(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】茹麺装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/14 20060101AFI20240925BHJP
B08B 3/02 20060101ALI20240925BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20240925BHJP
B08B 9/00 20060101ALI20240925BHJP
【FI】
A47J27/14 J
B08B3/02 C
A23L7/109 K
B08B9/00
(21)【出願番号】P 2023086124
(22)【出願日】2023-05-25
【審査請求日】2024-04-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(72)【発明者】
【氏名】谷口 正人
(72)【発明者】
【氏名】松本 健一
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-151162(JP,A)
【文献】特開2021-023899(JP,A)
【文献】特開平10-276907(JP,A)
【文献】特開2019-187574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/14
B08B 3/02
A23L 7/109
B08B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
茹麺室内に設置された茹槽と、所定量に分量された麺を収容するバケットを複数並べて配列したバケット列を含んでなり前記複数のバケット列を移動させて麺を移送する移送装置と、を備えた茹麺装置において、
洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体を有する球形洗浄ノズルを前記移送装置に対して干渉することなく前記バケットが移動する方向に対して直交する水平1軸方向に往復移動させる移動装置を有し前記茹麺室内に洗浄液を散布する複数の第1の移動洗浄ノズル装置と、
洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体を有する球形洗浄ノズルを前記移送装置に対して干渉することなく前記第1の
移動洗浄ノズル装置の前記球形洗浄ノズルの移動方向に対して垂直であるとともに水平面に対して直角である垂直1軸方向に往復移動させる移動装置を有し前記茹麺室内に洗浄液を散布する第2の移動洗浄ノズル装置と、
を含んでなる洗浄装置を備えた茹麺装置。
【請求項2】
前記第1の移動洗浄ノズル装置の前記球形洗浄ノズルまたは前記第2の移動洗浄ノズル装置の前記球形洗浄ノズルがその中心軸廻りに回転する回転球形洗浄ノズルである請求項1に記載の洗浄装置を備えた茹麺装置。
【請求項3】
前記第1の移動洗浄ノズル装置の前記球形洗浄ノズルまたは前記第2の移動洗浄ノズル装置の前記球形洗浄ノズルが洗浄液を微細な泡状に噴射する噴射口を有する構造である請求項1に記載の洗浄装置を備えた茹麺装置。
【請求項4】
前記第1の移動洗浄ノズル装置の前記移動装置または前記第2の移動洗浄ノズル装置の前記移動装置の駆動装置がシリンダ装置である請求項1に記載の洗浄装置を備えた茹麺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、茹麺装置に関する。特に、本発明は、茹麺室内を機械的に洗浄する洗浄装置を備えた茹麺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、茹麺装置は、安全衛生上および品質管理上、茹槽を側壁と天板で囲んで覆うように茹麺室内に配置している。茹麺室内には、麺をバケット(バスケットまたはカゴ)に投入して移動機構によって茹槽の中を通過させる移送装置が設置されている。茹麺室内は、生麺を高温で茹で上げた際に麺から溶出するぬめり成分によって汚れるので、一般生菌が増殖することを防ぐために定期的に茹麺室内を洗浄して清掃する必要がある。
【0003】
茹麺室には、扉によって開閉する開口が複数設けられているが、作業者が洗浄ノズルを手に持って開口から茹麺室内に身を乗り出すようにして洗浄液を噴射させながら茹麺室内を洗浄しなければならないので、作業者に大きな負担がかかる。また、作業者の手が届きにくい場所も多く存在し、汚れが除去しきれない可能性があるので、時々バケットのような清掃作業の障害になる部品を取り外して大掛かりに茹麺室内の洗浄を行なうことがある。
【0004】
作業者の負担を軽減するために、茹麺室内を機械的に洗浄する洗浄装置を設けた茹麺装置が実用化されている。例えば、特許文献1は、洗浄液を上下方向に噴射させる洗浄水噴射管を茹槽の長手方向に往復移動させる洗浄装置を開示している。また、例えば、特許文献2は、噴射ノズルの先端の噴射体の形状が異なる複数種類の洗浄ノズルが設けられた洗浄装置を開示している。
【0005】
特許文献1に開示されている茹麺装置によると、茹麺室内をより広範囲に洗浄ノズルによって機械的に洗浄することができる。また、特許文献2に開示されている茹麺装置によると、複数種類の洗浄ノズルによって、移送装置のバケット、チェーンスプロケット噛合部位、チェーンレールに対してそれぞれ洗浄液を直接当てることができるので、人手による洗浄が困難部位を効果的に洗浄することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-276907号公報
【文献】特許第6433104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
洗浄装置によって、作業者の手が届きにくい部位を効果的に機械的に洗浄できるので、茹麺装置の茹麺室内の清掃作業における作業者の負担が軽減されている。ただし、茹麺室内に洗浄液を十分に行き渡らせるためには、より多くの洗浄ノズルと多量の洗浄液が要求される。また、茹麺装置の稼働中にバケットを含む移送装置の動作の障害になる場所にノズルを設置することができない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みて、洗浄ノズルの数を増大させることがなく、洗浄ノズルを設置することができない部位にも洗浄液を噴射供給する洗浄装置を備えた茹麺装置を提供することを主な目的とする。本発明によって得ることができるいくつかの有利な点は、発明の実施の形態の説明において、その都度具体的に示される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の茹麺装置は、課題を解決するために、茹麺室内(1)に設置された茹槽(2)と、所定量に分量された麺を収容するバケット(3A)を複数並べて配列したバケット列(31)を含んでなり複数のバケット列(31)を移動させて麺を移送する移送装置(3)と、を備えた茹麺装置において、洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体(11)を有する球形洗浄ノズル(10A)を移送装置(3)に対して干渉することなくバケット(3A)が移動する方向に対して直交する水平1軸方向に往復移動させる移動装置(10B)を有し茹麺室(1)内に洗浄液を散布する複数の第1の移動洗浄ノズル装置(10)と、洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体(22)を有する球形洗浄ノズル(20A)を移送装置(3)に対して干渉することなく第1の移動洗浄ノズル装置(10)の球形洗浄ノズル(10A)の移動方向に対して直交する垂直1軸方向に往復移動させる移動装置(20B)を有し茹麺室(1)内に洗浄液を散布する第2の移動洗浄ノズル装置(20)と、を含んでなる洗浄装置(6)を備えるようにする。
【0010】
本発明の茹麺装置は、好ましくは、球形洗浄ノズル(10A)と球形洗浄ノズル(20A)がその中心軸廻りに回転する回転球形洗浄ノズルである。また、茹麺装置は、球形洗浄ノズル(10A)と球形洗浄ノズル(20A)が洗浄液を微細な泡状に噴射する噴射口(11,21)を有する構造である。また、移動装置(10B)の駆動装置(10C)と移動装置(20B)の駆動装置(20C)がシリンダ装置である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の茹麺装置においては、球形洗浄ノズルがバケットの移動する方向に対して直交する水平1軸方向に直線的に往復移動する第1の移動洗浄ノズル装置と、他の球形洗浄ノズルが第1の移動洗浄ノズル装置の球形洗浄ノズルの移動する方向に対して垂直であるとともに水平面に対して直角である垂直1軸方向に直線的に往復移動する第2の移動洗浄ノズル装置とを備えているので、洗浄ノズルの数を相対的に多くならないようにしながら洗浄液が当たりにくい死角を減らすことができ、洗浄効果が向上する。そのため、洗浄液の量が比較的少なく、作業者の負担をより軽減することができる。
【0012】
本発明の茹麺装置の洗浄装置において、球形洗浄ノズルがその中心軸廻りに回転する回転球形洗浄ノズルであるときは、洗浄効果がより向上する。球形洗浄ノズルが洗浄液を微細な泡状に噴射する噴射口を有する構造であるときは、洗浄効果がより向上する。また、球形洗浄ノズルを往復移動させる移動装置の駆動装置がシリンダ装置であるときは、高温水と茹麺を取り扱う茹麺装置において自身が汚れにくく比較的故障が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の茹麺装置の全体を模式的に示す左側面図である。
【
図2】本発明の実施の形態の茹麺装置の背面図である。
【
図3】本発明の実施の形態の茹麺装置の上面図である。
【
図4】本発明の実施の形態の茹麺装置の背面側の垂直断面図である。
【
図5】本発明の実施の形態の茹麺装置の背面側の垂直断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態の茹麺装置の背面側の垂直断面図である。
【
図7】本発明の茹麺装置における洗浄装置の球形洗浄ノズルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の茹麺装置の全体を示す左側面図である。図面向かって右側が正面側であって、向かって左側が背面側である。
図1は、本発明の茹麺装置の概要を模式的に示すものであって、図の中の部材の寸法と配置が正確には表れていない。
【0015】
図2ないし
図6は、本発明の1つの実施の形態の茹麺装置を示す。各図において、図示省略されている部位がある。各図において、隠れて見えない部位であっても部分的に点線で示されることがある。また、第1の洗浄液噴射装置と第2の洗浄液噴射装置においては、主要な部位が隠れて見えない部位であっても部分的に実線で他の部位と重ね合わされて示されることがある。
【0016】
図2は、実施の形態の茹麺装置の背面図である。
図3は、
図2に示される茹麺装置の上面図である。
図4は、
図3に示されるA-A線において垂直方向に切断した断面を背面から見た図である。
図5は、
図3に示されるB-B線において垂直方向に切断した断面を背面から見た図である。
図6は、
図3に示されるC-C線において垂直方向に切断した断面を背面から見た図である。以下に、
図1ないし
図6を用いて、本発明の茹麺装置を詳しく説明する。
【0017】
実施の形態の茹麺装置は、
図1に示されるように、茹麺室1と、茹槽2と、移送装置3と、加熱器4と、制御装置5と、洗浄装置6と、シュータ7とを含んでなる。移送装置3は、複数のバケット3Aでなるバケット列31と、移動機構32とを含んでなる。加熱器4は、図示しない蒸気管を含んでなる。制御装置5は、操作盤5Aを含んでなる。茹槽2とバケット列31は、茹麺室1内に設置されている。
【0018】
実施の形態の茹麺装置において、移送装置3は、バケット列31を定速で移動させて、一対のシュータ7のうちの投入口側シュータ7Aから茹槽2の中を通過して排出口側シュータ7Bまで麺を移送する。バケット列31は、複数のバケット5Aを並べて配列した“バケット群”である。移送装置3の移動機構32は、
図1に円で示される複数のスプロケット3Bと二点鎖線で示される無端チェーン3Cとからなる。移動機構32は、駆動ローラ3Rを図示しないモータによって回転させ、無端チェーン3Cに固定されている複数のバケット3Aを含むバケット列31を順次所定の方向に移動させる。
【0019】
実施の形態の茹麺装置において、加熱器4は、蒸気管に蒸気を通して茹槽2の中の水を加熱する蒸気式加熱器である。本発明において、加熱器の加熱方式は、限定されない。例えば、ヒータによって加熱する電気式加熱器、またはガスを燃焼させて発生する熱によって加熱するガス式加熱器であっても、本発明を実施することができる。
【0020】
制御装置5は、少なくとも、移送装置3と、加熱器4と、洗浄装置6を遠隔操作する。作業者は、制御盤5Aを通して指示を入力して制御装置5を作動させる。制御装置5は、制御盤5Aから入力される作業者の指示に従って移送装置3と、加熱器4と、洗浄装置6とを直接的に遠隔操作する。また、制御装置5は、予め記憶されているプログラムに従って移送装置3と、加熱器4と、洗浄装置6とを操作して茹麺装置を自動運転することができる。
【0021】
茹麺装置において、所定の量に分量された生麺がバケット列31毎に投入口側シュータ7Aからそれぞれバケット3Aに投入される。茹槽2の中に加熱器4によって加熱されて所定の温度、例えば98℃程度に維持されている水(湯)が貯留されている。移送装置3によって茹槽2まで移送されてくる生麺は、予め定められている所定時間茹槽2の中を通過して茹で上げられる。茹槽2から出てくる茹麺は、バケット列31を上向きから下向きになるように回転させてバケット3Aを反転させることによってそれぞれバケット3Aから排出口側シュータ7Bに放出されて茹麺室1の外に搬出される。
【0022】
実施の形態の茹麺装置は、洗浄装置6を備えている。洗浄装置6は、複数の固定ノズル装置6Aと、複数の第1の移動洗浄ノズル装置10と、複数の第2の移動洗浄ノズル装置20と、を備えている。固定ノズル装置6Aは、従来の洗浄装置に設けられている洗浄ノズルと同じ構成であってよい。固定洗浄ノズル6Aは、洗浄する対象に洗浄液を効果的に噴射できるように、それぞれ適する形状のノズルを1以上有し、それぞれ適する位置に設置される。
【0023】
第1の移動洗浄ノズル装置10は、バケット列31と移動機構32とを含む移送装置3に対して干渉することなく、球形洗浄ノズル10Aをバケット3Aが移動する方向に対して直交する水平1軸方向に直線的に往復移動させる移動装置10Bを有する。第1の移動洗浄ノズル装置10は、球形洗浄ノズル10Aから洗浄液を噴射供給して、茹麺室1内に洗浄液を散布する。球形洗浄ノズル10Aは、洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体11を有する。
【0024】
第2の移動洗浄ノズル装置20は、バケット列31と移動機構32とを含む移送装置3に対して干渉することなく、球形洗浄ノズル20Aを第1の移動洗浄ノズル装置10の球形洗浄ノズル10Aの移動方向に対して垂直であるとともに水平面に対して直角である垂直1軸方向に直線的に往復移動させる移動装置20Bを有する。第2の移動洗浄ノズル装置20は、球形洗浄ノズル20Aから洗浄液を噴射供給して、茹麺室1内に洗浄液を散布する。球形洗浄ノズル20Aは、洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射する球形の噴射体21を有する。
【0025】
実施の形態の茹麺装置において、特に、第1の移動洗浄ノズル装置10は、移送装置3のバケット列31および移動機構32の洗浄液を当てることが難しい位置に洗浄液を効果的に供給する。また、第2の移動洗浄ノズル装置20は、移送装置3の移動機構32あるいは茹麺室1の壁面の洗浄液を当てることが難しい位置に洗浄液を効果的に供給する。
【0026】
第1の移動洗浄ノズル装置10の球形洗浄ノズル10Aと第2の移動洗浄ノズル装置20の球形洗浄ノズル20Aは、共にノズル本体12,22の中心軸O廻りに回転する回転球形洗浄ノズルである。球形洗浄ノズル10Aと球形洗浄ノズル20Aは、洗浄液を微細な泡状に噴射する噴射口を有する構造であって、マイクロナノバブルと称される微小な泡の洗浄液を噴射供給する。そのため、実施の形態の茹麺装置は、洗浄装置6における洗浄効果がより高い利点を有する。
【0027】
本発明において、マイクロナノバブルは、マイクロバブルの気泡のサイズとナノバブルの気泡のサイズの間のサイズの気泡のことをいう。具体的に、本発明において、マイクロナノバブルは、0.1μm以上10μm以下の気泡をいう。
【0028】
第1の移動洗浄ノズル装置10の移動装置10Bの駆動装置10Cと第2の移動洗浄ノズル装置20の移動装置20Bの駆動装置20Cは、共にシリンダ装置である。シリンダ装置は、ロッドレスエアシリンダであって、スピードコントローラを備えている。シリンダ装置は、水と汚れに対して比較的耐久性があるので、高温水と茹麺を取り扱う茹麺装置において故障が少ない利点がある。ただし、本発明の茹麺装置の洗浄装置において、例えば、回転型モータのように、シリンダ装置以外の駆動装置を適用することができる。
【0029】
実施の形態の茹麺装置において、洗浄装置6は、球形洗浄ノズル10A,20Aを1軸方向に直線的に往復移動させる構成を有している。そのため、実施の形態の茹麺装置は、洗浄時を除いて球形洗浄ノズル10A,20Aを茹麺室1内から引っ込めておくことができ、球形洗浄ノズル10A,20Aと球形洗浄ノズル10A,20Aの移動装置10B,20Bが汚れにくい利点を有する。また、実施の形態の茹麺装置は、茹麺装置の構造が不必要に複雑化し高度化することがなく、洗浄液が当たりにくい、例えば、移送装置3のバケット列31と移動機構32に対する洗浄における死角を殆どなくすことでき、洗浄装置6の費用対効果が向上する利点を有する。
【0030】
ただし、実施の形態の茹麺装置において、上記利益を得るために、多方向に同時に洗浄液を散布する球形洗浄ノズル10A,20Aを直線経路に沿って移動する構成であるので、洗浄装置6が多方向に同時に洗浄液を散布する球形洗浄ノズル10Aを水平1軸方向に往復移動させる複数の第1の移動洗浄ノズル装置10と、同様の球形洗浄ノズル20Aを垂直1軸方向に移動させる複数の第2の移動洗浄ノズル装置20とを備えていることが必須である。
【0031】
茹麺装置において、洗浄装置6によって洗浄している間に移送装置3のバケット列31をステップ送りしながらバケット列31を順番に洗浄するように制御装置5によって移送装置3と洗浄装置6を操作することによって、期待される洗浄効果に対して要求される固定洗浄ノズル装置6Aと、第1の移動洗浄ノズル装置10と、第2の移動洗浄ノズル装置20の数をより少なくすることが可能である。
【0032】
図7は、第1の移動洗浄ノズル装置10と第2の移動洗浄ノズル装置20の回転球形洗浄ノズルの断面を示す。球形洗浄ノズル10Aまたは球形洗浄ノズル20Aは、先端の噴射体11または噴射体21が球形であって、ノズル本体12またはノズル本体22の中心軸O廻りに回転する。噴射体11または噴射体21は、複数のノズル開口体13またはノズル開口体23を有する。
【0033】
複数のノズル開口体13またはノズル開口体23は、マイクロナノバブルを発生させる構造を有する。複数のノズル開口体13またはノズル開口体23は、それぞれ異なる方向に向いている。したがって、球形洗浄ノズル10Aの噴射体11または球形洗浄ノズル20Aの噴射体21は、それぞれ泡洗浄液を複数の異なる方向に同時に噴射することができる。
【0034】
図2ないし
図6には、フレキシブルホースと逃し配管を含む複数の配管、ドレイン口、圧力調整口、洗剤投入口、パン、オーバフロー設備、各種ポンプ、各種モータ、窓、扉、温調設備が示されているが、詳細な説明を省略する。
【0035】
図2ないし
図6に具体的に示される実施の形態の茹麺装置は、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で、応用したり、変形したりすることができる。すでにいくつかの例が示されているが、例えば、第1の移動洗浄ノズル装置
10と第2の移動洗浄ノズル装置
20は、それぞれ球形洗浄ノズル
10A,20Aを移送装置
3に対して干渉することなく、水平1軸方向または垂直1軸方向に直線的に往復移動することができるのであるならば、茹麺室
1において図示される位置とは異なる位置に任意の数配設することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、食品加工の技術分野に適用される。本発明は、茹麺装置の茹麺室内を機械的に洗浄するときに、節水しながら洗浄効果を向上させて作業者の清掃作業に要する負担を軽減する。本発明は、食品機械の発展に寄与する。
【符号の説明】
【0037】
1 茹麺室
2 茹槽
3 移送装置
3A バケット
3B スプロケット
3C チェーン
3R 駆動ローラ
31 バケット列
32 移動機構
4 加熱器
5 制御装置
5A 操作盤
6 洗浄装置
6A 固定洗浄ノズル装置
7 シュータ
7A 投入口側シュータ
7B 排出口側シュータ
10 第1の移動洗浄ノズル装置
10A 球形洗浄ノズル
10B 移動装置
10C 駆動装置
20 第2の移動洗浄ノズル装置
20A 球形洗浄ノズル
20B 移動装置
20C 駆動装置
【要約】
【課題】洗浄ノズルの数を増大させずに洗浄ノズルを設置することができない部位に洗浄液を噴射供給する洗浄装置を備えた茹麺装置を提供すること。
【解決手段】
茹麺装置は、茹麺室1と、茹槽2と、移送装置3と、加熱器4と、制御装置5と、洗浄装置6と、を含んでなる。洗浄装置6は、球形の噴射体11を有する球形洗浄ノズル10Aを移送装置3に対して干渉することなくバケット3Aが移動する方向に対して直交する水平1軸方向に往復移動させる移動装置10Bを有し洗浄液を散布する第1の移動洗浄ノズル装置10と、球形の噴射体22を有する球形洗浄ノズル20Aを移送装置3に対して干渉することなく第1の洗浄液噴射供給装置10の球形洗浄ノズル10Aの移動方向に対して直交する垂直1軸方向に往復移動させる移動装置20Bを有し洗浄液を散布する第2の移動洗浄ノズル装置20と、を含んでなる。
【選択図】
図1