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特許7561114情報分析支援方法及び情報分析支援システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報分析支援方法及び情報分析支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q40/08
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021209143
(22)【出願日】2021-12-23
(65)【公開番号】P2023093975
(43)【公開日】2023-07-05
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】近藤 洋史
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 裕司
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-022374(JP,A)
【文献】特開2021-189585(JP,A)
【文献】特開2017-134474(JP,A)
【文献】特開2020-106882(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110246045(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計算機システムが実行する情報分析支援方法であって、
前記計算機システムは、プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、
健康に関するリスク値を算出するリスクモデルと、
健康に関する情報を、前記健康に関する情報を集約する複数の集約区分の少なくともいずれかに対応付ける辞書情報と、
1以上の前記集約区分の組み合わせと、前記リスクモデルの説明変数の値とを対応付ける説明変数定義情報と、を保持し、
前記情報分析支援方法は、
前記プロセッサが、入力された情報から前記健康に関する情報を抽出する第1手順と、
前記プロセッサが、前記辞書情報に基づいて、前記抽出された健康に関する情報に対応する1以上の前記集約区分を特定する第2手順と、
前記プロセッサが、前記説明変数定義情報に基づいて、前記特定された1以上の集約区分の組み合わせに対応する前記説明変数の値を特定する第3手順と、
前記プロセッサが、前記リスクモデルに基づいて、前記特定された説明変数の値に対応する前記リスク値を算出する第4手順と、を含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載の情報分析支援方法であって、
前記健康に関する情報は、病名に関して記述された情報、薬剤に関して記述された情報、健康に関する検査値の情報、手術に関して記述された情報、及び、入院期間に関して記述された情報の少なくともいずれかを含み、
前記辞書情報は、前記病名に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報、前記薬剤に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報、前記健康に関する検査値の範囲を前記集約区分に対応付ける情報、前記手術に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報、及び、前記入院期間の長さの範囲を前記集約区分に対応付ける情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項3】
請求項2に記載の情報分析支援方法であって、
前記入力された情報は、保険商品への加入を希望する人物が提出した告知情報に含まれる情報であり、
前記健康に関するリスク値は、前記保険商品における保険金の支払いリスクの大きさを示す値であり、
前記記憶装置は、前記リスク値に基づいて前記人物を分類するための分類定義情報をさらに保持し、
前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、前記算出されたリスク値及び前記分類定義情報に基づいて、前記人物を分類する第5手順をさらに含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象であるかを示す情報を含み、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象であるかを判定し、
前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でない場合、前記特定された集約区分に基づいて特定された前記説明変数は、前記第4手順及び前記第5手順の対象から除外されることを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項5】
請求項4に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記病名に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、前記薬剤に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、又は、前記手術に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合に、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でないことを示す情報を含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項6】
請求項4に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記健康に関する検査値の範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分、又は、前記入院期間の長さの範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分について、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でないことを示す情報を含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項7】
請求項3に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分の確認を要求するかを示す情報を含み、
前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分の確認が要求されているかを判定し、
前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、前記人物を分類した結果を表示し、前記特定された集約区分の確認が要求されている場合、前記特定された集約区分の確認が要求されていることを示す情報を出力する第6手順をさらに含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記病名に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、前記薬剤に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、又は、前記手術に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合に、前記特定された集約区分の確認を要求することを示す情報を含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項9】
請求項7に記載の情報分析支援方法であって、
前記辞書情報は、前記健康に関する検査値の範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分、又は、前記入院期間の長さの範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分について、前記特定された集約区分の確認を要求することを示す情報を含むことを特徴とする情報分析支援方法。
【請求項10】
情報分析支援システムであって、
プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を有し、
前記記憶装置は、
健康に関するリスク値を算出するリスクモデルと、
健康に関する情報を、前記健康に関する情報を集約する複数の集約区分の少なくともいずれかに対応付ける辞書情報と、
1以上の前記集約区分の組み合わせと、前記リスクモデルの説明変数の値とを対応付ける説明変数定義情報と、を保持し、
前記プロセッサは、
入力された情報から前記健康に関する情報を抽出し、
前記辞書情報に基づいて、前記抽出された健康に関する情報に対応する1以上の前記集約区分を特定し、
前記説明変数定義情報に基づいて、前記特定された1以上の集約区分の組み合わせに対応する前記説明変数の値を特定し、
前記リスクモデルに基づいて、前記特定された説明変数の値に対応する前記リスク値を算出することを特徴とする情報分析支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康状態に関する情報の分析を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
生命保険事業者は、保険契約者の契約時の健康状態をもとに保険金支払リスクを求め、引受の査定を行っている。保険契約者の契約時の健康状態は、保険契約者が加入申し込みをするときに提出する告知情報に基づいて特定される。告知情報の入力を支援する技術として、例えば、特開2015-22374(特許文献1)に記載の技術がある。特許文献1には、「コンピュータに、利用者を識別する個人識別情報に対応する診療情報を取得する処理と、前記診療情報の項目に基づき、保険商品における告知項目と対応する質問文情報及び回答項目情報から前記診療情報と対応する質問文情報及び回答項目情報を選択する処理と、選択された前記質問文情報及び回答項目情報を含む前記告知項目の入力画面データを出力する処理と、を実行させる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-22374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
加入申込者から提出される告知の情報は、健康状態を示す多数の項目に亘るうえ、曖昧性のある表現や誤植があったり、間違った項目が入力されたりしている場合がある。そのため、人手によるデータの整備が事前に行われており、リスク評価に至るまでに多くの時間とコストを要している。より正確かつ簡便にリスク評価を行うためには、これらの処理を自動的に行えるようにする必要がある。
【0005】
上記特許文献1には、診療録に基づいて加入申込者の告知項目の入力を支援する技術が記載されているが、提出された情報をリスク評価に適した形式に変換処理する技術については明らかにされていない。
【0006】
そこで本発明は、上記課題を解決するため、加入申込者の入力した健康状態に関する告知情報を基に、リスク評価等の情報処理に必要な情報を抽出及び整理し、所定のモデル等を用いた情報処理を可能にする方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一つを解決するために、本願において開示される発明の代表的な一例は、計算機システムが実行する情報分析支援方法であって、前記計算機システムは、プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶装置と、を有し、前記記憶装置は、健康に関するリスク値を算出するリスクモデルと、健康に関する情報を、前記健康に関する情報を集約する複数の集約区分の少なくともいずれかに対応付ける辞書情報と、1以上の前記集約区分の組み合わせと、前記リスクモデルの説明変数の値とを対応付ける説明変数定義情報と、を保持し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、入力された情報から前記健康に関する情報を抽出する第1手順と、前記プロセッサが、前記辞書情報に基づいて、前記抽出された健康に関する情報に対応する1以上の前記集約区分を特定する第2手順と、前記プロセッサが、前記説明変数定義情報に基づいて、前記特定された1以上の集約区分の組み合わせに対応する前記説明変数の値を特定する第3手順と、前記プロセッサが、前記リスクモデルに基づいて、前記特定された説明変数の値に対応する前記リスク値を算出する第4手順と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、例えばリスク評価等の情報処理に至るまでのデータ整備が自動化されることによって、処理に要する時間及びコストが削減される。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施例1の情報分析支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本発明の実施例1の基本情報管理部が管理する基本情報の一例を示す説明図である。
図3】本発明の実施例1の健康情報管理部が管理する告知情報の一例を示す説明図である。
図4】本発明の実施例1の健康情報管理部が管理する健診情報の一例を示す説明図である。
図5】本発明の実施例1の病名定義情報管理部が管理する病名定義情報の一例を示す説明図である。
図6】本発明の実施例1の薬剤定義情報管理部が管理する薬剤定義情報の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施例1の手術定義情報管理部が管理する手術定義情報の一例を示す説明図である。
図8】本発明の実施例1の入院定義情報管理部が管理する入院定義情報の一例を示す説明図である。
図9】本発明の実施例1の検査結果定義情報管理部が管理する検査結果定義情報の一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施例1の説明変数定義情報管理部が管理する説明変数定義情報の一例を示す説明図である。
図11】本発明の実施例1の説明変数生成結果管理部が管理する説明変数生成処理の中間テーブルの一例を示す説明図である。
図12】本発明の実施例1のリスク算出対象情報管理部が管理するリスク算出対象情報の一例を示す説明図である。
図13】本発明の実施例1の説明変数生成結果管理部が管理する説明変数生成結果情報の一例を示す説明図である。
図14】本発明の実施例1のリスクモデル情報管理部が管理するリスクモデル情報の一例を示す説明図である。
図15】本発明の実施例1の分類定義情報管理部が管理する分類定義情報の一例を示す説明図である。
図16】本発明の実施例1の病名情報抽出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図17】本発明の実施例1の薬剤情報抽出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図18】本発明の実施例1の検査結果情報抽出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図19】本発明の実施例1の手術情報抽出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図20】本発明の実施例1の入院情報抽出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図21】本発明の実施例1の説明変数情報生成部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図22】本発明の実施例1のリスク算出部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図23】本発明の実施例1のリスク判定部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図24】本発明の実施例1の情報分析支援システムが説明変数を生成する処理において、告知情報を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
図25】本発明の実施例1の情報分析支援システムが説明変数を生成する処理において、集約処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
図26】本発明の実施例1の情報分析支援システムが説明変数を生成する処理において、説明変数生成処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
図27】本発明の実施例1の情報分析支援システムがリスク分析を実行した結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
図28】本発明の実施例2の情報分析支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
図29】本発明の実施例2の契約情報管理部が管理する契約情報の一例を示す説明図である。
図30】本発明の実施例2の請求情報管理部が管理する請求情報の一例を示す説明図である。
図31】本発明の実施例2の支払区分定義情報管理部が管理する支払区分定義情報の一例を示す説明図である。
図32】本発明の実施例2の支払判定結果管理部が管理する支払判定結果情報の一例を示す説明図である。
図33】本発明の実施例2の支払判定部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図34】本発明の実施例2の情報分析支援システムによる支払判定処理において、請求情報を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
図35】本発明の実施例2の情報分析支援システムが支払判定処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の実施例1の情報分析支援システム101の構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
情報分析支援システム101は、コンピュータシステムであり、例えばキーボード及びマウスなどの入力部102、表示データを出力するディスプレイを表す出力部103、CPU(Central Processing Unit)104、メモリ105、通信部108及び記憶媒体106を備えている。
【0013】
情報分析支援システム101は、病名情報抽出部111、薬剤情報抽出部112、検査結果情報抽出部113、手術情報抽出部114、入院情報抽出部115、説明変数情報生成部116、リスク算出部117及びリスク判定部118を有している。病名情報抽出部111~リスク判定部118の各部の機能は、CPU104が記憶媒体106に格納されたプログラムを実行することによって実現される。これらのプログラムがCPU104によって実行されるときに、それらの少なくとも一部が必要に応じてメモリ105にコピーされてもよい。
【0014】
情報分析支援システム101にはデータベース107が接続される。データベース107は、基本情報管理部121、健康情報管理部122、病名定義情報管理部123、薬剤定義情報管理部124、手術定義情報管理部125、入院定義情報管理部126、検査結果定義情報管理部127、説明変数定義情報管理部128、説明変数生成結果管理部129、リスク算出対象情報管理部130、リスクモデル情報管理部131及び分類定義情報管理部132を有する。
【0015】
後述するように、基本情報管理部121は、基本情報200(図2)を管理する。健康情報管理部122は、既往症情報300(図3)及び健診情報400(図4)を管理する。病名定義情報管理部123は、病名定義情報500(図5)を管理する。薬剤定義情報管理部124は、薬剤定義情報600(図6)を管理する。手術定義情報管理部125は、手術定義情報700(図7)を管理する。入院定義情報管理部126は、入院定義情報800(図8)を管理する。検査結果定義情報管理部127は、検査結果定義情報900(図9)を管理する。説明変数定義情報管理部128は、説明変数定義情報1000(図10)を管理する。説明変数生成結果管理部129は、説明変数生成処理の中間テーブル1100(図11)及び説明変数生成結果1300(図13)を管理する。リスク算出対象情報管理部130は、リスク算出対象情報1200(図12)を管理する。リスクモデル情報管理部131は、リスクモデル情報1400(図14)を管理する。分類定義情報管理部132は、分類定義情報1500(図15)を管理する。
【0016】
データベース107は、例えば、ネットワークを介して情報分析支援システム101に接続された記憶システムに格納されもよいし、情報分析支援システム101内に(例えば記憶媒体106に格納されることによって)内蔵されてもよい。データベース107が情報分析支援システム101の外部のシステムに格納される場合、その内容の少なくとも一部が必要に応じて記憶媒体106又はメモリ105にコピーされてもよい。また、入力部102、出力部103、CPU104、メモリ105及び記憶媒体106を有する計算機と、データベース107とを含むシステム全体を情報分析支援システムと呼んでもよい。
【0017】
また、情報分析支援システム101は、例えば図1に示す構成を有する一つの計算機によって実現されてもよいが、複数の計算機によって実現されてもよい。例えば、前述したデータベース107が保持する情報が、複数の記憶媒体106又はメモリ105に分散して格納されてもよいし、前述した情報分析支援システム101の機能が、複数の計算機の複数のCPU104によって分散して実行されてもよい。
【0018】
図2は、本発明の実施例1の基本情報管理部121が管理する基本情報200の一例を示す説明図である。
【0019】
基本情報200は、保険事業者の保険商品への加入を申し込んだ各人物に関する基本情報である。
【0020】
具体的には、基本情報200は、各人物を特定する個人ID201、各人物の性別を特定する性別202、各人物の生年月日を特定する生年月日203及び各人物からの申し込みが受け付けられた日を特定する申込受付日204等を含む。上記の基本情報200は一例であり、基本情報200は必要に応じて各人物に関する種々の情報を含んでもよい。
【0021】
図3は、本発明の実施例1の健康情報管理部122が管理する既往症情報300の一例を示す説明図である。
【0022】
既往症情報300は、保険への加入申し込みのために各人物が保険事業者に提出した告知情報から抽出された情報のうち、各人物が過去に経験した傷病(既往症)に関する情報であり、例えば各人物が告知情報のうち既往症に相当する項目に記入した内容がそのまま既往症情報300として保持されてもよい。既往症情報300は、個人ID301、連番302、病名303、薬剤名304、入院日305、退院日306及び手術307等を含む。
【0023】
個人ID301は、各人物を特定する情報であり、基本情報200の個人ID201に対応する。連番302は、各人物の告知情報から複数の項目の内容が抽出された場合にそれぞれを特定する情報である。病名303、薬剤名304、入院日305、退院日306及び手術307は、それぞれ、各人物の告知情報の病名、薬剤名、入院日、退院日及び手術の項目から抽出された内容を示す。
【0024】
病名303~手術307は、各人物が記入した情報がそのまま登録されるため、不正確な情報を含んでいたり、曖昧な情報を含んでいたり、欠落していたりする場合がある。例えば、病名303として「脂質異常と言われた」のような曖昧な情報が含まれている場合がありうる。あるいは、病名303が不明(例えば当該人物が記憶していないなど)であるが、薬剤名304又は手術307の情報は得られている場合がありうる。
【0025】
図3の例では、既往症情報300の第1行及び第2行は、ID「P001」で識別される人物が高血圧のために2020年4月1日から2020年4月5日まで入院したこと、及び、医師から脂質異常と言われたことを記入した告知情報を提出したことを示している。また、第3行は、ID「P002」で識別される人物が、病名は不明であるが、薬剤Aを処方され、また、手術Aを受けたことを示している。
【0026】
図4は、本発明の実施例1の健康情報管理部122が管理する健診情報400の一例を示す説明図である。
【0027】
健診情報400は、各人物が受けた健康診断(健診)の結果に関する情報であり、保険への加入申し込みのために各人物が告知情報の一部として提出したものであってもよい。健診情報400は、個人ID401、検査日402、BMI404、空腹時血糖404、HbA1c405、問診結果406及び指摘事項407等を含む。
【0028】
個人ID401は、各人物を特定する情報であり、基本情報200の個人ID201に対応する。検査日402は、健康診断が行われた日を示す。BMI404、空腹時血糖404及びHbA1c405は、健康診断の結果として得られた検査値の例である。問診結果406は、健康診断時の問診の結果であり、例えば、飲酒の習慣の有無、運動の習慣の有無等を示す情報等を含んでもよい。指摘事項407は、健康診断の結果として指摘された事項の情報である。
【0029】
上記の情報は、健康診断の結果として得られる情報の代表的な例であり、実際には健診情報400がこれらの少なくともいずれかを含まなくてもよいし、これら以外の項目の情報を含んでもよい。
【0030】
図5は、本発明の実施例1の病名定義情報管理部123が管理する病名定義情報500の一例を示す説明図である。
【0031】
告知情報から抽出された病名に関する情報は、病名定義情報500に従って所定の複数の区分に集約される。すなわち、病名定義情報500は、既往症情報300に含まれる病名に関する記載と、病名を集約する区分とを対応付ける辞書情報であり、病名集約区分501、対象病名502及び評価処理区分(病名)503を含む。
【0032】
病名集約区分501は、病名を集約する区分を識別する情報であり、例えばICD-10(国際疾病分類)コードのような標準化されたコードであってもよいし、保険事業者が独自に使用しているコード等であってもよい。この病名集約区分501は、後述する処理において、保険金の支払いリスクを評価するためのリスクモデルに入力される説明変数に対応付けられる。
【0033】
対象病名502は、既往症情報300の病名の項目から抽出されることが想定される情報である。既往症情報300のように、告知情報のうち保険の加入申込者が記入した部分については、必ずしも正確な情報が記入されるとは限らない。このため、既往症情報300の病名の項目から抽出された情報も正確ではない可能性がある。このため、正確な病名に限らず、あいまいであったり不正確であったりする病名の記載を、病名を集約する区分と正しく対応付けるために、対象病名502には告知情報に記入されることが想定される病名に関する記載が登録される。
【0034】
図5の例では、病名集約区分501の値「D1」に対応する対象病名502として「病名A」、「病名B」及び「病名C」が登録されている。例えば、「D1」が脂質異常症を識別するコードである場合、「病名A」は正確な病名である「脂質異常症」であり、「病名B」及び「病名C」は、それぞれ、あいまいさを含んだ「脂質異常と言われた」及び「脂質が高い」などであってもよい。
【0035】
なお、告知情報に含まれる病名に関する記述は、保険への加入を希望する人物自身が記入するため、誤記(例えば誤字等)を含む場合もある。このため、対象病名502として、想定される誤記(例えば過去に出現頻度が高かった誤字等)を含む病名が登録されていてもよい。ただし、後述する告知情報から病名に関する情報を抽出する処理において、構文解析によって誤記を修正できる場合がある。このため、構文解析で修正可能な誤記については、対象病名502に登録しないことによって、保持されるデータ量を削減してもよい。
【0036】
評価処理区分(病名)503は、病名定義情報500に従って特定された病名集約区分501の値をリスクモデルによるリスク評価の対象とするか否かを示す情報である。評価処理区分(病名)503の値「対象」はモデルによるリスク評価の処理の対象とすること、「非対象」は対象としないこと、「対象(確認要)」は対象とするが人手による確認を要求することを示す。
【0037】
例えば、「脂質異常と言われた」との記載に基づいて「脂質異常症」を識別する病名集約区分「D1」が特定された場合など、その特定の確度が十分に高く、特定された病名集約区分に基づいてリスクモデルによるリスク評価を行った場合に所定の精度が期待できる場合には、評価処理区分(病名)503として「対象」が登録されてもよい。
【0038】
一方、例えば対象病名502の値が「脂質」だけであり、一応は「脂質異常症」を示すと推定されるものの、その確度が低く、特定された病名集約区分に基づいてリスクモデルによるリスク評価を行った場合に所定の精度が期待できない、といった場合には、評価処理区分(病名)503として「非対象」が登録されてもよい。この場合、当該病名集約区分に該当する人物の告知情報は、リスクモデルによるリスク評価の対象から除外される。
【0039】
また、病名集約区分の特定の確度が中程度であり、特定の結果が正しければリスク評価に所定の精度が期待できる、といった場合には、評価処理区分(病名)503として「対象(確認要)」が登録されてもよい。この場合、当該病名集約区分に該当する人物の告知情報は、リスクモデルによるリスク評価の対象となるが、その結果について人手による確認が要求される。特定された病名集約区分が正しいことが人手で確認された場合には、リスクモデルによるリスク評価の結果が採用され、そうでない場合にはリスクモデルによるリスク評価の結果が棄却されてもよい。
【0040】
図6は、本発明の実施例1の薬剤定義情報管理部124が管理する薬剤定義情報600の一例を示す説明図である。
【0041】
告知情報から抽出された薬剤に関する情報は、薬剤定義情報600に従って所定の複数の区分に集約される。すなわち、薬剤定義情報600は、既往症情報300に含まれる薬剤に関する記載と、薬剤を集約する区分とを対応付ける辞書情報であり、薬剤集約区分601、薬剤名602及び評価処理区分(薬剤)603を含む。
【0042】
薬剤集約区分601は、薬剤を集約する区分を識別する情報であり、標準化されたコード等であってもよいし、保険事業者が独自に使用しているコード等であってもよい。この薬剤集約区分601は、後述する処理において、保険金の支払いリスクを評価するためのリスクモデルに入力される説明変数に対応付けられる。
【0043】
薬剤名602は、既往症情報300の薬剤の項目から抽出されることが想定される情報である。病名の場合と同様、告知情報に記載された曖昧性や不正確性を含む薬剤名と、薬剤を集約する区分とを正しく対応付けるために、薬剤名602には告知情報において想定される薬剤名に関する記載が登録される。
【0044】
評価処理区分(薬剤)603は、薬剤定義情報600に従って特定された薬剤集約区分601の値をリスクモデルによるリスク評価の対象とするか否かを示す情報である。この情報は、病名定義情報500の評価処理区分(病名)503と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0045】
図7は、本発明の実施例1の手術定義情報管理部125が管理する手術定義情報700の一例を示す説明図である。
【0046】
告知情報から抽出された手術に関する情報は、手術定義情報700に従って所定の複数の区分に集約される。すなわち、手術定義情報700は、既往症情報300に含まれる手術に関する記載内容と、手術を集約する区分とを対応付ける辞書情報であり、手術集約区分701、手術名702及び評価処理区分(手術)703を含む。
【0047】
手術集約区分701は、手術を集約する区分を識別する情報であり、標準化されたコード等であってもよいし、保険事業者が独自に使用しているコード等であってもよい。この手術集約区分701は、後述する処理において、保険金の支払いリスクを評価するためのリスクモデルに入力される説明変数に対応付けられる。
【0048】
手術名702は、既往症情報300の手術の項目から抽出されることが想定される情報である。病名の場合と同様、告知情報に記載された曖昧性や不正確性を含む手術名と、手術名を集約する区分とを正しく対応付けるために、手術名702には告知情報において想定される手術名に関する記載が登録される。
【0049】
評価処理区分(手術)703は、手術定義情報700に従って特定された手術集約区分701の値をリスクモデルによるリスク評価の対象とするか否かを示す情報である。この情報は、病名定義情報500の評価処理区分(病名)503と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0050】
図8は、本発明の実施例1の入院定義情報管理部126が管理する入院定義情報800の一例を示す説明図である。
【0051】
告知情報から抽出された入院に関する情報は、入院定義情報800に従って所定の複数の区分に集約される。すなわち、入院定義情報800は、既往症情報300に含まれる入院に関する記載内容と、入院を集約する区分とを対応付ける辞書情報であり、入院集約区分801、入院日数802及び評価処理区分(入院)803を含む。
【0052】
入院集約区分801は、入院を集約する区分を識別する情報であり、標準化されたコード等であってもよいし、保険事業者が独自に使用しているコード等であってもよい。この入院集約区分801は、後述する処理において、保険金の支払いリスクを評価するためのリスクモデルに入力される説明変数に対応付けられる。
【0053】
入院日数802は、既往症情報300の手術の項目から抽出されることが想定される入院日数の情報である。例えば、入院日数802は、入院日数の範囲を示す情報であってもよい。
【0054】
評価処理区分(入院)803は、入院定義情報800に従って特定された入院集約区分801の値をリスクモデルによるリスク評価の対象とするか否かを示す情報である。
【0055】
本実施例では、入院に関する情報は、入院日数の多さに応じて複数の区分に集約される。図8の例では、入院日数が「0」(すなわち入院しなかった)という情報が入院集約区分「A1」に集約される。入院日数が「1」から「14」までの情報が入院集約区分「A2」に集約される。入院日数が「15」から「31」までの情報が入院集約区分「A3」に集約される。入院日数が「32」以上の情報が入院集約区分「A4」に集約される。
【0056】
さらに、図8の例では、入院集約区分「A1」及び「A2」の評価処理区分が「対象」、入院集約区分「A3」の評価処理区分が「対象(確認要)」、入院集約区分「A4」の評価処理区分が「非対象」となる。一般に、リスクモデルを構築するために使用される教師データに含まれる告知情報のサンプル数は、入院日数が多くなるほど少なくなる傾向がある。このため、構築されたリスクモデルに説明変数として入力される告知情報の入院日数が多いほど、そのような告知情報のサンプル数の出現頻度が低くなり、リスクモデルによって算出されるリスク値の精度が低下する傾向にある。このため、上記の例では、入院集約区分「A3」については、リスクモデルを用いたリスク算出の対象に含めるものの、人手による確認が要求され、入院集約区分「A4」については、リスクモデルを用いたリスク算出の対象から除外される。
【0057】
図9は、本発明の実施例1の検査結果定義情報管理部127が管理する検査結果定義情報900の一例を示す説明図である。
【0058】
告知の際に提出された健診情報400から抽出された検査結果等の情報は、検査結果定義情報900に従って所定の複数の区分に集約される。すなわち、検査結果定義情報900は、健診情報400に含まれる検査結果と、検査結果を集約する区分とを対応付ける辞書情報であり、検査結果集約区分901、検査結果902及び評価処理区分(検査)903を含む。
【0059】
検査結果集約区分901は、検査結果を集約する区分を識別する情報であり、標準化されたコード等であってもよいし、保険事業者が独自に使用しているコード等であってもよい。この検査結果集約区分901は、後述する処理において、保険金の支払いリスクを評価するためのリスクモデルに入力される説明変数に対応付けられる。
【0060】
検査結果902は、健診情報400から抽出されることが想定される検査結果の情報である。例えば、検査結果902は、検査結果の値の範囲を指定する情報であってもよい。
【0061】
評価処理区分(検査)903は、検査結果定義情報900に従って特定された検査結果集約区分901の値をリスクモデルによるリスク評価の対象とするか否かを示す情報である。評価処理区分(入院)803の場合と同様に、リスクモデル構築に使用されるデータにおいて出現頻度が低い検査結果の値の範囲に対応する検査結果集約区分については、評価処理区分(検査)903として「対象(確認要)」又は「非対象」が登録されてもよい。
【0062】
図10は、本発明の実施例1の説明変数定義情報管理部128が管理する説明変数定義情報1000の一例を示す説明図である。
【0063】
説明変数定義情報1000は、各人物の告知情報に基づく各項目の区分への集約結果の組み合わせと説明変数とを対応付ける辞書情報である。具体的には、説明変数定義情報1000は、説明変数1001、病名集約区分1002、薬剤集約区分1003、検査集約区分1004、手術集約区分1005及び入院集約区分1006を含む。これによって、説明変数1001の値と、病名集約区分1002から入院集約区分1006までの値の組み合わせとが対応付けられる。
【0064】
例えば、ある人物の告知情報に基づく病名集約区分が「D1」であり、薬剤集約区分から入院集約区分までについては該当する値がない場合には、当該人物の告知情報に対応する説明変数は「E101」となる。また、別のある人物の告知情報に基づく病名集約区分が「D1」であり、薬剤集約区分から手術集約区分までについては該当する値がなく、入院集約区分が「A1」、「A2」又は「A3」のいずれかである場合、当該人物の告知情報に対応する説明変数は「E102」となる。
【0065】
図11は、本発明の実施例1の説明変数生成結果管理部129が管理する説明変数生成処理の中間テーブル1100の一例を示す説明図である。
【0066】
説明変数生成処理の中間テーブル1100は、各人物の告知情報から抽出された情報を、病名定義情報500、薬剤定義情報600、手術定義情報700、入院定義情報800及び検査結果定義情報900に基づいて集約した情報であり、説明変数生成処理の過程で生成される。
【0067】
具体的には、説明変数生成処理の中間テーブル1100は、個人ID1101、病名集約区分1102、薬剤集約区分1103、検査集約区分1104、手術集約区分1105、入院集約区分1106、評価処理区分(病名)1107、評価処理区分(薬剤)1108、評価処理区分(検査)1109、評価処理区分(手術)1110及び評価処理区分(入院)1111を含む。
【0068】
個人ID1101は、各人物を特定する情報であり、基本情報200の個人ID201に対応する。病名集約区分1102、薬剤集約区分1103、検査集約区分1104、手術集約区分1105、入院集約区分1106、評価処理区分(病名)1107、評価処理区分(薬剤)1108、評価処理区分(検査)1109、評価処理区分(手術)1110及び評価処理区分(入院)1111は、各人物の告知情報のそれぞれの項目の情報を集約した結果及びそれぞれの項目の評価処理区分を示す。
【0069】
図12は、本発明の実施例1のリスク算出対象情報管理部130が管理するリスク算出対象情報1200の一例を示す説明図である。
【0070】
リスク算出対象情報1200は、各人物の告知情報のそれぞれの項目の評価処理区分の値に基づいて、各人物の告知情報をリスクモデルによる評価の対象とするか否かを判定するための情報を含む。具体的には、リスク算出対象情報1200は、評価対象区分1201、評価処理区分(病名)1202、評価処理区分(薬剤)1203、評価処理区分(検査)1204及び評価処理区分(手術)1205を含む。
【0071】
評価処理区分(病名)1202、評価処理区分(薬剤)1203、評価処理区分(検査)1204及び評価処理区分(手術)1205は、各人物の告知情報から抽出された評価処理区分であり、それぞれ、評価処理区分(病名)503、評価処理区分(薬剤)603、評価処理区分(検査)903及び評価処理区分(手術)703に対応する。評価対象区分1201は、評価処理区分(病名)1202~評価処理区分(手術)1205の値の組に対応する、各人物の告知情報の最終的な評価対象区分(すなわち各人物の告知情報をリスクモデルによる評価の対象とするか否かを示す情報)である。評価対象区分1201の値は、個別の項目の評価処理区分と同様、「対象」、「対象(確認要)」及び「非対象」のいずれかとなる。
【0072】
例えば、ある人物の告知情報から抽出された全項目の評価処理区分が「対象」である場合、当該人物の告知情報はリスクモデルによる評価の対象と判定されてもよい。また、ある人物の告知情報から抽出された少なくとも一つの項目の評価処理区分が「対象(確認要)」であり、残りの全項目の評価処理区分が「対象」である場合、当該人物の告知情報はリスクモデルによる評価の対象であるが、人手による確認を要求すると判定されてもよい。また、ある人物の告知情報から抽出された少なくとも一つの項目の評価処理区分が「非対象」である場合、当該人物の告知情報をリスクモデルによる評価の対象から除外すると判定されてもよい。
【0073】
ただし、上記のような判定基準は一例であり、別の判定基準が適用されてもよい。また、本実施例では上記のように「対象」、「対象(確認要)」及び「非対象」の三段階の判定を行っているが、例えば「対象」及び「対象(確認要)」の二段階のみ、又は、「対象」及び「非対象」の二段階のみの判定を行ってもよい。
【0074】
図13は、本発明の実施例1の説明変数生成結果管理部129が管理する説明変数生成結果情報1300の一例を示す説明図である。
【0075】
説明変数生成結果情報1300は、説明変数生成処理の結果として生成される説明変数の情報を含む。具体的には、説明変数生成結果情報1300は、個人ID1301、性別1302、年齢1303、BMI1304、空腹時血糖1305、HbA1c1306、問診結果1307、指摘事項1308、E101_1309、E102_1310、E103_1311、E201_1312、E202_1313、E203_1314及び評価対象区分1315等を含む。
【0076】
個人ID1301は、各人物を特定する情報であり、基本情報200の個人ID201に対応する。性別1302及び年齢1303は、基本情報200から抽出された各人物の情報に対応する。BMI1304から指摘事項1308は、健診情報400から抽出された各人物の情報に対応する。図13は一例であり、説明変数生成結果情報1300は、基本情報200及び健診情報400の項目に応じて、必要な項目を含む。
【0077】
E101_1309からE203_1314は、各人物の告知情報から抽出された情報を病名定義情報500から説明変数定義情報1000と照合することで特定された説明変数を示す。例えば、特定された説明変数に該当する欄に「1」が登録される。図13では一部の説明変数のみを示しているが、実際には特定されたすべての説明変数が登録される。
【0078】
評価対象区分1315は、各人物の告知情報から抽出された情報を病名定義情報500から検査結果定義情報900及びリスク算出対象情報1200と照合することで特定された評価対象区分を示す。
【0079】
なお、実際には一人の人物から告知情報として複数の病名、複数の薬剤等の情報が提出される場合がある。このため、一人の人物の告知情報から複数の説明変数が特定される場合がある。その場合は、E101_1309からE203_1314等のうち該当するそれぞれの説明変数の欄に「1」が登録される。また、一人の人物の告知情報から一つの説明変数が複数回特定される場合がある。その場合は、その説明変数の欄に「1」が登録される。
【0080】
図14は、本発明の実施例1のリスクモデル情報管理部131が管理するリスクモデル情報1400の一例を示す説明図である。
【0081】
リスクモデル情報1400は、リスクを査定するモデル(リスクモデル)を特定するモデルID1401、それぞれのモデルがどのようなモデルであるかを示すモデル名1402、及び、モデルの構造とパラメータを示すモデルパラメータ1403を含む。
【0082】
リスクモデル情報1400には、複数のリスクモデルのパラメータを登録することができ、必要に応じていずれかを選択してリスクの算出に使用することができる。
【0083】
図15は、本発明の実施例1の分類定義情報管理部132が管理する分類定義情報1500の一例を示す説明図である。
【0084】
分類定義情報1500は、リスクモデルによって算出されたリスク値と保険への加入が可能か否か問うの分類とを対応付ける情報であり、モデルID1501、分類条件1502及び分類ラベル1503を含む。モデルID1501は、リスクモデルを特定する情報であり、リスクモデル情報1400のモデルID1401に対応する。分類条件1502は、リスクモデルによって算出されたリスク値に適用される条件であり、例えばリスク値の範囲を示す情報であってもよい。分類ラベル1503は、分類条件1502が示す条件を満たす人物の保険への加入が可能か否か等の分類を示す情報である。
【0085】
図10の例では、告知情報にモデルID「1」で特定されるリスクモデルを適用することによって算出されたリスク値が0以上0.7未満である場合、その告知情報を提出した人物を標準体(すなわち無条件で保険に加入できる人物)と分類し、リスク値が0.7以上0.9未満である場合、当該人物を条件体(すなわち、例えば保健料金の割り増し等、所定の条件付きで保険に加入できる人物)と分類し、リスク値が0.9以上である場合、当該人物を謝絶体(すなわち保険に加入できない人物)と分類することを示している。
【0086】
図10の例ではモデルID「1」に対応する分類の定義を示しているが、リスクモデル情報1400が複数のリスクモデルを保持している場合、分類定義情報1500にはリスクモデルごとに分類を定義する情報が保持される。これによってリスクモデルごとに適切に分類をすることができる。
【0087】
図16は、本発明の実施例1の病名情報抽出部111が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0088】
処理が開始されると(ステップ1601)、病名情報抽出部111は、告知情報を読み込む(ステップ1602)。次に、病名情報抽出部111は、病名定義情報500を読み込む(ステップ1603)。
【0089】
次に、病名情報抽出部111は、読み込んだ告知情報から病名情報を抽出する(ステップ1604)。これによって、例えば、既往症情報300の病名303の値が抽出される。なお、告知情報に含まれる病名に関する情報は、保険への加入を希望する人物が記入したものであるため、誤記を含んでいる場合がある。このため、病名情報抽出部111は、構文解析を行って、病名に関する情報に含まれる誤記を修正してもよい。
【0090】
次に、病名情報抽出部111は、抽出した病名情報と病名定義情報500とに基づいて病名集約区分を特定する(ステップ1605)。これによって、例えば、抽出した病名303の値に対応する病名定義情報500の病名集約区分501の値が特定される。
【0091】
次に、病名情報抽出部111は、特定した病名集約区分を格納する(ステップ1606)。これによって、例えば、特定した病名集約区分501の値及びそれに対応する評価処理区分(病名)503の値が、それぞれ、説明変数生成処理の中間テーブル1100の病名集約区分1102及び評価処理区分(病名)1107に格納される。
【0092】
以上で病名情報抽出部111の処理が終了する(ステップ1607)。
【0093】
図17は、本発明の実施例1の薬剤情報抽出部112が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
処理が開始されると(ステップ1701)、薬剤情報抽出部112は、告知情報を読み込む(ステップ1702)。次に、薬剤情報抽出部112は、薬剤定義情報600を読み込む(ステップ1703)。
【0095】
次に、薬剤情報抽出部112は、読み込んだ告知情報から薬剤情報を抽出する(ステップ1704)。これによって、例えば、既往症情報300の薬剤名304の値が抽出される。なお、病名情報の場合と同様に、薬剤情報抽出部112は、構文解析を行って、薬剤に関する情報に含まれる誤記を修正してもよい。
【0096】
次に、薬剤情報抽出部112は、抽出した薬剤情報と薬剤定義情報600とに基づいて薬剤集約区分を特定する(ステップ1705)。これによって、例えば、抽出した薬剤名304の値に対応する薬剤定義情報600の薬剤集約区分601の値が特定される。
【0097】
次に、薬剤情報抽出部112は、特定した薬剤集約区分を格納する(ステップ1706)。これによって、例えば、特定した薬剤集約区分601の値及びそれに対応する評価処理区分(薬剤)603の値が、それぞれ、説明変数生成処理の中間テーブル1100の薬剤集約区分1103及び評価処理区分(薬剤)1108に格納される。
【0098】
以上で薬剤情報抽出部112の処理が終了する(ステップ1707)。
【0099】
図18は、本発明の実施例1の検査結果情報抽出部113が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0100】
処理が開始されると(ステップ1801)、検査結果情報抽出部113は、告知情報を読み込む(ステップ1802)。次に、検査結果情報抽出部113は、検査結果定義情報900を読み込む(ステップ1803)。
【0101】
次に、検査結果情報抽出部113は、読み込んだ告知情報から検査結果情報を抽出する(ステップ1804)。これによって、例えば、健診情報400に含まれる検査結果に相当する情報が抽出される。
【0102】
次に、検査結果情報抽出部113は、抽出した検査結果情報と検査結果定義情報900とに基づいて検査結果集約区分を特定する(ステップ1805)。これによって、例えば、抽出した検査結果に対応する検査結果定義情報900の検査結果集約区分901の値が特定される。
【0103】
次に、検査結果情報抽出部113は、特定した検査結果集約区分を格納する(ステップ1806)。これによって、例えば、特定した検査結果集約区分901の値及びそれに対応する評価処理区分(検査)903の値が、それぞれ、説明変数生成処理の中間テーブル1100の検査集約区分1104及び評価処理区分(検査)1109に格納される。
【0104】
以上で検査結果情報抽出部113の処理が終了する(ステップ1807)。
【0105】
図19は、本発明の実施例1の手術情報抽出部114が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
処理が開始されると(ステップ1901)、手術情報抽出部114は、告知情報を読み込む(ステップ1902)。次に、手術情報抽出部114は、手術定義情報700を読み込む(ステップ1903)。
【0107】
次に、手術情報抽出部114は、読み込んだ告知情報から手術情報を抽出する(ステップ1904)。これによって、例えば、既往症情報300の手術307の値が抽出される。
【0108】
次に、手術情報抽出部114は、抽出した手術情報と手術定義情報700とに基づいて手術集約区分を特定する(ステップ1905)。これによって、例えば、抽出した手術307の値に対応する手術定義情報700の手術集約区分701の値が特定される。
【0109】
次に、手術情報抽出部114は、特定した手術集約区分を格納する(ステップ1906)。これによって、例えば、特定した手術集約区分701の値及びそれに対応する評価処理区分(手術)703の値が、それぞれ、説明変数生成処理の中間テーブル1100の手術集約区分1105及び評価処理区分(手術)1110に格納される。
【0110】
以上で手術情報抽出部114の処理が終了する(ステップ1907)。
【0111】
図20は、本発明の実施例1の入院情報抽出部115が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0112】
処理が開始されると(ステップ2001)、入院情報抽出部115は、告知情報を読み込む(ステップ2002)。次に、入院情報抽出部115は、入院定義情報800を読み込む(ステップ2003)。
【0113】
次に、入院情報抽出部115は、読み込んだ告知情報から入院情報を抽出する(ステップ2004)。これによって、例えば、既往症情報300の入院日305及び退院日306の値が抽出される。
【0114】
次に、入院情報抽出部115は、抽出した入院情報と入院定義情報800とに基づいて入院集約区分を特定する(ステップ2005)。これによって、例えば、抽出した入院日305及び退院日306の値から特定される入院日数に対応する入院定義情報800の入院集約区分801の値が特定される。
【0115】
次に、入院情報抽出部115は、特定した入院集約区分を格納する(ステップ2006)。これによって、例えば、特定した入院集約区分801の値及びそれに対応する評価処理区分(入院)803の値が、それぞれ、説明変数生成処理の中間テーブル1100の入院集約区分1106及び評価処理区分(入院)1111に格納される。
【0116】
以上で入院情報抽出部115の処理が終了する(ステップ2007)。
【0117】
図21は、本発明の実施例1の説明変数情報生成部116が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
処理が開始されると(ステップ2101)、説明変数情報生成部116は、集約区分結果を読み込む(ステップ2102)。例えば、説明変数情報生成部116は、説明変数生成処理の中間テーブル1100を読み込んでもよい。
【0119】
次に、説明変数情報生成部116は、読み込んだ説明変数生成処理の中間テーブル1100に説明変数定義情報1000を突合することで、説明変数を特定する(ステップ2103)。
【0120】
次に、説明変数情報生成部116は、告知情報から抽出された情報と、突合の結果として得られた説明変数とを、各人物のIDごとにまとめることでグループ化する(ステップ2104)。
【0121】
次に、説明変数情報生成部116は、グループ化された情報を説明変数生成結果情報1300として格納する(ステップ2105)。
【0122】
以上で説明変数情報生成部116の処理が終了する(ステップ2105)。
【0123】
図22は、本発明の実施例1のリスク算出部117が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0124】
処理が開始されると(ステップ2201)、リスク算出部117は、リスク算出処理の条件を設定する(ステップ2202)。ここで設定される条件は、例えば、リスク算出対象の告知情報、使用するリスクモデル、集約する対象のデータ項目等の指定を含んでもよい。
【0125】
次に、リスク算出部117は、説明変数情報を読み込む(ステップ2203)。例えば、リスク算出部117は、説明変数生成結果情報1300を読み込んでもよい。
【0126】
次に、リスク算出部117は、説明変数生成結果情報1300に含まれる説明変数をリスクモデルに入力することでリスクを算出する(ステップ2204)。
【0127】
次に、リスク算出部117は、算出したリスク値を記憶媒体106又はデータベース107に格納する(ステップ2205)。以上でリスク算出部117の処理が終了する(ステップ2206)。
【0128】
図23は、本発明の実施例1のリスク判定部118が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0129】
処理が開始されると(ステップ2301)、リスク判定部118は、リスク算出部117によって算出されたリスク値を読み込む(ステップ2302)。
【0130】
次に、リスク判定部118は、リスク判定対象の各人物の評価対象区分1315の値に基づいて、各人物のリスクモデルに基づくリスク算出結果がリスク判定の対象であるもの(例えば「対象」又は「対象(確認要)」に該当するもの)と対象でないもの(例えば「非対象」に該当するもの)とに分類する(ステップ2303)。
【0131】
次に、リスク判定部118は、リスク判定の対象である各人物のリスク算出結果に、当該リスク算出に使用したリスクモデルに対応する分類定義情報1500を突合することによって、分類ラベルを付加する(ステップ2304)。具体的には、各人物について算出されたリスク値が満たす分類条件1502の値に対応する分類ラベル1503の値が付与される。
【0132】
次に、リスク判定部118は、付与された分類ラベルを記憶媒体106又はデータベース107に格納する(ステップ2305)。このとき、リスク判定部118は、リスク算出対象情報1200に基づいて「対象(確認要)」と判定された場合には、そのことを示す情報を分類ラベルとともに記憶媒体106又はデータベース107に格納に格納してもよい。また、リスク判定部118は、これらの情報を、出力部103又は通信部108を介して出力してもよい(図27参照)。
【0133】
以上でリスク判定部118の処理が終了する(ステップ2306)。
【0134】
次に、図16から図23に示した処理を実行するときに情報分析支援システム101が提供するユーザインターフェースの一例を、図24から図27を参照して説明する。
【0135】
図24は、本発明の実施例1の情報分析支援システム101が説明変数を生成する処理において、告知情報を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0136】
図24に示す説明変数生成画面2400は、情報分析支援システム101によって出力される表示データの一例であり、例えば、告知情報指定部2401、告知情報読込実行ボタン2402、集約処理対象指定部2403、集約処理実行ボタン2404、説明変数生成処理実行ボタン2405及び情報表示部2406を含む。
【0137】
なお、この表示データは、出力部103によって画像として出力されてもよいし、通信部108によって出力されてもよい。後者の場合、表示データは通信部108からネットワーク(図示省略)を介して外部の装置(例えばユーザが使用する端末装置など、図示省略)に転送され、当該外部の装置によって画像として出力されてもよい。その場合、画面を介して入力される情報は、当該外部の装置の入力部(図示省略)を用いて入力され、ネットワーク及び通信部108を介して情報分析支援システム101に入力される。後述する他の画面についても同様である。
【0138】
告知情報指定部2401には、読み込む対象の告知情報を指定する情報が入力される。ユーザが告知情報指定部2401に告知情報を指定する情報を入力して告知情報読込実行ボタン2402を操作すると、指定された告知情報が読み込まれる(ステップ1602、1702、1802、1902及び2002参照)。情報表示部2406には、読み込まれた告知情報2407が表示される。告知情報2407は、例えば、既往症情報300及び健診情報400と同様であってもよい。
【0139】
図25は、本発明の実施例1の情報分析支援システム101が説明変数を生成する処理において、集約処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0140】
例えば図24に示すように告知情報が読み込まれた後、ユーザが集約処理対象指定部2403に集約対象の情報の項目を指定する情報を入力して集約処理実行ボタン2404を操作すると、指定された項目の集約処理が実行される(ステップ1605、1705、1805、1905及び2005参照)。情報表示部2406には、集約処理結果2501が表示される。集約処理結果2501は、例えば、説明変数生成処理の中間テーブル1100と同様であってもよい。
【0141】
図26は、本発明の実施例1の情報分析支援システム101が説明変数を生成する処理において、説明変数生成処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0142】
例えば図24に示すように告知情報が読み込まれ、図25に示すように集約処理が実行された後、ユーザが説明変数生成処理実行ボタン2405を操作すると、説明変数生成処理が実行される(図21参照)。情報表示部2406には、説明変数生成結果2601が表示される。説明変数生成結果2601は、例えば、説明変数生成結果情報1300と同様であってもよい。
【0143】
図27は、本発明の実施例1の情報分析支援システム101がリスク分析を実行した結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0144】
図27に示すリスク分析実行画面2700は、例えば、説明変数指定部2701、説明変数読込実行ボタン2702、リスクモデル指定部2703、分類条件指定部2704、リスク分析実行ボタン2705及び情報表示部2706を含む。
【0145】
説明変数指定部2701には、読み込む対象の説明変数を指定する情報が入力される。ユーザが説明変数指定部2701に説明変数を指定する情報を入力して説明変数読込実行ボタン2702を操作すると、指定された説明変数が読み込まれる(図22のステップ2203参照)。例えば、説明変数生成結果情報1300が読み込まれてもよい。
【0146】
リスクモデル指定部2703及び分類条件指定部2704には、それぞれ、リスク値の算出に使用されるリスクモデルを指定する情報、及び、リスク値に基づく分類条件を指定する情報が入力される。リスクモデル指定部2703及び分類条件指定部2704に対するユーザの操作に従って、リスクモデル及び分類条件が指定される。例えば、リスクモデル情報1400に登録されたリスクモデルのいずれか、及び、分類定義情報1500に登録された分類定義のいずれかが指定されてもよい。
【0147】
ユーザがリスク分析実行ボタン2705を操作すると、指定された説明変数、指定されたリスクモデル及び指定された分類条件に基づいてリスク分析が実行される(図22のステップ2204以降及び図23参照)。情報表示部2706には、リスク分析結果2707が表示される。リスク分析結果2707は、リスク算出部117及びリスク判定部118の処理の結果として記憶媒体106又はデータベース107に格納されたものであり、例えば、個人ID2707A、リスク値2707B、分類結果2707C及び確認要否2707Dを含む。
【0148】
個人ID2707Aは、各人物を特定する情報であり、基本情報200の個人ID201に対応する。リスク値2707Bは、リスク算出部117が各人物の告知情報から生成した説明変数をリスクモデルに投入することによって算出したリスク値である。分類結果2707Cは、リスク判定部118が各人物について算出されたリスク値と分類定義情報1500とを突合することによって判定した各人物の分類である。
【0149】
確認要否2707Dは、各人物の告知情報から生成された説明変数の評価対象区分が「対象(確認要)」であるか否かを示す。確認要否2707Dの値が「確認要」であることは、説明変数の評価対象区分が「対象(確認要)」であることを示し、確認要否2707Dの値が空欄(「-」)であることは、説明変数の評価対象区分が「対象」であることを示す。なお、評価対象区分が「非対象」となった説明変数はリスクモデルによる分析の対象から除外されるため、その結果はリスク分析結果2707として表示されない。
【0150】
ユーザは、リスク分析結果2707を参照して、対応する確認要否2707Dの値が「確認要」でない分類結果2707Cの値についてはそのまま採用し、対応する確認要否2707Dの値が「確認要」である分類結果2707Cの値については説明変数生成の際の集約が適切であったことを確認した上で採用することができる。
【0151】
なお、上述した実施例1の情報分析支援システム101の機能は、API(Application Programming Interface)を介して提供されてもよい。例えば、情報分析支援システム101は、通信部108に接続されたネットワーク(図示省略)を経由して告知情報を受信すると、それをデータベース107に記憶し、図16から図23に示す処理を実行して、図24から図27に示す情報を表示するために必要なデータを、ネットワークを経由して出力してもよい。
【0152】
以上の実施例1によれば、告知情報の項目の値を適切に集約することによって、多様な表現を含む告知情報に基づくリスク評価を、リスクモデルを使用して自動化することができる。また、告知情報が所定の条件を満たす場合にはリスクモデルによるリスク評価の自動化から除外したり、リスクモデルによるリスク評価は行うが、人手による確認を求めたりすることによって、リスク評価の精度を確保することができる。
【実施例2】
【0153】
次に、本発明の実施例2を説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例2のシステムの各部は、図1図27に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
【0154】
図28は、本発明の実施例2の情報分析支援システム101の構成の一例を示すブロック図である。
【0155】
実施例2の情報分析支援システム101において、記憶媒体106は、さらに、支払判定部119を有する。また、データベース107は、さらに、契約情報管理部133、請求情報管理部134、支払区分定義情報管理部135及び支払判定結果情報管理部136を保持する。なお、支払判定部119の機能は、他の各部の機能と同様に、CPU104が記憶媒体106に格納されたプログラムを実行することによって実現される。
【0156】
図29は、本発明の実施例2の契約情報管理部133が管理する契約情報2900の一例を示す説明図である。
【0157】
契約情報2900は、各人物が契約した保険事業者の保険商品に関する基本情報である。
【0158】
具体的には、契約情報2900は、保険商品に加入している各人物を特定する個人ID2901、各人物の性別を特定する性別2902、各人物が契約した保険商品を特定する契約保険商品2903、各保険商品において入院1日当たりに支払われる金額を示す入院日額2904、及び、手術が行われた場合の支払額の倍率を示す手術給付倍率2905を含む。上記の契約情報2900は一例であり、契約情報2900は必要に応じて各人物が契約した保険商品に関する種々の情報を含んでもよい。
【0159】
図30は、本発明の実施例2の請求情報管理部134が管理する請求情報3000の一例を示す説明図である。
【0160】
請求情報3000は、保険の加入者が保険事業者に対して行った保険金の支払いの請求から抽出された情報であり、例えば各人物が請求のための書面の各項目に記載した内容がそのまま請求情報3000として保持されてもよい。請求情報3000は、個人ID3001、請求ID3002、請求日時3003、請求内容3004、入院日数3005及び手術3006を含む。
【0161】
個人ID3001は、各人物を特定する情報であり、契約情報2900の個人ID2901に対応する。請求ID3002は、各人物からの請求を特定する情報である。請求日時3003は、各人物からの請求が行われた日時を特定する情報である。
【0162】
請求内容3004は、各人物からの請求の内容を示す。例えば各人物が請求のための書面に記載した内容等がそのまま請求内容3004として登録されてもよい。具体的には、請求内容3004は、保険金の支払いの請求の理由となった事象(例えば病名等)を含んでもよい。
【0163】
入院日数3005は、各人物が入院した場合にその日数を示す。手術3006は、各人物が手術を受けたか否か及び受けた場合にはどのような手術を受けたかを示す。
【0164】
図30では省略されているが、請求情報3000は、各人物に処方された薬剤を示す情報、及び、各人物の検査値を示す情報を含んでもよい。
【0165】
図31は、本発明の実施例2の支払区分定義情報管理部135が管理する支払区分定義情報3100の一例を示す説明図である。
【0166】
支払区分定義情報3100は、各人物の請求情報3000に基づく各項目の区分への集約結果の組み合わせと支払区分とを対応付ける辞書情報である。具体的には、支払区分定義情報3100は、支払区分3101、病名集約区分3102、薬剤集約区分3103、検査集約区分3104、手術集約区分3105及び入院集約区分3106を含む。これによって、支払区分3101の値と、病名集約区分3102から入院集約区分3106までの値の組み合わせとが対応付けられる。
【0167】
例えば、ある人物の請求情報3000に基づく病名集約区分が「D1」であり、薬剤集約区分から入院集約区分までについては該当する値がない場合には、当該人物の請求情報3000に対応する支払区分は「P101」となる。特定された支払区分に基づいて、保険金の支払額を決定することができる。
【0168】
図32は、本発明の実施例2の支払判定結果情報管理部136が管理する支払判定結果情報3200の一例を示す説明図である。
【0169】
支払判定結果情報3200は、個人ID3201、支払区分3202、支払保険金額3203、評価対象区分3204、病名集約区分3205、薬剤集約区分3206、検査集約区分3207、手術集約区分3208及び入院集約区分3209を含む。
【0170】
個人ID3201は、各人物を特定する情報であり、契約情報2900の個人ID2901に対応する。支払区分3202は、後述する支払判定部119の処理によって判定された支払区分を示す。支払保険金額3203は、判定された支払区分に応じて決定された保険金の支払金額を示す。評価対象区分3204は、後述する支払判定部119の処理によって判定された評価対象区分を示す。これは、実施例1における評価対象区分と同様に判定される。
【0171】
病名集約区分3205から入院集約区分3209は、それぞれ、契約情報2900から抽出された病名、薬剤、検査値、手術及び入院に関する情報を所定の区分に集約した結果を示す。これらの区分への集約は、実施例1と同様に行われる。病名集約区分3205から入院集約区分3209の値の組み合わせに適合する病名集約区分3102から入院集約区分3106の組み合わせに対応する支払区分3101の値が支払区分3202として登録される。
【0172】
図33は、本発明の実施例2の支払判定部119が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0173】
処理が開始されると(ステップ3301)、支払判定部119は、請求情報3000を読み込む(ステップ3302)。次に、支払判定部119は、請求情報3000から、病名情報、薬剤情報、検査結果情報、入院情報及び手術情報を順次抽出する(ステップ3303~ステップ3307)。
【0174】
次に、支払判定部119は、抽出した情報を対象として支払判定を行う(ステップ3308)。具体的には、支払判定部119は、まず、抽出した病名情報、薬剤情報、検査結果情報、手術情報及び入院情報に対して、所定の区分への集約処理を行う。これは、実施例1の病名情報抽出部111、薬剤情報抽出部112、検査結果情報抽出部113、手術情報抽出部114及び入院情報抽出部115が実行する処理と同様である(ステップ1605、1705、1805、1905及び2002参照)。これによって集約された区分が支払判定結果情報3200の病名集約区分3205、薬剤集約区分3206、検査集約区分3207、手術集約区分3208及び入院集約区分3209に登録される。
【0175】
そして、支払判定部119は、病名集約区分3205から入院集約区分3209の値の組み合わせに適合する病名集約区分3102から入院集約区分3106の組み合わせを特定し、特定した組み合わせに対応する支払区分3101の値を支払判定結果として特定する。
【0176】
次に、支払判定部119は、特定した支払判定結果を支払判定結果情報3200の支払区分3202に格納する(ステップ3309)。以上で支払判定部119の処理が終了する(ステップ3310)。
【0177】
次に、実施例2の情報分析支援システム101が提供するユーザインターフェースの一例を、図34及び図35を参照して説明する。
【0178】
図34は、本発明の実施例2の情報分析支援システム101による支払判定処理において、請求情報を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0179】
図34に示す支払判定画面3400は、情報分析支援システム101によって出力される表示データの一例であり、例えば、請求情報指定部3401、請求情報読込実行ボタン3402、集約処理対象指定部3403、集約処理実行ボタン3404、支払判定処理実行ボタン3405及び情報表示部3406を含む。
【0180】
請求情報指定部3401には、読み込む対象の請求情報を指定する情報が入力される。ユーザが請求情報指定部3401に請求情報を指定する情報を入力して請求情報読込実行ボタン3402を操作すると、指定された請求情報が読み込まれる(ステップ3302参照)。情報表示部3406には、読み込まれた請求情報3407が表示される。請求情報3407は、例えば、請求情報3000と同様であってもよい。
【0181】
図35は、本発明の実施例2の情報分析支援システム101が支払判定処理の結果を表示するユーザインターフェースの一例を示す説明図である。
【0182】
例えば図34に示すように請求情報が読み込まれた後、ユーザが集約処理対象指定部3403に集約対象の情報の項目を指定する情報を入力して集約処理実行ボタン3404を操作すると、支払判定処理(ステップ3308)のうち、指定された項目の集約処理が実行される。
【0183】
さらに、ユーザが支払判定処理実行ボタン3405を操作すると、支払判定処理(ステップ3308)のうち、集約された区分の組み合わせの突合によって支払判定結果を特定する処理が実行される。情報表示部3406には、判定処理結果3501が表示される。判定処理結果3501は、例えば、支払判定結果情報3200と同様であってもよい。
【0184】
なお、上述した実施例2の情報分析支援システム101の機能は、実施例1と同様に、API(Application Programming Interface)を介して提供されてもよい。例えば、情報分析支援システム101は、通信部108に接続されたネットワークを経由して請求情報を受信すると、それをデータベース107に記憶し、図33に示す処理を実行して、図34から図35に示す情報を表示するために必要なデータを、ネットワークを経由して出力してもよい。
【0185】
また、図28に示した情報分析支援システム101は、上述の請求情報に基づく支払区分の特定の機能に加えて、実施例1と同様のリスク分析の機能を有している。しかし、このようなシステム構成は一例であり、実施例2の情報分析支援システム101は、実施例1のようなリスク分析の機能を持たなくてもよい。
【0186】
以上の実施例2によれば、保険金の支払判定も、精度を確保しながら自動化することができる。
【0187】
また、本発明の実施形態のシステムは次のように構成されてもよい。
【0188】
(1)計算機システム(例えば情報分析支援システム101)が実行する情報分析支援方法であって、前記計算機システムは、プロセッサ(例えばCPU104)と、前記プロセッサに接続される記憶装置(例えば記憶媒体106又はデータベース107)と、を有し、前記記憶装置は、健康に関するリスク値を算出するリスクモデルと、健康に関する情報を、前記健康に関する情報を集約する複数の集約区分の少なくともいずれかに対応付ける辞書情報(例えば病名定義情報500、薬剤定義情報600、手術定義情報700、入院定義情報800及び検査結果定義情報900の少なくともいずれか)と、1以上の前記集約区分の組み合わせと、前記リスクモデルの説明変数の値とを対応付ける説明変数定義情報(例えば説明変数定義情報1000)と、を保持し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、入力された情報から前記健康に関する情報を抽出する第1手順(例えばステップ1604、1704、1804、1904及び2004の少なくともいずれか)と、前記プロセッサが、前記辞書情報に基づいて、前記抽出された健康に関する情報に対応する1以上の前記集約区分を特定する第2手順(例えばステップ1605、1705、1805、1905及び2005の少なくともいずれか)と、前記プロセッサが、前記説明変数定義情報に基づいて、前記特定された1以上の集約区分の組み合わせに対応する前記説明変数の値を特定する第3手順(例えばステップ2102~2105)と、前記プロセッサが、前記リスクモデルに基づいて、前記特定された説明変数の値に対応する前記リスク値を算出する第4手順(例えばステップ2204)と、を含む。
【0189】
これによって、告知情報の項目の値が適切に集約され、多様な表現を含む告知情報に基づくリスク評価を、リスクモデルを使用して自動化することができる。
【0190】
(2)上記(1)において、前記健康に関する情報は、病名に関して記述された情報(例えば病名303)、薬剤に関して記述された情報(例えば薬剤名304)、健康に関する検査値の情報(例えばBMI403~HbA1c405)、手術に関して記述された情報(例えば手術307)、及び、入院期間に関して記述された情報(例えば入院日305及び退院日306)の少なくともいずれかを含み、前記辞書情報は、前記病名に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば病名定義情報500)、前記薬剤に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば薬剤定義情報600)、前記健康に関する検査値の範囲を前記集約区分に対応付ける情報(例えば検査結果定義情報900)、前記手術に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば手術定義情報700)、及び、前記入院期間の長さの範囲を前記集約区分に対応付ける情報(例えば入院定義情報800)の少なくともいずれかを含む。
【0191】
これによって、健康に関する情報を適切に集約することができる。
【0192】
(3)上記(2)において、前記入力された情報は、保険商品への加入を希望する人物が提出した告知情報に含まれる情報であり、前記健康に関するリスク値は、前記保険商品における保険金の支払いリスクの大きさを示す値であり、前記記憶装置は、前記リスク値に基づいて前記人物を分類するための分類定義情報(例えば分類定義情報1500)をさらに保持し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、前記算出されたリスク値及び前記分類定義情報に基づいて、前記人物を分類する第5手順(例えばステップ2303~2304)をさらに含む。
【0193】
これによって、保険商品への加入を希望する人物のリスクの評価を自動化することができる。
【0194】
(4)上記(3)において、前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象であるかを示す情報(例えば評価処理区分(病名)503、評価処理区分(薬剤)603、評価処理区分(手術)703、評価処理区分(入院)803及び評価処理区分(検査)903の少なくともいずれか)を含み、前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象であるかを判定し、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でない場合、前記特定された集約区分に基づいて特定された前記説明変数は、前記第4手順及び前記第5手順の対象から除外される。
【0195】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0196】
(5)上記(4)において、前記辞書情報は、前記病名に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、前記薬剤に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、又は、前記手術に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合に、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でないことを示す情報を含む。
【0197】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0198】
(6)上記(4)において、前記辞書情報は、前記健康に関する検査値の範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分、又は、前記入院期間の長さの範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分について、前記特定された集約区分が前記リスクモデルに基づく前記リスク値の算出の対象でないことを示す情報を含む。
【0199】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0200】
(7)上記(3)において、前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分の確認を要求するかを示す情報(例えば評価処理区分(病名)503、評価処理区分(薬剤)603、評価処理区分(手術)703、評価処理区分(入院)803及び評価処理区分(検査)903の少なくともいずれか)を含み、前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分の確認が要求されているかを判定し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、前記人物を分類した結果を表示し、前記特定された集約区分の確認が要求されている場合、前記特定された集約区分の確認が要求されていることを示す情報を出力する第6手順(例えばステップ2305)をさらに含む。
【0201】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0202】
(8)上記(7)において、前記辞書情報は、前記病名に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、前記薬剤に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合、又は、前記手術に関する記述と前記集約区分との対応付けの確度が所定の基準より低い場合に、前記特定された集約区分の確認を要求することを示す情報を含む。
【0203】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0204】
(9)上記(7)において、前記辞書情報は、前記健康に関する検査値の範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分、又は、前記入院期間の長さの範囲のうち出現頻度が所定の基準より低い範囲に対応する前記集約区分について、前記特定された集約区分の確認を要求することを示す情報を含む。
【0205】
これによって、自動化されたリスク評価について所定の精度を確保することができる。
【0206】
(10)計算機システム(例えば情報分析支援システム101)が実行する情報分析支援方法であって、前記計算機システムは、プロセッサ(例えばCPU104)と、前記プロセッサに接続される記憶装置(例えば記憶媒体106又はデータベース107)と、を有し、前記記憶装置は、健康に関する情報を、前記健康に関する情報を集約する複数の集約区分の少なくともいずれかに対応付ける辞書情報(例えば病名定義情報500、薬剤定義情報600、手術定義情報700、入院定義情報800及び検査結果定義情報900の少なくともいずれか)と、1以上の前記集約区分の組み合わせと、保険金の支払区分とを対応付ける支払区分定義情報(例えば支払区分定義情報3100)と、を保持し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、保険金の支払いを請求する情報から前記健康に関する情報を抽出する第1手順(例えばステップ3303~3307の少なくともいずれか)と、前記プロセッサが、前記辞書情報に基づいて、前記抽出された健康に関する情報に対応する1以上の前記集約区分を特定する第2手順(例えばステップ3308)と、前記プロセッサが、前記支払区分定義情報に基づいて、前記特定された1以上の集約区分の組み合わせに対応する前記支払区分を特定する第3手順(例えばステップ3308)と、を含む。
【0207】
これによって、請求情報の項目の値が適切に集約され、多様な表現を含む請求情報に基づく支払区分の判定を自動化することができる。
【0208】
(11)上記(10)において、前記健康に関する情報は、病名に関して記述された情報(例えば病名303)、薬剤に関して記述された情報(例えば薬剤名304)、健康に関する検査値の情報(例えばBMI403~HbA1c405)、手術に関して記述された情報(例えば手術307)、及び、入院期間に関して記述された情報(例えば入院日305及び退院日306)の少なくともいずれかを含み、前記辞書情報は、前記病名に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば病名定義情報500)、前記薬剤に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば薬剤定義情報600)、前記健康に関する検査値の範囲を前記集約区分に対応付ける情報(例えば検査結果定義情報900)、前記手術に関する複数の記述を一つの前記集約区分に対応付ける情報(例えば手術定義情報700)、及び、前記入院期間の長さの範囲を前記集約区分に対応付ける情報(例えば入院定義情報800)の少なくともいずれかを含む。
【0209】
これによって、健康に関する情報を適切に集約することができる。
【0210】
(12)上記(11)において、前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分が前記支払区分定義情報に基づく前記支払区分の特定の対象であるかを示す情報(例えば評価処理区分(病名)503、評価処理区分(薬剤)603、評価処理区分(手術)703、評価処理区分(入院)803及び評価処理区分(検査)903の少なくともいずれか)を含み、前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分が前記特定された集約区分が前記支払区分定義情報に基づく前記支払区分の特定の対象であるかを判定し、前記特定された集約区分が前記特定された集約区分が前記支払区分定義情報に基づく前記支払区分の特定の対象でない場合、前記特定された集約区分は、前記第3手順の対象から除外される。
【0211】
これによって、自動化された支払区分の判定について所定の精度を確保することができる。
【0212】
(13)上記(11)において、前記辞書情報は、前記健康に関する情報と前記集約区分との対応付けの各々について、前記特定された集約区分の確認を要求するかを示す情報(例えば評価処理区分(病名)503、評価処理区分(薬剤)603、評価処理区分(手術)703、評価処理区分(入院)803及び評価処理区分(検査)903の少なくともいずれか)を含み、前記第2手順において、前記プロセッサは、前記特定された集約区分の確認が要求されているかを判定し、前記情報分析支援方法は、前記プロセッサが、前記特定された支払区分を表示し、前記特定された集約区分の確認が要求されている場合、前記特定された集約区分の確認が要求されていることを示す情報を出力する第4手順をさらに含む。
【0213】
これによって、自動化された支払区分の判定について所定の精度を確保することができる。
【0214】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0215】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
【0216】
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【符号の説明】
【0217】
101 情報分析支援システム
102 入力部
103 出力部
104 CPU
105 メモリ
106 記憶媒体
107 データベース
108 通信部
111 病名情報抽出部
112 薬剤情報抽出部
113 検査結果情報抽出部
114 手術情報抽出部
115 入院情報抽出部
116 説明変数情報生成部
117 リスク算出部
118 リスク判定部
119 支払判定部
121 基本情報管理部
122 健康情報管理部
123 病名定義情報管理部
124 薬剤定義情報管理部
125 手術定義情報管理部
126 入院定義情報管理部
127 検査結果定義情報管理部
128 説明変数定義情報管理部
129 説明変数生成結果管理部
130 リスク算出対象情報管理部
131 リスクモデル情報管理部
132 分類定義管理部
133 契約情報管理部
134 請求情報管理部
135 支払区分定義情報管理部
136 支払判定結果情報管理部
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