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特許7560510情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0242 20230101AFI20240925BHJP
【FI】
G06Q30/0242
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022081794
(22)【出願日】2022-05-18
(65)【公開番号】P2023170222
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】赤池 誠吾
(72)【発明者】
【氏名】實原 弘亮
(72)【発明者】
【氏名】石井 春江
(72)【発明者】
【氏名】安部 斉志
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ジェウック
(72)【発明者】
【氏名】小栗 直己
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-030677(JP,A)
【文献】特開2020-008967(JP,A)
【文献】特開2018-097726(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0129777(US,A1)
【文献】国際公開第2020/179862(WO,A1)
【文献】KARTE Signals サイト内外で一貫した顧客体験を実現する,第31回 Japan IT Week 春,日本,2022年04月06日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習部と
を備え
前記学習部は、
過去のコンバージョンが欠損していない前記コンバージョン情報を学習データとして前記コンバージョン推定モデルの学習を行い、過去のコンバージョンが欠損している前記コンバージョン情報を入力した際に、前記過去のコンバージョン履歴を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記学習部は、
前記コンバージョン履歴として所定期間の累計コンバージョン数を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習部は、
前記コンバージョン履歴として所定周期毎のコンバージョン数を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記学習部は、
前記コンバージョン履歴として指定された日時のコンバージョン数を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記学習部によって学習された前記コンバージョン推定モデルに関するパラメータを操作者による操作に応じて調整する調整部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記学習部によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記コンバージョン情報から過去の前記コンバージョン履歴を推定する推定部と、
前記推定部によって推定された前記コンバージョン履歴を操作者が指定する出力目的に応じたパラメータへ変換する変換部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習工程と
を含み、
前記学習工程は、
過去のコンバージョンが欠損していない前記コンバージョン情報を学習データとして前記コンバージョン推定モデルの学習を行い、過去のコンバージョンが欠損している前記コンバージョン情報を入力した際に、前記過去のコンバージョン履歴を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習手順と
をコンピュータを実行させ
前記学習手順は、
過去のコンバージョンが欠損していない前記コンバージョン情報を学習データとして前記コンバージョン推定モデルの学習を行い、過去のコンバージョンが欠損している前記コンバージョン情報を入力した際に、前記過去のコンバージョン履歴を推定する前記コンバージョン推定モデルを学習すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介した広告配信においては様々な指標が用いられている。例えば、CVR(Conversion Rate;「コンバージョン率」ともいう)等の様々な指標を用いて広告配信の効果を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-116345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、ユーザーのプライバシーを尊重し匿名化するため、コンバージョン計測に必要なデータの取得が制限され、コンバージョン計測に必要なデータに欠損が生じる。このような規制下において、従来技術では、コンバージョン計測を適切に行うことができず、欠損したデータを適切に推定する技術が望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係る学習用情報記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る調整部による処理の一例を示す模式図である。
図6図6は、実施形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係るコンバージョン計測処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.1.情報処理システム〕
まず、図1および図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムおよび情報処理の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、ネットワークNによって接続された利用者端末50と、情報処理装置100と、広告主サーバ200とを有する。なお、図1では、情報処理システム1に含まれる利用者端末50、情報処理装置100および広告主サーバ200がそれぞれで1台である場合について示しているが、利用者端末50、情報処理装置100および広告主サーバ200がそれぞれ複数台含まれるようにしてもよい。
【0012】
図1に示す情報処理装置100は、各種Webサービスに関するコンテンツを利用者端末50へ提供する情報処理装置である。たとえば、情報処理装置100は、広告主から入稿された配信広告をWebサービスに関するコンテンツとともに利用者端末50へ配信する。
【0013】
また、情報処理装置100は、利用者端末50へ提供した配信広告のコンバージョン(以下、CVとも記載する)を計測する。そして、情報処理装置100は、計測したCVに応じて、各配信広告のCVR(Conversion Rate)を最適化する。
【0014】
利用者端末50は、利用者が所有する端末である。たとえば、利用者端末50は、情報処理装置100から配信されるコンテンツを配信広告とともに表示する。利用者端末50は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、ウェアラブル端末など、各種のクライアント端末である。
【0015】
また、利用者端末50は、コンテンツとともに表示した配信広告が利用者によってクリックされた場合に、コンテンツから広告主が運営する広告主サイトへ移動する。利用者端末50は、広告主サイトにおいて所定のCVが行われた場合に、CV情報を情報処理装置100へと送信する。これにより、情報処理装置100では配信広告のCVを計測することができる。
【0016】
広告主サーバ200は、広告主の広告主サイトを運営するサーバ装置である。たとえば、広告主サーバ200は、利用者端末50によるアクセスに応じて広告主サイトを利用者端末50へ提供する。
【0017】
〔1.2.情報処理の一例〕
ところで、近年では、プラットフォーマーによるいわゆるITP(Intelligent Tracking Prevention)の搭載によって3rd Party Cookieの利用が制限されてきている。そのため、このような制約下において、情報処理装置100は、利用者端末50から取得可能なCV情報に欠損が生じる場合がある。
【0018】
より具体的には、従来であれば、情報処理装置100は、過去の所定期間(たとえば、30日間)のCV情報を取得可能であったが、プラットフォーマーによるITPの搭載によって、7日間のCV情報しか取得することができなくなった。すなわち、この場合には、8日~30日間のCV情報が欠損することになる。
【0019】
このようなCV情報の欠損は、配信広告の配信やCV計測に悪影響を及ぼすことになる。そこで、実施形態に係る情報処理装置100は、欠損したCV情報を推定によって補完することとした。
【0020】
具体的には、図1に示すように、情報処理装置100は、CV情報からCV履歴を推定する。たとえば、図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置100は、CV推定モデルを用いて、CV履歴を推定する。
【0021】
ここで、CV推定モデルは、過去のCV履歴の特徴を学習したモデルである。図2に示すように、利用者端末50から取得可能なCV情報(1日~7日)をCV推定モデルへ入力すると、欠損が生じていた8日~30日までのCV履歴(推定CV)が出力される。
【0022】
そして、情報処理装置100は、推定したCV履歴に基づき、配信広告の配信およびCV計測を行う。なお、CV推定モデルの学習方法については後述する。
【0023】
このように、情報処理装置100では、CV推定モデルを用いることで、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる。
【0024】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、図3を用いて、情報処理装置100の構成例について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。
【0025】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークNを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0026】
記憶部130は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部130は、学習用情報記憶部131、CV推定モデル記憶部132、配信広告情報記憶部133、配信計画情報記憶部134およびコンバージョン情報記憶部135を有する。
【0027】
学習用情報記憶部131は、学習用情報を記憶する。学習用情報は、CV推定モデルを学習するためのモデルである。図4は、実施形態に係る学習用情報記憶部131の一例を示す図である。
【0028】
図4に示すように、学習用情報記憶部131は、広告ID、利用者ID、コンテンツIDおよびCV履歴などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。広告IDは、配信広告を識別するための識別子である。
【0029】
利用者IDは、対応する配信広告が配信された利用者を識別する識別子である。コンテンツIDは、配信広告とともに配信されるコンテンツを識別する識別子である。CV履歴は、対応する配信広告における対応する利用者のCV履歴である。
【0030】
図4に示す例では、広告ID「AD.01」で識別される配信広告を利用者ID「U01」で識別される利用者へコンテンツID「C01」で識別されるコンテンツとともに配信したときのCV履歴が「CV1」であることを示す。
【0031】
学習用情報記憶部131に記憶する学習用情報は、たとえば、プラットフォーマーによるITPの搭載がなされていない利用者を対象とした情報である。
【0032】
図3の説明に戻り、CV推定モデル記憶部132について説明する。CV推定モデル記憶部132は、CV推定モデルを記憶する。CV推定モデルは、CV情報からCV履歴を推定するモデルである。
【0033】
配信広告情報記憶部133は、配信広告情報を記憶する。配信広告情報は、各広告主から入稿された配信広告に関する情報であり、たとえば、配信広告として表示する画像(あるいは映像および音声)、配信条件(配信ターゲット)、配信目標数、目標コンバージョン単価(tCPA)、ランディングページのURLに関する情報が含まれる。
【0034】
配信計画情報記憶部134は、配信計画情報を記憶する。配信計画情報は、たとえば、各配信広告のCVRを最適化して配信するための配信計画に関する情報である。
【0035】
コンバージョン情報記憶部135は、コンバージョン情報を記憶する。コンバージョン情報は、配信広告毎のコンバージョンに関する情報である。たとえば、コンバージョン情報記憶部135に記憶するコンバージョン情報のうち、欠損していないコンバージョン情報は、学習用情報としても利用される。
【0036】
制御部120は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部120は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0037】
図3に示すように、制御部120は、取得部121と、学習部122と、配信部123と、推定部124と、計測部125と、調整部126と、変換部127とを有する。
【0038】
取得部121は、利用者端末50から各種情報を取得する。取得部121が取得する情報として、たとえば、配信広告に対するリクエスト、コンバージョン情報などが含まれる。
【0039】
取得部121は、配信広告に対するリクエストを取得した場合、当該リクエストに関する情報を配信部123へ渡し、コンバージョン情報を取得した場合、コンバージョン情報を推定部124へ渡す。
【0040】
学習部122は、取得部121によって取得されたコンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する。
【0041】
たとえば、学習部122によるCV推定モデルの学習は、学習用情報記憶部131に記憶された学習用情報を用いたGBDT(Gradient Boosting Decision Tree)などの機械学習により行われる。
【0042】
より具体的には、学習部122は、学習用情報を用いて、クリック数、30日間の累積CV数、OS名、ブラウザ名、広告カテゴリ、商品タイプ、IOカテゴリ、広告フォーマット、メディアフォーマット、キャンペーン目的、性別、年齢、アプリタイプ、デバイスなどといった特徴量に基づき、CV推定モデルの学習を行う。
【0043】
なお、CV推定モデルは、たとえば、7日間のCV情報に基づいて、所定期間(30日間)の累計CV数を推定するモデルとしてもよく、7日間のCV情報に基づいて、所定周期(たとえば、1日)毎のCV数を推定するモデルであってもよい。
【0044】
CV推定モデルが、7日間のCV情報に基づいて、1日毎のCV数を推定するモデルである場合、7日間のCV情報に基づいて、30日目までの各日のCV情報を推定するようにしてもよく、7日間のCV情報から8日目のCV数を推定し、推定した8日目のCV情報に基づいて、9日目以降のCV情報を推定するようにしてもよい。また、CV推定モデルは、指定された日時におけるCV数を推定するモデルであってもよい。
【0045】
なお、学習部122は、たとえば、推定する日時毎にCV推定モデルの学習を行うようにしてもよい。すなわち、この場合には、推定する日時毎に異なるCV推定モデルが生成されることになる。
【0046】
配信部123は、利用者端末50による配信広告に対するリクエスト(以下、単にリクエストと記載)に対して配信広告を配信する。たとえば、配信部123は、リクエストのリクエスト元となる利用者や、配信広告の表示媒体に関する情報等に基づき、配信計画情報記憶部134に記憶された配信計画情報に沿って配信する配信広告を選択する。
【0047】
そして、配信部123は、リクエストに対して配信する配信広告を選択すると、リクエスト元となる利用者端末50に対して配信広告を配信する。
【0048】
推定部124は、取得部121によって取得された利用者のCV情報に基づいて、利用者による過去のCV履歴を推定する。たとえば、推定部124は、取得部121から受け取ったCV情報に欠損の有無を判定し、欠損があると判定した場合に、過去のCV履歴を推定する。
【0049】
推定部124は、たとえば、取得部121から受け取った7日間のCV情報および利用者に関する利用者情報をCV推定モデル記憶部132に記憶されたCV推定モデルに入力することで、当該利用者の過去のCV履歴を推定する。
【0050】
そして、推定部124は、推定した過去のCV履歴に関する情報を計測部125へ渡す。なお、推定部124は、取得部121から受け取ったCV情報に欠損のないと判定した場合には、CV履歴の推定を行わず、当該CV情報をそのまま計測部125へ渡すことになる。
【0051】
計測部125は、配信広告に対するCVを計測する。計測部125は、推定部124から受け取ったCV情報あるいはCV履歴に関する情報に基づいて、CV計測を行う。そして、計測部125は、CV計測の結果をコンバージョン情報記憶部135に格納する。
【0052】
また、計測部125は、コンバージョン情報記憶部135を更新すると、更新後のコンバージョン情報記憶部135に格納された情報(推定したCV履歴を含む)に基づき、配信計画情報記憶部134に格納された配信計画情報を更新する。これにより、配信計画に沿った広告配信が可能となる。
【0053】
調整部126は、学習部122によって学習されたコンバージョン推定モデルに関するパラメータを調整する。ここでのパラメータは、たとえば、CV数の上限や、推定精度が含まれる。これは、コンバージョン推定モデルによって推定されるCV履歴は、実際のCV数と乖離する場合も想定されるためである。そのため、たとえば、実際のCV履歴と乖離したCV履歴に基づいて、配信計画を行うと、CVRの最適化が困難となる。
【0054】
そこで、調整部126は、管理者の操作に応じて、上記パラメータを調整する。図5は、実施形態に係る調整部126による処理の一例を示す模式図である。
【0055】
図5には、コンバージョン推定モデルの出力結果の一例を示し、縦軸を日時毎のCV数、横軸を日時としている。たとえば、調整部126は、管理者による所定の操作に応じて、各種パラメータを変更し、増加幅や、推定精度を調整する。
【0056】
これにより、たとえば、どの程度の誤差を許容するかと基準に対して、柔軟に対応することができる。
【0057】
図3の説明に戻り、変換部127について説明する。変換部127は、推定部124によって推定されたコンバージョン履歴の粒度を出力目的に応じたパラメータへ変換する。具体的には、たとえば、CV履歴を解析に用いる場合、その解析目的によって、異なる粒度のパメラータの出力が求められる。
【0058】
より具体的の例として、たとえば、上述したように、CV履歴の推定が日次単位であるが、必要な粒度が時間単位である場合、また、CV履歴の推定が配信広告単位であるが、必要な粒度がクリック単位である場合などが挙げられる。
【0059】
このような要求に対して、都度、コンバージョン推定モデルの学習を行うのは、非効率となるので、変換部127は、推定部124によって推定されたCV履歴を、たとえば、管理者、広告主の要求に応じた粒度のパメラータに分解し、提供する。
【0060】
これにより、コンバージョン推定モデルの出力結果から各利用目的に応じたパメラータを出力することが可能となるので、コンバージョン推定モデルを有効に活用することができる。
【0061】
〔3.処理フロー〕
次に、図6および図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。図7は、実施形態に係るコンバージョン計測処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図6に示すように、まず、情報処理装置100は、学習用情報を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置100は、CV推定モデルを学習し(ステップS102)、処理を終了する。
【0063】
次に、図7を用いて、コンバージョン計測処理の処理手順について説明する。図7に示すように、情報処理装置100は、CV情報を取得すると(ステップS111)、CV情報が欠損しているか否かを判定する(ステップS112)。
【0064】
つづいて、情報処理装置100は、CV情報が欠損していると判定した場合(ステップS112;Yes)、CV推定モデルを用いて、CV情報からCV履歴を推定する(ステップS113)。
【0065】
また、情報処理装置100は、CV情報が欠損していないと判定した場合(ステップS112;No)、ステップS114の処理へ進む。そして、情報処理装置100は、ステップS113の推定結果、あるいは、欠損していないCV情報に基づいて、CV計測を行い(ステップS114)、処理を終了する。
【0066】
〔4.変形例〕
上述した実施形態では、CV履歴としてCV数を推定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、CV履歴としてコンバージョンの順序を推定するようにしてもよい。
【0067】
〔5.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置100は、配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得部121と、取得部121によって取得されたコンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習部122とを備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる。
【0068】
また、上述した実施形態に係る学習部122は、コンバージョン履歴として所定期間の累計コンバージョン数を推定するコンバージョン推定モデルを学習する。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、たとえば、累計コンバージョン数であればノイズの影響を受けにくいので、コンバージョン履歴の推定精度を高めることができる。
【0069】
また、上述した実施形態に係る学習部122は、コンバージョン履歴として所定周期毎のコンバージョン数を推定するコンバージョン推定モデルを学習する。したがって、情報処理装置100によれば、たとえば、CVが変化するイベントなどに対応したコンバージョン履歴を推定することが可能となる。
【0070】
また、上述した実施形態に係る学習部122は、コンバージョン履歴として指定された日時のコンバージョン数を推定するコンバージョン推定モデルを学習する。したがって、情報処理装置100によれば、指定された日時のコンバージョン履歴を推定することができる。
【0071】
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、学習部122によって学習されたコンバージョン推定モデルに関するパラメータを調整する調整部126を備える。したがって、情報処理装置100によれば、たとえば、管理者の誤差許容度に応じて、パメラータを自在に調整することができる。
【0072】
また、上述した実施形態に係る情報処理装置100は、学習部122によって学習されたコンバージョン推定モデルを用いて、コンバージョン情報から過去のコンバージョン履歴を推定する推定部124と、推定部124によって推定されたコンバージョン履歴を出力目的に応じたパラメータへ変換する変換部127を備える。したがって、情報処理装置100によれば、コンバージョン推定モデルの推定結果を利用目的に応じて変換することができる。
【0073】
また、上述した実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータが実行する情報処理方法であって、配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得工程と、前記取得工程によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習工程とを含む。したがって、実施形態に係る情報処理方法によれば、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる。
【0074】
また、上述した実施形態に係る情報処理プログラムは、配信広告のコンバージョンに関するコンバージョン情報を取得する取得手順と、前記取得手順によって取得された前記コンバージョン情報を入力した際に、利用者による過去のコンバージョン履歴を推定するコンバージョン推定モデルを学習する学習手順とをコンピュータに実行させる。したがって、実施形態に係る情報処理プログラムによれば、コンバージョン計測に関して欠損したデータを適切に推定することができる。
【0075】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態に係る情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0076】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0077】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0078】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図8では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0079】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0080】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部120の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0081】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0082】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0083】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0084】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0085】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部121は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0086】
1 情報処理システム
50 利用者端末
100 情報処理装置
121 取得部
122 学習部
123 配信部
124 推定部
125 計測部
126 調整部
127 変換部
131 学習用情報記憶部
133 配信広告情報記憶部
134 配信計画情報記憶部
135 コンバージョン情報記憶部
200 広告主サーバ
図1
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図3
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図7
図8