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特許7560777情報処理装置、投票受付方法及び投票受付プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、投票受付方法及び投票受付プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q50/34
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023077393
(22)【出願日】2023-05-09
(62)【分割の表示】P 2018153644の分割
【原出願日】2018-08-17
(65)【公開番号】P2023090902
(43)【公開日】2023-06-29
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】舛井 一文
(72)【発明者】
【氏名】石井 公二
(72)【発明者】
【氏名】谷口 希美
(72)【発明者】
【氏名】北村 怜
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-67171(JP,A)
【文献】特開2013-114298(JP,A)
【文献】特開2015-56165(JP,A)
【文献】特開2004-21182(JP,A)
【文献】長橋 諒,競馬場が「200円で死ぬほど楽しめるテーマパーク」だって知ってた?初心者向け競馬場の遊び方,じゃらんニュース,[online],2018年03月03日,[令和6年3月21日検索]、インターネット<URL:https://jalan.net/news/article/230469/2/>
【文献】高橋 利明,意外と簡単!なのに奥深い「馬券」の買い方,東洋経済,[online],2017年02月18日,[令和6年3月21日検索]、インターネット<URL:https://toyokeizai.net/articles/-/158570>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備える情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
投票対象に対して複数の投票方式による投票が可能な競技に対する投票を受け付け、
ユーザが過去に行った投票の履歴を示す投票履歴に基づいて、前記複数の投票方式のうち前記ユーザに推奨する投票方式の数を変化させ
前記ユーザから投票方式の選択を受け付けるための画面において、前記ユーザが投票を行う投票方式の指定を、前記ユーザに推奨する1以上の投票方式に限定して受け付ける、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、
予め記憶された、前記ユーザが過去に行った投票の履歴と前記ユーザに推奨する投票方式との対応付けに基づいて、前記ユーザに推奨する投票方式の数を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサが、投票対象に対して複数の投票方式による投票が可能な競技に対する投票を受け付け、
プロセッサが、ユーザが過去に行った投票の履歴を示す投票履歴に基づいて、前記複数の投票方式のうち前記ユーザに推奨する投票方式の数を変化させ
プロセッサが、前記ユーザから投票方式の選択を受け付けるための画面において、前記ユーザが投票を行う投票方式の指定を、前記ユーザに推奨する1以上の投票方式に限定して受け付ける、
情報処理方法。
【請求項4】
プロセッサに、投票対象に対して複数の投票方式による投票が可能な競技に対する投票を受け付けさせ、
プロセッサに、ユーザが過去に行った投票の履歴を示す投票履歴に基づいて、前記複数の投票方式のうち前記ユーザに推奨する投票方式の数を変化させ
プロセッサに、前記ユーザから投票方式の選択を受け付けるための画面において、前記ユーザが投票を行う投票方式の指定を、前記ユーザに推奨する1以上の投票方式に限定して受け付けさせる、
処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、投票受付方法及び投票受付プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、競馬や競輪、競艇等の投票が行われる各種の競技においては、投票者からの投票を受け付ける投票装置が用いられる(例えば、特許文献1を参照)。投票者は、投票に必要な投票事項を投票用紙に記載し、投票装置に入力することにより投票を行うことができる。例えば、競馬の場合、レースが行われるレース場や単勝、複勝といった投票方式、投票する馬等の事項を投票用紙に記載し、投票装置に入力することにより、投票を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-114487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、競技によっては投票の方法が複雑な場合がある。例えば、競馬の場合、選択すべき投票方式の種類や投票対象となる馬の数が多く、投票パターンが多数存在するため複雑である。そのため、投票の経験が少ないユーザにとっては、どの投票パターンに投票すればよいのかを決定することが難しいことから、容易に投票を行うことができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、投票の経験が少ないユーザであっても容易に投票を行うことができる情報処理装置、投票受付方法及び投票受付プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、投票対象に対して複数の投票方式による投票が可能な競技に対する投票を受け付ける情報処理装置であって、ユーザが過去に行った投票の履歴を示す投票履歴を記憶する記憶部と、投票履歴に基づいて、複数の投票方式のうちユーザに推奨する1以上の投票方式を選択する選択部と、選択された1以上の投票方式のうち少なくとも1つをユーザに通知する通知部と、複数の投票方式の中からユーザが投票を行う際の投票方式の指定を受け付ける受付部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、投票の経験が少ないユーザであっても容易に投票を行うことができる情報処理装置、投票受付方法及び投票受付プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る投票システムを示す図である。
図2】端末及びサーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】端末の機能ブロック構成例を示す図である。
図4】サーバの機能ブロック構成例を示す図である。
図5】投票システムが行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図6】推奨投票方式DBの一例を示す図である。
図7】推奨投票方式DBの他の例を示す図である。
図8】端末に表示される投票画面の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
(システム構成)
図1は、本発明の実施形態に係る投票システム1のシステム構成の一例を示す図である。図1に示す投票システム1は、例えば競馬といった投票が行われる競技においてユーザによる投票を管理するシステムである。
【0011】
本実施形態においては、投票システム1が競馬に使用される場合を例に説明するが、投票システム1は競馬に限られず競輪や競艇、オートレースといった投票行為が行われる各種競技に使用されてもよい。また、本実施形態にける投票システム1は、順位が決まる各種競技に使用されてもよい。また、上述した各種競技についてのシミュレーションゲーム等に使用されてもよい。
【0012】
投票システム1は、端末10a、端末10b及びサーバ20を備える。端末10a、端末10b及びサーバ20は、インターネット、無線LAN等の通信ネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。本実施形態において端末10aを使用するユーザをユーザAとし、端末10bを使用するユーザをユーザBとする。また、端末10aと端末10bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末10aと端末10bとをそれぞれ端末10と表現する。投票システム1が備える端末10の数は1つであってもよいし3つ以上であってもよい。本実施形態において、端末10及びサーバ20をまとめて情報処理装置と称してもよいし、端末10のみを情報処理装置と称してもよいし、サーバ20のみを情報処理装置と称してもよい。
【0013】
端末10には、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、家庭用ゲーム機器など、どのような端末が用いられてもよい。サーバ20は、1つの機器から構成されていてもよいし、複数の機器から構成されていてもよいし、クラウド上で実現されるサーバであってもよい。
【0014】
図1を用いて投票システム1の概要を説明する。まず、ユーザAは、端末10aを操作してサーバ20にアクセスする。ユーザAは、サーバ20にアクセスした後、ユーザを特定するための情報(ユーザID:Identification等)を端末10aに入力する。入力された情報は、通信ネットワークNを介してサーバ20に送信される。サーバ20は、受信した情報に基づき、投票システム1を使用しているユーザを特定する。
【0015】
その後、サーバ20は、ユーザAが投票を行うための投票画面を表示させるための情報を含む画面情報を作成し、端末10aに送信する。すると、端末10aは、受信した画面情報に基づいて、ユーザAからの投票を受け付ける投票画面を表示する。ユーザAは端末10aに表示された投票画面を用いて投票を行う。例えば、競馬においては、単勝や複勝、馬単といった投票方式及び投票の対象となる馬(例えば、投票方式が単勝の場合、一着になる馬)の選択肢が投票画面に表示され、ユーザAは投票画面を用いて投票方式及び投票の対象となる馬の選択を行うことができる。
【0016】
ユーザAによる投票を受け付ける際、投票システム1では、ユーザAの投票を補助する処理が行われる。例えば、ユーザAが投票の実績が少ないユーザであった場合、単勝や複勝といった選択すべき馬の数が少ないシンプルな投票方式やリスクの低い投票方式を優先的に投票画面に表示してもよい。また、例えば、ユーザBが選択した投票方式や投票した馬の情報をユーザAの端末10aに表示し、ユーザAが投票の際に参照することができるようにしてもよい。
【0017】
ユーザAによる投票が完了すると、入力された投票に関する情報は通信ネットワークNを介して端末10aからサーバ20へと送られる。その後、サーバ20は、実際のレースの結果に基づいてユーザAによる投票が的中しているか否か等を判定し、判定の結果を端末10aに送信する。
【0018】
(ハードウェア構成)
図2は、端末10及びサーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。端末10及びサーバ20は、CPU(Central Processing Unit)11、記憶装置12、通信IF
(Interface)13、入力デバイス14及び出力デバイス15を有する。これらの各構成は、相互にデータ送受信可能に接続される。
【0019】
CPU11は、記憶装置12に記憶されたプログラムの実行に関する制御やデータの演算、加工を行う制御部である。CPU11は、通信IF13からデータを受け取り、データの演算結果を出力デバイス15に出力したり、記憶装置12に記憶したりする。
【0020】
記憶装置12は、各種情報を記憶するデバイスである。記憶装置12は、データの書き換えが可能な揮発性の記憶媒体やデータの読み出しのみが可能な不揮発性の記憶媒体である。
【0021】
通信IF13は、端末10又はサーバ20を通信ネットワークNに接続するデバイスである。通信IF13は、端末10又はサーバ20の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信IF13は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介して端末10又はサーバ20に接続される。
【0022】
入力デバイス14は、ユーザからの情報の入力を受け付けるためのデバイスである。入力デバイス14は、例えばタッチパネル、ボタン、キーボード、マウス及びマイク等である。
【0023】
出力デバイス15は、情報を出力するためのデバイスである。出力デバイス15は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electronic Luminescent)ディスプレイ及びスピーカ等である。
【0024】
(機能ブロック構成)
図3は、端末10の機能ブロック構成例を示す図である。端末10は、通信部101と、入力受付部102と、表示制御部103とを含む。通信部101と、入力受付部102と、表示制御部103とは、端末10のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。当該プログラムは、サーバからダウンロードされて端末10にインストール可能なプログラム(アプリケーション)であってもよい。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ又はCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体であってもよい。
【0025】
通信部101は、通信IF13を介してサーバ20と信号やメッセージを送受信する機能を有する。
【0026】
入力受付部102は、タッチパネル、マウス又はキーボード等の入力デバイス14を介して、ユーザからの各種の入力を受け付ける機能を有する。
【0027】
表示制御部103は、サーバ20から受信した画面情報に基づき、液晶ディスプレイ等の出力デバイス15に投票画面を含む各種の画面を表示する。入力受付部102及び表示制御部103は、端末10が備えるWebブラウザにより実現される機能部であってもよい。
【0028】
図4は、サーバ20の機能ブロック構成例を示す図である。サーバ20は、記憶部201と、通信部202と、選択部203と、表示制御部204と、受付部205とを有する。記憶部201は、記憶装置12又はサーバ20が通信可能な外部の記憶装置を用いて実現することができる。通信部202と、選択部203と、表示制御部204と、受付部205とは、サーバ20のCPU11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0029】
記憶部201は、ユーザが過去に行った投票の履歴を格納する投票履歴DB(Data Base)(投票履歴情報)を記憶する。投票履歴DBには、例えば、ユーザを識別するユーザID(Identification)、ユーザが馬券の投票を行った日付、レース番号、投票方式(単勝、複勝等)、投票方式に対応した投票対象(馬番号)、投票した金額、当たった場合の払い戻し額などが格納されている。また、記憶部201は、投票方式ごとの推奨条件を示す推奨投票方式DB(投票方式情報)を記憶する。推奨条件とは、ユーザの競馬に関する経験の度合い(以下、「経験度」と言う。)に応じて推奨される投票方式を示す条件である。
【0030】
通信部202は、通信IF13を介して端末10と信号やメッセージを送受信する機能を有する。
【0031】
選択部203は、投票履歴DBに基づいて、複数の投票方式のうちユーザに推奨する1以上の投票方式を選択する機能を有する。また、選択部203は、投票履歴DBに基づいてユーザの経験度を取得し、取得した経験度が推奨条件を満たす投票方式を、ユーザに推奨する1以上の投票方式として選択するようにしてもよい。
【0032】
表示制御部204は、端末10に表示させる投票画面を制御する機能を有する。当該投票画面には、選択部203により選択されたユーザに推奨する1以上の投票方式のうち少なくとも1つが含まれる。表示制御部204は、当該投票画面に、更に、投票時に選択可能な投票方式(レースに設定されている複数の投票方式)を含めるようにしてもよい。なお、表示制御部204はWebサーバにより実現される機能部であってもよい。
【0033】
受付部205は、投票を行うユーザが利用する端末10から、投票を行うレース番号、投票を行う際の投票方式の指定、投票方式に対応する馬番号の指定及び賭ける金額の指定を受け付ける機能を有する。
【0034】
以上説明した、端末10が備える表示制御部103又はサーバ20が備える表示制御部204は、画面を用いてユーザに情報を通知する機能を有していると表現することができる。そのため、表示制御部103を通知部と称してもよいし、表示制御部204を通知部と称してもよいし、表示制御部103及び表示制御部204をまとめて通知部と称してもよい。
【0035】
また、本実施形態では、以上説明したサーバが行う処理(推奨する投票方式の選択、投票画面の表示に関する処理及び投票の受付に関する処理)を端末10が自ら行うこととしてもよい。すなわち、以上説明したサーバ20が備える各機能ブロックを端末10側に備えることとしてもよい。
【0036】
(処理手順)
続いて、投票システム1が行う処理手順を説明する。図6は、本実施形態に係る投票システム1が行う処理手順の一例を示すシーケンス図である。
【0037】
まず、端末10の入力受付部102は、端末10を利用するユーザから、投票画面を表示すべきことの指示を受け付ける(ステップS100)と、通信部101は、当該ユーザのユーザIDをサーバ20に送信する(ステップS110)。続いて、サーバ20の選択部203は、受信したユーザIDをキーに投票履歴DBを検索することで、ユーザの投票履歴を取得する。また、選択部203は、取得した投票履歴を分析することで、ユーザの経験度を取得(算出)する。また、選択部203は、取得(算出)した経験度を満たす投票方式を推奨投票方式DBから検索することで、ユーザに推奨する1以上の投票方式を選択する(ステップS120)。経験度は、どのように算出されてもよいが、例えば、ユーザが現時点までに行った投票の回数、現時点における勝率、投票した金額の合計、及び/又は払い戻し額の合計などに基づいて算出されるようにしてもよい。ここで、推奨投票方式DBの具体例を説明する。
【0038】
図6は、推奨投票方式DBの一例を示す図である。「投票方式」には、レースに設定されている投票方式、又は、投票方式を識別(特定)可能な情報が格納される。図6の例では、投票方式には、当てる難易度が低い順(当たりやすい順)に投票方式が並べられている。複勝は、3着までに入る馬を1頭選ぶ投票方式である。単勝は、1着になる馬を1頭選ぶ投票方式である。ワイドは、1着から3着までの馬を2頭選ぶ投票方式である。枠連は、1着及び2着の馬の枠番を順不同で当てる投票方式である。枠単は、1着及び2着の馬の枠番を順位まで当てる投票方式である。馬連は、1着及び2着の馬を順不同で当てる投票方式である。馬単は、1着及び2着の馬の両方を当てる投票方式である。3連複は、1着から3着までの馬を順不同で当てる投票方式である。3連単は、1着から3着までの馬を全て当てる投票方式である。
【0039】
「推奨条件」には、どの程度、競馬の経験(実績)を積んだユーザに対してどの投票方式を推奨すべきなのかを示す条件が格納される。図6の例では、経験度A、経験度B、経験度C・・・の順に推奨上限を満たす経験度が大きいことを示している。つまり、図6に示す推奨投票方式DBには、経験度が大きいほど推奨する投票方式が多くなるように推奨条件が設定されている。例えば、投票経験が経験度A未満であるユーザに対しては、投票方式として複勝のみが推奨されるが、投票経験が経験度C以上経験度D未満であるユーザに対しては、投票方式として、複勝、単勝、ワイド及び枠連が推奨されることになる。
【0040】
図7は、推奨投票方式DBの他の例を示す図である。図7に示すように、推奨投票方式DBには、経験度が大きくなるに従って、投票を行うために指定が必要なパラメータの数が多い投票方式が推奨されるように推奨条件が設定されていてもよい。投票を行うために指定すべきパラメータの数とは、例えば、選択すべき馬の数(又は枠の数)であってもよい。単勝及び複勝の場合、投票を行うために指定すべき馬の数は1つである。ワイド、枠連、枠単、馬連及び馬単の場合、投票を行うために指定すべき馬の数は2つである。3連複及び3連単の場合、投票を行うために指定すべき馬の数は3つである。図7の例では、経験度が低い(X未満)ユーザに対しては、複勝、単勝及びワイドが推奨される投票方式として選択されることになる。また、経験度が中程度(X以上Y未満)ユーザに対しては、複勝、単勝、ワイド、枠連、枠単、馬連及び馬単が推奨される投票方式として選択されることになる。また、経験度が大きい(Y以上)ユーザに対しては、全ての投票方式が推奨される投票方式として選択されることになる。
【0041】
続いて、サーバ20の表示制御部204は、選択部203により選択された、ユーザに推奨する1以上の投票方式と、投票時に選択可能な投票方式(具体的にはレースに設定されている全ての投票方式)とを含む投票画面の画面情報を生成する(ステップS130)。通信部202は、生成された画面情報を端末10に送信する(ステップS140)。
【0042】
続いて、端末10の表示制御部103は、サーバ20から受信した投票画面の画面情報を用いて投票画面を表示する(ステップS150)。入力受付部102は、ユーザが投票画面に入力した投票内容(例えば投票方式、投票対象(馬番号)及び掛金の額など)を受け付け、受け付けた投票内容をサーバ20に送信する(ステップS160)。サーバ20の受付部205は、端末10から受信した投票内容に従って、投票の実行(馬券の購入)を行う(ステップS170)。
【0043】
図8に、端末10に表示される投票画面の一例を示す。図8(a)は、投票画面において単勝の投票を受け付ける際のメニューの一例を示している。図8(b)は、投票画面において投票方式の選択を受け付けるメニューの一例を示している。図8(b)に示すように、投票方式の選択を受け付けるメニューには、レースに設定されている複数の投票方式の各々が一覧表示されると共に、ユーザに推奨される投票方式については、お勧めであることを示す文字列が表示される。
【0044】
なお、投票画面において投票方式の選択を受け付けるメニューには、図8(c)に示すように、ユーザに推奨される投票方式に限定して投票方式が表示されるようにしてもよい。つまり、経験の浅いユーザに対しては選択可能な投票方式が制限され、ユーザが経験を積むにつれて徐々に多くの投票方式が開放されていくようにしてもよい。このような処理を実現するために、サーバ20の表示制御部204は、選択部203により選択されたユーザに推奨する1以上の投票方式のみを投票時に選択可能な投票方式として表示する投票画面を端末10に表示させるようにしてもよい。また、サーバ20の受付部205は、ユーザが投票を行う投票方式の指定を、当該ユーザに推奨する1以上の投票方式に限定して受け付けるようにしてもよい。
【0045】
以上説明した処理手順によれば、競馬の経験の浅いユーザに対しては、当てる難易度が低い投票方式や投票方式が簡単な投票方式を推奨することができる。これにより、ユーザは、どの投票方式に投票すればよいのかを簡単に決定することができるため、投票の経験が少ないユーザであっても容易に投票を行うことが可能になる。また、これにより、ユーザがどの投票方式に投票すればよいのかを悩むことで投票画面を何度も操作することを抑止することができ、投票画面の描画に関する端末10及びサーバ20の処理負荷を軽減させることが可能になる。
【0046】
(変形例)
本実施形態では、サーバ20の受付部205は、ユーザから投票対象に対する投票を受け付ける場合に、複数の投票対象について属性が共通する投票対象をグループ化することで生成されるグループの単位で、投票を受け付けるようにしてもよい。また、表示制御部204は、投票対象をグループごとに表示すると共に、当該グループ単位で投票を受け付けることが可能な投票画面を端末10に表示させるようにしてもよい。属性が共通する投票対象とは、例えば、馬の特性(逃げ馬、先行馬、差し馬など)が共通するグループ、オッズが所定の倍率以下である馬のグループ(本命グループ)、オッズが所定の倍率以上である馬のグループ(大穴グループ)、馬の性別が共通するグループ、前回のレースで所定の順位上位に入賞したグループなどが挙げられる。これにより、ユーザは、投票対象を具体的に馬番号で選択する必要がないことから、投票対象の選択を容易に行うことが可能になる。
【0047】
また、本実施形態に係る投票システムでは、ユーザより経験を積んだ他のユーザが選択した投票方式及び投票した馬の情報を参照することや、当該他のユーザが行った投票と同一の投票を複製して投票を行うことを可能にしてもよい。また、前述した通り、本実施形態に係る投票システムでは、経験の浅いユーザに対しては選択可能な投票方式が制限され、ユーザが経験を積むにつれて徐々に多くの投票方式が開放されていくようにしてもよい。
【0048】
この場合において、サーバ20の受付部205は、他のユーザが行った投票における投票方式が、ユーザに推奨される1以上の投票方式に含まれていない(つまり開放されていない)場合であっても、ユーザから、他のユーザが行った投票を複製した投票を受け付けるようにしてもよい。すなわち、開放されていない投票方式であっても、他のユーザが行った投票を複製する場合に限り、開放されていない投票方式による投票が許容されるようにしてもよい。これにより、経験の浅いユーザであっても、より経験を積んだユーザの投票を複製した投票が可能になることから、競馬に対する興趣性を向上させることが可能になる。
【0049】
本実施形態に係る投票システムでは、実際の金銭に代えて、投票システム内でのみ利用可能な仮想的な通貨を用いて投票を行うことを可能としてもよい。
【0050】
本実施形態における投票方式は、これまでの説明で用いた投票方式に限定されない。本実施形態における投票方式には、1又は複数の投票対象に対して所定の順位等を順不同で又は明示的に指定する様々な投票方式が含まれる。
【0051】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0052】
1…投票システム、10…端末、11…CPU、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、20…サーバ、101…通信部、102…入力受付部、103…表示制御部、201…記憶部、202…通信部、203…選択部、204…表示制御部、205…受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8