(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】パッティング訓練デバイス
(51)【国際特許分類】
A63B 53/00 20150101AFI20240926BHJP
A63B 69/36 20060101ALI20240926BHJP
A63B 71/06 20060101ALI20240926BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240926BHJP
【FI】
A63B53/00 E
A63B69/36 501D
A63B69/36 501E
A63B69/36 502D
A63B69/36 533Z
A63B71/06 U
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2021523015
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(86)【国際出願番号】 AU2019051154
(87)【国際公開番号】W WO2020082121
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2018-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】520287426
【氏名又は名称】アーノルズ イノベーションズ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド,ブレット
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュース,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】タネジャ,ロハーン
【審査官】遠藤 孝徳
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3105267(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0143158(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0302380(US,A1)
【文献】特表2006-501971(JP,A)
【文献】米国特許第4174838(US,A)
【文献】国際公開第2011/019024(WO,A1)
【文献】実開昭60-15363(JP,U)
【文献】特開2015-226778(JP,A)
【文献】国際公開第2004/073806(WO,A1)
【文献】特開2006-346435(JP,A)
【文献】特許第6319928(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0106888(KR,A)
【文献】米国特許第4674324(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0013510(KR,A)
【文献】米国特許第5169151(US,A)
【文献】米国特許第5836829(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00 - 53/14
A63B 69/00 - 71/16
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パター・シャフト上に搭載されたシャフト台と、
前記シャフト台上に搭載された振り子アセンブリであって、前記振り子アセンブリが揺れる振り子と、前記揺れる振り子を支持するための少なくとも1つのフレーム要素と、を備えたパッティング訓練デバイスであって、
前記少なくとも1つのフレーム要素がその内部で前記揺れる振り子が揺れるように構成される作用ゲージを提供し、
さらに、前記揺れる振り子の好適な軌道を標示するため、前記振り子アセンブリに動作的に接続された標示ゲージを含み、
前記標示ゲージは、少なくとも1つの前記フレーム要素上に枢軸自在に搭載された1つまたは複数の標示ゲージ板を含み、収納位と、展開位の間で枢軸運動する、パッティング訓練デバイス。
【請求項2】
前記シャフト台はクリップである、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項3】
前記クリップは、クリップ内壁を覆って前記パター・シャフト上の摩擦を増加させる、グリッ
プを含む、請求項2に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項4】
前記グリップは、前記クリップ
内壁の周囲にまたは前記クリップ
内壁に沿って間隔の空いた複数のグリップ・リブを含む、請求項
3に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項5】
前記シャフト台は、前記揺れる振り子を直立位に方向付ける可動ジョイントを含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項6】
パットの間に揺れる動きを知らせるように、前記振り子は前記振り子アセンブリの基部で係留されている、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項7】
前記作用ゲージは周縁フレーム・アセンブリによって画定されている、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項8】
前記作用ゲージは2つの相隔たる支柱を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項9】
前記揺れる振り子は、振り子線の遠位端上に設けられ、かつ前記1つまたはそれ以上のフレーム要素の頂部に取り付けられた自由な揺れをもたらす塊を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項10】
前記振り子は、スチールバー、プラスチックバー、または金属バーを含む剛性部品である、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項11】
作用ゲージ・フレーム要素または前記振り子に取り付けるための冠または袖口または輪の形の難度調整器を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項12】
揺れの中心点に隣接して前記振り子アセンブリの基部に設けられた磁石を含む揺動減衰器を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項13】
前記標示ゲージは、前記揺れる振り子の好適な軌道を標示するための前記標示ゲージ板に、またはその内部に搭載され、標示軌道を含むインジケータを含む、1つまたは複数の標示ゲージ板を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項14】
前記標示軌道は、前記揺れる振り子の前記好適な軌道を示すため、前記標示ゲージ板または1つまたは複数の板の表面上にペイントまたは印刷されたラインを通る開口または複数の開口である、請求項13に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項15】
前記振り子が揺れを妨げられ、前記標示ゲージの位置が前記振り子を動かない位置に保持するように前記振り子に対して固定する位置を採るように構成される収納位と、前記振り子が自由に揺れるように、前記標示ゲージが前記振り子の遠位にある展開位とを採るように構成される、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項16】
前記標示ゲージ板は前記振り子のための1つまたは複数の保持器を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項17】
前記1つまたは複数の標示ゲージ板は、それらが前記収納位にある場合に、前記標示ゲージ板の間で前記揺れる振り子の塊を保持するための環を含む、請求項1に記載のパッティング訓練デバイス。
【請求項18】
パター・シャフト上に搭載されたシャフト台と、
前記シャフト台上に搭載された振り子アセンブリであって、前記振り子アセンブリが、揺れる振り子と、前記揺れる振り子を支持するための少なくとも1つのフレーム要素とを含む、前記振り子アセンブリと、
前記揺れる振り子の好適な軌道を標示するため、その上またはその内部に配置された標示軌道を含む前記振り子アセンブリに動作的に接続された1つまたは複数の標示ゲージ板を含む標示ゲージとを含み、
前記1つまたは複数の標示
ゲージ板は、前記揺れる振り子を動かない位置に保持する収納位、及び前記標示
ゲージ板が前記振り子の遠位にあって、前記揺れる振り子が揺れることを許容する標示または展開位を採るように構成され、かつ前記
標示ゲージ板が前記揺れる振り子の前記好ましい軌道を表示する、パッティング訓練デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は概して、ゴルフスポーツ、具体的にはパッティング訓練デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
クラブスポーツは成功するのが難儀であることがある。
【0003】
特にゴルフは修得がとても難しい。非常に多くの変数がプレイに入るため、最適かつ正確にゴルフクラブをスイングするのはとても難しいことがある。ボールの位置、グリップ、手の位置、スタンス、手から前腕の角度、脊柱の角度、クラブの長さを含めて、ストロークには90種超の変数があると言われている。
【0004】
パッティングで重要なスイングの変数の1つはフェース・ローテーション(face rotation)である。
【0005】
パッティングの別の変数はスイング・プレーン(swing plane)であり、パターヘッドが平面内にあるか否かであり、そうであればストロークのどの部分でパターが平面を離れるかである。
【0006】
パター・シャフトに取り付けられる公知のデバイスがあるが、これらのデバイスは過度に複雑で重く、パットの感触を変えるものである。
【0007】
本発明者は、パッティングの向上を促す、上記の不利点のうち少なくとも1つを実質的に改善する、および/または少なくとも公知のデバイスの有用な代替を提供する、新しいデバイスを提供するように努めている。
【発明の概要】
【0008】
概して、本技術はパッティング訓練デバイスを提供する。
【0009】
概して、本技術は、パターが平面外にスイングされた際にユーザに標示するパッティング訓練取付け具を提供する。
【0010】
概して、本技術は、ユーザがパットの間に正しくないフェース・ローテーションを与えていることを標示する、パッティング訓練デバイスおよび/または取付け具および/またはパターを提供する。
【0011】
概して、本技術は、パットのスイングが平面外にあるおよび/または回転した際にユーザに標示するパッティング標示取付け具を提供する。
【0012】
この配置は、実施形態の使用時に、本デバイスまたは取付け具またはクラブを使用する際に、パットのスイングがどれくらい平面外にあるかによって、平面外にあるか否かをユーザが特定することができるようなものである。ユーザは、標示器上に呈示された情報によって、どのようにスイングを向上させるかを特定できることがある。
【0013】
本発明の一態様によれば、
パター・シャフト上に搭載されたシャフト台と;
台上に搭載された振り子アセンブリと;
振り子の好適な軌道を標示するための振り子アセンブリに接続された標示ゲージと
を含むパッティング訓練デバイスが提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、
パター・シャフトと;
パター・シャフト上でその遠位端に搭載された、一体型のまたは取り付けられた振り子アセンブリと;
振り子の好適な軌道を標示するための振り子アセンブリに接続された標示ゲージと
を含むパターが提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、
ヘッドのないパター・シャフト;
パター・シャフト上でその遠位端に搭載された、一体型のまたは取り付けられた振り子アセンブリと;
振り子の好適な軌道を標示するための振り子アセンブリに接続された標示ゲージと
を含むパッティング訓練器が提供される。
【0016】
この配置は、実施形態において、パットまたは練習パットの間に、パターまたは訓練器が標示ゲージに一致するように徐々にスイングされるようなものである。
【0017】
シャフト台
一実施形態では、シャフト台はクリップである。
【0018】
一実施形態では、クリップは、パター・シャフト区画の一部を受け取るための対向する弾力性の腕を含む。
【0019】
一実施形態では、クリップは1つまたは複数のピボット腕を含む。
【0020】
一実施形態では、クリップは、閉じた位置に腕を付勢させる付勢部品を含む。
【0021】
一実施形態では、シャフト台は、クラブ・シャフトに台を保持する1つまたは複数の磁石を含む。
【0022】
一実施形態では、付勢部品は1つまたは複数の磁石を含む。
【0023】
一実施形態では、1つまたは複数の付勢部品は、腕をクラブ・シャフトに接触させて保つように腕の端部に設けられている。
【0024】
一実施形態では、クリップは、シャフト上に取付け易くするために、シャフトをクリップ内に導く引込み部を含む。
【0025】
一実施形態では、クリップは、クリップ内壁を覆ってパター・シャフト上の摩擦を増加させるグリップライナーを含む。
【0026】
一実施形態では、グリップライナーは、例えばゴム、シリコーン、またはプラスチックなどの弾力性の素材を含む。
【0027】
一実施形態では、クリップは、パター・シャフト上にグリップを維持する対向面にグリップを含む。
【0028】
一実施形態では、グリップは、クリップ面の周囲にまたはクリップ面に沿って間隔の空いた複数のグリップ・リブを含む。
【0029】
一実施形態では、グリップ・リブは、シャフト上で展開位にある際に、シャフトの長手方向の軸に平行に延びている。
【0030】
一実施形態では、台は、振り子を直立位に方向付ける可動ジョイントを含む。
【0031】
一実施形態では、ジョイントは、調整時に少なくとも1つの自由な軸を提供するヒンジを含む。
【0032】
一実施形態では、ジョイントは、調整時に少なくとも1つの自由な軸を提供するボール・ジョイントを含む。
【0033】
一実施形態では、ジョイントは汎用ジョイントを含む。
【0034】
振り子アセンブリ
まず、振り子という文言は、紐上の球が前後に揺れる古典的な形の揺動振り子だけではなく、端部に塊のあるまたはない揺れる剛性のバー、およびより線形の水平運動部、例えば塊の付いたばねなどを包含しうるが、後者は、所定の周期(振動数)および振幅を有して表面に沿って摺動することができ、その方向は、最終的に取り付けられるパターのスイングに応じて、やはりいくらかの角度に変えることができることを理解されたい。
【0035】
また、殆どの振り子が上部アンカーから揺れるとはいえ、技術の一部であるいくつかの振り子の実施形態は、パットの間にスウェーの動きを知らせるように、基部で係留されることがあることも理解されたい。スウェー振り子の配置は、振り子が、いわゆるねじりばねまたはウィンドサーファー・ナックルまたはゴム引きの汎用ジョイント上に搭載されたパイプ、チューブ、リード、またはバーであるようなものである。さらに、振り子は、遅いスウェーの動きを促すことのある拡大したヘッドの形としてもよい。この起立したまたは逆さまの配置は完全に本発明の範囲内にあることを理解されたい。
【0036】
一実施形態(吊り下がった実施形態)では、振り子アセンブリは、揺動振り子を支持するフレームを含む。起立した実施形態では、振り子アセンブリは、振り子の吊り下がるフレームを必要としない。
【0037】
作用ゲージ
一実施形態では、フレームは作用ゲージを画定し、このゲージ内で振り子は揺れるように構成されている。本質的には、作用ゲージは鉄道線路ゲージのようなものであり、そこではフレームが振り子の横方向の変動の限界を設定するように構成されることを理解されたい。横方向の限度が設定されるが、それはなぜなら、訓練デバイスがパター・シャフト上に正しく据え付けられて使用されると、パターが横方向に極端にスイングされたか、または面に一致せずにスイングされた場合に、振り子が作用ゲージの一部を打つものとなるためである。
【0038】
一実施形態では、作用ゲージは、周縁フレーム・アセンブリによって画定される。この周縁フレームには1つまたは複数の間隙が設けられてもよく、さらに作用ゲージが画定されるものとなるが、それはなぜなら、作用ゲージとしてこのフレームが機能するのに必要な全てが、(吊り下がった配置であろうと起立した配置であろうと)振り子自体の近傍の2つの相隔たるフレーム部品となるためである。これは、(球またはおもりである)振り子の基部が、中線から最も遠くに移動するものとなる振り子の部品であるためである。
【0039】
起立した実施形態では、作用ゲージは2つの相隔たる支柱としてもよい。
【0040】
作用ゲージは、何らかの形でスイングが不完全であったことをユーザに標示するよう、振り子により打たれると音を立てるように構成されている物理的障壁を提供する。
【0041】
一実施形態では、周縁フレーム・アセンブリは、振り子台をフレーム・アセンブリの上部に含む。一実施形態では、振り子台は、紐のための台または剛性部品である。一実施形態では、この紐台は、切欠きであっても突起であっても他の位置決め部品であってもよい。一実施形態では、振り子台は、球と軸受ジョイントとしてもよい。一実施形態では、振り子台は、バーの自由な揺れを可能にするフックおよび鎖などとしてもよい。
【0042】
一実施形態では、振り子は、ゲージを通って揺れることができるようにフレーム・アセンブリの上部に接続されて提供されている。
【0043】
一実施形態では、振り子は、ラインの遠位端上に設けられて自由な揺れをもたらす塊である。一実施形態では、この塊は、球体もしくは立方体、または作用ゲージを通るその揺れを促す別の適する種類の塊であってもよい。
【0044】
一実施形態では、振り子は、例えばスチールバー、プラスチックバー、または金属バーなどの剛性部品であってもよい。一実施形態では、この剛性部品は、ヒンジ、ボール・ジョイント、または他の(少なくとも)2軸のピボット台上で揺れるものであってよい。この剛性部品は、上部域よりも薄く基部域よりも厚いものとして、揺れ易くしてもよい。剛性部品の基部域では上部域よりも多くの質量があるものとしてよい。
【0045】
一実施形態では、作用ゲージは、その基端では概ねパター・シャフト台から、上端では概ね振り子台まで延びている、フレーム部品であり、併せて別のフレーム部品が、基端近くに設けられ、シャフト台と隔てられ、上方に延びて、振り子の横方向の境界としての役割を果たすように構成された少なくとも1つの支柱または障壁または壁を提供する。
【0046】
1つまたは複数のこの作用ゲージ・フレーム部品は、任意の特定の経路をとってもよく、この経路は例えば振り子の形状を反映する。この作用ゲージ・フレーム部品は、垂直としてもよいし、ホタテ貝状の経路を辿るものとしてもよいし、垂直に対し斜めとしてもよいし、振り子の任意の特定の部分に対し横方向の障壁を提供する任意の適した経路をとるものとしてよい。この部品が選択的に内部に延びていてもよいし、または、取付けられるか、揺られるか、もしくはその他、作用ゲージにわたって内部を延びてスイングの難度を増す場所の内部に配置されることのある、突起物もしくは他の構成物があってもよい。すなわち、フレーム部品が振り子の揺れの軌道の中心線にまたは互いに近くなるほど、スイングは難しいものとなる。
【0047】
一実施形態では、振り子の揺れの中心線に向かってまたは互いに伸張性である伸張性部品を含む、1つまたは複数のフレーム部品が提供される。一実施形態では、一方の伸張性部品は、上方または側方に延びて作用ゲージを狭めるかまたは短くする板であることがある。一実施形態では、この板はv字形であり、それゆえに基部から延びると作用ゲージを低減するものとなる。一実施形態では、板は矩形であり、一方の側の部品から中心線に向かって中に延びていることがある。2つの板は展開されていてもよいし、互いに連結されていてもよい。
【0048】
一実施形態では、スイングの難度を低減する揺動減衰器が提供される。揺動減衰器が展開されると、振り子は、収納位にある揺動減衰器ほどには揺れないものとなる。
【0049】
一実施形態では、揺動減衰器は、揺動振り子の振幅を低減するように作用ゲージにわたって延びるバーを含む。振り子の経路にわたって展開位内に揺られることのある、1つまたは複数のバーがあってもよい。このことは、揺れの周期を低減し、振動数を増加させるだけでなく、振幅を低減する効果を有するものとなる。
【0050】
振り子線を短くまたは長くするために、線のための巻取器が提供されてもよい。
【0051】
一実施形態では、揺動減衰器は、球および軸受けジョイントの運動への摩擦を増加させるグラブねじまたは他の締付け装置である。
【0052】
一実施形態では、振り子の揺れを減衰させる、作用ゲージの上部から下方に摺動できる摺動板が提供される。
【0053】
一実施形態では、揺動振り子の経路にわたって揺れ、揺れの振幅を低減させることができる、揺動板が提供される。
【0054】
一実施形態では、揺動減衰器は、収納位と展開位とを採るように構成されたスリーブである。収納位では、スリーブは振り子台の近傍の振り子の上部に設けられ、展開位では、スリーブは振り子台の上部から距離をおいて設けられる。
【0055】
一実施形態では、スリーブは、摺動可能にフレーム・アセンブリに搭載される。
【0056】
一実施形態では、振り子または作用ゲージ部品に取り付けられ、(ユーザの技能レベルが増してパッティングが上達した際に)効果的に振り子を拡げるかまたは作用ゲージを狭めてデバイスの難度を増すように構成される、冠、袖口、もしくは輪、または任意の種類の適した構造が提供される。
【0057】
一実施形態では、摺動スリーブは、中心線上に振り子を保つ中心ガイドを含む。
【0058】
一実施形態では、揺動減衰器は、振り子を中心線に付勢する付勢手段である。この付勢手段は、一実施形態ではばねまたはゴムの台である。
【0059】
一実施形態では、揺動減衰器では、揺れの中心点の下で振り子アセンブリの基部に設けられた磁石を含む。振り子ではまた、その磁石の近傍に、協働する鉄の部品または磁石が配される。
【0060】
標示ゲージ
標示ゲージは、一実施形態では、ストロークの間に辿る振り子の好適な軌道を標示するゲージ面である。
【0061】
一実施形態では、ゲージ面は1つまたは複数のゲージ板の一部である。
【0062】
一実施形態では、1つまたは複数の板は、1つまたは複数のフレーム部品に搭載されている。
【0063】
一実施形態では、1つまたは複数の板は、ユーザがその板を通してパターを見るように、透明または半透明である。一実施形態では、1つまたは複数の板はプラスチックから形成されている。
【0064】
一実施形態では、ゲージ面は、標示軌道を板上または板内に搭載して含む。一実施形態では、標示軌道は、好適な軌道を示す板を通る開口または複数の開口である。一実施形態では、この開口は板を通る線形切断であり、その結果、切断を通って発する光を遮断することにより、競技者は振り子をさらに狙い易い。線形切断はダッシュまたは点から形成されていてもよく、ダッシュまたは点は、軌道に沿って振り子を、ゆえにパター自体をガイドするのを促す。一実施形態では、標示軌道は、1つまたは複数の板の表面に塗装または印刷された線である。
【0065】
一実施形態では、1つまたは複数の板は、枢動可能にフレーム上に搭載される。
【0066】
一実施形態では、1つまたは複数の板は、板(および軌道)が垂直位に設けられ、その軌道がストロークの間に競技者に不可視である収納位と、ストロークの間に競技者に軌道が可視である展開位とを採るように構成される。
【0067】
一実施形態では、訓練デバイスは、振り子が揺れを妨げられる収納位と、振り子が自由に揺れる展開位とを採るように構成される。
【0068】
一実施形態では、ゲージ板は平坦なフレームである。
【0069】
一実施形態では、ゲージ板は振り子のための保持器を含む。
【0070】
他の特徴
本訓練デバイスは、収納位と展開位とを採るように構成されてもよい。収納位の技術部品の配置は、振り子が揺れないように、ならびにフレーム部品内で縺れないようにされるのに対し、展開位では、振り子は自由に揺れる。
【0071】
キーパー・アセンブリは、振り子を収納位に保つ。キーパーは、フレーム上に搭載された防御アセンブリの形である。防御アセンブリはゲージ板としてもよい。
【0072】
一実施形態では、1つまたは複数のフレームは、振り子を受け取って保持するための環を含むことがある。
【0073】
ゲージ(キーパー)板は、1つまたは複数の保持フランジを含んでいてもよく、それゆえに、板の縁の内部に振り子の塊を保持するように事実上は半球型であり、振り子を整然に保つ。
【0074】
利点
有利なことに、パッティング訓練器の実施形態は、どのようにパターをスイングするかに関してガイドをユーザに提供する。このガイドの実施形態は、スイングの平面がライン外であるか否か、パターのヘッドがオフラインであるか否か、ならびにそれがどれ程あるかをユーザに標示する。パッティング訓練器の実施形態は、目立たず軽量で、容易に展開および収納し、取り付けおよび取り外すことができ、また、スイングはユーザの技能に応じて調整することができる。
【0075】
説明
本明細書では、文書、行為、または知識項目が言及または議論されているが、この言及または議論は、上記文書、行為、もしくは知識項目、またはそれらの組合せが優先日に:
(a)一般常識の一部であったか;または
(b)本明細書の関わる何らかの問題を解決する試みに関連することが公知であったこと
を自認するものではない
【0076】
本明細書の記載および特許請求の範囲を通して、文言「含む(comprise)」およびこの文言の変形、例えば「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」は、他の変形体もしくは追加的な要素、完全体、または工程を除外することを意図するものではないことを留意されたい。
【0077】
さらに明らかに理解できるようにするために、以下、添付の図面を参照して本技術の好適な実施形態をさらに説明し例解するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】訓練デバイスが取り付けられて展開されている際にユーザに見えることになるものなど、本訓練デバイスの上からの斜視図である。
【0079】
【
図2】本訓練デバイスの前方からの斜視図であり、デバイスはパター・シャフトから取り外されて収納位にある。
【0080】
【
図3】一方の側からの斜視図であり、パター・シャフトに取り付けられた展開位の本訓練デバイスを、揺れている振り子と共に示す。
【0081】
【
図4】揺動減衰器を特に強調する訓練デバイスの別の実施形態を示す図であり、左に収納位を示し、右に減衰位または展開位を示す。
【0082】
【
図5】難度調整器の実施形態を示す図であり、フレーム部品は振り子の経路内に延びている。
【0083】
【
図6】本訓練デバイスの別の実施形態の等角図であり、標示器アセンブリは展開位にある。
【0084】
【
図7】
図6に示された実施形態の等角図であり、標示器アセンブリは収納位にある。
【0085】
【
図8】
図6に示された実施形態の分解組立図である。
【0086】
【
図9】パター・シャフト上に搭載される準備の整った位置にある、
図6に示された実施形態の等角図である。
【0087】
【
図10】難度調整器の別の実施形態の振り子の詳細図であり、この調整器は、振り子とフレームとの間の距離を低減するために、振り子上に展開位で示されている冠の形状である。
【0088】
【
図11】
図6の訓練デバイスの等角図であるが、フレーム上の収納位にある冠を示す。
【発明を実施するための形態】
【0089】
図面を参照すると、概して10に標示されるパッティング訓練デバイスが示されている。図面では、同じ数は同じ部分を指す(例えば異なるパッティング訓練デバイスの実施形態についての10、110)。
【0090】
パッティング訓練デバイス10は、パター・シャフト3上に搭載するためのシャフト台20と;シャフト台20に搭載されている振り子アセンブリ30とを含む。振り子の好適な軌道を標示するための、振り子アセンブリ30に接続された標示ゲージ40がある。
【0091】
シャフト台20はクリップ22であり、このクリップは、パター・シャフト3の一部を受け取るための対向する弾力性の腕24を含む。クリップ22は、シャフト3をクリップ22内にガイドする引込み部25を含むのが見える。クリップ22は、パター・シャフト3上の摩擦を増加させるクリップ内壁を覆うグリップライナー26をさらに含む。クリップ22は、直径の異なるパター・シャフトに適合させるように、弾力性のあごを含む。グリップライナー26は、
図6から
図11に示されるように、エラストマー材のリブ126を含むことがあり、このリブは、異なるシャフト径をさらに適応させるだけでなく、シャフト上の握りの増加をももたらす。
【0092】
シャフト台20はジョイント27を含み、このジョイントは、パター・シャフト3に設置されると、ユーザが振り子アセンブリを直立位に方向付けし易いようにする。ジョイントはピボットである。
【0093】
振り子アセンブリ30は、揺動振り子34を支持するフレーム32を含む。フレーム32は作用ゲージ35を画定し、このゲージ内で振り子34は揺れるように構成されている。本質的には、作用ゲージ35は、パターのスイングの横方向の変動の限界を設定するように構成されるが、それはなぜなら、訓練デバイスがパター・シャフト上に正しく据え付けられると、パターが横方向に極端にスイングされたか、または面に一致せずにスイングされた場合に、振り子が作用ゲージの一部を打つものとなるためである。
【0094】
作用ゲージ35は、周縁フレーム・アセンブリ36によって示される実施形態を画定する。周縁フレーム・アセンブリ36は、周縁フレーム・アセンブリ36の上部38に振り子台37を含み、バーまたは紐の自由な揺れを可能にする。振り子台37は球および軸受けジョイント39である。
【0095】
振り子アセンブリ30は、振り子34の周期的な揺れをもたらし、パター・シャフトがライン外にスイングされた場合には自由にラインから逸らすことを可能にする。振り子34は、塊41であることが
図1から
図3に示されており、この塊は、ボール・ジョイント上に搭載されることのあるバー42の遠位端上に設けられて、過大なエネルギー入力を必要とすることなく、1回のストロークに対し複数の周期の周期的な揺れをもたらす。塊41は一般には円柱43であり、作用ゲージ中での場所を取り過ぎないようにサイズ調整される。他の図では、塊41は紐またはラインに掛かった球体143であり、この球体は括り付けられて結び目を形成し、その結び目は整頓収納のために結び目ケース145および145Aに隠されている。
【0096】
図5に示される一実施形態では、難度調整器50が示されている。
図1から
図5では、振り子もしくは他のフレーム部品に向かって内側に延びるように構成されている1つまたは複数の伸張性のフレーム部品52によって、パットのスイングの難度が増されること、または、作用ゲージにわたって内部に延びてスイングの難度を増す、突起物または他の構成物があることがわかる。この難度調整器の実施形態では、フレーム部品が振り子の揺れの軌道の中心線にもしくは互いに近くなるほど、スイングは難しいものとなる。難度調整器は、個別に可動であってもよいし、一方の運動が他方を動かすように連結されていてもよい。
【0097】
伸張性部品52は、上方または側方に延びて作用ゲージを狭めるかまたは短くする板53である。板の一種はv字形の板54であり、それゆえに基部から延びると作用ゲージを低減するものとなる。板53の一種は矩形55であり、一方の側の部品から中心線に向かって中に延びていてもよい。
【0098】
図6から11に示される実施形態では、難度調整器が振り子34、134を効果的に拡げることがわかる。これにより、許容されるゆとりがさらに小さくなるため、ユーザはさらに精密なパットを行うように強いられる。フレーム上(結び目ケース145A上)で収納位を、または振り子134上で展開位を採ることのできる、冠135がある。冠135は、球体の直径を効果的に増加させて、パット訓練デバイスの難度を増す。冠135は複数の指を有する輪152を含み、これらの指は周囲に搭載され、そこから軸方向に延び、振り子134上に搭載し易いものとする。
【0099】
図4に示される一実施形態では、スイングの難度を低減する揺動減衰器60が示されている。揺動減衰器60が展開位(
図4の右図)にあると、振り子は、収納位(
図4の左図)にある揺動減衰器ほどには揺れないものとなる。
【0100】
揺動減衰器60は、フレーム32を作用ゲージ(収納位)の上部から下方に摺動して振り子の揺れを減衰することのできる、スリーブ62である。
【0101】
周縁フレーム・アセンブリ36は、垂直に延びた側柱、例えば
図1から
図3、および
図6から
図11に示されるものなどを有していてもよいし、側柱が振り子の輪郭を辿る
図4および
図5に示されるような、輪郭をなぞる側柱であってもよい。
【0102】
図5では、フレームの側面に磁石があり、パットが不完全であればフレーム側に振り子を引き寄せることができることがわかる。
図5のフレーム部品は垂直ではなく、そしてそれらは水平である。それらは単なるブロックまたは板である。
【0103】
図1から
図3の標示ゲージ40は、パッティングのストロークの間に辿る振り子34の好適な軌道44を標示するゲージ面42を含む。ゲージ面42は、1つまたは複数の板46上の線である。
【0104】
この1つまたは複数の板46は、1つまたは複数のフレーム部品に搭載されている。板46は、ユーザがその板46を通してパターを見るように、透明または半透明である。1つまたは複数の板46はプラスチックから形成されている。
【0105】
標示軌道47は、1つまたは複数の板46の表面42に塗装または印刷された線である。1つまたは複数の板46は、枢動可能にフレーム32上に搭載される。
【0106】
1つまたは複数の板46は、板(および軌道)が垂直位(
図2)に設けられ、その軌道がストロークの間に競技者に不可視である収納位と、ストロークの間に競技者に標示軌道47が可視である展開位(
図1および
図3)とを採るように構成される。
【0107】
標示板46の収納位は、振り子34をも収納位に保つようなものであり、この収納位では振り子が揺れを妨げられる。板46の展開位により、振り子34が自由に揺れることが可能になる。
【0108】
そのため、キーパー70は板46との一体型であり、振り子を収納位に保つように提供される。キーパー70は、フレーム上に搭載された防御アセンブリ72の形であり、防御アセンブリ72はゲージ板46である。ゲージ(キーパー)板46は、1つまたは複数の保持フランジ74を含み、それゆえに、板の縁の内部に振り子の塊を保持するように事実上は半球型であり、振り子を整然に保つ。
【0109】
図6から
図11の標示ゲージ140は、ストロークの間に辿る振り子134の好適な軌道144を標示するフレーム部材を有するフレーム146である。標示ゲージ140は、振り子の好適な軌道を標示する、貫通標示開口147を2つの平行なフレーム部材内に含む。フレーム146は保管し易くするために平坦である。フレームは、振り子の弧状運動を反映する凹状としてもよい。
【0110】
標示板またはフレーム146は、展開位と収納位との間でぐるりと回る。ピボット軸は振り子の揺動点の直下にあり、これは
図8の分解組立図に明らかに見ることのできる互い違いに配されたピボット孔によってもたらされる。
【0111】
図6から
図11には、標示ゲージ140上にキーパー170があり、キーパー170は、標示ゲージ140が収納位にある際に、少なくとも部分的に振り子134を取り巻く保持環172の形状である。環172は、2つの平行なフレーム部材の間で、開口147の拡大された形状である。2つのフレーム部材は、収納位にある際に振り子134の少なくとも一部を取り巻くように分岐する。
【0112】
図6から
図11の実施形態では、振り子134を遅くする磁石199が提供される。磁石199は、振り子が充分に遅い際に軽い力で停止され固定される戻り止め機能をもたらして、パットしようとする際に安定な開始点をユーザに提供する。
【0113】
操作はかなり明快である―グリップ・リブ126がシャフト3上で良好な握りを得るように、シャフト3上にシャフト台20を搭載する。次いで、ユーザは、作用ゲージ・フレーム部品をピボット27、127の周りに回転させることによって、フレームを垂直に整列する。次いで、ユーザは、保持/標示板/フレーム46を収納位(
図7)から展開位(
図11)へと下方にぐるりと回すことによって水平に展開する。ユーザは、パターを手に取り、ボールにアドレスし、パター3をスイングする。振り子は作用ゲージを通って揺れ、パターが良好にスイングされれば標示開口147に沿って揺れる。
【0114】
パットまたはパット訓練の期間が完了した際に、板146を上方にぐるりと回して収納位(
図7)とし、振り子134を保持環172に捕捉する。デバイスはシャフトから取り外される。
【0115】
説明
本発明に対する改変および改善は当業者に容易に明らかとなる。そのような改変および改善は本発明の範囲内にあることが意図されている。