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特許7560943電気モータのステータ用のコンタクトリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】電気モータのステータ用のコンタクトリング
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
H02K3/50 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019135303
(22)【出願日】2019-07-23
(65)【公開番号】P2020018161
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-28
(31)【優先権主張番号】10 2018 118 280.5
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518334554
【氏名又は名称】ヴァレオ ジーメンス エーアオトモーティヴェ ゲルマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Valeo Siemens eAutomotive Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン フィンガー アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン オエッツェル
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル メンツ
(72)【発明者】
【氏名】フロリアン バリング
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102016205633(DE,A1)
【文献】特開2010-273450(JP,A)
【文献】特開2016-025743(JP,A)
【文献】特開2000-156961(JP,A)
【文献】特開2016-127798(JP,A)
【文献】特開2016-028542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/00- 3/28
H02K 3/30- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ(100)のステータ(72)用のコンタクトリング(1)であって、
前記コンタクトリング(1)は、少なくとも1つの第1導体(17)が配置された第1の面と、電気絶縁材により形成された第2の面(5)と、少なくとも1つの第2導体(51、52、53、54、55、56)が配置された第3の面と、から成る3つの面を有し、
少なくとも1つの第1フィードスルー(13、15)と少なくとも1つの第2フィードスルー(11)が前記第2の面(5)を貫通し、
前記第1フィードスルー(13、15)は、前記第2フィードスルー(11)よりも小さく、1つのコイルのコイルをガイドし、
前記第2フィードスルー(11)は、少なくとも2つのコイルのコイル線をガイドし、
前記第2導体(51、52、53、54、55、56)は、インバータとのインターフェース(61、63)への電流の流路を形成し、
前記第2導体(51、52、53、54、55、56)の前記インターフェース(61、63)への電流の流路の第1電流接続点から第2電流接続点(65)間の導体断面は、前記第2の電流接続点(65)とコイル線と第3の電流接続点(67)間に流れる電流値に応じて前記第2の電流接続点(65)と前記第3の電流接続点(67)間の導体断面よりも大きく形成され、
前記第2の電流接続点(65)と前記第3の電流接続点(67)の夫々は、二つのコイルの端部に接続されている、
ことを特徴とするコンタクトリング(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のコンタクトリング(1)であって、前記第2導体(51、52、53、54、55、56)の断面は、先細りに形成され、または当該断面にジャンプ線(57、58、59)が形成されている、コンタクトリング(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のコンタクトリング(1)であって、前記少なくとも1つの第2導体(51、52、53、54、55、56)は、前記コンタクトリング(1)上に直立している、コンタクトリング(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、前記コイル線はクリンプされたスリーブ(29、31)内で前記フィードスルー(11、13、15)にガイドされている、コンタクトリング(1)。
【請求項5】
請求項4に記載のコンタクトリング(1)であって、前記コイル線または前記スリーブ(29、31)は、前記第1導体または前記第2導体に溶接されている、コンタクトリング(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、前記少なくとも1つの第1導体(17)は前記第2導体(51、52、53、54、55、56)の方向への延長部(23、25)を備え、前記延長部は前記第1フィードスルー(13、15)を通る、コンタクトリング(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、前記第2の面(5)は前記第2導体(51、52、53、54、55、56)のための少なくとも1つのサポート(41、43、45)を備えている、コンタクトリング(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、ステータ(72)またはステータ(72)のステータ端プレート(71)と係合する少なくとも1つの支持部材(7)を備えている、コンタクトリング(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、前記第2導体(51、52、53、54、55、56)の断面は、1つの電流接続点(65)から別の電流接続点(67)にかけて先細りとされているか、または断面にジャンプ線(57、58、59)が形成されている、コンタクトリング(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載のコンタクトリング(1)であって、前記第1の面は前記第3の面よりも前記ステータ(72)との距離が小さく、前記第2の面(5)は前記第1の面と前記第3の面の間に配置されている、コンタクトリング(1)。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の電気モータ(100)のステータ(72)用のコンタクトリング(1)を備えた車両(103)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータのステータ用のコンタクトリングに関する。
【背景技術】
【0002】
電気モータは一般的に知られており、車両の動力源として使用されることが多くなってきている。電気モータは、ステータとロータにより構成されている。
【0003】
ステータは、巻線がガイドされる複数のスロットを備えている。
【0004】
巻線端では、巻線同士を接触させ接続している。この接続を簡潔にするために、いわゆるコンタクトリングやワイヤボードが知られている。
【0005】
DE102015200089B4には、このようなワイヤボードが開示されている。このワイヤボードは、ステータの端面上に直接支持され得る軸スペーサを備えている。
【0006】
EP2959564B1には、コイル端を他の2つの位相のコイル端と接続して中間点を形成するコンタクトリングが開示されている。
【発明の概要】
【0007】
本発明の課題は、コンタクトリングを改善することにある。
【0008】
これは主な請求項にかかるコンタクトリングにより達成される。他の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明における電気モータのステータ用のコンタクトリングは、3つの面を備えている。第1の面は少なくとも1つの第1導体を備え、第2の面は、電気絶縁体で形成され、第3の面は、少なくとも1つの第2導体を備えている。コンタクトリングには、さらに第2の面を貫通する少なくとも1つの第1フィードスルーと少なくとも1つの第2フィードスルーとが形成されている。第1フィードスルーは第2フィードスルーよりも小さく、第1フィードスルーは1つのコイルのコイル線をガイドし、第2フィードスルーは少なくとも2つのコイルのコイル線をガイドしている。
【0010】
ここで、コイル線は、たとえばコイル線端であってもよい。
【0011】
第1フィードスルーは1つのコイルのコイル線を保持可能であり、より大きな第2フィードスルーは2つのコイルのコイル線を保持可能である。このように、第2フィードスルーによれば、2つの異なるコイルの2つのコイル線をフィードスルー内において接触させておくことが可能である。
【0012】
第1導体は、第1フィードスルー内のコイル線端を電気的に接続する中間導体であってもよい。
【0013】
第2導体は、第2フィードスルー内の少なくとも2つのコイルのコイル線端と別の第2フィードスルー内の少なくとも2つのコイルのコイル線端とを接続する位相導体であってもよい。
【0014】
第1導体と第2導体を絶縁体の異なる側に配置することにより、コンタクトリングがコンパクトな構成となる。
【0015】
少なくとも1つの第2導体はコンタクトリング上で直立していることが好ましい。
【0016】
第2導体は、幅よりも高さのほうが大きくなっている。
【0017】
本発明の他の実施形態では、コイル線はクリンプされたスリーブ内でフィードスルーにガイドされる。
【0018】
スリーブ内でコイル線端をクリンプすることで、線束において個々の線が絶縁されるのを避けることができる。これにより、コイル線端と導体とをスリーブを介して伝導接続することができる。
【0019】
さらに好ましくは、コイル線は第1導体または第2導体に溶接されてもよい。
【0020】
溶接することで、十分な機械的安定性を有する伝導接続が得られる。
【0021】
他の実施形態では、少なくとも1つの第1導体は第2導体の方向への延長部を備えてもよく、この延長部は第1フィードスルーを通ってもよい。
【0022】
第1フィードスルーを通るように第1導体を延長することにより、第1導体と第2導体いずれもが、それぞれコンタクトリングの同じ側でコイル線端またはスリーブと接触することができる。第1導体は第1フィードスルー内のコイル線端と接続され、各第2導体は第2フィードスルー内の2つのコイルのコイル線端と接続される。これは、コンタクトリングをステータ上に配置してコイル線をできるだけ短くする場合に特に有効である。そして、ステータから離れた側での接続が容易になる。
【0023】
好ましくは、第2の面は、第2導体のための少なくとも1つのサポートを備えていてもよい。
【0024】
このサポートは、導体が上方から挿入され可変留め具により保持されるクリップインタイプであってよい。
【0025】
たとえば第1導体がコンタクトリングの対応するコイル線端と接触した後にのみ、第2導体をサポートに通すようにしてもよい。
【0026】
さらに好ましくは、コンタクトリングは、ステータまたはステータのステータ端プレートと係合する少なくとも1つの支持部材を含んでいてもよい。
【0027】
この支持部材により、たとえばステータのコアとの間に規定された距離を確保することができる。さらに、この支持部材により、コンタクトリングはコイル線端またはスリーブの接触を確保するように保持される。
【0028】
本発明の他の好ましい実施形態では、第2導体の断面は、1つの電流接続点から別の電流接続点にかけて先細りとされ、または断面にジャンプが形成されていてもよい。
【0029】
第2導体の断面は、流れる電流によって決められ、たとえば、第1電流接続点から第2電流接続点にかけての断面を、第2電流接続点から第3電流接続点にかけての断面より大きくすることができる。このような断面の変化はステップ的でも連続的でもよい。
【0030】
第1電流接続点はインバータへのインタフェースであってもよく、第2および第3電流接続点はそれぞれ第2フィードスルー内の2つのコイル線端またはスリーブとの接触点であってもよい。
【0031】
好ましくは、第1の面は第3の面よりもステータとの距離が大きく、第2の面は第1の面と第3の面の間に配置されていてもよい。
【0032】
コンタクトリングがステータにセットされた後に、第1の面よりも第3の面のほうがアクセスしやすく、第1の面よりも、たとえばコイル線端とスリーブや導体との接触がより簡潔になる。
【0033】
このように、たとえばコンタクトリングがステータ上にセットされ、セットされた後にのみコンタクトリングのステータとは反対側で接触させることができる。
【0034】
本発明の1つの実施形態では、第1導体には第2導体よりも小さい電流が流れ、そのため、第2導体よりも断面が小さくなっている。そこで、第1導体はコンタクトリング上にフラットに配置することができ、高さよりも幅を大きくすることができる。
【0035】
本発明の他の実施形態では、コンタクトリングは他の面を有していてもよい。他の面は、たとえば第1の面の下でステータの方向に形成されていてもよく、ステータと第1の面の間の電気絶縁性を向上させることになる。
【0036】
本発明の他の実施形態では、コンタクトリングとステータはシール材を用いて収容されていてもよい。これにより、ステータが湿気から保護される。
【0037】
本発明によれば、車両は、好ましい実施形態のいずれか1つによる電気モータのステータ用のコンタクトリングを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】コンタクトリングの上面図である。
図2】コンタクトリングの中間面を示す。
図3】コンタクトリングの断面を示す。
図4】中間導体の2つの実施形態を示す。
図5】コンタクトリングの他の図である。
図6】コンタクトリングの位相面を示す。
図7】位相導体の2つの実施形態を示す。
図8】コンタクトリングの他の実施形態を示す。
図9】ステータ端プレートを示す。
図10】電気モータとコンタクトリングを備えた車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、外径9と内径3を有するコンタクトリング1を示している。コンタクトリング1は、複数のフィードスルー11、13,15を備えている。第1フィードスルー13,15は第1の径を有し、第2フィードスルー11は第2の径を有している。それぞれの第1フィードスルー13、15内には1つのコイルのコイル線端が配置され、より大きな第2フィードスルー11内には2つのコイルのコイル線端が配置されている。これにより、2つのコイル線端は第2フィードスルー11内において接触している。
【0040】
絶縁体で形成された連続的な第2の面5により、コンタクトリング1が安定している。
【0041】
図2は、コンタクトリング1の第1の面の底面図または透視内面図である。たとえば、第1の面は中間面である。選択された第1フィードスルー13、15は、それぞれ伝導片19を介して伝導部17に接続され、それぞれ第1導体または中間導体2として機能している。3つの第1フィードスルー15、15a、15bは、それぞれ中間点として1つの中間導体2を介して接続されている。伝導部17はコンタクトリング1の外側面9または内側面3に配置されフィードスルー13、15への伝導片19を備えている。これにより、異なる中間導体2の間の絶縁として最大限の分離が達成されている。
【0042】
さらに、図2は、1つの中間導体2を介してそれぞれ3つのフィードスルー15、15a、15bだけが接続されていることを示している。これにより、3つのコイル線端またはスリーブが中間点に接続される。第2フィードスルー11は、それぞれ2つのコイルのコイル線端を保持可能であり、中間コネクタ2には接続されていない。
【0043】
図3は、コンタクトリング1の断面を示している。図3の実施形態では、中間面はコンタクトリング1の中間に配置されている。第2の面5は中間面の上に配置され、第1の面と第3の面の間を絶縁している。中間面の下には追加面6が配置され、この追加面6も電気的絶縁材で形成されている。第2の面5、第1の面(中間面)および追加面6という3つの面は、第1の面の中間導体2に対して電気的絶縁材で押し出しコーティングすることで形成される。
【0044】
さらに、図3は第1フィードスルー13を示し、この第1フィードスルー13はコイルのコイル線端をスリーブ有または無で保持可能となっている。フィードスルー13の後方には点線で示すように別のフィードスルー15が形成されている。フィードスルー13、15はステータ21の方向に広がっている。これにより、スリーブ有または無でコイル線端をフィードスルー13、15に容易に挿入することができる。伝導部17は、たとえばコンタクトリング1の外側エッジ9に配置され、伝導片19を介して内側にフィードスルー13、15まで延びており、そこから伝導部17の伝導片19は上側に曲げられている。これらの上方湾曲部23、25には、たとえばコイル線端を固定することができる。これは、たとえばコイル線を溶接する、スリーブ端をコイル線にクリンプしてスリーブ端を溶接する、または当業者に知られている同様な固定方法を採用することで達成できる。同様に、スリーブを湾曲部23、25の一部としておき、コイル線端を直接スリーブに挿入した後に単にクリンプすることも考えられる。クリンプすることで、コイル線端とスリーブとの間に電気的接触が形成される。クリンプすることで、コイル線端とスリーブとが電気的に接触する。これによりコイル線端の絶縁が不要になる。
【0045】
コンタクトリング1は、ステータに直接またはたとえばステータ端プレートにより支持されるように、支持部材7を外側エッジ9上に備えている。ステータまたはステータ端プレートには、安定性を向上させるために支持部材7の留め具27が係合できる溝または凹部が形成されていてもよい。
【0046】
図4は、中間導体2の2つの具体的構成例を示す。中間導体2は、導電部17と導電片19と湾曲導電部23、25から形成されている。導電部17は、コンタクトリング1の外側エッジ9上に配置されていてもよい。導電片19は、フィードスルーとの接続の機能を果たしている。そこから上方に曲げられ、上方湾曲部23、25がフィードスルーを貫通している。
【0047】
中間導体2は、コンタクトリング1に下側から挿入されてもよいし、または絶縁材で押し出しコートされた状態でコンタクトリング1内の第2の面5と追加面6との間に延在させてもよい。このように、この押し出しコートされた中間導体の具体的構成例においては、ステータの方向に絶縁されるように、中間面の下側に追加的な電気絶縁面が配置されている。
【0048】
符号23、25で示されるように、図4は、2つの異なる中間導体2を示している。この2つの中間導体は、中間面で交差することはなく、異なるコイル線端をそれぞれ第1フィードスルーで接続している。このように、それぞれ3つのコイル線端が1つの中間点に接続されている。
【0049】
図5はコンタクトリング1を示している。中間面は絶縁面5の下側に配置されている。中間面が押し出しコートされている場合には、中間面の下側に追加面として存在してもよい別の絶縁面は上面図である図5には表れない。それぞれのコイルのコイル線端を保持する第1フィードスルー13、15の径は2つのコイルのコイル線端を保持するフィードスルー11の径とは異なっている。中間導体の上方湾曲部23、25は個々のコイルのためのフィードスルー13、15内に表れている。
【0050】
さらに、コイルのコイル線端に中間スリーブ29がクリンプされた例が示されている。同様に、2つのコイルのコイル線端にクリンプされ、第2フィードスルー11に挿入されたクリンプ位相スリーブ31が示されている。
【0051】
第2導体によりフィードスルー11内でコイル線端を接続するために、コンタクトリング1はサポート41、43、45を備えている。たとえば、サポート43は2つの導体を保持するように形成されている。同様にサポート41は1つの導体のみを保持し、さらにサポート45は一方側の導体のみを保持している。第2導体の形状や位置に基づいて適切なサポートが選択される。
【0052】
さらに、ステータまたはステータ端プレートの凹部に合わせて、支持部材7には留め具27を配置されている。さらに、コンタクトリング1は、軽量化のために凹部4、8が形成されている。
【0053】
コンタクトリング1は、位相面である第3の面に電気絶縁体で形成された凸部22を有している。この凸部22により、位相導体が、互いに細かく分離され、さらに位相導体が中間面の第1フィードスルー、湾曲部23、25、または場合によってはスリーブ29を有するコイル線端から細かく分離される。
【0054】
さらに、コンタクトリング1は、インタフェースとして第3の面にサポート留め具24を備えている。
【0055】
図6は、コンタクトリング1の上部の位相面である第3の面を示している。2つのコイルのコイル線端はともに1つの第2フィードスルー11内に配置されている。それぞれ2つのコイル線端が配置された2つのフィードスルー11、11aは、いわゆる位相導体56により互いに接続されている。2つのコイル線端は、位相スリーブとも呼ばれるスリーブにクリンプされていてもよい。第1フィードスルー13、15は、位相導体とも呼ばれる第2導体51、52、53、54、55、56と接続されることはなく、むしろ位相導体は電気絶縁を確保するため第1フィードスルー13、15から充分な距離をおいて取り回される。位相導体54、55、56の一部は、その端部で、たとえばインバータとのインタフェースとして規定されたコンタクトインタフェース61と接続されている。位相導体51、52、53はその中間、すなわちコイル線端の2つの接触点の間で、他のコンタクトインタフェース63と接続されている。
【0056】
図7は、インバータとの規定されたインタフェース61、63を含み位相導体51、52、53、54、55、56の具体的構成例を示している。まず配線図にしたがって正しいコイル線端に接続され、同時に他の位相導体や中間面の第1フィードスルーから充分な絶縁距離を確保できるように、位相導体が曲げられる。
【0057】
位相導体の電流負荷はコイル線端との電流接続点の接触位置によって決まり、位相導体の断面やその高さによっても異なる。第1電流接続点から第2電流接続点への流路の断面が、第2電流接続点からインバータとのインタフェース61、63への流路よりも小さくなっている。したがって、第2電流接続点の後において、位相導体は断面の表面にジャンプ57、58、59、60を有することができる。また、位相導体をインタフェース61、63から離れた端部に向かって連続的な先細り形状とすることもできる。
【0058】
図8は、6つの第2導体または位相導体51、52、53、54、55、56を備えたコンタクトリング1を示している。各位相導体は、1つのインタフェース61、63と、それぞれ2つのコイルのコイル線端と接続された2つのスリーブ31、31aとに接続されている。
【0059】
たとえば、位相導体51はインタフェース63に接続されている。位相導体51は、インタフェース63から、2つのコイルのコイル線端に接続されたスリーブ31aとの電流接続点65までの第1断面を有している。さらに、位相導体51は、他の2つのコイルのコイル線端に接続された他のスリーブ31との電流接続点67まで延在している。電流接続点65と電流接続点67の間において、位相導体51の断面は縮小している。図8の実施形態では、この縮小は断面におけるジャンプ57として形成されている。
【0060】
他の5つの位相導体52、53、54、55、56においても、図7に付加的に示されているように、3つの位相導体54、55、56はそれぞれジャンプ58、59、60を有している。
【0061】
また、通電部材同士の間の電気絶縁を確保する凸部22も示されている。
【0062】
図8のコンタクトリング1は、ステータ72またはステータ端プレートに形成された凹部のための留め具27を有する支持部材7を備えている。さらに、コンタクトリング1には、軽量化のための切り欠き4、8が形成されている。
【0063】
図9は、上述のステータ72の積層コアのステータ端プレート71の例を示している。このステータ端プレート71は、ステータの積層コアの最終プレートである。このステータ端プレート71には、積層コアの他のプレートと同様に、歯73とスロット75が形成されており、積層コアの他のプレートとの違いは、ステータ端プレート71の外側エッジ79に切り欠きまたは凹部77が形成されていることである。この凹部77は、たとえばコンタクトリング1の支持部材7の留め具27を収容することができ、留め具27は凹部77に係合することができる。コンタクトリング1の外側エッジ79に形成された複数の支持部材7により、コンタクトリング1はステータ72に固定される。
【0064】
同様に、支持部材7はコンタクトリング1をステータ72の方向にガイドすることができ、そのためのフィードスルーに端スリーブを自動的に挿入することができる。その後にコンタクトリング1の上面、すなわち位相面とも呼ばれる第3の面上でスリーブを溶接することで、より簡潔に構成できる。
【0065】
図10は、たとえばハイブリッド自動車または電気自動車などの車両103の具体的な構成例を示す概略図であり、車両103の動力としてコンタクトリング1の構成例を備えた電気装置100を備えている。
【0066】
図10は、さらにコンタクトリング1のインタフェースとインバータ101との接続も示している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10