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特許7560889災害情報共有システム、災害情報共有方法、移動体制御システム、及び移動体制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】災害情報共有システム、災害情報共有方法、移動体制御システム、及び移動体制御方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/09 20060101AFI20240926BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240926BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20240926BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240926BHJP
【FI】
G08G1/09 F
G08B27/00 Z
H04M11/04
G06Q50/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022013633
(22)【出願日】2022-01-31
(62)【分割の表示】P 2020035525の分割
【原出願日】2020-03-03
(65)【公開番号】P2022062137
(43)【公開日】2022-04-19
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】520074181
【氏名又は名称】株式会社ファーロスター
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】星 尚男
(72)【発明者】
【氏名】星 佳子
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-276255(JP,A)
【文献】特開2005-017035(JP,A)
【文献】特開2010-054386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-25/00
G08B 27/00
H04M 11/04
G06Q 50/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動移動体と、利用者が操作する利用者端末と、自動移動体及び利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自動移動体制御システムであって、
利用者端末が、
利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力手段と、
入力した災害情報をサーバ装置に送信する第一災害情報送信手段と
を備え、
サーバ装置が、
利用者端末から災害情報を受信する第一災害情報受信手段と、
災害情報が更新されたことを判定する更新判定手段と、
自動移動体の移動経路を特定する移動経路特定手段と、
特定した移動経路を自動移動体に送信する移動経路送信手段と
を備え、
自動移動体が、
サーバ装置から移動経路を受信する移動経路受信手段と、
受信した移動経路にしたがって、該自動移動体の移動を制御する移動制御手段と
を備え、
災害情報が更新されたと判定された場合であって、受信した災害情報に対応する位置が、災害情報が更新されたと判定される前に特定された移動経路に含まれるときに、移動経路特定手段が、該位置が含まれないように移動経路を再特定する、自動移動体制御システム。
【請求項2】
自動移動体が、
地図を表示画面に表示する地図表示手段
を備え、
地図表示手段が、地図上に、移動経路受信手段により受信した移動経路に関する情報を表示する、
請求項1に記載の自動移動体制御システム。
【請求項3】
サーバ装置が、
第一災害情報受信手段により受信した災害情報を自動移動体に送信する第二災害情報送信手段
を備え、
自動移動体が、
サーバ装置から災害情報を受信する第二災害情報受信手段と、
地図を表示画面に表示する地図表示手段と
を備え、
地図表示手段が、受信した災害情報に対応する地図上の位置に、災害情報に対応した標識を表示するものであり、
標識は、対応する災害情報の種類によって異なるものである、
請求項1又は2に記載の自動移動体制御システム。
【請求項4】
自動移動体が、人が搭乗することが不可能なものである、
請求項1~3のいずれかに記載の自動移動体制御システム。
【請求項5】
自動移動体と、利用者が操作する利用者端末と、自動移動体及び利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える自動移動体制御システムにおいて実行される自動移動体制御方法であって、
利用者端末が、利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力ステップと、
利用者端末が、入力した災害情報をサーバ装置に送信する第一災害情報送信ステップと、
サーバ装置が、利用者端末から災害情報を受信する第一災害情報受信ステップと、
サーバ装置が、災害情報が更新されたことを判定する更新判定ステップと、
サーバ装置が、自動移動体の移動経路を特定する移動経路特定ステップと、
サーバ装置が、特定した移動経路を自動移動体に送信する移動経路送信ステップと、
自動移動体が、サーバ装置から移動経路を受信する移動経路受信ステップと、
自動移動体が、受信した移動経路にしたがって、該自動移動体の移動を制御する移動制御ステップと
を有し、
災害情報が更新されたと判定された場合であって、受信した災害情報に対応する位置が、災害情報が更新されたと判定される前に特定された移動経路に含まれるときに、移動経路特定ステップが、該位置が含まれないように移動経路を再特定する、
自動移動体制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害発生時に災害に関する情報を容易に共有することを可能とするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、災害発生時にはテレビやラジオなどを通じて災害に関する情報が発信されている。また、近年では、SNSなどを通じて、各人が自身の周囲の災害に関する情報を発信することも行われている。
【0003】
しかしながら、上記のような情報の発信方法は、一覧性に乏しく、災害に関する情報を容易に共有できるものではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためのものである。すなわち、本発明は、災害発生時に災害に関する情報を容易に共有することを可能とするシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、上記目的は、
[1]一の利用者が操作する一の利用者端末と、他の利用者が操作する他の利用者端末と、一の利用者端末及び他の利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える災害情報共有システムであって、一の利用者端末が、地図を表示画面に表示する第一地図表示手段と、一の利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力手段と、入力した災害情報をサーバ装置に送信する第一災害情報送信手段とを備え、サーバ装置が、一の利用者端末から災害情報を受信する第一災害情報受信手段と、受信した災害情報を他の利用者端末へ送信する第二災害情報送信手段とを備え、他の利用者端末が、サーバ装置から災害情報を受信する第二災害情報受信手段と、地図を表示画面に表示する第二地図表示手段とを備え、第二地図表示手段が、受信した災害情報に対応する地図上の位置に災害情報を表示する、災害情報共有システム;
[2]一の利用者端末が、カメラにより現実世界を撮影する撮影手段とを備え、災害情報入力手段が、撮影された画像情報を災害情報として入力するものであり、第二地図表示手段が、受信した災害情報に対応する地図上の位置に、該画像情報を表示する、[1]に記載の災害情報共有システム;
[3]サーバ装置が、一の利用者端末から受信した災害情報に対応する地図上の位置から所定の範囲にある他の利用者端末へ、災害が発生した旨の災害通知を送信する災害通知送信手段とを備え、他の利用者端末が、サーバ装置から、災害通知を受信する災害通知受信手段と、受信した災害通知を出力する災害通知出力手段とを備える、[1]又は[2]に記載の災害情報共有システム;
[4]一の利用者端末が、入力した災害情報の他の利用者端末における表示を解除するための解除情報を入力する解除情報入力手段と、入力された解除情報をサーバ装置へ送信する解除情報送信手段とを備え、サーバ装置が、一の利用者端末から解除情報を受信する解除情報受信手段とを備え、第二地図表示手段が、解除された災害情報に対応する地図上の位置に災害情報を表示しない、[1]~[3]のいずれかに記載の災害情報共有システム;
[5]災害情報が、洪水、浸水、火災、暴風、大雨、停電、又は道路の通行不能に関する情報である、[1]~[4]のいずれかに記載の災害情報共有システム;
[6]一の利用者が操作する一の利用者端末と、他の利用者が操作する他の利用者端末と、一の利用者端末及び他の利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える災害情報共有システムにおいて実行される災害情報共有方法であって、一の利用者端末が、地図を表示画面に表示する第一地図表示ステップと、一の利用者端末が、一の利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力ステップと、一の利用者端末が、入力した災害情報をサーバ装置に送信する第一災害情報送信ステップと、サーバ装置が、一の利用者端末から災害情報を受信する第一災害情報受信ステップと、サーバ装置が、受信した災害情報を他の利用者端末へ送信する第二災害情報送信ステップと、他の利用者端末が、サーバ装置から災害情報を受信する第二災害情報受信ステップと、他の利用者端末が、地図を表示画面に表示する第二地図表示ステップとを有し、第二地図表示ステップが、受信した災害情報に対応する地図上の位置に災害情報を表示する、災害情報共有方法;
[7]自動移動体と、利用者が操作する利用者端末と、自動移動体及び利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える移動体制御システムであって、利用者端末が、地図を表示画面に表示する地図表示手段と、利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力手段と、入力した災害情報をサーバ装置に送信する災害情報送信手段とを備え、サーバ装置が、利用者端末から災害情報を受信する災害情報受信手段と、自動移動体の移動経路を特定する移動経路特定手段と、特定した移動経路を自動移動体に送信する移動経路送信手段とを備え、自動移動体が、サーバ装置から移動経路を受信する移動経路受信手段と、受信した移動経路にしたがって移動を制御する移動制御手段とを備え、受信した災害情報に対応する位置が、特定された移動経路に含まれる場合に、移動経路特定手段が、該位置が含まれないように移動経路を再特定する、移動体制御システム;
[8]自動移動体と、利用者が操作する利用者端末と、自動移動体及び利用者端末と通信接続が可能なサーバ装置とを備える移動体制御システムにおいて実行される移動体制御方法であって、利用者端末が、地図を表示画面に表示する地図表示ステップと、利用者端末が、利用者端末の現在位置における災害情報を入力する災害情報入力ステップと、利用者端末が、入力した災害情報をサーバ装置に送信する災害情報送信ステップと、サーバ装置が、利用者端末から災害情報を受信する災害情報受信ステップと、サーバ装置が、自動移動体の移動経路を特定する移動経路特定ステップと、サーバ装置が、特定した移動経路を自動移動体に送信する移動経路送信ステップと、自動移動体が、サーバ装置から移動経路を受信する移動経路受信ステップと、自動移動体が、受信した移動経路にしたがって移動を制御する移動制御ステップと、サーバ装置が、受信した災害情報に対応する位置が、特定された移動経路に含まれる場合に、該位置が含まれないように移動経路を再特定する経路再特定ステップとを有する、移動体制御方法;
により達成することができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、災害発生時に災害に関する情報を容易に共有することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態にかかる利用者端末の構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施の形態にかかるサーバ装置の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムにおける災害情報共有処理のフローチャートを表す図である。
図5】本発明の実施の形態にかかる利用者端末の表示画面の一例を示す図である。
図6】本発明の実施の形態にかかる災害通知警告内容マスタテーブルの一例を示す図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる利用者端末の表示画面の一例を示す図である。
図8】本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムにおける災害情報解除処理のフローチャートを表す図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる移動体制御システムの構成を示すブロック図である。
図10】本発明の実施の形態にかかる移動体制御システムにおける移動体制御処理のフローチャートを表す図である。
図11】本発明の実施の形態にかかる自動移動体の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について説明をするが、本発明の趣旨に反しない限り、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0009】
[災害情報共有システム]
まず、災害情報共有システムについて説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムの構成を示すブロック図である。図示するように、災害情報共有システムは、複数の利用者(利用者A、B・・・Z)によって操作される複数の利用者端末3(利用者端末3a、3b・・・3z)と、サーバ装置1と、通信ネットワーク2とから構成される。利用者端末3は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置1と接続されている。なお、利用者端末3は、サーバ装置1と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0010】
利用者端末3は、表示画面と入力部を有するコンピュータ装置であれば特に限定されないが、例えば、従来型の携帯電話、タブレット型端末、スマートフォン、デスクトップ型・ノート型のパーソナルコンピュータなどが挙げられる。また、利用者端末3は、撮影部を有していることが好ましく、GPSなどにより利用者端末3の位置情報を特定できるものであることがより好ましい。
【0011】
図2は、本発明の実施の形態にかかる利用者端末の構成を示すブロック図である。利用者端末3は、制御部31、RAM32、ストレージ部33、グラフィック処理部34、通信インタフェース35、インタフェース部36からなり、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0012】
制御部31は、CPUやROMから構成される。制御部31は、ストレージ部33に格納されたプログラムを実行し、利用者端末3の制御を行なう。RAM32は、制御部31のワークエリアである。ストレージ部33は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部31は、プログラム及びデータをRAM32から読み出して処理を行う。制御部31は、RAM32にロードされたプログラム及びデータを処理することで、描画命令をグラフィック処理部34に出力する。
【0013】
グラフィック処理部34は表示部38に接続されている。表示部38は表示画面39を有している。制御部31が描画命令をグラフィック処理部34に出力すると、グラフィック処理部34は、表示画面39上に画像を表示するためのビデオ信号を出力する。ここで、表示部38はタッチセンサを備えるタッチパネルであってもよい。
【0014】
通信インタフェース35は無線又は有線により通信ネットワーク2に接続が可能であり、通信ネットワーク2を介して、サーバ装置1とデータを送受信することが可能である。通信インタフェース35を介して受信したデータは、RAM32にロードされ、制御部31により演算処理が行われる。インタフェース部36には外部メモリ37(例えば、SDカード等)が接続されている。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、サーバ装置の構成を示すブロック図である。サーバ装置1は、制御部11、RAM12、ストレージ部13及び通信インタフェース14を備え、それぞれ内部バスにより接続されている。
【0016】
制御部11は、CPUやROMから構成され、ストレージ部13に格納されたプログラムを実行し、サーバ装置1の制御を行う。また、制御部11は時間を計時する内部タイマを備えている。RAM12は、制御部11のワークエリアである。
【0017】
ストレージ部13は、プログラムやデータを保存するための記憶領域である。制御部11は、プログラム及びデータをRAM12から読み出し、利用者端末3から受信した要求情報をもとに、プログラム実行処理を行う。
【0018】
次に、災害情報共有システムにおける災害情報共有処理について、説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムにおける災害情報共有処理のフローチャートを表す図である。
【0019】
利用者は、利用者端末に専用のアプリケーションをインストールすることで災害情報共有システムを利用することができる。まず、災害に遭遇した一の利用者(以下、利用者Aという)は、利用者端末にダウンロードされた専用のアプリケーションプログラムを起動する。すると、利用者端末の表示画面39aに、現実世界の地図が表示される(ステップS101)。利用者Aは、表示画面39aに表示された現実世界の地図上の、利用者Aがいる位置(以下、災害発生地点という)を選択することで、災害発生地点の位置情報を入力する(ステップS102)。そして、利用者Aは、アプリケーション上で利用できる撮影機能を用いて、災害発生地点の現実世界の様子を撮影する(ステップS103)。次に、利用者Aは、ステップS103において撮影した画像を、災害発生地点の画像情報として入力する(ステップS104)。ステップS102において入力された位置情報、及びステップS104において入力された画像情報が、災害情報としてサーバ装置に送信される(ステップS105)。
【0020】
図5は、本発明の実施の形態にかかる利用者端末の表示画面の一例を示す図である。ステップS101において、利用者Aの端末の表示画面39aには、道51、川52、駅53などが現実世界の地図として表示される。そして、ステップS102において入力された位置には、災害情報アイコン54が表示される。災害情報アイコン54は、災害の種類によって異なる色及び/又は形で表示されることとしてもよい。例えば、青いアイコンは洪水、緑のアイコンは暴風、白いアイコンは大雨、黒いアイコンは停電、赤いアイコンは道路の通行不能を示すこととしてもよい。本明細書においては、以下、丸のアイコンは洪水、バツのアイコンは道路の通行不能、三角形のアイコンは停電に関する災害情報を示すこととする。災害の種類は、利用者が入力、又は選択することとしてもよく、ステップS104において入力された画像情報により自動で判定されることとしてもよい。災害情報は、洪水、浸水、火災、暴風、大雨、停電、道路の通行不能に関する情報を含むこととしてもよい。また、災害情報アイコン54のサイズは、現実世界において半径100mに相当するサイズで表示してもよく、現実世界において半径50mに相当するサイズで表示してもよく、現実世界において半径10mに相当するサイズで表示してもよい。
【0021】
ステップS102において利用者Aが災害発生地点を選択する方法は、表示された現実世界の地図上をタップすることであってもよい。あるいは、ステップS102において利用者Aが災害発生地点を選択する方法は、災害発生地点の住所又は地名などを入力又は選択することであってもよく、災害発生地点の周辺の施設名などを入力又は選択することであってもよい。
【0022】
ステップS105において送信された災害情報は、サーバ装置にて受信される(ステップS106)。そして、ステップS106において受信された災害情報を基に、サーバ装置に記憶されている災害情報が更新される(ステップS107)。次に、サーバ装置において、受信された災害情報、及び該災害情報に対応した災害通知の送信先が特定される(ステップS108)。そして、特定された送信先に該当する他の利用者端末に、災害情報、及び該災害情報に対応した災害通知が送信される(ステップS109)。
【0023】
ステップS108においては、災害発生地点から所定の範囲内にある他の利用者端末が送信先として特定される。送信先の特定は、ステップS108の時点でGPSなどにより特定された他の利用者端末の位置情報と、ステップS106において受信した災害発生地点の位置情報とに基づいて行われるようにしてもよい。具体的には、ステップS108の時点で、災害発生地点から所定の範囲内にある他の利用者端末が送信先として特定されることとしてもよい。あるいは、予め利用者の住所をサーバ装置に記憶させておき、災害発生地点から所定の範囲内に住所をもつ他の利用者端末が送信先として特定されることとしてもよく、災害発生地点の最寄りの基地局から情報を受信している他の利用者端末が送信先として特定されることとしてもよい。また、所定の範囲は、半径5kmでもよく、半径10kmでもよく、半径15kmでもよい。
【0024】
また、災害の種類が洪水である場合には、他の災害と比べて、危険を早くに察知して対応することが重要となる。そのため、ステップS109において他の利用者端末に送信される災害通知は、災害の種類が洪水であった場合には、災害発生地点と他の利用者端末との距離に基づいて特定される、警告を含むものであってもよい。図6は、本発明の実施の形態にかかる災害通知警告内容マスタテーブルの一例を示す図である。災害通知警告内容マスタテーブル6には、災害発生地点と他の利用者端末との距離61に関連付けて、警告内容62が記憶されている。災害発生地点と他の利用者端末との距離が1km以内である場合には、危険が間近に迫っている状況であるため、後述する災害通知の出力(ステップS111)と併せて、「命を守るための最善の行動を取ってください」という警告が表示される。しかし、災害発生地点と他の利用者端末との距離が5km以上10km以内である場合には、直ちに危険であるとは限らないため、後述する災害通知の出力(ステップS111)と併せて、「警戒して行動してください」という警告が表示される。ただし、災害の種類が洪水でない場合にも、災害の種類、及び/又は災害発生地点と他の利用者端末との距離に基づいて、適切な警告が表示されるようにしてもよい。
【0025】
なお、ステップS108において送信先として特定されなかった他の利用者も、専用のアプリケーションを通してサーバ装置1にアクセスすることで、ステップS107において更新された災害情報を、自身の利用者端末において表示することが可能である。
【0026】
ステップS109において他の利用者端末に送信された災害情報、及び該災害情報に対応した災害通知は、他の利用者の端末にて受信される(ステップS110)。そして、他の利用者の端末において、受信した災害通知が出力される(ステップS111)。他の利用者がステップS111において出力された災害通知を選択する(ステップS112)と、専用のアプリケーションプログラムが起動し、ステップS110において受信した災害情報を反映した現実世界の地図が、他の利用者の端末に表示され(ステップS113)、災害情報共有処理は終了する。
【0027】
ステップS111における災害通知の出力は、他の利用者が専用のアプリケーションプログラムを起動していなくてもなされることが好ましい。また、ステップS111における災害通知の出力は、テキストによりなされることとしてもよく、テキストと併せてサウンドによりなされることとしてもよく、画像によりなされることとしてもよい。このように、災害発生地点から所定の範囲内にある他の利用者端末に災害通知を送信し、出力することで、災害情報を知るべき利用者に対して、危険を知らせることができ、また、災害情報を容易に共有することができる。さらに、利用者が自ら災害情報を確認し続けなくとも危険を知ることが可能となる。
【0028】
図7は、本発明の実施の形態にかかる利用者端末の表示画面の一例を示す図である。ステップS113においては、ステップS110において受信した災害情報を反映した現実世界の地図が、他の利用者端末の表示画面39bに表示される。そして、現実世界の地図上の、災害発生地点に相当する位置には、災害情報アイコン54が表示される。例えば、図7では、駅53の付近の災害情報アイコン54a、及び川52の付近の災害情報アイコン54cの位置では、洪水が発生しており、川52の付近の災害情報アイコン54bの位置では、道路が通行不能になっていることが分かる。また、災害情報アイコン54が選択されることで、その災害情報アイコン54の災害発生地点の画像情報が表示される。例えば、図7では、駅53の付近の災害情報アイコン54aに係る画像情報55a、及び川52の付近の災害情報アイコン54bに係る画像情報55bが表示されている。
【0029】
このように、利用者Aの遭遇した災害に関する情報が、他の利用者の端末において現実世界の地図上で表示されることによって、災害発生時に災害に関する情報を容易に共有することが可能となる。
【0030】
また、災害情報として現実世界を撮影した画像情報を含むことによって、より詳細に災害の状況を把握することが可能となる。さらに、アプリケーション上で利用できる撮影機能を用いて撮影した画像情報がサーバ装置に送信されるため、撮影後に加工された画像情報が共有される可能性がなく、災害情報が信頼性の高いものとなる。
【0031】
また、画像情報には、GPSなどにより特定された撮影場所の位置情報、及び撮影時刻に関する情報が含まれることとしてもよい。画像情報に撮影場所の位置情報、及び撮影時刻に関する情報が含まれることで、利用者は、災害発生地点の正確な位置、及び正確な災害発生時刻を知ることが可能となる。
【0032】
さらに、災害情報は、洪水、浸水、火災、暴風、大雨、停電、道路の通行不能に関する情報を含んでもよい。災害情報として、洪水、浸水、火災、暴風、大雨、停電、道路の通行不能に関する情報を含むことで、同時に発生する可能性の高い災害情報を、一覧性の高い状態で共有することが可能となる。
【0033】
上記の災害情報共有処理により他の利用者と共有された災害情報は、利用者Aが災害情報解除処理を行うことによって、他の利用者端末において表示されない状態にすることができる。図8は、本発明の実施の形態にかかる災害情報共有システムにおける災害情報解除処理のフローチャートを表す図である。
【0034】
まず、利用者Aは、利用者Aの端末において専用のアプリケーションプログラムを起動し、利用者Aが入力した災害情報を選択する(ステップS201)。次に、利用者Aは、選択した災害情報に対する解除情報を入力する(ステップS202)。ステップS202において入力された解除情報は、利用者Aの端末からサーバ装置に送信される(ステップS203)。ステップS203において送信された解除情報は、サーバ装置にて受信される(ステップS204)。そして、サーバ装置において、災害情報の更新が行われ(ステップS205)、災害情報解除処理は終了する。
【0035】
ステップS205において災害情報の更新が行われると、専用のアプリケーションを通して他の利用者端末の表示画面に表示される現実世界の地図上に、ステップS202において入力された解除情報に対応する災害発生地点の災害情報アイコン54が、表示されない状態となる。このように、入力した災害情報を自身で解除することによって、災害による危険がなくなったことを、他の利用者と共有することが可能となる。
【0036】
また、災害情報の解除は、上述のように、災害情報を入力した者によりなされることとしてもよく、サーバ装置、及び/又は専用のアプリケーションの管理者によりなされることとしてもよく、災害情報が入力されてから所定の時間が経過したことにより自動でなされることとしてもよい。
【0037】
災害情報が解除されないままでは、災害の危険がまだ残っているのか、災害の危険は去ったのかが不明となる。そのため、上記のように災害情報の解除がなされることで、災害による危険がなくなったことを、利用者が共有することが可能となる。
【0038】
[移動体制御システム]
次に、移動体制御システムについて説明する。図9は、本発明の実施の形態にかかる移動体制御システムの構成を示すブロック図である。図示するように、移動体制御システムは、複数の利用者(利用者A、B・・・Z)によって操作される複数の利用者端末3(利用者端末3a、3b・・・3z)と、サーバ装置1と、通信ネットワーク2と、自動移動体4から構成される。利用者端末3、及び自動移動体4は、通信ネットワーク2を介してサーバ装置1と接続されている。なお、利用者端末3、及び自動移動体4は、サーバ装置1と常時接続されていなくてもよく、必要に応じて、接続が可能であればよい。
【0039】
サーバ装置1の構成は、図3のサーバ装置のブロック図に示されるものを必要な範囲で採用することができる。また、利用者端末3の構成は、図2の利用者端末のブロック図に示されるものを必要な範囲で採用することができる。自動移動体4は、公知のものを利用でき、人が搭乗することが可能なものでもよく、人が搭乗することが不可能なものでもよい。また、自動移動体4の形状は、地上を走行可能な車両タイプのものでもよく、上空を飛行可能な飛行体タイプのものでもよく、水上を移動可能な船舶タイプのものでもよく、水中を潜航可能な潜水艇タイプのものでもよい。
【0040】
図10は、本発明の実施の形態にかかる移動体制御システムにおける移動体制御処理のフローチャートを表す図である。まず、自動移動体において、出発地、及び目的地の情報が入力される(ステップS301)。次に、入力された出発地、及び目的地の情報が、自動移動体からサーバ装置に送信される(ステップS302)。そして、送信された出発地、及び目的地の情報が、サーバ装置に受信される(ステップS303)。サーバ装置において、受信された出発地及び目的地の情報、並びにステップS303の時点でサーバ装置に記憶されている災害情報に基づいて、移動経路が特定される(ステップS304)。そして、特定された移動経路の情報が、サーバ装置から自動移動体に送信される(ステップS305)。送信された移動経路の情報は、自動移動体に受信される(ステップS306)。そして、受信した移動経路に従って移動するよう、自動移動体の移動が制御される(ステップS307)。
【0041】
自動移動体4が目的地に到着した場合には、ステップS307の移動体の制御が終了するが、自動移動体4が目的地に到着するまでの間に、サーバ装置1において災害情報が更新された場合には、移動経路再特定処理が行われる。
【0042】
次に、移動経路再特定処理について説明する。サーバ装置において災害情報の更新が行われるまでの処理は、図4の災害情報表有処理の、ステップS101~ステップS107までの記載を必要な範囲で採用することができる。移動経路再特定処理においては、まず、サーバ装置において災害情報が更新されたか否かを判定する(ステップS308)。災害情報が更新された場合(ステップS308にてYes)には、ステップS304において特定された移動経路に、ステップS308にて更新された災害情報に対応する災害発生地点が含まれるか否かを判定する(ステップS309)。移動経路に災害発生地点が含まれると判定された場合(ステップS309にてYes)には、受信した出発地及び目的地、並びにステップS309の時点でサーバ装置に記憶されている災害情報に基づいて、移動経路が再特定される(ステップS310)。そして、再特定された移動経路の情報が、サーバ装置から自動移動体に送信される(ステップS311)。送信された移動経路の情報は、自動移動体に受信される(ステップS312)。そして、受信した移動経路に従って移動するよう、自動移動体の移動が制御される(ステップS313)。
【0043】
移動経路再特定処理において、災害情報が更新されていない場合(ステップS308にてNo)、及び移動経路に災害発生地点が含まれると判定されなかった場合(ステップS309にてNo)には、移動経路再特定処理は終了する。
【0044】
自動移動体4が目的地に到着した場合には、ステップS313の移動体の制御が終了するが、自動移動体4が目的地に到着するまでの間に、サーバ装置において災害情報が更新された場合には、再びステップS308~ステップS313までの移動経路再特定処理が行われる。すなわち、自動移動体4が目的地に到着するまでは、サーバ装置において災害情報が更新される度に、移動経路再特定処理が繰り返し行われる。また、移動経路再特定処理が二回以上行われる場合には、ステップS309において判定に用いられる移動経路は、該移動経路再特定処理が行われる直前に特定された移動経路となる。
【0045】
なお、ステップS304、及びステップS310における移動経路の特定は、公知の方法により行うことができるが、例えば、出発地から目的地の移動が最短距離であるか、経路上の道路が一方通行と双方向通行のいずれであるか、無料道路と有料道路のいずれであるかなどを基に、移動経路が特定される。
【0046】
自動移動体4が表示画面を備えている場合には、ステップS306、及び/又はステップS312において受信された移動経路の情報が、表示画面に表示されることとしてもよい。また、移動経路の情報と併せて、ステップS303、及び/又はステップS309の時点の災害情報が受信されることとしてもよい。図11は、本発明の実施の形態にかかる自動移動体の表示画面の一例を示す図である。表示画面5には、受信した災害情報を反映した現実世界の地図が表示される。また、現実世界の地図上に、受信した移動経路の情報が表示される。表示画面5には、ステップS301において入力された出発地が出発地アイコン56として、ステップS301において入力された目的地が目的地アイコン57として表示される。図11においては、入力された出発地から目的地までの最短経路は、移動経路58aとなる。しかし、移動経路58a上には、災害情報アイコン54b、及び災害情報アイコン54cがあることから分かるように、それぞれ道路の通行不能、及び洪水が発生している。そのため、ステップS304、及び/又はステップS310においては、災害情報アイコン54b、及び災害情報アイコン54cを含まない、移動経路58bが移動経路として特定される。
【0047】
ステップS304、及びステップS310においては、移動経路上に災害発生地点が含まれる場合に、災害発生地点が含まれないように移動経路が再特定される。移動経路上に災害発生地点が含まれる場合とは、移動経路上に災害発生地点が存在する場合であってもよく、移動経路が災害発生地点から周囲1kmに含まれる状態であってもよく、移動経路が災害発生地点から周囲5kmに含まれる場合であってもよく、移動経路が災害発生地点から周囲10kmに含まれる場合であってもよい。
【0048】
また、ステップS304においては、ステップS303の時点でサーバ装置に記憶されている災害情報は参照されず、受信した出発地及び目的地のみに基づいて移動経路が特定されることとしてもよい。
【0049】
なお、自動移動体は、事前に登録された識別番号を有することとしてもよい。その場合、ステップS302において、入力された出発地、及び目的地の情報とともに、自動移動体の識別番号がサーバ装置に送信されることとしてもよい。
【0050】
自動移動体は、周囲の災害の状況の判定ができないため、災害時に災害発生地点付近で移動できなくなる可能性が高い。そのため、自動移動体の移動制御を行う際に、災害情報に対応する位置が含まれないように移動経路を再特定することで、安全な移動経路を自動で生成することができ、自動移動体を安全に移動させることが容易となる。
【符号の説明】
【0051】
1 :サーバ装置
2 :通信ネットワーク
3 :利用者端末
4 :自動移動体
5 :表示画面
6 :災害通知警告内容マスタテーブル
11 :制御部
12 :RAM
13 :ストレージ部
14 :通信インタフェース
31 :制御部
32 :RAM
33 :ストレージ部
34 :グラフィック処理部
35 :通信インタフェース
36 :インタフェース部
37 :外部メモリ
38 :表示部
39 :表示画面
51 :道
52 :川
53 :駅
54 :災害情報アイコン
55 :画像情報
56 :出発地アイコン
57 :目的地アイコン
58 :移動経路
61 :距離
62 :警告内容
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11