(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】洗濯装置
(51)【国際特許分類】
D06F 33/32 20200101AFI20240926BHJP
D06F 33/37 20200101ALI20240926BHJP
D06F 33/57 20200101ALI20240926BHJP
D06F 39/02 20060101ALI20240926BHJP
D06F 33/52 20200101ALI20240926BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F33/37
D06F33/57
D06F39/02 Z
D06F33/52
(21)【出願番号】P 2024019041
(22)【出願日】2024-02-10
【審査請求日】2024-03-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】724001992
【氏名又は名称】宮石 博
(72)【発明者】
【氏名】宮石 博
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-137581(JP,A)
【文献】特開2004-195063(JP,A)
【文献】特開2011-024850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/32
D06F 33/37
D06F 33/57
D06F 39/02
D06F 33/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物量によって最適な洗濯水量を決定する手段と、洗剤の種類情報を受け取る手段と、洗剤の種類毎に定めた、最適洗濯水量に対する洗濯液生成工程水量の比率テーブルを備え、洗剤の種類に応じた洗濯液生成工程水量を決定することを特徴とした自動運転洗濯装置。
【請求項2】
洗剤の製品情報を入力するための外部情報の入力手段と、記憶手段を備えた請求項1に記載の洗濯装置。
【請求項3】
制御プログラムの書き換え或いはデータテーブルの書き換えや追加のための情報入力手段を備えた請求項2に記載の洗濯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2014-64791において、現在の一般的な洗濯装置の自動運転工程が開示されている。現在の一般的な洗濯装置は自動運転工程において、洗濯物量を検知して水量を決定する水量決定手段と水に洗剤を溶かして洗濯液を生成する洗濯液生成手段とを備え、洗い、濯ぎ、脱水工程を制御する制御プログラムで各工程を制御している。特開2014-210123において、洗濯液の電気伝導性を検出し、粉末洗剤であるか否かを判定し、粉末洗剤である時とそれ以外の洗剤の場合によって、洗濯液生成の工程の時間を変更することを特徴とした洗濯機が開示されている。特開2021-29614において、使用者が洗濯結果を評価することにより、洗濯機の既定の工程を、使用者の好みに応じたものに修正することができることを特徴とした洗濯機が開示されている。特開平6-225988において「低水位での洗剤溶解工程を含んだ自動運転の工程」が示されている。特開平4-338488において、洗濯物の量と洗濯物繊維の種類、洗濯物の汚れ具合、水温を洗濯機が自動で検出することにより、洗剤の種類と量を決定することを特徴とした洗濯機が開示されている。また、ボタン操作により洗剤の自動投入を可能とする技術思想と、「使用する洗濯材料の種類と投入のタイミングを決定する」旨が開示されている。特開昭59-108593において、「予浸工程で洗剤を溶かすために空気を送り込む全自動洗濯機」と「高濃度の洗濯液」が開示されている。特開平5-38393において、「排水手段を動作させないで洗剤溶かしコースを終了する洗剤溶解制御手段を備えたことを特徴とする洗濯機」が開示されている。実開平5-35082において、「粉末洗剤の種類を入力する入力手段と、入力された粉末洗剤が水に溶けにくいものであれば、すすぎの度合いを強くするよう制御する」旨が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-64791
【文献】特開2014-210123
【文献】特開2021-29614
【文献】特開平6-225988
【文献】特開平4-338488
【文献】特開昭59-108593
【文献】特開平5-38393
【文献】特実平5-35082
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの洗濯装置には使用する洗剤を伝える手段がなかった。そのため洗剤を水に溶かす、或いは希釈する洗濯液生成の工程、並びに本洗いの工程において一律の自動運転が採用されてきた。洗濯洗剤の種類としては粉末、固形、低濃度液体、高濃度液体、ジェル状、カプセル状がある。固形や粉末状の洗剤の場合は水に溶かす工程が重要であるので、もっとも水に溶けにくい粉末洗剤を使用することを前提とした、水量や時間の洗濯液生成の工程、並びに本洗いの工程が採用されてきた。一方、低濃度液体や高濃度液体、ジェル状の洗剤の場合はそもそも溶けた状態であるので、念入りに溶かす必要がない。カプセル状の洗剤は水溶性のフィルムで超高濃度洗剤を封入したものであるので、水に浸からないままだと洗剤が水に拡散しない。これまでの自動運転機能を備えた洗濯装置は、自動運転において検知した洗濯物量に最適な水量を決定しているにもかかわらず、粉末洗剤を溶かし、なおかつ短時間で洗濯を完了させるために、最適量となる前に洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させるので、洗濯液生成の工程で洗濯物を傷めやすいという問題があった。最適な水量の場合、洗濯物は傷みにくい。他方、液体洗剤においては洗剤を溶かす工程は粉末洗剤と比較すると重要度が低い。また、洗剤においては上記粉末洗剤と液体洗剤以外にも高濃度液体洗剤やジェル状洗剤が販売され始めている。これまでの洗濯機では粉末洗剤使用による溶け残り防止や時間短縮を優先させるものが多く、洗濯物が傷みやすくなっていた。低濃度の液体洗剤の場合は水に溶かす工程はなくても問題はないが、洗浄力において粉末洗剤や高濃度の液体洗剤に劣る。洗濯物量を検知し最適な水量を洗濯装置が表示した後、水量に応じて、利用者は洗剤メーカーの推奨する洗剤量を投入する。洗剤の価格は洗剤の種類によって異なるため、洗濯に要する洗剤のコストも異なる。また使用する洗剤の種類は利用者の好みや習慣によって千差万別である。汚れが強い場合とそうでない場合とで洗剤を使い分けることもある。洗剤の種類によって、もっとも適した自動運転の工程を採用する洗濯装置が求められてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の洗濯装置は、自動運転の際に、使用者が使用する洗剤の種類を入力する情報を受け取る手段と、洗剤の種類に応じた自動運転の工程を制御するプログラムを持ち、指定された洗剤の種類に応じた工程を採用することを特徴とする。尚、本発明でいう洗剤の種類とは、洗剤の状態と形状の組み合わせによって決まるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明による洗濯装置では、洗剤の種類を伝えられるので、自動運転において、洗濯における時間の短縮と汚れを落とす能力を担保しつつ、洗濯物を傷めにくくするという課題を解決することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による洗濯装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明請求項2の一実施形態による洗濯装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明請求項3の一実施形態による洗濯装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態による洗濯装置の運転工程を示す図である。
【
図5】洗剤の種類と、洗濯液生成工程における水量と時間、本洗い工程における水量と時間に関する制御値の例を示す図である。
【
図6】記憶部あるいはメモリに記憶されているデータテーブルの一部の例を示す図である。
【
図7】洗剤の種類と、洗濯液生成工程における水量と時間、本洗い工程における水量と時間に関する制御値の変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。
【0009】
本発明の一実施形態では、
図1の洗濯物重量算定部によって決定された本洗いの水量と、
図1の操作スイッチ或いは
図2の外部情報の入力ユニットによって使用者から与えられた洗剤の種類の情報によって、
図1の記憶部内にある
図5の制御値により洗濯液生成工程における水量と時間、本洗い工程における時間を決定し、
図4の自動運転の工程を行う。
【0010】
本発明の洗濯装置の構成を示すブロック図の例を
図1に示す。洗濯装置に使用する洗剤の種類を伝える手段を以下に説明する。洗剤の種類を伝える手段として筐体に、
図1にある操作スイッチを設ける。操作スイッチとしてはタッチパネルあるいはボタンを設ける。ボタンあるいはタッチパネルにある選択肢の例を次にあげる。粉末洗剤と液体洗剤の2つの選択肢を有する洗濯装置、粉末洗剤と低濃度液体洗剤、高濃度液体洗剤の3つの選択肢を有する洗濯装置、粉末洗剤と低濃度液体洗剤、高濃度液体洗剤、ジェル状洗剤の4つの選択肢を有する洗濯装置、粉末洗剤と低濃度液体洗剤、高濃度液体洗剤、ジェル状洗剤、カプセル状洗剤の5つの選択肢を有する洗濯装置、粉末洗剤と低濃度液体洗剤、高濃度液体洗剤、ジェル状洗剤、カプセル状洗剤、錠剤状洗剤の6つの選択肢を有する洗濯装置。この操作スイッチは洗剤の種類情報を入力する以外に、従来からある電源の入・切やモード選択、開始や一時停止ボタン等を含む。
【0011】
請求項2に記載した外部情報の入力ユニットは、洗剤容器に記載されているバーコードや二次元バーコードの読み取り装置をさす。入力ユニットに音声認識ユニットを加え音声による入力とするものであっても、入力ユニットに通信ユニットを加え通信端末による入力とするものであってもいい。請求項1の構成に外部情報の入力ユニットを加えた構成を
図2に示す。洗剤容器に記載されている製品番号をタッチパネルやボタンから入力する方法も可能である。粉末や液体といった、洗剤の種類ではなく、洗剤の製品番号そのものによって使用する洗剤の種類を伝える。この場合は洗剤メーカーが開示する、洗剤の製品番号と洗剤の種類を紐づけしたデータを、制御装置内の記憶部若しくはメモリに格納させる。そのデータテーブルの一部の例を
図6に示す。
【0012】
請求項2の構成に、制御プログラムの書き換え或いはデータテーブルの書き換えや追加のための情報入力手段を加えた構成を
図3に示す。洗濯装置の出荷後に新発売された洗剤に対応できるように、洗剤メーカーの情報をもとに、洗濯装置メーカーは、アフターサービスとして自動運転の工程を決定し、使用者に提供可能な環境を整えるのが好ましい。そのために、有線若しくは無線の通信ユニットを設けておく。通信ユニットを経由して制御プログラムの書き換え或いはデータテーブルの書き換えや追加を行う。請求項2の構成に通信ユニットを加えた構成を
図3に示す。制御装置のマイコンは書き換え可能なものが好ましいが、マイコンが書き換え不可能な場合は制御装置内に書き換え可能なメモリを設ける。
【0013】
本発明における自動運転を以下に説明する。洗剤の種類ごとの、洗濯液生成工程における水量とその時間、本洗い工程における水量とその時間の制御値の一例を
図5に示す。粉末洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では最適水量の50%の水量で2分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で5分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。低濃度洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の100%の水量で3秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で8分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。高濃度洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の85%の水量で30秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で6分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。カプセル状洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の65%の水量で45秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で7分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。
【0014】
現在の洗濯装置の自動運転に関しては、「念入りに洗う」や「急いで洗う」などのモードを選択できるものが一般的である。請求項1の「工程を採用する」とは、使用者に伝えられた洗剤の種類に関する情報を基に、最適な、洗濯液生成工程における水量とその時間、本洗いの水量とその時間を決定した工程を採用することであって、モードの選択ではない。ただし、モードを選択した後に洗剤の種類を伝えるので、同じ種類の洗剤であっても、モード毎に洗濯液生成工程における水量とその時間、本洗い工程における水量とその時間の関係は異なる。
【0015】
本発明における自動運転の工程について説明する。自動運転の工程を
図4に示す。
従来の洗濯装置では、スイッチを入れることで電源を入れ、洗濯槽に洗濯物を投入し、全自動運転として、通常洗濯や念入り洗濯、おいそぎ洗濯等のモードを選択後、運転開始ボタンを押すことで、水の投入前に洗濯槽やパルセーターを回転させ、洗濯物量を検知した後、最適な水の量を表示する。利用者はその表示内容に基づき最適の量の洗剤を投入する。洗濯装置は水の量を表示した後、給水を開始して洗いと濯ぎと脱水の工程に入る。本発明による洗濯装置の場合は、電源を入れ、洗濯槽に洗濯物を投入し、全自動運転として、通常洗濯や念入り洗濯、おいそぎ洗濯等のモードを選択後、運転開始ボタンを押すことで、給水前に洗濯槽やパルセーターを回転させ、洗濯物量を検知した後、最適な水の量を表示する。利用者はここで使用する洗剤の種類を洗濯装置に伝える操作を行い、その後、洗剤を投入する。蓋を閉じると給水を開始する。そして洗いと濯ぎと脱水の工程に入る。利用者が洗剤の洗剤の種類を選択しないまま上蓋を閉じた場合は、洗剤の種類の選択がなされていないことを音や表示で伝える等して、上蓋が再びあけられないまま、一定時間が過ぎると、予め設定されている「いつも使う洗剤」が選択されたものとして自動運転の工程を採用するように「いつも使う洗剤の種類」の登録とそれを優先させることができるようにすればさらにいい。もちろん、洗濯物の傷みやすさの低減を優先するモード、例えば、「やさしいモード」といった名称でタッチパネルと表示器を使って、洗剤の種類を伝えられる機能を従来からある洗濯装置に搭載させるのも、本発明の実施形態のひとつである。
【実施例1】
【0016】
本発明による洗濯装置での、洗剤の種類ごとの、洗濯液生成工程における水量とその時間、本洗い工程における水量とその時間を以下に示す。粉末洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では最適水量の50%の水量で2分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で5分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。低濃度洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の100%の水量で3秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で8分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。高濃度洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の85%の水量で30秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で6分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。カプセル状洗剤が使用者により伝えられた時、洗濯液生成工程では、最適水量の65%の水量で45秒間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。本洗いでは、最適水量の100%の水量で7分間モーターを駆動させ、洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させる。
【付記】
【0017】
洗剤の種類と、洗濯液生成工程における水量と時間と、洗濯物の傷みに関して実施した試験とその結果は以下の通りである。
試験1から試験8は、
洗濯液生成の工程で、
本洗いの最適水量の50%で、
洗濯物がどれだけ痛むかを比較するために、
それぞれの種類の洗剤を使って、100回分を想定して実施したものである。
試験9から試験12は、
試験1から試験8の結果を踏まえ、
洗剤の種類ごとに、
洗濯液生成の工程における、
理想的な水位と時間の仮説を立て、
それに基づき実施し、洗濯物の傷み具合を見たものである。
洗剤の種類と、洗濯液生成工程における水量と時間と、本洗い工程の水量と時間、
水量と洗濯物の傷み具合に関する試験とその結果は以下の通りである。
下記は全て縦型洗濯機であるハイアール社製のAQW-P70Aで実施した。
それぞれ、綿100%で乾燥時300gの未使用のバスタオル20枚を準備し、10cm四方の正方形となるよう、それぞれをハサミで裁断したものを試験用サンプルとした。
洗濯物量の検知によると55リットルが最適な水量となった。
AQW-P70Aの標準コースで洗濯液生成の工程は約30リットルの水量で2分間の運転であることを確認した。
各試験を終えた後、水量を55リットルに設定し、標準コースで1度行い、籠に入れて乾燥するのを待って傷み具合を観察した。
試験1.
水量を55リットルに設定し、水が55リットルに達してから、低濃度液体洗剤の花王社製のアタック高浸透バイオジェル49gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験2.
水量を30リットルに設定し、水が30リットルに達してから、低濃度液体洗剤の花王社製のアタック高浸透バイオジェル49gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物は激しく傷んでいた。
試験3.
水量を55リットルに設定し、水が55リットルに達してから高濃度液体洗剤のライオン社製のsuperNANOX20gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験4.
水量を30リットルに設定し、水が30リットルに達してから高濃度液体洗剤のライオン社製のsuperNANOX20gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物は激しく傷んでいた。
試験5.
水量を55リットルに設定し、水が55リットルに達してからカプセル状洗剤のP&G社製のアリエールスポーツ1粒を投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験6.
水量を30リットルに設定し、水が30リットルに達してからカプセル状洗剤のP&G社製のアリエールスポーツ1粒を投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物は激しく傷んでいた。
試験7.
水量を55リットルに設定し、水が55リットルに達してから花王社製のアタック 高活性バイオパワー 粉末36gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験8.
水量を30リットルに設定し、水が30リットルに達してから花王社製のアタック 高活性バイオパワー 粉末36gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで12000秒間、運転させた。洗濯物は激しく傷んでいた。
試験9.
水量を55リットルに設定し、水が55リットルに達してから低濃度液体洗剤の花王社製のアタック高浸透バイオジェル49gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで300秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験10.
水量を41リットルに設定し、水が41リットルに達してからカプセル状洗剤のP&G社製のアリエールスポーツ1粒を投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで4500秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験11.
水量を48リットルに設定し、水が48リットルに達してから高濃度液体洗剤のライオン社製のsuperNANOX20gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで3000秒間、運転させた。洗濯物の傷みはなかった。
試験12.
水量30リットルに設定し、水が30リットルに達してから花王社製のアタック 高活性バイオパワー 粉末36gを投入後、上記サンプルを投入し、洗いモードで6000秒回転させた。僅かに洗濯物の傷みが見られた。
図5の変形例として、
洗剤の種類ごとの、
洗濯液生工程における水量とその時間、
本洗い工程における水量とその時間の関係を示す。
変形例1.
洗濯物量によって決定された本洗いの最適水量をxリットルとした時、
粉末洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの65%、時間を3分間、本洗いの時間を10分間、
低濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの100%、時間を5秒間、本洗いの時間を10分間、
高濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの90%、時間を50秒間、本洗いの時間を10分間、
カプセル状洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの90%、時間を1分間、本洗いの時間を10分間とする制御値。
洗濯物量によって決定された本洗いの最適水量をxリットルとした時、
粉末洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの50%、時間を1分間、本洗いの時間を5分間、
低濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの100%、時間を0秒間、本洗いの時間を5分間、
高濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの85%、時間を15秒間、本洗いの時間を5分間、
カプセル状洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの65%、時間を30秒間、本洗いの時間を5分間とする制御値。
洗濯物量によって決定された本洗いの最適水量をxリットルとした時、
粉末洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの50%、時間を30秒間、本洗いの時間を6分間、
低濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの90%、時間を0秒間、本洗いの時間を6分間、
高濃度液体洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの50%、時間を5秒間、本洗いの時間を6分間、
カプセル状洗剤が入力された場合、洗濯液生成工程の水量xの50%、時間を10秒間、本洗いの時間を6分間とする制御値。
【要約】
【課題】洗濯装置の自動運転において、洗濯物量を検知し最適な水量を決定しているにもかかわらず、洗濯液生成の工程において、最適な水量となる前に洗濯槽やパルセーター、ドラムを回転させるため、洗濯物を傷めやすいという問題があった。
【解決手段】使用者が伝える洗剤の種類情報を受け取る手段を設け、洗剤の種類に応じた自動運転の制御プログラムを有し、洗剤の種類にもっとも適した自動運転の工程を採用することで、洗浄能力を担保しつつ、洗濯物の痛みやすさを低減する、バランスのよい自動運転を可能にする洗濯装置を提供する。
【選択図】
図1