処理チェーンのコンテキストにおいて動作するロボットおよび/または他のワイヤレスデバイス)、家電デバイス、商業および/または工業のワイヤレスネットワーク上に動作するデバイスなどを含むことがあり得る。どのWTRU102a、102b、102c、および102dをとっても、UEと交換可能にいうことがあり得る。
【0008】
さらに、通信システム100は、基地局114aおよび/または基地局114bを含むこともあり得る。基地局114a、114bの各々は、1つまたは複数の通信ネットワーク、例えば、CN106/115、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112などへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスにインターフェースするように構成されるどのタイプのデバイスであってもよい。例として、基地局114a、114bは、BTS(無線基地局装置)、Node-B、eNode B、ホームNode B、ホームeNode B、gNB、NR NodeB、サイトコントローラー、AP(アクセスポイント)、ワイヤレスルータなどであることがあり得る。基地局114a、114bは、各々、単一の要素として描かれる一方、基地局114a、114bは、相互接続された基地局および/またはネットワークエレメントをいくつでも含むことがあり得ると理解されるであろう。
【0009】
基地局114aは、さらに、他の基地局および/または、例えば、BSC(基地局制御装置)、RNC(無線ネットワーク制御装置)、中継ノードなどのようなネットワークエレメント(図示せず)を含むこともあり得るRAN104/113の一部であることがあり得る。基地局114aおよび/または基地局114bは、1つまたは複数のキャリア周波数上にワイヤレス信号を送信するおよび/または受信するように構成されることがあり、セル(図示せず)ということがあり得る。今述べた周波数は、許可されたスペクトル、許可されていないスペクトル、または許可されたスペクトルと、許可されていないスペクトルとの組合せであることがあり得る。セルは、相対的に固定されることがあり、またはやがて変化することがあり得る特定の地理的なエリアに対して、カバレッジをワイヤレスサービスに提供することがあり得る。さらに、セルは、セルのセクターに分割されることがあり得る。例えば、基地局114aに関連付けられたセルは、3つのセクターに分割されることがあり得る。したがって、一態様において、基地局114aは、3つのトランシーバー、すなわち、セルの各セクターに対して1つを含むことがあり得る。態様において、基地局114aは、MIMO(multiple-input multiple output)の技術を採用することがあり、セルの各セクターに対して複数のトランシーバーを利用することがあり得る。例えば、ビームフォーミングは、望ましい空間方向に信号を送信するおよび/または受信するために用いられることがある。
【0010】
基地局114a、114bは、適切な、どんなワイヤレス通信リンク(例えば、RF(無線周波数)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、IR(赤外線)、UV(紫外線)、可視光など)でもあることがあり得るエアインターフェイス116を介して、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信することがあり得る。エアインターフェイス116は、適切な、どのRAT(無線アクセス技術)を用いても確立されることがあり得る。
【0011】
より具体的には、上に述べたように、通信システム100は、マルチプルアクセスのシステムであることがあり、例えば、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどのような1つまたは複数のチャネルアクセススキームを採用することがあり得る。例えば、RAN104/113における基地局114a、およびWTRU102a、102b、102cは、例えば、WCDMA(wideband CDMA)を用いて、エアインターフェイス115/116/117を確立することがあり得るUTRA(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System) Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装することがあり得る。WCDMAは、例えば、HSPA(High-Speed Packet Access)および/またはHSPA+(Evolved HSPA)などの通信プロトコルを含むことがあり得る。HSPAは、HSDPA(High-Speed DL(Downlink) Packet Access)および/またはHSUPA(High-Speed UL Packet Access)を含むことがあり得る。
【0012】
態様において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、LTE(Long Term Evolution)および/またはLTE-A(LTE-Advanced)および/またはLTE-A Pro(LTE-Advanced Pro)を用いて、エアインターフェイス116を確立することがあり得る、例えばE-UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)などの無線技術を実装することがあり得る。
【0013】
態様において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、NR(New Radio)を用いてエアインターフェイス116を確立することがあり得る、例えばNRの無線アクセスなどの無線技術を実装することがあり得る。
態様において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、複数の 無線アクセス技術を実装することがあり得る。例えば、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、例えばDC(dual connectivity;デュアルコネクティビティ)の原理を用いて、LTEの無線アクセスおよびNR無線のアクセスをともに実装することがある。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェイスは、複数の種類の無線アクセス技術、および/または複数の種類の基地局(例えば、eNBおよびgNB)に/から送られる送信によって、特徴付けられることがあり得る。
【0014】
他の態様において、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、例えば、IEEE802.11(すなわち、WiFi(Wireless Fidelity))、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV-DO、IS-2000(Interim Standard 2000)、IS-95(Interim Standard 95)、IS-856(Interim Standard 856)、GSM(Global System for Mobile communications)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、GERAN(GSM EDGE)などのような無線技術を実装することがあり得る。
【0015】
図1Aにおける基地局114bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームNode B、ホームeNode B、またはアクセスポイントであることがあり、例えば、事業所、家庭、車両、キャンパス、工業施設、空中回廊(例えば、ドローンによる使用のための)、車道などのような局所的なエリアにおいてワイヤレス接続を容易にするのに適したどんなRATでも利用してよい。一態様において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WLAN(wireless local area network)を確立するために、例えばIEEE802.11などの無線技術を実装することがあり得る。態様において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、WPAN(wireless personal area network)を確立するために、例えばIEEE802.15などの無線技術を実装することがあり得る。さらに別の態様において、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するために、セルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用することがあり得る。図1Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有することがあり得る。したがって、基地局114bは、CN106/115を介してインターネット110にアクセスすることが要求されないことがあり得る。
【0016】
RAN104/113は、CN106/115と通信状態であることがあり、音声、データ、アプリケーション、および/またはVoIP(voice over internet protocol)サービスを、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に提供するように構成されるどのタイプのネットワークであってもよい。データは、例えば、異なるスループットの要件、待ち時間の要件、エラーの許容範囲の要件、信頼性の要件、データスループットの要件、モビリティの要件などのような様々なQoS(quality of service)の要件を有することがあり得る。CN106/115は、コール制御、料金請求サービス、モバイルロケーションベースサービス(mobile location-based service)、プリペイドコーリング、インターネット接続、ビデオ配信などを提供すること、および/または例えばユーザー認証などのハイレベルなセキュリティー機能を実行することがあり得る。図1Aに示さないが、RAN104/113および/またはCN106/115は、RAN104/113と同一のRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接または間接の通信状態にあることがあり得ると理解されるであろう。例えば、CN106/115は、NRの無線技術を利用していることがあり得るRAN104/113に接続されていることに加えて、さらに、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、またはWiFiの無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信状態にあることもあり得る。
【0017】
さらに、CN106/115は、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとしての役割を果たすこともあり得る。PSTN108は、POTS(plain old telephone service)を提供する回線交換の電話網を含むことがあり得る。インターネット110は、一般的な通信プロトコル、例えば、TCP(transmission control protocol)/IP(internet protocol)のインターネットプロトコルスイートにおけるTCP、UDP(user datagram protocol)、および/またはIPなどを使用する相互接続されたコンピューターネットワークおよびデバイスからなるグローバルシステムを含むことがあり得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークを含むことがあり得る。例えば、ネットワーク112は、RAN104/113と同一のRATまたは異なるRATを採用することがあり得る1つまたは複数のRANに接続される別のCNを含むことがあり得る。
【0018】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dのうちのいくつかまたはすべては、マルチモードの性能を含むことがあり得る(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、別個のワイヤレスリンクを介して別個のワイヤレスネットワークと通信するために複数のトランシーバーを含むことがあり得る)。例えば、図1Aに示すWTRU102cは、セルラーベースの無線技術を採用することがあり得る基地局114aと、およびIEEE802の無線技術を採用することがあり得る基地局114bと通信するように構成されることがあり得る。
【0019】
図1Bは、例示的なWTRU102を例示するシステム図である。図1Bに示すように、WTRU102は、数ある中でも、プロセッサー118、トランシーバー120、送信/受信エレメント122、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取り外しできないメモリー130、取り外し可能なメモリー132、電源134、GPS(グローバルポジショニングシステム)のチップセット136、および/または他の周辺機器138を含むことがあり得る。WTRU102は、態様に矛盾しないまま、上述の要素のどんな部分的な組合せ(sub-combination)でも含むことあり得ると理解されるであろう。
【0020】
プロセッサー118は、汎用プロセッサー、専用プロセッサー、従来型プロセッサー、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアとともに1つまたは複数のマイクロプロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他種類のIC(集積回路)のいずれか、ステートマシンなどであることがあり得る。プロセッサー118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入力/出力処理、および/またはWTRU102にワイヤレス環境において動作できるようにする他のどんな機能でも実行することがあり得る。プロセッサー118は、送信/受信エレメント122に結合することがあり得るトランシーバー120に結合されることがあり得る。図1Bは、プロセッサー118およびトランシーバー120を別々のコンポーネントとして描く一方、プロセッサー118およびトランシーバー120は、電子パッケージまたはチップにおいてともに統合されることがあり得ると理解されるであろう。
【0021】
送信/受信エレメント122は、エアインターフェイス116を介して、基地局(例えば、基地局114a)に対して信号を送信するまたは受信するように構成されることがあり得る。例えば、一態様においては、送信/受信エレメント122は、RF信号を送信するおよび/または受信するように構成されるアンテナであることがあり得る。態様において、送信/受信エレメント122は、例えば、IR信号、UV信号もしくは可視光信号を送信する、および/または受信するように構成されるエミッター/ディテクターであることがあり得る。さらに別の態様において、送信/受信エレメント122は、RFおよび光の信号の両方を送信するおよび/または受信するように構成されることがあり得る。送信/受信エレメント122は、ワイヤレス信号のどんな組合せでも送信するおよび/または受信するように構成されることがあり得ると理解されるであろう。
送信/受信エレメント122は、図1Bにおいて単一の要素として描かれるが、WTRU 102は、送信/受信エレメント122をいくつでも含むことがあり得る。より具体的には、WTRU102は、MIMOの技術を採用することがあり得る。したがって、一態様において、WTRU102は、エアインターフェイス116を介して、ワイヤレス信号を送信し受信するために、2つ以上の送信/受信エレメント122(例えば、複数のアンテナ)を含むことがあり得る。
【0022】
トランシーバー120は、送信/受信エレメント122によって送信されることである信号を変調するように、および送信/受信エレメント122によって受信される信号を復調するように構成されることがあり得る。上に述べたように、WTRU102は、マルチモードの性能を有することがあり得る。したがって、例えば、トランシーバー120は、WTRU102に、例えばNRおよびIEEE802.11などの複数のRATによって通信できるようにするために、複数のトランシーバーを含むことがあり得る。
【0023】
WTRU102のプロセッサー118は、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイユニットもしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイユニット)により、結合されることがありおよびユーザー入力データを受信することがあり得る。さらに、プロセッサー118は、ユーザーデータを、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128に出力することもあり得る。加えて、プロセッサー118は、適切な、どんなタイプのメモリーでも、例えば、取り外しできないメモリー130および/または取り外し可能なメモリー132などに対して、情報にアクセスしデータを格納することがあり得る。取り外しできないメモリー130は、RAM(random-access memory)、ROM(読み出し専用メモリー)、ハードディスク、または他のどんなタイプのメモリーストレージデバイスでも含むことがあり得る。取り外し可能なメモリー132は、SIM(subscriber identity module)カード、メモリースティック、SD(secure digital)メモリーカードなどを含むことがあり得る。他の態様において、プロセッサー118は、WTRU102に物理的に配置されない、例えば、サーバーまたはホーコンピューター(図示せず)などのメモリーに対して、情報にアクセスしデータを格納することがあり得る。
【0024】
プロセッサー118は、電源134から電力を受け取ることがあり、WTRU102におけるその他のコンポーネントへの電力を分配および/または制御するように構成されることがあり得る。電源134は、WTRU102に電力を供給するのに適したどのデバイスでもあってもよい。例えば、電源134は、1つまたは複数の乾電池(例えば、NiCd(ニッケルカドミウム)、NiZn(ニッケル亜鉛)、NiMH(ニッケル水素)、Li-ion(リチウムイオン)など)、太陽電池、燃料電池などを含むことがあり得る。
【0025】
さらに、プロセッサー118は、WTRU102の現在のロケーションに関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成されることがあり得るGPSチップセット136に結合されることもあり得る。GPSチップセット136からの情報に加えてまたは代わりに、WTRU102は、基地局(例えば、基地局114a、114b)からエアインターフェイス116を介して位置情報を受信する、および/または2つ以上の近隣の基地局から受信されている信号のタイミングに基づいてそのロケーションを決定することがあり得る。WTRU102は、態様に矛盾しないまま、適切な、どんな位置決定(location-determination)の方法を通じてでも位置情報を取得することがあり得るということが理解されるであろう。
【0026】
さらに、プロセッサー118は、追加の特徴、機能性、および/または有線接続もしくはワイヤレス接続を提供する1つまたは複数のソフトウェアモジュールおよび/またはハードウェアモジュールを含むことがあり得る他の周辺機器138に結合されることがあり得る。例えば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星トランシーバー、デジタルカメラ(写真および/またはビデオ用)、USB(ユニバーサルシリアルバス)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバー、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(frequency modulated)ラジオユニット、デジタルミュージックプレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザー、VR/AR(仮想現実および/または拡張現実)デバイス、アクティビティートラッカーなどを含むことがあり得る。周辺機器138は、1つまたは複数のセンサーを含むことがあり、センサーは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサー、磁力計、方位センサー、近接センサー、温度センサー、時間センサー、ジオロケーションセンサー(geolocation sensor)、高度計、光センサー、タッチセンサー、磁力計、気圧計、ジェスチャーセンサー、生体認証センサー、および/または湿度センサーのうちの1つまたは複数であることがあり得る。
【0027】
WTRU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)およびダウンリンク(例えば、受信用)の両方に関して特定のサブフレームに関連付けられた)信号のうちのいくつかまたはすべての送信および受信が並列および/または同時であることがあり得る全二重無線を含むことがあり得る。全二重無線は、ハードウェア(例えば、チョーク)か、プロセッサー(例えば、別々のプロセッサー(図示せず)、またはプロセッサー118による)による信号処理かのいずれかによる自己干渉を減らすおよびまたは実質的になくすための干渉管理ユニットを含むことがあり得る。態様において、WRTU102は、(例えば、UL(例えば、送信用)かダウンリンク(例えば、受信用)かのいずれかに関して特定のサブフレームに関連付けられた)信号のうちのいくつかまたはすべての送信および受信が半二重無線を含むことがあり得る。
【0028】
図1Cは、態様によるRAN104およびCN106を例示するシステム図である。上に述べたように、RAN104は、エアインターフェイス116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRAの無線技術を採用することがあり得る。さらに、RAN104は、CN106と通信状態にあることもあり得る。
【0029】
RAN104は、eNode-B160a、160b、160cを含むことがあり得るが、RAN104は、態様に矛盾しないまま、eNode-Bをいくつでも含むことがあり得ると理解されるであろう。eNode-B160a、160b、160cは、各々、エアインターフェイス116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するために1つまたは複数のトランシーバーを含むことがあり得る。一態様において、eNode-B160a、160b、160cは、MIMOの技術を実装することがあり得る。したがって、例えば、eNode-B160aは、WTRU102aに対して、ワイヤレス信号を送信するおよび/またはワイヤレス信号を受信するために複数のアンテナを使用することがあり得る。
【0030】
eNode-B160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられることがあり、無線リソース管理の決定、ハンドオーバーの決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリングなどを取り扱うように構成されることがあり得る。図1Cに示すように、eNode-B160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いに通信することがあり得る。
【0031】
図1Cに示すCN106は、MME(mobility management entity)162、SGW(サービングゲートウェイ)164、およびPDN(packet data network)ゲートウェイ(またはPGW)166を含むことがあり得る。上述の要素の各々は、CN106の一部として描かれる一方、今述べた要素のうちのいずれかが、CNオペレーター以外のエンティティーによって所有されるおよび/または運営されることがあり得るということが理解されるであろう。
【0032】
MME162は、S1インターフェースを介して、RAN104におけるeNode-B160a、160b、160cの各々に接続されることがあり、制御ノードとしての役割を果たすことがあり得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザーを認証すること、ベアラのアクティベーション/非アクティベーション、WTRU102a、102b、102cの初期の接続中に特定のサービングゲートウェイを選択することなどに対して責任があることがあり得る。MME162は、RAN104と、例えば、GSMおよび/またはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えに、制御プレーン機能を提供することがあり得る。
【0033】
SGW164は、S1インターフェースを介して、RAN104におけるeNode B160a、160b、160cの各々に接続されることがあり得る。一般に、SGW164は、ユーザーデータパケットを、WTRU102a、102b、102cに対して、ルーティングし転送することがあり得る。SGW164は、例えば、eNode B間ハンドオーバーの間にユーザープレーンを固定すること、DLデータがWTRU102a、102b、102cに利用可能なときページングをトリガーすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理し格納することなどのような他の機能を実行することがあり得る。
【0034】
SGW164は、WTRU102a、102b、102cと、IP対応デバイスとの間における通信を容易にするために、パケット交換ネットワーク、例えばインターネット110などへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することがあり得るPGW166に接続されることがあり得る。
【0035】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にすることがあり得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと、従来の地上通信線の通信デバイスとの間における通信を容易にするために、回線交換ネットワーク、例えばPSTN108などへのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することがあり得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間におけるインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IMS(IPマルチメディアサブシステム)サーバー)を含むことがあり、またはIPゲートウェイと通信することがあり得る。加えて、CN106は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される他の有線および/またはワイヤレスのネットワークを含むことがあり得る他のネットワーク112へのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することがあり得る。
【0036】
WTRUは、図1A図1Dにおいてワイヤレス端末として説明されるが、ある典型的な態様において、上記の端末は、通信ネットワークとの有線通信インターフェースを(例えば、一時的にまたは永久に)使用することがあり得ると予想される。
典型的な態様において、その他のネットワーク112は、WLANであることがあり得る。
【0037】
インフラストラクチャーのBSS(Basic Service Set)のモードにおけるWLANは、BSS用のAP(アクセスポイント)と、APに関連付けられた1つまたは複数のSTA(ステーション)とを有することがあり得る。APは、DS(配信システム)、またはBSSに出入りするトラフィックを搬送する別のタイプの有線ネットワーク/ワイヤレスネットワークに対するアクセスまたはインターフェースを有することがあり得る。BSSの外部から生じるSTAへのトラフィックは、APを通じて届くことがあり得て、STAへ配信されることがあり得る。STAからBSSの外部の宛先へ生じるトラフィックは、APへ送られて、それぞれの宛先へ配信されることがあり得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、発信元のSTAがトラフィックをAPに送ることがあり得て、APがトラフィックを送信先のSTAに配信することがあり得る場合に、APを通じて送られることがあり得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアのトラフィックと考えられる、および/またはいわれることがあり得る。ピアツーピアのトラフィックは、DLS(direct link setup)によって、発信元および送信先のSTA間に(例えば、の間でダイレクトに)送られることがあり得る。ある典型的な態様において、DLSは、802.11eのDLSまたは802.11zのTDLS(tunneled DLS)を使用することがあり得る。IBSS(Independent BSS)モードを用いるWLANは、APを有さないことがあり、IBSS内のまたはIBSSを用いるSTA(例えば、すべてのSTA)は、互いに直接通信することがあり得る。通信のIBSSモードは、本明細書においは、時には、通信の「アドホック」モードということがあり得る。
【0038】
動作の802.11acインフラストラクチャーモードまたは動作の同様のモードを用いるとき、APは、例えば、プライマリーチャネルなどの固定されたチャネル上にビーコンを送信することがあり得る。プライマリーチャネルは、固定された幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)、またはシグナリングにより動的に設定される幅であることがあり得る。プライマリーチャネルは、BSSの動作チャネルであることがあり、APとの接続を確立するためにSTAによって用いられることがある。ある典型的な態様において、CSMA/CA(搬送波感知多重アクセス/衝突回避)は、例えば、802.11システムに実装されることがあり得る。CSMA/CAに関し、APを含むSTA(例えば、あらゆるSTA)は、プライマリーチャネルを感知することがあり得る。プライマリーチャネルが、特定のSTAによって、感知される/検出される、および/または、ビジーであると決定されるならば、特定のSTAは、バックオフをすることがあり得る。1つのSTA(例えば、ただ1つのステーション)は、与えられたBSSにおいて、与えられたどんなときにでも送信することがあり得る。
【0039】
HT(高スループット)のSTAは、例えば、40MHz幅のチャネルを構成するために、20MHzのプライマリーチャネルと、隣り合う(adjacent)または隣り合わない20MHzのチャネルとの組み合わせによって、通信用に40MHz幅のチャネルを使用することがあり得る。
【0040】
VHT(Very High Throughput)のSTAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHzの幅のチャネルをサポートすることがあり得る。40MHzおよび/または80MHzのチャネルは、連続的な(contiguous)20MHzを組み合わせることによって構成されることがあり得る。160MHzのチャネルは、8つの連続的な20MHzのチャネルを組み合わせることによって、または80+80構成ということがあり得る2つの非連続的な(non-contiguous)80MHzのチャネルを組み合わせることによって、構成されることがあり得る。80+80構成に関し、データは、チャネルエンコーディングの後に、データを2つのストリームへと分割することがあり得るセグメントパーサー(segment parser)にすすむことがあり得る。IFFT(逆高速フーリエ変換)処理、および時間領域処理は、別々に、各ストリーム上において行われることがあり得る。ストリームは、2つの80MHzのチャネル上にマップされることがあり、データは、送信側のSTAによって送信されることがあり得る。受信側のSTAのレシーバーにおいて、上に述べた80+80構成に対する動作は、反転されることがあり、組み合わされたデータは、MAC(メディアアクセス制御)に送られることがあり得る。
【0041】
動作のサブの1GHzモードは、802.11afおよび802.11ahによってサポートされる。チャネルの動作帯域幅、およびキャリアは、802.11nおよび802.11acに用いられるのと比較して802.11afおよび802.11ahにおいて減らされる。802.11afは、TVWS(TVホワイトスペース)のスペクトルにおける5MHz、10MHz、および20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、TVWSでない(non-TVWS)スペクトルを用いる1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。典型的な態様によれば、802.11ahは、メータタイプ制御(Meter Type Control)/マシンタイプ通信(Machine-Type Communication)を、例えば、マクロカバレッジエリアにおけるMTCデバイスなどをサポートすることがあり得る。MTCデバイスは、ある程度の性能、例えば、ある程度のおよび/または制限された帯域幅用のサポート(例えば、サポートのみ)を含む制限された性能を有することがあり得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリー寿命を維持するために)しきい値を超えるバッテリー寿命を有するバッテリーを含むことがあり得る。
【0042】
複数のチャネル、およびチャネル帯域幅、例えば、802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどをサポートすることがあり得るWLANシステムは、プライマリーチャネルとして指定されることがあり得るチャネルを含む。プライマリーチャネルは、BSSにおいて、すべてのSTAによってサポートされる最大の共通の動作帯域幅に等しい帯域幅を有することがあり得る。プライマリーチャネルの帯域幅は、BSSにおいて動作しているすべてのSTAの中から、最小の帯域幅の動作モードをサポートするSTAによって設定および/または制限されることがあり得る。802.11ahの例において、たとえAP、およびBSSにおける他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅の動作モードをサポートしても、プライマリーチャネルは、1MHzモードをサポートする(例えば、サポートするだけの)STA(例えば、MTCタイプデバイス)に対して1MHz幅であることがあり得る。キャリアセンシングおよび/またはNAV(Network Allocation Vector;ネットワーク割当てベクトル)設定は、プライマリーチャネルの状態に依存することがあり得る。プライマリーチャネルが、例えば、APに送信している(1MHzの動作モードだけをサポートする)STAに起因してビジーであるならば、利用可能な全周波数帯域は、たとえ周波数帯域の大部分がアイドルのままであり利用可能であることがあっても、ビジーと考えられることがある。
【0043】
米国において、802.11ahによって用いられることがある利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzまでである。韓国において、利用可能な周波数帯域は、917.5MHzから923.5MHzまでである。日本において、利用可能な周波数帯域は、916.5MHzから927.5MHzまでである。802.11ahに利用可能な合計の帯域幅は、国コードによって、6MHzから26MHzまでである。
【0044】
図1Dは、態様によるRAN113およびCN115を例示するシステム図である。上に述べたように、RAN113は、エアインターフェイス116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにNRの無線技術を採用することがあり得る。さらに、RAN113は、CN115と通信状態にあることもあり得る。
【0045】
RAN113は、gNB180a、180b、180cを含むことがあり得るが、RAN113は、態様に矛盾しないまま、gNBをいくつでも含むことがあり得るということが理解されるであろう。gNB180a、180b、180cは、各々、エアインターフェイス116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するために1つまたは複数のトランシーバーを含むことがあり得る。一態様において、gNB180a、180b、180cは、MIMOの技術を実装することがあり得る。例えば、gNB180a、108bは、gNB180a、180b、180cに対して、信号を送信するおよび/または信号を受信するためにビームフォーミングを利用することがあり得る。したがって、例えば、gNB180aは、WTRU102aに対して、ワイヤレス信号を送信するために、および/またはワイヤレス信号を受信するために、複数のアンテナを使用することがあり得る。態様において、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーションの技術を実装することがあり得る。例えば、gNB180aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU102a(図示せず)に送信することがあり得る。今述べたコンポーネントキャリアのサブセットは、残りのコンポーネントキャリアが、許可されたスペクトラム上にあることがあり得る間、許可されないスペクトラム上にあることがあり得る。態様において、gNB180a、180b、180cは、CoMP(Coordinated Multi-Point)の技術を実装することがあり得る。例えば、WTRU102aは、gNB180aおよびgNB180b(および/またはgNB180c)から協調送信を受信することがあり得る。
【0046】
WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルなニューメロロジー(numerology)に関連付けられた送信を用いて、gNB180a、180b、180cと通信することがある。例えば、OFDMのシンボル間隔および/またはOFDMのサブキャリア間隔は、別個の送信、別個のセル、および/またはワイヤレス送信のスペクトルについての別個の部分に対して、変わることがあり得る。WTRU102a、102b、102cは、種々のまたはスケーラブルな長さのサブフレームまたはTTI(送信時間間隔)(例えば、様々な数のOFDMシンボルおよび/または永続的な様々な長さの絶対時間を含む)を用いて、gNB180a、180b、180cと通信することがある。
【0047】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロンの構成および/またはスタンドアロンでない構成において、WTRU102a、102b、102cと通信するように構成されることがあり得る。スタンドアロンの構成において、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eNode-B160a、160b、160cなど)にアクセスすることもなく、gNB180a、180b、180cと通信することがあり得る。スタンドアロンの構成において、WTRU102a、102b、102cは、gNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数を、モビリティアンカーポイント(mobility anchor point)として利用することがあり得る。スタンドアロンの構成において、WTRU102a、102b、102cは、許可されない帯域における信号を用いて、gNB180a、180b、180cと通信することがある。スタンドアロンではない構成において、WTRU102a、102b、102cは、例えば、eNode-B160a、160b、160cなどの別のRANと通信している/接続している間にも、gNB180a、180b、180cと通信する/接続することがあり得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、DCの原理を実装して、1つまたは複数のgNB180a、180b、180cおよび1つまたは複数のeNode-B160a、160b、160cと実質的に同時に通信することがあり得る。スタンドアロンではない構成において、eNode-B160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカーとして役割を果たすことがあり、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cにサービスを提供することに、追加のカバレッジおよび/またはスループットを提供することがあり得る。
【0048】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられることがあり、無線リソース管理の決定、ハンドオーバーの決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアルコネクティビティ、NRとE-UTRAとの間におけるインターワーキング、UPF(User Plane Function)184a、184bに対するユーザープレーンのデータのルーティング、AMF(Access and Mobility Management Function)182a、182bに対する制御プレーンの情報のルーティングなどを取り扱うように構成されることがあり得る。図1Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いに通信することがあり得る。
【0049】
図1Dに示すCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのSMF(セッション管理機能)183a、183b、およびことによるとDN(データネットワーク)185a、185bを含むことがあり得る。上述の要素の各々は、CN115の一部として描かれる一方、今述べた要素のうちのいずれかが、CNオペレーター以外のエンティティーによって所有されるおよび/または運営されることがあり得るということが理解されるであろう。
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介して、RAN113におけるg NB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続されることがあり、制御ノードとしての役割を果たすことがあり得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザーを認証すること、ネットワークスライシングに対するサポート(例えば、別個の要件を有する別個のPDUのセッションを取り扱うこと)、特定のSMF183a、183bを選択すること、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理などに対して責任があることがあり得る。ネットワークスライシングは、WTRU102a、102b、102cに利用されているサービスのタイプに基づいて、WTRU102a、102b、102c用のCNのサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって用いられることがある。例えば、別個のネットワークスライスは、例えば、超高信頼低遅延(URLLC)アクセスに依存するサービス、eMBB(enhanced massive mobile broadband)のアクセスに依存するサービス、MTC(マシンタイプ通信)のアクセスに関するサービスなどのような別個のユースケース(use case)に関して確立されることがあり得る。AMF162は、制御プレーン機能を、RAN113と、例えばLTE、LTE-A、LTE-A Proなどの他の無線技術および/または例えばWiFiなどの非3GPPアクセス技術を採用する他のRAN(図示せず)との間の切り替えに、提供することがあり得る。
【0050】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介して、CN115におけるAMF182a、182bに接続されることがあり得る。さらに、SMF183a、183bは、N4インターフェースを介して、CN115におけるUPF184a、184bに接続されることもあり得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択し制御し、UPF184a、184bを通るトラフィックのルーティングを構成することがあり得る。SMF183a、183bは、例えば、UEのIPアドレスを管理し割当てること、PDUのセッションを管理すること、ポリシーの実施(policy enforcement)およびQoSを制御すること、ダウンリンクデータ通知を提供することなどのような他の機能を実行することがあり得る。PDUのセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベースなどであることがあり得る。
【0051】
UPF184a、184bは、N3インターフェースを介してRAN113におけるgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続されることがあり、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、WTRU102a、102b、102cに、例えば、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供することがあり得る。UPF184、184bは、例えば、パケットをルーティングし転送すること、ユーザープレーンのポリシーを実施すること、マルチホームのPDUのセッションをサポートすること、ユーザープレーンのQoSを取り扱うこと、ダウンリンクのパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリング(mobility anchoring)を提供することなどのような他の機能を実行することがあり得る。
【0052】
CN115は、他のネットワークとの通信を容易にすることがあり得る。例えば、CN115は、CN115とPSTN108との間におけるインターフェースとしての役割を果たすIPゲートウェイ(例えば、IMS(IPマルチメディアサブシステム)サーバー)を含むことがあり、またはIPゲートウェイと通信することがあり得る。加えて、CN115は、他のサービスプロバイダによって所有されるおよび/または運営される他の有線および/またはワイヤレスのネットワークを含むことがあり得る他のネットワーク112へのアクセスを、WTRU102a、102b、102cに提供することがあり得る。一態様において、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェース、およびUPF184a、184bとDN(データネットワーク)185a、185bとの間におけるN6インターフェースを介するUPF184a、184bを通じて、ローカルなDN185a、185bに接続されることがあり得る。
【0053】
図1A~1D、および図1A~1Dに対応する説明の観点から、WTRU102a~d、基地局114a~b、eNode-B160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、および/または本明細書において説明される他のどのデバイス(複数可)をとっても、1つまたは複数に関連して、本明細書において説明される機能のうちの1つもしくは複数またはすべては、1つまたは複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行されることがあり得る。エミュレーションデバイスは、本明細書において説明される機能のうちの1つもしくは複数またはすべてをエミュレートするように構成される1つまたは複数のデバイスであることがあり得る。例えば、エミュレーションデバイスは、他のデバイスをテストするために、ならびに/またはネットワークおよび/もしくはWTRU機能をシミュレートするのに用いられることがある。
【0054】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境において、および/またはオペレーターのネットワーク環境において、他のデバイスの1つまたは複数のテストを実装するように設計されることがあり得る。例えば、1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスをテストするために、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として全体的にもしくは部分的に実装されているおよび/または展開されている間、1つもしくは複数のまたはすべての機能を実行することがあり得る。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として一時的に実装されている/展開されている間、1つもしくは複数のまたはすべての機能を実行することがあり得る。エミュレーションデバイスは、テスティングの目的のために別のデバイスに直接結合されることがあり、および/またはOTA(over-the-air)のワイヤレス通信を用いてテスティングを実行することがある。
【0055】
1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、有線および/またはワイヤレスの通信ネットワークの一部として実装されていない/展開されていない間、すべてを含む、1つまたは複数の機能を実行することがあり得る。例えば、エミュレーションデバイスは、1つまたは複数のコンポーネントのテスティングを実装するために、テスティングラボラトリーならびに/または展開されない(例えば、テスティングの)有線および/もしくはワイヤレスの通信ネットワークにおけるテスティングのシナリオにおいて利用されることがあり得る。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、テスト機器であることがあり得る。ダイレクトなRFカップリング(direct RF coupling)、および/または(例えば、1つもしくは複数のアンテナを含むことがあり得る)RF回路を介したワイヤレス通信は、データを送信するおよび/または受信するために、エミュレーションデバイスによって用いられることがある。
【0056】
詳細な説明
VVC(Versatile Video Coding:多用途ビデオ符号化)
VVC(Versatile Video Coding)は、(例えば、新しい、次世代の)ビデオ符号化規格である。例えば、VVCは、HEVCを超える能力を有するビデオ符号化規格を指し得る。研究は、HEVCを超えた約40%の圧縮効率ゲインを達成し得る、新しいビデオ符号化規格に関する標準ダイナミックレンジビデオコンテンツカテゴリに対して、行われている(例えば、第10JVET会議を参照)。上記の評価結果に基づいて、JVET(Joint Video Expert Team)は、VVCビデオ符号化規格の開発を始めた。さらに、VVCテストモデル(VTM)と呼ばれるリファレンスソフトウェアコードベースは、VVC規格のリファレンス実装を立証するために確立された。初期のVTM-1.0に関して、イントラ予測、インター予測、変換/逆変換および量子化/逆量子化、ならびにインループフィルタを含むほとんどの符号化モジュールは、既存のHEVCの設計に従うことがある(例えば、同じ、似ている、対応しているなどであり得る)。しかしながら、VVCは、1つのマルチタイプツリーベースのブロック分割構造がVTMにて使用され得ることにおいて、HEVCと異なることがある。
【0057】
図2は、ブロックベースのハイブリッドビデオエンコードシステムを例示する図である。
【0058】
図2を参照すると、ブロックベースのハイブリッドビデオエンコードシステム200は、包括的なブロックベースのハイブリッドビデオ符号化フレームワークであり得る。VVCは、例えば、HEVCと同様に、ブロックベースのハイブリッドビデオコーディングフレームワークを使用し得る(例えば、を有し得る、に基づき得る)。図2を参照すると、入力ビデオ信号202は、符号化単位(CU)に従って処理され得る。換言すれば、入力ビデオ信号は、ブロックごとに処理されることがあり、各ブロックは、CUといわれることがある。
【0059】
VTM-1.0の場合に、CUは、128x128ピクセルまでであり得る。さらに、VTM-1.0の場合に、CTU(coding tree unit)は、例えば、変わっていく局所的な特性に適応するために、四分木/二分木/三分木のいずれかに基づいて、CUに割ることがある。VTM-1.0と比べて、HEVCの場合に、ブロックは、四分木に基づいてのみ分割される。さらに、HEVCの場合は、例えば、CU、PU(prediction unit)およびTU(transform unit)を含む複数の分割単位のタイプについての概念を含む。VTM-1.0の場合に、(例えば、HEVCにて使われているような)複数の分割単位のタイプについての概念は、使用されないことがある(例えば、取り除かれることがある)。つまり、VTM-1.0の場合に、CU、PU(prediction unit)およびTU(transform unit)の分離がないことがある。VTM-1.0の場合に、各CUは、さらなる分割なしに、予測および変換のいずれかに対して(例えば、PUおよびTUの両方に対して)基本単位として(例えば、常に)用いられることがある。マルチタイプの木構造の場合に、(例えば、1つの)CTUは、(例えば、最初に)四分木構造(quad-tree structure)によって分割され得る。次に、各四分木リーフノードは、二分木構造および三分木構造のいずれかによって(例えば、さらに)分割され得る。
【0060】
図2を参照すると、空間予測260および/または時間予測262が行われ得る。空間予測(例えば、イントラ予測ともいわれる)は、同一のビデオピクチャ/スライスにおいて、既に符号化されている隣接ブロックのサンプル(例えば、参照サンプルともいわれる)のピクセルを用いてカレントビデオブロックを予測し得る。空間予測は、ビデオ信号に固有であり得る空間的な冗長性を減らすことがある。時間予測(例えば、インター予測または動き補償予測ともいわれる)は、既に符号化されたビデオピクチャから再構成されたピクセルを用いてカレントビデオブロックを予測し得る。時間予測は、ビデオ信号に固有であり得る時間的な冗長性を減らすことがある。与えられたCUに対する時間予測信号は、1つまたは複数の動きベクトル(MV)によってシグナリングされ得る(例えば、ふつうはされる)。MVは、カレントCUと時間的な参照との間の動きの量および方向のいずれかを示し得る。複数の参照ピクチャがサポートされている場合に、(例えば、1つの)参照ピクチャインデックスは、例えば、時間予測信号がそこから来る参照ピクチャストア264における参照ピクチャを特定するのに、追加として送られ得る。
【0061】
図2を参照すると、(例えば、エンコーダーにおいて配置される/行われる)モード決定280は、最良の予測モードを選ぶ(例えば、選択する、決定するなど)ことがある。例えば、空間予測および/または時間予測の後、モード選択は、レート歪み最適化メソッドに従って、最良の予測モードを決定するのに使用され得る。予測ブロックは、(例えば、次に、)カレントビデオブロック216から減算されることがあり、予測残差は、変換204を用いて無相関化されることがあり、量子化206されて、量子化された残差係数を生成し得る。量子化された残差係数は、逆量子化210され、逆変換212されて、再構成された残差を形成することがあり、(例えば、次に)予測ブロック226へ戻って加算されて、例えば、CUの再構成された信号を形成し得る。
【0062】
インループフィルタリング266(例えば、デブロッキングフィルタのような、さらなるインループフィルタリング)は、例えば、参照ピクチャストア264に入れられる前に、再構成されたCUに適用されることがあり、インループフィルタリングされた再構成サンプルは、将来のビデオブロックを符号化するのに使用され得る。出力ビデオビットストリーム220は、エントロピー符号化ユニット208へ、符号化モード(例えば、インターまたはイントラ)、予測モード情報、動き情報、および量子化された残差係数のいずれかを送ることによって形成され得る。エントロピー符号化ユニット208は、(例えば、さらに)符号化モード(例えば、インターまたはイントラ)、予測モード情報、動き情報、および量子化された残差係数のいずれかを圧縮しパックして、ビットストリームを形成することがある。
【0063】
図3は、ブロックベースのビデオデコーダーを例示する図である。
【0064】
図3を参照すると、(例えば、一般的な)ブロックベースのビデオデコーダー300は、ビデオビットストリーム302を受信する(例えば、リードする、入力されるなど)ことがある。ビデオビットストリーム302は、(例えば、最初に)アンパックされることがあり、エントロピーデコードユニット308にてエントロピーデコードされ得る。符号化モードおよび予測情報は、例えば、空間予測ユニット360(例えば、イントラ符号化の場合に)、または時間予測ユニット362(例えば、インター符号化の場合に)のいずれかに提供されて(例えば、送られて)、予測ブロックを形成し得る。
【0065】
残差変換係数は、例えば、逆量子化ユニット310および逆変換ユニット312のいずれかに提供されて(例えば、送られて)、残差ブロックを再構成し得る。予測ブロックおよび残差ブロックは、(例えば、次に)ブロック(例えば、加算器)326にて、いっしょに加算され得る。再構成されたブロックは、(例えば、さらに)参照ピクチャストア364に格納される前にインループフィルタリングを通って行くことがある。再構成されたビデオ(例えば、参照ピクチャストア364に格納される)は、ディスプレイデバイスを駆動するのに提供される(例えば、送り出される、用いられるなど)ことがある、または将来のビデオブロックを予測するのに用いられることがある。
【0066】
VTMの後続のバージョンにおいて、新しい符号化ツールは、次第に統合されている。例えば、色差を輝度から予測するための符号化モードは、VTMに含まれる。さらに、色差を輝度から予測するための技術は、調査中でもあり、以下に、さらに述べられる。
【0067】
イントラ予測
図4は、イントラ予測モードを例示する図である。
【0068】
VTMにおけるイントラ予測は、複数のアンギュラーモード(angular mode)(例えば、65個のモード)を含むことがあり、さらにノンアンギュラー(non-angular)プラナーモード(planar mode)およびノンアンギュラーDCモードのいずれかを含むこともある。ノンアンギュラープラナーモードもノンアンギュラーDCモードも、HEVCと同じであり得る。図4を参照すると、65個のアンギュラーモードのうち、33個のアンギュラーモードは、HEVCと同じであり、32個のアンギュラーモードは、HEVCのとは異なる(例えば、矢印付きの黒の実線によって描かれているように)。方向性モードといわれることがあるアンギュラーモードは、輝度および色差の両方のイントラ予測に対して、すべてのブロックサイズに適用され得る。正方形でないブロックの場合に、適応的に、いくつかの従来のアンギュラーモードは、広角のイントラ予測モードと取り替えられ得る。正方形でないブロックに対してDCモードを用いる場合に、より長い側のみが、平均の計算のために使用され得る。
【0069】
イントラプラナー予測(intra-planar prediction)
図5は、予測サンプルを取得するのに用いられる参照サンプルを例示する図である。
【0070】
プラナーモード(planar mode)は、次数1の予測を提供し得る。プラナーモードは、(例えば、本質的に)次数1の予測用であることがあり、例えば、図5に示されるように、例えば、上および左の参照サンプル(例えば、CUと隣り合う(adjacent)上および左に位置する参照サンプル)から導出されるバイリニアモデルを用いることによってブロックを予測し得る。プラナーモードの演算は、次の式1~式3に示されるように、2つの線形予測を計算すること、およびそれらを平均することを含み得る。
【0071】
【数1】
【0072】
【数2】
【0073】
【数3】
【0074】
図6は、イントラプラナー予測(intra-planar prediction)を例示する図である。
式1の予測動作は、図6の部分(a)に例示される。最も下の参照ライン(reference line)は、最も左下のサンプルR0,N+1を複製することによって取得される。最も上および下の参照ラインは、補間されて、式1を用いて予測サンプル
【0075】
【数4】
【0076】
を生成する。最も右の参照コラム(reference column)は、図6の部分(b)に示されるように、最も右上のピクセルR0,N+1を複製することによって生成される。式2における予測演算は、最も左および右の参照コラムの線形補間を含み、予測値
【0077】
【数5】
【0078】
を生成する。2つの予測値
【0079】
【数6】
【0080】
および
【0081】
【数7】
【0082】
は、式3におけるように平均され、(例えば、最終的な)予測ブロックを生成する。
【0083】
HEVCにおけるマージモード
図7は、隣接する空間的な候補の位置を例示する図である。
【0084】
HEVC規格において、マージモードにおける可能性のある候補のセットは、空間的な隣接する候補のうちの何個でも、(例えば1つの)時間的な隣接する候補、および生成される候補のうちの何個でもからなることがある。図7を参照すると、5個の空間的な候補の位置が示されている。
【0085】
マージ候補のリストは、5個の空間的な候補を(例えば、最初に)検査し、A1、B1、B0、A0、およびB2の順にリストに加えることによって構築されることがある。(例えば1つの)空間位置に置かれたブロックが、イントラ符号化のいずれかであり、カレントスライスの境界の外にある場合に、ブロックは、利用不可能として考えられることがある。例えば、候補が既存の候補と同じ動き情報を有するどんな冗長エントリでも、リストから(例えば、さらに)除外され、空間的な候補の冗長性を取り除くことがある。
【0086】
時間的な候補が生成され、マージ候補リストに含まれることがある。つまり、すべての妥当な空間的な候補をマージ候補のリストに含めた後、時間的な候補は、例えば、TMVP(Temporal Motion Vector Prediction)技法を用いることによって、同一位置の参照ピクチャにおいて同一位置のブロックの動き情報から生成され得る。加えて、HEVC規格において、マージ候補リストのサイズNは、5に設定され得る。マージ候補(例えば、空間的なおよび/または時間的な候補を含む)の数がNよりも大きい場合に、第1のN-1個の空間的な候補および時間的な候補のみが、リストに保有され得る。そうでないならば、マージ候補の数がNより小さい場合に、いくつかの組み合わされる候補および零の候補は、候補の数がサイズNに届くまで、候補リストに追加されることがある。
【0087】
サブブロックベース時間動きベクトル予測(SbTMVP)
VTM-1.0に対する最新版であるVTM-3.0は、SbTMVP(Subblock-based temporal motion vector prediction)メソッドを含む。TMVPメソッドと同様に、SbTMVPは、(1)例えば、動きベクトル予測を改良する、同一位置のピクチャにおける動き場、および(2)カレントピクチャにおけるCU用のマージモードを使用し得る。さらに、SbTMVPは、TMVPによって用いられるのと同じ同一位置のピクチャを使用することもある。しかしながら、(1)TMVPがCUレベルにて動きを予測するが、SbTMVPは、サブCUレベル(例えば、SbTMVPにおけるサブCUサイズが8×8に固定され得る)にて動きを予測する、および(2)TMVPが、同一位置のピクチャにおいて、同一位置のブロック(例えば、カレントCUに関係のある右下のブロックまたは中央のブロック)から時間的な動きベクトルをフェッチし得るという、SbTMVPがTMVPと異なる2つの主な側面がある。つまり、SbTMVPは、同一位置のピクチャから時間的な動き情報をフェッチする前に、動きシフトを適用することがある。上記の場合に、動きシフトは、カレントCUの空間的な隣接ブロックのうちの1つに属する動きベクトルから取得され得る。
【0088】
図8は、ブロックを例示する図である。
【0089】
図8を参照すると、SbTMVP処理は、次の2つのステップを用いて、カレントCU内のサブCUの動きベクトルを予測し得る。ステップ1:空間的な隣接部分(neighbor)(図7に示される)は、A1、B1、B0、およびA0の順に試験され、同一位置のピクチャを参照ピクチャとして使用する動きベクトルを有する第1の空間的な隣接ブロックは、遭遇され、および/または特定され、上記の動きベクトルは、動きシフトとして選択されて適用され、上記の空間的な隣接部分が、与えられたCUに対して存在しないならば、動きシフトは、(0,0)に設定される。図8の左半分によって例示されるシナリオにて、A1は、選択された動きシフトを提供する空間的な隣接ブロックである。ステップ2:動きシフト(例えば、ステップ1にて取得された)は、適用されて(例えば、カレントブロックの座標に加えられて)、同一位置のピクチャからサブCUレベルの動き情報(例えば、動きベクトルおよび参照インデックスを含む)を取得する。例えば、図8の右半分は、動きシフトがA1の動きに設定されると仮定することに基づいて、適用される動きを例示する。各サブCUの動き情報は、同一位置のピクチャにおける対応するブロックの動き情報を用いて導出される。
【0090】
同一位置のサブCUの動き情報が特定される場合に(例えば、上記の情報が特定されるとすぐに)、動き情報は、カレントサブCUの動きベクトルおよび参照インデックスに変換され得る。例えば、動き情報は、HEVCのTMVP処理と同様のやり方において変換されることがあり、ここで、時間運動スケーリングは、適用されて、時間運動ベクトルの参照ピクチャをカレントCUの参照ピクチャに整列させる。
【0091】
インターおよびイントラ組み合わせマージモード
インターおよびイントラ組み合わせマージモード(inter and intra combined merge mode)は、イントラ予測をマージインデックス予測(merge indexed prediction)と組み合わせる。マージCUの場合、真をシグナリングするフラグは、イントラモードが、イントラ候補リストから選択されなければならないことを示す。輝度成分に対して、イントラ候補リストは、DC、プラナー、水平、および垂直モードを含む4つのイントラモードから導出されることがあり、リストのサイズは、例えば、ブロック形状に従う3または4であり得る。
【0092】
CUの幅がCUの高さの2倍よりも大きい場合に、水平モードは、イントラモードリストから除外されることがあり、同様に、CUの高さがCUの幅の2倍よりも大きいとき、垂直モードは、イントラモードリストから除外され得る。イントラモードインデックスによって選択されたイントラ予測モードと、マージインデックスによって選択されたマージインデックス予測とは、(例えば、次に)加重平均を用いて組み合わせられる。DCモードまたは平面モードが選択される場合に、またはCBの幅もしくは高さが4より小さい場合に、等しい重みが選択され得る。色差成分に対して、ダイレクトモード(DM)は、追加のシグナリングなしに(例えば、常に)適用され得る。
【0093】
イントラプラナーモードにおいて、PU内のサンプルは、PUに接している最も左、右、上、および下の境界を含む、境界に沿った参照サンプルを用いて補間され得る。最も右および下の隣接するPUが未だにエンコードされていない場合に、関連する最も右および下の参照ラインは、利用可能ではない。代わりに、関連する最も右および下の参照ラインは、それぞれ、図6の部分(a)および(b)に示されるように、PUの最も右上および左下のサンプルをそれぞれ複製することによって予測され得る。上記の粗い近似は、質のよくない予測をもたらすことがあり、(例えば、それによって)全体にわたる圧縮性能に影響を与えることがあるという問題があり得る。
【0094】
プラナーマージモード
態様に従って、プラナーマージモードは、イントラプラナー予測およびインターマージモードのいずれかの特徴を含むことがある。態様に従って、例えば、インターピクチャにおいてイントラCUに対して改良されたイントラプラナー予測スキームが提供されて、圧縮性能を向上させ得る。態様に従って、インターピクチャにおいてイントラCUに対して改良されたイントラプラナー予測スキームは、前に、質のよくない予測をもたらし、圧縮性能に影響を与える粗い近似であった近似を向上させ得る。態様に従って、(例えば、与えられた)イントラCUの空間的な近傍からの動き情報は、使用されて、右および下の参照ラインを導出することがある。態様に従って、インターピクチャにおいて、今述べた時間的に導出された参照サンプルは、実際のサンプルと高い相関があり、例えば、イントラプラナー予測の正確度を向上させることがある。
【0095】
態様に従って、CUベースのスキーム、サブブロックベースのスキーム、および修正されたイントラプラナースキームのうちのいずれかが使用され、例えば、インターピクチャにおいてイントラプラナー予測の正確度を向上させることがある。態様に従って、1つまたは複数の参照ラインを導出するためのCUベースのスキームは、空間的な隣接部分からの動き情報を用いることを含み得る。態様に従って、サブブロックの1つまたは複数の参照ラインを導出するためのサブブロックベースのスキームは、SbTMVP処理から取得される動き情報を用いることを含み得る。態様に従って、修正イントラプラナースキームは、CUレベルまたはサブブロックレベルのいずれかにおいて、イントラプラナー予測のために、CUベースおよびサブブロックベースのスキームによって生成された(例えば、新しい)参照ラインを使用し得る。
【0096】
CUベースのアプローチ
図9は、態様に係るCUを例示する図である。図10は、態様に係る下および右の参照ラインを決定することを例示する図である。
【0097】
態様に従って、CUベースのスキームにおいて、イントラCUの右および下の参照ラインは、空間的な隣接部分の動き情報を用いて導出され得る。図9を参照すると、CUは、幅Wおよび高さHを有し得る。態様に従って、上および左の参照ラインは、本明細書にて上に説明されたように、イントラプラナーモードにおけるのと同様の(例えば、同じ)アプローチを用いて取得され得る。態様に従って、例えば、図9に示されるCUの下および右の参照ラインは、(1)下の参照ライン予測および(2)右の参照ライン予測を行うことに関して、以下に説明されるように予測され得る。
【0098】
態様に従って、下の参照ラインの予測の場合に、(例えば、最初に)左の候補A1の利用可能性が検査され、(例えば、次に)左下の候補A0の利用可能性が検査され得る。態様に従って、第1の利用可能な候補の動き情報が選択されることがあり、図10の部分(a)に示されるように、動き補償によってサイズW×(H+HB)のブロックを時間的に予測するために用いられることがあり、HBは、1以上であり得る。態様に従って、(H+1)行における水平ラインは、例えば、行が、インデックス1により始まる最も上の行からインデックスされることを仮定する場合に、最も下の参照ラインとして(例えば、次に)選択され得る。
【0099】
態様に従って、右の参照ラインの予測の場合に、(例えば、最初に)上の空間的な候補B1の利用可能性が検査されることがあり、(例えば、次に)最も右下の候補B0の利用可能性が検査され得る。態様に従って、第1の利用可能な候補の動き情報が選択されることがあり、図11の部分(b)に示されるように、動き補償によってサイズ(W+WR)×Hのブロックを時間的に予測するのに用いられることがあり、WRは、1以上であり得る。態様に従って、(W+1)行における垂直ラインは、例えば、列が、インデックス1により始まる最も左からインデックスされることを仮定する場合に、最も右の参照ラインとして選択され得る。
【0100】
態様に従って、利用可能であるA0、A1、B0、およびB1の候補がない場合に、次に、他の空間的な、および時間的なCUマージ候補が考えられ得る。態様に従って、利用可能であるCUレベルのマージ候補がない場合に、プラナーマージモードは、与えられたCUに対して無効にされることがある。態様に従って、1つ(例えば、ただ1つだけ)の候補が利用可能である(例えば、A1のみ)場合に、次に、候補がない参照ライン(例えば、最も右の参照ライン)は、利用可能な候補と同じ動き情報を使用し得る。態様に従って、プラナーマージモードは、上述の候補および左の候補がどれも利用不可能であるならば、無効にされ得る。例えば、A0およびA1が共に利用不可能である場合に、プラナーマージモードは、与えられたCUに対して無効にされることがある。態様に従って、利用可能な空間的な候補の検査をする順序が修正されることがあり、例えば、候補A0が、候補A1の前に検査され得る、および/または候補B0が、候補B1の前に検査され得る。
【0101】
図11は、態様に係るCUベースのスキームを例示する図である。
【0102】
態様に従って、別のCUベースのアプローチにおいて、動き導出される参照ラインは、エンコーダーによって適応的に選択され得る。例えば、態様に従って、あるCUに対して、エンコーダーは、選択されることがあり(例えば、決定することがあり、構成されることがありなど)、上に説明された上述の動き導出スキーム(motion derived scheme)を用いて最も右および下の参照ラインのいずれか(例えば、両方)を導出する。態様に従って、他のCUに対して、図11に例示されるように、エンコーダーは、参照ラインのうちの1つ(例えば、右の参照ライン)に対して動き導出(motion derivation)を使用することがあり、他方の参照ライン(例えば、下の参照ライン)を導出するためにイントラプラナーアプローチ(例えば、利用可能な参照サンプルの複製)を使用し得る。態様に従って、上記アプローチは、シグナリングを使用する(例えば、必要とする、要求する)ことがあり、(例えば、上記の、追加のなど)シグナリングに関する議論は、以下に、さらに見つけられ得る。
【0103】
態様に従って、上に説明されたインターおよびイントラ組み合わせマージモードの場合に、イントラモードの候補リストは、プラナーマージモードを含むように修正され得る。態様に従って、プラナーマージモードは、リストにおいて元のプラナーモードを取り替えることがある。態様に従って、イントラ候補の数が4未満である場合に、例えば、CUの寸法に起因して、プラナーマージモードは、例えば、元のプラナーモードを取り替えることなく、リストに追加され得る。態様に従って、上記の場合に、プラナーマージモードは、候補リストにおいて元のプラナーモードの後に設置されることがある。態様に従って、プラナーマージモードインデックスがシグナリングされる場合に、プラナーマージモード予測は、均等の重み付けおよび不均等の重み付けのいずれかを用いてマージインデックス予測と組み合わされ得る。
【0104】
サブブロックベースのアプローチ
図12は、態様に係る4個のサブブロックを有するCUを例示する図である。
【0105】
態様に従って、サブブロックベースのスキームにおいて、CUは、サブブロックからなることがあり、プラナー予測は、各サブブロックに対して行われ得る。態様に従って、各サブブロックに対するプラナー予測は、(例えば、最初に)その関連する右および下の参照ラインを決定することによって行われ得る。図12を参照すると、CUは、「A」、「B」、「C」、および「D」と表示してある、各々のサイズWS×HSの4個のサブブロックを有する(例えば、含む、からなるなど)ことがある。態様に従って、サブブロックのサイズは、VTMにおけるサブCUのサイズと同じである8×8に設定され得る。態様に従って、各サブブロックに対して、動き情報は、上に説明されたSbTMVP処理を用いて決定され得る。
【0106】
図13は、態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
【0107】
態様に従って、サブブロック「A」に対して、図13に示されるように、SbTMVP導出のサブブロック動き情報は、動き補償を用いてサイズ(WS+WR)×(HS+HB)のブロックを予測するために使用され得る。態様に従って、(例えば、次に)最も右および下の参照ラインは、それぞれ、例えば、図13に示されるように、予測されたブロックから(WS+1)列および(HS+1)行を選択することによって取得され得る。態様に従って、寸法WRおよびHBは、1以上であり得る。
【0108】
図14は、態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
【0109】
態様に従って、サブブロック「B」に対して、関連する右および下の参照ラインは、サブブロック「A」に関して上に説明したような処理と同様の処理に従って導出され得る。例えば、図14の部分(a)に示されるように、「A」によって使用されたのと同じ左の参照ラインは、サブブロック「B」に対して使用され得るが、しかしながら、上記の参照ラインは、「B」からずっと(例えば、さらに遠く)離れていることがある。態様に従って、例えば、左の参照ラインは、サブブロックの動き情報を用いて導出されることがあり、図14の部分(b)に示されるように、結果として生じる左の参照ラインは、サブブロック「B」と隣り合う(adjacent)。態様に従って、動き補償の間の上記の場合に、サイズ(WL+WS+WR)×(HS+HB)のより大きなブロックが取得されることがあり、左の参照ラインが(例えば、次に)選択され得る。
【0110】
図15は、態様に係るサブブロックの参照ラインを例示する図である。
【0111】
態様に従って、サブブロック「D」に対して、左および上の参照ラインは、図15の部分(a)に例示されるように、例えば、サブブロックからさらに遠く離れた位置される。態様に従って、例えば、左および上の参照ラインは、動き情報を用いて(例えば、さらに)導出されることがあることによって、図15の部分(b)に示されるように、サブブロックと隣り合う参照ラインに帰着する。
【0112】
態様に従って、CUおよびサブブロックベースのアプローチのいずれか(例えば、両方)に対してメモリーアクセス帯域幅を減らすために、プラナー予測に対して最も右および下の参照サンプルを導出するのに用いられる動きベクトルは、整数動き(integer motion)に丸められ得る。態様に従って、単方向予測(例えば、単方向予測のみ)は、例えば、インターマージ候補が双方向予測であるときでさえ、使用されて、(例えば、上記の)参照サンプルを生成し得る。別の例として、態様に従って、カレントピクチャに、より近い2つのリストにおける参照ピクチャは、動き補償のために選択され得る。上記の場合に、例えば、整数動きおよび単方向予測は、組み合わされて、さらにメモリー帯域を減らし得る。
【0113】
修正されたイントラプラナー予測
態様に従って、修正されたイントラプラナー予測は、例えば、最も右および下の参照サンプルが上に説明された態様に従って決定された後に行われ得る。態様に従って、CU内のサンプルは、次の式4~6に従うとして予測され得る。
【0114】
【数8】
【0115】
【数9】
【0116】
【数10】
【0117】
ここで、RightおよびBottomは、それぞれ、右および下の参照ラインである。式4~6における他の表記は、上に説明されたものと同じであり得る。
【0118】
新しいプラナーモード用のシグナリング
態様に従って、プラナーマージモードは、輝度成分に適用される(例えば、輝度成分のみに制限される)ことがある。態様に従って、プラナーマージモードは、輝度成分および色差成分の両方に適用されることがある。態様に従って、プラナーマージモードが輝度成分のみに制限される場合に、色差におけるダイレクトモード(DM)は、通常のプラナーモードを使用するのみであり得るが、関連する輝度ブロックは、プラナーマージモードを使用し得る。
【0119】
図16は、態様に係るプラナーマージモードフラグ(planar merge mode flag)をシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
【0120】
態様に従って、プラナーマージモードに関連付けられたフラグがシグナリングされ得る。態様に従って、プラナーマージモードに関連付けられたフラグは、条件が満たされる場合にシグナリングされ得る。例えば、図16を参照すると、プラナーマージモードフラグは、次の条件、(1)カレントスライスがインタースライス(PスライスまたはBスライス)である、(2)カレントCUがイントラCUである、(3)イントラモードがプラナーモードである、および(4)隣接する動き情報が利用可能であることのうちのいずれか(例えば、全て)が満たされることに従って(例えば、基づいて)、シグナリングされ得る。
【0121】
態様に従って、上に述べられたCUベースのスキームに対して、上の最後の条件(例えば、条件4)は、空間的な隣接する候補が利用可能であるかどうかを検査する(例えば、決定する)ことがある。態様に従って、上記の検査(例えば、決定)は、上の空間的な候補(例えば、B0またはB1の少なくとも1つ)、および左の空間的な候補(例えば、A0またはA1の少なくとも1つ)の両方が利用可能である場合に行われ得る。態様に従って、検査(例えば、決定)は、どんな(例えば、1つの)空間的な候補でも利用可能である場合に行われ得る。
【0122】
態様に従って、上に説明されたサブブロックベースのスキームに対して、最後の条件(例えば、条件4)は、妥当な動き情報がサブブロックの動き情報を導出するために利用可能であるかどうかを検査し得る。態様に従って、すべて上述の条件が満たされる場合に、プラナーマージフラグは、シグナリングされ得る。態様に従って、プラナーマージモードが有効である場合に、1に等しいCUレベルのフラグが、ビットストリームにおいてシグナリングされることがあり、そうでなければ0に等しいCUレベルのフラグが、ビットストリームにおいてシグナリングされ得る。
【0123】
図17は、態様に係るプラナーマージモードフラグ(planar merge mode flag)をシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
【0124】
態様に従って、CUレベルのフラグは、条件のいくつでも(例えば、図16に示された条件の数よりも多いまたは少ない)が満たされる場合にシグナリングされ得る。例えば、図17を参照すると、プラナーマージモードフラグは、3つの条件を満たすとすぐに送られ得る。
【0125】
図18は、態様に係るCUベースのスキームに対してシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
【0126】
態様に従って、CUベースのスキームは、上に説明された態様に従って、動き情報を用いて導出されるべき参照ラインを適応的に選択し得る。態様に従って、CUベースのスキームは、図18に示されるように、導出され得る(例えば、導出されるべき)右、下、または両方の参照ラインのうちのいずれかを示すのにシグナリングを使用する(例えば、必要とする、要求する)ことがある。態様に従って、今述べたCUベースのスキームは、シグナリングされ得るCUレベルのフラグの数を3に増やすことがある。
【0127】
図19は、態様に係る適応的なスキームに対してシグナリングするためのフローチャートを例示する図である。
【0128】
態様に従って、各CUに対して、エンコーダーは、例えば、レート歪みコストに基づいて、CUベースのアプローチおよびサブブロックベースのアプローチのいずれかを適応的に選択することがある。態様に従って、上記の適応的なスキームは、図19に示されるように、シグナリングされる追加のCUレベルフラグを使用する(例えば、必要とする、要求するなど)ことがある。態様に従って、フラグの1つの値(例えば、flag=1)がCUベースのアプローチを示すことがあり、フラグの他方の値(例えば、flag=0)がサブブロックベースのアプローチを示し得る。
【0129】
エンコーダーのおけるモード選択
態様に従って、常に、エンコーダーは、レート歪み(RD)コストを費やすイントラモードの選択の間、プラナーマージモードを候補として含むことがある。態様に従って、初めに、プラナーマージモードは、例えば、RDコストを用いてさらに比較されるべき候補モードのサブセットを選択するために、SATD(Sum of Absolute Transformed Difference)コストを用いて、他のイントラモードと比較され得る。上記の初期の候補選択処理(例えば、候補モードのサブセットの選択すること)の間、プラナーマージモードは、より高いSATDコストをもたらすことがあり、例えば、RDコストを用いるさらなるテスティングのために選択されないことがある。
【0130】
改良イントラアンギュラー予測
図20および21は、態様に係るイントラアンギュラー予測(intra angular prediction)を例示する図である。
【0131】
態様に従って、イントラアンギュラー予測に対して、上および/または左の参照ラインからのサンプルは、CU内のサンプルを予測するために用いられ得る。例えば、図20に示されるように、(例えば、ある)予測方向の場合に、CUにおけるサンプル「P」は、上の参照ラインにおける(例えば、からの)サンプル「X」を用いて予測され得る。より大きいCUの場合に、例えば、最も上および左の参照ラインからさらに遠く離れているので、最も右および下の境界により近いサンプルのイントラアンギュラー予測に対して、より低い正確度があり得る。態様に従って、右および下の参照ラインは、上に説明された態様に従って、図21に示されるように予測され得る。
【0132】
態様に従って、CUのおけるサンプルは、最も上/左の参照ラインに属するサンプルと、最も右/下の参照ラインに属するサンプルとの加重平均を行うことによって予測され得る。例示は、図21に提供される。例えば、態様に従って、サンプル「P」は、最も上の参照サンプル「X」と最も右の参照サンプル「R」とを加重平均することによって予測され得る。態様に従って、参照サンプル「R」の位置は、予測方向(例えば、選択された方向性イントラ予測モード)とサンプル「P」の位置とによって(例えば、に従って、に基づいてなど)決定され得る。参照サンプル「R」の位置が分数サンプル位置にある(例えば、を有する、であるなど)場合に、その値は、隣接する参照サンプルから補間され得る。態様に従って、「X」と「R」とを平均するために用いられる重みは、例えば、サンプル「P」からの相対的な距離に基づいて選択され得る、または等しい重みが選択され得る。態様に従って、本明細書に説明されるイントラアンギュラーモード(intra angular mode)は、アンギュラーマージモード(angular merge)といわれることもある。
【0133】
態様に従って、アンギュラーマージモードのためのシグナリングは、上に説明されたようなプラナーマージモードのためのシグナリングと同様であり得る。態様に従って、(例えば、アンギュラーマージモードをシグナリングするための)フラグは、次の条件、(1)カレントスライスがインタースライス(例えば、PスライスまたはBスライス)である、(2)カレントCUがイントラCUである、(3)イントラモードがアンギュラーモードである、および(4)隣接する動き情報が利用可能であることのうちのいずれか(例えば、を満たすこと)に従って、シグナリングされ得る。態様に従って、例えば、フラグは、アンギュラーマージモードが選択される場合に1に設定されることがあり、そうでないならばフラグは、0に設定される、または反対であることがある。
【0134】
態様に従って、シグナリングオーバーヘッドは、減らされ得る。態様に従って、アンギュラーマージモードは、より大きな、例えば、(例えば、ある)しきい値を超える幅および/または高さを有する、CUに適用され得る。態様に従って、アンギュラーマージモードを適用するためのしきい値は、予め決定されること、構成されること、算出されることなどがある。態様に従って、アンギュラーマージモードは、面積(例えば、幅に高さを乗じたもの)がしきい値を超えるCUに制限され得る。態様に従って、アンギュラーマージモードの適用を制限するためのしきい値は、予め決定されること、構成されること、算出されること、シグナリングされることなどがある。
【0135】
態様に従って、DCモードは、例えば、プラナーマージモードと同様に、隣接する動き情報から導出され得る右および下の参照ラインを用いて改良されることがある。態様に従って、DCモードの場合に、DC予測サンプルは、最も左、上、右、および下の参照ラインにおけるサンプルの平均であり得る。態様に従って、正方形ではないCUに対して、2つのより長い参照ライン(例えば、(1)上および下の参照ライン、または(2)左および右の参照ライン)の平均は、DC予測として使用され得る。
【0136】
結論
特徴および要素が特定の組み合わせにおいて上に述べられるが、当業者は、各特徴または要素が単独においてまたはその他の特徴および要素とのどの組み合わせにおいても用いられることが可能であることを理解するであろう。加えて、本明細書において説明される方法は、コンピュータープログラム、ソフトウェア、またはコンピューターまたはプロセッサーによる実行のためにコンピューター読み取り可能な媒体に組み入れられたファームウェアにおいて実装されることがある。非一時的なコンピューター読み取り可能な記録媒体の例は、制限しないが、ROM(described)、RAM(random access memory)、レジスター、キャッシュメモリー、半導体メモリーデバイス、例えば、内蔵ハードディスクおよび取り外し可能なディスクなどの磁気メディア、光磁気メディア、例えば、CD-ROMディスクおよびDVD(digital versatile disk)などの光メディアを含む。ソフトウェアに関連付けられたプロセッサーは、UE、WTRU、端末、基地局、RNC、またはどんなホストコンピューターにおいてでも、使用するための無線周波数トランシーバーを実装するために使用されることがある。
【0137】
さらにその上、上に説明された態様にて、処理プラットフォーム、コンピューティングシステム、コントローラー、ならびにプロセッサーを含む制約サーバーおよびランデブーポイント/サーバーを含む他のデバイスが顕著である。今述べたデバイスは、少なくとも1つの「CPU」(中央処理装置)およびメモリーを含み得る。コンピュータプログラミングの当業者の習慣にしたがって、演算または命令の作動および記号的な表現への言及は、種々のCPUおよびメモリーによって行われ得る。上記の作動および演算または命令は、「実行される」、「コンピューター実行される」、または「CPU実行される」といわれることがある。
【0138】
当業者であれば、作動および記号的に表現される演算または命令は、CPUによる電気信号の操作を含むことを理解するだろう。電気システムは、結果として生じる電気信号の変換または減少およびメモリシステムにおけるメモリー位置でのデータビットの維持を引き起こすことが可能であるデータビットを表すことによって、CPUの動作を、他の信号の処理も同様に、再構成するないしは別の方法により変える。データビットが維持されるメモリー位置は、データビットに対応する、またはデータビットを表す特定の電気的な、磁気的な、光学的な、または有機的な特性を有する物理的な位置である。例示的な態様が、上述のプラットフォームまたはCPUに限定されないこと、ならびに他のプラットフォームおよびCPUが、提供される方法をサポートし得ることは、理解されるべきである。
【0139】
さらに、データビットは、CPUによって読み取り可能な磁気ディスク、光ディスク、および他のどんな揮発性(例えば、「RAM」(Random Access Memory))または不揮発性(例えば、「ROM」(Read-Only Memory))の大容量ストレージシステムでも含むコンピューター読み取り可能な媒体に維持されることもある。コンピューター読み取り可能な媒体は、処理システムにおいて排他的に存在する、または処理システムに対してローカルまたはリモートであり得る複数の相互接続された処理システムの間に分配される、協働するまたは相互接続されたコンピューター読み取り可能な媒体を含み得る。典型的な態様が、上述のメモリーに限定されないこと、ならびに他のプラットフォームおよびメモリーが、説明される方法をサポートし得ることは、理解される。
【0140】
例示的な態様において、本明細書に説明される演算、処理などのいずれも、コンピューター読み取り可能な媒体に格納されたコンピューター読み取り可能な命令として実装され得る。コンピューター読み取り可能な命令は、モバイルユニット、ネットワークエレメント、および/または他のどんなコンピューティングデバイスでもプロセッサーによって実行され得る。
【0141】
システムの側面のハードウェアおよびソフトウェアの実装の間に残る区別はほとんどない。ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、一般的に(常にではないが、ある状況ではハードウェアおよびソフトウェアの選択が重要になり得ることにおいて)、コスト対効率のトレードオフを表す設計選択である。本明細書に説明される処理および/またはシステムおよび/または他の技術が達成され得ることによる種々の手段(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)があることがあり、好ましい手段は、処理および/またはシステムおよび/または他の技術が展開される状況により変わり得る。例えば、実装する者が、速さおよび正確度が最も重要であると決定するならば、実装する者は、主にハードウェアおよび/またはファームウェア手段のほうを選び得る。柔軟性が最も重要であるならば、実装する者は、主にソフトウェア実装のほうを選び得る。代替えとして、実装する者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアの組み合わせのほうを選び得る。
【0142】
上述の詳細な説明は、ブロック図、フローチャート、および/または例の使用を介して、デバイスおよび/または処理の種々の態様を述べた。上記のようにブロック図、フローチャート、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、上記のブロック図、フローチャート、または例内の各機能および/または動作は、個々におよび/または集合的に、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの実質的にどんな組み合わせによっても実装され得ることが、当業者には理解されるであろう。例として、適しているプロセッサーは、汎用プロセッサー、専用プロセッサー、従来型プロセッサー、DSP(digital signal processor)、複数のマイクロプロセッサー、DSPコアとともに1つまたは複数のマイクロプロセッサー、コントローラー、マイクロコントローラー、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ASSP(Application Specific Standard Product)、FPGA(Field Programmable Gate Array)回路、他のどんなタイプのIC(集積回路)でも、および/またはステートマシンを含む。
【0143】
特徴および要素が特定の組み合わせにおいて上に提供されるが、当業者は、各特徴または要素が単独においてまたはその他の特徴および要素とのどの組み合わせをとっても用いられることが可能であることを理解するであろう。本開示は、本出願に説明される特定の態様に関して限定されるべきではなく、種々の側面の例示として意図される。多くの修正および変形は、当業者には明らかであるように、その精神および範囲から逸脱することなくなされ得る。本出願の説明において使用されるいかなる要素、作動、または指示も、上記のように明示的に提供されない限り、本発明にとって決定的または本質的として解釈されるべきではない。本開示の範囲内の機能的に均等の方法および装置は、本明細書で列挙されるものに加えて、前述の説明から当業者には明らかであろう。上記の修正および変形は、添付の特許請求の範囲内に入ることが意図される。本開示は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の完全な範囲によってのみ限定されるべきである。本開示は、特定の方法またはシステムに限定されないことが理解されるべきである。
【0144】
さらに、本明細書において使用される用語は、特定の態様を説明する目的のためにのみ使用され、限定することを意図しないことも理解されるべきである。本明細書にて使用されている、本明細書にて言及されるとき、用語「ユーザー機器」および略語「UE」は、(i)例えば、説明された基盤など、ワイヤレス送信および/または受信ユニット(WTRU)、(ii)例えば、説明された基盤など、WTRUの多数の態様のいずれか、(iii)例えば、説明された基盤など、とりわけWTRUの一部またはすべての構造および機能性により構成されたワイヤレスの性能があるおよび/またはワイヤードの性能がある(例えば、つなぐことができる)デバイス、(iii)例えば、説明された基盤など、WTRUのより少ないすべての構造および機能性により構成されたワイヤレスの性能があるおよび/またはワイヤードの性能があるデバイス、または(iv)同類のものなどを意味することがある。例示的なWTRUの詳細、それは、本明細書において記載されるどんなWTRUでも表し得る。
【0145】
ある典型的な態様にて、本明細書に説明される主題のいくつかの部分は、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、FPGA(Field Programmable Gate Arrays)、DSP(Digital Signal Processor)、および/または他の統合されたフォーマットを介して実装され得る。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される態様の一部の側面が、全体または一部において、集積回路にて、1つまたは複数のコンピューターにおいて実行する1つまたは複数のコンピュータープログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステムにおいて実行する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサーにおいて実行する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサーにおいて実行する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、またはそれらの実質的などんな組み合わせとしてでも均等的に実装され得ること、ならびに回路を設計すること、および/またはソフトウェアおよびまたはファームウェアのコードを書くことは、本開示を踏まえた当業者の完全に技術内であることを認めるだろう。加えて、当業者は、本明細書に説明される主題のメカニズムが、いろいろなかたちのプログラム製品として配布されることがあること、および本明細書に説明される主題の例示的な態様が、実際に配布を実行するために用いられる特定のタイプの信号関係媒体に関係なく適用されることを理解するであろう。信号関係媒体の例として、限定されないが、次の、例えば、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピューターメモリーなどのような記録可能型媒体、ならびに例えば、デジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、ファイバー光ケーブル、導波管、ワイヤード通信リンク、ワイヤレス通信リンクなど)のような伝送型媒体を含む。
【0146】
本明細書に説明される主題は、異なる他の構成要素内に含まれた、または異なる他の構成要素と接続された、異なる構成要素を時々例示する。上記の描かれる構造が単なる例であること、および同一の機能性を達成する多くの他の構造が実際に実装され得ることは、理解されるべきである。概念的な意味において、同一の機能性を達成する構成要素のどんな配列でも、望ましい機能性が達成され得るように効果的に「関連」される。だからして、本明細書にて特定の機能性を達成するために組み合わされるどんな2つの構成要素でも、望ましい機能性が構造または中間構成要素に関係なく達成されるように互いに「関連付け」られるとして了解され得る。同様に、さらに、そう関連付けられたどんな2つの構成要素でも、望ましい機能性を達成するために互いに「動作可能に接続される」または「動作可能に連結される」とみなされることもあり、さらに、そう関連付けられる性能があるどんな2つの構成要素でも、望ましい機能性を達成するために互いに「動作可能に連結可能である」とみなされることもある。動作可能に連結可能の具体的な例は、物理的に嵌合可能なおよび/または物理的に相互作用する構成要素、および/またはワイヤレスに相互作用可能なおよび/またはワイヤレスに相互作用する構成要素、および/または論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能である構成要素を含むが限定されない。
【0147】
本明細書における実質的にいずれの複数形および/または単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈および/または適用に適切であるように、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へと転換することが可能である。種々の単数/複数の順列は、明確の目的ために本明細書において明示的に述べられ得る。
【0148】
一般に、本明細書にて、および特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体)にて用いられる用語が、一般に、「開いた」用語(例えば、用語「含んでいる」が「含んでいるが限定されない」と解釈されるべきであり、用語「有している」が「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、用語「含む」が「含むが限定されない」と解釈されるべきであるなど)として意図されることは、当業者によって理解されるだろう。提出される請求項の記載の特定の数が意図されるならば、上記の意図が請求項に明示的に記載され、上記の記載がなければ上記の意図が与えられないことは、当業者によってさらに理解されるだろう。例えば、ただ1つの項目のみが意図される場合、「単一の」または同様の言葉が使用され得る。理解することへの助けとして、次の添付の特許請求の範囲および/または本明細書における説明は、「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という前置きの語句の使用を含み、請求項の記載を提出し得る。しかしながら、上記の語句の使用は、同一の請求項が前置きの語句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」および例えば「a」または「an」のような不定冠詞を含む(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)ときでさえ、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の提出が上記の提出される請求項の記載を含むどんな特定の請求項でも、ただ1つの上記の記載だけを含む態様に限定することを意味すると解釈されるべきではない。同じことは、請求項の記載を提出するのに使用される定冠詞の使用に対して真を保持する。加えて、提出される請求項の記載の特定の数が明示的に記載される場合でさえ、当業者は、上記の記載が記載された数を少なくとも意味すると解釈されるべきであることを認めるであろう(例えば、他の修飾語を含まない「2つの記載」というただの記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。その上さらに、「A、B、およびCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が用いられる例において、一般に上記の構成は、当業者が慣例を理解する意味において意図される(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBあわせて、AおよびCあわせて、BおよびCあわせて、および/またはA、B、およびCあわせてなどを有するシステムを含むが限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した慣例が用いられる例において、一般に上記の構成は、当業者が慣例を理解する意味において意図される(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBあわせて、AおよびCあわせて、BおよびCあわせて、および/またはA、B、およびCあわせてなどを有するシステムを含むが限定されない)。明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにおいても、2つ以上の選択的な用語を与えるどんな選言的語および/または語句は、用語のうちの1つ、いずれかの用語、または両方の用語を含む可能性を想定すると理解されるべきであることは、当業者によってさらに理解されるだろう。例えば、語句「AまたはB」は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むと理解されるだろう。さらに、本明細書にて使用されている複数の項目および/または複数の項目の分類の記載によって後続される用語「のうちのいずれか」は、個々に、または他の項目および/または他の項目の分類と共同して、項目および/または項目の分類「のうちのいずれか」、「のいずれかの組み合わせ」、「のうちのいずれか複数」、および/または「のうちのいずれか複数の組み合わせ」を含むことが意図される。さらにその上、本明細書にて使用されている、用語「セット」または「グループ」は、零を含む項目のいくらでも含むことが意図される。加えて、本明細書にて使用されている、用語「数」は、零を含むどんな数でも含むことが意図される。
【0149】
くわえて、本開示の特徴または側面がマルクーシュ群(Markush group)に関して説明される場合、当業者は、さらにそれに関して、本開示がそれによってマルクーシュ群の元のどんな個々の元または部分群の元の部分群に関しても説明されることを認めるであろう。
【0150】
当業者によって理解されるように、いずれかおよびすべての目的に対して、例えば、書面による説明を提供することに関してなど、さらに、本明細書に開示されるすべての範囲は、いずれかおよびすべての可能性のある一部の範囲(subrange)およびそれらの一部の範囲の組み合わせも含む。記載されるどんな範囲でも、十分に説明されていること、および同一の範囲が2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに少なくとも等しく分解されることが可能であることとして容易に認められることが可能である。非限定の例として、本明細書にて述べられる各範囲は、下3分の1、中3分の1、および上3分の1などに容易に分解され得る。当業者によってさらに理解されるように、例えば、「まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」などのようなすべての言葉は、記載される数を含み、その後に上に述べたように一部の範囲に分解されることが可能である範囲を指す。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各々の個々の元を含む。ゆえに、例えば、1~3個のセルを有するグループは、1、2、または3個のセルを有するグループを指す。同様に、1~5個のセルを有するグループは、1、2、3、4、または5個のセルを有するグループを指すなどである。
【0151】
さらにその上、特許請求の範囲は、有効が述べられない限り、提供された順または要素に限定して読まれるべきではない。くわえて、どんな請求項においても用語「手段」の使用は、合衆国法典第35巻第112条第6項またはmeans-plus-functionクレーム形式を行使することを意図し、用語「手段」のないどんな請求項でもそのような意図はない。
【0152】
ソフトウェアに関連付けられたプロセッサーは、ワイヤレス送信受信ユニット(WTRU)、ユーザー機器(UE)、端末、基地局、MME(Mobility Management Entity)もしくはEPC(Evolved Packet Core)、またはどんなホストコンピューターにおいても、使用のための無線周波数トランシーバーを実装するのに使用され得る。WTRUは、ソフトウェア無線(SDR)を含むハードウェアおよび/またはソフトウェア、ならびに例えば、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカーフォン、振動デバイス、スピーカー、マイク、テレビトランシーバー、ハンズフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(商標登録)モジュール、FM(周波数変調)ラジオユニット、NFC(Near Field Communication)モジュール、LCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイユニット、OLED(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイユニット、デジタルミュージックプレーヤー、メディアプレーヤー、ビデオゲームプレーヤーモジュール、インターネットブラウザー、および/またはWLAN(Wireless Local Area Network)もしくはUWB(Ultra Wide Band)モジュールなどの他のコンポーネントにおいて実装されるモジュールと組み合わせて使用され得る。
【0153】
本発明は、通信システムに関して説明されたが、システムは、マイクロプロセッサー/汎用コンピューター(図示せず)のソフトウェアにおいて実装され得ることが想定される。ある態様にて、種々の構成要素の機能のうちの1つまたは複数が、汎用コンピューターを制御するソフトウェアにおいて実装され得る。
【0154】
くわえて、本発明は、特定の態様に関して本明細書に例示され説明されるが、本発明は、示された詳細に限定されることを意図しない。むしろ、種々の変更は、特許請求の範囲の均等物の範囲および領域内において、および本発明から逸脱することなく詳細に行われ得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21