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特許7560743情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/53 20140101AFI20240926BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240926BHJP
   A63F 13/825 20140101ALI20240926BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/79
A63F13/825
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021179452
(22)【出願日】2021-11-02
(62)【分割の表示】P 2020132417の分割
【原出願日】2020-08-04
(65)【公開番号】P2022029458
(43)【公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】小牧 信貴
(72)【発明者】
【氏名】栗山 幸介
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅矩
(72)【発明者】
【氏名】大脇 遼平
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特許第6135812(JP,B1)
【文献】特許第5643455(JP,B1)
【文献】特開2017-035239(JP,A)
【文献】特開2017-023481(JP,A)
【文献】特開2015-167828(JP,A)
【文献】特開2015-104522(JP,A)
【文献】特開2014-111168(JP,A)
【文献】特開2013-223582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定し、
表示有りに設定された前記ゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を非表示とし、
ゲーム媒体に対して複数の前記ゲーム媒体情報が関連付けられており、
新たなゲーム媒体を取得した時点において、前記新たなゲーム媒体に関連付けられた複数の前記ゲーム媒体情報のうちの少なくとも一部を表示無しに設定し、
ユーザからのゲーム媒体を指定した育成指示があった場合に、前記ユーザのパラメータに応じた確率に従って、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を表示有りに切り替える、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定し、
プロセッサが、表示有りに設定された前記ゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を非表示とし、
ゲーム媒体に対して複数の前記ゲーム媒体情報が関連付けられており、
新たなゲーム媒体を取得した時点において、プロセッサが、前記新たなゲーム媒体に関連付けられた複数の前記ゲーム媒体情報のうちの少なくとも一部を表示無しに設定し、
プロセッサが、ユーザからのゲーム媒体を指定した育成指示があった場合に、前記ユーザのパラメータに応じた確率に従って、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を表示有りに切り替える、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定させ、
プロセッサに、表示有りに設定された前記ゲーム媒体情報を表示させ、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を非表示とさせ、
ゲーム媒体に対して複数の前記ゲーム媒体情報が関連付けられており、
新たなゲーム媒体を取得した時点において、プロセッサに、前記新たなゲーム媒体に関連付けられた複数の前記ゲーム媒体情報のうちの少なくとも一部を表示無しに設定させ、
プロセッサに、ユーザからのゲーム媒体を指定した育成指示があった場合に、前記ユーザのパラメータに応じた確率に従って、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を表示有りに切り替えさせる、
処理を実行させるプログラム。
【請求項4】
端末と、前記端末とネットワークを介して通信をする情報処理装置とを含むシステムであって、
前記情報処理装置は、
ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定し、
表示有りに設定された前記ゲーム媒体情報を端末に表示し、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を非表示とし、
ゲーム媒体に対して複数の前記ゲーム媒体情報が関連付けられており、
新たなゲーム媒体を取得した時点において、前記新たなゲーム媒体に関連付けられた複数の前記ゲーム媒体情報のうちの少なくとも一部を表示無しに設定し、
ユーザからのゲーム媒体を指定した育成指示があった場合に、前記ユーザのパラメータに応じた確率に従って、表示無しに設定された前記ゲーム媒体情報を表示有りに切り替える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
キャラクタ等のゲーム媒体を成長させるゲームにおいて、ゲーム媒体の属性及び能力等(以下、属性等)は、重要な情報であり、プレイヤは、属性等の情報を踏まえてゲームを進行させる。属性等の情報は一般的にゲームのプレイ中に表示されるが、ゲーム性を高める等の理由から、当該情報を非表示とする場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-231443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、属性等の情報は、上記の通り、ゲームの進行上において重要であるため、例えば、ゲームの演出上、属性等の情報を所定の期間まで非表示とし、ゲームの進行状況等に応じて非表示から表示に切り替えてユーザが確認できるようにすることが考えられる。このような構成において、属性等の情報の表示に関して、プレイヤの状況、特にゲームの進行に応じて変化する状況に対して配慮することができれば、プレイヤにとって好ましいゲーム環境を提供することが可能となる。
【0005】
そこで、本発明は、ゲーム媒体の属性等に関する情報を表示するゲームにおいて、プレイヤの状況に対して配慮することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者の一態様に係る情報処理装置は、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定する設定部と、表示有りに設定されたゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を非表示とするように表示部を制御する表示制御部と、を備え、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部が、ゲーム媒体を利用するプレイヤに関するプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報のうち、表示無しに設定された情報を、プレイヤパラメータに基づいて表示有りに切り替えることによって、例えば所定の状況にあるプレイヤを優遇する等、プレイヤの状況に対して配慮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの図である。
図2】ゲーム中に表示されるホーム画面の一例を示す図である(その1)。
図3】ゲーム中に表示されるホーム画面の一例を示す図である(その2)。
図4】ゲーム中に表示される育成指示画面の一例を示す図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る情報処理装置の機能を示す図である。
図6】プレイヤパラメータについての説明図である。
図7】ゲーム媒体パラメータについての説明図である。
図8】ゲーム媒体パラメータの表示切り替え確率についての説明図である。
図9】本発明の第一実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その1)。
図10】本発明の第一実施形態に係る情報処理フローを示す図である(その2)。
図11】本発明の第二実施形態に係る情報処理装置の機能を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、具体的な実施形態を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下に記載する各実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではなく、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて下記の実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0010】
また、本明細書及び図面にて説明される画面の例も一例に過ぎず、画面構成及びデザイン、表示情報の内容、並びにGUI等は、システム設計の仕様及びユーザの好み等に応じて自由に設計することができ、また、適宜変更され得る。
【0011】
[本発明の適用ゲームについて]
本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて説明するにあたり、本発明が適用されるゲーム(以下、本件ゲームという。)について説明する。本件ゲームは、図1に示す端末(以下、ユーザ端末12)をプレイヤが操作することでプレイヤ可能であり、ゲーム媒体を用いて進行させる形式のゲームである。なお、図1には、図示の都合上、1台のユーザ端末12のみを図示しているが、ユーザ端末12の台数は、任意の台数であり、2台以上でもよい。
【0012】
本件ゲームは、一人のプレイヤが個々にプレイする単独プレイ型のゲームでもよく、あるいは、複数のプレイヤがインターネット及びモバイル通信回線等の通信ネットワークを通じて一緒にプレイすることができる通信プレイ対応型のゲームでもよい。
【0013】
本件ゲームのプレイ方法について具体的に説明すると、プレイヤがユーザ端末12にてゲームプレイ用の操作を行うと、ユーザ端末12が、ゲーム提供会社のサーバコンピュータ(以下、サーバ10)から配信されるゲーム用のデータを受信する。ユーザ端末12では、受信したデータに応じた映像及び音声が出力され、プレイヤは、出力される映像及び音声を確認しながら、ゲーム媒体を利用することでゲームを進行させる。ユーザ端末12は、プレイヤの操作内容を示すデータをサーバ10に向けて送信し、サーバ10は、プレイヤの操作内容に応じたゲーム進行用のデータを送信する。このようなサーバ10とユーザ端末12との間のデータ送受信は、プレイヤが本件ゲームのプレイを終えるまで、繰り返し実施される。
【0014】
ゲーム媒体は、本件ゲームのプレイヤがゲーム中の各イベントをプレイするために用いるゲーム内資源である。具体的には、例えば、ゲーム内空間(仮想空間)においてプレイヤの操作に応じて動いたり能力を発揮したりするキャラクタ及びアバタ、並びに、ゲームの進行を有利に進めるためにプレイヤの操作に応じて消費されるアイテム等がゲーム媒体に該当する。ゲーム媒体は、後述するようにゲームの進行に関係するゲーム媒体の状態、性質、能力、属性、特徴、及びパラメータ等のように当該ゲーム媒体固有の情報を有しており、プレイヤは、その情報を参照した上で当該ゲーム媒体をゲーム内で利用し、例えば上記の情報を参照して利用対象のゲーム媒体を選んでゲーム内のイベントに用いる。
なお、ゲーム媒体には、キャラクタカード及びアイテムカードのようなカード形式の媒体であって、例えばゲーム内でデッキに組み入れられて使用され、あるいは複数収集してイベントのプレイ時に当該イベントの内容に応じて消費されるものも含まれる。
【0015】
ゲーム中のイベントとしては、例えば、ゲームの進行中に起きるアクシデント等の出来事、ゲーム媒体の育成、クリア目的でプレイされるクエスト、ステージ及びミッション等、並びにオブジェクトが出場するゲーム内競技が挙げられる。「ゲーム内競技」としては、着順を競うレース、及び、勝敗を競う試合や対戦等が挙げられる。
【0016】
また、本件ゲームにおいて、ゲーム媒体には、ゲームの進行に関係する複数種類の情報(以下、ゲーム媒体情報)が設定されている。ゲーム媒体情報は、ゲーム媒体に関する情報であり、予め決められてゲーム中は変動しない固定情報と、ゲームの進行に応じて変動するゲーム媒体パラメータとを含む。つまり、ゲーム媒体情報には、固定情報を示す情報と、ゲーム媒体情報を示す情報とを含まれている。
【0017】
固定情報としては、性別、種族、血筋及び血縁関係等の続柄、出身地(出生地)、他のキャラクタ又は敵キャラクタとの相性等、並びに、その他のゲーム媒体に固有の情報等が挙げられる。
【0018】
ゲーム媒体パラメータとしては、体格及び体重等の身体的状態、性格及び気性等の精神的状態、レベル、ステータス、属性及び能力値、敵キャラクタからの攻撃に対する耐性、イベントの環境(例えば、競技場)への適合性、好感度又は人気(評判)、得意又は不得意とする分野やステージ、ゲーム内競技等における勝率、並びに、ゲーム進行(特にイベントのプレイ結果)に影響を及ぼすその他の情報等が挙げられる。
【0019】
なお、ゲーム媒体情報は、数値で表されるもの、ランク又は分類によって表されるもの、「〇」又は「×」等の記号によって表されるもの、グラフ又は目盛付きインジケータ等によって表されるもの、人の顔の表情等によって表されるもの、及び、その他の表示形態(例えば、音声等)によって表されるものを含む。
【0020】
そして、本件ゲームでは、使用するゲーム媒体のゲーム媒体情報に応じて難易度(進め易さ)、進め方、プレイできるイベントの種類数等が変化する。プレイヤは、所有するゲーム媒体のゲーム媒体情報を踏まえながら、ゲーム中のイベントをプレイして本件ゲームを進める。
【0021】
以下では、本件ゲームで用いるゲーム媒体が「競走馬」であるケースを例に挙げて説明することとする。ただし、本発明は、競走馬以外のキャラクタ又はアイテム等をゲーム媒体とするゲームにも適用可能である。
【0022】
本件ゲームにおいて、プレイヤは、ゲーム内の抽選イベントで競走馬を獲得したり、ゲームの報酬として競走馬を付与されたり、あるいは、既に取得した二頭の競走馬を親馬として交配させるイベント等によって新生馬を生成(誕生)させたりすることで競走馬を取得する。
【0023】
取得した競走馬には、前述したゲーム媒体情報としての競走馬情報が設定されている。競走馬情報は、競走馬固有の情報(固定情報)と、ゲームの進行に応じて変えることができる複数の競走馬パラメータ(ゲーム媒体パラメータ)とを含む。競走馬パラメータは、ゲームの進行に関与し、具体的にはイベントの結果、例えば競馬レースの勝敗結果に影響を及ぼす。
【0024】
競走馬パラメータの種類数は、特に限定されないが、本件ゲームでは、一頭の競走馬(ゲーム媒体)に対して複数の競走馬パラメータが関連付けられている。以下では、各競走馬に対して、6種類の競走馬パラメータ(以下、パラメータA~F)が関連付けられていることとする。
【0025】
本件ゲームにおいて、プレイヤは、取得した競走馬の育成(詳しくは調教)を実施することができる。育成は、前述の競走馬パラメータを変更させるイベントである。競走馬には、ゲーム内時間で育成可能期間が設定されており、プレイヤは、育成可能期間が残存している競走馬に対して、育成を実施することができる。ゲーム内時間は、ゲーム内空間で経過する時間であり、現実の時間よりも早い速度で経過し、例えばプレイヤが所定の操作を一回行うと、現実の時間では数分程度であるが、ゲーム内時間では1週間が経過する。なお、育成可能期間が経過した競走馬は、育成することはできないが、親馬として他の競走馬と交配させるために利用することは可能である。
【0026】
また、本件ゲームにおいて、プレイヤは、育成させた競走馬を競馬レース(以下、レース)に出走させることができる。レースは、ゲーム内の競技であり、プレイヤは、自分が所有する競走馬の中から出走馬を指定して、出場を希望するレースへの出走登録を行う。そして、ゲーム内時間でレース開催日になると、プレイヤは、登録された競走馬を用いて上記のレースをプレイすることができる。つまり、登録された競走馬をレースに出走させるイベントがゲーム内で実施される。レースにおける勝敗結果(すなわち、着順)は、当該レースに出走する各競走馬のパラメータ(競走馬パラメータ)、レース開催日の天候、コースの種類(ダートや芝等)、及び地面状況等に基づいて決定される。
【0027】
競走馬の育成についての説明に戻ると、プレイヤは、育成実施に際して、図4に示す育成指示画面G2を通じて育成用の指示を行い、具体的には、育成対象の競走馬を指定し、育成コースと育成の強度等の育成条件を選択する。育成コースとは、育成の種類を表しており、育成に応じて変化する項目(具体的には競走馬パラメータ)がコースに応じて異なる。育成の強度は、例えば「強」、「中」及び「弱」等のように複数の階に設定されており、プレイヤが指定した強度にて育成が行われる。
【0028】
育成対象として指定された競走馬の競走馬パラメータは、選択された育成条件に応じて変化する。育成によって変えることができる競走馬パラメータは、少なくとも一つ以上であり、以下では複数種類のパラメータ(例えば、6種類のパラメータA~F)を含むものとする。
【0029】
また、プレイヤは、育成の指示を行う際にゲーム内通貨としての「メダル」を消費する。メダルの消費数は、育成対象とする競走馬の属性及び育成条件等に応じて決められてもよい。他方、プレイヤは、ゲーム内で所定のイベントをプレイして一定の条件を満たすこと、例えば、自分が所有する競走馬をレースに出走させて勝利することによりメダル所持数を増やすことができる。また、プレイヤは、ゲーム内で課金することによりメダル所持数を増やすことができる。なお、ゲーム内での課金処理については、公知技術を利用することができるため、説明を省略することとする。
【0030】
一回の育成におけるパラメータA~Fの各々の変更量又は変更度合いは、プレイヤが育成用の指示を行う際に指定した育成条件及びメダル消費数に応じて決まるが、同じ育成条件及び同じメダル消費数であっても、競走馬の血統等の固有情報、各パラメータの初期値若しくは現在地、並びに、パラメータ間のバランス等に応じて変わり得る。
【0031】
例えば、パラメータAが「レベル1」から「レベル10」まで変更させることができるが、パラメータAの初期値が「レベル3」である競走馬は、パラメータAの初期値が「レベル1」である競走馬よりも簡単に「レベル10」まで成長させることができる。
また、血統に応じてパラメータAの変更度合いが変わる場合には、パラメータAが同じレベルの競走馬に対して同じ条件で育成を実施したとしても、次のレベルに上がるのに要する育成の実施回数等が異なってくる。
また、パラメータBとパラメータCとが互いに関連性を有し、例えば一方のパラメータが基準値に到達すると、もう一方のパラメータが上昇し難くなる場合には、パラメータBを重点的に上昇させてしまうと、その後にパラメータCが上がり難くなる。
【0032】
以上の点を踏まえて、プレイヤは、競走馬の育成を実施する際に、その時点での当該競走馬の競走馬情報(特に、競走馬パラメータ)を確認することで効率よく育成を実施することができる。また、プレイヤは、育成対象とする競走馬の競走馬情報を把握することで、自分が望む性質(例えば、悪路に強い等)となるように競走馬を育成することができる。この結果、プレイヤは、育成した競走馬を用いて本件ゲームをより有利に進めることができる。
【0033】
育成対象とする競走馬の競走馬情報は、ゲームプレイ中、図2及び3に示す競走馬表示画面G1にて見ることができる。競走馬表示画面G1は、プレイヤが所定の操作を行うことで当該プレイヤの端末のディスプレイに描画される。
【0034】
一方、ゲーム性を高める等の目的から、本件ゲームでは、取得直後の競走馬については、図2に示すように競走馬情報の一部(具体的には、競走馬パラメータの一部)が非表示とされる。ここで、「非表示」とは、既に設定された情報の内容をプレイヤに見えないようにすることであり、具体的には、非表示にする情報を競走馬表示画面G1中から欠落させたり、競走馬表示画面G1中、非表示にする情報と対応する欄に「?」等の非表示用のマークを表示させたりすることが該当する(図2参照)。
【0035】
そして、本件ゲームでは、ゲーム中の所定の時点になると、その時点でのプレイヤの状況に応じて、それまで非表示であった競走馬情報が表示されるようになる(すなわち、表示無しから表示有りに切り替わる)。これにより、競走馬表示画面G1が図2の画面から図3の画面に遷移し、プレイヤは、それまで非表示であった競走馬情報を確認することができるようになる。
【0036】
また、本件ゲームでは、非表示の情報を表示する確率、すなわち、ゲーム中の所定の時点になった場合に非表示の情報を表示無しから表示有りに切り替える確率が、プレイヤパラメータに応じて変化し、プレイヤパラメータが大きくなるほど上記の確率が高くなる。プレイヤパラメータは、ゲーム内において競走馬(ゲーム媒体)を利用するプレイヤに関するパラメータであり、ゲームの進行状況等に応じて変動する。
【0037】
プレイヤパラメータの具体例としては、本件ゲームのプレイ時間、本件ゲームのプレイ回数(詳しくは、ゲームプレイ用のログイン操作を行った回数)、本件ゲームにおいてプレイ時間、本件ゲームを共同プレイするフレンドの人数、クリアしたステージ数又はゲーム内競技の勝利数等が増えるにつれて上がるレベル、本件ゲーム内での課金額、及び、課金額等に応じて変化するランク等の階級等が挙げられる。
【0038】
以上のように、本件ゲームでは、ゲーム内の所定の時点で、それまで非表示であった競走馬情報の一部がプレイヤパラメータに応じた確率に従って表示されるようになる。これにより、上記所定の時点でのプレイヤの状況に対して配慮することができ、具体的には、プレイヤパラメータが高いプレイヤ、例えば、プレイ時間が所定時間を超えたプレイヤ、高レベル又は高ランクとなったプレイヤ、又は、課金額が所定値以上となったプレイヤを、競走馬情報の表示しやすさの観点から優遇することができる。
上記の点が本発明の特徴であり、以下で詳しく説明する。なお、以下では、プレイヤパラメータの中の課金額に応じて上記の確率が変動するケースを一例に挙げて説明することとする。
【0039】
[本発明の一実施形態に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成]
次に、本発明の一施形態(以下、第一実施形態)に係る情報処理装置及びユーザ端末の構成について説明する。第一実施形態に係る情報処理装置は、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)によって構成されている。サーバ10は、コンピュータの一例であり、図1に示すように、ユーザ端末12とネットワーク14を介して通信可能に接続されており、ユーザ端末12とともにゲーム用の情報処理システムSを構築している。
【0040】
なお、サーバ10は、1台のコンピュータで構成されてもよく、並列分散された複数台のコンピュータによって構成されてもよい。また、サーバ10は、ASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)又はIaaS(Infrastructure as a Service)用のサーバコンピュータであってもよい。この場合、後述するパラメータ表示フロー中の一連の工程(ただし、情報の入力及び表示を除く)が上記のサーバコンピュータによって実行されるので、ユーザ端末12側では、サーバコンピュータに引き渡す情報の入力、及びサーバコンピュータから配信される情報の表示等を行えばよい。
【0041】
サーバ10は、図1に示すように、プロセッサ21、メモリ22、通信用インタフェース23、及びストレージ24を有し、これらの機器がバス25を介して電気的に接続されている。また、サーバ10には、ソフトウェアとして、オペレーティングシステム(OS)と、本件ゲームに関する情報処理用の専用プログラムとがインストールされている。これらのプログラムは、本発明の「プログラム」に相当する。プロセッサ21が上記のプログラムに従って動作することで、サーバ10は、本発明の情報処理装置として機能し、本件ゲームの進行に関する一連の処理を実行する。
なお、本発明のプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(メディア)から読み込むことで取得してもよく、あるいは、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して取得(ダウンロード)することで取得してもよい。
【0042】
プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、TPU(Tensor Processing Unit)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって構成されるとよい。
メモリ22は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成されるとよい。
通信用インタフェース23は、例えばネットワークインターフェースカード、又は通信インタフェースボード等によって構成されるとよい。通信用インタフェース23によるデータ通信の規格については、特に限定されるものではなく、Wi-fi(登録商標)に基づく無線LANによる通信、3G~5G若しくはそれ以降の世代の移動通信システムによる通信、又はLTE(Long Term Evolution)に基づく通信等が挙げられる。
ストレージ24は、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、又はUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されるとよい。また、ストレージ24は、サーバ10内に内蔵されてもよく、外付け形式でサーバ本体に取り付けてもよい。さらに、ストレージ24は、サーバ本体と通信可能に接続された外部コンピュータ(例えば、データベースサーバ)等によって構成されてもよい。なお、各種データを記録する技術としては、不正なデータ改竄等を回避する目的からブロックチェーンのような分散型台帳技術を用いてもよい。
【0043】
サーバ10は、本件ゲームの進行に必要な情報を各プレイヤへ配信し、また、各プレイヤから情報を収集して記憶する。サーバ10が記憶する情報には、各プレイヤの識別情報、現時点でのパラメータ(プレイヤパラメータ)、メダルの所持数、及び、各プレイヤが取得した競走馬に関する情報(競走馬情報)等が含まれる。また、競走馬情報のうち、競走馬パラメータに関して言うと、表示の有無を示すフラグ情報がサーバ10に記憶される。また、表示無しに設定された競走馬パラメータを表示有りに切り替える確率が、各プレイヤと紐付けてプレイヤ毎及び競走馬毎にサーバ10に記憶される。
【0044】
また、サーバ10は、下記の処理をはじめ、本件ゲームの進行に関する様々な情報処理を実行する。
・育成及びレース等を含む各種のゲーム内イベントを発生又は開催させる処理
・育成に係る競走馬のパラメータを変更する処理
・競走馬に関する競走馬情報を、その競走馬を利用するプレイヤのユーザ端末に表示させる処理
・競走馬パラメータの表示の有無を設定する処理
・表示無しに設定された競走馬パラメータを表示有りに切り替える際の確率を決定し、更新する処理、等
【0045】
ユーザ端末12は、プレイヤが本件ゲームをプレイするために操作するクライアント端末であり、具体的にはパソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ゲーム機、情報入力が可能なテレビ受像機、及びウェアラブル端末等によって構成される。
【0046】
ユーザ端末12は、前述したように、サーバ10からゲーム進行用のデータを受信し、そのデータが示す画像(映像)をユーザ端末12のディスプレイ又はユーザ端末12に接続されたTV等の表示器に表示する。すなわち、第一実施形態において、ユーザ端末12は、表示部として機能する。プレイヤがゲームプレイ中に所定の操作を行うと、ユーザ端末12に競走馬表示画面G1が描画され、当該画面G1に、そのプレイヤが取得した競走馬の競走馬情報等が表示される。
【0047】
[第一実施形態の情報処理装置の機能について]
第一実施形態に係る情報処理装置であるサーバ10の構成について、機能面から改めて説明する。サーバ10は、図5に示すように操作受付部30、表示制御部40、記憶部50、設定部60、確率決定部70、及び情報変更部80を有する。これらのうち、記憶部50は、メモリ22又はストレージ24によって実現され、それ以外の機能部は、サーバ10を構成するハードウェア機器と、サーバ10にインストールされたプログラムとが協働することで実現される。
以下、各機能部について、それぞれ詳しく説明する。
【0048】
(操作受付部)
操作受付部30は、プレイヤが本件ゲームのプレイ中にユーザ端末12にて行った操作を受け付け、厳密には、当該操作の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。例えば、操作受付部30は、競走馬の育成用の指示(厳密には、調教用の指示)をプレイヤから受け付ける。育成用の指示は、育成対象として指定された競走馬、育成コースと育成の強度等の育成条件、及び育成に費やすメダル数(メダル消費数)等を含む。操作受付部30は、指定された育成指示の内容を示すデータをユーザ端末12から受信する。
【0049】
(表示制御部)
表示制御部40は、本件ゲームの進行に必要な情報を表示するように各プレイヤのユーザ端末12(表示部)を制御する。例えば、イベントとしての競走馬の育成が行われた場合、表示制御部40は、育成対象である競走馬の育成終了時点のパラメータ等を表示するように、その育成を指示したプレイヤのユーザ端末12を制御する。具体的には、表示制御部40は、育成対象の競走馬の育成終了時点における競走馬情報を表示するための制御データを生成し、生成した制御データを、育成を指示したプレイヤのユーザ端末12に向けて送信する。制御データを受信したユーザ端末12側では競走馬表示画面G1が描画され、その画面G1には、育成対象の競走馬の育成終了時点での競走馬情報が表示される。
【0050】
第一実施形態では、前述したように、競走馬情報の中に、表示有りに設定される競走馬パラメータと、表示無しに設定される競走馬パラメータとが含まれる。そして、表示制御部40は、表示有りに設定されたパラメータを表示し、表示無しに設定されたパラメータを非表示とする(例えば、「?」等の非表示用マークを表示する)ようにユーザ端末12を制御する。
【0051】
また、表示無しに設定された競走馬パラメータが表示有りに切り替えられると、表示制御部40は、表示有りに設定された競走馬パラメータを表示させるようにユーザ端末12を制御する。
【0052】
また、競走馬情報の中には競走馬パラメータが含まれ、図3に示すように、その中には、数値によって表されるパラメータ(例えば、パラメータD)が含まれる。この種のパラメータについては、図3に示すように、現在値とともに、当該パラメータの限界値(具体的には上限値)を表示するとよい。つまり、第一実施形態において、表示制御部40は、表示有りに設定されており、且つ、数値で表される競走馬パラメータについては、その現在値及び限界値を表示させるようにユーザ端末12を制御してもよい。
【0053】
(記憶部)
記憶部50は、ゲーム進行に必要な情報を記憶し、図5に示すように、プレイヤパラメータ記憶部51、競走馬情報記憶部52、及び確率記憶部53を有する。
【0054】
プレイヤパラメータ記憶部51は、プレイヤパラメータをプレイヤ毎に記憶する。プレイヤパラメータ記憶部51には、図6に示すプレイヤパラメータが、各プレイヤの識別ID及びゲーム用のアカウント名等と紐付けられて記憶される。具体的には、本件ゲームの総プレイ時間(ゲームプレイ時間)、ログイン回数(ゲームプレイ回数)、プレイヤのレベル、課金額、及び課金額に応じて設定されたランク等がプレイヤパラメータとして記憶される。なお、上記以外のパラメータがプレイヤパラメータ記憶部51に記憶されてもよく、例えば、フレンドの登録数等がプレイヤパラメータとして記憶されてもよい。
【0055】
競走馬情報記憶部52は、各プレイヤが取得した競走馬に関する競走馬情報を競走馬毎に記憶する。競走馬情報記憶部52には、各競走馬について、図7に示す競走馬情報が、その所有者であるプレイヤのアカウント名と紐付けられて記憶される。具体的には、競走馬の名前、識別ID、現時点での競走馬パラメータ、過去のレース出場回数及び勝利回数等のレース実績、現時点での育成週数、及び、育成可能期間の残り数(残週数)等が競走馬情報として記憶される。なお、上記以外の競走馬に関する情報、例えば親馬の名前又はID等が競走馬情報として記憶されてもよい。
【0056】
競走馬パラメータに関して言うと、図7に示すように、それぞれの競走馬パラメータについて、表示の有無を示すフラグ情報が競走馬情報記憶部52に記憶される。また、特に図示はしないが、各競走馬に対しては、これまでの育成履歴(具体的には、育成回数、各回の育成における育成条件、及びメダル消費数等)が記憶される。競走馬情報記憶部52に記憶される競走馬パラメータは、これまでの育成履歴を反映した数値又は内容になっている。
【0057】
確率記憶部53は、各プレイヤの競走馬について、表示無しに設定された(すなわち、非表示である)競走馬パラメータを表示有りに切り替える確率を、競走馬パラメータの種類毎に記憶している。上記の確率(以下、表示切り替え確率)は、後述するように確率決定部70によって競走馬毎及びプレイヤ毎に決められるため、確率記憶部53には、図8に示すように、各競走馬パラメータについての表示切り替え確率がプレイヤ毎及び競走馬毎に記憶されている。
【0058】
(設定部)
設定部60は、各プレイヤが取得した競走馬の各々を対象として、競走馬パラメータについての表示の有無を設定する。具体的に説明すると、プレイヤが新たな競走馬(ゲーム媒体)を取得すると、設定部60は、当該新たな競走馬に関連付けられた複数の競走馬パラメータ(詳しくは6種類のパラメータA~F)の各々について、表示の有無を設定する。第一実施形態では、新たな競走馬を取得した時点では、その競走馬の競走馬パラメータのうちの少なくとも一部(例えば、パラメータA~D)を表示無しに設定し、残りのパラメータを表示有りに設定する。ただし、これに限定されず、新たな競走馬を取得した時点において、その競走馬の競走馬パラメータのすべてを表示無しに設定してもよい。
【0059】
また、ゲーム中の所定の時点になった場合、設定部60は、設定対象の競走馬(以下、対象馬)の競走馬パラメータのうち、その時点で表示無しに設定されているパラメータを、対象馬を利用するプレイヤのプレイヤパラメータに基づいて表示有りに切り替える。
【0060】
より詳しく説明すると、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部60は、対象馬について、当該所定の時点での表示切り替え確率を確率記憶部53から読み出す。所定の時点での表示切り替え確率は、その時点でのプレイヤパラメータに応じた値、具体的には、その時点での課金額から算出された値である。そして、設定部60は、読み出した表示切り替え確率に従って、対象馬の競走馬パラメータのうち、上記所定の時点で表示無しに設定されているパラメータを表示有りに切り替える。
【0061】
非表示である競走馬パラメータを表示有りに切り替えるタイミングである「ゲーム中の所定時点」は、ゲーム内で所定のイベント、具体的には、ゲーム内時間において下記のイベント(1)又は(2)が行われた時点である。
(1)プレイヤによる育成用の指示に応じて、該指示を行ったプレイヤの競走馬(対象馬)に対して育成を実施し、その競走馬の競走馬パラメータを変更させるイベント。
(2)対象馬をレースに出場させて当該レースをプレイするイベント。
つまり、第一実施形態では、上記(1)又は(2)の一方のイベントが行われた場合に、設定部60が、そのイベントが行われた時点でのプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定された競走馬パラメータを表示有りに切り替える。
【0062】
非表示の情報(ゲーム媒体情報)を表示有りに切り替える契機となるイベントは、上記(1)又は(2)に限定されるものではない。例えば、クエスト又はミッション等のようにクリアすべきステージが設定されている場合には、ゲーム媒体を用いて当該ゲーム内のステージをクリアするイベントを情報表示の切り替えの契機としてもよい。
【0063】
なお、設定部60によって設定された各競走馬パラメータの表示の有無は、フラグ情報として競走馬情報記憶部52に記憶される。また、設定部60によって表示無しから表示有りに切り替えられた競走馬パラメータについては、表示有りへの切り替えに伴って、上記のフラグ情報が「表示無し」から「表示有り」に更新される。
【0064】
(確率決定部)
確率決定部70は、プレイヤが新たに取得した競走馬の競走馬パラメータのうち、取得時点では非表示とされるパラメータ(具体的には、パラメータA~D)の各々について、表示切り替え確率をプレイヤ毎及び競走馬毎に決める。確率決定部70は、現時点でのプレイヤパラメータ、詳しくは現時点での課金額に応じて表示切り替え確率を決める。第一実施形態では、確率決定部70は、課金額がより大きくなると表示切り替え確率がより高くなるように表示切り替え確率を決定する。
【0065】
以上のように第一実施形態において、表示切り替え確率は、現時点でのプレイヤの状況、特にゲームの進行に応じて変更する状況を反映した値となる。確率決定部70によって決定された表示切り替え確率は、確率記憶部53にプレイヤ及び競走馬と紐付けられて記憶される。
【0066】
なお、表示切り替え確率は、課金額に応じて決められる場合に限定されず、ゲームプレイ時間、ゲームプレイ回数、及び、ゲーム内で設定されたプレイヤのレベルやランクのいずれか、あるいは、これらの組み合わせに応じて決められてもよい。
【0067】
(情報変更部)
情報変更部80は、ゲームの進行に応じて各種の情報を変更し、図5に示すように、プレイヤパラメータ変更部81と、競走馬パラメータ変更部82と、確率更新部83とを有する。
【0068】
プレイヤパラメータ変更部81は、プレイヤの状況の変化、特にゲームの進行に応じた状況の変動に応じて、プレイヤパラメータ記憶部51に記憶されたプレイヤパラメータを更新する。例えば、あるプレイヤの課金額が増加した場合、プレイヤパラメータ変更部81は、そのプレイヤのプレイヤパラメータのうち、課金額を増加後の金額に書き換える(更新する)。
【0069】
競走馬パラメータ変更部82は、ゲーム媒体パラメータ変更部に相当し、プレイヤによる育成用の指示に応じて、当該指示を行ったプレイヤの競走馬、厳密には、育成対象として指定された競走馬の競走馬パラメータを変更させる。詳しく説明すると、競走馬パラメータ変更部82は、プレイヤが育成用の指示を行う際に指定した育成条件及びメダル消費数等を特定する。そして、競走馬パラメータ変更部82は、競走馬情報記憶部52に記憶された育成対象の競走馬に関する競走馬パラメータを、特定された育成条件及びメダル消費数等に応じて変更する。
【0070】
確率更新部83は、例えば表示切り替え確率を決めるプレイヤパラメータ、具体的には課金額の変動に応じて、確率記憶部53に記憶された表示切り替え確率(厳密には、課金額が変わったプレイヤに紐付けられた表示切り替え確率)を更新する。第一実施形態において、確率更新部83は、課金額がより大きくなるほど表示切り替え確率がより高くなるように更新する。より具体的に説明すると、例えば、段階的に大きくなる複数の条件値が設定されており、確率更新部83は、プレイヤの課金額がそれぞれの条件値に到達したときに表示切り替え確率を段階的に高くする。
なお、表示切り替え確率の更新は、課金額に応じて行われる場合に限定されず、ゲームプレイ時間、ゲームプレイ回数、及び、ゲーム内で設定されたプレイヤのレベルやランクのいずれか、あるいは、これらの組み合わせに応じて行われてもよい。
【0071】
[第一実施形態に係る情報処理フロー]
次に、第一実施形態に係る情報処理フローとして、情報処理システムSによる競走馬パラメータの表示に関するフロー(以下、パラメータ表示フローという。)について説明する。パラメータ表示フローは、本発明の情報処理方法を採用しており、換言すると、パラメータ表示フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に該当する。
以下では、分かり易く説明するために、プレイヤXが取得した競走馬Yを対象とするパラメータ表示フローを例に挙げて説明することとする。
【0072】
パラメータ表示フローの実行にあたり、プレイヤXは、本件ゲームにログインしてプレイを開始する。また、プレイヤXがゲーム内で競走馬Yを新たに取得すると、これを契機として、競走馬Yを対象とするパラメータ表示フローが開始される。パラメータ表示フローは、図9及び10に流れに従って進行する。
【0073】
具体的に説明すると、パラメータ表示フローでは、先ず、コンピュータであるサーバ10(詳しくは、設定部60)が、プレイヤXが新たに取得した競走馬Yの競走馬パラメータについて表示の有無を設定する(S001)。より詳しく説明すると、サーバ10は、競走馬Yに関連付けられた複数の競走馬パラメータのうちの一部を表示無しに設定し、例えばパラメータA~Fのうち、パラメータA~Dを表示無しに設定し、それ以外のパラメータ(すなわち、パラメータE及びF)を表示有りに設定する。
なお、この段階で表示有りに設定されるパラメータ、すなわち新規に取得された競走馬について取得時から表示されるパラメータの数及び種類は、プレイヤパラメータに応じて変化してもよく、例えば、課金額が大きくなるほど初期表示のパラメータ数が多くなってもよい。
【0074】
次に、サーバ10(詳しくは、表示制御部40)は、競走馬パラメータを含む競走馬Yの競走馬情報を表示するようにプレイヤXのユーザ端末12を制御する。具体的に説明すると、サーバ10は、現時点での競走馬Yの競走馬情報を表示させるための制御データを生成し、生成した制御データを、プレイヤXのユーザ端末12に向けて送信する(S002)。ステップS002において、サーバ10は、競走馬Yの競走馬パラメータのうち、表示有りに設定されたパラメータE及びFのみを表示し、表示無しに設定されたパラメータA~Dを非表示とするように制御データを生成する。
【0075】
プレイヤXのユーザ端末12が上記の制御データを受信すると(S003)、プレイヤXのユーザ端末12に競走馬表示画面G1が描画され、その画面G1に、現時点での競走馬Yの競走馬パラメータが表示される(S004)。この時点では、図2に示すように、表示有りに設定されたパラメータE及びFのみが表示され、表示無しに設定されたパラメータA~Dが非表示となる。
【0076】
一方、サーバ10(詳しくは、確率決定部70)は、競走馬Yの競走馬パラメータのうち、表示無しに設定されたパラメータA~Dの各々について、現時点での表示切り替え確率を決定する(S005)。ステップS005において、サーバ10は、現時点でのプレイヤXのプレイヤパラメータ、詳しくは現時点での課金額に応じて表示切り替え確率を決定し、具体的には、課金額がより大きくなると表示切り替え確率が高くなるように各競走馬パラメータの表示切り替え確率を決定する。
【0077】
その後、プレイヤXが課金額を増やすと(S006)、それに連動する形で、サーバ10(詳しくは、確率更新部83)が、競走馬Yの各競走馬パラメータの表示切り替え確率を、増加後のプレイヤXの課金額に応じて更新する(S007)。このときも、サーバ10は、課金額がより大きくなると表示切り替え確率が高くなるように各競走馬パラメータの表示切り替え確率を更新する。
【0078】
パラメータ表示フロー中、プレイヤXがユーザ端末12を操作して競走馬Yを対象とする育成を指示すると(S008)、サーバ10(詳しくは、操作受付部30)が当該育成用の指示を受け付ける(S009)。ステップS009にて受け付けられる育成用の指示には、プレイヤXによって指定された育成条件(具体的には、育成コースや育成の強度等)及び育成用のメダル消費数等が含まれる。
【0079】
その後、サーバ10(詳しくは、競走馬パラメータ変更部82)は、プレイヤXから受け付けた育成用の指示に応じて、競走馬Yの競走馬パラメータを変更させる(S010)。換言すると、プレイヤXの指示に応じて競走馬Yの競走馬パラメータを変更させるイベント(育成イベント)が行われる。このとき、サーバ10は、プレイヤXから受け付けた育成用の指示に含まれる育成条件及びメダル消費数等に応じて、競走馬Yの競走馬パラメータのうち、対応するパラメータを変更する。
【0080】
また、育成イベントが行われると、これに連動して、サーバ10(詳しくは、設定部60)が、現時点でのプレイヤXのプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されている競走馬パラメータA~Dの各々を表示有りに切り替える(S011)。具体的に説明すると、サーバ10は、競走馬パラメータA~Dのそれぞれについて、現時点でのプレイヤXの課金額を反映した表示切り替え確率に従って表示無しから表示有りに切り替える。
【0081】
なお、表示切り替え確率に従って表示無しから表示有りに切り替える競走馬パラメータは、その時点で非表示である競走馬パラメータの一部であってもよい。その場合、切り替えの対象とする競走馬パラメータは、サーバ10側で自動的に決められてもよく、あるいは、プレイヤXが自らの意志で指定したものであってもよい。
【0082】
その後、サーバ10(詳しくは、表示制御部40)が、育成終了後の競走馬パラメータを含む競走馬Yの競走馬情報を表示するようにプレイヤXのユーザ端末12を制御する。
【0083】
具体的に説明すると、サーバ10は、育成終了時点での競走馬Yの競走馬情報を表示させるための制御データを生成し、生成した制御データを、プレイヤXのユーザ端末12に向けて送信する(S012)。ステップS012において、サーバ10は、ステップS011にて表示無しから表示有りに切り替わった競走馬パラメータを表示させるように制御データを生成する。これにより、プレイヤXのユーザ端末12側では、制御データに基づく情報が表示され、詳しくは、当初より表示有りに設定された競走馬パラメータE及びFに加え、図3に示すように、ステップS011にて表示無しから表示有りに切り替わった競走馬パラメータが表示されるようになる(S013,S014)。
【0084】
なお、非表示である競走馬パラメータを表示無しから表示有りに切り替えてプレイヤXのユーザ端末12に表示させるまでの一連の工程(すなわち、S011~S014)は、育成以外のイベント、例えば、競走馬Yをレースに出場させるイベントが行われた場合、あるいは当該レースで競走馬Yが勝利した場合に実施されてもよい。
【0085】
また、第一実施形態の変形例として、特定のイベントが発生した場合に、競走馬Yに関連付けられた非表示の競走馬パラメータのうち、いずれかのパラメータを表示無しから表示有りに切り替えるか否かの抽選(抽選演出)が行われてもよい。この抽選の結果は、現時点でのプレイヤXのプレイヤパラメータ(例えば課金額)に応じた確率に従って決定され、抽選結果等を示す映像がプレイヤXのユーザ端末12に表示されてもよい。
【0086】
以上までに説明してきた工程のうち、ステップS006~S014は、プレイヤXがゲーム終了用の操作を行うまで繰り返し実施され(S015)、ゲーム終了用の操作が行われた時点でパラメータ表示フローが終了する。
【0087】
[本発明の第二実施形態について]
次に、本発明の第二実施形態について図11を参照しながら説明する。なお、以下では、第二実施形態のうち、既述の第一実施形態と相違する点を主として説明し、図11に示すサーバ10の機能のうち、第一実施形態と共通する機能については、図5と同じ符号を付すこととし、説明を省略することとする。
【0088】
第一実施形態では、ゲーム内で所定の時点になった場合(具体的には、所定のイベントが行われた場合)に、その時点でのプレイヤパラメータに応じた確率に従って、表示無しに設定された競走馬パラメータを表示有りに切り替えることとした。
第二実施形態では、ゲーム内で所定の時点になった場合(具体的には、所定のイベントが行われた場合)に、表示無しに設定された競走馬パラメータのうち、その時点でのプレイヤパラメータに応じた数のパラメータを表示有りに切り替える。
【0089】
より詳しく説明すると、第二実施形態に係るサーバ10Aは、図11に示すように、確率決定部70の代わりに、個数決定部72を備え、確率更新部83の代わりに、個数更新部84を備える。また、第二実施形態に係るサーバ10Aの記憶部50には、確率記憶部53の代わりに、個数記憶部54が含まれている。
【0090】
個数決定部72は、ゲーム内の所定の時点で表示無しに設定されている競走馬パラメータのうち、表示無しから表示有りに切り替えられるパラメータの個数(以下、表示切り替え個数)をプレイヤ毎及び競走馬毎に決める。個数決定部72は、現時点でのプレイヤパラメータ、例えば現時点での課金額に応じて表示切り替え個数を決め、詳しくは、課金額がより大きくなると個数がより多くなるように表示切り替え個数を決める。決められた表示切り替え個数は、現時点でのプレイヤパラメータを反映した数値であり、個数記憶部54にプレイヤ及び競走馬と紐付けられて記憶される。
【0091】
個数更新部84は、課金額の変動に応じて、個数記憶部54に記憶された表示切り替え個数(詳しくは、課金額が変わったプレイヤに紐付けられた表示切り替え個数)を更新し、課金額がより大きくなるほど個数が増えるように表示切り替え個数を更新する。
【0092】
なお、表示切り替え個数は、課金額に応じて決められたり更新されたりする場合に限定されず、ゲームプレイ時間、ゲームプレイ回数、及び、ゲーム内で設定されたプレイヤのレベルやランクのいずれか、あるいは、これらの組み合わせに応じて決められてもよく、また更新されてもよい。
【0093】
そして、第二実施形態では、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部60が、当該所定の時点で表示無しに設定されている競走馬パラメータのうち、表示切り替え個数に相当する数のパラメータを表示無しから表示有りに切り替える。このとき、表示無しから表示有りに切り替えられる競走馬パラメータは、サーバ10A側で自動的に決めてもよく、あるいはプレイヤによって指定されたパラメータであってもよい。
【0094】
[その他の実施形態]
以上までに、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、具体例を挙げて説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、他の実施形態も考えられ得る。
【0095】
上述の実施形態では、ゲームデータ配信用のサーバコンピュータ(すなわち、サーバ10)が本発明の情報処理装置として機能しているが、これに限定されるものではなく、サーバ10が有する前述の機能のうちの少なくとも一部が、ユーザ端末12に備わってもよい。例えば、表示制御部40、記憶部50、設定部60、確率決定部70(又は個数決定部72)、及び情報変更部80のうちの少なくとも一つの機能がユーザ端末12に備わってもよい。
【0096】
また、上記の実施形態では、表示切り替え確率又は表示切り替え個数が現時点でのユーザパラメータ、具体的には現時点での課金額に応じて決まることとした。そして、上記の実施形態では、課金額等がより大きいと確率がより高くなり、あるいは個数が増えるように表示切り替え確率又は表示切り替え個数が決められる。ただし、これに限定されるものではなく、課金額以外のユーザパラメータ、例えばゲームプレイ時間に応じて表示切り替え確率又は表示切り替え個数を決めてもよい。この場合、ゲームプレイ時間がより短くなると、表示切り替え確率がより高くなり、あるいは、表示切り替え個数が増えるようにしてもよい。
【0097】
また、上記の実施形態では、ゲーム媒体としての競走馬を育成したりレースに出場させたりするゲームを例に挙げて説明し、ゲーム中の所定のイベント、例えば、育成のイベントやレースのイベントが行われた場合に、それを契機として、非表示である競走馬パラメータを表示有りに切り替えることとした。ただし、これに限定されるものではなく、ゲーム媒体としてのキャラクタ(操作キャラクタ)を操作して、敵を倒したりクエスト等のステージをクリアしたりするゲームにも本発明は適用可能である。このようなゲームにおいて、上記操作キャラクタのパラメータ(ゲーム媒体情報、及びゲーム媒体パラメータに相当)の一部を表示無しに設定して非表示とし、ゲーム内の所定のイベント、例えば操作キャラクタの強化を行ったり所定のステージをクリアした場合に、その時点で、非表示のパラメータを表示無しから表示有りに切り替えてもよい。
【0098】
[まとめ]
本発明の情報処理装置は、設定部と表示制御部とを有する。設定部は、ゲーム媒体(例えば、競走馬)に関するゲーム媒体情報(例えば、競走馬情報)について表示の有無を設定する。表示制御部は、表示有りに設定されたゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を非表示とするように表示部(例えば、プレイヤのユーザ端末)を制御する。そして、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部が、ゲーム媒体を利用するプレイヤに関するプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替える。
このような構成によれば、ゲーム媒体情報の表示の有無を、プレイヤの状況、特にゲームの進行に応じて変動する状況を反映して決めることができる。これにより、例えば、所定の状況にあるプレイヤをゲーム媒体情報の表示の観点から優遇する等、プレイヤの状況に対して配慮したゲームを提供することができる。
【0099】
また、本発明の情報処理装置において、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部は、上記所定の時点でのプレイヤパラメータに応じた確率(表示切り替え確率)に従って、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えてもよい。この場合には、ゲームの進行に応じて変動するプレイヤパラメータを表示切り替え確率に反映することで、現時点でのプレイヤの状況に対して配慮することができるようになる。
【0100】
また、本発明の情報処理装置は、上記の確率(表示切り替え確率)を、プレイヤパラメータに応じて更新する確率更新部を備えてもよく、確率更新部は、プレイヤパラメータがより大きくなると確率がより高くなるように上記の確率を更新してもよい。この場合、プレイヤパラメータがより大きいプレイヤに対し、非表示のゲーム媒体情報を表示無しから表示有りに切り替えやすくすることで、ゲーム媒体情報の表示の観点から優遇することができる。
【0101】
また、上記の構成において、確率更新部は、ゲームにおけるプレイヤの課金額、ゲームプレイ時間、ゲームプレイ回数、及び、ゲーム内で設定されたプレイヤのランクの少なくとも一つのプレイヤパラメータに応じて確率を更新してもよい。これらのパラメータは、プレイヤのゲームへの関心、興味及び熱中度を反映しているため、例えば、ゲームへの関心等がより高いプレイヤをゲーム媒体情報の表示の観点から優遇することができる。
【0102】
また、本発明の情報処理装置において、ゲーム媒体に対して複数のゲーム媒体情報が関連付けられており、新たなゲーム媒体を取得した時点において、設定部は、当該新たなゲーム媒体に関連付けられた複数のゲーム媒体情報のうちの少なくとも一部を表示無しに設定してもよい。この構成であれば、新たなゲーム媒体を取得した時点でゲーム媒体情報の少なくとも一部を表示無しに設定して非表示とすることで、ゲーム媒体に対するプレイヤの期待感を喚起し、ゲームの興趣性をより高めることができる。
なお、ゲーム媒体に対して関連付けられた複数のゲーム媒体情報のうちの一部を当該ゲーム媒体の取得時点では表示無しに設定し、残りの情報を表示有りに設定すれば、複数のゲーム媒体情報のすべてを表示無しに設定する場合に比べて、ゲームの興趣性をより一層高めることができる。
【0103】
また、本発明の情報処理装置において、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部が、表示無しに設定されたゲーム媒体情報のうち、プレイヤパラメータに応じた数(表示切り替え個数)のゲーム媒体情報を表示有りに切り替えてもよい。この場合、ゲームの進行に応じて変動するプレイヤパラメータが表示切り替え個数に反映されるので、現時点でのプレイヤの状況に対して配慮することができる。
【0104】
また、本発明の情報処理装置において、プレイヤパラメータは、プレイヤのゲームプレイ時間を含み、ゲーム中の所定の時点になった場合に、設定部は、ゲームプレイ時間に応じた確率(表示切り替え確率)に従って、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替え、あるいは、表示無しに設定されたゲーム媒体情報のうち、ゲームプレイ時間に応じた数(表示切り替え個数)のゲーム媒体情報を表示有りに切り替えてもよい。かかる構成において、ゲームプレイ時間がより短くなると、表示切り替え確率がより高くなり、あるいは、表示切り替え個数が増えてもよい。この場合には、ゲームプレイ時間が短いプレイヤ、例えば初心者等のようにゲームプレイ歴が比較的短いプレイヤに対して、非表示のゲーム媒体情報を表示無しから表示有りに切り替えやすくし、ゲーム媒体情報の表示の観点から優遇することができる。
【0105】
また、本発明の情報処理装置において、ゲーム中において所定のイベントが行われた場合に、設定部が、プレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えてもよい。この場合には、所定のイベントが行われることを契機として、非表示であるゲーム媒体情報の設定が表示無しから表示有りに切り替わるため、当該所定のイベントを積極的に行うようにプレイヤを扇動することができる。
【0106】
また、上記の構成において、下記(1)~(3)のいずれか一つのイベントが行われた場合に、設定部が、プレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えてもよい。
(1)プレイヤによる指示に応じて、該指示を行ったプレイヤのゲーム媒体に関するゲーム媒体パラメータを変更させるイベント(例えば、育成イベント)。
(2)ゲーム媒体を用いてゲーム内の競技(例えば、レース)をプレイするイベント。
(3)ゲーム媒体を用いてゲーム内のステージ(例えば、所定の敵キャラクタと戦うステージ)をクリアするイベント。
上記(1)~(3)のイベントにおいて、ゲーム媒体情報は、各イベントの結果等に影響を及ぼす。上記のイベントの実施を契機として、非表示のゲーム媒体情報を表示有りに切り替えることで、プレイヤは、表示有りに切り替わったゲーム媒体情報を確認したうえで、それ以降のイベントに臨むことができる。
【0107】
また、本発明の情報処理装置は、ゲーム媒体パラメータ変更部(例えば、競走馬パラメータ変更部)を有し、ゲーム媒体パラメータ変更部は、プレイヤによる指示(例えば、育成用の指示)に応じて、該指示を行ったプレイヤのゲーム媒体に関するゲーム媒体パラメータを変更させる。ここで、ゲーム媒体情報は、ゲーム媒体パラメータを含んでもよい。そして、表示制御部は、表示有りに設定されたゲーム媒体情報が示すゲーム媒体パラメータを表示させるように表示部を制御してもよい。このような構成であれば、本発明の効果がより有意義なものとなる。この点について詳述すると、ゲーム媒体パラメータを育成又は強化等によって変更するゲームにおいて、プレイヤは、ゲーム媒体パラメータが所望の値又は内容となるように育成又は強化を行う上でゲーム媒体パラメータを確認する。したがって、表示有りと設定されるゲーム媒体パラメータの数が多いほど、プレイヤにとって有利となり、プレイヤは、表示有りと設定される情報の数が増え易くなるような状況になることを目指してゲームをプレイするようになる。この場合には、表示無しから表示有りに切り替えられるゲーム媒体パラメータの数をプレイヤの状況に応じて変えることができる本発明が、より有効なものとなる。
【0108】
また、本発明の情報処理装置において、表示制御部は、表示有りに設定されたゲーム媒体情報が示すゲーム媒体パラメータの現在値及び限界値(例えば、上限値)を表示させるように表示部を制御してもよい。この場合、当初非表示であったゲーム媒体パラメータのうち、数値で表されるパラメータが表示無しから表示有りに切り替わると、プレイヤは、当該パラメータの現在値とともに、その限界値を把握することができる。これにより、育成等によって当該パラメータを現在値から限界値まで変更させるようにプレイヤを扇動することができる。
【0109】
また、本発明の情報処理方法は、コンピュータが、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定し、コンピュータが、表示有りに設定されたゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を非表示とするように表示部を制御し、ゲーム中の所定の時点になった場合に、コンピュータは、ゲーム媒体を利用するプレイヤに関するプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えることを特徴とする。上記の情報処理方法を用いることにより、ゲーム媒体情報の表示の観点から、ゲーム内でのプレイヤの状況(具体的には、プレイヤパラメータ)に対して配慮することができる。
【0110】
また、本発明のプログラムは、コンピュータに、ゲーム媒体に関するゲーム媒体情報について表示の有無を設定させ、表示有りに設定されたゲーム媒体情報を表示し、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を非表示とするように表示部を制御させ、ゲーム中の所定の時点になった場合に、ゲーム媒体を利用するプレイヤに関するプレイヤパラメータに基づき、表示無しに設定されたゲーム媒体情報を表示有りに切り替えさせるプログラムである。このプログラムをコンピュータに実行させることで、ゲーム媒体情報の表示の観点からプレイヤの状況(具体的には、プレイヤパラメータ)に対して配慮することができるゲームが実現される。
【符号の説明】
【0111】
10,10A サーバ
12 ユーザ端末
14 ネットワーク
21 プロセッサ
22 メモリ
23 通信用インタフェース
24 ストレージ
25 バス
30 操作受付部
40 表示制御部
50 記憶部
51 プレイヤパラメータ記憶部
52 競走馬情報記憶部
53 確率記憶部
54 個数記憶部
60 設定部
70 確率決定部
72 個数決定部
80 情報変更部
81 プレイヤパラメータ変更部
82 競走馬パラメータ変更部
83 確率更新部
84 個数更新部
G1 競走馬表示画面
G2 育成指示画面
S 情報処理システム
図1
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