IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーションの特許一覧

特許7561030生物活性物質及び/またはその前駆体の保護
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】生物活性物質及び/またはその前駆体の保護
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240926BHJP
   A23K 10/16 20160101ALI20240926BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20240926BHJP
   A23K 20/158 20160101ALI20240926BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20240926BHJP
   A61K 8/11 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240926BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/202 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 3/12 20060101ALI20240926BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A23L33/10
A23K10/16
A23K10/30
A23K20/158
A23L5/00 C
A61K8/11
A61K8/92
A61K8/9789
A61K9/48
A61K31/202
A61P3/12
A61Q19/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020542112
(86)(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 AU2019050079
(87)【国際公開番号】W WO2019148250
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】2018900326
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317002869
【氏名又は名称】コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(72)【発明者】
【氏名】マリー アン オーガスティン
(72)【発明者】
【氏名】ラズ サングワンシー
【審査官】吉岡 沙織
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0286205(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103330207(CN,A)
【文献】国際公開第2006/059707(WO,A1)
【文献】特開平10-042819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A23K
A61K
B01J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む粉末を生成する方法であって、
i)単一種の生物のバイオマスからタンパク質及び炭水化物を含む水性混合物を得ることと、
ii)前記水性混合物に油を添加することと、
iii)前記生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む乳濁液または懸濁液を形成することと、
iv)前記乳濁液または懸濁液から捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む粉末を形成することと、を含み、
前記バイオマスが、Brassicaである、前記方法。
【請求項2】
前記Brassicaが、Brassica oleraceaである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粉末が、以下の特徴:
a)80℃及び5バールの初期酸素圧で測定されたときに、10~300時間の誘導期間を有する;
b)5重量%~50重量%の油を含む;
c)10重量%~40重量%の油を含む;及び
d)前記粉末を形成する前の乳濁液または懸濁液の油含有量が、1重量%~10重量である、
のうち1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記水性混合物が、単一種の生物からの少なくとも1つのさらなるバイオマスからのタンパク質及び炭水化物をさらに含み、及び/又は
前記バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが、
a)1:1~1:10.5のタンパク質対炭水化物の比率;
b)1:4.5~4:1のタンパク質対炭水化物の比率;
c)1:2.5~2:1のタンパク質対炭水化物の比率;
d)前記生物活性物質として、イソチオシアネート;及び
e)前記生物活性前駆体として、グルコシノレート及び/またはグルコラファニン、
のうちの1つ以上を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、
a)前記バイオマスの成分;
b)ステップii)の前記油またはその成分;
c)前記油がステップii)で前記水性混合物に添加される前に前記油に添加された成分;
d)ステップii)の前または間に前記油に注入された成分;
e)前記さらなるバイオマスの成分;
f)前記方法のステップi)、ii)、及びiii)で添加された成分;
g)前記生物活性物質が、前記バイオマスの成分及びステップii)の前記油またはその成分である;
h)前記生物活性物質が、ステップi)、ii)、またはiii)で、またはその後に形成される;
i)酸素、温度、pH、湿気、及び光のうちの1つ以上による分解に対して感受性がある;
j)植物栄養素;
k)脂肪酸、イソチオシアネート、ケルセチン、アリシン、アホエン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、トコフェロール、トコトリエノール、ビタミンK、ベータカロチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、スチグマステロール、ベータシトステロール、カンペステロール、抗酸化剤、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、カンナビノイド、カンナビジオール、及びポリフェノールのうちの1つ以上から選択される;
l)前記生物活性物質が脂肪酸であり、前記脂肪酸が、オメガ-3、オメガ-6、またはオメガ-9脂肪酸である;
m)前記生物活性物質がオメガ-3脂肪酸であり、前記オメガ-3脂肪酸が、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)のうちの1つ以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法
【請求項6】
a)前記バイオマスを前処理すること、
ここで、前処理が、
i)加熱、
ii)浸軟、
iii)マイクロ波処理、
iv)低周波音波(超音波)への曝露、
v)パルス電界処理、
vi)静的高圧、
vii)押出成形、
viii)酵素処理、
ix)発酵、
x)抽出または分離プロセス、及び
xi)乾燥
のうちの1つ以上を含む;及び/又は
b)前記乳濁液または懸濁液を後処理して微生物活性を減少させること、
ここで、前記後処理が、
i)加熱、
ii)マイクロ波処理、
iii)UV処理、及び
iv)高圧処理のうちの1つ以上を含む、
をさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記油が、以下の特徴:
a)1つ以上の脂肪酸を含む;
b)魚油、オキアミ油、海産油、キャノーラ油、ヒマワリ油、アボカド油、大豆油、ボラージ油、マツヨイグサ油、ベニバナ油、亜麻仁油、オリーブ油、カボチャ種子油、麻実油、小麦胚芽油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、ココナッツ油、中鎖トリグリセリド、及びブドウ種子油のうちの1つ以上から選択される;及び
c)魚油または海産油であり、前記魚油または海産油が、マグロ油、ニシン油、サバ油、イワシ油、タラ肝油、メンハーデン油、サメ油、藻類油、イカ油、及びイカ肝油のうちの1つ以上から選択される;
のうち1つ以上を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記粉末の形成が、噴霧乾燥、凍結乾燥、リフラクタンスウィンドウ乾燥、またはドラム乾燥を含み、及び/又は
前記捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、3~24か月間、分解に耐性がある、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記Brassicaが、ブロッコリー(Brassica oleracea variety italica)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記Brassicaが、カリフラワー(Brassica oleracea variety botrytis)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマスから乳濁液または懸濁液を生成する方法に関する。本発明はまた、粉末またはそれから生成される製品の生成に関する。本発明はまた、本明細書に記載されるような方法によって生成される乳濁液または懸濁液に関する。本発明はまた、本明細書に記載されるような方法によって生成される粉末またはそれから生成される製品に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素感受性脂肪酸や油などの生物活性物質は、食品、サプリメント、及び/または化粧品に望ましい原料である。しかしながら、多くの油及び生物活性分子は、様々な環境(酸素、熱、pH、または酵素など)に曝露されたときに酸化反応及び分解反応を起こしやすいため、これらの原料は、摂取または使用の前に分解する可能性があるか、摂取または使用に好適な形で保存することができないか、または摂取後に、体内の所望の部位に到達しない。酸素感受性油には、オメガ-3、オメガ-6、またはオメガ-9脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸を含有するものが含まれる。不安定な生物活性原料には、水溶性(高pHで不安定なポリフェノールなど)または油溶性(酸素に感受性があるカロチンなど)または油もしくは水に難溶性(レスベラトロール、クルクミンなど)である成分が含まれる。58。
【0003】
封入は、親油性かつ親水性の生物活性物質の保護及び送達のために使用されているが、送達及び送達に最適な封入システムの選択には依然として課題がある(Augustin and Sanguansri,2015;McClements,2015)。オメガ-3油の健康促進特性に起因して、これらの油は非常に酸化されやすいため、これらの油の安定化に大きな関心が寄せられている(Sanguansri and Augustin,2006;Drusch and Manino,2007)。
【0004】
酸素感受性油及び生物活性物質を封入する方法は、知られているが、これらの方法では、精製タンパク質または実質的に精製されたタンパク質(単離乳清タンパク質、単離大豆タンパク質、またはカゼイン及び炭水化物など)が必要とされ、多くの製品にとって経済的ではない。
【0005】
精製タンパク質及び精製炭水化物は、生物活性物質の送達のための封入マトリックスとして、単独でまたは組み合わせて使用され得る(Augustin and Hemar,2009;Aditya et al.,2017)。例えば、デンプンは、封入のための壁材料として一般的に使用されており(Hoyos-Leyva et al.,2018)、タンパク質は、封入に役立つ多くの望ましい機能特性があるため、送達に有用であることが見出されている(Subirade and Chen,2008;Livney,2010)。MicroMAX(登録商標)マイクロ封入技術は、精製タンパク質(好ましくは、カゼイン)及び精製炭水化物を使用して油用の封入剤を生成する。加熱されたタンパク質-炭水化物混成物(MicroMAX(登録商標)マイクロ封入技術)は、対応するタンパク質及び炭水化物の物理的混成物よりも優れていることが見出された(WO 01/74175;Augustin et al.,2006)。そのようなプロセスで使用される精製タンパク質及び精製炭水化物は、無色で風味がないように選択され、それらの単離に関与する精製ステップに起因して費用がかかる可能性がある。
【0006】
したがって、保存、処理中に、及び胃腸管内で分解しやすい、脂肪酸及び油などの酸素感受性生物活性物質を含む製品を生成するための新規の製剤及びプロセスが必要である。
【発明の概要】
【0007】
本発明者らは、単一の供給源から得られたタンパク質及び炭水化物を含む、乳濁液、懸濁液、または粉末を生成する方法を開発した。
【0008】
一態様では、本発明は、乳濁液または懸濁液を生成する方法であって、
i)単一種の生物のバイオマスからタンパク質及び炭水化物を含む水性混合物を得ることと、
ii)任意選択的に、水性混合物に油を添加することと、
iii)生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む乳濁液または懸濁液を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0009】
一実施形態では、水性混合物は、水性懸濁液である。
【0010】
一態様では、本発明は、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む粉末を生成する方法であって、
i)単一種の生物のバイオマスからタンパク質及び炭水化物を含む水性混合物を得ることと、
ii)水性混合物に油を添加することと、
iii)生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む乳濁液または懸濁液を形成することと、
iv)乳濁液または懸濁液から捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む粉末を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0011】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載されるような方法であって、生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、
i)バイオマスの成分、
ii)ステップii)の油またはその成分、
iii)油がステップii)で水性混合物に添加される前に油に添加された成分、
iv)ステップii)の前または間に油に注入された成分、
v)さらなるバイオマスの成分、ならびに
vi)方法のステップi)、ii)、及びiii)で添加された成分、のうちの1つ以上である、方法を提供する。
【0012】
一実施形態では、生物活性物質は、i)及びii)である。
【0013】
一実施形態では、生物活性前駆体は、i)である。
【0014】
一実施形態では、生物活性物質は、ステップi)で、もしくはその後に、またはステップii)で形成される。
【0015】
一態様では、本発明は、単一種の生物のバイオマスからのタンパク質及び炭水化物を含む、マトリックスを提供する。
【0016】
一態様では、本発明は、マトリックス中に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体であって、単一種の生物からのバイオマスのタンパク質及び炭水化物を含み、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、捕捉または封入の前の生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較されたときに、酸素分解に耐性がある、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を提供する。
【0017】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成される乳濁液または懸濁液を提供する。
【0018】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成される乳濁液または懸濁液を提供する。
【0019】
一態様では、本発明は、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含み、単一種の生物からのタンパク質及び炭水化物を含む、粉末を提供する。
【0020】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成された粉末を提供する。
【0021】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成された乳濁液または懸濁液、本明細書に記載されるようなマトリックス、本明細書に記載されるようなマトリックス中に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体、あるいは本明細書に記載されるような乳濁液または懸濁液、を含む、製品を提供する。
【0022】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の方法によって生成された粉末、または本明細書に記載の粉末を含む、製品を提供する。
【0023】
本発明者らはまた、驚くべきことに、脂質系組成物がイソチオシアネート(スルフォラファンなど)及び/またはイソチオシアネート前駆体(グルコシノレートなど)の安定性を改善することも発見した。したがって、さらなる態様では、本発明は、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体、脂質、ならびに医薬品賦形剤及び/または化粧品賦形剤を含む、医薬品組成物または化粧品組成物を提供する。
【0024】
一態様では、本発明は、イソチオシアネートまたはイソチオシアネート前駆体を含む乳濁液を生成する方法であって、
水、脂質、及びイソチオシアネートまたはイソチオシアネート前駆体を含む混合物を提供し、それにより乳濁液を形成することを含む、方法を提供する。
【0025】
一態様では、本発明は、水、脂質、ならびにイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む乳濁液を提供する。
【0026】
一態様では、本発明は、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む粉末を調製する方法であって、本明細書に記載されるような乳濁液を調製することと、乳濁液を乾燥条件に供し、それにより水を除去して粉末を形成することと、を含む、方法を提供する。
【0027】
一態様では、本発明は、医薬品組成物または化粧品組成物を調製する方法であって、本明細書に記載されるような乳濁液を調製すること、または本明細書に記載されるような粉末を調製することと、乳濁液または乾燥組成物を医薬品組成物または化粧品組成物に変換することと、を含む、方法を提供する。
【0028】
一態様では、本発明は、状態の治療または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末の投与を、それを必要とする対象に行うことを含む、方法を提供する。
【0029】
一態様では、本発明は、状態の治療または予防に使用するための、本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末を提供する。
【0030】
一態様では、本発明は、対象の状態を治療または予防する方法であって、有効量の本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末を、対象に投与することを含む、方法を提供する。
【0031】
一態様では、本発明は、状態の処置のための医薬品の製造における、本明細書に記載されるような乳濁液または本明細書に記載されるような粉末の使用を提供する。
【0032】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法または使用であって、がん、糖尿病、心血管、自閉症、骨粗しょう症、神経保護疾患、炎症、酸化ストレス、及び腸の健康状態から選択される、方法または使用を提供する。
【0033】
本明細書におけるいかなる実施形態も、別段の具体的な記載がない限り、任意の他の実施形態にも準用すると見なされることとする。例えば、当業者であれば理解することになるように、本発明の上記の方法についての生物活性物質及び/または生物活性前駆体の例は、本発明の乳濁液、懸濁液、粉末、及び製品に等しく適用される。
【0034】
本発明は、本明細書に記載の具体的な実施形態によって範囲を制限されることはなく、それらの実施形態は、例示の目的のみを意図している。本明細書に記載されるように、機能的に同等の製品、組成物及び方法は明らかに本発明の範囲内である。
【0035】
本明細書全体を通じて、特段明記されない限り、または文脈上、特に必要とされていない限り、単一のステップ、物質の組成、ステップの群または物質の組成の群への言及は、これらのステップ、物質の組成、ステップの群、または物質の組成の群の1つ及び複数(すなわち、1つ以上)を包含すると解釈されるものとする。
【0036】
本発明は、これ以降、次の非限定的な実施例を用いて、及び添付の図を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】乳濁液の作成後、A)0分の時点及びB)120分の時点での油及び水の分散と比較した、タンパク質及び炭水化物を含有するブロッコリーを封入剤として使用した水中油型乳濁液の物理的安定性を示している。この図はまた、封入剤として使用する前に、流動性混合物(7.46%TS)が達成されるまで十分な量の水を添加する、凍結乾燥ブロッコリー粉末を使用した水相懸濁液の調製を示している。A)14.29%の総固形分(TS)を示し、B)10.64%TSを示し、C)8.48%TSを示し、D)7.46%TSを示す。
図2】封入剤として使用する前に、流動性混合物が達成されるまで必要量の水を添加することによる、生ブロッコリーを使用した水相懸濁液の調製を示している。A)7.66%TS、B)6.87%TS、C)6.23%TS、及びD)4.99%TS。
図3】A)調整後の、B)一晩保存後の、及びC)凍結乾燥後の、オメガ-3油を含有する乳濁液を示している。封入剤としてブロッコリーを使用するF1及びF2、封入剤として加熱カゼイン炭水化物を使用するC1、ならびに乳化剤としてTweenを使用するC2。
図4】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した試料[図3Aからの乳濁液(9.5%TS、4.8%の油)]の酸素の誘導期間(IP)/取り込み量を示すOxipres試験結果。試験した試料は、83gの乳濁液(試料中に4gのマトリックス固形分及び4gの油)であった。IP(h)は、酸素消費量に大きな変化がある場合、乳化剤としてTweenを用い、封入剤として加熱カゼイン炭水化物を用いた試料についてのみ観察される。封入剤としてブロッコリーを使用した試料は、試験が停止されたときに、最大20時間まで特有のIPを有しない。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。未精製マグロ油についてのOxipres(図6を参照)は、9時間である。
図5】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した試料[図3Cからの凍結乾燥粉末(50%のマグロ油)]の酸素のIP/取り込み量を示すOxipres試験結果。試験した試料は、8gの粉末(試料中に4gのマトリックス固形分及び4gの油)であった。封入剤としてブロッコリーを使用した試料は、試験が停止されたときに、最大43時間まで特有のIPを有しない。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。Oxipresデータ(図6を参照)の未精製マグロ油についてのIPは、9時間である。
図6】80℃、初期5バールの酸素圧で試験したマグロ油、キャノーラ油、及び高DHAキャノーラ油の酸素のIP/取り込み量を示すOxipres試験結果。各油について、明確なIPが観察されている。
図7】酸素取り込みに対する様々な量の野菜マトリックスの影響を示すブロッコリーマトリックス(油なし)でのOxipres試験。
図8】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(12.5%のマグロ油またはキャノーラ油)のOxipres試験結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、5.7%であった。試験した試料は、20gの粉末(17.5gのマトリックス及び2.5gの油)であった。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
図9】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(25%のマグロ油またはDHAキャノーラ油)のOxipres試験結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、6.6%であった。試験した試料は、10gの粉末(7.5gのマトリックス及び2.5gの油)であった。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。
図10】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(50%のマグロ油またはDHAキャノーラ油)のOxipres試験結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、5gの粉末(2.5gのマトリックス及び2.5gの油)であった。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
図11】80℃、初期5バールの酸素圧で試験したオメガ-3ブロッコリー乳濁液試料の酸素取り込み量を示すOxipres試験結果。乳濁液を、4%の水性固形分(3.8%の油及び7.7%の総固形分)及び6%の水性固形分(5.7%の油及び11.3%の総固形分)での2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)により調製した。試験した試料には、4gの油及び4gのマトリックスが含有されていた。封入剤としてブロッコリーを使用する乳濁液は、最大42時間まで特有のIPを有しない。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
図12】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(50%のマグロ油)のIPを示すOxipres試験結果。試料を、5%及び6%の水性固形分(5.7%の油及び11.3%の総固形分)での2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)により調製した。試験した試料には、4gの油及び4gのマトリックスが含有されていた。
図13】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(50%のマグロ油)のIPを示すOxipres試験結果。ブロッコリーの封入剤を、2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)に供し、そのまま(乾燥させていない「新鮮なブロッコリー」)使用するか、または「凍結乾燥したブロッコリー」の粉末から再構成した。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。
図14】80℃、初期5バールの酸素圧で試験したオメガ-3ブロッコリー乳濁液試料の酸素取り込み量を示すOxipres試験結果。ブロッコリー封入剤を、様々な処理段階で使用して、最大5%の水性固形分を作製した。乳濁液を、9.5%TS及び4.8%の油で調製した。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。試験した試料には、4gの油及び4gのマトリックスが含有されていた。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
図15】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ニンジン粉末(50%のマグロ油)のIPを示すOxipres試験結果。使用した2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)であった。明確なIPはない。圧力の突然の上昇が示され、揮発性物質(IPとマークされている)の放出をもたらしているため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。鋭いピークは、圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。
図16】80℃、初期5バールの酸素圧で試験したオメガ-3油に対する封入剤として「発酵」及び「非発酵」ニンジンを使用したオメガ-3ニンジン粉末(50%のマグロ油)のIPを示すOxipres試験結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)であった。圧力の突然の上昇が示され、揮発性物質(IPとマークされている)の放出をもたらしているため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。鋭いピークは、圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。封入剤として非発酵ニンジンについての明確なIPはない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。
図17】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3トマト粉末(50%のマグロ油)のIPを示すOxipres試験結果。明確なIPはない。圧力の突然の上昇が示され、揮発性物質(IPとマークされている)の放出をもたらしているため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。鋭いピークは、圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。使用した2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)であった。トマトについての温度-時間処理を増加させると、IPが長くなる(オメガ-3油の酸化からの保護が向上する)。
図18】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3マッシュルーム粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある明確なIP(h)はない。50%の油粉末に対する封入剤としてのマッシュルームの2回の熱処理(75℃-2分及び100℃-30分)を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。油の負荷量が少ない(25%の油)と、50%の油粉末と比較してIPが長くなる(オメガ-3油の酸化からの保護が向上する)。
図19】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3カリフラワー粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。50%の油粉末についてはIPが観察されたが、25%の油粉末については明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。(75℃-2分)及び2つの油の負荷量(50%及び25%の油)での封入剤としてのカリフラワーの熱処理を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。
図20】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ケール粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。25%の油粉末についてはIPが観察されたが、50%の油粉末については明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。50%の油粉末についての鋭いピークは、50%のマグロ油粉末について観測された圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。(75℃-2分)及び2つの油の負荷量(50%及び25%の油)での封入剤としてのケールの熱処理を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。
図21】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3芽キャベツ粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。50%の油粉末についてはIPが観察されたが、25%の油粉末については明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。(75℃-2分)及び2つの油の負荷量(50%及び25%の油)での封入剤としての芽キャベツの熱処理を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。
図22】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3サヤエンドウ粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。50%の油粉末についての鋭いピークは、50%のマグロ油粉末について観測された圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。(75℃-2分)及び2つの油の負荷量(50%及び25%の油)での封入剤としてのサヤエンドウの熱処理を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。
図23】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ニンニク粉末(25%及び50%の油)のIPを示すOxipres試験結果。25%の油粉末についてはIPが観察されたが、50%の油粉末については明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。50%の油粉末についての鋭いピークは、50%のマグロ油粉末について観測された圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。(75℃-2分)及び2つの油の負荷量(50%及び25%の油)での封入剤としてのニンニクの熱処理を示す結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、50%の油粉末に対して8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)、25%の油粉末に対して12gの粉末(9gのマトリックス及び3gの油)であった。
図24】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した、植物タンパク質(ピータンパク質、大豆タンパク質(SPI))または乳タンパク質、カゼイン酸ナトリウムを添加した凍結乾燥オメガ-3ニンジン粉末(25%のマグロ油)のOxipres試験結果。乾燥前の乳濁液の総固形分は、9.5%(2.4%の油)であった。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。試験した試料は、10gの粉末(2.5gの油及び7.5gのマトリックス)であった。圧力の突然の上昇が示され、揮発性物質の放出をもたらしているため、封入剤として添加されたピータンパク質を含むニンジンを除いて、IP及び酸素取り込み率を得ることはできない。鋭いピークは、圧力の著しい増加をもたらした相互作用の証拠である。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。
図25】未精製マグロ油のものと比較した、80℃、初期5バールの酸素圧で試験した、異なるタンパク質:炭水化物比を有する噴霧乾燥(25%のマグロ油)オメガ-3抹茶粉末のIPを示すOxipres試験結果。抹茶粉末を、抹茶(緑茶)粉末の市販の試料から再構成した。マグロ油粉末のみ、ならびに1:3及び1:4のタンパク質対炭水化物の比率で封入された粉末についてはIPが観察されたが、1:2及び8:9のタンパク質対炭水化物の比率で封入された粉末については明確なIPがないため、IPを超える酸素取り込み率を得ることはできない。8:9のタンパク質対炭水化物の比率を含む封入剤は、抹茶粉末のみのものであった。
図26】封入剤として加熱カゼイン-炭水化物を使用した50%のマグロ油粉末のものと比較した、80℃、初期5バールの酸素圧で試験した噴霧乾燥(50%のマグロ油)オメガ-3ブロッコリー粉末のIPを示すOxipres試験結果。ブロッコリー封入剤を、「凍結乾燥ブロッコリー」粉末から再構成した。
図27】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した、封入剤としてブロッコリーピューレ及び発酵ブロッコリーピューレを使用した凍結乾燥(50%のマグロ油)オメガ-3油粉末のIPを示すOxipres試験結果。
図28】40℃で4週間保存した後、様々な野菜マトリックスに封入された凍結乾燥粉末(50%のマグロ油)における二次脂質酸化の定量分析。野菜の封入剤(左から右へ:ブロッコリー、ニンジン、発酵ニンジン、トマト、マッシュルーム、カリフラワー、ケール、芽キャベツ、サヤエンドウ、ニンニク)。
図29】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した、押出成形ブロッコリースナック(10%のHi-DHAマグロ油)及び錠剤化オメガ-3ブロッコリー製剤(25%のHi-DHAマグロ油)の誘導期間(IP)を示すOxipres試験結果。錠剤化製剤については明確なIP(h)はないが、押出成形製剤については明確なIPが示されている。試験した試料は、押出物(36gのマトリックス及び4gの油)については40g、錠剤形式(16gの賦形剤及び4gの油)については16gであった。
図30】80℃、初期5バールの酸素圧で試験した凍結乾燥オメガ-3ブロッコリー粉末(50%の油)の誘導期間(IP)を示すOxipres試験結果。酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある明確なIP(h)はない。水相への前処理(超音波またはマイクロ波を使用)または乳化後処理(HPPまたはマイクロ波を使用)を示す結果。水相の総固形分は、5%,であり、乳濁液の総固形分は、9.5%であった。試験した試料は、8gの粉末(4gのマトリックス及び4gの油)であった。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般的技術及び定義
別段の具体的な定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有するとみなされることとする。
【0039】
「及び/または」という用語、例えば、「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味すると理解され、両方の意味またはいずれかの意味を明示的に含むと解釈されるべきである。
【0040】
本明細書を通じて、単語「comprise(含む)」、または「comprises(含む)」もしくは「comprising(含む)」などの変形は、既定された要素、整数またはステップ、または要素群、整数群もしくはステップ群を包含するが、いかなる他の要素、整数またはステップ、または要素群、整数群またはステップ群をも排除することを意味するものではないことが理解されよう。
【0041】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、反対の記載がない限り、指定値の+/-10%、より好ましくは+/-5%、さらにより好ましくは+/-1%を指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「成分」は、より大きな全体の一部または要素を指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「タンパク質」または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって一緒に連結されたアミノ酸のポリマーを含む、炭素、水素、酸素、窒素、及び通常、硫黄を含む巨大分子を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「炭水化物」は、一般式Cx(H2O)yの分子のクラスを指す。
【0045】
本明細書で使用される場合、「酸素分解に耐性がある」という用語、または同様の語句は、脂肪酸などの生物活性物質の酸化に対する感受性を低下させることを指す。一実施形態では、酸化に対する物質の感受性は、酸素への曝露を低減するために物質を捕捉または封入することによって低減される。一実施形態では、これは、酸素隔離能力を有する分子で物質を捕捉または封入することを含む。酸化耐性の評価は、当業者に知られている任意の方法によって行うことができる。例えば、油脂の酸化耐性は、加圧下での酸素による油の酸化に基づく可能性がある。このような試験では、酸素の消費により、試験中の圧力低下が発生し、これは、酸化中の試料による酸素の取り込みに起因するものである。高圧及び高温で実行されると、酸化速度が加速される。一実施形態では、酸化耐性は、Oxipres(例えば、Mikrolab Aarhus A/S apparatus Hojbjerg,Denmark)を使用して評価される。一実施形態では、脂肪もしくは油を含有する乳濁液、懸濁液、及び/または粉末(例えば、多価不飽和油)は、高温及び高酸素圧に曝露される。一実施形態では、酸化耐性は、80℃及び5バールの初期酸素圧で評価される。一実施形態では、試料の酸化安定性に関連する誘導期間(IP、h)が決定される。より長いIP(h)は、試料が保存中の酸化により耐性がある(酸素の存在下でより安定している)ことを示している。脂質酸化を測定するための他の方法には、例えば、過酸化物価、パラアニシジン値、揮発性物質のヘッドスペース分析(例えば、オメガ-3脂肪酸の酸化による二次酸化生成物であるプロパナール及びEE-2,4-ヘプタジエナールなどのアルデヒド)、及び保存試料中の個々の不飽和脂肪酸(例えば、EPA及びDHA)の%の変化が含まれる。一実施形態では、酸化は、溶媒抽出可能な遊離脂肪に必ずしも関連しない(すなわち、遊離脂肪レベルは、粉末中の酸化に対する油のIPまたは感受性の指標ではない)。
【0046】
本明細書で使用される場合、「温度分解」、または類似の語句は、低温または高温への曝露に起因する生物活性物質(例えば、脂肪酸)または生物活性前駆体の分解を指す。一実施形態では、温度による分解に対する感受性は、本明細書に記載されるような乳濁液、懸濁液、または粉末を生成する方法の間に、タンパク質または炭水化物への生物活性物質または生物活性前駆体の結合によって低下される。
【0047】
本明細書で使用される場合、「湿気分解」、または類似の語句は、低湿気または高湿気への曝露に起因する生物活性物質(例えば、脂肪酸)または生物活性前駆体の分解を指す。一実施形態では、湿気による分解に対する感受性は、本明細書に記載されるような乳濁液、懸濁液、または粉末を生成する方法の間に、タンパク質または炭水化物への生物活性物質または生物活性前駆体の結合によって低下される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「pH分解」という用語、または同様の語句は、低pHまたは高pHへの曝露に起因する生物活性物質(例えば、脂肪酸)または生物活性前駆体の分解を指す。一実施形態では、低pHは、pH<7である。一実施形態では、高pHは、pH>7である。一実施形態では、pHによる分解に対する感受性は、本明細書に記載されるような乳濁液、懸濁液、または粉末を生成する方法の間に、タンパク質または炭水化物への生物活性物質または生物活性前駆体(例えば、植物栄養素)の結合によって低下される。
【0049】
本明細書で使用される場合、「光分解」という用語、または同様の語句は、光への曝露に起因する生物活性物質(例えば、カロチノイド)または生物活性前駆体の分解を指す。一実施形態では、光分解に対する感受性は、本明細書に記載されるような乳濁液、懸濁液、または粉末を生成する方法の間に、タンパク質または炭水化物への生物活性物質または生物活性前駆体の結合によって低下される。
【0050】
本明細書で使用される場合、「捕捉」または「捕捉された」または「捕捉すること」とは、植物栄養素などの生物活性物質または生物活性前駆体の、本明細書に記載されるような乳濁液、懸濁液、または封入剤マトリックスの1つ以上の成分への結合または分配を指す。一実施形態では、成分は、炭水化物またはタンパク質である。一実施形態では、捕捉は、酸素、温度、pH、湿気、及び光による分解のうちの1つ以上に対する生物活性物質または生物活性前駆体の耐性を増加させる。
【0051】
本明細書で使用される場合、「封入」または「封入された」とは、本発明の、または本発明の方法によって生成される乳濁液、懸濁液、もしくは封入剤マトリックス中の脂質及び脂質可溶性成分などの生物活性物質または生物活性前駆体の周りの機能バリアの形成を指す。一実施形態では、封入は、酸素、温度、pH、湿気、及び光による分解のうちの1つ以上に対する生物活性物質または生物活性前駆体の耐性を増加させる。
【0052】
本明細書で使用される場合、「生物種」は、属の細分を指す。一実施形態では、「生物種」は、それらの間で繁殖することができる個体からなる生物の群を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「ポリフェノール」は、1つ超のフェノール性ヒドロキシル基を含む化合物を指す。一実施形態では、ポリフェノールは、アントシアニン、ジヒドロカルコン、フラバン-3-オール、フラバノン、フラボン、フラボノール及びイソフラボン、クルクミン、レスベラトロール、安息香酸、フェニル酢酸、ヒドロキシ桂皮酸、クマリン、ナフトキノン、キサントン、スチルベン、カルコン、タンニン、フェノール酸、ならびにカテキン(例えば、エピガロカテキンガレート(EGCg)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキンガレート(ECg)、エピカテキン(EC)、及びそれらの幾何異性体ガロカテキンガレート(GCg)、ガロカテキン(GC)、ガロカテキンガレート(Cg)、及びカテキン)のうちの1つ以上から選択される。
【0054】
本明細書で使用される場合、「生物活性有機硫黄含有化合物(複数可)」には、グルコシノレート、イソチオシアネート、及びアリウム化合物(例えば、アリイン、アリシン、アホエン、アリルプロピルジスルフィド、ジアリルトリスルフィド、サリルシステイン、ビニルジチイン、S-アリルメルカプトシステイン)などの硫黄含有化合物が含まれる。
【0055】
バイオマス
本発明は、少なくとも部分的に、生物の単一の(第1の)種からのタンパク質及び炭水化物を含むバイオマスから、乳濁液、懸濁液、粉末、またはそれらから生成された製品を生成するための方法に関する。したがって、タンパク質及び炭水化物は、本発明の方法で使用される前に互いに分離されていない。
【0056】
いくつかの実施形態では、バイオマス全体を使用することができるが、他の実施形態では、バイオマスは、バイオマスの1つの以上の成分を除去するか、またはそれらの濃度を低減するように処理されている。一実施形態では、バイオマスの約50%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約40%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約30%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約20%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約10%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約5%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスの約1%未満が、本発明の方法で使用される前に除去される。一実施形態では、バイオマスは、本発明の方法で使用される前に除去されない。
【0057】
一実施形態では、バイオマスは、水分を除去するために乾燥または濃縮される。一実施形態では、乾燥により、バイオマスの重量の約60%~約90%が除去される。一実施形態では、乾燥により、バイオマスの重量の約70%~約90%が除去される。一実施形態では、乾燥により、バイオマスの重量の約80%~約90%が除去される。
【0058】
一実施形態では、バイオマスは、単一種の生物のみからのタンパク質及び炭水化物を含む(さらなる生物種からのタンパク質または炭水化物は含まない)。一実施形態では、バイオマスは、1つ以上のさらなる生物種(例えば、生物の第2、第3、第4、第5などの種)からのタンパク質及び炭水化物をさらに含む。第1の生物種からのバイオマスと同様に、さらなる種からのタンパク質及び炭水化物は、本発明の方法で使用される前に互いに分離されていない。一実施形態では、バイオマスは、第2の生物種からのタンパク質及び炭水化物をさらに含む。一実施形態では、バイオマスは、第2及び第3の生物種からのタンパク質及び炭水化物をさらに含む。一実施形態では、バイオマスは、第2、第3、及び第4の生物種からのタンパク質及び炭水化物をさらに含む。
【0059】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスのタンパク質及び炭水化物から分離されていない繊維を含む。
【0060】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスのタンパク質及び炭水化物から分離されていないカテキンを含む。
【0061】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、1:1~1:10.5のタンパク質対炭水化物の比率を有する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、約1:4.5~4:1のタンパク質対炭水化物の比率を有する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、約1:2.5~2:1のタンパク質対炭水化物の比率を有する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、約1:2.4のタンパク質対炭水化物の比率を有する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、追加的に、繊維を含む。一実施形態では、バイオマスまたはさらなるバイオマスは、表1に示されるようなタンパク質対炭水化物の比率を有する。
【0062】
一実施形態では、バイオマスまたはさらなるバイオマスは、緑茶葉粉末(抹茶)である。一実施形態では、抹茶(約2%の湿気)は、乾燥ベースで約35.5%のタンパク質、約39.6%の炭水化物、約5.9%の脂肪、及び約6.0%の脂肪を含む。一実施形態では、抹茶は、約13.1%のカテキンを含む。
【0063】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスにタンパク質を添加して、約1:1~1:10.5のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスにタンパク質を添加して、約1:4.5~4:1のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスにタンパク質を添加して、約1:2.5~2:1のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。
【0064】
【表1】
【0065】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスに炭水化物を添加して、約1:1~1:10.5のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスに炭水化物を添加して、約1:4.5~4:1のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスに炭水化物を添加して、約1:2.5~2:1のタンパク質対炭水化物の比率を形成する。
【0066】
一実施形態では、バイオマスは、生物全体またはその1つ以上の部分であり得る。
【0067】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、バイオマス全体(またはその一片)を新鮮な/生のまたは乾燥形態で含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、新鮮/生である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、本明細書に記載されるように前処理される。
【0068】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、バイオマスから及び/またはさらなるバイオマスからの1つ以上の成分を除去するのに好適な、本明細書に記載されるような抽出または分離プロセスの生成物である。
【0069】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、生物活性物質を含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、生物活性前駆体を含む。
【0070】
一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を、バイオマスまたはさらなるバイオマスに添加する。
【0071】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、真核生物である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、原核生物(例えば、藻類)である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、Plantaeまたは菌界からのものである。
【0072】
材料は、関連する場合は、葉、茎、花、小花、種子、及び根のうちの1つ以上を含むが、これらに限定されない、Plantaeまたは菌類の任意の部分であり得る。
【0073】
一実施形態では、Plantaeは、Brassicaceaeである。本明細書で使用される場合、「Brassicaceae」は、一般的にカラシ、アブラナ科植物、またはキャベツ科と称される、Brassicaceae科のメンバーを指す。
【0074】
一実施形態では、Brassicaceaeは、Brassica属またはCardamine属から選択される。一実施形態では、Brassicaは、Brassica balearica、Brassica carinata、Brassica elongate、Brassica fruticulosa、Brassica hilarionis、Brassica juncea、Brassica napus(ナタネまたはキャノーラ)、Brassica narinosa、Brassica nigra、Brassica oleracea、Brassica perviridis、Brassica rapa、Brassica rupestris、Brassica septiceps、及びBrassica tournefortiiのうちの1つ以上から選択される。
【0075】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica oleraceaである。
【0076】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica napus(ナタネまたはキャノーラ)である。
【0077】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica oleracea変種oleracea(野生のキャベツ)、Brassica oleracea変種capitate(キャベツ)、Brassica rapa亜種chinensis(チンゲンサイ)、Brassica rapa亜種pekinensis(ハクサイ)、Brassica napobrassica(ルタバガ)、Brassica rapa変種rapa(カブ)、Brassica oleracea変種alboglabra(カイラン)、Brassica oleracea変種viridis(カラードグリーン)、Brassica oleracea変種longata(ジャージーキャベツ)、Brassica oleracea変種acephala(ハボタン)、Brassica oleracea変種sabellica(ケール)、Brassica oleracea変種palmifolia(カーボロネロ)、Brassica oleracea変種ramose(パーペチュアルケール(perpetual kale))、Brassica oleracea変種medullosa(マローキャベツ(marrow cabbage))、Brassica oleracea変種costata(トロンジューダケール(tronchuda kale))、Brassica oleracea変種gemmifera(芽キャベツ)、Brassica oleracea変種gongylodes(コールラビ)、Brassica oleracea変種italica(ブロッコリー)、Brassica oleracea変種botrytis(カリフラワー、ロマネスコブロッコリー、ブロッコリージトルボレ(broccoli di torbole))、Brassica oleracea変種botrytis×italica(ブロッコフラワー)、及びBrassica oleracea変種italica×alboglabra(スティックセニョール)のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、Brassica oleraceaは、ケールである。
【0078】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica oleracea変種italica(ブロッコリー)である。
【0079】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica oleracea変種botrytis(カリフラワー)である。
【0080】
一実施形態では、Brassicaは、Brassica oleracea変種gemmifera(芽キャベツ)である。
【0081】
一実施形態では、Brassicaceaeは、Cardamine hirsuta(タネツケバナ)、Iberis sempervirens(マガリバナ)、Sinapis arvensis(ノハラガラシ)、Armoracia rusticana(西洋ワサビ)、Pringlea antiscorbutica(ケルゲレンキャベツ)、Thlaspi arvense(グンバイナズナ)、Raphanus raphanistrum亜種sativus(ダイコン)、Eruca sativa(ハナダイコン)、Anastatica hierochuntica(ジェリコのバラ)、Crambe maritima(ハマナ)、Cakile maritima(オニハマダイコン)、Capsella bursa-pastoris(ナズナ)、スイートアリッサム、Arabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)、Nasturtium officinale(オランダガラシ)、Sinapis alba(シロガラシ)、Erophila verna(ウィットローグラス)、Raphanus raphanistrum(野ダイコン)、Isatis tinctoria(ホソバタイセイ)、及びNasturtium microphyllum(ミチバタガラシ)のうちの1つ以上から選択される。
【0082】
一実施形態では、Plantaeは、Cannabisである。一実施形態では、Cannabisは、Cannabis sativa(麻)である。
【0083】
一実施形態では、Plantaeは、果物または野菜である。一実施形態では、果物は、単純な、集合した、及び複数の果物のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、果実または野菜は、Umbelliferae科、Asparagaceae科、Arecaceae科、Myrtaceae科、Rosaceae科、Musaceae科、Ericaceae科、Saxifragaceae科、Cucurbitaceae科、Nightshade科、Capparaceae科、Adoxaceae科、Vitaceae科、Rutaceae科、Actinidiaceae科、Sapindaceae科、Anacardiaceae科、Moraceae科、Oleaceae科、Cactaceae科、Passifloraceae科、Bromeliaceae科、Cactaceae科、Lythraceae科、Polygonaceae科、Cucurbitaceae科、Oxalidaceae科、及びCaesalpinioideae科からのものである。
【0084】
一実施形態では、Umbelliferaeは、ニンジンである。
【0085】
一実施形態では、Asparagaceaeは、アスパラガスである。
【0086】
一実施形態では、Polygonaceaeは、ソバ、スイバ、及びルバーブのうちの1つ以上から選択される。
【0087】
一実施形態では、Cucurbitaceaeは、キュウリ、カボチャ、スクワッシュ、及びズッキーニのうちの1つ以上から選択される。
【0088】
一実施形態では、果物は、リンゴ、アプリコット、アボカド、バナナ、ビルベリー、ブラックベリー、ブラックカラント、ブルーベリー、ココナッツ、スグリ、チェリー、チェリモヤ、クレメンタイン、クラウドベリー、ダムソン、ドリアン、エルダーベリー、イチジク、フェイジョア、グーズベリー、ブドウ、グレープフルーツ、グアバ、ハックルベリー、ジャックフルーツ、ジャンブル、ナツメ、キウイフルーツ、キンカン、レモン、ライム、ビワ、ライチ、マンダリン、マンゴー、メロン、カンタロープ、ハニーデュー、スイカ、ネクタリン、オレンジ、パッションフルーツ、ポポー、モモ、ナシ、プラム、プラムコット、パイナップル、ザクロ、ザボン、パープルマンゴスチン、ラズベリー、ランブータン、アカフサスグリ、サツマ、スターフルーツ、イチゴ、タンジェリン、トマト、及びアグリフルーツのうちの1つ以上から選択される。
【0089】
一実施形態では、Plantaeは、Compositaeである。一実施形態では、Compositaeは、アーティチョーク、カモミール、チコリ、タンポポ、エンダイブ、キクイモ、レタス、ロメインレタス、サフラワーバラモンジン、及びヒマワリのうちの1つ以上から選択される。
【0090】
一実施形態では、Plantaeは、Amaranthaceae/Chenopodiacaeである。一実施形態では、Amaranthaceae/Chenopodiacaeは、アマランス、ビート、フダンソウ、シロザ、キノア、ホウレンソウ、及びテンサイのうちの1つ以上から選択される。
【0091】
一実施形態では、Plantaeは、Malvaceaeである。一実施形態では、Malvaceaeは、カカオ、綿、及びオクラのうちの1つ以上から選択される。
【0092】
一実施形態では、Plantaeは、Amarylidaceae科からのものである。一実施形態では、Amarylidaceaeは、Allioideae亜科からのものである。一実施形態では、Allioideaeは、Allium属からのものである。一実施形態では、Alliumは、Allium sativum(ニンニク)、Allium cepa(タマネギ)、Allium ampeloprasum(ネギ)、Allium schoenoprasum(チャイブ)、及びAllium oschaninii(エシャロット)のうちの1つ以上から選択される。
【0093】
一実施形態では、Alliumは、Allium sativum(ニンニク)である。
【0094】
一実施形態では、Plantaeは、Fabaceae科からのものである。一実施形態では、Fabaceaeは、大豆アルファルファ、豆、イナゴマメ、ヒヨコマメ、インゲンマメ、ヒカマ、レンズ豆、エンドウ豆、サヤエンドウ、及びピーナッツである。
【0095】
一実施形態では、Fabaceaeは、サヤエンドウである。
【0096】
一実施形態では、Plantaeは、穀物である。一実施形態では、穀物は、古代の穀物である。一実施形態では、穀物は、米、トウモロコシ、小麦、ライ小麦、大麦、キビ、ソルガム、スペルト麦、オート麦、フリーカ、ブルグァ、モロコシ、エンマーコムギ、ヒトツブコムギ、テフ、エンマー、及び/またはソバのうちの1つ以上から選択される。
【0097】
一実施形態では、Plantaeは、Arecaceae科からのものである。一実施形態では、Arecaceaeは、ココヤシである。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、ココナッツ核果である。
【0098】
一実施形態では、Plantaeは、草である。一実施形態では、草は、Poaceae科からのものである。一実施形態では、草は、竹、レモングラス、サトウキビ、トウモロコシ、及びウィートグラスのうちの1つ以上から選択される。
【0099】
一実施形態では、Plantaeは、Camellia sinensis科からのものである。一実施形態では、Camellia sinensisは、緑茶葉(抹茶)である。
【0100】
一実施形態では、菌類は、マッシュルームである。一実施形態では、菌類は、Boletaceae科、Cantharellaceae科、Tricholomataceae科、Cortinariaceae科、Cantharellaceae科、Meripilaceae科、Discinaceae科、Pleurotaceae科、Tricholomataceae科、及びTuberaceae科からのものである。
【0101】
一実施形態では、菌類は、Boletus edulis、Cantharellus cibarius、Cantharellus tubaeformis、Clitocybe nuda、Cortinarius caperatus、Craterellus cornucopioides、Grifola frondosa、Hericium erinaceus、Hydnum repandum、Lactarius deliciosus、Morchella conica var.deliciosa、Morchella esculenta var.rotunda、Pleurotus ostreatus、Tricholoma matsutake、Tuber brumale、Tuber indicum、Tuber macrosporum、Tuber mesentericum、及びTuber aestivumのうちの1つ以上から選択される。
【0102】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、動物のバイオマスまたは動物から生成された生成物ではない。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、鳥類ではない。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、骨または骨髄ではない。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、動物乳ではない。
【0103】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、牛乳、脱脂乳、または精製乳タンパク質及び炭水化物ではない。
【0104】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、化粧品の小売基準を満たさないか、またはもはや新鮮な販売には好適でないが依然として食用である、Plantaeまたは菌類材料である。
【0105】
生物活性物質
本明細書で使用される場合、「生物活性物質」は、生物学的効果を有する物質を指す。一実施形態では、生物活性物質は、酸素(酸化)、温度、pH、湿気、及び光のうちの1つ以上による分解に感受性がある。一実施形態では、生物活性物質は、油、または油溶性物質である。
【0106】
一実施形態では、生物活性物質は、脂肪酸、イソチオシアネート、ケルセチン、アリシン、アホエン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、トコフェロール、トコトリエノール、ビタミンK、ベータカロチン、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、スチグマステロール、ベータ-シトステロール、カンペステロール、抗酸化剤、コエンザイムQ10、アスタキサンチン、カンナビノイド、カンナビオジオール、及びポリフェノールのうちの1つ以上から選択される。
【0107】
一実施形態では、生物活性物質は、ケルセチン、アリシン、フェノール酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、生物活性物質は、アリシンである。一実施形態では、生物活性物質は、アホエンである。
【0108】
一実施形態では、生物活性物質は、ポリフェノールである。一実施形態では、ポリフェノールは、カテキン、フラボノール、フラバノール、アントシアナジン、レスベラトロール、及び/またはクルクミンのうちの1つ以上から選択される。さらなるポリフェノールを本明細書に記載する。
【0109】
一実施形態では、生物活性物質は、イソチオシアネートである。本明細書で使用される場合、「イソチオシアネート」は、一般構造R-N=C=Sを有する硫黄含有植物性化学物質を指し、これらは、グルコシノレートに対するミロシナーゼ活性の生成物及びその生物活性誘導体である。一実施形態では、イソチオシアネートは、スルフォラファン(1-イソチオシアナト-4-メチルスルフィニルブタン)である。一実施形態では、イソチオシアネートは、アリルイソチオシアネート(3-イソチオシアナト-1-プロペン)である。一実施形態では、イソチオシアネートは、ベンジルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、フェネチルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、3-ブテニルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、5-ビニル-1,3-オキサゾリジン-2-チオンである。一実施形態では、イソチオシアネートは、3-(メチルチオ)プロピルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、3-(メチルスルフィニル)-プロピルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、4-(メチルチオ)-ブチルイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、1-メトキシインドール-3-カルビノールイソチオシアネートである。一実施形態では、イソチオシアネートは、2-フェニルエチルイソチオシアネート(フェニルエチルイソチオシアネートまたはPEITCとしても知られる)である。一実施形態では、イソチオシアネートはイベリンである。
【0110】
一実施形態では、生物活性物質がイソチオシアネートである場合、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、1つ以上のイソチオシアネート生物活性誘導体(複数可)またはそれらのオリゴマーをさらに含む。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、本明細書に記載されるようなイソチオシアネートのいずれかの誘導体である。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、スルフォラファンの誘導体である。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、インドール-3-カルビノールである。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、メトキシ-インドール-3-カルビノールである。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、アスコルビゲンである。一実施形態では、イソチオシアネート生物活性誘導体は、ネオアスコルビゲンである。
【0111】
一実施形態では、生物活性物質は、バイオマスの成分である。一実施形態では、生物活性物質は、さらなるバイオマスの成分である。一実施形態では、生物活性物質は、バイオマスまたはさらなるバイオマス中に存在せず、本明細書に記載されるような水性混合物の調製の前、間、または後に添加される。一実施形態では、生物活性物質は、本明細書に記載されるような方法のステップii)の前、間、または後に添加される。一実施形態では、生物活性物質は、本明細書に記載されるような方法のステップiii)の前または間に添加される。一実施形態では、生物活性物質は、ステップii)の油またはその成分である。一実施形態では、生物活性物質は、ステップii)で油が水性混合物懸濁液に添加される前に油に添加される成分である。一実施形態では、生物活性物質は、ステップii)の前または間に油に注入される成分である。一実施形態では、生物活性物質は、ステップi)で、もしくはステップi)の後、またはステップii)で形成される。
【0112】
一実施形態では、生物活性物質は、合成的に生成された生物活性物質である。一実施形態では、生物活性物質は、合成的に生成されたイソチオシアネートである。一実施形態では、生物活性物質は、合成的に生成されたスルフォラファンである。
【0113】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが、i)Brassicaceaeを含む場合、生物活性物質は、イソチオシアネートであり、ii)Brassicaceaeを含む場合、生物活性前駆体は、グルコシノレートであり、iii)タマネギを含む場合、生物活性物質は、ケルセチン、アリシン、及びフェノール酸のうちの1つ以上であり、iv)ニンニクを含む場合、生物活性物質は、アリシン及びアホエンのうちの1つ以上であり、あるいはv)ポリフェノールを含有する果物及び/または野菜である。一実施形態では、Brassicaceaeは、ブロッコリーであり、イソチオシアネートは、スルフォラファンである。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスからの生物活性物質は、本明細書に記載されるような方法のステップii)またはステップiii)で油に注入される。
【0114】
一実施形態では、生物活性物質は、植物栄養素である。本明細書で使用される場合、「植物栄養素」は、健康への好ましい影響に関連する植物由来の物質を指す。一実施形態では、本明細書に記載されるようなバイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、1つ以上の植物栄養素(複数可)を含む。一実施形態では、植物栄養素は、ベタレイン、インドール、有機硫化物、フェノール、テルペン、トリテルペン、カロチノイド、クルクミノイド、フラボノイド、グルコシノレート、イソチオシアネート、ヒドロキシ桂皮酸、リグナン、脂質、スチルベン、スルフィド、トコフェロール、ルテイン、ゼアンチン、イソフラボン、フラボノイド、クメスタン、リコピン、エラグ酸、カフェオイルキナ酸、ヒドロキシ安息香酸、ヘスペレチン、フラボノール、テルペノイド、フタリド、フラボノール、アリシンケルセチン、硫化物、アントシアニン、レスベラトロール、及びアントキサンチンのうちの1つ以上から選択される。
【0115】
一実施形態では、植物栄養素は、着色された植物栄養素である。一実施形態では、着色された植物栄養素は、アントシアニン、ルテイン、ゼアキサンチン、リコピン、カロチノイド、及び/またはアントキサンチンのうちの1つ以上から選択される。
【0116】
一実施形態では、生物活性物質は、脂肪酸である。本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、しばしば飽和または不飽和のいずれかの長い脂肪族尾部を有するカルボン酸(または有機酸)を指す。典型的には、脂肪酸は、長さが少なくとも4つの炭素原子(C4)または少なくとも8つの炭素原子(C8)、より好ましくは長さが少なくとも12個の炭素の炭素-炭素結合鎖を有する。本発明の好ましい脂肪酸は、18~22個の炭素原子(C18、C20、C22脂肪酸)、より好ましくは20~22個の炭素原子(C20、C22)、最も好ましくは22個の炭素原子(C22)の炭素鎖を有する。ほとんどの天然に存在する脂肪酸は、それらの生合成が2つの炭素原子を有するアセテートを含むため、偶数の炭素原子を有する。脂肪酸は、遊離状態(非エステル化)、またはトリグリセリド、ジアシルグリセリド、モノアシルグリセリド、アシル-CoA(チオエステル)結合形態、もしくは他の結合形態の一部などのエステル化形態であり得る。脂肪酸は、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、またはジホスファチジルグリセロールの形態などのリン脂質としてエステル化され得る。一実施形態では、脂肪酸は、例えば、C20またはC22多価不飽和脂肪酸のメチルまたはエチルエステルなどのメチルまたはエチル基にエステル化される。好ましい脂肪酸は、エイコサトリエン酸、ドコサペンタエン酸、もしくはドコサヘキサエン酸のメチルもしくはエチルエステル、またはエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸の混合物、またはエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸の混合物、またはエイコサペンタエン酸及びドコサペンタエン酸の混合物である。
【0117】
一実施形態では、脂肪酸は、多価不飽和脂肪酸である。本明細書で使用される場合、「多価不飽和脂肪酸」は、その骨格に1つ超の二重結合を含む脂肪酸を指す。一実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、オメガ-3、オメガ-6、またはオメガ-9のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、オメガ-3は、ヘキサデカトリエン酸、アルファ-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘンエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、及びテトラコサヘキサエン酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、生物活性物質(複数可)は、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸のうちの1つ以上または全てである。一実施形態では、オメガ-6は、リノール酸、ガンマ-リノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ-ガンマ-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、及びテトラコサペンタエン酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、オメガ-9油は、オレイン酸、エイコセン酸、ミード酸、エルカ酸、及びネルボン酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、生物活性物質は、トリグリセリドである。
【0118】
一実施形態では、生物活性物質は、油である。
【0119】
生物活性前駆体
一実施形態では、本明細書に記載されるようなバイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、生物活性前駆体を含む。一実施形態では、生物活性前駆体を、本明細書に記載されるような油に添加する。
【0120】
一実施形態では、生物活性前駆体は、グルコシノレートである。本明細書で使用される場合、「グルコシノレート」は、少なくともBrassicaceae科に見られる二次代謝産物を指し、それらは、Halkier and Gershenzon(2006)に記載されているように、硫黄原子を介して(Z)-N-ヒドロキシイミノサルフェートエステルと、アミノ酸に由来する多様なR基と、に連結されたβ-D-グルコピラノース残基からなる化学構造を共有する。グルコシノレートの例は、Halkier and Gershenzon(2006)及びAgerbirk and Olsen(2012)に提供されている。グルコシノレートの加水分解によって、イソチオシアネート、ニトリル、エピチオニトリル、チオシアネート、及びオキサゾリジン-2-チオンが生成され得る。多くのグルコシノレートは、害虫及び疾患に対する植物の防御機構という役割を果たしている。
【0121】
グルコシノレートは、Brassicaceae中の貯蔵部位に保存される。本明細書で使用される場合、「貯蔵部位」は、グルコシノレートが存在し、ミロシナーゼが存在していないBrassicaceae内の部位である。
【0122】
本明細書で使用される場合、「ミロシナーゼ」は、「チオグルコシダーゼ」、「シニグラーゼ」、または「シニグリナーゼ」とも称され、チオ結合グルコースを切断し得る植物防御機構に関与する酵素のファミリー(EC3.2.1.147)を指す。ミロシナーゼは、グルコシノレートの加水分解を触媒し、イソチオシアネートの生成をもたらす。ミロシナーゼは、ミロシン細胞と呼ばれる特定の異型細胞の液胞中にミロシン粒として保存されることもあるが、タンパク粒または液胞中で、及び膜に結合する傾向がある細胞質酵素としても報告されている。
【0123】
一実施形態では、本明細書に記載されるような前処理は、ミロシナーゼの、イソチオシアネート生物活性物質を生成するグルコシノレートへのアクセスを改善する。本明細書で使用されるような「アクセスを改善する」または「アクセスが改善される」とは、イソチオシアネートの生成を可能にするミロシナーゼ酵素に対するグルコシノレートの利用可能性を増加させることを指す。一実施形態では、アクセスは、グルコシノレート保存部位からのグルコシノレートの放出によって改善される。一実施形態では、グルコシノレート保存部位は、機械的に破裂される(すなわち、浸軟によって)。一実施形態では、アクセスは、グルコシノレート保存部位へのミロシナーゼの進入を可能にすることによって改善される。一実施形態では、アクセスは、ミロシン細胞からのミロシナーゼの放出によって改善される。一実施形態では、約10%~約90%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約20%~約80%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約30%~約70%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約40%~約60%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約45%~約55%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約10%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約20%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約30%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約40%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約50%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約60%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約70%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約80%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。一実施形態では、約90%のグルコシノレートが、グルコシノレート貯蔵部位から放出される。
【0124】
一実施形態では、グルコシノレート(複数可)は、脂肪族、インドール、または芳香族グルコシノレートのうちの1つ以上から選択される。
【0125】
一実施形態では、脂肪族グルコシノレートは、グルコラファニン(4-メチルスルフィニルブチルまたはグルコラファニン)、シニグリン(2-プロペニル)、グルコナピン(3-ブテニル)、グルコブラシカナピン(4-ペンテニル)、プロゴイトリン(2(R)-2-ヒドロキシ-3-ブテニル)、エピプロゴイトリン(2(S)-2-ヒドロキシ-3-ブテニル)、グルコナポレイフェリン(2-ヒドロキシ-4-ペンテニル)、グルコイベルビリン(3-メチルチオプロピル)、グルコエルシン(4-メチルチオブチル)、デヒドロエルシン(4-メチルチオ-3-ブテニル)、グルコイベリン(3-メチルスルフィニルプロピル)、グルコラフェニン(4-メチルスルフィニル-3-ブテニル)、グルコアリシン(5-メチルスルフィニルペンテニル)、及びグルコエリソリン(3-メチルスルホニルブチル、4-メルカプトブチル)のうち1つ以上から選択される。
【0126】
一実施形態では、インドールグルコシノレートは、グルコブラシシン(3-インドリルメチル)、4-ヒドロキシグルコブラシシン(4-ヒドロキシ-3-インドリルメチル)、4-メトキシグルコブラシシン(4-メトキシ-3-インドリルメチル)、及びネオグルコブラシシン(1-メトキシ-3-インドリルメチル)のうち1つ以上から選択される。
【0127】
一実施形態では、インドールグルコシノレートは、グルコトロぺオリン(ベンジル)及びグルコナスツルチイン(2-フェニルエチル)のうち1つ以上から選択される。
【0128】
一実施形態では、グルコシノレートは、ベンジルグルコシノレート、アリルグルコシノレート、及び4-メチルスルフィニルブチルのうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、グルコシノレートは、グルコラファニン(4-メチルスルフィニルブチル)である。一実施形態では、グルコシノレートは、グルコブラシシン(3-インドリルメチル)である。
【0129】
一実施形態では、グルコシノレートは、本明細書に記載されるような粉末を生成する方法のステップi)、ii)、及び/またはiii)の前または間にイソチオシアネートに変換される。
【0130】
一実施形態では、生物活性前駆体は、バイオマスの成分である。一実施形態では、生物活性前駆体は、さらなるバイオマスの成分である。一実施形態では、生物活性前駆体は、バイオマスまたはさらなるバイオマス中に存在せず、本明細書に記載されるような水性混合物の調製の前、間、または後に添加される。一実施形態では、生物活性前駆体は、本明細書に記載されるような方法のステップii)の前、間、または後に添加される。一実施形態では、生物活性前駆体は、本明細書に記載されるような方法のステップiii)の前または間に添加される。一実施形態では、生物活性前駆体は、ステップii)における油またはその成分である。一実施形態では、生物活性前駆体は、油がステップii)で水性混合物に添加される前に油に添加される成分である。一実施形態では、生物活性前駆体は、ステップii)の前または間に油に注入される成分である。
【0131】
前処理
一実施形態では、本明細書に記載されるようなバイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、前処理される。本明細書で使用される場合、「前処理」または「前処理すること」または「前処理された」は、材料をより小さな成分に分解するか、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの成分を除去する(例えば、摂取に好適でない特定の成分を除去するか、または異なる用途のために特定の成分、例えば油を抽出する)か、またはバイオマス及び/またはさらなるバイオマスの成分を改変するためのバイオマス及び/またはさらなるバイオマスの処理を指す。一実施形態では、成分を改変することは、例えば、生物活性物質を生成すること、またはオリゴ糖もしくは多糖を生成することを含む。一実施形態では、前処理は、バイオマスまたはさらなるバイオマスにおける炭水化物対タンパク質の比率を変更しない。
【0132】
一実施形態では、前処理は、以下:i)加熱、ii)浸軟、iii)マイクロ波処理、iv)低周波音波(超音波)への曝露、v)パルス電界処理、vi)静的高圧、vii)押出成形、viii)酵素処理、ix)発酵、x)抽出または分離プロセス、及びxi)乾燥のうちの1つ以上を含む。
【0133】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、燃料ベースの加熱システム、電気ベースの加熱システム(すなわち、オーブンもしくはオーム加熱)、高周波加熱、高圧熱処理、レトルト中の超高温度(UHT)処理プラント、または蒸気ベースの加熱システム(蒸気の間接もしくは直接適用)で加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、オーブン、水浴、バイオリアクター、ストーブ、ウォーターブランチャー、またはスチームブランチャーで加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、高圧熱的加熱を介して加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、オーム加熱を介して加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、高周波数加熱を介して加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、高圧熱処理を介して加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、高圧熱処理のために密封パックまたは容器中に置かれる。
【0134】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約50℃~約140℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約55℃~約70℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約60℃~約70℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約65℃~約70℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約70℃~約140℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約80℃~約130℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約90℃~約120℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約100℃~約110℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約2分間、約75℃に加熱することを含む。一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約30分間、約100℃に加熱することを含む。一実施形態では、前処理は、上記の温度範囲の下限で長時間加熱すること、または上記の温度範囲の上限で短時間処理することを含む。
【0135】
一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを蒸すことを含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、約100℃の温度まで蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも約30秒間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも1分間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも2分間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも3分間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも4分間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、少なくとも5分間蒸す。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、約100℃の温度まで30分間蒸す。
【0136】
一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの超高温(UHT)処理を含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、約140℃の温度でUHT処理する。
【0137】
一実施形態では、加熱は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスのレトルト処理を含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、約116℃~約130℃の温度でレトルト処理する。
【0138】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを浸軟することを含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを、シュレッダー、ブレンダー、コロイドミル、グラインダー、または粉砕機で浸軟する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが2mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが1mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが0.5mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが0.25mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが0.1mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが0.05mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスが浸軟されるため、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの少なくとも80%は、サイズが0.025mm以下である。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に加熱される。いくつかの実施形態では、加熱は、生物活性前駆体の、例えば、スルフォラファン及びアホエンなどの生物活性物質への変換を促進する。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約25℃~約80℃の温度に加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約40℃~約70℃の温度に加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約50℃~約70℃の温度に加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約60℃~約70℃の温度に加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約2~5分間、約70℃の温度に加熱される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、浸軟中に約1~約5時間、約30℃~約80℃の温度に加熱される。
【0139】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを加熱及び浸軟することを含む。
【0140】
当業者であれば、「マイクロ波」または「マイクロ波処理」が、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスなどの物質を、マイクロ波照射を物質に通過させることによって加熱すると理解するであろう。一実施形態では、前処理することは、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスをマイクロ波処理することを含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、家庭用マイクロ波または工業用マイクロ波で前処理される。一実施形態では、工業用マイクロ波は、連続マイクロ波システムであり、例えば、MIP 11 Industrial Microwave Continuous Cooking Over(Ferrite Microwave Technologies)であるが、これに限定されない。一実施形態では、前処理することは、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスをマイクロ波処理することを含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、約0.9~約2.45GHzでマイクロ波処理される。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、少なくとも30秒間、または少なくとも1分間、または少なくとも2分間、または少なくとも3分間、マイクロ波処理される。一実施形態では、マイクロ波処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの温度を約70~約80℃、好ましくは約76℃に上昇させる。
【0141】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを低~中周波の超音波に曝露することを含む。一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを熱超音波処理(約50℃~約140℃の熱を有する低~中周波超音波)に曝露することを含む。一実施形態では、超音波は、工業規模の超音波処理装置を用いて発生される。一実施形態では、超音波処理装置は、連続式またはバッチ式の超音波処理装置である。一実施形態では、超音波処理装置は、例えば、UIP500hdまたはUIP4000(Hielscher、Ultrasound Technology)であるが、これに限定されない。一実施形態では、超音波は、約20kHz~約600kHzの周波数のものである。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、少なくとも30秒間、または少なくとも1分間、または少なくとも2分間、または少なくとも3分間、または約5分間、または約6分間、または約7分間、または約7.5分間、または約8分間、音波に曝露される。
【0142】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスをパルス電界処理に曝露することを含む。パルス電界処理は、高電圧短パルスの印加を含む非熱処理技術である。パルスは、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの細胞のエレクトロポレーションを誘発する。一実施形態では、パルス電界処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約50℃~約140℃の温度に加熱する。一実施形態では、パルス電界処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約70℃~約110℃の温度に加熱する。一実施形態では、パルス電界処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約80℃~約100℃の温度に加熱する。一実施形態では、パルス電界処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約20~約80kVの電圧パルスで処理することを含む。
【0143】
一実施形態では、前処理は、静水圧を含む。一実施形態では、静水圧は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを約100~約600 MPaで処理することを含む。
【0144】
一実施形態では、前処理は、押出成形を含む。一実施形態では、押出成形は、通常は、オリフィスを通した物質の排出前にバレルを通して高温及び/または高圧で力をバイオマスまたは生成物に加えることを含む。一実施形態では、押出成形中に加える高温、高圧、及び機械力により、材料の機能特性が変化する。一実施形態では、押出成形プロセスは、共回転二軸押出機(MPF 18:25,APV Baker Ltd.,Peterborough,UK)またはラボスケールの共回転で相互に噛み合った二軸実験室用押出機(KDT30-II,Jinan Kredit Machinery Co.Ltd.,China)を使用して実施される。一実施形態では、押出成形プロセスは、メイラード反応生成物を生成する。
【0145】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマス中の1つ以上の成分を新しい成分に変換するための酵素処理を含む。例えば、酵素は、単糖をオリゴ糖または多糖に変換する。一実施形態では、酵素は、グリコシルトランスフェラーゼ、ii)グリコシダーゼ、iii)ペクチナーゼ、iv)エステラーゼ、v)、オキシドレダクターゼ、vi)プロテアーゼ、vii)ペクチナーゼ、viii)ポリガラクツロナーゼ、ix)アミラーゼ、及びx)プルラナーゼのうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、グリコシルトランスフェラーゼは、i)デキストラスクラーゼ、ii)アルテルナンスクラーゼ、及びiii)フルクトシルトランスフェラーゼのうちの1つ以上または全てから選択される。一実施形態では、フルクトシルトランスフェラーゼは、例えば、レバンスクラーゼ及び/またはイヌロスクラーゼである。一実施形態では、オキシドレダクターゼは、マンニトールデヒドロゲナーゼである。
【0146】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを発酵させることを含む。本明細書で使用される場合、「発酵」とは、例えば、乳酸菌及び/または酢酸菌などの細菌によるバイオマス及び/またはさらなるバイオマスの生化学的分解を指す。本明細書で使用される場合、「乳酸菌(lactic bacteria)」または「乳酸菌(lactic acid bacteria)」は、炭水化物発酵の主要産物として乳酸を生成する細菌である。本明細書で使用される場合、「酢酸菌(acetic bacteria)」または「酢酸菌(acetic acid bacteria)」は、炭水化物発酵の最終産物として酢酸を生成する細菌である。
【0147】
一実施形態では、乳酸菌及び/または酢酸菌は、マンニトール、オリゴ糖、及び/または多糖の生成を触媒する酵素を生成する。
【0148】
一実施形態では、乳酸菌は、Genera Lactobacillus、Leuconostoc、Pediococcus、Lactococcus、Streptococcus、Aerococcus、Carnobacterium、Enterococcus、Oenococcus、Sporolactobacillus、Tetragenococcus、Vagococcus、及び/またはWeissellaのうちの1つ以上からのものである。一実施形態では、乳酸菌は、Leuconostoc mesenteroides、Lactobacillus reuteri、及び/またはLactobacillus gasseriのうちの1つ以上から選択される。
【0149】
Leuconostoc mesenteroidesは、グラム陽性着生細菌(McCleskey et al.,1947)である。Leuconostoc mesenteroidesはまた、食肉業界で天然の防腐剤として使用されている抗菌タンパク質バクテリオシンも生成する。一実施形態では、乳酸菌は、Leuconostoc mesenteroidesである。一実施形態では、Leuconostoc mesenteroidesは、Olvera et al.(2007)で調査された、ATCC 8293(NRRL B-1118と同等)及び/またはNRRL B-512Fから選択される。
【0150】
一実施形態では、乳酸菌は、Acetobacteraceaeからのものである。一実施形態では、Acetobacteraceaeは、Gluconacetobacterである。
【0151】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、約8時間~約30時間の発酵を含む。一実施形態では、発酵は、少なくとも8時間である。一実施形態では、発酵は、少なくとも10時間である。一実施形態では、発酵は、少なくとも15時間である。一実施形態では、発酵は、少なくとも20時間である。一実施形態では、発酵は、少なくとも24時間である。一実施形態では、発酵は、少なくとも30時間である。一実施形態では、発酵は、約5~約7のpHである。一実施形態では、発酵は、約5.3のpHである。一実施形態では、ステップi)からの材料は、発酵の終了時に約4のpHである。一実施形態では、発酵の温度は、約24℃~約36℃である。一実施形態では、発酵の温度は、約28℃~約32℃である。一実施形態では、発酵の温度は、約30℃である。
【0152】
一実施形態では、前処理は、グルコシノレート保存部位からグルコシノレートを放出する、もしくはその放出に役立つ、及び/またはミロシナーゼがバイオマス及び/またはさらなるバイオマス中のグルコシノレート保存部位に進入することを可能にする。一実施形態では、前処理は、グルコシノレートのミロシナーゼへの曝露を増加させ、ミロシナーゼがグルコシノレートをイソチオシアネートに変換することを可能にする。
【0153】
一実施形態では、前処理によって、グルコシノレートの約10%~約90%がイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約20%~約80%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約30%~約70%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約40%~約60%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約10%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約20%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約30%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約40%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約50%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約60%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約70%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約80%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。一実施形態では、前処理によって、約90%のグルコシノレートがイソチオシアネートに変換される。
【0154】
一実施形態では、前処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスを抽出または分離プロセスで処理して、バイオマス及び/またはさらなるバイオマス(例えば、バイオマスは、キャノーラ油が除去された、または部分的に除去されたキャノーラミールであり得る)中の1つ以上の成分の量を減少させることを含む。一実施形態では、他の成分は、他の製品を生成するのに好適であるか、あるいはバイオマス及び/またはさらなるバイオマスの非食用もしくは味の悪い成分である。
【0155】
一実施形態では、抽出または分離プロセスは、油、生物活性物質もしくは生物活性前駆体、ポリフェノール、カロチノイド、またはジュースから選択される成分をバイオマスから除去するためのものである。一実施形態では、抽出または分離プロセスは、本明細書に記載されるような方法においてバイオマスとして使用され得る、キャノーラミール、ナッツミール、大豆ミール、ココナッツミール、パーム核ミール、麻油プレスケーキ、チア油シードケーキ、または米ぬかを生成する。一実施形態では、抽出または分離プロセスは、本明細書に記載されるような方法においてバイオマスとして使用され得る、搾りかす(例えば、オリーブまたはリンゴの搾りかす)を生成する。一実施形態では、抽出または分離プロセスは、非食用成分(例えば、種子または茎)をバイオマスから除去することを含み得る。一実施形態では、抽出または分離プロセスは、粉砕、切断、製粉、遠心分離、及び/または濾過を含み得る。
【0156】
本明細書で使用される場合、「低減される」とは、抽出プロセスによる処理の前のバイオマスまたはさらなるバイオマス中よりも、抽出プロセスによる処理の後のバイオマスまたはさらなるバイオマス中の成分のレベルが低いことを意味する。
【0157】
一実施形態では、成分のレベルは、約5%~約90%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約5%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約10%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約15%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約20%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約30%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約40%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約50%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約60%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約70%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約80%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約90%低減される。一実施形態では、成分のレベルは、約100%低減される。
【0158】
一実施形態では、前処理は、バイオマスを乾燥または部分的に乾燥させることを含む。一実施形態では、乾燥は、トレイ乾燥、ドラム乾燥、ローラー乾燥、流動床乾燥、衝突乾燥、噴霧乾燥、凍結乾燥(リュフィリゼーションまたは低温乾燥)、薄膜ベルト乾燥機、真空マイクロ波乾燥、超音波支援乾燥、押出多孔質化技術(extrusion porosification technology)、または当業者に知られている任意の他の方法を含む。一実施形態では、前処理は、バイオマスを凍結乾燥することを含む。一実施形態では、前処理は、バイオマスを加熱し、次に凍結乾燥することを含む。一実施形態では、前処理は、ドラム乾燥を含む。一実施形態では、前処理は、噴霧乾燥を含む。
【0159】
当業者であれば、前処理が、タンパク質を個別に精製すること、及びバイオマスから炭水化物を精製することを含まないことを理解するであろう。
【0160】
一実施形態では、前処理は、バイオマス中のタンパク質対炭水化物の比率を変更しない。
【0161】
水性混合物の調製
本明細書に記載されるように、本発明の方法は、タンパク質及び炭水化物を含む第1の生物種からのバイオマスから水性混合物を得ることを含む。本明細書で使用される場合、「水性混合物」は、水を含むバイオマスを含む混合物を指す。一実施形態では、水性混合物は、生物種からの少なくとも1つのさらなるバイオマス(例えば、第2、第3、第4、第5など)からのタンパク質及び炭水化物をさらに含む。一実施形態では、水性混合物は、均質である。一実施形態では、水性混合物は、懸濁液である。
【0162】
一実施形態では、本方法は、水性混合物を形成することをさらに含む。一実施形態では、水性混合物は、約40℃~約100℃の温度の水をバイオマス及び任意選択的にさらなるバイオマスと組み合わせることによって形成される。一実施形態では、水性混合物は、約40℃~約80℃の温度の水をバイオマス及び任意選択的にさらなるバイオマスと組み合わせることによって形成される。一実施形態では、水性混合物は、約45℃~約70℃の温度の水をバイオマス及び任意選択的にさらなるバイオマスと組み合わせることによって形成される。一実施形態では、水性混合物は、約55℃~約65℃の温度の水をバイオマス及び任意選択的にさらなるバイオマスと組み合わせることによって形成される。一実施形態では、水性混合物は、約60℃の温度の水をバイオマス及び任意選択的にさらなるバイオマスと組み合わせることによって形成される。
【0163】
一実施形態では、水性混合物は、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む。一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマス中に存在する生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、本明細書に記載されるような方法のステップii)またはiii)における油への注入に好適な形態で水性混合物中に存在する。
【0164】
一実施形態では、本方法のステップii)またはiii)における油への注入に好適な生物活性物質及び/または生物活性前駆体を、水性混合物に添加する。
【0165】
一実施形態では、ミネラルは、水性混合物の調製前、または本明細書に記載されるような方法のステップi)またはii)において、バイオマスに添加される。一実施形態では、ミネラルは、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、セレン、及びクロムのうちの1つ以上から選択される。
【0166】
脂質
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、脂質の添加をさらに含む。本明細書で使用される場合、「脂質」は、水には不溶であるが有機溶媒には可溶である長直鎖カルボン酸のエステルを指す。一実施形態では、脂質は、鹸化可能である。一実施形態では、脂質は、本明細書に記載されるような油である。一実施形態では、脂質は、本明細書に記載されるようなワックスである。
【0167】

一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、水性混合物への油の添加をさらに含む。本明細書で使用される場合、「油」は、疎水性かつ親油性であり、水と混和しない粘性液体を指す。一実施形態では、油は、酸化、温度、pH、湿気、及び光のうちの1つ以上による劣化を受けやすい。一実施形態では、油は、生物活性物質である。
【0168】
一実施形態では、油は、本明細書に記載されるような脂肪酸を含む。一実施形態では、油は、本明細書に記載されるような多価不飽和脂肪酸を含む。一実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、オメガ-3、オメガ-6、またはオメガ-9脂肪酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、オメガ-3は、ヘキサデカトリエン酸、アルファ-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘンエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、及びテトラコサヘキサエン酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、オメガ-6は、リノール酸、ガンマ-リノレン酸、エイコサジエン酸、ジホモ-ガンマ-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサテトラエン酸、及びテトラコサペンタエン酸のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、オメガ-9は、オレイン酸、エイコセン酸、ミード酸、エルカ酸、及びネルボン酸のうちの1つ以上から選択される。
【0169】
一実施形態では、油は、Plantae油である。一実施形態では、油は、植物油である。一実施形態では、油は、動物油である。一実施形態では、動物油は、海産油または魚油である。
【0170】
一実施形態では、油は、魚油、オキアミ油、海産油、キャノーラ油、ヒマワリ油、アボカド油、大豆油、ボラージ油、マツヨイグサ油、ベニバナ油、亜麻仁油、オリーブ油、カボチャ種子油、麻実油、小麦胚芽油、パーム油、パームオレイン、パーム核油、ココナッツ油、中鎖トリグリセリド(MCT)、及びブドウ種子油のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、キャノーラ油は、必要なエロンガーゼ及びデサチュラーゼをコードするトランスジェニックBrassicaから得られ得る、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)などの1つ以上の長鎖多価不飽和脂肪酸を含む(例えば、WO2015/089587を参照)。
【0171】
一実施形態では、魚油は、マグロ油、ニシン油、サバ油、カタクチイワシ油、イワシ油、タラ肝油、及びサメ油のうちの1つ以上から選択される。
【0172】
一実施形態では、精油は、オレガノ油、ミント油、バジル油、ローズマリー油、ティーツリー油、タイム油、ショウノウ油、カルダモン油、カンキツ油、クローブ油、及び/またはサフラン油のうちの1つ以上から選択される。
【0173】
一実施形態では、油は、乳脂肪を含む。
【0174】
一実施形態では、油は、オリーブ油である。
【0175】
一実施形態では、油は、ヒマワリ油である。
【0176】
一実施形態では、油は、キャノーラ油である。
【0177】
一実施形態では、油は、1つ以上の生物活性物質(複数可)及び/または生物活性前駆体(複数可)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、油は、生物活性担体として機能する。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、油が水性混合物に添加される前に、油に添加される。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、本明細書に記載されるような方法のステップii)で油に注入される。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、本明細書に記載されるような方法のステップiii)で油に注入される。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、本明細書に記載されるようなバイオマス及び/またはさらなるバイオマスからのものである。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスからのものではない。
【0178】
ワックス
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、ワックスの添加をさらに含む。本明細書で使用される場合、「ワックス」または「ワックス類」は、長鎖飽和及び不飽和脂肪酸と長鎖アルコールとのエステルである。一実施形態では、長鎖飽和脂肪酸は、C14~C26である。一実施形態では、長鎖アルコールを有する不飽和脂肪酸は、C16~C30である。一実施形態では、ワックスは、カンデリラワックス、カルナウバワックス、ミツロウ、米ぬかワックス、サトウキビワックス、及びヒマワリワックスのうちの1つ以上から選択される。
【0179】
乳濁液または懸濁液の調製
本明細書で使用される場合、「乳濁液」とは、1つの液体の、不溶性または不混和性である別の液体への液滴/粒子の分散を指す。一実施形態では、液滴は、水性混合物中に分散された油である。一実施形態では、乳濁液は、湿式乳濁液である。一実施形態では、乳濁液は、粉末に乾燥される。一実施形態では、乳濁液は、押出成形される。一実施形態では、乳濁液は、粉末マトリックスと共に押出成形される。
【0180】
一実施形態では、本明細書に記載の方法によって生成される油滴は、約0.2μm~約10μmである。一実施形態では、本明細書に記載の方法によって生成される油滴は、約1μm~約10μmである。一実施形態では、本明細書に記載の方法によって生成される油滴は、約2μm~約8μmである。一実施形態では、本明細書に記載の方法によって生成される油滴は、約2μm~約4μmである。
【0181】
一実施形態では、平均油滴サイズは、約0.2μmから約10μmである。一実施形態では、平均油滴サイズは、約1μm~約10μmである。一実施形態では、平均油滴サイズは、約2μm~約8μmである。一実施形態では、平均油滴サイズは、約2μmから約4μmである。
【0182】
本明細書で使用される場合、「懸濁液」とは、1つの物質の、別の物質の大部分を通した液滴/粒子の分散を指す。一実施形態では、液滴は、水性混合物中に分散された油である。
【0183】
本明細書で使用される場合、乳濁液または懸濁液の生成または形成は、分解に対する物質の曝露を低減する水性混合物中の物質の捕捉または封入を指す。一実施形態では、物質は、油である。一実施形態では、物質は、生物活性物質である。一実施形態では、生物活性物質は、脂肪酸である。
一実施形態では、本明細書に記載されるようなステップii)で水性混合物に添加されるとき、油は加熱される。一実施形態では、油は、約30℃~約80℃に加熱される。一実施形態では、油は、約40℃~約70℃に加熱される。一実施形態では、油は、約45℃~約65℃に加熱される。一実施形態では、油は、約50℃~約60℃に加熱される。
【0184】
一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、水性混合物に添加される前に油に添加される。一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、水性混合物への油の添加の前、間、または後に水性混合物に添加される。
【0185】
一実施形態では、ステップiii)に記載されるような乳濁液または懸濁液の形成は、油と水性混合物との混合を含む。一実施形態では、混合は、高剪断下での撹拌を含む。一実施形態では、混合は、小さな油滴サイズを得るための均質化を含む。一実施形態では、均質化によって生成される油滴は、直径が約0.2μm~約10μmである。一実施形態では、均質化によって生成される油滴は、直径が約1μm~約10μmである。一実施形態では、均質化によって生成される油滴は、直径が約2μm~約8μmである。一実施形態では、均質化によって生成される油滴は、直径が約2μm~約4μmである。一実施形態では、均質化は、均質な乳濁液を形成する。
【0186】
一実施形態では、1つ以上の生物活性物質(複数可)及び/または生物活性前駆体(複数可)は、本明細書に記載されるような方法のステップii)またはステップiii)の前または間に油に注入される水溶液中に存在する。
【0187】
一実施形態では、本明細書に記載の方法によって乳濁液または懸濁液に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、MicroMAX(登録商標)封入法(WO01/74175)によって捕捉または封入された同じ生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも酸素分解を受けにくい。
【0188】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液の油含有量は、約1重量/体積%~約10重量/体積%である。一実施形態では、乳濁液または懸濁液の油含有量は、約1.2重量/体積%~約9重量/体積%である。一実施形態では、乳濁液または懸濁液の油含有量は、約1.3重量/体積%~約8重量/体積%である。一実施形態では、乳濁液または懸濁液の油含有量は、約1.4重量/体積%から約7重量/体積%である。一実施形態では、乳濁液または懸濁液の油含有量は、約1.5重量/体積%~約6重量/体積%である。
【0189】
一実施形態では、油の約5重量%~約50重量%は、乳濁液または懸濁液が乾燥した後に、バイオマスに捕捉または封入される。一実施形態では、油の約10重量%~約50重量%は、乳濁液または懸濁液が乾燥した後に、バイオマスに捕捉または封入される。一実施形態では、油の約20重量%~約40重量%は、乳濁液または懸濁液が乾燥した後に、バイオマスに捕捉または封入される。一実施形態では、乳濁液は、分散したプロバイオティクスを含む。
【0190】
後処理
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、微生物活性を低下させるために乳濁液または懸濁液を後処理することを含む。
【0191】
本明細書で使用される場合、「後処理」、「後処理された」、または「後処理すること」は、微生物を減少させるための本明細書に記載されるような乳濁液または懸濁液の処理を指す。
【0192】
当業者であれば、後処理が、例えば、熱処理(低温殺菌を含む)、マイクロ波処理、超音波、UV処理、高圧処理、超高温処理(UHT)、及びレトルト処理のうちの1つ以上を含む、微生物を不活性化するか、または製品特性(例えば、安定性ならびに物理的構造)を変更する任意の方法であることを理解するであろう。
【0193】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、熱処理で後処理される。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、高圧処理で後処理される。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、後処理中に密封パッケージ内にある。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、高圧処理中に密封パッケージ内にある。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、熱処理中に密封パッケージ内にある。一実施形態では、高圧処理は、乳濁液または懸濁液を約100~約600MPaの静水圧で処理することを含む。一実施形態では、高圧処理は、乳濁液または懸濁液を約350~約550MPaの静水圧で処理することを含む。一実施形態では、高圧処理は、乳濁液または懸濁液を約300~約400MPaの静水圧で処理することを含む。一実施形態では、高圧プロセスは、約25℃で約1分間、または約2分間、または約3分間、または約4分間である。一実施形態では、熱処理は、微粒子を約60℃~約80℃の温度に加熱することを含む。一実施形態では、熱処理は、乳濁液または懸濁液を約65℃~約75℃の温度に加熱することを含む。一実施形態では、熱処理は、乳濁液または懸濁液をレトルト(120℃)下で加熱することを含む。一実施形態では、熱処理は、UHT条件(>120~140℃)下で乳濁液または懸濁液を加熱することを含む。
【0194】
一実施形態では、後処理は、マイクロ波処理を含む。一実施形態では、マイクロ波処理は、約750Wで約1分間、または約2分間、または約2.5分間、または約3分間の処理を含む。一実施形態では、マイクロ波処理は、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスの温度を約70~約80℃、好ましくは約76℃に上昇させる。
【0195】
粉末の調製
一実施形態では、本明細書に記載されるような乳濁液または懸濁液は、部分的に乾燥または乾燥されて、含水含有量を減少させる。一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約1~約14%に減少させることを含む。一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約1~約13%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約1~約12%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約1~約10%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約2~約8%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約2~約6%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約2~約4%に減少させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、含水量を約2~約3%に減少させることを含む。
【0196】
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、水分活性を約0.1~約0.7の低水分活性に低下させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、水分活性を約0.2~約0.6の低水分活性に低下させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、水分活性を約0.2~約0.5の低水分活性に低下させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、水分活性を約0.3~約0.4の低水分活性に低下させることを含む。一実施形態では、本方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、水分活性を約0.4の低水分活性に低下させることを含む。
【0197】
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法は、乳濁液または懸濁液を乾燥させて粉末を形成することを含む。乾燥には、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥(リュフィリゼーションまたは低温乾燥)、トレイ乾燥、ドラム乾燥、ローラー乾燥、流動床乾燥、衝突乾燥、リフラクタンスウィンドウ(Refractance Window)乾燥、薄膜ベルト乾燥、真空マイクロ波乾燥、超音波支援乾燥、押出多孔質化技術、または当業者に知られている任意の他の方法が含まれ得る。
【0198】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、約10μm~約4000μmの平均乾燥粒子サイズを生成する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、約10μm~約3000μmの平均乾燥粒子サイズを生成する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、約20μm~約2000μmの平均乾燥粒子サイズを生成する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、約10μm~約1000μmの平均乾燥粒子サイズを生成する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液を乾燥させて、約10μm~約500μmの平均乾燥粒子サイズを生成する。
【0199】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液を噴霧乾燥(例えば、Drytec実験室用噴霧乾燥機)によって乾燥させて、粉末を形成する。例えば、乳濁液または懸濁液は、回転噴霧器、超音波ノズル、またはツイン流体ノズルを有するDrytec実験室用噴霧乾燥機を使用して、噴霧化の前に供給口を60℃に加熱することによって2.0~4.0バールの噴霧圧で乾燥され、入口及び出口の空気は、それぞれ、180℃及び80℃であった。一実施形態では、噴霧乾燥機は、造粒機能を有する。一実施形態では、噴霧乾燥機は、造粒乾燥機と共に装着される。
【0200】
一実施形態では、噴霧乾燥により、個々の粒子または粒子の凝集体が生成される。
【0201】
一実施形態では、噴霧乾燥により、約10μm~約3000μmの平均乾燥粒子サイズが生成される。一実施形態では、噴霧乾燥により、約20μm~約2000μmの平均乾燥粒子サイズが生成される。一実施形態では、噴霧乾燥により、約10μm~約1000μmの平均乾燥粒子サイズが生成される。一実施形態では、噴霧乾燥により、約10μm~約500μmの平均乾燥粒子サイズが生成される。
【0202】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、凍結乾燥によって乾燥されて粉末を形成する。一実施形態では、抗凍結剤が、凍結乾燥前に乳濁液または懸濁液に添加される。一実施形態では、抗凍結剤は、単糖、二糖もしくは多糖、ポリアルコール、またはそれらの誘導体である。一実施形態では、抗凍結剤は、トレハロース、スクロース、及びマンニトールのうちの1つ以上から選択される。
【0203】
一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、ドラム乾燥によって乾燥されて粉末を形成する。
【0204】
一実施形態では、粉末は、約5重量%~約50重量%の油を含む。一実施形態では、粉末は、約10重量%~約50重量%の油を含む。一実施形態では、粉末は、約20重量%~約50重量%の油を含む。一実施形態では、粉末は、約20重量%~約50重量%の油を含む。一実施形態では、粉末は、約20重量/体積%~約40重量/体積%の油を含む。一実施形態では、粉末は、約20重量%~約30重量%の油を含む。
【0205】
一実施形態では、粉末は、約20μm~約1200μmの粒子を含む。一実施形態では、粉末は、約100μm~約900μmの粒子を含む。一実施形態では、粉末は、約400μm~約700μmの粒子を含む。一実施形態では、粉末は、約500μm~約600μmの粒子を含む。一実施形態では、粉末は、約1000μmの粒子を含む。一実施形態では、粉末を製粉して、粒子サイズをさらに減少させる。一実施形態では、製粉は、粒子サイズを約10μm未満、または約8μm未満、または約6μm未満、または約4μm未満、または約2μm未満に減少させることができる。
【0206】
一実施形態では、本明細書に記載の方法によって粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、MicroMAX(登録商標)封入法(WO01/74175)によって捕捉または封入された同じ生物活性物質及び/または生物活性前駆体(例えば、油)よりも酸素分解を受けにくい。
【0207】
一実施形態では、本明細書に記載されるような方法によって粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約500%~約4000%高い耐性がある(表7を参照)。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約500%~約3000%高い耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約500%~約2000%高い耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約800%~約2000%高い耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約800%~約1500%高い耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、IPまでの時間が比較された、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも、酸素分解に対して約900%~約1300%高い耐性がある。
【0208】
一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも3か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも6か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも12か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも18か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも24か月間、酸素分解により耐性がある。
【0209】
一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも3か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも6か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも12か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも18か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、少なくとも24か月間、湿気分解により耐性がある。
【0210】
一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、プロセス中にpH分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、捕捉または封入されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較して、胃腸通過中にpH分解により耐性がある。
【0211】
一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも3か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも6か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも12か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも18か月間、酸素分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも24か月間、酸素分解により耐性がある。
【0212】
一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも3か月間、温度分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも6か月間、温度分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも12か月間、温度分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも18か月間、温度分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも24か月間、温度分解により耐性がある。
【0213】
一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも3か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも6か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも12か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも18か月間、湿気分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも24か月間、湿気分解により耐性がある。
【0214】
一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも3か月間、pH分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油と比較して、少なくとも6か月間、pH分解により耐性がある。一実施形態では、粉末に封入された油は、封入されていない油よりも、胃腸通過中にpH分解により耐性がある。
【0215】
製品
一態様では、本発明は、第1の生物種からのバイオマスからのタンパク質及び炭水化物を含むマトリックスを提供する。一実施形態では、マトリックスは、本明細書に記載されるような1つ以上の生物活性物質(複数可)または生物活性前駆体(複数可)を含む。一実施形態では、マトリックスは、スルフォラファンを含む。一実施形態では、マトリックスは、グルコシノレートを含む。一実施形態では、マトリックスは、グルコラファニンを含む。
【0216】
一態様では、本発明は、油滴あるいは生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含むマトリックスであって、タンパク質及び炭水化物が、生物のさらなる種(例えば、生物の第2、第3、第4、第5などの種)からの1つ以上のさらなるバイオマスからのものである、マトリックスを提供する。
【0217】
一態様では、本発明は、マトリックス中に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体であって、第1の生物種からのバイオマスからのタンパク質及び炭水化物を含み、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、捕捉または封入の前の生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較されたときに、酸素分解により耐性がある、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を提供する。
【0218】
一実施形態では、生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、第1の生物種からのものではない。
【0219】
一態様では、本発明は、マトリックス中に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体であって、ブロッコリーからのタンパク質及び炭水化物を含み、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体が、捕捉または封入の前の生物活性物質及び/または生物活性前駆体と比較されたときに、酸素分解により耐性がある、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を提供する。
【0220】
一実施形態では、捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、脂肪酸である。一実施形態では、生物活性物質は、油である。
【0221】
一実施形態では、マトリックスは、第1の生物種からの少なくとも1つのさらなるバイオマスからのタンパク質及び炭水化物を含む。
【0222】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、i)約1:1~約1:10.5のタンパク質対炭水化物の比率、ii)約1:4.5~約4:1のタンパク質対炭水化物の比率、及びii)約1:2.5~約2:1のタンパク質対炭水化物の比率、のうちの1つ以上を含む。
【0223】
一実施形態では、バイオマス及び/またはさらなるバイオマスは、生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む。
【0224】
一実施形態では、バイオマスは、ブロッコリーである。
【0225】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成される乳濁液または懸濁液を提供する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約10時間~約300時間の誘導期間を有する。一実施形態では、乳濁液または懸濁液は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約100時間~約300時間の誘導期間を有する。
【0226】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような方法によって生成される捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体を含む粉末を提供する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約10時間~約300時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約50時間~約300時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約80時間~約300時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で約100時間~約300時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で少なくとも10時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で少なくとも50時間の誘導期間を有する。一実施形態では、粉末は、80℃及び初期5バールの酸素圧でOxipresを使用して測定された、80℃で少なくとも100時間の誘導期間を有する。
【0227】
一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約1~約14%である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約1~約10%である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約10%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約8%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約7%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約6%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約5%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約4%以下である。一実施形態では、粉末の湿気含有量は、約3%以下である。
【0228】
一実施形態では、粉末は、油を含む。一実施形態では、粉末は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸を含む。一実施形態では、粉末は、イソチオシアネート生活活性物質を含む。
【0229】
一実施形態では、粉末は、そのまま使用され得るか、または他の材料に添加されるか、もしくは他の材料と組み合されて、製品(例えば、食品または化粧品)を形成する材料である。
【0230】
一実施形態では、粉末を使用して、粉末(例えば、1つ以上の他の粉末原料と組み合わされた)、錠剤、液体、丸薬、カプセル、または押出製品を形成することができる。一実施形態では、粉末は、押出成形される。一実施形態では、粉末を圧縮して、例えば、錠剤を形成する。
【0231】
一実施形態では、粉末は、食品、食品原料、飲料原料、または化粧品原料である。
【0232】
一実施形態では、乳濁液、懸濁液、または粉末を1つ以上の他の原料と組み合わせて、製品を形成することができる。
【0233】
一実施形態では、製品は、クリーム、ゲル、錠剤、液体、丸薬、カプセル、または押出製品である。
【0234】
一実施形態では、製品は、食品、食品原料、飲料原料サプリメント、化粧品または化粧品原料である。一実施形態では、化粧品は、皮膚保湿製品(例えば、保湿剤またはフェイスマスク)である。
【0235】
一実施形態では、製品は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸を含む。
【0236】
一実施形態では、食品は、動物飼料である。一実施形態では、動物飼料は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸を含む。一実施形態では、オメガ-3多価不飽和脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)、及びドコサペンタエン酸(DPA)のうちの1つ以上から選択される。一実施形態では、動物飼料は、アスタキサンチン及び/またはα-リポ酸を含む。
【0237】
一実施形態では、動物飼料は、水産養殖飼料である。
【0238】
一実施形態では、製品は、例えば、乳児用調製乳、子供用調製乳、大人用調製乳、ヨーグルト、飲料、高齢者用サプリメント、超高温処理(UHT)飲料(例えば、牛乳)、スープ、ディップ、パスタ製品、パン、スナック、他のベーカリー製品 プロセスチーズ、及び/または動物飼料(水産養殖飼料を含む)のための食品原料である。一実施形態では、食品原料中に捕捉または封入された生物活性物質及び/または生物活性前駆体は、製品に添加された場合、封入または捕捉されていない生物活性物質及び/または生物活性前駆体よりも安定している。
【0239】
一実施形態では、製品は、化粧品または化粧品原料として、例えば、口紅、クリーム、ローション、または軟膏としての使用に好適である。
【0240】
一実施形態では、製品は、粉末サプリメントである。一実施形態では、粉末サプリメントは、水に溶解されるか、または食品、飲料、もしくは食事に添加される。
【0241】
一実施形態では、製品は、乳濁液、懸濁液、または粉末である。
【0242】
医薬組成物の調製
一態様では、本発明は、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む乳濁液を生成する方法であって、水、脂質、ならびにイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む、混合物を提供し、それにより乳濁液を形成することを含む、方法を提供する。そのような乳濁液は、医薬組成物での使用に好適である。
【0243】
一実施形態では、水ならびにイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む混合物を、脂質と混合する。一実施形態では、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含み、かつタンパク質及び/または炭水化物を含む、水性懸濁液を、脂質と混合する。一実施形態では、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を脂質と混合し、得られた組成物を水性媒体と混合する。一実施形態では、水性媒体は、タンパク質及び/または炭水化物を含む。一実施形態では、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を、水及び脂質を含む混合物と混合する。一実施形態では、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を、水及び脂質を含む混合物と混合する。一実施形態では、タンパク質または炭水化物は、同じ単一種の生物からのものである。一実施形態では、タンパク質、炭水化物、あるいはイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体は、同じ単一種の微生物からのものである。
【0244】
一実施形態では、乳濁液中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、約4~約10℃または約-18℃での約1か月の保存後に、脂質を欠く対応する組成物中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも2倍である。一実施形態では、乳濁液中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、約4~約10℃または約-18℃での約1か月の保存後に、脂質を欠く対応する組成物中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも3倍である。一実施形態では、乳濁液中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、約4~約10℃または約-18℃での約2か月の保存後に、脂質を欠く対応する組成物中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも2倍である。
【0245】
一態様では、本発明は、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む粉末を調製する方法であって、本明細書に記載されるような乳濁液を調製することと、乳濁液を乾燥条件に供し、それにより水を除去することと、を含む、方法を提供する。一実施形態では、乳濁液を凍結乾燥または噴霧乾燥条件に供し、それにより粉末を形成する。
【0246】
一実施形態では、粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、-18℃での約1か月の保存後に、脂質を欠く対応する粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも1倍である。
【0247】
一実施形態では、粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、-18℃での約1か月の保存後に、脂質を欠く対応する粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも2倍である。
【0248】
一実施形態では、粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度が、-18℃での約2か月の保存後に、脂質を欠く対応する粉末中のイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の濃度の少なくとも2倍である。
【0249】
一態様では、本発明は、医薬品組成物または化粧品組成物を調製する方法であって、本明細書に記載されるような乳濁液を調製すること、または本明細書に記載されるような粉末を調製することと、乳濁液または乾燥組成物を医薬品組成物または化粧品組成物に変換することと、を含む、方法を提供する。
【0250】
医薬組成物
一実施形態では、本発明は、本方法によって、または本明細書に記載の乳濁液もしくは粉末から生成される医薬品組成物または化粧品組成物であって、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体、脂質、ならびに医薬品賦形剤及び/または化粧品賦形剤を含む、医薬品組成物または化粧品組成物を提供する。
【0251】
一態様では、本発明は、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体、脂質、ならびに医薬品賦形剤及び/または化粧品賦形剤を含む、医薬品組成物または化粧品組成物を提供する。一実施形態では、医薬品組成物または化粧品組成物は、タンパク質及び/または炭水化物をさらに含む。
【0252】
一態様では、本発明は、水、脂質、ならびにイソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体を含む乳濁液を提供する。そのような乳濁液は、医薬品組成物及び化粧品組成物での使用に好適である。
【0253】
一実施形態では、組成物は、局所、経腸/胃腸、または非経口投与のためのものである。一実施形態では、皮膚の局所領域への適用が含まれ、経皮投与(皮膚を通した吸収を介した投与)も含まれる。一実施形態では、経腸/胃腸、例えば、経口、直腸、胃、胃腸管、口唇下、頬側、舌下が含まれる。一実施形態では、非経口、例えば、経皮、筋肉内、及び静脈内が含まれる。一実施形態では、組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、錠剤、液体、丸薬、カプセル、粉末、または押出製品の形態である。
【0254】
一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の約10%~約90%が、組成物中に残る。一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の少なくとも10%が、組成物中に残る。一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の少なくとも20%が、組成物中に残る。一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の少なくとも30%が、組成物中に残る。一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の少なくとも40%が、組成物中に残る。一実施形態では、約1か月の期間の保存後に、イソチオシアネート及び/またはイソチオシアネート前駆体の少なくとも50%が、組成物中に残る。
【0255】
一実施形態では、イソチオシアネートは、スルフォラファン、アリルイソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート、及びフェネチルイソチオシアネートのうちの1つ以上から選択される。
【0256】
一実施形態では、イソチオシアネート前駆体は、グルコシノレート、グルコラファニン、シニグリン、グルコトロぺオリン、及びグルコナスツルチインの1つ以上から選択される。
【0257】
一実施形態では、脂質は、本明細書に記載されるような油である。好ましい実施形態では、油は、キャノーラ油、オリーブ油、ヒマワリ油、魚油、または藻類油から選択される。一実施形態では、組成物は、約10%~約90%の油を含む。一実施形態では、組成物は、約20%~約80%の油を含む。一実施形態では、組成物は、約30%~約70%の油を含む。一実施形態では、脂質は、本明細書に記載されるようなワックスである。
【0258】
一実施形態では、乳濁液または粉末は、製剤の他の原料と適合し、そのレシピエントに過度に有害ではないという意味で薬学的または美容的に許容されるべきである1つ以上の賦形剤、担体、または添加剤と組み合わされ、これには、例えば、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの誘導体化セルロース、フィコール(ポリマー糖)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン及びスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、ならびにペクチンが含まれ得る。組成物は、希釈剤、緩衝液、結合剤、崩壊剤、増粘剤、潤滑剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)、香味剤、矯味剤、無機塩(例えば、塩化ナトリウム)、抗菌剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、甘味料、帯電防止剤、ソルビタンエステル、脂質(例えば、レシチン及び他のホスファチジルコリンなどのリン脂質、ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸及び脂肪酸エステル、ステロイド(例えば、コレステロール))、ならびにキレート剤(例えば、EDTA、亜鉛、及び他の好適なカチオン)をさらに含み得る。組成物での使用に好適な他の医薬品賦形剤、担体、及び/または添加剤は、“Remington:The Science&Practice of Pharmacy”,19.sup.th ed.,Williams&Williams,(1995)、及び“Physician’s Desk Reference”,52.sup.nd ed.,Medical Economics,Montvale,N.J.(1998)、及び“Handbook of Pharmaceutical Excipients”,Third Ed.,Ed.A.H.Kibbe,Pharmaceutical Press,2000に列挙されている。
【0259】
一態様では、本発明は、状態の治療または予防の方法であって、有効量の本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末の投与を、それを必要とする対象に行うことを含む、方法を提供する。一態様では、本発明は、状態の治療または予防に使用するための、本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末を提供する。一態様では、本発明は、対象の状態を処置または防止する方法であって、有効量の本明細書に記載されるような医薬組成物、乳濁液、または粉末を、対象に投与することを含む、方法を提供する。状態の処置または防止のための医薬品の製造における、本明細書に記載されるような医薬組成物の使用。状態の処置または防止のための医薬品の製造のための、本明細書に記載されるような乳濁液または本明細書に記載されるような粉末の使用。
【0260】
一態様では、本発明は、本明細書に記載されるような治療もしくは予防の方法、使用、または処置もしくは防止の方法であって、状態が、がん、糖尿病、心血管疾患、自閉症、骨粗しょう症、神経保護疾患、メタボリック症候群、炎症、酸化ストレス、及び腸の健康状態から選択される、方法を提供する。一実施形態では、腸の健康状態は、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、クローン病、小腸の異常増殖、漏出性腸、及び乳糖不耐症から選択される。一実施形態では、状態は、がんである。
【実施例
【0261】
実施例1-物理的に安定した水中油型乳濁液を調製するための封入剤としてのブロッコリーの乳化及び物理的機能の実証
生ブロッコリーを追加の水と混成した(1:1の比率)。これに、ブロッコリー:水:油の比率が1:1:1になるように油を添加し、混合物全体をベンチトップブレンダーを使用して混成した。水中油型乳濁液は、2時間以上物理的に安定していた。ブロッコリーを含まない油水混合物を混成すると、予想通り、すぐに2相に分離した(図1A~B)。
【0262】
実施例2-凍結乾燥したブロッコリー粉末を封入剤として使用した水相懸濁液の調製
凍結乾燥したブロッコリーの粉末をビーカーに入れ、オーバーヘッドミキサーを使用して混合しながら、流動性混合物が得られるまで、水(60℃)を添加した(7.46%の総固形分(TS))(図1C~F)。2N NaOHを使用して、混合物のpHを6.01~7.50に調整した。次に、混合物を75℃で2分間または100℃で30分間熱処理し、次に60℃に冷却した。
【0263】
実施例3-封入剤として生ブロッコリーを使用した水相懸濁液の調製
生ブロッコリー(10%TS)を小片に切り、最初に沸騰水を添加し、混合物を混成して、総固形分が異なるブロッコリー懸濁液を得た(図2A:7.66%(TS)、(図2B:6.87%TS)、(図2C:6.23%TS)、(図2D:4.99%TS)。この最初の実験から、封入剤の調製のために4.99%TS混合物を選択した。この混合物のpHを、2NのNaOHを使用して6.23~7.50に調整した。次に、混合物を75℃で2分間または100℃で30分間熱処理し、次に60℃に冷却した。
【0264】
実施例4-オメガ-3油を乳濁液及び粉末形式で封入するための凍結乾燥ブロッコリー粉末の実証
実施例2に記載されている凍結乾燥ブロッコリー粉末から作製された水相懸濁液(5%TS)を封入剤として使用した。マグロ油(1:1のブロッコリー固形分:油の比率)を実施例2に記載されている水相懸濁液(60℃)に添加し、15,000rpmで3分間、Ultra Turraxを使用して均質化し、75℃で2分間加熱したF1乳濁液、及び100℃で30分間加熱したF2を調製した(図3A)。
【0265】
1カゼイン酸ナトリウム(NaCas)-1グルコース(Glu)-1乾燥グルコースシロップ(DGS)溶液を使用した水相製剤を、60℃の水で40分間(25%TS)調製し、pHを7.50に調整し、100℃で30分間熱処理し、60℃に冷却し(対照として、C1)、Tween 80(0.5g)を、低分子量の乳化剤を使用した別の対照として87gで60℃の水に5分間攪拌した(C2)。
【0266】
オメガ-3水中油型乳濁液を、油をタンパク質(カゼイン酸ナトリウム)及び炭水化物(グルコース及び乾燥グルコースシロップ)C1、または低分子量の乳化剤C2と組み合わせることによって作製した(図3A)。
【0267】
F1、F2、C1、C2乳濁液は全て、20℃で一晩保存した後も物理的に安定していた(図3B)。F1、F2、C1も凍結乾燥して、50%のオメガ-3油を含有するオメガ-3油粉末を得た(図3C)。
【0268】
実施例5-加速酸化下で試験されたオメガ-3油乳濁液及び粉末の酸化安定性
実施例4に記載されている乳濁液(F1、F2、C1、C2)及び凍結乾燥粉末(F1、F2)を、Oxipres装置(Mikrolab Aarhus A/S,Hojbjerg,Denmark)を使用して、初期5バールの酸素圧下、80℃で加速酸化下で試験した。ブロッコリーマトリックス(F1及びF2)で作製された魚油乳濁液及び粉末は、CSIROのMicroMAX(登録商標)技術及びTweenで作製された魚油乳濁液を使用して封入された対応する魚油乳濁液(F1及びF2)及び乳濁液(C1)よりもゆっくりと酸素を吸収した(図4及び5ならびに表2)。
【0269】
【表2】
【0270】
実施例6-粉末中のオメガ-3油を安定化させるためのブロッコリー粉末の使用の実証
未精製油についてのOxipresデータを図6に示す。封入剤マトリックスの量が酸素取り込み量に及ぼす影響を、ブロッコリーマトリックス(油なし)に対するOxipres試験で評価した。結果を図7に示す。
【0271】
ブロッコリーの頭を四分の一に切り、水(5%TS)を添加することによって浸軟し、4分間79℃に加熱し、凍結乾燥した。凍結乾燥したブロッコリー粉末を、水(5%TS)で再構成し、封入のために使用した。油(マグロ油、DHAキャノーラ油またはキャノーラ油)を懸濁液に添加して、12.5%、25%、及び50%の油粉末を得、Ultraturraxを使用して15,000rpmで3分間均質化して、乳濁液を調製した。乳濁液(それぞれ5.7%、6.6%、及び9.5%の総固形分)を凍結乾燥し、80℃、初期酸素圧5バールの室温でOxipresユニットを使用して加速酸化条件下で試験した。
【0272】
結果を図8~10に示す。これらの試料での遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。最大300時間まで、12.5%及び25%の油粉末において明確なIPは観察されなかった。
【0273】
実施例7-オメガ-3水中油型乳濁液の調製及び安定化のために生ブロッコリーを使用する実証
実施例3に記載されている生ブロッコリーから作製された水相懸濁液(5%&6%TS)を封入剤として使用した。オメガ-3油(1:1のブロッコリー固形分:油の比率)を実施例3に記載されている水相懸濁液(60℃)に添加し、15,000rpmで3分間、Ultraturraxを使用して均質化し、75℃で2分間加熱したE1及びE2乳濁液、及び100℃で30分間加熱したE3及びE4を調製した。総固形分に対する最終的な乳濁液は、それぞれ7.7%及び11.3%であった。
【0274】
乳濁液を、Oxipresユニットを使用して、80℃、初期酸素圧5バールの室温で、加速酸化条件下で試験した。結果を図11及び表3に示す。加熱されたブロッコリーと加熱されていないブロッコリーの両方が、酸素の取り込みに関して同じ方法で行った。
【0275】
【表3】
【0276】
実施例8-生ブロッコリー・マグロ油凍結乾燥粉末に関するOxipres結果
生ブロッコリー(5%及び6%TS)を、高速で3分間、沸騰水で混成した(温度68.3℃を測定)。pHを、7.5に調整した。半分を75℃で2分間低温殺菌し、もう半分を100℃で30分間熱処理した。それらの両方を60℃に冷却し、マグロ油を添加し、15,000rpmで2分間ultra-turraxにかけた。次に、それぞれ9.5%及び11.3%TSを含有する得られた乳濁液を、凍結乾燥した。凍結乾燥ブロッコリーを使用し、封入剤としてカゼイン酸ナトリウム及び炭水化物を使用した乳濁液製剤(9.5%の総固形分)も調製し、凍結乾燥して、比較のために試験した。
【0277】
凍結乾燥した乳濁液を、Oxipresユニットを使用して、80℃、初期酸素圧5バールの室温で試験した。結果を図12、13及び表4に示す。
【0278】
【表4】
【0279】
実施例9-封入剤として前処理されたブロッコリーを使用して作製されたオメガ-3ブロッコリー乳濁液試料の酸素取り込み量
様々に前処理されたブロッコリー(新鮮なブロッコリー、蒸した、蒸したブロッコリー、蒸して細断したブロッコリー、蒸したピューレ状のドラム乾燥ブロッコリー)、それに続くドラム乾燥を使用したブロッコリー乳濁液の酸素取り込み量を、80℃、初期5バールの酸素圧で、Oxipres試験によって評価した。
【0280】
結果を図14に示す。ブロッコリー封入剤を、様々な処理段階で使用して、最大5%の水性固形分を作製した。乳濁液を、9.5%TS及び4.8%の油で調製した。IP(h)は、酸素取り込み量の大幅な増加(酸素圧の急激な低下)がある時点である。試験した試料には、4gの油及び4gのマトリックスが含有されていた。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
【0281】
実施例10-封入剤としてのバイオマス
生バイオマスを小片に切り、最初に沸騰水を添加し、混合物を混成して、バイオマス(5%TS)を含有する水性懸濁液を得た。この混合物のpHを、2N NaOHを使用して7.50に調整した。次に、混合物を75℃で2分間または100℃で30分間熱処理し、次に60℃に冷却した。オメガ-3油(1:1のバイオマス固形分:油の比率)を水相懸濁液(60℃)に添加し、15,000rpmで3分間、Ultraturraxを使用して均質化し、乳濁液を調製し、これを凍結乾燥して粉末を得た(50%の油)。
【0282】
結果を表5及び図15~23に示す。これらの結果は、油の相対的な酸化安定性を示しており、誘導期間の長さは、加速条件下で封入剤が油に与える保護の大きさと関連している。
【0283】
【表5】
【0284】
実施例11-封入剤としてバイオマスに添加されたタンパク質の影響
生ニンジンを小片に切り、沸騰水に加え、混成して、バイオマス(5%TS)を含有する水性懸濁液を得た。この混合物のpHを、2N NaOHを使用して7.50に調整した。次に、混合物を90℃で5分間熱処理し、次に60℃に冷却した。異なるタンパク質分散液(10%TS)(カゼイン酸ナトリウム、大豆タンパク質分離物、エンドウ豆タンパク質)をニンジン懸濁液に添加して、1:2のタンパク質:CHOの比率を得た。ニンジン-タンパク質混合物(60℃)にマグロ油を添加し、15,000rpmで3分間、Ultraturraxを使用して均質化し、乳濁液を調製し、これを凍結乾燥して粉末(25%の油)を得た。
【0285】
結果を図24に示す。ニンジン-エンドウ豆タンパク質オメガ-3粉末のみが、明確なIP(38時間)を有した。他の全ての試料では、Oxipres試験中に圧力が突然上昇した。
【0286】
実施例12-炭水化物を添加した場合及び添加しない場合の封入剤としての抹茶
抹茶粉末(マルトデキストリンの添加ありまたは添加なし)を水で再構成した(45℃、1時間)。異なる製剤におけるタンパク質対炭水化物(CHO)の比率(重量比)は、マルトデキストリンを添加した製剤について、8:9(抹茶のみ)、1:2、1:3、及び1:4であった。マグロ油を添加し、Silversonミキサー(Silverson L4R、Silverson Machines Ltd.,Chesham,Buckinghamshire,UK)を使用して3分間分散させ、乳濁液を250/100バールで均質化した(Avestin Emulsiflex C5,Avestin Inc.,Ottawa,Ontario,Canada)。乳濁液(15%の総固形分)を噴霧乾燥して、25%の魚油(乾燥ベース)を含有する粉末を得た。
【0287】
80℃、初期5バールの酸素圧でのOxipres試験を図25に示す。1:2及び8:9のタンパク質炭水化物比を有するこれらの試料における遅い酸素取り込みは、マトリックスによる酸素の取り込みに一部起因するものである。明確なIPは、マグロ油のみ、ならびに1:4及び1:3のタンパク質炭水化物比を有する試料について示されている。
【0288】
実施例13-封入剤としての「凍結乾燥ブロッコリー」粉末と「カゼイン酸ナトリウム+炭水化物」とを比較した、噴霧乾燥オメガ-3油粉末の安定性を示すOxipres結果
凍結乾燥したブロッコリー粉末を、60℃の水で5%TSに再構成して、1時間水和させた。60℃に加熱したマグロ油を添加し、Silverson乳化剤を使用して、最大速度で5分間均質化した。次に、乳濁液を噴霧乾燥した。比較のために、100℃で30分間加熱した、加熱カゼイン酸ナトリウム-グルコース乾燥グルコース糖溶液を使用したMicroMAX(登録商標)製剤を、封入剤として使用した。同じ油を添加し、60℃、180/80バールの圧力で均質化した。両方の製剤を、ツイン流体ノズル(4バールの圧力)を使用して、実験室スケールのDrytec噴霧乾燥機で噴霧乾燥した。噴霧乾燥した粉末を、Oxipresユニットを使用して、80℃、初期酸素圧5バールの室温で試験した。
【0289】
Oxipres試験結果(図26)は、封入剤として加熱したカゼイン-炭水化物を使用した50%のマグロ油粉末の誘導期間と比較した、80℃、初期5バールの酸素圧で試験した、噴霧乾燥(50%のマグロ油)オメガ-3ブロッコリー粉末の誘導期間(IP)を示す。両方の試料について明確なIPがある。結果は、本明細書に記載されるような方法を介した封入油は、MicroMAX(登録商標)技術を使用した封入油よりも、酸素分解により耐性があることを示している。
【0290】
実施例14-オメガ-3油ブロッコリー粉末を生成するための封入剤としての発酵ブロッコリーの使用と非発酵ブロッコリーの使用との間の比較。
ブロッコリーピューレ(75℃、2分または100℃、30分で加熱)または発酵ブロッコリーピューレ(発酵前の±熱処理)を調製した(5%TS)。Hi-DHAマグロ油を添加し、Silverson乳化剤ミキサー(60℃で5分間)を使用して均質化し、乳濁液を形成した。全ての製剤を凍結乾燥した。粉末を、80℃、初期5バールの酸素圧で、Oxipresで試験し、結果を図27に示す。非発酵ブロッコリー粉末を使用した試料については明確なIPがあるが、発酵ブロッコリーピューレを使用した試料については明確なIPがない。
【0291】
実施例15-封入されていないマグロ油に対するマグロ油粉末中のEPA及びDHAの安定性の比較
実施例5及び8から選択される粉末ならびに未精製マグロ油(封入されていない)を、軽く蓋をしたボトルに40℃のオーブンで保存した。ガスクロマトグラフィーを使用して測定された、油及び粉末試料中の油の脂肪酸分析。最初のマグロ油のエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)の含有量ならびに保存試料中の含有量を、表6に示す。40℃で1か月後の未精製油中のEPA及びDHAと比較して、保存粉末中のEPA及びDHAの含有量がより高いことは、酸化に対するEPA及びDHAの封入剤の保護を明確に実証している。
【0292】
【表6】
【0293】
実施例16-選択されるバイオマスを封入剤として使用した、オメガ-3油粉末からの二次酸化生成物のヘッドスペース分析
実施例8及び10からの凍結乾燥オメガ-3油の粉末を、-18℃で14か月間保存し、これらの実施例からの選択される粉末を試料採取し、分析のために40℃のオーブンで軽く蓋をしたボトルに4週間保存した。GC-MSを使用して、ヘッドスペース二次酸化生成物の分析を実施した。
【0294】
結果を図28に示す。プロパナール及びEE-2,4-ヘプタジエナールの量が少ないほど、試料の酸化に対する安定性が高くなることを意味する。これらの結果から、これらの例でのオメガ-3酸化に対する最良の保護は、ブロッコリー、マッシュルーム、及び芽キャベツにおいて得られた。
【0295】
実施例17-50%のオメガ-3油ブロッコリー粉末を使用した、錠剤化及び押出成形製剤の酸素取り込み量
実施例4(F1)と同様に調製した凍結乾燥オメガ-3油ブロッコリー粉末(50%のHi-DHAマグロ油)を使用した。押出成形された試料では、凍結乾燥オメガ-3油ブロッコリー粉末(20重量%)及びトウモロコシの粉(80重量%)を乾燥混成し、低剪断スナック押出スクリュープロファイル、60℃、100℃、140℃、140℃のバレル温度(粉末供給口から金型端まで)、及び金型圧力約5バールを使用して、押出機Extruder(DSE32-II Twinscrew Lab Extruder)を通して供給した。錠剤化製剤の場合、凍結乾燥オメガ-3油ブロッコリー粉末(50重量%)及び賦形剤としての脱脂粉乳(50重量%)を乾燥混成し、錠剤(φ1.3cm×0.5cm)を作製した。試料の酸素取り込み量を、80℃、初期5バールの酸素圧でOxipres試験によって評価した。
【0296】
結果を図29に示す。試験した試料は、押出物(36gのマトリックス及び4gの油)の場合は40g、錠剤形式(16gの賦形剤及び4gの油)の場合は16gであった。
【0297】
実施例18-ブロッコリーバイオマスを前処理し、及び/または乳濁液を後処理することによって作製された、オメガ-3油ブロッコリー粉末の酸素取り込み量
凍結乾燥したブロッコリー粉末を封入剤として使用して、最大5%の水性固形分(50℃、60分で水和)を作製し、油を添加して均質化し、安定した乳濁液または懸濁液(9.5%TS及び4.8%の油)を形成した。乳濁液を凍結乾燥して、50%の油粉末を作製した。試験した試料には、4gの油及び4gのマトリックスが含有されていた。この例では、バイオマス(水相)を、水浴中で7.5分間の超音波(40KHz/180W)もしくは2.5分間76.3℃までのマイクロ波(750W)を使用して前処理するか、または25℃で3分間高圧(6000バール)で、もしくは2.5分間76.3℃までのマイクロ波(750W)で均質化した後に後処理のいずれかを行った。バイオマスの前処理(5%TSブロッコリー懸濁液)または乳濁液の後処理(4.8%の油及び9.5%TSの乳濁液)によって調製された凍結乾燥ブロッコリー粉末の酸素取り込み量を、80℃、初期5バールの酸素圧でOxipres試験によって評価した。
【0298】
結果を図30に示す。これらの試料における遅い酸素取り込みは、ブロッコリーマトリックスによる酸素取り込みに一部起因するものである。
【0299】
実施例19-ブロッコリーの水性懸濁液及び乳濁液のスルフォラファン含有量
新鮮なブロッコリーの小花を蒸し(芯温60℃/5分)、室温に冷却した。水性懸濁液(5重量%のブロッコリー固形分)及び中鎖トリグリセリドを有する乳濁液(5重量%のブロッコリー固形分及び5重量%の中鎖トリグリセリド)を調製し、25℃で4時間保持した。水性懸濁液及び乳濁液を酢酸エチルで抽出し、スルフォラファン含有量を、UPLCを使用して測定した。
水性懸濁液中よりも乳濁液中で、スルフォラファンの含有量が13%高かった(ブロッコリー固形分のmg/g乾燥重量として表現)。これは、スルフォラファンが乳濁液中でより安定していることを実証している。
【0300】
実施例20-保存凍結乾燥ブロッコリーの水性懸濁液及び乳濁液のスルフォラファン含有量
凍結乾燥ブロッコリー粉末(油なし)及び凍結乾燥オメガ-3油ブロッコリー粉末(50%の油粉末)を、実施例6のように調製した。粉末のスルフォラファン含有量を、凍結保存(-18℃で数か月)後に測定した。試料からスルフォラファンを抽出した後に、スルフォラファン含有量を測定した(酢酸エチル/ヘキサン混合物を使用して)。凍結乾燥オメガ-3油ブロッコリー粉末(50%の油)中のスルフォラファン含有量(ブロッコリー固形分のmg/g乾燥重量として表現)は、凍結乾燥ブロッコリー粉末(油なし)よりも約2倍高かった。これは、油の存在により、長期保存中にスルフォラファンが安定化したことを実証している。
【0301】
実施例21-考察
封入剤として精製タンパク質及び炭水化物を使用する代わりに、これらの実験は、バイオマス全体を封入剤として使用して、バイオマス源からタンパク質及び炭水化物を精製及び分離する必要をなくすことができることを実証した。同じバイオマス源からのタンパク質及び炭水化物を使用することで、乳濁液及び懸濁液、封入剤、粉末、ならびに捕捉及び封入された生物活性物質(複数可)及び/または生物活性前駆体(複数可)を生成する費用を削減することができる。本明細書に記載されるような方法は、安定化に寄与する可能性があり、生物活性物質(複数可)及び/または生物活性前駆体(複数可)のための送達媒体として機能する可能性がある、バイオマスに固有の全ての成分を利用するという追加の利点を提供する。多くのバイオマス源(例えば、植物、果物及び野菜、藻類、菌類)には、多くの栄養素(タンパク質、炭水化物、繊維)及び植物栄養素(例えば、カロチノイド、ポリフェノール、硫黄含有化合物、トコフェロール、グルコシノレートなど)も含有されており、これらはまた、良好な栄養特性及び健康促進特性も有する(Hounsome et al.,2008)。バイオマス中に存在するタンパク質、炭水化物、植物栄養素、及び他の微量成分(例えば、ビタミンC)の遍在的な存在により、精製された個々の成分の代わりにバイオマス全体(またはこれらの画分)を活用することができ、バイオマス中の植物栄養素は、感受性生物活性物質(複数可)及び/または生物活性前駆体(複数可)の封入及び送達のために、バイオマスから精製された成分の代わりにバイオマスを使用するときに利点を呈する。加えて、本明細書に記載されているような方法は、酸化分解に対する高い保護/耐性を有する封入油を提供する。本明細書に記載されるような方法を使用して封入された未精製油及び油についてのIPの比較を表7に示す。
【0302】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表7-4】
【表7-5】
【0303】
広範に記載されているような本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、特定の実施形態に示されるように、本発明に対して多くの変更及び/または改変がなされ得ることが当業者によって理解されるであろう。そのため、本発明の実施形態はあらゆる点において、例示的であり、制約的ではないとみなすべきである。
【0304】
本出願は、2018年2月2日に出願された、「Method of producing an emulsion or suspension and products produced therefrom」と題された、豪州仮出願第2018900326号の優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0305】
本明細書で議論及び/または参照される全ての出版物は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0306】
本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などのいかなる説明も、本発明の文脈を提供する目的のためだけのものである。これらの事項の一部または全ては、本出願の各請求項の優先日前に存在していた本発明に関連する分野における先行技術の基礎の一部または共通の一般的知識であったことが承認されたものとはみなさない。
【0307】
参考文献
Aditya et al.(2017)Biotechnology Advances 35:450-457.
Agerbirk and Olsen(2012)Phytochemisty 77:16-45.
Augustin and Hemar(2009)Chemical Society Reviews 38:902-912.
Augustin et al.(2006)Journal of Food Science 712:E25-E32.
Augustin and Sanguansri(2015)Annual Reviews in Food Science and Technology 6:463-77.
Drusch and Mannino(2009)Trends in Food Science and Technology 20:237-44.
Halkier and Gershenzon(2006)Annual Review in Plant Biology 57:303-33.
Hounsome et al.(2008)Journal of Food Science 3:R48-65.
Hoyos-Leyva et al.(2018)Food Reviews International 34:148-161.
Livney(2010)Current Opinion in Colloid and Interface Science 15:73-83.
McClements(2015)Advances in Colloid and Interface Science 219:27-53.
McCleskey et al.(1947)Journal of Bacteriology 54:697-708.
Olvera C1 et al.(2007)Antonie van Leeuwenhoek 92:11-20.
Sanguansri and Augustin(2006)ed.J.Shi,Taylor&Francis,CRC Press,Boca Raton,FL,USA,297-327.
Subirade and Chen(2008)ed.N.Garti,CRC Press,New York,USA,251-278.
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30