(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-24
(45)【発行日】2024-10-02
(54)【発明の名称】有機金属化合物及びその使用
(51)【国際特許分類】
C07F 15/00 20060101AFI20240925BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20240925BHJP
H10K 50/12 20230101ALI20240925BHJP
【FI】
C07F15/00 E CSP
C09K11/06 660
H10K50/12
(21)【出願番号】P 2023525982
(86)(22)【出願日】2021-08-15
(86)【国際出願番号】 CN2021112646
(87)【国際公開番号】W WO2022088853
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202011167564.6
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515177907
【氏名又は名称】広東阿格蕾雅光電材料有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】▲焉▼ 亮亮
(72)【発明者】
【氏名】戴 雷
(72)【発明者】
【氏名】蔡 麗菲
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0040552(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0263849(US,A1)
【文献】国際公開第2020/212296(WO,A1)
【文献】特表2012-508258(JP,A)
【文献】特開2009-076826(JP,A)
【文献】特開2013-028604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F
C09K
H10K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で示される有機金属化合物。
mは1、2または3であり、mが1である場合、2つのL2は同一でも異なっていてもよく、
Ra、RbおよびRcの個数は、それぞれ1から最大置換数までのいずれかであり、
Ra、Rb、Rc、RdおよびReは、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C3~C20シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~C18アリール、置換若しくは非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換若しくは非置換トリ-C6~C12アリールシリル、および置換若しくは非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルのうちから選択され、
R
1~R
8は、それぞれ独立して、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C1~C10ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C3~C20シクロアルキル、置換若しくは非置換C2~C10アルケニル、置換若しくは非置換C2~C10アルキニル、置換若しくは非置換C6~C18アリール、置換若しくは非置換C2~C17ヘテロアリール、置換若しくは非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換若しくは非置換トリ-C6~C12アリールシリル、および置換若しくは非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルのうちから選択される、または、R
1~R
8の隣接する2つの基の間は、互いに接続することにより脂環族環または芳香族環状の構造を形成し、
前記ヘテロアルキル及びヘテロアリールには、少なくとも1つのO、NまたはSヘテロ原子が含まれ、
前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6アルキル置換アミン、ニトリル、イソニトリル、およびホスフィノから選択されるいずれかによる置換であり、前記置換数は、単一置換から最大数の置換のうちから選択される。)
【請求項2】
mは1または2であり、2つのL1または2つのL2は同一である、ことを特徴とする請求項1に記載の有機金属化合物。
【請求項3】
Ra、RdおよびReは水素である、ことを特徴とする請求項2に記載の有機金属化合物。
【請求項4】
R
1~R
4の少なくとも1つは水素ではない、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項5】
R
5~R
8の少なくとも1つは水素ではない、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項6】
R
1~R
4の少なくとも1つは水素ではなく、且つ、R
5~R
8の少なくとも1つは水素ではない、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項7】
R
1~R
4の1つは、重水素、重水素置換若しくは非置換C1~C5アルキル、および重水素置換若しくは非置換C3~C5シクロアルキルのうちから選択され、R
5~R
8の1つは、重水素、重水素置換若しくは非置換のC1~C5アルキル、および重水素置換若しくは非置換C3~C5シクロアルルのうちから選択され、残りは水素である、ことを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
【請求項8】
R
5とR
6、R
6とR
7、R
7とR
8が、互いに接続して形成された式(2)に示す環式構造を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
(式(2)中、*は、接続する位置を表し、
Y
1~Y
4は、それぞれ独立して、CR
0またはNであり、
Z
1は、O、またはSから選択され、
R
0は、水素、重水素、F、シアノ、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C3~C20シクロアルキル、置換若しくは非置換C2~C30アルケニル、置換若しくは非置換C2~C30アルキニル、置換若しくは非置換C6~C30アリール、置換若しくは非置換C1~C30ヘテロアリール、置換若しくは非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換若しくは非置換トリ-C6~C30アリールシリル基、および置換若しくは非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルのうちから選択され、
前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルキル置換アミノ、ニトリルおよびイソニトリル、ホスフィノのうちから選択されるいずれかによる置換である。)
【請求項9】
R
4とR
5は、互いに接続して形成された式(3)に示す脂環構造を有する、ことを特徴とする請求項6に記載の有機金属化合物。
(式(3)中、*は、接続する位置を表し、
Z
2及びZ
3は、それぞれ独立して、O、S、N(R
0)およびC(R
0)
2のうちから選択され、且つ、Z
2及びZ
3の少なくとも1つはC(R
0)
2であり、
R
0は、水素、重水素、F、シアノ、置換若しくは非置換C1~C10アルキル、置換若しくは非置換C3~C20シクロアルキル、置換若しくは非置換C2~C30アルケニル、置換若しくは非置換C2~C30アルキニル、置換若しくは非置換C6~C30アリール、置換若しくは非置換C1~C30ヘテロアリール、置換若しくは非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換若しくは非置換トリ-C6~C30アリールシリル基、および置換若しくは非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルのうちから選択され、
前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルキル置換アミノ、ニトリル、イソニトリルおよびホスフィノのうちから選択されるいずれかによる置換である。)
【請求項10】
RbおよびRcの少なくとも1つは水素ではない、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の有機金属化合物。
【請求項11】
RbおよびRcの少なくとも1つは、置換若しくは非置換C1~C6アルキル、または置換若しくは非置換C3~C6シクロアルキルである、ことを特徴とする請求項10に記載の有機金属化合物。
【請求項12】
RbおよびRcのうちの1つは、置換若しくは非置換C1~C6アルキル、または置換若しくは非置換C3~C6シクロアルキルであり、残りは水素である、ことを特徴とする請求項11に記載の有機金属化合物。
【請求項13】
L1は、以下の式のいずれかで表される、以下の式のいずれかで表される構造を含む、または、以下の式のいずれかで表される構造の完全的な重水素化物、若しくはフッ素化物である、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項14】
L2は、以下の式のいずれかで表される、以下の式のいずれかで表される構造を含む、または、以下の式のいずれかで表される構造の完全的な重水素化物、若しくはフッ素化物である、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項15】
式(1)は、以下の式のいずれか
、または、重水素もしくはフッ素により部分的もしくは完全に置換された以下の式のいずれかで
ある、ことを特徴とする請求項3に記載の有機金属化合物。
【請求項16】
有機エレクトロルミネッセンス素子における請求項1~15のいずれか1項に記載の有機金属化合物の使用。
【請求項17】
請求項1~14のいずれか1項に記載の有機金属化合物は、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層の緑色発光ドーパント材料として使用される、
ことを特徴とする請求項16記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスの技術分野、特に有機エレクトロルミネッセンス素子に適する有機発光材料、特に有機金属化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子におけるその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、新世代の表示技術としての有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)は、表示および照明技術の両分野でますます注目されており、幅広い使用の見通しがある。ただし、OLED素子の発光効率、駆動電圧、耐用年数などの性能は、市場の使用要件と比べると、強化・改善され続く必要がある。
【0003】
一般的に、OLED素子は、基本構造として、金属電極間に様々な機能付きの有機機能材料薄膜がサンドイッチ構造のように挟まれたもので、電流駆動によりカソード及びアノードから空穴及び電子が注入され、空穴及び電子が規定距離を移動した後、発光層で再結合して光や熱の形で放出され、その結果、OLEDの発光が生成される。
【0004】
しかしながら、有機機能性材料は、有機エレクトロルミネッセンス素子のコア構成部材であり、その材料熱安定性、光化学的安定性、電気化学的安定性、量子収率、成膜安定性、結晶性、彩度などが、素子性能に影響する要因である。
【0005】
一般的に、有機機能材料は、蛍光材料と燐光材料とを含む。蛍光材料は、通常、有機低分子材料であり、一般的に、一重項状態の25%しか発光に利用できないため、発光効率が比較的低い。一方、燐光材料は、重原子効果によるスピン軌道結合作用により、一重項状態の25%に加えて、三重項励起子の75%のエネルギーを利用できるため、発光効率を向上させることができる。しかし、燐光材料は、蛍光材料よりも利用が遅く、材料熱安定性、寿命、彩度が改善される必要とし、やりがいのある課題である。現在、このような燐光材料として、様々な有機金属化合物が開発されてきた。例えば、中国発明特許CN1726606には、アリール連結ベンゾイミダゾールイリジウム化合物が開示されているが、このような化合物の発光効率は、まだ市場化の要求を満たさなく、Wenらが2004年にて発表した非特許文献(Chem.Mater.2004,16,2480-2488)には、ベンズイミダゾール系連結芳香環の金属イリジウム錯体が開示されており、ある程度の発光効率が表現されたが、材料のハーフピック幅が大きすぎるため、素子の寿命、特にT95がとても短く、市場化の使用が満足されにくく、さらに改善される必要があり、中国発明特許文献CN102272261には、Nに立体障害(steric hindrance)が連結されるアリール置換ベンゾイミダゾール系イリジウム化合物が開示されているが、このような化合物の彩度、発光スペクトルのハーフピック幅及び素子の性能、特に素子の発光効率及び寿命は、いずれも改善される必要があり、中国発明特許文献CN103396455には、Nにアルキルが連結される置換ベンゾイミダゾール系イリジウム化合物が開示されており、同様に、このような化合物には、彩度がよくなく、発光スペクトルのハーフピック幅が大きすぎ、素子の効率が不足であり、素子の寿命が短いなどの問題が存在し、改善される必要とする。中国特許文献CN103254238には、Nに立体障害が連結されるアリール置換ベンゾイミダゾール連絡ジベンゾ複素環イリジウム化合物が開示されているが、このような化合物には、同様に、発光スペクトルのハーフピック幅が大きすぎ、素子の効率が不足であり、素子の寿命が短いなどの欠点も改善される必要とする。
【0006】
中国特許文献CN102898477には、
に示すイリジウム化合物が開示されているが、このような化合物には、同様に、発光スペクトルのハーフピック幅が大きすぎ、素子の効率が不足であり、素子の寿命が短いなどの問題も改善される必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記欠陥を解決するために、高性能付きの有機エレクトロルミネッセンス素子、及びこのような有機エレクトロルミネッセンス素子を達成できる有機金属化合物の材料を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る有機金属化合物は、式(1)に示す構造を有し、本発明に提供されたイリジウム錯体は、光学的・電気化学的安定性が高く、発射ハーフピック幅が狭く、発光効率が高く、寿命が長く、彩度が高いなどの利点を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられ、特に、緑色発光の燐光材料として、AMOLED産業への使用の可能性がある。
【0009】
金属錯体であって、構造式は式(1)に示され、
ただし、
はL1であり、
はL2であり、
ただし、mは1、2または3であり、mが1である場合には、2つのL2が同一または相違であり、
ただし、Ra、Rb、Rcとの個数は、1から最大置換数までのいずれか一数を表し、
【0010】
ただし、Ra、Rb、Rc、Rd、Reは、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C6~C18アリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C12アリールシリル、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルから選択され、
【0011】
ただし、R1~R8は、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C1~C10ヘテロアルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C2~C10アルケニル、置換または非置換C2~C10アルキニル、置換または非置換C6~C18アリール、置換または非置換C2~C17ヘテロアリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C12アリールシリル、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルから選択され、あるいは、R1~R8の隣接する2つの基の間は、互いに接続することにより脂環族環または芳香族環状の構造を形成でき、
ただし、前記ヘテロアルキル及びヘテロアリールには、少なくとも1つのO、NまたはSヘテロ原子が含まれ、
【0012】
ただし、前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6アルキル置換アミン、ニトリル、イソニトリル、ホスフィノであり、ただし、前記置換は、単一置換から最大数の置換までである。
ただし、mは1または2であり、2つのL1または2つのL2は同一または相違であり、
【0013】
好ましい有機金属化合物として、ただし、Ra、Rd、Reは水素であり、
好ましい有機金属化合物として、ただし、R1~R4の少なくとも1つは水素ではない。
【0014】
好ましい有機金属化合物として、ただし、R5~R8の少なくとも1つは水素ではない。
好ましい有機金属化合物として、ただし、R1~R4の少なくとも1つは水素ではなく、且つ、R5~R8の少なくとも1つは水素ではない。
【0015】
好ましい有機金属化合物として、R1~R4の1つは、重水素、重水素置換または非置換C1~C5アルキル、重水素置換または非置換C3~C5シクロアルキルであり、R5~R8の1つは、重水素、重水素置換または非置換のC1~C5アルキル、重水素置換または非置換C3~C5シクロアルルであり、残りは水素である。
【0016】
好ましい有機金属化合物として、ただし、R
5とR
6、R
6とR
7、R
7とR
8は、互いに接続することにより式(2)に示す併環構造を形成し、
【0017】
ただし、*は、接続する位置を表し、
Y1~Y4は、個別的に、CR0またはNであり、
Z1は、O、Sから選択され、
【0018】
R0は、個別的に、水素、重水素、F、シアノ、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C2~C30アルケニル、置換または非置換C2~C30アルキニル、置換または非置換C6~C30アリール、置換または非置換C1~C30ヘテロアリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C30アリールシリル基、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルであり、
【0019】
ただし、前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルキル置換アミノ、ニトリル、イソニトリル、ホスフィノである。
好ましい有機金属化合物として、ただし、R
4とR
5は、互いに接続することにより式(3)に示す脂環構造を形成し、
【0020】
ただし、*は、接続する位置を表し、
Z2及びZ3は、個別的に、O、S、N(R0)、C(R0)2から選択され、且つ、Z2及びZ3の少なくとも1つはC(R0)2であり、
【0021】
R0は、個別的に、水素、重水素、F、シアノ、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C2~C30アルケニル、置換または非置換C2~C30アルキニル、置換または非置換C6~C30アリール、置換または非置換C1~C30ヘテロアリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C30アリールシリル基、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルであり、
【0022】
ただし、前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、C1~C4アルキル置換アミノ、ニトリル、イソニトリル、ホスフィノである。
【0023】
好ましい有機金属化合物として、ただし、Rb、Rcの少なくとも1つは水素ではない。
【0024】
好ましい有機金属化合物として、ただし、Rb、Rcの少なくとも1つは、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C3~C6シクロアルキルである。
【0025】
好ましい有機金属化合物として、ただし、Rb、Rcの少なくとも1つは、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C3~C6シクロアルキルであり、残りは水素である。
【0026】
好ましい有機金属化合物として、ただし、好ましくは、L1は、以下の構造式の1つ、または、重水素もしくはフッ素により部分的もしくは完全に置換された以下の構造式の1つであり、
【0027】
【0028】
好ましい金有機金属化合物として、ただし、好ましくは、L2は、以下の構造式の1つ、または、重水素もしくはフッ素により部分的もしくは完全に置換された以下の構造式の1つであり、
【0029】
【0030】
好ましい有機金属化合物として、ただし、好ましくは、式(1)は、以下の構造式の1つ、または、重水素もしくはフッ素により部分的あるいは完全に置換された以下の構造式の1つであり、
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る材料は、光学的および電気化学的安定性が高く、発射ハーフピック幅が狭く、彩度及び発光効率が高く、素子寿命が長いなどの利点を有する。本発明に係る材料は、燐光材料として、三重項励起状態を光に変換できるため、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させてエネルギー消費を低減することができる。特に、緑色発光ドーパントとしては、AMOLED産業への使用の可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1は重水素クロロホルム溶液における本発明に係る化合物CPD10の1HNMRスペクトルである。
【
図2】
図2はジクロロメタン溶液における本発明に係る化合物CPD10の紫外吸収スペクトル及び発射スペクトルである。
【
図3】
図3は重水素クロロホルム溶液における本発明に係る化合物CPD202の1HNMRスペクトルである。
【
図4】
図4はジクロロメタン溶液における本発明に係る化合物CPD202の紫外吸収スペクトル及び発射スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明に係る化合物の構造式は式(1)に示され、
ただし、mは1、2または3であり、mが1である場合には、2つのL2が同一または相違であり、
ただし、Ra、Rb、Rcは、個別的に、無置換から最大可能な置換を表し、
【0034】
ただし、Ra、Rb、Rc、Rd、Reは、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C6~C18アリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C12アリールシリル、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルから選択され、
【0035】
ただし、R1~R8は、個別的に、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、置換または非置換C1~C10アルキル、置換または非置換C1~C10ヘテロアルキル、置換または非置換C3~C20シクロアルキル、置換または非置換C2~C10アルケニル、置換または非置換C2~C10アルキニル、置換または非置換C6~C18アリール、置換または非置換C2~C17ヘテロアリール、置換または非置換トリ-C1~C10アルキルシリル、置換または非置換トリ-C6~C12アリールシリル、置換または非置換ジ-C1~C10アルキルモノC6~C30アリールシリルから選択され、
ただし、R1~R4、R5~R8の隣接する2つの基の間は、互いに接続することにより脂環族環または芳香族環状の構造を形成でき、
ただし、前記ヘテロアルキルは、少なくとも1つのO、N、Sなどのヘテロ原子を含むアルキルであり、
【0036】
ただし、前記置換は、重水素、F、Cl、Br、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、C1~C6アルキル置換アミン、ニトリル、イソニトリル、ホスフィノであり、ただし、前記置換は、単一置換から最大可能な置換までである。
式(1)においてRa、RbまたはRcが2つ以上ある場合には、複数のRa、RbまたはRcがそれぞれ同一であっても相違であってもよい。
式(1)において前記置換基が2つ以上ある場合には、複数の置換基がそれぞれ同一であっても相違であってもよい。
【0037】
式(1)において、Rb、Rcの少なくとも1つが重水素、フッ素、置換または非置換C1~C6アルキル、置換または非置換C3~C6シクロアルキルであることは、Rbが上記基から選択されるがRcがそうではないこと、Rcが上記基から選択されるがRbはそうではないこと、RbがRcとともに上記基から選択されること、を意味する。
以下、式(1)で表される化合物の各基の例について説明する。
【0038】
なお、本明細書において、「置換または非置換炭素数a~bのX基」という表現における「炭素数a~b」は、X基が非置換である場合の炭素数を表し、X基が置換される場合の置換基の炭素数を含まない。
【0039】
C1~C10アルキルとしては、直鎖状または分枝鎖状アルキルであり、具体的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル及びその異性体、n-ヘキシル及びその異性体、n-ヘプチル及びその異性体、n-オクチル及びその異性体、n-ノニル及びその異性体、n-デシル及びその異性体などであり、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルであり、より好ましくは、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルである。
【0040】
C3~C20シクロアルキルとしては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、1-ノルボルニル、2-ノルボルニル等が挙げられ、好ましくは、シクロペンチル、シクロヘキシルである。
【0041】
C2~C10アルケニルとしては、ビニル、プロペニル、アリル、1-ブタジエニル、2-ブタジエニル、1-ヘキサトリエニル、2-ヘキサトリエニル、3-ヘキサトリエニルなどが挙げられ、好ましくは、プロペニル及びアリルである。
【0042】
C1~C10ヘテロアルキルとしては、炭素、水素以外の原子含んで構成される直鎖状又は分枝鎖状のアルキル、シクロアルキル等であり、メルカプトメチルメタン、メトキシメタン、エトキシメタン、tert-ブトキシメチル、N,N-ジメチルメタン、エポキシブチル、エポキシペンチル、エポキシヘキソアルキルが挙げられ、好ましくは、メトキシメタン、エポキシペンチルである。
アリールの具体例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ナフタセン、ピレニル、クリシル、ベンゾ[c]フェナントリル、
【0043】
ベンゾ[g]クリル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、ジベンゾフルオレニル、ビフェニル、ターフェニル、クアテルフェニル、フルオランテニル等が挙げられ、好ましくは、フェニル、ナフチルである。
【0044】
ヘテロアリール基の具体例としては、ピロリル(pyrrolyl)、ピラジニル(pyrazinyl)、ピリジル(pyridyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、トリアジニル(triazinyl)、インドリル(indolyl)、イソインドリル(isoindolyl)、イミダゾリル(imidazolyl)、フリル(furyl)、ベンゾフリル(benzofuranyl)、イソベンゾフリル(isobenzofuranyl)、ジベンゾフラニル(dibenzofuranyl)、ジベンゾチオフェニル(dibenzothienyl)、アザジベンゾフラニル(azadibenzofuranyl)、アザジベンゾチエニル(azadibenzothienyl)、ジアザジベンゾフラニル(diazadibenzofuryl)、ジアトラジベンゾチオフェニル(diazadibenzothienyl)、キノリニル(quinolinyl)、イソキノリン(isoquinoline)、キノキサリニル(quinoxalinyl)、カルバゾリル(carbazolyl)、フェナントリジニル(phenanthridinyl)、アクリジニル(acridinyl)、フェナントロリニル(phenanthrolinyl)、フェナジニル(phenazinyl)、フェノチアジニル(phenothiazinyl)、フェノキサジニル(phenoxazinyl)、オキサゾリニル(oxazolinyl)、オキサジアゾリル(oxadiazolyl)、フラザニル(furazanyl)、チエニル(thienyl)、ベンゾチエニル(benzothienyl)、ジヒドロアクリジニル(dihydroacridinyl)、アザカルバゾリル(azacarbazolyl)、ジカルバゾリル(diazacarbazolyl)、キナゾリニル(quinazolinyl)等が挙げられ、好ましくは、ピリジル(pyridyl)、ピリミジニル(pyrimidinyl)、トリアジニル(triazinyl)、ジベンゾフラニル(dibenzofuranyl)、ジベンゾチオフェニル(dibenzothienyl)、アザジベンゾフラニル(azadibenzofuranyl)、アザジベンゾチエニル(azadibenzothienyl)、ジアザジベンゾフラニル(diazadibenzofuryl)、ジアトラジベンゾチオフェニル(diazadibenzothienyl)、カルバゾリル(carbazolyl)、アザカルバゾリル(azacarbazolyl)、ジカルバゾリル(diazacarbazolyl)である。
【0045】
下記の実施例は、技術的発明を理解しやすくならせるためのもの過ぎであり、本発明に対する具体的な限定と見なされるべきではない。
本発明に係る化合物の合成に関する原材料および溶媒は、いずれもAlfa、Acrosなどの当業者にとって周知の供給業者から購入される。
【0046】
【0047】
化合物L1-1の合成
化合物L1-1a(32.0g、0.22mol、1.0eq)、ベンズアルデヒド(28.2g、0.26mol、1.20eq)、酢酸(19.9g、0.33mol、1.5eq)、及びトルエン(160ml)を500mlの三口フラスコへ投入し、真空・窒素で3回置換し、窒素保護で、110℃で18時間撹拌・還流する。TLCモニタリングを行い、原料L1-1aが反応完了になる。室温まで冷却し、脱イオン水100mlを投入し、水で洗浄・分液し、上層の有機相を集めて濃縮して有機溶媒を除去し、回転乾燥後、カラムクロマト分離(溶離液:酢酸エチル:n-ヘキサン=1:20)を行い、乾燥後、オフホワイトの固体が得られ、化合物L1-1(30.26g、収率:58.7%)が得られる。質量スペクトル:233.28(M+H),1HNMR(400MHz,CDCl3)δ7.93-7.86(m,2H),7.58-7.44(m,4H),7.10(dd,J=8.1,7.3Hz,1H),6.87(d,J=7.1Hz,1H),6.64(dd,J=11.1,3.5Hz,1H),5.84(dt,J=10.0,3.4Hz,1H),5.37-5.32(m,2H)。
【0048】
【0049】
化合物CPD1-1の合成
化合物L1-1(30.0g、0.129mol、3.0eq)、IrCl3.3H2O(15.18g,0.043mol,1.0eq)を1Lの一口フラスコに置き、エチレングリコールエーテル(300ml)及び脱イオン水(100ml)に投入し、真空で3回置換し、混合液をN2保護で、110℃で16時間攪拌・還流する。室温まで冷却した後、濾過し、濾過残渣をメタノール(100ml*3)、n-ヘキサン(100ml*3)で順に乾燥することにより、化合物CPD1-1(25.46g、85.7%)が得られる。得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0050】
化合物CPD1-2の合成
二量体CPD1-1(15.1g、0.021mol、1.0eq)及びジクロロメタン(1.5L)を3Lの三口フラスコへ投入し、撹拌・溶解する。トリフルオロメタンスルホン酸銀(11.24g,0.043mol,2.0eq)をイソプロパノール(1.1L)に溶解し、元の反応フラスコの溶液に投入し、真空で3回置換し、混合液をN2保護で、室温で16時間攪拌する。そして、反応液を珪藻土で濾過し、ジクロロメタン(150ml)で濾過残渣を浴び、濾液を回転乾燥することにより、化合物CPD1-2(14.56g、76.7%)が得られる。得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0051】
化合物CPD1の合成
化合物CPD1-2(7.06g、8.13mmol、1.0eq)、L2-1(3.79g、24.4mmol、3.0eq)を250ml三口フラスコに投入し、エタノール(70ml)を投入し、真空で3回置換し、N2保護で、16時間攪拌・還流する。室温まで冷却した後、濾過し、固体を回収してジクロロメタン(150ml)で溶解し、シリカゲル濾過を行い、濾過ケーキをジクロロメタン(50ml)で浴び、濾液を回転乾燥した後、テトラヒドロフラン/メタノールにより2回再結晶し(製品:テトラヒドロフラン:メタノール=1:5:5)、さらに、n-ヘキサン(80ml)で1回スラリーを作り、乾燥することにより、化合物CPD1(4.33g、65.8%)が得られる。4.33gのCPD1粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD1(2.87g、66.2%)が得られる。質量スペクトル:809.95(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.37(d,1H),8.16(d,1H),7.77(dd,2H),7.50(m,6H),7.40(m,J=20.0Hz,6H),7.15(m,J=15.0Hz,3H),7.07(dd,2H),6.90(m,1H),6.56(dd,2H),5.76(m,2H),5.16(dd,J=2.7Hz,2H),5.01(dd,J=2.7Hz,2H)。
【0052】
【0053】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD10(4.21g、71.2%)が得られる。4.21gのCPD10粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD10(2.74g、65.0%)が得られる。質量スペクトル:985.2(M+H)1HNMR(400MHz,DMSO)δ8.57(s,1H),8.09(d,J=7.5Hz,1H),7.86(d,J=5.4Hz,1H),7.69(d,J=7.9Hz,1H),7.59(d,J=7.9Hz,1H),7.36(d,J=7.9Hz,1H),7.17(d,J=7.9Hz,1H),7.03(d,J=4.0Hz,1H),6.93-6.46(m,14H),6.02(dd,J=23.2,10.3Hz,2H),5.64(d,J=34.4Hz,4H),5.40(d,J=8.3Hz,1H),2.73(d,J=12.6Hz,1H),2.65(d,J=12.0Hz,1H),2.52(s,3H),1.00(s,9H)。
【0054】
【0055】
化合物L1-2の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-2(26.2g,54.2%)が得られる。質量スペクトル:247.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.46(m,4H),7.17(t,1H),7.07(dd,1H),5.54(m,1H),5.08-4.89(d,2H),1.97(s,3H)。
【0056】
【0057】
化合物CPD15-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD15-2の合成:
【0058】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD15の合成:
【0059】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD15(3.84g、66.7%)が得られる。3.84gのCPD15粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD15(2.65g、69.0%)が得られる。質量スペクトル:866.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.30(d,1H),8.11(d,1H),7.75(m,J=20.0Hz,3H),7.50(m,5H),7.42(m,4H),7.28(dd,J=15.0Hz,2H),7.17(t,2H),7.07(dd,2H),5.54(m,2H),5.34(dd,J=4.6Hz,2H),4.88(dd,J=4.6Hz,2H),2.31(s,J=5.0Hz,6H),1.97(d,6H)。
【0060】
【0061】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD18(3.79g、68.1%)が得られる。3.79gのCPD18粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD18(2.45g、64.6%)が得られる。質量スペクトル:998.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),7.98(dd,1H),7.84(d,1H),7.77(dd,2H),7.69(s,1H),7.52(m,J=20.0Hz,6H),7.40(m,J=15.0Hz,5H),7.31(m,1H),7.17(t,2H),7.06(m,J=10.0Hz,3H),5.54(t,2H),5.11(d,2H),4.73(d,2H),3.21(s,2H),1.97(s,6H),0.85(s,9H)。
【0062】
【0063】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD22(3.37g、62.4%)が得られる。3.37gのCPD22粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD22(2.14g、63.5%)が得られる。質量スペクトル:013.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),8.41(d,1H),7.84(d,1H),7.77(dd,2H),7.69(s,1H),7.50(m,5H),7.42(m,4H),7.17(t,2H),7.11-6.97(m,4H),5.65(d,2H),5.54(m,2H),5.09(d,2H),3.21(s,2H),2.68(s,3H),1.97(d,6H),0.85(s,9H)。
【0064】
【0065】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD24(3.42g、65.4%)が得られる。3.42gのCPD24粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD24(2.35g、68.7%)が得られる。質量スペクトル:1018.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.61(dd,J=15.0,2.9Hz,1H),8.50(d,J=15.0Hz,1H),8.42(dd,J=15.0,2.9Hz,1H),7.86-7.67(m,4H),7.50(t,J=14.8Hz,4H),7.42(m,J=15.0,3.3,1.9Hz,4H),7.22(dt,J=44.0,14.9Hz,3H),7.06(ddd,J=15.0,9.0,3.1Hz,3H),5.60-5.50(m,2H),5.44(t,J=12.0Hz,2H),4.78(t,J=12.1Hz,2H),1.97(d,J=2.0Hz,6H),1.32(s,9H)。
【0066】
【0067】
化合物L1-3bの合成
化合物L1-3a(32g、143.4mmol、1.0eq)、イソプロピルボロン酸(15.13g、172.1mmol、1.2eq)、ジクロロジ-tert-ブチル-(4-ジメチルアミノフェニル)ホスホパラジウム(II)(2.03g、2.87mmol、0.02eq)、K3PO4(60.9g、286.9mmol、2.0eq)、トルエン(320ml)を1Lの三口フラスコへ投入し、真空・窒素で3回置換し、油浴で約70°までに加熱し、16h攪拌し、サンプリングしてTLCモニタリングを行うことにより、原料L1-3aが基本的に反応完了になる。室温まで冷却し、脱イオン水を投入して水で3回洗浄し(150ml/回)、分液し、有機相を固体になるように減圧して濃縮する。粗生成物をカラムクロマト分離(EA:Hex=1:20)を行い、得られた製品を乾燥することにより、オフホワイトの固体の化合物L1-3b(19.26g、72.1%)が得られる。質量スペクトル:187.2(M+H)。
【0068】
化合物L1-3の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-3(18.44g、65.2%)が得られる。質量スペクトル:275.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.46(m,4H),7.17(t,1H),7.07(dd,1H),5.54(d,1H),4.99(dd,J=19.2Hz,2H),3.00(m,1H),1.04(d,6H)。
【0069】
【0070】
化合物CPD30-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0071】
化合物CPD30-2の合成:
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD30の合成:
【0072】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD30(3.27g、63.1%)が得られる。3.27gのCPD30粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD30(2.21g、67.5%)が得られる。質量スペクトル:1054.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,J=15.0Hz,1H),7.98(dd,J=14.6,3.4Hz,1H),7.87-7.67(m,4H),7.58-7.45(m,7H),7.45-7.25(m,6H),7.17(t,J=14.8Hz,2H),7.06(ddd,J=15.0,9.0,3.1Hz,3H),5.67(d,J=12.4Hz,2H),5.54(td,J=12.4,2.0Hz,2H),5.01(d,J=12.4Hz,2H),3.21(s,2H),2.88(m,J=12.7,1.9Hz,2H),1.04(d,J=12.8Hz,12H),0.85(s,9H)。
【0073】
【0074】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD36(3.34g、62.7%)が得られる。3.34gのCPD36粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD36(2.17g、64.3%)が得られる。質量スペクトル:1074.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.61(dd,J=15.0,2.9Hz,1H),8.54-8.38(m,2H),7.88-7.66(m,4H),7.50(m,J=14.8Hz,4H),7.42(m,J=15.0,3.3,1.9Hz,4H),7.22(dt,J=44.0,14.9Hz,3H),7.06(m,J=15.0,9.0,3.1Hz,3H),5.61-5.45(m,4H),5.07-4.93(m,2H),2.75(mJ=12.8,1.8Hz,2H),1.32(s,9H),1.04(d,J=12.8Hz,12H)。
【0075】
共通中間体L1-4の合成
化合物L1-4aの合成
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:213.3(M+H)。
【0076】
化合物L1-4の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-4(20.4g、57.9%)が得られる。質量スペクトル:301.4(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.46(m,4H),7.17(t,1H),7.07(dd,1H),5.54(t,1H),5.08-4.93(d,2H),2.79(m,1H),1.66(m,J=52.5Hz,6H),1.30(m,2H)。
【0077】
【0078】
化合物CPD42-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD42-2の合成:
【0079】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0080】
化合物CPD42の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD42(2.96g、57.6%)が得られる。2.96gのCPD42粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD42(1.86g、62.8%)が得られる。質量スペクトル:1106.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),7.98(dd,1H),7.87-7.65(m,4H),7.52(m,J=20.0Hz,6H),7.40(m,J=15.0Hz,5H),7.31(m,1H),7.17(t,2H),7.06(m,J=10.0Hz,3H),5.76(d,2H),5.54(t,2H),5.12(d,2H),3.21(s,2H),2.74(m,2H),1.76(m,4H),1.66(m,4H),1.55(m,4H),1.30(m,4H),0.85(s,9H)。
【0081】
【0082】
化合物L1-5bの合成
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:213.3(M+H)。
化合物L1-5の合成
【0083】
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-5(24.1g、64.2%)が得られる。質量スペクトル:301.4(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.34-8.19(m,2H),7.65(d,J=15.0Hz,1H),7.56-7.41(m,3H),7.05(d,J=14.8Hz,1H),6.58(d,J=21.8,2.0Hz,1H),5.92(dt,J=21.8,12.4Hz,1H),4.96(dd,J=12.2,8.3,1.9Hz,2H),3.05-2.81(m,1H),2.11-1.89(m,2H),1.89-1.53(m,6H)。
【0084】
【0085】
化合物CPD78-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0086】
化合物CPD78-2の合成:
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0087】
化合物CPD78の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD78(3.11g、60.4%)が得られる。3.11gのCPD78粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD78(1.88g、60.4%)が得られる。質量スペクトル:1106.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),7.98(dd,1H),7.81(m,J=35.0Hz,3H),7.67(t,J=20.0Hz,3H),7.52(m,J=20.0Hz,6H),7.40(m,J=15.0Hz,3H),7.31(m,1H),7.05(d,3H),6.39(d,2H),5.92(m,2H),4.74(dd,J=46.8Hz,4H),3.21(s,2H),2.90(m,2H),1.99(m,4H),1.84-1.60(m,12H),0.85(s,9H)。
【0088】
【0089】
化合物L1-6の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-6(17.3g、53.2%)が得られる。質量スペクトル:247.3(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.46(m,3H),7.42(dd,1H),7.17(t,1H),7.07(d,1H),6.85(d,1H),4.80(s,2H),1.66(s,3H)。
【0090】
【0091】
化合物CPD93-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD93-2の合成:
【0092】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0093】
化合物CPD93の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD93(2.87g、56.7%)が得られる。2.87gのCPD93粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD93(1.76g、61.3%)が得られる。質量スペクトル:985.2(M+H)1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.46(dd,J=38.7,14.9Hz,2H),7.87-7.66(m,4H),7.56-7.38(m,9H),7.17(t,J=14.8Hz,2H),7.12-6.97(m,4H),6.90-6.81(m,2H),5.28(dd,J=7.9,2.0Hz,2H),4.77(dd,J=8.1,2.0Hz,2H),2.96-2.78(m,1H),2.68(s,3H),1.66(d,J=2.0Hz,6H),1.20(d,J=12.8Hz,6H)。
【0094】
【0095】
化合物L1-7bの合成
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:187.3(M+H)。
【0096】
化合物L1-7の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-7(24.1g、64.2%)が得られる。質量スペクトル:275.4(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.50(dd,3H),7.42(dd,1H),7.17(t,1H),7.07(dd,1H),6.85(s,1H),4.98(s,2H),,2.09(m,1H),1.04(d,6H)。
【0097】
【0098】
化合物CPD98-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD98-2の合成:
【0099】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0100】
化合物CPD98の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD98(3.21g、61.7%)が得られる。3.21gのCPD98粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD98(1.84g、57.3%)が得られる。質量スペクトル:908.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.16(d,1H),7.77(d,2H),7.46(m,J=40.0Hz,11H),7.29(t,1H),7.17(t,2H),7.07(dd,2H),6.98(dd,1H),6.85(dd,2H),6.61(s,1H),5.44(s,2H),4.95(s,2H),2.76(s,3H),2.26(m,2H),1.04(s,12H)。
【0101】
【0102】
化合物L1-8bの合成
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:215.3(M+H)。
【0103】
化合物L1-8の合成
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-8(22.7g、57.9%)が得られる。質量スペクトル:303.4(M+H)。
1HNMR(400MHz,CDCl
3)δ8.28(m,2H),7.50(dd,3H),7.42(dd,1H),7.17(t,1H),7.07(dd,1H),6.85(s,1H),4.85(s,2H),2.27(s,2H),1.01(s,9H)。
化合物CPD119の合成:
【0104】
化合物CPD119-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0105】
化合物CPD119-2の合成:
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0106】
化合物CPD119の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD119(2.87g、56.9%)が得られる。2.87gのCPD119粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD119(1.68g、58.5%)が得られる。質量スペクトル:1109.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),8.29(d,1H),7.87-7.67(m,4H),7.46(m,J=40.0Hz,9H),7.17(t,2H),7.10-6.99(m,4H),6.85(s,2H),5.19(s,2H),4.81(s,2H),2.68(s,3H),2.55(m,1H),2.14(s,4H),2.01(m,2H),1.87-1.57(m,6H),1.01(s,18H)。
【0107】
【0108】
化合物L1-9bの合成:
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:187.3(M+H)。
化合物L1-9の合成
【0109】
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-7(21.0g、57.7%)が得られる。質量スペクトル:275.4(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.50(m,3H),7.39(d,J=50.0Hz,2H),6.56(d,1H),5.76(m,1H),4.98(d,J=16.5Hz,2H),2.87(m,1H),1.20(s,6H)。
【0110】
【0111】
化合物CPD155-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD155-2の合成:
【0112】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
【0113】
化合物CPD155の合成:
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD115(2.63g、54.7%)が得られる。2.63gのCPD155粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD155(1.59g、60.4%)が得られる。質量スペクトル:1067.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,J=7.5Hz,1H),8.31(d,J=7.5Hz,1H),7.88-7.65(m,4H),7.55-7.30(m,11H),7.08-6.95(m,2H),6.49(d,J=10.8Hz,2H),5.76(dt,J=11.0,6.2Hz,2H),5.45(dd,J=6.1,0.8Hz,2H),5.08(dd,J=6.2,0.6Hz,2H),2.94-2.76(m,3H),2.68(s,3H),2.08-1.94(m,2H),1.84-1.60(m,6H),1.20(d,J=6.3Hz,12H)。
【0114】
【0115】
化合物L1-10bの合成:
化合物L1-3bの合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよい。質量スペクトル:213.3(M+H)。
化合物L1-9の合成
【0116】
化合物L1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物L1-7(18.4.0g、55.4%)が得られる。質量スペクトル:301.4(M+H)。1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.28(m,2H),7.50(m,3H),7.39(dd,J=50.0Hz,2H),6.56(d,1H),5.76(m,1H),4.98(d,J=2.4Hz,2H),2.80(m,1H),2.00(m,2H),1.71(m,J=25.0Hz,6H)。
【0117】
【0118】
化合物CPD163-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD163-2の合成:
【0119】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD163の合成:
【0120】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD163(3.1g、61.4%)が得られる。3.1gのCPD163粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD163(1.97g、63.5%)が得られる。質量スペクトル:1104.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,J=7.5Hz,1H),7.98(dd,J=7.4,1.5Hz,1H),7.87-7.67(m,4H),7.59-7.47(m,6H),7.47-7.36(m,5H),7.36-7.26(m,3H),7.05(dd,J=7.5,1.4Hz,1H),6.67-6.54(m,2H),5.80-5.69(m,4H),5.37-5.27(m,2H),2.65-2.52(m,1H),2.49-2.38(m,2H),2.09-1.91(m,6H),1.84-1.56(m,18H)。
【0121】
【0122】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD168(2.45g、53.7%)が得られる。2.45gのCPD168粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD168(1.65g、67.3%)が得られる。質量スペクトル:1126.5(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.61(d,1H),8.46(dd,J=40.0Hz,2H),7.88-7.66(m,4H),7.45(m,J=20.0Hz,8H),7.30(m,J=40.0Hz,3H),7.05(dd,1H),6.44(d,2H),5.76(m,2H),5.64(d,2H),5.02(d,2H),2.38(m,2H),1.98(m,4H),1.83-1.59(m,12H),1.32(s,9H)。
【0123】
【0124】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD169(2.76g、57.8%)が得られる。2.76gのCPD169粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD169(1.66g、60.1%)が得られる。質量スペクトル:974.3(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.33(dd,J=7.4,1.5Hz,1H),7.77(dd,J=7.4,1.5Hz,2H),7.54-7.36(m,11H),7.21-7.02(m,5H),6.80(t,J=7.4Hz,1H),5.52(m,J=44.9,25.3,3.4Hz,4H),5.20(s,2H),4.91(d,J=6.2Hz,2H),2.88(dq,J=16.6,8.3Hz,2H),1.84-1.71(m,4H),1.71-1.60(m,4H),1.61-1.49(m,4H),1.37-1.23(m,4H)。
【0125】
【0126】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD179(3.37g、62.4%)が得られる。2.65gのCPD179粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD179(1.55g、58.4%)が得られる。質量スペクトル:1029.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.37(dd,1H),7.77(dd,2H),7.54-7.37(m,11H),7.20(dt,J=35.0Hz,3H),7.07(dd,2H),6.92(d,1H),6.80(t,1H),5.51(dt,J=32.8Hz,4H),4.96(d,2H),4.31(m,1H),4.02(m,1H),2.76(m,2H),1.76(m,4H),1.66(m,4H),1.55(m,4H),1.40(d,3H),1.30(m,4H),1.19(d,6H)。
【0127】
【0128】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD195(2.71g、58.9%)が得られる。2.65gのCPD195粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD195(1.79g、66.0%)が得られる。質量スペクトル:1028.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.35(dd,J=14.9,3.0Hz,1H),7.77(dd,J=14.7,3.3Hz,2H),7.60-7.38(m,10H),7.37-7.25(m,2H),7.23-7.03(m,4H),6.67(t,J=14.9Hz,1H),5.54(td,J=12.4,2.0Hz,2H),5.23(dd,J=14.3,12.5Hz,2H),4.72(dd,J=14.3,12.3Hz,2H),2.62(mJ=16.9,2.0Hz,2H),1.84-1.72(m,3H),1.73-1.60(m,5H),1.54(m,J=24.4,16.6,9.7,2.6Hz,4H),1.42-1.21(m,16H)。
【0129】
【0130】
化合物CPD202-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD202-2の合成:
【0131】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD202の合成:
【0132】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD202(3.41g、63.7%)が得られる。3.1gのCPD202粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD202(2.2g、64.5%)が得られる。質量スペクトル:1083.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),8.39(d,1H),7.88-7.67(m,4H),7.46(m,J=40.0Hz,9H),7.17(t,2H),7.11-6.98(m,4H),6.58(d,2H),5.76(m,2H),4.91(dd,J=68.8Hz,4H),3.21(s,2H),2.68(s,3H),0.85(s,9H)。
【0133】
【0134】
化合物CPD204-1の合成:
化合物CPD1-1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD204-2の合成:
【0135】
化合物CPD1-2の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更するとよく、得られた化合物は、精製せずにそのまま次のステップに用いられる。
化合物CPD204の合成:
【0136】
化合物CPD1の合成及び精製方法を参照すると、対応の原材料のみを変更すると、目標化合物CPD204(3.02g、65.8%)が得られる。3.1gのCPD204粗生成物の昇華・精製後、昇華された純粋なCPD204(2.18g、70.7%)が得られる。質量スペクトル:1093.4(M+H).1HNMR(400MHz,CDCl3)δ8.61(dd,J=15.0,2.9Hz,1H),8.54-8.38(m,2H),7.88-7.64(m,4H),7.58-7.37(m,8H),7.22(dt,J=44.0,14.9Hz,3H),7.06(m,J=15.0,9.0,3.1Hz,3H),6.53(dt,J=21.8,1.9Hz,2H),5.76(dt,J=21.6,12.4Hz,2H),5.59(m,J=15.7,12.5,1.8Hz,2H),4.98(m,J=15.7,12.4,2.0Hz,2H),1.32(s,9H)。
対応の材料を選択し、同様な方法により合成・昇華して他の化合物を取得することができる。
使用例:有機エレクトロルミネッセンス素子の作製
【0137】
ITO(100nm)透明電極の有する50mm*50mm*1.0mmのガラス基板をエタノール中に超音波で10分間洗浄して150度で乾燥した後、N2Plasmaにより30分間処理する。洗浄後のガラス基板を真空蒸着装置の基板ブラケットに取付け、まず、透明電極線の一側の面に、透明電極を覆うように化合物HATCNを蒸着することにより、膜厚が5nmである薄膜を形成し、そして、HTM1を一層蒸着することにより、膜厚が60nmである薄膜を形成し、さらに、HTM1薄膜上にHTM2を一層蒸着することにより、膜厚が10nmである薄膜を形成し、そして、HTM2の膜層上に、主体材料1と主体材料2とドーパント化合物(比較化合物X、CPDX)とを共蒸着モードにより蒸着し、ただし、膜厚が30nmであり、主体材料とドーパント材料との比率が45%:45%:10%である。さらに、発光層上にETL:EILを順に蒸着し、ただし、膜厚が35nmであり、ETLとEILとの比率が50%:50%である。最後に、金属Al層(100nm)を電極として一層蒸着する。
【0138】
【0139】
評価:上記素子に対して素子性能検定を行い、各実施例及び比較例において、定電流電源(Keithley2400)を用い、発光部材に固定の電流密度を流し、分光放射輝度計(CS2000)により発光スペクトルを検定する。また、電圧値と、検定輝度が初期輝度の95%になる時間(LT95)と、を測定する。その結果は以下のとおりである。
【0140】
【0141】
上記表におけるデータを比較して分かるように、本発明に係る化合物をドーパントとして用いる有機エレクトロルミネッセンス素子は、比較化合物に比べて、駆動電圧、発光効率および素子寿命に関して優れた性能を有する。
【産業上の利用可能性】
【0142】
上記結果から分かるように、本発明に係る化合物は、光学的・電気化学的安定性が高く、発射ハーフピック幅が狭く、彩度が高く、発光効率が高く、素子寿命が長いなどの利点を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子に用いられる。特に、緑色発光ドーパントとしては、OLED産業への使用の可能性がある。