(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】電子棚札装着用POSレール
(51)【国際特許分類】
A47F 5/00 20060101AFI20240926BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20240926BHJP
G09F 1/10 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A47F5/00 E
G07G1/00 331Z
G09F1/10 Z
(21)【出願番号】P 2021025859
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2024-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 崇馬
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-083664(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141199(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
G07G 1/00
G09F 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品陳列棚に取り付けられる収着部と、
該収着部の前方側において該収着部に、上下方向に回動自在に接続される、電子棚札装着部を有するフラップ部と、を有し、
該電子棚札装着部は、
装着される電子棚札の背面を支持する背板と、
該背板の上部から前方へ延びる、該電子棚札の上部に係止する上部支持部と、
該背板の下部から前方へ延びる、該電子棚札の下部に係止する下部支持部と、
該上部支持部又は該下部支持部に連接し、外力により、該上部支持部又は該下部支持部の前方部を電子棚札が外れる方向に撓ませることが可能な電子棚札取り外し用突出部と、を有
し、
該電子棚札取り外し用突出部は、
該背板の下部から後方へ延び、該下部支持部と連続するか、
該下部支持部の前方下面から下方に延びるか、又は
該上部支持部の前方上面から上方に延びることを特徴とする電子棚札装着用POSレール。
【請求項2】
該電子棚札取り外し用突出部は、該背板の下部から後方へ延び、該下部支持部と連続し、該下部支持部と該電子棚札取り外し用突出部は、両者が連続する一体の板状体であることを特徴とする請求項
1記載の電子棚札装着用POSレール。
【請求項3】
該背板の背面に沿った方向の高さ(h)、該下部支持部の前端から該電子棚札取り外し用突出部の後端までの長さ(l)とした場合、(h)は(l)より大であることを特徴とする請求項
2記載の電子棚札装着用POSレール。
【請求項4】
該上部支持部は、該電子棚札の上部の第1角部に係止する第1係止爪を形成し、該下部支持部は、該電子棚札の下部裏面に位置する第2角部に係止する第2係止爪を有することを特徴とする請求項1~
3のいずれか1項に記載の電子棚札装着用POSレール。
【請求項5】
該背板面に直行する方向における該背板から第2係止爪までの長さは、該背板面に直行する方向における該背板から第1係止爪までの長さより小であることを特徴とする請求項
4記載の電子棚札装着用POSレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子棚札を安定に保持すると共に、簡単に取り外すことができる電子棚札装着用POSレールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーなどにおいて、商品陳列棚に陳列される商品の価格を表示するものとして、電子棚札が使用されている。この電子棚札は、例えば、商品陳列棚の前端に付設されたレール部に、POS(point of sale)レールを取り付け、そのPOSレールに取り付けられている。
【0003】
登録実用新案公報第3135542号には、フラップ状の前方部材と、可撓性ヒンジにより該前方部材と上部で連結される後方部材とからなる、商品陳列棚の前端のレール部に装着されるPOSレールにおいて、前方部材には電子棚札が装着されるコ字断面形状部材が形成され、該コ字断面形状部材の下部材の前端部に、前端側から下部折り返し係止片と電子棚札の下部支持片を形成し、電子棚札を取り付けるPOSレールが開示されている。これにより、POSレールに電子棚札を安定して保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、登録実用新案公報第3135542号のPOSレールは、電子棚札を安定して保持できるものの、構造上、電子棚札を簡単に取り外すことはできない。電子棚札は、表示価格の変更、あるいは陳列商品の並び替えなどにおいて、POSレールから取り外され、更に再度の取り付けを行うため、電子棚札の着脱は、作業者にとって負担のかかる作業である。従って、電子棚札を安定に保持すると共に、簡単に取り外すことができる電子棚札装着用POSレールの開発が望まれていた。
【0006】
従って、本発明の目的は、電子棚札を安定に保持すると共に、簡単に取り外すことができる電子棚札装着用POSレールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、商品陳列棚に取り付けられる収着部と、該収着部の前方側において該収着部に、上下方向に回動自在に接続される、電子棚札装着部を有するフラップ部と、を有し、該電子棚札装着部は、装着される電子棚札の背面を支持する背板と、該背板の上部から前方へ延びる、該電子棚札の上部に係止する上部支持部と、該背板の下部から前方へ延びる、該電子棚札の下部に係止する下部支持部と、該上部支持部又は該下部支持部に連接し、外力により、該上部支持部又は該下部支持部の前方部を電子棚札が外れる方向に撓ませることが可能な電子棚札取り外し用突出部と、を有することを特徴とする電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、該電子棚札取り外し用突出部は、該背板の下部から後方へ延び、該下部支持部と連続することを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該電子棚札取り外し用突出部は、該下部支持部の前方下面から下方に延びることを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該電子棚札取り外し用突出部は、該上部支持部の前方上面から上方に延びる部材であることを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、該下部支持部と該電子棚札取り外し用突出部は、両者が連続する一体の板状体であることを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該背板の背面に沿った方向の高さ(h)、該下部支持部の前端から該電子棚札取り外し用突出部の後端までの長さ(l)とした場合、(h)は(l)より大であることを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該上部支持部は、該電子棚札の上部の第1角部に係止する第1係止爪を形成し、該下部支持部は、該電子棚札の下部裏面に位置する第2角部に係止する第2係止爪を有することを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該背板面に直行する方向における該背板から第2係止爪までの長さは、該背板面に直行する方向における該背板から第1係止爪までの長さより小であることを特徴とする前記電子棚札装着用POSレールを提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、電子棚札を安定に保持すると共に、簡単に取り外すことができる電子棚札装着用POSレールを提供することができる。すなわち、POSレールから電子棚札を外す場合、電子棚札取り外し用突出部を手で特定方向に押せば、背板、若しくは上部支持部又は下部支持部は、電子棚札が外れる方向に撓み、電子棚札を簡単に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における電子棚札装着用POSレール(以下、単に「POSレール」とも言う。)の斜視図である。
【
図4】
図1のPOSレールの使用状態の斜視図である。
【
図5】
図1のPOSレールの使用状態の右側面図である。
【
図6】
図1のPOSレールに電子棚札を装着する途中の右側面図である。
【
図7】
図1のPOSレールから電子棚札を取り外す途中の右側面図である。
【
図8】
図1のPOSレールから電子棚札を取り外す途中の正面図である。
【
図9】
図1のPOSレールから電子棚札が取り外された直後の右側面図である。
【
図10】
図1のPOSレールの他の使用状態の右側面図である。
【
図11】本発明の第2の実施の形態におけるPOSレールの斜視図である。
【
図15】
図11のPOSレールから電子棚札を取り外す途中の側面図である。
【
図16】
図11のPOSレールから電子棚札が取り外された直後の右側面図である。
【
図17】本発明の第3の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【
図18】本発明の第4の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【
図19】本発明の第5の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【
図20】本発明の第6の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【
図21】本発明の第7の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【
図22】本発明の第8の実施の形態におけるPOSレールの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のPOSレールは、商品陳列棚に取り付けられる収着部と、収着部の前方側において収着部に、上下方向に回動自在に接続される、電子棚札装着部を有するフラップ部と、を有する。また、電子棚札装着部は、装着される電子棚札の背面を支持する背板と、背板の上部から前方へ延びる、電子棚札の上部に係止する上部支持部と、背板の下部から前方へ延びる、該電子棚札の下部に係止する下部支持部と、上部支持部又は下部支持部に連接し、外力により、上部支持部又は下部支持部の前方部を電子棚札が外れる方向に撓ませることが可能な電子棚札取り外し用突出部と、を有する。背板は、電子棚札の背面の全部又は一部が当接又は近接する場合も含む。電子棚札取り外し用突出部は、それ自体、電子棚札を直接、支持する部材ではなく、背板の下部から後方へ延び下部支持部と連続するものを含む部材(I)、下部支持部の前方下面から下方に延びるものを含む部材(II)、又は上部支持部の前方上面から上方に延びるものを含む部材(III)が挙げられる。(I)において、「背板の下部から後方へ延び」は背板の下部から後方水平方向又は後方斜め方向を含み、また、それらが組み合わされて連続するものを含む。また、(II)において、「下方に延びる」は、鉛直下方又は斜め下方を含み、また、それらが組み合わされて連続するものを含む。また、(III)において、「上方に延びる」は、鉛直上方又は斜め上方を含み、また、それらが組み合わされて連続するものを含む。
【0018】
本明細書において、前後方向、上下方向及び横方向は、使用状態におけるPOSレール10に装着された電子棚札60の表示面と対峙する側(正面)から見た方向を言う。次に、本発明の第1の実施の形態におけるPOSレール10を
図1~
図10を参照して説明する。
【0019】
本発明のPOSレール10は、商品陳列棚50の先端縁に形成されたレール等の係止部51に取り付けられるものであり、長さが0.5~2.0m程度の長尺状のものである。商品陳列棚50には複数の商品が横並びで列状に陳列され、列毎の商品に対応する電子棚札60が、POSレール10の電子棚札装着部2に装着される。商品陳列棚50の先端のレールや溝には、1本又は複数のPOSレール10が付設される。1本のPOSレール10には、複数個の電子棚札60が装着される。なお、POSレール10は左右方向のどの断面で切断しても同じ断面形状である。
図4は、説明の都合上、1本のPOSレール10に1個の電子棚札60を装着したものを示した。
【0020】
POSレール10は、商品陳列棚50に取り付けられる収着部1と、収着部1の前方側において収着部1に対して、上下方向に回動自在に接続される、電子棚札装着部2を有するフラップ部5と、を有する。収着部1とフラップ部5は、上部において、薄肉の樹脂のヒンジ4で接続されており、フラップ部5は、収着部1に対して、上下方向に回動自在である(
図3)。これにより、作業者は、フラップ部5を電子棚札60の着脱がし易い角度に回動させて作業を行うことができる。
【0021】
POSレール10の収着部1は、商品陳列棚50に収着する棚収着部11と、棚収着部11と連続して形成される、棚収着部11の前方側において、電子棚札装着部2の背板21の裏面に当接することで、電子棚札装着部2の傾斜姿勢を保持する後方保持部12、を有する。
【0022】
棚収着部11は、立設する後方板状体1aと、後方板状体1aの上端から前方へほぼ直角に屈曲し、次いで、後方下り傾斜となるよう鋭角に屈曲し、次いで、前方下り傾斜となるように前方へ屈曲して延びる後方保持部12を形成している。また、後方板状体1aには、後方板状体1aの裏面、且つ上下方向の途中から後方へ延び、次いで、上方に屈曲して延び、更に先端が挿入開口を狭くするように前方へ少し屈曲する後方係止部112を形成している。また、後方板状体1aの下部係止部111の先端113は、後方に少し傾斜した係止小突起113を形成している。これにより、棚レールの溝に強く係止できる。
【0023】
図5に示すように、後方板状体1aの下部係止部111は、商品陳列棚50のレール溝52に係止することで、POSレール10を商品陳列棚50の前端部に固定することができる。なお、後方板状体1aの裏面の後方係止部112は、本発明の任意の構成要素であり、別途の部材である商品仕切板の先端係止部が係止する。また、後方板状体1aと屈曲状の後方保持部12の間で、例えば、冷ケースの商品陳列棚80の前方起立板81に挟持することができる(
図10参照)。これにより、POSレール10を冷ケースへ固定することができる。また、後方保持部12の下方の先端121が、フラップ部5の裏面(電子棚札装着部2の背板21の裏面)に当接しており、フラップ部5の傾斜姿勢を保持している。すなわち、後方保持部12は、商品陳列棚50への係止を司ると共に、フラップ部5を支持する機能も有している(
図2参照)。
【0024】
電子棚札装着部2は、装着される電子棚札60の背面を支持する背板21と、背板21の上部から前方へ延びる、電子棚札60の上部に係止する上部支持部22と、背板21の下部から前方へ延びる、電子棚札60の下部に係止する下部支持部23と、背板21の下部から後方へ延びる、下部支持部23と連続する電子棚札取り外し用突出部24と、を有する。また、電子棚札装着部2の後方、すなわち背板21の後方に、カード類40の装着を可能にするカードケース用溝3が形成されており、このカードケース用溝3を形成する後方係止片31と収着部1が、上部において、薄肉の樹脂のヒッジ4で回動自在に接続されている。また、背板21の前面で、且つ上下方向のやや下方には、長手方向に延びる小突起27が形成されている。これにより、電子棚札60と小突起27が当たり、電子棚札60の左右方向のズレを防止している。
【0025】
POSレール10において、背板21と、背板21の下端から前方へ延びる下部支持部23と、背板21の下端から後方へ延びる電子棚札取り外し用突出部24を有する。下部支持部23と電子棚札取り外し用突出部24は、連続しており、一体の板状体を形成している(
図2及び
図3)。これにより、背板21、下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24は、電子棚札取り外し用突出部24を電子棚札が外れる方向(
図5においては下方から上方)へ押すことで、背板21が撓んで下部支持部23の先端側が下方に下がり、電子棚札60が外れる。また、背板21の背面に沿った方向の高さ(h)(
図5参照)、下部支持部23の前端から電子棚札取り外し用突出部24の後端までの長さ(l)(
図2参照)とした場合、(h)は(l)より大であるため、電子棚札取り外し用突出部24を押せば(
図9の矢印A方向)、背板21は、前方側に僅かに突状となるように撓むことになり、電子棚札を容易に外すことができる。なお、電子棚札取り外し用突出部24の後方端部は、下方に少し屈曲する小突起241を形成している。これにより、指が係り易く、操作し易い。
【0026】
電子棚札装着部2において、上部支持部22の前方側の先端部は、下方に屈曲する、電子棚札の前方上部の第1角部611に係止する第1係止爪221を形成し、下部支持部23の前方側の先端部は、後方上り傾斜状に屈曲する、電子棚札の下部裏面に位置する第2角部621に係止する第2係止爪231を形成する。これにより、電子棚札装着部2への電子棚札60の安定した装着が可能となる。また、背板21面に直行する方向における背板21から第2係止爪231までの長さbは、背板21面に直行する方向における背板21から第1係止爪221までの長さaより小である(
図2参照)。これにより、第2係止爪231と、背板21と下部支持部23との接続点(以下、「第1接続点」とも言う。)zまでの長さを短くでき、電子棚札60を下方において強く安定して支持でき、且つ外し易くなる。
【0027】
電子棚札60は、電子棚札装着部2への係止を可能にする係止部を有する。すなわち、本例では、電子棚札表示部61と電子棚札表示部61の裏面に一体に付設される箱状の本体部62を有しており、電子棚札表示部61の前方上部の第1角部611が、電子棚札装着部2の上部支持部22の先端と係止し、本体部62の下部の第2角部621が、電子棚札装着部2の下部支持部23の先端と係止する。
【0028】
次に、電子棚札装着部2に対する電子棚札60の着脱方法を、
図5~
図9を参照して説明する。先ず、電子棚札60を電子棚札装着部2に装着するには、電子棚札60を電子棚札装着部2に対して、下方から斜め上方へ挿入し、次いで、電子棚札60の下部を後方へ押すことで、装着される。この際、電子棚札60の本体部の角部が、電子棚札装着部2の下部支持部23の第2係止爪231に当たり、押し込みにより下部支持部23の先端部を変形させ、電子棚札装着部2の開口を開き、次いで、電子棚札60が装着された後は、下部支持部23が元の形状に復元し、電子棚札60は、電子棚札装着部2に安定して強く装着される(
図5及び
図6)。なお、電子棚札60を装着する際、装着し易いよう、フラップ部5を手で傾斜角度を変え、上向きに保持しつつ、行ってもよい。
【0029】
次いで、電子棚札装着部2から電子棚札60を取り外す方法について説明する。先ず、電子棚札60の表示面が略水平となる位置まで、フラップ部5を持ち上げる(
図7)。これにより、下部支持部23と電子棚札取り外し用突出部24の押圧面(裏面)が正面に現れ、操作し易くなる。次いで、電子棚札取り外し用突出部24を、
図9の矢印A方向に手で押す(
図7~
図9)。この際、背板21が前方側又は上方側に僅かに突状に撓むか、あるいは背板21と下部支持部23との第1接続点zを支点として、下部支持部23が電子棚札装着部2の開口を広げる方向(
図9のB方向)に撓み、電子棚札60が外れる(
図9)。なお、電子棚札装着部2から電子棚札60を取り外す際、フラップ部5を持ち上げることなく、取り外し操作を行ってもよい。
【0030】
POSレール10において、フラップ部5は、収着部1より柔らかい樹脂で形成されたものである。これにより、フラップ部5は撓みやすく、電子棚札の着脱が容易となり、棚装着部11は、フラップ部5より撓みにくく、強い固定が可能となる。
【0031】
次に、本発明の第2の実施の形態におけるPOSレール10aを
図11~
図16を参照して説明する。第2の実施の形態の
図11~
図16において、第1の実施の形態の
図1~
図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10aにおいて、POSレール10と異なる点は、背板21と下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24との接続部分の形状である。すなわち、POSレール10aにおいて、背板21と、下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24の接続は、背板21の下端から後方に第1屈曲部xを形成して延び、次いで下方に第2屈曲部yを形成して延びる第1屈曲状接続部25で接続されており、下部支持部23と第1屈曲状接続部25との第1接続点zより後方側が、電子棚札取り外し用突出部24となっている(
図12)。これにより、背板21、第1屈曲状接続部25、下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24は、電子棚札取り外し用突出部24を下方から上方(
図15では前方から後方)へ押すことで、下部支持部23の先端側が下方に下がり、電子棚札60が外れる可撓性を有する構造となり、電子棚札60の着脱が容易となる。
【0032】
POSレール10aにおいて、第1屈曲部xから第2屈曲部yまでの長さcが、3mm~5mm、好ましくは3.5mm~4.5mmであることが好ましい。また、第2屈曲部yから第1接続点(下部支持部23)zまでの長さdが、2mm~4mm、好ましく2.5mm~3.5mmであることが好ましい。第1屈曲部xから第2屈曲部yまでの長さは、背板21の直行方向における背板21から第1接続点zまので長さと同じである。これにより、電子棚札60を安定した保持力で保持でき、且つ弱い力での電子棚札60の取り外しが可能となる。
【0033】
次に、第2の実施の形態のPOSレール10aにおける電子棚札60の取り外す方法を、
図14~
図16を参照して説明する。なお、POSレール10aにおける電子棚札60の取り付け方法は、POSレール10における電子棚札60の取り付け方法と同様であり、その説明を省略する。
図14のPOSレール10aは、POSレール10のカードケース用溝3にカードケース40が装着された以外は、
図13と同じものである。先ず、電子棚札60の表示面が略水平となる位置まで、フラップ部5を持ち上げる(
図15)。これにより、下部支持部23と電子棚札取り外し用突出部24の押圧面(裏面)が正面に現れ、操作し易くなる。次いで、電子棚札取り外し用突出部24を、
図15の矢印A方向に手で押す(
図15)。この際、背板21と第1屈曲状接続部25との第1接続点(第1屈曲部)xを支点として、下部支持部23が電子棚札装着部2の開口を広げる方向(
図16のB方向)に撓み、電子棚札60が外れる(
図16)。背板21と下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24は、第1屈曲状接続部25で接続され、クランク構造を採っている。このため、背板21と第1屈曲状接続部25の第1接続点xから電子棚札取り外し用突出部24の押圧点(第2係止爪241)までの距離が長いため、操作ストロークを長くでき、弱い力で電子棚札装着部2の開口を広げることができる。また、第1接続点xから下部支持部23までの距離を近くしたことで、電子棚札60を下方において強く支持できる。
【0034】
次に、本発明の第3の実施の形態におけるPOSレール10bについて
図17を参照して説明する。第3の実施の形態の
図17において、第2の実施の形態の
図11~
図16と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10bにおいて、POSレール10aと異なる点は、上部支持部の形状である。すなわち、POSレール10bにおける上部支持部22aは、電子棚札に係止する第1係止爪221aが、先端ではなく、途中に形成されている。この場合、第1係止爪221aは、電子棚札表示部61と本体部62間の凹部621に係止する。POSレール10bにおいても、POSレール10aと同様の作用効果を奏する。
【0035】
次に、本発明の第4の実施の形態におけるPOSレール10cについて
図18を参照して説明する。第4の実施の形態の
図18において、第2の実施の形態の
図11~
図16と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10cにおいて、POSレール10aと異なる点は、上部支持部の形状である。すなわち、POSレール10cにおける上部支持部22bは、前方に延びる長さが短く、上部支持部22bの先端に形成された第1係止爪221aが、電子棚札表示部61と本体部62間の凹部621に係止するものである。POSレール10cにおいても、POSレール10aと同様の作用効果を奏する。
【0036】
次に、本発明の第5の実施の形態におけるPOSレール10dについて
図19を参照して説明する。第5の実施の形態の
図19において、第2の実施の形態の
図11~
図16と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10dにおいて、POSレール10aと異なる点は、第1屈曲状接続部25の形状及び形成位置である。すなわち、POSレール10dにおいて、背板21と、下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24の接続は、背板21の下端から後方に第1屈曲部を形成して延び、次いで下方に第2屈曲部を形成して延び、次いで前方に第3屈曲部を形成して延び、更に下方に第4屈曲部を形成して延びる第2屈曲状接続部25aで接続されており、下部支持部23と第2屈曲状接続部25aとの第1接続点zより後方側が、電子棚札取り外し用突出部24となっている(
図19)。すなわち、POSレール10dの第2屈曲状接続部25aは、コ字形状の屈曲部を含むものである。これにより、背板21、第2屈曲状接続部25a、下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24は、電子棚札取り外し用突出部24を下方から上方へ押すことで、下部支持部23の先端側が下方に下がり、電子棚札60が外れる可撓性を有する構造となり、電子棚札60の着脱が容易となる。POSレール10dにおいても、POSレール10aと同様の作用効果を奏する。
【0037】
次に、本発明の第6の実施の形態におけるPOSレール10eについて
図20を参照して説明する。第6の実施の形態の
図20において、第1の実施の形態の
図1~
図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10eにおいて、POSレール10と異なる点は、電子棚札取り外し用突出部24の形状である。すなわち、POSレール10eにおいて、背板21と、背板21の下端から前方へ延びる下部支持部23と、背板21の下端から後方へ延び、更に屈曲部を形成して下方斜め前方に延びる電子棚札取り外し用突出部24aを有する。電子棚札取り外し用突出部24aは、V字形状であり、その一端が背板21に接続し、他端部分を下方に押すことで、背板21が撓んで下部支持部23の先端側が下方に下がり、電子棚札60が外れる。POSレール10eにおいても、POSレール10と同様の作用効果を奏する。
【0038】
次に、本発明の第7の実施の形態におけるPOSレール10fについて
図21を参照して説明する。第7の実施の形態の
図21において、第1の実施の形態の
図1~
図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10fにおいて、POSレール10と異なる点は、電子棚札取り外し用突出部24の形状及び形成位置である。すなわち、POSレール10fにおいて、電子棚札取り外し用突出部24bは、下部支持部23の先端から後方斜め下方に延びる板状体である。電子棚札取り外し用突出部24bを
図21中、斜め上方に押すことで、背板21が撓んで下部支持部23の先端側が下方に下がり、電子棚札60が外れる。POSレール10fにおいても、POSレール10と同様の作用効果を奏する。
【0039】
次に、本発明の第8の実施の形態におけるPOSレール10gについて
図22を参照して説明する。第8の実施の形態の
図22において、第1の実施の形態の
図1~
図10と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略し、異なる点について、主に説明する。すなわち、POSレール10gにおいて、POSレール10と異なる点は、電子棚札取り外し用突出部24の形状及び形成位置である。すなわち、POSレール10gにおいて、電子棚札取り外し用突出部24cは、上部支持部21の先端から後方斜め上方に延びる板状体である。電子棚札取り外し用突出部24cを、
図22中、斜め下方に押すことで、上部支持部21の先端側が上方に上がり、電子棚札60が外れる。POSレール10gにおいても、POSレール10と同様の作用効果を奏する。なお、第3の実施の形態~第8の実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態と同様に、右側面形状が長手方向に連続する。
【0040】
本発明は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。例えば、上記第2の実施の形態例における背板21と下部支持部23及び電子棚札取り外し用突出部24(板状体)の接続は、背板の下端から後方に第1屈曲部を形成して延び、次いで下方に第2屈曲部を形成して延びる屈曲状接続部を有する接続部を含んでいるものであればよく、例えば第5の実施の形態例のPOSレール10d及びそれ以外のものも含む。また、
図20~
図22までの第6の実施の形態~第8の実施の形態において、電子棚札取り外し用突出部は、背板が直接下部支持部に接続する形状(第1の実施の形態)に付設されたものであるが、これに限定されず、背板が屈曲状接続部に接続する形状(第2の実施の形態)において付設されたものであってもよい。すなわち、
図20~
図22において、背板の下部には、第1屈曲状接続部又は第2屈曲状接続部を有するものであってもよい。
【0041】
本発明において、商品仕切板が装着される後方係止部112は、省略できる。また、カードケース用溝を形成する後方係止片31は省略できる。この場合、収着物と電子棚札装着部の背板の上端部が薄肉樹脂のヒンジで接続される。また、電子棚札装着部の上部支持部と下部支持部は、電子棚札を装着可能な形状であれば、上記実施の形態に限定されない。
【0042】
本発明のPOSレールは、商品陳列棚に取り付けられる収着部と、該収着部の前方側において該収着部に、上下方向に回動自在に接続される、電子棚札装着部を有するフラップ部と、を有し、該電子棚札装着部は、装着される電子棚札の背面を支持する背板と、該背板の上部から前方へ延びる、該電子棚札の上部に係止する上部支持部と、該背板の下部から前方へ延びる、該電子棚札の下部に係止する下部支持部と、該上部支持部又は該下部支持部に連接し、外力により、該上部支持部又は該下部支持部の前方部を電子棚札が外れる方向に撓ませることが可能な電子棚札取り外し用突出部と、を有するため、電子棚札取り外し用突出部を外力である手で特定方向に押せば、上部支持部又は下部支持部は、電子棚札が外れる方向に撓み、電子棚札を簡単に外すことができる。
【0043】
また、本発明のPOSレールは、該電子棚札取り外し用突出部は、該背板の下部から後方へ延び、該下部支持部と連続するため、電子棚札取り外し用突出部を外力である手で上方又は後方に押せば、下部支持部は、電子棚札が外れる方向に撓み、電子棚札を簡単に外すことができる。
【0044】
また、本発明のPOSレールは、該電子棚札取り外し用突出部は、該下部支持部の前方下面から下方に延びるため、電子棚札取り外し用突出部を特定方向に押せば、下部支持部は、電子棚札が外れる方向に撓み、電子棚札を簡単に外すことができる。なお、「下方に延びる」は、斜め下方を含むものである。また、鉛直下方及び斜め下方の双方を含むものであってもよい。
【0045】
また、本発明のPOSレールは、該電子棚札取り外し用突出部は、該上部支持部の前方上面から上方に延びる部材であるため、電子棚札取り外し用突出部を特定方向に押せば、上部支持部は、電子棚札が外れる方向に撓み、電子棚札を簡単に外すことができる。なお、「上方に延びる」は、斜め上方を含むものである。また、鉛直上方及び斜め上方の双方を含むものであってもよい。
【0046】
また、本発明のPOSレールは、該下部支持部と該電子棚札取り外し用突出部は、両者が連続する一体の板状体であるため、操作がし易く、下部支持部を変形させ易い。
【0047】
また、本発明のPOSレールは、該背板の背面に沿った方向の高さ(h)、該下部支持部の前端から該電子棚札取り外し用突出部の後端までの長さ(l)とした場合、(h)は(l)より大であるため、電子棚札取り外し用突出部を押せば、必ず背板が撓む。
【0048】
また、本発明のPOSレールは、該上部支持部は、該電子棚札の上部の第1角部に係止する第1係止爪を形成し、該下部支持部は、該電子棚札の下部裏面に位置する第2角部に係止する第2係止爪を有するため、電子棚札を確実に保持し、また、背板の撓みで容易に外れる。
【0049】
また、本発明のPOSレールは、該背板面に直行する方向における該背板から第2係止爪までの長さは、該背板面に直行する方向における該背板から第1係止爪までの長さより小であるため、特に、電子棚札取り外し用突出部が下部支持部に接続されている場合、背板から下部支持部に至る部分を撓ませやすく、電子棚札を取り外し易い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、商品の取り換え、商品価格の変更などに伴う、POSレールへの電子棚札の着脱が容易であり、作業者にとって都合がよい。
【符号の説明】
【0051】
1 収着部
2 電子棚札装着部
3 カードケース用溝
4 ヒンジ
5 フラップ部
10、10a~10g POSレール
11 棚収着部
12 後方保持部
21 背板
22 上部支持部
23 下部支持部
24 電子棚札取り外し用突出部
25 第1屈曲状接続部
25a 第2屈曲状接続部
50 商品陳列棚
60 電子棚札
x 第1屈曲部
y 第2屈曲部
z 第1接続点