(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】フィードバック装置を備えた相互作用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H04B 1/59 20060101AFI20240925BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240925BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240925BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20240925BHJP
【FI】
H04B1/59
G06K19/07 090
G06K19/077 108
G06K19/077 120
G06K19/07 240
H02J50/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023072608
(22)【出願日】2023-04-26
(62)【分割の表示】P 2020537637の分割
【原出願日】2018-11-13
【審査請求日】2023-05-01
(32)【優先日】2018-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】イエ ウェイ チェン
(72)【発明者】
【氏名】コセアート トラビス ジョン
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-532673(JP,A)
【文献】特開2014-006591(JP,A)
【文献】特開2001-187611(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0244010(US,A1)
【文献】特開2005-293499(JP,A)
【文献】特表2017-528823(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0270734(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/59
G06K 19/07
G06K 19/077
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル装置であって、
無線識別(RFID)タグと、
ユーザにフィードバックを提供するように構成された1又は2以上のフィードバック装置と、
前記RFIDタグと
複数の相互作用要素のそれぞれに対応する周波数範囲内の電磁放射線との間の
総ウェアラブル装置相互作用回数が閾値を過ぎたことに応答して、前記ウェアラブル装置とアトラクション内の
複数の相互作用要素
のそれぞれとの間の総ウェアラブル装置相互作用回数を示
すフィードバックを提供するように前記1又は2以上のフィードバック装置を制御するよう構成されたマイクロコントローラと、
を備えることを特徴とするウェアラブル装置。
【請求項2】
前記マイクロコントローラは、前記RFIDタグと前記周波数範囲内の前記電磁放射線との間の特定のRFIDタグ相互作用に応答して、前記特定のRFIDタグ相互作用中に、前記アトラクション内の前記相互作用要素のうちのある相互作用要素との特定のウェアラブル装置相互作用の発生を示すさらな
るフィードバックを提供するように前記1又は2以上のフィードバック装置を制御するよう構成される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項3】
前記周波数範囲内の前記電磁放射線からの電力を利用し、前記利用された電力を前記1又は2以上のフィードバック装置に供給するように構成された電力捕獲回路を備える、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項4】
前記利用された電力を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積装置を備える、
請求項3に記載のウェアラブル装置。
【請求項5】
前記エネルギー蓄積装置は、前記利用された電力を前記1又は2以上のフィードバック装置及び前記マイクロコントローラに提供ように構成される、
請求項4に記載のウェアラブル装置。
【請求項6】
前記1又は2以上のフィードバック装置は、スピーカ、触覚フィードバック装置、又はこれらの両方を含む、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項7】
前記1又は2以上のフィードバック装置は発光体を含む、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項8】
前記1又は2以上のフィードバック装置は、光を放出するように構成された複数の発光体を含み、前記マイクロコントローラは、前記RFIDタグと前記周波数範囲内の前記電磁放射線との間の前記
総ウェアラブル装置相互作用回数が前記閾値を過ぎたことに応答して、前記複数の発光体のうちの第1の数の発光体に前
記フィードバックとして前記光を放出させるように前記複数の発光体を制御し、前記RFIDタグと前記周波数範囲内の前記電磁放射線との間の前記
総ウェアラブル装置相互作用回数がさらなる閾値を過ぎたことに応答して、前記複数の発光体のうちの第2の数の発光体に異な
るフィードバックとして前記光を放出させるように前記複数の発光体を制御するよう構成される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項9】
前記RFIDタグは読み込み/書き込みRFIDタグであり、前記マイクロコントローラは、前記RFIDタグのメモリからの前記
総ウェアラブル装置相互作用回数を示すデータにアクセスするように構成される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項10】
さらなるRFIDタグを備え、前記RFIDタグは、前記周波数範囲内の準高周波(NFC)電磁放射線に応答するように構成され、前記さらなるRFIDタグは、異なる周波数範囲内の極超短波(UHF)電磁放射線に応答するように構成される、
請求項1に記載のウェアラブル装置。
【請求項11】
アトラクションにおいて使用されるフィードバックシステムであって、
前記アトラクション内の複数のリーダと、
前記アトラクション内のユーザによって装着されるように構成されたウェアラブル装置と、
コンピュータシステムと、
を備え、
前記複数のリーダの各リーダは、前記アトラクション内の複数の相互作用要素のそれぞれの相互作用要素に関連し、ある周波数範囲内の電磁放射線を送信するように構成され、
前記ウェアラブル装置は、
識別情報を記憶した、前記複数のリーダの各リーダによって読み取り可能なメモリを含む無線識別(RFID)タグと、
光を放出するように構成された1又は2以上の発光体と、
前記1又は2以上の発光体を前記光を放出するように制御するよう構成されたマイクロコントローラと、
を含み、
前記コンピュータシステムは、
前記RFIDタグの前記識別情報が前記複数のリーダによって読み取られた合計回数に基づいて、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の総ウェアラブル装置相互作用回数を追跡し、
前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数を示すデータを前記RFIDタグの前記メモリに書き込むように前記複数のリーダのうちの少なくとも1つのリーダに指示する、
ように構成され、
前記マイクロコントローラは、前記RFIDタグの前記メモリからの前記データにアクセスして、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数を示すフィードバックとして前記光を放出するように前記1又は2以上の発光体を制御するよう構成される、
ことを特徴とするフィードバックシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数が閾値を超えたことに応答して、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数を示す前記データを前記RFIDタグの前記メモリに書き込むように前記複数のリーダのうちの前記少なくとも1つのリーダに指示するよう構成される、
請求項11に記載のフィードバックシステム。
【請求項13】
前記1又は2以上の発光体は複数の発光体を含み、前記マイクロコントローラは、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数が第1の値を有することを示すフィードバックとして前記複数の発光体のうちの第1の数の発光体に前記光を放出させるように前記複数の発光体を制御し、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数が第2の値を有することを示すフィードバックとして前記複数の発光体のうちの第2の数の発光体に前記光を放出させるように前記複数の発光体を制御するよう構成される、
請求項11に記載のフィードバックシステム。
【請求項14】
前記マイクロコントローラは、前記RFIDタグにおいて前記周波数範囲内の前記電磁放射線が受け取られたことに応答して、前記1又は2以上の発光体
をフィードバックとして前記光を放出するように制御するよう構成される、
請求項11に記載のフィードバックシステム。
【請求項15】
前記コンピュータシステムは、前記ウェアラブル装置と前記アトラクション内の前記複数の相互作用要素との間の前記総ウェアラブル装置相互作用回数を記憶して、データベース内で前記識別情報と関連付けるように構成される、
請求項11に記載のフィードバックシステム。
【請求項16】
前記アトラクション内の複数のさらなるリーダを備え、前記複数のさらなるリーダの各さらなるリーダは、別の周波数範囲内の電磁放射線を送信するように構成され、前記ウェアラブル装置は、前記複数のさらなるリーダの各さらなるリーダによって読み取り可能なさらなるRFIDタグを含む、
請求項11に記載のフィードバックシステム。
【請求項17】
アトラクション内のユーザにフィードバックを提供する方法であって、
前記アトラクション内の
複数の相互作用要素のそれぞれの相互作用要素に関連するリーダから、
前記複数の相互作用要素のそれぞれに対応する周波数範囲内の電磁放射線を送信するステップと、
前記周波数範囲内の前記電磁放射線が受け取られたことに応答して、前記ユーザによって携行されているウェアラブル装置に
含まれる無線識別(RFID)タグから前記リーダに識別情報を送信するステップと、
前記リーダにおいて前記識別情報が受け取られたことに応答して、前記リーダに通信可能に結合された1又は2以上のプロセッサを使用して、前記ウェアラブル装置に関連する総ポイント数を更新するステップと、
前記リーダ又はさらなるリーダを使用して、前記ウェアラブル装置のマイクロコントローラがアクセスできるメモリに、前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数を示すデータを書き込むステップと、
前記マイクロコントローラを使用して、前記データが前記メモリに書き込まれたことに応答して、前記ウェアラブル装置に
含まれる1又は2以上のフィードバック装置を、前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数を示すフィードバックを提供するように制御するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記1又は2以上のフィードバック装置は複数の発光体を含み、前記方法は、前記マイクロコントローラを使用して、前記データが前記メモリに書き込まれたことに応答して、前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数を示すフィードバックを提供するように前記複数の発光体を制御するステップを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1又は2以上のプロセッサを使用して、前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数を閾値と比較するステップと、
前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数が前記閾値を超えていると判定したことに応答して、前記リーダ又はさらなるリーダを使用して、前記ウェアラブル装置の前記マイクロコントローラがアクセスできる前記メモリに、前記ウェアラブル装置に関連する前記総ポイント数を示
すデータを書き込むステップと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記RFIDタグにおいて前記周波数範囲内の前記電磁放射線が受け取られたことに応答して、前記マイクロコントローラを使用して、前記1又は2以上のフィードバック装置をさらなるフィードバックを提供するように制御するステップを含む、
請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2018年1月15日に出願された「フィードバック装置を備えた相互作用システム及び方法(INTERACTIVE SYSTEMS AND METHODS WITH FEEDBACK DEVICES)」という名称の米国仮特許出願第62/617,506号に基づく優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が全ての目的で引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に相互作用システム及び方法に関する。具体的には、本開示の実施形態は、ウェアラブル装置を利用して遊園地の来園客にフィードバックを提供する相互作用システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
遊園地及び/又はテーマパークは、様々な娯楽アトラクションを含むことができる。いくつかの既存のアトラクションは、来園客に没入的体験又は相互作用体験を提供することができる。例えば、来園客は、オーディオ、ビデオ及び特殊効果などの様々な特徴を有するエリアを訪れることができる。最新のアトラクションがますます高度かつ複雑になり、これに対応して遊園地及び/又はテーマパークの来園客間で期待が高まるとともに、より相互作用的な個人化された体験を提供するアトラクションを含む改善された独創性の高いアトラクションが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、当初の特許請求の範囲の主題と同一範囲のいくつかの実施形態を要約する。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定するものではなく、むしろ開示するいくつかの実施形態の概要を示すものにすぎない。実際に、本開示は、以下に示す実施形態と同様の又は異なる様々な形態を含むことができる。
【0005】
1つの実施形態では、ウェアラブル装置が、第1の無線識別(RFID)タグと、第2のRFIDタグと、来園客にフィードバックを提供するように構成された1又は2以上のフィードバック装置と、第1の周波数を有する電磁放射線と第1のRFIDタグとの間の相互作用に応答して、1又は2以上のフィードバック装置を介して第1のタイプのフィードバックを引き起こす第1の制御信号を生成し、第2の周波数を有する電磁放射線と第2のRFIDタグとの間の相互作用に応答して、1又は2以上のフィードバック装置を介して第2のタイプのフィードバックを引き起こす第2の制御信号を生成するように構成されたマイクロコントローラとを含む。
【0006】
1つの実施形態では、システムが、それぞれの識別情報を記憶する第1のメモリを含む第1の無線識別(RFID)タグを有するウェアラブル装置を含む。システムは、第1の周波数を有する電磁放射線を送信するように構成された第1のリーダも含み、この第1の周波数を有する電磁放射線は、第1のリーダが第1のメモリからそれぞれの識別情報を読み込んで第1のRFIDタグの第1のメモリにデータを書き込むことを可能にする。システムは、ウェアラブル装置によって支持された1又は2以上の発光体と、ウェアラブル装置によって支持されたマイクロコントローラとをさらに含む。マイクロコントローラは、送信された電磁放射線が第1のRFIDタグにおいて受け取られたことを示す第1の信号、及び第1のメモリに書き込まれたデータを示す第2の信号の少なくとも一方を受け取るように構成されるとともに、受け取られた第1の信号又は受け取られた第2の信号に基づいて、1又は2以上の発光体のうちの少なくとも1つを点灯させる制御信号を生成するように構成される。
【0007】
1つの実施形態では、方法が、第1の周波数を有する電磁放射線を第1のリーダから送信するステップと、第1の周波数を有する送信された電磁放射線が受け取られたことに応答して、ウェアラブル装置によって支持された第1の無線識別(RFID)タグから第1のリーダに識別情報を送信するステップとを含む。この方法は、ウェアラブル装置によって支持されたマイクロコントローラにおいて、第1の周波数を有する電磁放射線が第1のRFIDタグにおいて受け取られたことを示す第1の信号を第1のRFIDタグから受け取るステップも含む。この方法は、マイクロコントローラにおいて第1の信号が受け取られたことに応答して、マイクロコントローラを使用して第1の制御信号を生成するステップをさらに含み、第1の制御信号は、ウェアラブル装置によって支持された1又は2以上の発光体の複数の利用可能なタイプの照明のうちの1つを引き起こす。
【0008】
全体を通じて同じ部分を同じ符号によって示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば、本開示のこれらの及びその他の特徴、態様及び利点がより良く理解されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の実施形態による相互作用システムの概略図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1の相互作用システムにおいて使用できるリーダとウェアラブル装置との間の通信を示す図である。
【
図3】本開示の実施形態による、
図1の相互作用システムにおいて使用できるリーダと複数のウェアラブル装置との間の通信を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態による、
図1の相互作用システムが提供できるチームフィードバックの図である。
【
図5】本開示の実施形態による、
図1の相互作用システムにおいて使用できるウェアラブル装置の正面図である。
【
図6】本開示の態様による、
図1の相互作用システムの動作方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の1又は2以上の特定の実施形態について説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書では実際の実装の特徴を全て説明していない場合もある。なお、あらゆる工学又は設計プロジェクトにおいて見られるようなあらゆるこのような実際の実装の開発においては、実装によって異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約の順守などの開発者の個別の目的を達成するために、数多くの実装固有の決定を行わなければならないと理解されたい。さらに、このような開発努力は複雑かつ時間の掛かるものとなり得るが、本開示の恩恵を受ける当業者にとっては設計、製作及び製造という日常的な取り組みであると理解されたい。
【0011】
遊園地は、遊園地乗り物、実演ショー及びゲームなどの様々な娯楽を呼び物とする。様々なタイプの娯楽は、遊園地における来園客の体験を強化する特徴を含むことができる。例えば、ゲームは、ディスプレイ画面上に示されたレンダリング画像と来園客との相互作用を検出することができる。しかしながら、いくつかの相互作用システムが提供する体験は、(例えば、相互作用システムによって認識される)相互作用が正常に行われていることを来園客に通知するフィードバックの欠如に起因して最適以下の場合がある。さらに、いくつかの相互作用システムは、相互作用要素とやりとりした来園客のアイデンティティーを特定しないこともあり、従って各来園客のポイント又はその他のゲーム統計値を正確に又は効率的に追跡しないこともある。従って、相互作用システムによって実際に相互作用が検出されていることを示すフィードバックを来園客に提供する、及び/又は各来園客のゲーム統計値を追跡するシステム及び方法を提供することが望ましいと考えられる。
【0012】
従って、本開示は、無線識別(RFID)を利用して、来園客と相互作用システムとの相互作用に基づいて来園客にフィードバックを提供するシステム及び方法に関する。具体的に言えば、本開示は、1又は2以上のRFIDリーダと、アトラクションの相互作用要素との正常な相互作用を協働して示す1又は2以上のRFIDタグ及び1又は2以上のフィードバック装置(例えば、ライト)をそれぞれが有する複数のウェアラブル装置とを含む相互作用システムに関する。本明細書に開示する相互作用システムのコンポーネントは、来園客がアトラクション間を移動する際の来園客の相互作用及び進捗(例えば、ゲーム統計値)の追跡を容易にすることもできる。
【0013】
以下で使用する「ユーザ」という用語は、相互作用システムのユーザを意味することができ、ユーザは遊園地の来園客とすることができる。一例として、ユーザは、アトラクション間を移動する際に、1又は2以上のフィードバック装置を有するウェアラブル装置を着用又は携行することができる。アトラクションは、様々な画像又はオブジェクト(例えば、ディスプレイ画面上に提示されたレンダリング画像、仮想要素又はグラフィック要素、物理的ターゲット、マスコットキャラクタ(costumed characters))のいずれかとすることができる様々な相互作用要素を有することができる。ユーザは、アトラクションを体験するために、例えば物理的ターゲットに触れ、又はマスコットキャラクタに接近することなどによって、相互作用要素と相互作用することができる。
【0014】
アトラクションの周囲及び/又はいくつかの相互作用要素の近傍の様々な場所には、相互作用システムの1又は2以上のRFIDリーダを配置することができる。動作中、1又は2以上のRFIDリーダは、ユーザのウェアラブル装置内の1又は2以上のRFIDタグと通信する。1又は2以上のRFIDリーダと1又は2以上のRFIDタグとの間の通信は、ウェアラブル装置の1又は2以上のフィードバック装置を介したフィードバック応答を引き起こし(例えば、ライトを点灯させ)、これによって、例えばアトラクション内のユーザ及び/又はユーザと相互作用要素との相互作用を相互作用システムが検出したことをユーザに通知するフィードバックを提供することができる。1又は2以上のRFIDリーダと1又は2以上のRFIDタグとの間の通信は、ユーザがアトラクション間を移動する際に相互作用システムがユーザの進捗(例えば、ゲーム統計値)を追跡することを可能にすることもできる。例えば、相互作用システムは、ユーザが接触したターゲットの数及び/又はユーザが出会ったマスコットキャラクタの数を検出して追跡し続けることができる。
【0015】
さらに、1つの実施形態では、相互作用システムが、ウェアラブル装置の1又は2以上のフィードバック装置を介して、ユーザのステータス(例えば、ゲーム内レベル)を示すフィードバックを提供することができる。例えば、ゲーム内で一定のポイント数又は上位レベルに達すると、1又は2以上のRFIDリーダが、ウェアラブル装置内の1又は2以上のRFIDタグに、1又は2以上のフィードバック装置を介したフィードバック応答を引き起こす(例えば、複数のライトを点灯させる)データを書き込むことができる。従って、相互作用システムは、ユーザがアトラクションの相互作用要素と相互作用し、及び/又はユーザが一定のレベル(例えば、マイルストーン又は実績)に達すると、実質的に即時のフィードバックを提供することができる。さらに、相互作用システムは、ユーザが携帯電話機又はキオスクなどの外部装置を参照する必要なくこのようなフィードバックを受け取ることを可能にし、これによって没入感の高い楽しい体験を提供することができる。
【0016】
ここで図面を参照すると、
図1は、リーダシステム12(例えば、無線識別[RFID]リーダシステム)及びウェアラブル装置14を含む相互作用システム10の概略図である。1つの実施形態では、ウェアラブル装置14が、ユーザがアトラクション間を移動する際に着用又は携行できる、ブレスレット、ネックレス、装飾品、ピン又は玩具などのウェアラブル装置又はポータブル装置である。以下でさらに詳細に説明するように、リーダシステム12は、電磁放射線を介してウェアラブル装置14と通信することができ、この通信は、アトラクション間を移動するユーザの進捗(例えば、乗り終えた乗り物の数、訪れたエリア、接触した相互作用要素、出会ったマスコットキャラクタ、獲得した仮想実績)の追跡を可能にする。この通信は、ウェアラブル装置14が、自機が出力するフィードバック応答(例えば、光、音又は触覚)を介して進捗及び/又は様々な相互作用を示すフィードバックをユーザに提供することも可能にする。
【0017】
図1に示すように、リーダシステム12の1つの実施形態は、1又は2以上のデータベース22(例えば、クラウドベースのストレージシステム)に記憶された情報にアクセスする(メモリ54及びプロセッサ56を有する)コンピュータシステム20に通信可能に結合された第1のリーダ16及び第2のリーダ18を含む。一般に、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、ウェアラブル装置14に電磁放射線(例えば、信号)を送信する。1つの実施形態では、第1のリーダ16が1つの周波数(例えば、範囲)の信号24を送信し、第2のリーダ18が、第1の周波数とは異なる別の周波数(例えば、範囲)の信号26を送信する。第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、信号24、26を送信することに加え、ウェアラブル装置14から戻された信号及びコンピュータシステム20からの信号などの信号を受け取ることもできる。1つの実施形態では、コンピュータシステム20が、1又は2以上のデータベース22内で符号化されたデータに記憶された情報に基づいてウェアラブル装置14に信号24、26を送信するようにリーダ(例えば、第1のリーダ16及び第2のリーダ18)に指示する。従って、第1のリーダ16及び第2のリーダ18は、信号の送受信両方を行うことができるトランシーバとすることができると理解されたい。
【0018】
図1に示すように、ウェアラブル装置14の1つの実施形態は、相互作用システム10のウェアラブル装置14が開示通りに機能できるように協働する、第1のRFIDタグ28と、第2のRFIDタグ30と、マイクロコントローラ32と、1又は2以上の発光ダイオード(LED)34a、34b、34c、34dと、電力回路36とを含む。図示のように、ウェアラブル装置14は4つのLED34を有しているが、これより少ない又は多くのLED34を有することもできると理解されたい。第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30の各々は、信号を送受信するアンテナ38と、情報(例えば、一意の識別コード)を記憶するメモリ40と、マイクロチップ42と、マイクロチップ42に給電を行う集積回路44とを含む。また、集積回路44は、マイクロコントローラ32に電力を供給する電力回路36にも給電を行う。1つの実施形態では、電力回路36が、電力を蓄積するように構成されたエネルギー蓄積装置(例えば、コンデンサ、スーパーコンデンサ又はバッテリ)を含むことができる。図示のように、ウェアラブル装置14のマイクロコントローラ32は、メモリ46及びプロセッサ48を含む。メモリ46は、プロセッサ48がマイクロコントローラ32の動作を制御するために実行するコンピュータ可読命令を記憶する。
【0019】
一般に、第1のRFIDタグ28のアンテナ38は、リーダシステム12の第1のリーダ16から信号24を受け取るように設計され、第2のRFIDタグ30のアンテナ28は、第2のリーダ18から信号26を受け取るように設計される。マイクロコントローラ32は、タグ28、30とリーダ16、18との間の相互作用を識別して、LED34のうちの1つ又は2つ以上に、ユーザにフィードバックを提供するための信号(例えば、制御信号)を送信する。1つの実施形態では、相互作用システム10のウェアラブル装置14が、音を発するように構成されたオーディオ装置、又は触覚出力(例えば、振動)を提供するように構成されたハプティクスなどの、さらなる又は別のフィードバック装置を含むことができる。これに加えて、又はこれとは別に、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30は、一意の識別コードを示す後方散乱を放出し、この後方散乱は、ユーザがアトラクション間を移動する際にユーザの進捗(例えば、ゲーム統計値)を追跡するためにコンピュータシステムによって利用される。
【0020】
具体的に言えば、リーダシステム12の第1のリーダ16は、連続的に信号24を送信する。第1のRFIDタグ28のアンテナ38は、第1のリーダ16からの電磁放射線(例えば、信号24)を受け取って第1のリーダ16に信号50を送信するように構成される。集積回路44は、アンテナ38が受け取った電磁放射線を電気に変換してマイクロチップ42に給電し、マイクロチップ42が後方散乱(例えば、信号50)を生成する。この後方散乱は、第1のRFIDタグ28のメモリ40に記憶された情報(例えば、一意の識別コード)を含む。第1のリーダ16は、この後方散乱(例えば、信号50)を受け取って、コンピュータシステム20に信号を送信することができる。コンピュータシステム20は、この信号を処理して、ウェアラブル装置14に関連するユーザのアイデンティティーを特定し(例えば、ユーザは、アトラクションを体験する前にウェアラブル装置14を登録してウェアラブル装置14をユーザに関連付けることができる)、及び/又は1又は2以上のデータベース22内のウェアラブル装置14の情報(例えば、ゲーム統計値)を更新することができる。このようにして、相互作用システム10は、ユーザがアトラクション間を移動する際にユーザの進捗(例えば、ゲーム統計値)を追跡することができる。
【0021】
さらに、マイクロコントローラ32に電力が供給されると、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、第1のリーダ16からの信号24が第1のRFIDタグ28において受け取られたことを示す信号を第1のRFIDタグ28から受け取って処理することもできる。その後、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、マイクロコントローラ32のメモリ46に記憶された、LED34a、34b、34c、34dのうちの1つ又は2つ以上を点灯させてユーザにフィードバックを提供する命令を実行することができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32を、第1のリーダ16からの信号24が第1のRFIDタグ28において受け取られたことを示す信号に応答して特定のタイプの照明(例えば、ライトの数、色、点滅パターン、時間)を提供するようにプログラムすることができる。例えば、第1のRFIDタグ28が第1のRFIDリーダ16からの信号24を受け取ると、マイクロコントローラ32は、第1のLED34aを点灯させることができる。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって送信される信号24が(例えば、約300メガヘルツ~3ギガヘルツの周波数を有する)極超短波(UHF)信号である。従って、第1のRFIDタグ28は、第1のリーダ16から比較的遠い距離(例えば、最大約3、4、5、6、7、8メートル又はそれ以上)に位置する時に第1のリーダ16から信号24を受け取ることができる。
【0022】
また、第2のリーダ18も、連続的に信号26を送信することができる。第2のRFIDタグ30のアンテナ38は、第2のリーダ18からの電磁放射線(例えば、信号26)を受け取るように構成される。集積回路44は、アンテナ38が受け取った放射線を電気に変換してマイクロチップ42に給電し、マイクロチップ42が後方散乱(例えば、信号52)を生成する。この後方散乱は、第2のRFIDタグ30のメモリ40に記憶された情報(例えば、一意の識別コード)を含む。いくつかの実施形態では、第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30のそれぞれのメモリ40に記憶された情報をリンクさせ(例えば、第2のRFIDタグ30において信号26が受け取られたことに応答して生成される後方散乱が、第1のRFIDタグ28のメモリ40に記憶された情報を含むことができる)、或いは第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30が1つのメモリ40を共有する(例えば、これらのタグを、異なる周波数信号を受け取ることができる二重RFIDタグとする)ことができると理解されたい。第2のリーダ18は、この後方散乱(例えば、信号52)を受け取って、コンピュータシステム20に信号を送信することができる。コンピュータシステム20は、この信号を処理して、ウェアラブル装置14に関連するユーザのアイデンティティーを特定し、及び/又は1又は2以上のデータベース22内のウェアラブル装置14のための情報(例えば、ゲーム統計値)を更新することができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定のエリア(例えば、部屋)に関連し、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の相互作用要素(例えば、ターゲット)に関連することができるので、コンピュータシステム20は、ユーザの大まかな位置、及びユーザと相互作用要素との相互作用の両方を追跡することができる。このようにして、相互作用システム10は、ユーザがアトラクション間を移動する際にユーザの進捗(例えば、ゲーム統計値)を追跡することができる。
【0023】
さらに、マイクロコントローラ32に電力が供給されると、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、第2のリーダ18からの信号26が第2のRFIDタグ30において受け取られたことを示す信号を第2のRFIDタグ30から受け取って処理することもできる。その後、マイクロコントローラ32のプロセッサ48は、マイクロコントローラ32のメモリ46に記憶された、LED34a、34b、34c、34dのうちの1つ又は2つ以上を点灯させてユーザにフィードバックを提供する命令を実行することができる。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32を、第2のリーダ18からの信号26が第2のRFIDタグ30において受け取られたことを示す信号に応答して特定のタイプの照明(例えば、ライトの数、色、点滅パターン、時間)を提供するようにプログラムすることができる。例えば、第2のRFIDタグ30が第2のRFIDリーダ18から信号26を受け取ると、マイクロコントローラ32は、第1のLED34bを点灯させることができる。1つの実施形態では、第2のリーダ16によって送信される信号26が(例えば、約10~20メガヘルツの周波数を有する)近距離無線通信(NFC)信号である。従って、第2のRFIDタグ30は、第1のリーダ16から比較的近い距離(例えば、約1、2、3、4又は5センチメートル)に位置する時に第2のリーダ18から信号26を受け取ることができる。第1のRFIDリーダ16は、アトラクションの特定のエリア(例えば、部屋)に関連し、第2のRFIDリーダ18は、アトラクションの特定の相互作用要素(例えば、ターゲット)に関連することができるので、ウェアラブル装置14上の照明(或いはオーディオ又は触覚などの他のフィードバック)は、ユーザに複数のタイプのフィードバックを提供することができる。例えば、第1のRFIDリーダ16からの信号24が受け取られたことに応答する第1のLED34aの照明は、相互作用システム10がアトラクションの特定のエリア内でユーザを検出したことをユーザに通知できるのに対し、第2のRFIDリーダ18からの信号26が受け取られたことに応答する第2のLED34bの照明は、相互作用システム10がユーザと特定の相互作用要素との相互作用を検出したことをユーザに通知することができる。
【0024】
一般に、第2のリーダ18は第1のリーダ16と同様に動作するが、第1のリーダ16は第1のRFIDタグ28と通信し(そして第2のRFIDタグ30とは通信せず)、第2のリーダ18は第2のRFIDタグ30と通信する(そして第1のRFIDタグ28とは通信しない)。ウェアラブル装置14は、それぞれが異なる距離を伝播する信号24、26を送信するそれぞれのリーダ16、18と通信するように構成された少なくとも2つのRFIDタグ28、30を含む。比較的長い距離にわたる通信を行う第1のRFIDタグ28及び第1のリーダ16は、ウェアラブル装置14の大まかな位置の追跡と、ウェアラブル装置14の充電とを可能にするのに対し、比較的短い距離にわたる通信を行う第2のRFIDタグ30及び第2のリーダ18は、ユーザとアトラクション内の相互作用要素との接触(又は近接性)に基づく相互作用のモニタリングを可能にする。
【0025】
1つの実施形態では、相互作用システム10が、アトラクション内の異なる位置に複数の第1のリーダ16を含むことができる。ユーザがアトラクション間を移動すると、現在どの第1のリーダ16がウェアラブル装置14と通信中であるかに基づいて、ユーザの位置がデータベース22内で更新される。1つの実施形態では、第1のリーダ16の各々とのそれぞれの相互作用に基づいてユーザにフィードバックを提供することができる。例えば、1つの第1のリーダ16をアトラクションの入口に配置し、別の第1のリーダ16をアトラクションの室内又はエリア内に配置することができる。この場合、ウェアラブル装置14は、ユーザがアトラクションに入った時にフィードバック(例えば、第1のLED34aの点灯)を提供することにより、相互作用システム10によって検出されたことをユーザに通知する。その後、ユーザが室内又はエリア内に入ると、ウェアラブル装置14は、別のフィードバック(例えば、同じフィードバック、又は第2のLED34bの点灯などの異なるフィードバック)を提供することにより、相互作用システム10によって新たなエリア内に存在するものとして検出されたことをユーザに通知する。
【0026】
1つの実施形態では、1又は2以上の第1のリーダ16及び1又は2以上の第2のリーダ18が、ユーザの没入的体験を高めるように協働することができる。例えば、ユーザは、1又は2以上の第1のリーダ16を含むエリアに入ることができる。このエリアは、それぞれが1又は2以上の第2のリーダ18に関連又は近接する1又は2以上のターゲットを含むことができる。上述したように、ウェアラブル装置14は、エリア内の1つの第1のリーダ16の範囲(例えば、比較的長い範囲)内に入ると、この1つの第1のリーダ16と通信し、データベース22が更新され、エリア内で検出された旨のフィードバックをユーザに提供することができる。また、ウェアラブル装置14は、(例えば、ユーザが1つの第2のリーダ18に関連するターゲットに到達し、接触し、又はその傍を歩くことによって)1つの第2のリーダ18の範囲(例えば、比較的短い範囲)内に入ると、この1つの第2のリーダ16と通信し、データベース22が更新され、ターゲットと正常に相互作用した(例えば、ポイントが割り当てられた)旨のフィードバックをユーザに提供することができる。
【0027】
上述したように、マイクロコントローラ32は、ウェアラブル装置14のRFIDタグ28、30とリーダ16、18との間の相互作用に基づいてユーザに何らかのフィードバックを提供するようにプログラムすることができる。これに加えて、又はこれとは別に、ウェアラブル装置14のメモリ40を更新する(例えば、リーダ16、18のうちの1つ又は2つ以上が1又は2以上のRFIDタグ28、30のメモリ40に書き込みを行う)ことによって、ウェアラブル装置14がユーザの進捗(例えば、ゲーム内レベル)又は待ち時間などを示すフィードバックなどの他のフィードバックを提供できるようにすることもできる。例えば、コンピュータシステム20は、ユーザと第2のリーダ18との最初の相互作用を検出すると、(例えば、マイクロコントローラ32が受け取って処理する場合)マイクロコントローラ32に第1のLED34aを点灯させるようにするデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に指示することができる。一方で、コンピュータシステム20は、(例えば、ターゲットに関連する第2のRFIDタグ30と第2のリーダ18との間の通信に基づいて)ユーザがターゲットとの正常な相互作用を所定の回数だけ完了したと判定すると、マイクロコントローラ32に複数のLED(例えば、LED34a~d又はこれらのいずれかの組み合わせ)を点灯させるデータ、及び/又はスピーカ又はハプティクスを介してフィードバック応答を引き起こさせるデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に指示することができる。従って、フィードバックは、データベース22に記憶された情報に基づいて提供される。例えば、データベース22は、アトラクション全体を通じたユーザと1又は2以上の第1のリーダ16及び第2のリーダ18との相互作用に基づくユーザの進捗に関する情報を含むことができ、一定の条件が満たされた(例えば、レベル又はポイントが達成された)時点でフィードバックを提供することができる。このようにして、ウェアラブル装置14は、ユーザの全体的な進捗又は実績を示すフィードバックを提供することができる。
【0028】
1つの実施形態では、ユーザが、1又は2以上の第1のリーダ16を有する特定のエリア(例えば、ステータス更新エリア)に入ることによってフィードバックを促し、又は要求することができる。これらの第1のリーダ16のうちの1つとウェアラブル装置14の第1のRFIDタグ28との間で通信が行われると、コンピュータシステム20は、ユーザの進捗を示すフィードバックを提供するためのデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に指示できるようになる。1つの実施形態では、第1のRFIDタグ28が1つの第1のリーダ16及び/又は1つの第2のリーダ18と通信する度に、ユーザがこのようなユーザの進捗を示すフィードバックを受け取ることができる。従って、ユーザがアトラクション間を移動するにつれて、ユーザを進捗に関して繰り返し更新することができる。
【0029】
1つの実施形態では、LED34a~dを使用してアトラクションの待ち時間の目安を示すことができる。例えば、コンピュータシステム20は、(例えば、アトラクションの入口に近接する第1のリーダ16と第1のRFIDタグ28との間の通信に基づいて)ユーザがアトラクションに接近中であることを検出すると、(例えば、マイクロコントローラ32が受け取って処理する場合)待ち時間、又は特定の待ち時間閾値が満たされたかどうかを伝える形でマイクロコントローラ32にLED34a~dを点灯させるためのデータを第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40に書き込むように第1のリーダ16に指示することができる。例えば、少なくとも1つのLED34を多色とし(例えば、赤色光、黄色光及び緑色光を発光するように構成し)、各色がおおよその待ち時間を示す(例えば、第1の色が15分を超える待ち時間を示し、第2の色が5分未満の待ち時間を示し、第3の色が待ち時間なしを示す)ようにすることができる。アトラクション又は遊園地全体を通じて複数の第1のリーダ16を配置することができるので、ユーザは、たとえアトラクションの入口に近接する第1のリーダ16の範囲から退出した後であっても(例えば、他の第1のリーダ16が第1のRFIDタグ28のそれぞれのメモリ40にデータを書き込むことができるので)待ち時間に関するフィードバックを受け取り続けることができる。1つの実施形態では、各LED34が、点灯したLED34の数が待ち時間の目安となる(例えば、4つのLEDは60分以上の待ち時間を示し、3つのLEDは45分以上の待ち時間を示し、2つのLEDは30分以上の待ち時間を示し、1つのLEDは15分以上の待ち時間を示す)ようにおおよその待ち時間(例えば、5分、10分、15分)を表すことができる。1つの実施形態では、LED34がカウントダウンタイマを表すことができる。例えば、ユーザがアトラクションに接近中であることを検出すると、最初に全てのLED34a~dが点灯し、その後にカウントダウンタイマが減少するにつれて順々に消灯する。
【0030】
上述したように、1つの実施形態では、第1のRFIDタグ28のアンテナ38がUHF波のみを受け取ることができ、第2のRFIDタグ30のアンテナ38がNFC波のみを受け取ることができる。例えば、第1のRFIDタグ28は、UHF波のみを使用して通信(例えば、受信又は送信)することができ、第2のRFIDタグ30は、NFC波のみを使用して通信することができる。UHF信号は、より長い距離を伝播するので、第1のRFIDタグ28は、ユーザがアトラクション間を移動する際に第1のリーダ16によって放出されたUHF信号を頻繁に又は連続的に受け取ることができるが、第2のRFIDタグ30は、ユーザが第2のリーダ18の近傍にウェアラブル装置14を配置した時にのみ、第2のリーダ18によって放出されたNFC信号を受け取ることができる。従って、1つの実施形態では、UHF信号を(例えば、集積回路44及び電力回路36による電力捕獲(power harvesting)を介した)ウェアラブル装置14の給電又は充電に使用することができる。しかしながら、NFC信号をウェアラブル装置14の給電又は充電に使用することもできる。
【0031】
なお、相互作用システム10は、複数のユーザを追跡して複数のウェアラブル装置14にフィードバックを提供することができると理解されたい。例えば、複数のユーザの各々は、アトラクション内の異なる位置に配置された複数の第1のリーダ16及び第2のリーダ18と通信するように構成されたそれぞれのウェアラブル装置14を着用することができる。また、1つの実施形態では、相互作用システム10のウェアラブル装置14が、本明細書に開示する技術を容易にするために第1の周波数(例えば、ある周波数範囲)の信号及び第2の周波数(例えば、別の周波数範囲)の信号と通信できる単一のRFIDタグ(例えば、二重周波数RFIDタグ)を含むことができると理解されたい。
【0032】
図2は、相互作用システム10の1つの実施形態の図である。図示のように、相互作用システム10は、2つの第1のリーダ16a及び16bと、ターゲット58内に又はターゲット58に近接して配置された第2のリーダ18と、ユーザ60が着用したウェアラブル装置14とを含む。第1のリーダ16a及び16b及び第2のリーダ18は、コンピュータシステム20及びデータベース22に通信可能に結合される。第1のリーダ16aは、第1のエリア62a(例えば、アトラクションのゾーン又は部屋)内でウェアラブル装置14の第1のRFIDタグ28が受信できる信号24aを連続的に放出し、同様に第1のリーダ16bは、ユーザ60が第2のエリア62bに入った時にウェアラブル装置14の第1のRFIDタグ28が受信できる信号24bを連続的に放出する。従って、ウェアラブル装置14は、ユーザ60の位置に応じて、第1のエリア62a内の第1のリーダ16a又は第2のエリア62b内の第1のリーダ16bの一方又は両方と通信する(例えば、信号/電磁放射線、後方散乱情報を受け取る)ことができる。コンピュータシステム20は、どちらの第1のリーダ(例えば、16a又は16b)がウェアラブル装置14と通信するかに基づいてユーザ60の位置を特定し、データベース22をユーザ60の位置を示すデータで更新する。また、ユーザ60のウェアラブル装置14が第1のリーダ16a又は第1のリーダ16bと通信すると、電力が捕獲されて(harvested)マイクロコントローラ32に供給される。従って、マイクロコントローラ32は、第1のRFIDタグ28から受け取られた信号の処理、及び/又は第1のRFIDタグ28のメモリ40に書き込まれたデータの読み取りを開始する。例えば、マイクロコントローラ32は、第1のRFIDタグ28が第1のリーダ16の一方と通信したことを示す信号を第1のRFIDタグ28から受け取って、対応するフィードバック応答を提供する(例えば、1又は2以上のLEDを点灯させる)ことができる。上述したように、第1のRFIDタグ28は、第1のRFIDタグ28のメモリ40にデータに書き込む第1のリーダ16から、マイクロコントローラ32に特定のフィードバック応答を提供させる信号を受け取ることができる。
【0033】
図2に示すように、第2のリーダ18は、ターゲット58内に又はターゲット58に近接して配置される。ターゲット58は、アトラクション内のいずれかの様々なオブジェクト又は特徴とすることができる。1つの実施形態では、ターゲット58が静止物体であるが、ターゲット58は、仮想オブジェクト(例えば、ディスプレイ画面上の画像、仮想要素、グラフィック要素)、又はアトラクションの周囲を移動するマスコットキャラクタなどの可動物体とすることもできる。第2のリーダ18は、エリア64内で受信可能な信号26を放出する。動作時には、ユーザ60がウェアラブル装置14をエリア64内に持ち込むと、ウェアラブル装置14が第2のリーダ18と通信する。この結果、ウェアラブル装置14の第2のRFIDタグ30が、ユーザを識別する情報を含む後方散乱を放出する。第2のリーダ18は、この情報をコンピュータシステム20に送信して、ユーザ60が第2のリーダ18によって検出され、従ってターゲット58と相互作用したことを示す。さらに、マイクロコントローラ32は、第2のRFIDタグ30が第2のリーダ18と通信したことを示す信号を第2のRFIDタグ30から受け取って、対応するフィードバック応答を提供する(例えば、1又は2以上のLEDを点灯させる)ことができる。
【0034】
なお、マイクロコントローラ32は、第1のRFIDタグ28が第1のリーダ16のうちの1つと通信したことを示す第1のRFIDタグ28からの信号が受け取られたことに応答して、第1のフィードバック応答を引き起こす第1の制御信号を生成し、第2のRFIDタグ30が第2のリーダ18と通信したことを示す第2のRFIDタグ30からの信号が受け取られたことに応答して、第2のフィードバック応答を引き起こす第2の制御信号を生成し、第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30の両方がそれぞれのリーダ(すなわち、第1のリーダ16及び第2のリーダ18)と通信したことを示す信号が受け取られたことに応答して、第3のフィードバック応答を引き起こす第3の制御信号を生成するように構成することができると理解されたい。第1、第2及び第3のフィードバック応答は、照明のタイプ(例えば、ライトの数、色、点滅パターン、時間の長さ)、音のタイプ(例えば、音量、トーン、ビープ音パターン、時間の長さ)、又は触覚のタイプ(例えば、強度、時間の長さ)などの異なるタイプのフィードバック応答とすることができる。
【0035】
ユーザ60は、ある時間帯にエリア62a又は62bのいずれにも存在せず、従って第1のリーダ16a及び16bから信号24a及び24bを受け取らない可能性がある。1つの実施形態では、ウェアラブル装置14が、たとえエリア62a及び62bの外部に存在している間でも電力回路36に蓄積された電力を利用して(例えば、5秒、15秒、30秒、60秒又はそれ以上にわたって)電力を供給し続けることができる。従って、ウェアラブル装置14は、たとえユーザがエリア62a及び62bの外部に存在している間でもフィードバックを提供する(例えば、LEDを点灯して進捗又は待ち時間などを示す)ことにより、ユーザがフィードバック応答に気付く時間を増やすことができる。1つの実施形態では、第1のリーダ16aから放出される信号24aによって定められるエリア62aからユーザ60が離れた場合、フィードバック応答(例えば、LEDの点灯)を停止することができる。
【0036】
図3は、第1のユーザ60aと、第2のユーザ60bと、ターゲット58内に又はターゲット58に近接して配置された第2のリーダ18と、第1のリーダ16とを含む相互作用システム10の1つの実施形態の図である。第2のリーダ18及び第1のリーダ16は、コンピュータシステム20及びデータベース22に通信可能に結合される。また、第2のリーダ18は、エリア64全体にわたって信号26を放出している。第1のユーザ60aは、1又は2以上のLED34を含む第1のウェアラブル装置14aを着用しており、第2のユーザ60bは、1又は2以上のLED34を含む第2のウェアラブル装置14bを着用している。1つの実施形態では、第2のリーダ18が比較的短い通信範囲を有し、従って第2のリーダ18を含むターゲット58にユーザが物理的に接触した時、又はウェアラブル装置14が別様にエリア64内に持ち込まれた時にウェアラブル装置14と通信する。さらに、第1のリーダ16は比較的長い通信範囲を有し、従って電磁放射線を通じてウェアラブル装置14a及び14bと絶えず通信している。
【0037】
動作中、第2のリーダ18を含むターゲット58に第1のユーザ60aが接触する(例えば、触れる又は達する)と、ウェアラブル装置14は、1又は2以上のLED34の点灯を通じてフィードバック66を提供する。具体的には、第1のユーザ60aが第2のリーダ18に接触すると、第1のウェアラブル装置14a(具体的には、第1のウェアラブル装置14aの第2のRFIDタグ30)が第2のリーダ18の範囲内に持ち込まれる。第2のユーザ60bは、第2のリーダ18の範囲外の距離68に存在するので、第2のウェアラブル装置14bの1又は2以上のLED34からのフィードバックを受け取らない。ある実施形態では、第1のユーザ60a及び第2のユーザ60bがいずれも(例えば、同時にターゲット58に接触することによって)第2のリーダ18の範囲内に存在する場合もある。このような場合、第1のウェアラブル装置14及び第2のウェアラブル装置14bのLED34は、いずれも好適なフィードバックを引き起こす。
【0038】
図4は、チームフィードバック(例えば、チームに指定された又は割り当てられた複数のユーザへのフィードバック)を示す相互作用システム10の実施形態を示す。
図4に示すように、第1のユーザ60a、第2のユーザ60b、第3のユーザ60c、第2のリーダ18及び第1のリーダ16が存在する。第2のリーダ18及び第1のリーダ16は、コンピュータシステム20及びデータベース22に電子的に結合される。第1のユーザ60a、第2のユーザ60b及び第3のユーザ60cは、それぞれが1又は2以上のLED34を有する第1のウェアラブル装置14a、第2のウェアラブル装置14b及び第3のウェアラブル装置14cをそれぞれ有する。第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cはチームの一部であり、従って第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cを第2のユーザ60bと区別するチームインジケータ70を身に付けることができる。1つの実施形態では、このチームインジケータを、ウェアラブル装置14の物理的特徴(例えば、色、形状、パターン)とすることができる。1つの実施形態では、コンピュータシステム20が、データベース22に記憶された情報(例えば、名字、年齢、同時にアトラクションに入ったグループ、ゲームレベルなどの特性によってつながっている家族又はその他のユーザ、ウェアラブル装置14の特徴、ユーザが入力したチーム選択又は割り当ての要求)に基づいてチームを形成又は決定することができる。従って、第1のユーザ60a及び第3のユーザ60cは第1のチーム(例えば、チームA)に属し、第2のユーザは第2のチーム(例えば、チームB)に属する。
【0039】
図4に示すように、第1のユーザ60aが着用している第1のウェアラブル装置14aはエリア64内に存在して、第2のリーダ18によって放出される信号26と相互作用する。上述したように、第2のリーダ18は、第1のウェアラブル装置14aの第2のRFIDタグ30のメモリ40からの情報を後方散乱によって受け取る。この情報はコンピュータシステム20に送信され、コンピュータシステム20はこの情報に基づいて第1のユーザ60aを識別する。また、コンピュータシステム20は、データベース22に記憶された情報に基づいて、第1のユーザ60aがチームAに属していると判断する。この結果、コンピュータシステム20は、第1及び第3のユーザ60a、60cのウェアラブル装置14a、14cに電磁放射線を送信してそれぞれの第1のRFIDタグ28のメモリ40にデータを書き込むように第1のリーダ16に指示する信号(例えば、制御信号)を送信する。ウェアラブル装置14a、14cの各々のそれぞれのマイクロコントローラ32は、それぞれの第1のRFIDタグ28のメモリ40に書き込まれたデータを読み取る。更新されたメモリ40は、マイクロコントローラ32によって読み取られた時にマイクロコントローラ32に特定のフィードバック応答を開始させるデータを含む。
【0040】
図示のように、フィードバック応答は、第1のウェアラブル装置14a及び第3のウェアラブル装置14cのLED34の点灯を介して提供される。従って、1人のユーザ(例えば、第1のユーザ60a)がターゲット58と1回相互作用すると、この相互作用に起因してチームに属する全てのユーザがフィードバックを受け取ることができる。1つの実施形態では、全ての第1のリーダ16がコンピュータシステム20に通信可能に結合することができるので、同じチームのユーザは、(例えば、同じ第1のリーダ16からの信号を受け取らない)異なるエリア内に存在する場合でもフィードバックを受け取ることができる。1つの実施形態では、同じリーダ16からの信号24を受け取るユーザのみにフィードバックが提供される。1つの実施形態では、同じチームの全てのユーザが、どの第1のリーダ16から信号24を受け取っているかにかかわらずフィードバックを受け取る。
【0041】
図5は、本技術の実施形態によるウェアラブル装置14の図である。ウェアラブル装置14は、ハウジング73に結合された首ひも(lanyard)71(例えば、ロープ又は紐)を有するように示しているが、ウェアラブル装置14はあらゆる好適な形態を有することができると理解されたい。例えば、ウェアラブル装置14は、(例えば、ハウジング73をユーザの手首に固定するための)ストラップを含むことができ、或いはユーザが携行する装飾品又は玩具とすることもできる。図示のように、ウェアラブル装置14は、第1のLEDディスプレイ72、第2のLEDディスプレイ74、オーディオ装置76(例えば、スピーカ)、及びハプティクス78(例えば、振動装置)を含む。LED34、ハプティクス78、オーディオ装置76又はその他のフィードバック装置のいずれかの組み合わせを作動させてユーザにフィードバックを提供することもできる。ウェアラブル装置14は、これらのフィードバック装置の1つのみを含むことも、或いはこれらのフィードバック装置のいずれかの組み合わせを含むこともできると理解されたい。
【0042】
図示のように、ウェアラブル装置14は、複数のLEDディスプレイ(例えば、第1のLEDディスプレイ72及び第2のLEDディスプレイ74)を含むことができ、各LEDディスプレイは、様々なタイプのフィードバックを提供することができる。例えば、第1のLEDディスプレイ72が、1又は2以上の第1のリーダ16及び/又は1又は2以上の第2のリーダ18との相互作用を示すフィードバックを提供する一方で、第2のLEDディスプレイ72は、アトラクションの待ち時間を示すフィードバックを提供することができる。
図5に示すように、第1のLEDディスプレイ72及び第2のLEDディスプレイ74は、それぞれ3つのLED(それぞれ34a~c及び34d~f)を含む。1つの実施形態では、ウェアラブル装置14が、あらゆる数のLEDを含むあらゆる数のLEDディスプレイ(例えば、1又は複数のLEDを含む1つ、2つ又は3つ以上のLEDディスプレイ)を含むことができる。1つの実施形態では、本明細書に開示する様々なタイプのフィードバックの一部又は全部を単一のLEDディスプレイ(例えば、LEDディスプレイ72)が提供することもできる。
【0043】
図6は、本技術による、ウェアラブル装置14の動作プロセス80の1つの実施形態を示すフロー図である。なお、本明細書で説明するステップは例示的なものにすぎず、いくつかのステップを省略又は追加することも、ステップを異なる順序で実行することもできると理解されたい。1つの実施形態では、ウェアラブル装置14のマイクロコントローラ32と協働する第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30がプロセス80を実行することができる。
【0044】
プロセス80は、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30のアンテナ38がそれぞれの第1のリーダ16又は第2のリーダ18から電磁放射線を受け取る(ブロック82)ことによって開始する。上述したように、アンテナ38は、電磁放射線を受け取った後に、RFIDタグ28、30のメモリ40内に記憶された情報を含む後方散乱をそれぞれのリーダ16、18に戻す。1つの実施形態では、この情報が、ウェアラブル装置14に固有の、従ってユーザ(例えば、ウェアラブル装置14を使用するユーザ)を識別する識別番号を含むことができる。1つの実施形態では、第1のリーダ16によって放出された電磁放射線が比較的長い距離を伝播し、第2のリーダ18によって放出された電磁放射線が比較的短い距離を伝播する。第1のRFIDタグ28は、第1のリーダ16と通信することができ、第2のRFIDタグ30は、第2のリーダ18と通信することができる。
【0045】
ウェアラブル装置14は、電磁放射線を受け取ると、電磁放射線から電力を捕獲する(ブロック84)。上述したように、第1のRFIDタグ28及び第2のRFIDタグ30は、それぞれマイクロチップ42に給電を行う集積回路44を含むことができる。また、集積回路44は、電力回路36に給電を行い、電力回路36は、ウェアラブル装置(例えば、フィードバック装置)のマイクロコントローラ32(ブロック86)及びその他のコンポーネントに電力を供給する。1つの実施形態では、電力回路36が、受信コイルに電気的に結合されてウェアラブル装置14が第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18から信号を受け取った時に電力を蓄積するエネルギー蓄積装置(例えば、コンデンサ、スーパーコンデンサ又はバッテリ)を含むことができる。
【0046】
マイクロコントローラ32に給電が行われると、プロセッサ48は、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30から信号を受信し及び/又は処理するための、メモリ46に記憶されたコマンドを実行する(ブロック88)。1つの実施形態では、マイクロコントローラ32を、受電時に第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30に連続的に又は定期的に問い合わせを行うようにプログラムすることができる。
【0047】
次に、マイクロコントローラ32は、1又は2以上のフィードバック装置に信号(例えば、制御信号)を出力する(ブロック90)。1つの実施形態では、この制御信号が、LED34のうちの1つ又は2つ以上及び/又はその他のフィードバック装置(例えば、オーディオ装置、ハプティクス)の作動を引き起こすことができる。1つの実施形態では、この制御信号が、1つのLED34に付与されてLED34の強度を変化させる可変電圧である。1つの実施形態では、この信号が、LED34を点滅させる振動電圧信号である。
【0048】
フィードバック装置(例えば、LED、ハプティクス、オーディオ装置)は、ユーザにフィードバック応答を提供する(ブロック92)。フィードバック応答は、ウェアラブル装置14とアトラクション内に配置されたリーダシステム12との間の相互作用に応答して提供することができる。例えば、フィードバック応答は、1つのLED34を点灯させて、ユーザが第1のリーダ16のゾーンに進入した(例えば、ユーザのウェアラブル装置14が第1のリーダ16と正常に通信している)旨、或いはターゲット58などの相互作用要素と正常に相互作用した旨をユーザに通知することを含むことができる。
【0049】
上述したように、第1のリーダ16及び/又は第2のリーダ18は、第1のRFIDタグ28及び/又は第2のRFIDタグ30のメモリ40に書き込みを行うことができる。従って、ユーザは、データベース22内で追跡される情報(例えば、レベルアップ、ハイスコアの到達)に基づいて目標を達成した時点でフィードバック応答を受け取ることができる。1つの実施形態では、異なるユーザが(例えば、これらのユーザが同じチームに属する場合に)上手く目標を達成することによってフィードバック応答が発生することができる。1つの実施形態では、フィードバック応答が、時間(例えば、アトラクションのエリア内の待ち時間又は残り時間)を示す1又は2以上のLED34を含むことができる。1つの実施形態では、フィードバック応答が、ウェアラブル装置14のオーディオ装置76からの、ユーザが行動を起こす(例えば、レースを開始する、次のゾーンに移動する、ゲームに参加する、など)必要があることを示す音を含むことができる。1つの実施形態では、オーディオ装置76からの音量、LED照明の強度、又はハプティクス78の強度を高めることによって、例えばアトラクション内の目標に向かって進んでいることを示すことができる。
【0050】
従って、本開示は、リーダシステムとウェアラブル装置とを有し、ウェアラブル装置のRFIDタグとリーダシステムのリーダとの間の通信に基づいてウェアラブル装置がフィードバック応答を発する相互作用システムに関する。具体的に言えば、リーダシステムは、動作中に電磁放射線を通じてウェアラブル装置の第1のRFID及び第2のRFIDと通信する(例えば、信号を送受信する)リーダ(例えば、1又は2以上の第1のリーダ16及び1又は2以上の第2のリーダ18)を含む。リーダは、ある範囲(例えば、通信範囲)内で電磁放射線を連続的に放出し、ウェアラブル装置がその範囲に入った時にウェアラブル装置と通信する。例えば、1つのリーダ(例えば、第1のリーダ)は、別のリーダ(例えば、第2のリーダ)の通信範囲よりも大きな通信範囲を有することができる。従って、第1のリーダは、一般に第2のリーダが第2のRFIDと通信するよりも頻繁に、及び/又はこのような通信とは異なる時点でウェアラブル装置の第1のRFIDと通信する。RFIDタグと定期的に又は長期間にわたって通信するリーダほど、電力捕獲装置への給電に適し、従って動作のためにより多くの電力を必要とし得るウェアラブル装置にフィードバック装置(例えば、オーディオ装置、ハプティクス、1又は2以上のLED)を含めることを可能にするのに適することができる。1つの実施形態では、RFIDリーダが、来園客が相互作用(例えば、接触又は到達)できる静止ターゲット内に配置される。1つの実施形態では、RFIDリーダが、可動ターゲット内に配置(例えば、遊園地におけるキャラクタコスチューム内に配置)される。本明細書に開示した実施形態は、2つの異なる通信範囲を有する2つのRFIDリーダを含んでいるが、システム内にはあらゆる数の異なる通信範囲(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ以上の異なる通信範囲)を有するように構成されたあらゆる数のリーダ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ以上のリーダ)を設けることができると理解されたい。さらに、ウェアラブル装置は、様々なリーダと通信して本明細書で開示した機能を提供するように構成されたあらゆる数のRFIDタグ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つ以上のRFIDタグ)を含むことができる。
【0051】
本明細書では、本開示のいくつかの特徴のみを図示し説明したが、当業者には多くの修正及び変更が思い浮かぶであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の正確な趣旨に従う全てのこのような修正及び変更を含むように意図されていると理解されたい。なお、
図1~
図6に関して図示又は説明した特徴は、いずれもあらゆる好適な形で組み合わせることができると理解されたい。
【0052】
本明細書に示して特許請求する技術は、本技術分野を確実に改善する、従って抽象的なもの、無形のもの又は純粋に理論的なものではない実際的性質の有形物及び具体例を参照し、これらに適用される。さらに、本明細書の最後に添付するいずれかの請求項が、「...[機能]を[実行]する手段」又は「...[機能]を[実行]するステップ」として指定されている1又は2以上の要素を含む場合、このような要素は米国特許法112条(f)に従って解釈すべきである。一方で、他のいずれかの形で指定された要素を含むあらゆる請求項については、このような要素を米国特許法112条(f)に従って解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0053】
10 相互作用システム
12 リーダシステム
14 ウェアラブル装置
16 第1のリーダ
18 第2のリーダ
20 コンピュータシステム
22 データベース
24 信号
26 信号
28 第1のRFIDタグ
30 第2のRFIDタグ
32 マイクロコントローラ
34A~D 発光ダイオード(LED)
36 電力回路
38 アンテナ
40 メモリ
42 マイクロチップ
44 集積回路
46 メモリ
48 プロセッサ
50 信号
52 信号
54 メモリ
56 プロセッサ