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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】電子機器スタンド
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240926BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240926BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H05K5/02 B
G09F9/00 351
H04N5/64 581A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020180131
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071267
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2023-10-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【弁理士】
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【弁理士】
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】細川 亜夢
(72)【発明者】
【氏名】江連 晴洋
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-002486(JP,U)
【文献】登録実用新案第3202483(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0101179(US,A1)
【文献】特開2019-082562(JP,A)
【文献】特開2004-071770(JP,A)
【文献】実開平05-073676(JP,U)
【文献】特開2002-171461(JP,A)
【文献】特表2007-515840(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/00-5/06
H04N 5/64-5/655
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部材と、
前記脚部材から上方に向けて立てられる中空の筒部材である支柱と、
前記支柱の上端部に設けられて電子機器を支持する支持部と、
前記支柱の上端部における前記支持部の背面側に設けられる収容部と、を備え、
前記支柱の上部には前記支柱の内側と外側とを連通する上側開口部が形成され、
前記上側開口部が前記収容部の内側に面することにより、前記支柱の内側と前記収容部の内側とが連通され、
前記支柱の下部には、前記支柱の内側と外側とを連通する下側開口部が形成され
前記収容部は背面側に向けて開口部が形成され、
前記開口部はカバー部材により塞がれ、
前記収容部と前記カバー部材との間には、前記収容部の内部と外部とを連通する連通部が形成される、電子機器スタンド。
【請求項2】
前記収容部の上部には、上方に面する平面部が形成され、
前記カバー部材は、前記平面部よりも上側に延出されるガイド部を備える、請求項1に記載の電子機器スタンド。
【請求項3】
前記収容部の側面には凹部で形成された把手部が形成される、請求項1又は請求項2に記載の電子機器スタンド。
【請求項4】
前記支柱において、前記上側開口部が前記収容部の上下方向中途部に配置される、請求項1から請求項3の何れか1項に記載の電子機器スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、電子機器を支持するための電子機器スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子機器スタンドにおいて、ディスプレイ等の電子機器を支持する支持部の背後に収容部を設け、この収容部にリモコン等の物品を載置可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-82562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、電子機器の電源ケーブルや通信ケーブルなどが垂れ下がって露出するため、意匠性が損なわれていた。また、収容部に電子機器の電源を取るための電源タップを置いた場合も、電源タップのケーブルが垂れ下がって露出するため、意匠性が損なわれていた。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る電子機器スタンドは、脚部材と、前記脚部材から上方に向けて立てられる中空の筒部材である支柱と、前記支柱の上端部に設けられて電子機器を支持する支持部と、前記支柱の上端部における前記支持部の背面側に設けられる収容部と、を備え、前記支柱の上部には前記支柱の内側と外側とを連通する上側開口部が形成され、前記上側開口部が前記収容部の内側に面することにより、前記支柱の内側と前記収容部の内側とが連通され、前記支柱の下部には、前記支柱の内側と外側とを連通する下側開口部が形成され、前記収容部は背面側に向けて開口部が形成され、前記開口部はカバー部材により塞がれ、前記収容部と前記カバー部材との間には、前記収容部の内部と外部とを連通する連通部が形成される。
【0006】
上記第1観点に係る電子機器スタンドによれば、電子機器の電源ケーブルや通信ケーブルなどを支柱の内部に挿通して被覆することができるため、意匠性を維持できる。また、収容部に電源タップ等を置いた場合も、電源タップのケーブルを支柱の内部に挿通して被覆することができるため、意匠性を維持できる。
【0007】
なお、上記第1観点において、電子機器の用語は、ディスプレイ、薄型テレビ、電子黒板、タブレット型コンピュータ等、種々の電子機器の総称として用いている。
【0008】
また、上記第1観点における上側開口部は、支柱の上端面又は支柱の側面上部など、支柱の上部に形成されていれば良い。
【0009】
また、上記第1観点における下側開口部は、支柱の下端面、支柱の側面下部、などの支柱の下部に形成することができる。
【0010】
また、上記第1観点における支柱は、長手方向にスリットが形成されていても良い。
【0011】
また、上記第1観点における収容部には、電源タップや通信機器等を収容することができる。
【0012】
また、第1観点に係る電子機器スタンドによれば、収容部の内部をカバー部材により被覆できるため、意匠性をより高めることができる。
【0013】
なお、上記第1観点において、収容部は上方、下方、又は、側方に開口されていても良い。
【0014】
また、第1観点に係る電子機器スタンドによれば、収容部の内部と外部とを、連通部を介してコード類で接続することができる。
【0015】
本発明の第2観点に係る電子機器スタンドは、第1観点に係る電子機器スタンドであって、上方に面する平面部が形成され、前記カバー部材は、前記平面部よりも上側に延出されるガイド部を備える。
【0016】
上記第2観点に係る電子機器スタンドによれば、平面部に物品を載置可能とすることにより、電子機器スタンドの利便性を向上させることができる。
【0017】
なお、上記第2観点において、ガイド部は平面部の少なくとも何れか一側辺に形成されていれば良い。
【0018】
本発明の第3観点に係る電子機器スタンドは、第1観点又は第2観点に係る電子機器スタンドであって、前記収容部の側面には凹部で形成された把手部が形成される。
【0019】
上記第3観点に係る電子機器スタンドによれば、把手部を持って容易に移動させることができる。
【0020】
なお、上記第3観点において、支柱を持って電子機器スタンドを移動させることも可能である。
【0021】
本発明の第4観点に係る電子機器スタンドは、第1観点から第3観点の何れか一に係る電子機器スタンドであって、前記支柱において、前記上側開口部が前記収容部の上下方向中途部に配置される。
【0022】
上記第4観点に係る電子機器スタンドによれば、支柱を収容部の上下方向中途部まで延ばすことにより、支柱に対する収容部の固定強度を高めることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上における本発明に係る電子機器スタンドは、以下に示す効果を奏する。
【0024】
第1観点に係る電子機器スタンドによれば、意匠性を維持することができる。また、連通部を介して収容部の内部と外部とを接続することができる。
【0025】
第2観点に係る電子機器スタンドによれば、電子機器スタンドの利便性を向上させることができる。
【0026】
第3観点に係る電子機器スタンドによれば、電子機器スタンドの利便性を向上させることができる。
【0027】
第4観点に係る電子機器スタンドによれば、支柱に対する収容部の固定強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】一実施形態に係る電子機器スタンドを示す前方斜視図。
図2】一実施形態に係る電子機器スタンドを示す後方斜視図。
図3】一実施形態に係る電子機器スタンドを示す左側面図。
図4】一実施形態に係る電子機器スタンドを示す平面図。
図5】使用状態における電子機器スタンドを示す後方斜視図。
図6】使用状態における電子機器スタンドを示す左側面図。
図7】収容部の組付構成を示す分解図。
図8】収容部の別使用例を示す斜視図。
図9】取付金具の組付構成を示す背面図。
図10】取付金具の組付構成を示す左側面図。
図11】ディスプレイの第一取付例を示す正面図。
図12】ディスプレイの第二取付例を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[電子機器スタンド]
まず、図1から図10を用いて、本発明に係る電子機器スタンドの一実施形態であるスタンド1の構成について説明する。スタンド1は、ディスプレイ、薄型テレビ、電子黒板、タブレット型コンピュータ等の、種々の電子機器を背後から支持するために用いられる。本実施形態においては図1から図6に示す如く、スタンド1は電子機器の一例であるディスプレイDを支持している。
【0030】
スタンド1は、スチール又はアルミニウム合金等の金属製部品を中心に、適宜樹脂製部材等を用いて構成される。本明細においては、各図中に示した矢印の方向でスタンド1の方向を規定する。図1から図4に示す如く、スタンド1は、脚部材11、支柱21、第一ケース部材31、第二ケース部材41、取付金具51等を主な構成部材として備えている。以下、それぞれの構成部材について順に説明する。
【0031】
脚部材11はスタンド1の下端部に設けられ、スタンド1を全体的に支持する部材である。本実施形態において、脚部材11は右前、右後、左前、左後の四方向に延出された四本の脚12が中央部で連結されることにより構成されている。それぞれの脚12における先端部の下面にはキャスター13(図3を参照)が設けられ、スタンド1が容易に変位できるように構成されている。右後方向に延出される脚12の先端部上面にはスイッチ式のロック機構14が設けられている。このロック機構14を操作することにより、その脚12に設けられたキャスター13が転動不能/可能とされ、スタンド1の変位が規制/規制解除される。
【0032】
上記の如く、本実施形態において脚部材11は四本の脚12で構成されているが、脚部材11の形状は限定されるものではなく、円板形状、多角形の板形状、三本又は五本以上の脚を備える形状等、他の形状としても差し支えない。また、脚部材11におけるキャスター13及びロック機構14の有無についても限定されるものではない。
【0033】
脚部材11の中央部からは上方に向けて中空の筒部材である支柱21が立設される。本実施形態に係るスタンド1においては、脚部材11と支柱21とはそれぞれ別に形成された部材が連結されて構成されているが、脚部材11と支柱21とを一体的に構成することも可能である。
【0034】
図2及び図4に示す如く、支柱21の上端部には支柱21の内側と外側とを連通する上側開口部22が形成されている。また、支柱21の側面における後側下部には、支柱21の内側と外側とを連通する下側開口部23が形成される。なお、上側開口部22については支柱21の上部に開口されていれば良く、支柱21の側面の上側開口部22を形成する構成とすることも可能である。この場合、支柱21の上端部は閉塞部材により閉塞されていても差し支えない。
【0035】
なお、脚部材11の中央部分に、脚部材11を貫通する貫通孔を形成し、下側開口部23を支柱21の下端部に形成して貫通孔に連通することもできる。これにより、支柱21の内側と外側とは、下側開口部23及び脚部材11の貫通孔を介して連通される。この場合、支柱21の下端部に形成される下側開口部23を脚部材11で隠すことができるため、スタンド1の意匠性をより高めることができる。
【0036】
支柱21の上部には、第一ケース部材31が組付けられる。第一ケース部材31は板金を折り曲げることにより形成された箱状の部材であり、背面側に開口部が形成されている。第一ケース部材31は、前方に向けて配置される支持面32と、支持面32に対して連続して形成される天面33、右側面34R、左側面34L、及び、底面35と、を備える。
【0037】
支持面32は支柱21の前側上端部に溶接されることにより支柱21に固定される(図10を参照)。支持面32は、支持面32の前面に左右一対で取付けられる取付金具51とともに、ディスプレイDを支持する支持部として機能する。図9に示す如く、支持面32には取付金具51を取付ける際に用いられる左右それぞれの孔32a・32bが開口されている。孔32a・32bのうち、上側に開口される孔32aは上部が大径のダルマ穴として形成される。また、支持面32の前側には、左右それぞれの両端部に係止ねじ36が螺入されている。
【0038】
それぞれの取付金具51は、ディスプレイを支持するために開口された固定孔52と、支持面32に取付けるために開口された取付孔53と、が形成されている。本実施形態において、固定孔52は一つの取付金具51において同一の固定孔距離Pで六箇所に開口されている。また、取付孔53は一つの取付金具51において上下の二箇所に開口されている。
【0039】
スタンド1でディスプレイDを支持する際は、まず、固定孔52を介してねじ等の固定具をディスプレイDのねじ穴に挿入し、取付金具51をディスプレイDに固定する。そして、支持面32に開口された孔と取付孔53とにねじ等の固定具を挿入してねじ止めすることにより、取付金具51を介してディスプレイDをスタンド1に組付ける。
【0040】
天面33は支持面32の上端部から後方に折り曲げられて形成される。天面33は本発明に係る平面部として機能する。天面33の後端部は下方に折り曲げられて支持面33aが形成される。図7に示す如く、天面33には天面33を貫通する天面支持孔33bが二箇所に形成されている。また、支持面33aには支持面33aを貫通する支持孔33cが二箇所に形成されている。天面支持孔33b及び支持孔33cは、天面33又は支持面33aに電源タップ等を固定する際に、ベルト部材や結束バンド等が挿通される(図8を参照)。
【0041】
右側面34Rは支持面32の右側端部から後方に折り曲げられて形成される。同様に、左側面34Lは支持面32の左側端部から後方に折り曲げられて形成される。図7に示す如く、右側面34R及び左側面34Lには、それぞれの上側寄りに挿入孔34aが開口されている。挿入孔34aには外側に凹形状が形成された把手部61が挿入される。把手部61はスタンド1を移動させる際に使用者が把持しやすい形状に形成されている。
【0042】
底面35は支持面32の下端部から後方に折り曲げられて形成される。底面35の左右両端部には切欠部35aが形成されている。また、底面35の中央部分には底面35を貫通する挿通孔35bが開口される。挿通孔35bに支柱21の上部が挿入されることにより、第一ケース部材31の内部に支柱21の上端部が配置される。なお、本実施形態において、挿通孔35bの周囲と支柱21とは溶接されている。
【0043】
第一ケース部材31は上記の如く、底面35、支持面32、天面33、右側面34R及び左側面34Lにより、箱状の収容部として形成される。第一ケース部材31には、電源タップT(図5及び図6を参照)、通信機器R(図8を参照)等が収容可能とされる。即ち、スタンド1においては支柱21に形成された上側開口部22が収容部の内側に面することにより、支柱21の内側と収容部の内側とが連通されている。
【0044】
本実施形態において、収容部は支持部である支持面32及び取付金具51の背面側に設けられている。なお、本実施形態においては支持部である支持面32は収容部を構成する第一ケース部材31と一体的に形成されているが、支持部を収容部と別部材として構成することも可能である。
【0045】
図7に示す如く、第一ケース部材31の背面側に形成された開口部は、本発明に係るカバー部材である第二ケース部材41により塞がれる。第二ケース部材41は板金を折り曲げることにより形成される。第二ケース部材41は、後方に向けて配置される背面42と、背面42に対して連続して形成されるカバー右側面43R及びカバー左側面43Lと、を備える。図1及び図2に示す如く、第二ケース部材41の上部は、第一ケース部材31の天面33よりも上側に延出されることにより、天面33の上面に物品を載置した際に物品の落下を防止するガイド部として機能する。
【0046】
カバー右側面43Rは背面42の右側端部から前方に折り曲げられて形成される。同様に、カバー左側面43Lは背面42の左側端部から前方に折り曲げられて形成される。図1及び図7に示す如く、カバー右側面43R及びカバー左側面43Lの前端辺には、取付片43a・43aが互いにの方向に折り曲げられて形成されている。取付片43aの下端には係止溝43bが形成されている。また、背面42の下端部には、載置片42aが前方に折り曲げられて形成される。
【0047】
第二ケース部材41を第一ケース部材31に取付ける際は、図7に示す如く、第一ケース部材31に対して前側から第二ケース部材41を被せ、係止ねじ36を係止溝43bに挿入する。そして、載置片42aを底面35に載置した状態で、底面35と載置片42aがねじとナットにより結合される。この際、底面35と載置片42aとねじ止めするねじにより、フック62が底面35に固定される。
【0048】
上記の如く、本実施形態に係るスタンド1においては、支柱21の上側開口部22が収容部の内側に面することにより、支柱21の内側と収容部の内側とが連通されている。また、支柱21の下部には、支柱21の内側と外側とを連通する下側開口部23が形成されている。これにより、電子機器の電源ケーブルや通信ケーブルなどを支柱の内部に挿通して被覆することができるため、スタンド1の使用状態において意匠性を維持できる。
【0049】
また、図5及び図6に示す如く、収容部に電源タップTを配置した場合も、電源タップTのケーブルCtを上側開口部22から挿入し、下側開口部23から延出させることができる。即ち、電源タップTのケーブルCtを支柱21の内部に挿通して被覆することができるため、スタンド1の使用状態において意匠性を維持できる。なお、ケーブルCtが下側開口部23から延出された状態でスタンド1を移動させる際には、図6に示す如く、ケーブルCtをフック62に巻回することができる。また、図5において、電源タップTは粘着テープ又はマグネット等により支持面32に貼り付けられている。
【0050】
また、本実施形態に係るスタンド1においては、収容部を構成する第一ケース部材31に形成された開口部が、カバー部材である第二ケース部材41により塞がれている。これにより、収容部の内部を第二ケース部材41で被覆できるため、スタンド1の意匠性をより高めることができる。
【0051】
また、本実施形態に係るスタンド1においては図4及び図5に示す如く、第一ケース部材31における底面35の左右両端部には切欠部35aが形成されている。これにより、第二ケース部材41との間に、収容部の内部と外部とを連通する連通部が形成される。このため、図5に示す如く収容部の内部と外部とを、連通部を介してコード類(本実施形態においてはディスプレイDの電源コードDc)で接続することができる。
【0052】
また、スタンド1においては図4に示す如く、第一ケース部材31における天面33と第二ケース部材41の背面42との間には隙間が形成されている。スタンド1においては、この間隙を、収容部の内部と外部とを連通する連通部として用いることも可能である。即ち、収容部の内部と外部とを接続するコード類を、天面33と背面42の間の隙間に挿通することも可能である。
【0053】
また、本実施形態に係るスタンド1においては図1及び図2に示す如く、第一ケース部材31の上部に、上方に面する平面部である天面33が形成されている。また、第二ケース部材41の上部は、第一ケース部材31の天面33よりも上側に延出されている。これにより、天面33の上面に物品を載置して、天面33を載置部として使用した際に、第二ケース部材41の上部が載置部からの物品の落下を防止するガイド部として機能する。このように、本実施形態に係るスタンド1によれば、平面部である天面33に物品を載置可能とすることにより、スタンド1の利便性を向上させている。
【0054】
また、本実施形態に係るスタンド1において、収容部を構成する第一ケース部材31の両側面34R・34Lには、凹部で形成された把手部61・61が形成される。これにより、スタンド1の使用者は把手部61を持って容易にスタンド1を移動させることができる。
【0055】
また、本実施形態に係るスタンド1では図7に示す如く、支柱21における上側開口部22は収容部を構成する第一ケース部材31の上下方向中途部に配置される。このように、スタンド1によれば、支柱21を第一ケース部材31の上下方向中途部まで延ばすことにより、図10に示す如く支柱21の前側上端部と支持面32とを密着させて溶接することができるため、支柱21に対する第一ケース部材31の固定強度を高めることができる。
【0056】
[ディスプレイDの固定方法]
次に、図11及び図12を用いて、スタンド1にディスプレイDを固定する方法について説明する。上記の如く、ディスプレイDは取付金具51を介してスタンド1の支持面32に固定される。
【0057】
ディスプレイD等の電子機器については、背面に形成される固定用のねじ穴位置が、国際標準規格であるVESA(Video Electronics Standards Association)規格によって定められている。本実施形態に係るスタンド1は、VESA規格のうち、縦200mm×横200mm、又は、縦100mm×横100mmのねじ穴位置に対応して固定可能に形成されている。
【0058】
具体的には図11に示す第一取付例(縦200mm×横200mm)の如く、取付金具51をディスプレイDに固定する際に用いる固定孔52は、同一の固定孔距離Pが50mmに設定されている。このため、固定孔距離Pが四個分離れた固定孔52・52を用いることにより、図11中の大寸取付高さ幅H1に示す如く、縦方向に200mm離間したねじ穴を用いることができる。本実施形態においては図11に示す如く、取付金具51には六箇所に固定孔52が開口されているため、ディスプレイDの取付位置を上側の大寸第一取付位置SL1と下側の大寸第二取付位置SL2とに調節することができる。
【0059】
一方、取付金具51において、固定孔52と取付孔53との水平方向距離は25mmに設定されている。このため、図11中の大寸取付水平幅D1に示す如く、横方向に200mm離間したねじ穴に取付金具51を固定した場合、互いの取付金具51に形成される取付孔53の取付間隔Dsは150mmになる。即ち、図9に示す如く、第一ケース部材31において支持面32に形成された孔32a・32bの水平方向の間隔は、取付間隔Dsと一致する150mmとなるように開口されている。
【0060】
一方、図12に示す第二取付例(縦100mm×横100mm)の如く、固定孔距離Pが二個分離れた固定孔52・52を用いることもできる。これにより、図12中の小寸取付高さ幅H2に示す如く、縦方向に100mm離間したねじ穴を用いることができる。この場合、ディスプレイDの取付位置を、上から順に小寸第一取付位置SS1、小寸第二取付位置SS2、小寸第三取付位置SS3、小寸第四取付位置SS4の四箇所で調節することができる。
【0061】
一方、図12中の小寸取付水平幅D2に示す如く、横方向に100mm離間したねじ穴に取付金具51を固定する際に、取付孔53が外側に配置される取付金具51を取付ける。この場合も、互いの取付金具51に形成される取付孔53の取付間隔Dsは150mmになる。即ち、第一ケース部材31において支持面32に形成された孔32a・32bに対して、取付金具51を取付けることが可能となる。
【0062】
このように、本実施形態に係るスタンド1において、取付金具51は、取付孔53の取付姿勢を内向き又は外向きに変更することにより、固定孔52の水平方向幅が200mm又は100mmの何れにも対応して支持面32に取付けることを可能としている。
【0063】
[変形例]
上記実施形態は、以下の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0064】
スタンド1が支持する対象物はディスプレイDに限定されることがない。即ち、薄型テレビ、電子黒板、タブレット型コンピュータ等、種々の電子機器をスタンド1で支持することが可能である。特に、スタンド1は、上記の如く表示画面を備える電子機器を支持する器具として用いることが好適である。
【0065】
スタンド1が備える支柱21において、上側開口部22は、支柱21の上端面又は支柱の側面上部など、支柱21の上部に形成されていれば良く、その位置は限定されるものではない。
【0066】
スタンド1が備える支柱21において、下側開口部23は、支柱21の下端面、支柱21の側面下部、など、支柱21の下部に設けられていれば良く、その位置は限定されるものではない。例えば、脚部材11の中央部分に、脚部材11を貫通する貫通孔を形成し、下側開口部23を支柱21の下端部に形成して貫通孔に連通することもできる。また、下側開口部23の形状を本実施形態である小判型と異なる円型又は角型等とすることも可能である。
【0067】
スタンド1が備える収容部には、電源タップTや通信機器R等、一又は複数の物品を収容することが可能である。これらの物品を収容する際には、単に底面35に載置する方法だけでなく、マグネットや粘着テープ等で支持面32又は両側面34R・34Lに貼り付ける方法等を採用することもできる。
【0068】
スタンド1が備える支柱21には、電源タップTのケーブルCt以外に、ディスプレイDの電源コードDc、通信ケーブル等、他のコード類を挿通することも可能である。また、支柱21の側面には長手方向に沿ったスリットが形成されていても良い。この場合、コード類の挿入・取り出しを容易に行うことが可能となる。また、この場合、支柱21のスリットを閉塞する閉塞部材を設ける構成とすることも可能である。
【0069】
スタンド1において、支持部である支持面32は収容部を構成する第一ケース部材31と一体的に形成されているが、支持部と収容部とを別部材として構成することも可能である。
【0070】
スタンド1において、カバー部材である第二ケース部材41を設けない構成とすることも可能である。また、スタンド1において第一ケース部材31は背面側に開口部が形成される構成としているが、第一ケース部材31の上側、及び/又は、左右両側に開口部が形成されていても良い。また、第一ケース部材31の下側の一部に開口部が形成されていても良い。
【0071】
スタンド1において、第一ケース部材31と第二ケース部材41との間には、第一ケース部材31の上部と下部のそれぞれにおいて連通部が形成されているが、連通部を設けない構成、第一ケース部材31の上部又は下部の何れか一方のみに連通部が形成される構成、又は、連通部が第一ケース部材31の側面に形成される構成とすることも可能である。
【0072】
スタンド1において、第二ケース部材41における背面42、カバー右側面43R、カバー左側面43Lのうち少なくとも一つについて、上端部が第一ケース部材31における天面33と同じ高さ、又は、低い部分に位置するように形成することも可能である。即ち、天面33で形成される載置部については、第二ケース部材41の上端部によるガイド部が形成されない構成とすることも可能である。また、天面33の少なくとも何れか一側辺にガイド部を形成する構成とすることも可能である。
【0073】
スタンド1においては、把手部61を設けない構成とすることも可能である。また、スタンド1における把手部61の有無に関わらず、支柱21を持ってスタンド1を移動させることも可能である。
【0074】
また、本実施形態においてスタンド1を移動させる際には、ケーブルCtをフック62に巻回することを可能としているが、スタンド1にフック62を設けずに、カバー右側面43R及びカバー左側面43Lと、ディスプレイDの背面と、の隙間にケーブルCtを引っ掛けるように巻回することも可能である。
【0075】
スタンド1によれば、支柱21に形成された上側開口部22が収容部の内側に面することにより、支柱21の内側と収容部の内側とが連通されていれば良い。即ち、支柱21の上端部に上側開口部22を形成し、支柱21の上端部と第一ケース部材31の底面35とが近接する構成とすることも可能である。また、支柱21の上端部が第一ケース部材31の天面33に近接する構成とすることも可能である。この場合は、上側開口部22は支柱21の側面に形成されることが好ましい。
【符号の説明】
【0076】
1 スタンド(電子機器スタンド)
11 脚部材 12 脚
13 キャスター 14 ロック機構
21 支柱 22 上側開口部
23 下側開口部
31 第一ケース部材 32 支持面(支持部)
32a 孔(ダルマ穴) 32b 孔
33 天面(平面部) 33a 支持面
33b 天面支持孔 33c 支持孔
34R 右側面 34L 左側面
34a 挿入孔 35 底面
35a 切欠部 35b 挿通孔
36 係止ねじ
41 第二ケース部材(カバー部材)
42 背面 42a 載置片
43R カバー右側面 43L カバー左側面
43a 取付片 43b 係止溝
51 取付金具(支持部)
52 固定孔 53 取付孔
61 把手部
62 フック
D ディスプレイ(電子機器)
D1 大寸取付左右幅 D2 小寸取付左右幅
Ds 取付間隔 H1 大寸取付高さ幅
H2 小寸取付高さ幅 P 固定孔距離
SL1 大寸第一取付位置 SL2 大寸第二取付位置
SS1 小寸第一取付位置 SS2 小寸第二取付位置
SS3 小寸第三取付位置 SS4 小寸第四取付位置
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