(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】ディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240925BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20240925BHJP
H10K 50/858 20230101ALI20240925BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240925BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
G09F9/30 308A
G02B5/00 Z
G09F9/30 349Z
G09F9/30 365
H10K50/858
H10K59/10
H10K59/35
(21)【出願番号】P 2022552426
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2022079997
(87)【国際公開番号】W WO2023164960
(87)【国際公開日】2023-09-07
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】202210193616.X
(32)【優先日】2022-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002181
【氏名又は名称】弁理士法人IP-FOCUS
(72)【発明者】
【氏名】陳 卓▲はん▼
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第113745298(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112420783(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0013495(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111446276(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111755492(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111834542(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112086578(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0026452(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00-9/46
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面表示部と、非平面表示部とを含むディスプレイ装置であって、
前記ディスプレイ装置は、
基板と、
前記基板の一側に設置され、互いに間隔を空けて設置された複数のサブピクセルを含む発光層と、
前記発光層の前記基板から離れた側に設置された第1の光学膜層(前記平面表示部に位置する前記第1の光学膜層の前記サブピクセルに対応する位置に少なくとも1つの第1の開口が設けられ、前記非平面表示部に位置する前記第1の光学膜層の前記サブピクセルに対応する位置に少なくとも1つの第2の開口が設けられた)と、
前記第1の光学膜層の前記基板から離れた側を被覆し、且つ前記第1の開口内及び前記第2の開口内に延伸しそれらに充填された第2の光学膜層と、を含み、
前記第1の光学膜層の屈折率は、前記第2の光学膜層の屈折率より小さく、
単位面積あたりで、前記非平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度は、前記平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度より小さ
く、
前記基板に垂直な断面において、前記第2の開口の側壁の接線と前記基板との夾角は、前記第1の開口の側壁の接線と前記基板との夾角より小さく、
前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応する前記第1の光学膜層の最小厚さは、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応しない前記第1の光学膜層の最大厚さの10%~30%であるディスプレイ装置。
【請求項2】
前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応する前記第1の光学膜層の最小厚さの範囲は0.3μm~0.7μmであり、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応しない前記第1の光学膜層の最大厚さの範囲は1.5μm~2.5μmである請求項
1に記載のディスプレイ装置。
【請求項3】
前記第2の開口は、前記第1の光学膜層を貫通しない凹溝であり、且つ断面形状は弧形であり、
前記第1の開口は、前記第1の光学膜層を貫通する請求項
1に記載のディスプレイ装置。
【請求項4】
前記第2の開口の側壁の接線と前記基板との夾角の範囲は20°~50°である請求項
1に記載のディスプレイ装置。
【請求項5】
前記第1の開口及び前記第2の開口は、いずれも前記第1の光学膜層を貫通し、
前記第1の開口及び前記第2の開口の断面形状は、いずれも逆台形であり、前記第1の開口の側壁の接線と前記基板との夾角の範囲は65°~75°である請求項
4に記載のディスプレイ装置。
【請求項6】
前記非平面表示部に位置する前記第2の開口の密度は、前記平面表示部に位置する前記第1の開口の密度以下である請求項
1に記載のディスプレイ装置。
【請求項7】
前記サブピクセルは、赤色サブピクセルと、緑色サブピクセルと、青色サブピクセルとを含み、
前記非平面表示部に位置する前記緑色サブピクセルに対応する第2の開口の密度は、前記平面表示部に位置する前記緑色サブピクセルに対応する第1の開口の密度の0%~75%である請求項
6に記載のディスプレイ装置。
【請求項8】
前記第1の光学膜層の屈折率の範囲は1.3~1.6であり、前記第2の光学膜層の屈折率の範囲は1.5~1.9である請求項1に記載のディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、ディスプレイ技術に関し、具体的には、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(英語正式名称:Organic Light Emitting Diode、略称OLED)は、有機薄膜エレクトロルミネッセンスデバイスである。OLEDは、フレキシブル構造を形成しやすく、視野角が広く、電圧要件が低く、節電効率が高く、反応が速く、重量が軽く、厚さが薄く、構造が簡単で、コストが低く、コントラストがほぼ無限に高く、電力消費が比較的少なく、反応速度が極めて高い等の長所を有し、すでに現時点で最も重要なディスプレイ技術の一つになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
OLEDディスプレイ装置の電力消費を低下し、OLEDディスプレイ装置のディスプレイ発光効率を高めるため、現在通常は、ディスプレイ装置の発光ユニットの光放出側に集光構造を設置し、発光ユニットが放出する光線を集め、光放出強度を高めている。現在、集光構造の材質は、比較的脆弱である。非平面表示部において、集光構造箇所の形態は急激に変化し、応力集中現象を起こし、集光構造の脱落を招き、ひび割れを起こしやすい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、従来のディスプレイ装置に存在する、集光構造箇所の形態が急激に変化し、応力集中現象を起こし、集光構造の脱落を招き、ひび割れを起こしやすい等の問題を解決することのできるディスプレイ装置を提供することである。
【0005】
上記問題を解決するため、本発明は、平面表示部と、非平面表示部とを含むディスプレイ装置を提供し、前記ディスプレイ装置は、基板と、前記基板の一側に設置され、互いに間隔を空けて設置された複数のサブピクセルを含む発光層と、前記発光層の前記基板から離れた側に設置された第1の光学膜層と(前記平面表示部に位置する前記第1の光学膜層の前記サブピクセルに対応する位置に少なくとも1つの第1の開口を設け、前記非平面表示部に位置する前記第1の光学膜層の前記サブピクセルに対応する位置に少なくとも1つの第2の開口を設けた)、前記第1の光学膜層の前記基板から離れた側を被覆し、且つ前記第1の開口内及び前記第2の開口内に延伸しそれらに充填された第2の光学膜層とを含み、前記第1の光学膜層の屈折率は、前記第2の光学膜層の屈折率より小さく、単位面積あたりで、前記非平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度は、前記平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度より小さい。
【0006】
さらに、前記基板に垂直な断面において、前記第2の開口の側壁の接線と前記基板との夾角は、前記第1の開口の側壁の接線と前記基板との夾角より小さい。
【0007】
さらに、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応する前記第1の光学膜層の最小厚さは、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応しない前記第1の光学膜層の最大厚さの10%~30%である。
【0008】
さらに、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応する前記第1の光学膜層の最小厚さの範囲は0.3μm~0.7μmであり、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口に対応しない前記第1の光学膜層の最大厚さの範囲は1.5μm~2.5μmある。
【0009】
さらに、前記第2の開口は、前記第1の光学膜層を貫通しない凹溝であり、且つ断面形状は弧形であり、前記第1の開口は、前記第1の光学膜層を貫通する。
【0010】
さらに、前記第2の開口の側壁の接線と前記基板との夾角の範囲は20°~50°である。
【0011】
さらに、前記第1の開口及び前記第2の開口は、いずれも前記第1の光学膜層を貫通し、前記第1の開口及び前記第2の開口の断面形状は、いずれも逆台形であり、前記第1の開口の側壁の接線と前記基板との夾角の範囲は65°~75°である。
【0012】
さらに、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口の密度は、前記平面表示部に位置する前記第1の開口の密度以下である。
【0013】
さらに、前記サブピクセルは、赤色サブピクセルと、緑色サブピクセルと、青色サブピクセルとを含み、ここで、前記非平面表示部に位置する前記緑色サブピクセルに対応する第2の開口の密度は、前記平面表示部に位置する前記緑色サブピクセルに対応する第1の開口の密度の0%~75%である。
【0014】
さらに、前記第1の光学膜層の屈折率の範囲は1.3~1.6であり、前記第2の光学膜層の屈折率の範囲は1.5~1.9である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のディスプレイ装置は、単位面積あたりで、前記非平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度は、前記平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度より小さく、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高める。
【0016】
本発明のディスプレイ装置の前記第2の開口の側壁の接線と前記基板との夾角は、前記第1の開口の側壁の接線と前記基板との夾角より小さく、これにより非平面表示部の応力を小さくし、非平面表示部の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層及び第2の光学膜層の脱落を防ぎ、第1の光学膜層及び第2の光学膜層にひび割れが起こるのを防止することができ、非平面表示部の集光効果を低下し、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることもできる。
【0017】
本発明のディスプレイ装置の前記第2の開口は、前記第1の光学膜層を貫通しない凹溝であり、且つ断面形状は弧形であり、これにより非平面表示部の応力を小さくし、非平面表示部の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層及び第2の光学膜層の脱落を防ぎ、第1の光学膜層及び第2の光学膜層にひび割れが起こるのを防止することができ、非平面表示部の集光効果を低下し、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることもできる。
【0018】
本発明のディスプレイ装置の前記非平面表示部に位置する前記第2の開口の密度は、前記平面表示部に位置する前記第1の開口の密度より小さく、すなわち、前記非平面表示部に位置する前記第2の開口の密度を低下し、これにより非平面表示部の応力を小さくし、非平面表示部の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層及び第2の光学膜層の脱落を防ぎ、第1の光学膜層及び第2の光学膜層にひび割れが起こるのを防止することができ、非平面表示部の集光効果を低下し、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願実施例中の技術方案をさらに明確に説明するため、以下では実施例記述中に使用される図面を簡単に紹介する。一目でわかるように、以下の記述中の図面は、本願のいくつかの実施例にすぎず、本分野当業者にとっては、創造的労働を行わないことを前提として、これらの図面に基づいてその他の図面を得ることもできる。
【0020】
【
図1】本発明実施例1のディスプレイ装置が湾曲する前の構造概略図である。
【
図2】本発明実施例1の第1の開口、第2の開口の概略図である。
【
図3】本発明実施例2のディスプレイ装置が湾曲する前の構造概略図である。
【
図4】本発明実施例2の第1の開口、第2の開口の概略図である。
【
図5】本発明実施例3のディスプレイ装置の平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、図面を結び付けて本発明の好適実施例を詳細に説明し、本分野の当業者に本発明の技術内容を完全に紹介し、本発明が実施可能であることを例を挙げて証明し、本発明が公開した技術内容をより明確にし、本分野の当業者が本発明をいかに実施するかを理解しやすくする。しかしながら、本発明は、多くの異なる形式の実施例により反映することができ、本発明の保護範囲は、文中に取り上げた実施例のみに限定されるものではなく、以下の実施例の説明は、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0022】
本発明において言及する方向を表す用語、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側面」等は、図面中の方向にすぎず、本明細書で使用する方向を表す用語は、本発明を解釈、説明するためのものであり、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。
【0023】
図面中の構造が同一の部品は、同一の数字記号により表示し、各箇所の構造又は機能が類似する構成要素は、類似の数字記号により表示する。このほか、理解及び記述しやすいように、図面で示される各構成要素の寸法及び厚さは、任意に示したものであり、本発明では、各構成要素の寸法及び厚さを限定していない。
【実施例1】
【0024】
図1に示されたように、本実施例は、ディスプレイ装置100を提供する。前記ディスプレイ装置100は、平面表示部101と、非平面表示部102とを含む。
【0025】
本実施例において、前記ディスプレイ装置100は、曲面ディスプレイ装置であり、前記非平面表示部102は、曲面表示部である。その他の実施例において、前記ディスプレイ装置100は、折り畳みディスプレイ装置であってもよく、前記非平面表示部102は、折り曲げ表示部である。
【0026】
図1に示されたように、前記ディスプレイ装置100は、基板1と、発光層2と、パッケージ層3と、第1の光学膜層4と、第2の光学膜層5とを含む。
【0027】
ここで、基板1は、前記平面表示部101及び前記非平面表示部102に位置する。基板1の材質は、ガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのうちの1種又は複数種であり、これにより基板1は、よりすぐれた耐衝撃能力を有することができ、ディスプレイ装置100を有効に保護することができる。
【0028】
ここで、発光層2は、前記基板1上に設置される。前記発光層2は、互いに間隔を空けて前記基板1上に設置された複数のサブピクセル21を含む。
【0029】
ここで、パッケージ層3は、前記発光層2の前記基板1から離れた側に設置される。前記パッケージ層3は、主に水と酸素が前記発光層2に侵入するのを防止し、前記ディスプレイ装置100の使用寿命を延長するために用いられる。具体的には、前記パッケージ層3は、第1の無機層、有機層及び第2の無機層等の膜層構造を含んでよい。
【0030】
図1に示されたように、第1の光学膜層4は、前記パッケージ層3の前記基板1から離れた側に設置される。前記第1の光学膜層4の屈折率の範囲は1.3~1.6である。本実施例において、前記第1の光学膜層4の屈折率は1.4である。前記第1の光学膜層4の材質は、アクリル、エポキシ樹脂等の有機材料であってよく、SiO2、SiON等の無機材料であってもよい。
【0031】
図1に示されたように、第2の光学膜層5は、前記第1の光学膜層4の前記基板1から離れた側の表面を被覆する。前記第2の光学膜層5の屈折率の範囲は1.5~1.9である。前記第1の光学膜層4の屈折率は、前記第2の光学膜層5の屈折率より小さい。本実施において、前記第2の光学膜層5の屈折率は1.7である。前記第2の光学膜層5の材質は、ZrO2、TiO2等のナノ粒子をドープした有機材料であってよく、メタロキサン等の有機及び無機混合材料であってもよい。
【0032】
図1、
図2に示されたように、前記平面表示部101に位置する前記第1の光学膜層4の前記サブピクセル21に対応する位置に、少なくとも1つの第1の開口41を設ける。ここで、前記第2の光学膜層5は、さらに前記第1の開口41内に充填される。本実施例において、前記平面表示部101に位置する前記第1の光学膜層4の各前記サブピクセル21に対応する位置すべてに第1の開口41を設ける。
【0033】
本実施例において、前記第1の開口41は、前記第1の光学膜層4を貫通する貫通孔であり、且つ断面形状は逆台形である。第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面は、前記基板1の前記第1の光学膜層4に近い側の表面と平行である。したがって、前記第1の開口41の側壁の接線と前記基板1との夾角は、前記第1の開口41の側壁と前記第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面との夾角αに等しい。ここで、前記夾角αの範囲は65°~75°である。本実施例において、前記夾角αは70°である。
【0034】
図1、
図2に示されたように、前記非平面表示部102に位置する前記第1の光学膜層4の前記サブピクセル21に対応する位置に、少なくとも1つの第2の開口42を設ける。ここで、前記第2の光学膜層5は、さらに前記第2の開口42内に充填される。
【0035】
単位面積あたりで、前記非平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度は、前記平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度より小さく、これにより、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。実際の応用においては、同一条件下(例えば、非平面表示部及び平面表示部に同一の単位面積あたりの発光領域を選択し、同一の駆動電流の制御下で発光し、非平面表示部及び平面表示部から同一距離の位置で、同一視野角である条件等)で前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度を測定し、これにより前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層の非平面表示部と平面表示部の差別化に対する光学的改善効果を判断してよい。
【0036】
本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記第1の光学膜層4の各前記サブピクセル21に対応する位置すべてに第2の開口42を設ける。すなわち、本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第2の開口42の密度は、前記平面表示部101に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第1の開口41の密度に等しい。
【0037】
本実施例において、前記第2の開口42は、前記第1の光学膜層4を貫通しない凹溝であり、且つ断面形状は弧形である。本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記第2の開口42に対応する前記第1の光学膜層4の最小厚さL1は、前記非平面表示部102に位置する前記第2の開口42に対応しない前記第1の光学膜層4の最大厚さL2の10%~30%である。具体的には、前記非平面表示部102に位置する前記第2の開口42に対応する前記第1の光学膜層4の最小厚さL1の範囲は0.3μm~0.7μmである。前記非平面表示部102に位置する前記第2の開口42に対応する前記第1の光学膜層4の最大厚さL2の範囲は1.5μm~2.5μmである。これにより非平面表示部102の応力を小さくし、非平面表示部102の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5の脱落を防ぎ,第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5にひび割れが起こるのを防止することができ、さらに、非平面表示部102の集光効果を低下し、従来技術における非平面表示部102がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることもできる。
【0038】
図1,
図2に示されたように、第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面は、前記基板1の前記第1の光学膜層4に近い側の表面と平行である。したがって、前記第2の開口42の側壁の接線と前記基板1との夾角は、前記第2の開口42の側壁と前記第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面との夾角γに等しい。ここで、前記夾角γの範囲は20°~50°である。本実施例において、前記夾角γは35°である。
【0039】
図2に示されたように、夾角γは前記夾角αより小さく、すなわち、夾角γは夾角αより少し傾きが小さく、非平面表示部102の第2の開口42及び第2の光学膜層5の集光効果は、平面表示部101の前記第1の開口41及び第2の光学膜層5の集光効果より少し低く、このため、従来技術における非平面表示部102がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。
【0040】
図2に示されたように、夾角γは前記夾角αより小さく、すなわち、夾角γは夾角αより少し傾きが小さく、すなわち、非平面表示部102の第2の開口42箇所の形態の急激な変化を減らし、これにより非平面表示部102の応力を小さくし、非平面表示部102の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5の脱落を防ぎ、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5にひび割れが起こるのを防止することができる。
【実施例2】
【0041】
図3に示されたように、本実施例は、ディスプレイ装置100を提供する。前記ディスプレイ装置100は、平面表示部101と、非平面表示部102とを含む。
【0042】
本実施例において、前記ディスプレイ装置100は、曲面ディスプレイ装置であり、前記非平面表示部102は、曲面表示部である。その他の実施例において、前記ディスプレイ装置100は、折り畳みディスプレイ装置であってもよく、前記非平面表示部102は、折り曲げ表示部である。
【0043】
図3に示されたように、前記ディスプレイ装置100は、基板1と、発光層2と、パッケージ層3と、第1の光学膜層4と、第2の光学膜層5とを含む。
【0044】
ここで、基板1は、前記平面表示部101及び前記非平面表示部102に位置する。基板1の材質は、ガラス、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートのうちの1種又は複数種であり、これにより基板1は、よりすぐれた耐衝撃能力を有することができ、ディスプレイ装置100を有効に保護することができる。
【0045】
ここで、発光層2は、互いに間隔を空けて前記基板1上に設置される。前記発光層2は、互いに間隔を空けて前記基板1上に設置された複数のサブピクセル21を含む。
【0046】
ここで、パッケージ層3は、前記発光層2の前記基板1から離れた側に設置される。前記パッケージ層3は、主に水と酸素が前記発光層2に侵入するのを防止し、前記ディスプレイ装置100の使用寿命を延長するために用いられる。具体的には、前記パッケージ層3は、第1の無機層、有機層及び第2の無機層等の膜層構造を含んでよい。
【0047】
図3に示されたように、第1の光学膜層4は、前記パッケージ層3の前記基板から離れた側に設置される。前記第1の光学膜層4の屈折率の範囲は1.3~1.6である。本実施例において、前記第1の光学膜層4の屈折率は1.4である。前記第1の光学膜層4の材質は、アクリル、エポキシ樹脂等の有機材料であってよく、SiO2、SiON等の無機材料であってもよい。
【0048】
図3に示されたように、第2の光学膜層5は、前記第1の光学膜層4の前記基板1から離れた側の表面を被覆する。前記第2の光学膜層5の屈折率の範囲は1.5~1.9である。前記第1の光学膜層4の屈折率は、前記第2の光学膜層5の屈折率より小さい。本実施において、前記第2の光学膜層5の屈折率は1.7である。前記第2の光学膜層5の材質は、ZrO2、TiO2等のナノ粒子をドープした有機材料であってよく、メタロキサン等の有機及び無機混合材料であってもよい。
【0049】
図3、
図4に示されたように、前記平面表示部101に位置する前記第1の光学膜層4の前記サブピクセル21に対応する位置に、少なくとも1つの第1の開口41を設ける。ここで、前記第2の光学膜層5は、さらに前記第1の開口41内に充填される。本実施例において、前記平面表示部101に位置する前記第1の光学膜層4の各前記サブピクセル21に対応する位置すべてに第1の開口41を設ける。
【0050】
本実施例において、前記第1の開口41は、前記第1の光学膜層4を貫通する貫通孔であり、且つ断面形状は逆台形であり、第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面は、前記基板1の前記第1の光学膜層4に近い側の表面と平行である。したがって、前記第1の開口41の側壁の接線と前記基板1との夾角は、前記第1の開口41の側壁と前記第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面との夾角αに等しい。ここで、前記夾角αの範囲は65°~75°である。本実施例において、前記夾角αは70°である。
【0051】
図3、
図4に示されたように、前記非平面表示部102に位置する前記第1の光学膜層4の前記サブピクセル21に対応する位置に、少なくとも1つの第2の開口42を設ける。ここで、前記第2の光学膜層5は、さらに前記第2の開口42内に充填される。
【0052】
単位面積あたりで、前記非平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度は、前記平面表示部に位置する前記サブピクセルから発生する光線が前記第1の光学膜層及び前記第2の光学膜層を通過した後の正視野角における集光強度より小さく、これにより、従来技術における非平面表示部がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。
【0053】
本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記第1の光学膜層4の各前記サブピクセル21に対応する位置すべてに第2の開口42を設ける。すなわち、本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第2の開口42の密度は、前記平面表示部101に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第1の開口41の密度に等しい。
【0054】
本実施例において、前記第2の開口42は、前記第2の光学膜層5を貫通する貫通孔であり、且つ断面形状は逆台形であり、第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面は、前記基板1の前記第1の光学膜層4に近い側の表面と平行である。したがって、前記第2の開口42の側壁の接線と前記基板1との夾角は、前記第2の開口42の側壁と前記第1の光学膜層4の前記基板1に近い側の表面との夾角βに等しい。ここで、前記夾角βの範囲は20°~50°である。本実施例において、前記夾角βは35°である。
【0055】
図4に示されたように、夾角βは前記夾角αより小さく、すなわち、夾角βは夾角αより少し傾きが小さく、このため、同一角度の光線が第1の開口41の側壁及び第2の開口42の側面に入射し、反射した場合、非平面表示部102の第2の開口42及び第2の光学膜層5の集光効果は、平面表示部101の前記第1の開口41及び前記第2の光学膜層5の集光効果より少し低く、このため、従来技術における非平面表示部102がユーザに対して一定の視野角を有するために引き起こされる不具合体験を改善し、ユーザエクスペリエンスを高めることができる。
【0056】
図4に示されたように、夾角βは前記夾角αより小さく、すなわち、夾角βは夾角αより少し傾きが小さく、すなわち、非平面表示部102の第2の開口42箇所の形態の急激な変化を減らし、これにより非平面表示部102の応力を小さくし、非平面表示部102の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5の脱落を防ぎ、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5にひび割れが起こるのを防止することができる。
【実施例3】
【0057】
図5に示されたように、本実施例は、実施例1又は実施例2の大部分の技術的特徴を含み、本実施例と実施例1又は実施例2との相違点は、本実施例において、前記非平面表示部102に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第2の開口42の密度が、前記平面表示部101に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第1の開口41の密度により小さいことにある。
【0058】
図5に示されたように、前記サブピクセル21は、赤色サブピクセル211と、緑色サブピクセル212と、青色サブピクセル213とを含む。ここで、平面表示部101に位置する陰影を充填したサブピクセル21は、該サブピクセル21に対応する第1の光学膜層4に第1の開口41を設置したことを表す。ここで、非平面表示部102に位置する陰影を充填したサブピクセル21は、該サブピクセル21に対応する第1の光学膜層4に第2の開口42を設置したことを表し、非平面表示部102に位置する陰影を充填していないサブピクセル21は、該サブピクセル21に対応する第1の光学膜層4に第2の開口42を設置していないことを表す。
【0059】
緑色サブピクセル212の発光効率は、前記赤色サブピクセル211及び青色サブピクセル213の発光効率より高く、このため、本実施例において、前記非平面表示部102の前記緑色サブピクセル212に対応する第2の開口42の密度を低下する。具体的には、前記非平面表示部102に位置する前記緑色サブピクセル212に対応する第2の開口42の密度は、前記平面表示部101に位置する前記緑色サブピクセル212に対応する第1の開口41の密度の0%~75%である。
【0060】
前記非平面表示部102に位置する前記サブピクセル21に対応する前記第2の開口42の密度を低下することにより、非平面表示部102の応力を小さくし、非平面表示部102の応力集中効果を低下し、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5の脱落を防ぎ、第1の光学膜層4及び第2の光学膜層5にひび割れが起こるのを防止する。
【0061】
さらに、以上で本願が提供するディスプレイ装置について詳細に紹介し、本明細書中で具体的個別事例を用いて本願の原理及び実施形態を述べたが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びその核となる思想を理解する助けとするためのものにすぎない。それと同時に、本分野の当業者にとっては、本願の思想に基づき、具体的実施形態及び応用範囲において、すべて変更点があるはずである。上記をまとめれば、本明細書の内容は、本願に対する制限と理解してはならない。
【符号の説明】
【0062】
100、ディスプレイ装置、 101、平面表示部、
102、非平面表示部、
1、基板、 2、発光層、
3、パッケージ層、 4、第1の光学膜層、
5、第2の光学膜層、
41、第1の開口、 42、第2の開口、
21、サブピクセル、 211、赤色サブピクセル、
212、緑色サブピクセル、 213、青色サブピクセル