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特許7560615通信制御方法、第1中継装置及びプロセッサ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】通信制御方法、第1中継装置及びプロセッサ
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/26 20090101AFI20240925BHJP
   H04W 40/36 20090101ALI20240925BHJP
   H04W 40/24 20090101ALI20240925BHJP
   H04W 24/04 20090101ALI20240925BHJP
【FI】
H04W16/26
H04W40/36
H04W40/24
H04W24/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023102558
(22)【出願日】2023-06-22
(62)【分割の表示】P 2021509274の分割
【原出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2023120373
(43)【公開日】2023-08-29
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】62/825,149
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
【審査官】吉村 真治▲郎▼
(56)【参考文献】
【文献】Kyocera,Consideration of topology adaptation upon BH RLF,3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1900919,2019年02月15日
【文献】Huawei,Backhaul RLF Recovery,3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1901634,2019年02月15日
【文献】Ericsson,Recovery from Link Failure in IAB Networks,3GPP TSG RAN WG3 #103 R3-190363,2019年02月15日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中継装置に用いられる通信制御方法であって、
前記第1中継装置が、前記第1中継装置の上位装置である第2中継装置から、前記第2中継装置における無線リンク状態の劣化を示す通知を受信することと、
前記第1中継装置が、前記通知の受信に応じて、アップストリームの通信経路を前記第2中継装置から第3中継装置に切り替える切り替え処理を行うことと、
前記第1中継装置が、前記通知を受信した後、前記第2中継装置から、前記無線リンク状態の復旧を示す通知を受信した場合、前記切り替え処理を中止することと、を含む
通信制御方法。
【請求項2】
第1中継装置であって、
前記第1中継装置の上位装置である第2中継装置から、前記第2中継装置における無線リンク状態の劣化を示す通知を受信する受信部と、
前記通知の受信に応じて、アップストリームの通信経路を前記第2中継装置から第3中継装置に切り替える切り替え処理を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、前記通知を受信した後、前記第2中継装置から、前記無線リンク状態の復旧を示す通知を受信した場合、前記切り替え処理を中止する
第1中継装置。
【請求項3】
上位装置と下位装置との間の通信を無線で中継する第1中継装置を制御するプロセッサであって、
前記第1中継装置の上位装置である第2中継装置から、前記第2中継装置における無線リンク状態の劣化を示す通知を受信する処理と、
前記通知の受信に応じて、アップストリームの通信経路を前記第2中継装置から第3中継装置に切り替える処理と、
前記第1中継装置が、前記通知を受信した後、前記第2中継装置から、前記無線リンク状態の復旧を示す通知を受信した場合、前記切り替える処理を中止する処理と、を実行する
プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動通信システムに用いられる通信制御方法、第1中継装置及びプロセッサに関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)(登録商標。以下同じ)において、IAB(Integrated Access and Backhaul)ノードと称される新たな中継装置が検討されている。1又は複数の中継装置が基地局とユーザ機器との間の通信に介在し、この通信に対する中継を行う。かかる中継装置は、ユーザ機器機能及び基地局機能を有しており、ユーザ機器機能を用いて上位ノード(基地局又は上位の中継装置)との無線通信を行うとともに、基地局機能を用いて下位ノード(ユーザ機器又は下位の中継装置)との無線通信を行う。
【0003】
ユーザ機器と、中継装置又は基地局との間の無線区間は、アクセスリンクと称されることがある。中継装置と、基地局又は他の中継装置との間の無線区間は、バックホールリンクと称されることがある。3GPP寄書「RP-170217」には、アクセスリンクのデータ通信及びバックホールリンクのデータ通信をレイヤ2において統合及び多重化し、バックホールリンクに動的に無線リソースを割り当てることにより、データ転送経路を動的に切り替える方法が記載されている。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様に係る通信制御方法は、上位装置と下位装置との間の通信を無線で中継する中継装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記中継装置において、前記上位装置と無線で接続するユーザ装置機能部が、前記下位装置と無線で接続する基地局機能部に対して状態情報を通知することを含む。前記状態情報は、前記ユーザ装置機能部のRRC状態、及び前記上位装置と前記ユーザ装置機能部との間の無線リンク状態のうち、少なくとも一方の状態を示す情報である。
【0005】
第2の態様に係る通信制御方法は、上位装置と下位装置との間の通信を無線で中継する中継装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記中継装置において、前記下位装置と無線で接続する基地局機能部が、前記上位装置と無線で接続するユーザ装置機能部又は前記上位装置を介してドナー装置と通信する通信機能部に対して、状態情報を通知することを含む。前記状態情報は、前記基地局機能部と前記下位装置の間の無線リンク状態を示す情報である。
【0006】
第3の態様に係る通信制御方法は、上位装置と下位装置との間の通信を無線で中継する中継装置を用いる方法である。前記通信制御方法は、前記中継装置が、前記中継装置に接続する下位装置から、他の中継装置との無線リンク障害の発生を示す通知を受信することと、前記中継装置が、ドナー装置に対して、前記無線リンク障害に関するメッセージを送信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
図2】実施形態に係る基地局(gNB)の構成を示す図である。
図3】実施形態に係る中継装置(IABノード)の構成を示す図である。
図4】実施形態に係るユーザ機器(UE)の構成を示す図である。
図5】実施形態に係る移動通信システムにおけるユーザプレーンのプロトコルスタック構成の一例を示す図である。
図6】第1実施形態に係る通常動作シーケンスの一例を示す図である。
図7】第1実施形態に係るコンテキスト転送先を決定するためのテーブルの一例を示す図である。
図8】第1実施形態に係る例外動作シーケンスの一例を示す図である。
図9】第1実施形態に係るマルチホップ接続シーケンスの一例を示す図である。
図10】RLFに関連する動作を示す図である。
図11】第2実施形態に係るIABノードの動作を示す図である。
図12】第2実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
図13】第2実施形態の変更例に係る動作シーケンスを示す図である。
図14】第3実施形態に係る動作を示す図である。
図15】第4実施形態に係るIABノードの動作を示す図である。
図16】第4実施形態に係る動作の一例を示す図である。
図17】付記に係る図である。
図18】付記に係る図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照しながら、実施形態に係る移動通信システムについて説明する。図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0009】
[第1実施形態]
(移動通信システムの構成)
本実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る移動通信システム1の構成を示す図である。移動通信システム1は、3GPP規格に基づく第5世代(5G)移動通信システムである。具体的には、移動通信システム1における無線アクセス方式は、5Gの無線アクセス方式であるNR(New Radio)である。但し、移動通信システム1には、LTE(Long Term Evolution)が少なくとも部分的に適用されてもよい。
【0010】
図1に示すように、移動通信システム1は、5Gコアネットワーク(5GC)10と、ユーザ機器(UE)100と、基地局(gNBと称される)200と、IABノード300とを備える。本実施形態において、基地局がNR基地局である一例について主として説明するが、基地局がLTE基地局(すなわち、eNB)であってもよい。
【0011】
5GC10は、AMF(Access and Mobility Management Function)11及びUPF(User Plane Function)12を備える。AMF11は、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う装置である。AMF11は、NAS(Non-Access Stratum)シグナリングを用いてUE100と通信することにより、UE100が在圏するエリアの情報を管理する。UPF12は、ユーザデータの転送制御等を行う装置である。
【0012】
gNB200は、NGインターフェイスと称されるインターフェイスを介して、5GC10に接続される。図1において、5GC10に接続された3つのgNB200-1~gNB200-3を例示している。gNB200は、UE100との無線通信を行う固定の無線通信装置である。gNB200がドナー機能を有する場合、gNB200は、自身に無線で接続するIABノードとの無線通信を行ってもよい。
【0013】
gNB200は、Xnインターフェイスと称される基地局間インターフェイスを介して、隣接関係にある他のgNB200と接続される。図1において、gNB200-1がgNB200-2及びgNB200-2に接続される一例を示している。
【0014】
各gNB200は、1又は複数のセルを管理する。セルは、無線通信エリアの最小単位を示す用語として用いられる。セルは、UE100との無線通信を行う機能又はリソースを示す用語として用いられることがある。1つのセルは1つのキャリア周波数に属する。
【0015】
UE100は、gNB200との無線通信を行う移動可能な無線通信装置である。UE100は、IABノード300との無線通信を行ってもよい。UE100は、gNB200又はIABノード300との無線通信を行う装置であればどのような装置であってもよい。例えば、UE100は、携帯電話端末やタブレット端末、ノートPC、センサ若しくはセンサに設けられる装置、又は車両若しくは車両に設けられる装置である。
【0016】
図1において、UE100-1がgNB200-1に無線で接続され、UE100-2がIABノード300-1に無線で接続され、UE100-3がIABノード300-2に無線で接続される一例を示している。UE100-1は、gNB200-1との通信を直接的に行う。UE100-2は、IABノード300-1を介してgNB200-1との通信を間接的に行う。UE100-3は、IABノード300-1及びIABノード300-2を介してgNB200-1との通信を間接的に行う。
【0017】
IABノード300は、eNB200とUE100との間の通信に介在し、この通信に対する中継を行う装置(中継装置)である。図1において、IABノード300-1がドナーであるgNB200-1に無線で接続され、IABノード300-2がIABノード300-1に無線で接続される一例を示している。各IABノード300は、セルを管理する。IABノード300が管理するセルのセルIDは、ドナーgNB200-1のセルのセルIDと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0018】
IABノード300は、UE機能(ユーザ機器機能)及びgNB機能(基地局機能)を有する。IABノード300は、UE機能を用いて上位ノード(gNB200又は上位のIABノード300)との無線通信を行うとともに、gNB機能を用いて下位ノード(UE100又は下位のIABノード300)との無線通信を行う。なお、UE機能とは、UE100が有する機能のうち少なくとも一部の機能を意味し、必ずしもUE100の全ての機能をIABノード300が有していなくてもよい。gNB機能とは、gNB200の機能のうち少なくとも一部の機能を意味し、必ずしもgNB200の全ての機能をIABノード300が有していなくてもよい。
【0019】
UE100と、IABノード300又はgNB200との間の無線区間は、アクセスリンク(或いは、Uu)と称されることがある。IABノード300と、gNB200又は他のIABノード300との間の無線区間は、バックホールリンク(或いは、Un)と称されることがある。かかるバックホールリンクは、フロントホールリンクと称されてもよい。
【0020】
アクセスリンクのデータ通信及びバックホールリンクのデータ通信をレイヤ2において統合及び多重化し、バックホールリンクのデータ通信に動的に無線リソースを割り当て、中継の経路を動的に切り替えることが可能である。なお、アクセスリンク及びバックホールリンクには、ミリ波帯が用いられてもよい。また、アクセスリンク及びバックホールリンクは、時分割及び/又は周波数分割により多重化されてもよい。
【0021】
(gNBの構成)
本実施形態に係るgNB200の構成について説明する。図2は、gNB200の構成を示す図である。図2に示すように、gNB200は、無線通信部210と、ネットワーク通信部220と、制御部230とを備える。
【0022】
無線通信部210は、UE100との無線通信及びIABノード300との無線通信に用いられる。無線通信部210は、受信部211及び送信部212を備える。受信部211は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部211はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。送信部212は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部212はアンテナを含み、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0023】
ネットワーク通信部220は、5GC10との有線通信(又は無線通信)及び隣接する他のgNB200との有線通信(又は無線通信)に用いられる。ネットワーク通信部220は、受信部221及び送信部222を備える。受信部221は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部221は、外部から信号を受信して受信信号を制御部230に出力する。送信部222は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部222は、制御部230が出力する送信信号を外部に送信する。
【0024】
制御部230は、gNB200における各種の制御を行う。制御部230は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPU(Central Processing Unit)とを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する処理を実行する。
【0025】
(IABノードの構成)
本実施形態に係るIABノード300の構成について説明する。図3は、IABノード300の構成を示す図である。図3に示すように、IABノード300は、無線通信部310と、制御部320とを備える。
【0026】
無線通信部310は、gNB200との無線通信(バックホールリンク)及びUE100との無線通信(アクセスリンク)に用いられる。無線通信部310は、受信部311及び送信部312を備える。受信部311は、制御部320の制御下で各種の受信を行う。受信部311はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部320に出力する。送信部312は、制御部320の制御下で各種の送信を行う。送信部312はアンテナを含み、制御部320が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0027】
制御部320は、IABノード300における各種の制御を行う。制御部320は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサ及びCPUを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する処理を実行する。
【0028】
(UEの構成)
本実施形態に係るUE100の構成について説明する。図4は、UE100の構成を示す図である。図4に示すように、UE100は、無線通信部110と、制御部120とを備える。
【0029】
無線通信部110は、アクセスリンクにおける無線通信、すなわち、gNB200との無線通信及びIABノード300との無線通信に用いられる。無線通信部110は、受信部111及び送信部112を備える。受信部111は、制御部120の制御下で各種の受信を行う。受信部111はアンテナを含み、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部120に出力する。送信部112は、制御部120の制御下で各種の送信を行う。送信部112はアンテナを含み、制御部120が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0030】
制御部120は、UE100における各種の制御を行う。制御部120は、少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に用いられる情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサ及びCPUを含んでもよい。ベースバンドプロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行う。プロセッサは、後述する処理を実行する。
【0031】
(プロトコルスタック構成の一例)
本実施形態に係る移動通信システム1におけるプロトコルスタック構成の一例について説明する。図5は、ユーザプレーンのプロトコルスタック構成の一例を示す図である。ここでは、図1に示したUE100-3と5GC10のUPF12との間のユーザデータ伝送に関するプロトコルスタック構成の一例について説明する。
【0032】
図5に示すように、UPF12は、GTP-U(GPRS Tunneling Protocol for User Plane)と、UDP(User Datagram Protocol)と、IP(Internet Protocol)と、レイヤ1/レイヤ2(L1/L2)とを備える。gNB200-1(ドナーgNB)には、これらに対応するプロトコルスタックが設けられる。
【0033】
また、gNB200-1は、集約ユニット(CU:Central Unit)と分散ユニット(DU:Distributed Unit)とを備える。無線インターフェイスのプロトコルスタックのうちPDCP(Packet Data Convergence Protocol)以上の各レイヤをCUが有し、RLC(Radio Link Control)以下の各レイヤをDUが有する。CU及びDUは、F1インターフェイスと称されるインターフェイスを介して接続される。
【0034】
具体的には、CUは、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)と、PDCPと、IPと、L1/L2とを備える。CUのSDAP及びPDCPは、DUと、IABノード300-1と、IABノード300-2とを介して、UE100のSDAP及びPDCPとの通信を行う。
【0035】
また、DUは、無線インターフェイスのプロトコルスタックのうち、RLCと、アダプテーションレイヤ(Adapt)と、MAC(Medium Access Control)と、PHY(Physical layer)とを有する。これらのプロトコルスタックは、gNB向けのプロトコルスタックである。なお、アダプテーションレイヤ及びRLC(S-RLC)は上下関係が逆であってもよい。
【0036】
IABノード300-1には、これらに対応するUE向けのプロトコルスタックST1が設けられる。さらに、IABノード300-1には、gNB向けのプロトコルスタックST2が設けられる。プロトコルスタックST1及びプロトコルスタックST2は、何れもレイヤ2以下の各レイヤ(各サブレイヤ)からなる。すなわち、IABノード300-1は、レイヤ2以下の各レイヤを用いてユーザデータの中継を行うレイヤ2中継装置である。IABノード300-1は、レイヤ3以上のレイヤ(具体的には、PDCP以上のレイヤ)を用いることなくデータ中継を行う。なお、IABノード300-2は、IABノード300-1と同様なプロトコルスタック構成を有する。
【0037】
ここではユーザプレーンにおけるプロトコルスタック構成について説明した。しかしながら、制御プレーンにおいて、gNB200-1、IABノード300-1、IABノード300-2、及びUE100-3のそれぞれは、レイヤ3に相当するRRC(Radio Resource Control)を備える。
【0038】
gNB200-1(ドナーgNB)のRRCとIABノード300-1のRRCとの間にRRC接続が確立され、このRRC接続を用いてRRCメッセージが送受信される。また、gNB200-1のRRCとIABノード300-2のRRCとの間にRRC接続が確立され、このRRC接続を用いてRRCメッセージが送受信される。さらに、gNB200-1のRRCとUE100-3のRRCとの間にRRC接続が確立され、このRRC接続を用いてRRCメッセージが送受信される。
【0039】
(移動通信システムにおける動作)
本実施形態に係る移動通信システム1における動作について説明する。具体的には、IABノード300-1がgNB200-1(ドナーgNB)に無線で接続する場合の動作について説明する。
【0040】
かかる場合、最初に、IABノード300-1は、UE機能を用いてgNB200-1とのアクセスリンク接続(第1の無線接続)を確立する。言い換えると、IABノード300-1は、UE100として振る舞ってgNB200-1とのアクセスリンク接続を確立する。アクセスリンク接続の確立は、RRC接続の確立を含む。
【0041】
次に、gNB200-1は、アクセスリンク接続を維持しつつ、IABノード300-1のgNB機能のためのバックホールリンク接続(第2の無線接続)をIABノード300-1とgNB200-1との間に確立させるメッセージをIABノード300-1に送信する。本実施形態において、かかるメッセージは、RRC接続を用いて送受信されるRRC再設定(RRC Reconfiguration)メッセージである。
【0042】
その結果、バックホールリンク接続がIABノード300-1とgNB200-1との間に確立されるため、IABノード300-1とgNB200-1との間でバックホールリンクの通信を適切に開始可能とすることができる。
【0043】
バックホールリンク接続を確立させるRRC再設定メッセージは、バックホールリンク接続を構成するベアラ(又はL2リンク)の設定情報、及びIABノード300-1が送信するべきセルID(具体的には、セルIDに関連付けられた参照信号及び同期信号の送信設定)を含んでもよい。以下において、かかるRRC再設定メッセージをIABノード設定メッセージと称する。
【0044】
IABノード設定メッセージは、デフォルトベアラ(又はデフォルトリンク)の設定情報を含んでもよい。デフォルトベアラ(又はデフォルトリンク)は、例えば、SIB(System Information Block)の中継やUEからのMsg3中継などを行うためのベアラ(又はリンク)である。
【0045】
IABノード設定メッセージは、ドナーgNB200-1側のスタックの設定情報と、オプションでIABノード300-2(又はUE100)側のスタックの設定情報とを含んでもよい。IABノード300-2(又はUE100)側のスタックの設定情報は、暗示的にドナーgNB200-1のSIBで報知されている設定群を再利用してもよいし、オペレータ(OAM)から(事前に)設定されてもよい。
【0046】
IABノード設定メッセージにおける設定内容としては、基本的にRRC再設定メッセージに含まれる設定全てが対象になり得るが、RLC設定(AM:Acknowledged Mode/UM:Unacknowledged Mode/TM:Transparent Mode等の動作モード、LCP(Logical Channel Prioritization)パラメータ等)、MAC設定(BSR:Buffer Status Report/TAG:Timing Advance Group/PHR:Power Headroomパラメータ、DRX:Discontinues Reception設定等)、PHY設定が含まれてもよい。
【0047】
また、IABノード設定メッセージにおける設定内容には、アダプテーションレイヤの設定(下位側又は上位側の論理チャネルのマッピング(ルーティング)設定、優先度設定等)が含まれてもよい。
【0048】
さらに、IABノード設定メッセージにおける設定内容には、必要に応じて、IABノード300-1の(仮想的な)IPアドレス(すなわち、L3アドレス)を含めてもよい。これは、例えばF1インターフェイスをL2リンク上に確立するために、F1のプロトコルスタックがSCTP over IPを想定しているためである。
【0049】
なお、IABノード設定メッセージにおける設定内容は、NRプロトコルの設定情報に限らず、LTEプロトコル(RLC、MAC、PHY)の設定情報であってもよい。
【0050】
本実施形態において、IABノード300-1は、バックホールリンク接続を確立するよりも前に、IABノードの機能(すなわち、レイヤ2中継機能)を有すること又はバックホールリンク接続の確立を要求することを示すインディケーションをgNB200-1に送信してもよい。これにより、gNB200-1は、バックホールリンク接続を確立するためのプロシージャを適切に開始できる。以下において、かかるインディケーションをIABインディケーションと称する。IABインディケーションは、IABノード300-1におけるUE機能向けリンクプロトコルスタックをLTEで準備するのか、NRで準備するのか、もしくはその両方か、という意図又は能力を示す情報を含んでもよい。
【0051】
なお、IABノード300-1は、gNB200-1とのアクセスリンク接続の確立後にIABインディケーションを送信してもよいし、gNB200-1とのアクセスリンク接続を確立するプロシージャ中にIABインディケーションを送信してもよい。
【0052】
また、IABインディケーションをgNBに送信可能とする条件として、このgNBから、ドナー機能を有することを示すドナー機能識別子を含むSIBを受信しているという条件があってもよい。かかる場合、IABノード300-1は、gNB200-1からSIBによりドナー機能識別子を受信している場合に限り、gNB200-1に対してIABインディケーションを送信する。
【0053】
本実施形態において、IABノード300-1とのバックホールリンク接続を確立するドナー機能をgNB200-1が有する場合がある。この場合、gNB200-1は、IABノード300-1からIABインディケーションを受信した後、IABノード設定メッセージをIABノード300-1に送信する。一方、ドナー機能をgNB200-1が有しない場合、gNB200-1は、IABノード300-1からIABインディケーションを受信した後、IABノード設定メッセージをIABノード300-1に送信することに代えて、IABノード300-1のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を他のgNBに送信してもよい。ここで、gNB200-1は、ドナー機能を有する他のgNBの情報を予め記憶していることが好ましい。gNB200-1は、ドナー機能を有する他のgNBの情報をIABノード300-1から取得してもよい。IABノード300-1は、5GC10(コアネットワーク)から情報を入手、もしくは隣接セルのSIB(ドナー機能識別子)を確認する。これにより、IABノード300-1は、ドナー機能を有する他のgNB(隣接セル)の情報を取得し、取得した情報をgNB200-1に通知する。gNB200-1は、記憶している情報又はIABノード300-1から取得した情報に基づいて、ドナー機能を有する他のgNBに対してハンドオーバ要求を送信する。これにより、IABノード300-1を他のgNBにハンドオーバさせた後に、IABノード300-1が当該他のgNBとのバックホールリンク接続を確立できる。或いは、ドナー機能をgNB200-1が有しない場合、IABノード300-1は、5GC10に対して、ドナー機能を有するセル(gNB)へハンドオーバさせることを要求し、5GC10がハンドオーバに係る処理を行ってもよい。
【0054】
本実施形態において、gNB200-1は、IABノード300-1からIABインディケーションを受信したことに応じて、無線測定を設定する測定設定をIABノード300-1に送信してもよい。IABノード300-1は、gNB200-1から測定設定を受信した後、無線測定の結果を含む測定報告をgNB200-1に送信する。gNB200-1は、IABノード300-1からの測定報告に基づいて、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであるか又は他のgNBが適切なドナーgNBであるかを判断する。例えば、gNB200-1は、測定報告に基づいて、自身(gNB200-1)に対する測定結果よりも他のgNBに対する測定結果が良好であり、かつ、これらの測定報告の差が閾値よりも大きい場合に、他のgNBが適切なドナーgNBであると判断する。そうでなければ、gNB200-1は、自身が適切なドナーgNBであると判断する。
【0055】
そして、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNB200-1であると判断した場合、gNB200-1は、IABノード設定メッセージをIABノード300-1に送信する。一方、他のgNBが適切なドナーgNBであると判断した場合、gNB200-1は、IABノード設定メッセージをIABノード300-1に送信することに代えて、IABノード300-1のハンドオーバを要求するハンドオーバ要求を当該他のgNBに送信する。これにより、IABノード300-1をより無線状態の良好な他のgNBにハンドオーバさせて、IABノード300-1が当該他のgNBとのバックホールリンク接続を確立できる。
【0056】
本実施形態において、gNB200-1は、バックホールリンク接続の確立後、IABノード300-1に関するコンテキスト情報を他のgNBに送信してもよい。このコンテキスト情報は、無線側のASレイヤの接続設定(RRC再設定の内容)、ネットワーク側のPDUセッションリソース設定(AMF又はRAN(Radio Access Network)のUE ID、セッションID、QoS(Quality of Service)/スライス設定等)、その他関連情報(IABノードの挙動や通信などの履歴情報、及び/又はプリファレンス情報などを含む。
【0057】
具体的には、gNB200-1は、IABノード300-1を他のgNBにハンドオーバさせるという判断を行っていなくても、IABノード300-1に関するコンテキスト情報を予め他のgNBに送信する。これにより、gNB200-1とIABノード300-1との間の無線状態が悪化し、IABノード300-1が他のgNBとの無線接続を再確立する場合に、予め共有したコンテキスト情報を用いて速やかな再確立を行うことができる。
【0058】
ここで、gNB200-1は、IABノード300-1とIABノード300-1のドナーgNBの候補とを対応付けるテーブルを保持していることが好ましい。gNB200-1は、テーブル中の候補である他のgNBに対してコンテキスト情報を送信する。これにより、gNB200-1は、コンテキスト情報を適切な他のgNBと共有できる。
【0059】
(1)通常動作シーケンスの一例
図6は、本実施形態に係る移動通信システム1における通常動作シーケンスの一例を示す図である。
【0060】
図6に示すように、ステップS101において、IABノード300-1は、例えばgNB200-1に対してランダムアクセスプロシージャを行うことにより、gNB200-1とのアクセスリンク接続(RRC接続)を確立する。IABノード300-1は、ランダムアクセスプロシージャ中にgNB200-1に送信するメッセージ(例えば、Msg3)にIABインディケーションを含めてもよい。また、gNB200-1は、ステップS101において、IABノード300-1に関するコンテキスト情報を取得する。
【0061】
ステップS102において、IABノード300-1は、gNB200-1を介して、5GC10(具体的には、AMF11)に対するアタッチプロシージャを行う。ここで、IABノード300-1は、IABインディケーションのような通知(つまり、IABノードとして動作したいことを示す通知)をAMF11に通知してもよい。これにより、IABノード300-1は、AMF11から、ドナーgNB(セル)の候補リストや下位ノードの有無などのルーティング情報、その他管理情報などを入手してもよい。もしくは、AMF11からドナーgNBの各候補に対して、IABノード300-1のアタッチがあった旨や、IABノード300-1のルーティング情報などのコンテキスト情報を通知してもよい。なお、IABノード300-1が既にアタッチしている場合は、ステップS102におけるアタッチ処理を省略可能である。具体的には、IABノード300-1は、ステップS101において、RRC再確立(Reestablishment)などのように、何らかのエラー発生によってドナーgNBとの接続を再確立しなければならない場合などにおいて、アタッチ処理を省略する。
【0062】
ステップS103において、IABノード300-1は、IABインディケーションをgNB200-1に送信する。IABノード300-1は、次のイベントのうち1又は複数が満たされたことをトリガとしてIABインディケーションを送信してもよい。
【0063】
・Msg5(RRC Complete)を送信する際。
【0064】
・gNBとの接続が確立した際(Msg5以降でもよい。例えば最初のRRC再設定が行われた際)。
【0065】
・AMFからIAB設定情報(上記参照)を入手した際(既にIAB設定情報を持っている場合も含む)。
【0066】
・単純にIABノードとして動作したくなった際(上位レイヤからIABノードとして動作する指示を受信したことを含む)。
【0067】
・下位のIABノード300-2又はUE100-3からIABノードとなるように要求された場合(その旨の要求を示す信号を下位のIABノード300-2又はUE100-3から受信した場合)。
【0068】
・下位のIABノード300-2又はUE100-3が既に接続している場合。
【0069】
IABノード300-1は、例えばgNB200-1に送信するRRCメッセージにIABインディケーションを含める。かかるRRCメッセージは、UEとしての能力を示す「UE Capability Information」メッセージであってもよい。但し、ステップS101においてIABインディケーションを送信している場合、ステップS103は省略可能である。
【0070】
或いは、IABインディケーションは、AMF11からPDUセッションリソースの変更という形でgNB200-1に通知されてもよい。なお、AMFは、IAB管理用(専用)のAMFであってもよい。
【0071】
本通常動作シーケンスにおいては、gNB200-1がドナー能力を有すると仮定して説明を進める。gNB200-1は、IABインディケーションに基づいて、バックホールリンク接続をIABノード300-1に確立させる必要があると判断する。
【0072】
ステップS104において、gNB200-1は、無線測定を設定する測定設定をIABノード300-1に送信する。IABノード300-1は、測定設定に基づいて無線測定を行う。例えば、IABノード300-1は、現在のサービングセルであるgNB200-1のセルと、隣接セルであるgNB200-2のセルとに対して受信電力(セル固有参照信号の受信電力)の測定を行う。
【0073】
ステップS105において、IABノード300-1は、無線測定の結果を含む測定報告をgNB200-1に送信する。gNB200-1は、測定報告に基づいて、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであるか又は他のgNBが適切なドナーgNBであるかを判断する。ここでは、gNB200-1が、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであると判断したと仮定して説明を進める。なお、ステップS104及びステップS105の処理は必須ではなく、省略してもよい。
【0074】
ステップS106において、gNB200-1は、IABノード設定メッセージ(RRC再設定メッセージ)をIABノード300-1に送信する。IABノード設定メッセージは、gNB200-1のセル(すなわち、IABノード300-1の現在のサービングセル)をハンドオーバ先として指定するハンドオーバ指示を含んでもよい。IABノード300-1は、IABノード設定メッセージに基づいて、バックホールリンク接続をgNB200-1と確立する処理を行う。かかる確立処理は、IABノード設定メッセージ中の設定情報に基づいて、バックホールリンク用のプロトコルスタック(アダプテーション/RLC/MAC/PHYエンティティ)を生成したり、パラメータ設定したりする処理を含む。かかる確立処理は、UE側(のアクセスリンク用)のプロトコルスタックを準備して、同期信号やセル固有参照信号の送信を開始する処理(もしくは、開始する準備をする処理)を含んでもよい。
【0075】
ステップS107において、IABノード300-1は、バックホールリンク接続の確立を含むIABノード設定が完了したことを示す完了通知メッセージをgNB200-1に送信する。ステップS107以降は、IABノード300-1はgNB200-1に対してUEとして振る舞うのではなく、IABノードとして振る舞う。
【0076】
ステップS108において、gNB200-1は、ステップS101において取得したコンテキスト情報を、Xnインターフェイス上でgNB200-2に転送する。gNB200-1は、IABノード300-1とIABノード300-1のドナーgNBの候補とを対応付けるテーブルを保持しており、このテーブルを参照してコンテキスト転送先を決定する。このようにして、gNB200-1が、他のgNBに対してコンテキストを事前に転送しておけば、IABノード300-1と接続しているgNBとの無線接続状態が悪化した場合に、直ぐに、当該他のgNBとの再接続を確立することができる。図7は、コンテキスト転送先を決定するためのテーブルの一例を示す図である。かかるテーブルは、例えばオペレータにより各gNBに対して予め設定される。図7に示すように、テーブルにおいて、IABノードごとに、そのドナーgNBの候補が対応けられている。具体的には、IABノードに関する識別子ごとに、そのドナーgNBの候補の識別子が対応けられている。例えば、IABノードに地理的に近いgNBがそのIABノードのドナーgNBの候補として設定される。なお、図7のテーブルは、gNBとの対応付けの例を示したが、セルIDとの対応付けであってもよい。セルIDは、物理レイヤセルIDでもよく、グローバルセルIDでもよい。なお、gNB200-1は、IABノード300-1から受信した測定報告に基づいて、IABノード300-1に地理的に近いgNB200-1をドナー候補として決定してもよい。gNB200-1は、当該決定したドナー候補に基づいて、IABノード300-1と当該IABノード300-1のドナーgNBの候補とを対応付けるテーブルを作成又は既存のテーブルを更新してもよい。
【0077】
ステップS109において、gNB200-1は、IABノード300-1とのバックホールリンク接続を確立したことを示す通知を5GC10に送信する。もしくは、gNB200-1は、IABノード用のPDUセッションの確立要求を5GC10に送信してもよい。なお、上述したように、PDUセッションの確立要求は、ステップS109よりも先に又はステップS109においてAMF11からgNB200-1に送信されてもよい。
【0078】
(2)例外動作シーケンスの一例
図8は、本実施形態に係る移動通信システム1における例外動作シーケンスの一例を示す図である。例外動作シーケンスにおいて、gNB200-1は、IABノード300-1をgNB200-2にハンドオーバさせる。
【0079】
図8に示すように、ステップS201において、IABノード300-1は、例えばgNB200-1に対してランダムアクセスプロシージャを行うことにより、gNB200-1とのアクセスリンク接続(RRC接続)を確立する。IABノード300-1は、ランダムアクセスプロシージャ中にgNB200-1に送信するメッセージ(例えば、Msg3)にIABインディケーションを含めてもよい。また、gNB200-1は、ステップS201において、IABノード300-1に関するコンテキスト情報を取得する。
【0080】
ステップS202において、IABノード300-1は、gNB200-1を介して、5GC10(具体的には、AMF11)に対するアタッチプロシージャを行う。
【0081】
ステップS203において、IABノード300-1は、IABインディケーションをgNB200-1に送信する。IABノード300-1は、例えばgNB200-1に送信するRRCメッセージにIABインディケーションを含める。かかるRRCメッセージは、UEの能力を示す「UE Capability Information」メッセージであってもよい。但し、ステップS201においてIABインディケーションを送信している場合、ステップS203は省略可能である。
【0082】
ステップS204において、gNB200-1は、自身がドナー能力を有するか否かを判断する。gNB200-1がドナー能力を有しない場合(ステップS204:NO)、gNB200-1は、処理をステップS208に進める。
【0083】
gNB200-1がドナー能力を有する場合(ステップS204:YES)、ステップS205において、gNB200-1は、無線測定を設定する測定設定をIABノード300-1に送信する。IABノード300-1は、測定設定に基づいて無線測定を行う。例えば、IABノード300-1は、現在のサービングセルであるgNB200-1のセルと、隣接セルであるgNB200-2のセルとに対して受信電力(セル固有参照信号の受信電力)の測定を行う。
【0084】
ステップS206において、IABノード300-1は、無線測定の結果を含む測定報告をgNB200-1に送信する。
【0085】
ステップS207において、gNB200-1は、測定報告に基づいて、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであるか又は他のgNBが適切なドナーgNBであるかを判断する。自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであると判断した場合(ステップS207:YES)、gNB200-1は、上述した通常動作シーケンス(図6参照)のステップS106に処理を進める。
【0086】
一方、他のgNBが適切なドナーgNBであると判断した場合(ステップS207:NO)、gNB200-1は、ステップS208に処理を進める。
【0087】
ステップS208において、gNB200-1は、IABノード300-1から受信したIABインディケーションを含むハンドオーバ要求メッセージをXnインターフェイス上でgNB200-2に転送する。gNB200-1は、ステップS201において取得したコンテキスト情報をハンドオーバ要求メッセージに含めてもよい。または、gNB200-1は、ハンドオーバ要求メッセージに、IABインディケーションを含める代わりに、IABノード300-1がgNBに対してドナーgNBとして機能することを要求する旨を示す情報を含めて送信してもよい。なお、ステップS208において、gNB200-1は、gNB200-2がドナー能力を有すると判断した上で、ハンドオーバ要求メッセージをXnインターフェイス上でgNB200-2に転送してもよい。具体的には、例えば、gNB200-1は、図7に示すテーブルにおいて、IABノード300-1にドナー候補としてgNB200-2が対応付けられていると判断した場合に、ハンドオーバ要求メッセージをgNB200-2に対して転送してもよい。この場合、gNB200-2がハンドオーバ要求を拒否する可能性が低減されるため、IABノード300-1のハンドオーバをより早急に実行することができる。または、互いに隣接する複数のgNB200間でXnインターフェイスを介して、自身のドナー能力に関する情報を事前に共有してもよい。これによって、gNB200-1は、ドナー能力を有する隣接のgNB200を特定することができ、当該特定した隣接のgNB200に対してハンドオーバ要求メッセージを転送することができる。
【0088】
gNB200-2は、ハンドオーバ要求メッセージに含まれるIABインディケーションも考慮して、IABノード300-1のハンドオーバを受け入れるか否かを判断する。gNB200-2は、自身がドナー能力を有しない場合には、ハンドオーバ要求を拒否してもよい。ここではgNB200-2がIABノード300-1のハンドオーバを受け入れると判断したと仮定して説明を進める。
【0089】
ステップS209において、gNB200-2は、ハンドオーバ肯定応答メッセージをXnインターフェイス上でgNB200-1に送信する。
【0090】
ステップS210において、gNB200-1は、gNB200-2からのハンドオーバ肯定応答メッセージに基づいて、ハンドオーバ指示メッセージ(RRC再設定メッセージ)をIABノード300-1に送信する。ハンドオーバ指示メッセージは、ハンドオーバ先のgNB200-2(のセル)を指定する情報を含む。
【0091】
ステップS211において、IABノード300-1は、gNB200からのハンドオーバ指示メッセージに基づいて、gNB200-2へのハンドオーバを行う。
【0092】
(3)マルチホップ接続シーケンスの一例
図9は、本実施形態に係る移動通信システム1におけるマルチホップ接続シーケンスの一例を示す図である。マルチホップ接続シーケンスは、IABノード300-1とgNB200-1との間にバックホールリンク接続が接続された後において、IABノード300-1にIABノード300-2又はUE100-2が接続する場合のシーケンスである。ここではIABノード300-1にIABノード300-2が接続する場合について主として説明するが、IABノード300-2をUE100-2と適宜読み替えてもよい。また、上述した「(1)通常動作シーケンス」と重複する説明を省略する。
【0093】
図9に示すように、ステップS301において、IABノード300-2は、IABノード300-1を介してgNB200-1に対してランダムアクセスプロシージャを行うことにより、gNB200-1とのアクセスリンク接続(RRC接続)を確立する。IABノード300-2は、ランダムアクセスプロシージャ中にgNB200-1に送信するメッセージ(例えば、Msg3)にIABインディケーションを含めてもよい。また、gNB200-1は、ステップS301において、IABノード300-2に関するコンテキスト情報を取得する。
【0094】
ステップS302において、IABノード300-2は、IABノード300-2及びgNB200-1を介して、5GC10(具体的には、AMF11)に対するアタッチプロシージャを行う。ここで、IABノード300-2は、IABインディケーションのような通知(つまり、IABノードとして動作したいことを示す通知)をAMF11に通知してもよい。これにより、IABノード300-2は、AMF11から、ドナーgNB(セル)の候補リストや下位ノードの有無などのルーティング情報、その他管理情報などを入手してもよい。もしくは、AMF11からドナーgNBの各候補に対して、IABノード300-2のアタッチがあった旨や、IABノード300-2のルーティング情報などのコンテキスト情報を通知してもよい。なお、IABノード300-2が既にアタッチしている場合は、ステップS302におけるアタッチ処理を省略可能である。具体的には、IABノード300-2は、RRC再確立(Reestablishment)などのように、何らかのエラー発生によってドナーgNBとの接続を再確立しなければならない場合などにおいて、アタッチ処理を省略する。
【0095】
ステップS303において、IABノード300-2は、IABノード300-1を介してIABインディケーションをgNB200-1に送信する。IABノード300-2は、上述した「(1)通常動作シーケンス」のステップS103において説明したトリガと同様なトリガに応じてIABインディケーションを送信してもよい。
【0096】
IABノード300-2は、例えばgNB200-1に送信するRRCメッセージにIABインディケーションを含める。かかるRRCメッセージは、UEとしての能力を示す「UE Capability Information」メッセージであってもよい。但し、ステップS301においてIABインディケーションを送信している場合、ステップS303は省略可能である。
【0097】
或いは、IABインディケーションは、AMF11からPDUセッションリソースの変更という形でgNB200-1に通知されてもよい。なお、AMFは、IAB管理用(専用)のAMFであってもよい。
【0098】
本動作シーケンスにおいては、gNB200-1がドナー能力を有すると仮定している。そのため、gNB200-1は、IABインディケーションに基づいて、バックホールリンク接続をIABノード300-1とIABノード300-2との間に確立させる必要があると判断する。
【0099】
ステップS304において、gNB200-1は、無線測定を設定する測定設定をIABノード300-2に送信する。IABノード300-2は、測定設定に基づいて無線測定を行う。
【0100】
ステップS305において、IABノード300-2は、無線測定の結果を含む測定報告を、IABノード300-1を介してgNB200-1に送信する。gNB200-1は、測定報告に基づいて、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであるか又は他のgNBが適切なドナーgNBであるかを判断する。ここでは、gNB200-1が、自身(gNB200-1)が適切なドナーgNBであると判断したと仮定して説明を進める。なお、ステップS304及びステップS305の処理は必須ではなく、省略してもよい。
【0101】
ステップS306において、gNB200-1は、IABノード設定メッセージ(RRC再設定メッセージ)をIABノード300-2に送信する。IABノード300-2は、IABノード設定メッセージに基づいて、バックホールリンク接続をIABノード300-1と確立する処理を行う。かかる確立処理は、IABノード設定メッセージ中の設定情報に基づいて、バックホールリンク用のプロトコルスタック(アダプテーション/RLC/MAC/PHYエンティティ)を生成したり、パラメータ設定したりする処理を含む。かかる確立処理は、UE側(のアクセスリンク用)のプロトコルスタックを準備して、同期信号やセル固有参照信号の送信を開始する処理(もしくは、開始する準備をする処理)を含んでもよい。
【0102】
ステップS307において、gNB200-1は、RRC再設定メッセージをIABノード300-1に送信する。かかるRRC再設定メッセージは、IABノード300-2の追加に伴ってIABノード300-1における設定を変更するためのメッセージである。かかるRRC再設定メッセージは、例えば、IABノード300-2の論理チャネルとIABノード300-1のバックホールリンクの論理チャネルとの対応付けを示すマッピング情報を含む。なお、ステップS307は、ステップS306の前であってもよいし、ステップS306と同時であってもよい。
【0103】
ステップS308において、IABノード300-2は、IABノード300-1とのバックホールリンク接続の確立を含むIABノード設定が完了したことを示す完了通知メッセージをgNB200-1に送信する。ステップS308以降は、IABノード300-2はgNB200-1に対してUEとして振る舞うのではなく、IABノードとして振る舞う。
【0104】
ステップS309において、IABノード300-1は、IABノード300-2とのバックホールリンク接続の確立に伴う設定変更が完了したことを示す完了通知メッセージをgNB200-1に送信する。なお、ステップS309は、ステップS308の前であってもよいし、ステップS308と同時であってもよい。
【0105】
ステップS310において、gNB200-1は、ステップS301において取得したIABノード300-2のコンテキスト情報を、Xnインターフェイス上でgNB200-2に転送する。
【0106】
ステップS311において、gNB200-1は、IABノード300-2のバックホールリンク接続を確立したことを示す通知を5GC10に送信する。もしくは、gNB200-1は、IABノード300-2用のPDUセッションの確立要求を5GC10に送信してもよい。なお、上述したように、PDUセッションの確立要求は、ステップS311よりも先に又はステップS311においてAMF11からgNB200-1に送信されてもよい。
【0107】
[第1実施形態の変更例]
上述した第1実施形態において、IABノード300-1がgNB200-1に無線で接続した後に、gNB200-1がドナー能力を有しないことに応じてIABノード300-1をハンドオーバさせる一例について説明した。しかしながら、各gNB200は、自身がドナー能力を有するか否かに関する情報をIABノード300-1に提供してもよい。これにより、IABノード300-1は、ドナー能力を有するgNB200を選択したうえで接続することが可能になる。例えば、ドナー能力を有するgNB200は、ドナー能力を有することを示す情報をシステム情報ブロック(SIB)に含めてブロードキャストする。IABノード300-1は、かかるSIBに基づいて、接続先とするgNB200を選択する。IABノード300-1は、ドナー能力を有するgNB200であって、且つ、このgNB200からの受信電力が閾値以上である場合に、このgNB200を接続先として選択してもよい。または、gNB200がドナー能力を有しない場合には、IABノード300-1は、gNB200から送信されたSIBを受信したことに応じて、他のgNB200を再選択してもよい。その後、他のgNB200から送信されたSIBにより当該他のgNB200がドナー能力を有することが示される場合には、IABノード300-1は、当該他のgNB200を接続先として、ランダムアクセスプロシージャを行うと共にIABインディケーションを送信してもよい。
【0108】
或いは、各gNB200は、自身がドナー能力を有することをSIBにより通知することに加えて、又は自身がドナー能力を有することをSIBにより通知することに代えて、自身がIABノード300を取り扱う能力を有することをSIBにより通知してもよい。例えば、各gNB200は、自身がIABノード300を他のgNB(ドナーgNB)にハンドオーバする機能を有することをSIBにより通知してもよい。
【0109】
上述した第1実施形態において、IABノード300がランダムアクセスプロシージャ中にgNB200に送信するメッセージ(例えば、Msg3)にIABインディケーションを含める一例について説明した。ここで、Msg3は、例えばRRC Setup Requestメッセージである。また、IABノード300は、Msg3中のフィールド(情報要素)であるEstablishment CauseにIABインディケーションを含めてもよい。
【0110】
或いは、IABノード300は、ランダムアクセスプロシージャ中にgNB200に送信するランダムアクセスプリアンブル(Msg1)を利用して、IABインディケーションを通知してもよい。例えば、IABインディケーション用のPRACH(Physical Random Access Channel)リソースがSIBにより通知される場合、IABノード300は、通知されたIABインディケーション用のPRACHリソースの中から選択したPRACHリソースを用いてランダムアクセスプリアンブルを送信する。これにより、IABノード300は、IABインディケーションを通知してもよい。ここで、PRACHリソースとは、時間・周波数リソースであってもよいし、信号系列(プリアンブル系列)であってもよい。
【0111】
或いは、IABノード300は、ランダムアクセスプロシージャ以外のタイミングでIABインディケーションを通知してもよい。例えば、IABノード300は、UE Assistance Informationメッセージ等のRRCメッセージにIABインディケーションを含めてもよい。
【0112】
上述した第1実施形態において、gNB200が、無線測定を設定する測定設定をIABノード300又はUE100に送信し、無線測定の結果を含む測定報告を受信することにより、自身(gNB200)が適切なドナーgNBであるか又は他のgNBが適切なドナーgNBであるかを当該測定報告に基づいて判断する一例について説明した。しかしながら、gNB200は、このような初期接続時に測定結果を利用する場合に限らず、ネットワークトポロジの変更やデータ転送経路の変更に測定報告を利用してもよい。
【0113】
[第2実施形態]
第2実施形態について、上述した第1実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態は、上述した第1実施形態と併用して実施してもよいし、上述した第1実施形態とは別に実施してもよい。
【0114】
IABノード300の直下の下位装置は、IABノード300との無線リンク障害(RLF)を検知した場合、他のセルを再選択し、再選択したセルに対して接続の再確立を試みる。しかしながら、RLFは、基本的には下りリンクの受信状態に基づいて検知されるため、IABノード300は、下位装置がRLFを検知したことを把握できない可能性がある。
【0115】
ここで、RLFに関連する下位装置の一般的な動作について説明する。図10に示すように、下位装置は、N310回連続して同期外れ状態(out-of-sync)を検知した場合、無線問題(radio problem)を検知する。下位装置は、無線問題を検知すると、所定のタイマT310を開始させる。下位装置は、タイマT310を開始させた後、N311回連続して同期状態(in-sync)を検知した場合、タイマT310を停止させる。下位装置は、タイマT310が満了すると、RLFを検知するとともに、タイマT311を開始し、且つセル再選択動作(接続再確立処理)を開始する。そして、下位装置は、接続再確立に成功せずにタイマT311が満了すると、RRCアイドルモードに遷移する。
【0116】
図11は、第2実施形態に係るIABノード300の動作を示す図である。
【0117】
図11に示すように、ステップS601において、IABノード300は、自身の直下の下位装置から定期的に送信される上りリンク信号を受信する。下位装置とは、UE100、又はUE100とIABノード300との間に介在する他のIABノードをいう。上りリンク信号は、定期的に送信可能な信号であればよい。例えば、上りリンク信号は、MAC CE(例えば、バッファ状態報告)、RRCメッセージ(例えば、測定報告メッセージ)、及び/又は上りリンク参照信号を利用できる。
【0118】
ステップS602において、IABノード300は、下位装置からの上りリンク信号の受信に応じて、タイマを開始させる。このタイマに設定されるタイマ値は、ドナーgNB200-1から設定された値であってもよい。タイマ値は、下位装置が上りリンク信号を送信する周期よりも長い時間であってもよい。
【0119】
タイマを開始させた後、IABノード300は、下位装置から上りリンク信号を受信した場合(ステップS603:YES)、ステップS604において、タイマを停止させる。この場合、処理がステップS602に戻り、タイマを再開させる。
【0120】
一方、下位装置から上りリンク信号を受信することなく(ステップS603:NO)、タイマが満了した場合(ステップS605:YES)、ステップS606において、IABノード300は、下位装置がRLFを検知したと判断する。IABノード300は、自身の下位装置がRLFを検知したと判断した場合、自身の上位装置に対して、この下位装置に対応する無線ベアラ(バックホールリンク)の解放を要求してもよい。
【0121】
第2実施形態によれば、下位装置においてRLFが検知されたことをIABノード300が把握できる。
【0122】
図12は、第2実施形態に係る動作シーケンスの一例を示す図である。図12に示す例において、IABノード300-2は、下位装置としてのUE100-3と、上位装置としてのIABノード300-1とに無線で接続しており、UE100-3とIABノード300-1との間の通信を無線で中継する。IABノード300-2において、基地局機能部(DU)はUE100-3と無線で接続し、ユーザ装置機能部(MT)はIABノード300-1と無線で接続する。
【0123】
但し、下位装置は、IABノードであってもよい。また、IABノード300-2は、IABノード300-1を介さずにドナー装置(gNB200-1)に無線で接続していてもよい。この場合、上位装置とドナー装置とが同じ装置になる。
【0124】
図12に示すように、ステップS611において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、UE100-3との無線リンク障害(RLF)を検知する。このようなRLFはIABノード300-2の観点で、フロントホール(Fronthaul)RLFと呼ばれてもよい。
【0125】
RLFの検知方法は、上述した方法以外に、UE100-3からのACK/NACKに基づく方法を用いることができる。具体的には、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、例えば下りリンクのHARQ再送を行っても、ACKやNACKがUE100-3から返ってこない場合、UE100-3とのRLFを検知する。
【0126】
ステップS612において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、UE100-3とのRLFを検知したことを示す状態情報(RLF通知)をIABノード300-2のユーザ装置機能部(MT)に通知する。この状態情報(RLF通知)は、UE100-3に関する識別子、例えばUE識別子及び/又はベアラ識別子を含んでもよい。
【0127】
ステップS613において、IABノード300-2のユーザ装置機能部(MT)は、状態情報(RLF通知)を含むRRCメッセージを、IABノード300-1を介してドナーgNB200-1に送信する。ドナーgNB200-1は、このRRCメッセージに含まれる状態情報(RLF通知)に基づいて、UE100-3に対応するベアラを解放してもよい。
【0128】
図12に示すシーケンスを次のように変更してもよい。
【0129】
具体的には、ステップS612において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、UE100-3とのRLFを検知したことを示す状態情報(RLF通知)をIABノード300-2のF1-APエンティティに通知する。この状態情報(RLF通知)は、UE100-3に関する識別子、例えばUE識別子及び/又はベアラ識別子を含んでもよい。F1-APエンティティとは、フロントホールのインターフェイスであるF1インターフェイス上でドナーgNB200-1との通信を行う通信機能部をいう。
【0130】
ステップS613において、IABノード300-2のユーザ装置機能部(MT)は、状態情報(RLF通知)を含むF1-APメッセージを、IABノード300-1を介してドナーgNB200-1に送信する。ドナーgNB200-1は、このF1-APメッセージに含まれる状態情報(RLF通知)に基づいて、UE100-3に対応するベアラを解放してもよい。
【0131】
図12に示すシーケンスを次のように変更してもよい。
【0132】
具体的には、ステップS611において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、自身の配下の全ての下位装置がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移したことを検知する。
【0133】
ステップS612において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、自身の配下の全ての下位装置がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移したことを示す状態情報をIABノード300-2のユーザ装置機能部(MT)又はF1-APエンティティに通知する。
【0134】
ステップS613において、IABノード300-2のユーザ装置機能部(MT)又はF1-APエンティティは、基地局機能部(DU)からの状態情報に基づいて、自身のRRC接続を解放可能であることを示すRAI(Release Assistance Indication)を、IABノード300-1を介してドナーgNB200-1に送信する。ドナーgNB200-1は、このRAIに基づいて、UE100-3のRRC接続を解放してもよい。
【0135】
[第2実施形態の変更例]
第2実施形態において、IABノード300-2は、自身と下位装置との間のRLFをドナーgNB200-1に通知していた。しかしながら、下位装置が他のIABノードとの間で検知したRLFをドナーgNB200-1に通知してもよい。
【0136】
図13は、第2実施形態の変更例に係る動作シーケンスを示す図である。図13において、IABノード300-2とドナーgNB200-1との間に他のIABノードが介在してもよい。
【0137】
図13に示すように、ステップS621において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、IABノード300-2に接続する下位装置(UE100-3)から、IABノード300-3とのRLFの発生を示す通知を受信する。この通知は、RRC Reestablishmentメッセージ又はRLF Indicationであってもよい。
【0138】
例えば、UE100-3は、IABノード300-3とのRLFを検知し、IABノード300-2との接続再確立を行う。ここで、UE100-3は、RRC ReestablishmentメッセージをIABノード300-2に送信する。このRRC Reestablishmentメッセージは、UE100-3の識別子だけではなく、UE100-3がIABノード300-3に接続していたことを示す情報(IABノード300-3の識別子であってもよい)、及び/又は、UE100-3がIABノード300-3を介して接続していたドナー装置の識別子等を含んでもよい。
【0139】
或いは、UE100-3は、IABノード300-3及び300-2と同時に接続するデュアルコネクティビティ(DC)通信中に、IABノード300-3とのRLFを検知し、このRLFに関するRLF IndicationをIABノード300-2に送信する。IABノード300-3がマスタノード(MN)として設定されていた場合、このRLF Indicationは、MCG(Master Cell Group) RLF Indicationと呼ばれてもよい。RLF Indicationは、UE100-3の識別子、IABノード300-3の識別子、UE100-3がIABノード300-3を介して接続していたドナー装置の識別子等を含んでもよい。
【0140】
ステップS622において、IABノード300-2の基地局機能部(DU)は、ステップS621でUE100-3から受信した通知に含まれる情報を、IABノード300-2の端末機能部(MT)又はF1-APエンティティに通知する。
【0141】
ステップS623において、IABノード300-2の端末機能部(MT)又はF1-APエンティティは、基地局機能部(DU)から通知された情報を含むメッセージをドナーgNB200-1に送信する。このメッセージは、RRCメッセージ又はF1-APメッセージである。
【0142】
ドナーgNB200-1は、受信したメッセージに含まれる情報に基づいて、UE100-3が他のドナー装置の配下にあった、すなわち、他のドナー装置のトポロジに属していたと判定した場合、当該他のドナー装置に対して通知を行ってもよい。この通知は、UE100-3の識別子及びIABノード300-3の識別子のうち少なくとも一方を含んでもよい。
【0143】
[第3実施形態]
第3実施形態について、上述した第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態は、上述した第1実施形態及び第2実施形態と併用して実施してもよいし、上述した第1実施形態及び第2実施形態とは別に実施してもよい。
【0144】
図14は、第3実施形態に係る動作を示す図である。図14において、「DU」は基地局機能に相当し、「MT」はユーザ装置機能に相当する。
【0145】
図14に示すように、UE100-3は、ステップS701乃至S705の手順により上りリンクデータ(PDU)をIABノード300-2に送信する。具体的には、UE100-3は、スケジューリング要求(SR)をIABノード300-2に送信し(ステップS701)、BSR送信用の上りリンク無線リソースの割り当てを受け(ステップS702)、BSRを送信し(ステップS703)、上りリンクデータ送信用の上りリンク無線リソースの割り当てを受け(ステップS704)、上りリンクデータをIABノード300-2に送信する(ステップS705)。
【0146】
同様にして、IABノード300-2は、ステップS706乃至S710の手順により上りリンクデータ(PDU)をIABノード300-1に送信する。
【0147】
また、IABノード300-1は、ステップS711乃至S715の手順により上りリンクデータ(PDU)をドナーgNB200-1に送信する。
【0148】
本シーケンスにおいて、各IABノード300は、上りリンク無線リソースの割り当てを要求する第1スケジューリング要求を下位装置から受信する。そして、各IABノード300は、上りリンクデータ(PDU)を下位装置から受信するよりも前において、第2スケジューリング要求を上位装置に送信する。
【0149】
一般的に、スケジューリング要求は、送信するべき上りリンクデータを有する場合にトリガされるが、本実施形態では、送信するべき上りリンクデータを未だ有していない段階でスケジューリング要求をトリガしている。これにより、円滑な上りリンク無線リソースの割り当てを実現できる。
【0150】
例えば、ステップS706において、IABノード300-2は、UE100-3からBSRを受信(ステップS703)した際に、スケジューリング要求をIABノード300-1に送信する。
【0151】
IABノード300-2は、UE100-3からスケジューリング要求を受信(ステップS701)した後、UE100-3からBSRを受信(ステップS703)する前に、スケジューリング要求をIABノード300-1に送信してもよい。
【0152】
IABノード300-2は、UE100-3からスケジューリング要求を受信(ステップS701)した後、UE100-3に上りリンク無線リソースを割り当てた際(ステップS702)に、スケジューリング要求をIABノード300-1に送信(トリガ)してもよい。
【0153】
IABノード300-2は、UE100-3からスケジューリング要求を受信した際(ステップS701)に、スケジューリング要求をIABノード300-1に送信(トリガ)してもよい。
【0154】
本実施形態において、各IABノード300は、当該IABノード300が上りリンク送信に利用可能なデータの量を少なくとも示す第1のバッファ状態報告を上位装置に送信する。ここで、上位装置とは、ドナーgNB200の配下の他のIABノード(上位IABノード)又はドナーgNB200である。上位装置は、第1のバッファ状態報告に基づいて、上りリンク送信用の無線リソースをIABノード300に割り当てる。
【0155】
IABノード300は、上りリンク送信待ちのデータを一時的に記憶する上りリンクバッファを有する。例えば、IABノード300のMACレイヤは、当該上りリンクバッファ内のデータ量を示す情報を含む第1のバッファ状態を上位装置のMACレイヤに通知する。上位装置のMACレイヤはスケジューラを有しており、第1のバッファ状態に基づいて上りリンク無線リソースをIABノード300に割り当て、制御チャネルを介して割当リソースをIABノード300に通知する。
【0156】
ここで、IABノード300は、複数のUE分の上りリンクデータをバッファリングするため、UE100に比べて大容量の上りリンクバッファを有すると考えられる。よって、IABノード向けのバッファ状態報告は、UE向けのバッファ状態報告とは異なるフォーマットを有していてもよい。また、IABノード向けのバッファ状態報告が表現可能なデータ量(最大データ量)は、UE向けのバッファ状態報告が表現可能なデータ量(最大データ量)よりも大きくてもよい。
【0157】
IABノード向けのバッファ状態報告は、IABノード300の配下のUE100の数に関する情報を含んでもよい。IABノード300は、自身の配下のUE100の数をUEコンテキストやC-RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)等に基づいて判断してもよいし、自身の配下のUE100の数をドナーgNB200から通知されてもよい。IABノード300は、自身の配下のUE100のうち、自身の上りリンクバッファ内にデータがあるUE100の数をバッファ状態報告に含めてもよい。言い換えると、IABノード300は、自身がいくつのUE分の上りリンクデータを持っているかをバッファ状態報告により上位装置に通知してもよい。或いは、IABノード300は、自身の配下のUE100のうち、RRCコネクティッド状態にあるUE100の数をバッファ状態報告に含めてもよい。
【0158】
IABノード向けのバッファ状態報告は、IABノード300の上りリンクバッファ内に実際に存在するデータの量だけではなく、下位装置からのバッファ状態報告(すなわち、潜在的な上りリンクデータ量)が加味されてもよい。これにより、上位装置は、潜在的な上りリンクデータ量を考慮して、上りリンク無線リソースを予めIABノード300に割り当てておくことができるため、マルチホップに起因する上りリンクの伝送遅延を抑制できる。
【0159】
IABノード300は、下位装置から、下位装置が上りリンク送信に利用可能なデータの量を示す第2のバッファ状態報告を受信する。IABノード300は、第2のバッファ状態報告に基づいて、自身が上りリンク送信に利用可能なデータの量と下位装置が上りリンク送信に利用可能なデータの量とに基づく第1のバッファ状態報告を上位装置に送信する。例えば、IABノード300は、自身が上りリンク送信に利用可能なデータの量と下位装置が上りリンク送信に利用可能なデータの量との合計値を第1のバッファ状態報告に含めてもよい。或いは、IABノード300は、自身が上りリンク送信に利用可能なデータの量を示す第1のBSR値と、下位装置が上りリンク送信に利用可能なデータの量を示す第2のBSR値とを別々に第1のバッファ状態報告に含めてもよい。
【0160】
なお、IABノード300が上りリンク送信に利用可能なデータ量とは、自身の送信バッファ(MTのバッファ)のデータ量、自身の受信バッファ(DU)のデータ量、及び/又はアダプテーションエンティティのバッファ量を含んでもよい。
【0161】
[第4実施形態]
第4実施形態について、上述した第1実施形態乃至第3実施形態との相違点を主として説明する。本実施形態は、上述した第1実施形態乃至第3実施形態と併用して実施してもよいし、上述した第1実施形態乃至第3実施形態とは別に実施してもよい。
【0162】
図15は、第4実施形態に係るIABノード300の動作を示す図である。
【0163】
図15に示すように、IABノード300は、バックホールリンクを介して上位装置Aと無線で接続している。上位装置Aは、上位IABノード又はドナーgNB(ドナー装置)である。
【0164】
IABノード300には下位装置B1及びB2が接続しており、下位装置B2には下位装置B3が接続している。下位装置B4は、IABノード300の配下にない装置である。下位装置B1乃至B4は、下位IABノード又はUEである。以下において、下位装置B1乃至B4を特に区別しないときは単に下位装置Bと呼ぶ。
【0165】
第4実施形態において、上位装置Aと下位装置Bとの間の通信を無線で中継するIABノード300において、上位装置Aと無線で接続するユーザ装置機能部(MT)は、下位装置Bと無線で接続する基地局機能部(DU)に対して状態情報を通知する。
【0166】
この状態情報は、ユーザ装置機能部(MT)のRRC状態、及び上位装置Aとユーザ装置機能部(MT)との間の無線リンク状態(以下、バックホールリンク状態と呼ぶ)のうち、少なくとも一方の状態を示す情報である。これにより、基地局機能部(DU)は、バックホールリンク側の状態を考慮して下位装置Bに対するサービス提供を制御できる。
【0167】
ここで、ユーザ装置機能部(MT)のRRC状態は、コネクティッド、インアクティブ、及びアイドルのいずれかである。
【0168】
バックホールリンク状態は、下記の上記1)乃至6)のうち少なくとも1つの指標、又はこれらの指標の組み合わせに基づく状態である。
【0169】
1)RLFを検知した及びRLFから復帰したなどのRLF状態
2)RSRP(Reference Signal Received Power)などの無線品質
3)RLC(Radio Link Control)再送回数やRACH(Random Access Channel)再送回数などのリンク状態
4)RSSI(Received Signal Strength Indicator)、CBR(Channel Busy Ratio)、LBT(Listen Before Talk)状況などの混雑度
5)設定されている又は活性化されているセカンダリセル数、MIMO(Multiple Input Multiple Output)レイヤ数、割り当て無線リソース状況(例えば、準静的割り当てにおけるConfigured grantの増減、動的割り当てにおけるDynamic grantの増減)、スループット測定値などの通信容量
6)上りリンクスケジューリング遅延時間の測定値、上りリンクバッファ中のデータ量などの遅延状態
【0170】
バックホールリンク状態は、上記1)乃至6)の指標に基づくバックホールリンク状態の良好度合い、例えば、閾値よりも良好又は閾値よりも劣悪といった状態であってもよい。
【0171】
ユーザ装置機能部(MT)は、RRC状態の変化又はバックホールリンク状態の変化をトリガとして、状態情報を基地局機能部(DU)に通知してもよい。例えば、ユーザ装置機能部(MT)は、バックホールリンク状態が閾値条件を満たしたというイベントが発生した際に、状態情報を基地局機能部(DU)に通知する。
【0172】
或いは、ユーザ装置機能部(MT)は、状態情報を基地局機能部(DU)に周期的に通知してもよい。
【0173】
基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)からの状態情報に基づいて、下位装置Bに対するサービス提供を停止してもよい。下位装置Bに対するサービス提供を停止するとは、少なくとも1つの下りリンク無線信号の送信を停止することをいう。基地局機能部(DU)は、PSS(Primary Synchronization Signal)、PSS(Secondary Synchronization Signal)、MIB(Master Information Block)の送信を停止してもよい。
【0174】
例えば、基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移した場合、下位装置Bに対するサービス提供を停止してもよい。基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)がRRCコネクティッド状態に遷移した場合、下位装置Bに対するサービス提供を再開してもよい。
【0175】
基地局機能部(DU)は、バックホールリンクが劣化している場合、例えば、バックホールでRLFが検知された場合、下位装置Bに対するサービス提供を停止してもよい。基地局機能部(DU)は、バックホールリンクが良化した場合、下位装置Bに対するサービス提供を再開してもよい。
【0176】
或いは、基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)からの状態情報に基づいて、下位装置Bに対する無線リソース割り当て(スケジューリング)を制御してもよい。
【0177】
基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移した場合、下位装置Bに対するリソース割当を中止してもよい。なお、基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)がRRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態に遷移した際に、下位装置Bに上りリンクリソースを割り当てている場合がある。この場合、基地局機能部(DU)は、RRCコネクティッド状態に遷移するようにユーザ装置機能部(MT)に要求してもよい。
【0178】
基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)がRRCコネクティッド状態に遷移した場合、下位装置Bに対するリソース割当を再開してもよい。
【0179】
基地局機能部(DU)は、バックホールリンクが劣化している場合、例えば、バックホールでRLFが検知された場合、下位装置Bに対するリソース割当を中止してもよい。基地局機能部(DU)は、バックホールリンクが良化した場合、例えば、バックホールでRLFから復旧した場合、下位装置Bに対するリソース割当を再開してもよい。
【0180】
或いは、基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)からの状態情報に基づいて、バックホールリンクの劣化を示す通知、例えば、バックホールリンクのRLF発生を示す通知(以下、RLF notificationと呼ぶ)を下位装置Bに送信してもよい。RLF notificationは、IABノード300の識別子を含んでもよい。以下において、バックホールリンクの劣化を示す通知がRLF notificationである一例について説明する。
【0181】
基地局機能部(DU)は、RRCレイヤよりも下位のレイヤの制御信号によりRLF notificationを送信してもよい。基地局機能部(DU)は下位装置BとのRRC接続を有していないためである。RRCレイヤよりも下位のレイヤの制御信号は、MAC CE(Control Element)、RLC Control PDU(Protocol Data Unit)、又はPDCCH(Physical Downlink Control Channel)であるが、以下においてはMAC CEを用いる一例について説明する。
【0182】
基地局機能部(DU)は、RLF notificationをユニキャストで下位装置Bに送信してもよい。或いは、基地局機能部(DU)は、RLF notificationのシグナリング負荷を減らすために、RLF notificationをブロードキャスト又はマルチキャストで送信してもよい。ブロードキャスト又はマルチキャストを用いる場合、下位装置B3及びB4は、接続中のセル(上位IABノード)からのRLF notificationだけではなく、その他のセルのRLF notificationもモニタすることで、IABノード300からのRLF notificationを受信できる。
【0183】
基地局機能部(DU)は、例えば、予め仕様で定められた固定のRNTI(Radio Network Temporary Identifier)を用いてRLF notificationをブロードキャストで送信してもよい。基地局機能部(DU)は、下位装置のグループに割り当てた共通のRNTIを用いてRLF notificationをマルチキャストで送信してもよい。
【0184】
なお、ブロードキャスト/マルチキャストと、ユニキャストとを使い分けてもよい。この場合、基地局機能部(DU)は、RLF notificationがブロードキャスト/マルチキャストで送信されるか、ユニキャストで送信されるかをSIBで通知(ブロードキャスト)してもよい。下位装置Bは、このSIBに基づいて、RLF notificationの待ち受けモード、例えば、RLF notificationのモニタに用いるRNTIを変更してもよい。
【0185】
基地局機能部(DU)は、バックホールリンクの無線リンク状態が劣化している期間、例えば、バックホールリンクのRLFが発生している期間内において、RLF notificationを周期的に送信してもよい。この場合、RLF notificationが周期的に送信される期間内では、RLFが発生していることになる。或いは、基地局機能部(DU)は、バックホールリンクのRLFが発生した際にRLF notificationを送信し、バックホールリンクのRLFから復旧した際に復旧を示す通知を送信してもよい。以下においては、RLF notificationの周期的な送信により、バックホールリンクのRLFの発生及びRLFからの復旧を下位装置に示す一例について主として説明する。
【0186】
下位装置Bは、IABノード300からRLF notificationを受信する期間内では、バックホールリンクのRLFが発生していると判定する。RLF notificationの送信周期は、ドナー装置からIABノード300のユーザ装置機能部(MT)を介して基地局機能部(DU)に設定されてもよい。
【0187】
RLF notificationがマルチキャストで送信される場合、RLF notificationを受信した下位装置Bは、RLF notificationの受信に応じて、IABノード300に対するACK/NACKフィードバックの送信を開始してもよい。IABノード300は、配下の全ての下位装置B1乃至B3からACKを受信した場合、RLF notificationの周期的な送信を停止してもよい。
【0188】
RLF notificationを受信した下位装置B1乃至B3は、接続先又は通信経路をIABノード300から切り替えるための処理を行ってもよい。このような処理としては、例えば、接続再確立処理、条件付きハンドオーバのトリガ処理、通信経路切替処理、ハンドオーバ用の測定報告処理が挙げられる。なお、下位装置B1乃至B3は、このような切り替え処理を開始した後、切り替え処理を完了するまでの間において、IABノード300からのRLF notificationを受信しなくなった場合(又はバックホールRLFの復旧を示す通知を受信した場合)、IABノード300のバックホールリンクが復旧したと判定し、切り替え処理を中止してもよい。
【0189】
例えば、RLF notificationを受信した下位装置B1乃至B3は、IABノード300のセル以外のセルを探索するセルサーチを行い、適切なセルに対して接続再確立(RRC Reestablishment)を行う。ここで、下位装置B1乃至B3とIABノード300との間でRLFが発生していなくても、このような接続再確立処理を早期に行う。
【0190】
接続再確立処理は、時間的に分散して実行するように制御されていてもよい。例えば、下位装置B1乃至B3は、ランダム値やUE-IDを用いて接続再確立処理の実行開始時間を決定することにより、下位装置B1乃至B3の接続再確立処理の実行開始時間を分散させ、負荷の集中を防ぐことができる。なお、RLF notificationがユニキャストで送信される場合、基地局機能部(DU)がRLF notificationの送信タイミングを分散させることにより、下位装置B1乃至B3の接続再確立処理の実行開始時間を分散させてもよい。
【0191】
RLF notificationを受信した下位装置B1乃至B3は、自身がIABノード300と、IABノード300以外の上位装置とに接続してDC通信を行っている場合、IABノード300を経由する通信経路を他の上位装置に切り替えてもよいし、他の通信装置にRLF notificationを送信してもよい。例えば、下位装置Bは、IABノード300をマスタノード(MN)として設定し、他の上位装置をバックアップ用のセカンダリノード(SN)として設定している場合、MNを経由する通信経路をSNに切り替える。
【0192】
RLF notificationを受信した下位装置B1乃至B3は、自身に条件付きハンドオーバが設定されている場合、条件が満たされたとみなして、ハンドオーバを行ってもよい。ハンドオーバ条件がサービングセルの無線品質劣化を示すイベントである場合、サービングセルの無線品質測定結果を低く修正する(例えば、-200dBmとみなす)ことにより、強制的にハンドオーバをトリガしてもよい。
【0193】
RLF notificationを受信した下位装置B1乃至B3は、測定報告の送信をトリガしてもよい。ここで、一般的な測定報告はRRCメッセージで送信されるが、基地局機能部(DU)はRRCレイヤを有していない。このため、IABノード300は、バックホールリンクのRLFから復旧するまでは下位装置Bからの測定報告を保持し、バックホールリンクのRLFから(一時的に)復旧した際にドナー装置に転送し、ドナー装置が下位装置Bをハンドオーバさせてもよい。
【0194】
RLF notificationを受信した下位装置B4は、接続先の候補としてIABノード300を除外するための処理を行ってもよい。例えば、RLF notificationを受信した下位装置B4は、RRCアイドル状態又はRRCインアクティブ状態におけるセル再選択動作において、IABノード300のセルの優先度を下げる、もしくは再選択対象から除外する、もしくはIABノード300についての受信電力測定値を低く調整する。これにより、接続先の候補としてIABノード300が除外されるようにしてもよい。ここで、受信電力測定値を低く調整するために、実際の受信電力測定値に対してオフセット値を適用してもよい。当該オフセット値は予め決められた固定値であってもよい。もしくは当該オフセット値はネットワークから通知された値であってもよく、当該通知は下位装置B4が現在キャンプしているセルの報知情報(SIB)によって通知されてもよい。
【0195】
下位装置B4は、接続先の候補としてIABノード300を除外するための処理を、RRCコネクティッド状態に遷移する際のRRC Setup Request処理又はRRC Resume Request処理を開始する前のタイミングで行ってもよい。
【0196】
具体的には、下位装置B4は、RRC Setup Requestを送信する前に、送信先候補のセルがRLF notificationを通知しているか否かの確認を行う。下位装置B4は、送信先候補のセルがRLF notificationを通知していない場合はRRC Setup Requestを送信する。送信先候補のセルがRLF notificationを通知している場合はRRC Setup Requestの送信を停止(もしくは中止)し、前記セル再選択動作を行うことにより、適切なRRC Setup Request送信先を選択する。
【0197】
下位装置B4は、IABノード300からのRLF notificationを受信しなくなった場合(又はバックホールRLFの復旧を示す通知を受信した場合)、IABノード300のバックホールリンクが復旧したと判定し、接続先の候補としてIABノード300を除外するための処理を中止してもよい。
【0198】
図16は、第4実施形態に係る動作の一例を示す図である。図16において、IABノード(Parent IAB node)300とドナーgNB(IAB doner)200との間に他のIABノードが介在してもよい。
【0199】
図16に示すように、ステップS801において、IABノード300のユーザ装置機能部(MT)は、無線問題(radio problem)を検知する。
【0200】
ステップS802において、IABノード300のユーザ装置機能部(MT)は、RLFを検知する(RLF declaration)。
【0201】
ステップS803において、IABノード300のユーザ装置機能部(MT)は、RLFの発生を示す状態情報をIABノード300の基地局機能部(DU)に通知する。
【0202】
ステップS804において、IABノード300の基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)からの通知に応じて、RLF notificationの周期的な送信を開始する。
【0203】
ステップS805において、RLF notificationを受信した下位装置Bは、接続先又は通信経路をIABノード300から切り替えるための処理を開始する。このような処理としては、例えば、接続再確立処理(Early RRC Re-establishment)、条件付きハンドオーバのトリガ処理(Triggering Conditional HO)、通信経路切替処理(Switching to redundant route)が挙げられる。
【0204】
ステップS806において、IABノード300のユーザ装置機能部(MT)は、例えばT310動作中に接続再確立を行うことができず、T310の満了に応じてRRCアイドル状態に遷移する(Go to IDLE)。
【0205】
ステップS807において、IABノード300のユーザ装置機能部(MT)は、RRCアイドル状態への遷移を示す状態情報をIABノード300の基地局機能部(DU)に通知する。
【0206】
ステップS808において、IABノード300の基地局機能部(DU)は、ユーザ装置機能部(MT)からの通知に応じて、下位装置Bへのサービス提供を停止する(Service stopped)。
【0207】
ステップS809において、下位装置Bは、IABノード300からのサービス提供が停止されたことにより、RLFを検知する。
【0208】
[その他の実施形態]
上述した実施形態において、移動通信システム1が5G移動通信システムである一例について主として説明した。しかしながら、移動通信システム1における基地局はeNBであってもよい。また、移動通信システム1におけるコアネットワークはEPC(Evolved Packet Core)であってもよい。さらに、gNBがEPCに接続することもでき、eNBが5GCに接続することもでき、gNBとeNBとが基地局間インターフェイス(Xnインターフェイス、X2インターフェイス)を介して接続されることもできる。
【0209】
なお、上述した実施形態に係る各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。UE100及びeNB200が行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップセットが提供されてもよい。
【0210】
なお、各図において示されるフローは、適宜組み合わされても良い。
【0211】
[付記1]
1.序論
統合されたアクセスとバックホールに関する新しいワークアイテムが承認された。WIDは、目的の1つとしてバックホール無線リンク障害(BH RLF)処理を指定することを定める。
【0212】
以下を含むアーキテクチャ1aに続くIABノードの仕様
・[…]
・低遅延スケジューリング、BH RLF処理、及びマルチホップトポロジ全体のリソース調整をサポートするためのシグナリングのホップバイホップ伝搬
・[…]
L2トランスポート及びリソース管理のシグナリングの仕様
・[…]
・BH RLF処理の仕様(例:ダウンストリームBH RLF通知)
【0213】
この付記では、研究項目からの結果に加えてBH RLF処理の最初の考慮が議論される。
【0214】
2.議論
TRは、セクション9.7.14及び9.7.15において、マルチホップの無線バックホールのBH RLFに起因する問題を特定する。セクション間の共通の問題は、子IABノード/UEが親IABノードにおけるBH RLFを認識していないことである。これにより、BH RLFは、FR2やマルチホッピングなどの高周波数の無線バックホールにおいて頻繁に発生する可能性がある。結果として、ユーザの観点から、サービスの回復が遅れることを含むサービスが大幅に中断される。
【0215】
このような悪いユーザーエクスペリエンスを回避するために、TRは次のように潜在的な解決策も特定する。
【0216】
9.7.14アーキテクチャ1aにおけるBH RLFのダウンストリーム通知
「選択肢1:IABノードDUはサービスを中止する。その結果、子ノードもBH RLFを決定し、上記の手順に従って回復する。」
「選択肢2:IABノードDUは、アップストリームRLFについて子IABノードに明示的に警告する。この警告を受信した子IABノードは、警告をさらに下流に転送し得る。このような警告を受信した各IABノードは、上記のBH-RLF回復を開始する。」
「選択肢3:全てのIABノードは、BH品質などに関する情報を子又は親のIABノードと定期的に共有し得る。このようにして、明示的な動作を実行しなくても、ダウンストリーム又はアップストリームRLFを検知し得る。」
9.7.15効率的なバックホールリンク障害の復旧
「バックホール障害のために親ノードとして機能できないノードのリストを含む、バックホール障害に関する情報は、ダウンストリームIABノードに提供され得る。」(選択肢4)
「事前(つまり、RLFの発生前)における代替バックホールリンクとルートの準備」(選択肢5)
【0217】
2.1.IABノードがサービスを中止する(選択肢1)
選択肢1は、BH RLF情報が子IABノード及びUEに暗示的に伝搬されるため、セクション9.7.14と9.7.15との間の共通の問題のための一般的な解決策と見なし得る。BH RLFが子IABノードだけでなく、(BH RLFに直面する親IABノードに接続される)UEにも影響することを考慮すると、選択肢1は既存のRLFと回復メカニズムに依存することが予想されるため、選択肢1がRel-15 UEでサポートされることは重要な側面である。一方、他の選択肢にはRel-16の機能が必要であろう。Rel-15 UEの場合でもサービスの中断を最小限に抑えるには、BH RLFの問題のためのベースラインの解決策として選択肢1を指定すべきである。
【0218】
提案1:RAN2は、選択肢1、つまりIABノードがBH RLFでサービスを停止すること、及び選択肢1はRel-15 UEにも有効であるため、ベースラインの解決策であることに同意すべきである。
【0219】
選択肢1の説明によれば、解決策は「子ノードもBH RLFを判定する」ことを容易にすべきである。技術的には、子IABノードのMT及びUEは、「サービス」が中断された場合にRLFを宣言すべきである。簡単な解決策は、BH RLF下にある親IABノードが、PSS、SSS、MIB、及びSIB1の送信を停止することである。これにより、子IABノード及びUEの無線問題を意図的に作成する。
【0220】
提案2:RAN2は、「サービス」を中止することを決定した場合に、IABノードがPSS、SSS、MIB、及びSIB1の送信を停止することに同意すべきである。
【0221】
提案2に同意できる場合は、いつ信号が停止するかを厳密に定義すべきである。BH RLFにあることはTRから大まかに理解できるが、BH RLFが何であるか、及び「サービス」がいつ停止するかは不明確である。明らかに、BH RLFは、IABノードのMTとIABドナーのDU(例えば、親IABノードのDU)の間のRLFと見なし得る。UEとgNB間の既存のRLFを使用した場合とまったく同じように理解し得る。したがって、BH RLFは、無線バックホールリンクにおけるRLFとしてモデル化される。
【0222】
提案3:RAN2は、BH RLFに既存のRLFメカニズムの再利用に同意すべきである。
【0223】
提案3に同意できる場合、現在のUEの動作はRLFを宣言した後でも、つまりRRC再確立を開始するためにRRC接続を維持するため、RLFでサービスを実際に停止する必要があるかどうかは疑問である。UEがRRC接続を正常に再確立すると、最小の中断時間でサービスが回復する。そのため、IABノードは、MTがRRC IDLEに入った場合、つまりRRC再確立が失敗した場合にのみ、「サービス」を停止すべきであることが分かる。
【0224】
提案4:RAN2は、MTがRLFを宣言した場合ではなく、MTがRRC IDLEに入った場合、IABノードのDUが「サービス」を停止することに同意すべきである。
【0225】
上記のように、選択肢1は、Rel-15のUEを含むあらゆる種類のケースとデバイスをカバーするための基盤であり、サービスの迅速な回復などの点で最良の解決策を意味するものではない。そのため、このWIで規定されるべき他の多くの機能があるので、他の選択肢は選択肢1に加えて依然として有益であり、時間が許す限り議論され得る。
【0226】
所見1:選択肢1に加え他の選択肢は、サービス品質をさらに向上させるという点で依然として有益である。
【0227】
2.2.IABノードはダウンストリームノードに通知する(選択肢2、選択肢4)
子IABノードが回復手順を迅速及び/又は効率的に開始することを容易にするため、親IABノードがそのBH RLFに関連する情報を子IABノードに通知することは役立つ。TRは、「アップストリームRLFについて子IABノードに明示的に警告する」(選択肢2)のような可能な情報要素、又は「親ノードとして機能できないノードのリストを含むバックホール障害に関する」(選択肢4)情報をキャプチャする。
【0228】
ただし、親IABノードでBH RLFが発生した場合に、子IABノードにそのような情報を提供する方法は不明確である。研究項目は、「RAN-3は将来の規範的段階にアーキテクチャ1aを推奨する」と結論付けた。これは、IABノードがDUとMTで構成され、IABドナーが(DUと)CUで構成されることを意味する。CUはDUとCUとの間のRRCを担当し、BH RLFはMTのRRCで検出される。そのため、考慮すべき2つの異なるRRCがある。親IABノードのMT上におけるRRCは、BH RLFを検出し、IABドナーの異なるRRCは子IABノードに送信されるRRCメッセージを生成する。
【0229】
物理的な無線リンクがBH RLFで切断されることを考慮すると、ダウンストリームノードへの情報はRRCメッセージで伝達できない。つまり、CUによって生成されたRRCメッセージはBH RLFのためにDUに到達できない。(選択肢2の)「警告」は、MAC CEなどで送信されてもよいが、(選択肢4の)「ノードのリスト」は、RRCメッセージを使用しない限り、大きすぎ、フレキシブルすぎる。そのため、選択肢2及び/又は選択肢4が導入された場合、RAN2は最初にどのシグナリングが使用されるかを検討すべきである。
【0230】
所見2:CUへの物理的な無線リンクが切断されているため、IABノードのDUはRRCメッセージを使用しなくてもよい。
【0231】
この情報はRel-16の機能として提供されることは明らかである。つまり、IABノード間でのみサポートされ得る。つまり、Rel-15のUEではサポートされない。
【0232】
所見3:選択肢2及び選択肢4は、Rel-16のIABノードの復旧手順でのみ機能する。
【0233】
2.3.全てのIABノードは定期的に情報を共有する(選択肢3)
選択肢3では、IABノードは共有される情報に基づいてBH RLFを検知できる。TRでキャプチャされる情報は、例えば、「BH品質」である。これは、F1の既存のGNB-DU STATUS INDICATIONである場合とDU間の新しいシグナリングである場合があってもよい。
【0234】
所見4:選択肢3はRAN2の範囲外である可能性がある。
【0235】
2.4.代替リンクの事前準備(選択肢5)
選択肢5は、例えば、マルチコネクティビティ(MN/SNロール変更あり)、条件付きハンドオーバ、又は通常のトポロジ適応又はモビリティ拡張に関連するその他の技術を利用することを目的とする場合がある。TRで「他のRel-16のWIの一部として定義された追加の機能/拡張機能を活用してもよい」と述べられているように、選択肢5は、このWI又は他のWIの他のトピックで議論される結果を再利用してもよい。
【0236】
所見5:選択肢5は、このWI又は他のWIでの他のトピックで議論される解決策を再利用してもよい。
【0237】
[付記2]
1.序論
統合されたアクセス及びバックホールの新しいワークアイテムはRAN#82で承認され、マルチホップ無線バックホールの低レイテンシスケジューリングは特定されると見なされる。
【0238】
アーキテクチャ1aに続くIABノードの仕様
・[…]
・マルチホップトポロジ全体での低レイテンシスケジューリング、BH RLF処理、及びリソース調整をサポートするためのシグナリングのhop-by-hop伝搬
【0239】
この寄書では、低レイテンシスケジューリングの解決策について議論する。
【0240】
2.議論
この研究項目は、TR 38.87のセクション8.6でキャプチャされた図17に示すようなマルチホップバックホールのシーケンス手順によるULスケジューリングのレイテンシの問題を特定した。
【0241】
TRはまた、「このような遅延を緩和する1つのアプローチは、到着が予想されるデータに基づいてIABノードでアップリンクリソース要求を開始することで構成される。これにより、IABノードは、子IABノード又はそれがサービスを提供するUEから実際のデータを受信する前に、アップリンクリソースを取得できるようになる。」、及び「SR/BSR及びULスケジューリングの内容及びトリガの詳細は、WI段階に残される。」という考えられるメカニズムを特定する。
【0242】
詳細に飛ぶ前に、前提条件に応じて解決策が多少異なるため、拡張が動的割り当てに必要か、設定されたグラントに必要か、又はその両方に必要かを明確にすべきである。上記のTRの論述は、動的リソース割り当ての使用を意図している可能性がありますが、レイテンシの問題は、設定されるグラントには問題でない場合がありますが、場合によってはスペクトル効率において問題がある場合がある。したがって、RAN2は、動的リソース割り当てのためにSR、BSR、及び/又はULスケジューリングを拡張すべきである。
【0243】
提案1:RAN2は、マルチホップ無線バックホールでの動的なリソース割り当てのためにSR、BSR、及び/又はULスケジューリングを拡張すべきである。
【0244】
現在の仕様では、次のように通常のBSR送信用のリソースがない場合にSRがトリガされる。
【0245】
MACエンティティ
1>バッファステータスレポート手順で、少なくとも1つのBSRがトリガされ、キャンセルされていないと判断された場合
[…]
2>通常のBSRがトリガされ、logicalChannelSR-DelayTimerが実行されていない場合
3>新しい送信に利用可能なUL-SCHリソースがない場合、又は
3>MACエンティティが設定されるアップリンクグラントで設定し、logicalChannelSR-Maskがfalseに設定される論理チャネルに対して通常のBSRがトリガされた場合、又は
3>新しい伝送に使用可能なUL-SCHリソースが、BSRをトリガした論理チャネルに設定されたLCPマッピングの制限(5.4.3.1を参照)を満たさない場合、
4>スケジューリング要求をトリガする
【0246】
したがって、重要な問題の1つは、通常のBSRのトリガを高速化する方法である。通常のBSRは、次のように、データが送信可能になるとトリガされる。
【0247】
MACエンティティは、TS38.322及び38.323のデータ量計算手順に従って、論理チャネルで使用可能なULデータの量を決定する。
【0248】
次のいずれかのイベントが発生した場合、BSRがトリガされる。
【0249】
-LCGに属する論理チャネルのULデータは、MACエンティティで利用可能になる。
【0250】
-このULデータは、任意のLCGに属する利用可能なULデータを含む論理チャネルの優先度よりも高い優先度を持つ論理チャネルに属する。又は、
-LCGに属する論理チャネルには、利用可能なULデータが含まれていない。
【0251】
この場合、BSRは「通常BSR」と呼ばれる。
【0252】
「アーリー通常BSRトリガ」を有効にするには、送信可能なデータに追加のルールを設定することが簡単である。現在、このようなデータ量の計算手順はRLC及びPDCPレイヤでのみ行われているが、バックホールリンクのMTのMACエンティティは、DUに表示されるULデータ量を何らかの形で考慮すべきである。
【0253】
提案2:RAN2は、MTのMACエンティティが、同じIABノードのDUで見えるULデータ量を考慮する必要があることに同意すべきである。
【0254】
提案2に同意できる場合、DUに見えるデータ量のどれがデータ利用可能な送信とみなされるかを検討すべきである。以下の選択肢が考慮される。
【0255】
選択肢1:DUプロトコルスタックのMAC、RLC、PDCP(及び場合によってはアダプテーションレイヤ)におけるバッファの実際のデータ量。
【0256】
選択肢2:選択肢1に加えて、子ノード/UEに既にグラントされているデータ量(図18)。
【0257】
選択肢3:選択肢2に加えて、子ノード/UEでの送信に利用可能なデータ、つまり子ノード/UEからのBSRのバッファサイズ(図14)。
【0258】
レイテンシ削減の観点から、選択肢3は、IABノードのDUが子ノード/UEからULデータを受信したときにそのIABノードのMTがバックホールリンクのリソースをグラントしたことが予想されるため、最適な解決策である。一方、MTでのULグラントの受信とDUでのULデータの受信とが十分に同期されていない限り、リソースの浪費が発生する可能性がある。つまり、オーバースケジューリングが発生する可能性がある。選択肢1はリスクが低いが利益も低くなる。選択肢2は、他の選択肢間のバランスの取れた解決策と見なされる。
【0259】
提案3:RAN2は、送信に利用可能な追加データがUEへのULグラント又はUEからのBSRに関連するデータ量であるかどうかを議論すべきである。
【0260】
[付記3]
1.序論
統合されたアクセスとバックホールに関する新しいワークアイテムが承認された。WIDは、目的の1つとしてバックホール無線リンク障害(BH RLF)処理を指定することを定める。
【0261】
以下を含むアーキテクチャ1aに続くIABノードの仕様
・[…]
・低遅延スケジューリング、BH RLF処理、及びマルチホップトポロジ全体のリソース調整をサポートするためのシグナリングのホップバイホップ伝搬
・[…]
【0262】
L2トランスポート及びリソース管理のシグナリングの仕様
・[…]
・BH RLF処理の仕様(例:ダウンストリームBH RLF通知)
【0263】
この付記では、研究項目からの結果に加えてBH RLF処理の最初の考慮が議論される。
【0264】
2.議論
2.1.背景
TRは、セクション9.7.14及び9.7.15において、マルチホップの無線バックホールのBH RLFに起因する問題を特定する。セクション間の共通の問題は、子IABノード/UEが親IABノードにおけるBH RLFを認識していないことである。これにより、BH RLFは、FR2やマルチホッピングなどの高周波数の無線バックホールにおいて頻繁に発生する可能性がある。結果として、ユーザの観点から、サービスの回復が遅れることを含むサービスが大幅に中断される。
【0265】
このような悪いユーザーエクスペリエンスを回避するために、TRは次のように潜在的な解決策も特定する。
【0266】
9.7.14アーキテクチャ1aにおけるBH RLFのダウンストリーム通知
「選択肢1:IABノードDUはサービスを中止する。その結果、子ノードもBH RLFを決定し、上記の手順に従って回復する。」
「選択肢2:IABノードDUは、アップストリームRLFについて子IABノードに明示的に警告する。この警告を受信した子IABノードは、警告をさらに下流に転送し得る。このような警告を受信した各IABノードは、上記のBH-RLF回復を開始する。」
「選択肢3:全てのIABノードは、BH品質などに関する情報を子又は親のIABノードと定期的に共有し得る。このようにして、明示的な動作を実行しなくても、ダウンストリーム又はアップストリームRLFを検知し得る。」
9.7.15効率的なバックホールリンク障害の復旧
「バックホール障害のために親ノードとして機能できないノードのリストを含む、バックホール障害に関する情報は、ダウンストリームIABノードに提供され得る。」(選択肢4)
「事前(つまり、RLFの発生前)における代替バックホールリンクとルートの準備」(選択肢5)
【0267】
R2は、少なくともダウンストリームノードへのBH Link RLFでRLF通知があると想定する。
【0268】
代替リンク及び/又はデュアルコネクティビティ(合意されている場合)は、BH Linkの障害時の復旧時に利用され得る。
【0269】
現在のUE RLF検出及び回復は、ベースラインとして再利用される。
【0270】
例えば、リンクが回復したとき、または回復が進行中のとき、他の表示が必要かどうかは更なる検討が必要である。
【0271】
これらの合意は、上記の選択肢2,4,5に基づいており、追加の側面も含まれる。
【0272】
2.2.IABノードがサービスを中止する(選択肢1)
選択肢1は、BH RLF情報が子IABノード及びUEに暗示的に伝搬されるため、セクション9.7.14と9.7.15との間の共通の問題のための一般的な解決策と見なし得る。合意された「RLF通知」はRel-16の機能だが、Rel-15 UEは、IABノードとの接続をまだ許可される。Rel-15 UEの場合でもサービスの中断を最小限に抑えるには、BH RLFの問題のためのベースラインの解決策として選択肢1を指定すべきである。
【0273】
所見1:合意された「RLF通知」は、Rel-15 UEの観点からBH RLFの問題を解決できない。
【0274】
選択肢1の説明によれば、解決策は「子ノードもBH RLFを判定する」ことを容易にすべきである。簡単な解決策は、BH RLF下にある親IABノードが、PSS、SSS、MIB、及びSIB1の送信を停止することである。これにより、子IABノード及びUEの無線問題を意図的に作成する。
【0275】
提案1:RAN2は、「サービス」を中止することを決定した場合に、IABノードがPSS、SSS、MIB、及びSIB1の送信を停止することに同意すべきである。
【0276】
提案1に同意できる場合、RAN2はすでに「BH Link RLFでのRLF通知」を想定しており、また、現在のUEの動作はRLFを宣言した後でも、つまりRRC再確立を開始するためにRRC接続を維持するため、RLFでサービスを実際に停止する必要があるかどうかは疑問である。UEがRRC接続を正常に再確立すると、最小の中断時間でサービスが回復する。そのため、IABノードは、MTがRRC IDLEに入った場合、つまりRRC再確立が失敗した場合にのみ、「サービス」を停止すべきであることが分かる。この意味では、MTが(同じIABノードの)DUにRRC IDLEに入ること(セットアップ段階でRRC Connectedに移行する可能性もあること)を通知するのは自然である。
【0277】
提案2:RAN2は、MTがRLFを宣言した場合ではなく、MTがRRC IDLEに入った場合、IABノードのDUが「サービス」を停止することに同意すべきである。
【0278】
提案3:提案2に同意できる場合、RAN2は、MTがRRC IDLEに入った場合、MTが(同じIABノードの)DUに通知する必要があるかどうかについてさらに議論する。
【0279】
2.3.IABノードはダウンストリームノードに通知する(選択肢2、選択肢4)
子IABノードが回復手順を迅速及び/又は効率的に開始することを容易にするため、親IABノードがそのBH RLFに関連する情報を子IABノードに通知することは役立つ。TRは、「アップストリームRLFについて子IABノードに明示的に警告する」(選択肢2)のような可能な情報要素、又は「親ノードとして機能できないノードのリストを含むバックホール障害に関する」(選択肢4)情報をキャプチャする。さらに、RAN2は、「R2は、少なくともダウンストリームノードへのBH Link RLFでRLF通知があると想定する」というベースラインに合意した。
【0280】
ただし、親IABノードでBH RLFが発生した場合に、子IABノードにそのような情報を提供する方法は不明確である。研究項目は、「RAN-3は将来の規範的段階にアーキテクチャ1aを推奨する」と結論付けた。これは、IABノードがDUとMTで構成され、IABドナーが(DUと)CUで構成されることを意味する。CUはDUとCUとの間のRRCを担当し、BH RLFはMTのRRCで検出される。そのため、考慮すべき2つの異なるRRCがある。親IABノードのMT上におけるRRCは、BH RLFを検出し、IABドナーの異なるRRCは子IABノードに送信されるRRCメッセージを生成する。
【0281】
物理的な無線リンクがBH RLFで切断されることを考慮すると、ダウンストリームノードへの情報はRRCメッセージで伝達できない。つまり、CUによって生成されたRRCメッセージはBH RLFのためにDUに到達できない。(選択肢2の)「警告」は、MAC CEで送信されてもよいが、MAC CEは「ノードのリスト」(選択肢4)を伝えるのに適切ではない。したがって、RAN2は選択肢2をMAC CEで想定し、選択肢4を考慮すべきではない。
【0282】
所見2:CUへの物理的な無線リンクが切断されているため、IABノードのDUはRRCメッセージを使用しなくてもよい。
【0283】
提案4:RAN2は、ダウンストリームノードへのRLF通知がMAC CEを介して送信されるかどうかを議論すべきである。
【0284】
RLF通知がいつ/どのようにトリガされるかについても議論されるだろう。情報の名前を考慮すると、BH RLFがMTで宣言された時にRLF通知が送信されるのが素直である。この場合、DUはBH RLFに従ってRLF通知を生成/送信する必要があるため、MTはRLF宣言を(同じIABノードの)DUに通知すべきである。前のセクションの提案2に同意できる場合、BH RLF、つまりIABノードがRLF通知を送信するだけの場合、「サービス」が継続し、MTがRRC IDLEに入ると「サービス」が停止する。
【0285】
提案5:RAN2は、DUがMTによってRLFを通知されるとRLF通知が送信されることに同意すべきである。
【0286】
もう1つの疑問は、RLF通知の受信時の(子IABノードの)MT動作である。MTが何らかの回復手順を開始することは想定し得るが、それはMTがRLFを宣言する「前の」プロセスであるべきである。つまり、RLF通知は、子ノードのRLFをすぐにトリガすべきではない。なぜなら、RLFの宣言により、さらにダウンストリームノードへのRLF通知がトリガされ、RLF通知は間もなくIABトポロジ間で伝搬されるからである。不要なトポロジ適応のストリームが発生し、最悪の場合はIABトポロジが破損する可能性がある。
【0287】
提案6:RAN2は、MT/UEがRLF通知の受信時にRLFを宣言せず、何らかのバックホールリンクの回復を開始するだけであることに同意すべきである。
【0288】
RAN2は、「R2は、少なくともダウンリンクノードへのBH Link RLFでRLF通知があると想定する」ことに同意した。これにより、「ダウンストリームノード」とは、親ノードに直接接続されている子ノード/UEを意味することが自然である。ただし、「ダウンストリームノード」に、親と直接接続していない孫ノード/UE(つまり、親は孫の観点から祖父母である)も含まれているかどうかは明確ではない。
【0289】
孫がRLF通知を受信できる場合、RLF通知の伝播遅延がなくなるため、トポロジの回復が速くなるという利点がある。さらに、副産物として、任意のIDLEノード/UEがRLF通知を受信できる場合、再選択の際に考慮される可能性がある。これにより、ノード/UEは、ドナーノードに接続できないため、セルのランクが最高であっても、BH RLFが発生するセルの再選択または接続を回避するよう試みることができる。欠点は、トポロジの適応と管理が複雑になることである。例えば、極端な場合、IABトポロジ内の全てのノード/UEが1つのノードからRLF通知を受信して回復手順を開始すると、多くの不必要なトポロジ変更が行われる可能性があり、最悪の場合、IABトポロジが破損する。したがって、上記の長所と短所を考慮して、RLF通知を子ノードのみが受信するかどうかを検討すべきである。
【0290】
提案7:RAN2は、RLF通知を子ノードのみが受信するか、孫ノードも受信するかを明確にすべきである。
【0291】
前回の会議では、RAN2は「例えば、リンクが回復したとき、または回復が進行中のとき、他の指示が必要かどうかはさらに検討する必要がある」とした。
【0292】
子IABノード又はUEの観点から、RLF通知が受信されると、何らかのトポロジ適応手順、例えば、他のIABノードへのRRC再確立、又は冗長ルートへのプライマリパスの切り替えが開始される。この意味では、バックホールの「リンクが回復した」という情報は、トポロジ適応手順が完了していない場合、例えばRRC再確立手順で適切なセルが見つからない場合、手順を停止できるため有益である。ただし、RLF通知がBH RLF中に繰り返し送信される場合、任意の「他の指示」を規定する必要はない。RLF通知が送信されない場合、BH RLFは発生していないことになるからだ。そうでない場合、「サービス」が停止する。したがって、問題は、BH RLF中にRLF通知を繰り返し送信するかどうかである。
【0293】
提案8:RAN2は、BH RLF中にRLF通知が繰り返し送信されるかどうかを議論すべきである。
【0294】
他の例、つまり「回復が進行中」については、子ノード/UEの動作は不明確である。子ノード/UEをしばらく待機させることだけを意味する場合、ダウンストリームノードへの何らの指示も(RLF通知さえ)必要としない可能性がある。したがって、この時点で導入する動機はない。
【0295】
2.4.全てのIABノードは定期的に情報を共有する(選択肢3)
選択肢3では、IABノードは共有される情報に基づいてBH RLFを検知できる。TRでキャプチャされる情報は、例えば、「BH品質」である。これは、F1の既存のGNB-DU STATUS INDICATIONである場合とDU間の新しいシグナリングである場合があってもよい。
【0296】
所見3:選択肢3はRAN2の範囲外である可能性がある。
【0297】
2.5.代替リンクの事前準備(選択肢5)
選択肢5は、例えば、マルチコネクティビティ(MN/SNロール変更あり)、条件付きハンドオーバ、又は通常のトポロジ適応又はモビリティ拡張に関連するその他の技術を利用することを目的とする場合がある。TRで「他のRel-16のWIの一部として定義された追加の機能/拡張機能を活用してもよい」と述べられているように、選択肢5は、このWI又は他のWIの他のトピックで議論される結果を再利用してもよい。RLF通知が「MCG Failure Indication」などの特定の動作をトリガするかどうかなど、IAB固有の影響のみが(ある場合)後で議論されるだろう。
【0298】
所見4:選択肢5は、このWI又は他のWIでの他のトピックで議論される解決策を再利用してもよい。
【0299】
本願は、米国仮出願第62/825149号(2019年3月28日出願)の優先権を主張し、その内容の全てが本願明細書に組み込まれている。
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