(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】撮像装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/028 20060101AFI20240926BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240926BHJP
G03B 27/54 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H04N1/028 H
H04N1/04 101
G03B27/54 A
(21)【出願番号】P 2020195083
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】山田 瑛輝
(72)【発明者】
【氏名】中野 憲吾
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-035885(JP,A)
【文献】特開平11-084544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
G03B 27/50 -27/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を撮像する撮像センサと、
媒体を照射し、且つ、媒体の搬送面又は載置面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、
前記光源部は、
発光素子と、
前記発光素子が一方の端面側に配置され、前記発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、前記所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、
前記出射面以外の前記導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、
前記導光部材は、前記出射面と反対側に光拡散面を有し、
前記反射部材は、前記導光部材の前記一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、
前記反射部材の媒体側側面は、前記導光部材の前記他方の端面より突出するように配置されており、
前記反射部材の媒体側側面が、前記導光部材の前記他方の端面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定され、
前記導光部材の前記他方の端面は、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出するように配置されて
おり、
前記導光部材の前記他方の端面が、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定される、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光拡散面は、前記導光部材の前記他方の端面まで延伸するように設けられている、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
媒体を搬送する搬送部と、
媒体を撮像する撮像センサと、
媒体を照射し、且つ、媒体の搬送面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、
前記光源部は、
発光素子と、
前記発光素子が一方の端面側に配置され、前記発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、前記所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、
前記出射面以外の前記導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、
前記導光部材は、前記出射面と反対側に光拡散面を有し、
前記反射部材は、前記導光部材の前記一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、
前記反射部材の媒体側側面は、前記導光部材の前記他方の端面より突出するように配置されており、
前記反射部材の媒体側側面が、前記導光部材の前記他方の端面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定され、
前記導光部材の前記他方の端面は、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出するように配置されて
おり、
前記導光部材の前記他方の端面が、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定される、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
撮像部と、
前記撮像部を移動させるモータと、を有し、
前記撮像部は、
媒体を撮像する撮像センサと、
媒体を照射し、且つ、媒体の載置面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、
前記光源部は、
発光素子と、
前記発光素子が一方の端面側に配置され、前記発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、前記所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、
前記出射面以外の前記導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、
前記導光部材は、前記出射面と反対側に光拡散面を有し、
前記反射部材は、前記導光部材の前記一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、
前記反射部材の媒体側側面は、前記導光部材の前記他方の端面より突出するように配置されており、
前記反射部材の媒体側側面が、前記導光部材の前記他方の端面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定され、
前記導光部材の前記他方の端面は、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出するように配置されて
おり、
前記導光部材の前記他方の端面が、前記反射部材の媒体側側面と反対側の側面より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下に設定される、
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及び画像読取装置に関し、特に、媒体を照射する光源を有する撮像装置及び画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、スキャナー等の画像読取装置は、撮像センサ及び光源を有する撮像装置を用いて、原稿を照射させながら撮像する。このような撮像装置では、良好な画像が生成されるように、媒体に対して均一に光を照射することが要求されている。
【0003】
透光性材料からなる導光体と、導光体の長手方向の一側表面に設けた光屈折及び/又は反射領域と、導光体の両端部表面に設けられた光源とを備える線状照明装置が開示されている(特許文献1を参照)。この線状照明装置は、光屈折及び/又は反射領域を多数の三角波状の屈折/反射面で形成する。
【0004】
透光性を有する導光体と、導光体の長手方向の一側表面に設けた光屈折・反射領域と、導光体の一端部表面に設けられた光源とを備える線状照明装置が開示されている(特許文献2を参照)。この線状照明装置は、三角波面で構成された光屈折・反射領域と、空間を隔てて光屈折・反射領域を覆う拡散面とを備え、光源が配置された一端面から長手方向に他端面に向かうに従い導光体の断面の断面積が次第に小さくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-150526号公報
【文献】特開2004-312753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
撮像装置及び画像読取装置では、媒体に対して均一に光を照射することが望まれている。
【0007】
本発明の目的は、媒体に対して均一に光を照射することができる撮像装置及び画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本実施形態の一側面に係る撮像装置は、媒体を撮像する撮像センサと、媒体を照射し、且つ、媒体の搬送面又は載置面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、光源部は、発光素子と、発光素子が一方の端面側に配置され、発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、出射面以外の導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、導光部材は、出射面と反対側に光拡散面を有し、反射部材は、導光部材の一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、反射部材の媒体側側面は、導光部材の他方の端面より突出するように配置されている。
【0009】
本実施形態の一側面に係る画像読取装置は、媒体を搬送する搬送部と、媒体を撮像する撮像センサと、媒体を照射し、且つ、媒体の搬送面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、光源部は、発光素子と、発光素子が一方の端面側に配置され、発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、出射面以外の導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、導光部材は、出射面と反対側に光拡散面を有し、反射部材は、導光部材の一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、反射部材の媒体側側面は、導光部材の他方の端面より突出するように配置されている。
【0010】
本実施形態の一側面に係る画像読取装置は、撮像部と、撮像部を移動させるモータと、を有し、撮像部は、媒体を撮像する撮像センサと、媒体を照射し、且つ、媒体の載置面に対して傾いた状態で配置された光源部と、を有し、光源部は、発光素子と、発光素子が一方の端面側に配置され、発光素子から出射された光を所定方向に導光し、且つ、所定方向に延伸した出射面から光を媒体に向けて出射する導光部材と、出射面以外の導光部材の周囲に配置された反射部材と、を有し、導光部材は、出射面と反対側に光拡散面を有し、反射部材は、導光部材の一方の端面とは反対側の他方の端面を被覆せず、反射部材の媒体側側面は、導光部材の他方の端面より突出するように配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像装置及び画像読取装置は、媒体に対して均一に光を照射することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に従った画像読取装置100の一例の構成図である。
【
図2】画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【
図3】第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bの断面図である。
【
図8】第1光源ユニット130aのさらなる拡大図である。
【
図10】第1光源ユニット130aの側面図である。
【
図11】第1光源ユニット130aの側面図である。
【
図12A】従来の光源ユニットLの一例を示す模式図である。
【
図12B】発光素子からの距離と光の強度との関係を示すグラフである。
【
図13】画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図14A】他の実施形態に従った画像読取装置200の一例の構成図である。
【
図14B】他の実施形態に従った画像読取装置200の一例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一側面に係る撮像装置及び画像読取装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0014】
図1は、実施形態に従った画像読取装置100の一例の構成図である。
図1は、画像読取装置100の斜視図である。
【0015】
図1に示すように、画像読取装置100は、例えばADF(Auto Document Feeder)タイプのスキャナー装置等であり、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。画像読取装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。
【0016】
画像読取装置100は、下側筐体101、上側筐体102、載置台103及び排出台104等を備える。
【0017】
上側筐体102は、画像読取装置100の上面を覆う位置に配置され、下側筐体101に係合している。載置台103は、搬送される媒体を載置可能に下側筐体101に係合している。排出台104は、排出された媒体を保持可能に下側筐体101に係合している。
【0018】
図1において矢印A1は媒体搬送方向を示し、矢印A2は、媒体搬送方向A1と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A1の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A1の下流のことをいう。
【0019】
図2は、画像読取装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0020】
画像読取装置100内部の搬送経路は、給送ローラ111、リタードローラ112、第1搬送ローラ113、第1従動ローラ114、第1撮像装置115a、第2撮像装置115b、第2搬送ローラ116及び第2従動ローラ117等を有している。なお、各ローラの数は一つに限定されず、各ローラの数はそれぞれ複数でもよい。以下では、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bを総じて撮像装置115と称する場合がある。
【0021】
下側筐体101の上面は媒体の搬送路の下側ガイド101aを形成し、上側筐体102の下面は媒体の搬送路の上側ガイド102aを形成する。給送ローラ111、リタードローラ112、第1搬送ローラ113、第1従動ローラ114、第2搬送ローラ116及び第2従動ローラ117は搬送部の一例であり、媒体を搬送する。
【0022】
載置台103に載置された媒体は、給送ローラ111が
図2の矢印A3の方向に回転することによって、上側ガイド102aと下側ガイド101aの間を媒体搬送方向A1に向かって搬送される。リタードローラ112は、媒体搬送時、矢印A4の方向に回転する。給送ローラ111及びリタードローラ112の働きにより、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ111と接触している媒体のみが分離される。これにより、分離された媒体以外の媒体の搬送が制限されるように動作する(重送の防止)。
【0023】
媒体は、上側ガイド102aと下側ガイド101aによりガイドされながら、第1搬送ローラ113と第1従動ローラ114の間に送り込まれる。媒体は、第1搬送ローラ113が矢印A5の方向に回転することによって、第1撮像装置115aと第2撮像装置115bの間に送り込まれる。撮像装置115により読み取られた媒体は、第2搬送ローラ116が矢印A6の方向に回転することによって排出台104上に排出される。
【0024】
図3は、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bを側方から見た断面図である。
図4は、第1撮像装置115aを媒体搬送路側から見た斜視図である。
図5は、
図4の領域R1の拡大図である。
【0025】
図3に示すように、第1撮像装置115aは、第2撮像装置115bと対向して第2撮像装置115bの上方に配置される。第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bは、撮像部の一例である。第1撮像装置115aは、搬送された媒体の裏面を撮像し、第2撮像装置115bは、搬送された媒体の表面を撮像する。第2撮像装置115bが下側筐体101に固定されている一方で、第1撮像装置115aは、媒体搬送路と直交する高さ方向A7に移動可能に上側筐体102に支持されている。第1撮像装置115aの上方には不図示の付勢ばねが設けられ、第1撮像装置115aは、付勢ばねにより第2撮像装置115b側に向かう方向に付勢されており、カード等の媒体が搬送された場合に媒体により押し上げられる。
【0026】
図3~
図5に示すように、第1撮像装置115aは、第1撮像ユニット121a、第1基準部材122a、第1光透過部材123a及び第1光源ユニット130a等を有する。また、
図3に示すように、第2撮像装置115bは、第2撮像ユニット121b、第2基準部材122b、第2光透過部材123b及び第2光源ユニット130b等を有する。
【0027】
第1撮像ユニット121aは、第1光透過部材123a及び第2光透過部材123bを挟んで第2基準部材122bの反対側に配置される。第1撮像ユニット121aは、撮像センサ124aを有する。撮像センサ124aは、幅方向A2、即ち主走査方向に間隔を空けて並べて配置された複数の撮像素子を含み、且つ、搬送された媒体を撮像する。撮像センサ124aは、例えば、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサである。また、第1撮像ユニット121aは、撮像素子上に像を結ぶレンズ125aと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器(不図示)とを有する。第1撮像ユニット121aは、撮像位置L1において、第1撮像装置115aと第2撮像装置115bの間に搬送された媒体の裏面及び媒体の周囲を撮像して入力画像を生成し、出力する。第1撮像ユニット121aは、媒体が搬送されていない場合、第2基準部材122bを撮像する。
【0028】
同様に、第2撮像ユニット121bは、第2光透過部材123b及び第1光透過部材123aを挟んで第1基準部材122aの反対側に配置される。第2撮像ユニット121bは、撮像センサ124bを有する。撮像センサ124bは、主走査方向に間隔を空けて並べて配置された複数の撮像素子を含み、且つ、搬送された媒体を撮像する。撮像センサ124bは、例えば、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサである。また、第2撮像ユニット121bは、撮像素子上に像を結ぶレンズ125bと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル変換するA/D変換器(不図示)とを有する。第2撮像ユニット121bは、撮像位置L2において、第1撮像装置115aと第2撮像装置115bの間に搬送された媒体の表面及び媒体の周囲を撮像して入力画像を生成し、出力する。第2撮像ユニット121bは、媒体が搬送されていない場合、第1基準部材122aを撮像する。
【0029】
なお、撮像センサとして、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、撮像センサとして、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0030】
第1基準部材122aは、第1光透過部材123aの上方に、且つ、第2撮像装置115bの第2撮像ユニット121b及び第2光源ユニット130bと対向する位置に設けられる。第1基準部材122aの第2撮像ユニット121bと対向する面は白色を有している。同様に、第2基準部材122bは、第2光透過部材123bの下方に、且つ、第1撮像装置115aの第1撮像ユニット121a及び第1光源ユニット130aと対向する位置に配置される。第2基準部材122bの第1撮像ユニット121aと対向する面は白色を有している。画像読取装置100は、第1基準部材122a及び第2基準部材122bを撮像した画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行う。
【0031】
第1光透過部材123a及び第2光透過部材123bは、透明のガラスにより形成される。なお、第1光透過部材123a及び第2光透過部材123bは、透明のプラスチック等により形成されてもよい。第2光透過部材123bと、下側筐体101の下側ガイド101aとは、媒体の搬送面を形成する。
【0032】
第1光源ユニット130aは、第1光透過部材123a及び第2光透過部材123bを挟んで第2基準部材122bの反対側に、且つ、第1撮像ユニット121aより媒体搬送方向A1の下流側に設けられる。第1光源ユニット130aは、光源部の一例であり、媒体の搬送面に対して傾いた状態で配置され、搬送された媒体を照射する。即ち、第1光源ユニット130aによる光の照射方向は、媒体の搬送面に対して傾いており(直交せず)、且つ、第1撮像ユニット121aによる撮像方向に対して傾いている(平行でない)。第1光源ユニット130aは、撮像装置115の位置に搬送された媒体の裏面(媒体が搬送されていない場合は対向する第2基準部材122b)に向けて光を照射する。
【0033】
第1光源ユニット130aは、媒体側(媒体の搬送面側)に配置される媒体側側面131aと、媒体側側面131aの反対側(上側筐体102の内側)に配置される非媒体側側面132aと、底面133aとを有する。第1光源ユニット130aが第1撮像装置115aの撮像位置L1に向けて光を照射するように、第1光源ユニット130aには、撮像位置L1に向かう側に開口部134aが設けられている。
【0034】
同様に、第2光源ユニット130bは、第2光透過部材123b及び第1光透過部材123aを挟んで第1基準部材122aの反対側に、且つ、第2撮像ユニット121bより媒体搬送方向A1の下流側に設けられる。第2光源ユニット130bは、光源部の一例であり、媒体の搬送面に対して傾いた状態で配置され、搬送された媒体を照射する。即ち、第2光源ユニット130bによる光の照射方向は、媒体の搬送面に対して傾いており(直交せず)、且つ、第2撮像ユニット121bによる撮像方向に対して傾いている(平行でない)。第2光源ユニット130bは、撮像装置115の位置に搬送された媒体の表面(媒体が搬送されていない場合は対向する第1基準部材122a)に向けて光を照射する。
【0035】
第2光源ユニット130bは、媒体側(媒体の搬送面側)に配置される媒体側側面131bと、媒体側側面131bの反対側(下側筐体101の内側)に配置される非媒体側側面132bと、底面133bとを有する。第2光源ユニット130bが第2撮像装置115bの撮像位置L2に向けて光を照射するように、第2光源ユニット130bには、撮像位置L2に向かう側に開口部134bが設けられている。
【0036】
なお、画像読取装置100は、第1撮像装置115a及び第2撮像装置115bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。
【0037】
図6~
図11は、第1光源ユニット130aについて説明するための模式図である。
図6は、第1光源ユニット130aを媒体搬送路側から見た斜視図である。
図7は、
図6の領域R2の拡大図である。
図8は、第1光源ユニット130aのさらなる拡大図である。
図9は、第1光源ユニット130aを開口部134a側から(
図8の矢印A11の方向から)見た平面図である。
図10は、第1光源ユニット130aを非媒体側側面132a側から(
図8の矢印A12の方向から)見た側面図である。
図11は、第1光源ユニット130aを主走査方向の一端側から(
図8の矢印A13の方向から)見た側面図である。第1光源ユニット130aと第2光源ユニット130bの構成は同様であるため、以下では代表して第1光源ユニット130aの構成について説明する。
【0038】
図6~
図8に示すように、第1光源ユニット130aは、発光素子140、導光部材150、反射部材160等を有する。
【0039】
図6に示すように、発光素子140は、主走査方向において、導光部材150の一方の端面である第1端面151側に配置される。発光素子140は、導光部材150の第1端面151とは反対側の他方の端面である第2端面152側に向けて、導光部材150が延伸する主走査方向に沿って光を照射する。
図6及び
図11に示すように、発光素子140は、第1撮像装置115aに取り付けられた支持部材141に取り付けられることにより、第1撮像装置115aに固定される。
【0040】
図6~
図8に示すように、導光部材150は、主走査方向に沿って延伸するプリズム等の導光管である。導光部材150は、第1端面151側に配置された発光素子140から出射された光を、第2端面152に向けて、主走査方向に導光する。導光部材150は、発光素子140から出射された光を、第1光源ユニット130aの開口部134a側に配置された、主走査方向に延伸した出射面153から、媒体の搬送面に向けて、即ち媒体に向けて出射する。
【0041】
図7及び
図9に示すように、導光部材150は、出射面153と反対側に、即ち出射面153と対向する位置に光拡散面154を有する。光拡散面154は、例えばシルク印刷により形成される。なお、光拡散面154は、スリット又はドットで形成されてもよい。光拡散面154は、導光部材150の第2端面152まで延伸するように設けられている。なお、光拡散面154は、導光部材150の第2端面152に達する位置まで延伸していなくてもよく、導光部材150の第2端面152から所定距離(例えば1mm)以内の位置まで延伸するように設けられていてもよい。導光部材150は、光拡散面154により、発光素子140から出射された光を拡散する。
【0042】
図6~
図8に示すように、反射部材160は、第1光源ユニット130aの外枠を形成するケースである。反射部材160は、内側に白色の反射面を有し、発光素子140から出射され且つ導光部材150により導光された光を反射させる。反射部材160は、発光素子140から出射された光を導光部材150内に内乱反射させる。反射部材160は、上記した第1光源ユニット130aの媒体側側面131a、非媒体側側面132a及び底面133aを有し、コの字状に形成される。媒体側側面131a、非媒体側側面132a及び底面133aは、主走査方向に延伸するように設けられ、反射部材160には、媒体側側面131a及び非媒体側側面132aにより、主走査方向に延伸する開口部134aが設けられる。
【0043】
図8~
図11に示すように、反射部材160は、導光部材150の第2端面152を被覆せず、導光部材150の第2端面152は露出している。
図9及び
図10に示すように、導光部材150の第2端面152は、反射部材160の非媒体側側面132aより突出するように配置されている。例えば、第2端面152が非媒体側側面132aより突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下(より好ましくは0.3mm以上且つ1.0mm以下)に設定される。
【0044】
また、反射部材160の媒体側側面131aは、導光部材150の第2端面152より突出するように配置されている。例えば、媒体側側面131aが第2端面152より突出する長さは、0.1mm以上且つ10mm以下(より好ましくは0.3mm以上且つ1.0mm以下)に設定される。
【0045】
主走査方向において、導光部材150及び反射部材160の発光素子140側の端部は、略同一位置に配置される。そして、主走査方向において、非媒体側側面132aは、導光部材150より短くなるように形成され、且つ、媒体側側面131aは、導光部材150より長くなるように形成される。これにより、導光部材150の第2端面152側の端部は、媒体の搬送面の反対側に向けて露出し、媒体の搬送面側に向けて遮蔽される。
【0046】
なお、導光部材150の第2端面152は、反射部材160の非媒体側側面132aより突出していなくてもよく、非媒体側側面132aと面一になるように設けられてもよい。
【0047】
図8及び
図10に示すように、光の出射方向において、導光部材150の出射面153は、反射部材160の媒体側側面131aより突出するように配置されている。これにより、第1光源ユニット130aは、媒体の搬送面に向けて出射する光量を増大させることができる。なお、光の出射方向において、出射面153は、媒体側側面131aと面一になるように配置されてもよい。
【0048】
以下、導光部材150の第2端面152が非媒体側側面132aより突出し且つ媒体側側面131aが導光部材150の第2端面152より突出するように配置されることの技術的意義について説明する。
【0049】
図12Aは、従来の光源ユニットCの一例を示す模式図である。
【0050】
図12Aに示すように、従来の光源ユニットCでは、発光素子が配置されていない側の導光部材の端面は、被覆されておらず、反射部材C1により覆われている。
【0051】
図12Bは、光源ユニットの主走査方向における発光素子からの距離と光源ユニットから出射される光の強度との関係を示すグラフである。
図12Bの横軸は光源ユニットの主走査方向における発光素子からの距離を示し、縦軸は各位置において光源ユニットから出射される光の強度を示す。グラフ1201は、従来の光源ユニットCにおける発光素子からの距離と各位置において出射される光の強度との関係を示す。一方、グラフ1202は、本実施形態に係る第1光源ユニット130aにおける発光素子140からの距離と各位置において出射される光の強度との関係を示す。
【0052】
光源ユニットCでは、発光素子が配置されていない側の導光部材の端面は反射部材C1により覆われている。そのため、発光素子から出射された光は、反対側の端部において反射部材C1の内面で反射し、反射部材(リフレクタ)と導光部材(プリズム)の間で乱反射し、出射面から出射される。これにより、グラフ1201に示されるように、発光素子が配置されていない側の端部において光源ユニットCから出射される光の強度が増大し、光源ユニットCの各位置から出射される光の強度が不均一になる。したがって、光源ユニットCによって光が照射された媒体を撮像した画像では、感度不均一性(PRNU:Photo Response Non-Uniformity)が高くなり、主走査方向における各画素の出力にばらつきが発生する。また、発光素子が配置されていない側の端部における光の強度の増大を抑制させるために、発光素子からの光量を低減させると、画像内のノイズが増大し、SN比が低くなる可能性がある。
【0053】
一方、本実施形態に係る第1光源ユニット130aでは、導光部材150の第2端面152が露出しているため、発光素子140から出射された光は、第2端面152において反射せず、第2端面152から主走査方向に向けて出射される。第1光源ユニット130aでは、第2端面152側において、媒体側側面131aが導光部材150より突出しているため、第2端面152から主走査方向に向けて出射された光は媒体側側面131aによって遮られる。そのため、第2端面152から出射された光が媒体の搬送面側に漏れることが抑制される。
【0054】
また、第1光源ユニット130aでは、第2端面152側において、導光部材150が非媒体側側面132aより突出している。そのため、第2端面152側において、非媒体側側面132aによる光の反射が抑制され、出射面側からの光の出射量の増大が抑制される。なお、導光部材150が非媒体側側面132aより突出していることにより、第2端面152から主走査方向に向けて出射された光は、媒体の搬送面の反対側には漏れる。しかしながら、媒体の搬送面の反対側に漏れた光は、装置内部の壁面で吸収されるため、媒体の搬送路側には漏れず、媒体の撮像には影響を及ぼさない。
【0055】
したがって、グラフ1202に示されるように、第1光源ユニット130aでは、第2端面152の近傍において出射される光の強度が増大することが抑制され、各位置から出射される光の強度は均一になる。
【0056】
特に、第1光源ユニット130aでは、導光部材150の光拡散面154が第2端面152まで延伸するように設けられている。そのため、導光部材150は、第2端面152まで光が拡散可能に設けられており、第2端面152を反射部材で覆った場合、第2端面152の近傍において出射される光の強度は増大する。例えば、第2端面152に黒色等を有する光吸収部材を貼り付けること、又は、黒色等の塗料を塗布すること等により、第2端面152において光を吸収することも可能である。しかしながら、その場合、熱影響が発生しない材料を選定するための開発工数の増大及び製品の製造作業の増大に伴って製品コストが増大する。また、作業者毎の作業品質のばらつきにより、製品毎に品質のばらつきが発生する可能性がある。
【0057】
第1光源ユニット130aは、媒体側側面131aを第2端面152より突出させ且つ第2端面152を非媒体側側面132aより突出させることにより、製品コストの増大及び製品毎の品質のばらつきの発生を抑制しつつ各位置での光の強度を均一化できる。また、第1光源ユニット130aでは、主走査方向にわたって光拡散面が形成された、第1光源ユニット130aより長いプリズムを任意の位置で切断して、導光部材150として利用することができる。したがって、導光部材150は、主走査方向の長さが撮像センサ124a、124bより長い標準サイズ(例えばA3サイズ)のプリズムから製造可能であり、第1撮像装置115a及び画像読取装置100は、製品コストを低減させることが可能となる。
【0058】
図13は、画像読取装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0059】
画像読取装置100は、前述した構成に加えて、モータ171、インタフェース装置172、記憶装置173及び処理回路174等をさらに有する。
【0060】
モータ171は、1つ又は複数のモータを含み、処理回路174からの制御信号によって、給送ローラ111、リタードローラ112、第1搬送ローラ113及び第2搬送ローラ116を回転させて媒体の搬送動作を行う。
【0061】
インタフェース装置172は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有する。インタフェース装置172は、外部の情報処理装置と通信接続して各種の画像及び情報を送受信する。また、インタフェース装置172の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0062】
記憶装置173は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置173には、画像読取装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置173にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disk read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disk read only memory)等である。
【0063】
処理回路174は、予め記憶装置173に記憶されているプログラムに基づいて動作する。なお、処理回路174に代えて、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)等が用いられてよい。また、処理回路174に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programming Gate Array)等が用いられてもよい。
【0064】
処理回路174は、撮像装置115、モータ171、インタフェース装置172及び記憶装置173等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路174は、モータ171を駆動して媒体を搬送させる。処理回路174は、撮像装置115を制御して、搬送された媒体に光を照射させながら媒体を撮像させて入力画像を生成させ、インタフェース装置172を介して不図示の情報処理装置に送信する。
【0065】
以上詳述したように、撮像装置115では、各光源ユニットの発光素子140の反対側において導光部材150の第2端面152が被覆されず、反射部材160の媒体側側面131a、131bが導光部材150の第2端面152より突出するように配置されている。これにより、各光源ユニットの各位置から出射される光の強度が均一になり、撮像装置115及び画像読取装置100は、媒体に対して均一に光を照射することが可能となった。
【0066】
図14A及び
図14Bは、他の実施形態に従った画像読取装置200の一例の構成図である。
図14Aは、カバー202が開いた状態の画像読取装置200の斜視図であり、
図14Bは、カバー202が閉じた状態の画像読取装置200の斜視図である。
【0067】
図14A及び
図14Bに示すように、画像読取装置200は、例えばフラットベッドタイプのスキャナー装置等である。画像読取装置200は、筐体201及びカバー202等を有する。
【0068】
筐体201は、ガラス板203等を有する。ガラス板203は、媒体を載置する部材であり、筐体201の上面に設けられる。ガラス板203は、媒体の載置面を形成する。
【0069】
カバー202は、基準部材204等を有する。カバー202は、筐体201に対して開閉可能に設けられ、開いた状態では筐体201のガラス板203上に媒体を載置可能となり、閉じた状態では基準部材204がガラス板203の下部(筐体201内)に設けられた撮像装置と対向する。基準部材204の撮像装置と対向する面は、画像読取装置100の第1基準部材122aと同様に、白色を有しており、画像読取装置200は、基準部材204を撮像した画像信号に基づいてシェーディング等の画像の補正を行う。
【0070】
図15は、カバー202を閉じた状態の画像読取装置200の、
図14AにおけるA-A’線断面図である。
【0071】
図15に示すように、筐体201は、撮像装置205を有する。撮像装置205は、ガラス板203をはさんで、閉じた状態のカバー202に設けられた基準部材204と対向する位置に設けられる。撮像装置205は、ガラス板203と平行であり且つ
図15の矢印A21の方向と直交する方向(主走査方向)において、ガラス板203の一端から他端まで撮像できるように延伸している。また、撮像装置205は、矢印A21の方向(副走査方向)に沿って、ガラス板203の一端から他端まで撮像できるように移動可能に設けられる。
【0072】
撮像装置205は、撮像部の一例であり、ガラス板203上に載置された媒体を撮像する。撮像装置205は、撮像ユニット206及び光源ユニット207等を有する。
【0073】
撮像ユニット206は、画像読取装置100の第1撮像ユニット121aと同様の構造を有する。光源ユニット207は、光源部の一例であり、媒体の載置面に対して傾いた状態で配置され、ガラス板203上に載置された媒体を照射する。即ち、光源ユニット207による光の照射方向は、媒体の載置面に対して傾いており(直交せず)、且つ、撮像ユニット206による撮像方向に対して傾いている(平行でない)。光源ユニット207は、載置された媒体(媒体が載置されていない場合は対向する基準部材204)に向けて光を照射する。光源ユニット207は、画像読取装置100の第1光源ユニット130aと同様の構造を有する。但し、光源ユニット207では、媒体の載置面が、第1光源ユニット130aにおける媒体の搬送面に相当する。光源ユニット207では、媒体の載置面側に配置される側面が媒体側側面であり、媒体側側面の反対側に配置される側面が非媒体側側面である。
【0074】
画像読取装置200は、
図13に示した、画像読取装置100が有する各部を有する。但し、画像読取装置200は、撮像装置115の代わりに、撮像装置205を有する。また、画像読取装置200において、モータ171は、媒体を搬送させるためのローラを回転させるのでなく、プーリ、ベルト、ギア、ラック及びピニオン等の移動機構を介して撮像装置205を移動させるように設けられる。処理回路174は、モータ171を駆動して撮像装置205を移動させる。処理回路174は、撮像装置205を制御して、載置された媒体に光を照射させながら媒体を撮像させて入力画像を生成させ、インタフェース装置172を介して不図示の情報処理装置に送信する。
【0075】
以上詳述したように、撮像装置205及び画像読取装置200は、撮像装置205を移動させて媒体を撮像する場合も、媒体に対して均一に光を照射することが可能となった。
【符号の説明】
【0076】
100、200 画像読取装置、111 給送ローラ、112 リタードローラ、113 第1搬送ローラ、114 第1従動ローラ、115、205 撮像装置、116 第2搬送ローラ、117 第2従動ローラ、121a 第1撮像ユニット、121b 第2撮像ユニット、206 撮像ユニット、130a 第1光源ユニット、130b 第2光源ユニット、140 発光素子、150 導光部材、160 反射部材、171 モータ、207 光源ユニット