(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】入替手順シートセット
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
A63F7/02 330
(21)【出願番号】P 2024078563
(22)【出願日】2024-05-14
【審査請求日】2024-05-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520404182
【氏名又は名称】株式会社入替屋
(74)【代理人】
【識別番号】100206678
【氏名又は名称】谷口 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100192795
【氏名又は名称】小牧 哲也
(72)【発明者】
【氏名】羽中田 まや
【審査官】堀 圭史
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-031709(JP,A)
【文献】特開2018-086164(JP,A)
【文献】特開2024-010976(JP,A)
【文献】特開2020-137921(JP,A)
【文献】特開2012-075461(JP,A)
【文献】特開2011-024947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機が設置される設置個所の全てに互いに異なる設置識別子が割り振られた遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、
前記入替手順シートは、遊技機に配置されるよう構成されており、
前記入替手順シートは、遊技機の帰趨と、次に作業を行う対象となる前記設置識別子と、が記載されている
いることを特徴とする入替手順シートセット。
【請求項2】
遊技機が設置される設置個所の全てに互いに異なる設置識別子が割り振られた遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、
前記入替手順シートは、遊技機に配置されるよう構成されており、
前記入替手順シートは、遊技機の帰趨と、入替作業の順序を示す順序識別子と、が記載されている
ことを特徴とする入替手順シートセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の入替えを支援する入替手順シートセットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技場(遊技ホール)には多くの遊技機が設置されており、所定の周期で、島設備(以後、「島」と称する)のぞれぞれの設置個所に設置されている既存の遊技機のうち、撤去対象となる遊技機(撤去台)を島設備から撤去し、新たに導入される遊技機である新台を設置する入替作業が行われる。この入替作業においては、撤去台を撤去して島設備を空け、この空いた島設備に新台を設置するのみならず、既存の遊技機の設置個所の変更といった既存の遊技機の台移動(この移動対象となる遊技機を「移動台」という)も行われることがある。このよう、入替作業に際して、入替手順が煩雑化するため、その入替手順を支援すべく、特許文献1に示す入替支援装置が知られている。
この入替支援装置においては、新台、移動台、撤去台のそれぞれのユニークな識別子を付した上で、これらの識別子と、島のそれぞれの設置個所に付与された識別子である所謂台番とにより、各台番にどの遊技機(新台、移動台、撤去台)が存在するのかを特定する。その後、入替支援装置は、どの台番の遊技機(撤去台)を撤去するのか、どの台番に新台を設置するのか、どの台番の遊技機をどこの台番に移動するのかを所定のプログラムによって作成された入替手順を作成するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の入替支援装置によって入替手順を作成することができても、実際の現場では、作業者がどの遊技機をどの順番でどのように移動させるべきかを把握するのが困難となるという問題がある。
【0005】
本発明は、遊技機の入替を容易にすることができる入替支援シートセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するための解決手段として、
本発明の入替手順シートセットは、
遊技機が設置される設置個所の全てに互いに異なる設置識別子が割り振られた遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、
前記入替手順シートは、遊技機に配置されるよう構成されており、
前記入替手順シートは、遊技機の帰趨と、次に作業を行う対象となる前記設置識別子と、が記載されている
いることを特徴とする入替手順シートセットである。
【0007】
また、本発明の入替手順シートセットは、
遊技機が設置される設置個所の全てに互いに異なる設置識別子が割り振られた遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、
前記入替手順シートは、遊技機に配置されるよう構成されており、
前記入替手順シートは、遊技機の帰趨と、入替作業の順序を示す順序識別子と、が記載されている
ことを特徴とする入替手順シートセットである。
【0008】
また、本発明の入替手順シートセットは、
互いに異なる設置識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、
前記入替手順シートは、遊技機に配置されるよう構成されており、
前記入替手順シートは、前記設置個所以外に仮に置かれる遊技機である仮置き台に配置される仮置きシートを備え、
前記仮置きシートには、仮置き台である旨と、前記仮置き台が設置されている設置箇所の識別子が記載されている
ことを特徴とする入替手順シートセットである。
【0009】
また、前記仮置きシートには、前記仮置き台が仮に置かれる個所が記載されているようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の入替手順シートセットは、
互いに異なる識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する入替手順シートセットであって、
撤去される遊技機である撤去台に配置される撤去シートと、
移動対象となる遊技機である移動台に配置される移動シートと、
を備え、
前記撤去シートには、撤去台である旨と、前記撤去台が設置されている設置個所の識別子と、が記載されており、
前記移動シートには、移動台である旨と、前記移動台が設置されている設置箇所の識別子と、前記移動台の移動先の設置個所の識別子と、が記載されている
ことを特徴とする入替手順シートセットである。
【0011】
また、本発明の入替手順シートセットは、
互いに異なる識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する入替手順シートセットであって、
撤去される遊技機である撤去台に配置される撤去シートと、
新規に設置される遊技機である新台に配置される新台シートと、
移動対象となる遊技機である移動台に配置される移動シートと、
を備え、
前記撤去シートには、撤去台である旨と、前記撤去台が設置されている設置個所の識別子と、が記載されており、
前記新台シートには、新台である旨と、前記新台の設置個所の識別子と、が記載されており、
前記移動シートには、移動台である旨と、前記移動台が設置されている設置箇所の識別子と、前記移動台の移動先の設置個所の識別子と、が記載されている
ことを特徴とする入替手順シートセットである。
【0012】
また、本発明に係る入替手順シートセットは、
前記撤去シートの少なくとも一部には、第一色が着色されており、
前記新台シートの少なくとも一部には、第二色が着色されており、
前記移動シートの少なくとも一部には、第三色が着色されており、
前記第一色乃至第三色は互いに異なる色であるようにしても良い。
【0013】
また、本発明に係る入替手順シートセットは、
設置個所以外に仮に置かれる遊技機である仮置き台に配置される仮置きシートを備え、
前記仮置きシートには、仮置き台である旨と、前記仮置き台が設置されている設置箇所の識別子と、前記移動台の移動先の設置個所の識別子と、が記載されているようにしても良い。
【0014】
また、本発明に係る入替手順シートセットは、
設置個所以外に仮に置かれる遊技機である仮置き台に配置される仮置きシートを備え、
前記仮置きシートには、仮置き台である旨と、前記仮置き台が設置されている設置箇所の識別子と、前記移動台の移動先の設置個所の識別子と、が記載されており、
前記仮置きシートの少なくとも一部には、前記第一色乃至第三色とは異なる第4色が着色されているようにしても良い。
【0015】
また、本発明に係る入替手順シートセットは、
前記移動シートには、他の移動台に対する移動の優先順位が記載されているようにしても良い。
【0016】
また、本発明は、
互いに異なる識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業を支援するための入替支援装置であって、
入替作業前に、移動対象となる遊技機が設置されている設置個所の識別子を移動対象識別子としてリストアップしたデータである入替前データと、
入替作業後に、前記移動対象識別子に係る設置個所に設置されていた遊技機が最終的に設置される設置個所の識別子を、当該移動対象識別子に対応した移動後識別子としてリストアップしたデータである入替後データと、
撤去される遊技機である撤去台が設置されている設置個所の識別子を撤去識別子としてリストアップしたデータである撤去データと、
新規に設置される遊技機である新台の設置個所の識別子を新規識別子としてリストアップしたデータである新規データと
を有し、
前記新規データの或る新規識別子に係る設置個所に、前記新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行するよう構成されており、
前記撤去データの或る撤去識別子に係る設置個所から前記撤去台を撤去することを示す撤去手順を生成する撤去生成処理を実行するよう構成されており、
前記撤去データの或る撤去識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第一抽出識別子とすることで、当該第一抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記或る撤去識別子に係る設置個所に設置することを示す撤去入替手順を生成する撤去入替処理を実行するよう構成されており、
前記第一抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第二抽出識別子とすることで、当該第二抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記第一抽出識別子に係る設置個所に設置することを示す移動入替手順を生成する移動入替処理を実行するよう構成されており、
前記第二抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、前記移動入替処理と同一の処理を繰り返す繰返処理を実行するよう構成されている
ことを特徴とする入替支援装置であっても良い。
【0017】
また、本発明に係る入替支援装置は、
設置個所以外に仮に置かれる遊技機が設置されている設置個所に係る識別子を仮置き識別子としてリストアップしたデータである仮置きデータを有し、
前記仮置きデータに係る仮置き識別子に設置されている遊技機を、一旦別の箇所に仮に置くことを示す仮置き手順を生成する仮置き処理を実行するよう構成されているようにしても良い。
【0018】
また、本発明に係る入替支援装置は、
前記繰り返し処理は、所定回数だけ実行されるよう構成されており、
前記繰り返し処理の処理回数が前記所定回数に到達すると、前記所定回数における前記第二抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記仮置き識別子とする変換処理を実行するよう構成されており、
前記仮置き処理は、前記変換処理に係る前記仮置き識別子に対して前記仮置き処理を実行するよう構成されており、
前記移動入替処理は、前記変換処理に係る前記仮置き識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第二抽出識別子とすることで、当該第二抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記第一抽出識別子に係る設置個所に設置することを示す移動入替手順を生成するよう構成されているようにしても良い。
【0019】
また、本発明に係る入替支援装置は、
或る前記仮置き識別子と或る前記新規識別子とは同一となるよう構成されているようにしても良い。
【0020】
また、本発明に係る入替支援装置は、
前記入替前データ、前記入替後データ、前記撤去データおよび前記新規データから、入替作業後に遊技機が設置されない設置個所である入替後非設置識別子、または入替前に遊技機が設置されていないものの入替後に遊技機が設置される設置個所の入替後設置識別子を抽出可能に構成されており、
前記入替後非設置識別子がある状況下においては、前記入替後非設置識別子に係る設置個所に遊技機を設置しないことを示す入替後非設置手順を生成するよう構成されており、
前記入替後設置識別子がある状況下においては、前記入替後設置識別子に係る設置個所に遊技機を設置することを示す入替後設置手順を生成するよう構成されているようにしても良い。
【0021】
また、本発明は、
互いに異なる識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業を支援するための入替支援装置のコンピュータによって実行される入替支援方法であって、
前記コンピュータが実行する、
入替作業前に、移動対象となる遊技機が設置されている設置個所の識別子を移動対象識別子としてリストアップしたデータである入替前データを受け付けるステップと、
入替作業後に、前記移動対象識別子に係る設置個所に設置されていた遊技機が最終的に設置される設置個所の識別子を、当該移動対象識別子に対応した移動後識別子としてリストアップしたデータである入替後データを受け付けるステップと、
撤去される遊技機である撤去台が設置されている設置個所の識別子を撤去識別子としてリストアップしたデータである撤去データを受け付けるステップと、
新規に設置される遊技機である新台の設置個所の識別子を新規識別子としてリストアップしたデータである新規データを受け付けるステップと、
前記新規データの或る新規識別子に係る設置個所に、前記新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行するステップと、
前記撤去データの或る撤去識別子に係る設置個所から前記撤去台を撤去することを示す撤去手順を生成する撤去生成処理を実行するステップと、
前記撤去データの或る撤去識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第一抽出識別子とすることで、当該第一抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記或る撤去識別子に係る設置個所に設置することを示す撤去入替手順を生成する撤去入替処理を実行するステップと、
前記第一抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第二抽出識別子とすることで、当該第二抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記第一抽出識別子に係る設置個所に設置することを示す移動入替手順を生成する移動入替処理を実行するステップと、
前記第二抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、前記移動入替処理と同一の処理を繰り返す繰返処理を実行するステップと、
を備えている入替支援方法であってもよい。
【0022】
また、本発明は、
互いに異なる識別子が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業を支援するための入替支援装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
入替作業前に、移動対象となる遊技機が設置されている設置個所の識別子を移動対象識別子としてリストアップしたデータである入替前データを受け付けるステップと、
入替作業後に、前記移動対象識別子に係る設置個所に設置されていた遊技機が最終的に設置される設置個所の識別子を、当該移動対象識別子に対応した移動後識別子としてリストアップしたデータである入替後データを受け付けるステップと、
撤去される遊技機である撤去台が設置されている設置個所の識別子を撤去識別子としてリストアップしたデータである撤去データを受け付けるステップと、
新規に設置される遊技機である新台の設置個所の識別子を新規識別子としてリストアップしたデータである新規データを受け付けるステップと、
前記新規データの或る新規識別子に係る設置個所に、前記新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行するステップと、
前記撤去データの或る撤去識別子に係る設置個所から前記撤去台を撤去することを示す撤去手順を生成する撤去生成処理を実行するステップと、
前記撤去データの或る撤去識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第一抽出識別子とすることで、当該第一抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記或る撤去識別子に係る設置個所に設置することを示す撤去入替手順を生成する撤去入替処理を実行するステップと、
前記第一抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、当該移動後識別子に対応した移動対象識別子を前記入替前データから抽出した第二抽出識別子とすることで、当該第二抽出識別子に係る設置個所に設置されている遊技機を前記第一抽出識別子に係る設置個所に設置することを示す移動入替手順を生成する移動入替処理を実行するステップと、
前記第二抽出識別子と同一の移動後識別子が前記入替後データにある場合には、前記移動入替処理と同一の処理を繰り返す繰返処理を実行するステップと、
を実行させるプログラムであってもよい。
【発明の効果】
【0023】
遊技機の入替を容易にすることができる入替作業シートセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態に係る入替支援装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】
図1に係る入替支援装置の電気的構成を概略的に示す図である。
【
図3】入替支援装置によって生成された島図データを示す平面図である。
【
図4】入替支援装置によって生成された入替指示書を示す図である。
【
図6】入替支援装置の制御部による処理のメインルーチンを説明するフロー図である。
【
図7】入替支援装置の制御部による処理のサブルーチンを説明するフロー図である。
【
図8】入替支援装置の制御部による処理のサブルーチンを説明するフロー図である。
【
図9】入替前後の島の島図を簡略的に示したイメージ図である。
【
図10】入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【
図11】入替指示書に沿った入替作業を説明するための図である。
【
図12】入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【
図13】入替指示書に沿った入替作業を説明するための図である。
【
図14】入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【
図15】入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【
図16】入替前後の島の島図を簡略的に示す図である。
【
図17】入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【
図18】変形例に係る入替手順シートを示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る入替支援装置の外観を示す斜視図である。
図1に示す入替支援装置100は、パチンコ機やスロットマシン等の遊技機が多数設置されている遊技場において、これらの遊技機の入替作業の支援を行うためのものである。遊技場においては、島に設けられた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されており、それぞれの設置個所には、これらを識別するために、例えば、
図3に示すように、1番から520番までの互いに異なる台番(識別子、設置識別子)が付されている。この島のそれぞれの設置個所に設置されている遊技機のうち、例えば、5台の遊技機を撤去し(以後、撤去される遊技機を「撤去台」と称する)、この撤去に伴って空いた設置個所に新たに導入される遊技機(以後、「新台」と称する)をそのまま入れるという単純な入替作業であれば、入替作業は煩雑とはならない。しかしながら、実際は、撤去台を撤去した後、既存の遊技機の設置個所の変更等も発生することが多く、この場合、入替手順が煩雑なものとなる。入替支援装置100は、遊技場からの入替作業前のデータや入替後のデータ等に基づいて、上記煩雑となりがちな入替手順を生成することによって、遊技場における入替作業の支援を行うものである。
【0026】
図2は、
図1に係る入替支援装置の電気的構成を概略的に示す図である。
図1および
図2に示すように、入替支援装置100は、ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、スマートフォン、タブレット等といった汎用のコンピュータによって構成されており(
図1においては、一例として、ノート型パソコンを図示している)、例えば、遊技機の入替作業の支援を行う支援者によって管理されている。。
【0027】
入替支援装置100は、概して、外部からの操作入力を行うキーボード等の操作部110と、演算を行う演算装置であるCPU等により構成され操作部110からの操作入力等を受けて後述する各種制御(各種処理)を行うCPU等の制御部120と、制御部120の制御により島図データ(
図3参照)や入替指示書(
図4参照)等を表示する表示部130と、制御部120の制御により上記島図データや指示書等をプリンタ等の印刷装置といった外部機器に出力させるための出力部140とを備えている。
【0028】
入替支援装置100は、上記制御部120の他、制御部120が各種処理を実行するためのプログラムやデータ等が記憶されているROM(図示せず)、制御部120が各種処理を行うために必要なワーク領域を提供するRAM(図示せず)、制御部120やRAM等と外部との間でデータのやり取りを行うためのインターフェイス(図示せず)を有しており、これらはバスによって相互に接続されている。また、このバスには上述の表示部130や出力部140等が接続されている。
【0029】
制御部120は、例えば、ROMやRAMに記憶されたコンピュータプログラム(以後、単に「プログラムと」称する)によって各種処理を実行する。このプログラムは、入替支援装置100にプリインストールされてたものであっても良いし、事後的に、インターネット等のネットワークを介したダウンロード或いはUSBといったメモリーカード等の記録媒体によってインストールされた者であっても良いことは言うまでもない。
【0030】
次に、入替支援装置100の各種制御等を説明するが、その説明に先立ち、入替支援装置100によって生成された入替手順に基づいた入替作業について説明する。
【0031】
図3は、入替支援装置100によって生成された島図データを示す平面図であり、
図4は入替支援装置100によって生成された入替指示書を示す図である。
図3に示すように、島図データには、その遊技場の島の配置を俯瞰して見た状態で表されている。
図3において、例えば、枠内に記載されている「87」という数字は台番を示し、この87番の枠の横に記載されている「126」という数字は、126番に設置されている遊技機を87番に設置する(126番の遊技機を、87番に移動する)という意味である。また、例えば、枠内に記載されている140番の横に記載されている「新」は、この140番に新台を設置するという意味である。さらに、
図3において複数記載されている「仮置き場」とは、島の設置個所に配置されている遊技機を、一旦、仮に置いておく場所(この仮に置かれる遊技機を「仮置き台」と称する)を意味する。
【0032】
図4に示すように、入替指示書は、後述するモード1での入替手順を示したものである。
図4において、最も左の列に記載されている「撤」は、撤去される台番を示し、「1」~「6」の数字は、「STEP1」~「STEP6」の意味であって遊技機の移動手順(移動順序)を示し、「仮」は、仮置き場に置かれる仮置き台が設置されている台番を示す。また、「撤」、「1」、「2」・・・「仮」の横にあるかっこ書の「赤色」、「緑色」、「黄色」・・・「桃色」は、「撤」の列の背景色が赤色、「1」の列の背景色が緑色、「2」の列の背景色が「黄色」、・・・「仮」の列の背景色が桃色であることを示す。これについては、例えば、
図3の「87」の枠の背景色は赤色、「126」の枠の背景色は緑色、「226」の枠の背景色が黄色、・・・「136」の背景色が「桃色」というように、
図3にも同様に適用されている。
図4における入替指示書は、「撤」→「仮」→「1」→「2」・・・「6」の順に入替作業が行われることを示している。また、
図4の上段の欄において、「87」、「126」←「136」と記載されている行は、上にある台番に下の台番にある遊技機が移動することを意味する。この例では、87番の遊技機を撤去、136番の遊技機を仮置き場に仮置いた後、空いた87番に126番にあった遊技機を設置(移動)し、空いた126番に仮置きされていた136番の遊技機を移動するという意味となる。同様に、
図4の下段の欄において、「136」、「新台」と記載されている行は、仮置きされることによって空いた136番に新台を設置するという意味となる。
【0033】
図4の「撤」の列の「150」に係る行は、上から、150、160、512、510、515、516の数字が記載されており、これについて補足的に説明すると以下の通りとなる。150番の遊技機を撤去した後、撤去によって空いた150番に対し、160番にある遊技機を設置し、この設置により空いた160番に512番にある遊技機を設置する。以後順に、空いた512番に510番にある遊技機を設置し、空いた510番に515にある遊技機を設置し、空いた515番に516番にある遊技機を設置し、空いた516番に仮置きされていた176番にあった遊技機を設置するという意味となる。なお、仮置きによって空いた176番には、
図4の下段の欄に係る「176」の行に示すように、新台が設置されることとなる。
【0034】
図5は、複数の入替手順シート210乃至240からなる入替手順シートセットを示すイメージ図である。
図5に示すように、本実施形態では、入替支援装置100によって入替手順が生成されて島図データや入替指示書が生成された後、遊技機に貼付される入替手順シートセットが生成されるようになっている。例えば、
図4に示す「撤」の列の「87」は87番にある遊技機が撤去台ということであるため、
図5(a)に示すように、87番の遊技機が撤去台である旨を示す入替手順シート210(撤去シート)に係るデータが出力部140を介して出力される。この入替手順シート210に係るデータを受信した外部機器よって、入替手順シート210がプリントアウトされる。同様に、
図4に示す「仮」の列の「136」に対しては、
図5(b)に示すように、136番にある遊技機を仮置きしてから126番に設置する旨を示す入替手順シート220(仮置きシート)に係るデータが出力される。
図4の上段の欄で示す「1」の列の「126」に対しては、
図5(c)に示すように、STEP1(移動台の優先順位)として126番にある遊技機を87番に設置する旨を示す入替手順シート230(移動シート)に係るデータが出力される。
図4の下段の欄で示す「仮」の列の「136」に対しては、
図5(d)に示すように、新台を136番に設置する旨を示す入替手順シート240(新台シート)に係るデータが出力される。すなわち、入替手順シートセットは、撤去シートである入替手順シート210と、仮置きシートである入替手順シート220と、移動シートである入替手順シート230と、新台シートである入替手順シート240とを備えているといえる。なお、入替手順シートセットとしては、上述の入替手順シート210乃至240の少なくとも2つで構成されるようにしても良い。換言すれば、入替手順シート210の「撤去台」との記載は、その遊技機がバックヤードに移動されるということを示し、入替手順シート220の「仮置き台」との記載は、その遊技機が仮置き場に移動されることを示し、入替手順シート230の「STEP1」等の記載は、その遊技機が島設備のいずれかの番台移動することを示し、入替手順シート240の「新台」との記載は、その遊技機が島設備のいずれかの番台に移動すること示しており、それぞれの入替手順シートには、その遊技機の帰趨が記載されているといえる。また、入替手順シート210は、「87」は撤去される遊技機が設置されている番台(帰趨元の番台)である「87」が記載されている撤去入替シートといえ、入替手順シート220乃至230は、移動先の番台(帰趨先の番台)が記載されている設置入替手順シートといえる。
【0035】
図5(a)の入替手順シート210は、87番に設置されている遊技機に粘着テープや両面テープ等によって貼付(配置)され、
図5(b)の入替手順シート220は、136番に設置されている遊技機に貼付され、
図5(c)の入替手順シート230は、126番に設置されている遊技機に貼付され、
図5(d)の入替手順シート240は、島に設置前の新台に貼付される。また、撤去台に係る入替手順シート210は
図3および
図4に示す「撤」の色である赤色(第一色)をなし(赤色に着色され)、仮置き台に係る入替手順シート220は
図3および
図4に示す「仮」の色である桃色(第四色)をなし、STEP1に係る入替手順シート230は
図3および
図4に示す「1」の色である緑色(第三色)をなしており、
図3および
図4に示す島図データや入替指示書との関連性が直感的に把握できるようになっている。なお、新台に係る入替手順シート240については、他の「撤」、「仮」、「1」~「6」のいずれとも異なる色(第二色)であれば良い。また、それぞれの入替手順シート210~220の色については、全体がその色であっても良いし、その一部のみがその色となるようにしても良く、要は、
図3および
図4に示す島図データや入替指示書との関連性が把握できるようになっていればよい。
【0036】
ここで、
図4に示す<入替手順>は、入替作業の手順を説明するために付記されているものであり、制御部120によって自動生成されるものである。なお、この<入替手順>については、制御部120によって自動生成する代わりに、支援者が直接入力によって付記するようにしても良いし、あるいは、<入替手順>そのものを付記しないようにしても良い。
【0037】
この<入替手順>に沿って、
図3および
図4に示す島図データおよび入替指示書に係る入替作業方法について説明する。まず、作業者は、
図3および
図4に示す87番、88番等に設置されている遊技機に、撤去台であることを示す入替手順シート210を、136番、137番等に仮置き台であることを示す入替手順シート220を、126番、127番等にステップ1に係る入替手順シート230を、まだどの設置個所にも設置されていない新台に新台に係る入替手順シート240を貼付するというように、新台、撤去台、仮置き台、移動台の全てに対応する入替手順シートを貼付する。
【0038】
次に、作業者は、
図3および
図4に示す87番、88番等に設置されている撤去台、換言すれば、赤色の入替手順シート210が貼付されている全ての遊技機の電源をOFFとし、玉抜き(パチンコ機の場合)、遊技機内の配線や情報線の取り外しといった各種作業をした後に、それぞれの設置個所から取り外す。この撤去台はバックヤード等の倉庫に搬出される(
図4の入替手順の「1」)。
【0039】
次に、
図3および
図4に示す136番、137番等、仮置きされる遊技機のうち、新台が入る仮置き台(入替手順シート240が貼付されている遊技機)に対する上記各種作業をした後に、それぞれの設置個所から取外し、これらの仮置き台を仮置き場に仮置く(
図4の入替手順の「2」)。この入替手順の「2」によって空いた136番、137番等に新台を設置する(
図4の入替手順の「3」)。次に、
図3および
図4に示す141番、142番等、仮置きされる遊技機のうち、新台の入らない仮置き台(仮置きシート220が貼付されている遊技機)に対する上記各種作業をした後に、それぞれの設置個所から取外し、これらの仮置き台を仮置き場に仮置く(
図4の入替手順の「5」)。そして、
図3および
図4に示す126番、127番等のSTEP1に対応した遊技機(入替手順シート230が貼付されている遊技機)、226番、227番等のSTEP2に対応した遊技機(図示しないが、STEP2に対応した黄色の入替手順シートが貼付された遊技機)、510番、174番等のSTEP3に対応した遊技機(図示しないが、STEP3に対応した水色の入替シートが貼付された遊技機)、515番、378番等のSTEP4に対応した遊技機(図示しないが、STEP4に対応した橙色の入替シートが貼付された遊技機)、516番、457番等のSTEP5に対応した遊技機(図示しないが、STEP5に対応した灰色の入替シートが貼付された遊技機)をそれぞれに対応した台番に移動して設置する(
図4の入替手順の「6」~「10」)。また、
図4に示す例では、入替手順の「11」としてSTEP6に対応した青色の入替シートに係る遊技機が存在しないため、この入替手順「11」を飛ばして、入替手順の「12」の作業を行う。この入替て手順の「12」では、例えば、
図5(b)に示す入替シート220が貼付されている遊技機(136番から取外して仮置き場に仮置かれた遊技機)を126番に設置するというように、仮置き場に仮置かれていた遊技機をそれぞれに対応した台番に設置する。
【0040】
このようにすることで、入替作業の作業者は、貼付された入替シートに記載されている色および台番に従って遊技機の撤去、移動、設置を行うだけで容易に、入替作業を滞りなく行うことができる。また、入替支援装置100によって生成された入替手順に沿った入替シートに従うだけでよいので、入替作業に伴う入替順序の誤認や混乱を防止することができる。また、島図データ、入替指示書および入替シートにおいては、撤去は赤色、仮置きは桃色、移動に係るSTEP1は緑色というように、作業工程や作業順に応じた一義的な色を付しているため、直感的に次の作業が分かりやすくなり、入替作業を効率よく行うことができる。
【0041】
図6は、入替支援装置100の制御部120による処理のメインルーチンを説明するフロー図である。
図7は、入替支援装置100の制御部120による処理のサブルーチンを説明するフロー図である。
図8は、入替支援装置100の制御部120による処理のサブルーチンを説明するフロー図である。また、
図9は、入替前後の島の島図を簡略的に示したイメージ図であり、
図10は、入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
図11は、入替指示書およびこの入替指示書に沿った入替作業を説明するための図である。
【0042】
ここで、本実施形態に係る入替支援装置100の制御部120による各種処理(各種制御)を
図6乃至
図8のフローチャートに基づいて説明するが、その説明にあたり、説明の簡単のため、煩雑な
図3および
図4に示す例ではなく、これらを簡略化して置き換えた
図9等に示す例に沿って説明するものとする。
【0043】
図9に示す島図において、数字が記載されている枠は台番を示し、A、B等のアルファベットは、それぞれの台番に設置されている遊技機を示している(以後、同じ)。換言すれは、この
図9では、1番から20番までの台番にそれぞれ、遊技機A乃至Tが設置されている島を例としている。
【0044】
図9(a)は、入替前の島図であり、
図9(b)は、入替後の島図であり、本例では、遊技場の管理者等から、
図9(a)に示す配置状態(設置状態)から、
図9(b)に示す配置状態することを要望された場合を例として説明する。具体的には、入替前において1番から5番にある遊技機A乃至Eは入替後において16番から20番に移動、入替前において6番から10番までの遊技機F乃至Jは入替後においてもそのまま、入替前において11番から15番までの遊技機K乃至Oは撤去、入替前において16番から20番までの遊技機P乃至Tは入替後において11番から15番に移動という要望が遊技場からなされた場合である。
【0045】
この場合、
図10(a)に示すように、制御部120は、以下の(1)乃至(5)のインプットデータのうち、(1)乃至(4)のインプットデータに基づいて入替手順を生成する。これらのインプットデータは、遊技場からインターネットを介して受信したデータであっても良いし、遊技場からの要望を受けることによって、操作部110から入力したデータであっても良い。これらのインプットデータは、入替支援装置100のRAM等に記憶される。
(1) 入替前データA(
図10では、「移動前(A)」と表記)
(2) 移動後データB(
図10では、「移動後(B)」と表記)
(3) 撤去データC(
図10では、「撤去台(C)」と表記)
(4) 新台データD(
図10では、「新台(D)」と表記)
(5) 仮置きデータE(
図10にはなし。
図12等では、仮置(E)と表記)
【0046】
入替前データAは、入替作業前に、移動対象となる遊技機が設置されている台番(設置個所)の番号(識別子)を移動対象台番(移動対象識別子)としてリストアップしたデータである。入替後データBは、入替作業後に入替前データAの移動対象台番に係る設置個所に設置されていた遊技機が最終的に設置される台番の番号を当該移動対象台番に対応した移動後台番(移動後識別子)としてリストアップしたデータである。撤去台データCは、撤去される遊技機が設置されている台番を撤去台番(撤去識別子)としてリストアップしたデータである。新台データ(新規データ)Dは、新台が設置される台番(新規識別子)を新台台番(新規台番)としてリストアップしたデータである。仮置きデータEは、仮置き場に仮に置かれる遊技機が設置されている台番を仮置台番(仮置き識別子)としてリストアップしたデータである。
【0047】
図9に示す例では、新台に係る台番(1~5)、撤去台に係る台番(11~15)、移動に係る台番(16~20)が入力される一方、移動を行わない台番(6~10)については入力されない。また、
図9に示す例では、仮置き台がないパターンであるため、仮置きデータEの入力もない。本実施形態では、この仮置きデータEがない場合には、新台の設置を優先しない通常モードであるモード0として入替手順を生成し、仮置きデータEがある場合には、新台を優先して設置するモードであるモード1として入替手順を生成するようになっている。
【0048】
図10(a)に示すインプットデータでは、入替前データAは、No.1~10のそれぞれに、1~5、16~20がこの順で入力され、移動後データBは、例えば、
図9に示すように、No.1の列の1番にある遊技機Aは最終的に20番に設置されるので、No.1の列(グループ1の列)には、20が入力される。すなわち、No.1の列において、入替前データAの台番である1と移動後データBの台番である20とは互いに対応する台番として一つのグループを形成している。No.2~10のそれぞれの列についても同様に、
図10(a)において互いに隣り合う台番が一つのグループを形成している。また、撤去台データC、新台データDについてもそれぞれ、No.1の列から順にそれぞれの台番が昇順で入力される。
【0049】
図10(b)に示すアウトプットデータは、上記インプットデータに基づいて制御部120によって生成された入替手順に係るアウトプットデータであり、撤去台番データ(
図10では「撤去」と表記)、1回目の移動手順に係るSTEP1データ(
図10では「STEP1」と表記)、2回目の移動手順に係るSTEP2データ(
図10では「STEP2」と表記)・・・が制御部120によって生成される。
【0050】
制御部120は、
図10(a)に示すインプットデータに基づいて、
図10(b)に示すアウトプットデータを生成する。具体的には、
図6に示すように、入替前データA、移動後データB、撤去データC、新台データDの入力がなされた後、モード0である場合には(ステップ100、ステップ200でYes)、モード0による入替手順を生成するモード0処理を実行する(ステップ300)。このモード0かモード1かの切り替えは、上述のように、制御部120にて、仮置きデータEの有無によって自動的に判断することにより実行される。なお、このような制御部120による自動的なモード切替ではなく、操作部110を介した手入力によるモード切替であっても良いことは言うまでもない。
【0051】
図7に示すように、モード0処理では、制御部120は、先ず、
図10(a)のインプットデータのうち、撤去台データC(
図7では、「IN(C)」と表記)の11~15の台番を、
図10(b)のアウトプットデータのうち、撤去のNo.1~5にそれぞれ入力することによって、これらの台番11~15にある遊技機を撤去することを示す撤去手順を生成する撤去生成処理を実行する(ステップ310)。これにより遊技機の撤去手順が生成される。
【0052】
次いで、制御部120は、撤去台データCの或る台番(例えば、11)と同一の台番が、入替後データBに存在しているか否かを(撤去台データCの或る台番と一致する台番が入替後データBに存在しているか否かを)判断し、存在している場合には(ステップ311でYes)、入替前データA(
図7では、「IN(A)」と表記)から、或る台番と同じグループの台番を抽出する(例えば、入替後データBのNo.6の11に対応した入替前データAのNo.6の16)。これを第一抽出台番(第一抽出識別子)として、アウトプットデータのSTEP1データ(
図7では、「OUT1」と表記)のNo.1に入力することで、この第一抽出台番に設置されている遊技機を、撤去台データCの或る台番に設置(例えば、
図9(a)の16番の遊技機Pを、
図9(b)の11番に設置)することを示す撤去入替手順を生成する撤去入替処理を実行する(ステップ312、313)。制御部120は、アウトプットデータの撤去の行(撤去台番の行)にある撤去台番がなくなるまで(ステップ311でNo)撤去入替処理を繰り返す処理を実行する。これにより、アウトプットデータのSTEP1データのNo.1~5のそれぞれに対応した台番が入力されて、1回目の遊技機の移動手順が生成される。
【0053】
次いで、制御部120は、アウトプットデータのSTEP1データの或る台番(例えば、16)と同一の台番が、入替後データBに存在しているか否かを判断し、存在している場合には(ステップ314でYes)、入替前データAから、或る台番と同じグループの台番を抽出する(例えば、入替後データBのNo.5の16に対応した入替前データAのNo.5の5)。これを第二抽出台番(第二抽出識別子)として、アウトプットデータのステップ2データ(
図7では、「OUTN」と表記。ここで「N」は、1を含む正の整数)に入力することで、この第二抽出台番に設置されている遊技機を、STEP1データの或る台番に設置(例えば、
図9の(a)の5番の遊技機Eを、
図9(b)の16番に設置)することを示す移動後入替手順を生成する移動顔入替処理を実行する(ステップ315、316)。これによりアウトプットデータのSTEP2データのNo.1~5のそれぞれに対応した台番が入力されて2回目の遊技機の移動手順が生成される。
【0054】
制御部120は、撤去入替処理について、アウトプットデータのSTEP1~Nに入力された台番と一致する台番が入替後データBに存在しなくなるまで(ステップ314でNo)繰り返し行う繰返処理を実行する。
図10に示す例では、STEP2データのNo.1~5のそれぞれに入力した後、STEP2データの台番と一致する台番が入替後データBに存在しないため、STEP2データまで生成されることとなる(このため、
図7におけるOUTNの「N」は2となる)。
【0055】
そして、制御部120は、
図10(a)のインプットデータのうち、新台データD(
図7では、「IN(D)」と表記)を、
図10(b)のアウトプットデータのうち、STEP3のNo.1~5にそれぞれ、新台と入力することによって、これらの台番に新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行する。これにより、アウトプットデータが完成する。
【0056】
その後、制御部120は、このアウトプットデータに基づき、島図データ(図示せず)や
図11(A)に示す入替指示書や入替手順シート等に係るデータを出力する(
図6のステップ500)。この出力により、島図データや入替指示書が表示部130に表示される。或いは、上記出力により、プリンタ等の外部機器によって所定の用紙等に島図データに基づく島図、入替指示書、入替シート等が印刷されたりすることとなる。
【0057】
このようにして生成された入替手順である
図11(A)に示す入替指示書による遊技機の入替作業は、先ず、入替前において11番から15番の遊技機に、各種入替手順シートを貼付する(例えば、撤去台であることを示す
図3(a)のような入替手順シート(本例では、
図5(a)の[87]の表記が、[11]~「15」のいずれかの表記となる)。
【0058】
図11(a)に示すように、11番から15番(
図11(A)の「撤」)に係る遊技機K乃至Oを取り外してバックヤードに撤去する。これによって、11番から15番が空く。次に、
図11(b)に示すように、STEP1として、16番から20番の遊技機P乃至Tを、11番から15番に設置する。これによって、16番から20番が空く。
図11(c)に示すように、STEP2として、この16番から20番に、1番から5番の遊技機A乃至Eを設置する。これによって、1番から5番が空く。これらの1番から5番にそれぞれ、STEP3として新台を設置する。これによって遊技機の入替作業が完了することとなる。
【0059】
このように、本実施形態に係る入替支援装置100は、入替前データA、入替後データB、撤去台データC、新台データDといった台番のみで、遊技機の入替手順を自動的に生成することができ、入替手順の作成にあたり必要なデータを低減することできる。この結果、入替支援装置100のRAM等のメモリの容量を圧迫することを防止しつつ、入替手順の作成を簡略化することができる。
【0060】
次に、モード1による入替手順の生成について説明する。本例においても、遊技場の管理者等から、
図9(a)に示す配置状態(設置状態)から、
図9(b)に示す配置状態することを要望された場合を例として説明する。本例においては、
図12に示すように、インプットデータとして仮置きデータEが入力されている点が、
図10と異なる。なお、
図12は、入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。このモード1は、遊技機の入替作業と並行して新台の動作確認等を行いたいという遊技場の要望に応えるべくして設けられたモードである。このため、モード1では新台を優先的に設置する入替手順となっている。
【0061】
制御部120は、
図12(a)に示すインプットデータに基づいて、
図12(b)に示すアウトプットデータを生成する。具体的には、
図6に示すように、上記各種データA乃至Eの入力がなされた後、モード1である場合には(ステップ100、ステップ200でNo)、モード1による入替手順を生成するモード1処理を実行する(ステップ400)。
【0062】
図8に示すように、モード1処理では、制御部120は、先ず、
図12(a)のインプットデータのうち、撤去台データCの11~15の台番を、
図12(b)のアウトプットデータのうち、撤去のNo.1~5にそれぞれ入力することによって、これらの台番11~15にある遊技機を撤去することを示す撤去手順を生成する撤去生成処理を実行する(ステップ410)。これにより遊技機の撤去手順が生成される。
【0063】
次いで、制御部120は、
図12(a)のインプットデータのうち、仮置きデータEの台番1~5を、
図12(b)のアウトプットデータのうち、仮置台のNo.6~10にそれぞれ入力することによって、これらの台番にある遊技機を仮置き場に仮に置いておくことを示す仮置き手順を生成する仮置き生成処理を実行する(ステップ411)。これにより遊技機の仮置き手順が生成される。
【0064】
次いで、制御部120は、
図12(a)のインプットデータのうち、新台データDの台番1~5を、
図12(b)のアウトプットデータのうち、STEP1の行で且つ仮置台のNo.6~10と同一グループになるように入力することによって、これらの台番1~5に新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行する(ステップ412)。これにより新台の設置手順が生成される。
【0065】
次いで、制御部120は、撤去台データCに係る台番の数と、新台データDに係る台番の数が同一か否かを判定し、
図12(a)に示す本例のように同一であった場合には(ステップ413でYes)、
図7のステップ311と同様に、撤去台データCの或る台番(例えば、11)と同一の台番が、入替後データBに存在しているか否かを判断し、存在している場合には(ステップ414でYes)、入替前データAから、或る台番と同じグループの台番を抽出する(例えば、入替後データBのNo.6の11に対応した入替前データAのNo.6の16)。これを第一抽出台番として、アウトプットデータのSTEP1データのNo.1に入力することで、この第一抽出台番に設置されている遊技機を、撤去台データCの或る台番に設置(例えば、
図9(a)の16番の遊技機Pを、
図9(b)の11番に設置)することを示す撤去入替手順を生成する撤去入替処理を実行する(ステップ415、416)。制御部120は、アウトプットデータの撤去の行(撤去台番の行)にある撤去台番がなくなるまで(ステップ414でNo)撤去入替処理を繰り返す処理を実行する。これにより、アウトプットデータのSTEP1データのNo.1~5のそれぞれに対応した台番が入力されて、1回目の遊技機の移動手順が生成される。
【0066】
次いで、制御部120は、アウトプットデータのSTEP1データの或る台番(例えば、16)と同一の台番が、入替後データBに存在しているか否かを判断し、存在している場合には(ステップ417でYes)、入替前データAから、或る台番と同じグループの台番を抽出する(例えば、入替後データBのNo.5の16に対応した入替前データAのNo.5の5)。これを第二抽出台番(第二抽出識別子)として、アウトプットデータのステップ2データに入力することで、この第二抽出台番に設置されている遊技機を、STEP1データの或る台番に設置(例えば、
図9の(a)の5番の遊技機Eを、
図9(b)の16番に設置)することを示す移動後入替手順を生成する移動顔入替処理を実行する(ステップ419、420)。これによりアウトプットデータのSTEP2データのNo.1~5のそれぞれに対応した台番が入力されて2回目の遊技機の移動手順が生成される。
【0067】
制御部120は、撤去入替処理について、アウトプットデータのSTEP1~Nに入力された台番と一致する台番が入替後データBに存在しなくなるまで(ステップ417でNo)繰り返し行う繰返処理を実行する。
図12に示す例では、STEP2データのNo.1~5のそれぞれに入力した後、STEP2データの台番と一致する台番が入替後データBに存在しないため、STEP2データまで生成されることとなる(このため、
図7におけるOUTNの「N」は2となる)。これにより、アウトプットデータが完成する。なお、
図8に係るステップ424乃至426、ステップ420乃至422については後述する。
【0068】
そして、制御部120は、
図12(a)のインプットデータのうち、新台データD(
図8では、「IN(D)」と表記)を、
図12(b)のアウトプットデータのうち、STEP2の行における仮置台のNo.6~10にそれぞれ、新台と入力することによって、これらの台番に新台を設置することを示す新規設置手順を生成する新規設置処理を実行する。これにより、アウトプットデータが完成する。
【0069】
その後、制御部120は、このアウトプットデータに基づき、島図データ(図示せず)や
図13(A)に示す入替指示書や入替手順シート等に係るデータを出力する(
図6のステップ500)。この出力により、島図データや入替指示書が表示部130に表示される。或いは、上記出力により、プリンタ等の外部機器によって所定の用紙等に島図データに基づく島図、入替指示書、入替シート等が印刷されたりすることとなる。なお、
図13は、モード1に係る入替指示書に沿った入替作業を説明するための図である。
【0070】
このようにして生成された入替手順である
図13(A)に示す入替指示書による遊技機の入替作業は、先ず、入替前において11番から15番の遊技機に、各種入替手順シートを貼付する(例えば、撤去台であることを示す
図5(a)のような入替手順シート(本例では、
図5(a)の[87]の表記が、[11]~「15」のいずれかの表記となる)。
【0071】
図13(a)に示すように、11番から15番(
図13(A)の「撤」)に係る遊技機K乃至Oを取り外してバックヤードに撤去する。これによって、11番から15番が空く。また、1番から5番(
図13(A)の「仮」)に係る遊技機A乃至Eを仮置き場に仮置く。これによって1番から5番が空く。
図13(A)では、内容の理解を容易にするために、1番から15番に係る設置個所の手前に遊技機A乃至Eを仮置いている状態を示している。
【0072】
次に、
図13(b)に示すように、STEP1として、16番から20番の遊技機P乃至Tを、11番から15番に設置する。これによって、16番から20番が空く。また、STEP1として、空いている1番から5番にそれぞれ新台を設置する。そして、
図13(c)に示すようにSTEP2として、仮置きされた1番から5番の遊技機A乃至Dをそれぞれ、16番から20番に設置する。これによって遊技機の入替作業が完了することとなる。
【0073】
このように、新台が設置される1番から5番にある遊技機を仮置き台とすることで(新台台番と、仮置き台番とを同一にすることで)、入替作業中に新台を設置することができ、入替作業と新台の動作確認を同時に行うことができる。また、撤去台による設置個所の空きに加え、仮置き台による設置個所の空きも意図的に作ることができるので、入替作業の効率化を図ることができる。なお、本例では、仮置き台の台番と新台の台番とを同一としているが、これに限定されず、新台の台番以外の台番を仮置きに係る台番としても良い。
【0074】
図14および
図15はともに、入替手順生成のために必要なインプットデータおよびアウトプットデータを示す図であるが、
図14は、撤去台データCに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも多い状態を例示し、
図15は、撤去台データに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも少ない状態を例示している。
【0075】
図14(a)に示すように、撤去台データCに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも多い場合は、入替後において、島の設置個所のうち、ベニヤ板等で封鎖されて遊技機が設置されない状態となる設置個所(以後、単に「ベニヤ」と称する)が発生するという状態であるということになる。一方、
図15(a)に示すように、撤去台データCに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも少ない場合は、入替前において、島の設置個所のうち、ベニヤ板等で封鎖されて遊技機が設置されていない状態である設置個所が存在しているものの、この設置個所の封鎖を解除して新たに遊技機を設置するという状態であるということになる。
【0076】
本例では、このようなベニヤがある場合であっても、自動的に入替手順を作成可能としている。具体的には、
図8に示すように、制御部120は、インプットデータの撤去台データCに係る台番の数と、新台データDに係る台番の数とを比較し、これらの数が同一でない場合には(ステップ413でNo)、ステップ424に進む。
【0077】
ステップ424において、制御部120が、
図14(a)に示すように、撤去台データCに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも多いと判断した場合(ステップ424でYes)、制御部120は、入替前データAと新台データDとを対比し、入替前データAのうち、処理がなされていない余剰台番であるNo.4および5に係る台番4および5を入替後非設置台番(入替後非設置識別子)として抽出する抽出処理を実行する。制御部120は、この抽出処理により抽出された入替後非設置台番4および5を、
図14(b)に示すように、STEP1のNo.9および10に入力する(
図14(b)では「ベニヤ」と表記)ことで、4番と5番の設置個所が入替後にベニヤとなる台番であることを示す入替後非設置手順を生成する入替後非設置処理を実行する。
【0078】
なお、この入替後非設置手順においては、上記余剰台番を新台台番として扱うことで、
図12(b)のアウトプットデータと同じように処理しても良い(STEP1のNo.9および10が「ベニヤ」ではなく「新台」となる)。この場合、入替作業後に、空いている設置個所が生じることとなるが、この空いている設置個所を一義的に封鎖するようにすることで、空いている設置個所をベニヤとすることができる。
【0079】
ステップ424において、制御部120が、
図15(a)に示すように、撤去台データCに係る台番の数が、新台データDに係る台番の数よりも少ないと判断した場合(ステップ424でNo)、制御部120は、移動後データBと撤去台データCとを対比し、入替前データBのうち、処理がなされていない余剰台番であるNo.9および10に係る台番14および15を入替後設置台番(入替後設置識別子)として抽出する抽出処理を実行する。制御部120は、この抽出処理により抽出された入替後設置台番14および15を、撤去のNo.4および5に入力する(
図15(b)では、「14(ベニヤ)」、「15(ベニヤ)」と表記)ことで、14番と15番の設置個所が、ベニヤであったが入替後にベニヤが解除されて遊技機が設置される台番であることを示す入替後設置手順を生成する入替後設置処理を実行する。
【0080】
なお、この入替後設置手順においては、上記余剰台番を撤去台番として扱うことで、
図12(b)のアウトプットデータと同じように処理しても良い(撤去のNo.4および5が「14(ベニヤ)」、「15(ベニヤ)」ではなく「14」、「15」となる)。この場合、入替作業後に、ベニヤとなっている設置個所が存在するが、ベニヤとなっている設置個所を一義的に解除して遊技機を設置するようにすることで、ベニヤとなっている設置個所を遊技機が設置される設置個所とすることができる。
【0081】
図16は、上述の
図9とは異なる入替前後の島図データを示す図であり、
図17は、
図16の島図に係るインプットデータおよびアウトプットデータを示す図である。
【0082】
この
図16に示す例では、11番~20番については移動がなく(したがって、インプットデータとしても入力されない)、入替後において、1番に新台を設置し、10番の遊技機Jを撤去するとともに、入替前の1番~9番にそれぞれ設置されている遊技機A乃至Iを、入替前の1番の遊技機Aを入替後には2番に設置、入替前の2番の遊技機Bを入替後には3番に設置というように、入替後において一つずつ右隣りにずらした状態を示している。
【0083】
この例の場合、
図7に示すステップ316→ステップ314で示す繰返処理を行うと、
図17(b)に示すように、STEP9までの手順が必要となり、徒に手順が増えることとなる。このため、本実施形態に係る制御部120においては、
図8のステップ420乃至422で示すSTEP自動区切り処理を実行するようになっている。このSTEP自動区切り処理においては、繰返回数(処理回数)Nが予め定められた区切り回数(所定回数)Mとなった場合(ステップ420でYes)、制御部120はステップ421および422の処理を実行する。
【0084】
本実施形態では、繰返回数Mを4回と設定しており、繰返回数が4回になった場合(インプットデータに係る移動後データBのNo.4の7番まで処理が進んだ場合)、制御部120は、この7番と同じ台番を移動後データBから探し、この移動後データBの7番に対応する入替前データAの台番6(インプットデータにおけるNo.4のグループ)を抽出する処理を実行する。制御部120は、この抽出した6番を仮置き台番として変換する変換処理を実行する。制御部120は、変換処理によって仮置き台番となった6番を、アウトプットデータの仮置台のNo.7に入力するSTEP自動区切り処理を実行する。
【0085】
そして、ステップ417に進み、以後同様な処理を実行する(ステップ421、422)。具体的には、変換処理によって仮置き台番となった6番と同じ台番が、移動後データBにある場合には、この6番に対応した5番を入替前抽出データAから抽出し、この抽出した5番を第二抽出台番とすることで、この5番に設置されている遊技機を、6番に設置することを示す移動入替手順を生成する移動入替処理を実行する。これにより、
図17(C)にも示すように、No.7において、6番を起点として、STEP1の5番、STEP2の4番・・・というようにアウトプットデータが作成される。
【0086】
その後、繰返回数が8回(Mの整数倍)となった場合(インプットデータに係る移動後データBのNo.8の3番まで処理が進んだ場合)、この3番に対応する2番を仮置き台番としてアウトプットデータの仮置台のNo.8に入力するSTEP自動区切り処理を実行する。そして、ステップ417に進み、以後同様な処理を実行する(ステップ421、422)。
【0087】
このようにすることで、入替手順の生成にあたり、徒に手順が増えることを防止することができ、制御処理の簡略化を図ることができる。
【0088】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜の変更が可能である。
【0089】
本実施形態では、入替手順シートに対し、赤色、緑色の色彩を付することで区分けしていたが、赤色の入替手順シートに「手順1」の表記をし、緑色の入替手順シートに「手順2」と表記するというように、入替手順を直接的に記載するようにしても良い。この場合、全ての入替手順シートを遊技機に性格に貼付しさえすれば、入替指示書がなくても、スムーズに入替作業を行うことができる。
【0090】
また、本実施形態では、制御部120が、ベニヤ否かをインプットデータから把握するようにしているが、これに代えて、入替後にベニヤとなる台番に係る入替後ベニヤデータや、入替前にベニヤであった台番に係る入替前ベニヤデータを別途入力することで、ベニヤであることを制御部120に把握させた上で、入替後非設置処理あるいは入替後設置処理を制御部120に実行させるようにしても良い。
【0091】
また、本実施形態では、
図5に示す入替手順シートセットを適用したが、入替手順シートセットとしては、これに限定されない。その一例について、
図18に基づいて説明する。
【0092】
図18は、複数の入替手順シート310乃至380からなる入替手順シートセットを示すイメージ図である。
図18に示すように、本変形例においても、入替支援装置100によって入替手順が生成されて島図データや入替指示書が生成された後、遊技機に貼付される入替手順シートセットが生成されるようになっている(なお、この詳細については上述の実施形態と同様であるので割愛する)。本変形例では、遊技場における入替対象の遊技機が多いため、例えば、入替作業を行う作業者としてAチーム、Bチーム・・・といった複数のチームに分かれて、それぞれのチーム毎に作業を分担して行う場合を前提とし、以下では、これらのチームのうち、Aチームが行う作業について説明するものとする。また、Aチームの作業手順として、以下の(1)~(3)の手順を踏まえるものとする。また、(1)の順番(順序)としては、先ず、最初に419番、428番、438番(設置識別子、識別子)にある遊技機をこの順で順次撤去するものとし、(2)の順番としては、119番、133番・・・途中省略・・・336番にある遊技機をこの順で移動するものとし、(3)の順番としては、撤去や移動によって空いた(遊技機が設置されていない状態の設置個所)114番、134番、336番に、この順で新台を設置するものとする。なお、本変形例では、上述の
図3に示す島設備とは別の島設備を例にとって説明しているが、その図示は省略する。
(1)撤去対象の遊技機の撤去
(2)移動対象の遊技機の移動(必要であれば仮置きも行う)
(3)新台の設置
【0093】
このような前提の場合、
図18(a)乃至(h)に示す入替手順シート310乃至380のぞれぞれの左上の箇所には、Aチームが行う作業ということを示す「A」という文字(換言すれば、作業者のグループを示すグループ識別子ともいえる)が記載されている。このような記載をすることで、グループ別に作業を行う場合に、誤って他のグループの作業を行うことを防止することができ、入替作業の混乱を防止することができる。
【0094】
この「A」等のグループ識別子の付与については、管理者が操作部110を介して入力することができる。また、例えば、島設備のうちの一部がAチームの作業担当で、別の一部がBチームの作業担当であった場合、入替支援装置100においては、島設備のうちの一部の入替手順を生成した後に、自動的に「A」の文字が追加された入替手順シートに係るデータを出力するようにすることもできる。
【0095】
また、
図18(a)乃至(h)に示す入替手順シート310乃至380のぞれぞれの右下の箇所には、1番目に作業を行うということを意味する(1)、2番目に作業を行うことを意味する(2)・・・といった入替作業の順序を示す数字(順序識別子)が記載されている。換言すれば、これらの(1)、(2)・・・といった数字は、入替手順シート310乃至380相互の優先順位を示すものともいえ、本変形例では数字の少ない入替シートに係る作業を優先することを意味しているともいえる。このような記載をすることで、入替手順の誤りが発生することを防止することができ、入替手順の誤りに起因する入替作業の混乱等を防止することができる。
【0096】
この入替作業の順序を示す数字である「(1)」等の順序識別子の付与についても、管理者が操作部110を介して入力することができるし、入替支援装置100において、入替手順を生成した後に、自動的に「(1)」等の数字が追加された入替手順シートに係るデータを出力するようにすることもできる。
【0097】
図18(a)乃至(c)は、上述の(1)の手順に係る入替手順シートを示している。
図18(a)に示すように、入替手順シート310には、419番に設置されている遊技機を撤去する旨の「419→撤去」が記載されている。同様に、
図18(b)および(c)に示す入替手順シート320、330にはそれぞれ、428番に設置されている遊技機を撤去する旨の「428→撤去」が、438番に設置されている遊技機を撤去する旨の「438→撤去」が記載されている。また、入替手順シート310には、次に作業を行う対象となる台番が428番である旨の「NEXT→428」が記載されている。同様に、入替手順シート330、340にはそれぞれ、次に作業を行う対象となる台番が438番である旨の「NEXT→438」が、次に作業を行う対象となる台番が119番である旨の「NEXT→119」が記載されている。
【0098】
図18(d)および(e)は、上述の(2)の手順に係る入替手順シートを示している。なお、
図18(d)から(e)の間に、(5)乃至(16)の順序識別子が付された入替手順シートが存在するが、これらの入替手順シートは、
図18(d)および(e)と同様であるため、これらの図示および説明を省略する。
【0099】
図18(d)に示すように、入替手順シート340には、119番に設置されている遊技機を120番に移動する(移動先に設置)旨の「119→120」が記載されているとともに、120番に移動した遊技機を120番付近に仮置きする旨の「120付近に仮置」も記載されている。すなわち、入替手順シート340には、移動先の台番である「120」の他、移動先の遊技機の取り扱い(この場合は120番付近に仮置きする)が記載されているここで、120番付近に仮置きされた遊技機は、後に、そのまま120番に設置されることとなる。このように本変形例では、仮置きする箇所として、後に設置する台番の付近を指定するようにしているので、仮置き台を間違った台番に設置することを防止することができる。
【0100】
また、
図18(e)に示す入替手順シート350には、336番に設置されている遊技機を346に移動する旨の「336→346」が記載されている。すなわち、入替手順シート350のように単に「336→346」のみが記載されている場合には、その遊技機を移動(移動先に設置)することを意味する。
【0101】
また、入替手順シート340には、次に作業を行う対象となる台番が120番である旨の「NEXT→120」が記載されている。一方、入替手順シート350には、次の作業が、仮置き台を対象となる台番に設置する旨の「仮置乗」、新台を準備する旨の「新台準備」が記載されている。すなわち、「仮置乗」は、例えば、
図18(d)の入替シート340にて行った120番付近に仮置きした遊技台を、120番に設置することを意味する。「新台準備」は、新台を新たに設置することを意味しており、上記(2)の手順が完了したことをも意味することとなる。
【0102】
図18(f)乃至(h)は、上述の(3)の手順に係る入替手順シートを示している。
図18(f)に示すように、入替手順シート360には、新台を114番に設置する旨の「新台→114」が記載されている。同様に、
図18(g)および(h)に示す入替手順シート370、380にはそれぞれ、新台を134番に設置する旨の「新台→134」が、新台を336番に設置する旨の「新台→336」が記載されている。また、入替手順シート360および370にはそれぞれ、次の作業が新台の設置である旨の「NEXT→新台」が記載されている。一方、入替手順シート380には、作業が完了した旨の「NEXT→END」が記載されている。この作業が完了した後に、それぞれの遊技機に貼付された入替手順シートを遊技機から一斉に剥がすことで作業が完了する。このように、「END」と記載することによって、一連の作業が完了したことを明確に把握することができ、安心して作業を完了することができる。
【0103】
ここで、遊技機の撤去や移動を行う際には、設置個所に対してビス等の固定具によって固定されている遊技機に対し、その固定具を外した(以後、「固定具抜き作業」という)後に、遊技機を取り出す作業が行われる。また、この取り外した遊技機を設置する場合には、遊技機を設置個所に設置した後に固定具による固定(以後、「固定具打ち作業」という)が行われる。
【0104】
入替作業の順番が1番目である入替手順シート310は、419番の遊技機を撤去、2番目の入替手順シートは428番の遊技機を撤去、3番目の入替手順シートは438番の遊技機を撤去となっている。換言すれば、固定具抜き作業の順番として、「(1)」が記載されている入替手順シート310の419番、「2」が記載されている入替手順シート320の428番、「3」が記載されている入替手順シート330の438番、「(4)」が記載されている入替手順シート340の119番・・・「(17)」が記載されている入替手順シート350の336番というように、順序識別子が示す入替手順の順序は、固定具抜き作業の順番をも示しているといえる。
【0105】
一方、遊技機が撤去された419番、428番、438番、119番・・・336番については、後に新台または移動台(仮置き台含む)が設置され、この設置の際には、固定具打ち作業が行われる。また、「(18)」が記載されている入替手順シート360には114番に新台を設置する旨が、「(19)」が記載されている入替手順シート370には134番に新台を設置する旨が、「(20)」が記載されている入替手順シート380には336番に新台を設置する旨が記載されており、これらの新台の設置についても、固定具打ち作業が行われる。このため、固定具抜き作業での説明と同様に、順序識別子が示す入替手順の順序は、固定具打ち作業の順番をも示している。
【0106】
まとめると、入替手順シート310乃至380に記載されている「(1)」乃至「(20)」の順序識別子は、固定具抜き作業については、「(1)」乃至「(17)」の順序で行うことを示し、固定具打ち作業については、「(1)」乃至「(20)」の順序で行うことを示しているといえ、順序識別子は、入替作業の順序のみならず、固定具抜き作業の順序および固定具打ち作業の順序をも同時に示している。
【0107】
このように本変形例では、入替手順シートに、遊技機の帰趨(撤去、移動、設置等)が記載されているとともに、次に作業を行う対象となる台番(例えば、「NEST→428」等)または次の作業内容(例えば、「120付近に仮置」、「仮置乗」等)が記載されているので、入替作業に慣れていない作業者であっても、今現在および次に行うべき作業や対象となる台番を容易に把握することができ、作業内容等について迷いなくかつ間違いなく作業をすることができる。また、入替手順シートに入替作業の順序、固定具抜き作業の順序および固定具打ち作業の順序を示す数字(例えば、(1)等)が記載されているので、誤った作業手順となることを防止することができる。これらの結果、作業効率の向上および作業時間の大幅な短縮を図ることができ、遊技機の入替を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0108】
100 入替支援装置
110 操作部
120 制御部
130 表示部
140 出力部
210~240 入替手順シート
310~380 入替手順シート
【要約】
【課題】遊技機の入替を容易にすることができる入替支援シートセットを提供する。
【解決手段】 互いに異なる台番が割り振られた複数の設置個所のそれぞれに遊技機が設置されている遊技場にて、遊技機の入替作業手順を指示する複数の入替手順シートからなる入替手順シートセットであって、入替手順シート310は、遊技機に配置されるよう構成されており、入替手順シート310は、遊技機の帰趨(撤去)と、次に作業を行う対象となる台番が428番であることを意味する「NEXT→428」とが記載されている。
【選択図】
図18