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特許7560881遠隔診療支援システム、遠隔診療支援装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】遠隔診療支援システム、遠隔診療支援装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 80/00 20180101AFI20240926BHJP
【FI】
G16H80/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021151972
(22)【出願日】2021-09-17
(65)【公開番号】P2023044109
(43)【公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】521411024
【氏名又は名称】株式会社NMネットワーク
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】小倉 行雄
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-133271(JP,A)
【文献】特開2017-146914(JP,A)
【文献】特開2012-108745(JP,A)
【文献】特開2013-149116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関の常勤医師の診療スケジュールを記憶した第1スケジュール記憶部と、
患者の主治医である外部医師の診療スケジュールを記憶した第2スケジュール記憶部と、
前記患者の主治医に関する情報を含む患者情報を記憶した患者情報記憶部と、
前記患者が用いる患者端末からオンライン診療に係る申込を受け付けた場合に、前記患者情報記憶部を参照して前記患者の主治医を特定する主治医特定手段と、
前記主治医特定手段により特定した主治医である前記外部医師と前記常勤医師との両方において診療が可能な空き時間を、前記第1スケジュール記憶部及び前記第2スケジュール記憶部を参照して抽出する空き時間抽出手段と、
前記空き時間抽出手段が抽出した前記空き時間を、前記患者端末に送信する空き時間送信手段と、
前記常勤医師と前記外部医師とに対する、同一時間帯における診療の予約依頼を、前記患者端末から受け付ける予約受付手段と、
前記予約受付手段が受け付けた前記予約依頼に基づいて、前記患者を識別する患者識別情報と、前記患者のオンライン診療予約時間と、前記常勤医師と、前記外部医師とを含む予約情報を、予約情報記憶部に登録する予約登録手段と、
前記予約情報記憶部を参照して、前記オンライン診療予約時間が到来した前記予約情報を抽出する診療対象抽出手段と、
前記診療対象抽出手段が抽出した前記予約情報に基づいて、前記常勤医師が用いる第1医師端末と、前記外部医師が用いる第2医師端末と、前記患者端末とを接続して三者間による通話機能を開始する通話開始手段と、
を備え
前記空き時間抽出手段は、前記常勤医師において診療が可能な空き時間を、複数の前記常勤医師のうち少なくとも1人の空き時間を含んで抽出する、遠隔診療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遠隔診療支援システムにおいて、
前記予約登録手段は、前記予約受付手段が受け付けた前記予約依頼に対応する情報を、前記第1スケジュール記憶部及び前記第2スケジュール記憶部にも登録する、遠隔診療支援システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の遠隔診療支援システムにおいて、
前記患者に対する検査が可能な検査機関ごとの予約情報を記憶した検査予約記憶部を参照して、指定の検査機関の検査機関端末に対して前記患者識別情報及び検査内容を含む検査依頼を送信する検査依頼送信手段と、
前記検査依頼に対する指定の前記検査機関における回答情報が肯定するものである場合に、前記検査予約記憶部に対して当該検査依頼に対する予約情報を登録する検査予約登録手段と、
を備える、遠隔診療支援システム。
【請求項4】
請求項3に記載の遠隔診療支援システムにおいて、
前記検査依頼に対する検査結果を、前記検査機関が取得した検査データを分析する検査分析機関の分析機関端末から受信する検査結果受信手段と、
前記検査結果受信手段が受信した前記検査結果を、前記患者識別情報に対応付けて前記患者の情報を記憶した患者情報記憶部に登録する検査結果登録手段と、
を備える、遠隔診療支援システム。
【請求項5】
患者が用いる患者端末からオンライン診療に係る申込を受け付けた場合に、前記患者の主治医に関する情報を含む患者情報を記憶した患者情報記憶部を参照して、前記患者の主治医を特定する主治医特定手段と、
前記主治医特定手段により特定した主治医である外部医師と医療機関の常勤医師との両方において診療が可能な空き時間を、各医師の診療スケジュールを記憶した診療スケジュール記憶部を参照して抽出する空き時間抽出手段と、
前記空き時間抽出手段が抽出した前記空き時間を、前記患者端末に送信する空き時間送信手段と、
前記常勤医師と前記外部医師とに対する、同一時間帯における診療の予約依頼を、前記患者端末から受け付ける予約受付手段と、
前記予約受付手段が受け付けた前記予約依頼に基づいて、前記患者を識別する患者識別情報と、前記患者のオンライン診療予約時間と、前記常勤医師と、前記外部医師とを含む予約情報を、予約情報記憶部に登録する予約登録手段と、
前記予約情報記憶部を参照して、前記オンライン診療予約時間が到来した前記予約情報を抽出する診療対象抽出手段と、
前記診療対象抽出手段が抽出した前記予約情報に基づいて、前記常勤医師が用いる第1医師端末と、前記外部医師が用いる第2医師端末と、前記患者端末とを接続して三者間による通話機能を開始する通話開始手段と、
を備え
前記空き時間抽出手段は、前記常勤医師において診療が可能な空き時間を、複数の前記常勤医師のうち少なくとも1人の空き時間を含んで抽出する、遠隔診療支援装置。
【請求項6】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の遠隔診療支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔診療支援システム、遠隔診療支援装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者は、近くの病院や診療所等の医療機関に行って医師による診療を受けている。近年、患者が自宅等に居ながら遠隔で医師による診療を受けられる、いわゆるオンライン診療の取り組みが盛んになってきており、オンライン診療に係る取り組みを支援するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6872278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものは、遠隔診療の診療希望者と医師とを効率的に接続するためのものである。
ところで、医師には、病院や診療所等の医療機関に勤務して診療を行う常勤医師の他、例えば、現在は常勤をしていない医師(以降、常勤をしていない医師を、外部医師ともいう。)が一定数存在する。しかし、現状において、オンライン診療を行う医師は、病院や診療所等の医療機関にいることが前提になっており、潜在する医師のリソースを十分に活用できていなかった。
また、基幹病院に急性期のフォロー等で継続的、定期的に通院している、高度な医療を必要としない患者は、同じ医師が主治医としてフォローしている。その医師が、例えば、高齢等の理由により常勤をしなくなった場合であっても、引き続き当該医師に診療してもらいたいという患者のニーズもある。
さらに、患者が特殊な病気に罹患している場合等には、より専門性の高い知識を有する医師の診療を受けたいという患者のニーズもある。
【0005】
本発明は、医師の活用の場を提供し、しかも患者のニーズに応えることが可能な遠隔診療支援システム、遠隔診療支援装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、患者を識別する患者識別情報と、前記患者のオンライン診療予約時間と、医療機関の常勤医師と、前記患者の主治医である外部医師とを含む予約情報を記憶した予約情報記憶部と、前記予約情報記憶部を参照して、前記オンライン診療予約時間が到来した前記予約情報を抽出する診療対象抽出手段と、前記診療対象抽出手段が抽出した前記予約情報に基づいて、前記常勤医師が用いる第1医師端末と、前記外部医師が用いる第2医師端末と、前記患者が用いる患者端末とを接続して三者間による通話機能を開始する通話開始手段と、を備える、遠隔診療支援システムに関する。
【0007】
また、遠隔診療支援システムにおいて、前記常勤医師の診療スケジュールを記憶した第1スケジュール記憶部と、前記外部医師の診療スケジュールを記憶した第2スケジュール記憶部と、前記患者の主治医に関する情報を含む患者情報を記憶した患者情報記憶部と、前記患者端末からオンライン診療に係る申込を受け付けた場合に、前記患者情報記憶部を参照して前記患者の主治医を特定する主治医特定手段と、前記主治医特定手段により特定した主治医である前記外部医師と前記常勤医師との両方において診療が可能な空き時間を、前記第1スケジュール記憶部及び前記第2スケジュール記憶部を参照して抽出する空き時間抽出手段と、前記空き時間抽出手段が抽出した前記空き時間を、前記患者端末に送信する空き時間送信手段と、を備えてもよい。
【0008】
また、遠隔診療支援システムにおいて、前記患者端末から前記空き時間に対応する予約依頼を受け付ける予約受付手段と、前記予約受付手段が受け付けた前記予約依頼に対応する情報を、前記予約情報記憶部、前記第1スケジュール記憶部及び前記第2スケジュール記憶部に登録する予約登録手段と、を備えしてもよい。
【0009】
また、遠隔診療支援システムにおいて、前記患者に対する検査が可能な検査機関ごとの予約情報を記憶した検査予約記憶部を参照して、指定の検査機関の検査機関端末に対して前記患者識別情報及び検査内容を含む検査依頼を送信する検査依頼送信手段と、前記検査依頼に対する指定の前記検査機関における回答情報が肯定するものである場合に、前記検査予約記憶部に対して当該検査依頼に対する予約情報を登録する検査予約登録手段と、を備えてもよい。
【0010】
また、遠隔診療支援システムにおいて、前記検査依頼に対する検査結果を、前記検査機関が取得した検査データを分析する検査分析機関の分析機関端末から受信する検査結果受信手段と、前記検査結果受信手段が受信した前記検査結果を、前記患者識別情報に対応付けて前記患者の情報を記憶した患者情報記憶部に登録する検査結果登録手段と、を備えてもよい。
【0011】
また、本発明は、患者を識別する患者識別情報と、前記患者のオンライン診療予約時間と、医療機関の常勤医師と、前記患者の主治医である外部医師とを含む予約情報を記憶した予約情報記憶部を参照して、オンライン診療予約時間が到来した前記予約情報を抽出する診療対象抽出手段と、前記診療対象抽出手段が抽出した前記予約情報に基づいて、前記常勤医師が用いる第1医師端末と、前記外部医師が用いる第2医師端末と、前記患者が用いる患者端末とを接続して三者間による通話機能を開始する通話開始手段と、を備える、遠隔診療支援装置に関する。
【0012】
また、遠隔診療支援システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、医師の活用の場を提供し、しかも患者のニーズに応えることが可能な遠隔診療支援システム、遠隔診療支援装置及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態に係る遠隔診療支援システムの全体構成図である。
図2】本実施形態に係る遠隔診療支援サーバの機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る遠隔診療支援サーバの記憶部の例を示す図である。
図4】本実施形態に係る遠隔診療支援システムの予約処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る患者端末での表示例を示す図である。
図6】本実施形態に係る遠隔診療支援サーバの遠隔診療処理を示すフローチャートである。
図7図6の続きである。
図8】本実施形態に係る遠隔診療支援サーバの診療後処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
(実施形態)
〔遠隔診療支援システム100の全体構成〕
図1は、本実施形態に係る遠隔診療支援システム100の全体構成図である。
図2は、本実施形態に係る遠隔診療支援サーバ1の機能ブロック図である。
図3は、本実施形態に係る遠隔診療支援サーバ1の記憶部30の例を示す図である。
【0016】
図1に示す遠隔診療支援システム100は、例えば、患者が自宅等に居ながら、医師による診療及を受けることができ、必要に応じて訪問看護ステーション等、患者の自宅の近隣にある検査施設(検査機関)の予約を可能にした、診療に係るオールインワンのパッケージを提供するシステムである。
また、遠隔診療支援システム100は、患者と、患者の主治医である外部医師と、常勤医師との三者間の端末を接続して、オンライン診療を行うことができるシステムである。
ここで、常勤医師とは、一般的に医療機関に物理的にいる医師をいう。また、外部医師とは、医療機関に物理的にいない医師をいう。
【0017】
遠隔診療支援システム100は、遠隔診療支援サーバ1(遠隔診療支援装置)と、外部医師端末4(第2医師端末)と、常勤医師端末5(第1医師端末)と、患者端末6と、検査施設端末7(検査機関端末)と、分析機関端末8と、薬局端末9とを備える。そして、遠隔診療支援サーバ1と、外部医師端末4、常勤医師端末5、患者端末6と、検査施設端末7、分析機関端末8及び薬局端末9とは、データ通信網Nによってデータ通信が可能になっている。
なお、図1には、各端末が1台ずつ記載されているが、一例にすぎない。実際には、複数の端末が、遠隔診療支援サーバ1に対して接続されている。
【0018】
〔遠隔診療支援サーバ1〕
遠隔診療支援サーバ1は、遠隔診療支援システム100により実現する、例えば、オンライン診療に係るサービスを提供する企業が有する。当該サービスを提供する企業としては、例えば、ある医療機関が当該サービスを提供する場合には、当該医療機関であってもよい。また、複数の医療機関で当該サービスを提供する場合には、当該サービスを提供する企業は、当該サービスのためのプラットフォームを提供する企業であってもよい。
【0019】
図2に示すように、遠隔診療支援サーバ1は、制御部10と、記憶部30と、データ通信IF(インタフェース)39とを備える。
制御部10は、遠隔診療支援サーバ1の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部10は、記憶部30に記憶されているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
制御部10は、診療予約処理部11と、オンライン診療処理部17と、検査処理部21と、処方箋処理部25とを備える。
【0020】
診療予約処理部11は、患者が自宅等に居ながら医師の診療を受けるための事前予約に係る処理を行う。
診療予約処理部11は、申込受付部12と、主治医特定部13(主治医特定手段)と、空き時間抽出処理部14(空き時間抽出手段、空き時間送信手段)と、予約受付処理部15(予約受付手段、予約登録手段)とを備える。
【0021】
申込受付部12は、患者端末6からオンライン診療に係る申込を受け付ける。
主治医特定部13は、申込受付部12が受け付けた申込に基づいて、申込をした患者の主治医である外部医師を特定する。主治医特定部13は、例えば、患者情報記憶部32を参照して、主治医である外部医師を特定する。
【0022】
空き時間抽出処理部14は、主治医特定部13が特定した外部医師と常勤医師との両方において診療が可能な空き時間を、診療スケジュール記憶部33(第1スケジュール記憶部及び第2スケジュール記憶部)を参照して抽出する。ここで、常勤医師は、病院や診療所等の医療機関に常勤している医師であれば、複数の医師のいずれか1人であってよい。そして、空き時間抽出処理部14は、抽出した空き時間を、オンライン診療に係る申込をした患者端末6に送信する。
予約受付処理部15は、空き時間を送信した患者端末6から空き時間に対応する予約依頼を受け付ける。そして、予約受付処理部15は、予約依頼に対応する情報を、予約情報記憶部34と、診療スケジュール記憶部33とに登録する。
【0023】
オンライン診療処理部17は、オンライン診療に係る処理を行う。ここで、オンラインとは、端末同士を接続して、リモートで相手方と通話等を行うものをいう。
オンライン診療処理部17は、診療対象抽出部18(診療対象抽出手段)と、通話処理部19(通話開始手段)とを備える。
診療対象抽出部18は、予約情報記憶部34を参照して、オンライン診療予約時間が到来した予約情報を抽出する。
通話処理部19は、診療対象抽出部18が抽出した予約情報に基づいて、外部医師端末4と、常勤医師端末5と、患者端末6とを接続し、三者間による通話機能を開始する。
【0024】
検査処理部21は、オンライン診療により患者に対する検査の必要性を外部医師が判断した場合に、検査施設に予約をする。また、検査処理部21は、検査機関が取得した検査データの検査結果を、検査施設から検査データを受け取った検査分析機関によって登録する処理を行う。
検査処理部21は、検査依頼部22(検査依頼送信手段、検査予約登録手段)と、結果処理部23(検査結果受信手段、検査結果登録手段)とを備える。
【0025】
検査依頼部22は、検査施設に対して検査を依頼するため、検査日時の予約をする。ここで、検査施設とは、例えば、訪問看護ステーションであり、主に医師の指示にしたがって検査データの取得が可能な施設をいう。検査データとは、例えば、患者の血液や、心電図の波形等の生検データをいう。
より具体的には、検査依頼部22は、例えば、検査施設端末7によって参照可能にされた、検査施設ごとの予約情報を記憶した検査予約記憶部35を参照して、検査施設端末7に対して検査依頼を送信する。そして、検査依頼部22は、検査施設端末7からの回答情報が肯定するものである場合に、検査施設端末7が検査予約記憶部35に対して当該検査依頼に対する予約情報を登録する更新処理を行う。
結果処理部23は、検査依頼に対する検査結果を、検査分析機関の分析機関端末8から受信する。そして、結果処理部23は、受信した検査結果を、患者情報記憶部32に登録する。
【0026】
処方箋処理部25は、オンライン診療の後に、患者情報記憶部32に記憶された診療情報に基づいて処方箋を作成し、患者が指定する薬局に対して作成した処方箋データを送信する。ここで、処方箋処理部25は、作成した処方箋をPDF等のファイルに変換して、データ通信網Nを介して薬局端末9に処方箋データを送信してもよい。また、処方箋処理部25は、作成した処方箋を、薬局に有する図示しないFAX装置に送信してもよい。
【0027】
記憶部30は、制御部10が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部30は、プログラム記憶部31と、患者情報記憶部32と、診療スケジュール記憶部33と、予約情報記憶部34と、検査予約記憶部35とを備える。
プログラム記憶部31は、上述した制御部10が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラム(プログラム)を記憶する記憶領域である。
【0028】
患者情報記憶部32は、遠隔診療支援システム100が提供するオンライン診療に係るサービスを利用する患者の患者情報を記憶する記憶領域である。
図3(A)に示す例では、患者情報記憶部32は、患者ID(IDentification)をキーにして、電子カルテデータを記憶する。電子カルテデータは、患者に関する基本情報(氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、生年月日等の個人情報等や保険情報)の他、主治医IDと、問診情報と、診療情報と、検査結果等を対応付けて記憶する。
患者IDは、患者を識別する患者識別情報である。患者IDは、遠隔診療支援サーバ1において患者を一意に識別するために用いるものである。患者情報を登録する際に、遠隔診療支援サーバ1の制御部10が、自動的に一意になる情報を付与するものであってもよい。
【0029】
基本情報は、例えば、当該サービスを利用するための新規登録の際に患者により入力される情報である。
主治医IDは、主治医を識別する識別情報である。
問診情報は、オンライン診療の予約時等、診療前に患者により入力される問診に係る情報である。
診療情報は、オンライン診療の際に、例えば、外部医師により入力される診療に係る情報である。
検査結果は、検査施設で検査が実施され、検査分析機関で検査データを分析した検査結果の情報である。
なお、患者情報記憶部32は、その他患者に関する様々な情報を記憶していてもよい。患者情報記憶部32に記憶するその他の情報としては、例えば、支払方法情報や、かかりつけ薬局情報等を記憶してもよい。支払方法情報は、例えば、クレジットカード情報等の電子決済で使用可能な情報であり、診療費や検査費用の支払に用いるものである。かかりつけ薬局情報は、患者がいつも利用する薬局に係る情報である。
【0030】
診療スケジュール記憶部33は、外部医師及び常勤医師の診療スケジュールを記憶する記憶領域である。
図3(B)に示す例では、診療スケジュール記憶部33は、医師IDをキーにして、常勤/外部別と、日時と、空き状況とを対応付けて記憶する。
医師IDは、常勤医師及び外部医師を含み、医師を一意に特定する識別情報である。
常勤/外部別は、医師IDで識別する医師の区分(常勤医師、外部医師の別)である。
日時及び空き状況は、診療可能な日時の枠と、その日時の枠で診療ができるか否かを示す情報である。
なお、診療スケジュール記憶部33には、常勤/外部別を有さず、図示しない医師に関する情報を記憶した医師情報記憶部に、医師の氏名や診療科の他、常勤/外部別を有してもよい。
【0031】
予約情報記憶部34は、患者が指定したオンライン診療の予約に係る情報を記憶する記憶領域である。
図3(C)に示す例では、予約情報記憶部34は、患者IDをキーにして、診療予約日時と、常勤医師IDと、外部医師IDとを対応付けて記憶する。
予約IDは、遠隔診療支援サーバ1において予約情報を一意に識別するために用いる識別情報である。予約IDは、予約情報を登録する際に、遠隔診療支援サーバ1の制御部10が、例えば、1からの連続番号として自動的に付与するものであってもよい。
診療予約日時は、患者がオンライン診療を受ける日時である。
常勤医師IDと、外部医師IDは、それぞれ常勤医師と、主治医である外部医師とを識別する識別情報である。
検査予約記憶部35は、検査施設ごとの検査の予約に係る情報を記憶する記憶領域である。
【0032】
なお、記憶部30に記憶されるデータは、上記のものに限定されない。例えば、上記したように、医師情報記憶部等を記憶部30に備えてもよい。さらに、例えば、薬局の情報を記憶した薬局情報記憶部を備えてもよいし、検査施設の情報を記憶した検査施設情報記憶部等を記憶部30に備えてもよい。
また、患者情報記憶部32は、電子カルテデータを含む患者情報を記憶するものであるが、電子カルテデータと、それ以外のデータとを別に記憶してもよい。
さらに、図3に示した患者情報記憶部32から予約情報記憶部34までの各項目は、一例であり、他の項目があってもよいし、ない項目があってもよい。
【0033】
データ通信IF39は、データ通信網Nとの間のインタフェースである。
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、遠隔診療支援サーバ1は、制御部10、記憶部30等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
また、遠隔診療支援サーバ1は、1つのサーバ装置ではなく、複数のサーバ装置に組み合わせによって実現されていてもよいし、クラウドサーバであってもよい。
【0034】
〔端末〕
図1の外部医師端末4は、外部医師の自宅等に設けられ、オンライン診療の際に外部医師が用いる端末である。
常勤医師端末5は、医療機関に設けられ、オンライン診療の際に常勤医師が用いる端末である。
患者端末6は、患者が所持し、オンライン診療の際に用いる端末である。
検査施設端末7は、訪問看護ステーションに代表される検査施設に備えられた端末である。検査施設端末7は、例えば、看護師等が検査の予約状況を確認するのに用いられる。
分析機関端末8は、検査分析機関に備えられた端末である。分析機関端末8は、例えば、検査結果を、遠隔診療支援サーバ1に送信するのに用いられる。
薬局端末9は薬局に備えられた端末である。薬局端末9は、例えば、遠隔診療支援サーバ1から処方箋データを受信するのに用いられる。
【0035】
図1では、外部医師端末4及び患者端末6は、スマートフォンや、タブレット等の携帯端末として例示しているが、これに限定されない。患者端末6は、その他、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等であってもよい。
また、図1では、その他の端末は、ノート型のPCとして例示しているが、これも一例であって、他の端末であってもよい。
【0036】
各端末は、図示しないが、制御部と、記憶部と、タッチパネル等の入出力部(又は、ディスプレイ等の表示部及びキーボード等の入力部)と、データ通信IFとを備える。
また、オンライン診療で使用する外部医師端末4、常勤医師端末5及び患者端末6は、さらに、カメラと、マイクとを備える。
【0037】
外部医師端末4は、オンライン診療時には、例えば、ディスプレイに患者の画像を表示し、一部の小領域に常勤医師の画像を表示する。また、外部医師端末4は、オンライン診療時や診療後に、画面を切り替える等を行って、患者情報記憶部32の電子カルテデータに基づくカルテ画面をディスプレイに表示する。ここで、カルテ画面とは、患者の問診情報や過去の診療情報等を参照可能な画面をいう。
常勤医師端末5は、オンライン診療時には、例えば、ディスプレイを2分割にし、一方の画面には、患者及び外部医師の画像を表示し、他方の画面には、カルテ画面を表示する。なお、常勤医師端末5は、例えば、電子カルテ用の端末等を用いてもよい。また、常勤医師は2つの常勤医師端末5を用いて一方には画像を、他方にはカルテ画面を出力してもよい。
患者端末6は、オンライン診療時には、ディスプレイに外部医師の画像を表示し、一部の小領域に常勤医師の画像を表示する。
【0038】
〔処理の説明〕
次に、遠隔診療支援システム100での処理について説明する。
事前処理として、まず、遠隔診療支援システム100による当該サービスを利用する患者は、患者端末6を用いて、例えば、当該サービスに係るWebページにアクセスし、新規登録を行う。
【0039】
また、外部医師及び常勤医師は、外部医師端末4及び常勤医師端末5を用いて遠隔診療支援サーバ1に接続し、勤務可能な日時を入力する。そうすることで、遠隔診療支援サーバ1の制御部10は、診療スケジュール記憶部33に、入力された情報を登録する。
なお、当該処理は、一例である。例えば、医師の勤怠管理を行うシステムと遠隔診療支援サーバ1とを連携させて、勤務可能な日時を診療スケジュール記憶部33に反映させてもよい。
【0040】
次に、オンライン診療の予約に係る処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る遠隔診療支援システム100の予約処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係る患者端末6での表示例を示す図である。
まず、オンラインによる医師の診療を受けたい患者は、患者端末6から当該サービスに係るWebページにアクセスして、オンライン診療に係る予約を行う。
【0041】
図5は、患者端末6に表示される操作画面60の例を示す。
操作画面60は、患者による操作を行う画面であり、メニュー領域61と、操作領域65とを含む。
メニュー領域61は、患者が選択可能なメニューを含む。
操作領域65は、メニュー領域61の選択に対応して、入力項目等を出力する。
図5の操作画面60は、Webページにアクセスした際に最初に出力されるものであり、操作領域65は、患者にログインを促すものになっている。
【0042】
患者がログイン後に、図5に示すメニュー領域61の新規予約部62又は再診予約部63を選択することで、図4のステップS(以下、単に「S」という。)11において、患者端末6の制御部は、遠隔診療支援サーバ1に対して予約依頼を送信する。
ここで、患者が再診予約部63を選択した場合には、当該患者には患者IDが付与されているため、患者端末6の制御部は、予約依頼と共に患者IDを送信する。
他方、新規予約部62を選択した場合には、患者には患者IDが付与されていないため、患者端末6の制御部は、予約依頼のみを送信する。
なお、患者端末6の制御部は、予約依頼の送信後には、待ち画面(図示せず)を表示してもよい。
【0043】
遠隔診療支援サーバ1の制御部10(申込受付部12)は、予約情報を受信すると、S12において、制御部10(主治医特定部13)は、受信した患者IDから患者情報記憶部32を参照して主治医を特定する。
なお、新規予約の場合には、患者IDを受信せず、主治医が存在しないため、制御部10は、当該処理をスキップする。
S13において、制御部10(空き時間抽出処理部14)は、診療スケジュール記憶部33を参照してS12の処理で特定した外部医師と常勤医師との空き時間を抽出し、抽出結果を患者端末6に送信する。
なお、新規予約の場合にも、制御部10は、外部医師と常勤医師との空き時間を抽出する。但し、外部医師が特定されないため、空き時間の抽出対象になる外部医師は、複数の医師であってよい。
【0044】
患者端末6の制御部は、遠隔診療支援サーバ1から空き時間の抽出結果を受信すると、操作画面60に空き時間の一覧を出力する。そこで、患者は、患者端末6からオンライン診療を行う日時を指定すると、S14において、患者端末6の制御部は、日時の指定を受け付けて遠隔診療支援サーバ1に送信する。
遠隔診療支援サーバ1の制御部10(予約受付処理部15)は、患者端末6から日時の指定を受信すると、S15において、診療スケジュール記憶部33のスケジュールを更新する。また、制御部10(予約受付処理部15)は、予約情報記憶部34に予約情報を登録して、予約を確定する。
S16において、遠隔診療支援サーバ1の制御部10(予約受付処理部15)は、確定結果を患者端末6に送信する。
【0045】
患者端末6の制御部は、遠隔診療支援サーバ1から確定結果を受信すると、操作画面60に確定した旨を出力する。また、患者端末6の制御部は、操作領域65に問診情報の入力項目を出力するので、患者は、診療のための問診情報を入力する。そうすると、S17において、患者端末6の制御部は、問診情報の入力を受け付けて、遠隔診療支援サーバ1に送信する。その後、患者端末6の制御部は、操作画面60に予約完了の旨を出力して予約処理を終了する。
【0046】
遠隔診療支援サーバ1の制御部10(予約受付処理部15)は、患者端末6から問診情報を受信すると、S18において、受信した問診情報を、患者情報記憶部32に登録する。この処理により、遠隔診療支援サーバ1には、当該患者の予約したオンライン診療に係るカルテのページが作成できる。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0047】
このように、遠隔診療支援システム100では、患者の主治医及び常勤医師を含むオンライン診療のスケジュール予約を、患者端末6から行うことができ、便利である。また、主治医である外部医師と常勤医師とは、自らが登録した勤務可能日時の範囲でのスケジュールの予約を許容するので、勤務したい日時にオンライン診療を行うことができる。
【0048】
次に、オンライン診療を行う際の処理について説明する。
図6及び図7は、本実施形態に係る遠隔診療支援サーバ1の遠隔診療処理を示すフローチャートである。
図8は、本実施形態に係る遠隔診療支援サーバ1の診療後処理を示すフローチャートである。
遠隔診療支援サーバ1の制御部10(オンライン診療処理部17)は、例えば、予約情報記憶部34を参照して、適宜のタイミングで、図6の遠隔診療処理を開始する。
【0049】
S31において、制御部10(診療対象抽出部18)は、予約情報記憶部34を検索し、予約時間(オンライン診療予約時間)が到来する予約情報があるか否かを判断し、予約時間が到来する予約情報がある場合には、当該予約情報を抽出する。ここで、制御部10は、例えば、予約情報の予約時間が5分前以内である場合に、当該予約情報を抽出してもよい。
S32において、制御部10(通話処理部19)は、抽出した予約情報に基づいて、外部医師端末4と常勤医師端末5とを接続し、通話処理を開始する。
【0050】
S33において、制御部10は、オンライン診療をする患者の電子カルテデータに基づく、上記したカルテ画面を、外部医師端末4及び常勤医師端末5に出力する。より具体的には、制御部10は、抽出した予約情報に基づいて患者IDを特定し、患者情報記憶部32を参照して電子カルテデータを特定する。そして、制御部10は、特定した電子カルテデータに基づいて生成されるカルテ画面を、外部医師端末4及び常勤医師端末5に出力する。
この段階で、外部医師端末4と常勤医師端末5とは通話可能に接続され、カルテ画面によって患者のカルテデータが出力されている。また、カルテ画面には、予約時に受信した問診情報を含む。よって、外部医師と常勤医師との間で、患者への診療方針等の話し合いを、事前に行うことができる。
【0051】
S34において、制御部10は、患者端末6からの接続依頼を受信したか否かを判断する。患者端末6において、例えば、図5に示す操作画面60から診療開始部64を選択することで、患者端末6の制御部は、接続依頼を遠隔診療支援サーバ1に対して送信する。患者端末6から接続依頼を受信した場合(S34:YES)には、制御部10は、処理をS35に移す。他方、接続依頼を受信していない場合(S34:NO)には、予約された診療時間の範囲内で、患者端末6から接続依頼を受信するまで、本処理にとどまる。
S35において、制御部10(通話処理部19)は、接続依頼を受信した患者端末6をさらに接続する。
【0052】
S36において、制御部10(通話処理部19)は、外部医師端末4と常勤医師端末5と患者端末6とを用いた、三者によるビデオ通話処理を行う。
ここで、患者端末6には、例えば、主治医である外部医師の画像が表示されると共に、常勤医師の画像が一部領域に小さく表示される。画像は、各端末に備えられたカメラにより撮影されたものであり、リアルタイムの画像である。
患者は、主治医の他に常勤医師も携わっていることを確認でき、患者に安心感を与えることができる。また、主治医は、患者の表情や顔色を確認したり、患者に対して動作の指示をし、指示した動きを確認したりする等、患者の状況を画面越しに確認できる。さらに、常勤医師は、主治医と患者との間のやりとりを確認できる。
【0053】
図7のS41において、例えば、外部医師端末4からの入力を受けて、制御部10は、患者情報記憶部32の電子カルテデータの診療情報に、診療内容を登録する診療情報登録処理を行う。
S42において、制御部10は、検査予約に係る入力を受け付けたか否かを判断する。患者の症状によっては、例えば、血液検査や心電図といった、患者の自宅でのオンライン診療ではフォローできない、検査データの取得が必要になる場合がある。そのような場合には、患者には、患者の自宅から近隣の位置にある検査施設に行ってもらって、検査施設での検査を行ってもらう。そのため、検査が必要であると主治医が判断した場合には、例えば、常勤医師は、常勤医師端末5を用いて検査予約を行う。検査予約に係る入力を受け付けた場合(S42:YES)には、制御部10は、処理をS43に移す。他方、検査予約に係る入力を受け付けていない場合(S42:NO)には、制御部10は、処理をS44に移す。ここでは、検査予約に係る入力を常勤医師が行うものとして説明している。常勤医師の方が、診療以外の処理を行いやすいと考えられるためであるが、外部医師が検査予約に係る入力をしても、もちろんよい。
【0054】
S43において、制御部10(検査依頼部22)は、患者の近隣の検査施設に対して検査の依頼をする検査依頼処理を行う。制御部10は、検査施設ごとの予約情報を記憶した検査予約記憶部35を参照して、検査施設端末7に対して検査依頼を送信する。検査依頼には、例えば、患者ID、検査日時及び検査内容を含む。そして、検査依頼部22は、検査施設端末7からの回答情報が肯定するものである場合に、検査予約記憶部35に対して当該検査依頼に対する予約情報を登録する更新処理を行う。検査施設の予約が完了したら、例えば、常勤医師が、患者に対して検査施設と日時とをビデオ通話内で知らせることができる。なお、制御部10は、患者端末6に対して検査施設と日時とを含むデータを送信してもよい。
【0055】
S44において、制御部10は、診療が終了か否かを判断する。ここで、外部医師による一通りの診療が終わると、制御部10は、例えば、外部医師端末4から診療終了の通知を受信する。そこで、制御部10は、外部医師端末4から診療終了の通知を受信した場合に、診療が終了したと判断できる。診療が終了である場合(S44:YES)には、制御部10は、処理をS45に移す。他方、診療が終了ではない場合(S44:NO)には、制御部10は、処理をS41に移す。
S45において、制御部10は、患者端末6の接続を切断する。これにより、患者に、オンライン診療が終了したことを明示することができる。
S46において、制御部10は、診療後処理を行う。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0056】
ここで、診療後処理について、図8に基づいて説明する。
図8のS51において、制御部10は、会計処理を行う。具体的には、制御部10は、電子カルテデータに入力された診療情報に基づいて、診療に係る費用を算出し、精算処理を行う。
S52において、制御部10(処方箋処理部25)は、処方箋を発行するか否かを判断する。制御部10は、処方箋を発行するか否かを、電子カルテデータに入力された診療情報に基づいて判断することができる。処方箋を発行する場合(S52:YES)には、制御部10は、処理をS53に移す。他方、処方箋を発行しない場合(S52:NO)には、制御部10は、処理をS54に移す。
【0057】
S53において、制御部10(処方箋処理部25)は、処方箋作成送信処理を行う。制御部10は、電子カルテデータの診療情報に基づいて、処方箋を作成する。そして、制御部10は、予め患者が指定した薬局の薬局端末9に対して、作成した処方箋に係る処方箋データを送信する。
これにより、患者は、自身が指定した薬局に行けば、オンライン診療によって処方される薬剤を受け取ることができる。
【0058】
S54において、制御部10は、当該患者に対して検査依頼をしたか否かを判断する。制御部10は、電子カルテデータの診療情報に基づいて、当該患者に対して検査依頼をしたか否かを判断できる。検査依頼をした場合(S54:YES)には、制御部10は、処理をS55に移す。他方、検査依頼をしていない場合(S54:NO)には、制御部10は、本処理を終了する。
S55において、制御部10(結果処理部23)は、検査分析機関の分析機関端末8から検査結果を受信したか否かを判断する。分析機関端末8から検査結果を受信した場合(S55:YES)には、制御部10は、処理をS56に移す。他方、分析機関端末8から検査結果を受信していない場合(S55:NO)には、検査結果を受信するまで、本処理にとどまる。
S56において、制御部10(結果処理部23)は、受信した検査結果を、患者情報記憶部32に登録する。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0059】
このように、本実施形態の遠隔診療支援システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)患者端末6と、主治医が使用する外部医師端末4と、病院や診療所等の医療機関に常勤する医師が使用する常勤医師端末5とを接続して、三者によるビデオ通話を行う。
このような仕組みにより、医療機関以外にいる医師であっても、オンライン診療を行うことができる。医療機関以外にいる医師として、例えば、退職をした医師や、学会等により一時的に医療機関に出勤していない医師、また、転勤等で別の医療機関に勤務している医師等が該当し、場所は、日本国内にとどまらず、海外にいる医師も対象になる。よって、患者は、定期的に診療を受けていた医師が医療機関を離れた場合であっても、当該医師による診療を引き続き受けることができるので、信頼関係を継続でき、患者に安心感を与えることができる。また、医師は、退職した場合であっても自宅等で患者を診療でき、働き続けることができる。
【0060】
(2)外部医師と常勤医師との診療スケジュールを記憶した診療スケジュール記憶部33を備え、患者からのオンライン診療に係る申込があった場合に、患者の主治医である外部医師と常勤医師との空き時間を抽出して患者端末6に送信する。
よって、患者は、医師の空き時間から診療を受ける日時を決定することができる。また、各医師は、診療スケジュールが登録されているので、各医師が診療可能な日時の範囲内で、オンライン診療を受け付けることができる。
(3)患者端末6から日時の指定を受け付けることで、予約情報を予約情報記憶部34に登録し、診療スケジュール記憶部33を更新する。
よって、患者の指定した日時で、オンライン診療の予約をすることができる。
【0061】
(4)検査が可能な検査施設ごとの予約情報を記憶した検査予約記憶部35を参照して、指定する検査施設の検査施設端末7に対して検査依頼を送信し、予約可能である場合に、予約情報を検査予約記憶部35に登録する。
よって、検査が必要な患者には、近隣の検査施設に対して検査の予約を行うことができる。
(5)検査依頼に対する検査結果を、検査分析機関の分析機関端末8から受信して、患者情報記憶部32に登録する。
よって、検査結果データを自動的に患者情報記憶部32に反映することができる。そのため、次回の診療の際には、検査結果を踏まえて診療ができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0063】
(変形形態)
(1)本実施形態では、例えば、ある医療機関の主治医であった医師が、その医療機関を退職した場合等に、当該遠隔診療支援システムを用いることで、患者が引き続き主治医による診療を受けることができるものとして説明した。
加えて、遠隔診療支援システムは、他の状況においても用いることができる有用なシステムである。
【0064】
例えば、患者の診療にあたって専門性の高い知識を有する医師が必要な場合、専門性の高い知識を有する外部医師が当該遠隔診療支援システムを用いることで、患者が専門性の高い知識を有する医師のいるところに赴いて、診療を受けに行く手間を省くことができる。そして、患者が検査を受けたり、薬剤を受け取ったりする必要がある場合には、患者の近隣地域にある検査施設や薬局に患者が足を運べば事足りるため、患者の地理的不利益を解消することができる。また、有能な外部医師の労働資源を、有効活用できる。
【0065】
また、常勤医師と外部医師と患者とを含む三者間による遠隔診療を行うことにより、例えば、常勤医師は、外部医師と患者との間で行われる診療を見て、外部医師の診療についてのノウハウや知識を習得することができる。そのため、医師の技術向上に寄与できる。
【0066】
(2)本実施形態では、外部医師端末4が、診療情報を患者情報記憶部32に登録するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、外部医師端末が、患者情報記憶部の内容を参照できない等、外部からの情報のアクセスに制限がある場合には、常勤医師端末から診療情報を登録するようにしてもよい。
【0067】
(3)本実施形態では、遠隔診療支援サーバ1が、オンライン診療の開始5分前以内の予約情報を抽出し、先ず外部医師端末4と常勤医師端末5とを接続するものを例に説明したが、これに限定されない。接続する時間は、予約された日時と同時か、それより少し前であれば、5分前以内でなく、他の時間であってもよい。また、外部医師端末や常勤医師端末は、自動的に接続するのではなく、例えば、遠隔診療支援サーバに接続依頼をすることに応じて、接続をしてもよい。
【0068】
(4)本実施形態では、常勤医師の診療スケジュールと、外部医師の診療スケジュールとを1つの診療スケジュール記憶部33に記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、外部医師の診療スケジュールは、外部医師端末に記憶しておいてもよい。その場合、遠隔診療支援サーバから外部医師端末に対する問い合わせを受信した場合に、外部医師端末の制御部が、空き時間を返答するようにしてもよい。
【0069】
(5)本実施形態では、Webベースでのシステムを例に説明したが、これに限定されない。どのようにシステムを構築してもよく、例えば、アプリケーションを起動することによるシステムであってもよい。
(6)本実施形態では、記憶部30に各種の情報を記憶するものを例に説明したが、これに限定されない。遠隔診療支援サーバに対して接続された外部装置に、各種の情報を有してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 遠隔診療支援サーバ(遠隔診療支援装置)
4 外部医師端末
5 常勤医師端末
6 患者端末
7 検査施設端末
8 分析機関端末
9 薬局端末
10 制御部
11 診療予約処理部
12 申込受付部
13 主治医特定部
14 空き時間抽出処理部
15 予約受付処理部
17 オンライン診療処理部
18 診療対象抽出部
19 通話処理部
21 検査処理部
22 検査依頼部
23 結果処理部
25 処方箋処理部
30 記憶部
31 プログラム記憶部
32 患者情報記憶部
33 診療スケジュール記憶部
34 予約情報記憶部
35 検査予約記憶部
39 データ通信IF
100 遠隔診療支援システム
N データ通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8