(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06V 10/764 20220101AFI20240926BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240926BHJP
G08G 1/01 20060101ALI20240926BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240926BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G06V10/764
G06T7/00 650B
G06T7/00 350B
G08G1/01 A
H04N7/18 D
G08B25/00 510M
(21)【出願番号】P 2023108893
(22)【出願日】2023-06-30
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】519446001
【氏名又は名称】EDGEMATRIX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】有馬 久雄
【審査官】▲広▼島 明芳
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-054408(JP,A)
【文献】特開2016-021200(JP,A)
【文献】特開2020-140236(JP,A)
【文献】特開2021-190091(JP,A)
【文献】立川市オリジナルナンバープレート|立川市,2021年,https://www.city.tachikawa.lg.jp/kazei/kurashi/zekin/kejidosha/originalnumber.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06V 10/00 - 20/90
G06T 7/00 - 7/90
G08G 1/01
H04N 7/18
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付ける受付部と、
総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する推定部と、
前記推定部により、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する出力部と、
を備
え、
前記推定モデルは、文字認識ではなく、画像分類により推定するよう学習されたものである、コンピュータ。
【請求項2】
前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む前記教師データを用い、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを機械学習により生成するモデル生成部を更に備え、
前記教師データにおいて、前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像として、ナンバープレートの形状、ナンバープレートの色、ナンバープレートにおける各数字の大きさおよびナンバープレートにおけるひらがなまたはアルファベットの位置の少なくとも何れかに基づいて分類分けされたナンバープレートの画像が用いら
れ、
前記推定モデルは、文字認識ではなく、画像分類により推定するよう学習されたものである、請求項1記載のコンピュータ。
【請求項3】
前記教師データにおいて、前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像の種類として、六角形であるナンバープレート、白色または深緑色ではないナンバープレート、各数字の大きさが均一ではないナンバープレート、ひらがなまたはアルファベットが数字の左の位置にあるナンバープレートのうちの少なくとも複数の種類のものに分類分けされたナンバープレートの画像が用いられる、請求項2記載のコンピュータ。
【請求項4】
前記推定部は、前記推定モデルを用いて、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から前記受付部により受け付けられた対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれるか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定工程により対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれると判定された場合に、対象物の画像に含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定する第2判定工程とを実行することにより、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する、請求項1記載のコンピュータ。
【請求項5】
前記推定部において、前記第1判定工程により対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれると判定されたときに、前記第2判定工程において同一の対象物を含む複数の画像にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定し、
前記第2判定工程において複数の画像にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであると判定された場合に、前記出力部が警告信号を出力する、請求項4記載のコンピュータ。
【請求項6】
コンピュータを、受付手段と、推定手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付け、
前記推定手段は、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、前記受付手段により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定し、
前記出力手段は、前記推定手段により、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力
し、
前記推定モデルは、文字認識ではなく、画像分類により推定するよう学習されたものである、プログラム。
【請求項7】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付ける工程と、
前記制御部が、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する工程と、
前記制御部が、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する工程と、
を備
え、
前記推定モデルは、文字認識ではなく、画像分類により推定するよう学習されたものである、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物検知とナンバープレートの認識との少なくとも一方に基づいて、高速道路への侵入が禁止された対象物(例えば歩行者、自転車、小型バイク)や逆走する対象物等の誤進入を抑制するシステムとして、例えば特許文献1等に開示されるものが従来から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1等に開示される従来のシステムでは、高速道路への侵入が禁止されている総排気量が所定の値(具体的には、例えば125cc)以下である所定のバイク(具体的には、例えば原付バイク)を精度良く検出することができないという問題があった。
【0005】
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、総排気量が所定の値以下である所定のバイクを精度良く検出することができるコンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコンピュータは、
カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付ける受付部と、
総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する推定部と、
前記推定部により、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
本開示のコンピュータは、
前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む前記教師データを用い、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを機械学習により生成するモデル生成部を更に備え、
前記教師データにおいて、前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像として、ナンバープレートの形状、ナンバープレートの色、ナンバープレートにおける各数字の大きさおよびナンバープレートにおけるひらがなまたはアルファベットの位置の少なくとも何れかに基づいて分類分けされたナンバープレートの画像が用いられてもよい。
【0008】
本開示のコンピュータでは、
前記教師データにおいて、前記所定のバイクのナンバープレートを含む画像の種類として、六角形であるナンバープレート、白色または深緑色ではないナンバープレート、各数字の大きさが均一ではないナンバープレート、ひらがなまたはアルファベットが数字の左の位置にあるナンバープレートのうちの少なくとも複数の種類のものに分類分けされたナンバープレートの画像が用いられてもよい。
【0009】
本開示のコンピュータでは、
前記推定部は、前記推定モデルを用いて、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から前記受付部により受け付けられた対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれるか否かを判定する第1判定工程と、前記第1判定工程により対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれると判定された場合に、対象物の画像に含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定する第2判定工程とを実行することにより、前記受付部により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定してもよい。
【0010】
本開示のコンピュータでは、
前記推定部において、前記第1判定工程により対象物の画像にバイクのナンバープレートが含まれると判定されたときに、前記第2判定工程において同一の対象物を含む複数の画像にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定し、
前記第2判定工程において複数の画像にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが前記所定のバイクのナンバープレートであると判定された場合に、前記出力部が警告信号を出力してもよい。
【0011】
本開示のプログラムは、
コンピュータを、受付手段と、推定手段と、出力手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付け、
前記推定手段は、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、前記受付手段により受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定し、
前記出力手段は、前記推定手段により、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力することを特徴とする。
【0012】
本開示の情報処理方法は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、カメラを含む端末から送信された、前記カメラにより撮像された対象物の画像を受け付ける工程と、
前記制御部が、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、前記所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データを用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを用いて、受け付けられた対象物の画像から当該画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する工程と、
前記制御部が、画像に前記所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示のコンピュータ、プログラムおよび情報処理方法によれば、総排気量が所定の値以下である所定のバイクを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示に係る侵入禁止バイク検知システムの概略図である。
【
図2】
図1に示すコンピュータと端末の構成を概略的に示す概略構成図である。
【
図3】
図1に示すコンピュータにおいて制御部がプログラムを実行することにより行われる情報処理の流れを示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態において分類されたバイクのナンバープレートおよびその特徴の例を示す図である。
【
図5】本開示に係る情報処理方法による情報処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【
図6】画像分類用学習モデルを生成するために細分化された原付ナンバープレートの種類、他のバイクのナンバープレート、その他の画像の例を示す図である。
【
図7】本開示に係る情報処理方法による別の情報処理の流れを概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
従来から、高速道路のインターチェンジ(IC)において侵入禁止の排気量125cc以下のバイク(以下、原動機付自転車、原付ともいう)の進入時にアラートを通知して侵入を抑止したい要求があった。一日に何万台もの車両が高速道路のICを通過するが、このような各車両を100%に近い精度で素早く検知しなければならない。原付が検知されれば高速道路料金所の係員に通知されるが、誤検知が多いと料金所の運用に重大な支障が生じることとなる。人および自転車はAIで検知可能になったが、125cc以下のバイクの検知事例はなかった。この原因として、バイクの外観/形状からは排気量が125cc以下かどうかはディープラーニングを利用したAIでも正確に判定できないことが挙げられる。
【0016】
以上の課題に対し鋭意検討した結果、本発明者は総排気量125cc以下のバイクの判定のためにナンバープレートに着目した。四輪車や125cc以上のバイクのナンバープレートはフォーマットが定められているものの、原付のナンバープレートに関しては各自治体で決められており、多種多様な形状、サイズ、フォーマットが存在し、文字の並びも異なる。さらに、いわゆるご当地ナンバー等も非常に多い。そこで、本発明者は、入力を対象物の画像、出力を画像に原付のナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデルを、所定の教師データを用いて機械学習により生成し、この推定モデル(学習済モデル)を用いて対象物の画像に原付のナンバープレートが含まれるか否かを推定することを想到し、本発明を完成した。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本開示に係る侵入禁止バイク検知システムの概略図である。
図2は、
図1に示すコンピュータと端末の構成を概略的に示す概略構成図である。
図3は、
図1に示すコンピュータにおいて制御部がプログラムを実行することにより行われる情報処理の流れを示す図である。
【0018】
[侵入禁止バイク検知システム1]
図1に、本開示に係る侵入禁止バイク検知システム1を示す。侵入禁止バイク検知システム1は、総排気量125cc以下のバイク(のナンバープレート)を検知するものであり、高速道路のICや料金所の近くに設けることができる。
図1、2に示すように、侵入禁止バイク検知システム1は、コンピュータ2と、カメラ11を含む端末3とを有する。コンピュータ2と端末3は通信可能に接続している。カメラ11によって撮影された画像120または動画130に総排気量が所定の値以下である所定のバイクが含まれるか否かが、後述のコンピュータ2により推定される。本明細書において、「バイク」とは、いわゆる二輪自動車、単車、オートバイ等をいい、様々なタイプのものが含まれる。総排気量が125cc以下のバイクであれば、原動機付自転車であり、第一種原付や第二種原付を含む。なお、「車両」には、バイクの他、ナンバープレートを取り付ける義務のある車両、例えば普通自動車、小型自動車、軽自動車、大型特殊自動車等が含まれる。
【0019】
<コンピュータ2>
本開示のコンピュータ2の構成について
図2を用いて説明する。
図2は、本開示のコンピュータ2の構成を概略的に示す概略構成図である。本実施形態のコンピュータ2は産業用コンピュータ、タブレット端末等から構成されており、
図2に示すように、制御部20と、記憶部30と、通信部40と、表示部50と、操作部60とを備えている。
【0020】
制御部20は、CPU(中央演算処理装置)やGPU(画像処理装置)、AI推論装置等で構成され、コンピュータ2の動作を制御する。具体的には、制御部20は、後述する記憶部30に記憶されているプログラムを実行することにより、モデル生成手段22と、受付手段24と、推定手段26と、出力手段28として機能する。これらの各手段については後述する。
【0021】
記憶部30は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)などで構成されている。また、記憶部30はコンピュータ2に内蔵されるものに限定されることはなく、コンピュータ2に着脱自在に装着可能な記憶媒体(例えば、USBメモリ)等であってもよい。本実施の形態では、記憶部30は、制御部20により実行されるプログラム、推定モデル110等をそれぞれ記憶するようになっている。
【0022】
通信部40は、無線または有線により外部装置との信号の送受信を行うための通信インターフェースを含む。通信部40により制御部20は端末3と信号の送受信を行う。
【0023】
表示部50は例えばモニタ等であり、制御部20から表示指令信号を受け取ることにより様々な画面を表示する。操作部60は例えばキーボード等であり、制御部20に対して様々な指令を与えることができるようになっている。なお、本実施の形態では、これらの表示部50および操作部60が一体化したタッチパネル等の表示操作部が用いられてもよい。
【0024】
(制御部20の詳細)
(モデル生成手段22)
モデル生成手段22は、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用い、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を機械学習により生成する。このような機械学習としては、深層学習等の様々なものを用いることができる。
【0025】
教師データ100のうち、「(総排気量が所定の値以下である)所定のバイクのナンバープレートを含む画像」としては、例えば、総排気量が125cc以下である原付のナンバープレートを含む画像が挙げられ、この例としては、
図4(a)に示すようなナンバープレートを含む画像が挙げられる。なお、
図4は、本発明者が125cc以下のバイク(原付)のナンバープレートを判定すべく、125cc超/125cc以下の自動二輪車の種別を全国ネット収集や撮影を通して検討した結果分類した、バイクのナンバープレートの形状、文字の配置の例を示す図である。
【0026】
さらに、
図4に記載されているように、「所定のバイクのナンバープレートを含む画像」として、ナンバープレートの形状、ナンバープレートの色、ナンバープレートにおける各数字の大きさおよびナンバープレートにおけるひらがなまたはアルファベットの位置の少なくとも何れか(ナンバープレートの特徴)に基づいて分類分けされたナンバープレートの画像を用いることができる。より具体的には、「所定のバイクのナンバープレートを含む画像」の種類として、例えば、六角形であるナンバープレート、白色または深緑色ではないナンバープレート、各数字の大きさが均一ではないナンバープレート、ひらがなまたはアルファベットが数字の左の位置にあるナンバープレート、文字が紺色であるナンバープレート、背景が白/黄色/ピンク/水色であるナンバープレートのうちの少なくとも複数の種類のものに分類分けされたナンバープレートの画像を用いてもよい。
【0027】
教師データ100のうち、「所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像」としては、上記の例で言えば、総排気量が125cc以下ではない総排気量が125cc超であるバイクのナンバープレートを含む画像や、自動車のナンバープレートを含む画像等が挙げられる。また、「ナンバープレートを含まない画像を含む画像」としては、自転車や人の画像や、ナンバープレートの形状に類似した物体の画像(例えば、
図6(f)参照)等が挙げられる。
【0028】
教師データ100のうち、「画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報」とは、上記の例では、画像内の原付の有無をいう。
【0029】
(受付手段24)
受付手段24は、カメラを含む端末3から送信された、カメラにより撮像された対象物の画像120を受け付ける。また、受付手段24は、カメラにより撮像された対象物の動画を受け付けてもよく、コンピュータ2の復号部(不図示)によりこの動画を画像120に変換させることもできる(ビデオデコード)。
【0030】
(推定手段26)
推定手段26は、所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を用いて、受付手段24により受け付けられた対象物の画像120から画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する。また、後述するように、推定手段26は、推定モデル110を用いて、受付手段24により受け付けられた対象物の画像120から受付手段24により受け付けられた対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれるか否かを判定する第1判定工程と、第1判定工程により対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれると判定された場合に、対象物の画像120に含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定する第2判定工程とを実行することにより、受付手段24により受け付けられた対象物の画像120から画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定してもよい。この際に、推定手段26において、第1判定工程により対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれると判定されたときに、第2判定工程において同一の対象物を含む複数の画像120にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定してもよい。なお、用いられる推定モデル110は、モデル生成手段22で生成されたものに限られず、外部で生成された推定モデル110を用いてもよい。
【0031】
(出力手段28)
出力手段28は、推定手段26により画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する。出力手段28から出力される、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれているとの情報、すなわち、所定のバイクを検知したことを、表示部50や高速道路料金所等の端末に表示されてもよい。また、警告信号の出力の仕方として、音を出力したり、光を点滅させたりしてもよく、音と光が同時に出力されてもよい。
図1に示すように、侵入禁止バイク検知システム1の表示板に警告を表示させてもよい。
【0032】
図3に示すように、本実施の形態では、記憶部30に記憶されているプログラムを制御部20が実行してモデル生成手段22として機能することによりモデル生成部22aが構成される。また、記憶部30に記憶されているプログラムを制御部20が実行して受付手段24として機能することにより受付部24aが構成される。また、記憶部30に記憶されているプログラムを制御部20が実行して推定手段26として機能することにより推定部26aが構成される。また、記憶部30に記憶されているプログラムを制御部20が実行して出力手段28として機能することにより出力部32aが構成される。
【0033】
(端末3)
次に、端末3の構成について説明する。端末3は、例えば、高速道路のICを通過する車両を監視するものであり、
図2に示すように、カメラ11と、通信部12とを備えている。
【0034】
カメラ11は、バイクを含む車両の動画を撮像する。端末3に含まれるカメラ11には、車両などの対象物を撮像するオブジェクト検出用カメラおよびナンバープレート検知用カメラが含まれる。カメラ11としては、公知のものを用いることができる。カメラ11により撮像された車両の動画から各フレームの静止画像120が取得される。なお、夜間での撮影やナンバープレートに発生するハレーションを低減するために、カメラ11として赤外線カメラも併用することが好ましい。
【0035】
通信部12は、無線または有線により外部装置との信号の送受信を行うための通信インターフェースを含む。カメラ11により撮像された動画や静止画像120は通信部12によりコンピュータ2に送信されるようになっている。
【0036】
[情報処理方法1]
次に、このようなコンピュータ2(侵入禁止バイク検知システム1)による情報処理方法について
図5を用いて説明する。なお、以下に示す処理は記憶部30に記憶されているプログラムを制御部20が実行することにより行われる。
【0037】
まず、制御部20が、所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用い、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を機械学習により生成する(
図5、ステップS10)。
【0038】
次に、制御部20が、カメラ11を含む端末3から送信された、カメラ11により撮像された対象物の画像120を受け付ける(
図5、ステップS20)。
【0039】
次に、制御部20が、ステップS10で生成した推定モデル110を用いて、ステップS20で受け付けた画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する(
図5、ステップS30)。
【0040】
次に、制御部20によって、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に(
図5、ステップS40で「YES」)、警告信号を出力する(
図5、ステップS50)。
【0041】
他方、制御部20によって、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれないと推定された場合に(
図5、ステップS40で「NO」)、警告信号が出力されることなく、処理はステップS20に戻る。
【0042】
[情報処理方法2]
論理的には、撮影されたナンバープレートの文字を読み込み、上記のようなナンバープレートの種類に基づいて所定のバイクか否かの判定は可能である。しかしながら、一般にバイクのナンバープレートは小さいため、AIによる識別が難しい。ICではバイクは速く移動するため、ナンバープレートの読み取りに対して被写体ブレが生じやすい。走っているバイクの被写体ブレや夜間のテールランプのハレーション等によって、文字が不鮮明となることがあるため、ディープラーニングの物体検出では小さい物体の判別は困難を伴う。特に、ナンバープレートのひらがな部分は小さく読み込みを正確に行うことが困難である。従って、上記のようなルールベースの判定は困難を伴うこともあり得る。
【0043】
そこで、ナンバープレートを総合的に判断する方法として、文字ではなく深層学習による画像分類による方法を採用することにした。しかしながら、単純な2クラス分類では、ニューラルネットワークがどの特徴を学習するか制御するのが難しく、「1234」などの数字の並びが教師データ100として含まれていると、総排気量126以上のバイクのナンバープレートに「1234」が含まれている場合に原付ナンバープレートであると誤検知(過学習)される懸念もある。
【0044】
そこで、本発明者は、共通の特徴をそれぞれ有するサブクラスにナンバープレートの分類を細分化することにより細かい特徴量を抽出して、原付バイクをより精度よく検出できることを見出した。以下、このような本開示に係る情報処理方法2を説明する。
【0045】
具体的には、例えば、六角形のナンバープレート(
図6(a))、左側の数字が小さく右側の数字が大きいナンバープレート(
図6(b))、これら以外のナンバープレート(
図6(c))というサブクラスを設定し、これらのナンバープレートをそれぞれ含む画像を教師データ100として用いて、入力を対象物の画像、出力を画像に原付バイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を機械学習により生成することができる。また、
図6(a)~
図6(c)のようなプレートに関連して、被写体ブレが発生した画像、不鮮明画像、様々な角度から撮影された画像を追加学習させてもよい。上記に加えて、
図6(d)~
図6(f)のような、原付ナンバープレート以外の画像を追加学習させることで誤検知を軽減させることができる。
【0046】
その他にも、
図4に示すような125cc以下のバイクと125cc超のバイクの特徴を有するナンバープレートを追加学習させてもよい。例えば、原付ナンバープレートを含む画像の種類として、六角形であるナンバープレート、白色または深緑色ではないナンバープレート、各数字の大きさが均一ではないナンバープレート、ひらがなまたはアルファベットが数字の左の位置にあるナンバープレート、文字が紺色であるナンバープレート、背景が白/黄色/ピンク/水色であるナンバープレートのうちの少なくとも複数の種類のものに分類分けされたナンバープレートの画像を用いてもよい。
【0047】
以上のように、情報処理方法2によれば、例えば、原付ナンバープレートには左にひらがながあり(
図4(a)、
図6(c))、125cc超のバイクのナンバープレートには右上にひらがながある(
図4(b)、
図6(d))ことなどを学習させることが可能となる。また、数字の並びよりも六角形の特徴が重要であることや、文字の並びにおいて左が小さく右が大きいという特徴も優先度が高いことを学習させることができる。
【0048】
[情報処理方法3]
本開示に係る情報処理方法において、誤検出や誤判定を抑制するために、2段階の推論を行うこともできる。以下、この情報処理方法3を説明する。
図7に、情報処理方法3の処理フローを示す。
【0049】
まず、端末3により送信された動画130から複数の画像120を取得する(ビデオデコード。
図7、ステップS1)。
【0050】
次に、これらの画像120に対し、物体検出(1次推論、第1判定)を行い、車、バイクの車体、これら車体中のナンバープレートを判定する(
図7、ステップS2)。ここでは、制御部20(推定部26a)は、推定モデル110を用いて、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120から、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれるか否かを判定する(第1判定工程)。こうして、車(のナンバープレート)は除外して、バイクのナンバープレートのみを抽出し、以下のステップでバイクのナンバープレートだけを判定の対象にする。また、ナンバープレート以外(例えば、
図6(f)等)を誤検出した場合に所定のバイク(例えば、原付)と誤判定されることを抑制することができる。なお、推定モデル110は情報処理方法1または2で生成されたものでよい。物体検出AIとして、YOLO、SSDなどを用いることができる。
【0051】
次に、ステップS2でバイクのものと判定された、同一のナンバープレートを複数の画像120を用いて追跡する(トラッキング。
図7、ステップS3)。上述したように、バイクはICなどで速く動くので、ナンバープレートが不鮮明になることによる誤検知、誤判定を抑制するためである。このトラッキングにより、複数の画像から同一のバイクであるか否かを判定する。
【0052】
次に、画像分類(2次推論、第2判定)を行い、所定のバイクのナンバープレートか否かを判定する(
図7、ステップS4)。ここで、制御部20(推定部26a)は、上述の第1判定工程により対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれると判定された場合に、対象物(バイク)の画像120に含まれるナンバープレートが所定のナンバープレートであるか否かを判定する(第2判定工程)。
【0053】
誤検知抑制のため、この画像分類は複数回行われてよい。例えば、20fps程度のカメラで毎フレーム推論を行うと、結果がブレる場合があるためである。すなわち、この第2判定工程において同一の対象物を含む複数の画像120にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定してもよい。1秒間に10枚の画像が撮影される場合、連続した5フレームにおいて少なくとも3回所定のナンバープレートがあると判定されれば、画像120に所定のバイク(のナンバープレート)があると判断してよい。ステップS4で125cc以下の判定が数フレームであった場合にアラート発動させるために、誤検知フィルターを導入してもよい。
【0054】
ステップS4において画像120に所定のバイクのナンバープレートがあると判断されると、高速道路侵入禁止を警告するアラートが発せられる(
図7、ステップS5)。
【0055】
以上のような構成からなる本実施の形態のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法によれば、カメラ11を含む端末3から送信された、カメラ11により撮像された対象物の画像120を受け付ける受付部24aと、総排気量が所定の値以下である所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を用いて、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120から画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定する推定部26aと、推定部26aにより、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に、警告信号を出力する出力部28aと、が設けられている。
【0056】
本開示のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法によれば、総排気量が所定の値以下である所定のバイクを精度良く検出することができる。検知したい所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を導入することで、誤検知を軽減させることができる。
【0057】
また、本実施の形態のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法において、所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像を含む画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用い、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を機械学習により生成するモデル生成部22aを更に設けることができる。ここで、教師データ100において、所定のバイクのナンバープレートを含む画像として、ナンバープレートの形状、ナンバープレートの色、ナンバープレートにおける各数字の大きさおよびナンバープレートにおけるひらがなまたはアルファベットの位置の少なくとも何れかに基づいて分類分けされたナンバープレートの画像が用いられてもよい。このように、所定のバイクナンバープレートの特徴に基づいて、すなわち、ナンバープレートの形状、色、数字の大きさ、ひらがなまたはアルファベットの位置に基づいて画像分類を行うことにより、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かをより高精度に推定することができる。
【0058】
また、本実施の形態のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法においては、教師データ100において、所定のバイクのナンバープレートを含む画像の種類として、六角形であるナンバープレート、白色または深緑色ではないナンバープレート、各数字の大きさが均一ではないナンバープレート、ひらがなまたはアルファベットが数字の左の位置にあるナンバープレートのうちの少なくとも複数の種類のものに分類分けされたナンバープレートの画像が用いられてもよい。このように、所定のバイクが原付である場合、総排気量が125cc以下のバイクのナンバープレートには左にひらがながあり、125cc超のバイクのナンバープレートには右上にひらがなあるなど、上記した大きな特徴以外を学習させることが可能となる。また、数字の並びよりも六角形の特徴が重要であることや、文字の並びにおいて左が小さく右が大きいという特徴も優先度が高いことを学習させることもできる。
【0059】
また、本実施の形態のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法においては、推定部26aは、推定モデル110を用いて、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120から受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれるか否かを判定する第1判定工程と、第1判定工程により対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれると判定された場合に、対象物の画像120に含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定する第2判定工程とを実行することにより、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120から画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かを推定してもよい。このように、2段階の推論を行うことにより、誤検出や誤判定をさらに抑制することができる。
【0060】
また、本実施の形態のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法においては、推定部26aにおいて、第1判定工程により対象物の画像120にバイクのナンバープレートが含まれると判定されたときに、第2判定工程において同一の対象物を含む複数の画像120にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであるか否かを判定し、第2判定工程において複数の画像120にそれぞれ含まれるバイクのナンバープレートが所定のバイクのナンバープレートであると判定された場合に、出力部32aが警告信号を出力してもよい。こうして、検知精度を向上させることができる。
【0061】
なお、本開示によるコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様や組み合わせに限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0062】
例えば、推定モデル110を生成するための教師データ100の画像として、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像が用いられる例を説明したが、必要最小限の画像として
図4(a)に示すような所定のバイクのナンバープレートを含む画像のみを用いて推定モデルを生成することもできる。
【0063】
また、受付部24aにより受け付けられた対象物の画像120において、ナンバープレートがあるか否かを判定する領域(ROI:Region on Interest)を設定することもできる。この場合、端末3を設ける各拠点のカメラアングルに合わせて、ROIを画像120上に設定できる。この領域にある物体やナンバープレートを判定に用いることにより、カメラ11の画面からフェードアウトする車をバイクと誤認識してしまうことや、バイクが遠くフェードアウトするときにナンバープレートが小さくなり125cc以下の原付と誤判定してしまうことを抑制することができる。この結果、所定のバイクを判定する精度が改善される。
【0064】
更に、上記では、総排気量125cc以下のバイク(原付)のナンバープレートを検出することを目的とする例を説明したが、ナンバープレートを有するキックボード等を検出するために本開示のコンピュータ2、プログラムおよび情報処理方法を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 侵入禁止バイク検知システム
2 コンピュータ
3 端末
11 カメラ
12 通信部
20 制御部
22 モデル生成手段
24 受付手段
26 推定手段
28 出力手段
22a モデル生成部
24a 受付部
26a 推定部
28a 出力部
30 記憶部
40 通信部
50 表示部
60 操作部
100 教師データ
110 推定モデル
120 静止画像
130 動画
【要約】
【課題】総排気量が所定の値以下である所定のバイクを精度良く検出することができるコンピュータ、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】対象物の画像120を受け付ける受付部24aと、所定のバイクのナンバープレートを含む画像、所定のバイク以外の車両のナンバープレートを含む画像およびナンバープレートを含まない画像と、画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かという情報とを含む教師データ100を用いて機械学習により生成された、入力を対象物の画像、出力を画像に所定のバイクのナンバープレートが含まれるか否かとする推定モデル110を用いて、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれるかを推定する推定部26aと、画像120に所定のバイクのナンバープレートが含まれると推定された場合に警告信号を出力する出力部28aとが設けられている。
【選択図】
図3