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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/26 20060101AFI20240926BHJP
   F21S 43/251 20180101ALI20240926BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20240926BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240926BHJP
   B60Q 11/00 20060101ALI20240926BHJP
   B60Q 1/00 20060101ALI20240926BHJP
   B60Q 1/30 20060101ALI20240926BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20240926BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20240926BHJP
   F21S 43/242 20180101ALI20240926BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240926BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240926BHJP
【FI】
B60Q1/26 A
F21S43/251
F21S43/27
F21S43/14
B60Q11/00 610A
B60Q11/00 620C
B60Q1/00 G
B60Q1/30 Z
F21S43/20
F21S43/241
F21S43/242
F21W103:00
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020179635
(22)【出願日】2020-10-27
(65)【公開番号】P2022070529
(43)【公開日】2022-05-13
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000143639
【氏名又は名称】株式会社今仙電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】近藤 松生
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-023004(JP,A)
【文献】実開昭59-008848(JP,U)
【文献】特開2020-111107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/26
F21S 43/251
F21S 43/27
F21S 43/14
B60Q 11/00
B60Q 1/00
B60Q 1/30
F21S 43/20
F21S 43/241
F21S 43/242
F21W 103/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックドアの車室側に配置されたインジケータランプと、車体の外側に配置された第1後部ランプと、前記バックドアの外側に配置され第2後部ランプと、から成る車両用灯具であって、
前記第1後部ランプは、光源と、一端と他端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記光源からの光を前記側面から拡散すると共に前記他端側へ導く第1導光レンズとを有し、
前記第2後部ランプは、一端と他端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記第1導光レンズからの光を前記側面から拡散すると共に前記他端側へ導く第2導光レンズを有し、
前記インジケータランプは、一端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記第2導光レンズからの光を前記側面から拡散する第3導光レンズを有し、
前記第2後部ランプの前記第2導光レンズからの光を前記インジケータランプの第3導光レンズへリアガラスを介して透過させ
前記第2導光レンズは、当該第2導光レンズの前記他端側が前記第3導光レンズの前記一端側を指向するように車室側へ曲げられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
請求項1の車両用灯具であって、
前記第1導光レンズと前記第2導光レンズとの間に、前記第1導光レンズの前記他端からの光を、前記第2導光レンズの前記一端側へ集光する第1集光レンズが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項3】
請求項2の車両用灯具であって、
前記第1集光レンズは、前記第1後部ランプ側に配置された第1凸レンズと、該第1凸レンズに対向する前記第2後部ランプに配置された第2凸レンズとから成る。
【請求項4】
バックドアの車室側に配置されたインジケータランプと、車体の外側に配置された第1後部ランプと、前記バックドアの外側に配置され第2後部ランプと、から成る車両用灯具であって、
前記第1後部ランプは、光源と、一端と他端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記光源からの光を前記側面から拡散すると共に前記他端側へ導く第1導光レンズとを有し、
前記第2後部ランプは、一端と他端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記第1導光レンズからの光を前記側面から拡散すると共に前記他端側へ導く第2導光レンズを有し、
前記インジケータランプは、一端と側面とを備え、前記一端側から入射した前記第2導光レンズからの光を前記側面から拡散する第3導光レンズを有し、
前記第2後部ランプの前記第2導光レンズからの光を前記インジケータランプの第3導光レンズへリアガラスを介して透過させる車両用灯具であって、
前記第2導光レンズと前記第3導光レンズとの間に、前記第2導光レンズの前記他端からの光を、前記第3導光レンズの前記一端側へ集光する第2集光レンズが設けられていることを特徴とする車両用灯具。
【請求項5】
請求項4の車両用灯具であって、
前記第2集光ンズは、前記第2後部ランプ側に配置された第3凸レンズと、該第3凸レンズに対向する前記インジケータランプに配置された第4凸レンズとから成る。
【請求項6】
請求項4又は請求項5の車両用灯具であって、
前記第1後部ランプはテールランプである。
【請求項7】
請求項4又は請求項5の車両用灯具であって、
前記第1後部ランプはバックランプ、ブレーキランプ、方向指示ランプのいずれか1である。
【請求項8】
請求項~請求項6のいずれか1の車両用灯具であって、
前記光源は赤色発光ダイオードである。
【請求項9】
請求項6の車両用灯具であって、
前記テールランプは、前記インジケータランプを挟み車両の左右に1対設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックドアに取り付けられる車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ハウジングとその開口部を覆うアウターレンズによって画成される灯室内にバルブを配置する車両用灯具を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-174628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、バックドアに設けられたインジケータランプを発光させる場合、開閉可能なバックドア側にバルブを配置することになると考えられる。このため、バルブのコストが掛かるのに加えて、配線の取り回しが複雑になるという課題が想像される。更に、テールランプ等の車体の後部ランプが点灯しているかを、車内から確認することができなかった。
【0005】
本発明の目的は、後部ランプが点灯しているかを車内から確認することができる車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具10は、バックドア60の車室側に配置されたインジケータランプ30と、車体80の外側に配置された第1後部ランプ20Laと、前記バックドア60の外側に配置され第2後部ランプ20Lbと、から成る。そして、前記第1後部ランプ20Laは、光源12と、一端22aIと他端22aOと側面22aSとを備え、前記一端22aI側から入射した前記光源12からの光を前記側面22aSから拡散すると共に前記他端22aO側へ導く第1導光レンズ22aとを有し、前記第2後部ランプ20Lbは、一端22bIと他端22bOと側面22bSとを備え、前記一端22bI側から入射した前記第1導光レンズ22aからの光を前記側面22bSから拡散すると共に前記他端22bO側へ導く第2導光レンズ22bとを有し、前記インジケータランプ30は、一端32Iと側面32Sとを備え、前記一端32I側から入射した前記第2導光レンズ22bからの光を前記側面32Sから拡散する第3導光レンズ32を有し、前記第2後部ランプ20Lbの前記第2導光レンズ22bからの光を前記インジケータランプ30の第3導光レンズ32へリアガラス70を介して透過させ、前記第2導光レンズは、当該第2導光レンズの前記他端側が前記第3導光レンズの前記一端側を指向するように車室側へ曲げられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の車両用灯具は、車外に設けられたテールランプ等の後部ランプ側に設けられた光源からの光を、第1導光レンズ、第2導光レンズを介して、車内のインジケータランプの第3導光レンズに導くため、車内に設けたインジケータランプを発光させ、車内からテールランプ等の後部ランプの点灯を確認することができる。車外の第2導光レンズからの光をリアガラスを介して車内のインジケータランプの第3導光レンズに導くため、車体に光透過用の通孔を新たに設ける必要が無い。このため、水漏れの懸念が無く、廉価に車両用灯具を構成することができる。更に、テールランプ等の後部ランプ側に設けられた光源からの光を、第1導光レンズ、第2導光レンズを介して、インジケータランプの第3導光レンズに導くため、光源を配置することなくインジケータランプを発光させることができる。このため、製造コストが低減でき、バックドア側への配線の手間を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の車両用灯具を車両後方から見た斜視図である。
図2】実施形態の車両用灯具を車両後方から見た正面図である。
図3】本発明の実施形態のインジケータランプを車内側から見た斜視図である。
図4】実施形態のインジケータランプを車内側から見た正面図である。
図5図2の車両用灯具のA-A断面図である。
図6】実施形態に係る車両用灯具の原理図である。
図7】実施形態の改変例に係る車両用灯具の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は本発明の実施形態の車両用灯具を車両後方から見た斜視図である。図2は実施形態の車両用灯具を車両後方から見た正面図である。図3は本発明の実施形態のインジケータランプを車内側から見た斜視図である。図4は実施形態のインジケータランプを車内側から見た正面図である。車両用灯具10は、図1図2に示される車外に取り付けられたテールランプ20と、図3図4に示される車両のバックドア60の車内側に取り付けられたインジケータランプ30とから構成される。バックドア60は、跳ね上げ式に開閉可能に車両に設けられている。テールランプ20は、赤色に横方向に水平に一文字に光るように構成されている。テールランプ20は、バックドア60の右側に設けられる右テールランプ20Rと左側に設けられる左テールランプ20Lとから成る。右テールランプ20Rは、車両のボディ80側に取り付けられた第1テールランプ20Raと、バックドア60側に取り付けられた第2テールランプ20Rbから成る。左テールランプ20Lは、車両のボディ80側に取り付けられた第1テールランプ20Laと、バックドア60側に取り付けられた第2テールランプ20Lbから成る。第1テールランプ20Ra、20Laの下側にブレーキランプ90が設けられている。インジケータランプ30は、右テールランプ20Rと左テールランプ20Lとに挟まれるように設けられる。
【0010】
図6は本発明の実施形態に係る車両用灯具の原理図である。車両のボディ80側に取り付けられた第1テールランプ20Laは、赤色発光ダイオード12と、一端22aIと他端22aOと円筒側面22aSとを備える第1導光レンズ22aとを有する。第1導光レンズ22aは、一端22aI側から入射した赤色発光ダイオード12からの光を円筒側面22aSから拡散すると共に他端22aO側へ導く。バックドア60の外側に取り付けられた第2テールランプ20Lbは、一端22bIと他端22bOと円筒側面22bSとを備える第2導光レンズ22bを有する。第2導光レンズ22bは、一端22bI側から入射した第1導光レンズ22aからの光を円筒側面22bSから拡散すると共に他端22bO側へ導く。バックドア60の車内側に取り付けられたインジケータランプ30は、一端32Iと円筒側面32Sとを備える第3導光レンズ32を有する。第3導光レンズ32は、一端32I側から入射した第2導光レンズ22bからの光を円筒側面32Sから拡散する。第1導光レンズ22aと第2導光レンズ22bとの間に、第1導光レンズ22aの他端22aOからの光を、第2導光レンズ22bの一端22bI側へ集光する凸レンズ24a、24bが設けられている。凸レンズは、第1テールランプ20La側に配置された第1凸レンズ24aと、第1凸レンズ24aに対向する第2テールランプ22Lbに配置された第2凸レンズ24bとから成る。第2導光レンズ22bと第3導光レンズ32との間に、第2導光レンズ22bの他端22bOからの光を、第3導光レンズ32の一端32I側へ集光する凸レンズ24c、34が設けられている。凸レンズは、第2テールランプ20Lb側に配置された第3凸レンズ24cと、第3凸レンズ24cに対向するインジケータランプ30に配置された第4凸レンズ34とから成る。第2テールランプ20Lbの第3凸レンズ24cからの光は、リアガラス70を透過して、インジケータランプ30の第4凸レンズ34側に至る。図1図2中に示される右テールランプ20Rは、図6に示す左テールランプ20Lと同じ構造を備える。
【0011】
実施形態の車両用灯具では、車外に設けられた右テールランプ20R、左テールランプ20L側に設けられた赤色発光ダイオード12からの光を、第1導光レンズ22a、第2導光レンズ22bを介して、車内のインジケータランプ30の第3導光レンズ32に導くため、車内に設けたインジケータランプ30を発光させ、車内から右テールランプ20R、左テールランプ20Lの点灯をそれぞれ確認することができる。インジケータランプ30の右側が暗いときには右テールランプ20Rの消灯を意味し、インジケータランプ30の左側が暗いときには左テールランプ20Lの消灯を意味する。車外の第2導光レンズ22bからの光をリアガラス70を介して車内のインジケータランプ30の第3導光レンズ32に導くため、車体に光透過用の通孔を新たに設ける必要が無い。このため、水漏れの懸念が無く、廉価に車両用灯具10を構成することができる。
【0012】
実施形態の車両用灯具は、第1テールランプ20La、20Ra側に設けられた発光ダイオード(光源)12からの光を、第1導光レンズ22a、第2導光レンズ22bを介して、インジケータランプ30の第3導光レンズ32に導くため、バックドア60側に光源を配置することなくインジケータランプ30側を発光させることができる。このため、車両用灯具10の製造コストが低減でき、バックドア60側への配線の手間を無くすことができる。そして、第1導光レンズ22aと第2導光レンズ22bとの間に、第1導光レンズ22aの他端22aOからの光を、第2導光レンズ22bの一端22bI側へ集光する第1凸レンズ24a、第2凸レンズ24bが設けられている。そして、第2導光レンズ22bと第3導光レンズ32との間に、第2導光レンズ22bの他端22bOからの光を、第3導光レンズ32の一端32I側へ集光する第3凸レンズ24c、第4凸レンズ34が設けられているため、第1導光レンズ22aからの光を効率的に第3導光レンズ32へ導くことができ、インジケータランプ30で光を拡散させることができる。
【0013】
図5図2の車両用灯具10のA-A断面図である。
インジケータランプ30は、図3中に示されるようにアウターレンズ38が車両前方向に、バックドア60の車内側の車体パネル64から突出している。図5中に示されるようにバックドア60の車外側の車体パネル62は車外に露出している。アウターレンズ38はハウジング35に固定されている。ハウジング35内にインナーパネル37が固定され、インナーパネル37に沿って第3導光レンズ32が設けられている。
【0014】
第1テールランプ20aは、図2中に示されるようにアウターレンズ28aが車両後方にボディ80から突出している。ハウジング25aが図示しない車両パネル側に固定されている。ハウジング25aに沿って赤色発光ダイオード12を保持する基板14が設けられている。アウターレンズ28aに沿って第1導光レンズ22aが設けられている。第1導光レンズ22aの背面側にインナーパネル27aが設けられている。図6に示されるように、第1導光レンズ22aの一端(入射端面)22aIは、基板14に保持された赤色発光ダイオード12に対向している。第1導光レンズ22aの他端(出射端面)22aOは、第1凸レンズ24aに対向している。
【0015】
第2テールランプ20bは、図2中に示されるようにアウターレンズ28bが車両後方にバックドア60から突出している。ハウジング25bが図示しないバックドアのパネル側に固定されている。アウターレンズ28bに沿って第2導光レンズ22bが設けられている。第2導光レンズ22bの背面側にインナーパネル27bが設けられている。図6に示されるように第2凸レンズ24bは、第1凸レンズ24aと対向する位置に形成されている。第2凸レンズ24bは、第2導光レンズ22bの一端(入射端面)22bIに対向して設けられている。また、第2導光レンズ22bの他端(出射端面)22bOは、第3凸レンズ24cに対向している。第3凸レンズ24cは、リアガラス70を介してインジケータランプ30の第4凸レンズ34と対向している。第4凸レンズ34は、第3導光レンズ32の一端(入射端面)32Iに対向して設けられている。
【0016】
第1導光レンズ22a、第2導光レンズ22b、第3導光レンズ32は透明であることが望ましく、アウターレンズ28a、28b、アウターレンズ38は赤色でも、透明であっても良い。インナーパネル27aの第1導光レンズ22a側の面、インナーパネル27bの第2導光レンズ22b側の面、インナーパネル37の第3導光レンズ32側の面は、導光レンズでの発光を明瞭にするため、白色であることが望ましい。
【0017】
図7は、実施形態の構成をバックランプ、ブレーキランプ、方向指示ランプのいずれかに応用した車両用灯具110を示している。ボディ80の車外側に設けられた第1バックランプ、ブレーキランプ、方向指示ランプ120Laの赤色発光ダイオード12からの光を第1導光レンズ22aを介して、バックドア60の車外側に設けられた第2バックランプ、ブレーキランプ、方向指示ランプ120Lbの第2導光レンズ22bへ送り、リアガラス70を介して左インジケータランプ130Lの第3導光レンズ32へ送る。図7の例では、インジケータランプ130は、小型化され、左インジケータランプ130Lと図示されない右インジケータランプとから構成される。
【符号の説明】
【0018】
10 車両用灯具
12 赤色発光ダイオード
20 テールランプ
20La 第1テールランプ
20Lb 第1テールランプ
22a 第1導光レンズ
22b 第2導光レンズ
24a 第1凸レンズ
24b 第2凸レンズ
24c 第3凸レンズ
30 インジケータランプ
32 第3導光レンズ
34 第4凸レンズ
60 バックドア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7