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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】コンピュータシステム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/86 20140101AFI20240926BHJP
   A63F 13/53 20140101ALI20240926BHJP
   A63F 13/61 20140101ALI20240926BHJP
【FI】
A63F13/86
A63F13/53
A63F13/61
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022152603
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2020102454の分割
【原出願日】2020-06-12
(65)【公開番号】P2022185005
(43)【公開日】2022-12-13
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】田中 大将
(72)【発明者】
【氏名】北口 里英
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】川上 智司
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-089517(JP,A)
【文献】特開2020-044086(JP,A)
【文献】特開2017-184841(JP,A)
【文献】特開2017-074307(JP,A)
【文献】特開2014-184311(JP,A)
【文献】「からあげクン、いかがですかー」 声で宣伝 ゲーム広告新潮流,日経XTREND [online],2020年02月27日,https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/00877/,[2024年01月18日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを介して行われるゲームの進行管理を行うコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータシステムは、情報決定部、情報出力部として機能し、
前記情報決定部は、ゲームプレイヤとは異なる情報発信者に提示する提示情報を前記ゲームの進行に応じて決定し、
前記提示情報のうちの特定情報は、前記情報発信者が発信すべき情報であり、
前記情報出力部は、
前記情報決定部が決定した前記提示情報を、前記情報発信者の端末に表示させ、
表示させた前記特定情報については、その特定情報を前記情報発信者に発信させるために、その特定情報を前記端末に表示させ後、その特定情報について前記情報発信者が発信したか否かを判定し、その特定情報について前記情報発信者が発信するまで表示を維持させる
コンピュータシステム。
【請求項2】
コンピュータを介して行われるゲームの進行管理を行うコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータシステムは、情報決定部、情報出力部として機能し、
前記情報決定部は、ゲームプレイヤとは異なる情報発信者に提示する提示情報を前記ゲームの進行に応じて決定し、
前記ゲームの進行は、前記ゲームの時間的な推移であり、
前記提示情報のうちの特定情報は、前記情報決定部により決定された情報であり且つ前記情報発信者が発信すべき情報であり、
前記情報出力部は、
前記情報決定部が決定した前記提示情報を、前記情報発信者の端末に表示させ、
前記特定情報については、その特定情報を前記情報発信者に発信させるために、その特定情報を前記端末に表示させ、
前記特定情報を除く前記提示情報については、時間の経過に応じて非表示とさせる
コンピュータシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2のコンピュータシステムにおいて、
前記情報出力部は、時間経過に応じて態様を変化させて前記提示情報を表示させるコンピュータシステム。
【請求項4】
請求項3のコンピュータシステムにおいて、
前記情報出力部は、表示を簡略化することによって前記態様を変化させるコンピュータシステム。
【請求項5】
請求項1または請求項2のコンピュータシステムにおいて、
前記特定情報は、前記ゲームの大会のスポンサー情報であるコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンピュータシステム、および情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームプレイ動画を配信する場合に、実況者の実況音声情報が提供される場合がある(例えば特許文献1を参照)。特許文献1の例では、ゲームを実況した実況者の操作に応じて、実況音声情報を含むゲームプレイ動画を配信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-044086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームに対して解説などの音声を出力することで、プレイヤのみならず、ゲームのプレイ動画の視聴者やeスポーツ(Electric Sports)の観戦者が、ゲームに対してより面白さを感じることができる。
【0005】
本開示は、解説に必要な情報を提示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の開示は、コンピュータを介して行われるゲームの進行管理を行うコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータシステムは、情報決定部、情報出力部として機能し、
前記情報決定部は、ゲームプレイヤとは異なる情報発信者に提示する提示情報を前記ゲームの進行に応じて決定し、
前記提示情報のうちの特定情報は、前記情報発信者が発信すべき情報であり、
前記情報出力部は、
前記情報決定部が決定した前記提示情報を、前記情報発信者の端末に表示させ、
表示させた前記特定情報については、その特定情報について前記情報発信者が発信するまで表示を維持させるコンピュータシステムである。
【0007】
第2の開示は、コンピュータを介して行われるゲームの進行管理を行うコンピュータシステムにおいて、
前記コンピュータシステムは、情報決定部、情報出力部として機能し、
前記情報決定部は、ゲームプレイヤとは異なる情報発信者に提示する提示情報を前記ゲームの進行に応じて決定し、
前記提示情報のうちの特定情報は、前記情報発信者が発信すべき情報であり、
前記情報出力部は、
前記情報決定部が決定した前記提示情報を、前記情報発信者の端末に表示させ、
前記特定情報を除く前記提示情報については、時間の経過に応じて非表示とさせるコンピュータシステムである。
【0008】
第1または第2の開示のコンピュータシステムにおいて、
前記情報出力部は、時間経過に応じて態様を変化させて前記前記提示情報を表示させてもよい。
【0009】
前記開示においては、
前記情報出力部は、表示を簡略化することによって前記態様を変化させるコンピュータシステムである。
【0010】
前記開示においては、
前記特定情報は、前記ゲームの大会のスポンサー情報としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、解説や実況に必要な情報を提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ゲームシステムの構成を示すブロック図である。
図2】サーバ装置の構成を示すブロック図である。
図3】ゲーム装置の構成を示すブロック図である。
図4】情報発信者端末の構成を示すブロック図である。
図5】ゲーム画像の一例を示す。
図6】情報発信者端末におけるゲーム画像、ユーザインターフェースの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示におけるコンピュータシステム、および情報提示方法について、図面を参照して説明する。本開示のコンピュータシステムは、ゲームシステムとして実現されている。本開示における情報提示方法は、ゲームシステムの機能として実装されている。
【0014】
なお、以下の説明において、「ゲーム」とは、所定のルールに従って、何らかの目的を達成する活動であって、コンピュータを利用して実施されるものをいう。前記ゲームには、複数の参加者が競い合うもの(勝敗を定めるもの)もあるし、参加者毎に、得点、時間などの、何らかの指標に基づく評価を受けるものもある。ここでの参加者は、個人またはチームの両方を含む。
【0015】
[実施形態]
《ゲームシステムの概要》
図1は、実施形態におけるゲームシステム1の構成を示すブロック図である。ゲームシステム1は、例えば、eスポーツ大会を運営するために用いられる。ゲームシステム1におけるゲームは、ゲームプレイヤ(参加者)の操作を受けて、プレイヤキャラクタを三次元の仮想ゲーム空間(以下、単に仮想空間という)で活動させたり、プレイヤキャラクタの仲間に対して様々なアクションを行わせたりする。
【0016】
本実施形態で説明するゲームは、プレイヤキャラクタを、他のプレイヤキャラクタまたはノンプレイヤキャラクタと仮想空間内で対戦させる対戦型アクションゲームである。より詳しくは、本実施形態のゲームは、いわゆる格闘ゲームである。
【0017】
本実施形態の格闘ゲームでは、2人のゲームプレイヤが、1対1で対戦を行う。対戦では、各ゲームプレイヤが、一のキャラクタ(プレイヤキャラクタ)を選択して操作する。対戦では、例えば、いずれかのキャラクタの体力値が0になることで勝敗が決定する。
【0018】
本実施形態のeスポーツ大会では、例えば、トーナメント方式(勝ち抜き戦方式)などにより、大会が進行する。このeスポーツ大会では、対戦の状況が実況者によって実況される。また、このeスポーツ大会では、対戦内容(例えば使用された技)などが、解説者によって解説される。実況および解説は、通信網などを介して、観戦者などに配信される。実況および解説は、大会会場に設置されたスピーカなどによって放送される場合もある。
【0019】
以下では、ゲームに関わる情報を音声情報として発信する者を「情報発信者」という。「音声情報」は、ゲームの実況およびゲームの解説の少なくとも一方に関連する情報である。実況者、および解説者は、それぞれ、「情報発信者」の一例である。
【0020】
《ハードウェアの構成》
〈概要〉
ゲームシステム1は、サーバ装置2、ゲーム装置5、および情報発信者端末10を備えている。サーバ装置2は、ゲーム装置5と通信ネットワーク6(例えばインターネット)を介して、通信可能に構成されている。
【0021】
情報発信者端末10は、情報発信者が使用する端末である。情報発信者端末10は、通信ネットワーク6に接続されている。情報発信者端末10とサーバ装置2とは、通信ネットワーク6を介して通信を行う。
【0022】
サーバ装置2は、eスポーツ大会の管理、および情報発信のサポートを行う。サーバ装置2は、ゲームプログラムおよびゲームデータを記憶している。サーバ装置2は、ゲーム装置5のゲームデータの管理を行う。サーバ装置2は、eスポーツ大会の管理を行うための各種プログラムおよびデータを記憶している。
【0023】
ゲーム装置5は、ゲームプレイヤの操作に基づいてゲームを実行する。本実施形態では、ゲーム装置5において、対戦型アクションゲームが行われる。本実施形態では、一台のゲーム装置5によって、一組のプレイヤ(この例では二人)の操作を受け付ける。
【0024】
ゲーム装置5には、例えば、パーソナルコンピュータ、プレイステーション(登録商標)、XBox(登録商標)、PlayStation Vita(登録商標)、Nintendo Switch(登録商標)などの、市販の装置を利用できる。
【0025】
ゲーム装置5は、通信ネットワーク6を介してサーバ装置2からゲームプログラムおよびゲームデータを受信(ダウンロード)する場合がある。ゲーム装置5は、ゲームプログラム等を受信したら、受信したゲームプログラム等をインストールする。
【0026】
ゲーム装置5は、各プレイヤ(以下、プレイヤP1,P2)の操作に基づいて、対戦型アクションゲームによる対戦を開始する。ゲーム装置5は、各プレイヤの操作に基づいてゲーム画像や音声を、ディスプレイ61およびスピーカ62(それぞれ後述)に出力しながら、ゲームを進行させる。
【0027】
ゲーム装置5は、対戦が終了すると、対戦結果を示す結果情報をサーバ装置2に送信する。結果情報には、例えば、対戦のステージ(1回戦、決勝戦などの情報)、対戦における勝者を特定する情報が含まれる。
【0028】
〈サーバ装置2の構成〉
図2は、サーバ装置2の構成を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ装置2は、ネットワークインターフェース21、記憶部22、および制御部23を備えている。ネットワークインターフェース21、および記憶部22は、バス29を介して制御部23と電気的に接続されている。
【0029】
ネットワークインターフェース21は、インターネットおよびLANなどの通信ネットワーク6(通信網)を介して、ゲーム装置5、情報発信者端末10等と通信可能に接続されている。
【0030】
記憶部22は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成されている。記憶部22には、ゲームデータ、本実施形態に係るゲームプログラムの一部を含む各種プログラムが記憶されている。
【0031】
制御部23は、サーバ装置2の動作を制御する。制御部23は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0032】
〈ゲーム装置5の構成〉
図3は、ゲーム装置5の構成を示すブロック図である。ゲーム装置5には、図3に示すように、ディスプレイ61、スピーカ62およびコントローラ63が外部接続または内蔵される。ディスプレイ61は、2台設けられている。また、ゲーム装置5には、コントローラ63も2台設けられている。以下では、ディスプレイ61のように複数が存在する構成要素には、必要に応じて、参照符号に枝番を付して区別する(例えば61-1、61-2等。以下同様)。
【0033】
ディスプレイ61-1およびコントローラ63-1は、プレイヤP1が使用する。ディスプレイ61-2およびコントローラ63-2は、プレイヤP2が使用する。コントローラ63は、ゲームシステム1において標準で装備されたものに代えて、プレイヤP1,P2自身によって用意されたものが接続される場合もある。
【0034】
ゲーム装置5は、ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、記憶部55、および制御部56を有する。ネットワークインターフェース51、グラフィック処理部52、オーディオ処理部53、操作部54、および記憶部55は、バス59を介して制御部56と電気的に接続されている。
【0035】
ネットワークインターフェース51は、ゲーム装置5とサーバ装置2との間で、各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。
【0036】
グラフィック処理部52は、制御部56から出力されるゲーム画像情報に従って、仮想空間に関する各種オブジェクトを含むゲーム画像を、動画形式で描画する。グラフィック処理部52は、例えば液晶型であるディスプレイ61(61-1,61-2)と接続されている。動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面としてディスプレイ61上に表示される。
【0037】
オーディオ処理部53は、スピーカ62と接続されている。オーディオ処理部53は、制御部56の指示に従ってゲーム音声を再生および合成し、これをスピーカ62から出力させる。
【0038】
操作部54は、コントローラ63(63-1,63-2)と接続されている。操作部54は、操作入力に関するデータをコントローラ63との間で送受信する。プレイヤP1,P2は、コントローラ63のボタン等の各種操作子を操作することで、ゲーム装置5に操作信号を入力する。
【0039】
記憶部55は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部55には、サーバ装置2からダウンロードされたゲームデータ、ゲームプログラムの一部を含む各種プログラムなどが格納されている。
【0040】
制御部56は、ゲーム装置5の動作を制御する。制御部56は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0041】
〈情報発信者端末10の構成〉
情報発信者端末10は、例えば、パーソナルコンピュータに所定のソフトウェアをインストールすることによって構成できる。図4は、情報発信者端末10の構成を示すブロック図である。図4に示すように、情報発信者端末10には、ディスプレイ91、スピーカ92、マイクロフォン94、およびキーボード93が接続されている。
【0042】
情報発信者端末10は、ネットワークインターフェース81、グラフィック処理部82、オーディオ処理部83、操作部84、記憶部85、および制御部86を有する。ネットワークインターフェース81、グラフィック処理部82、オーディオ処理部83、操作部84、および記憶部85は、バス87を介して制御部86と電気的に接続されている。
【0043】
ネットワークインターフェース81は、各種データを送受信するために、通信ネットワーク6に通信可能に接続される。これにより、情報発信者端末10は、サーバ装置2との通信が可能になる。
【0044】
グラフィック処理部82は、ディスプレイ91と接続されている。グラフィック処理部82は、制御部86から出力される画像情報に従って、ディスプレイ91に各種画像を表示する。
【0045】
オーディオ処理部83は、スピーカ92と接続されている。オーディオ処理部83は、制御部86から出力される音声情報に従って、音声をスピーカ92から出力(再生)させる。
【0046】
オーディオ処理部83には、マイクロフォン94が接続されている。マイクロフォン94は、情報発信者の音声を電気信号として収集するために使用される。オーディオ処理部83は、マイクロフォン94から入力された信号をデジタル信号(音声信号)に変換する。オーディオ処理部83は、音声信号を制御部86に送信する。
【0047】
操作部84は、キーボード93と接続されている。操作部84には、使用者(例えば情報発信者)によるキーボード93の操作に応じて、操作信号が入力される。例えば、使用者は、キーボード93を操作することにより、記憶部85に記憶された各種プログラムを実行させることができる。使用者は、キーボード93を操作することで、種々の情報を入力することができる。
【0048】
記憶部85は、HDD、SSD、RAMおよびROMなどで構成される。記憶部85には、各種プログラムなどが格納されている。
【0049】
制御部86は、情報発信者端末10を制御する。制御部86は、CPU(マイクロコンピュータ)および半導体メモリを備えている(図示は省略)。半導体メモリには、CPUを動作させるためのプログラムなどが格納されている。
【0050】
《ゲーム装置5における制御部56の機能的構成》
制御部56は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、対戦実行部561、および送信部562として機能する。
【0051】
対戦実行部561は、プレイヤによるコントローラ63の操作に従って、ゲームデータに含まれるオブジェクト、およびテクスチャなどのデータを読み出し且つゲームプログラムを実行する。ゲームプログラムの実行によって、二次元または三次元のゲーム画像情報が生成される。
【0052】
ゲーム画像情報は、グラフィック処理部52によって処理される。グラフィック処理部52の処理により、ディスプレイ61には処理後のゲーム画像が表示される。例えば、図5に示すようなゲーム画像Scがディスプレイ61に表示される。ゲーム画像Scは、会場に設置されている観客用ディスプレイにも表示される。ゲーム画像Scは、通信ネットワーク6を介しても、観戦者に配信される。情報発信者からの音声入力(後述)も通信ネットワーク6を介して配信される。
【0053】
対戦実行部561は、所定の条件を満たした場合(例えば、コントローラ63に対して所定の操作が行われた場合)に、対戦型アクションゲームによる対戦を開始する。対戦実行部561は、対戦の勝敗が決した場合(例えば、キャラクタの体力値が0になった場合)に、対戦を終了する。
【0054】
送信部562は、各対戦者が選んだキャラクタの情報(キャラクタ名、使用コスチュームなど)を送信する。これらの情報は、実況、および解説に使用できる。
【0055】
送信部562は、対戦中に、コントローラ63による入力の履歴情報(以下、入力履歴情報)を、ネットワークインターフェース51を介して、サーバ装置2に送信する。入力履歴情報を解析することによって、プレイヤP1,P2が繰り出した技を特定することができる。
【0056】
送信部562は、対戦中は、ゲームにおけるステータス情報をサーバ装置2に送信する。ステータス情報としては、現時点の得点、各キャラクタの体力値、経過時間、ゲームの段階(前半、後半など)を例示できる。
【0057】
《サーバ装置2における制御部23の機能的構成》
制御部23は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、入力部231、状況収集部232、表示部233、ユーザインターフェース制御部234、情報決定部235、音声出力部236、情報出力部237、および評価部238として機能する。
【0058】
入力部231は、情報発信者からの音声入力(デジタルデータ)を受信する。より具体的には、入力部231は、情報発信者端末10から送信された音声入力を受信する。入力部231は、受信した音声入力を情報決定部235に送信する。
【0059】
状況収集部232は、ゲームの状況に関する情報(以下、状況データという)を収集する。ゲームの状況とは、ゲーム中に起こる事象である。状況収集部232は、例えば、状況データとして、入力履歴情報、ステータス情報(キャラクタの体力値など)、およびキャラクタの情報を収集する。状況収集部232は、SNS(social networking service)への視聴者(観戦者)の反応、視聴者用端末からの入力された、視聴者(観戦者)の反応も、状況データとして収集する。状況収集部232は、収集した状況データを情報決定部235に送信する。
【0060】
表示部233は、ゲーム画像Scを情報発信者端末10に出力する。これにより、情報発信者は、対戦を見ることができる。すなわち、対戦会場において対戦が行われる場合のみならず、対戦者同士が通信ネットワーク6経由で対戦を行う場合にも、情報発信者は対戦の状況を把握できる。
【0061】
ユーザインターフェース制御部234は、ネットワークインターフェース21を介して、情報発信者端末10(ディスプレイ91)に、ユーザインターフェースUIを表示させる。ユーザインターフェース制御部234は、ゲーム画像Scに重ねてユーザインターフェースUIを情報発信者端末10に表示させたり、ユーザインターフェースUIを単独で情報発信者端末10に表示させたりする。
【0062】
例えば、ユーザインターフェース制御部234は、ユーザインターフェースUIとして、テキスト情報および画像を表示する領域(以下、情報領域)を情報発信者端末10に表示させる。情報領域は、ゲーム画像Scに合成してもよいし、ゲーム画像Scとは別領域に表示してもよい。ユーザインターフェース制御部234に対して所定の命令を送ることで、情報領域内の特定の情報を消去したり、情報領域内の全ての情報を消去したりできる。
【0063】
音声出力部236は、情報発信者からの音声入力を、通信ネットワーク6を介して配信する。また、音声出力部236は、ネットワークインターフェース21を介して、ゲーム音声を情報発信者端末10に送信する。
【0064】
情報決定部235は、ゲームの進行(時間的な推移)またはゲームの状況(ゲーム中に起こる事象)にともなって提示すべき、解説および実況の少なくとも一方(以下、解説等という)に必要な情報(以下、提示情報という)を、ゲームの進行に応じて決定する。
【0065】
提示情報の具体例は後に例示するが、ゲーム進行に応じた提示情報としては、話すタイミングなどが予め決まっている台本的な情報を例示できる。ゲームの状況に応じた提示情報としては、その場で実況するアドリブ的な情報を例示できる。情報決定部235は、決定した提示情報を情報出力部237に送信する。
【0066】
ここで、「ゲームの進行」とは、ポーズ中、ハーフタイム中、試合終了時などの、ゲームの時間的な推移をいう。ゲームの進行状態の情報は、ゲーム装置5から送られてくるステータス情報や経過時間などから把握できる。
【0067】
また、「提示情報」とは、情報発信者が情報発信(解説や実況)に利用できそうな情報である。「提示情報」は、プレイヤに表示する情報に限らず、ゲーム中にプレイヤには表示されない情報を含む。
【0068】
「提示情報」には、以下を例示できる。
(1)繰り出された技名、キャラクタ間の距離などの、キャラクタの動作、位置、体勢
(2)現在の得点、キャラクタの体力値などのステータス情報
(3)対戦者および/または使用キャラクタのプロフィール
(4)対戦者の過去の対戦成績(使用キャラクタ、設定された衣裳やスキルなどを含む)
(5)獲得賞金、獲得ポイント
(6)スポンサーの情報、会場の情報
(7)視聴者(観戦者)が投稿したコメントなどの反応情報
例えば、「対戦者の過去の対戦成績」には、対戦者の組み合わせにおける過去の戦績や対戦の状況の他に、キャラクタの組み合わせにおける過去の戦績や対戦の状況を含む。
【0069】
「対戦者の過去の対戦成績」には、例えば、格闘ゲームにおいて3本先取などのルールがある場合には、前ラウンドの状況など直近の状況も含む。この場合における提示情報の具体例としては、「ここまで1勝1敗。このラウンドをとった方が勝利です」といった台詞を例示できる。
【0070】
また、野球ゲームでは、「対戦者の過去の対戦成績」には、前の打席での結果を含む。この場合における提示情報の具体例としては、「前打席では、〇〇投手が三振を奪っています」といった台詞を例示できる。
【0071】
「会場の情報」は、例えば、収容人数、入場者数、建築物などに関する情報ある。
【0072】
「視聴者(観戦者)が投稿したコメントなどの反応情報」は、SNSや視聴者用端末を介して示される、視聴者(観戦者)による意思を示す情報である。
【0073】
これらの情報の多くは、状況収集部232が収集した情報から構築できる。
【0074】
例えば、繰り出された技名は、状況収集部232が収集した入力履歴情報を解析することによって特定することができる。ステータス情報も状況収集部232が収集した情報に含まれている。
【0075】
対戦者のプロフィールは、種々の選手のプロフィールをデータベース化しておくことで取得できる。過去の対戦成績、獲得賞金、および獲得ポイントも、種々の選手の戦績をデータベース化しておくことで取得できる。スポンサーの情報(今大会のスポンサー名など)は、スポンサーの情報をデータベース化したり、所定の変数の値として設定したりすることが考えられる。同様に、会場の収容人数、および建築物の情報も、これらの情報をデータベース化しておくことで取得できる。
【0076】
「視聴者(観戦者)が投稿したコメントなどの反応情報」は、SNSや視聴者用端末を介して取得できる。例えば、SNSでは、ユーザの意思表示の機能として、「イイネ」といったラベルのボタンが設けられたり、コメントの入力機能が設けられたりする。また、視聴者用端末などを介して、いわゆる投げ銭ができるようにゲームを構成することも考えられる。本実施形態では、状況収集部232が、「イイネ」の数、コメント、投げ銭の額の情報を収集する。
【0077】
情報決定部235は、提示情報に付加情報を付与する場合がある。付加情報としては、解説者向け情報か実況者向け情報かを示すフラグを例示できる。
【0078】
情報決定部235は、特定の提示情報(以下、特定情報という)に対して、他の情報との識別用フラグを、付加情報として付与する場合がある。「特定情報」とは、情報発信の期間中に必ず発信すべき情報である。特定情報としては、例えば、大会のスポンサー名を例示できる。「情報発信の期間」には、対戦開始前の所定期間、対戦中が含まれる。更に、「情報発信の期間」には、対戦終了後の所定期間も含まれる。
【0079】
情報決定部235は、出力すべき提示情報の決定に、ゲームの進行状態の情報と、状況データの少なくとも一方を使用する。本実施形態の情報決定部235は、AI(artificial intelligence)を含んでいる。情報決定部235は、機械学習の学習済みモデルに基づいて機能する。
【0080】
情報決定部235のAIは、ニューラルネットワークを用いて構成されている。このニューラルネットワーク(情報決定部235)は、ゲームの進行状態、および状況収集部232が収集した状況データを入力としている。
【0081】
ニューラルネットワーク(情報決定部235)は、ゲームの進行状態の情報、および状況データの双方の入力に応じた提示情報を決定する機能(第1機能)を有している。情報決定部235は、状況データに応じた提示情報を決定する機能(第2機能)も有している。つまり、情報決定部235は、ゲームの進行状態の情報を用いずに、提示情報を決定こともできる。更に、情報決定部235は、ゲームの進行状態の情報のみを用いて、提示情報を決定する機能(第3機能)を有している。
【0082】
本実施形態では、学習済みモデルは、複数種類が用意されている。機械学習の際に用いる教師データを適宜、選択することによって、種々の特性(性格)のAIを構築することができる。
【0083】
例えば、ゲームの進行状態の情報と状況データからなる入力、およびこの入力に対応した、解説者用の提示情報を教師データとして用いてAIに機械学習を行わせることで、情報決定部235を、解説者用の提示情報を決定するAIとして構築できる。
【0084】
同様に、ゲームの進行状態の情報と状況データからなる入力、およびこの入力に対応した、実況者用の提示情報を教師データとして用いてAIに機械学習を行わせることで、情報決定部235を、実況者用の提示情報を決定するAIとして構築できる。
【0085】
解説者用の提示情報、および実況者用の提示情報の双方を、教師データに含めることによって、情報決定部235を、解説者用の提示情報および実況者用の提示情報の双方を決定するAIを構築できる。また、教師データから、ゲームの進行状態の情報を省略することによって、状況データのみに応じた提示情報を決定するAIを構築できる。
【0086】
同様に、教師データから、状況データを省略することによって、ゲームの進行状態の情報のみに応じた提示情報を決定するAIを構築できる。一般的に、ゲームの開始前(ゲームの進行状態の情報=未進行)は、提示情報の決定において状況データを無視してよい。
【0087】
この場合の教師データは、状況データを用いずに、ゲームの進行状態の情報のみによって、提示情報が決定されるように形成することが考えられる。ゲームの開始前に提示すべき情報としては、選手のプロフィール、対戦成績、スポンサー名などの紹介を促す情報を例示できる。より具体的には、例えば、「ここで選手紹介」といった情報の提示を例示できる。
【0088】
また、情報決定部235は、ゲームの進行状態の情報、および状況データ、データベースの少なくとも一方を用いて、データベースを検索可能に構成されている。情報決定部235は、ゲームの進行状態の情報、および状況データ、データベースの少なくとも一方に応じて、検索して得られた情報を提示情報として決定する。データベースから取得する情報としては、スポンサー名、大会に設定されている賞金、今までの、勝率、獲得賞金、獲得ポイントなどを例示できる。
【0089】
情報決定部235は、データベースから検索した情報と、AI(ニューラルネットワーク)から得た情報とを組み合わせた情報を提示情報として決定可能に構成されている。例えば、情報決定部235は、今までの獲得賞金の合計額と、今大会の獲得賞金額とに基づいて求めた最新の賞金合計額を提示情報として決定する。
【0090】
情報決定部235における提示情報決定の動作は、種々のタイミングで行うことができる。例えば、情報決定部235は、状況データが変化する度に提示情報の決定を行うことができる。情報決定部235は、状況データの所定の変化を無視してもよい。
【0091】
また、情報決定部235は、提示情報の決定を、周期的に行ったり、定期的に行ったりできる。決定を行う周期としては、例えば数十秒の周期を例示できる。定期の例としては、ゲームの開始時、ハーフタイム、ゲーム終了時(勝敗の決定時)などのゲームの区切り目などを例示できる。情報決定部235は、周期的な決定動作と、定期的な決定動作を併用してもよいし、何れか一方のみを行うようにしてもよい。
【0092】
情報出力部237は、情報決定部235から送られてきた提示情報について、表示の要否を、ゲームの進行および状況データに応じて判断する。すなわち、情報出力部237は、提示情報をゲームの進行および状況データに従って出力する。情報出力部237における、表示の要否判定は、例えばAIによって実装できる。
【0093】
情報出力部237は、表示が必要な提示情報を所定の態様(後述)の表示データとして、ユーザインターフェース制御部234に出力する。一方、情報出力部237は、表示が不要な提示情報は破棄する。例えば、情報出力部237は、提示情報が、既に古くなって不要な情報となっている場合には、その提示情報を破棄する。
【0094】
古い情報か否かは、例えば、提示情報が決定された時点から、ゲームの進行や状況データに所定の変化があったか否かで判断できる。勿論、ゲームの進行や状況データに所定の変化があっても、提示情報によっては、依然、発信する必要がある。例えば、特定情報(大会のスポンサー名など)などは、ゲームの進行や状況データに変化しても、情報発信する必要がある。
【0095】
情報出力部237は、提示情報の表示が必要であると判断した場合には、表示中の提示情報に追加する形で、新たな提示情報を表示させる。具体的に、情報出力部237は、情報決定部235が決定した提示情報を所定の態様(後述)の表示データとして構築する。
【0096】
情報出力部237は、構築した表示データをユーザインターフェース制御部234に出力する。ユーザインターフェース制御部234は、受け取った表示データを、情報発信者端末10の情報領域に表示させる。情報出力部237は、適宜、情報領域の表示データを更新(後述)する。
【0097】
情報出力部237は、情報発信者が、提示情報について発言したら、それを情報領域から消去させる。提示情報について発言したか否かの判定では、音声認識技術を利用できる。
【0098】
本実施形態の情報出力部237は、音声認識技術によって情報発信者の発言(音声信号)をテキストデータに変換する。情報出力部237は、テキストデータと提示情報との類似度を閾値と比較することによって判定結果を得る。情報出力部237は、情報発信者による発言を確認できたら、ユーザインターフェース制御部234にその提示情報の消去を指示する。
【0099】
情報出力部237は、表示中の提示情報が古くなった場合には、特定情報を除き、情報領域から消去する。提示情報が古くなったか否かの判断は、表示してからの経過時間で判断したり、状況データの変化を検知したりすることで判断できる。
【0100】
情報出力部237は、情報発信者によるユーザインターフェースUIの操作に応じて、表示中の提示情報を情報領域から消去する。これにより、情報発信者は、発信する情報を取捨選択できる。ただし、本実施形態のユーザインターフェースUIは、特定情報の消去を要求できないように構成されている。
【0101】
情報出力部237は、特定情報については、特定情報に対応した出力が音声出力部236によって行われるまでは、特定情報に対応した出力を維持する。ここで、「維持する」ことには、情報決定部235から送信されてきた提示情報をそのまま表示する態様の他に、当該提示情報に対応した情報(例えばアイコン)を表示する態様も含まれる。
【0102】
本実施形態では、情報出力部237は、受け取った特定情報を初めて出力する場合は、受け取った態様でユーザインターフェース制御部234に出力する。例えば、情報決定部235から情報出力部237に、特定情報として、「この大会は、ゴールドスポンサー〇〇の提供です」という台詞や、「この大会はシルバースポンサー〇〇の協賛です」という台詞が送られてきたとする。
【0103】
この場合、情報出力部237は、送られてきた台詞をそのままユーザインターフェース制御部234に出力する。これにより、情報領域には、情報出力部237から送られてきた台詞がそのまま表示される。
【0104】
情報出力部237は、特定情報を表示してから所定期間(以下、初期態様期間という)が経過した場合は、表示の態様を変化させる。初期態様期間は、任意に定めてよい。例えば、時間的な推移である、ゲーム進行が変化するまで、または単に表示開始から固定時間(例えば5分)が経過するまでと設定することが考えられる。
【0105】
情報出力部237は、初期態様期間が経過した場合は、特定情報を簡略化して表示させる。本実施形態では、情報出力部237は、初期態様期間が経過した場合には、例えば、スポンサー紹介の台詞に代えて、「スポンサー紹介実施」を意味するアイコンをユーザインターフェース制御部234に出力する。これにより、情報領域には、特定情報に対応した文字情報が消去されて、アイコンが表示される。
【0106】
情報発信者がアイコンを選択した場合には、情報出力部237は、アイコンを元の詳細な情報(台詞)と入れ替える指示をユーザインターフェース制御部234に送る。これにより、情報領域には、元の詳細な台詞が表示される。情報発信者は、表示された台詞を読み上げることができる。
【0107】
評価部238は、音声情報の評価を行う。具体的に、評価部238は、提示情報が表示されてから、所定期間(以下、時間閾値という)内に音声入力があったか否かを評価する。音声入力があったか否かは、情報出力部237における類似度の評価に応じて提示情報が消去されたか否かで確認できる。
【0108】
評価部238は、時間閾値以内に、音声入力があった場合には、情報発信者の評価値として所定値を付与する。時間閾値の定め方には限定はない。この実施形態での時間閾値は、数秒である。時間閾値は、例えば、動画像のフレーム数によって定めてもよい。
【0109】
《情報発信者端末10における制御部86の機能的構成》
制御部86は、そのCPUが各種プログラムを実行することにより、音声送信部861、およびUI処理部862として機能する。
【0110】
音声送信部861は、オーディオ処理部83が生成した音声信号を、ネットワークインターフェース81を介して、サーバ装置2に送信する。ここでの音声信号は、情報発信者がマイクロフォン94を用いてオーディオ処理部83に入力したものである。音声送信部861から送信された音声信号は、サーバ装置2の入力部231が受信する。
【0111】
UI処理部862は、サーバ装置2のユーザインターフェース制御部234の指示に応じて、ユーザインターフェースUIをディスプレイ91に表示する。UI処理部862は、表示部233が出力したゲーム画像Scをディスプレイ91に表示する。図6に、UI処理部862によって表示される画面の例を示す。UI処理部862は、ユーザインターフェースUIに対するユーザの操作結果をサーバ装置2に送信する。
【0112】
《動作例》
本実施形態では、情報発信者が二人いるものとする。一方の情報発信者は実況者であり、もう一方の情報発信者は、解説者である。これらの情報発信者は、それぞれ別個の情報発信者端末10を使用するものとする。
【0113】
以下では、説明の便宜のため、情報決定部235は、解説者用の提示情報を決定するものとする。また、情報出力部237は、解説者の情報発信者端末10に提示情報を出力するものとする。
【0114】
音声情報の発信を行うには、各情報発信者は、情報発信者端末10からゲームシステム1(詳しくはサーバ装置2)にアクセスしてログインする。ログインしたら、自身が実況者か、解説者かをサーバ装置2に通知する。ログインが完了すると、サーバ装置2のユーザインターフェース制御部234が機能して、情報発信者端末10には、ユーザインターフェースUIが表示される。
【0115】
それぞれの情報発信者端末10において準備が完了すると、情報決定部235が機能する。情報出力部237は、対戦の開始前には、例えば、選手のプロフィール等のテキスト情報をユーザインターフェース制御部234に送信する。
【0116】
それにより、ユーザインターフェース制御部234は、情報領域(ディスプレイ91)に、受け取った情報を表示させる。情報発信者(解説者)は、情報領域に表示された情報を用いて解説等を開始してもよいし、表示された情報に基づいて、対戦中に話す内容を準備してもよい。解説者は、表示された提示情報が不要な場合には、それを消去することができる。
【0117】
対戦中は、表示部233によって、対戦の様子がゲーム画像Scとしてディスプレイ91に表示される。例えば解説者は、ゲーム画像Scを見て、解説を行うことができる。実況者もゲーム画像Scを見て、実況を行うことができる。
【0118】
解説者が発した音声は、情報発信者端末10からサーバ装置2の入力部231に送信される。入力部231への音声入力は、情報決定部235および評価部238に送られる。評価部238は、適宜、音声入力の評価を行う。
【0119】
対戦中は、状況収集部232は、入力履歴情報、ゲームの状態(体力ゲージや必殺技ゲージなどのパラメータ等)等の状況データを収集して情報決定部235に送る。情報決定部235は、ゲームの進行状態の情報、および状況データの少なくとも一方に基づいて、解説者への提示情報を決定する。
【0120】
情報決定部235は、決定した提示情報を情報出力部237に出力する。情報出力部237は、ゲームの進行および状況データに従って、情報決定部235が決定した提示情報をそのままユーザインターフェース制御部234に出力する。これにより、情報発信者端末10において、提示情報が表示される。
【0121】
表示された提示情報について発言すべき情報発信者(この例では解説者)が、その提示情報について発言したら、情報出力部237は、ユーザインターフェース制御部234を介して、発言済みの提示情報を情報領域から消去させる。
【0122】
情報出力部237は、特定情報については、初期態様期間が経過しても提示情報について、発言すべき情報発信者による発言が無かった場合には、所定のアイコンをユーザインターフェース制御部234に出力する。これにより、情報領域には、元の情報(文字情報)に代えて、アイコンが表示される。
【0123】
情報発信者がアイコンを選択すると、情報出力部237は、アイコンに代えて、初期の態様(文字情報の態様)で、提示情報をディスプレイ91に表示させる。情報発信者が、表示された提示情報について発言したら、情報出力部237は、ユーザインターフェース制御部234を介して、発言済みの提示情報を情報領域から消去させる。
【0124】
対戦終了後も情報決定部235は、提示情報を決定する。対戦終了後の提示情報は、状況データを用いずに決定される。すなわち、情報決定部235は、「対戦終了」という、ゲームの進行状態の情報を用いて提示情報を決定する。対戦終了後の提示情報は、例えば、対戦結果、獲得賞金額、獲得ポイントなどを例示できる。このような提示情報は、情報決定部235が、データベースにアクセスすることで取得できる。
【0125】
以上をまとめると、本件開示は、ゲーム装置5(コンピュータ)を介して行われるゲームの進行管理を行うゲームシステム1(コンピュータシステム)において、前記ゲームの進行にともなって提示すべき、解説に必要な提示情報を、前記ゲームの進行に応じて決定する情報決定部と、前記情報決定部が決定した前記提示情報を出力する情報出力部と、を備えたことを特徴とするコンピュータシステムである。
【0126】
《本実施形態の効果》
以上のように、本実施形態によれば、解説や実況に必要な情報を情報発信者に提示できる。
【0127】
特定情報については、情報発信者(実況者など)が発言しないと表示が消えない。そのため、特定情報が元の詳細な台詞のままで維持されるとすれば、画面が提示情報で溢れる可能性がある。提示情報で画面が溢れると、ゲーム進行や、他の提示情報の視認性が悪くなる。
【0128】
それに対して、本実施形態では、特定情報は、初期態様時間が経過した場合には簡略化したうえで、表示が維持される。これにより、本実施形態では、視認性の悪化が抑制される。
【0129】
[その他の実施形態]
なお、情報領域は、提示情報の重要度に応じて、領域を区分けしてもよい。例えば、[重要]という枠(区分された領域)、[標準]という枠、[小ネタ]という枠を設けることが考えられる。これにより、各枠には、各枠の属性に応じた提示情報が表示される。
【0130】
同じ枠内に表示される提示情報同士には、表示順の優劣を設けてもよい。例えば、より重要な提示情報ほど、枠の上方にソートすることが考えられる。すなわち、枠の上の方が重要な提示情報の表示領域である。この表示法では、情報発信者は、容易に重要な情報を識別できる。
【0131】
ゲームによっては、仮想空間に観客を表すオブジェクト(観客オブジェクト)が配置される場合がある。観客オブジェクトは、ゲームの状況に応じて、盛り上がった状態に表示される場合がある。このようなゲームでは、提示情報には、観客オブジェクトの盛り上がり状態を含めてもよい。
【0132】
また、観客(人)が会場で観戦する態様のeスポーツ大会では、会場の盛り上がりの情報を提示情報に含めてもよい。会場の盛り上がりの情報は、マイクによる歓声検出(音量の検出)や、映像による観客の動作の検出によって取得できる。観客(人)の盛り上がりの状態は、解説や実況の材料とすることができる。
【0133】
情報発信者によって、提示情報の要否を、情報の種別などに応じて、指定できるようにしてもよい。情報発信者が選択を行う際の項目としては、例えば、キャラクタ毎の情報、ゲーム中における技や攻撃手法の成功率(例えば盗塁成功率)、球種の偏りなどを挙げることができる。
【0134】
ゲーム進行中おける提示情報は、過去に実行されたゲームのデータからの累積でもよい。過去に実行されたゲームのデータを利用した情報としては、例えば、野球のゲームの場合には、ユーザID12345についての、「H球団をよく使っている」、「ストレートのヒット率が40%」、「ストレートを待つ確率が高いが、今日は変化球待ちか?!」、「次は、おそらくフォークを投げる」、「盗塁阻止率は80%」といった情報を例示できる。
【0135】
また、サッカーのゲームの場合には、ユーザID56789についての、「右サイドからの攻撃が多い」、「フォーメーションは4-4-2が多いが、今日は3-5-2である」、「今日は、よくボールを回している」などの情報を例示できる。
【0136】
また、ユーザID12345とユーザID56789の過去の戦歴(ID12345の5勝など)の情報も例示できる。この情報は、ゲームの種類に関係なく使える提示情報である。
【0137】
情報出力部237は、情報発信者の役割(解説者、実況者)の別に提示情報を出力してもよい。例えば、情報出力部237は、実況者用の情報発信者端末10に実況者用の提示情報を出力し、解説者用の情報発信者端末10に解説者用の提示情報を出力するように構成できる。また、情報出力部237は、解説者用の提示情報に「解説者:」といった見出しを付加したり、実況者用の提示情報に「実況者:」といった見出しを付加したりできる。
【0138】
情報出力部237は、重要な情報についての音声入力が確認できない場合に、それ以降(それ以外)の情報出力を行わないように構成してもよい。重要な情報としては、例えばスポンサー情報などの特定情報を挙げることができる。
【0139】
情報決定部235は、視聴者(観戦者)の情報を収集し、提示情報を決定してもよい。視聴者(観戦者)の情報は、ユーザIDに対応付けられている各種データである。具体的には、視聴者(観戦者)が住んでいる地域、性別、年齢層やランクポイント、使用しているキャラ、実況を行うゲームのプレイ時間(素人か否か)などを例示できる。
【0140】
視聴者(観戦者)の情報からは、例えば、ユーザが多いキャラクタの情報を構築することが可能になる。構築する情報としては、「キャラクタAのユーザよりも、キャラクタBのユーザの方がより多く見てます。こういう展開、技の構成は非常に参考になります。」といった内容を例示できる。なお、この台詞中における「技の構成」の部分に代えて、例えば、「技の繰り出し方」、「攻撃の構成」、「攻撃の組み立て方」、「駆け引き」、「立ち回り」などの種々の表現を採用できるし、これらの表現のそれぞれについての台詞を用意してもよい。
【0141】
情報決定部235は、現実のスポーツにおける情報を提示情報として決定してもよい。これを実現するには、現実のスポーツにおける情報をデータベース化して検索できるようにしたり、現実のスポーツにおける情報を教師データに含めたりすることが考えられる。
【0142】
特定情報以外の提示情報も、表示されてから所定時間経過した後に、表示を簡略化(例えばアイコン化)してもよい。
【0143】
ゲームシステム1は、情報発信者の練習用のシステムとして利用できる。練習用のシステムでは、サーバ装置2における入力部231は、必須ではない。
【0144】
情報出力部237は、状況データに関する内容が、ゲーム画像に反映される前に、提示情報を出力してもよい。例えば、スポーツゲームで、ユーザが選手キャラクタの変更操作を行った場合や、作戦などの変更操作をした場合などに、ゲーム画面上に、まだその情報が反映されていない段階で、「選手交代があるようです。〇〇が監督から指示を受けています」、「作戦をかえてくるのかもしれません」、などの実況を促す情報を提示することが考えられる。
【0145】
情報出力部237には、情報発信者の指示に応じて、提示情報を目立たない態様で出力する機能を設けてもよい。これにより、情報発信者が不要と考えた提示情報を、表示を目立たなくできる。
【0146】
表示を目立たなくする手法としては、例えば、情報発信者端末10にタッチパネルを設け、表示された情報(ここではアイコンとする)に対してフリックした場合に、表示された情報が画面外領域に消えるようにすることが考えられる。また、画像内の所定の領域に、情報発信者が選択した提示情報をストックできるようにしてもよい。
【0147】
情報発信者の自身が発声する代わりに、ゲームシステム1によって、提示情報を音声として出力できるようにしてもよい。その構成では、情報発信者の操作に応じて、提示情報(音声)を、例えば、実況者キャラクタにしゃべらせることが考えられる。
【0148】
この構成を実現するには、例えば、提示情報と、再生する音声とを予め紐づけしておく。そして、表示された提示情報(例えばアイコン)を、情報発信者が選択(タップ)などした場合に、選択に応じた音声が再生されるように情報出力部237を構成する。
【0149】
予め用意しておくアイコン(音声情報)としては、「○○拳」(技名)、「あたったー」、「これは痛い」、「ガード」、「すごい」、「スポンサーは〇〇」、「打ったーー」、「大きい」「入ったー」、「ホームラン」、「センター」、「キャッチしました」、「これで〇〇アウト」、「ランナータッチアップ」といった提示情報に対応のアイコンを例示できる。
【0150】
また、これらのアイコンに対応する定型コメントは、ゲームが進行した場合、実況回数を重ねた場合、実況レベルが上がった場合などの変化に応じて増加させてもよいし、抽選によって付与してもよい。
【0151】
これらの他の実施形態を採用した場合においても、本発明の作用効果は発揮される。また、本実施形態と他の実施形態、および他の実施形態同士を適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0152】
1 ゲームシステム(コンピュータシステム)
5 ゲーム装置(コンピュータ)
231 入力部
232 状況収集部
235 情報決定部
236 音声出力部
237 情報出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6