(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ナノスケールパターンを有する液晶回折デバイスおよびそれを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240925BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20240925BHJP
G02B 1/08 20060101ALI20240925BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20240925BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240925BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
G02B1/08
G02B3/00
H04N5/64 511A
G02B5/18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161547
(22)【出願日】2022-10-06
(62)【分割の表示】P 2019526473の分割
【原出願日】2017-11-13
【審査請求日】2022-10-06
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チュルウ オ
(72)【発明者】
【氏名】マウロ メッリ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ぺロス
(72)【発明者】
【氏名】ビクラムジト シン
(72)【発明者】
【氏名】フランク シュー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アンソニー クルグ
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508320(JP,A)
【文献】特開2008-241756(JP,A)
【文献】国際公開第2016/151347(WO,A1)
【文献】特表2014-528597(JP,A)
【文献】特表2016-519327(JP,A)
【文献】特開2002-357804(JP,A)
【文献】特開2010-066765(JP,A)
【文献】特開2005-250486(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0066929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0051066(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/02
G02B27/01
G02F 1/1337
G02F 1/1347
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学デバイスを加工するための方法であって、前記方法は、
重合化可能液晶層を基板にわたって提供することと、
前記重合化可能液晶層をパターン化することと、
液晶層を前記パターン化された重合化可能液晶層上に堆積させることと
を含み、
前記堆積された液晶層の分子は、前記パターン化された重合化可能液晶層に自己整合され、
前記重合化可能液晶層をパターン化することは、第1の複数の特徴を備える第1のドメインと、
前記第1の複数の特徴と異なるように配列された第2の複数の特徴を備える第2のドメインとを有するインプリントテンプレートによって、前記重合化可能液晶層をインプリントすることを含み、前記第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって、前記第2のドメインから離間され、前記特徴を欠いている領域の側方寸法は、約20nm~約100nmの値を有する、方法。
【請求項2】
前記第1のドメインの前記第1の複数の特徴は、第1のパターンを形成するように配列され、前記第2のドメインの前記第2の複数の特徴は、前記第1のパターンと明確に異なる第2のパターンを形成するように配列される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを含み、前記第2の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インプリントテンプレートは、半導体材料を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
光学リソグラフィ、ナノインプリント、イオンビームリソグラフィ、および電子ビームリソグラフィのうちの少なくとも1つを使用して、前記インプリントテンプレートを形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
液晶デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
液晶材料の層を基板上に堆積させることと、
パターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、前記液晶材料の分子がパターンに自己整合されるように前記パターンを前記液晶材料の層上にインプリントすることと
を含み、
前記パターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを備え、
前記第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって前記第2のドメインから離間され、
前記特徴を欠いている領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmであり、
前記方法は、
液晶材料の付加的層を前記液晶材料の層にわたって堆積させることと、
パターンを前記液晶材料の付加的層上にインプリントすること
と
をさらに含み、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンと異なり、前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンは、第1の波長の光に作用するように構成され、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、第2の波長の光に作用するように構成される
、方法。
【請求項7】
液晶デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
重合化可能液晶材料の層を基板上に堆積させることと、
インプリントテンプレートを使用して、パターンを前記重合化可能液晶材料上にインプリントすることと、
液晶材料の層を、前記液晶材料の分子が前記パターンに自己整合されるように、前記パターン化された重合化可能液晶材料上に堆積させることと
を含み、
前記インプリントテンプレートは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを含むインプリントパターンを備え、
前記第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、前記第2のドメインから離間され、
前記ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmであり、
前記方法は、
液晶材料の付加的層を前記液晶材料の層にわたって堆積させることであって、前記液晶材料の付加的層は、前記液晶材料の層の前記パターンに自己整合される、ことと、
パターンを前記液晶材料の付加的層上にインプリントすることであって、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンと異なる、ことと
をさらに含み、
前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンは、第1の波長の光に作用するように構成され、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、第2の波長の光に作用するように構成される
、方法。
【請求項8】
液晶デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
層を基板上に堆積させることと、
インプリントパターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、パターンを前記層上にインプリントすることと、
液晶材料の層を、前記液晶材料の分子が前記パターンに自己整合されるように、前記パターン化された層上に堆積させることであって、前記液晶材料は、重合化可能である、ことと、
前記液晶材料の分子が前記パターンに自己整合された後に、前記液晶材料を重合化することと
を含み、
前記インプリントパターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを備え、
前記第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、前記第2のドメインから離間され、
前記ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmであり、
前記方法は、
液晶材料の付加的層を前記液晶材料の層にわたって堆積させることであって、前記液晶材料の付加的層は、前記液晶材料の層の前記パターンに自己整合される、ことと、
パターンを前記液晶材料の付加的層上にインプリントすることであって、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンと異なる、こと
と
をさらに含み、
前記液晶材料の層上にインプリントされた前記パターンは、第1の波長の光に作用するように構成され、前記液晶材料の付加的層上にインプリントされた前記パターンは、第2の波長の光に作用するように構成される
、方法。
【請求項9】
液晶レンズを加工するための方法であって、前記方法は、
インプリント層を基板にわたって提供することであって、前記インプリント層は、少なくとも、第1の
側方方向に沿って配向される第1の複数の特徴を備える第1のゾーンと、
前記第1の側方方向と異なる第2の
側方方向に沿って配向される第2の複数の特徴を備える第2のゾーンと
、前記第1の側方方向および前記第2の側方方向のうちの少なくとも1つと異なる第3の側方方向に沿って配向される第3の複数の特徴を備える第3のゾーンとを備え
、前記第1のゾーンは、前記第2のゾーンに隣接し、前記第1のゾーンは、第1の側方寸法を有しかつ特徴を欠いている第1の間隙によって前記第2のゾーンから分離されており、前記第1のゾーンは、前記第3のゾーンに隣接し、前記第1のゾーンは、前記第1の側方寸法と異なる第2の側方寸法を有しかつ特徴を欠いている第2の間隙によって前記第3のゾーンから分離されている、ことと、
液晶層を前記インプリント層上に堆積させることであって、前記堆積された液晶層の分子は、前記第1および第2の複数の特徴に自己整合され、前記液晶層は、重合化可能液晶材料を備える、ことと、
前記重合化可能液晶材料の分子が前記第1および第2の複数の特徴に自己整合された後に、前記重合化可能液晶材料を重合化することと
を含む、方法。
【請求項10】
前記第2の
側方方向は、前記第1の
側方方向に対して1度~45度の角度だけ回転される、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張)
本願は、2017年10月26日に出願された米国出願第15/795,067号および2016年11月18日に出願された米国仮特許出願第62/424,341号の優先権の利益を主張するものであり、これらの両方は、全体が参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(参照による援用)
本願は、以下の出願、すなわち、米国出願第14/555,585号(出願日2014年11月27日);米国出願第14/690,401号(出願日2015年4月18日);米国出願第14/212,961号(出願日2014年3月14日);米国出願第14/331,218号(出願日2014年7月14日);および米国出願第15/072,290号(出願日2016年3月16日)の各々の全体を参照により援用するものである。
【0003】
本開示は、仮想現実および拡張現実結像および可視化システムを含む、光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオでは、AR画像コンテンツは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写され、AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。これらのアイテムに加え、AR技術のユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50と等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚するが、これらの要素40、50は、実世界には存在しない。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術の生産は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARおよびVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のシステム、方法、およびデバイスはそれぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちの単一の1つが、本明細書に開示される望ましい属性に関与するわけではない。
【0008】
本願の主題の革新的側面は、第1の主表面と、第2の主表面と、厚さとを有する、液晶層を備える、光学デバイスであって、第1および第2の主表面は、横方向を横断して延在し、厚さは、第1または第2の主表面の面法線と平行方向に沿って延在し、液晶層は、液晶層の厚さを横断して分散される複数のサブ層を備え、複数のサブ層はそれぞれ、液晶分子の単一層を備え、液晶分子はそれぞれ、縦軸を有する、光学デバイス内に具現化される。各サブ層は、複数の液晶分子の縦軸が第1のパターンを形成するように配列される、第1のドメインと、複数の液晶分子の縦軸が第2のパターンを形成するように配列される、第2のドメインとを備える。第1のドメインは、約10nm~約50nmの距離Dを有するドメイン間隙によって、第2のドメインから横方向に沿って側方に離間される。ドメイン間隙内の液晶分子の縦軸は、第1のパターンから第2のパターンに徐々に遷移する。
【0009】
本デバイスの種々の実施形態では、サブ層の第1のドメインの分子の縦軸は、隣接するサブ層の第1のドメインの分子の縦軸に対して捻転されることができる。本デバイスの種々の実施形態はさらに、第2の液晶層を備えることができ、第2の液晶層の液晶分子は、それぞれ、第1および第2のドメイン内において第1の方向および第2の方向に自己整合するように構成される。液晶層または第2の液晶層は、重合化可能液晶材料を備えることができる。本デバイスの種々の実施形態はさらに、第2の液晶層にわたる第3の液晶層を備えることができ、第3の液晶の複数の液晶分子は、第3の方向に沿って配列されることができる。本デバイスの種々の実施形態はさらに、第3の液晶層にわたる第4の液晶層を備えることができ、第4の液晶層の複数の液晶は、第3の方向に自己整合するように構成されることができる。種々の実施形態では、第2の液晶層および/または第4の液晶層は、導波管にわたって配置されることができる。第2の液晶層および/または第4の液晶層は、光の入射ビームが全内部反射によって導波管を通して伝搬するように、光の入射ビームを導波管の中に内部結合するように構成される、内部結合光学要素を備えることができる。本デバイスの種々の実施形態は、内部結合光学要素を介して光を導波管の中に指向するように構成される、光変調デバイスを備えることができる。第2の液晶層および/または第4の液晶層は、全内部反射によって導波管を通して伝搬する光の入射ビームを外部結合するように構成される、外部結合光学要素を備えることができる。
【0010】
種々の実施形態では、第2の液晶層および/または第4の液晶層は、全内部反射によって導波管を通して伝搬する光を再指向するように構成される、直交瞳エクスパンダを備えることができ、再指向される光は、全内部反射によって導波管を通して伝搬し続ける。本デバイスの種々の実施形態では、液晶層は、光の入射ビームが全内部反射によって導波管を通して伝搬するように、光の入射ビームを導波管の中に内部結合するように構成される、内部結合光学要素を備えることができる。本デバイスの種々の実施形態では、液晶層は、全内部反射によって導波管を通して伝搬する光のビームを外部結合するように構成される、外部結合光学要素を備えることができる。第1のドメイン内の複数の液晶分子の縦軸は、第1の方向に沿って整合されることができ、第2のドメイン内の複数の液晶分子の縦軸は、第2の方向に沿って整合されることができる。ドメイン間隙内の液晶分子の縦軸は、第1の方向から第2の方向に徐々に遷移することができる。
【0011】
本願の主題の別の革新的側面は、光学デバイスを加工するための方法を含み、本方法は、重合化可能液晶層を基板にわたって提供するステップと、重合化可能液晶層をパターン化するステップと、液晶層をパターン化された重合化可能液晶層上に堆積させるステップとを含む。堆積される液晶層の分子は、パターン化された重合化可能液晶層に自己整合される。重合化可能液晶層をパターン化するステップは、第1の複数の特徴を備える第1のドメインと、第2の複数の特徴を備える第2のドメインとを有する、インプリントテンプレートによって、重合化可能液晶層をインプリントするステップを備え、第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって、第2のドメインから離間され、特徴を欠いている領域の寸法は、約20nm~約100nmの値を有する。寸法は、長さまたは幅のうちの少なくとも1つを備えることができる。第1の複数の特徴の幅は、約20nm以上約100nm以下であることができる。第2の複数の特徴の幅は、約20nm以上約100nm以下であることができる。第1の複数の特徴の2つの連続特徴の中心間の距離は、約20nm以上約100nm以下であることができる。第1の複数の特徴の高さは、約10nm以上約100nm以下であることができる。第2の複数の特徴の2つの連続特徴の中心間の距離は、約20nm以上約100nm以下であることができる。第2の複数の特徴の高さは、約10nm以上約100nm以下であることができる。
【0012】
第1のドメインの第1の複数の特徴は、第1のパターンを形成するように配列されることができ、第2のドメインの第2の複数の特徴は、第2のパターンを形成するように配列されることができる。第1のパターンは、第2のパターンと明確に異なることができる。第1の複数の特徴は、第1の方向に沿って配向されることができ、第2のドメインの第2の複数の特徴は、第2の方向に沿って配向されることができる。第1の方向は、第2の方向と明確に異なることができる。第1の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを備えることができる。第2の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを備えることができる。インプリントテンプレートは、半導体材料を備えることができる。種々の実施形態では、インプリントテンプレートは、光学リソグラフィ、ナノインプリント、またはイオンおよび電子ビームリソグラフィのうちの少なくとも1つを使用して、製造されることができる。
【0013】
本願の主題の別の革新的側面は、液晶デバイスを製造する方法内に含まれる。本方法は、液晶材料の層を基板上に堆積させるステップと、パターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、液晶材料の分子がパターンに自己整合されるように、パターンを液晶材料の層上にインプリントするステップとを含む。パターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する、第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する、第2のドメインとを備える。第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって第2のドメインから離間される。特徴を欠いている領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである。
【0014】
種々の実施形態では、本方法はさらに、液晶材料の屈折率より低い屈折率を有する材料の層を堆積させるステップを含む。低屈折率材料の層は、平面化テンプレートを使用する平面化層として構成されることができる。第1の複数の特徴または第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を含むことができる。第1の複数の特徴または第2の複数の特徴の長さ、幅、または高さのうちの少なくとも1つは、約10nm~約100nmであることができる。第1のドメインまたは第2のドメインは、PBPE構造を含むことができる。液晶デバイスは、メタ表面および/またはメタ材料を備えることができる。第1のドメインまたは第2のドメインは、格子アレイを含む。種々の実施形態では、第1のドメインまたは第2のドメインは、曲線溝または弧を備えることができる。
【0015】
本方法の種々の実施形態では、液晶材料の層を堆積させるステップは、液晶材料の層をジェット堆積させるステップを含むことができる。本方法はさらに、液晶材料の付加的層を液晶材料の層にわたって堆積させるステップを含む。液晶材料の付加的層は、液晶材料の層のパターンに自己整合されることができる。パターンは、液晶材料の付加的層上にインプリントされることができる。液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なることができる。種々の実施形態では、液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成されることができ、液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成されることができる。
【0016】
本願の主題のさらに別の革新的側面は、液晶デバイスを製造する方法内に含まれる。本方法は、重合化可能液晶材料の層を基板上に堆積させるステップと、インプリントテンプレートを使用して、パターンを重合化可能液晶材料上にインプリントするステップと、液晶材料の分子がパターンに自己整合されるように、液晶材料の層をパターン化された重合化可能液晶材料上に堆積させるステップとを含む。
【0017】
インプリントテンプレートは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する、第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する、第2のドメインとを含む、インプリントパターンを備える。第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、第2のドメインから離間される。ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである。
【0018】
本方法の種々の実施形態では、重合化可能液晶材料の層を堆積させるステップは、重合化可能液晶材料をジェット堆積させるステップを含むことができる。第1または第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を備えることができる。第1または第2の複数の特徴は、約10nm~約100nmのサイズを有することができる。第1または第2のドメインは、PBPE構造を含むことができる。液晶デバイスは、メタ表面および/またはメタ材料を備えることができる。第1または第2のドメインは、格子アレイを含むことができる。第1または第2の複数の特徴は、曲線溝または弧を含むことができる。本方法の種々の実施形態では、液晶材料の層を堆積させるステップは、液晶材料の層をジェット堆積させるステップを含むことができる。
【0019】
本方法はさらに、液晶材料の付加的層を液晶材料の層にわたって堆積させるステップを含むことができる。液晶材料の付加的層は、液晶材料の層のパターンに自己整合されることができる。パターンは、液晶材料の付加的層上にインプリントされることができる。液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なることができる。液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成されることができ、液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成されることができる。
【0020】
本願の主題のさらに別の革新的側面は、液晶デバイスを製造する方法を含む。本方法は、層を基板上に堆積させるステップと、インプリントパターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、パターンを層上にインプリントするステップと、液晶材料の分子がパターンに自己整合されるように、液晶材料の層をパターン化された層上に堆積させるステップとを含む。インプリントパターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する、第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する、第2のドメインとを備える。第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、第2のドメインから離間され、ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである。
【0021】
層は、重合化可能液晶材料を備えることができる。本方法の種々の実施形態では、層を堆積させるステップは、層をジェット堆積させるステップを含む。第1または第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を含むことができる。第1または第2の複数の特徴は、約10nm~約100nmのサイズを有することができる。第1または第2のドメインは、PBPE構造またはメタ表面を含むことができる。第1または第2のドメインは、格子アレイを含むことができる。第1または第2の複数の特徴は、曲線溝または弧を含むことができる。種々の実施形態では、液晶材料の層を堆積させるステップは、液晶材料の層をジェット堆積させるステップを含むことができる。
【0022】
本方法の種々の実施形態はさらに、液晶材料の付加的層を液晶材料の層にわたって堆積させるステップを含むことができる。液晶材料の付加的層は、液晶材料の層のパターンに自己整合されることができる。パターンは、液晶材料の付加的層上にインプリントされることができる。液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なることができる。液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成されることができ、液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成されることができる。
【0023】
本願の主題の別の革新的側面は、基板と、基板に隣接する第1の表面および第1の表面と反対の第2の表面を有する、液晶材料の層とを備える、液晶デバイスを含む。第2の表面上の液晶材料の層の第1の複数の分子は、第1のパターンを形成するように配列され、第2の表面上の液晶材料の層の第2の複数の分子は、第2のパターンを形成するように配列される。第1の複数の分子は、約20nm~約100nmの距離を有する間隙によって、第2の複数の分子から離間され、間隙内の液晶材料の層の分子は、第1のパターンから第2のパターンに徐々に遷移するように配列される。種々の実施形態では、液晶材料の層は、偏光格子として構成される。
【0024】
本願の主題の別の革新的側面は、基板と、基板に隣接する第1の表面および第1の表面と反対の第2の表面を有する、材料と、材料の第2の表面上の液晶材料とを備える、液晶デバイスを含む。材料は、第2の表面上の第1のパターンと、第2の表面上の第2のパターンとを備える。第1のパターンは、約20nm~約100nmの距離を有する間隙によって、第2のパターンから離間される。本デバイスの種々の実施形態では、材料は、重合化可能液晶材料を備えることができる。
【0025】
本願の主題の革新的側面は、液晶レンズを加工するための方法内に実装される。本方法は、インプリント層を基板にわたって提供するステップを含む。インプリント層は、第1の方向に沿って配向される第1の複数の特徴を備える少なくとも第1のゾーンと、第2の方向に沿って配向される第2の複数の特徴を備える第2のゾーンとを備える。第2の方向は、第1の方向に対して約1度~約45度の角度だけ回転されることができる。本方法はさらに、液晶層をインプリント層上に堆積させるステップを含み、堆積される液晶層の分子は、第1および第2の複数の特徴に自己整合される。種々の実装では、インプリント層は、約5~30のゾーンを備えることができる。第1および第2のゾーンは、約10nm以下の間隙によって離間されることができる。例えば、第1および第2のゾーンは、約5nm以下、約2nm以下、および/または約1nm以下の間隙によって離間されることができる。
【0026】
第1または第2の複数の特徴は、例えば、溝等のナノ特徴を備えることができる。第1の複数の特徴および第2の複数の特徴の長さまたは幅は、約200nm以下であることができる。例えば、第1の複数の特徴および第2の複数の特徴の長さまたは幅は、約100nm以下であることができる。第1の複数の特徴および第2の複数の特徴の高さまたは深度は、約200nm以下であることができる。例えば、第1の複数の特徴および第2の複数の特徴の高さまたは深度は、約100nm以下であることができる。
【0027】
インプリント層は、半導体材料を備えることができる。液晶層は、重合化可能液晶材料を備えることができる。本方法はさらに、重合化可能液晶材料の分子が第1および第2の複数の特徴に自己整合された後、重合化可能液晶材料を重合化するステップを含む。重合化可能液晶材料を重合化するステップは、重合化可能液晶材料を紫外線光に暴露するステップを含むことができる。液晶レンズは、回折レンズを備えることができる。液晶層をインプリント層上に堆積させるステップは、液晶をジェット堆積させるステップを含むことができる。
【0028】
本願の主題の革新的側面は、液晶レンズ内に実装される。液晶レンズは、第1の方向に沿って配向される第1の複数の特徴を備える少なくとも第1のゾーンと、第2の方向に沿って配向される第2の複数の特徴を備える第2のゾーンとを備える、パターン化された基板を備える。第1の複数の特徴および第2の複数の特徴は、約100nm以下の寸法を有する。レンズは、パターン化された基板にわたる液晶層を備え、液晶層の分子は、第1および第2の複数の特徴に自己整合される。寸法は、特徴の長さ、高さ、深度、または幅を備えることができる。液晶は、重合化可能液晶を備えることができる。
【0029】
パターン化された基板は、パターン化されたその上に配置される層を有する、基板を備えることができる。第1および第2のゾーンは、同心リング形状のゾーンを備えることができる。レンズは、約3~30ゾーンを備えることができる。例えば、レンズは、少なくとも5つのゾーンを備えることができる。ゾーンの幅は、パターン化された基板の中心からの距離に伴って徐々に減少することができる。種々の実装では、ゾーンは、その間に間隙を有していないことができる。いくつかの実装では、ゾーン間の間隙は、5nm以下であることができる。例えば、ゾーン間の間隙は、1nm以下であることができる。レンズは、回折レンズとして構成されることができる。レンズは、正のまたは負の屈折力を提供するように構成されることができる。
【0030】
本明細書に説明される液晶デバイスの種々の実施形態は、ディスプレイシステムの導波管とともに含まれることができる。本明細書に説明される液晶デバイスの実施形態は、多重化された光流からの少なくとも1つの光流を導波管の中に内部結合し、多重化された光流からの1つ以上の他の光流を透過させるように選択的に構成されることができる。本明細書に説明される液晶デバイスの種々の実施形態は、頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズとともに含まれることができる。
【0031】
本明細書に説明される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、付随の図面および下記の説明に記載される。他の特徴、側面、および利点は、説明、図面、および請求項から明白となるであろう。以下の図の相対的寸法は、正確な縮尺で描かれていない場合があることに留意されたい。
(項目1)
第1の主表面と、第2の主表面と、厚さとを有する液晶層を備える光学デバイスであって、上記第1の主表面および第2の主表面は、横方向を横断して延在し、上記厚さは、上記第1の主表面または上記第2の主表面の面法線と平行な方向に沿って延在し、上記液晶層は、上記液晶層の厚さを横断して分散される複数のサブ層を備え、上記複数のサブ層のそれぞれは、液晶分子の単一層を備え、上記液晶分子のそれぞれは、縦軸を有し、
各サブ層は、
複数の液晶分子の縦軸が第1のパターンを形成するように配列される第1のドメインと、
複数の液晶分子の縦軸が第2のパターンを形成するように配列される第2のドメインと
を備え、
上記第1のドメインは、約10nm~約50nmの距離Dを有するドメイン間隙によって、上記第2のドメインから上記横方向に沿って側方に離間され、上記ドメイン間隙内の上記液晶分子の縦軸は、上記第1のパターンから上記第2のパターンに徐々に遷移する、デバイス。
(項目2)
上記サブ層の第1のドメインの分子の縦軸は、隣接する上記サブ層の第1のドメインの分子の縦軸に対して捻転されることができる、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
第2の液晶層をさらに備え、上記第2の液晶層の液晶分子は、それぞれ、第1のドメインおよび第2のドメイン内において上記第1の方向および上記第2の方向に自己整合するように構成されることを含む、項目1に記載のデバイス。
(項目4)
上記液晶層または上記第2の液晶層は、重合化可能液晶材料を備える、項目3に記載のデバイス。
(項目5)
上記第2の液晶層にわたる第3の液晶層をさらに備え、上記第3の液晶の複数の液晶分子は、第3の方向に沿って配列される、項目3に記載のデバイス。
(項目6)
上記第3の液晶層にわたる第4の液晶層をさらに備え、上記第4の液晶層の複数の液晶は、上記第3の方向に自己整合するように構成される、項目5に記載のデバイス。
(項目7)
上記第2の液晶層および/または上記第4の液晶層は、導波管にわたって配置される、項目3または項目6に記載のデバイス。
(項目8)
上記第2の液晶層および/または上記第4の液晶層は、上記光の入射ビームが全内部反射によって上記導波管を通して伝搬するように光の入射ビームを上記導波管の中に内部結合するように構成される内部結合光学要素を備える、項目7に記載のデバイス。
(項目9)
上記内部結合光学要素を介して光を上記導波管の中に指向するように構成される光変調デバイスをさらに備える、項目8に記載のデバイス。
(項目10)
上記第2の液晶層および/または上記第4の液晶層は、全内部反射によって上記導波管を通して伝搬する光の入射ビームを外部結合するように構成される外部結合光学要素を備える、項目7に記載のデバイス。
(項目11)
上記第2の液晶層および/または上記第4の液晶層は、全内部反射によって上記導波管を通して伝搬する光を再指向するように構成される直交瞳エクスパンダを備え、上記再指向される光は、全内部反射によって上記導波管を通して伝搬し続ける、項目7に記載のデバイス。
(項目12)
上記液晶層は、光の入射ビームが全内部反射によって上記導波管を通して伝搬するように光の入射ビームを導波管の中に内部結合するように構成される内部結合光学要素を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目13)
上記液晶層は、全内部反射によって導波管を通して伝搬する光のビームを外部結合するように構成される外部結合光学要素を備える、項目1に記載のデバイス。
(項目14)
上記第1のドメイン内の上記複数の液晶分子の縦軸は、第1の方向に沿って整合され、上記第2のドメイン内の上記複数の液晶分子の縦軸は、第2の方向に沿って整合され、
上記ドメイン間隙内の上記液晶分子の縦軸は、上記第1の方向から上記第2の方向に徐々に遷移する、項目1に記載のデバイス。
(項目15)
光学デバイスを加工するための方法であって、上記方法は、
重合化可能液晶層を基板にわたって提供することと、
上記重合化可能液晶層をパターン化することと、
液晶層を上記パターン化された重合化可能液晶層上に堆積させることと
を含み、
上記堆積される液晶層の分子は、上記パターン化された重合化可能液晶層に自己整合され、
上記重合化可能液晶層をパターン化することは、第1の複数の特徴を備える第1のドメインと、第2の複数の特徴を備える第2のドメインとを有するインプリントテンプレートによって、上記重合化可能液晶層をインプリントすることを含み、上記第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって、上記第2のドメインから離間され、上記特徴を欠いている領域の寸法は、約20nm~約100nmの値を有する、方法。
(項目16)
上記寸法は、長さまたは幅のうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
上記第1の複数の特徴の幅は、約20nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目18)
上記第2の複数の特徴の幅は、約20nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目19)
上記第1の複数の特徴の2つの連続特徴の中心間の距離は、約20nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目20)
上記第1の複数の特徴の高さは、約10nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目21)
上記第2の複数の特徴の2つの連続特徴の中心間の距離は、約20nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目22)
上記第2の複数の特徴の高さは、約10nm以上約100nm以下である、項目15に記載の方法。
(項目23)
上記第1のドメインの第1の複数の特徴は、第1のパターンを形成するように配列され、上記第2のドメインの第2の複数の特徴は、第2のパターンを形成するように配列される、項目15に記載の方法。
(項目24)
上記第1のパターンは、上記第2のパターンと明確に異なる、項目23に記載の方法。
(項目25)
上記第1の複数の特徴は、第1の方向に沿って配向され、上記第2のドメインの第2の複数の特徴は、第2の方向に沿って配向される、項目15に記載の方法。
(項目26)
上記第1の方向は、上記第2の方向と明確に異なる、項目25に記載の方法。
(項目27)
上記第1の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載の方法。
(項目28)
上記第2の複数の特徴は、線形溝、曲線溝、線形ファセット、または曲線ファセットのうちの少なくとも1つを含む、項目15に記載の方法。
(項目29)
上記インプリントテンプレートは、半導体材料を備える、項目15に記載の方法。
(項目30)
光学リソグラフィ、ナノインプリント、またはイオンおよび電子ビームリソグラフィのうちの少なくとも1つを使用して、上記インプリントテンプレートを製造することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目31)
液晶デバイスを製造する方法であって、上記方法は、
液晶材料の層を基板上に堆積させることと、
パターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、上記液晶材料の分子が上記パターンに自己整合されるように上記パターンを上記液晶材料の層上にインプリントすることと
を含み、
上記パターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを備え、
上記第1のドメインは、特徴を欠いている領域によって上記第2のドメインから離間され、
上記特徴を欠いている領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである、方法。
(項目32)
上記液晶材料の屈折率より低い屈折率を有する材料の層を堆積させることをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
上記低屈折率材料の層は、平面化テンプレートを使用する平面化層として構成される、項目32に記載の方法。
(項目34)
第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を含む、項目31に記載の方法。
(項目35)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴の長さ、幅、または高さのうちの少なくとも1つは、約10nm~約100nmである、項目31に記載の方法。
(項目36)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、PBPE構造を含む、項目31に記載の方法。
(項目37)
上記液晶デバイスは、メタ表面を含む、項目31に記載の方法。
(項目38)
上記液晶デバイスは、メタ材料を備える、項目31に記載の方法。
(項目39)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、格子アレイを含む、項目31に記載の方法。
(項目40)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、曲線溝または弧を含む、項目31に記載の方法。
(項目41)
液晶材料の層を堆積させることは、上記液晶材料の層をジェット堆積させることを含む、項目31に記載の方法。
(項目42)
液晶材料の付加的層を上記液晶材料の層にわたって堆積させることをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目43)
上記液晶材料の付加的層は、上記液晶材料の層のパターンに自己整合される、項目42に記載の方法。
(項目44)
パターンは、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされる、項目42に記載の方法。
(項目45)
上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なる、項目44に記載の方法。
(項目46)
上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成され、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成される、項目44に記載の方法。
(項目47)
液晶デバイスを製造する方法であって、上記方法は、
重合化可能液晶材料の層を基板上に堆積させることと、
インプリントテンプレートを使用して、パターンを上記重合化可能液晶材料上にインプリントすることと、
上記液晶材料の分子が上記パターンに自己整合されるように、液晶材料の層を上記パターン化された重合化可能液晶材料上に堆積させることと
を含み、
上記インプリントテンプレートは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを含むインプリントパターンを備え、
上記第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、上記第2のドメインから離間され、
上記ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである、方法。
(項目48)
重合化可能液晶材料の層を堆積させることは、上記重合化可能液晶材料をジェット堆積させることを含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を備える、項目47に記載の方法。
(項目50)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、約10nm~約100nmのサイズを有する、項目47に記載の方法。
(項目51)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、PBPE構造を含む、項目47に記載の方法。
(項目52)
上記液晶デバイスは、メタ表面を備える、項目47に記載の方法。
(項目53)
上記液晶デバイスは、メタ材料を備える、項目47に記載の方法。
(項目54)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、格子アレイを含む、項目47に記載の方法。
(項目55)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、曲線溝または弧を含む、項目47に記載の方法。
(項目56)
液晶材料の層を堆積させることは、上記液晶材料の層をジェット堆積させることを含む、項目47に記載の方法。
(項目57)
液晶材料の付加的層を上記液晶材料の層にわたって堆積させることをさらに含む、項目47に記載の方法。
(項目58)
上記液晶材料の付加的層は、上記液晶材料の層のパターンに自己整合される、項目47に記載の方法。
(項目59)
パターンは、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされる、項目47に記載の方法。
(項目60)
上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なる、項目59に記載の方法。
(項目61)
上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成され、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成される、項目59に記載の方法。
(項目62)
液晶デバイスを製造する方法であって、上記方法は、
層を基板上に堆積させることと、
インプリントパターンを備えるインプリントテンプレートを使用して、パターンを上記層上にインプリントすることと、
上記液晶材料の分子が上記パターンに自己整合されるように、液晶材料の層を上記パターン化された層上に堆積させることと
を含み、
上記インプリントパターンは、第1のパターンを形成するように配列される第1の複数の特徴を有する第1のドメインと、第2のパターンを形成するように配列される第2の複数の特徴を有する第2のドメインとを備え、
上記第1のドメインは、特徴を欠いているドメイン間隙領域によって、上記第2のドメインから離間され、
上記ドメイン間隙領域の幅または長さのうちの少なくとも1つは、約20nm~約100nmである、方法。
(項目63)
上記層は、重合化可能液晶材料を備える、項目62に記載の方法。
(項目64)
層を堆積させることは、上記層をジェット堆積させることを含む、項目62に記載の方法。
(項目65)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、表面レリーフ特徴を含む、項目62に記載の方法。
(項目66)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、約10nm~約100nmのサイズを有する、項目62に記載の方法。
(項目67)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、PBPE構造またはメタ表面を含む、項目62に記載の方法。
(項目68)
上記第1のドメインまたは上記第2のドメインは、格子アレイを含む、項目62に記載の方法。
(項目69)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、曲線溝または弧を含む、項目62に記載の方法。
(項目70)
液晶材料の層を堆積させることは、上記液晶材料の層をジェット堆積させることを含む、項目62に記載の方法。
(項目71)
液晶材料の付加的層を上記液晶材料の層にわたって堆積させることをさらに含む、項目62に記載の方法。
(項目72)
上記液晶材料の付加的層は、上記液晶材料の層のパターンに自己整合される、項目71に記載の方法。
(項目73)
パターンは、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされる、項目71に記載の方法。
(項目74)
上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンと異なる、項目73に記載の方法。
(項目75)
上記液晶材料の層上にインプリントされるパターンは、第1の波長に作用するように構成され、上記液晶材料の付加的層上にインプリントされるパターンは、第2の波長に作用するように構成される、項目73に記載の方法。
(項目76)
液晶デバイスであって、
基板と、
上記基板に隣接する第1の表面および上記第1の表面と反対の第2の表面を有する液晶材料の層と
を備え、
上記第2の表面上の上記液晶材料の層の第1の複数の分子は、第1のパターンを形成するように配列され、上記第2の表面上の上記液晶材料の層の第2の第1の複数の分子は、第2のパターンを形成するように配列され、上記第1の複数の分子は、約20nm~約100nmの距離を有する間隙によって、上記第2の複数の分子から離間され、上記間隙内の上記液晶材料の層の分子は、上記第1のパターンから上記第2のパターンに徐々に遷移するように配列される、液晶デバイス。
(項目77)
上記液晶材料の層は、偏光格子として構成される、項目76に記載の液晶デバイス。
(項目78)
ディスプレイシステムの導波管とともに含まれる、項目76に記載の液晶デバイス。
(項目79)
多重化された光流からの少なくとも1つの光流を上記導波管の中に選択的に内部結合し、上記多重化された光流からの1つ以上の他の光流を透過させるように構成される、項目78に記載の液晶デバイス。
(項目80)
頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズとともに含まれる、項目76に記載の液晶デバイス。
(項目81)
液晶デバイスであって、
基板と、
上記基板に隣接する第1の表面および上記第1の表面と反対の第2の表面を有する材料であって、上記材料は、
上記第2の表面上の第1のパターンと、
上記第2の表面上の第2のパターンと
を備え、上記第1のパターンは、約20nm~約100nmの距離を有する間隙によって、上記第2のパターンから離間される、材料と、
上記材料の第2の表面上の液晶材料と
を備える、液晶デバイス。
(項目82)
上記材料は、重合化可能液晶材料を備える、項目81に記載の液晶デバイス。
(項目83)
頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズとともに含まれる、項目31、項目47、項目62、または項目81に記載の液晶デバイス。
(項目84)
多重化された光流からの少なくとも1つの光流を上記接眼レンズの導波管の中に選択的に内部結合し、上記多重化された光流からの1つ以上の他の光流を透過させるように構成される、項目83に記載の液晶デバイス。
(項目85)
頭部搭載型ディスプレイの接眼レンズとともに含まれる、項目1または項目15に記載の光学デバイス。
(項目86)
多重化された光流からの少なくとも1つの光流を上記接眼レンズの導波管の中に選択的に内部結合し、上記多重化された光流からの1つ以上の他の光流を透過させるように構成される、項目85に記載の光学デバイス。
(項目87)
液晶レンズを加工するための方法であって、上記方法は、
インプリント層を基板にわたって提供することであって、上記インプリント層は、第1の方向に沿って配向される第1の複数の特徴を備える少なくとも第1のゾーンと、第2の方向に沿って配向される第2の複数の特徴とを備える第2のゾーンとを備える、ことと、
液晶層を上記インプリント層上に堆積させることと
を含み、上記堆積される液晶層の分子は、上記第1の複数の特徴および第2の複数の特徴に自己整合される、方法。
(項目88)
上記第1のゾーンおよび第2のゾーンは、約5nm以下の間隙によって離間される、項目87に記載の方法。
(項目89)
上記第1の複数の特徴または上記第2の複数の特徴は、溝を備える、項目87に記載の方法。
(項目90)
上記第2の方向は、上記第1の方向に対して約1度~約45度の角度だけ回転される、項目87に記載の方法。
(項目91)
上記インプリント層は、半導体材料を備える、項目87に記載の方法。
(項目92)
上記液晶層は、重合化可能液晶材料を備える、項目87に記載の方法。
(項目93)
上記重合化可能液晶材料の分子が、上記第1の複数の特徴および第2の複数の特徴に自己整合された後、上記重合化可能液晶材料を重合化することをさらに含む、項目91に記載の方法。
(項目94)
上記重合化可能液晶材料を重合化することは、上記重合化可能液晶材料を紫外線光に暴露することを含む、項目92に記載の方法。
(項目95)
上記レンズは、回折レンズを備える、項目87-93のいずれかに記載の方法。
(項目96)
液晶層を上記インプリント層上に堆積させることは、上記液晶をジェット堆積させることを含む、項目87-93のいずれかに記載の方法。
(項目97)
上記第1の複数の特徴および上記第2の複数の特徴の長さまたは幅は、約100nm以下である、項目87に記載の方法。
(項目98)
上記第1の複数の特徴および上記第2の複数の特徴の高さまたは深度は、約100nm以下である、項目87に記載の方法。
(項目99)
液晶レンズであって、
第1の方向に沿って配向される第1の複数の特徴を備える少なくとも第1のゾーンと、第2の方向に沿って配向される第2の複数の特徴を備える第2のゾーンとを備えるパターン化された基板であって、上記第1の複数の特徴および上記第2の複数の特徴は、約100nm以下の寸法を有する、パターン化された基板と、
上記パターン化された基板にわたる液晶層と
を備え、
上記液晶層の分子は、上記第1の複数の特徴および第2の複数の特徴に自己整合される、液晶レンズ。
(項目100)
上記パターン化された基板は、パターン化されたその上に配置される層を有する基板を備える、項目99に記載の液晶レンズ。
(項目101)
上記少なくとも第1のゾーンおよび第2のゾーンは、同心リング形状のゾーンを備える、項目99または100に記載の液晶レンズ。
(項目102)
少なくとも5つのゾーンを備える、項目99または101に記載の液晶レンズ。
(項目103)
上記ゾーンの幅は、上記パターン化された基板の中心からの距離に伴って徐々に減少する、項目99または102に記載の液晶レンズ。
(項目104)
上記ゾーンは、その間に間隙を有していない、項目99または103に記載の液晶レンズ。
(項目105)
上記ゾーン間の間隙は、1nm以下である、項目99または103に記載の液晶レンズ。
(項目106)
上記ゾーン間の間隙は、5nm以下である、項目99または103に記載の液晶レンズ。
(項目107)
上記寸法は、上記特徴の長さまたは幅を備える、項目99-106のいずれかに記載の液晶レンズ。
(項目108)
上記液晶は、重合液晶を備える、項目99-107のいずれかに記載の液晶レンズ。
(項目109)
上記レンズは、回折レンズを備える、項目99-108のいずれかに記載の液晶レンズ。
(項目110)
屈折力を提供するように構成される、項目99-109のいずれかに記載の液晶レンズ。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【
図2】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【
図10A】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図10B】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図10C】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図10D】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図10E】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図10F】
図10Aは、液晶分子の複数のドメインを備える、液晶層の実施例の上面図を図示する。
図10Bは、
図10Aに描写される液晶層の拡大された上面図を図示し、各ドメイン内の液晶分子の配向を示す。
図10C、10D、10E、および10Fは、
図10Aに描写される液晶層の種々の実施形態の側面図を図示する。
【
図11A】
図11Aは、
図10Aに描写される液晶層を製造するように構成される複数の表面特徴を含む、インプリントテンプレートの上面図を図示する。
【
図12A】
図12A-12Dは、異なるパターンで配列される複数の液晶分子を含む、液晶層を製造する方法の実施形態を図示する。
図12Eは、複数の液晶層を備える、スタックされた液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図12B】
図12A-12Dは、異なるパターンで配列される複数の液晶分子を含む、液晶層を製造する方法の実施形態を図示する。
図12Eは、複数の液晶層を備える、スタックされた液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図12C】
図12A-12Dは、異なるパターンで配列される複数の液晶分子を含む、液晶層を製造する方法の実施形態を図示する。
図12Eは、複数の液晶層を備える、スタックされた液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図12D】
図12A-12Dは、異なるパターンで配列される複数の液晶分子を含む、液晶層を製造する方法の実施形態を図示する。
図12Eは、複数の液晶層を備える、スタックされた液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図12E】
図12A-12Dは、異なるパターンで配列される複数の液晶分子を含む、液晶層を製造する方法の実施形態を図示する。
図12Eは、複数の液晶層を備える、スタックされた液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図13A】
図13Aは、インプリントテンプレートの実施形態の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。
【
図13B】
図13Bは、
図13Aのインプリントテンプレートおよび
図12A-12Cを参照して上記に議論される方法を使用して製造される、パターン化されたPLC層のSEM画像である。
【
図14】
図14は、電気的に制御可能な液晶デバイスの実施形態を図示する。
【
図15】
図15A-15Cは、本明細書に説明される種々の液晶デバイスを製造する方法の実施例を図示する。
【
図16B】
図16Bは、交差偏光器間のレンズの実装の顕微鏡画像を図示する。
図16B-1および16B-2は、液晶レンズの種々の領域内の縦軸の所望の整合を達成するインプリント層のパターンを示す、走査電子顕微鏡(SEM)画像を描写する。
【
図17】
図17A-17Cは、液晶レンズを製造する方法の実施例を図示する。
【
図18】
図18Aは、液晶レンズの実装を製造するために使用される、インプリント層の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。
図18Bは、
図18Aのインプリント層にわたって配置される液晶層の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0033】
種々の図面における同様の参照番号および記号は、同様の要素を示す。
【0034】
液晶(LC)は、ある条件下で恣意的に配向される縦軸を有する、液晶分子を備える。しかしながら、ある他の条件下では、LC分子は、縦軸が平均方向(本明細書では、配向子と称される)に沿って配向されるように整列されることができる。いくつかの液晶分子は、縦軸を中心として対称であることができる。LCは、LCを通る光の伝搬方向およびそれに沿ってLC分子が概して配向される方向に対する光の偏光に応じた光の異なる波長または偏光に関する異なる光学性質を有し得る、異方性材料である。例えば、LC分子は、LC分子の縦軸の一般的配向の方向に沿って偏光された光が、LC分子の縦軸の一般的配向と垂直方向に沿って偏光された光の屈折率と異なる屈折率を有する、複屈折を呈する。LC材料の複屈折性質の結果、それらは、ディスプレイ、光学通信、光学データ記憶装置、センサ等を含む、種々のシステムにおいて広く使用される。LC材料の屈折率は、LC材料の分子の縦軸の配向を変動させることによって、変動されることができる。故に、LC材料は、位相格子として構成されることができる。LC格子構造は、波長および/または偏光に基づいて、異なる方向に沿って光を選択的に回折するために使用されることができる。
【0035】
LC格子構造を加工するための1つの方法は、表面特徴が機械的物体(例えば、金属物体、布、原子力顕微鏡の先端等)を使用して、整合層の表面を研磨または掻爬することによって、整合層(例えば、ポリマー)上に生産される、研磨プロセス等の機械的方法を含む。整合層上に堆積される層LC材料の分子は、整合層上の表面特徴に整合され、格子パターンを形成する。しかしながら、研磨プロセスは、整合層の表面を機械的に損傷させ、および/または静電気または不純物を整合層の表面上に導入し得、これは、液晶格子構造の回折効率を低減させ得る。さらに、研磨方法を使用して複雑な格子構造(例えば、LC分子の異なる配向を伴うパターンを備える、LC格子)を加工することは、実践的ではない場合がある。加えて、入射光の位相、振幅、および/または偏光を操作するために使用され得る、液晶材料の空間変動ナノスケールパターンを加工することも、実践的ではない場合がある。対照的に、本明細書に説明される種々の実装は、入射光の位相、振幅、および/または偏光を操作するために使用され得る、液晶材料の空間変動ナノスケールパターンを加工するために使用されることができる。空間変動ナノスケールパターンを伴う液晶材料のいくつかの実施形態は、液晶メタ表面を含むことができる。空間変動ナノスケールパターンを伴う液晶材料の他の実施形態は、複数の隣接するドメインを備える、液晶を含むことができ、各ドメイン内の液晶分子は、ナノスケールパターンを形成するように配列され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、LC格子構造は、ディスプレイシステムの構成部分として利用されてもよい。ディスプレイシステムは、導波管と、光ビームを導波管の中に指向するように構成される、画像投入デバイスとを含んでもよい。LC格子構造は、再指向される光が全内部反射によって導波管を通して伝搬し続けるように、導波管内を伝搬する入射光を受光し、その入射光を再指向するための内部結合光学要素、外部結合光学要素、および光学要素のうちの1つ以上のものとして使用されてもよい。後者のタイプの光学要素の実施例は、直交瞳エクスパンダ(OPE)等の瞳エクスパンダを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、LC格子構造は、導波管内を伝搬する光を内部結合する、外部結合する、および/または再指向するために使用されてもよい。光は、単一波長または単一波長範囲の光であってもよい。いくつかの他の実施形態では、光は、異なる光性質を有する複数の光流(例えば、各流は、異なる波長を有してもよい)を含む、多重化された光流の一部である、光流であってもよい。例えば、導波管は、LC格子構造を含んでもよく、これは、1つ以上の他の光流(例えば、第1の波長と異なる波長を有する)に対して実質的に透過性でありながら、特定の光性質(例えば、第1の波長)を有する光から形成される光ビームを選択的に再指向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導波管は、導波管のスタックの一部であって、これは、1つ以上の他の光流に対して透過性でありながら、第2の光流を選択的に方向転換させるように構成される内部結合光学要素を含む、第2の導波管を含むことができる。いくつかの実施形態では、導波管の内部結合LC格子構造は、光流のうちの少なくとも1つを第2の導波管の内部結合LC格子構造に透過させるように構成される。
【0038】
ここで、同様の参照番号が全体を通して同様の部分を指す、図を参照する。本明細書に開示される実施形態は、概して、ディスプレイシステムを含む、光学システムを含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、装着可能であって、これは、有利には、より没入型のVRまたはAR体験を提供し得る。例えば、1つ以上の導波管(例えば、導波管のスタック)を含有する、ディスプレイは、ユーザ、装着者、および/または視認者の眼に位置付けられて装着されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、視認者の眼毎に1つの2つの導波管のスタックが、異なる画像を各眼に提供するために利用されてもよい。
(例示的ディスプレイシステム)
【0039】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされてもよい。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカが、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムもまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等上)に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを取得するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0040】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成で搭載され得る。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ等の(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る)センサから捕捉されるデータ、および/またはb)場合によっては処理または読出後にディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して取得および/または処理されたデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0041】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備え得、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、情報、例えば、拡張現実コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に提供する、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよい。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0042】
「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。
図3は、ユーザに関する3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。2つの明確に異なる画像190、200(眼210、220毎に1つ)が、ユーザに出力される。画像190、200は、視認者の視線と平行な光学軸またはz-軸に沿って距離230だけ眼210、220から離間される。画像190、200は、平坦であって、眼210、220は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に合焦し得る。そのような3-Dディスプレイシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像190、200を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/または尺度の知覚を提供する。
【0043】
しかしながら、ヒト視覚系は、複雑であって、深度の現実的知覚を提供することは、困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出す、または深度の感覚を全く知覚しない場合がある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動(vergence)と遠近調節(accmmodation)の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。相互に対する2つの眼の輻輳・開散運動の移動(すなわち、瞳孔が、相互に向かって、またはそこから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体および瞳孔の合焦(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係および瞳孔の拡張および収縮の下で、輻輳・開散運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節の整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に対抗して機能するため、多くの視認者にとって不快である。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し、装着持続時間の増加、ひいては、診断および療法プロトコルへのコンプライアンスに寄与し得る。
【0044】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4を参照すると、z-軸上の眼210、220からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが合焦するように、眼210、220によって遠近調節される。眼210、220は、特定の遠近調節された状態をとり、オブジェクトをz-軸に沿って異なる距離に合焦させる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、合焦するように、関連付けられた焦点距離を有する、深度平面240のうちの特定の1つと関連付けられると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼210、220毎に、画像の異なる提示を提供することによって、また、深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによってシミュレートされてもよい。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼210、220の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて、重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼と合焦するように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0045】
オブジェクトと眼210または220との間の距離はまた、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量を変化させ得る。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度もまた、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼210との間の距離の減少に伴って増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図5A-5Cおよび本明細書の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得ることを理解されたい。
【0046】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に合焦させるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ててもよい。
【0047】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、
図2のシステム60であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ260は、
図2のディスプレイ70の一部であってもよい。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。
【0048】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力のために各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力してもよい。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、それぞれ対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報を生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0050】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光プロジェクタシステム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に伝送するように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバ(1つまたは複数)と、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0052】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光モジュール540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一の一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図2)の一部であってもよい。
【0053】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって、各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および主要底部表面およびそれらの主要上部表面と主要底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、光を再指向させ、各個別の導波管内で伝搬させ、導波管から画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、光を外部結合する光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部主要表面および/または底部主要表面に配置されてもよい、および/または導波管270、280、290、300、310の体積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、モノリシック材料部品であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料部品の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0054】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1のレンズ350および第2のレンズ340の両方を通して通過させる。第1のレンズ350および第2のレンズ340の組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0055】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面の両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0057】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられた特定の深度平面のために、光をその個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられた深度平面に応じた、異なる発散量を用いて光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積特徴または表面特徴であってもよく、これは、具体的角度において光を出力するように構成されてもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、体積ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)。
【0058】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンまたは「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)を形成する、回折特徴である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、複数の場所において導波管から出射するいくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であってもよい。例えば、切替可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに整合しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0060】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレーム80(
図2)に取り付けられてもよく、本明細書に議論されるように、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し、例えば、ユーザの生理学的状態に関する種々の決定を行い得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。ユーザの生理学的状態に関する情報は、ユーザの挙動または感情状態を決定するために使用されてもよいことを理解されたい。そのような情報の実施例は、ユーザの移動および/またはユーザの顔の表情を含む。ユーザの挙動または感情状態は、次いで、挙動または感情状態と、生理学的状態と、環境または仮想コンテンツデータとの間の関係を決定するように、収集された環境および/または仮想コンテンツデータを用いて三角測量されてもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0061】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム650として出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットは、より発散する出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0062】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0064】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、加えて使用されてもよい、または赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに取って代わってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、および350は、視認者の眼への周囲環境からの光を遮断または
選択的に透過させるように構成される、能動または受動光学フィルタであってもよい。
【0065】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0067】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応してもよく、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0068】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の身体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0069】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受信するようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受信するように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受信しないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0070】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部主要表面および底部主要表面の両方の上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部主要表面および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0071】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率に対して0.05以上または0.10以下である。有利には、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光のTIR(例えば、各導波管の上部主要表面および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0072】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0073】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0074】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。
【0075】
例えば、内部結合光学要素700は、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を選択的に偏向させるように構成されてもよい。同様に、透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。同様に、光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0076】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0077】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0078】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散することと、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させることの両方を行ってもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズである場合、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、いくつかの実施形態では、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させ
るように構成されてもよいことを理解されたい。
【0079】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受信する異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に入射し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合された光も受信する。
【0080】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
(液晶格子)
【0081】
液晶は、その分子が、多くの場合、ある方向に沿って整合され得る、ロッドまたはプレートのように成形される、部分的に整列された材料である。それに沿って液晶の分子が配向される、方向およびパターンは、分子と相互作用する(例えば、立体および/または係留エネルギー相互作用を通して)、テンプレートパターンの使用によって操作されてもよい。加えて、液晶材料は、キラルドーパントおよび/または反応性メソゲン(RM)を備えてもよい。キラルドーパントは、液晶材料の厚さにわたって液晶分子の回転を生じさせ得、反応性メソゲンは、液晶分子の配向および位置が重合化を通して固定されることを可能にし得る。回転は、
図10Cに示されるような捻転角度(Φ)に対応する増分ずつであってもよい。
【0082】
本明細書に説明されるように、
図9Aおよび9Bを参照して上記に議論される、内部結合光学要素700、710、720、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750、および外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820は、光を導波管670、680、690の中および/または外に操向するための液晶格子構造を含むことができる。液晶格子構造は、好ましくは、格子に対する法線に対して大角度で光を回折または再指向し、例えば、光がTIRによって導波管を通して伝搬するように、導波管の中への光の内部結合を促進することができる。加えて、液晶格子構造が広範囲の入射角にわたって高回折効率を有する場合、好ましくあり得る。いくつかのタイプの液晶格子、すなわち、偏光格子は、大回折角度で広範囲の入射角にわたって、高回折効率を呈することができ、これは、光をTIRによって導波管の中に誘導することができる。しかしながら、光整合および微小研磨技法を含む、従来の整合方法は、大量製造のためのスケーリングに関する課題と、LC材料の空間パターンにおける基本的限界とを有する。サブ波長特徴(例えば、ナノスケールパターン)を有するインプリントテンプレートを用いたLC整合は、大量製造を可能にし、および/または恣意的空間パターンを作成する柔軟性を提供することができる。
【0083】
従来の回折格子の種々の実施形態は、小波長範囲にわたってのみ高回折効率を達成し得る。したがって、それらは、広帯域動作が可能ではあり得ない。サブ波長特徴を備える、メタ表面は、入射光の位相、振幅、および/または偏光を改変することによって、光学波面を成形することが可能であることが見出されている。LC分子がメタ表面を形成するナノスケール特徴を有するインプリントテンプレートを使用して整合されるLC材料が、液晶メタ表面を取得するために使用されてもよく、これは、液晶バルク材料の光学性質と異なる光学性質を有し得る。例えば、液晶メタ表面は、広帯域であって、高効率を伴って広範囲の入射角において入射する広範囲の波長内の入射光を回折する能力を有する。例えば、LCメタ表面は、赤色、緑色、および青色波長の入射光をほぼ同一回折効率を伴って所望の方向に沿って回折することが可能であり得る。LCメタ表面の実施例は、液晶メタ材料および/または液晶ベースのパンチャラトナムベリー位相光学要素(PBPE)を含むことができる。
【0084】
本明細書に議論されるようなナノインプリント技術を使用した液晶分子の整合は、近傍整合パターン間の液晶分子配向子の進行性遷移(例えば、連続遷移)を伴う複数の明確に異なる整合パターンを用いて、液晶材料を加工するために使用されることができる。種々の実施形態では、格子周期は、同一方向に沿って配向される縦軸を有する格子構造の2つの連続液晶分子の中心間の距離を指し得る。複数の近傍整合パターンを有する液晶材料のいくつかの実施形態では、格子周期は、各整合パターンの連続液晶分子の中心間の距離を指し得る。
【0085】
有利には、本明細書で議論される種々の液晶格子構造は、好ましくは、広範囲の入射角(例えば、面法線を中心として少なくとも約±20度、面法線を中心として少なくとも約±30度、面法線を中心として少なくとも約±45度等)にわたって高回折効率を提供するように構成される。例えば、液晶格子構造は、約400nm~約700nmの波長に関して、面法線に対して約±50度の角度における光入射のために少なくとも約10%(例えば、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%または75%)の回折効率を提供するように構成されることができる。故に、本明細書に説明される液晶格子構造は、有利には、光の入射角に対して低感度を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で議論される液晶格子構造は、狭帯域であるように構成される。例えば、本明細書で議論される液晶格子構造は、約400nm~約450nm、約450nm~約500nm、約500nm~約550nm、約550nm~約600nm、約600nm~約650nm、約650nm~約700nmの可視スペクトル範囲内の波長を回折するように構成されることができる。いくつかの他の実施形態では、本明細書で議論される液晶格子構造は、広帯域であるように構成される。例えば、本明細書で議論される液晶格子構造は、約400nm~約700nmの可視スペクトル範囲内の波長を回折するように構成されることができる。別の実施例として、本明細書で議論される液晶格子構造は、約250nm-400nmの紫外線スペクトル範囲内の波長を回折するように構成されることができる。さらに別の実施例として、本明細書で議論される液晶格子構造は、例えば、約700nm~1ミクロン、約1ミクロン~3ミクロン、約1.5ミクロン~5ミクロン、約3ミクロン~10ミクロン、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせ等の赤外線スペクトル範囲内の波長を回折するように構成されることができる。別の実施例として、格子構造は、約300nm~約10μm範囲内の波長を有する入射光を回折するように構成されることができる。好ましくは、本明細書に議論されるような液晶格子構造が、ディスプレイ用途で採用されるとき、格子構造は、可視光(例えば、赤色、緑色および/または青色スペクトル範囲内)を回折するように構成される。種々の実施形態では、液晶格子構造は、光が、広回折角度、例えば、その上に格子構造が形成され得る導波管内のTIRのために好適な角度で格子構造から伝搬するように、可視光(赤色、緑色、および/または青色スペクトル範囲内等)を回折することができる。本明細書で議論される液晶格子構造は、格子構造が作用するように構成される波長範囲に応じて、約100nm~約100μmの範囲内の格子周期を有することができる。例えば、格子構造の周期性は、約10nm~約50nm、約20nm~約60nm、約30nm~約70nm、約40nm~約80nm、約50nm~約90nm、約60nm~約100nm、約100nm~約200nm、約200nm~約350nm、約330nm~約410nm、約370nm~約480nm、約450nm~約510nm、約500nm~約570nm、約550nm~約700nm、約650nm~約1μm、約980nm~約3μm、約1.3μm~約3.2μm、約2.3μm~約5μm、約5μm~約10μm、約5μm~約20μm、約15μm~約45μm、約25μm~約60μm、約35μm~約75μm、約45μm~約100μm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであってもよい。
【0086】
格子構造は、限定ではないが、液晶材料下にあり得るパターン化された整合層を使用して、重合化可能液晶材料の層内の液晶分子を整合させることを含む、種々の方法を使用して、加工されてもよい。整合層は、インプリント技術を使用して、または光学方法を使用することによって、パターン化されてもよい。
【0087】
上記に議論されるように、いくつかの実施形態では、液晶格子構造は、導波管スタック260(
図6)または660(
図9A-9C)の種々の導波管のための光再指向要素を形成してもよい。例えば、そのような液晶格子構造は、有利には
、内部結合光学要素700、710、720、光分散要素730、740、750、および/または外部結合光学要素800、810、820(
図9A-9C)を形成するために適用されてもよい。ARディスプレイシステムに加え、液晶格子構造は、回折光学要素が利用される、他の用途に適用されてもよい。例えば、液晶格子構造は、VRディスプレイシステム、フラットパネルコンピュータモニタまたはテレビ、照明付き標識、結像システム等を含む、他の光学システム内で光を操向するために利用されてもよい。
【0088】
図10Aは、相互に隣接する複数のドメイン(例えば、ドメイン1001a、1001b、1001c、1001d、1001e、および1001f)を備える、液晶層1000の実施例の上下斜視図を図示する。各ドメイン内の液晶分子の縦軸は、概して、同一方向に沿って配向されてもよい。隣接するドメイン内の液晶分子の縦軸は、同一方向に沿って配向される必要はない。例えば、ドメイン1001aに隣接する、各ドメイン1001bおよび1001d内の液晶分子の縦軸は、それに沿ってドメイン1001aの液晶分子の縦軸が配向される方向と異なる方向に沿って配向される。
図10Aに図示される実施形態では、9つのみのドメインが、図示されるが、他の実施形態は、9つより少ないまたはより多いドメインを有してもよい。さらに、液晶分子の縦軸の3つのみの異なる配向が、
図10Aに示されるが、他の実施形態は、3つより多いまたはより少ない異なる配向を伴うドメインを備えてもよい。加えて、液晶層の種々の実施形態では、異なるドメインは、異なる形状および/またはサイズを有することができる。種々の実施形態では、異なるドメインは、異なる形状(例えば、正方形、長方形、六角形、八角形、卵形、円形等)を有することができる。種々の実施形態では、異なるドメインは、不規則形状を有することができる。
【0089】
図10Bは、
図10Aに図示される液晶層1000の拡大された上面図を図示する。
図10Bの本上面図は、本明細書では、上部サブ層と称され得る、液晶層1000の上部の液晶分子を示す。上部または最上液晶分子の真下(例えば、上部または最上サブ層の真下)の液晶分子は、
図10Cに示されるように、異なる配向を有してもよい。
図10C-10Fは、液晶層1000の軸X-X’に沿っ
た断面図を図示する。液晶層1000は、
図10C-10Fに描写される断面図に見られるように、2つの主表面1002aおよび1002bを有する。2つの主表面1002aおよび1002bは、面法線1003によって交差される。2つの主表面1002aおよび1002bは、x-y平面に延在し、面法線1003は、z-軸と平行に延在する。
図10Bに描写される拡大された上面図に記載されるように、第1のドメイン1001a内の最上液晶分子の縦軸は、概して、y-軸と平行に配向される。第2のドメイン1001b内の液晶分子の縦軸は、概して、y-軸に対してある角度(例えば、約30度~60度)で配向される。第3のドメイン1001c内の液晶分子の縦軸は、概して、y-およびz-軸と垂直に配向される。
【0090】
液晶層1000は、例えば、サブ層1010a、1010b、1010c、および1010d等の複数のサブ層を有することが検討され得る。各サブ層(例えば、1010a、1010b、1010c、または1010d)は、共通平面に配列される複数の液晶分子によって画定されてもよく、したがって、各サブ層は、単一液晶分子厚にすぎない場合がある。サブ層は、全てのサブ層の総厚と等しくあり得る、厚さTを有する、液晶材料の集約層を形成する。3/4つのサブ層が、図示されるが、液晶層1000は、より多いまたはより少ないサブ層を含んでもよいことを理解されたい。
【0091】
種々の実施形態では、液晶層1000は、キラルネマチック液晶材料を備えることができる。例えば、複数の液晶材料のサブ層は、コレステリック液晶材料を備えてもよい。キラル材料を備える、液晶層1000の実施形態では、液晶分子は、
図10Cに示されるように、液晶層1000のサブ層(例えば、1010a)の液晶分子(例えば、1005a)の縦軸と、隣接するサブ層(例えば、1010b)の下層液晶分子(例えば、1005b)の縦軸との間の角度回転によって画定された捻転角度φを有してもよい。液晶材料はまた、重合化可能であってもよい。本明細書に議論されるように、液晶材料は、例えば、液晶性ジアクリレート等の反応性メソゲン(RM)を備えてもよい。また、本明細書で議論されるように、液晶層1000は、キラルドーパントを含むことができる。キラルドーパントの実施例は、安息香酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、塩化コレステリル、および炭酸コレステリルオレイルを含む。
【0092】
しかしながら、液晶は、キラル液晶材料である必要はない。
図10D-10Fに示されるように、サブ層1010aの分子の縦軸は、下層サブ層1010bまたは1010cの分子に対して捻転されない。液晶分子の縦軸は、x、y、またはz-軸のいずれかに沿って整合されることができる。例えば、
図10Dに示されるように、液晶分子の縦軸は、y-軸と平行に整合される。別の実施例として、
図10Eに示されるように、液晶分子の縦軸は、x-軸と平行に整合される。さらに別の実施例として、
図10Fに示されるように、液晶分子の縦軸は、z-軸と平行に整合される。
図10C-10Fに示される側面図は、
図10Aまたは10Bにも等しく対応し得る。
【0093】
図10Aおよび10Bを参照すると、小ドメイン間隙「d」を異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間に導入することが望ましくあり得る。異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間の小間隙の存在は、有利には、液晶層1000の製造の間、ドメイン境界に沿った回位または他の表面欠陥の発生を低減させることができる。液晶層1000のドメイン境界に沿った低減された回位または他の表面欠陥は、望ましくない光散乱および他の望ましくない光学効果を低減させることができる。ドメイン間隙「d」は、隣接する対のドメインの最近傍縁間の最短距離を指し得る。例えば、図示される実施形態では、ドメイン1001eとドメイン1001bとの間のドメイン間隙は、d
1であって、ドメイン1001eとドメイン1001dとの間のドメイン距離は、d
2であって、ドメイン1001eとドメイン1001fとの間のドメイン距離は、d
3である。異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間のドメイン間隙「d」は、異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間の液晶分子の縦軸の進行性遷移を達成し、ドメイン境界に沿った回位または他の表面欠陥の低減された発生を有するように構成されることができる。例えば、異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間のドメイン間隙「d」は、異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間の液晶分子の縦軸の連続遷移を達成するように構成されることができる。液晶分子の連続遷移を達成するように構成される、異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間のドメイン間隙は、200nm未満であることができる。例えば、異なる整合パターンを伴う隣接するドメイン間のドメイン間隙は、約1nm~約20nm、約5nm~約30nm、約10nm~約50nm、約25nm~約75nm、約45nm~約100nm、約60nm~約120nm、約80nm~約150nm、100nm~約200nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。上記に議論されるように、ドメイン間隙は、各ドメイン内の液晶分子の縦軸が各パターン内の整合パターンに従って整合される間、隣接するドメイン間の間隙内の液晶分子の縦軸が、隣接するドメイン間の液晶分子の縦軸の略平滑または連続遷移等の勾配または段階的な遷移を提供するように配向されるように構成される。
【0094】
液晶層1000は、表面レリーフ特徴を備える整合層を使用して、製造されることができる。整合層の表面レリーフ特徴は、整合層上に堆積される液晶材料の分子の整合を誘発することができる。ある条件下では、整合層の表面レリーフ構造によって提供される係留エネルギー(W)が、方程式
【化1】
によって与えられ、式中、Kは、液晶材料の変形定数であって、Dは、整合層の表面レリーフ特徴の深度であって、Λは、表面レリーフ特徴の幅またはピッチ(2つの連続表面レリーフ特徴間の距離)である。いかなる一般性も失うことなく、上記に議論される係留エネルギー(W)は、LC分子の縦軸を初期方向から液晶表面の平面における所望の方向に変化させるために要求されるエネルギーの測定値を提供することができる。上記の方程式から、表面レリーフ構造の幅またはピッチ(Λ)が低減されるにつれて(同一縦横比のパターン、すなわち、深度/周期
【化2】
が一定であると仮定する)、より高い係留エネルギーが、表面レリーフ特徴によって提供されることに留意されたい。
【0095】
故に、表面レリーフ特徴を備える整合層は、液晶分子が表面レリーフ特徴によって形成されるパターンに整合される、液晶デバイスを製造するために使用されることができる。整合層の表面レリーフ特徴は、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って、幅、ピッチ、および/または方向が変動し得る、様々な溝の幾何学形状を備えることができる。上記に議論される係留エネルギーは、表面レリーフ特徴の幅またはピッチの3乗に反比例するため、係留エネルギーの大変動は、小変動を表面レリーフ特徴の幅またはピッチにもたらすことによって、液晶の表面を横断して得られることができる。例えば、表面レリーフ特徴を含まない領域によって、第1のパターンを形成するように配列される第2の表面レリーフ特徴のセットを含む第2のドメインから離間される、第1のパターンを形成するように配列される第1の表面レリーフ特徴のセットを含む第1のドメインを含む、整合層の実施形態を検討する。整合層のそのような実施形態は、液晶分子の縦軸が第1の表面レリーフ特徴のセットの方向に沿って整合される第1のドメインと、液晶分子の縦軸が第2の表面レリーフ特徴のセットの方向に沿って整合される第2のドメインとを伴う、液晶デバイスを加工するために使用されることができる。第1のドメインと第2のドメインとの間の液晶デバイスの領域内の液晶分子の縦軸は、第1の表面レリーフ特徴のセットの方向から第2の表面レリーフ特徴のセットの方向に徐々に遷移することができる。ドメイン間隙は、第1のドメインの液晶分子の縦軸の配向と第2のドメインの液晶分子の縦軸の配向との間の遷移が、急激または断続ではなく、略平滑であるように選択されることができる。例えば、表面レリーフ特徴を含まない整合層の領域に対応するドメイン間隙は、第1のドメインの液晶分子の縦軸の配向と第2のドメインの液晶分子の縦軸の配向との間の遷移が、連続するように選択されることができる。
【0096】
液晶分子が、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って幅または周期および/または方向が変動し得る、様々な溝幾何学形状に整合される、液晶デバイスを製造する方法のある実施形態では、整合層は、反応性メソゲン(RM)としても知られる、重合化可能液晶(PLC)を備えることができる。整合層は、PLC材料の層と、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って幅または周期および方向が変動し得る、様々な溝を備える、インプリントテンプレートを接触させることによって製造されることができる。PLC層の分子の縦軸は、インプリントテンプレートの溝に自己整合することを可能にされ得る。例えば、PLC層の分子の縦軸は、熱の印加に応じて、UV光を用いた照射に応じて、および/または十分な時間の経過後、インプリントテンプレートの溝に自己整合することができる。いったんPLC層の分子の縦軸が、インプリントテンプレート溝に自己整合されると、PLC層は、例えば、熱および/またはUV照明を用いた照射によって重合される。重合化は、有利には、PLC層がインプリントテンプレートから分離された後も、PLC層の分子の配向が維持されるように、PLC層の分子の縦軸を固定する。
【0097】
インプリントテンプレートを使用して、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する、表面レリーフ特徴、および/または連続特徴間の方向および/または周期が、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って変化する、複雑な幾何学的パターンを形成するように配列される、表面レリーフ特徴を備える、整合層を製造することは、例えば、研磨方法または光整合方法等の他の液晶製造方法より有利であり得る。例えば、上記に議論されるように、低分解能方法であるいくつかの微小研磨方法を使用して、数ナノメートル、数百ナノメートルのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する、表面レリーフ特徴を生産することは、実践的ではあり得ない。加えて、いくつかの研磨方法を使用して、大量製造を達成するために必要であるスループットを伴って、整合層を製造することは、不可能であり得る。光整合方法は、液晶分子の均一および非均一整合を伴う整合層を製造するために使用されることができるが、いくつかのインスタンスでは、光整合方法を使用して、複雑な空間パターンを伴う整合層を生産することは、実践的ではあり得ない。研磨方法と同様に、いくつかの光整合方法を使用して、複雑な空間LCパターンの大量製造を達成するために必要なスループットを達成することは、困難である。
【0098】
図11Aは、例えば、
図10Aに示される層1000等の液晶層1000を製造するために使用され得る、複数の特徴を備える、インプリントテンプレート1100の実施形態の平面図を図示する。
図11Bは、軸B-B’に沿ったインプリントテンプレート1100の断面図を図示する。インプリントテンプレート1100は、複数のドメイン(例えば、1101a、1101b、および1101c)を備える。複数のドメインのそれぞれは、複数の表面レリーフ特徴を含む。表面レリーフ特徴は、線形状または曲線状の伸長溝および/または突出部、プリズム、弧、隆起バンプ、または凹部を含むことができる。複数のドメインのそれぞれ内の表面レリーフ特徴は、単純または複雑な幾何学的パターンを形成するように配列されることができる。表面レリーフ特徴の配列は、入射光の振幅、位相、および/または偏光を操作し、所望の光学効果を達成するように構成されることができる。
【0099】
種々の実施形態では、ドメインはそれぞれ、サブ波長特徴を含むことができる。そのような実施形態では、表面レリーフ特徴のサイズまたは隣接する表面レリーフ特徴間の間隙は、数ナノメートル、数百ナノメートル、または数ミクロンのオーダーの短い長さスケールを有することができる。例えば、複数のドメインのそれぞれ内の各表面レリーフ特徴の幅「λ」は、約20nm~約100nm、約30nm~約90nm、約40nm~約80nm、約50nm~約75nm、約60nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。別の実施例として、複数のドメインのそれぞれ内の連続特徴間の間隙「Λ」は、約20nm~約100nm、約30nm~約90nm、約40nm~約80nm、約50nm~約75nm、約60nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。いかなる一般性も失うことなく、連続特徴間の間隙「Λ」は、ピッチに対応してもよい。さらに別の実施例として、複数のドメインのそれぞれ内の特徴の深度(または高さ)「D」は、約10nm~約100nm、約20nm~約90nm、約30nm~約80nm、約40nm~約75nm、約50nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。
【0100】
種々の実施形態では、隣接するドメイン間のドメイン間隙「d」は、約10nm~約100nm、約20nm~約90nm、約30nm~約80nm、約40nm~約75nm、約50nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。種々の実施形態では、表面レリーフ特徴を備える、複数のドメインは、各対の隣接するドメイン間のドメイン間隙「d」が均一であるように、インプリントテンプレート1100の表面を横断して正方形グリッドとして配列されることができる。他の実施形態では、表面レリーフ特徴を備える、複数のドメインは、異なる対の隣接するドメイン間のドメイン間隙「d」が均一ではないように、インプリントテンプレート1100の表面を横断して不規則的に配列されることができる。上記に議論されるように、隣接するドメイン間に導入されるドメイン間隙は、液晶の製造の間、ドメイン境界に沿って生じ得る、回位または他の表面欠陥を低減させることに役立ち得る。
(液晶デバイスを製造する例示的方法)
【0101】
図12A-12Dは、本明細書に説明される種々の液晶デバイスを製造する方法の実施例を図示する。
図12Aを参照すると、ポリマー液晶(PLC)層1203が、基板1201にわたって配置される。基板1201は、好ましくは、光学的に透過性である。基板1201のための好適な材料の実施例は、ガラス、石英、サファイア、酸化インジウムスズ(ITO)、またはポリカーボネート、ポリアセテート、およびアクリルを含む、ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、基板1201は、可視波長または赤外線波長のうちの少なくとも1つの光に対して透過性であることができる。基板は、一対の主表面と、囲繞する縁とを含むことができる。主表面は、基板の最大面積表面であってもよい、または他の表面より大きい面積を有する、一対の同様サイズの対向表面のうちの1つであってもよい。液晶デバイスは、基板の主表面上またはそれに対して入射する光を反射、屈折、回折、または別様に再指向させるように構成されることができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、PLC層1203は、例えば、液晶分子との立体相互作用および/または光整合層によって続いて堆積される液晶分子上に付与される係留エネルギーに起因して、液晶分子に特定の配向またはパターンをとらせる、整合層として構成される。PLC層1203は、重合化可能液晶材料(反応性メソゲン)を含むことができる。いくつかの実施形態では、PLC層1203は、アゾ含有ポリマーを含むことができる。PLC層1203は、例えば、スピンコーティングプロセスまたはジェット堆積によって、基板の主表面のうちの1つ上に配置されることができる。PLC層1203は、厚さ約10nm~10ミクロンを有することができる。
【0103】
PLC層1203は、
図12Aおよび12Bに描写されるように、PLC層の暴露表面をインプリントテンプレート1205と接触させることによって、複数の表面レリーフ特徴を伴ってインプリントされる。インプリントテンプレート1205は、PLC層の暴露表面上にインプリントされる特徴の反転である特徴を含むことができる。種々の実施形態では、インプリントテンプレート1205は、サブ波長寸法
を有する特徴を含むことができる。例えば、インプリントテンプレート1205は、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する特徴を含むことができる。例えば、インプリントテンプレート1205は、約20nm以上約100nm以下の長さを有する特徴を含むことができる。別の実施例として、インプリントテンプレート1205は、約20nm以上約100nm以下の幅を有する特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリントテンプレート1205は、約10nm以上約100nm以下の深度を有する特徴を含むことができる。種々の実施形態では、特徴の長さおよび/または幅は、特徴の深度を上回ることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、深度は、特徴の長さおよび/または幅とほぼ等しくあることができる。インプリントテンプレート1205の各ドメインの特徴は、連続特徴間の方向および/または周期が、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って変化する、各ドメイン内の複雑な幾何学的パターンを形成するように配列されることができる。種々の実施形態では、インプリントテンプレート1205は、複数の離間されたドメインを含むことができる。各ドメインは、サブ波長寸法を有する複数の特徴を含むことができる。各ドメインは、ドメイン間隙によって、近傍ドメインから離間されることができる。ドメイン間隙は、約10nm~約100nm、約20nm~約90nm、約30nm~約80nm、約40nm~約75nm、約50nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせの値を有することができる。種々の実装では、ドメイン間隙は、10nm以下および/または100nm以上であることができる。例えば、ドメイン間隙は、5nm以下、2nm以下、1nm以下、または0nm以上10nm以下の値であることができる。インプリントテンプレート1205は、
図11Aおよび11Bを参照して上記に議論されるインプリントテンプレート1100に類似する特性を有することができる。例えば、インプリントテンプレート1205の複数のドメインは、近傍ドメイン間のドメイン間隙が均一であるように、インプリントテンプレート1205の表面を横断して正方形グリッドとして配列されることができる。別の実施例として、インプリントテンプレート
1205の複数のドメインは、同心状の円形領域または楕円形領域として配列されることができる。他の実施形態では、複数のドメインは、近傍ドメイン間のドメイン間隙が均一ではないように、インプリントテンプレート1205の表面を横断して不規則的に配列されることができる。
【0104】
サブ波長特徴を伴うインプリントテンプレート1205は、光学リソグラフィ、ナノインプリント、およびイオンおよび電子ビームリソグラフィを含む、ナノパターン化技法を使用して、設計および加工されることができる。種々の実施形態では、インプリントテンプレートは、シリコンまたはガラス材料等の半導体材料を備えることができる。
【0105】
PLC層1203が、インプリントテンプレート1205の特徴と直接接触すると、PLC層1203の液晶分子の縦軸は、インプリントテンプレートの特徴に整合される。このように、PLC層の暴露表面は、インプリントテンプレートのパターンに対応する、またはそれと相補的であるパターンを伴って、インプリントされる。PLC層1203の暴露表面が、インプリントテンプレート1205によってパターン化された後、PLC層1203は、重合される。PLC層1203の重合化は、限定ではないが、
図12Bに示されるような紫外線(UV)放射への暴露、熱の印加、時間の経過等を含む、種々の方法によって達成されることができる。PLC層1203の重合化は、
図12Cに示されるように、有利には、PLC層1203がインプリントテンプレートから分離された後も、PLC層1203の液晶分子の縦軸の配向を固定することができる。
【0106】
パターン化されたPLC層1203の重合化後、液晶材料の層1207は、重合パターン化されたPLC層1203にわたって配置される。液晶層は、スピンコーティング、スロットコーティング、バーコーティング、またはジェット堆積によって、PLC層1203にわたって堆積されることができる。液晶材料の層1207は、厚さ約10nm~10ミクロンを有することができる。液晶材料の層1207は、ドープまたは非ドープ液晶材料を含むことができる。種々の実施形態では、液晶材料の層1207は、重合化可能液晶材料、ポリマー安定化液晶材料、または非重合化可能液晶材料であることができる。
【0107】
液晶材料の層1207の分子の縦軸は、PLC層1203上にインプリントされるパターンに自己整合する。故に、PLC層1203は、液晶材料の層1207のための整合層としての役割を果たす。いくつかの実施形態では、液晶材料の層1207の分子の縦軸の整合は、熱の印加および/または十分な時間の経過によって促進され得る。PLC層1203を液晶材料の層1207のための整合層として使用することは、いくつかの利点を有することができる。第1の利点は、PLC層1203が、重合化可能液晶材料を備えていない整合層と比較して、液晶材料の層1207のためにより強い整合状態を提供することができることである。第2の利点は、PLC層1203の材料が液晶材料の層1207の材料と類似光学性質を有するとき、均質界面が達成され得ることである。これは、有利には、PLC層1203と液晶材料の層1207との間の境界からの屈折/回折を低減させることができる。
【0108】
図12Eに示されるように、付加的液晶層1211および1215のための整合層としての役割を果たす、付加的PLC層1209および1213が、
図12A-12Dのプロセスを繰り返すことによって、液晶材料1207の整合された層にわたって連続的に堆積されてもよい。例えば、第2のPLC層1209が、液晶材料の層1207にわたって配置され、続いて、インプリントテンプレートを用いてパターン化され、重合される。液晶材料の第2の層1211が、パターン化および重合されたPLC層1209にわたって配置され、液晶材料の第2の層1211の分子が第2のPLC層1209上にインプリントされるパターンに整合されるように、自己組織化することを可能にされる。第
3のPLC層1213が、液晶材料の層1209にわたって配置され、続いて、インプリントテンプレートを用いてパターン化され、重合される。液晶材料の第3の層1215が、パターン化および重合されたPLC層1213にわたって配置され、液晶材料の第3の層1215の分子が第3のPLC層1213上にインプリントされるパターンに整合されるように、自己組織化することを可能にされる。本シーケンスは、さらなる液晶層のために繰り返されてもよい。好ましくは、付加的PLC層1209および1213は、重合化可能液晶材料(反応性メソゲン)を備えることができる。好ましくは、液晶材料1207、1211、および1215は、重合化可能液晶材料(反応性メソゲン)を備えることができる。PLC層1209および/または1213上にインプリントされるパターンは、PLC層1203上にインプリントされるパターンと異なることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、PLC層1209および/または1213上にインプリントされるパターンは、PLC層1203上にインプリントされるパターンと同じであることができる。種々の実施形態では、薄い酸化物フィルム(数nm~数百nmに及ぶ厚さを伴う)等の隔離層が、付加的PLC層を提供する前に、液晶材料の層(例えば、層1207または層1211)にわたって堆積され、真下の液晶層(例えば、層1207または層1211)上のパターンの影響を低減させてもよい。いくつかの実施形態では、平面化テンプレートが、付加的PLC層を提供する前に、液晶材料の層(例えば、層1207、層1211、または層1215)の暴露表面を平面化するために使用されることができる。
【0109】
図13Aは、インプリントテンプレートの実施形態の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。インプリントテンプレートは、ドメイン間隙によって相互から離間された3つのドメイン1301、1303、および1305を備える。第1のドメイン1301と第2のドメイン1303との間のドメイン間隙は、d
1であって、第2のドメイン
1303と第3のドメイン1305との間のドメイン間隙は、d
2である。それぞれ3つのドメイン1301、1303、および1305は、複数の特徴を備える。複数の特徴のそれぞれの寸法(例えば、長さ、幅、または深度)は、100nm未満である。ドメイン間隙d
1およびd
2は、100nm以下である。
図13Bは、
図13Aのインプリントテンプレートおよび
図12A-12Cを参照して上記に議論される方法を使用して製造されるパターン化されたPLC層のSEM画像である。
図13Cは、
図13Bに示されるパターン化されたPLC層の偏光顕微鏡画像である。
図13Cは、偏光顕微鏡の偏光器/分析器に対して相対的LC配向を示す、グレー-スケールパターンを描写する。
図13Cから、偏光顕微鏡画像が、整合欠陥(すなわち、回位)が実質的にないLC整合を示す均一パターンを呈していることに留意されたい。
【0110】
本明細書に説明される方法は、サブ波長特徴を伴う液晶層を含む、電気的に制御可能な液晶デバイスを加工するために使用されることができる。
図14は、その分子がパターン化された整合層1403に整合される、液晶層1407が、2つの電極層1420と1425との間に狭入される、電気的に制御可能な液晶デバイスの実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、整合層1403は、パターン化された重合化可能液晶層を備えることができる。いくつかの実施形態では、整合層1403は、パターン化されたポリマー層を含むことができ、これは、直接、LC材料とナノスケール表面構造を整合させる。2つの電極層1420および1425は、可視スペクトル範囲(例えば、約400nm~約700nm)内の光に対して透過性である材料(例えば、酸化インジウムスズ(ITO)を備えることができる。種々の実施形態では、2つの電極層1420および1425はそれぞれ、それぞれ、ITO1404aおよび1404bの層でコーティングされた基板1401aおよび1401bを備えることができる。種々の実施形態では、電気的に制御可能な液晶デバイスは、2つの電極層およびパターン化された整合層1403を備える液晶セル構造を構築することによって製造されることができる。層1407を形成する液晶材料は、セル構造内に投入され、電気的に制御可能な液晶デバイスを加工することができる。整合層1403は、厚さ約20nm~約10ミクロンを有することができる。液晶層1407は、約100nm~10ミクロンの厚さを有することができる。整合層1403は、上記に議論されるテンプレート1100および/またはテンプレート1205に類似する複数のサブ波長特徴を備える、インプリントテンプレートを使用してパターン化されることができる。例えば、整合層1403をパターン化するために使用されるインプリントテンプレートは、複数の離間ドメインを含むことができる。各ドメインは、数ナノメートル、数百ナノメートル、または数ミクロンのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する、複数の特徴を含むことができる。上記に議論されるように、整合層1403は、パターン化後、重合され、整合層1403の分子の縦軸を固定することができる。液晶層1407の分子は、層1403上にインプリントされるパターンに自己組織化することを可能にされることができる。自己組織化後、液晶層1407の分子は、インプリントテンプレートの明確に異なるドメインに対応する明確に異なるドメインを形成し、各ドメイン内の液晶分子の縦軸は、対応するドメイン内の個々の特徴の方向に沿って整合される。隣接するドメイン間の間隙内の液晶分子の縦軸は、任意の急激な途絶を伴わずに、1つのドメイン内の分子の縦軸の配向から隣接するドメインの縦軸の配向に徐々に遷移することができる。例えば、隣接するドメイン間の間隙内の液晶分子の縦軸は、実質的に連続的に、1つのドメイン内の分子の縦軸の配向から隣接するドメインの縦軸の配向に徐々に遷移することができる。種々の実施形態では、液晶層1407は、複雑な空間変動ナノスケールパターンを備えることができる。
【0111】
1つ以上のドメイン内の液晶分子の縦軸の配向は、電圧を電極層1420および1425を横断して印加することによって変動されることができる。ある条件下では、例えば、LC分子は、電極層1420および1425を横断して電場の方向に沿って整合される。故に、電圧を電極層1420および1425を横断して印加することによって、液晶層1407内の格子構造は、オンまたはオフに切り替えられることができる。
【0112】
図15A-15Cは、本明細書に説明される種々の液晶デバイスを製造する方法の実施例を図示する。本方法は、インプリント層1505を基板1501にわたって提供するステップを含む。インプリント層1505および基板1501の種々の物理的および/または化学特性は、それぞれ、上記に議論されるインプリントテンプレート1205および基板1201に類似することができる。例えば、多くの場合、基板1501は、光学的に透過性である。基板1501のための好適な材料の実施例は、ガラス、石英、サファイア、酸化インジウムスズ(ITO)、またはポリカーボネート、ポリアセテート、およびアクリルを含む、ポリマー材料を含む。いくつかの実装では、基板1501は、可視波長または赤外線波長のうちの少なくとも1つの光に対して透過性であることができる。基板は、一対の主表面と、囲繞する縁とを含むことができる。主表面は、基板の最大面積表面であってもよい、またはそれぞれ、他の表面(例えば、縁)より大きい面積を有する、一対の同様サイズの対向表面のうちの1つであってもよい。液晶デバイスは、基板の主表面上またはそれに対して入射する光を反射、屈折、回折、または別様に再指向させるように構成されることができる。
【0113】
インプリント層1505が、基板1501の主表面にわたって配置されることができる。上記に議論されるように、インプリント層1505は、サブ波長寸法を有する特徴を含むことができる。例えば、インプリント層1505は、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する特徴を含むことができる。別の実施例として、インプリント層1505は、約20nm以上約100nm以下の長さを有する、特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリント層1505は、約20nm以上約100nm以下の幅を有する特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリント層1505は、約10nm以上約100nm以下の深度を有する特徴を含むことができる。種々の実施形態では、特徴の長さおよび/または幅は、特徴の深度を上回ることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、深度は、特徴の長さおよび/または幅とほぼ等しくあることができる。但し、これらの範囲外の寸法を有する特徴もまた、可能性として考えられる。
【0114】
インプリント層1505の各ドメインの特徴は、連続特徴間の方向および/または周期が、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの長さスケールに沿って変化する、複雑な幾何学的パターンを各ドメイン内に形成するように配列されることができる。種々の実施形態では、インプリント層1505は、複数の離間されたドメインを含むことができる。各ドメインは、サブ波長寸法を有する、複数の特徴を含むことができる。各ドメインは、ドメイン間隙によって、近傍ドメインから離間されることができることができる。ドメイン間隙は、約10nm~約100nm、約20nm~約90nm、約30nm~約80nm、約40nm~約75nm、約50nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせの値を有することができる。種々の実装では、ドメイン間隙は、10nm以下および/または100nm以上であることができる。例えば、ドメイン間隙は、5nm以下、2nm以下、1nm以下、または0nm以上10nm以下の値であることができる。いくつかの実装では、インプリントテンプレート1505の複数のドメインは、近傍ドメイン間のドメイン間隙が均一であるように、インプリントテンプレート1505の表面を横断して正方形グリッドとして配列されることができる。いくつかの実装では、インプリントテンプレート1505の複数のドメインは、同心状の円形領域または楕円形領域として配列されることができる。複数のドメインは、近傍ドメイン間のドメイン間隙が均一ではないように、インプリントテンプレート1505の表面を横断して不規則的に配列されることができる。インプリント層1505は、上記に議論されるインプリントテンプレート1100および/またはインプリントテンプレート1205に類似する特性を有することができる。
【0115】
サブ波長特徴を伴うインプリント層1505は、光学リソグラフィ、ナノインプリント、およびイオンおよび電子ビームリソグラフィを含む、ナノパターン化技法を使用して、設計および加工されることができる。種々の実施形態では、インプリント層1505は、フォトレジスト、シリコン、またはガラス材料等の半導体材料を備えることができる。
【0116】
重合化可能液晶(PLC)層1503が、インプリント層1505にわたって配置される。PLC層1503が、スピンコーティングプロセスまたはジェット堆積によって、インプリント層1505にわたって配置されることができる。PLC層1503は、厚さ約10nm~10ミクロンを有することができる。PLC層1503は、重合化可能液晶材料(例えば、反応性メソゲン)および/またはアゾ含有ポリマーを含むことができる。インプリント層1505は、PLC層1503の液晶分子をインプリント層1505のパターンに整合させる、整合層として作用する。PLC層1503が、インプリント層1505の特徴と接触すると、PLC層1503の液晶分子の縦軸は、インプリント層1505の特徴に整合されてもよい。このように、PLC層1503の表面は、インプリント層1503のパターンに対応するパターンを用いてインプリントされる。PLC層1503の液晶分子とインプリント層1505のパターンの整合は、液晶分子との立体相互作用および/またはインプリント層1505によって堆積される液晶分子上に付与される係留エネルギーに起因し得る。PLC層1503は、インプリント層1505上に堆積後、重合されることができる。PLC層1503の重合化は、限定ではないが、紫外線(UV)放射への暴露、熱の印加、時間の経過、またはそれらの組み合わせを含む、種々の方法によって達成されることができる。PLC層1503の重合化は、有利には、PLC層1503の液晶分子の縦軸の配向を固定することができる。
【0117】
パターン化されたPLC層1503の重合化後、液晶材料の別の層1520が、重合されパターン化されたPLC層1503にわたって配置される。液晶材料の層1520は、スピンコーティング、スロットコーティング、バーコーティング、ブレードコーティング、ジェット堆積、または可能性として他の方法によって、PLC層1503にわたって堆積されることができる。液晶材料の層1520は、厚さ約10nm~10ミクロンを有することができる。液晶材料の層1520は、ドープまたは非ドープ液晶材料を含むことができる。種々の実施形態では、液晶材料の層1520は、重合化可能液晶材料、ポリマー安定化液晶材料、または非重合化可能液晶材料であることができる。
【0118】
液晶材料の層1520の分子の縦軸は、PLC層1503上にインプリントされるパターンに自己整合する。種々の実装では、インプリント層1505と接触する液晶材料の層1520のサブ層の分子のみが、インプリント層1505のパターンの縦軸に整合されてもよい。液晶材料の層1520の他のサブ層は、
図10Cを参照して上記に議論されるように、異なる配向を有してもよい。故に、PLC層1503は、液晶材料の層1520のための整合層としての役割を果たす。いくつかの実施形態では、液晶材料の層1520の分子の縦軸の整合は、熱の印加および/または十分な時間の経過によって促進され得る。
【0119】
上記に議論されるように、PLC層1503を液晶材料の層1520のための整合層として使用することは、いくつかの利点を有することができる。第1の利点は、PLC層1503が、重合化可能液晶材料を備えていない整合層と比較して、液晶材料の層1520のためのより強い整合状態を提供することができることである。第2の利点は、均質界面が、PLC層1503の材料が液晶材料の層1520の材料と類似光学性質を有するときに達成され得ることである。これは、有利には、PLC層1503と液晶材料の層1520との間の境界から屈折/回折を低減させることができる。
【0120】
本明細書で議論される方法は、液晶メタ材料または液晶メタ表面を加工するために使用されてもよい。ドメインが複数のサブ波長スケールパターンを含む、異なる離間されたドメインを備える、液晶層の種々の実施形態が、基板上に形成されてもよく、これは、透過導波管に隣接するか、または、導波管自体が基板であってもよい。そのような実施形態では、サブ波長スケールパターンを伴う液晶層は、例えば、回折される光が液晶層に隣接して配置される導波管の誘導モードの中に結合され得るように、導波管に対する法線に対して角度約±30度で光入射を回折するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導波管は、任意の介在層を伴わずに、直接、液晶層に隣接して配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、介在層は、導波管と導波管に隣接する液晶層との間に配置されることができる。いくつかのそのような実施形態では、サブ波長スケールパターンを伴う液晶層はまた、導波管を通して伝搬する光を外部結合するように構成されてもよい。サブ波長スケールパターンを伴う液晶層は、それらが波長選択的であるような狭帯域またはそれらが広範囲の波長(例えば、可視スペクトルの赤色/緑色/青色スペクトル範囲内の波長)にわたって光を効率的に回折し得るような広帯域であるように構成されてもよい。本明細書で議論される方法は、他の液晶デバイスを加工するために使用されることもできる。例えば、本明細書で議論される方法は、下記に議論されるように、回折液晶レンズの実装を加工するために使用されることができる。
(回折液晶レンズ)
【0121】
図16Aは、液晶材料を備える、回折レンズ1600の実装の上面図を図示する。レンズ1600は、例えば、x-y平面におけるゾーン1605および1610等の複数のゾーンを備える。複数のゾーンの数は、2~約50であることができる。例えば、複数のゾーンの数は、3以上、5以上、8以上、10以上、15以上、18以上、22以上、50以下、42以下、30以下、20以下、またはこれらの値によって定義された範囲/下位範囲内の任意の数であることができる。レンズ1600の複数のゾーンのそれぞれ内の液晶材料の分子は、それを中心として特定の配向または範囲に沿って配向される。隣接するゾーン内の液晶材料の分子は、異なり得る。例えば、レンズ1600では、ゾーン1605内の液晶分子の縦軸は、y-軸と平行に整合されることができる一方、ゾーン1610内の液晶分子の縦軸は、y-軸に対して約18度の角度だけ時計回り方向に回転されることができる。
図16Aに描写されるレンズ1600では、連続ゾーンのそれぞれ内の分子の縦軸は、先行ゾーンの液晶分子の縦軸に対して約18度の角度だけ時計回り方向に回転されることができる。他のレンズ実装では、あるゾーン内の液晶分子の縦軸と先行ゾーン内の液晶分子の縦軸との間の角度は、18度以外であることができる。例えば、あるゾーン内の液晶分子の縦軸と先行ゾーン内の液晶分子の縦軸との間の角度は、約45度以下であることができる。例えば、あるゾーン内の液晶分子の縦軸と先行ゾーン内の液晶分子の縦軸との間の角度は、約1度以上、約2度以上、約5度以上、約10度以下、約17度以下、約20度以下、約25度以下、約30度以下、約35度以下、約40度以下、および/または約45度以下、またはこれらの値のいずれかによって定義された任意の範囲内の任意の角度であることができる。
【0122】
図16Aに描写されるレンズ1600の実装では、液晶分子の縦軸とy-軸の方向との間の角度は、第10のゾーン1655内の液晶分子が第1のゾーン1605内の液晶分子と同一配向を有するように、固定量(例えば、18度)ずつ徐々に増加する。しかしながら、近傍ゾーン内の液晶分子の縦軸の配向における角度差は、固定または一定である必要はない。代わりに、近傍ゾーン間の液晶分子の縦軸の配向角度の差は、レンズを横断して変動することができる。例えば、2つの近傍ゾーン間の液晶分子の縦軸の配向における角度差は、35度であることができる一方、2つの他の近傍ゾーン間の液晶分子の縦軸の配向における角度差は、10度であることができる。故に、液晶レンズの種々の実装では、連続ゾーン間の液晶分子の縦軸の配向における角度差は、可変、非一定、および/またはランダムであることができる。
【0123】
複数のゾーンは、リング形状または環状であることができる。複数のゾーンは、同心であることができる。例えば、
図16Aでは、第1のゾーン1605は、他の複数のゾーンによって囲繞される、中心ゾーンとして構成される。複数のゾーンは、
図16Aに描写されるように、同心リングまたは環状であることができる。しかしながら、他の実装では、複数のゾーンは、楕円形である、または可能性として他の形状を有することができる。複数のゾーンは、閉鎖曲線である必要はない。代わりに、複数のゾーンのうちのいくつかは、開放曲線(例えば、弧)であることができる。種々の実装では、複数のゾーンの幅は、第1の(または中心)ゾーンからの距離が増加するにつれて低減することができる。故に、第1の(または中心)ゾーンの幅は、最大であることができ、各連続ゾーンの幅は、連続的に低減することができる。複数のゾーンの幅は、中心ゾーンおよび/またはレンズの中心からの距離が増加するにつれて、線形または非線形に低減することができる。複数のゾーンの幅は、ある場合には、数学的方程式によって統制されることができる。
【0124】
種々の実装では、領域およびその中に含有される特徴は、例えば、複数のゾーンが屈折力を有するレンズ等の光学要素を形成するように、形状、サイズ、配向等を有するように構成される。この力は、正または負であってもよい。屈折力はまた、入射光の偏光に応じて、正または負であってもよい。例えば、屈折力は、右円偏光に関して正である一方、左円偏光に関して負であって、その逆も同様である。本光学要素、例えば、レンズは、回折レンズ等の回折光学要素であってもよい。
【0125】
複数のゾーンはそれぞれ、上記に議論されるように、ドメインと見なされ得る。複数のゾーンは、間隙(ドメイン間隙に対応する)約1nm~約200nmを伴って、相互から離間されることができる。しかしながら、種々の実装では、複数のゾーンは、それらが5.0nm未満または1.0nm未満の間隙によって離間されるように配列されることができる。例えば、いくつかの実装では、複数のゾーン間に間隙は存在しない。言い換えると、隣接するゾーン間の間隙は、0であることができる。ドメイン間隙は、近傍ゾーン内の液晶分子の縦軸の配向における角度差に応じて、変動し得る。故に、近傍ゾーン間の液晶分子の縦軸の配向における差異に応じて、間隙は、0~約200nmであることができる。
【0126】
図16Bは、レンズ1600の両側上に配置される交差偏光器間のレンズ1600の顕微鏡画像を図示する。交差偏光器は、その偏光軸が相互に直交するように配置される、線形偏光器であることができる。交差偏光器は、光の偏光が偏光器配向に合致する量に応じて、異なる強度を有するように、異なる量だけ偏光を回転させる、異なる領域を示すであろう。偏光器に合致する光の偏光が多いほど、光はより明るくなり、その逆も同様である。レンズ1600の顕微鏡画像を取得するために、2つの交差偏光器のうちの一方を通して透過される円偏光が、レンズ1600上に入射する。レンズ1600の出力は、2つの交差偏光器の他方を通して透過され、顕微鏡を通して観察される。
図16Bに描写される画像の暗領域(例えば、領域1660)内の液晶分子の縦軸の配向は、偏光器の光学軸と平行または垂直である。
図16Bに描写される画像の明領域(例えば、領域1662)内の液晶分子の縦軸の配向は、偏光器の光学軸に対して約±45度である。より明るい領域とより暗い領域との間の変動は、液晶分子の異なる配向および特定の領域内の複屈折の光学軸によって生じる、偏光配向における変動と関連付けられる。
【0127】
複数のゾーン内の複数の液晶の縦軸の整合は、上記に議論されるように、インプリント層を使用することによって達成されることができる。
図16B-1は、ゾーン1605および1610を備える領域1664内の複数の液晶の縦軸の所望の整合を達成する、インプリント層1670のパターンを示す、走査電子顕微鏡(SEM)画像を描写する。
図16B-2におけるSEM画像は、領域1666内の複数の液晶の縦軸の所望の整合を達成する、インプリント層1670のパターンを示す。インプリント層1670の領域1672は、y-軸と平行な特徴(例えば、溝)を備える。その結果、インプリント層1670の領域1672と重複する液晶分子の縦軸は、y-軸と平行に整合され、ゾーン1605を形成する。インプリント層1670の領域1674は、y-軸に対してある角度(例えば、約18度)だけ時計回りに回転される、特徴(例えば、溝)を備える。故に、インプリント層1670の領域1674と重複する液晶分子の縦軸は、y-軸に対してある角度(例えば、約18度)だけ時計回りに回転され、ゾーン1610を形成する。インプリント層1670の領域1680、1682、1684、1686、および1688は、特徴(例えば、溝)の異なる配列を示す。インプリント層1670の領域1680、1682、1684、1686、および1688と重複する液晶分子の縦軸は、個別の領域1680、1682、1684、1686、および1688内の溝と平行に整合されるであろう。
【0128】
インプリント層1670の種々の領域1672、1674、1680、1682、1684、1686、および1688内の特徴は、サブ波長サイズであることができる。例えば、インプリント層1670の種々の領域1672、1674、1680、1682、1684、1686、および1688内の特徴の長さ、高さ、幅、および/または深度は、数ナノメートル、数百ナノメートル、または数ミクロンのオーダーであることができる。別の実施例として、インプリント層1670の種々の領域1672、1674、1680、1682、1684、1686、および1688内の特徴の長さ、高さ、幅、および/または深度は、約20nm~約100nm、約30nm~約90nm、約40nm~約80nm、約50nm~約75nm、約60nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせであることができる。種々の実装では、インプリント層1670の種々の領域1672、1674、1680、1682、1684、1686、および1688内の特徴の長さ、高さ、幅、および/または深度は、約20nm以下または約100nm以上であることができる。例えば、インプリント層1670の種々の領域1672、1674、1680、1682、1684、1686、および1688内の特徴の長さ、高さ、幅、および/または深度は、1nm以上、5nm以上、10nm以上、15nm以上、100nm以下、125nm以下、150nm以下、200nm以下、250nm以下、1ミクロン以下、またはこれらの値によって定義された任意の範囲/下位範囲内の値であることができる。
【0129】
図17A-17Cは、レンズ1600を製造する方法の実施例を図示する。本方法は、インプリント層1670を基板1701にわたって提供するステップを含む。インプリント層1670および基板1701の種々の物理的および/または化学特性は、それぞれ、上記に議論される液晶層1203および基板1201に類似することができる。例えば、種々の場合では、基板1701は、光学的に透過性および/または透明である。基板1701のための好適な材料の実施例は、ガラス、石英、サファイア、酸化インジウムスズ(ITO)、またはポリカーボネート、ポリアセテート、およびアクリルを含む、ポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、基板1701は、可視波長または赤外線波長のうちの少なくとも1つの光に対して透過性であることができる。基板は、一対の主表面と、囲繞する縁とを含むことができる。主表面は、基板の最大面積表面であってもよい、またはそれぞれ、他の表面(例えば、縁)より大きい面積を有する、一対の同様サイズの対向表面のうちの1つであってもよい。液晶デバイスは、基板の主表面上またはそれに対して入射する光を反射、屈折、回折、または別様に再指向させるように構成されることができる。
【0130】
インプリント層1670は、基板1701の主表面にわたって配置されることができる。上記に議論されるように、インプリント層1670は、特徴(例えば、溝)を備える、複数のゾーンを備える。特徴は、サブ波長寸法を有することができる。例えば、インプリント層1670は、数ナノメートル、数百ナノメートル、および/または数ミクロンのオーダーの寸法(例えば、長さ、幅、および/または深度)を有する特徴を含むことができる。別の実施例として、インプリント層1670は、約20nm以上約100nm以下の長さを有する特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリント層1670は、約20nm以上約100nm以下の幅を有する特徴を含むことができる。さらに別の実施例として、インプリント層1670は、約10nm以上約100nm以下の深度を有する特徴を含むことができる。種々の実施形態では、特徴の長さおよび/または幅は、特徴の深度を上回ることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、深度は、特徴の長さおよび/または幅とほぼ等しくあることができる。これらの範囲外の他の寸法もまた、可能性として考えられる。
【0131】
種々の実装では、複数のゾーンのそれぞれ内の特徴は、同一方向に沿って配向される。それに沿って複数のゾーンのうちの1つ内の特徴が配向される方向は、それに沿って複数のゾーンのうちの1つに隣接するゾーン内の特徴が配向される方向に対してある角度だけ回転されてもよい。複数のゾーンは、約1nm~約100nm、約20nm~約90nm、約30nm~約80nm、約40nm~約75nm、約50nm~約70nm、またはこれらの範囲の任意の組み合わせまたはこれらの範囲内の任意の下位範囲または下位範囲の組み合わせの値を有する間隙によって、相互から離間されることができる。いくつかの実装では、複数のゾーンは、約5nmまたは1nmよりも小さい間隙によって、相互から離間されることができる。いくつかの実装では、複数のゾーンは、無間隙(または0nmの間隙)によって、相互から離間されることができる。複数のゾーンは、リング形状であることができ、同心状に配列されることができる。複数のゾーンの幅は、インプリント層1670の中心からの距離が増加するにつれて減少することができる。
【0132】
サブ波長特徴を伴うインプリント層1670は、光学リソグラフィ、ナノインプリント、およびイオンおよび電子ビームリソグラフィを含む、ナノパターン化技法を使用して、加工されることができる。種々の実施形態では、インプリント層1670は、フォトレジスト、シリコン、またはガラス材料等の半導体材料を備えることができる。
【0133】
液晶(LC)層1703が、インプリント層
1670にわたって配置される。液晶層1703は、重合化可能液晶層であることができる。LC層1703は、スピンコーティングプロセス、スロットダイコーティングプロセス、バーコーティングプロセス、ブレードダイコーティングプロセス、またはジェット堆積によって、インプリント層
1670にわたって配置されることができる。LC層1703は、厚さ約10nm~10ミクロンを有することができる。LC層
1703は、重合化可能液晶材料(例えば、反応性メソゲン)および/またはアゾ含有ポリマーを含むことができる。インプリント層
1670は、LC層1703の液晶分子をインプリント層
1670のパターンと整合させる、整合層として作用する。LC層1703が、インプリント層
1670の特徴と接触すると、LC層1703の液晶分子の縦軸は、インプリント層
1670の特徴と整合することができる。このように、LC層1703の表面は、インプリント層
1670のパターンに対応するパターンを用いてインプリントされる。LC層1703は、インプリント層
1670上に堆積後、重合されることができる。LC層1703の重合化は、限定ではないが、
図17Cに図式的に図示されるような紫外線(UV)放射1710への暴露、熱の印加、時間の経過、またはそれらの組み合わせを含む、種々の方法によって達成されることができる。LC層1703の重合化は、有利には、PLC層1703の液晶分子の縦軸の配向を固定することができる。
【0134】
図18Aは、シリコン(Si)を備える基板上に提供される、インプリント層1670の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。
図18Aに描写されるように、インプリント層1670は、第1の方向に沿って配向される第1の複数の特徴を有する第1のゾーンと、第1の方向と異なる第2の方向に沿って配向される第2の複数の特徴を備える第2のゾーンとを備える。第1および第2のゾーンは、1nm未満の間隙(例えば、無間隙)によって離間される。
【0135】
図18Bは、インプリント層1670にわたって配置される、液晶層1703の走査電子顕微鏡(SEM)画像を図示する。第1のゾーンと重複する液晶層1703の一部内の液晶分子の縦軸は、第1の方向に沿って整合され、第2のゾーンと重複する液晶層1703の一部内の液晶分子の縦軸は、第2の方向に沿って整合される。
【0136】
種々の実施形態は、結像システムおよびデバイス、ディスプレイシステムおよびデバイス、空間光変調器、液晶ベースのデバイス、偏光器、波ガイドプレート等の種々の用途において実装される、またはそれと関連付けられてもよいことが検討される。本明細書に説明される構造、デバイス、および方法は、特に、拡張および/または仮想現実のために使用され得る、ウェアラブルディスプレイ(例えば、頭部搭載型ディスプレイ)等のディスプレイにおいて使用を見出し得る。より一般的には、説明される実施形態は、運動(ビデオ等)または定常(静止画像等)下にあるかどうかにかかわらず、かつテキスト、グラフィック、または写真であるかどうかにかかわらず、画像を表示するように構成され得る、任意のデバイス、装置、またはシステム内に実装されてもよい。しかしながら、説明される実施形態は、限定ではないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビ受信機、無線デバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、無線電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマート書籍、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファックスデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレーヤ(MP3プレーヤ等)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取値デバイス(例えば、電子読取機)、コンピュータモニタ、自動ディスプレイ(オドメータおよび速度計ディスプレイ等を含む)、コックピット制御および/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両内のリアカメラのディスプレイ等)、電子写真、電子広告板または標識、プロジェクタ、アーキテクチャ構造、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、無線、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、パーキングメータ、頭部搭載型ディスプレイ、および種々の結像システム等の種々の電子デバイス内に含まれる、またはそれと関連付けられてもよいことが検討される。したがって、本教示は、図内に描写される実施形態のみに限定されず、代わりに、当業者に容易に明白となるであろう広い可用性を有することを意図する。
【0137】
本開示に説明される実施形態の種々の修正は、当業者に容易に明白となり得、本明細書に画定される一般的原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用されてもよい。種々の変更が、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、説明される本発明に成されてもよく、均等物が、代用されてもよい。加えて、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセスの行為またはステップを、本発明の目的、精神、または範囲に適合させるように、多くの修正が行われてもよい。全てのそのような修正は、本開示と関連付けられる請求項の範囲内であることを目的としている。
【0138】
単語「例示的」は、本明細書では、「実施例、事例、または例証としての役割を果たす」ことを意味するように排他的に使用される。「例示的」として本明細書に説明される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態より好ましいまたは有利であるものとして解釈されない。加えて、当業者は、用語「上側」および「下側」、「上方」および「下方」等が、時として、図を説明する容易性のために使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対的位置を示し、本明細書に説明される構造の配向をそれらの構造が実装される通りに反映しない場合があることを容易に理解するであろう。
【0139】
別個の実施形態のコンテキストにおいて本明細書に説明されるある特徴はまた、単一実施形態において組み合わせて実装されることができる。逆に言えば、単一実施形態のコンテキストに説明される種々の特徴はまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されることもできる。さらに、特徴は、ある組み合わせにおいて作用するように上記に説明され、さらに、最初に、そのように請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、ある場合には、組み合わせから外れることができ、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。
【0140】
同様に、動作は、特定の順序で図面に描写されるが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的プロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されることができることを理解されたい。加えて、他の実施形態も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合で、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0141】
本発明は、本デバイスを使用して行われ得る方法を含む。本方法は、そのような好適なデバイスを提供するという行為を含んでもよい。そのような提供は、ユーザによって行われてもよい。換言すれば、「提供する」行為は、本方法において必須デバイスを提供するように、取得し、アクセスし、接近し、位置付けし、設定し、起動し、電源を入れ、または別様に作用することをユーザに要求する。本明細書で記載される方法は、論理的に可能である記載された事象の任意の順序で、および事象の記載された順序で実行されてもよい。
【0142】
本発明の例示的側面が、材料選択および製造に関する詳細とともに、上記で記載されている。本発明の他の詳細に関して、これらは、上記の参照された特許および公開に関連して理解されるとともに、概して、当業者によって把握または理解され得る。同じことが、一般的または理論的に採用されるような付加的な行為の観点から、本発明の方法ベースの側面に関して当てはまり得る。
【0143】
加えて、本発明は、種々の特徴を随意に組み込む、いくつかの実施例を参照して説明されているが、本発明は、本発明の各変形例に関して考慮されるように説明または指示されるものに限定されるものではない。種々の変更が、説明される本発明に行われてもよく、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、(本明細書に記載されるか、またはいくらか簡潔にするために含まれないかどうかにかかわらず)均等物が置換されてもよい。加えて、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在値、およびその規定範囲内の任意の他の規定または介在値が、本発明内に包含されることが理解される。
【0144】
また、本明細書で説明される発明の変形例の任意の随意的な特徴が、独立して、または本明細書で説明される特徴のうちのいずれか1つ以上の特徴と組み合わせて、記載および請求され得ることが考慮される。単数形の項目の言及は、複数の同一項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書で、およびそれに関連付けられる請求項で使用されるように、「1つの(a、an)」、「前記(said、the)」という単数形は、特に別様に記述されない限り、複数の指示対象を含む。換言すると、冠詞の使用は、上記の説明および本開示と関連付けられる請求項で、対象項目の「少なくとも1つ」を可能にする。さらに、そのような請求項は、任意の随意的な要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。したがって、この記述は、請求項要素の記載に関連する「だけ」、「のみ」、および同等物等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」制限の使用のための先行詞としての機能を果たすことを目的としている。
【0145】
そのような排他的用語を使用することなく、本開示と関連付けられる請求項での「備える」という用語は、所与の数の要素がそのような請求項で列挙されるか、または特徴の追加をそのような請求項に記載される要素の性質を変換するものと見なすことができるかどうかにかかわらず、任意の付加的な要素の包含を可能にするものとする。本明細書で特に定義される場合を除いて、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、請求項の有効性を維持しながら、可能な限り広義の一般的に理解されている意味を与えられるものである。
【0146】
本発明の範疇は、提供される実施例および/または本明細書に限定されるものではなく、むしろ、本開示と関連付けられる請求項の範囲のみによって限定されるものとする。