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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】武器玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/00 20060101AFI20240926BHJP
   A63H 33/26 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
A63H33/00 C
A63H33/26 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021099068
(22)【出願日】2021-06-14
(62)【分割の表示】P 2020106619の分割
【原出願日】2020-06-19
(65)【公開番号】P2022001252
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】奥村 優
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-086122(JP,A)
【文献】特開2015-039628(JP,A)
【文献】特開2010-183991(JP,A)
【文献】特開2009-284992(JP,A)
【文献】実開平06-080494(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第110898441(CN,A)
【文献】中国実用新案第204522312(CN,U)
【文献】米国特許第09579587(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0058459(US,A1)
【文献】変身忍刀 忍者一番刀,トイジャーナル 2月号,東京玩具人形協同組合,2015年02月01日,第1252号,p. 5
【文献】変身銃ガブリボルバー,トイジャーナル 2月号,東京玩具人形協同組合,2013年02月01日,第1228号,p. 5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが把持可能である本体部と、
前記本体部に対して着脱可能な少なくとも1つ以上の刀身部と、
を備え、
前記本体部は、
前記刀身部が前記本体部に装着されているか否かを判定するための判定部と、
前記本体部の移動を検出するための検出部と、
前記ユーザが操作可能であり、且つ、前記本体部の外周に設けられた操作部と、
演出を出力するための演出出力部と、
前記判定部、前記検出部、前記操作部および前記演出出力部に電気的に接続され、且つ、これらを制御可能な制御部と、
を含み、
前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていないと判定した場合、前記制御部は、前記検出部によって前記本体部の移動を少なくとも所定のタイミングで検出可能とする第1モードを設定し、
前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていると判定した場合、前記制御部は、前記検出部による検出に応じた前記演出出力部による前記演出の出力をしない第2モードを設定し、
前記第1モードでは、少なくとも前記検出部が前記本体部の移動を検出したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させ、
前記第2モードでは、前記ユーザが前記操作部を操作したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させる、武器玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の武器玩具において、
前記第2モードにおいて、前記ユーザが前記操作部を操作する度に、同じ演出が繰り返される、武器玩具。
【請求項3】
請求項1に記載の武器玩具において、
前記演出出力部は、複数の演出を出力し、
前記第1モードおよび前記第2モードにおいて、前記ユーザが前記操作部を操作する度に、前記演出出力部から出力される演出が、異なる演出に変更される、武器玩具。
【請求項4】
請求項3に記載の武器玩具において、
前記第1モードおよび前記第2モードにおいて、前記複数の演出のうち第1演出が前記演出出力部から出力されている途中に、前記ユーザが前記操作部を操作することで、前記第1演出は、中断され、前記第1演出とは異なる第2演出に変更される、武器玩具。
【請求項5】
請求項3に記載の武器玩具において、
前記第1モードにおいて、前記操作部が操作されたことによる演出が終了した後に、前記ユーザが前記本体部を移動させ、前記検出部が前記本体部の移動を検出することで、前記制御部は、前記演出出力部に更に異なる演出を出力させる、武器玩具。
【請求項6】
請求項1に記載の武器玩具において、
前記本体部に設けられ、且つ、前記制御部に電気的に接続された電源部を更に備え、
前記電源部がオフ状態からオン状態に切り替えられた際に、前記制御部は、前記操作部が操作されたか否かに関わらず、前記演出出力部に演出を出力させる、武器玩具。
【請求項7】
請求項6に記載の武器玩具において、
前記電源部がオン状態にされている場合、前記刀身部が前記本体部に装着された際、および、前記刀身部が前記本体部から離脱した際に、前記制御部は、前記操作部が操作されたか否かに関わらず、前記演出出力部に演出を出力させる、武器玩具。
【請求項8】
請求項1に記載の武器玩具において、
前記演出出力部は、複数の演出を出力し、
前記1つ以上の前記刀身部として、第1刀身部、および、前記第1刀身部とは異なる第2刀身部を備え、
前記第2モードにおいて、前記第1刀身部が前記本体部に装着されている場合と、前記第2刀身部が前記本体部に装着されている場合とで、前記演出出力部から出力される前記複数の演出は、互いに異なる、武器玩具。
【請求項9】
請求項8に記載の武器玩具において、
前記判定部は、前記本体部に設けられた第1スイッチおよび第2スイッチを含み、
前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態は、前記第1スイッチが押され、かつ、前記第2スイッチが押されていない第1状態と、前記第1スイッチが押されておらず、かつ、前記第2スイッチが押されている第2状態と、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの両方が押されていない第3状態と、前記第1状態、前記第2状態および前記第3状態とは異なる第4状態とを含み、
前記制御部は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態が前記第1状態、前記第2状態、前記第3状態および前記第4状態の何れかであるかを判定可能であり、
前記第1刀身部が前記本体部に装着された際に、前記制御部は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態が前記第1状態であると判定し、前記第2モードを設定し、
前記第2刀身部が前記本体部に装着された際に、前記制御部は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態が前記第2状態であると判定し、前記第2モードを設定し、
前記第1刀身部および前記第2刀身部が前記本体部に装着されていない場合、前記制御部は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態が前記第3状態又は前記第4状態であると判定し、前記第1モードを設定する、武器玩具。
【請求項10】
請求項9に記載の武器玩具において、
前記本体部に対して着脱可能であり、且つ、前記第1刀身部および前記第2刀身部よりも短い長さを有するカバー部を更に備え、
前記カバー部が前記本体部に装着された際に、前記制御部は、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチの押圧状態が前記第4状態であると判定し、前記第1モードを設定する、武器玩具
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、武器玩具に関し、特に、本体部と、本体部に対して着脱可能な刀身部とを備えた武器玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な武器の形態に対応した武器玩具が流通している。例えば特許文献1には、玩具本体と、玩具本体に対して着脱可能なブレード部材とを備えた武器玩具が開示されている。ユーザは、ユーザの趣向に合わせて、武器玩具を斧、剣および盾の3つの形態に変化させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-80494号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、ユーザが行える遊びは、何れの形態においても、武器玩具を持つ、および、武器玩具を振り回すという動きのみである。従って、遊びの広がりが不十分であった。また、特許文献1では、武器玩具を振り回すことに伴う、ユーザおよびユーザの周囲への安全性の配慮が成されていない。
【0005】
本願の主な目的は、武器玩具を用いた遊びの多様性を向上させ、興趣性を向上させると共に、ユーザおよびユーザの周囲への安全性を向上できる武器玩具を提供することにある。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0007】
一実施の形態における武器玩具は、ユーザが把持可能である本体部と、前記本体部に対して着脱可能な少なくとも1つ以上の刀身部と、を備え、前記本体部は、前記刀身部が前記本体部に装着されているか否かを判定するための判定部と、前記本体部の移動を検出するための検出部と、前記ユーザが操作可能であり、且つ、前記本体部の外周に設けられた操作部と、演出を出力するための演出出力部と、前記判定部、前記検出部、前記操作部および前記演出出力部に電気的に接続され、且つ、これらを制御可能な制御部と、を含み、前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていないと判定した場合、前記制御部は、前記検出部によって前記本体部の移動を少なくとも所定のタイミングで検出可能とする第1モードを設定し、前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていると判定した場合、前記制御部は、前記検出部によって前記本体部の動作を検出しない第2モードを設定し、前記第1モードでは、少なくとも前記検出部が前記本体部の移動を検出したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させ、前記第2モードでは、前記ユーザが前記操作部を操作したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させる。また、一実施の形態における武器玩具は、ユーザが把持可能である本体部と、前記本体部に対して着脱可能な少なくとも1つ以上の刀身部と、を備え、前記本体部は、前記刀身部が前記本体部に装着されているか否かを判定するための判定部と、前記本体部の移動を検出するための検出部と、前記ユーザが操作可能であり、且つ、前記本体部の外周に設けられた操作部と、演出を出力するための演出出力部と、前記判定部、前記検出部、前記操作部および前記演出出力部に電気的に接続され、且つ、これらを制御可能な制御部と、を含み、前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていないと判定した場合、前記制御部は、前記検出部によって前記本体部の移動を少なくとも所定のタイミングで検出可能とする第1モードを設定し、前記判定部を用いて、前記制御部が、前記刀身部が前記本体部に装着されていると判定した場合、前記制御部は、前記検出部による検出に応じた前記演出出力部による前記演出の出力をしない第2モードを設定し、前記第1モードでは、少なくとも前記検出部が前記本体部の移動を検出したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させ、前記第2モードでは、前記ユーザが前記操作部を操作したことに応じて、前記制御部は、前記演出出力部に演出を出力させる。
【発明の効果】
【0008】
一実施の形態によれば、武器玩具を用いた遊びの多様性を向上させることができ、興趣性を向上させることができると共に、ユーザおよびユーザの周囲への安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1における武器玩具を示す正面図である。
図2】実施の形態1における本体部および刀身部の組み合わせを示す正面図である。
図3】実施の形態1における本体部に備えられたシステム図である。
図4】実施の形態1におけるモード選択時のフローチャートである。
図5】実施の形態1における火のモードのフローチャートである。
図6】実施の形態1における水のモードのフローチャートである。
図7】実施の形態1におけるアクションモードのフローチャートである。
図8】実施の形態1における複数の演出を示すリストである。
図9】実施の形態2における本体部およびカバー部の組み合わせを示す正面図である。
図10】実施の形態2における本体部およびカバー部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なときを除き、同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
<武器玩具1の構成>
以下に図1図3を用いて、実施の形態1における武器玩具1について説明する。
【0012】
図1に示されるように、武器玩具1は、ユーザが把持可能である本体部2と、少なくとも1つ以上の刀身部とを備える。実施の形態1では、1つ以上の刀身部として、互いに異なる2つの刀身部3aおよび刀身部3bが備えられ、刀身部3bの長さは、刀身部3aの長さよりも長い。
【0013】
刀身部3aおよび刀身部3bは、本体部2に対して着脱可能である。図1は、刀身部3aおよび刀身部3bが本体部2から離脱している様子を示し、図2は、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されている様子を示している。刀身部3aおよび刀身部3bは、その外観が刀剣の一部を構成する武器部材として作製されている。刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着された場合、ユーザは、これらを刀剣(日本刀)として認識できる。
【0014】
図2に示されるように、武器玩具1は、刀身部3aまたは刀身部3bの装着状態に応じて、アクションモードと非アクションモードとが切り替えられる。また、非アクションモードは、火のモードおよび水のモードを含み、刀身部3aが装着された場合、火のモードが設定され、刀身部3bが装着された場合、水のモードが設定される。刀身部3aおよび刀身部3bの周囲には設定されるモードの内容に応じた外観になるように所定のデザインが施されており、刀身部3aおよび刀身部3bの外観からユーザはどのモードが設定されているかを把握することが可能である。これらの各モードでは様々な演出が成されるが、各モードの設定と、それらの演出の詳細とについては、後で詳細に説明する。
【0015】
本体部2は、鍔部2aと、主にユーザによって把持されるための把持部2bとを含む。本体部2の先端に鍔部2aが設けられていることで、ユーザは、鍔部2aの先に刀身部3aまたは刀身部3bを装着すればよいと認識できる。
【0016】
また、本体部2には、判定部SW1、判定部SW2、操作部SW3、電源部SW4、検出部SENおよび演出出力部SPなどの部材が設けられている。
【0017】
判定部SW1および判定部SW2は、例えばスイッチであり、本体部2の一方の端部付近に設けられている。また、判定部SW1および判定部SW2は、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されているか否かを判定するために設けられている。
【0018】
本実施の形態においては、刀身部3aが本体部2に装着されると、判定部SW1が押され(SW1_ON)判定部SW2が押されない(SW2_OFF)、刀身部3bが本体部2に装着されると、判定部SW2が押され(SW2_ON)判定部SW1が押されない(SW1_OFF)。刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されていない場合、判定部SW1および判定部SW2が押されていない状態となる(SW1_OFF、SW2_OFF)。なお、後述の実施の形態2のように、判定部SW1および判定部SW2の両方が押されている状態もあり得る(SW1_ON、SW2_ON)。
【0019】
操作部SW3は、例えばスイッチであり、ユーザが操作可能であり、本体部2の外周に設けられ、鍔部2aの近くに設けられている。ユーザが操作部SW3を操作する(押す)度に、演出出力部SPから複数の演出が出力される。
【0020】
電源部SW4は、例えばスイッチであり、ユーザが操作可能であり、判定部SW1および判定部SW2と反対側に位置し、本体部2の他方の端部付近に設けられている。ユーザが電源部SW4を押す度に、電源部SW4は、オン状態(SW4_ON)またはオフ状態(SW4_OFF)に切り替えられる。
【0021】
検出部SENは、例えば振動センサまたは加速度センサであり、本体部2の内部に設けられ、本体部2の移動を検出するために設けられている。
【0022】
演出出力部SPは、例えばスピーカであり、本体部2の内部に設けられ、複数の演出を出力するために設けられている。ここでは、複数の演出は、例えば台詞または効果音などの音である。
【0023】
図3は、本体部2に設けられた各部材の電気的な接続を示すシステム図である。本体部2は、本体部2の内部に設けられた制御部CUを含む。制御部CUは、判定部SW1、判定部SW2、操作部SW3、電源部SW4、検出部SENおよび演出出力部SPに電気的に接続され、且つ、これらを制御可能である。
【0024】
なお、判定部SW1および判定部SW2はそれぞれスイッチであるが、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態(ONまたはOFF)は、これらの組み合わせによって、4つの状態を含む。制御部CUは、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態が4つの状態の何れかであるかによって装着状態を判定可能であって、判定された装着状態に応じて各モードを設定することができる。
【0025】
4つの状態は、例えば、少なくとも判定部SW1が押されている第1状態(SW1_ON)と、第1状態とは異なり、且つ、少なくとも判定部SW2が押されている第2状態(SW2_ON)と、判定部SW1および判定部SW2の両方が押されていない第3状態(SW1_OFF、SW2_OFF)と、第1~第3状態とは異なる第4状態とを含む。本実施の形態においては、判定部SW1が押され(SW1_ON)判定部SW2が押されない(SW2_OFF)状態を第1状態とし、判定部SW2が押される(SW2_ON)判定部SW1が押されない(SW1_OFF)状態を第2状態として説明しているが、第1状態および第2状態は、判定部SW1が押され(SW1_ON)判定部SW2が押されない(SW2_OFF)状態と判定部SW2が押される(SW2_ON)判定部SW1が押されない(SW1_OFF)状態と判定部SW1および判定部SW2の両方が押されている(SW1_ON、SW2_ON)状態の3つの状態のうちの何れかに設定することができる。また、第4状態は、3つの状態のうちで第1状態と第2状態とは異なる状態として設定することができる。
【0026】
<各モードの設定方法および複数の演出の出力方法>
以下に図4図8を用いて、各モードの設定方法、および、各モードで行われる複数の演出の出力方法などを説明する。
【0027】
図4に示されるように、まず、電源部SW4がオン状態(SW4_ON)にされると、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されているか否かが、制御部CUによって判定される。
【0028】
次に、判定部SW1および判定部SW2を用いて、制御部CUが、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されていないと判定した場合(SW1_OFF、SW2_OFF)、制御部CUは、アクションモードを設定する。アクションモードでは、検出部SENによって本体部2の移動が検出可能にされる。
【0029】
すなわち、刀身部3aおよび刀身部3bが本体部2に装着されていない場合、制御部CUは、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態が第3状態であると判定し、アクションモードを設定する。
【0030】
また、判定部SW1および判定部SW2を用いて、制御部CUが、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されていると判定した場合、制御部CUは、非アクションモードを設定する。非アクションモードでは、検出部SENによって本体部2の移動が検出されない。また、本体部2に装着されている刀身部が、刀身部3aであるか(SW1_ON、SW2_OFF)、刀身部3bであるか(SW1_OFF、SW2_ON)によって、制御部CUは、火のモードまたは水のモードを設定する。
【0031】
すなわち、刀身部3aが本体部2に装着された際に、刀身部3aによって判定部SW1が押されることで、制御部CUは、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態が第1状態であると判定し、非アクションモードのうち火のモードを設定する。また、刀身部3bが本体部2に装着された際に、刀身部3bによって判定部SW2が押されることで、制御部CUは、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態が第2状態であると判定し、非アクションモードのうち水のモードを設定する。
【0032】
基本的に、アクションモードでは、少なくともユーザが本体部2を動かし、検出部SENが本体部2の移動を検出したことに応じて、制御部CUは、演出出力部SPに複数の演出の何れかを出力させる。また、アクションモードでは、ユーザが操作部SW3を操作した場合にも、制御部CUは、演出出力部SPに複数の演出の何れかを出力させることができる。
【0033】
一方、非アクションモードでは、ユーザが本体部2を動かしても検出部SENが移動を検出しないので、ユーザが操作部SW3を操作したことに応じて、制御部CUは、演出出力部SPに複数の演出の何れかを出力させる。
【0034】
図5図7は、それぞれ火のモード、水のモードおよびアクションモードのフローチャートを示し、図8は、各モードで使用される複数の演出11、12、21~29、31~39が示されている。図8に示されるように、複数の演出には、様々な台詞および効果音などの音が含まれている。
【0035】
なお、複数の演出には、演出11のように1つの効果音のみを含むものもあれば、演出12のように2つの台詞および1つの効果音を含むものもあるが、各演出に含まれる台詞の数および効果音の数と、これらの順番とは、適宜変更できる。
【0036】
<<非アクションモード(火のモード)>>
図5に示されるように、まず、電源部SW4がオフ状態からオン状態に切り替えられた際に(SW4_OFF→ON)、制御部CUは、操作部SW3が操作されたか否かに関わらず、演出出力部SPに複数の演出の何れかを出力させる。ここでは、演出11が出力される。
【0037】
また、予め電源部SW4がオン状態にされている場合(SW4_ON)、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着された際、および、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2から離脱した際にも、制御部CUは、操作部SW3が操作されたか否かに関わらず、演出出力部SPに複数の演出のうち演出11を出力させる。
【0038】
次に、ユーザが操作部SW3を操作すると(YES)、制御部CUは、演出出力部SPに演出12を出力させる。なお、ユーザが操作部SW3を操作しない場合(NO)、電源部SW4は、スリーブ状態、すなわちオフ状態(SW4_OFF)となる。
【0039】
その後、ユーザが操作部SW3を操作する度に、複数の演出のうち同じ演出が繰り返される。ここでは、演出12が繰り返される。また、一定時間内に、ユーザが操作部SW3を操作しない場合、電源部SW4は、スリーブ状態となる。
【0040】
<<非アクションモード(水のモード)>>
水のモードでは、火のモードで使用される演出11、12とは異なる演出21~29が使用される。
【0041】
図6に示されるように、まず、火のモードと同様に、電源部SW4がオフ状態からオン状態に切り替えられた際、または、電源部SW4がオン状態である場合、刀身部の装着若しくは離脱の際に、演出出力部SPから演出21が出力される。
【0042】
次に、ユーザが操作部SW3を操作すると(YES)、制御部CUは、演出出力部SPに演出22を出力させる。なお、ユーザが操作部SW3を操作しない場合(NO)、電源部SW4は、スリーブ状態となる。
【0043】
その後、ユーザが操作部SW3を操作する度に、演出出力部SPから出力される演出が、異なる演出に変更される。ここでは、ユーザが操作部SW3を操作する度に、互いに異なる演出22~29が順番に再生される。なお、演出29の後、出力される演出は、演出22へ戻る。ま た、一定時間内に、ユーザが操作部SW3を操作しない場合、電源部SW4は、スリーブ状態となる。
【0044】
また、ある演出の出力中に、次の演出へ移行することもできる。例えば、演出22が演出出力部SPから出力されている途中に、ユーザが操作部SW3を操作することで、演出22は、中断され、演出23に変更される。
【0045】
また、水のモードにおいて、操作部SW3を長押しすることで、同じ演出が繰り返されるように、所望の演出に固定することもできる。例えば、演出22が演出出力部SPから出力されている途中で、異なる演出に変更する場合よりも長い時間(1秒以上)に亘ってユーザが操作部SW3を操作した状態を維持することで、演出出力部SPから出力される演出が、演出22に固定される。
【0046】
固定を解除する場合も、操作部SW3を長押しする。例えば、演出出力部SPから出力される演出が演出22に固定されている途中で、異なる演出に変更する場合よりも長い時間(1秒以上)に亘ってユーザが操作部SW3を操作した状態を維持することで、演出22の固定が解除される。
【0047】
<<アクションモード>>
アクションモードでは、火のモードまたは水のモードで使用される演出11、12、21~29とは異なる演出31~39が使用される。
【0048】
図7に示されるように、まず、火のモードおよび水のモードと同様に、電源部SW4がオフ状態からオン状態に切り替えられた際、または、電源部SW4がオン状態である場合、刀身部の装着若しくは離脱の際に、演出出力部SPから演出31が出力される。
【0049】
操作部SW3の操作に応じて、様々な演出を出力する方法については、アクションモードは、水のモードと同様である。すなわち、ユーザが操作部SW3を操作する度に、互いに異なる演出32~39が順番に再生される。また、ある演出の出力中に、次の演出へ移行することもできる。操作部SW3を長押しすることで、所望の演出の固定および解除を行うこともできる。
【0050】
ここで、上述のように、非アクションモード(火のモード、水のモード)では、検出部SENによって本体部2の移動が検出されないが、アクションモードでは、検出部SENによって本体部2の移動が検出可能にされる。すなわち、図8に示されるように、検出部SENによる検出を有効にすることができる。
【0051】
検出部SENによる検出を有効にすることができるため、アクションモードでは、本体部2の移動に応じた演出も行われる。また、操作部SW3の操作に応じた演出も可能であり、その演出が終了した後に、本体部2の移動に応じた演出を行うこともできる。ユーザが本体部2を移動させ、検出部SENが本体部2の移動を検出することで、制御部CUは、演出出力部SPに演出を出力させる。
【0052】
また、アクションモードでは、図8に示されるように、検出部SENによる検出が有効な状態であるか無効な状態であるかを適宜設定しておくことができる。例えば、演出32の台詞N、台詞O、効果音Oが、斬撃動作または刺突動作などの動作の前の演出である動作前演出として操作部SW3の操作に応じて出力され、効果音Pや台詞Pが斬撃動作または刺突動作などの動作の後の動作後演出としてユーザによる本体部2の移動が検出部SENで検出されたことに応じて出力されるものとし、演出が出力される順序を動作前演出が先で動作後演出がその後であると設定しておく場合には、動作前演出が出力されているときにユーザによる本体部2の移動が検出されたことで動作後演出が出力されると適切でないタイミングで動作後演出が出力されることになり、興趣性が低下してしまう。このような興趣性の低下を防止または抑制するためには、動作前演出の出力が継続している間は検出部SENによる検出が無効な状態にしておくことが望ましく、動作前演出の出力が終わったことに応じて検出部SENによる検出が無効な状態から有効な状態に遷移することが望ましい。また、検出部SENによる検出が有効な状態になった後、ユーザによる本体部2の移動が検出されたことで動作後演出が出力されている途中においても、検出部SENによる検出が有効な状態にしておくと、本体部2の移動が検出されたことで動作後演出の出力が再び始まり、前の動作後演出の出力が中断することになるため、興趣性が低下してしまう。そのため、少なくとも動作後演出が出力されている間は、検出部SENによる検出が無効状態であることが望ましい。このように、図8には示されていないが、本体部2の移動が検出部SENで検出されたことに応じて出力される動作後演出を出力する場合においても、適宜、検出部SENによる検出が無効な状態を設定しておくことで、興趣性の低下を防止または抑制することが可能となる。
【0053】
このように、ユーザが本体部2を把持した状態で、ユーザが、振り回し動作、斬撃動作または刺突動作のような本体部2の移動を行った際、その移動に合わせて様々な演出が成される。従って、ユーザは、操作部SW3の操作に応じた演出による楽しみだけでなく、自身の動作に応じた演出による楽しみも得られる。
【0054】
以上のように、実施の形態1によれば、非アクションモード(火のモード、水のモード)およびアクションモードでは、互いに異なる演出11、12、21~29、31~39が使用される。このため、刀身部3aまたは刀身部3bの着脱状態の変更に伴って、ユーザは、武器玩具1の外観の変更を楽しむだけでなく、異なる演出も楽しむことができる。従って、実施の形態1における武器玩具1によって、遊びの多様性を向上させることができ、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0055】
また、ユーザは、操作部SW3の操作に応じた演出による楽しみだけでなく、自身の動作に応じた演出による楽しみも得られる。従って、遊びの多様性を更に向上させることができ、ユーザの興趣性を更に向上させることができる。
【0056】
ところで、ユーザが振り回し動作、斬撃動作または刺突動作を行う際に、これらの動作によって、ユーザ自身が負傷する、または、ユーザの周囲の人若しくは物が傷つけられるなどの恐れがある。このような恐れは、ユーザが自身の動作に連動して演出を楽しみ、ユーザが興奮状態になることで発生し易い。
【0057】
しかしながら、実施の形態1におけるアクションモードは、本体部2に刀身部3aまたは刀身部3bが装着されていない状態で行われる。従って、ユーザが振り回し動作などを行った場合でも、刀身部3aまたは刀身部3bによってユーザ自身が負傷する、または、ユーザの周囲の人若しくは物が傷つけられるなどの恐れがなくなり、ユーザおよびユーザの周囲への安全性を向上させることができる。
(実施の形態2)
【0058】
以下に図9および図10を用いて、実施の形態2における武器玩具1を説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点を主に説明する。
【0059】
実施の形態1では、アクションモードは、本体部2に刀身部3aまたは刀身部3bが装着されていない状態で行われていた。実施の形態2では、アクションモードは、図9に示されるように、本体部2にカバー部4が装着された状態で行われる。
【0060】
カバー部4は、本体部2に対して着脱可能である。図4に示されるように、カバー部4が本体部2に装着された際に、カバー部4によって判定部SW1および判定部SW2の両方が押される(SW1_ON、SW2_ON)。これにより、制御部CUは、刀身部3aまたは刀身部3bが本体部2に装着されていないと判定し、判定部SW1および判定部SW2の押圧状態が第4状態であると判定し、アクションモードを設定する。
【0061】
なお、実施の形態2と実施の形態1とで、アクションモードの設定方法は異なるが、アクションモードで行われる複数の演出の出力方法に関しては同じである。
【0062】
また、図9に示されるように、カバー部4は、刀身部3aおよび刀身部3bよりも短い長さL1を有する。長さL1は、例えば2cm以下である。なお、長さL1は、本体部2の延在方向における長さであり、本体部2に刀身部3a、刀身部3bまたはカバー部4が装着される装着方向における長さである。
【0063】
図10は、上記延在方向または上記装着方向と垂直な平面視における平面図である。図10に示されるように、上記延在方向または上記装着方向において、本体部2の鍔部2aは、長さL2または長さL3を有している。カバー部4の長さL1は、鍔部2aの長さL2または長さL3よりも短い。
【0064】
また、カバー部4は、その外観が刀身部3aおよび刀身部3bよりも短い短刀身部となるように作製されている。すなわち、ユーザは、カバー部4の外観を、刀身部3aおよび刀身部3bと同様に、刀剣の一部を構成する武器部材として認識できる。このため、アクションモードにおいて、ユーザは、短刀身部が装着された状態で、振り回し動作などを行えるという楽しみが得られる。言い換えれば、実施の形態2では、ユーザおよびユーザの周囲への安全性を向上させることができると共に、ユーザの興趣性を更に向上させることができる。
【0065】
以上、本願の発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本願の発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0066】
例えば、上記実施の形態では、武器玩具1が刀剣(日本刀)の形態を示す場合を例示したが、刀身部3a、刀身部3b、カバー部4および本体部2の外観を他の武器部材とすることも可能である。すなわち、武器玩具1は、例えば直刀、曲刀、諸刃の剣、槍または斧などのような他の武器形態であってもよい。
【0067】
また、上記実施の形態では、1つ以上の刀身部として2つの刀身部3aおよび刀身部3bを例示したが、武器玩具1には、更に別の刀身部が備えられていてもよい。
【0068】
また、上記実施の形態では、複数の演出は台詞および効果音のような音を含んでいたが、複数の演出は、更に他の音を含んでいてもよい。
【0069】
また、上記実施の形態では、複数の演出として音を例示したが、複数の演出は、光または振動などを含んでいてもよい。例えば、本体部2、刀身部3a、刀身部3bまたはカバー部4に、発光機器または振動機器を備えさせ、制御部CUによってこれらの機器を制御させることもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 武器玩具
2 本体部
2a 鍔部
2b 把持部
3a、3b 刀身部
4 カバー部
CU 制御部
SEN 検出部
SP 演出出力部
SW1、SW2 判定部
SW3 操作部
SW4 電源部
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10