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  • 特許-死角情報提供装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】死角情報提供装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240926BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
G08G1/16 D
H04N7/18 J
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021041289
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141122
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【弁理士】
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】根本 征治
(72)【発明者】
【氏名】久保庭 拓也
(72)【発明者】
【氏名】塚本 真弘
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-128387(JP,A)
【文献】特開2014-059642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
H04N 7/00 - 7/088
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上に設置され、接近してくる車両の進行方向と異なる方向に延在する道路のうち前記車両の運転者の死角となる死角区間における交通走行状況を含む画像を取得可能な画像取得部と、
前記画像取得部によって取得される画像に基づく前記死角区間の前記交通走行状況を示し前記車両に送信される死角情報となる基情報を送信する送信部と、
前記画像取得部によって取得される画像に前記交通走行状況以外の特定の事象を含む予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、前記画像に前記特定の画像が含まれると判定する場合に前記特定の画像に係る信号を出力する判定部と、
を備え
前記判定部は、前記基情報が前記送信部から送信されている提供期間以外の少なくとも一部の期間である特定期間において前記画像取得部によって取得される前記画像に前記特定の画像が含まれるか否かを判定する
ことを特徴とする死角情報提供装置。
【請求項2】
前記画像取得部の向きを変える方向変更部を更に備え、
前記方向変更部は、前記特定期間において、前記画像取得部の向きを、前記提供期間における前記画像取得部の向きと異なる予め定められた特定の向きにする
ことを特徴とする請求項に記載の死角情報提供装置。
【請求項3】
前記特定の向きは、定期的に変更される
ことを特徴とする請求項記載の死角情報提供装置。
【請求項4】
前記車両は、路線バスであり、
前記特定期間は、終発の前記路線バスの運行終了時刻から当該運行終了時刻の後の最初の始発の前記路線バスの運行開始時刻までの非運行期間である
ことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の死角情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援システムに用いられる死角情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、交差点など見通しの悪い場所において運転者の死角となる道路の交通走行状況を示す死角情報を運転者に提供することで、運転支援をする運転支援システムが知られている。例えば、下記特許文献1には、このような運転支援システムが開示されている。
【0003】
下記特許文献1の運転支援システムは、交差点など見通しの悪い場所の近くに設置され、道路の交通走行状況を繰り返して撮像するカメラと、カメラで撮像された各画像情報を送信する画像送信装置と、車載装置とを備える。車載装置は、受信部と、画像送信装置から送信され受信部で受信された画像情報に基づいて道路を移動する移動体を認識し、認識された移動体の位置を算出する演算部と、算出された移動体の位置を当該車両内の画面に表示する表示部とを有する。下記特許文献1の運転支援システムでは、死角情報を含む情報として、画像が車両に提供され得る。このため、下記特許文献1の運転支援システムによれば、車両に提供される画像に基づいて上記の死角区間を移動する移動体の位置を表示部に表示し得、運転者は、当該移動体を把握し得るとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-215911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のように車両に死角情報を提供することで運転を支援する運転支援システムを有効活用したいとの要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、車両の運転支援以外の用途にも利用できる運転支援システムを実現し得る死角情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的の達成のため、本発明の死角情報提供装置は、地上に設置され、接近してくる車両の進行方向と異なる方向に延在する道路のうち前記車両の運転者の死角となる死角区間における交通走行状況を含む画像を取得可能な画像取得部と、前記画像取得部によって取得される画像に基づく前記死角区間の前記交通走行状況を示し前記車両に送信される死角情報となる基情報を送信する送信部と、前記画像取得部によって取得される画像に前記交通走行状況以外の特定の事象を含む予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、前記画像に前記特定の画像が含まれると判定する場合に前記特定の画像に係る信号を出力する判定部と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
この死角情報提供装置によれば、上記の死角区間の交通走行状況を示す死角情報を車両に送信し得る。一般的に車両はディスプレイ等の通知部を有する。このため、この死角情報を通知部によって運転者に提供し得る。なお、上記の死角情報の基情報には、死角情報と同じものも含まれる。また、上記の交通走行状況は、道路上の車両や人等の移動状況であり、移動状況には、移動している状況と止まっている状況とが含まれ、死角情報としては、例えば、死角区間において移動している車両や人等の移動体の位置、移動方向、移動速度等が挙げられる。また、この死角情報提供装置では、上記のように、判定部は、画像取得部によって取得される画像に予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、この画像に特定の画像が含まれると判定する場合に特定の画像に係る信号を出力する。このため、画像取得部によって取得される画像に映し出される範囲において監視する特定の対象の画像を特定の画像とすることで、当該特定の対象の監視をし得る。特定の対象としては、例えば、不審者、火事、車両等の衝突事故等が挙げられる。従って、この死角情報提供装置によれば、車両の運転支援以外の用途にも利用できる運転支援システムを実現し得る。なお、上記の不審者は、所定の動作をしている人であり、不審者の画像には人の移動以外の特定の事象が含まれている。また、衝突事故は、車両等が衝突する現象であり、衝突事故の画像には車両等の移動以外の特定の事象が含まれる。
【0009】
前記判定部は、前記基情報が前記送信部から送信されている提供期間以外の少なくとも一部の期間である特定期間において前記画像取得部によって取得される前記画像に前記特定の画像が含まれるか否かを判定することとしてもよい。
【0010】
車両の交通量が少ない時間帯において不審者、火事、衝突事故等の特定の対象が発生する場合、この特定の対象が発生したことを監視機関、近隣住民等が認知するまでにある程度時間を要してしまうことがある。しかし、上記のような構成にすることで、上記の特定期間に車両の交通量が少ない時間帯が含まれるようにし得、このような時間帯であっても特定の対象が発生したことを早期に認知できるようにし得る。
【0011】
この場合、上記の死角情報提供装置は、前記画像取得部の向きを変える方向変更部を更に備え、前記方向変更部は、前記特定期間において、前記画像取得部の向きを、前記提供期間における前記画像取得部の向きと異なる予め定められた特定の向きにすることとしてもよい。
【0012】
このような構成にすることで、死角情報を得るために取得される画像に映し出される範囲と異なる範囲において、特定の対象を監視できる。
【0013】
この場合、前記特定の向きは、定期的に変更されることとしてもよい。
【0014】
このような構成にすることで、画像取得部の周辺環境の変化に応じて上記特定の向きを変更し得る。
【0015】
上記の判定部が上記の特定期間において画像取得部によって取得される画像に特定の画像が含まれるか否かを判定する場合、前記車両は、路線バスであり、前記特定期間は、終発の前記路線バスの運行終了時刻から当該運行終了時刻の後の最初の始発の前記路線バスの運行開始時刻までの非運行期間であることとしてもよい。
【0016】
非運行期間は、一般的に夜間である。このため、この死角情報提供装置によれば、夜間における特定の対象、例えば不審者等の監視をし得る。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によれば、車両の運転支援以外の用途にも利用できる運転支援システムを実現し得る死角情報提供装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態における死角情報提供装置を概略的に示す側面図である。
図2図1の死角情報提供装置の配置の一例を概略的に示す図である。
図3図1の死角情報提供装置を含むシステムのブロック図である。
図4】死角情報を提供する際に死角情報提供システムが実行する処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る死角情報提供装置を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができる。なお、以下で参照する図面では、理解を容易にするために、各部材の寸法を変えて示す場合がある。
【0020】
図1は、本発明の実施形態における死角情報提供装置を概略的に示す側面図であり、図2は、図1の死角情報提供装置1の配置の一例を概略的に示す図である。図2に示すように、死角情報提供装置1は、第1道路61と第2道路62との交差点63の近傍に設けられる街路灯の支柱に取り付けられることで、交差点63の近傍に配置されている。なお、図1には、死角情報提供装置1が取り付けられる街路灯の支柱70が記載されている。詳細については後述するが、本実施形態の死角情報提供装置1は、第1道路61を死角情報提供装置1に接近するように走行する車両30に送信される後述する死角情報となる基情報を送信するように構成される。なお、死角情報提供装置1が取り付けられるものは特に制限されるものではなく、例えば、信号機の支柱、建物の外壁等であってもよい。
【0021】
図3は、図1の死角情報提供装置を含むシステムのブロック図である。図3に示すように、本実施形態では、死角情報提供装置1とホスト装置20とは、無線通信ネットワーク40を介して通信可能とされており、死角情報提供装置1とホスト装置20とによって死角情報提供システムDSが構成されている。また、車両30が無線通信ネットワーク40を介してホスト装置20と通信可能とされている。本実施形態では、車両30は、路線バスとされるが、ホスト装置20と通信可能とされる車両30は、路線バスに限定されるものでない。また、無線通信ネットワーク40としては、例えば、携帯電話用の通信ネットワーク等を挙げることができる。しかし、死角情報提供装置1とホスト装置20との通信方法、ホスト装置20と車両30との通信方法は、特に制限されるものではない。
【0022】
次に、死角情報提供装置1について説明する。図1図3に示すように、本実施形態の死角情報提供装置1は、制御部11と、画像取得部12と、方向変更部13と、送信部及び受信部としての送受信部14と、検出部15と、判定部16と、メモリ17とを主に備える。
【0023】
制御部11は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置から成る。また、制御部11は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。制御部11は、死角情報提供装置1に備わるいくつかの構成を制御する。
【0024】
メモリ17は、情報を記憶し、当該記憶した情報を読み出し可能に構成される。メモリ17は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体記録媒体が好適であるが、光学式記録媒体や磁気記録媒体等の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、「非一過性」の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く全てのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。
【0025】
画像取得部12は、当該画像取得部12の向きに応じる方向の画像を取得するように構成される。本実施形態では、画像取得部12は、所定の時間間隔、例えば1/30秒間隔で画像を取得し、取得される画像を検出部15または判定部16に制御部11を介して出力する。なお、画像取得部12は、制御部11を介さずに検出部15または判定部16に出力してもよく、画像取得部12は、画像を検出部15及び判定部16に出力してもよい。画像取得部12としては、例えば、C-MOS(Complementary metal oxide semiconductor)カメラ等のカメラ及びLiDAR(Light Detection and Ranging)の少なくとも一方を有する構成が挙げられ、本実施形態の画像取得部12は、これら両方を有する構成とされる。
【0026】
方向変更部13は、画像取得部12の向きを変えることができるように構成される。図1に示すように、本実施形態では、方向変更部13は、ベース部13aと第1アーム部13bと第2アーム部13cとを備える。ベース部13aは、街路灯の支柱70に固定される載置台71の上面に取り付けられ、図示しない第1モータによって載置台71に対して鉛直方向と概ね平行な軸a1周りに回動可能である。第1アーム部13bの一端部は、ベース部13aの上面に固定される。第1アーム部13bの他端には、第2アーム部13cの一端部が図示しない第2モータによって水平方向と概ね平行な軸a2周りに回動可能に接続される。第2アーム部13cの他端には、画像取得部12が固定される。このような方向変更部13は、第1モータ及び第2モータによって、画像取得部12の向きを鉛直方向及び水平方向に変更できる。なお、方向変更部13の構成、及び方向変更部13によって変更できる画像取得部12の向きの方向は、特に制限されるものではない。また、本実施形態では、画像取得部12には箱状の収容部19が取り付けられており、制御部11、送受信部14、検出部15、判定部16、及びメモリ17は、収容部19の内部空間に収容されている。
【0027】
ここで、本実施形態の画像取得部12の基準の向きは、図2に示すように、第1道路61を当該画像取得部12に接近するように走行する車両30の進行方向と異なる方向に延在する第2道路62の交通走行状況を含む画像を取得できるような向きである。なお、交通走行状況は、道路上の車両や人等の移動状況であり、移動状況には、移動している状況と止まっている状況とが含まれる。設置時における画像取得部12の向きは、この基準の向きとされる。図2に示す例では、第1道路61に沿って複数のビル64が設けられており、第2道路62には、車両30の運転者が周辺環境であるこれらビル64によって交通走行状況を視認できない当該運転者の死角となる死角区間80が形成されており、第2道路62の大部分が当該死角区間80である。なお、図2において、この死角区間80には複数の点から成るハッチングが施されており、画像取得部12の視野角12Faが破線で示されている。つまり、画像取得部12の基準の向きは、死角区間80における交通走行状況を含む画像を取得できるような向きである。なお、画像取得部12によって取得される画像に含まれる死角区間80における交通走行状況は、死角区間80のうち車両30の運転者が視認できる領域に接続する端部81を含む区間での交通走行状況を含むことが好ましい。
【0028】
送受信部14は、外部への信号の送信、及び外部からの信号の受信をするように構成される。送受信部14としては、例えばアンテナが挙げられる。本実施形態では、送受信部14は、制御部11から入力される信号を無線通信ネットワーク40を介して外部機器に送信し、無線通信ネットワーク40を介して外部機器からの信号を受信して制御部11に出力する。
【0029】
本実施形態の検出部15は、制御部11と同様の構成とされる。検出部15は、画像取得部12によって取得された画像に基づいて、第2道路62における死角区間80を移動する移動体を検出し、検出されるこの移動体の状態を検出する。移動体としては、例えば、車両、人等が挙げられ、移動体の状態としては、例えば、移動体の種類、画像取得部12の位置を基準とする移動体の位置、移動体の移動方向、移動体の移動速度等が挙げられる。このような移動体の状態は、死角区間80の交通走行状況を示す死角情報である。本実施形態の検出部15は、移動体の状態として挙げられた全てを検出するが、検出部15が検出する移動体の状態は、これらの少なくとも1つであってもよい。そして、検出部15は、死角情報である移動体の状態を示す信号を制御部11に出力する。制御部11に出力されるこれら信号は、送受信部14に出力され、送受信部14から送信される。一方、検出部15は、移動体が検出されない場合、信号を制御部11に出力しないが、死角情報である移動体が検出されないことを示す信号を制御部11に出力してもよい。
【0030】
本実施形態では、画像取得部12におけるカメラの画像及びLiDARの画像に画像処理を施し、画像処理が施されたこれら画像から移動体を検出及び移動体の状態を検出する。LiDARの画像には距離情報が含まれる。このため、本実施形態の画像取得部12は、LiDARを含まない場合と比べて、移動体の位置、移動体の移動方向、移動体の移動速度等を検出し易い。また、夜間等で太陽光等の外光が少ない環境下であっても、移動体の状態を検出し易い。なお、移動体、移動体の種類の識別、画像取得部12の位置を基準とする移動体の位置、移動体の移動方向、及び移動体の移動速度の検出方法は、特に限定されるものではない。
【0031】
本実施形態の判定部16は、制御部11と同様の構成とされる。判定部16は、画像取得部12によって取得された画像に交通走行状況以外の特定の事象を含む予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、この画像に特定の画像が含まれると判定する場合に特定の画像に係る信号を制御部11に出力する。なお、判定部16によって特定の画像の有無が判定される画像は、交通走行状況が含まれる画像であっても、交通走行状況が含まれない画像であってもよい。制御部11に出力されるこの信号は、制御部11から送受信部14に出力され、送受信部14から送信される。一方、判定部16は、この画像に特定の画像が含まれないと判定する場合には信号を制御部11に出力しないが、特定の画像が含まれないことを示す信号を制御部11に出力してもよい。
【0032】
特定の画像としては、例えば、不審者の画像、火事の画像、衝突事故の画像等が挙げられ、特定の画像は、これら複数の種類を含んでいてもよい。なお、この不審者は、所定の動作をしている人であり、不審者の画像には人の移動以外の特定の事象が含まれている。また、衝突事故は、車両等が衝突する現象であり、衝突事故の画像には車両等の移動以外の特定の事象が含まれている。このため、不審者の画像及び衝突事故の画像は、交通走行状況以外の特定の事象を含んでいる。なお、道路上の不審者の画像には、交通走行状況も含まれるが、公園等の道路以外の不審者の画像には、交通走行状況が含まれない。本実施形態では、特定の画像は、不審者とされる。不審者を示す所定の行動としては、例えば、同じ場所を繰り返し行ったり来たりする行動、画像に映し出される領域をうろうろ移動する行動、他者を追い越した後に移動速度が急に速くなる行動などが挙げられる。また、特定の画像に係る信号としては、例えば、画像に特定の画像が含まれることを示す信号、特定の画像の種類を示す信号、特定の画像が含まれる画像を示す信号等が挙げられる。
【0033】
本実施形態では、判定部16は機械学習によって予め構築されてメモリ17に記憶される学習モデルを用いて画像に特定の画像が含まれるか否かを判定する。特定の画像が所定の行動をする不審者の画像の場合、学習モデルは、例えば、上記に挙げた所定の行動をする不審者が映し出される複数の動画像によって構築される。また、特定の画像が火事の画像の場合、学習モデルは、例えば、火事が映し出される複数の動画像によって構築される。また、特定の画像が衝突事故の画像の場合、学習モデルは、例えば、衝突事故が映し出される複数の動画像によって構築される。なお、画像に特定の画像が含まれるか否かを判定する判定方法は、特に制限されるものではない。例えば、特定の画像が衝突事故の画像とされる場合では、検出部15によって検出される移動体の速度が所定値以上の減速率で所定値以上の速度からゼロとなる場合に、画像に衝突事故の画像が含まれると判定してもよい。
【0034】
次に、ホスト装置20について説明する。図3に示すように、本実施形態のホスト装置20は、制御部21と、送受信部22と、距離判定部23と、通知部24と、を主に備える。制御部21は制御部11と同様の構成であり、送受信部22は送受信部14と同様の構成であり、これらの詳細な説明は省略する。
【0035】
本実施形態の距離判定部23は、制御部11と同様の構成とされる。距離判定部23は、車両30から送信される当該車両30の位置を示す信号に基づいて、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であるか否かを判定し、この距離が所定値以下であると判定する場合にこの距離に係る信号を制御部21に出力する。距離に係る信号は、例えば、距離が所定値以下であることを示す信号、当該距離を示す信号等が挙げられる。制御部21に出力されるこの信号は、制御部21から送受信部22に出力され、送受信部22から送信される。なお、所定値は、例えば100mとされるが特に限定されるものではない。また、車両30の位置を示す信号は、送受信部22で受信されて送受信部22から制御部21に出力され、制御部21から距離判定部23に入力される。一方、距離判定部23は、この距離が所定値以下でないと判定する場合には信号を制御部21に出力しないが、距離が所定値以下でないことを示す信号を制御部21に出力してもよい。
【0036】
本実施形態の通知部24は、死角情報提供装置1の送受信部14から送信される特定の画像に係る信号に基づく通知を行う。なお、特定の画像に係る信号は、送受信部22で受信されて送受信部22から制御部21に出力され、制御部21から距離判定部23に入力される。通知部24としては、例えば、ディスプレイ及びスピーカーの少なくとも一方を有する構成が挙げられ、本実施形態の通知部24は、これら両方を有する構成とされる。
【0037】
次に、車両30について説明する。本実施形態では、車両30は、前述のように、路線バスであり、路線には第1道路61が含まれる。車両30は、図3に示すように、制御部31と、送受信部32と、位置検出部33と、接近判定部34と、通知部35と、を主に備える。制御部31は、車両30に備わる電気機器類の制御を行う所謂車載ECU(Electronic Control Unit)であるが、車載ECUとは異なる構成であってもよい。この場合の制御部31は、例えば、制御部11と同様の構成とされる。また、送受信部32は送受信部14と同様の構成であるため、送受信部32の詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態の位置検出部33は、所定の時間間隔で車両30の位置を検出し、検出した位置を示す信号を制御部31に出力する。制御部31に出力されるこの信号は、制御部31から送受信部32に出力され、送受信部32から送信される。位置検出部33の構成としては、例えば、GPS(Global Positioning System)の衛星が発する電波を受信する受信部とこの電波に基づいて車両30の位置を算出する演算部とを有する構成が挙げられる。
【0039】
本実施形態の接近判定部34は、制御部11と同様の構成とされる。接近判定部34は、死角区間80の交通走行状況を示す死角情報に基づいて、死角区間80における移動体の移動方向が車両30が走行している第1道路61に接近する方向であるか否かを判定する。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、接近判定部34がこの判定に用いる死角情報を示す信号は、ホスト装置20の送受信部22から送信されて送受信部32で受信され、制御部31を介して接近判定部34に入力される。接近判定部34は、この移動方向が第1道路61に接近する方向である場合に移動体の状態を示す信号を制御部31を介して通知部35に出力する。なお、接近判定部34は、制御部31を介さずにこれら信号を通知部35に出力してもよい。
【0040】
本実施形態の通知部35は、接近判定部34から移動体の状態を示す信号が入力される場合、この信号に基づく通知を行い、接近判定部34から信号が入力されない場合、通知を行わない。通知部35としては、例えば、ディスプレイ及びスピーカーの少なくとも一方を有する構成が挙げられ、本実施形態の通知部35は、これら両方を有する構成とされる。
【0041】
次に、死角情報提供装置1から車両30への死角情報の提供について説明する。本実施形態では、死角情報提供装置1とホスト装置20とによって構成される死角情報提供システムDSから車両30に死角情報が提供される。図4は、死角情報を提供する際に死角情報提供システムDSが実行する処理のフローチャートの一例である。図4に示すように、死角情報提供システムDSが実行する処理は、ステップSP11~ステップSP13を含んでいる。
【0042】
(ステップSP11)
車両30の位置検出部33が当該車両30の位置を検出するとともに検出した当該車両30の位置を示す信号が送受信部32から送信されてホスト装置20の送受信部22で受信されており、図4では、この状態がスタートの状態である。
【0043】
本ステップは、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であるか否かを判定する処理である。ホスト装置20の制御部21は、送受信部22から入力される車両30の位置を示す信号を距離判定部23に出力し、距離判定部23は車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であるか否かの判定をする。上記のように、距離判定部23は、距離が所定値以下であると判定する場合にこの距離に係る信号を制御部21に出力する。このように、距離判定部23からの距離に係る信号が制御部21に入力する場合、死角情報提供システムDSの処理は、ステップSP12に進む。一方、距離判定部23からこの距離に係る信号が制御部21に入力しない場合、死角情報提供システムDSの処理は、ステップSP13に進む。
【0044】
(ステップSP12)
本ステップは、死角情報を提供する処理である。ホスト装置20の制御部21は、距離判定部23から入力する距離に係る信号を送受信部22に出力し、送受信部22はこの信号を死角情報提供装置1の送受信部14に送信する。この信号を受信した送受信部14は当該信号を制御部11に出力する。この信号が入力する場合、制御部11は、画像取得部12の向きが前述の基準の向きとなるように、方向変更部13を制御する。基準の向きの画像取得部12は、取得する画像を制御部11を介して検出部15に出力する。ここで、基準の向きは、画像に死角区間80における交通走行状況が含まれる向きである。このため、画像取得部12によって取得され検出部15に入力する画像には、死角区間80における交通走行状況が含まれる。検出部15は、上記のように、この画像に基づいて、第2道路62における死角区間80を移動する移動体を検出し、検出されるこの移動体の状態を死角情報として検出し、死角情報である移動体の状態を示す信号を制御部11に出力する。この信号が入力する制御部11は、この信号を送受信部14に出力し、送受信部14はこの信号をホスト装置20の送受信部22に送信する。送受信部22はこの信号を制御部21に出力し、制御部21はこの信号を送受信部22に出力し、送受信部22はこの信号を車両30の送受信部32に送信する。このようにして、死角情報である移動体の状態を示す信号が死角情報提供装置1の送受信部14から送信され、送受信部14から送信される信号が車両30の送受信部32によって受信され、死角情報が車両30に提供される。なお、本実施形態では、送受信部14から送信される信号は、ホスト装置20において形式が変更され、形式が変更された信号が送受信部32によって受信される。このため、送受信部14は、画像取得部12によって取得される画像に基づく死角区間80の交通走行状況を示し車両30に送信される死角情報となる基情報を送信していると理解できる。なお、この基情報には、車両30に送信される死角情報と同じものも含まれる。例えば、送受信部14から送信される信号と送受信部32で受信される信号とが同じであってもよい。一方、死角情報提供装置1の検出部15によって移動体が検出されない場合、ホスト装置20から車両30には信号が送信されない。
【0045】
送受信部32によって受信された死角情報である動体の状態を示す信号は、制御部31を介して接近判定部34に入力され、接近判定部34は、この信号に基づいて移動体の移動方向が車両30が走行している第1道路61に接近する方向であるか否かを判定する。接近判定部34は、この移動方向が第1道路61に接近する方向である場合に移動体の状態を示す信号を制御部31を介して通知部35に出力し、この信号が入力する通知部35は、当該信号に基づく通知を行う。このため、通知部35による通知によって、運転者は死角区間80に車両30に接近してくる移動体が存在することを把握できる。このように、通知部35による通知によって運転者の運転支援を行うことができ、死角情報提供装置1とホスト装置20と車両30とによって、運転支援システムが構成されている。
【0046】
なお、本ステップSP12は、距離判定部23が車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であると判定する場合に行われる。このため、車両30に送信される死角情報となる基情報が送受信部14から送信されている提供期間は、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下である期間に含まれる。
【0047】
(ステップSP13)
本ステップSP13は、特定の対象の監視を行う処理であり、距離判定部23が車両30と画像取得部12との距離が所定値以下でないと判定する場合に行われる。このため、本ステップSP13は、上記の基情報が送受信部14から送信されている提供期間以外の少なくとも一部の期間である特定期間に行われる。車両30と画像取得部12との距離に係る信号がホスト装置20の制御部21に入力しない場合、ホスト装置20から死角情報提供装置1に信号が送信されない。このような死角情報提供装置1の制御部11は、画像取得部12の向きが上記の基準の向きと異なる予め定められた特定の向きとなるように、方向変更部13を制御する。ここで、図2に示すように、交差点63の近傍には、公園65が設けられている。本実施形態では、上記の特定の向きは、画像取得部12で取得される画像の中心部に公園65が映し出されるような向きとされる。なお、図2には、この特定の向きとされた画像取得部12の視野角12Fbが二点鎖線で示されている。このため、基準の向きの場合と比べて、画像に映し出される公園65が広くなる。なお、特定の向きは、特に制限されるものではない。特定の向きとなった画像取得部12は、取得する画像を制御部11に出力し、制御部11はこの画像を判定部16に出力する。判定部16は、前述のように、この画像に予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、この画像に特定の画像が含まれると判定する場合に特定の画像に係る信号を制御部11に出力する。特定の画像に係る信号が入力する制御部11は、この信号を送受信部14に出力し、送受信部14はこの信号をホスト装置20の送受信部22に送信する。送受信部22はこの信号を制御部21に出力し、制御部21はこの信号を通知部35に出力し、通知部24は、この信号に基づく通知を行う。このため、通知部24による通知によって、通知部24の周囲に位置する人に画像取得部12で取得された画像に特定の画像が含まれることが通知される。本実施形態では、特定の画像が不審者とされるため、公園65における不審者の監視が行われる。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の死角情報提供装置1は、画像取得部12と、送受信部14と、判定部16と、を備える。画像取得部12は、地上に設置され、接近してくる車両30の進行方向と異なる方向に延在する第2道路62のうち車両30の運転者の死角となる死角区間80における交通走行状況を含む画像を取得可能である。送受信部14は、画像取得部12によって取得される画像に基づく死角区間80の交通走行状況を示し車両30に送信される死角情報となる基情報を送信する。このため、上記のように、車両30が備える通知部35によってこの死角情報を運転者に提供し得る。また、本実施形態の死角情報提供装置1では、判定部16は、画像取得部12で取得される画像に交通走行状況以外の特定の事象を含む予め定められた特定の画像が含まれるか否かを判定し、この画像に特定の画像が含まれると判定する場合に特定の画像に係る信号を出力する。このため、本実施形態の死角情報提供装置1によれば、画像取得部12によって取得される画像に映し出される範囲において監視する特定の対象の画像を特定の画像とすることで、当該特定の対象の監視をし得る。本実施形態では、特定の画像が不審者の画像とされるため、不審者の監視をし得るが、例えば、特定の画像を火事の画像とすることで火事の監視をし得、特定の画像を衝突事故の画像とすることで衝突事故の監視をし得る。このように、本実施形態の死角情報提供装置1によれば、上記のように、車両30の運転支援以外の用途にも利用できる運転支援システムを実現し得る。
【0049】
また、本実施形態の死角情報提供装置1では、判定部16は、上記の基情報が送受信部14から送信されている提供期間以外の少なくとも一部の期間である特定期間において画像取得部12によって取得される画像に特定の画像が含まれるか否かを判定する。ところで、車両の交通量が少ない時間帯において不審者、火事、衝突事故等の特定の対象が発生する場合、この特定の対象が発生したことを監視機関、近隣住民等が認知するまでにある程度時間を要してしまうことがある。しかし、上記のような構成にすることで、上記の特定期間に車両の交通量が少ない時間帯が含まれるようにし得、このような時間帯であっても特定の対象が発生したことを早期に認知できるようにし得る。
【0050】
また、本実施形態の死角情報提供装置1は、画像取得部12の向きを変える方向変更部13を更に備える。方向変更部13は、上記の特定期間において、画像取得部12の向きを、提供期間における画像取得部12の向きと異なる予め定められた特定の向きにする。このため、死角情報を得るために取得される画像に映し出される範囲と異なる範囲において、特定の対象を監視できる。本実施形態では、上記のように、特定の向きは画像取得部12で取得される画像の中心部に公園65が映し出されるような向きである。このため、本実施形態では、基準の向きの場合と比べて、画像に映し出される公園65が広くなり、公園65におけるより広い範囲において、特定の対象を監視できる。なお、画像取得部12の近傍に商店がある場合、特定の向きを当該商店の画像が得られる向きとすることで、当該商店の周囲において特定の対象の監視をし得る。
【0051】
なお、上記の特定の向きは、定期的に変更してもよい。このような構成にすることで、画像取得部12の周辺環境の変化に応じて上記特定の向きを変更し得る。また、上記の特定の向きは、時刻に応じて変化してもよく、複数の時刻のそれぞれに対して特定の向きが設定されていてもよい。また、時刻に応じて特定の画像が変更されてもよい。このようにすることで、例えば、夜間は公園65における不審者の監視をし、日中は第1道路61における衝突事故の監視をするといったことが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、死角情報提供システムDSは、上記の死角情報提供装置1と、ホスト装置20とを備える。ホスト装置20は、送受信部22と、距離判定部23とを有する。送受信部22は、車両30から送信される当該車両30の位置を示す信号を受信する。距離判定部23は、送受信部22で受信される車両30の位置を示す信号に基づいて車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であるか否かを判定し、この距離が所定値以下であると判定する場合にこの距離に係る信号を出力する。送受信部14は、送受信部22から送信される距離に係る信号を受信し、当該送受信部14が距離に係る信号を受信する場合に、死角情報を送信する。
【0053】
このため、本実施形態の死角情報提供システムDSでは、車両30と画像取得部12と距離が所定値以下である場合に、死角情報が車両30に送信される。このため、車両30と画像取得部12と距離が遠く、運転者が死角情報を必要としないようなタイミングに死角情報が車両30に送信されることを抑制し得る。従って、本実施形態の死角情報提供システムDSによれば、運転者が提供される死角情報に違和感を覚えることを抑制できる運転支援システムを実現し得る。
【0054】
なお、距離判定部23は、車両30の状態が画像取得部12に接近していく状態か否かも判定し、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であり、かつ、車両30の状態が画像取得部12に接近していく状態である場合に、この距離に係る信号を制御部21に出力してもよい。このような構成によれば、車両30の状態が死角区間80から遠ざかっていく状態に、死角情報が車両30に提供されることを抑制し得る。このため、運転者が死角情報を必要としないようなタイミングに死角情報が車両30に提供されることをより抑制し得る。
【0055】
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】
例えば、上記実施形態では、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下である場合に死角情報を提供する処理をし、この距離が所定値以下でない場合に特定の対象の監視を行う処理をする死角情報提供システムDSを例に説明した。しかし、死角情報を提供する処理をする期間と特定の対象の監視を行う処理をする期間とが重なっていてもよく、例えば、死角情報提供DSは、距離が所定値以下である場合にも特定の対象の監視を行う処理をおこなってもよい。この場合、例えば、方向変更部13は、画像取得部12の向きを常に前述の基準の向きとする。このような構成によれば、死角情報の提供をしつつ、例えば、死角区間80が含まれる領域における特定の対象を監視し得る。なお、この場合、死角情報提供装置1は、方向変更部13を備えなくてもよく、画像取得部12の向きが基準の向きとなるように、死角情報提供装置1を地上に設置する。
【0057】
また、上記実施形態では、死角情報を提供する車両30が路線バスである。この場合、死角情報提供システムDSは、時刻に応じて死角情報を提供する処理と特定の対象の監視を行う処理とを切り替えてもよい。例えば、死角情報提供システムDSは、終発の路線バスの運行終了時刻から当該運行終了時刻の後の最初の始発の路線バスの運行開始時刻までの非運行期間に特定の対象の監視を行う処理を行い、この非運行期間以外の期間に死角情報を提供する処理を行ってもよい。つまり、車両30に送信される死角情報となる基情報が送受信部14から送信されている提供期間以外の少なくとも一部の期間である特定期間が上記の非運行期間であり、当該特定期間において、判定部16が画像取得部12によって取得される画像に特定の画像が含まれるか否かを判定してもよい。非運行期間は、一般的に夜間である。このため、このような構成によれば、夜間における特定の対象、例えば不審者等の監視をし得る。なお、この場合、上記実施形態の死角情報提供システムDSにおいて、例えば、ホスト装置20が時計を備え、ホスト装置20の距離判定部23が車両30から送信される当該車両30の位置を示す信号と時計から出力される時刻を示す信号とに基づいて、車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であるか、時刻が非運行期間に含まれるかを判定する構成とする。そして、死角情報提供システムDSは、距離判定部23によって車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であると判定される場合に、死角情報を提供する処理をし、距離判定部23によって時刻が非運行期間に含まれると判定される場合に、特定の対象の監視を行う処理を行う。また、この場合、上記実施形態の死角情報提供システムDSにおいて、死角情報提供装置1が時計と時刻判定部とを更に備え、時刻判定部が時計から出力される時刻を示す信号に基づいて、時刻が非運行期間に含まれるか否かを判定する構成としてもよい。そして、時刻判定部によって時刻が非運行期間に含まれないと判定される場合に検出部15が前述の検出をし、死角情報提供装置1からホスト装置20に死角情報を送信する。一方、時刻判定部によって時刻が非運行期間に含まれると判定される場合に判定部16が前述の判定を行い、画像に特定の画像が含まれると判定される場合に、死角情報提供装置1からホスト装置20に特定の画像に係る信号を送信する。そして、距離判定部23が車両30と画像取得部12との距離が所定値以下であると判定する場合に、ホスト装置20の送受信部22は、車両30へ死角情報を送信する。このような構成の場合、死角情報提供装置1は、外部から信号を受信しなくてもよく、送受信部14は外部へ信号を送信する送信部としてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、通知部24を備えるホスト装置20を例に説明した。しかし、通知部24は、ホスト装置20以外の装置に備えられてもよく、例えば、死角情報提供装置1が通知部24を備えてもよい。
【0059】
ここで、車両30に死角情報を提供するためには、死角情報提供装置1の送受信部14は、画像取得部12によって取得される画像に基づく死角区間80の交通走行状況を示し車両30に送信される死角情報となる基情報を送信すればよい。なお、基情報には、死角情報と同じものも含まれる。このため、例えば、車両30に備わる接近判定部34をホスト装置20が備え、上記実施形態において接近判定部34から通知部35に出力される情報を示す信号をホスト装置20から送信してもよい。また、死角情報提供装置1と車両30とが直接通信を行ってもよい。この場合、例えば、死角情報提供装置1が距離判定部23を備える構成とする。また、死角情報提供装置1とホスト装置20とは、有線通信によって通信を行ってもよい。
【0060】
また、死角情報提供装置1の数、死角情報提供装置1が有する画像取得部12の数は、特に制限されるものではなく、道路の周辺環境、死角情報を提供する車両が走行する道路に応じて、適宜決定する。例えば、図2において第2道路62を交差点63に近づくように走行する車両に死角情報を提供する場合、死角情報提供システムDSが備える死角情報提供装置1を、画像取得部12が第1道路61のうち交差点63を基準とした一方側の画像を取得できるように配置される死角情報提供装置1と、画像取得部12が第1道路61のうち交差点63を基準とした他方側の画像を取得できるように配置される別の死角情報提供装置1とにする。或いは、1つの死角情報提供装置1が備える画像取得部12を、第1道路61のうち交差点63を基準とした一方側の画像を取得できるように配置される画像取得部12と、第1道路61のうち交差点63を基準とした他方側の画像を取得できるように配置される別の画像取得部12とにする。
【0061】
また、上記実施形態では、交差点の近傍に配置される死角情報提供装置1を例に説明した。しかし、死角情報提供装置1に備わる画像取得部12が、接近してくる車両の進行方向と異なる方向に延在する道路のうちこの車両の運転者の死角となる死角区間における交通走行状況を含む画像を取得可能であればよい。例えば、死角情報提供装置1は、弧状に曲がった道路の近傍に配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明によれば、車両の運転支援以外の用途にも利用できる運転支援システムを実現し得る死角情報提供装置が提供され、車両の安全技術、監視装置などの分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0063】
1・・・死角情報提供装置
11・・・制御部
12・・・画像取得部
13・・・方向変更部
14・・・送受信部(送信部、受信部)
15・・・検出部
16・・・判定部
20・・・ホスト装置
21・・・制御部
22・・・送受信部
23・・・距離判定部
24・・・通知部
30・・・車両
80・・・死角区間
DS・・・死角情報提供システム
図1
図2
図3
図4