(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/90 20200101AFI20240925BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240925BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A24F40/90
A24F40/53
H02J7/10 B
(21)【出願番号】P 2022558407
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 GB2021050929
(87)【国際公開番号】W WO2021209771
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハワード, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ポイントン, サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントラ, トミ
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-090480(JP,A)
【文献】国際公開第2020/035899(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0141893(US,A1)
【文献】特表2015-534458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/90
A24F 40/53
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成デバイス用の装置であって、前記装置は充電コントローラ及び適応的充電モジュールを備え、
前記充電コントローラは、バッテリーの充電レベルが第1の閾値を下回っている場合、第1の充電速度で前記バッテリーの充電を制御するように構成され、
前記充電コントローラは、前記バッテリーの前記充電レベルが前記第1の閾値を上回っている場合、前記第1の充電速度よりも低い第2の充電速度で前記バッテリーの充電を制御するように構成され、
前記適応的充電モジュールが前記第1の閾値を設定するように構成さ
れ、
前記適応的充電モジュールが前記エアロゾル生成デバイスの充電パターンを学習するように構成され、前記第1の閾値が前記学習された充電パターンに少なくとも部分的に応じて設定される、及び/又は、
前記適応的充電モジュールが前記エアロゾル生成デバイスの使用パターンを学習するように構成され、前記第1の閾値が前記学習された使用パターンに少なくとも部分的に応じて設定される、装置。
【請求項2】
前記適応的充電モジュールが機械学習モジュールを使用して実装される、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の閾値が、前記エアロゾル生成デバイスの使用レベルに応じて設定され、例えば、前記第1の閾値が、前記エアロゾル生成デバイスの定義された回数の動作を作動させることができるレベル、及び/又は前記エアロゾル生成デバイスの定義された予想される使用時間を実現することができるレベルに設定される、請求項
1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の閾値が
、前記エアロゾル生成デバイスの1日の予想される動作を可能にするように設定され
、
前記第1の閾値が、前記エアロゾル生成デバイスの決定された通常のユーザ動作に応じ
て設定される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の閾値が、
現在の曜日、
現在の時刻、
ユーザによって入力される第1のユーザ習慣、
使用を通じて決定される第2のユーザ習慣、
エアロゾル生成材料の1つ又は複数の特性、
1つ又は複数のバッテリー特性、及び
1つ又は複数のユーザ設定
のうちの1つ又は複数に応じて設定される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記バッテリー及び/又はエアロゾル生成器をさらに備える、請求項1~
5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
エアロゾル生成デバイスのバッテリーを、前記バッテリーの充電レベルが第1の閾値を下回っている場合に、第1の充電速度で充電するステップと、
前記エアロゾル生成デバイスの前記バッテリーを、前記バッテリーの前記充電レベルが前記第1の閾値を上回っている場合に、前記第1の充電速度よりも低い第2の充電速度で充電するステップと、
前記第1の閾値を設定するステップと、
を含
み、
前記エアロゾル生成デバイスの充電パターンを学習するステップをさらに含み、前記第1の閾値が前記学習された充電パターンに応じて設定される、及び/又は、
前記エアロゾル生成デバイスの使用パターンを学習するステップをさらに含み、前記第1の閾値が前記学習された使用パターンに応じて設定される、
方法。
【請求項8】
前記エアロゾル生成デバイスの使用レベルに応じて前記第1の閾値を設定するステップをさらに含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の閾値が、前記エアロゾル生成デバイスの定義された回数の動作を作動させることができるレベルに設定される、及び/又は、
前記第1の閾値が、決定された通常のユーザ動作に応じ
て設定される、請求項
7または
8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の閾値が、
現在の曜日、
現在の時刻、
ユーザによって入力される第1のユーザ習慣、
使用を通じて決定される第2のユーザ習慣、
エアロゾル生成材料の1つ又は複数の特性、
1つ又は複数のバッテリー特性、及び
1つ又は複数のユーザ設定
のうちの1つ又は複数に応じて設定される、請求項
7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の装置を備える、不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項12】
前記エアロゾル生成デバイスが、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品を受けるように構成され、
前記エアロゾル生成材料が、エアロゾル生成基材及びエアロゾル形成材料を選択的に含む、請求項
11に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【請求項13】
前記装置はタバコ加熱システムを備える、請求項
11または12に記載の不燃性エアロゾル生成デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、エアロゾル供給デバイス及びそのようなデバイスを使用する方法に関する。
【従来技術の説明】
【0002】
(背景)
シガレット、シガーなどの喫煙品は、使用中にタバコを燃やしてタバコの煙を発生させる。燃焼させずに化合物を放出する製品を作成することにより、これらの物品(article)の代用品を提供する試みがなされてきた。たとえば、タバコ加熱デバイスは、タバコなどのエアロゾル生成基材(substrate)を加熱し、基材を加熱するが燃やさないことによって、エアロゾルを形成する。
【発明の概要】
【0003】
(概要)
第1の態様において、本明細書では、エアロゾル生成デバイス用の装置であって、装置は充電コントローラを備え、充電コントローラは、バッテリーの充電レベルが第1の閾値を下回っている場合、第1の充電速度でバッテリーの充電を制御するように構成され、充電コントローラは、バッテリーの充電レベルが第1の閾値を上回っている場合、第1の充電速度よりも低い第2の充電速度でバッテリーの充電を制御するように構成される、装置について説明する。この装置は前記バッテリーを含んでもよい。この装置はエアロゾル生成器を含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、バッテリーの充電レベルが第2の閾値を上回っている場合、第2の充電速度よりも低い第3の充電速度が提供されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、この装置は充電ケース(たとえば、エアロゾル生成デバイスを充電するためのもの)であってもよい。さらに、エアロゾル生成デバイスは、充電ケースの制御下で充電されてもよく、使用時に充電ケースから分離されてもよい。
【0004】
この装置は、適応的充電モジュールをさらに備えてもよい。適応的充電モジュールは、たとえば、充電コントローラの一部を形成してもよく、又は別個のモジュールとして提供されてもよい。いくつかの例示的な実施形態では、適応的充電モジュールは、第1の閾値を設定するように構成される。
【0005】
適応的充電モジュールはエアロゾル生成デバイスの充電パターン(たとえば、充電がいつ、及び/又はどの速度で行われるか)を学習するように構成されてもよく、第1の閾値は学習された充電パターンに少なくとも部分的に応じて設定される。
【0006】
或いは又はさらに、適応的充電モジュールはエアロゾル生成デバイスの使用パターンを学習するように構成されてもよく、第1の閾値は学習された使用パターンに少なくとも部分的に応じて設定される。或いは又はさらに、適応的充電モジュールは、エアロゾル生成デバイスのユーザの使用パターンを学習するように構成されてもよい。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態では、適応的充電モジュールは機械学習モジュールを使用して実装される。
【0008】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの使用レベルに応じて設定されてもよい。たとえば、第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの定義された回数の動作を作動させることができるレベルに設定されてもよい。「動作」は、以下でさらに論じるように、パフ(puff)又はセッションであってもよい。
【0009】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの予想される使用時間を実現することができるレベルに設定されてもよい。
【0010】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの1日の予想される動作を可能にするように設定されてもよい。或いは又はさらに、第1の閾値は、次の予想される充電時間まで、予想されるレベルの動作を可能にするように設定されてもよい。
【0011】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの決定された通常のユーザ動作に応じたものであってもよい。
【0012】
第1の閾値は、現在の曜日、現在の時刻、ユーザによって入力される第1のユーザ習慣、使用を通じて決定される第2のユーザ習慣、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の特性、1つ又は複数のバッテリー特性(たとえば、バッテリー使用年数又はバッテリー使用年数の代わりとなるもの)、及び1つ又は複数のユーザ設定のうちの1つ又は複数に応じて設定されてもよい。
【0013】
第2の態様において、本明細書では、エアロゾル生成デバイスのバッテリーを、バッテリーの充電レベルが第1の閾値を下回っている場合に、第1の動作モードで充電するステップと、エアロゾル生成デバイスのバッテリーを、バッテリーの充電レベルが第1の閾値を上回っている場合に、第2の動作モードで充電するステップと、を含む、方法について説明する。この方法は、第1の閾値を設定するステップをさらに含んでもよい。バッテリーの充電レベルが第2の閾値を上回っている場合、第2の充電速度よりも低い第3の充電速度が提供されてもよい。この方法は、第2の閾値を設定するステップを含んでもよい。この方法は、エアロゾル生成デバイスによって実装されてもよい。或いは、この方法は、エアロゾル生成デバイスを充電するために使用される充電ケース又は充電デバイスで実装されてもよい。
【0014】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの使用レベルに応じて設定されてもよい。
【0015】
第1の閾値は、現在の曜日、現在の時刻、ユーザによって入力される第1のユーザ習慣、使用を通じて決定される第2のユーザ習慣、エアロゾル生成材料の1つ又は複数の特性、1つ又は複数のバッテリー特性、及び1つ又は複数のユーザ設定のうちの1つ又は複数に応じて設定されてもよい。
【0016】
第1の閾値は、エアロゾル生成デバイスの定義された回数の動作(たとえば、パフ)を作動させることができるレベルに設定されてもよい。或いは又はさらに、第1の閾値は、決定された通常のユーザ動作に応じたものであってもよい。
【0017】
この方法は、(ユーザ又はエアロゾル生成デバイスの)充電パターンを学習するステップをさらに含んでもよく、第1の閾値は学習された充電パターンに応じて設定される。充電パターンは、ユーザが典型的にはいつどのようにデバイスを充電するか、及び/又は特定のデバイスが典型的にはいつどのように充電されるかを含んでもよい。或いは又はさらに、この方法は、(ユーザ又はエアロゾル生成デバイスの)使用パターンを学習するステップをさらに含んでもよく、第1の閾値は学習された使用パターンに応じて設定される。前記パターンは、機械学習モジュールを使用して学習されてもよい。
【0018】
第3の態様において、本明細書では、第1の態様の特徴のいずれかを含む装置(たとえば、タバコ加熱システム)を備える不燃性エアロゾル生成デバイスについて説明する。エアロゾル生成デバイスは、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品を受けるように構成されてもよい。エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成基材及びエアロゾル形成材料を含んでもよい。
【0019】
第4の態様において、本明細書では、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給システムであって、上述の第1の態様の特徴のいずれかを含む装置、又は上述の第3の態様の特徴のいずれかを含むデバイスを備える、エアロゾル供給システムについて説明する。
【0020】
第5の態様において、本明細書では、コンピューティング装置によって実行された場合に、コンピューティング装置に第2の態様を参照して説明した任意の方法を実行させるコンピュータ可読命令について説明する。
【0021】
第6の態様において、本明細書では、不燃性エアロゾル生成システムで使用するための物品(たとえば、エアロゾル生成材料を含む取り外し可能な物品)を含む部品のキットであって、不燃性エアロゾル生成システムが、上述の第1の態様の特徴のいずれかを含む装置、又は上述の第3又は第4の態様の特徴のいずれかを含むデバイス若しくはシステムを備える、部品のキットについて説明する。
【0022】
ここで、以下の概略図を参照して、例示的な実施形態を単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図2】例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスのブロック図である。
【
図3】例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスのブロック図である。
【
図4】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図5】例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。
【
図6】例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。
【
図7】例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。
【
図8】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図9】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図10】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図11】例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【
図12】いくつかの例示的な実施形態で使用されるニューラルネットワークを示す図である。
【
図13】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
【
図14】例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[詳細な説明]
本明細書で使用する場合、「送達システム」という用語は、物質をユーザに送達するシステムを包含することを意図しており、以下を含む:
可燃性エアロゾル供給システム、たとえば、シガレット、シガリロ、シガー、及びパイプ用又は手巻き若しくは手作りシガレット用のタバコなど(タバコ、タバコ派生品、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品又は他の喫煙材のいずれに基づくかを問わない)、
エアロゾル化可能材料を燃焼させることなくエアロゾル化可能材料から化合物を放出する不燃性エアロゾル供給システム、たとえば、電子タバコ(electronic cigarette)、タバコ加熱製品、及びエアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムなど、
エアロゾル化可能材料を含み、これらの不燃性エアロゾル供給システムのうちの1つで使用されるように構成される物品、並びに
エアロゾル不使用の送達システム、たとえば、ロゼンジ、ガム、パッチ、吸入可能な粉末を含む物品、及び無煙タバコ製品、たとえば、スヌース及びスナッフなどであり、これらはエアロゾルを形成せずに材料をユーザに送達し、材料はニコチンを含む場合と含まない場合とがある。
【0025】
本開示によれば、「可燃性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)を構成するエアロゾル化可能材料が、ユーザへの送達を容易にするために燃焼される又は燃やされるものである。
【0026】
本開示によれば、「不燃性」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システム(又はその構成要素)を構成するエアロゾル化可能材料が、ユーザへの送達を容易にするために燃焼されない又は燃やされないものである。本明細書に記載の実施形態では、送達システムは不燃性エアロゾル供給システム、たとえば、動力付き不燃性エアロゾル供給システムである。
【0027】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは電子タバコであり、これはベイピング(vaping)デバイス又は電子ニコチン送達システム(END:electronic nicotine delivery system)としても知られているが、エアロゾル化可能材料内のニコチンの存在は要件ではないことに留意されたい。
【0028】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0029】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、エアロゾル化可能材料のうちの1つ又は複数は加熱されてもよい。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、たとえば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含有してもしなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料及び固体のエアロゾル化可能材料を含む。固体のエアロゾル化可能材料は、たとえば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0030】
典型的には、不燃性エアロゾル供給システムは、不燃性エアロゾル供給デバイス及び不燃性エアロゾル供給システムと共に使用するための物品を含んでもよい。しかしながら、エアロゾル生成構成要素に動力を供給するための手段をそれ自体が含む物品自体が、不燃性エアロゾル供給システムを形成してもよいということも想定される。
【0031】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスは、電源及びコントローラを含んでもよい。電源は、電力源であっても発熱源であってもよい。一実施形態では、発熱源は、発熱源に近接するエアロゾル化可能材料又は熱伝達材料に熱の形態で動力を供給するようにエネルギーを与えることができる炭素基材を含む。一実施形態では、発熱源などの電源は、不燃性エアロゾル供給を形成するように物品内に提供される。
【0032】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、エアロゾル化可能材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を受けるための領域を含んでもよい。
【0033】
一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料から1つ又は複数の揮発性物質を放出してエアロゾルを形成するように、エアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒーターである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱せずにエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。たとえば、エアロゾル生成構成要素は、振動、機械、加圧又は静電手段のうちの1つ又は複数などによって、熱を加えることなく、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成可能であってもよい。
【0034】
一実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材料、エアロゾル形成材料、及び任意選択で1つ又は複数の機能材料を含んでもよい。活性材料は、ニコチン(任意選択でタバコ又はタバコ派生品に含有される)或いは1つ又は複数の他の非嗅覚の生理活性材料を含んでもよい。非嗅覚の生理活性材料は、嗅覚以外の生理反応を実現するためにエアロゾル化可能材料に含まれる材料である。本明細書で使用する活性物質は、生理反応を実現又は増強することを目的とする材料である生理活性材料であってもよい。活性物質は、たとえば、栄養補助食品、向知性薬、向精神薬から選択されてもよい。活性物質は、天然のもの又は合成的に得られるものであってもよい。活性物質は、たとえば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12又はCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、或いはそれらの成分、派生物、又は組合せを含んでもよい。活性物質は、タバコ、大麻又は他の植物の1つ又は複数の成分、派生物又は抽出物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、活性物質はニコチンを含む。いくつかの実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0035】
エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソエリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0036】
1つ又は複数の機能材料は、香料、担体、pH調整剤、安定剤、及び/又は抗酸化剤のうちの1つ又は複数を含んでもよい。
【0037】
一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、エアロゾル化可能材料又はエアロゾル化可能材料を受けるための領域を含んでもよい。一実施形態では、不燃性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品は、マウスピースを含んでもよい。エアロゾル化可能材料を受けるための領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵するための貯蔵領域であってもよい。たとえば、貯蔵領域はリザーバであってもよい。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受けるための領域は、エアロゾル生成領域とは別個であってもよいし、又はエアロゾル生成領域と結合されてもよい。
【0038】
本明細書ではエアロゾル生成材料と呼ぶ場合もあるエアロゾル化可能材料は、たとえば、加熱されたとき、照射されたとき、又は他の任意の方法でエネルギーが与えられたときに、エアロゾルを生成することが可能な材料である。エアロゾル化可能材料は、たとえば、ニコチン及び/又は香味料を含有してもしなくてもよい固体、液体、又はゲルの形態であってもよい。いくつかの実施形態では、エアロゾル化可能材料は、代替的に「モノリシック固体」(すなわち、非繊維性)と呼ばれる場合もある「非晶質固体」を含んでもよい。いくつかの実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルであってもよい。非晶質固体は、液体などの何らかの流体を内部に保持することができる固体材料である。
【0039】
エアロゾル化可能材料は、基材上に存在してもよい。基材は、たとえば、紙、カード、板紙、厚紙、再生されたエアロゾル化可能材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、又は金属合金であってもよいし、又はそれらを含んでもよい。
【0040】
消耗品とは、エアロゾル生成材料を含むか、又はエアロゾル生成材料からなる物品であり、その一部又は全部がユーザにより使用中に消費されることが意図されている。消耗品は1つ又は複数の他の構成要素、たとえば、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル変性剤を含んでもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を含んでもよい。ヒーターは、たとえば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを含んでもよい。
【0041】
サセプタは、交番磁場などの変動磁場による侵入によって加熱可能な材料である。サセプタは導電性材料であってもよく、これにより、変動磁場が侵入すると、加熱材料の誘導加熱が引き起こされる。加熱材料は磁性材料であってもよく、これにより、変動磁場が侵入すると、加熱材料の磁気ヒステリシス加熱が引き起こされる。サセプタは導電性及び磁性の両方を有してもよく、これにより、両方の加熱メカニズムでサセプタが加熱可能になる。変動磁場を生成するように構成されるデバイスを、本明細書では磁場生成器と呼ぶ。
【0042】
図1は、参照番号10によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム10は、充電コントローラ14、エアロゾル生成器15、バッテリー16、及び電源18を含む。充電コントローラ14、エアロゾル生成器15、及びバッテリー16は、エアロゾル生成デバイス12を形成してもよい。或いは、充電コントローラ14及びエアロゾル生成器15は、外部バッテリー16を有するエアロゾル生成デバイス12’を形成してもよい。さらなる代替例では、充電コントローラ14は、エアロゾル生成器15のバッテリー16を充電するために使用することができる充電モジュール又は充電ケースの一部を形成してもよい。その場合、エアロゾルを生成する際に使用するために、エアロゾル生成器(バッテリーを含む)が充電モジュール又はケースから取り外されてもよい。
【0043】
以下で詳細に論じるように、充電コントローラ14は、バッテリーの充電レベルに応じて、たとえば第1の充電速度又は第2の充電速度で、バッテリー16の充電を制御するように構成される。
【0044】
図2は、参照番号20によって全体を示す、例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスのブロック図である。エアロゾル供給デバイス20は、上述のエアロゾル生成デバイス12の実装例である。デバイス20は、第1の部分21a及び第2の部分21bを含むモジュール式のデバイスである。
【0045】
デバイス20の第1の部分21aは、制御回路22(これはデバイス12の充電コントローラ14を含んでもよい)と、バッテリー23(たとえば、上述のバッテリー16)とを含む。デバイス20の第2の部分21bは、ヒーター24及び液体リザーバ25(これらは上述のシステム10のエアロゾル生成器15を集合的に形成してもよい)を含む。
【0046】
第1の部分21aは、第1のコネクタ26a(たとえば、USBコネクタ)を含む。第1のコネクタ26aは、たとえば制御回路22の制御下で(たとえば、充電コントローラ14の制御下で)バッテリー23を充電するための電源(たとえば、上述の電源18)への接続を実現してもよい。
【0047】
第1の部分21aは、第2の部分21bの第1のコネクタ27に取り外し可能に接続することができる第2のコネクタ26bも含む。
【0048】
デバイス20の使用時に、矢印28によって示すように、ヒーター24の空気入口に空気が引き込まれる。(たとえば、回路23の制御下で)ヒーターを使用して空気が加熱される。加熱された空気は液体リザーバ25に導かれ、ここでエアロゾルが生成される。エアロゾルは、矢印29で示すように、空気出口からデバイスを出る(たとえば、デバイス20のユーザの口内へ入る)。
【0049】
図3は、参照番号30によって全体を示す、例示的な実施形態による不燃性エアロゾル供給デバイスのブロック図である。エアロゾル供給デバイス30は、システム10のエアロゾル生成器15の実装例であり、システム10の他の要素も含んでもよい。
【0050】
図3は、外側カバーなしのエアロゾル供給デバイス30の透視図である。エアロゾル供給デバイス30は交換可能な物品31を含んでもよく、これは物品31の加熱を可能にするためにエアロゾル供給デバイス30に挿入されてもよい。エアロゾル供給デバイス30は、エアロゾル供給デバイス30のスイッチをオン又はオフにするために使用されてもよい起動スイッチ32と、複数の加熱要素33a、33b及び33cと、1つ又は複数のエアチューブエクステンダ34及び35と、をさらに含む。1つ又は複数のエアチューブエクステンダ34及び45は任意選択的なものであってもよい。
【0051】
加熱要素33a、33b、及び33cは、物品31を直接加熱するヒーターであってもよい。或いは、加熱要素33a、33b、及び33は、物品31内に含まれる(又は他の場所に提供される)サセプタと相互作用するように構成される誘導加熱要素であってもよい。3つの加熱要素33a、33b、及び33cの使用は、全ての例示的な実施形態にとって必須ではない。したがって、エアロゾル生成デバイス30は、1つ又は複数の加熱要素を含んでもよい。
【0052】
サセプタは、物品31の一部として提供されてもよい。例示的な実施形態では、物品31がエアロゾル生成デバイスに挿入されたときに、物品31の挿入によってエアロゾル生成デバイス30がオンにされてもよい。エアロゾル生成デバイス30がオンにされた場合、(誘導)加熱要素33(たとえば、誘導加熱要素)は、サセプタを介して物品31を加熱(たとえば、誘導加熱)させてもよい。代替の実施形態では、サセプタは、エアロゾル生成デバイス30の一部として(たとえば、物品31を受けるためのホルダの一部として)提供されてもよい。
【0053】
2つの代替的なエアロゾル供給デバイス20及び30は例としてのみ提供しており、さらに多くの変形及び代替例が可能である。
【0054】
図4は、参照番号40によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。アルゴリズム40は、上述のシステム10、20、又は30によって実装されてもよい。
【0055】
アルゴリズム40は動作42から開始し、ここで、当該充電レベル(たとえば、バッテリー16又はバッテリー23の充電レベル)が第1の閾値を上回っているか否かに関する判定が行われる。
【0056】
充電レベルが閾値を下回っていると動作42で判定された場合、アルゴリズム40は動作44に進み、ここで、当該バッテリーが第1の充電レベルで充電される。充電レベルが閾値を上回っていると動作42で判定された場合、アルゴリズムは動作46に進み、ここで、当該バッテリーが第2の充電レベルで充電される。第2の充電レベルは第1の充電レベルよりも低いので、充電レベルが閾値を上回っている場合よりも充電レベルが閾値を下回っている場合により迅速にバッテリーが充電される。後述するように、いくつかの例示的な実施形態では、3つ以上の充電レベル(ひいては2つ以上の閾値)が存在してもよい。
【0057】
図5は、参照番号50によって全体を示す、例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。プロット50は、異なる充電レベル(たとえば、異なる電圧又は充電状態(SOC:state of charge))におけるデバイスの充電速度を示す。プロット50では、バッテリーの充電は、最初は(電圧又は充電状態が低い場合)第1の充電レベルであり、その後、(たとえば、充電レベルが当該充電閾値を上回っていることが検出された場合に)第2の充電レベルに低下する。プロット50では、参照番号52で示す第1及び第2の充電レベルの間の遷移は急激である。プロット50における遷移は、バッテリーの特定の充電状態(SOC)又は特定の電圧レベルであってもよい。
【0058】
図6は、参照番号60によって全体を示す、例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。プロット60では、バッテリーの充電は最初は第1の充電レベルであり、その後、(たとえば、充電レベルがバッテリーの当該充電状態などの当該充電閾値を上回っていることが検出された場合に)第2の充電レベルに低下する。プロット60がプロット50と異なる点は、プロット60では、参照番号62で示す第1及び第2の充電レベルの間の遷移が緩やかであるということである。
【0059】
図7は、参照番号70によって全体を示す、例示的な実施形態の使用例を示すプロットである。プロット70では、バッテリーの充電は最初は第1の充電レベルであり、その後、(たとえば、充電レベルが第1の充電状態などの第1の充電閾値を上回っていることが検出された場合に)第2の充電レベルに低下し、そして、(たとえば、充電レベルが第2の充電状態などの第2の充電閾値を上回っていることが検出された場合に)第3の充電レベルにさらに低下する。
【0060】
プロット50、60、及び70は、例としてのみ提供している。当業者には、多くの変形が容易に明らかになろう。
【0061】
図8は、参照番号80によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム80は、上述の充電コントローラ14を含み、適応的充電モジュール82をさらに含む。適応的充電モジュール82は、(
図8に示すように)別個のモジュールとして提供されてもよいが、代替的に、充電モジュール14の一部として提供することができる。適応的充電モジュールは、上述のエアロゾル生成デバイス12又はエアロゾル生成デバイス12’の一部を形成してもよい。さらに、適応的充電モジュールは、充電モジュール又はケースの一部を形成してもよい。
【0062】
いくつかの例示的な実施形態では、適応的充電モジュール82は、たとえば上述のアルゴリズム40で使用される第1の閾値(又は1つ若しくは複数の他の閾値)を設定するように構成される。
【0063】
図9は、参照番号90によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0064】
アルゴリズム90は動作92から開始し、ここで、上述の第1の充電閾値(及び場合によっては1つ又は複数の他の充電閾値)が設定される。たとえば、適応的充電モジュール82を使用して、上記で論じた充電閾値(複数可)を設定してもよい。
【0065】
次いで、アルゴリズム90は動作94に進み、ここで、デバイスが使用される。
【0066】
アルゴリズムは動作92に(たとえば定期的に)戻ってもよく、ここで、第1の充電閾値がリセット(たとえば、調整)されてもよい。
【0067】
動作92で設定される第1の充電閾値は、充電されるデバイスの使用レベルに応じて設定されてもよい。たとえば、第1の充電閾値に達したときにデバイスの特定の使用が可能になるように、第1の充電閾値が設定されてもよい。たとえば、第1の閾値は、定義された予想される使用レベルに基づくレベル、又は装置の定義された回数の動作を作動させることができるレベルに設定されてもよい(たとえば、デバイスの単一の使用若しくはパフ、又は単一のセッションであり、ここで、「セッション」は、1つの消耗品デバイスの使用、たとえば、エアロゾル化可能材料を備え付けるための挿入、デバイスの単日の使用、又はデバイスの半日の使用と定義されてもよい)。或いは又はさらに、第1の閾値でのデバイスの充電レベルが、次の予想される充電時間(又は他の何らかの定義された期間)まで、デバイスの予想されるレベルの動作を可能にするように、第1の閾値が設定されてもよい。たとえば、デバイスが夜間に充電されることを想定して、午前よりも午後の閾値を低くしてもよい。
【0068】
場合によっては、第1の充電閾値を設定するために多くの変数を使用することができる。以下にいくつかの例を提供する。当然ながら、以下に挙げる要因のうちの1つ又は複数の組合せが使用されてもよい。
【0069】
曜日。たとえば、あるユーザは週末よりも平日に頻繁にデバイスを使用する場合があり、他のユーザはその反対を行う場合がある。これは電力要件、ひいては最適な急速充電閾値に影響を与える場合がある。
時刻。日中の充電は、差し迫ったデバイスの使用を想定して急速充電に偏らせてもよい。低速充電が(場合によっては現在の充電状態に関係なく)夜間に使用されてもよい。
ユーザの習慣。これらはユーザによって入力されてもよく、使用を通じて学習されてもよく、又はその2つの組合せであってもよい。
使用されるエアロゾル生成材料の1つ又は複数の特性。たとえば、いくつかのエアロゾル生成材料はより低い電力要件に関連付けられる場合があり、他のいくつかの材料はより高い電力要件に関連付けられる場合がある。たとえば、ユーザが低ニコチン製品から高ニコチン製品に切り替えた場合、電力要件が低下する場合があるので、急速充電閾値を低下させてもよい。
1つ又は複数のバッテリー特性(たとえば、使用年数及び/又は温度)。たとえば、古いバッテリーはよりゆっくりと充電することが好ましい場合がある。
1つ又は複数のユーザ設定(たとえば、急速充電又はバッテリー寿命の最大化に関するユーザの好みの表示)。
【0070】
第1の閾値は、装置の1日の予想される又は通常の動作を可能にするように設定されてもよい。(当然ながら、「予想される」又は「通常の」動作は多くの方法で定義することができるが、デバイスの実際の使用に関するデータ及び/又は特定のユーザによるデバイスの使用に関するデータに基づいてもよい。)期間は異なってもよく、たとえば、半日の通常の使用を可能にするように充電閾値が設定されてもよい。
【0071】
図10は、参照番号100によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。アルゴリズム100は動作102から開始し、ここで、デバイスの使用レベルに関連する使用パターン(又は特定のユーザの使用パターン)が決定される(たとえば、学習される)。次に、動作104において、上記で論じた第1の閾値が、動作102で決定/学習された使用パターンに(少なくとも部分的に)応じて設定される。したがって、アルゴリズム100は、上述のアルゴリズム90の動作92の実装例である。
【0072】
たとえば、ユーザは1日を通した予測可能な使用パターンを有する場合があり、それに応じて急速充電閾値を調整することができる。たとえば、ランチタイムの直後及び夜に使用度が最も高くなる場合がある。さらに、上記で論じたように、使用度は日によって(たとえば、平日及び週末で)異なる場合がある。
【0073】
例示的な一実施形態では、ユーザは平日の予測可能な時間に仕事から帰宅し、夜に数時間デバイスを使用する場合がある。その後、典型的にはデバイスは夜間に充電される場合がある。したがって、ユーザが帰宅したときにデバイスが充電される場合、デバイスがユーザの夜の典型的な使用レベルに対して十分に充電されるように、急速充電が開始されてもよい。その充電レベルが達成されると、低速充電が使用されてもよく、それに応じて急速充電閾値を設定することができる。
【0074】
図11は、参照番号110によって全体を示す、例示的な実施形態によるアルゴリズムを示すフローチャートである。アルゴリズム110は動作112から開始し、ここで、デバイスの充電に関連する充電パターン(又は特定のユーザの充電パターン)が決定される(たとえば、学習される)。充電パターンは、たとえば、充電がいつ、及び/又はどの速度で行われるかに関連してもよい。次に、動作114において、上記で論じた第1の閾値は、動作112で決定/学習された充電パターンに(少なくとも部分的に)応じて設定される。したがって、アルゴリズム110は、上述のアルゴリズム90の動作92の実装例である。
【0075】
たとえば、ユーザはデバイスを毎晩充電する場合があり、その間は(現在の充電状態に関係なく)低速充電を使用することができる。したがって、夜間の充電が開始されると、低速充電が使用されるように、低速充電閾値をゼロ(又はゼロ付近)に設定することができる。他のユーザは、典型的には短時間しかデバイスを充電しない場合があり、そのユーザには、高い急速充電閾値が適切な場合がある。
【0076】
アルゴリズム100及び110は、充電閾値を設定する場合に使用パターン及び充電パターンの両方が考慮されるように、組み合わせることができる。
【0077】
したがって、適応的充電モジュール82は、使用パターン(動作102を参照)及び/又は充電パターン(動作112を参照)を学習するように構成されてもよく、上記で論じた第1の閾値は、学習された使用及び/又は充電パターンに応じて設定されてもよい。
【0078】
例示的な実施形態では、適応的充電モジュール82は、複数の訓練可能なパラメータを有するモデル(たとえば、機械学習モデル)であってもよい。例として、
図12は、参照番号120によって全体を示す、いくつかの例示的な実施形態で使用されるニューラルネットワークを示している。ニューラルネットワーク120は、第1層121、1つ又は複数の隠れ層122、及び出力層123を含む。
【0079】
入力層121は、(たとえば、充電コントローラ14から)1つ又は複数の入力を受け取ってもよい。入力はデバイスの使用又はデバイスの充電に関連してもよい。出力層123は、適応的充電モジュールの1つ又は複数の出力を提供してもよい。
【0080】
上述の実施形態に対する多くの変形が可能である。たとえば、
図13は、参照番号130によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム130は上述の充電コントローラ14を含み、この充電コントローラはいくつかの外部入力を受け取る(第1の外部入力131及び第2の外部入力132は例としてのみ提供しており、より多い、より少ない、又は異なる外部入力を提供することができる)。外部入力は、日時情報又は位置情報などの情報を提供してもよく、たとえばGPS情報を使用して取得されてもよい。例として、充電コントローラ14は、GPSシステム又は内蔵SIMカードと通信してもよく、又はモバイル通信デバイスと(たとえば、ブルートゥース(Bluetooth)接続を介して)通信してもよい。閾値レベルを設定する場合に、1つ又は複数の外部データ入力が使用されてもよい。たとえば、外部データ(たとえば、位置及び/又は時刻)は、デバイスの可能性のある使用を推定するのに役立つ場合があるので、動作100で閾値を設定するために使用されてもよい。或いは又はさらに、外部データは、デバイスの可能性のある充電パターンを推定する際に使用されてもよく(たとえば、夜間の充電パターンは日中の充電パターンとは異なる場合がある)、動作110で閾値を設定するために使用されてもよい。
【0081】
図14は、参照番号140によって全体を示す、例示的な実施形態によるシステムのブロック図である。システム140は上述の充電コントローラ14を含み、充電コントローラ14にユーザ入力を提供するためのアプリケーション(アプリ)142又は他の何らかの手段をさらに含む。アプリケーション142を使用して、ユーザが(たとえば、第1の充電閾値を設定する際に使用するための)ユーザ設定を提供できるようにしてもよい。例として、ユーザは、予想される使用量、予想される充電時間、及びユーザの好み(たとえば、急速充電を優先するか、バッテリー寿命を優先するか)のうちの1つ又は複数を示してもよい。或いは又はさらに、アプリケーション142は、充電コントローラ14から情報(たとえば、現在の充電モード)を受信して、ユーザに表示してもよい。
【0082】
上述のように、充電コントローラ14はエアロゾル生成デバイスの一部を構成してもよい。これは全ての例示的な実施形態にとって必須ではない。たとえば、充電コントローラ14は、充電ケース又は他の何らかの充電モジュールの一部を形成してもよい。エアロゾル生成デバイスは、充電ケースを使用して充電されてもよい。したがって、たとえば、システム130は、別個のエアロゾル生成デバイスを充電するために使用することができる充電ケースを形成してもよい。同様に、アプリケーション142は、エアロゾル生成デバイスの充電コントローラ又は充電ケースの充電コントローラと通信してもよい。
【0083】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求する特徴の理解及び教示を支援するためにのみ提示している。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供しており、網羅的及び/又は排他的なものではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に対する限定とも、特許請求の範囲の均等物に対する限定とも考えられるべきではなく、特許請求する発明の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよく、修正が行われてもよいということを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載したもの以外の、開示した要素、構成要素、特徴、部分、ステップ、手段などの適切な組合せを好適に含んでもよく、それらからなってもよく、又は本質的にそれらからなってもよい。さらに、本開示は、現在特許請求していないが、将来請求する可能性のある他の発明も含むことができる。