(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】基地局、端末、送信方法及び受信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/06 20090101AFI20240926BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20240926BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240926BHJP
H04L 1/16 20230101ALI20240926BHJP
【FI】
H04W28/06 110
H04W28/04 110
H04W84/12
H04L1/16
(21)【出願番号】P 2021503454
(86)(22)【出願日】2020-01-22
(86)【国際出願番号】 JP2020002155
(87)【国際公開番号】W WO2020179259
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】P 2019041687
(32)【優先日】2019-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美濃谷 潤
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
(72)【発明者】
【氏名】高田 智史
(72)【発明者】
【氏名】浦部 嘉夫
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-092686(JP,A)
【文献】国際公開第2018/116564(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0359761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 1/16
IEEE 802.11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報を含む、前記複数のユーザに共通の共通情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、
前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを含む制御信号を送信する送信回路と、
を具備
し、
前記制御信号における前記ユーザ個別情報の並び順は、新規パケットと再送パケットとが区別されて設定される、
基地局。
【請求項2】
前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザそれぞれについてデータ信号の送信が新規送信であるか再送であるかを示す、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザ毎の値を含む、
請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザに共通の値を含む、
請求項2に記載の基地局。
【請求項5】
前記制御回路は、前記再送制御に関する情報に基づいて、前記ユーザ個別情報の構成を決定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記再送制御に関する情報が再送を示す場合、前記ユーザ個別情報に、前記再送制御に関するパラメータを設定し、
前記再送制御に関する情報が新規送信を示す場合、前記ユーザ個別情報に前記パラメータを設定しない、
請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
前記制御回路は、
前記再送制御に関する情報が新規送信を示す場合に前記ユーザ個別情報に設定したパラメータのうち少なくとも一つを、前記再送制御に関する情報が再送を示す場合に前記ユーザ個別情報に設定しない、
請求項5に記載の基地局。
【請求項8】
前記制御回路は、
前記再送制御に関する情報を、前記共通情報に含めるリソース割当情報に設定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項9】
前記リソース割当情報は、マルチユーザ多重に使用されるリソースとは異なるリソースに、データ信号の再送機会が割り当てられることを示す、
請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記制御回路は、
前記リソース割当情報は、システム帯域の中心を含むリソースとは異なるリソースに、データ信号の再送機会が割り当てられることを示す、
請求項8に記載の基地局。
【請求項11】
前記制御回路は、
前記再送制御に関する情報が、再送を示す場合と、新規送信を示す場合とで、前記ユーザ個別情報に異なる種別のパラメータを設定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項12】
複数のユーザに共通の共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を含む制御信号を受信する受信回路と、
前記共通情報において示される、前記複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記ユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御する制御回路と、
を具備
し、
前記制御信号における前記ユーザ個別情報の並び順は、新規パケットと再送パケットとが区別されて設定される、
端末。
【請求項13】
基地局は、
複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報を示す、前記複数のユーザに共通の共通情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成し、
前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを含む制御信号を送信
し、
前記制御信号における前記ユーザ個別情報の並び順は、新規パケットと再送パケットとが区別されて設定される、
送信方法。
【請求項14】
端末は、
複数のユーザに共通の共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を含む制御信号を受信する受信回路と、
前記共通情報において示される、前記複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記ユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御
し、
前記制御信号における前記ユーザ個別情報の並び順は、新規パケットと再送パケットとが区別されて設定される、
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末、送信方法及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
The Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11の規格であるIEEE 802.11ax(以下、「11ax」と呼ぶ)の後継規格として、Topic Interest Group(TIG)及びStudy Group(SG)においてExtream High Throughput(EHT)の規格化検討が進められている。
【0003】
EHTにおいて、リンク効率の改善を目的として、Hybrid Automatic Repeat Request(HARQ)の導入が議論されている(例えば、非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】IEEE P802.11ax D3.0, June 2018
【文献】IEEE 802.11-18/2029r1, HARQ in EHT, Jan. 14, 2019
【発明の概要】
【0005】
しかしながら、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)等の無線通信におけるHARQ再送制御の方法については十分に検討されていない。
【0006】
本開示の非限定的な実施例は、HARQ再送制御の効率化を図ることができる基地局、端末、送信方法及び受信方法の提供に資する。
【0007】
本開示の一実施例に係る基地局は、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報を含む、前記複数のユーザに共通の共通情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを含む制御信号を送信する送信回路と、を具備する。
【0008】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0009】
本開示の一実施例によれば、HARQ再送制御の効率化を図ることができる。
【0010】
本開示の一実施例における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】Trigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図3】実施の形態1に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図4】実施の形態1に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図5】実施の形態2に係る下り無線送信装置の一部の構成例を示すブロック図
【
図6】実施の形態2に係る下り無線受信装置の一部の構成例を示すブロック図
【
図7】実施の形態2に係る下り無線送信装置の構成例を示すブロック図
【
図8】実施の形態2に係る下り無線受信装置の構成例を示すブロック図
【
図9】実施の形態2に係る上り無線送信装置の一部の構成例を示すブロック図
【
図10】実施の形態2に係る上り無線受信装置の一部の構成例を示すブロック図
【
図11】実施の形態2に係る上り無線送信装置の構成例を示すブロック図
【
図12】実施の形態2に係る上り無線受信装置の構成例を示すブロック図
【
図13】実施の形態2に係る下り無線通信に関する無線通信システムの動作例を示すシーケンス図
【
図14】実施の形態2に係る上り無線通信に関する無線通信システムの動作例を示すシーケンス図
【
図15】実施の形態2の方法1に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図16】実施の形態2の方法1に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図17A】実施の形態2の方法1に係るHARQ Typeと追加subfieldとの関係の一例を示す図
【
図17B】実施の形態2の方法1に係るHARQ Typeと追加subfieldとの関係の一例を示す図
【
図18A】実施の形態2の方法2に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図18B】実施の形態2の方法2に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図19A】実施の形態2の方法2に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図19B】実施の形態2の方法2に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図20】実施の形態2の方法2に係るHARQ Typeと追加subfieldとの関係の一例を示す図
【
図21】実施の形態2の方法2に係るTrigger frameのフォーマットの他の例を示す図
【
図22】実施の形態2の方法3に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図23】実施の形態2の方法3に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図24】実施の形態2の方法3に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図25】実施の形態2の方法3に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図26】実施の形態2の方法4に係るSIG-Bのフォーマットの一例を示す図
【
図27】実施の形態2の方法4に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図28】実施の形態3に係る下り無線送信装置の構成例を示すブロック図
【
図29】実施の形態3に係る下り無線受信装置の構成例を示すブロック図
【
図30】実施の形態3の方法1に係るRU割当情報パターンの一例を示す図
【
図31】実施の形態3の方法2に係るRU割当情報パターンの一例を示す図
【
図32】実施の形態3の方法3に係るRU割当情報パターンの一例を示す図
【
図33】他の実施の形態に係る制御信号のフォーマットの一例を示す図
【
図34】他の実施の形態に係るTrigger frameのフォーマットの一例を示す図
【
図35】他の実施の形態に係るPPDUのフォーマットの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
例えば、11axは、マルチユーザ(Multi-User(MU))伝送をサポートしている(例えば、非特許文献1を参照)。MU伝送には、例えば、Downlink MU-Multiple Input Multiple Output(DL MU-MIMO)及びDL Orthogonal Frequency Division Multiple Access(DL OFDMA)等がある。
【0014】
DL MU-MIMO又はDL OFDMAの場合、アクセスポイント(Access Point(AP)、又は「基地局」とも呼ばれる)は、例えば、Multiuser Physical layer Protocol Data Unit(MU PPDU)に含まれるPreambleの制御信号(例えば、SIG-B又はSIG-Bフィールドと呼ぶ)を用いて、各STA(「Station(STA)」又は「端末」とも呼ばれる)に制御情報を通知する。
【0015】
また、Uplink MU-MIMO(UL MU-MIMO)又はUL OFDMAの場合、APは、UL OFDMA信号の送信を促す制御信号 (以下、「Trigger frame」又はトリガ信号と呼ぶ)を用いて、当該APが収容している複数のSTAに対して制御情報を通知する。
【0016】
図1は、11axにおける下りMU伝送を指示する、High Efficiency MU PPDU(HE MU PPDU)(以下、単に「MU PPDU」と呼ぶ)のHE-SIG-B(以下、単に「SIG-B」と呼ぶ)の構成例を示す。
【0017】
図1に示すように、SIG-Bは、複数のユーザ(換言すると、STA)に共通の情報(以下、「共通情報」と呼ぶ)を含む「Common field」、及び、ユーザ毎の情報(以下、「ユーザ情報」又は「ユーザ個別情報」と呼ぶ)を含む「User Specific field」を含む。Common fieldでは、例えば、Resource Unit (RU) Allocation subfieldにおいて、各ユーザに割り当てられるRU及びユーザ多重数が通知される。また、User Specific fieldは、例えば、1つ以上のUser Block field(図示せず)によって構成される。各User Block fieldは、1又は2ユーザのUser fieldをBlock Check Character(BCC)で符号化したfieldである。また、User fieldの並び順は、例えば、Common fieldに含まれるRU Allocation subfieldにおいてRUが割り当てられたユーザの並び順に対応してよい。
【0018】
図2は、11axにおける上りMU伝送を指示するTrigger frameの構成例を示す。
【0019】
図2に示すように、Trigger frameは、SIG-Bと同様、共通情報を含む「Common Info field」、及び、ユーザ情報を含む「User Info field」を含む。例えば、SIG-Bでは、Common fieldに含まれるRU Allocation subfieldにおいて全てのSTAに対するRUの割り当て情報が通知されるのに対し、Trigger frameでは、User Info fieldに含まれるRU Allocation subfieldにおいてSTA毎のRUの割り当て情報が通知される。
【0020】
EHTにおいて、セルエッジ又はチャネル変動の大きい環境における通信品質の改善を目的として、パケットの再送制御(例えば、Hybrid Automatic Repeat Request(HARQ))の導入が議論されている(例えば、非特許文献2を参照)。HARQは、MACレイヤのでの再送制御と異なり、物理レイヤのパケット(物理データチャネル)を再送し、受信側で前回のパケットと合成することにより利得を向上させる技術である。
【0021】
EHTにおいてHARQでは、Chase Combine(CC)及びIncremental Redundancy(IR)の2つの再送方式が検討されている。CCは、誤ったパケットと同一のパケットを再送し、最大比合成により受信品質(例えば、Signal-to-Noise Ratio(SNR))を向上する方法である。また、IRは、送信側で循環的バッファ(circular buffer)に保存した符号化系列データの送信開始位置(例えば、「Redundancy version(RV)」と呼ぶ)に応じて送信回数毎に異なるパリティビットを含む符号化系列を送信し、受信側で合成(以下、HARQ合成と呼ぶこともある)することにより、符号化利得を向上する方法である。
【0022】
しかしながら、EHT等のWLANにおいて、MU伝送(例えば、MU-MIMO及びOFDMA)でのHARQ再送制御方法は十分に検討されていない。
【0023】
そこで、本開示の一実施例では、MU伝送においてHARQ再送制御の効率化を図る方法について説明する。
【0024】
[無線通信システムの構成]
本開示の一実施例に係る無線通信システムは、少なくとも1つのAP、及び、複数のSTAを含む。
【0025】
例えば、DL通信(例えば、DLデータの送受信)では、AP(「下り無線送信装置」とも呼ぶ)は、複数のSTA(「下り無線受信装置」とも呼ぶ)に対するDL信号を、下りMU送信する。各STAは、下りMU送信された信号から、当該STA向けのDL信号を受信する。
【0026】
また、例えば、UL通信(例えば、ULデータの送受信)では、複数のSTA(上り無線送信装置」とも呼ぶ)は、UL信号を上りMU送信する。AP(「上り無線受信装置」とも呼ぶ)は、複数のSTAから上りMU送信されるUL信号を受信する。
【0027】
(実施の形態1)
実施の形態1では、例えば、APからSTAへ通知される制御信号(換言すると、制御信号のフォーマット)に含まれるユーザ情報に、データ信号の再送制御に関する情報(例えば、HARQ情報又はHARQ制御信号と呼ぶ)が含まれる。
【0028】
換言すると、ユーザ情報が通知されるフィールドには、HARQ情報が通知されるsubfieldが含まれる。
【0029】
以下、一例として、11axにおけるMU伝送用の制御信号(例えば、DL伝送の場合はSIG-B、UL伝送の場合はTrigger frame)のフォーマットをベースにして、ユーザ情報にHARQ制御信号を含める場合について説明する。
【0030】
図3は、下りMU伝送用のSIG-Bにおいて、ユーザ情報(User Specific field)に、HARQ情報(HARQ Info subfield)を含めた例を示す。
【0031】
また、
図4は、上りMU伝送用のTrigger frameにおいて、ユーザ情報(User Info field)に、HARQ情報(HARQ Info subfield)を含めた例を示す。
【0032】
例えば、
図3及び
図4に示すように、各STAに対する再送の有無(換言すると、新規パケット及び再送パケットの何れか)に依らず、各ユーザ情報には、固定サイズのHARQ情報が追加されてよい。換言すると、
図3及び
図4では、802.11axと同様、ユーザ情報(例えば、User specific field)の構成(例えば、サイズ及びSub field種別等)は固定となる。
【0033】
なお、
図3及び
図4に示すユーザ情報の構成は、HARQ情報の有無に応じた可変長でもよい。この場合、APは、各ユーザ情報の構成(例えば、サイズ又はSub field種別)を示す制御情報をSTAへ通知する。
【0034】
また、STAは、HARQ情報の有無に応じた可変構成を有するユーザ情報をブラインド復号(換言すると、モニタ)してもよい。この場合、ユーザ情報の構成を示す制御情報の通知は不要となる。
【0035】
実施の形態1によれば、各STAは、当該STAに対応するユーザ情報に含まれるHARQ情報を用いて、再送制御(例えば、再送パケットの送受信)を適切に制御できる。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態1において、
図3及び
図4に示すように、HARQ情報を含むユーザ情報(User Specific field又はUser Info field)の構成が固定の場合、MU伝送におけるユーザ多重数に比例して、ユーザ情報のシグナリング量(換言すると、オーバーヘッド)が増加する。
【0037】
また、実施の形態1において、ユーザ情報の構成がHARQ情報の有無に応じて可変の場合、ユーザ情報の構成(例えば、サイズ)を示す制御情報がAPからSTAへ通知される分、シグナリング量が増加する。また、ユーザ情報の構成を示す制御情報を通知せずに、受信側であるSTAにおいてユーザ情報をブラインド復号する場合、STAにおける復号処理が複雑化する。
【0038】
そこで、本実施の形態では、HARQ情報のオーバーヘッドを低減し、システム効率を向上する再送制御方法について説明する。
【0039】
[DL通信に関する無線通信システムの構成例]
まず、DL通信に関する無線通信システムの構成例について説明する。DL通信に関する無線通信システムは、例えば、下り無線送信装置100(例えば、AP)と、下り無線受信装置200(例えば、STA)とを含む。
【0040】
下り無線送信装置100は、例えば、共通情報及びユーザ情報を含むPreambleの制御信号(例えば、SIG-B)、及び、制御信号に基づいて設定されるDLデータ信号を、下り無線受信装置200へ送信する。下り無線受信装置200は、下り無線送信装置100から送信された制御信号及びDLデータ信号を受信する。なお、Preambleは、例えば、MU伝送用の物理データチャネル(例えば、MU PPDU)に含まれてよい。
【0041】
図5は、本開示の一実施例に係る下り無線送信装置100の一部の構成例を示すブロック図である。
図5に示す下り無線送信装置100において、制御部は、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報(例えば、HARQ情報)を含む、複数のユーザに共通の共通情報(例えば、Common fieldの情報)と、再送制御に関する情報に応じた複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Specific fieldの情報)と、を生成する。無線送信部は、共通情報とユーザ個別情報とを含む制御信号(例えば、SIG-B)を送信する。
【0042】
図6は、本開示の一実施例に係る下り無線受信装置200の一部の構成例を示すブロック図である。
図6に示す下り無線受信装置200において、無線受信部は、複数のユーザに共通の共通情報(例えば、Common fieldの情報)と、複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Specific fieldの情報)と、を含む制御信号(例えば、SIG-B)を受信する。制御部は、共通情報において示される、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報(例えば、HARQ情報)と、再送制御に関する情報に応じたユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御する。
【0043】
<下り無線送信装置100の構成例>
図7は、下り無線送信装置100(例えば、AP)の構成例を示すブロック図である。
図7に示す下り無線送信装置100は、例えば、無線受信部101と、Preamble復調部102と、データ復調部103と、データ復号部104と、スケジューリング部105と、HARQ情報生成部106と、データ生成部107と、データ符号化部108と、データ変調部109と、Preamble生成部110と、無線送信部111とを含む。
【0044】
例えば、
図5に示す制御部は、
図7において制御信号の生成に関する処理部(例えば、スケジューリング部105、HARQ情報生成部106、又は、及び、Preamble生成部110等)に対応してよい。また、
図5に示す無線送信部は、例えば、
図7に示す無線送信部111に対応してよい。
【0045】
無線受信部101は、アンテナを介して下り無線受信装置200(例えば、STA)から送信された信号を受信し、受信信号にダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を行う。下り無線受信装置200から送信された信号には、例えば、Preamble部(Preamble信号とも呼ぶ)及びデータ部(データ信号とも呼ぶ)が含まれてよい。また、データ部には、例えば、DLデータに対する応答信号であるAcknowledgement(ACK)/Negative Acknowledgement(NACK)信号が含まれてよい。
【0046】
無線受信部101は、無線受信処理後の受信信号から、Preamble部を抽出し、Preamble復調部102へ出力する。また、無線受信部101は、無線受信処理後の受信信号から、データ部を抽出し、データ復調部103へに出力する。
【0047】
Preamble復調部102は、無線受信部101から入力されるPreamble部に対してフーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))等の復調処理を行い、Preamble部に含まれるデータの復調及び復号に用いる制御情報を抽出する。制御情報には、例えば、無線割当リソース情報、又は、変調符号化方式(Modulation and Coding Scheme(MCS)等が含まれてよい。Preamble復調部102は、抽出した制御情報をデータ復調部103及びデータ復号部104に出力する。また、Preamble復調部102は、例えば、Preambleを用いてチャネル推定を行う場合、チャネル推定結果をデータ復調部103に出力してよい。
【0048】
データ復調部103は、無線受信部101から入力されるデータ部に対してFFT等の処理を行い、Preamble復調部102から入力される制御情報及びチャネル推定結果を用いて、データ部を復調し、復調後のデータ信号をデータ復号部104へ出力する。
【0049】
データ復号部104は、Preamble復調部102から入力される制御情報を用いて、データ復調部103から入力されるデータ信号を復号し、下り無線受信装置200毎のACK/NACK信号(例えば、ACK及びNACKの何れかを示す信号)を取得する。データ復号部104は、ACK/NACK信号をスケジューリング部105へ出力する。
【0050】
スケジューリング部105は、例えば、データ復号部104から入力される、下り無線受信装置200毎のACK/NACK信号に基づいて、各下り無線受信装置200に対するHARQ種別(以下、HARQ Typeとも呼ぶ)を決定する。HARQ種別は、例えば、下り無線受信装置200に対する次回送信において、新規パケット及び再送パケットの何れを送信するかを示す。換言すると、HARQ種別は、データ信号の送信が新規送信であるか、再送であるかを示す。また、HARQ種別は、再送パケットの送信の際のHARQの合成方法(例えば、CC又はIR)を示してよい。
【0051】
また、スケジューリング部105は、例えば、DLデータを多重送信する送信端末数(換言すると、ユーザ多重数、又は、下り無線受信装置200の数)、DLデータのPHY Service Data Unit(PSDU)長、符号化方法、周波数帯域幅、MCS、又は、各下り無線受信装置200に対するリソース(例えば、RU)の割り当て等のSIG-Bに含める制御情報を決定する。スケジューリング部105は、スケジューリング結果を示すスケジューリング情報を、HARQ情報生成部106、データ生成部107、データ符号化部108、データ変調部109、及び、Preamble生成部110へ出力する。
【0052】
HARQ情報生成部106は、スケジューリング部105から入力されるスケジューリング情報のうち、例えば、下り無線受信装置200毎のパケットのHARQ種別、RU割当情報、又は、再送回数に基づいて、HARQ情報を生成する。HARQ情報には、例えば、New Data Indicator(NDI)及びRVの少なくとも一つが含まれてよい。HARQ情報生成部106は、生成したHARQ情報をデータ符号化部108及びPreamble生成部110へ出力する。
【0053】
なお、HARQ情報にHARQ合成方法(CC及びIRの何れか)が含まれる場合、HARQ合成方法の設定は、例えば、下り無線受信装置200の能力を示す情報(以下、能力情報と呼ぶ)に基づいて決定されてよい。下り無線受信装置200の能力情報は、例えば、下り無線受信装置200が初期接続時に下り無線送信装置100(例えば、AP)へ送信してよい。また、能力情報には、例えば、当該下り無線受信装置200がサポートするHARQの合成方法(例えば、CC及びIRの双方をサポート、又は、CCをサポートし、IRをサポートしない等)を示す情報が含まれてよい。
【0054】
データ生成部107は、スケジューリング部105から入力されるスケジューリング情報(例えば、パケット長等を示す情報)に基づいて、該当する下り無線受信装置200宛てのデータ系列(換言すると、DLデータ)を生成し、生成したデータ系列をデータ符号化部108へ出力する。
【0055】
データ符号化部108は、スケジューリング部105から入力されるスケジューリング情報(例えば、符号化方法又はMCS)を用いて、データ生成部107から入力されるデータ系列を符号化し、符号化データを保持する。例えば、IRを用いる場合、データ符号化部108は、保持した符号化データから、例えば、HARQ情報生成部106から入力されるHARQ情報(例えば、RV)に対応する符号化データを抽出し、抽出した符号化データをデータ変調部109へ出力する。また、例えば、CCを用いる場合、データ符号化部108は、保持した符号化データから、HARQ情報生成部106から入力されるHARQ情報(例えば、設定された値のRV(例えば、RV=0))に対応する符号化データを抽出し、抽出した符号化データをデータ変調部109へ出力する。
【0056】
データ変調部109は、例えば、スケジューリング部105から入力されるスケジューリング情報(例えば、MCS)を用いて、データ符号化部108から入力される符号化データを変調し、変調後の信号を無線送信部111へ出力する。符号化データの変調には、例えば、Quadrature Amplitude Modulation(QAM)等の変調方式が使用されてよい。また、例えば、データ変調部109は、スケジューリング情報(例えば、RU割当情報)に基づいて、変調後の信号を無線リソースに割り当て、逆フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform(IFFT)処理を行い、OFDM信号を生成し、無線送信部111へ出力してよい。
【0057】
Preamble生成部110は、スケジューリング部105から入力されるスケジューリング情報(例えば、送信端末数、又は、送信帯域情報等)、及び、HARQ情報生成部106から入力されるHARQ情報に基づいて、Preamble信号を生成し、無線送信部111へ出力する。Preamble信号は、例えば、RU割当情報を含む制御情報、及び、参照情報等により構成されてよい。
【0058】
無線送信部111は、データ変調部109から入力されるデータ部(例えば、OFDM信号)と、Preamble生成部110から入力されるPreamble部とを時間多重する。無線送信部111は、時間多重した信号に対して、D/A変換、キャリア周波数にアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介して下り無線受信装置200へ送信する。
【0059】
<下り無線受信装置200の構成例>
図8は、下り無線受信装置200(例えば、STA)の構成例を示すブロック図である。
図8に示す下り無線受信装置200は、例えば、無線受信部201と、Preamble検出部202と、Preamble復調部203と、HARQ情報復号部204と、データ復調部205と、データ保持部206と、HARQ合成部207と、データ復号部208と、誤り判定部209と、ACK/NACK信号生成部210と、ACK/NACK信号変調部211と、Preamble生成部212と、無線送信部213とを含む。
【0060】
例えば、
図6に示す無線受信部は、
図8に示す無線受信部201に対応してよい。また、
図6に示す制御部は、
図8において制御信号(例えば、SIG-B)の受信に関する処理部(例えば、Preamble検出部202、Preamble復調部203、又は、HARQ情報復号部204等)に対応してよい。
【0061】
無線受信部201は、アンテナを介して受信した信号をダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号をPreamble検出部202へ出力する。
【0062】
Preamble検出部202は、無線受信部201から入力される受信信号に対して、例えば、相関検出又は電力検出等を行い、Preamble信号を検出(換言すると、受信判定)する。例えば、Preamble検出部202は、Preamble信号を検出した場合、受信信号に含まれるPreamble部をPreamble復調部203へ出力し、受信信号に含まれるデータ部をデータ復調部205へ出力する。一方、Preamble検出部202は、Preamble信号を検出しない場合、以降の受信処理を中止してよい。
【0063】
Preamble復調部203は、Preamble検出部202から入力される受信信号のPreamble部に対してFFT等の復調処理を行い、復調後のPreamble信号をHARQ情報復号部204へ出力する。
【0064】
HARQ情報復号部204は、Preamble復調部203から入力されるPreamble信号を用いて、HARQ情報を復号する。なお、HARQ情報の復号処理は、例えば、設定されたPreambleのフォーマットに従って行われてよい。HARQ情報復号部204は、復号したHARQ情報を、データ復調部205、HARQ合成部207、及び、データ復号部208へ出力する。
【0065】
データ復調部205は、Preamble検出部202から入力されるデータ信号(例えば、データ部)に対してFFT処理を行い、HARQ情報復号部204から入力されるHARQ情報(例えば、RU割り当て情報等)を用いて、下り無線受信装置200宛てのデータ(DLデータ)を抽出する。また、データ復調部205は、抽出したデータに対して、チャネル等化、復調(例えば、QAM復調)を行い、復調後のデータ信号をデータ保持部206へ出力する。
【0066】
データ保持部206は、データ復調部205から入力されるデータ信号をバッファに保存するとともに、HARQ合成部207へ出力する。データ保持部206は、誤り判定部209において復号後のデータに誤り無しと判定された場合、保存されたデータ信号をバッファから削除する。また、データ保持部206は、誤り判定部209において復号後のデータに誤り有りと判定された場合、当該データの再送回数が規定された回数(換言すると、最大再送回数)を超えるまで、当該データを保持する。
【0067】
HARQ合成部207は、HARQ情報復号部204から入力されるHARQ情報(例えば、HARQ Type、RV又はNDI)に基づいて、データ保持部206から入力される受信データに対してHARQ合成を行うか否かを判断する。例えば、受信データが新規パケットの場合、HARQ合成部207は、HARQ合成を行わずに、受信データをそのままデータ復号部208へ出力する。また、例えば、受信データが再送パケットの場合、HARQ合成部207は、バッファから再送前の保存データを探索して取り出し、例えば、通知されたRVに従って、保存データと受信データとのHARQ合成を行い、合成後のデータをデータ復号部208へ出力する。
【0068】
データ復号部208は、HARQ情報復号部204から入力されるHARQ情報(例えば、符号化方法又はMCS等)を用いてHARQ合成部207から入力されるデータを復号し、復号後のデータを誤り判定部209へ出力する。
【0069】
誤り判定部209は、データ復号部208から入力されるデータ(換言すると、データ復号結果)に対して、Cyclic Redundancy Check(CRC)等を用いて誤り検出を行う。誤り判定部209は、誤り無しの場合、誤り無しを示す情報をデータ保持部206へ出力し、ACK要求を示す情報をACK/NACK信号生成部210へ出力する。また、誤り判定部209は、誤り有りの場合、誤り有りを示す情報をデータ保持部206へ出力し、NACK要求を示す情報をACK/NACK信号生成部210へ出力する。
【0070】
ACK/NACK信号生成部210は、誤り判定部209から入力される情報(例えば、ACK要求又はNACK要求)に基づいて、ACK/NACK信号(ACK又はNACKの何れかを示す信号)を生成し、ACK/NACK信号変調部211へ出力する。なお、ACK/NACK信号生成部210は、NACKを生成する場合、ACK/NACK信号に、再送パケットの送信を要求する信号(例えば、HARQ再送信号)を含めてもよい。
【0071】
ACK/NACK信号変調部211は、ACK/NACK信号生成部210から入力されるACK/NACK信号に対してIFFT処理又は変調(例えば、QAM変調)等の処理を行い、変調後の信号(例えば、データ信号と呼ぶ)を無線送信部213へ出力する。
【0072】
Preamble生成部212は、ACK/NACK信号を含むパケットに用いるPreamble信号を生成し、無線送信部213へ出力する。
【0073】
無線送信部213は、Preamble生成部212から入力されるPreamble信号(又は、Preamble部と呼ぶ)と、ACK/NACK信号変調部211から入力されるデータ信号(又は、データ部と呼ぶ)とを時間多重する。無線送信部213は、時間多重された信号に対して、D/A変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介して下り無線送信装置100へ送信する。
【0074】
[UL通信に関する無線通信システムの構成例]
次に、UL通信に関する無線通信システムの構成例について説明する。UL無線通信に関する無線通信システムは、例えば、上り無線送信装置300(例えば、STA)と、上り無線受信装置400(例えば、AP)とを含む。
【0075】
上り無線送信装置300は、例えば、上り無線受信装置400が送信した、共通情報及びユーザ情報を含むPreambleの制御信号(例えば、Trigger frame)に基づいて、ULデータ信号を上り無線受信装置400へ送信する。上り無線受信装置400は、上り無線送信装置300から送信されたULデータ信号を受信する。なお、ULデータは、例えば、マルチユーザ伝送用の物理チャネル(例えば、Trigger-based(TB)PPDU)に含まれてよい。
【0076】
図9は、本開示の一実施例に係る上り無線送信装置300の一部の構成例を示すブロック図である。
図9に示す上り無線送信装置300において、無線受信部は、複数のユーザに共通の共通情報(例えば、Common Info fieldの情報)と、複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Info fieldの情報)と、を含む制御信号(例えば、Trigger frame)を受信する。制御部は、共通情報において示される、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報(例えば、HARQ情報)と、再送制御に関する情報に応じたユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御する。
【0077】
図10は、本開示の一実施例に係る上り無線受信装置400の一部の構成例を示すブロック図である。
図10に示す上り無線受信装置400において、制御部は、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報(例えば、HARQ情報)を含む、複数のユーザに共通の共通情報(例えば、Common Info fieldの情報)と、再送制御に関する情報に応じた複数のユーザに個別のユーザ個別情報(例えば、User Info fieldの情報)と、を生成する。無線送信部は、共通情報とユーザ個別情報とを含む制御信号(例えば、Trigger frame)を送信する。
【0078】
<上り無線送信装置300の構成例>
図11は、上り無線送信装置300(例えば、STA)の構成例を示すブロック図である。
図11に示す上り無線送信装置300は、例えば、無線受信部301と、Preamble検出部302と、Preamble復調部303と、データ復調部304と、データ復号部305と、HARQ情報保持部306と、データ生成部307と、データ符号化部308と、データ変調部309と、Preamble生成部310と、無線送信部311とを含む。
【0079】
例えば、
図9に示す無線受信部は、例えば、
図11に示す無線受信部301に対応してよい。また、
図9に示す制御部は、例えば、
図11においてデータ信号の再送制御に関する処理部(例えば、HARQ情報保持部306、データ生成部307、データ符号化部308、データ変調部309、及び、Preamble生成部310等)に対応してよい。
【0080】
無線受信部301は、アンテナを介して上り無線受信装置400(例えば、AP)から送信された信号を受信し、受信信号にダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号をPreamble検出部302へ出力する。
【0081】
Preamble検出部302は、無線受信部301から入力される受信信号に対して、例えば、相関検出又は電力検出等を行い、Preamble信号を検出(換言すると、受信判定)する。例えば、Preamble検出部302は、Preamble信号を検出した場合、受信信号に含まれるPreamble部をPreamble復調部303へ出力し、受信信号に含まれるデータ部(例えば、Trigger frameを含む)をデータ復調部304へ出力する。一方、Preamble検出部302は、Preamble信号を検出しない場合、以降の受信処理を中止してよい。
【0082】
Preamble復調部303は、Preamble検出部302から入力される受信信号のPreamble部に対してFFT等の復調処理を行い、復調後のPreamble信号をデータ復調部304及びデータ復号部305へ出力する。また、Preamble復調部303は、例えば、Preamble信号を用いてチャネル推定を行う場合、チャネル推定結果をデータ復調部304へ出力してよい。
【0083】
データ復調部304は、Preamble復調部303から出力されるPreamble信号に含まれる制御情報及びチャネル推定結果を用いて、Preamble検出部302から入力されるデータ信号(例えば、データ部)を復調して、例えば、Trigger frameを含む受信データを抽出し、データ復号部305へ出力する。
【0084】
データ復号部305は、Preamble復調部303から入力されるPreamble信号に含まれる制御情報を用いて、データ復調部304から入力される受信データを復号して、復号後の信号を、HARQ情報保持部306へ出力する。
【0085】
HARQ情報保持部306は、データ復号部305から入力される信号に含まれるTrigger frameにおける共通情報及びユーザ情報に含まれる、ULデータの送信に関する制御情報をデータ生成部307、データ符号化部308、データ変調部309及びPreamble生成部310へ出力する。なお、ULデータの送信に関する制御情報は、例えば、11axの上りマルチユーザ伝送フォーマットであるHE TB PDCU(以下、TB PPDUと呼ぶ)送信に関する情報でもよい。
【0086】
また、HARQ情報保持部306は、Trigger frameに含まれる制御情報をバッファに保存する。例えば、HARQ情報保持部306は、Trigger frameに含まれるHARQ情報を用いてHARQ再送を指示された場合、バッファに保存している前回送信時の制御情報を、データ生成部307、データ符号化部308、データ変調部309及びPreamble生成部310へ出力してよい。
【0087】
データ生成部307は、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、パケット長等を示す情報)に基づいて、データ系列(換言すると、ULデータ)を生成し、生成したデータ系列をデータ符号化部308へ出力する。
【0088】
データ符号化部308は、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、符号化方法又はMCS等)を用いて、データ生成部307から入力されるデータ系列を符号化し、符号化データを保持する。例えば、IRを用いる場合、データ符号化部308は、保持した符号化データから、例えば、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、RV)に対応する符号化データを抽出し、抽出した符号化データをデータ変調部309へ出力する。また、例えば、CCを用いる場合、データ符号化部308は、保持した符号化データから、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、設定された値のRV(例えばRV=0))に対応する符号化データを抽出し、抽出した符号化データをデータ変調部309へ出力する。
【0089】
データ変調部309は、例えば、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、MCS)を用いて、データ符号化部308から入力される符号化データを変調し、変調後の信号を無線送信部311へ出力する。また、例えば、データ変調部309は、HARQ情報保持部306から入力される制御情報(例えば、RU割当情報)に基づいて、変調後の信号を無線リソースに割り当て、IFFT処理を行い、OFDM信号を生成し、無線送信部311へ出力してよい。
【0090】
Preamble生成部310は、HARQ情報保持部306から入力される制御情報に基づいて、Preamble信号を生成し、無線送信部311へ出力する。
【0091】
無線送信部311は、データ変調部309から入力される信号(例えば、データ部)と、Preamble生成部310から入力されるPreamble信号(例えば、Preamble部)とを時間多重する。無線送信部311は、時間多重された信号に対して、D/A変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介して上り無線受信装置400へ送信する。
【0092】
<上り無線受信装置400の構成例>
図12は、上り無線受信装置400(例えば、AP)の構成例を示すブロック図である。
図12に示す上り無線受信装置400は、例えば、無線受信部401と、Preamble復調部402と、受信有無検出部403と、データ復調部404と、データ保持部405と、HARQ合成部406と、データ復号部407と、誤り判定部408と、スケジューリング部409と、HARQ情報生成部410と、HARQ情報保持部411と、データ生成部412と、データ符号化部413と、データ変調部414と、Preamble生成部415と、無線送信部416とを含む。
【0093】
例えば、
図10に示す制御部は、
図12において制御信号(例えば、Trigger frame)の生成に関する処理部(例えば、スケジューリング部409、HARQ情報生成部410、HARQ情報保持部411、データ生成部412、データ符号化部413、又は、データ変調部414等)に対応してよい。また、
図10に示す無線送信部は、
図12に示す無線送信部416に対応してよい。
【0094】
無線受信部401は、アンテナを介して上り無線送信装置300から送信された信号を受信し、受信信号にダウンコンバート、A/D変換等の無線受信処理を行い、無線受信処理後の信号を、Preamble復調部402及びデータ復調部404へ出力する。
【0095】
Preamble復調部402は、無線受信部401から入力される受信信号のPreamble部に対してFFT等の復調処理を行い、Preamble部に含まれるデータの復調及び復号に用いる制御情報を抽出する。Preamble復調部402は、抽出した制御情報をデータ復調部404、データ復号部407、及び、受信有無検出部403へ出力する。また、Preamble復調部402は、例えば、Preambleを用いてチャネル推定を行う場合、チャネル推定結果をデータ復調部404へ出力してよい。
【0096】
受信有無検出部403は、例えば、上り無線受信装置400が制御信号(例えば、Trigger frame)を送信してから一定時間の間に、無線受信部401において受信された信号がどの上り無線送信装置300から送信された信号であるかを判別する。換言すると、受信有無検出部403は、制御信号を上り無線送信装置300へ送信してから一定時間の間に当該上り無線送信装置300から送信された信号の受信の有無を検出する。例えば、受信有無検出部403は、Preamble復調部402から入力される制御情報に含まれる識別情報(例えば、端末ID)に基づいて、Trigger frameの送信先である各上り無線送信装置300から送信されたTB PPDU信号の受信の有無を判別し、判別結果をスケジューリング部409へ出力する。
【0097】
データ復調部404は、Preamble復調部402から入力される制御情報及びチャネル推定結果を用いて、無線受信部401から入力される受信信号から、各上り無線送信装置300のデータ信号(例えば、ULデータ)を抽出し、データ保持部405へ出力する。
【0098】
データ保持部405は、データ復調部404から入力されるデータ信号をバッファに保存するとともに、HARQ合成部406へ出力する。データ保持部405は、誤り判定部408において復号後のデータに誤り無しと判定された場合、保存されたデータ信号をバッファから削除する。また、データ保持部405は、誤り判定部408において復号後のデータに誤り有りと判定された場合、当該データの再送回数が規定された回数(換言すると、最大再送回数)を超えるまで、当該データを保持する。
【0099】
HARQ合成部406は、HARQ情報保持部411から入力されるHARQ情報(例えば、HARQ Type、RV又はNDI)に基づいて、データ保持部405から入力される受信データに対してHARQ合成を行か否かを判断する。例えば、受信データが新規パケットの場合、HARQ合成部406は、HARQ合成を行わずに、受信データをそのままデータ復号部407へ出力する。また、例えば、受信データが再送パケットの場合、HARQ合成部406は、バッファから前回送信時の保存データを探索して取り出し、例えば、HARQ情報(例えば、HARQ Type)によって指示される合成方法(例えば、CC又はIR)に基づいて、保存データと再送データとのHARQ合成を行う。HARQ合成部406は、合成後のデータをデータ復号部407へ出力する。
【0100】
データ復号部407は、Preamble復調部402から入力される制御情報を用いて、HARQ合成部406から入力されるデータを復号し、復号後のデータを誤り判定部408へ出力する。
【0101】
誤り判定部408は、データ復号部407から入力されるデータ(換言すると、データ復号結果)に対して、CRC等を用いて誤り検出を行う。誤り判定部408は、誤り無しの場合、誤り無しを示す情報をデータ保持部405へ出力し、誤り有りの場合、誤り有りを示す情報をデータ保持部405へ出力する。また、誤り判定部408は、誤り判定結果をスケジューリング部409へ出力する。
【0102】
スケジューリング部409は、誤り判定部408から入力される受信データの誤り判定結果、及び、受信有無検出部403から入力される、各上り無線送信装置300からの送信信号の有無に関する情報に基づいて、各上り無線送信装置300に対する次回のMU伝送におけるHARQ種別(例えば、新規パケット送信であるか、再送パケット送信であるかを示す情報)を決定する。
【0103】
また、スケジューリング部409は、例えば、ULデータを多重送信する送信端末数(換言すると、ユーザ多重数、又は、上り無線送信装置300の数)、ULデータのPSDU長、符号化方法、周波数帯域幅、MCS、又は、RU割り当て等のTrigger frameに含める制御情報を決定する。スケジューリング部409は、決定した制御情報(又は、スケジューリング情報と呼ぶ)を、HARQ情報生成部410、データ生成部412、データ符号化部413、データ変調部414、及び、Preamble生成部415へ出力する。
【0104】
HARQ情報生成部410は、スケジューリング部409から入力されるスケジューリング情報のうち、例えば、上り無線送信装置300毎のパケットのHARQ種別、RU割当情報、又は、再送回数に基づいて、HARQ情報を生成する。HARQ情報には、例えば、NDI及びRVの少なくとも一つが含まれてよい。HARQ情報生成部410は、生成したHARQ情報をデータ生成部412及びHARQ情報保持部411へ出力する。
【0105】
なお、HARQ情報にHARQ合成方法(CC及びIRの何れか)が含まれる場合、HARQ合成方法の設定は、例えば、上り無線送信装置300の能力情報に基づいて決定されてよい。上り無線送信装置300の能力情報は、例えば、上り無線送信装置300が初期接続時に上り無線受信装置400(例えば、AP)へ送信してよい。また、能力情報には、例えば、当該上り無線送信装置300がサポートするHARQの合成方法(例えば、CC及びIRの双方をサポート、又は、CCをサポートし、IRをサポートしない等)を示す情報が含まれてよい。
【0106】
HARQ情報保持部411は、HARQ情報生成部410から入力されるHARQ情報をバッファに保存する。HARQ情報保持部411は、例えば、Trigger frameに含まれるHARQ情報を用いてHARQ再送が指示される場合、バッファに保存している制御情報をHARQ合成部406へ出力する。
【0107】
データ生成部412は、HARQ情報生成部410から入力されるHARQ情報又はスケジューリング部409から入力されるスケジューリング情報を用いて、データ系列(例えば、Trigger frameを含む)を生成し、データ符号化部413へ出力する。
【0108】
データ符号化部413は、スケジューリング部409から入力されるスケジューリング情報(例えば、符号化方法又はMCS)に基づいて、データ生成部412から入力されるデータ系列を符号化し、符号化データをデータ変調部414へ出力する。
【0109】
データ変調部414は、スケジューリング部409から入力されるスケジューリング情報(例えば、MCS)を用いて、データ符号化部413から入力される符号化データを変調し、変調後の信号を無線送信部416へ出力する。また、例えば、データ変調部414は、スケジューリング情報(例えば、周波数帯域幅又はRU割当情報)に基づいて、変調後の信号を無線リソースに割り当て、IFFT処理を行い、OFDM信号を生成し、無線送信部416へ出力してよい。
【0110】
Preamble生成部415は、スケジューリング部409から入力されるスケジューリング情報に基づいてPreamble信号を生成し、無線送信部416へ出力する。
【0111】
無線送信部416は、データ変調部414から入力されるデータ部(例えば、Trigger frameを含む)と、Preamble生成部415から入力されるPreamble部とを合成する。無線送信部416は、合成後の信号に対して、D/A変換、キャリア周波数へのアップコンバート等の無線送信処理を行い、無線送信処理後の信号をアンテナを介して上り無線送信装置300へ送信する。
【0112】
[AP及びSTAの動作例]
次に、本実施の形態のAP(例えば、下り無線送信装置100又は上り無線受信装置400)及びSTA(例えば、下り無線受信装置200又は上り無線送信装置300)の動作例について説明する。
【0113】
MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B又はTrigger frame)は、例えば、各ユーザ(換言するとSTA)に共通の情報である共通情報と、ユーザ(STA)毎の情報であるユーザ情報とを含む。
【0114】
本実施の形態では、例えば、MU伝送を指示する制御情報において、少なくとも共通情報は、データ信号の再送制御に関する情報であるHARQ情報を含む。共通情報に含まれるHARQ情報は、例えば、送信パケットの種別(例えば、複数のユーザそれぞれについてデータ信号の送信が新規送信であるか、再送であるか)を示すHARQ Typeである。なお、HARQ Typeには、再送制御の種別又はHARQ合成方法を示す情報(例えば、CC及びIRの何れか)が含まれてよい。
【0115】
図13は、DL通信に関する無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
図13では、一例として、AP(下り無線送信装置100)及び2つのSTA1及びSTA2(下り無線受信装置200)におけるMU伝送の動作例について説明する。なお、MU伝送において多重されるユーザ数(換言すると、STA数)は2個に限らず、3個以上でもよい。
【0116】
図13において、APは、STA1及びSTA2に対して、DL信号(例えば、Preamble部及びData部を含む)をDL MU送信(例えば、MU-MIMO送信又はOFDMA送信)する(ST101)。
図13では、STA1及びSTA2に対して送信される送信パケット(例えば、データ部)の種別(例えば、HARQ Type)は、新規パケットである。また、Preamble部のDL MU送信を指示する制御信号(例えば、SIG-B)において、HARQ Typeは、共通情報(例えば、Common field)に含まれる。このように、APは、DL MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B)に基づいて、DL信号の送信を制御する。
【0117】
STA1及びSTA2は、DL信号の受信処理を行う(ST102-1及びST102-2)。例えば、STA1及びSTA2は、DL信号に含まれるDL MU送信を指示する制御信号において、共通情報に含まれるHARQ情報(例えば、HARQ Type)に基づいて、各STAに対応するユーザ情報において指示されるパケットが新規パケットであるか再送パケットであるか(換言すると、HARQ Type)を判別する。STA1及びSTA2は、判別したHARQ Typeに対応する構成(換言すると、フォーマット)のユーザ情報に含まれるパラメータに基づいて、DLデータの受信処理(例えば、復調、復号及び誤り検出処理等)を行う。このように、各STAは、DL MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B)に基づいて、DL信号の受信を制御する。
【0118】
なお、
図13では、誤り検出の結果、STA1においてDLデータに誤りが無く(換言すると、復号成功)、STA2においてDLデータに誤りが有る(換言すると、復号失敗)。
【0119】
STA1は、DLデータの誤りが無いので、ACKを含むACK/NACK信号をAPへ送信する(ST103-1)。また、STA2は、DLデータの誤りが有るので、NACKを含むACK/NACK信号をAPへ送信する(ST103-2)。また、STA2は、復号前のDLデータ(パケットデータ)をバッファに保存する。
【0120】
なお、各STAは、例えば、パケット衝突又はチャネル状態の劣化等によってDL信号(DL MU信号)のPreamble部を正しく復号できない場合、APに対して信号を未送信としてよい。
【0121】
APは、各STAから送信されるACK/NACK信号を受信する(ST104)。
【0122】
APは、例えば、ACKを送信したSTA1に対する新規パケット、及び、NACKを送信したSTA2に対する再送パケットを含むDL信号をDL MU送信する(ST105)。例えば、APは、前回送信時(例えば、ST101)と同様のフォーマットのHARQ情報を用いてDL信号を送信してよい。
【0123】
STA1及びSTA2は、前回送信時(例えば、ST101)と同様に、DL信号の受信処理を行う(ST106、ST107-1及びST107-2)。例えば、STA1及びSTA2は、DL信号に含まれるDL MU送信を指示する制御信号において、共通情報に含まれるHARQ情報(例えば、HARQ Type)に基づいて、各STAに対応するユーザ情報において指示されるパケットが新規パケットであるか再送パケットであるか(換言すると、HARQ Type)を判別する。
【0124】
図13では、STA1は、共通情報において新規パケットの送信が指示されているので、新規送信に対応する構成のユーザ情報に含まれるパラメータに基づいて、DLデータの受信処理を行う(ST107-1)。
【0125】
一方、
図13では、STA2は、共通情報において再送パケットの送信が指示されているので、受信した再送パケットと、保存しているパケットとをHARQ合成する(ST106)。そして、STA2は、再送に対応する構成のユーザ情報に含まれるパラメータに基づいて、合成したDLデータの受信処理を行う(ST107-2)。
【0126】
次に、
図14は、UL通信に関する無線通信システムの動作例を示すシーケンス図である。
図14では、一例として、AP(上り無線受信装置400)及び2つのSTA1及びSTA2(上り無線送信装置300)におけるMU伝送の動作例について説明する。なお、MU伝送において多重されるユーザ数(換言すると、STA数)は2個に限らず、3個以上でもよい。
【0127】
図14において、APは、STA1及びSTA2に対して、UL信号のUL MU送信を指示するトリガ信号(例えば、Trigger frame)を送信する(ST201)。
図14では、STA1及びSTA2に対して指示される送信パケットの種別(例えば、HARQ Type)は、新規パケットである。また、UL MU送信を指示するトリガ信号(例えば、Trigger frame)において、HARQ Typeは、共通情報(例えば、Common Info field)に含まれる。
【0128】
STA1及びSTA2は、トリガ信号の受信処理(復号処理等)を行う(ST202-1及びST202-2)。ここでは、STA1は、トリガ信号を正常に復号する(換言すると、復号成功)。一方、STA2は、例えば、パケットの衝突又はトリガ信号の復号失敗等により、トリガ信号を正常に復号できない(換言すると、復号失敗)。
【0129】
STA1は、トリガ信号を正常に復号したので、トリガ信号の共通情報に含まれるHARQ情報(例えば、HARQ Type)に基づいて、STA1に対応するユーザ情報において送信指示されるパケットが新規パケットであるか再送パケットであるか(換言すると、HARQ type)を判別する。STA1は、判別したHARQ type(ここでは、新規パケット)に対応する構成のユーザ情報に含まれるパラメータに基づいてUL信号を生成し、APへ送信する(ST203)。
【0130】
一方、STA2は、トリガ信号を正常に復号できなかったので、APへのUL信号を未送信とする。
【0131】
なお、APに対してSTAからの応答が無いケースには、例えば、STAにおいてトリガ信号の受信に成功したがキャリアセンスにおいてbusyのために応答を送信できないケース、STAにおいてUplink OFDMA based random access(UORA)のTriggerを受信したが、pendingデータが無いか、又は、Contention Window(CW)カウンタがゼロにならないため応答しないケース、又は、トリガ信号の受信に成功しUL応答を送信したが、APがUL応答のPreambleの受信に失敗したケース等がある。
【0132】
APは、トリガ信号の送信後から一定時間において各STAから送信されたUL信号を受信したか否かを検出する(ST204)。この検出により、APは、各STAがトリガ信号を正しく受信し、UL信号を送信したか否かを判別する。
図14では、APは、STA1についてUL信号が有ると判断する一方、STA2についてUL信号が無いと判断する。
【0133】
また、APは、トリガ信号を用いて指示したHARQ情報に基づいて、各STA(
図14ではSTA1)から送信されたUL信号の受信処理(例えば、復調、復号及び誤り検出処理等)を行う(ST205)。
図14では、APにおいて、STA1から送信されたUL信号に誤りが有る(換言すると、復号失敗)。APは、復号前のSTA1から送信されたUL信号(換言すると、パケットデータ)をバッファに保存する。
【0134】
APは、例えば、UL信号の誤り検出結果に基づいて、新規パケット又は再送パケットのスケジューリングを行う。
図14では、例えば、APは、UL信号の復号に失敗したSTA1に対する再送パケットの送信、及び、UL信号が未受信のSTA2に対する新規パケットの送信を指示するトリガ信号(例えば、HARQ Typeを含む)を生成し、STA1及びSTS2へ送信する(ST206)。
【0135】
STA1及びSTA2は、トリガ信号の受信処理(復号処理等)を行う(ST207-1及びST207-2)。ここでは、STA1及びSTA2は、トリガ信号を正常に復号する(換言すると、復号成功)。
【0136】
STA1は、トリガ信号を正常に復号したので、トリガ信号の共通情報に含まれるHARQ情報に基づいて、再送パケットの送信指示であることを判別する。STA1は、ユーザ情報に含まれるHARQ情報、及び、前回バッファに保存した送信信号に基づいて、再送パケットを決定し、APへ送信する(ST208)。STA2は、トリガ信号を正常に復号したので、トリガ信号の共通情報に含まれるHARQ情報に基づいて、新規パケットの送信指示であることを判別する。STA2は、新規パケットを決定し、APへ送信する(ST208)。
【0137】
これにより、ST208において、STA1及びSTA2からのUL信号がUL MU送信(例えば、MU-MIMO送信又はOFDMA送信)される。このように、各STAは、UL MU伝送を指示する制御信号(例えば、Trigger frame)に基づいて、UL信号の送信を制御する。
【0138】
APは、ST204の処理と同様、各STAがトリガ信号を正しく受信し、UL信号を送信したか否かを判別する(ST209)。
図14では、APは、STA1及びSTA2についてUL信号が有ると判断する。
【0139】
APは、STA1から送信された再送パケットと、バッファに保存しているSTA1から前回送信されたパケットとをHARQ合成する(ST210)。そして、APは、STA1の合成パケット、及び、STA2の新規パケットに対して受信処理(例えば、復調、復号及び誤り検出処理等)を行う(ST211)。
【0140】
このように、APは、UL MU伝送を指示する制御信号(例えば、Trigger frame)に基づいて、UL信号の受信を制御する。
【0141】
なお、
図14では、APがトリガ信号(例えば、Trigger frame)を用いて再送指示を行う場合について説明した。しかし、APは、STAから送信されたパケットを受信した直後にimmediate ACK又はBlock ACKをSTAへ送信してよい。この場合、immediate ACK及びBlock ACKに加えて、NACKが定義されてよい。また、APは、immediate ACK及びBlock ACKと、Trigger frameとを同一のパケットにおいて送信することにより、再送指示を行ってもよい。
【0142】
また、APがUL MU伝送においてUL信号を受信した場合、複数のSTAに対して、「Multi-STA BlockAck」を送信する場合、再送の際にNACK情報を含む「Multi-STA BlockAck/Nack」として送信してもよい。Multi-STA BlockAck/Nackの定義として、例えば、1つのframeにおけるACK/NACK信号に対応するフォーマットでもよく、Multi-STA BlockAckとMulti-STA BlockNackとを連結したAggregate MAC Protocol Data Unit(A-MPDU)でもよく、各STA宛のACK又はNACKをOFDMA又はMU-MIMOで多重してもよい。
【0143】
また、APがSTAにBlockAckを送信する場合、BlockAckをSTAが受信した時点で、STAは、初回送信のPreambleがAPに送信された(到達した)ことを認識できる。このため、STAは、BlockAckのビットマップ(例えば、BlockAck bitmap)が全て0の場合にNACKと定義してもよい。
【0144】
また、STAの処理能力によっては、APからのトリガ信号に対応するHARQ再送の準備が間に合わない可能性がある。このため、STAは、トリガ信号を受信した後に直ちに再送可能か否かをassociation時等に、能力情報(例えば、capability)によってAPに通知してもよい。STAが直ちに再送できない場合、APは、当該STAに対して、再送を指示するTrigger frameではRU割当せずに、当該Trigger frame以降のTrigger frameにおいてHARQ再送用のRU割当を行ってもよい。ただし、STAは、この場合、NACK又はBlockNackをAPへ通知してもよい。
【0145】
また、UL MU伝送の指示は、Trigger frameに限らず、例えば、Triggered response scheduling (TRS) Control subfieldを含むframeで行われてよい。
【0146】
[HARQ情報の生成方法]
次に、AP(例えば、下り無線送信装置100又は上り無線受信装置400)からSTA(例えば、下り無線受信装置200又は上り無線送信装置300)へ通知されるHARQ情報の生成方法の一例について説明する。
【0147】
以下、共通情報及びユーザ情報を含むマルチユーザ伝送用の制御信号(例えば、MU PPDUに含まれるSIG-B又はTrigger frame)における、HARQ情報の生成方法(例えば、サイズ又はフィールド種別の決定など)に関する方法1~方法4についてそれぞれ説明する。
【0148】
<方法1>
方法1では、共通情報に含まれるHARQ情報(例えば、HARQ Type)は、ユーザ(換言すると、STA)毎の値を含む。
【0149】
図15は、方法1におけるDL MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B)のフォーマットの一例を示す。
【0150】
図15に示すように、共通情報(例えば、Common field)には、各STA(
図15では一例としてSTA1及びSTA2)に対して設定されたHARQ Type(例えば、HARQ Type subfield)が含まれる。例えば、
図15では、STA1に対するHARQ TypeはIRによる再送(以下、IR再送と呼ぶ)であり、STA2に対するHARQ Typeは新規送信である。
【0151】
なお、共通情報に含まれるHARQ Typeの数は、例えば、DL MU送信において送信可能なユーザ数(例えば、最大送信可能ユーザ数)でもよい。また、例えば、共通情報に送信ユーザ数のHARQ Typeが含まれる場合、APは、SIG-A(又はHE-SIG-A)においてDL MU送信における送信ユーザ数を通知してもよい。
【0152】
また、例えば、EHT向けに、SIG-A及びSIG-Bとは異なる、HARQ情報を通知する新たなフィールド(例えば、SIG-HARQフィールドと呼ぶ)が追加されてよい。この場合、STAは、SIG-BのRU AllocationによってDL MU送信における送信ユーザ数を把握できる。このため、APは、SIG-HARQには送信ユーザ数分のHARQ Typeを設定すればよい。
【0153】
次に、
図16は、方法1におけるUL MU伝送を指示する制御信号(例えば、Trigger frame)のフォーマットの一例を示す。
【0154】
図16に示すように、共通情報(例えば、Common Info field)には、各STA(
図16では、一例としてSTA1)に対して設定されたHARQ Type(例えば、HARQ Type subfield)が含まれる。例えば、
図16では、STA1に対するHARQ TypeはIR再送である。
【0155】
また、
図15及び
図16において、ユーザ情報のフォーマット(例えば、ユーザ情報に含まれるパラメータの数又は種別)は、共通情報に含まれるHARQ情報に応じて設定される。STAは、例えば、共通情報に含まれるHARQ情報に基づいて、ユーザ情報のフォーマット(換言すると、構成)を決定する。
【0156】
図17Aは、ユーザ情報に含まれるHARQ情報の設定例を示す。
【0157】
例えば、HARQ TypeがIR再送の場合、各送信回数(換言すると、再送回数)に応じたRVがAPからSTAへ通知される。よって、
図17Aに示すように、HARQ TypeがIR再送の場合、ユーザ情報にはRVが含まれる。換言すると、HARQ TypeがIR再送の場合、ユーザ情報のフィールド(User Specific field又はUser Info field)には、RVを通知するsubfieldが追加される。
【0158】
一方、例えば、HARQ Typeが新規送信の場合又はCCによる再送(以下、CC再送と呼ぶ)の場合、RVには、例えば、固定値(例えば、仕様において定義された値。例えば、RV=0)が設定されてよい。よって、
図17Aに示すように、HARQ Typeが新規送信又はCC再送の場合、RVの通知(換言すると、追加subfield)は不要である。換言すると、HARQ TypeがCC再送の場合、ユーザ情報のフィールド(User Specific field又はUser Info field)には、RVを通知するsubfieldが追加されない。
【0159】
なお、HARQ Typeは、
図17Aに示すように新規送信、CC再送及びIR再送の3種類に限定されない。例えば、
図17Bに示すように、HARQ Typeは、新規送信及び再送の2種類でもよい。
図17Bでは、例えば、再送の場合、CC及びIRに依らず、RVの通知に用いるsubfieldが追加される。例えば、CCの場合にはパケットの送信回数に依らず、RV=0が指示され、IRの場合にはパケットの送信回数に応じたRVの値が指示されることにより、HARQ合成方法が区別されてよい。
【0160】
このように、ユーザ毎に設定されるHARQ Typeに応じて、ユーザ情報のフォーマット(構成)が異なる。
【0161】
例えば、
図15では、共通情報において、STA1に設定されたHARQ TypeがIR再送を示し、STA2に設定されたHARQ Typeが新規送信を示す。この場合、APは、STA1に対するユーザ情報(User Specific field)に、HARQ情報(例えば、RV)を設定し、STA2に対するユーザ情報に、HARQ情報(例えば、RV)を設定しない。同様に、例えば、
図16では、共通情報において、STA1に設定されるHARQ TypeがIR再送を示す。この場合、APは、STA1に対するユーザ情報(User Info field)に、HARQ情報(例えば、RV)を設定する。なお、
図16において、共通情報においてSTAに設定されるHARQ Typeが新規送信を示す場合(又は、
図17AではCC再送の場合)、APは、当該STAに対するユーザ情報にHARQ情報を設定しない(図示せず)。
【0162】
なお、各STAは、例えば、共通情報に含まれる複数のSTAの各々のHARQ Typeに基づいて、複数のSTAの各々に設定されるユーザ情報のフォーマット(例えば、サイズ又はRV情報の有無)を特定できる。よって、各STAは、上述したようにユーザ情報のフォーマットが可変に設定される場合でも、当該STAに対するユーザ情報の格納場所を特定できる。
【0163】
以上より、方法1では、ユーザ情報のフォーマット構成(換言すると、HARQ情報の有無)は、共通情報においてSTA毎に設定されるHARQ Typeに応じて決定される。これにより、各STAに対するユーザ情報のフォーマットは、STA毎のHARQ Typeに応じて可変に設定される。これにより、例えば、HARQ情報(例えば、RV)を用いるSTA(換言すると、IR再送が指示されたSTA)は、ユーザ情報に含まれるHARQ情報を用いて再送制御(例えば、再送パケットの受信及び合成、又は、再送パケットの送信)を行うことができる。
【0164】
一方、例えば、HARQ情報を用いないSTA(換言すると、新規送信又はCC再送が指示されたSTA)には、ユーザ情報においてHARQ情報は通知されない。よって、方法1によれば、例えば、
図3及び
図4に示すようにHARQ情報が固定的に設定される場合と比較してシグナリング量を低減できる。
【0165】
ここで、一般的にパケット誤り率の目標値は10%程度で運用されることがある。このため、新規パケットと比較して、再送パケットの発生率は低い。よって、このパケット誤り率の運用では、
図3及び
図4に示すようにHARQ情報が固定的に設定される場合と比較して、方法1のように新規パケットの送信を指示する場合にユーザ情報にRVが含まれないことによる、シグナリング量の低減の効果は大きい。
【0166】
なお、
図15及び
図16に示す例では、共通情報に含まれるユーザ毎のHARQ情報のfieldが、ユーザ(例えば、STA)毎に分けて設定される場合を示しているが、これに限定されない。例えば、ユーザ毎のHARQ情報(例えばHARQ Type)は、共通情報における1つのフィールドに格納されてよい。例えば、共通情報におけるHARQ情報の1つのフィールドにおいて、各ユーザのHARQ Typeがビットマップ形式で表されてよい。
【0167】
<方法2>
方法2では、共通情報に含まれるHARQ情報(例えば、HARQ Type)は、複数のユーザ(換言すると、STA)に共通の値を含む。
【0168】
方法2において、共通情報に含まれるHARQ Typeは、例えば、MU伝送の対象である複数のユーザに共通である。よって、共通情報では、HARQ情報に共通のフォーマットが用いられるので、共通情報に含まれるHARQ Typeのシグナリング量を低減できる。
【0169】
例えば、APは、共通情報に設定されるHARQ Typeに基づいて、MU伝送の対象であるユーザ向けの送信パケットをスケジューリングする。
【0170】
図18A及び
図18Bは、方法2におけるDL MU伝送を指示する制御情報(例えば、SIG-B)のフォーマットの一例を示す。
【0171】
また、
図19A及び
図19Bは、方法2におけるUL MU伝送を指示する制御情報(例えば、Trigger frame)のフォーマットの一例を示す。
【0172】
図18A、
図18B、
図19A及び
図19Bに示すように、共通情報(例えば、Common field又はCommon Info field)には、複数のSTAに共通のHARQ Typeが含まれる。例えば、
図18A、
図18B、
図19A及び
図19Bでは、共通情報には、ユーザ数(例えば、STA数)に依らず、1つのHARQ情報のfieldが設けられている。また、例えば、
図18A及び
図19Aでは、HARQ TypeはIR再送であり、
図18B及び
図19Bでは、HARQ Typeは新規送信である。
【0173】
また、
図18A、
図18B、
図19A及び
図19Bにおいて、ユーザ情報のフォーマット(例えば、ユーザ情報に含まれるパラメータの数又は種別)は、共通情報に含まれるHARQ情報に応じて設定される。STAは、例えば、共通情報に含まれるHARQ情報に基づいて、ユーザ情報のフォーマット(換言すると、構成)を決定する。例えば、方法2では、方法1と同様、
図17A又は
図17Bに示すHARQ Typeと追加subfieldとの関係に基づいて、ユーザ情報のフォーマットが設定されてよい。
【0174】
例えば、
図18A、
図18B、
図19A及び
図19Bに示すように、共通情報に設定されるHARQ Typeに応じて、ユーザ情報のフォーマット(構成)が異なる。なお、方法2では、共通情報に含まれるHARQ Typeは複数のSTAに共通であるので、ユーザ情報のフォーマットも複数のSTA間において同一になる。
【0175】
例えば、
図18A及び
図19Aに示すように、共通情報に設定されたHARQ TypeがIR再送を示す場合、APは、各STAに対するユーザ情報(User Specific field又はUser Info field)に、HARQ情報(例えば、RV)を設定する。一方、
図18B及び
図19Bに示すように、共通情報に設定されたHARQ Typeが新規送信を示す場合、APは、各STAに対するユーザ情報(User Specific field又はUser Info field)に、HARQ情報(例えば、RV)を設定しない。なお、CC再送の場合についても、方法1と同様に、ユーザ情報のフォーマットが決定されてよい。
【0176】
なお、各STAは、例えば、共通情報に含まれる複数のSTAに共通のHARQ Typeに基づいて、各STAに共通に設定されるユーザ情報のフォーマット(例えば、サイズ又はRV情報の有無)を特定できる。よって、各STAは、上述したようにユーザ情報のフォーマットが可変に設定される場合でも、当該STAに対するユーザ情報の格納場所を特定できる。
【0177】
また、例えば、APは、MU伝送の対象である複数のSTAのHARQ Type(例えば、初回送信又は再送)が異なる場合でも、共通情報には各STAに共通のHARQ Typeを設定してよい。例えば、共通情報に含まれるHARQ Typeは、各STAのHARQ Typeの優先順位に従って決定されてよい。APは、例えば、複数のSTA間において優先順位がより高いHARQ Typeを共通情報に設定すればよい。
【0178】
HARQ Typeの優先順位は、例えば、ユーザ情報に追加するHARQ情報(例えば、RV及びNDI等)が多い順に設定されてよい。例えば、
図17Aの場合、HARQ Typeの優先順位は、「IR」>「CC及び新規送信」でもよい。また、例えば、
図17Bの場合、HARQ Typeの優先順位は、再送>新規送信でもよい。
【0179】
また、
図17A及び
図17Bに示す例に限らず、例えば、
図20に示す例の場合、HARQ Typeの優先順位は、IR>CC>新規送信でもよい。
【0180】
図20の場合、共通情報に設定されるHARQ TypeがIRの場合、ユーザ情報にはRV及びNDIが含まれる。例えば、STAは、当該STAに対応するユーザ情報に含まれるRV及びNDIを参照して、当該STAに対して実際に設定されたHARQ Typeを判別してよい。
【0181】
例えば、APは、CC再送を指示するSTAに対して、共通情報においてHARQ Type=IRを通知し、ユーザ情報において、NDI=1かつRV=0を通知してよい。この場合、STAは、共通情報に設定されるHARQ TypeがIR再送であるものの、当該STAに設定されるHARQ TypeがCC再送であることを特定できる。
【0182】
また、例えば、APは、IR再送を指示するSTAに対して、共通情報においてHARQ Type=IRを通知し、ユーザ情報において、NDI=1かつ再送回数に応じた値のRVを通知してよい。この場合、STAは、共通情報に設定されるHARQ TypeがIR再送であり、当該STAに設定されるHARQ TypeもIR再送であることを特定できる。
【0183】
また、例えば、APは、新規送信を指示するSTAに対して、共通情報においてHARQ Type=IRを通知し、ユーザ情報において、NDI=0かつRV=0を通知してよい。この場合、STAは、共通情報に設定されるHARQ TypeがIR再送であるものの、当該STAに設定されるHARQ Typeが新規送信であることを特定できる。
【0184】
ここで、
図18Aに示す構成では、例えば、
図3の場合と比較して、共通情報のシグナリング量が増加(例えば、1-2bits)する。また、
図18Bに示す構成では、例えば、
図3の場合と比較して、共通情報のシグナリング量が増加(例えば、1-2bits)するものの、ユーザ情報においてHARQ情報(例えば、RV)が含まれない分、シグナリング量が減少(例えば、2bits程度×ユーザ多重数)する。
【0185】
一般的にパケット誤り率の目標値は10%程度で運用されることがある。この運用では、MU伝送用の制御信号のフォーマットのうち、HARQ Typeが新規送信の場合のフォーマット(例えば、
図18B)の発生確率は90%程度となり、HARQ Typeが再送(例えば、IR)の場合のフォーマット(例えば、
図18A)の発生確率は残りの10%程度となる。
【0186】
よって、方法2によれば、共通情報にHARQ情報が含まれることに対して、ユーザ情報に含まれるHARQ情報のシグナリング量の低減効果が大きく、システム全体のオーバーヘッドを低下できる。
【0187】
なお、
図19A及び
図19Bに示すTrigger frameの例では、共通情報にHARQ情報のfieldを設定する場合を示しているが、これに限定されない。
【0188】
ここで、Trigger frameの共通情報には、例えば、
図21に示すように、Trigger Type subfieldとTrigger Dependent Common Info subfieldが設定されている。Trigger Type subfieldは、Trigger frameの種類(例えば、APがSTAに送信させる信号種別)を指示する。Trigger Dependent Common Info subfieldには、Trigger typeに応じた端末共通情報を含めることができる。
【0189】
よって、例えば、APは、共通情報のTrigger Dependent Common Info subfield、及び、ユーザ個別情報のTrigger Dependent User Info subfieldにHARQ情報を含めてもよい。この際、HARQ情報を含めることが可能なTrigger typeが設定されてよい。例えば、APは、Trigger typeがBasic(通常の上りデータチャネル(例えば、Scheduled access channel及びRandom access channel)による応答を指示するTrigger種別)の場合にHARQ情報を含めてもよい。例えば、APは、Trigger typeがBasicの場合に、共通情報のTrigger Dependent Common Info subfieldにHARQ typeを含め、ユーザ個別情報のTrigger Dependent User Info subfieldにRV情報を含めてもよい。
【0190】
また、HARQ情報を含めることが可能な新たなTrigger typeが追加されてよい(例えば、“HARQ”triggerとする)。例えば、APは、Trigger typeがHARQ(再送パケットを含む上りデータチャネルによる応答を指示するTrigger種別)の場合にHARQ情報を含めてもよい。例えば、APは、Trigger typeがHARQの場合に、共通情報のTrigger Dependent Common Info subfieldにHARQ typeを含め、ユーザ個別情報のTrigger Dependent User Info subfieldにRV情報を含めてもよい。
【0191】
または、APは、Trigger typeがBasic又はHARQの場合に共通情報及びユーザ個別情報にHARQ情報を含めてもよい。
【0192】
<方法3>
方法3では、HARQ Typeが再送の場合、APは、新規パケットの送信を指示する制御信号に含まれるユーザ情報によって送信済みであり、新規送信時と再送時とで値が変化しない情報を削除する。
【0193】
また、STAは、再送を指示する制御信号を受信した場合、前回送信時までにバッファに保存していた前回パケットに付随したユーザ情報に基づいて、HARQ情報を取得する。
【0194】
方法3によれば、APは、STAに対して既に通知した信号を再送時にも通知しなくてよいので、再送を指示するシグナリングを削減できる。
【0195】
ユーザ情報において再送時に削除可能な情報は、HARQ Type(例えば、CC及びIR)及びMU伝送を指示する制御信号の種類(例えば、DL MU伝送の場合にはSIG-B、UL MU伝送の場合にはTrigger frame)によって異なる。
【0196】
図22~
図25は、HARQ Type及びMU伝送を指示する制御信号の種類に応じて削除可能な情報の一例を示す。
【0197】
<SIG-BにおいてCC再送の場合>
図22は、HARQ TypeがCCの場合のSIG-Bにおけるユーザ情報(例えば、User Specific field)の一例を示す。
【0198】
図22に示すように、HARQ TypeがCCの場合、APは、少なくとも、MCS subfield、Coding subfield、及び、Reserved sub-fieldの何れかを削除してよい。STAは、再送時に削除された情報に関して、前回送信時に保存した情報を適用する。なお、
図22では、CCの場合、例えば、ユーザ情報においてHARQ情報としてNDI情報が追加されている。
【0199】
<Trigger frameにおいてCC再送の場合>
図23は、HARQ TypeがCCの場合のTrigger frameにおけるユーザ情報(例えば、User Info field)の一例を示す。
【0200】
図23に示すように、HARQ Type がCCの場合、APは、少なくとも、UL forward error correction (FEC) Coding Type subfield、UL MCS subfield、UL dual subcarrier modulation (DCM) subfield、Reserved subfieldの何れかを削除してよい。STAは、再送時に削除された情報に関して、前回送信時に保存した情報を適用する。なお、
図23では、CCの場合、例えば、ユーザ情報においてHARQ情報としてNDI情報が追加されている。
【0201】
<SIG-BにおいてIR再送の場合>
図24は、HARQ TypeがIRの場合のSIG-Bにおけるユーザ情報(例えば、User Specific field)の一例を示す。
【0202】
図24に示すように、HARQ TypeがIRの場合、APは、少なくとも、Coding subfield、及び、Reserved subfieldの何れかを削除してよい。STAは、再送時に削除された情報に関して、前回送信時に保存した情報を適用する。なお、
図24では、IRの場合、例えば、ユーザ情報においてHARQ情報としてNDI、及び、RV情報が追加されている。
【0203】
<Trigger frameにおいてIR再送の場合>
図25は、HARQ TypeがIRの場合のTrigger frameにおけるユーザ情報(例えば、User Info field)の一例を示す。
【0204】
図25に示すように、HARQ Type がIRの場合、APは、少なくとも、UL FEC Coding Type subfield、UL DCM subfield、及び、Reserved sub-fieldの何れかを削除してよい。STAは、再送時に削除された情報に関して、前回送信時に保存した情報を適用する。なお、
図25では、IRの場合、例えば、ユーザ情報においてHARQ情報としてNDI、及び、RV情報が追加されている。
【0205】
以上、HARQ Type及びマルチユーザ伝送を指示する制御信号の種類に応じて削除可能な情報の一例について説明した。
【0206】
なお、STAは、例えば、制御信号に含まれる共通情報のHARQ Typeに基づいて、ユーザ情報の構成(例えば、サイズ)を把握できる。
【0207】
図22~
図25に示すように、APは、HARQ情報が新規送信を示す場合にユーザ情報に設定したパラメータのうち少なくとも一つを、HARQ情報が再送を示す場合にユーザ情報に設定しない。換言すると、ユーザ情報に含まれる複数のパラメータのうち、再送制御に関するパラメータ(例えば、RV又はNDI)と異なる他のパラメータの数は、HARQ Typeが再送を示す場合の方が、HARQ Typeが新規送信を示す場合よりも少なくなる。よって、方法3によれば、HARQ Typeに基づいて、再送時にはシグナリングのオーバーヘッドを低減できる。
【0208】
なお、
図22~
図25では、方法1に基づくフォーマット構成について説明したが、方法2に基づくフォーマット構成についても同様に適用できる。
【0209】
<方法4>
方法1~方法3では、ユーザ情報にHARQ情報のsubfieldを新たに追加する場合について説明した。方法4では、ユーザ情報のHARQ情報と異なるパラメータ(例えば、11axにおいて定義されているパラメータ)のsubfieldの内容を、HARQ情報に読み替える場合について説明する。
【0210】
図26は、DL MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B)において、再送(CC又はIR)を指示する場合の一例を示す。
【0211】
図26に示すように、STAに対してCC再送が指示される場合、SIG-Bのユーザ情報のうち、Reserved subfieldは、NDIのsubfieldに読み替えられる。
【0212】
また、
図26に示すように、STAに対してIR再送が指示される場合、SIG-Bのユーザ情報のうち、Reserved subfieldは、NDIのsubfieldに読み替えられ、Coding subfieldは、RVのsubfieldに読み替えられる。
【0213】
図27は、UL MU伝送を指示する制御信号(例えば、Trigger frame)において、再送(例えば、IR)を指示する場合の一例を示す。
【0214】
図27に示すように、STAに対して再送が指示される場合、Trigger frameのユーザ情報のうち、UL FEC Coding Type subfieldは、NDIのsubfieldに読み替えら、UL DCM subfieldは、RVのsubfieldに読み替えられる。
【0215】
APは、例えば、共通情報において設定するHARQ Typeが新規送信であるか再送であるかに基づいて、ユーザ情報の一部のsubfieldに含める情報を切り替える。また、STAは、例えば、共通情報において設定されたHARQ Typeが新規送信であるか再送であるかに基づいて、ユーザ情報の一部のsubfieldにおいて通知される情報を特定する。
【0216】
例えば、
図26に示すSIG-Bのユーザ情報において、新規送信の指示の場合、APは、ユーザ情報のCoding subfieldにおいて符号化方法を設定し、Reserved subfieldには何も設定しない。また、STAは、新規送信の指示の場合、Coding subfieldにおいて符号化方法を取得する。
【0217】
一方、
図26に示すSIG-Bのユーザ情報において、IR再送指示の場合、APは、ユーザ情報のReserved subfieldにおいてNDIを設定し、Coding subfieldにおいてRVを設定する。また、STAは、IR再送の指示の場合、ユーザ情報のReserved subfieldにおいてNDIを取得し、Coding subfieldにおいてRVを取得する。
【0218】
図26に示すCC再送時又は
図27に示すUL MU伝送時についても同様である。
【0219】
図26及び
図27に示すように、方法4では、APは、HARQ情報が、再送を示す場合と、新規送信を示す場合とで、ユーザ情報に異なる種別のパラメータを設定する。換言すると、HARQ Typeが再送であることを示す場合と、HARQ Typeが新規送信であることを示す場合とでは、ユーザ情報の同一フィールド(例えば、特定のsubfield)に含まれるパラメータの種別が異なる。
【0220】
このように、共通情報のHARQ Typeに基づいて、ユーザ情報内のフィールドを読み替えることにより、例えば、
図3又は
図4のようにHARQ情報のためのsubfieldを追加せずに、HARQ情報をAPからSTAへ通知できるので、ユーザ情報のシグナリングを低減できる。
【0221】
なお、方法4において、HARQ情報に読み替えられるパラメータ(換言するとsubfield)は、
図26及び
図27に示す例に限らない。例えば、
図26に示すIR再送の場合において、Reserved subfieldがRV subfieldに読み替えられ、Coding subfieldがNDI subfieldに読み替えられてよい。また、HARQ情報のsubfieldに読み替えられるsubfieldは、Reserved、Coding、UL FEC Coding Type及びUL DCMのsubfieldに限らず、他のsubfieldでもよい。
【0222】
以上、方法1~方法4について説明した。
【0223】
以上のように、本実施の形態によれば、MU伝送を指示する制御信号に含まれる共通情報は、再送制御に関するパラメータ(例えば、HARQ Type等のHARQ情報)を含む。また、本実施の形態によれば、STAは、共通情報に含まれるHARQに基づいて、MU送信を指示する制御信号に含まれるユーザ情報の構成を決定する。
【0224】
これにより、MU伝送におけるHARQの制御内容(例えば、HARQ Type)に応じて、MU伝送を指示する制御信号に含まれるパラメータを可変に設定できる。例えば、APは、MU伝送において、新規送信を指示されるSTAに対するユーザ情報にはHARQ情報を含めずに、再送を指示されるSTAに対するユーザ情報にはHARQ情報を含めることができる。この制御により、ユーザ情報のシグナリング量を低減できる。よって、本実施の形態によれば、MU伝送においてHARQ再送制御の効率化を図ることができる。
【0225】
(実施の形態3)
[下り無線送信装置の構成例]
図28は、本実施の形態に係る下り無線送信装置500(例えば、AP)の構成例を示すブロック図である。なお、
図28において、実施の形態2(
図7)と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。具体的には、下り無線送信装置500は、実施の形態2に係る下り無線送信装置100に対して、RU割当設定部501が追加される点、及び、スケジューリング部502及びHARQ情報生成部503の動作が異なる。
【0226】
図28において、RU割当設定部501は、例えば、システム帯域における各STA(換言すると、ユーザ)に対するRUの割当情報パターンを設定する。
【0227】
「RU割当情報パターン」は、例えば、MU伝送を指示する制御信号に含まれる「RU割当情報」(例えば、RU Allocation等のビット系列)と、システム帯域内のRUの割当パターンを示す「RU割当パターン」との対応関係を示す。RU割当情報パターンは、例えば、仕様書等によって予め規定されてよい。RU割当情報パターンの一例については後述する。
【0228】
また、RU割当パターンには、割り当てられるRU(換言すると、割当リソース)に加えて、HARQ Type(換言すると、新規送信又は再送の何れか)の情報が含まれてよい。換言すると、共通情報において通知されるHARQ情報(例えば、HARQ Type)は、共通情報に含まれるリソース割当情報(例えば、RU Allocation)に含まれる。
【0229】
また、RU割当パターンには、MU-MIMOの適用の有無(例えば、Single User-MIMO(SU-MIMO)及びMU-MIMOの何れか)の情報が含まれてよい。
【0230】
RU割当設定部501は、設定したRU割当情報パターンを示す情報をスケジューリング部502及びHARQ情報生成部503へ出力する。
【0231】
スケジューリング部502は、RU割当設定部501から入力されるRU割当情報パターンに基づいて、各STA(例えば、後述する下り無線受信装置600)へ通知可能なRU割当パターンに応じたスケジューリングを行う。スケジューリング部502は、決定したスケジューリング情報をHARQ情報生成部503、データ生成部107、データ符号化部108、データ変調部109、及び、Preamble生成部110へ出力する。
【0232】
HARQ情報生成部503は、RU割当設定部501から入力されるRU割当情報パターンに基づいて、スケジューリング部502から入力されるスケジューリング情報を、共通情報に含めるRU割当情報(ビット系列。例えば、RU Allocation)に変換し、データ符号化部108及びPreamble生成部110へ出力する。
【0233】
[下り無線受信装置の構成例]
図29は、本実施の形態に係る下り無線受信装置600(例えば、STA)の構成例を示すブロック図である。なお、
図29において、実施の形態2(
図8)と同一構成には同一符号を付し、その説明を省略する。具体的には、下り無線受信装置600は、実施の形態2に係る下り無線受信装置200に対して、RU割当設定部601が追加される点、及び、HARQ情報復号部602の動作が異なる。
【0234】
図29において、RU割当設定部601は、
図28に示す下り無線送信装置500のRU割当設定部501と同様の処理を行う。RU割当設定部601は、システム帯域における下り無線受信装置600のRU割当情報パターン(例えば、MU伝送を指示する制御信号に含まれるRU割当情報(ビット系列)とRU割当パターンとの対応関係)を示す情報をHARQ情報復号部602へ出力する。
【0235】
HARQ情報復号部602は、Preamble復調部203から入力されるPreamble信号に対して、設定されたPreambleフォーマットに従い、HARQ情報を復号する。また、HARQ情報復号部602は、RU割当設定部601から入力されるRU割当情報パターンに従って、RU割当情報(ビット系列)に基づいて、RU割当リソース、及び、HARQ Typeを復号(換言すると、特定)する。なお、RU割当情報パターンに基づいて得られるHARQ情報には、例えば、MU-MIMOの適用の有無を示す情報が含まれてもよい。HARQ情報復号部602は、復号したHARQ情報をデータ復調部205、HARQ合成部207及びデータ復号部208へ出力する。
【0236】
[AP及びSTAの動作例]
次に、本実施の形態のAP(例えば、下り無線送信装置500)及びSTA(例えば、下り無線受信装置600)の動作例について説明する。
【0237】
MU伝送を指示する制御信号(例えば、SIG-B)は、例えば、共通情報とユーザ情報とを含む。本実施の形態では、例えば、共通情報に含まれる各STAのRU割当情報(例えば、RU Allocation)にHARQ情報が含まれる。RU割当情報に含まれるHARQ情報は、例えば、HARQ Typeを示す情報である。なお、HARQ Typeには、HARQ再送制御の種別(CC、IR等)が含まれてよい。
【0238】
共通情報に含まれるRU割当情報の生成に関する方法1~3についてそれぞれ説明する。
【0239】
以下では、例えば、11axのSIG-Bを例に説明する。ここで、SIG-Bの共通情報(例えば、Common field)に含まれるRU割当情報(RU Allocation sub-field)は8bitsで構成される。また、11axでは、RU Allocationの8bitsのビット系列のうち、一部のビット系列(例えば、76パターン)は、RU割当パターンが未設定であるReserved patternである。
【0240】
そこで、本実施の形態では、例えば、これらのReserved patternにHARQ Typeを含むRU割当パターンを対応付ける。これにより、HARQ情報のシグナリングのオーバーヘッドを増加することなく、HARQ情報をAPからSTAへ通知できる。
【0241】
<方法1>
図30は、方法1におけるRU割当情報パターンの一例を示す。
【0242】
図30に示すように、RU割当情報(RU Allocation)に対応付けられたRU割当パターンのうち一部のパターン(
図30では、Reserved pattern等)に、HARQ Type(例えば、HARQ再送の有無)が含まれる。
【0243】
例えば、
図30では、RU Allocationのビット系列が11100001の場合、5ユーザ(例えば、ユーザ1からユーザ5とする)が周波数多重される。例えば、ユーザ1には、RU#1~RU#2(52 tone)の新規パケット(換言すると、HARQ再送無し)が割り当てられ、ユーザ2にはRU#3~RU#4(52 tone)の新規パケットが割り当てられ(換言すると、HARQ再送無し)、ユーザ3にはRU#5(26 tone)の新規パケット(換言すると、HARQ再送無し)が割り当てられ、ユーザ4にはRU#6~RU#7(52 tone)の新規パケット(換言すると、HARQ再送無し)が割り当てられ、ユーザ5にはRU#8~RU#9(52 tone)の再送パケット(換言すると、HARQ再送有り)が割り当てられる。
【0244】
また、
図30に示すRU Allocationの他のビット系列についても同様に、RU割当パターンに加え、HARQ Typeが含まれる。
【0245】
方法1によれば、HARQ情報のシグナリングのオーバーヘッドを増加させることなく、APは、共通情報においてHARQ情報(例えば、HARQ Type(新規送信又は再送の指示))をSTAへ通知できる。
【0246】
<方法2>
図31は、方法2におけるRU割当情報パターンの一例を示す。
【0247】
図31に示すように、RU割当情報(RU Allocation)に対応付けられたRU割当パターンのうち一部のパターン(例えば、Reserved pattern等)に、HARQ Type(例えば、HARQ再送の有無)が含まれる。
【0248】
また、
図31では、MU-MIMOが適用されるRUには、再送パケットが割り当てられない。換言すると、
図31では、方法2では、RU割当情報は、MU多重(例えば、MU-MIMO)に使用されるRUとは異なるRU(例えば、SU多重に使用されるリソース)に、再送パケット(換言すると、データ信号の再送機会)が割り当てられることを示す。
【0249】
例えば、11axでは、106 tone以上のRU(例えば、4個以上のRU)に対してMU-MIMOが適用される。また、11axでは、RU割当パターンには、MU多重数(換言すると、STA数)が含まれる。例えば、
図31では、RU Allocationのビット系列が00010001~00010111(一部図示せず)の場合、RU#6~RU#9(106 tone)の周波数リソースに2ユーザ~8ユーザ多重のMU-MIMOの新規パケットが割り当てられる。
【0250】
また、
図31では、例えば、RU Allocationのビット系列が、00010000の場合、RU#6~RU#9(106 tone)の周波数リソースにSU-MIMOが適用され、新規パケットが割り当てられる。また、
図31では、例えば、RU Allocationのビット系列が、11100001(Reserved pattern)の場合、RU#6~RU#9(106 tone)の周波数リソースにSU-MIMOが適用され、再送パケットが割り当てられる。
【0251】
ここで、MU多重されるパケットは、MU多重されていないパケット(例えば、SU多重されるパケットを含む)よりも干渉が大きく、性能劣化する可能性が高い。よって、方法2のように、MU-MIMOが適用可能な106-tone以上のRU(換言すると、MU多重可能なRU)に対して再送パケットを割り当てないこと(換言すると、再送パケットに対してMU-MIMOを適用しないこと)による、性能劣化の影響は小さい。換言すると、MU多重されない場合と比較して、MU-MIMOが適用されるパケットは性能劣化する可能性が高いので、仮に、HARQ再送が適用されたとしても再送によって性能は向上しにくい。一方、MU多重されないパケットに対してHARQ再送が適用されることで、再送によって性能が向上しやすい。
【0252】
よって、方法2によれば、MU-MIMOが適用されるパケットに対してHARQ再送のパターンが割り当てられないので、HARQ情報を含むRU割当パターンのシグナリングを低減できる。
【0253】
なお、
図31では、4個のRUに対してMU-MIMOが適用される際のtone数を106 toneとしたが、これは、MU-MIMOが適用される場合、4個のRUのそれぞれを構成する26 toneとは異なる未使用の2 toneも併せて使用されるためである。なお、MU-MIMOが適用される際に使用されるtone数は106 toneに限定されず、異なる値でもよい。
【0254】
また、方法2では、MU-MIMOが適用されるRUに対して再送パケットが割り当てられない場合について説明したが、これに限定されず、例えば、MU-MIMOが適用されるRUに対して再送パケットが割り当てられてもよい。
【0255】
<方法3>
図32は、方法3におけるRU割当情報パターンの一例を示す。
【0256】
図32に示すように、RU割当情報(RU Allocation)に対応付けられたRU割当パターンのうち一部のパターン(例えば、Reserved pattern等)に、HARQ Type(例えば、HARQ再送の有無)が含まれる。
【0257】
また、
図32では、システム帯域中心のRU(Center 26-tone RUとも呼ばれる)には、再送パケットが割り当てられない、換言すると、
図32では、RU割当情報は、システム帯域の中心を含むRU(例えば、Center 26-tone RU)とは異なるRUに、再送パケット(換言すると、データ信号の再送機会)が割り当てられることを示す。
【0258】
例えば、
図32では、RU Allocationに対応付けられたRU割当パターンにおいて、Center 26-tone RUであるRU#5には、新規パケットが割り当てられ、再送パケットが割り当てられない。また、
図32では、RU#5と異なる他のRU(例えば、RU#1~#4及びRU#6~#9)には、新規パケット及び再送パケットの何れかが割り当てられる。
【0259】
ここで、Center 26-tone RUに割り当てられるパケットは、受信機のDCオフセットによる干渉の影響を受けるため、他のRUに割り当てられるパケットと比較して性能が劣化する可能性が高い。よって、方法3のように、Center 26-tone RUに対して再送パケットを割り当てないことによる、性能劣化の影響は小さい。換言すると、Center 26-tone RUと異なるRUと比較して、Center 26-tone RUに割り当てられるパケットは性能劣化する可能性が高いので、仮に、HARQ再送が適用されたとしても再送によって性能は向上しにくい。一方、Center 26-tone RUと異なるRUに割り当てられるパケットに対してHARQ再送が適用されることで、再送によって性能が向上しやすい。
【0260】
よって、方法3によれば、Center 26-tone RUに割り当てられるパケットに対してHARQ再送のパターンが割り当てられないので、HARQ情報を含むRU割当パターンのシグナリングを削減できる。例えば、
図32では、RU#5は再送パケットの割当の対象ではないので、HARQ情報のシグナリングは、RU割当パターンのシグナリング(例えば、8bits)と比較して、1bit低減できる。
【0261】
なお、再送パケットが割り当てられないRUは、Center 26-tone RUに限定されない。例えば、Center 26-tone RUのように、他のRUと比較して品質が悪い(換言すると、性能劣化の可能性が高い)と予想される特定のRUに対して、再送パケットが割り当てられないことにより、方法3と同様の効果が得られる。品質が悪いと予想される特定のRUには、例えば、他システムからの干渉が予想されるRU等がある。
【0262】
また、品質が悪いと予想される特定のRUが動的に変わる場合、APが全ての接続するユーザ(STA)に対して定期的に送信するビーコン等の信号に、RU割当情報パターン又は特定RUの情報を含めることにより、特定のRUに対する再送パケットの割り当てを動的に制限できる。
【0263】
以上、方法1~方法3について説明した。なお、方法1~方法3の少なくとも2つを組み合わせてもよい。
【0264】
このように、本実施の形態によれば、APは、MU伝送を指示する制御信号に含まれる共通情報において、再送制御に関する情報(例えば、HARQ Type等のHARQ情報)を、共通情報に含めるリソース割当情報(例えば、RU Allocation)に設定する。
【0265】
これにより、共通情報において、例えば、11axのフォーマットと比較して、HARQ情報を通知するフィールド(例えば、subfield)を追加しなくてよく、共通情報のシグナリング量を低減できる。
【0266】
なお、本実施の形態において、ユーザ情報に含めるHARQ情報は、実施の形態2と同様、共通情報に含まれるHARQ情報に応じて設定されればよい。
【0267】
また、RU割当情報(例えば、RU Allocation)のReserved patternにHARQ Typeが割り当てられる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、RU割当情報のサイズ(例えば、ビット数又はパターン数)を増加し、増加したビット系列においてHARQ Typeが割り当てられてよい。
【0268】
また、本実施の形態では、11axのSIG-B(換言すると、下り通信に関する動作)を例に説明した。しかし、本実施の形態は、これに限定されず、上り通信に関する動作に適用してよい。
【0269】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0270】
(他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、一例として、11axのMU伝送用制御信号のフォーマットをベースにした構成例について説明したが、本開示の一実施例を適用するフォーマットは、11axのフォーマットに限定されない。本開示の一実施例は、例えば、共通情報とユーザ情報とを用いて制御するMU伝送に適用できる。
【0271】
例えば、MU伝送を指示する制御信号のフォーマットは11axに規定されたフォーマット(例えば、SIG-B又はTrigger frame)に限定されず、
図33に示すように、HARQ専用のSIGフォーマット(以下、HARQ-SIGと呼ぶ)が追加されてもよい。例えば、HARQ-SIGには、共通情報及びユーザ情報が含まれ、共通情報には、少なくともHARQ情報(例えば、HARQ Type)が含まれればよい。
【0272】
(2)例えば、Trigger frameのユーザ情報(User Info field)の並び順は、新規パケットと再送パケットとが区別されて設定されてよい。
【0273】
例えば、
図34に示すように、新規パケットのユーザ情報が、再送パケットのユーザ情報よりも優先して並べられてよい。
図34の場合、例えば、共通情報において通知されたHARQ Typeが新規パケットであるSTAは、ユーザ情報のうちの先頭から順に(実線矢印の順に)User Info fieldを復号する。また、例えば、共通情報において通知されたHARQ Typeが再送パケットであるSTAは、ユーザ情報のうちの末尾から順に(破線矢印の順に)User Info fieldを復号する。
【0274】
これにより、例えば、再送を行うSTAは、ユーザ情報の復号処理量を低減できる。なお、新規パケットと再送パケットとの並び順は
図34の場合と逆でもよい。
【0275】
(3)HARQ再送の単位は、例えば、MACプロトコルデータの単位であるMPDUが想定される。また、例えば、MPDUを連結してAggregate MPDU(A-MPDU)が構成される。
【0276】
例えば、Low Density Parity Check(LDPC)ブロックを特定するシグナリングが、共通情報又はユーザ情報に含まれてよい。これにより、AP又はSTAは、PHY(物理層)にてA-MPDU内のMPDUを識別できる。
【0277】
また、例えば、各MPDUまたは各A-MPDU subframeの先頭を含むLDPC codeword番号(又は、各MPDUの最終部分を含むLDPC codeword番号)がシグナリングされてよい。
図35の例では、各MPDU(例えば、A-MPDU subframe 1,2及び3)の先頭を含むLDPC codeword番号は1、3および4であるので、"1"、"3"、"4"がプリアンブルの共通情報又はユーザ情報でシグナリングされてよい。これにより、再送要求されたMPDUのLDPC codeword先頭から次のLDPC codeword先頭まで(又は、再送要求されたMPDUの一つ前の最終部分から当該MPDUの最終部分まで)のLDPC codewordの再送により、対応するMPDU再送が可能となる。また、LDPCブロックとMPDUとの間で境界が揃うように、例えば、padding付加等によりMPDU長が調整されてよい。
【0278】
また、例えば、各STAに対する1つのパケットに含まれる複数のMPDU毎のHARQ Typeが共通情報に含まれてよい。この場合、例えば、1つのパケットに含まれるMPDUのうち、再送が指示されたMPDUが少なくとも一つ含まれる場合、AP又はSTAは、当該パケットに対するユーザ情報のフォーマットに、再送用のフォーマットを設定してよい。または、例えば、AP又はSTAは、1つのパケットに含まれるMPDUのうち、再送が指示されたMPDUと新規送信が指示されたMPDUとの比率に基づいて、当該パケットに対するユーザ情報のフォーマットに、再送用のフォーマット又は新規送信用のフォーマットを設定してよい。
【0279】
また、HARQ再送の単位は、MPDU単位ではなく、PPDU単位又はPSDU単位で連結し、PPDU単位又はPSDU単位でHARQ再送が行われてよい。また、HARQ再送単位は、LDPC codeword単位でもよい。上述したブロック毎の再送を行うために、各ブロックのHARQ Typeが共通情報又はユーザ情報に含まれてよい。
【0280】
(4)上記実施の形態では、HARQ情報の一例に、HARQ Type(例えば、新規及び再送(CC or IR)の何れか)、RV、又は、NDIを挙げて説明した。しかし、HARQ情報は、これらに限定されない。例えば、複数のAP及びSTAが、HARQ用バッファ(例えば、HARQ Processと呼ばれる)を有し、複数のパケットに対するHARQ制御が並列で実施される場合、HARQ情報には、HARQ Process IDが含まれてよい。HARQ Process IDは、例えば、ユーザ情報に含められてよい。
【0281】
(5)上記実施の形態では、下り無線送信装置100及び上り無線受信装置400がAPであり、下り無線受信装置200及び上り無線送信装置300がSTAである場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、下り無線送信装置100及び上り無線受信装置400はSTAでもよい。
【0282】
(6)実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3のうち少なくとも2つを組み合わせて適用してもよい。
【0283】
(7)本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0284】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置は無線送受信機(トランシーバー)と処理/制御回路を含んでもよい。無線送受信機は受信部と送信部、またはそれらを機能として、含んでもよい。無線送受信機(送信部、受信部)は、RF(Radio Frequency)モジュールと1または複数のアンテナを含んでもよい。RFモジュールは、増幅器、RF変調器/復調器、またはそれらに類するものを含んでもよい。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0285】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0286】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0287】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0288】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【0289】
本開示の一実施例に係る基地局は、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報を含む、前記複数のユーザに共通の共通情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成する制御回路と、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを含む制御信号を送信する送信回路と、を具備する。
【0290】
本開示の一実施例において、前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザそれぞれについてデータ信号の送信が新規送信であるか再送であるかを示す。
【0291】
本開示の一実施例において、前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザ毎の値を含む。
【0292】
本開示の一実施例において、前記再送制御に関する情報は、前記複数のユーザに共通の値を含む。
【0293】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記再送制御に関する情報に基づいて、前記ユーザ個別情報の構成を決定する。
【0294】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記再送制御に関する情報が再送を示す場合、前記ユーザ個別情報に、前記再送制御に関するパラメータを設定し、前記再送制御に関する情報が新規送信を示す場合、前記ユーザ個別情報に前記パラメータを設定しない。
【0295】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記再送制御に関する情報が新規送信を示す場合に前記ユーザ個別情報に設定したパラメータのうち少なくとも一つを、前記再送制御に関する情報が再送を示す場合に前記ユーザ個別情報に設定しない。
【0296】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記再送制御に関する情報を、前記共通情報に含めるリソース割当情報に設定する。
【0297】
本開示の一実施例において、前記リソース割当情報は、マルチユーザ多重に使用されるリソースとは異なるリソースに、データ信号の再送機会が割り当てられることを示す。
【0298】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記リソース割当情報は、システム帯域の中心を含むリソースとは異なるリソースに、データ信号の再送機会が割り当てられることを示す。
【0299】
本開示の一実施例において、前記制御回路は、前記再送制御に関する情報が、再送を示す場合と、新規送信を示す場合とで、前記ユーザ個別情報に異なる種別のパラメータを設定する。
【0300】
本開示の一実施例に係る端末は、複数のユーザに共通の共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を含む制御信号を受信する受信回路と、前記共通情報において示される、前記複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記ユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御する制御回路と、を具備する。
【0301】
本開示の一実施例に係る送信方法において、基地局は、複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報を示す、前記複数のユーザに共通の共通情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を生成し、前記共通情報と前記ユーザ個別情報とを含む制御信号を送信する。
【0302】
本開示の一実施例に係る受信方法において、端末は、複数のユーザに共通の共通情報と、前記複数のユーザに個別のユーザ個別情報と、を含む制御信号を受信する受信回路と、前記共通情報において示される、前記複数のユーザそれぞれについての再送制御に関する情報と、前記再送制御に関する情報に応じた前記ユーザ個別情報と、に基づいて、データ信号の再送を制御する。
【0303】
2019年3月7日出願の特願2019-041687の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0304】
本開示の一実施例は、無線通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0305】
100,500 下り無線送信装置
101,201,301,401 無線受信部
102,203,303,402 Preamble復調部
103,205,304,404 データ復調部
104,208,305,407 データ復号部
105,409,502 スケジューリング部
106,410,503 HARQ情報生成部
107,307,412 データ生成部
108,308,413 データ符号化部
109,309,414 データ変調部
110,212,310,415 Preamble生成部
111,213,311,416 無線送信部
200,600 下り無線受信装置
202,302 Preamble検出部
204,602 HARQ情報復号部
206,405 データ保持部
207,406 HARQ合成部
209,408 誤り判定部
210 ACK/NACK信号生成部
211 ACK/NACK信号変調部
300 上り無線送信装置
306,411 HARQ情報保持部
400 上り無線受信装置
403 受信有無検出部
501,601 RU割当設定部