(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】天井冷房システム
(51)【国際特許分類】
F24F 5/00 20060101AFI20240926BHJP
F24F 1/0093 20190101ALI20240926BHJP
F28G 1/12 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
F24F5/00 101B
F24F1/0093
F28G1/12 E
(21)【出願番号】P 2021053335
(22)【出願日】2021-03-26
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】597037050
【氏名又は名称】アオキ住宅機材販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】青木 憲明
(72)【発明者】
【氏名】米山 鐘一
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-112742(JP,A)
【文献】特開2014-156944(JP,A)
【文献】特開2019-155306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 5/00
F24F 1/0093
F28G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる
空洞である通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ
ており、上下方向における薄板部の中途のそれぞれにおいて前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
前記吸熱部材は前記一対の薄板部および前記接続部に囲まれて前記通液部とは異なる他の空洞を有しており、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、
当該薄板部において前記接続部に接続する一部から鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されていることを特徴とする天井冷房システム。
【請求項2】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる空洞である通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられており、上下方向における薄板部の中途のそれぞれにおいて前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
前記吸熱部材は前記一対の薄板部および前記接続部に囲まれて前記通液部とは異なる他の空洞を有しており、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されており、
前記接続部の下面における前記一対の薄板部間の中央部分に、凹部又は凸部が設けられている、天井冷房システム。
【請求項3】
前記凹部又は前記凸部は、前記吸熱部材の延在方向に沿って延在している請求項2に記載の天井冷房システム。
【請求項4】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されており、
前記接続部の厚みは、前記薄板部の厚みよりも厚い
、天井冷房システム。
【請求項5】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されており、
前記ドレンユニットにおける前記吸熱部材に対向する対向面を清掃する清掃装置を更に備え、
該清掃装置は、
把持棒と、
該把持棒の上端部が取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に到達可能な清掃部ユニットと、を備え、
前記清掃部ユニットは、前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、
前記ドレンユニットは、前記清掃具を上下から挟み込むように配置されて、摺動可能に支持するガイド部を有し、
前記アーム部は、前記被支持部から前記ドレンユニットの延在方向のどちらか一方側に配設されている
、天井冷房システム。
【請求項6】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されており、
前記ドレンユニットにおける前記吸熱部材に対向する対向面を清掃する清掃装置を更に備え、
該清掃装置は、
把持棒と、
該把持棒の上端部が取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に到達可能な清掃部ユニットと、を備え、
前記ドレンユニットの内部底面は、長尺方向一方側に向かうにつれて高さが変わるように、斜めに傾斜して形成されており、
前記清掃部ユニットは、前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、
前記清掃具は、前記被支持部に対して上下方向の位置を変更可能に前記アーム部を介して接続されている
、天井冷房システム。
【請求項7】
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されており、
前記ドレンユニットにおける前記吸熱部材に対向する対向面を清掃する清掃装置を更に備え、
該清掃装置は、
把持棒と、
該把持棒の上端部が取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に到達可能な清掃部ユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、長手方向に交差する方向に横並びに複数配設されており、
前記ドレンユニットは、前記吸熱部材に対向する位置に、横並びに複数配設されており、
前記清掃部ユニットは、
前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、
該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、横並びに隣接する前記ドレンユニットに跨って配設されており、
前記被支持部、前記アーム部及び前記清掃具は、隣接する前記ドレンユニットのそれぞれに設けられており、
前記清掃部ユニットは、隣接する前記被支持部を連結する連結部を備え、
前記把持棒の上端部は前記連結部に取り付けられている
、天井冷房システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は天井冷房システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷媒を吸熱管に通液して周囲を熱輻射で冷却する天井冷房システムが提案されている(特許文献1を参照)。この天井冷房システムは、断面V型又はW型の輻射放熱面を有する吸熱部材と、吸熱部材の下方に設けられて、吸熱部材の表面で結露した水滴を捕集して系外に排出するための排水ドレン(同文献には、結露水受け樋と記載。)と、を備えている。
【0003】
室内の空気が吸熱部材と接触すると、熱輻射により空気温度が下がって下降気流になる、空気が露点温度未満になるため吸熱部材の表面で結露が生じる、という現象が起きる。
結露は徐々に成長して水滴となり、この水滴は、吸熱部材の表面に沿って流れる上記の下降気流に乗り、または自重によって、吸熱部材の表面を伝って下端まで垂れ下がり、そして落下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の天井冷房システムにおいて、上記のように生じる気流は、吸熱部材の下端で剥離せず、V字の下端の頂部(エッジ部)を越えて一方側から他方側に巻き上がるように流れ込む場合がある。
この場合、水滴は吸熱部材の頂部から直下に落下せず、しぶきが飛ぶように側方に飛散する。結果として、直下に配置されている排水ドレンでは結露水の水滴を捕集しきれず、水滴が床面に落下してしまうことがあった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、吸熱部材の表面に生じた水滴を好適に捕集可能な天井冷房システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる空洞である通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられており、上下方向における薄板部の中途のそれぞれにおいて前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、前記吸熱部材は前記一対の薄板部および前記接続部に囲まれて前記通液部とは異なる他の空洞を有しており、該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、当該薄板部において前記接続部に接続する一部から鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されていることを特徴とする天井冷房システムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の天井冷房システムによれば、吸熱部材の表面に生じた水滴を好適に捕集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】天井冷房システムの側面模式図である。長手方向の一部領域の図示を省略してある。
【
図4】フィン部の下端部の断面を模式的に示す図である。
【
図5】被支持部材についての(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【
図7】(a)は取付板の平面図、(b)は取付板の正面図、(c)はアーム部及びアーム部に取り付けられた取付板を示す側面図である。
【
図8】台座についての(a)は平面図、(b)は正面図である。
【
図9】清掃装置の使用状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同様の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
なお、本発明の天井冷房システムの各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材で形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。本発明の天井冷房システムを説明するにあたり、上下方向及びその他の方向を規定して説明する場合があるが、これらの方向は構成要素の相対関係を説明するための便宜的なものである。また本発明の天井冷房システムにおける上下方向は、鉛直方向と厳密に一致していてもよく、または所定の角度で傾斜していてもよい。
【0011】
<概要>
はじめに本実施形態の天井冷房システム100の概要を
図1から
図4を主に参照して説明する。
図1は、天井冷房システム100の側面模式図である。長手方向の一部領域の図示を省略してある。
図2は、
図1のA-A断面図、
図3は、
図1のB-B断面図、
図4は、フィン部14の下端部の断面を模式的に示す図である。
【0012】
天井冷房システム100は、室内の天井部(天井面200)に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材(吸熱管10)と、吸熱管10に対向して下方に配置され吸熱管10の表面で結露した水滴X(
図4参照)を収集して排出するドレンユニット20Xと、を備える。
吸熱管10は、冷媒が流れる通液部12と、通液部12を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部14aと、吸熱管10の下端部に設けられ一対の薄板部14aを接続する接続部14c(
図4参照)と、を備える。具体的には、接続部14cが接続されているのは、一対の薄板部14aに設けられた下端延出部14bの直上である。
一対の薄板部14aのそれぞれは、接続部14cよりも下方に延出する下端延出部14bを有する。
一対の薄板部14aそれぞれの下端延出部14bは、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されている。
【0013】
上記構成によれば、一対の薄板部14aそれぞれの下端延出部14bが鉛直下方に垂下し、互いに離間していることで、下端延出部14bを伝う水滴X(結露水)を鉛直下方に落としやすくなる。
そして、下端延出部14bが互いに離間して配置されていることで、水滴X(結露水)による熱輻射により温度が下がることにより生じる気流が、一方の薄板部14aの下端延出部14bを越えて他方の下端延出部14bまで巻き上がる際に、気流と共に水滴Xが流れることを抑制できる。
つまり、一対の下端延出部14bが離間しており、これらの間の距離が長くなることで、空気よりも質量の重い水滴Xが、巻き上がる気流の流れから好適に反れて下方へ垂下することになる。
【0014】
なお、気流が、下端延出部14bの下端をわずかながら越える場合で、下端延出部14bから落下する水滴が、この気流に乗り、鉛直下方ではなくやや斜め下に落下することも予想される。しかしこの場合も、下端延出部14b同士が離間していることで、幅外側から中央に向かって水滴が落下することになり、むしろ排水ドレン20の中央に落下することになり好ましい。
【0015】
<全体構成>
天井冷房システム100は、主として室内に設置され、吸熱管10に冷媒が通液されて周囲の空気を冷却する冷房システムである。
天井冷房システム100は、冷媒を循環させる配管及びポンプ(図示せず)を備えている。また、天井冷房システム100は、冷房に供された冷媒を除熱する熱交換機(図示せず)を備えていてもよい。または、豊富な量の冷媒を貯留する井戸などの貯液槽(図示せず)を備えていてもよい。なお、本実施形態の天井冷房システム100は吸熱管10に冷媒を通液したときに室内を冷却する機能を有していればよく、これに加えて暖房システムとしての機能を併せ持っていてもよい。
【0016】
本実施形態の天井冷房システム100においては、複数組の配管ユニット60が幅方向(
図1の奥行方向)に並んで配置されている。配管ユニット60は、上下に対応して配置された吸熱管10と排水ドレン20とから構成されるものをいう。
ここで、配管ユニット60が複数組あるとは、複数本の個別の吸熱管10と、これと同数の排水ドレン20とが対になって配置されている状態のほか、1本の吸熱管10が折り返されている状態を含む。
【0017】
具体的には、吸熱管10がU字状、W字状又は櫛歯形状などの折り返し形状に形成されていてもよい。吸熱管10又は排水ドレン20が直管部と折曲部を含む折り返し形状の場合、吸熱管10又は排水ドレン20の本数とは、直管部の本数をいう。吸熱管10及び排水ドレン20の本数は限定されない。複数本の吸熱管10の内部にそれぞれ挿通された通液部12は、互いに直列又は並列に連結されている。
【0018】
図1に示すように、吸熱管10の長手方向の両端は断熱板82により支持されている。保持樋70の両端は固定枠84に支持されている。断熱板82及び固定枠84は、取付具80により室内の天井面200及び壁面210に固定されている。断熱板82と吸熱管10との間には水密性のパッキン83が装着されている。これにより、吸熱管10の表面に生じた結露水がパッキン83で遮断され、固定枠84の内部に浸入することがない。
【0019】
<各部の構成>
次に、天井冷房システム100を構成する各部の構成について、説明する。
【0020】
[吸熱管]
吸熱管10は、室内の天井面200に設置され雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向(
図1の左右方向)に通液されて周囲を熱輻射で冷却するものである。
図1に示すように、吸熱管10は室内の天井面200に設置されている。ここで、天井面とは、上階又は屋根の下面若しくは内部である。本実施形態の吸熱管10は、取付具80を用いて天井面200の下面に吊下げて設置されている。本実施形態に代えて、吸熱管10の一部又は全部を天井面200の内部に埋め込んで設置してもよい。
【0021】
本実施形態に係る吸熱部材(吸熱管10)は、長手方向に交差する方向に横並びに複数配設されており、対流し易いように天井面200から約80mm離間して配設されている。
複数の吸熱管10及び複数の排水ドレン20が配管ユニット60としてユニット化されているので、天井面200への取付けが容易である。
【0022】
図2に示すように、吸熱管10の内部には冷媒が通過する通液部12と、熱輻射で周囲を除熱するフィン部14(
図4参照)とを備えている。吸熱管10は、アルミニウム合金、ステンレス合金又はニッケル合金などの金属材料の引き抜き材で形成されている。
【0023】
本実施形態に係る通液部12は、冷媒を直接流通させる吸熱管10の内腔である。なお、通液部12は、吸熱管10の内腔ではなく、内腔に別途設けられたポリ塩化ビニルなどの硬質樹脂材料からなる通液パイプによって形成されていてもよい。
【0024】
フィン部14は通液部12と一体形成されている。フィン部14は、吸熱管10の内部を流動する冷媒に除熱されて熱伝導により冷却される。フィン部14の内部は空洞である。これにより吸熱管10の熱容量が小さく抑制されており、冷媒によりフィン部14が良好に冷却される。フィン部14は室内の雰囲気空気と接触して、熱輻射及び熱伝達によりこれを冷却する。
【0025】
吸熱管10(フィン部14)は、薄板部14aを幅方向両側、及び上下に有している。
上記のように、吸熱管10の下端部に、一対の薄板部14aを接続する接続部14cが設けられている。
図4に示すように、接続部14cの下面における一対の薄板部14a間の中央部分に、凹部(凹溝14d)が設けられている。
【0026】
上記構成によれば、接続部の中央部分に凹部(凹溝14d)が形成されていることで、一対の薄板部14aの一方の下端延出部14bを下から越えて巻き上がる気流が生じたとしても、この気流が凹溝14dの壁面に衝突すればその向きを下方に変えることができる。このため、気流に乗った水滴Xを他方に飛散させずに下方に落下させることができる。
【0027】
また、一対のうち一方の薄板部14aの下端部まで垂下した水滴Xが、気流の巻き上がりにより他方の薄板部14aに向かおうとしたとしても、凹溝14dを形成する面に当たる水滴Xが集まり、水滴Xを中央下方に垂下させやすくなる。
なお、接続部14cに設けられているものとしては、気流の向きを下向きに変えるか、水滴Xを捕集できればよく、凹部(凹溝14d)に限定されず、不図示の凸部(凸条等)であってもよい。
【0028】
凹部(凹溝14d)又は不図示の凸部は、吸熱部材(吸熱管10)の延在方向(長手方向)に沿って延在している。
本実施形態に係る凹溝14dは、具体的には、断面逆V字状を成して、吸熱管10の延在方向に延在している。
【0029】
上記構成によれば、凹溝14d又は不図示の凸部が吸熱部材の延在方向に沿って延在していることで、気流の巻き込みによって流れる水滴に対して、吸熱管10の延在方向において連続的に凹溝14d又は凸部の下方に垂下することができる。
なお、凹部又は凸部としては、吸熱管10の延在方向に延在する長尺の凹溝14dであると好適であるが、これに限定されない。例えば、複数のドット状の穴や突起で形成された凹部又は凸部であってもよい。
【0030】
上記の凹溝14d又は不図示の凸部における、吸熱管10の短手方向における断面形状は、円弧状であってもよいが、幅方向(長尺方向に直交する方向)における中央部分に頂点を有するものであると好適である。このような構成によれば、気流に乗った水滴を凹溝14d又は凸部の頂点の一点に捕集して垂下させやすくなる。
【0031】
図4に示すように、接続部14cの厚みは、薄板部14aの厚みよりも厚い。
上記構成によれば、接続部14cの厚みが薄板部14aの厚みよりも厚いことで、接続部14cによって接続される一対の薄板部14aの形状保持性を高めることができる。逆に、薄板部14aが接続部14cよりも薄く形成されていることで、一対の薄板部14aの間に冷媒を流したときの一対の薄板部14aを介した熱輻射の効率を高めることができる。
【0032】
[ドレンユニット]
吸熱管10の下方にはドレンユニット20Xが設けられている。ドレンユニット20Xは、吸熱管10に対向する位置に横並びに複数配設されている。
ドレンユニット20Xは、吸熱管10の表面で結露し垂下した水滴を捕集して排出する排水ドレン20と、排水ドレン20を保持する保持樋70と、から構成されている。本実施形態に係る排水ドレン20及び保持樋70は、アルミニウム合金、ステンレス合金又はニッケル合金などの金属材料の引き抜き材で形成されている。
吸熱管10と排水ドレン20とは互いに離間していてもよく、または互いに一体に連結されていてもよい。排水ドレン20は上方開口した樋状をなしている。
【0033】
ドレンユニット20X(排水ドレン20)の内部底面22は、長尺方向一方側に向かうにつれて高さが変わるように、斜めに傾斜して形成されている。本実施形態では、排水ドレン20は
図1の右側から左側に向かって下り傾斜して設置されている。このように排水ドレン20が形成されていることで、捕集された水滴は、排水ドレン20の内部底面22の上を流下する。排水ドレン20が水滴を捕集するとは、吸熱管10の表面で凝集した結露水が排水ドレン20に流入することをいう。排水ドレン20が水滴を捕集するとは、結露した水滴が吸熱管10から排水ドレン20に直接に滴下されることのほか、水滴が集まって形成された所定量の結露水が他の部材を介在して排水ドレン20に流入することを含む。
排水ドレン20で収集された結露水は、排水ドレン20の下流端に設置された排水管86を通じて天井冷房システム100の系外に排出される。
【0034】
ドレンユニット20X(排水ドレン20)は、清掃具33を上下から挟み込むように配置されて、摺動可能に支持するガイド部(上押え20a、下押え20b)を有する。
本実施形態においては、上押え20a及び下押え20bによって摺動可能に支持されるのは、後述する清掃具33における取付板34である。
そして、上押え20a及び下押え20bは、排水ドレン20と一体形成されており、排水ドレン20の内部底面22の傾斜と平行に傾斜して形成されている。
【0035】
排水ドレン20の上流端にはストッパ29が形成されている。ストッパ29は、保持樋70のうち上流側の端部に設けられている。ストッパ29は、排水ドレン20の内部底面22に形成された突起部であって、上流側に向かう後述する清掃装置30の移動を規制する。
また、保持樋70の側面における、排水ドレン20の上流端のストッパ29の上方には、清掃具33及びこれを含む清掃装置30を保持樋70から取り外すための切欠部78が形成されている。
【0036】
[清掃装置]
次に、清掃装置30の構成について、
図1から
図4に加え、
図5から
図8を主に参照して説明する。
図5は、被支持部材42についての(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
図6は、連結板41を示す平面図である。
図7(a)は取付板34の平面図、(b)は取付板34の正面図、(c)はアーム部43及びアーム部43に取り付けられた取付板34を示す側面図である。
図8は、台座35についての(a)は平面図、(b)は正面図である。
【0037】
天井冷房システム100は、ドレンユニット20X(排水ドレン20)における吸熱部材(吸熱管10)に対向する対向面(内部底面22)を清掃する清掃装置30を備える。
清掃装置30は、排水ドレン20の内部底面22に設置され排水ドレン20の長手方向に進退移動させられることにより、内部底面22に付着した塵芥を除去するものである。
清掃装置30は、把持棒31と、把持棒31の上端部31aが取り付けられ、排水ドレン20の対向面に到達可能な清掃部ユニット32と、を備える。
「到達可能」とは、向きや位置を変更することで、少なくとも一つの姿勢及び位置で当接可能に構成されていることをいうものとする。
上記構成によれば、清掃装置30が把持棒31を備えることにより、天井面200の近傍にあるドレンユニット20Xに対して清掃部ユニット32をアクセスしやすくなる。
【0038】
清掃部ユニット32は、横並びに隣接するドレンユニット20Xに跨って配設されている。
清掃部ユニット32は、ドレンユニット20X(保持樋70)に下方から支持される被支持部(被支持部材42)と、被支持部材42から長尺に延在するドレンユニット20Xに沿って延在するアーム部43と、アーム部43の先端部43cに取り付けられ、ドレンユニット20Xの対向面(内部底面22)に接触可能な清掃具33と、を備える。
被支持部材42、アーム部43及び清掃具33は、隣接するドレンユニット20Xのそれぞれに設けられている。
清掃部ユニット32は、隣接する被支持部材42を連結する連結部(連結板41)を備える。把持棒31の上端部31aは連結板41に取り付けられている。
清掃具33は、被支持部材42に対して上下方向の位置を変更可能にアーム部43を介して接続されている。
アーム部43は、被支持部材42からドレンユニット20Xの延在方向のどちらか一方側に配設されている。
【0039】
なお、清掃具33を構成するものとしては、多数の繊維を束ねた汚れを掃き出すブラシ36の他に、汚れを吸着させる軟質の多孔質材料であってもよい。具体的には、ウレタン樹脂、メラミン樹脂又は酢酸ビニル樹脂等の樹脂発泡体(フォームプラスチック)を用いることができる。
【0040】
上記構成によれば、アーム部43が被支持部材42からドレンユニット20Xの延在方向の一方側に配設されていることで、ドレンユニット20X(排水ドレン20)の清掃の際に、スムーズに清掃部ユニット32を動作させることができる。
具体的には、清掃具33をドレンユニット20Xに摺動させるように清掃部ユニット32を移動させる際に、被支持部材42にドレンユニット20X(保持樋70)の上縁からの摩擦力が加わることになる。
アーム部43が被支持部材42からドレンユニット20Xの延在方向一方側に配設されていることで、上記摩擦力によって生じるモーメントが、被支持部材42に加わったとしても、アーム部43により清掃具33まで伝播することを抑制できる。
【0041】
また、清掃具33は、被支持部材42に対して上下方向の位置を変更可能にアーム部43を介して接続されていることで、排水のために斜めに傾斜して形成されたドレンユニット20X(排水ドレン20)の内部底面22に沿うように、清掃具33の位置を変更することができる。
なお、清掃具33が「被支持部材42に対して上下方向の位置を変更可能」とは、被支持部材42に対してアーム部43が上下方向に移動可能に支持されている構成と、アーム部43に対して清掃具33が上下方向に移動可能に支持されている構成のいずれでもよい。
【0042】
横並びに隣接するドレンユニット20Xに跨って設けられた清掃部ユニット32を備える清掃装置30により、ドレンユニット20Xをまとめて清掃することができる。
【0043】
連結板41は、
図2に示すように、左右にある一対の被支持部材42、及び下方にある取付金具40とを連結するものである。連結板41は、
図2及び
図6に示すように、平板状に形成されており、連結板41には、取付金具40を取り付けるためのねじが螺合するねじ孔41aと、被支持部材42を取り付けるためのねじが螺合する左右のねじ孔41bと、が形成されている。
清掃装置30の把持棒31が(取付金具40を介して)連結部(連結板41)に取り付けられていることで、清掃部ユニット32には、横方向(隣接するドレンユニット20Xの並び方向)への力は作用しにくくなるため、清掃装置30をスムーズに動作させやすくなる。
【0044】
被支持部材42は、
図2に示すように、並列して配設された保持樋70の互いに対向する上縁に支持される部材であり、保持樋70の外側から内側にかけて連続して形成された、外板42aと、上板42bと、中板42cと、によって構成されている。
【0045】
外板42aは、被支持部材42が保持樋70の上方に配設された状態で、水平に配置されており、
図2に示すように、連結板41の下面に上面が合わせられるようにして、連結板41に取り付けられる。本実施形態においては、外板42aに貫通孔42dが形成されており、この貫通孔42dにねじが通されて連結板41のねじ孔41bにねじ込まれることによって、外板42aは連結板41に固定される。
【0046】
上板42bは、
図5(b)に示すように、正面視逆U字状に形成されている。特に、上板42bの上部の下面は、
図5(c)に示すように、左右の内側の端部が曲面状に面取りされている。上板42bがこのように面取りされていることで、清掃時に把持棒31を介して曲げモーメントが被支持部材42に加わったときに、ある程度の傾きを許容できる。このため使用者は、清掃装置30を円滑に前後移動させやすくなる。
【0047】
中板42cは、被支持部材42が保持樋70の上方に配設された状態で、
図2に示すように、外板42aよりも下方において水平に配置される。本実施形態においては、中板42cに貫通孔42eが形成されている。中板42cは、この貫通孔42eにアーム部43の基端部43aが通されることで、アーム部43を上下方向に摺動可能に支持している。
具体的には、アーム部43は、被支持部材42に上下に形成された貫通孔42eに、基端部43aを摺動可能に通されているのみで固定をされていない。このため、アーム部43に取り付けられた清掃具33は、被支持部材42に対して上下方向に位置を変更可能に構成されていることになる。
【0048】
アーム部43は、排水ドレン20の長尺方向に沿って配設され、
図7(c)に示すように、側面視横長の角張ったJ字状に形成されている。具体的には、アーム部43は、上下方向に延在する基端部43aと、基端部43aの下端から水平に延在する延在部43bと、延在部43bから上方に延在する先端部43cと、が連続して形成されている。基端部43aは、先端部43cよりも長く形成されている。このように形成されていることで、後述するように、アーム部43は、傾斜する上押え20a及び下押え20bにしたがって、取付板34に取り付けられたアーム部43が上下移動したときでも、被支持部材42への摺動支持状態が解除されることを防ぐことができる。
【0049】
取付板34は、アーム部43と後述する台座35とを連結する板である。
取付板34には、アーム部43の先端部43cを摺動可能に支持する貫通孔34aと、台座35が取り付けられる貫通孔34bと、が形成されている。
【0050】
また、取付板34は、
図7(b)に示すように、正面視において左右の端部が薄くなるように、左右の端部の下面が上方に斜め傾斜して形成されている。取付板34は、このように形成されていることで、アーム部43から左右方向に荷重が加わったときに、ある程度の傾きを許容して、摩擦力が生じることを抑制し、清掃具33の円滑に前後移動を確保することができる。
【0051】
台座35は、ブラシ36が固定される部位であり、
図8(b)に示すように、正面視において、倒立五角形状(ホームベース状)に形成され、下端部は曲面状に形成され、奥行き方向に延在している。
図8(a)に示すように、平面視において、台座35の中央部には、取付板34に取り付けられる取付孔35aが形成されている。取付孔35aは、取付板34の貫通孔34bに合わせられて不図示のピン等を通されることで、台座35は、取付板34に取り付けられることになる。
【0052】
<清掃装置による清掃について>
次に、
図9を主に参照して、清掃装置30による排水ドレン20の清掃方法について説明する。
図9は、清掃装置30の使用状態を説明する説明図である。
本実施形態に係る清掃装置30においては、通常状態では、清掃部ユニット32のみドレンユニット20Xの上部に留置されている。
清掃装置30を用いて排水ドレン20を清掃する際に、
図2に示すように、取付金具40のねじ付き挿込孔40aに把持棒31の上端部を挿し込んで固定(ねじ回す)して、把持棒31を取付金具40に取り付ける。
【0053】
そして、
図9に示すように、使用者が把持棒31を持って排水ドレン20の延在方向に沿って前進・後退することで排水ドレン20の内部底面22を清掃具33で清掃できる。
清掃装置30を排水ドレン20の長手方向に移動させると、内部底面22に滞積した塵芥は清掃具33に擦り取られる。清掃装置30に除去された塵芥は結露水で洗い流され、排水ドレン20の下流端から排水管86に排出される。
【0054】
図9において、使用者が把持棒31を持ってブロック矢印で示す方向である右方向に前進する場合に、手によって把持棒31が右に押され、把持棒31に接続された被支持部材42が保持樋70に接触することになる。これにより、被支持部材42及び清掃具33を含む清掃部ユニット32には反時計回りのモーメントがかかり、反時計回りに回転しようとする。
【0055】
このとき清掃具33には全体的に上に持ち上げられる荷重がかかり(上向きのブロック矢印)、上押え20aには付勢されるものの、下押え20bからは離間するため摩擦が抑制される。このため、使用者は、清掃装置30を用いて小さな力で排水ドレン20を清掃することができる。
使用者の後退時には、被支持部材42及び清掃具33を含む清掃部ユニット32には
図9に示す時計回りのモーメントがかかる。そして、清掃具33全体に下向きの荷重がかかるが、このときも清掃部ユニット32は下押え20bのみに付勢されるため、摩擦は抑制される。
【0056】
例えば、清掃具33が被支持部材42の直下にあると、清掃具33が回転し、上押え20a及び下押え20bの双方を逆方向に押圧することになる。より具体的には、清掃具33の前方側が上押え20aに付勢され、後方側が下押え20bに付勢されることで大きな摩擦力が発生することになり、清掃装置30を前に進めることが難しくなる。
【0057】
後退時も同様で、清掃具33が回転し、上押え20a及び下押え20bの双方を逆方向に押圧することになる。より具体的には、清掃具33の前方側が下押え20bに付勢され、後方側が上押え20aに付勢されることで大きな摩擦力が発生することになり、清掃装置30を後方に進めることが難しくなる。
【0058】
これに対し、本実施形態に係る清掃装置30においては、アーム部43の存在により、清掃具33が被支持部材42よりも前方にオフセットしているため、清掃具33には全体的に上方又は下方の一方にのみ荷重がかかり、摩擦は抑制されることになる。
【0059】
清掃装置30によるモーメントについて、より具体的に説明する。アーム部43の先端に清掃具33が設けられている(本実施形態において、清掃具33は、
図9における右側に設けられている)ことで、清掃具33及びアーム部43の自重による時計回りのモーメントが被支持部材42に常に加わることになる。上記の保持樋70の上縁から加わる摩擦力に起因する反時計回りのモーメントとの大小により、被支持部材42にどちら向きの回転力が発生するかは変わってくる。このモーメントの打ち消し合いにより、清掃具33をスムーズに走行させることが可能となる。
【0060】
上記のように、アーム部43の基端部43aが先端部43cよりも上下方向に長く形成されている。このため、
図2に示す清掃装置30が排水ドレン20の上流側にあると
図3に示す清掃装置30が排水ドレン20の下流側にあるときの双方で、アーム部43を被支持部材42の貫通孔42e(
図5参照)内に収めることができる。
【0061】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0062】
本発明の上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)
室内の天井部に設置され、雰囲気温度よりも低温の冷媒が長手方向に通液されて周囲を熱輻射で冷却する吸熱部材と、
該吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットと、を備え、
前記吸熱部材は、前記冷媒が流れる通液部と、該通液部を挟んだ両側に設けられた一対の薄板部と、前記吸熱部材の下端部に設けられ前記一対の薄板部を接続する接続部と、を備え、
該一対の薄板部のそれぞれは、前記接続部よりも下方に延出する下端延出部を有し、
前記一対の薄板部それぞれの前記下端延出部は、鉛直下方に垂下するように延出し、互いに離間して配置されていることを特徴とする天井冷房システム。
(2)
前記接続部の下面における前記一対の薄板部間の中央部分に、凹部又は凸部が設けられている(1)に記載の天井冷房システム。
(3)
前記凹部又は前記凸部は、前記吸熱部材の延在方向に沿って延在している(2)に記載の天井冷房システム。
(4)
前記接続部の厚みは、前記薄板部の厚みよりも厚い(1)から(3)のいずれか一項に記載の天井冷房システム。
(5)
前記ドレンユニットにおける前記吸熱部材に対向する対向面を清掃する清掃装置を更に備え、
該清掃装置は、
把持棒と、
該把持棒の上端部が取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に到達可能な清掃部ユニットと、を備える(1)から(4)のいずれか一項に記載の天井冷房システム。
(6)
前記清掃部ユニットは、前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、
前記ドレンユニットは、前記清掃具を上下から挟み込むように配置されて、摺動可能に支持するガイド部を有し、
前記アーム部は、前記被支持部から前記ドレンユニットの延在方向のどちらか一方側に配設されている(5)に記載の天井冷房システム。
(7)
前記ドレンユニットの内部底面は、長尺方向一方側に向かうにつれて高さが変わるように、斜めに傾斜して形成されており、
前記清掃部ユニットは、前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、
前記清掃具は、前記被支持部に対して上下方向の位置を変更可能に前記アーム部を介して接続されている(5)又は(6)に記載の天井冷房システム。
(8)
前記吸熱部材は、長手方向に交差する方向に横並びに複数配設されており、
前記ドレンユニットは、前記吸熱部材に対向する位置に、横並びに複数配設されており、
前記清掃部ユニットは、
前記ドレンユニットに下方から支持される被支持部と、
該被支持部から長尺に延在する前記ドレンユニットに沿って延在するアーム部と、
該アーム部の先端部に取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に接触可能な清掃具と、を備え、横並びに隣接する前記ドレンユニットに跨って配設されており、
前記被支持部、前記アーム部及び前記清掃具は、隣接する前記ドレンユニットのそれぞれに設けられており、
前記清掃部ユニットは、隣接する前記被支持部を連結する連結部を備え、
前記把持棒の上端部は前記連結部に取り付けられている(5)から(7)のいずれか一項に記載の天井冷房システム。
(9)
室内の天井部に設置され、吸熱部材に対向して下方に配置され前記吸熱部材の表面で結露した水滴を収集して排出するドレンユニットにおける前記吸熱部材に対向する対向面を清掃する清掃装置であって、
把持棒と、
該把持棒の上端部が取り付けられ、前記ドレンユニットの前記対向面に到達可能な清掃部ユニットと、を備えることを特徴とする清掃装置。
【符号の説明】
【0063】
10 吸熱管(吸熱部材)
12 通液部
14 フィン部
14a 薄板部
14b 下端延出部
14c 接続部
14d 凹溝(凹部)
20 排水ドレン
20a 上押え(ガイド部)
20b 下押え(ガイド部)
20X ドレンユニット
22 内部底面(対向面)
29 ストッパ
30 清掃装置
31 把持棒
31a 上端部
32清掃部ユニット
33 清掃具
34 取付板
34a、34b 貫通孔
35 台座
35a 取付孔
36 ブラシ
37 係合突部
38 係合凹部
40 取付金具
40a 挿込孔
41 連結板
41a、41b ねじ孔
42 被支持部材(被支持部)
42a 外板
42b 上板
42c 中板
42d、42e 貫通孔
43 アーム部
43a 基端部
43b 延在部
43c 先端部
60 配管ユニット
70 保持樋
78 切欠部
80 取付具
82 断熱板
83 パッキン
84 固定枠
86 排水管
100 天井冷房システム
200 天井面(天井部)
210 壁面
X 水滴