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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】固体撮像素子、及び固体撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/028 20060101AFI20240926BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20240926BHJP
   H04N 1/192 20060101ALI20240926BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H04N1/028 C
H01L27/146 A
H01L27/146 D
H04N1/192
G06T1/00 420G
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021149630
(22)【出願日】2021-09-14
(65)【公開番号】P2023042368
(43)【公開日】2023-03-27
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【弁理士】
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】大木 正幸
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-369268(JP,A)
【文献】特開2013-258168(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0157329(US,A1)
【文献】特開2011-004318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/028
H01L 27/146
H04N 1/192
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に沿って順に配置された複数の画素を備え、
前記複数の画素は、
平面形状の光電変換部と、
前記光電変換部の形状に対応し、それぞれが異なる特定波長範囲の光を通す平面形状の第1フィルタ、第2フィルタ、及び第3フィルタが順に繰り返し配置され、幅の合計値は、前記第1方向の解像度に対応する1画素ピッチの幅の値であるフィルタと、を有し、
前記第2フィルタは、前記1画素ピッチの中点位置を含んで配置され、前記第1方向の幅は、前記中点位置から前記第1方向に直交する第2方向及び前記第2方向の反対方向の所定範囲で前記第1フィルタ、及び前記第3フィルタのそれぞれにおける前記第1方向の幅よりも広く構成され、
前記第1フィルタ、及び前記第3フィルタのそれぞれは、前記第2方向のいずれかの位置で、前記1画素ピッチの幅の3分の1よりも大きな前記第1方向の幅を有し、且つ、前記第2方向に前記第2方向の1画素ピッチ分の幅を有する、固体撮像素子。
【請求項2】
前記第1フィルタの前記第1方向の幅が前記第2方向に対して、次第に大きくなる場合に、前記第3フィルタの前記第1方向の幅が前記第2方向に対して、次第に小さくなる、請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記第3フィルタは、前記第1フィルタを180度回転させた形状を有する、請求項1又は2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記第1フィルタは、前記第2方向に対して、所定点まで一定の幅を有し、前記所定点を超えると前記一定の幅よりも幅が広くなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
前記第1フィルタは赤色フィルタに対応し、前記第2フィルタは緑色フィルタに対応し、前記第3フィルタは青色フィルタに対応する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記フィルタの前記第2方向における長さは、前記第2方向の解像度に対応する前記1画素ピッチよりも長く、2画素ピッチよりも短い、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
第1方向に沿って順に配置された平面形状の複数の光電変換部と、
前記光電変換部の形状に対応し、それぞれが異なる特定波長範囲の光を通す平面形状の第1フィルタ、第2フィルタ、及び第3フィルタが順に繰り返し配置され、幅の合計値は、前記第1方向の解像度に対応する1画素ピッチの幅の値であるフィルタと、
前記複数の光電変換部から信号電荷を読み出して転送する電荷転送回路と、
前記電荷転送回路から転送された信号電荷を信号電圧に変換し、出力回路に画素信号を出力する電荷電圧変換回路と、を備え、
前記第2フィルタは、前記1画素ピッチの中点位置を含んで配置され、前記第1方向の幅は、前記中点位置から前記第1方向に直交する第2方向及び前記第2方向の反対方向の所定範囲で前記第1フィルタ、及び前記第3フィルタのそれぞれにおける前記第1方向の幅よりも広く構成され、
前記第1フィルタ、及び前記第3フィルタのそれぞれは、前記第2方向のいずれかの位置で、前記1画素ピッチの幅の3分の1よりも大きな前記第1方向の幅を有し、且つ、前記第2方向に前記第2方向の1画素ピッチ分の幅を有する、固体撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、固体撮像素子、固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画素を配列した画素アレイを有し、画素の各々にフォトダイオード等の光電変換部を設け、光電変換部の各々によって取得した画素信号に基づいて撮像画像を生成する固体撮像装置がある。
【0003】
画素アレイの各画素列は原稿画像の同一位置を機械的なスキャン動作により順次読み取る。ところが、機械的なスキャン動作の動作誤差により、それぞれずれた位置の画像を読み取ってしまう。このような場合、再生した画像において色ずれが発生してしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-25134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、色ずれの抑制が可能な固体撮像素子、及び固体撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、固体撮像素子は、第1方向に沿って順に配置された複数の画素を備える。複数の画素は、平面形状の光電変換部と、光電変換部の形状に対応した特定波長範囲の光を通す平面形状のフィルタと、を有する。フィルタは、第1方向に直交する第2方向に対して、第1方向の幅が異なる形状を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】固体撮像装置の概略構成の一例を示すブロック図。
図2】画素グループ1の配置例を示す図。
図3】画素の回路構成例を示す図。
図4】固体撮像装置の波形図の一例を示す図。
図5A】比較例1の画素配置例を示す図。
図5B】画素グループを1画素ピッチで並べた図。
図6A】比較例2の画素配置例を示す図。
図6B】画素グループを縦方向に1画素ピッチで並べた図。
図7】変形例1に係る画素グループの構成例を示す図。
図8】変形例2に係る画素グループの構成例を示す図。
図9】変形例3に係る画素グループの構成例を示す図。
図10】変形例4に係る画素グループの構成例を示す図。
図11】変形例5に係る画素グループの構成例を示す図。
図12】変形例6に係る画素グループの構成例を示す図。
図13】変形例7に係る画素グループの構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態では、固体撮像装置内の特徴的な構成および動作を中心に説明するが、固体撮像装置には以下の説明で省略した構成および動作が存在しうる。
【0009】
(一実施形態)
図1乃至図3を用いて固体撮像装置1の構成例を説明する。図1は、固体撮像装置1の概略構成の一例を示すブロック図である。図2は、固体撮像装置1の画素グループ10grの配置例を示す図である。図3は、画素10の回路構成例を示す図である。この固体撮像装置1は、例えば、直線状に画素を配列したリニアイメージセンサである。また、固体撮像装置1は、読み取り対象に対して、相対的に移動させることにより、読み取り対象の画像情報を取得する装置である。
【0010】
図1に示すように、固体撮像装置1は、固体撮像素子2と、制御回路40とを備える。固体撮像素子2は、複数の画素グループ10gr、出力回路20、及び出力端子30を有する。複数の画素グループ10grを構成する各画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnは、出力回路20を介して出力端子30に画素信号Vを出力する。各画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnは、制御回路40によって制御される。各画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnは、光電変換部(受光素子)11、受光素子11と対応するカラーフィルタR、G、B、電荷転送回路12、及び電荷電圧変換回路13を有する。また、光電変換層S10と、制御素子層S20とは、例えば積層構造を形成している。すなわち、受光素子11と対応するカラーフィルタR、G、Bは、光電変換層S10に構成され、電荷転送回路12、電荷電圧変換回路13、出力回路20は、制御素子層S20に構成される。このような構成により、各画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnの開口率を、電荷転送回路12、電荷電圧変換回路13、出力回路20を同層に構成する場合よりも、上げることが可能となる。
【0011】
図2に示すように、画素グループ10grは、赤色光を透過する赤色フィルタRを有する赤色画素R1と、緑色光を透過する緑色フィルタGを有する緑色画素G1と、青色光を透過する青色フィルタBを有する青色画素B1と、を有する。より詳細には、赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1を構成する光電変換素子の境界には混色を抑制する隔壁が設けられている。また、光電変換層S10の各光電変換素子の画素開口には、赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタBがそれぞれ配置される。ここで、1画素ピッチは、各画素の解像度に対応する。すなわち、本実施形態では、主走査方向X(第1方向)の1画素ピッチ、及び副走査方向Y(第2方向)の1画素ピッチ内に、赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1が配置される。なお、本実施形態に係るカラーフィルタは、R、G、Bであるがこれに限定されない。例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、グリーンなどの組み合わせでもよい。
【0012】
このように、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内を3分割することで、赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1が配置される。また、赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタBのそれぞれは、副走査方向Y(第2方向)に対して、主走査方向Xの幅が異なる形状を有する。例えば赤色フィルタRの主走査方向Xの幅が副走査方向Yに対して、次第に大きくなる場合に、青色フィルタBの主走査方向Xの幅が副走査方向Yに対して、次第に小さくなる。すなわち、赤色フィルタRは、副走査方向Yに対して、所定点PR1まで一定の幅を有し、所定点PR1を超えると一定の幅よりも幅が広くなる。また、赤色フィルタR、緑色フィルタG、青色フィルタBの主走査方向Xの幅の合計値は、主走査方向Xの解像度に対応する1画素ピッチの幅の値である。
【0013】
より具体的には、L字型の赤色画素R1と180度回転したL字型の青色画素B1とに挟まれる形状の緑色画素G1が配置される。赤色画素R1の形状と緑色画素G1の形状と青色画素B1の形状が異なっている。主走査方向Xの画素開口は、どの色も広くなっており、例えば1画素ピッチの3分の2の広がりを有しており、主走査方向Xの色分布の情報をより多く取得できる。また、縦の副走査方向Yの画素開口も1画素ピッチ分の幅を有し、画素感度がより高くなる。さらに、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチの重心部に緑色画素G1を配置する。すなわち、画素グループ10grの重心部に緑色画素G1の主領域AGを配置する。これにより、緑色画素G1の開口が画素ピッチの中心に広く設けられるので、読み取り時に主走査方向X又は副走査方向Yの機械的なずれが生じても縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0014】
このような赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1で構成される画素グループ10grが主走査方向Xに一次元列状に配置されている。このように、本実施形態では、主走査方向Xに沿って、赤色画素である第1色画素R1~Rn、緑色画素である第2色画素G1~Gn、及び、青色画素である第3色画素B1~Bnが交互に順に配置される。また、本実施形態では、第1色画素R1~Rnの全部又は一部を示すとき第1色画素Rと称し、第2色画素G1~Gnの全部又は一部を示すとき第2色画素Gと称し、第3色画素B1~Bnの全部又は一部を示すとき第3色画素Bと称する。また、第1色画素R1~Rn、第2色画素G1~Gn、及び、第3色画素B1~Bnの全部又は一部を示すとき、画素10と称する。
【0015】
図3に示すように、受光素子11は、例えば、アノードが接地電圧と接続され、カソードが電荷転送回路12と接続される。受光素子11は、露光すると、入射光を光電変換し、信号電荷を蓄積する。なお、受光素子11は、例えば、光電変換可能なフォトダイオードで構成してもよい。
【0016】
電荷転送回路12は、受光素子11から電荷電圧変換回路13に信号電荷を読み出して転送する。電荷転送回路12は、読出ゲートA1、蓄積ゲートA2、バリアゲートA3、蓄積ダイオードD、転送ゲートA4を有する。読出ゲートA1、蓄積ゲートA2、バリアゲートA3、及び、転送ゲートA4は、順に、直列になるように接続される。
【0017】
読出ゲートA1は、制御回路40から入力された読出信号RDに応じ、受光素子11に蓄積された信号電荷を蓄積ゲートA2に読み出す。蓄積ゲートA2は、制御回路40から蓄積信号STが入力され、蓄積信号STに応じた蓄積電荷量を有し、読出ゲートA1から読み出された信号電荷を蓄積する。
【0018】
バリアゲートA3は、制御回路40から入力されたバリア信号BGに応じ、蓄積ゲートA2に蓄積された信号電荷を蓄積ダイオードDに移送する。蓄積ダイオードDは、カソードがバリアゲートA3の出力端及び転送ゲートA4の入力端と接続され、アノードが接地電圧と接続される。蓄積ダイオードDは、バリアゲートA3から移送された信号電荷を蓄積する。転送ゲートA4は、制御回路40から入力された転送信号SHに応じ、蓄積ダイオードDに蓄積された信号電荷を電荷電圧変換回路13に転送する。
【0019】
電荷電圧変換回路13は、電荷転送回路12から転送された信号電荷を信号電圧に変換し、出力回路20に画素信号Vを出力する。電荷電圧変換回路13は、フローティングディフュージョンFD、リセットトランジスタTr1、アンプトランジスタTr2、アドレストランジスタTr3、及び、定電流源Scを有する。リセットトランジスタTr1、アンプトランジスタTr2、及び、アドレストランジスタTr3の各々は、例えば、n型のトランジスタによって構成されるが、p型のトランジスタによって構成されてもよい。
【0020】
フローティングディフュージョンFDは、コンデンサCを有する。コンデンサCは、一端が転送ゲートA4、及び、アンプトランジスタTr2のゲートと接続され、他端が接地電圧と接続される。コンデンサCは、転送ゲートA4から転送された信号電荷を信号電圧に変換する。リセットトランジスタTr1は、一端が基準電圧と接続され、他端がフローティングディフュージョンFDと接続される。リセットトランジスタTr1は、制御回路40から入力されたリセット信号RSに応じ、フローティングディフュージョンFDを基準電圧に接続し、信号電荷を排出する。
【0021】
アンプトランジスタTr2は、一端が電源電圧と接続され、他端がアドレストランジスタTr3及び出力回路20と接続される。アンプトランジスタTr2は、定電流源Scと接続されると、ソースフォロア動作を行い、出力回路20に、ゲートに入力されたフローティングディフュージョンFDの信号電圧に応じた画素信号Vを出力する。
【0022】
アドレストランジスタTr3は、アンプトランジスタTr2の他端と定電流源Scの間に設けられる。アドレストランジスタTr3は、ゲートが制御回路40と接続され、制御回路40から入力されたアドレス信号ADに応じ、定電流源ScとアンプトランジスタTr2を接続状態又は遮断状態のいずれかにする。定電流源Scは、アンプトランジスタTr2と接地電圧の間に設けられる。
【0023】
再び図1に示すように、出力回路20は、第1色画素Rと接続された出力回路21、第2色画素Gと接続された出力回路22、及び、第3色画素Bと接続された出力回路23を有する。出力回路20は、各画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnから入力された画素信号Vに増幅等の所定信号処理を行い、出力端子30に出力する。出力端子30は、出力回路21と接続して、各画素R1~Rnに対応する画素信号Vrを出力する出力端子31、出力回路22と接続して、各画素G1~Gnに対応する画素信号Vgを出力する出力端子32、及び、出力回路23と接続して、各画素B1~Bnに対応する画素信号Vbを出力する出力端子33を有する。例えば、画素信号Vr、Vg、Vbが画像データにAD変換された際のRGB配列データは、画素グループ10gr毎に同一の座標データがそれぞれ関連づけられる。例えば同一の画素グループ10grのデータには、例えばVr(x、y)、Vg(x、y)、Vb(x、y)と同一の座標(x、y)が割り振られる。なお、座標(x、y)は、主走査方向の1画素ピッチ毎に座標(x)が割り振られ、副走査方向の1画素ピッチ毎に座標(y)が割り振られる。
【0024】
制御回路40は、例えば、シフトレジスタによって構成される。制御回路40は、読出信号RDを出力し、受光素子11に蓄積された信号電荷の読出指示を行う。より具体的に、制御回路40は、各画素グループ10grの露光周期に従って読出信号RDを出力する。読出信号RDがOFF状態になると、読出ゲートA1が遮断状態になり、受光素子11に信号電荷が蓄積される。読出信号RDがON状態になると、読出ゲートA1が接続状態になり、受光素子11から蓄積ゲートA2に信号電荷が読み出される。
【0025】
また、制御回路40は、蓄積ゲートA2に所定電圧の蓄積信号STを出力する。この制御回路40は、バリア信号BGを出力し、信号出力周期の開始前に、各画素グループ10grの蓄積ゲートA2の信号電荷の移送指示を行う。例えば、制御回路40は、信号出力周期の開始前に、同時に、全部の画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnにバリア信号BGを出力してもよい。バリア信号BGがON状態になると、蓄積ゲートA2から蓄積ダイオードDに信号電荷が読み出される。バリア信号BGがOFF状態になると、蓄積ダイオードDは、蓄積ゲートA2から遮断される。
【0026】
また、制御回路40は、信号出力周期に、画素グループ10grの主走査方向Xの位置に応じた転送信号SHを順次出力し、信号電荷の転送指示を行う。転送信号SHがON状態になると、蓄積ダイオードDからフローティングディフュージョンFDに信号電荷が転送される。転送信号SHがOFF状態になると、フローティングディフュージョンFDは、蓄積ダイオードDから遮断される。
【0027】
また、制御回路40は、アドレス信号ADを出力し、画素信号Vの出力指示も行う。アドレス信号ADがON状態になると、アンプトランジスタTr2と定電流源Scが接続され、フローティングディフュージョンFDの信号電圧に応じた画素信号Vが出力回路20に出力される。画素10の各々の画素信号Vを出力した後、制御回路40は、アドレス信号ADをOFF状態にし、アンプトランジスタTr2から定電流源Scを遮断する。
【0028】
また、制御回路40は、画素10の各々の画素信号Vを出力した後、リセット信号RSを出力し、信号電荷のリセット指示を行う。リセット信号RSがON状態になると、基準電圧とフローティングディフュージョンFDが接続状態にされ、フローティングディフュージョンFDがリセットされる。すなわち、蓄積ゲートA2は、前段蓄積部を構成する。蓄積ダイオードDは、後段蓄積部を構成する。
【0029】
(動作)
次に、実施形態に係る固体撮像装置1の動作について説明をする。図4は、実施形態に関わる、固体撮像装置1の読出信号RD、バリア信号BG、転送信号SH及び画素信号Vの波形図の一例を示す図である。
【0030】
時刻T1において、制御回路40がOFF状態の読出信号RDrを出力すると、受光素子11と電荷転送回路12が遮断状態になり、画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnの受光素子11は、露光による信号電荷の蓄積を開始する。時刻T1から時刻T3aが露光周期Pr1である。
【0031】
時刻T3において、制御回路40がON状態の読出信号RDrを出力すると、時刻T3aでOFF状態の読出信号RDrを出力するまで、画素R1~Rn、G1~Gn、B1~Bnの読出ゲートA1は、受光素子11から蓄積ゲートA2に信号電荷を読み出す。第1色画素Rの蓄積ゲートA2は、時刻T3aから時刻Tsまでの蓄積周期Pc1、信号電荷を蓄積する。
【0032】
時刻Tsになると、信号出力周期Psが開始する。時刻Tsにおいて、制御回路40がON状態のバリア信号BGを出力すると、画素R1~Rn、G1~Gn、B1~BnのバリアゲートA3は、蓄積ゲートA2から蓄積ダイオードDに信号電荷を移送する。
【0033】
続いて、制御回路40が、ON状態の転送信号SH1~SHnを出力すると、順次、主走査方向Xに配列された画素グループ10grの各々の転送ゲートA4は、蓄積ダイオードDからフローティングディフュージョンFDに信号電荷を転送する。
【0034】
制御回路40が、ON状態のアドレス信号ADを出力すると、順次、主走査方向Xに配列された画素グループ10grの各々のアンプトランジスタTr2は、フローティングディフュージョンFDの信号電圧に応じた画素信号Vを出力する。
【0035】
より具体的には、第1色画素Rは、露光周期Pr1に蓄積された信号電荷に応じた画素信号Vrを出力回路21に出力する。第2色画素Gは、露光周期Pr1に蓄積された信号電荷に応じた画素信号Vgを出力回路22に出力する。第3色画素Bも、露光周期Pr1に蓄積された電荷に応じた画素信号Vbを出力回路23に出力する。このように、画素グループ10gr内の各画素は、同じタイミングで画素信号Vr、Vg、Vbを出力する。そして、出力回路20は、画素信号Vを増幅し、出力端子30に出力する。
【0036】
(比較例との対比)
図5Aは、比較例1の画素配置例を示す図である。比較例1では、主走査方向Xの1画素ピッチ、及び副走査方向Yの1画素ピッチ内の画素グループ10graに、同一形状の赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnが配置される。この例では、長方形状の赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnを主走査方向Xに並列させている。
【0037】
図5Bは、本実施形態に係る画素グループ10grと比較例1に係る画素グループ10graを1画素ピッチで並べた図である。図5Bでは、撮影対象物A100は、白地に赤色領域Ar0、1、2を有する場合を示している。四角形の一辺は1画素ピッチを示している。上述のように、本実施形態に係る赤色画素の領域RYの主走査方向Xの幅RXは、例えば1画素ピッチの2分の1よりも広く構成される。これに対して比較例1に係る赤色画素の主走査方向Xの幅RXaは、例えば1画素ピッチの6分の1よりも狭く構成される。
【0038】
このため、図5Bに示すように、副走査方向Yに固体撮像素子2をタイミングt1、t2で1画素ピッチずらして撮像する場合、タイミングt1での撮像では、本実施形態に係る赤色画素は、赤色領域Ar1、2の赤色情報を取得可能であるが、比較例1では取得困難となる。一方で、タイミングt2での撮像では、本実施形態に係る赤色画素、及び比較例1に係る赤色画素は、共に赤色領域Ar3の赤色情報を取得可能となる。これから分かるように、本実施形態に係る赤色画素は、赤色領域Ar0、1、2の色情報を取得できるので、タイミングt1、t2で生成した画像信号は赤色の情報を有する。これに対して、比較例1に係る赤色画素は、タイミングt1では赤色情報を取得できず、白色に対応する画像信号を出力し、色ずれが生じてしまう。また、比較例1に係る赤色画素では、タイミングt2では赤色情報を取得できるので、タイミングt1と、タイミングt2とで、赤色の色味にむらが生じてしまう。
【0039】
青色画素、緑色画素も同様である。換言すると、本実施形態に係る各色の画素は、読み取り時に主走査方向Xの機械的なずれが生じても、色情報を取得する可能性が比較例1よりも高くなり、比較例1よりも色ずれが抑制される。なお、本実施形態では、撮影対象物A100の実際の色と、固体撮像素子2の出力する画像信号Vを再生した画像における色とのずれを色ずれと称することとする。
【0040】
図6Aは、比較例2の画素配置例を示す図である。比較例2では、主走査方向Xの1画素ピッチ、及び副走査方向Yの1画素ピッチ内の画素グループ10grbに、同一形状の赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnが配置される。この例では、長方形状の赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnを副走査方向Yに並列させている。
【0041】
図6Bは、本実施形態に係る画素グループ10grと比較例2に係る画素グループ10grbを1画素ピッチで並べ図である。例えば比較例2に係る赤色画素副走査方向Yの幅RYaは1画素ピッチの3分の1である。これに対して、本実施形態に係る副走査方向Yの幅RYは1画素ピッチ分である。
【0042】
このため、例えば本実施形態に係る赤色画素は、赤色領域Ar3、4の赤色情報を取得可能であるが、比較例では赤色領域Ar4の赤色情報の取得は困難となる。このように、本実施形態に係る赤色画素は、副走査方向Yに分布する赤色情報を取得する可能性が比較例2よりも高くなる。これにより、比較例2よりも色ずれが抑制される。青色画素、緑色画素も同様である。換言すると、本実施形態に係る各色の画素は、読み取り時に副走査方向Yの機械的なずれが生じても、色情報を取得する可能性が比較例2よりも高くなり、比較例2よりも色ずれが抑制される。
【0043】
また、比較例1、2とも、光電変換層S10に電荷転送回路12、電荷電圧変換回路13の一部が構成され、開口率に制限を有する。これに対して本実施形態に係る固体撮像装置1は、上述のように、電荷転送回路12、電荷電圧変換回路13、出力回路20は、制御素子層S20に構成される。このため、本実施形態に係る赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1の縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内における開口率を比較例1、2よりも広くできる。これにより、本実施形態に係る赤色画素R1、緑色画素G1、及び青色画素B1の感度は、比較例1、2よりも高くなる。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、固体撮像素子2は、光電変換部11の形状に対応した特定波長範囲の光を通す平面形状のフィルタR、G、Bを有し、フィルタR、G、Bは、主走査方向X(第1方向)に直交する副走査方向Y(第2方向)に対して、主走査方向Xの幅が異なる形状を有する。これにより、1画素グループを構成する各画素の主走査方向X及び副走査方向Yに対する撮像領域をより広げることが可能となる。このため、固体撮像素子2の画像信号を用いた再現画像の色ずれをより抑制できる。
【0045】
(変形例1)
図7は、変形例1に係る画素グループ10grの構成例を示す図である。図7に示すように、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnの副走査方向Yの大きさを画素ピッチの1倍より大きく、2倍未満とした点で第1実施形態に係る画素例と相違する。すなわち、変形例1に係る固体撮像装置1は、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせることが可能となる。
【0046】
このように、変形例1に係る画素グループ10grcは、縦2画素ピッチ未満であり、且つ横1画素ピッチを3分割する。L字形状の青色画素Bnと青色画素Bnを180度回転した形状の赤色画素Rnとに挟まれる形状の緑色画素Gnが配置される。青色画素Bnの形状と、緑色画素Gn、と赤色画素Rnの形状と、が異なっている。変形例1に係る副走査方向Yの画素開口は、どの色も第1実施形態に係る固体撮像装置1よりも広くなっており、より感度を上げる事が可能となる。
【0047】
また、画素グループ10grcの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、副走査方向Yの1画素ピッチが画素グループ10grcの副走査方向Yの長さよりも短い場合にも、1画素ピッチ内に緑色画素Gnの主領域AGの開口部が配置される。これにより、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせる場合にも、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0048】
(変形例2)
図8は、変形例2に係る画素グループ10grdの構成例を示す図である。図8に示すように、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内を3分割することで、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnが配置される。より具体的には、長方形に三角形を加えた形状の青色画素Bnと、青色画素Bnの形状を180度回転した赤色画素Rnとに挟まれる形状の緑色画素Gnが配置される。青色画素Bnの形状と緑色画素Gnの形状と赤色画素Rnの形状が異なっている。主走査方向Xの画素開口は、どの色も広くなっており、例えば1画素ピッチの3分の2の広がりを有しており、主走査方向Xの色分布の情報をより多く取得できる。また、縦の副走査方向Yの画素開口も1画素ピッチ分の幅を有し、画素感度がより高くなる。さらに、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチの重心部に緑色画素Gnを配置する。すなわち、画素グループ10grdの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、緑色画素Gnの開口が画素ピッチの中心に広く設けられるので、読み取り時に主走査方向X又は副走査方向Yの機械的なずれが生じても縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0049】
(変形例3)
図9は、変形例3に係る画素グループ10greの構成例を示す図である。図9に示すように、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnの副走査方向Yの大きさを画素ピッチの1倍より大きく、2倍未満とした点で変形例2に係る画素例と相違する。すなわち、変形例3に係る固体撮像装置1は、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせることが可能となる。
【0050】
このように、変形例3に係る画素グループ10greは、縦2画素ピッチ未満であり、且つ横1画素ピッチを3分割する。より具体的には、長方形に三角形を加えた形状の青色画素Bnと、青色画素Bnの形状を180度回転した赤色画素Rnとに挟まれる形状の緑色画素Gnが配置される。副走査方向Yの画素開口は、どの色も変形例2に係る固体撮像装置1よりも広くなっており、より感度を上げる事が可能となる。
【0051】
また、画素グループ10greの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、副走査方向Yの1画素ピッチが画素グループ10greの副走査方向Yの長さよりも短い場合にも、1画素ピッチ内に緑色画素Gnの主領域AGの開口部が配置される。これにより、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせる場合にも、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0052】
(変形例4)
図10は、変形例2に係る画素グループ10grfの構成例を示す図である。図10に示すように、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内を3分割することで、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnが配置される。より具体的には、コの字形状に2つの三角形を重ねた形状の青色画素Bnと、青色画素Bnの形状を180度回転した赤色画素Rnとに挟まれる形状の緑色画素Gnが配置される。青色画素Bnの形状と緑色画素Gnの形状と赤色画素Rnの形状が異なっている。主走査方向Xの画素開口は、どの色も広くなっており、例えば1画素ピッチの3分の2の広がりを有しており、主走査方向Xの色分布の情報をより多く取得できる。また、縦の副走査方向Yの画素開口も1画素ピッチ分の幅を有し、画素感度がより高くなる。さらに、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチの重心部に緑色画素Gnを配置する。すなわち、画素グループ10grfの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、緑色画素Gnの開口が画素ピッチの中心に広く設けられるので、読み取り時に主走査方向X又は副走査方向Yの機械的なずれが生じても縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0053】
(変形例5)
図11は、変形例5に係る画素グループ10grfの構成例を示す図である。図11に示すように、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnの副走査方向Yの大きさを画素ピッチの1倍より大きく、2倍未満とした点で変形例2に係る画素例と相違する。すなわち、変形例3に係る固体撮像装置1は、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせることが可能となる。
【0054】
このように、変形例5に係る画素グループ10grfは、縦2画素ピッチ未満であり、且つ横1画素ピッチを3分割する。より具体的には、コの字形状に2つの三角形を重ねた形状の青色画素Bnと、青色画素Bnの形状を180度回転した赤色画素Rnとに挟まれる形状の緑色画素Gnが配置される。副走査方向Yの画素開口は、どの色も変形例4に係る固体撮像装置1よりも広くなっており、より感度を上げる事が可能となる。
【0055】
また、画素グループ10grfの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、副走査方向Yの1画素ピッチが画素グループ10grfの副走査方向Yの長さよりも短い場合にも、1画素ピッチ内に緑色画素Gnの主領域AGの開口部が配置される。これにより、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせる場合にも、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0056】
(変形例6)
図12は、変形例6に係る画素グループ10grhの構成例を示す図である。図12に示すように、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内を3分割することで、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnが配置される。より具体的には、カタカナのヒ形状の青色画素Bnと、カタカナのフ形状の赤色画素Rnとに挟まれる下凸形状の緑色画素Gnが配置される。青色画素Bnの形状と緑色画素Gnの形状と赤色画素Rnの形状が異なっている。主走査方向Xの画素開口は、どの色も広くなっており、例えば1画素ピッチの3分の2の広がりを有しており、主走査方向Xの色分布の情報をより多く取得できる。また、縦の副走査方向Yの画素開口も1画素ピッチ分の幅を有し、画素感度がより高くなる。さらに、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチの重心部に緑色画素Gnを配置する。すなわち、画素グループ10grhの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、緑色画素Gnの開口が画素ピッチの中心に広く設けられるので、読み取り時に主走査方向X又は副走査方向Yの機械的なずれが生じても縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0057】
(変形例7)
図13は、変形例3に係る画素グループ10grjの構成例を示す図である。図9に示すように、赤色画素Rn、緑色画素Gn、及び青色画素Bnの副走査方向Yの大きさを画素ピッチの1倍より大きく、2倍未満とした点で変形例2に係る画素例と相違する。すなわち、変形例3に係る固体撮像装置1は、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせることが可能となる。
【0058】
このように、変形例3に係る画素グループ10grjは、縦2画素ピッチ未満であり、且つ横1画素ピッチを3分割する。より具体的には、カタカナのヒ形状の青色画素Bnと、カタカナのフ形状の赤色画素Rnとに挟まれる下凸形状の緑色画素Gnが配置される。副走査方向Yの画素開口は、どの色も変形例6に係る固体撮像装置1よりも広くなっており、より感度を上げる事が可能となる。
【0059】
また、画素グループ10grjの重心部に緑色画素Gnの主領域AGを配置する。これにより、副走査方向Yの1画素ピッチが画素グループ10grjの副走査方向Yの長さよりも短い場合にも、1画素ピッチ内に緑色画素Gnの主領域AGの開口部が配置される。これにより、副走査方向Yにおいて画像データの撮像領域に重複を生じさせる場合にも、縦1画素ピッチ及び横1画素ピッチ内の画像の輪郭が得られ易くなる。
【0060】
なお、以下の付記に記載しているような固体撮像装置が考えられる。
【0061】
(付記1)
前記光電変換部と、前記フィルタと、を有する光電変換層と、
電荷転送回路と、前記電荷電圧変換回路と、を有する制御素子層と、は積層される、請求項10に記載の固体撮像装置。
【0062】
(付記2)
前記光電変換部は、フォトダイオードである、請求項10に記載の固体撮像装置。
【0063】
(付記3)
前記フィルタは、それぞれが異なる特定波長範囲を通す第1フィルタ、第2フィルタ、及び第3フィルタの少なくともいずれかであり、前記第1フィルタ、前記第2フィルタ、及び前記第3フィルタが順に繰り返し配置される、請求項10に記載の固体撮像装置。
【0064】
(付記4)
前記第1フィルタの前記1方向の幅が前記第2方向に対して、次第に大きくなる場合に、前記第3フィルタの前記1方向の幅が前記第2方向に対して、次第に小さくなる、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0065】
(付記5)
前記第1フィルタ、前記第2フィルタ、及び前記第3フィルタの前記1方向の幅の合計値は、前記1方向の解像度に対応する1画素ピッチの幅の値である、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0066】
(付記6)
前記第3フィルタは、前記第1フィルタを180度回転させた形状を有する、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0067】
(付記7)
前記第1フィルタは、前記第2方向に対して、所定点まで一定の幅を有し、前記所定点を超えると前記一定の幅よりも幅が広くなる、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0068】
(付記8)
前記第1フィルタは赤色フィルタに対応し、前記第2フィルタは緑色フィルタに対応し、前記第3フィルタは青色フィルタに対応する、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0069】
(付記9)
制御回路を更に有し、
前記制御回路は、前記信号電荷の蓄積周期を制御する、請求項13に記載の固体撮像装置。
【0070】
(付記10)
前記制御回路は、前記第1フィルタ、前記第2フィルタ、及び前記第3フィルタを有する同一グループ内の画素の蓄積周期を同様に制御する、
請求項19に記載の固体撮像装置。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0072】
1:固体撮像装置、2:固体撮像素子、11:光電変換部、12:電荷転送回路、13:電荷電圧変換回路13、40:制御回路、R:赤色フィルタ、G:緑色フィルタ、B:青色フィルタ、R1~Rn:赤色画素、G1~Gn:緑色画素、B1~Bn:青色画素、X:主走査方向、Y:副走査方向。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13