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特許7560497背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュール
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240925BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/40 301
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021576632
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-30
(86)【国際出願番号】 CN2021139807
(87)【国際公開番号】W WO2023108693
(87)【国際公開日】2023-06-22
【審査請求日】2022-02-16
(31)【優先権主張番号】202111540848.X
(32)【優先日】2021-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519182202
【氏名又は名称】深▲セン▼市▲華▼星光▲電▼半▲導▼体▲顕▼示技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 小波
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202736410(CN,U)
【文献】特表2021-503099(JP,A)
【文献】特表2017-506368(JP,A)
【文献】実開平06-069953(JP,U)
【文献】特開2017-062454(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0307016(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103594032(CN,A)
【文献】特開2007-093834(JP,A)
【文献】国際公開第2009/122325(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0284978(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/133-1/1334
1/1339-1/1341
1/1347
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
背板であって、
ガイド溝と、
前記ガイド溝の形状に対応するとともに前記背板と別の背板とを接続するように前記ガイド溝に設けられる接続部材と、を含
前記ガイド溝は、幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記背板に接続される接続面を含み、
前記幾何学面の形状は、前記接続面の形状と相補的であり、
前記幾何学面は、1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、1/4円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記1/4円弧凸面の曲率半径と同一であり、
前記ガイド溝に対応する前記背板の部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記ガイド溝に係合される、
背板。
【請求項2】
前記ガイド溝は、前記背板の側辺に形成される、
請求項1に記載の背板。
【請求項3】
前記背板及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記背板との結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む、
請求項1に記載の背板。
【請求項4】
ディスプレイであって、
上面と、前記上面と背向する下面と、前記上面から凹むガイド溝と、を含む背板と、
前記背板の前記下面に設けられる表示パネルと、
前記ガイド溝の形状に対応するとともに前記ディスプレイと別のディスプレイとを接続するように前記背板の前記ガイド溝に設けられる接続部材と、を含
前記ガイド溝は、幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記背板に接続される接続面を含み、
前記幾何学面の形状は、前記接続面の形状と相補的であり、
前記幾何学面は、1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、1/4円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記1/4円弧凸面の曲率半径と同一であり、
前記ガイド溝に対応する前記背板の部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記ガイド溝に係合される、
ディスプレイ。
【請求項5】
前記ガイド溝は、前記背板の側辺に形成される、
請求項に記載のディスプレイ。
【請求項6】
記背板及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記背板との結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む、
請求項に記載のディスプレイ。
【請求項7】
第1ガイド溝を含む第1ディスプレイと、
第2ガイド溝を含む第2ディスプレイと、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとを接続するとともに前記第1ガイド溝の形状及び前記第2ガイド溝の形状に対応するように、前記第1ディスプレイの前記第1ガイド溝及び前記第2ディスプレイの前記第2ガイド溝に設けられる接続部材と、を含
前記第1ガイド溝は、第1幾何学面を含み、
前記第2ガイド溝は、第2幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイに接続される接続面を含み、
前記第1幾何学面及び前記第2幾何学面は、形状が前記接続面の形状と相補的である組み合わせ面を共同形成するように接続され、
前記第1幾何学面及び前記第2幾何学面は、寸法が同一である1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、半円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記半円弧凸面の曲率半径と同一であり、
前記第1ガイド溝に対応する前記第1ディスプレイの部分及び前記第2ガイド溝に対応する前記第2ディスプレイの部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記第1ガイド溝及び前記第2ガイド溝に係合される、
ディスプレイモジュール。
【請求項8】
前記第1ガイド溝は、前記第1ディスプレイの隣接する第1側辺及び第2側辺に形成され、前記第1側辺から前記第2側辺へ延在し、
前記第2ガイド溝は、前記第2ディスプレイの隣接する第3側辺及び第4側辺に形成され、前記第3側辺から前記第4側辺へ延在し、
前記第1側辺及び前記第3側辺は、隣接して接続され、
前記第2側辺及び前記第4側辺は、同一水平線上にある、
請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項9】
前記第1ディスプレイは、第1背板及び第1表示パネルを含み、
前記第1ガイド溝は、前記第1背板の上面から凹むように前記第1背板に形成され、
前記第1表示パネルは、前記第1背板の前記第1ガイド溝から離れた下面に設けられ、
前記第2ディスプレイは、第2背板及び第2表示パネルを含み、
前記第2ガイド溝は、前記第2背板の上面から凹むように前記第2背板に形成され、
前記第2表示パネルは、前記第2背板の前記第2ガイド溝から離れた下面に設けられる、
請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項10】
第3ガイド溝を含む第3ディスプレイと、
第4ガイド溝を含む第4ディスプレイと、をさらに含み、
前記第1ガイド溝、前記第2ガイド溝、前記第3ガイド溝及び前記第4ガイド溝は、組み合わせガイド溝を共同形成するように隣接して接続され、
前記接続部材は、前記第1ディスプレイ、前記第2ディスプレイ、前記第3ディスプレイ及び前記第4ディスプレイを接続するとともに前記組み合わせガイド溝の形状に対応するように前記組み合わせガイド溝に係合される、
請求項に記載のディスプレイモジュール。
【請求項11】
前記第1ディスプレイ、前記第2ディスプレイ及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイとの結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む、
請求項に記載のディスプレイモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、特に背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
光電・半導体技術の進化に伴い、フラットパネルディスプレイの開発が進んでいる。大画面表示は、複数のディスプレイを接合することにより実現すされる。従来のディスプレイの接合方法は、整列や重畳などにより、独立した複数のディスプレイを一つの大画面に組み合わせることである。しかしながら、ディスプレイは、いずれも独立してパッケージ化されているため、大画面に接合された後に隣接する二つのディスプレイ間に隙間(すなわち、物理的な継ぎ目)と高低差が発生しやすくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
画面に画像を表示するときは、物理的な継ぎ目と高低差により画像と文字の位置ずれが発生し、画像表示効果や視聴体験に大きく影響することになる。そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、従来技術に存在する問題を解決するための背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュールを提案する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記従来技術の問題を解決するために、本願の目的は、良好な平坦度と極狭い継ぎ目を有する背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュールを提供することにある。
【0005】
上記目的を達成するために、本願によれば、背板であって、
ガイド溝と、
前記ガイド溝の形状に対応するとともに前記背板と別の背板とを接続するように前記ガイド溝に設けられる接続部材と、を含む背板が提供される。
【0006】
実施例において、前記ガイド溝は、前記背板の側辺に形成される。
【0007】
実施例において、前記ガイド溝は、幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記背板に接続される接続面を含み、
前記幾何学面の形状は、前記接続面の形状と相補的である。
【0008】
実施例において、前記幾何学面は、1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、1/4円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記1/4円弧凸面の曲率半径と同一である。
【0009】
実施例において、前記第1ガイド溝に対応する前記背板の部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記ガイド溝に係合される。
【0010】
実施例において、前記背板及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記背板との結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む。
【0011】
本願によれば、ディスプレイであって、
上面と、前記上面と背向する下面と、前記上面から凹むガイド溝と、を含む背板と、
前記背板の前記下面に設けられる表示パネルと、
前記ガイド溝の形状に対応するとともに前記ディスプレイと別のディスプレイとを接続するように前記背板の前記ガイド溝に設けられる接続部材と、を含むディスプレイがさらに提供される。
【0012】
実施例において、前記ガイド溝は、前記背板の側辺に形成される。
【0013】
実施例において、前記ガイド溝は、幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記背板に接続される接続面を含み、
前記幾何学面の形状は、前記接続面の形状と相補的である。
【0014】
実施例において、前記幾何学面は、1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、1/4円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記1/4円弧凸面の曲率半径と同一である。
【0015】
実施例において、前記ガイド溝に対応する前記背板の部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記ガイド溝に係合される。
【0016】
実施例において、前記背板及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記背板との結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む。
【0017】
本願によれば、第1ガイド溝を含む第1ディスプレイと、
第2ガイド溝を含む第2ディスプレイと、
前記第1ディスプレイと前記第2ディスプレイとを接続するとともに前記第1ガイド溝の形状及び前記第2ガイド溝の形状に対応するように、前記第1ディスプレイの前記第1ガイド溝及び前記第2ディスプレイの前記第2ガイド溝に設けられる接続部材と、を含むディスプレイモジュールがさらに提供される。
【0018】
実施例において、前記第1ガイド溝は、前記第1ディスプレイの隣接する第1側辺及び第2側辺に形成され、前記第1側辺から前記第2側辺へ延在し、
前記第2ガイド溝は、前記第2ディスプレイの隣接する第3側辺及び第4側辺に形成され、前記第3側辺から前記第4側辺へ延在し、
前記第1側辺及び前記第3側辺は、隣接して接続され、
前記第2側辺及び前記第4側辺は、同一水平線上にある。
【0019】
実施例において、前記第1ガイド溝は、第1幾何学面を含み、
前記第2ガイド溝は、第2幾何学面を含み、
前記接続部材は、前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイに接続される接続面を含み、
前記第1幾何学面及び前記第2幾何学面は、形状が前記接続面の形状と相補的である組み合わせ面を共同形成するように接続される。
【0020】
実施例において、前記第1幾何学面及び前記第2幾何学面は、寸法が同一である1/4円弧凹面であり、
前記接続面は、半円弧凸面であり、
前記1/4円弧凹面の曲率半径は、前記半円弧凸面の曲率半径と同一である。
【0021】
実施例において、前記第1ガイド溝に対応する前記第1ディスプレイの部分及び前記第2ガイド溝に対応する前記第2ディスプレイの部分は、金属材質からなり、
前記接続部材は、磁性材質からなり、着脱可能に前記第1ガイド溝及び前記第2ガイド溝に係合される。
【0022】
実施例において、前記第1ディスプレイは、第1背板及び第1表示パネルを含み、
前記第1ガイド溝は、前記第1背板の上面から凹むように前記第1背板に形成され、
前記第1表示パネルは、前記第1背板の前記第1ガイド溝から離れた下面に設けられ、
前記第2ディスプレイは、第2背板及び第2表示パネルを含み、
前記第2ガイド溝は、前記第2背板の上面から凹むように前記第2背板に形成され、
前記第2表示パネルは、前記第2背板の前記第2ガイド溝から離れた下面に設けられる。
【0023】
実施例において、第3ガイド溝を含む第3ディスプレイと、
第4ガイド溝を含む第4ディスプレイと、をさらに含み、
前記第1ガイド溝、前記第2ガイド溝、前記第3ガイド溝及び前記第4ガイド溝は、組み合わせガイド溝を共同形成するように隣接して接続され、
前記接続部材は、前記第1ディスプレイ、前記第2ディスプレイ、前記第3ディスプレイ及び前記第4ディスプレイを接続するとともに前記組み合わせガイド溝の形状に対応するように前記組み合わせガイド溝に係合される。
【0024】
実施例において、前記第1ディスプレイ、前記第2ディスプレイ及び前記接続部材に接続され、前記接続部材と前記第1ディスプレイ及び前記第2ディスプレイとの結合力を補強するように設けられる補強部品をさらに含む。
【発明の効果】
【0025】
従来技術と比較して、本願によれば、ガイド溝と接続部材との構造係合設計により、ディスプレイが接合された後、ディスプレイ間の隙間と高低差を最小化とし、ひいては無くすように制御することができるため、両者は、ゼロに近い物理的な継ぎ目と高い平坦度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明することにより、本願の技術的手段その他の有益な効果を明らかにすることができる。
【0027】
図1】本願の実施例に係るディスプレイの概略図を示す。
図2】本願の実施例に係るディスプレイモジュールの部品分解図を示す。
図3図2のディスプレイモジュールの平面図を示す。
図4図3のディスプレイモジュールの切断線A-Aに沿った断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的手段について明確かつ完全に説明する。明らかに、説明した実施例は、本願の一部の実施例のみであり、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わなかったことを前提に得られた他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0029】
図1は、本願の実施例に係るディスプレイ100の概略図を示す。図1を参照して、ディスプレイは、背板110、表示パネル120及び接続部材130を含む。背板110は、上面111と、上面111に背向する下面112とを含む。表示パネル120は、背板110の下面112に設けられる。表示パネル120と背板110とは、両者の外周が位置合わせされるように重畳して設けられる。背板110は、ガイド溝113を含む。本実施例において、平面視では、ガイド溝113は、背板110の上面111から凹む。一方、側面視では、ガイド溝113は、背板110の側面から凹む。実施例において、ガイド溝は、背板の上面のみから凹むように設計されてもよく、背板の側面のみから凹むように設計されてもよい。
【0030】
本実施例において、表示パネル120は、液晶表示パネル(LCD)又は有機発光ダイオード(OLED)表示パネルであり、ここで、液晶表示パネルのバックライトモジュールのバックライト源は、mini-LED及び/又はmicro-LEDを含む。
【0031】
図1に示すように、ガイド溝113は、背板110の側辺に形成される。本実施例において、ディスプレイ100は、矩形である。平面視では、背板110は、四つの側辺を含む。ガイド溝113は、ディスプレイ100がいずれかの側辺を介して別のディスプレイと接合可能であるとともに背板110を取り囲むように背板110の四つの側辺に形成されることが好ましい。具体的な接合方式の詳細については、後述する。なお、実施例において、ディスプレイは、三角形、多角形などであってもよく、ガイド溝は、背板の少なくとも一つの側辺に形成されるが、これに限定されない。
【0032】
図1に示すように、接続部材130は、背板110のガイド溝113に設けられる。本実施例において、接続部材130は、第1接続部材131及び第2接続部材132を含む。第1接続部材131は、T字型であり、ディスプレイ100と別のディスプレイとを接続するように構成される。また、第2接続部材132は、十字型であり、他の三つのディスプレイにディスプレイ100を接続するように構成される。すなわち、第2接続部材132によれば、最大四つのディスプレイを接続することができる。
【0033】
図1に示すように、接続部材130は、ガイド溝113の形状に対応する。第1接続部材131を例として説明すると、第1接続部材131は、二つの対称的なL字型部分に区別される。一方のL字型部分は、背板110の隣接する二つの側辺に位置するガイド溝113に対応して設けられる。他方のL字型部分は、別のディスプレイに接続されるように背板110の外周を越えて延在する。ガイド溝113は、幾何学面1131を含み、第1接続部材131は、ディスプレイ100に接続される接続面1311を含む。幾何学面1131は、接続面1311の形状と相補的である。本実施例において、幾何学面1131は、1/4円弧凹面であり、接続面1311は、1/4円弧凸面である。第1接続部材131が背板110に組み付けられるとき、第1接続部材131の接続面1311は、ガイド溝113の幾何学面1131と接触して接続される。なお、1/4円弧凹面は、1/4円弧凸面の曲率半径と同一である。
【0034】
本実施例において、対応する円弧面を有するように接続部材130及びガイド溝113を設計することにより、ディスプレイ100を別のディスプレイと接合する際に、二つのディスプレイの背板を物理的に完全に接触させることができる。さらに、製造では、円弧面の接合方式を採用することでプロセス精度を適切に制御し、ゼロに近い継ぎ目隙間を達成することができる。従来技術と比較して、従来の接合方式は、二つのディスプレイに係着構造を設け、係着構造により二つのディスプレイを互いに係着させることができる。製造では、係着構造の公差が大きいため、二つの係着構造が組み付けられると、大きな構造誤差、すなわち大きな接合隙間が発生することになる。さらに、従来の接合方式では、平坦度を人為的に調整する必要があるため、接合された二つのディスプレイに顕著な高低差を有する。
【0035】
実施例において、ガイド溝113及び接続部材130は、その他の対応する形状、例えば、矩形、台形、V字型、三角形などの幾何学的形状を含んでもよい。ガイド溝113と接続部材130との構造対応設計により、ディスプレイ100は、別のディスプレイと接合された後、両者間の隙間と高低差を最小化とし、ひいては排無くすように制御することができるため、両者は、ゼロに近い物理的な継ぎ目と高い平坦度を有することができる。
【0036】
本実施例において、ディスプレイ100における背板110のガイド溝113に対応する部分は、金属材質からなり、接続部材130は、磁性材質からなるため、接続部材130は、磁気吸引力によって背板110のガイド溝113に着脱可能に係合される。したがって、本願のディスプレイ100の構造は、簡単である。また、接続部材130は、簡単に組み付け又は取り外すことができるので、ディスプレイ100は、別のディスプレイと迅速かつ便利に接合及び分離可能である利点を有する。
【0037】
実施例において、背板110の全体は、鉄と酸化鉄との組み合わせなどの金属材質によって形成されてもよい。この設計により、背板110の全体的な安定性を効果的に向上させ、背板110の変形を回避し、背板110と接続部材130との間の磁気吸引力を最大に向上させることができる。任意選択的に、実施例において、背板110は、ガイド溝113に対応する部分のみが金属材質からなり、残りの部分がプラスチック材質からなり、ひいてはディスプレイ100の全体が軽量化されるとともに、生産コストが削減される。
【0038】
図2は、本願の実施例に係るディスプレイモジュール10の部品分解図を示し、図3は、図2のディスプレイモジュール10の平面図を示し、図4は、図3のディスプレイモジュール10の切断線A-Aに沿った断面図を示す。図2図4を参照して、ディスプレイモジュール10は、複数のディスプレイ及び複数の接続部材、例えば、第1ディスプレイ200、第2ディスプレイ300、第3ディスプレイ400、第4ディスプレイ500、複数の第1接続部材600及び複数の第2接続部材700を含む。複数のディスプレイは、大型サイズの表示画面を有するディスプレイモジュール10が形成されるように、アレイ状に配列され、かつ、複数の接続部材を介して接合される。
【0039】
図2に示すように、第1ディスプレイ200は、第1背板210及び第1表示パネル220を含み、第2ディスプレイ300は、第2背板310及び第2表示パネル320を含み、第3ディスプレイ400は、第3背板410及び第3表示パネル420を含み、第4ディスプレイ500は、第4背板510及び第4表示パネル520を含む(図4参照)。第1背板210は、上面211及び下面212を含む。同様に、第2背板310、第3背板410及び第4背板510は、いずれも対応する上面及び下面を含む。各表示パネルは、液晶表示パネル(LCD)及び有機発光ダイオード(OLED)表示パネルを含み、ここで、液晶表示パネルのバックライトモジュールのバックライト源は、mini-LED及びmicro-LEDを含む。
【0040】
図2及び図3に示すように、第1背板210は、上面211から凹む第1ガイド溝230を含み、第2背板310は、上面から凹む第2ガイド溝330を含み、第3背板410は、上面から凹む第3ガイド溝430を含み、第4背板510は、上面から凹む第4ガイド溝530を含む。
【0041】
図2及び図3に示すように、第1表示パネル220は、第1背板210の第1ガイド溝230から離れた下面212に設けられる。なお、第1表示パネル220は、第1背板210と接触する接触面が非表示面であり、前記接触面に背向する別の面が画面を表示するための表示面である。すべての背板の上面は、同じ側を向いており、すべての背板の下面も、別の同じ側を向いている。第2表示パネル320、第3表示パネル420及び第4表示パネル520は、それぞれ背板のガイド溝から離れた下面に設けられる。なお、各ディスプレイにおいて、表示パネルは、表示パネルにおける背板の正投影が表示パネルの外周内に位置するように背板と重畳して設けられる。平面視では、背板の寸法は、表示パネルの寸法以下であることが好ましい。両者の寸法が等しい場合、両者の外周が位置合わせされる。したがって、ディスプレイが接合されるとき、隣接するディスプレイパネルを背板の構造によって制限されることなく密着させることができる。
【0042】
図2及び図3に示すように、各ガイド溝は、各背板の側辺にそれぞれ形成される。例えば、第1ガイド溝230は、少なくとも第1ディスプレイ200の第1背板210の隣接する第1側辺213及び第2側辺214に形成され、第1側辺213から第2側辺214へ延在する。第2ガイド溝330は、少なくとも第2ディスプレイ300の第2背板310の隣接する第3側辺313及び第4側辺314に形成され、第3側辺313から第4側辺314へ延在する。第1ディスプレイと第2ディスプレイとが接合されるとき、第1ディスプレイ200の第1側辺213及び第2ディスプレイ300の第3側辺313は、隣接して接続され、第1ディスプレイ200の第2側辺214及び第2ディスプレイ300の第4側辺314は、同一水平線上に位置する。本実施例において、各ディスプレイは、四つの側辺を含む矩形である。各ガイド溝は、各ディスプレイがいずれかの側辺を介して別のディスプレイと接合可能であるとともに各背板を取り囲むように、各背板の四つの側面に延在して形成され、ひいてはディスプレイモジュール10の組み付け柔軟性が向上する。
【0043】
図2及び図3に示すように、接続部材は、背板のガイド溝に設けられるようにディスプレイに組み付けられる。本実施例において、接続部材は、二つの異なる形状の第1接続部材600及び第2接続部材700を含む。第1接続部材600は、T字型であり、隣接するようにディスプレイモジュール10の最外側に配列される二つのディスプレイを接続するように構成される。例えば、第1接続部材600は、第1ディスプレイ200と第2ディスプレイ300とを接続するためのものである。また、第2接続部材700は、十字型であり、2×2でアレイ状に配列される四つのディスプレイを接続するように構成されるとともに、四つのディスプレイの中央に設けられる。
【0044】
図2及び図3に示すように、第1接続部材600及び第2接続部材700は、対応して組み付けられるディスプレイのガイド溝の形状に対応する。T字型接続部材の接続方式は、上述したとおりであるため、ここでは説明しない。以下、第2接続部材700を例として、複数のディスプレイの接合について説明する。第2接続部材700は、寸法が同一である四つのL型部分に区別される。第1L型部分は、第1背板210の隣接する二つの側辺に形成される第1ガイド溝230に対応して設けられる。第2L型部分は、第2背板310の隣接する二つの側辺に形成される第2ガイド溝330に対応して設けられる。第3L型部分は、第3背板410の隣接する二つの側辺に形成される第3ガイド溝430に対応して設けられる。第4L字型部分は、第4背板510の隣接する二つの側辺に形成される第4ガイド溝530に対応して設けられる。第2接続部材700の各部分は、第1ガイド溝230、第2ガイド溝330、第3ガイド溝430及び第4ガイド溝530の形状に対応する。
【0045】
図2及び図4に示すように、第2接続部材700は、第1~第4ディスプレイに接続される接続面710を含む。各ガイド溝は、幾何学面を含み、第1ガイド溝230は、第1幾何学面を含み、第2ガイド溝330は、第2幾何学面を含み、第3ガイド溝430は、第3幾何学面431を含み、第4ガイド溝530は、第4幾何学面を含む。第1幾何学面、第2幾何学面、第3幾何学面431及び第4幾何学面は、寸法が同一である。第1~第4ディスプレイが2×2でアレイ状に配列されて接合されるとき、第1ガイド溝230、第2ガイド溝330、第3ガイド溝430及び第4ガイド溝530は、組み合わせガイド溝を共同形成するように隣接して接続される。同時に、第1幾何学面及び第2幾何学面は、組み合わせ面を共同形成するように接続され、第1幾何学面及び第3幾何学面は、組み合わせ面を共同形成するように接続され、第2幾何学面及び第4幾何学面は、組み合わせ面を共同形成するように接続され、第3幾何学面及び第4幾何学面は、組み合わせ面を共同形成するように接続される。各組み合わせ面は、接続面710の形状と相補的である。本実施例において、幾何学面は、1/4円弧凹面であり、接続面710は、半円弧凸面である。なお、1/4円弧凹面は、半円弧凸面の曲率半径と同一である。第2接続部材700が第1~第4背板に係合されるとき、第2接続部材700は、組み合わせガイド溝に係合される。第2接続部材700は、組み合わせガイド溝の形状に対応するため、第2接続部材700の接続面710は、第1~第4ガイド溝の幾何学面と接触して接続され、ひいては第1ディスプレイ200、第2ディスプレイ300、第3ディスプレイ400及び第4ディスプレイ500が接続される。
【0046】
本実施例において、対応する円弧面を有するように接続部材及びガイド溝を設計することにより、複数のディスプレイを接合する際に、隣接する二つのディスプレイの背板を物理的に完全に接触させることができる。さらに、製造では、円弧面の接合方式を採用することでプロセス精度を適切に制御し、ゼロに近い継ぎ目隙間を達成することができる。従来技術と比較して、従来の接合方式は、二つのディスプレイに係着構造を設け、係着構造により二つのディスプレイを互いに係着させることができる。製造では、係着構造の公差が大きいため、二つの係着構造が組み付けられると、大きな構造誤差、すなわち大きな接合隙間が発生することになる。さらに、従来の接合方式では、平坦度を人為的に調整する必要があるため、人的資源が消費される。逆に、本願の接続部材とディスプレイとが組み付けられた後に、ディスプレイ同士が密着し、各ディスプレイパネルの表示面が自動的に同一水平面に位置するようになるため、機構により各ディスプレイの平坦度を一つずつ調整することが回避される。
【0047】
実施例において、ガイド溝及び接続部材は、その他の対応する形状、例えば、矩形、台形、V字型、三角形などの幾何学的形状を含んでもよい。
【0048】
本実施例において、ディスプレイにおける背板のガイド溝に対応する部分は、金属材質からなり、接続部材は、磁性材質からなるため、接続部材は、磁気吸引力によって着脱可能に背板のガイド溝に係合される。したがって、本願のディスプレイモジュール10の構造は、簡単である。また、接続部材は、簡単に組み付け又は取り外すことができるので、ディスプレイモジュール10における各ディスプレイは、別のディスプレイと迅速かつ便利に接合及び分離可能である。
【0049】
実施例において、背板の全体は、鉄と酸化鉄との組み合わせなどの金属材質によって形成されてもよい。この設計により、背板の全体的な安定性を効果的に向上させ、背板の変形を回避し、背板と接続部材との間の磁気吸引力を最大に向上させることができる。任意選択的に、実施例において、背板は、ガイド溝に対応する部分(例えば、第1ディスプレイ200における第1背板210の第1ガイド溝230に対応する部分及び第2ディスプレイ300における第2背板310の第2ガイド溝330に対応する部分)のみが金属材質からなり、残りの部分はプラスチック材質からなり、ひいてはディスプレイの全体が軽量化されるとともに、生産コストが削減される。
【0050】
実施例において、ディスプレイモジュール10は、補強部品をさらに含む。補強部品は、対応するディスプレイ及び接続部材に接続される。例えば、図2に示すように、補強部品は、第1ディスプレイ200、第2ディスプレイ300及び第1接続部材600に接続され、第1接続部材600と第1ディスプレイ200、第2ディスプレイ300との結合力を補強するように構成されてもよい。実施例において、補強部品は、ネジ及び接着剤を含む。補強部品がネジである場合、ディスプレイ及び接続部材には、対応するネジ孔が形成される。補強部品が接着剤である場合、接着剤は、ディスプレイのガイド溝と接続部材との間に設けられる。任意選択的に、実施例において、非磁性の接続部材を採用してもよく、補強部品で接続部材とディスプレイの背板との接続を実現してもよい。
【0051】
本願では、ガイド溝と接続部材との構造対応設計により、ディスプレイが接合された後、ディスプレイ間の隙間と高低差を、最小化とし、ひいては無くすように制御することができるため、両者は、ゼロに近い物理的な継ぎ目と高い平坦度を有することができる。
【0052】
以上、本願の実施例に係る背板、ディスプレイ及びディスプレイモジュールについて詳細に説明し、本明細書では具体的な実施例を適用して本願の原理及び実施形態を説明し、上記実施例の説明は、本願の技術的手段及びそのコア思想の理解を支援するものである。当業者は、依然として上記の各実施例に記載されている技術的手段を修正し、又はこれらの技術的特徴の一部を同等に置換することができることを理解すべきである。これらの修正又は置換は、対応する技術的手段の本質を、本願の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4