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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】統合型生物学的封じ込めセルソーター
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1429 20240101AFI20240925BHJP
   B01L 1/00 20060101ALI20240925BHJP
   G01N 15/14 20240101ALI20240925BHJP
【FI】
G01N15/1429 200
B01L1/00 C
G01N15/14 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021576478
(86)(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 US2020039493
(87)【国際公開番号】W WO2020264075
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-06-16
(31)【優先権主張番号】62/866,759
(32)【優先日】2019-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/910,538
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ガリー リンカーン ティー
(72)【発明者】
【氏名】フォックス ダニエル エヌ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドフェイン アンジェラ エル
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-004583(JP,A)
【文献】特表平09-504733(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0127167(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0099262(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0267321(US,A1)
【文献】米国特許第03895570(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/14~15/1492
B01L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーターであって、
密閉されていない、前記統合型生物学的封じ込めセルソーターの主筐体と、
前記主筐体内に配設された、投入サンプル区域と、
前記主筐体のアクセス開口内を移動する、前記主筐体内の可動仕切りであって、前記可動仕切りが前記アクセス開口内で移動させられるときに、前記可動仕切りは前記アクセス開口の一定量の区域を覆い、それが、前記可動仕切りが前記アクセス開口内を移動させられるとき、前記可動仕切りによって覆われておらず、かつ開放している、前記アクセス開口の一定量の区域を残す、可動仕切りと、
前記主筐体から空気を引き込み、前記可動仕切りが前記アクセス開口内で移動されられるときに実質的に一定である、第1の低圧を前記主筐体内に生成する第1の送風機であって、これにより、前記主筐体内の汚染された空気が前記主筐体から逃げるのを制限する、第1の送風機と、
前記主筐体内に配設された、密閉されていないエアロゾル管理封じ込め区域であって、前記エアロゾル管理封じ込め区域は、前記主筐体に連結された開口を有し、それによって、前記エアロゾル管理封じ込め区域が前記第1の低圧に配設され、前記第1の低圧を受け、前記エアロゾル管理封じ込め区域は、試料セルを包有する液滴流を生成するノズル、前記液滴流を偏向された流に分離する仕分けプレート、および前記偏向された流を収集する収集媒体を有する、エアロゾル管理封じ込め区域と、
前記エアロゾル管理封じ込め区域から空気を引き込み、前記エアロゾル管理封じ込め区域内に、前記第1の低圧よりも低い第2の低圧を生成する第2の送風機であって、これにより、前記主筐体からの空気を前記主筐体から前記エアロゾル管理封じ込め区域に流し、汚染された空気が前記エアロゾル管理封じ込め区域から前記主筐体内に流れるのを制限する、第2の送風機と、
前記主筐体および前記エアロゾル管理封じ込め区域の外部に配置された、光学励起装置であって、前記主筐体または前記エアロゾル管理封じ込め区域にアクセスすることなく、前記光学励起装置へのアクセスを可能にする、光学励起装置と、を備える、統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター。
【請求項2】
前記可動仕切りが、スライド可能な窓である、請求項1に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項3】
前記光学励起装置が、レーザおよび励起光学系を備える、請求項1に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項4】
検出器光学系、光学フィルタ、タイミングおよび充電回路、ならびに仕分け論理コントローラが、前記主筐体の外部に配置されている、請求項3に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項5】
流体工学的機器が、前記主筐体の外部に配置されている、請求項3に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項6】
前記流体工学的機器が、シース液コントローラおよびノズル洗浄装置を備える、請求項5に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項7】
前記主筐体の主作業区域に隣接し、かつ前記第1の送風機の上流に配置された第1のHEPAフィルタであって、それによって、前記送風機が清浄な空気を循環させかつ汚染されない、第1のHEPAフィルタと、
前記エアロゾル管理封じ込め区域に隣接し、かつ第2の送風機の上流に配置された第2のHEPAフィルタであって、それによって、前記第2の送風機は汚染されずに前記エアロゾル管理封じ込め区域から空気を除去し、前記空気は前記第2のHEPAフィルタによって洗浄され、前記第2の送風機は清浄な空気を排気口へ移動させる、第2のHEPAフィルタと、をさらに備える、請求項2に記載の統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーター
【請求項8】
統合型生物学的封じ込めセルソーターにセルを包有する方法であって、
仕分けされる試料セルの投入区域を包有する主筐体封じ込め区域を提供することと、
前記主筐体から空気を引き込み、前記筐体の外部から空気を引き込む、第1の送風機を使用して、前記主筐体内に第1の低圧を発生させることと、
エアロゾル管理封じ込め区域の開口を通して前記主筐体および前記エアロゾル管理封じ込め区域から空気を引き込み、前記エアロゾル管理封じ込め区域内に、前記第1の低圧よりも低い第2の低圧を生成させる第2の送風機を使用して、前記主筐体に配設された前記エアロゾル管理封じ込め区域内に、前記第2の低圧を発生させることと、
密閉されていない前記主筐体に投入セルサンプルを封入することと、
密閉されていないエアロゾル管理封じ込め区域内に、ノズル、仕分けプレート、収集媒体、および前記ノズルによって生成された液滴流を封入することと、
光学励起装置の調整およびメンテナンスのために容易にアクセスできるようにするため、前記主筐体および前記エアロゾル管理封じ込め区域の外部に前記光学励起装置を配置することと、を含む、方法。
【請求項9】
前記主筐体の外部に光学励起装置を配置する前記方法が、前記主筐体の外部にレーザおよびレーザ光学系を配置することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
検出器光学系、光学フィルタ、タイミングおよび充電回路、取得電子機器、および仕分け論理コントローラを前記主筐体の外部に配置することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記主筐体の外部に流体工学的機器を配置することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記流体工学的機器を前記主筐体の外部に配置する前記方法が、
前記主筐体の外部にシース液コントローラおよびノズル洗浄装置を配置することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
可動仕切りがアクセス開口内を移動させられるときに、前記アクセス開口の一定量の区域が、前記可動仕切りによって覆われず、これにより、前記可動仕切りが前記アクセス開口内で移動させられるときに、前記第1の低圧が一定のままであるように、前記アクセス開口の区域を覆う前記主筐体の前記アクセス開口内の前記可動仕切りを使用することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記可動仕切りは透明であり、前記可動仕切りが上部位置にあるときに、前記主筐体の下部へのアクセスを可能にするように移動し、前記可動仕切りがより低い位置にあるときに、前記主筐体の上部へのアクセスを可能にするように移動する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記外部の空気および前記第1の送風機の上流の前記主筐体からの前記空気を濾過することであって、それによって前記第1の送風機が汚染されないようにし、前記第1の送風機からの圧力下の空気が、汚染なしに前記統合型生物学的封じ込めセルソーター内を循環できる清浄な空気であるようにする、濾過することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の送風機の上流の前記エアロゾル管理封じ込め区域から引き込まれた空気を濾過することであって、それによって前記第2の送風機が汚染されないようにし、前記第2の送風機からの圧力下の清浄な空気が、前記統合型生物学的封じ込めセルソーターを通って送られ、汚染なしに排出される、濾過することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
セルソーターフローサイトメーターは、重要な実験室ツールとなっている。セルソーターは、特定の種類の生体細胞を識別し、それらの細胞を他の細胞から分離することができる。セルソーターの商業的使用もいくつかの産業で実装されている。実験室用途で様々な種類の細胞を識別かつ区分けするなど、セルソーターには他にも多くの使用法がある。よって、セルソーターには様々でかつ多様な使用法および用途がある。
【発明の概要】
【0002】
したがって、本発明の一実施形態は、統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーターを備えてもよく、統合型生物学的封じ込めセルソーターフローサイトメーターは、密閉されていない、統合型生物学的封じ込めセルソーターの主筐体と、主筐体内に配設された、投入サンプル区域と、主筐体のアクセス開口内を移動する、主筐体内の可動仕切りであって、可動仕切りがアクセス開口内で移動させられるときに、可動仕切りはアクセス開口の一定量の区域を覆い、それが、可動仕切りがアクセス開口内を移動させられるとき、可動仕切りによって覆われておらず、かつ開放している、アクセス開口の一定量の区域を残す、可動仕切りと、主筐体から空気を引き込み、可動仕切りがアクセス開口内で移動されられるときに実質的に一定である、第1の低圧を主筐体内に生成する第1の送風機であって、これにより、主筐体内の汚染された空気が主筐体から逃げるのを制限する、第1の送風機と、主筐体内に配設された、密閉されていないエアロゾル管理封じ込め区域であって、エアロゾル管理封じ込め区域は、主筐体に連結された開口を有し、それによって、エアロゾル管理封じ込め区域が第1の低圧に配設され、第1の低圧を受け、エアロゾル管理封じ込め区域は、試料セルを包有する液滴流を生成するノズル、液滴流を偏向された流に分離する仕分けプレート、および偏向された流を収集する収集媒体を有する、エアロゾル管理封じ込め区域と、エアロゾル管理封じ込め区域から空気を引き込み、エアロゾル管理封じ込め区域内に、第1の低圧よりも低い第2の低圧を生成する第2の送風機であって、これにより、主筐体からの空気を主筐体からエアロゾル管理封じ込め区域に流し、汚染された空気がエアロゾル管理封じ込め区域から主筐体内に流れるのを制限する、第2の送風機と、主筐体およびエアロゾル管理封じ込め区域の外部に配置された、光学励起装置であって、主筐体またはエアロゾル管理封じ込め区域にアクセスすることなく、光学励起装置へのアクセスを可能にする、光学励起装置と、を備える。
【0003】
したがって、本発明の別の実施形態は、統合型生物学的封じ込めセルソーター内にセルを包有する方法を含んでもよく、方法は、仕分けされる試料セルの投入区域を包有する主筐体封じ込め区域を提供することと、主筐体から空気を引き込み、筐体の外部から空気を引き込む、第1の送風機を使用して、主筐体内に第1の低圧を発生させることと、エアロゾル管理封じ込め区域の開口を通して主筐体およびエアロゾル管理封じ込め区域から空気を引き込み、エアロゾル管理封じ込め区域内に、第1の低圧よりも低い第2の低圧を生成させる第2の送風機を使用して、主筐体に配設されたエアロゾル管理封じ込め区域内に、第2の低圧を発生させることと、密閉されていない主筐体に投入セルサンプルを封入することと、密閉されていないエアロゾル管理封じ込め区域内に、ノズル、仕分けプレート、収集媒体、およびノズルによって生成された液滴流を封入することと、光学励起装置の調整およびメンテナンスのために容易にアクセスできるようにするため、主筐体およびエアロゾル管理封じ込め区域の外部に光学励起装置を配置することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】統合型生物学的封じ込めセルソーターの一実施形態の様々な部分を示す、概略側面断面図である。
図2】ノズル室および仕分け室、ならびに統合型生物学的封じ込めセルソーターの実施形態の様々な他の部分を含む、図1のエアロゾル管理システム(AMS)の概略図である。
図3図2のノズル室および仕分け室を示す、より詳細な側面断面図である。
図4図2および図3のノズル室および仕分け室を示す、統合型生物学的封じ込めセルソーターの実施形態の詳細な正面図である。
図5図1図4に示す統合型生物学的封じ込めセルソーターの実装態様の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図1は、統合型生物学的封じ込めシステム100の一実施形態の概略図である。このシステムは、主筐体封じ込めシステム101、ならびに、まとめてエアロゾル管理システム(AMS)149と称される、エアロゾル管理システム室140、AMS吸気ダクト138、AMS HEPAフィルタ141、AMS送風機144、およびAMS排気ダクト147から構成される。エアロゾル管理システム(AMS)149は、主筐体封じ込めシステム101に包有されるか、またはそれに連結される。主筐体封じ込めシステム101もエアロゾル管理システム(AMS)149も、密封されたシステムではない。むしろ、それらは、主筐体封じ込めシステム101内の送風機122、およびエアロゾル管理システム(AMS)149内のAMS送風機144による空気の移動に依拠して、低圧を生成し、それによって、有害かつ有毒な物質が、これらの封じ込めシステムのそれぞれの外部に広がらないようにする。例えば、第1の低圧は、送風機122が、作業区域104からの空気、および空気流116として示されている、主筐体封じ込めシステム101の外部からの空気の両方を抽出する結果として、主筐体封じ込めシステム101の作業区域104内に生成される。このようにして、潜在的に有毒または危険物質が存在することがある作業区域104に第1の低圧が生成される。送風機122が作業区域104を通して十分な空気を引き寄せることができる限り、危険物質は、作業区域104から主筐体封じ込めシステム101の外部の区域に逃げることはない。危険物質は主に試料セルを包有するエアロゾルとして存在する。試料セルはシース液と混合され、ノズル146を通される。通常、ノズルは、液滴流155(図2)に分解するノズル流153(図2)を生成する。ノズルが詰まると、試料セルを包有するエアロゾルが生成される可能性がある。また、ノズル流153または液滴流155が硬い面に当たった場合、エアロゾルが生成され得る。エアロゾルは、吸入または摂取してはならない試料セルを包有している。例えば、試料セルはがん細胞であり得る。
【0006】
図1にも示すように、送風機122によって引き込まれた空気は、最初に、試料セルなどの危険物質を除去するためのHEPAフィルタ120を通過する。その結果、送風機122によって引き込まれる空気は清浄な空気であり、送風機は汚染されていない。送風機122は、清浄な空気を陽圧下の再循環ダクト108に押し通し、これもまた清浄なままである。再循環ダクト108および再循環プレナムは、それらが清浄な空気を包有しているので、それらが陽圧下にあるとしても、密封される必要はない。送風機122からの空気の一部は、排気126によって示されているように、排気口110から外へ排出される。同時に、再循環空気124によって示されているように、送風機122からの空気の一部が再循環される。そのため、再循環ダクト108は、陽圧下で清浄な空気を循環させ、清浄な空気は、陽圧下で再循環プレナム102内に再循環され、一方残りの空気は、排気口110から外へ排出される。再循環ダクト108および再循環プレナム102内の再循環された空気は陽圧下にあり、よって、これらのダクトから外気または統合型生物学的封じ込めシステム100の他の部分に漏れることがある。陽圧下の空気は清浄な空気であるため、多くの他の封じ込めシステムとは異なり、汚染の問題はない。再循環プレナム102内の再循環された空気は、空気流整流器128を通過する。空気流整流器128は、再循環された空気を、乱流の少ない実質的に均一な層流空気流130として作業区域104に流入させる開口を有する装置である。乱流が少ないことにより、下向きの均一な空気量を維持できるため、筐体の内側からの汚染物質がユーザアクセス開口から逃げるのを防ぎ、筐体の外部からの汚染物質が筐体内にある製品に付着するのを防ぐ。
【0007】
エアロゾル管理システム室140は、図1にも示すように、主筐体封じ込めシステム101に連結する開口を有する。エアロゾル管理システム(AMS)149は、別個のAMS HEPAフィルタ141および別個のAMS送風機144を有する。AMS送風機144は、仕分け室131に連結されているAMS吸気ダクト138から空気を引き込む。エアロゾル管理システム室140は、開口によって主筐体封じ込めシステム101に連結されているので、エアロゾル管理システム室140は、主筐体封じ込めシステム101内で維持されている第1の低圧に既にある。AMS送風機144は、エアロゾル管理システム(AMS)149内の圧力を、作業区域104の第1の低圧から第1の低圧よりも低い第2の低圧にさらに低下させる。ノズル室ドア136が開かれるか、または仕分け室ドア132が開かれると、エアロゾル管理システム室140内の第2の低圧は、主筐体封じ込めシステム101の第1の低圧と等しくなる。そのように、主筐体封じ込めシステム101およびエアロゾル管理システム室140の圧力が、ノズル室ドア136または仕分け室ドア132のいずれかが開かれた結果として等しくなると、空気は最初に主筐体封じ込めシステム101からエアロゾル管理システム室140に流れ、そしてそれは、エアロゾルがエアロゾル管理システム室140から逃げるのを防ぐ。しかしながら、圧力が等しくなると、エアロゾル管理システム室140から主筐体封じ込めシステム101へのエアロゾルの移動があり得る。その結果、ノズル室ドア136または仕分け室ドア132のいずれかを開く前に、ノズル146が閉鎖され、AMS送風機144が、エアロゾル管理システム室140からすべてのエアロゾルを排気するために、しばらくの間、速度を上げて作動される。作動中、ノズル室ドア136および仕分け室ドア132が閉じられた状態で、エアロゾル管理システム室140内の第2の低圧空気は、AMS吸気口135およびAMS吸気口137およびAMS吸気口160において、主筐体封じ込めシステム101の作業区域104から空気を引き込む。言い換えれば、ノズル室ドア136および仕分け室ドア132が閉じられている間、エアロゾル管理システム室140内の第2の低圧は作業区域104内の第1の低圧よりも低いので、第1の低圧にある作業区域104内の主筐体封じ込めシステム101からの空気は、エアロゾル管理システム室140内に引き込まれる。再び、これは、AMS送風機144がエアロゾル管理システム室140から、AMS吸気ダクト138を介し、AMS HEPAフィルタ141を通して空気を外部環境に引き込む結果である。AMS HEPAフィルタ141によって濾過され、AMS送風機144によって引き込まれた清浄な空気は、AMS排気ダクト147を通って排気口110に排出される。したがって、エアロゾル管理システム(AMS)149は、主筐体封じ込めシステム101と同様の封じ込めシステムであるだけでなく、エアロゾル管理システム室140は空気吸気口によって主筐体封じ込めシステム101に連結されて、第2の低圧を生成し、このことによって、エアロゾル管理システム室140および作業区域104にある危険物質が統合型生物学的封じ込めシステム100から逃げることが二重に困難になる。
【0008】
図1にさらに示すように、エアロゾル管理システム室140は、危険な粒子を産出するセルソーターの部分を封入し、かつ危険な粒子を産出しないセルソーターの部分を封入しないように注意深く構築されており、封じ込め区域のサイズを最小化し、その結果、セルソーター用の統合型生物学的封じ込めシステム100のサイズを最小化する。図1に示すように、ノズル室134は、サンプル液143およびシース液145が供給されるノズル146を包有する。ノズル146は、サンプル液143およびシース液145からノズル流153(図2)を生成し、これは、インテロゲーションポイント148を通過し、光学取り付けプレート150中の開口152を通過する。サンプル143は、危険物質、例えば、ノズル146が詰まったときにエアロゾル形態で分散し得る危険なセルを包有し得るので、ノズル146は、危険なエアロゾルがエアロゾル管理システム室140から逃げるのを防ぐために、ノズル室134内に含まれる。光学取り付けプレート150は、ノズル室134を仕分け室131から分離する。開口152は、インテロゲーションされた液滴流155(図2)が光学取り付けプレート150を通過して仕分けプレート154に到達することを可能にする。次に、インテロゲーションポイント148でインテロゲーションされた液滴流155(図2)の各液滴は、仕分けプレート154によって分離される。次に、偏向された液滴流156は、収集媒体158によって収集される。これについては、2013年10月15日にFoxらに発行された米国特許第8,557,587号により詳細に説明されており、それが開示および教示しているすべてのことについては、参照により本明細書に具体的に組み込まれている。
【0009】
主筐体封じ込めシステム101は、主に、主筐体封じ込めシステム101の外部の周囲の空気からサンプル投入区域107(図5)を封じ込めるために使用される。サンプル投入区域107は、主筐体封じ込めシステム101の下部に配置されている。サンプルは、作業区域104の一部であるサンプル投入区域107に設置される。サンプルは、バイオハザード物質を含み得る。それらは、最初に、本明細書に開示されている生物学的封じ込めセルソーターシステムから独立している大型の専用のバイオセーフティ筐体などの保護された区域で調製される。セルサンプルを水に懸濁し、次に蓋をすることにより、大型の専用のバイオセーフティ筐体から取り出されて本発明の統合型生物学的封じ込めセルソーターに移送される際の、セルサンプルの汚染のリスクを低減する。これにより、統合型生物学的封じ込めセルソーターへの移送中にこれらのセルサンプルがさらされる可能性のある不要な異物による汚染のリスクが低減される。セルは水に懸濁しているため、ユーザが誤って曝露するリスクは非常に低くなる。サンプル培地の蓋を取り外しても、セルはエアロゾル形態ではなく水に懸濁しているため、ユーザが曝露するリスクは低くなる。ただし、サンプルが誤って目または口に飛び散ることによる曝露のリスクを低減するために、ユーザは保護メガネおよび手袋を着用する必要がある。ユーザが、蓋がされたサンプル管をサンプル投入区域107に設置すると、管は、サンプル投入区域内の清浄な環境で蓋が外され得るため、サンプルの汚染の可能性は非常に低い。次に、管をサンプル投入容器に設置し、それにより仕分け工程を開始できる。
【0010】
したがって、図1に示す主筐体封じ込めシステム101は、サンプル投入区域107内に危険なセルを包有し得る。透明なスライド式サッシ窓を備え得る仕切り114は、仕切り114がアクセス開口115の上部位置にあるときに、操作者が仕分け室ドア132を通して、サンプル投入区域および仕分け室131に容易にアクセスし、図1に示すように、サンプル投入区域107(図5)でサンプルを挿入および取り出すことを可能にする。仕切り114は、アクセス開口115のより低い位置に移動させられて、操作者がノズル室ドア136を通してノズル室134に直接アクセスできるようにすることができる。送風機122は、アクセス開口が仕切り114によって部分的にしか覆われていない場合でも、作業区域104内の低圧を維持するのに十分に強い。仕切り114は、アクセス開口115で単に上下に移動することができる。したがって、仕切り114によってアクセス開口115において閉鎖または遮断される区域の大きさ、およびアクセス開口115において開放されかつ仕切り114によって閉鎖または遮断されない区域の大きさは、仕切り114がアクセス開口115のどこに設置されていても変化しない。言い換えれば、仕切り114がアクセス開口115のどこに配置されていても、アクセス開口115と同じ大きさの開放区域が存在する。図1に示すように、仕切り114が上位置に配置されるとき、アクセス開口115に特定数の平方インチの開口が存在する。仕切り114が下向きに移動させられると、仕切り114は一定のサイズを有し、アクセス開口115は一定のサイズを有するので、アクセス開口115の開放区域の大きさは一定のサイズ、すなわち同じ数の平方インチの開口を有する。このようにして、送風機122によって移送される空気の量は、仕切り114がどこに配置されていても同じままであり、作業区域104内で一定の第1の低圧をやはり維持することができる。一実施形態では、送風機122は、毎分約100フィートの空気を、ユーザアクセス開口115を通して作業区域104内に移動させる。機能的には、統合型生物学的封じ込めセルソーターシステムは、筐体内を通って移動する空気の速度に基づいている。統合型生物学的封じ込めセルソーターは密封されたシステムではないため、封じ込めを維持するために空気の速度は十分に速くなければならない。作動中、鉄格子118に入る空気の、空気の速さは、封じ込めを維持するための適切な速度を確保するために測定される。送風機122は、鉄格子118を通過する空気量が、主筐体封じ込めシステム101内の危険な物質の封じ込めを維持するのに十分であるように作動するように設計されている。
【0011】
図2は、エアロゾル管理システム(AMS)149の一部を示す概略図である。図2は、エアロゾル管理システム室140内に包有されるセルソーターの一部を具体的に示している。ノズル186、および連結管は、ノズル室134内に配置されている。仕分けプレート176、収集管182、184は、仕分け室131内に配置されている。開口174は、液滴流155が、光学取り付けプレート150(図3)を通ってノズル室134から仕分け室131に流れることを可能にする。図2は、エアロゾル管理システム室140を構成している、ノズル室134および仕分け室131内に配置されている主要な構成要素を示している。図2はまた、主筐体封じ込めシステム101を概略的に示している。図2に示すように、ノズル186および連結ホースはノズル室134内に配置されている。シース液容器170は、シース液ホース171を介してノズル186に移送されるシース液を包有する。シース液ホース171は、主筐体封じ込めシステム101およびエアロゾル管理システム室140の壁を通過する。シース液ホース171と、主筐体封じ込めシステム101の壁およびエアロゾル管理システム室140の壁との間の封じ込めシールは、シース液ホース171に気密シールを提供する封じ込めシールではない。むしろ、主筐体封じ込めシステム101およびエアロゾル管理システム室140の両方が低圧を有し、主筐体封じ込めシステム101およびエアロゾル管理システム室140への内向きの空気流を引き起こすので、より安価で取り付けがより容易なシールを使用することができる。サンプル液ホース173についても同じことが当てはまる。
【0012】
図2にも示すように、エアロゾル管理システム室140は、仕分けプレート、収集管182、184、および偏向された液滴流156を取り囲んでいる。ノズル室134および仕分け室131、ならびにこれらの2つの室間の開口174は、エアロゾル管理システム室140を構成している。ノズル186、開口174、仕分けプレート176、および収集管182、184は、エアロゾル管理システム室140内に包有される主要な機能的構成要素である。サンプル投入区域107(図5)に設置されたサンプル液容器172は、エアロゾル管理システム室140ではなく、主筐体封じ込めシステム101に通じている。シース液容器170、励起光学系162、前方散乱検出器180、および側方散乱検出器178は、好ましくは、すべて、主筐体封じ込めシステム101の外部に配置される。側方散乱光経路168および前方散乱光経路166は、図4に示すように、光学窓を通して光をそれぞれ側方散乱検出器178および前方散乱検出器180に投射する。他の電子機器およびコントローラ、ならびにレーザは、好ましくは、主筐体封じ込めシステム101の外部に配置される。例えば、それが開示および教示しているすべてのことについては参照により本明細書に具体的に組み込まれている、米国特許第8,557,587号に開示されているように、タイミングおよび充電回路、仕分け論理コントローラ、光学フィルタ、検出器、取得電子機器、ならびに本明細書でまとめてセルソーター電子機器および光学装置として定義される他の電子回路および装置は、メンテナンスおよび調整のために容易にアクセスできるように、すべて主筐体およびエアロゾル管理封じ込め区域の外部に配置されることが好ましい。言い換えれば、セルソーター電子機器および光学装置は、好ましくは、容易にアクセスされる区域に配置され、主筐体封じ込めシステム101またはエアロゾル管理システム室140内の汚染された区域へのアクセスを必要としない。その結果、励起光学系162、側方散乱検出器178、および前方散乱検出器180には、好ましくは、生物学的封じ込め区域にアクセスすることなく容易にアクセスすることができる。典型的には、これらの装置は調整が必要であり、汚れた区域または生物学的封じ込め区域に入る必要なしにこれらの装置にアクセスできることから、システムのスピードと維持が大幅に向上する。
【0013】
メンテナンスを容易にし、封じ込めシステムのサイズを縮小する上で最も重要なことは、励起光学系162を主筐体封じ込めシステム101およびエアロゾル管理システム149の外部に配置することである。励起光学系162は、励起レーザ、またはLED、光学的ポンピングプラズマ光発生器、アークランプ、もしくは他の励起光学系などの他の励起光学系を含む。光学系は、様々なミラー、ビームコンバイナ、レンズなどを含む。したがって、本発明は、一実施形態によれば、主筐体の外部に配置された励起光学系162と、主筐体101およびエアロゾル管理システム室140の内部に配置された、側方散乱検出器178、前方散乱検出器180、および他の装置などの他の部分と、を単に有することができる。しかしながら、側方散乱検出器178および前方散乱検出器180などの光学的検出装置はまた、本発明の別の実施形態によって、図2に示すように、励起光学系162とともに主筐体101の外部に配置され得る。本発明の第3の実施形態として、シース液容器170、シース液に関連する様々なポンプなどの流体工学はまた、エアロゾル管理システム室140、または主筐体封じ込めシステム101のいずれかの外部に、個別にまたは集合的に、配置され得る。言い換えれば、機器の様々な組み合わせを主筐体101および/またはエアロゾル管理システム室140の外部に配置して、アクセスし易さを高め、様々なシステムのメンテナンスの容易さを高め、また封じ込め区域のサイズを低減することができる。
【0014】
さらに、ノズルおよび連結ホースのみがノズル室134内にあり、仕分けプレート176および収集管182、184が仕分け室内にあるように特別に構築された統合型システムを作成することにより、主筐体封じ込めシステム101の容積は大幅に減少する。多くのセルソーターシステムは、非常に大きく、かつかさばる封じ込めフード内に単に設置される。例えば、封じ込めフードは典型的には、高さは約9フィートで、幅は6または7フィートであり得る。本発明の特定の構成要素のみを封入することにより、封じ込め区域を大幅に縮小することができ、統合型生物学的封じ込めシステム100の全体的なサイズも大幅に縮小することができる。主筐体封じ込めシステム101の作業区域104に隣接する投入サンプル区域107にサンプル液容器172を包有することにより、サンプル液容器172は、ノズル室134および仕分け室131内で生成され得るエアロゾルほど多くの危険を課さないため、投入流体は、投入サンプル区域107に容易に挿入され、そこから除去することができる。さらに、主筐体封じ込めシステム101への開口を有するエアロゾル管理システム室140の使用により、操作者はエアロゾル管理システム室140のエアロゾル内に包有されている危険な粒子のいずれにもさらされないため、操作者にさらなる安全を提供する。
【0015】
図3は、エアロゾル管理システム室140の概略断面側面図である。図3に示すように、ノズル室134は、作動位置で実線で示されているノズル186を包有している。シース液170は、サンプル液172と同様に、ノズル186を通して提供される。ノズル186はまた、点線で示されているように、洗浄位置に移動させることができる。ノズル室ドア198は開くことができ、その結果、洗浄位置にあるノズル186がノズル室ドア198を通してアクセス可能である。ノズル186などのノズルは、様々な理由で詰まる可能性があり、ノズル186が洗浄位置にあるとき、ノズル186への迅速かつ容易なアクセスが提供される。この場合も、ノズル室ドア198が開かれると、主作業区域104と比較して、ノズル室134内の負圧が均等化され、そのため、汚染された空気は、その時点でノズル室134から主作業区域104に移動することができる。ノズル186からの液滴流155は、開口152および光学取り付けプレート150を通って流れる。液滴流155は、液滴が流から分離する前に、インテロゲーションポイント148を通過する。レーザビームは、インテロゲーションポイント148でノズル流153にインテロゲーションする。インテロゲーションポイント148からの散乱および投射された光は、光学窓200を透過し、遮光バー202を通り越して、側方散乱対物レンズ204に送られる。側方散乱対物レンズ204は、側方散乱光線を収集し、それらの光線を側方散乱ピンホール206を通して送る。可撓性シール210、212、および214は、部分的な密封を提供し、その結果、液滴流155は非封じ込め空気208に転移しない。液滴流155は、仕分けプレート154を通過し、偏向された液滴流156に分離される。図1に示すように、AMS吸気ダクト138は、AMS HEPAフィルタ141およびAMS送風機144に連結されている。仕分け室131からの空気は、AMS吸気ダクト138を通して引き込まれ、仕分け室131およびノズル室134の両方に低圧を生成する。主筐体作業区域104からの空気は、吸気口188および194を通過する。主筐体からの空気流190は、吸気口188を通過し、一方、主筐体からの空気流196は、吸気口194を通過する。仕分け室131は、仕分け室131内の仕分けプレート154および収集管182、184(図2)へのアクセスを操作者に提供するために、開くことができる仕分け室ドア132を有する。この場合も、仕分け室131は主筐体作業区域104よりも低い圧力を有するので、仕分け室ドア132の開放は、仕分け室および主筐体作業区域104の圧力を等しくする。危険なエアロゾルが仕分け室131またはノズル室134から逃げるのを防ぐために、ノズル室ドア198または仕分け室ドア132のいずれかを開く前に、仕分け室131およびノズル室134の両方をAMS送風機144(図1)を使用して排気する必要がある。エアロゾルがエアロゾル管理室140からパージされると、ドア198、132を開くことができる。
【0016】
図4は、エアロゾル管理システム(AMS)149および主筐体封じ込めシステム101の外部に配置されたノズル室134、仕分け室131、およびセルソーターの様々な装置を示す、正面概略図である。図4に示すように、非封じ込め空気208は、ノズル室134のノズル室壁213を取り囲んでいる。レーザ216は、光学窓215を通過する光路164に沿ってレーザビームを発生する。レーザは、インテロゲーションポイント148でノズル流153と交差する。インテロゲーションポイント148から送られた光は、光学窓217を通過して遮光プレート218に到達し、前方散乱対物レンズ220を通過する。前方散乱対物レンズ220は、光を収集し、それをピンホール開口222を通して光検出器224に送る。液滴流155は、光学取り付けプレート150の開口152を通過する。可撓性シール228、230は、仕分け室131を光学取り付けプレート150に密封する。液滴流155は、仕分け室131内の仕分けプレート154を通過し、仕分けプレート154によって偏向された液滴流156に分離される。仕分け室壁226は、仕分け室131を非封じ込め空気領域208から分離する。
【0017】
図5は、統合型生物学的封じ込めセルソーター100の実装態様の一実施形態の斜視図である。図5に示すように、排気口110は、統合型生物学的封じ込めセルソーター100から外へ清浄な空気を排出する。清浄な空気は、再循環ダクト108によって再循環プレナム102に提供される。フィルタおよび送風機プレナム121は、統合型生物学的封じ込めセルソーター100の背面および底部にある場所に、フィルタおよび送風機を包有し、それによって、統合型生物学的封じ込めセルソーター100の他の部分が操作者にとって容易にアクセスできる。スライド式サッシ窓(仕切り)114は、角度のある垂直方向の移動によって移動し、主筐体封じ込めシステム101に開口を提供する。図示されるように、スライド式サッシ窓114が上部位置にあるとき、サンプル投入区域107は、操作者によってアクセス可能である。スライド式サッシ窓114がより低い位置にあるとき、ノズル室134およびサンプルラインにアクセス可能である。鉄格子118によって、統合型生物学的封じ込めセルソーター100の外部からの空気が主筐体封じ込めシステム101内に引き込まれることが可能になり、その結果、汚染された空気が主筐体封じ込めシステム101から外へ出て行かない。主筐体封じ込めシステム101内でより低い圧力を維持することにより、汚染された空気は、統合型生物学的封じ込めセルソーター100から逃げない。
【0018】
したがって、統合型生物学的封じ込めセルソーター100は、汚染された空気を生成することがあるセルソーターの一部の周りにのみ封じ込めを提供する。よって、統合型生物学的封じ込めセルソーター100は、大きなフードに設置されたセルソーター、または部分的に統合された生物学的封じ込めセルソーターよりも、小さい送風機を有し、かつ実質的に全体の寸法が小さい、小さくかつコンパクトな封じ込め区域を有する。部分的に統合された生物学的封じ込めセルソーターは、封じ込めを必要としないセルソーターの多数の構成要素をカプセルに入れ、生物学的封じ込めを必要としないセルソーターの特定の区域にメンテナンスを提供することをはるかに困難にする。封じ込め区域が小さいほど送風機が小さくなり、封じ込めを維持するために削減された空気量の移動が必要となり、それによってエネルギーを節約する。
【0019】
本発明の前述の説明は、例示および説明の目的で提示された。網羅的であること、または本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして他の修正および変形が可能であり得る。実施形態は、本発明の原理およびその実際の適用を最もよく説明するために選択され、記載され、それにより、当業者が、企図される特定の使用に適するように様々な実施形態および様々な修正において本発明を最もよく利用できるようにする。添付の特許請求の範囲は、先行技術によって制限される場合を除いて、本発明の他の代替の実施形態を含むと解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5