(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20240926BHJP
【FI】
G06Q30/0242
(21)【出願番号】P 2022081772
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2023-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホワン ジェウック
(72)【発明者】
【氏名】實原 弘亮
(72)【発明者】
【氏名】石井 春江
(72)【発明者】
【氏名】安部 斉志
(72)【発明者】
【氏名】小栗 直己
(72)【発明者】
【氏名】赤池 誠吾
【審査官】樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-089485(JP,A)
【文献】特開2021-189983(JP,A)
【文献】特開2017-167736(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0192568(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習部と、
前記学習部によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定部と
を備え
、
前記学習部は、
コンバージョン数毎に前記配信広告の特徴を学習した前記コンバージョン推定モデルを学習し、
前記推定部は、
前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョン数を推定すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部によって推定された前記コンバージョン数に応じて、前記配信広告のコンバージョン数を補正する補正部
を備えることを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習部は、
複数のコンバージョンに至った前記利用者と、前記配信広告の特徴との関係性を学習した前記コンバージョン推定モデルを学習し、
前記推定部は、
前記利用者に関する情報に基づいて、複数のコンバージョンであるか否かを推定すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習工程と、
前記学習工程によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定工程と
を含
み、
前記学習工程は、
コンバージョン数毎に前記配信広告の特徴を学習した前記コンバージョン推定モデルを学習し、
前記推定工程は、
前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョン数を推定すること
を特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習手順と、
前記学習手順によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定手順と
をコンピュータに実行させ
、
前記学習手順は、
コンバージョン数毎に前記配信広告の特徴を学習した前記コンバージョン推定モデルを学習し、
前記推定手順は、
前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョン数を推定すること
を特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、従来、インターネットを介した広告配信においては様々な指標が用いられている。例えば、CVR(Conversion Rate;「コンバージョン率」ともいう)等の様々な指標を用いて広告配信の効果を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年では、ユーザーのプライバシーを尊重し匿名化するためCV計測を行うために必要なデータに制限が設けられてきている。このような規制において、従来技術では、コンバージョン数を適切に計測することが困難であり、コンバージョンを適切に推定する技術が望まれている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、配信広告のコンバージョンを適切に推定することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習部と、前記学習部によって学習された前記配信広告の特徴に基づいて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、配信広告のコンバージョンを適切に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る学習用情報記憶部の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係るCV推定モデル記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態に係るコンバージョン計測処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.1.情報処理システム〕
まず、
図1および
図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムおよび情報処理の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの一例を示す図である。
図2は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、ネットワークNによって接続された利用者端末50と、情報処理装置100と、広告主サーバ200とを有する。なお、
図1では、情報処理システム1に含まれる利用者端末50、情報処理装置100および広告主サーバ200がそれぞれで1台である場合について示しているが、利用者端末50、情報処理装置100および広告主サーバ200がそれぞれ複数台含まれるようにしてもよい。
【0012】
図1に示す情報処理装置100は、各種Webサービスに関するコンテンツを利用者端末50へ提供する情報処理装置である。たとえば、情報処理装置100は、広告主から入稿された配信広告をWebサービスに関するコンテンツとともに利用者端末50へ配信する。
【0013】
また、情報処理装置100は、利用者端末50へ提供した配信広告のコンバージョン(以下、CVとも記載する)を計測する。そして、情報処理装置100は、計測したCVに応じて、各配信広告のCVR(Conversion Rate)を最適化する。
【0014】
利用者端末50は、利用者が所有する端末である。たとえば、利用者端末50は、情報処理装置100から配信されるコンテンツを配信広告とともに表示する。利用者端末50は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、ウェアラブル端末など、各種のクライアント端末である。
【0015】
また、利用者端末50は、コンテンツとともに表示した配信広告が利用者によってクリックされた場合に、コンテンツから広告主が運営する広告主サイトへ移動する。そして、利用者端末50は、広告主サイトにおいて所定のCVが行われた場合に、CV情報を情報処理装置100へと送信する。これにより、情報処理装置100では配信広告のCVを計測することができる。
【0016】
広告主サーバ200は、広告主の広告主サイトを運営するサーバ装置である。たとえば、広告主サーバ200は、利用者端末50によるアクセスに応じて広告主サイトを利用者端末50へ提供する。
【0017】
〔1.2.情報処理の一例〕
ところで、近年では、プラットフォーマーによるいわゆるITP(Intelligent Tracking Prevention)の搭載によって3rd Party Cookieの利用が制限されてきている。そのため、このような制約下において、情報処理装置100は、利用者端末50から取得可能なCV情報に欠損が生じる場合がある。
【0018】
より具体的には、たとえば、実際は広告主サイトにおいて複数回のコンバージョンが行われた場合であっても、情報処理装置100は、1回分のコンバージョンに関する情報しか取得できず、CV計測の精度が低下する。
【0019】
そこで、実施形態に係る情報処理装置100は、CV情報から複数回のコンバージョンが発生したか否かを推定することとした。具体的には、
図1に示すように、
図1に示すように、情報処理装置100は、CV情報から複数CVか否かを推定する。たとえば、
図2に示すように、実施形態に係る情報処理装置100は、CV推定モデルを用いて、CV情報からCV数を推定する。
【0020】
ここで、CV推定モデルは、複数回のコンバージョンが発生した配信広告の特徴を学習したモデルである。情報処理装置100は、たとえば、CV情報をCV推定モデルに入力し、当該CV情報のCV数を推定する。
【0021】
そして、情報処理装置100は、推定したCV数に応じて、配信広告の配信およびCV計測を行う。なお、CV推定モデルの学習方法については後述する。
【0022】
このように、情報処理装置100では、CV推定モデルを用いることで、コンバージョンを適切に推定することができる。
【0023】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、
図3を用いて、情報処理装置100の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。
【0024】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークNを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0025】
記憶部130は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部130は、学習用情報記憶部131、CV推定モデル記憶部132、配信広告情報記憶部133、配信計画情報記憶部134およびコンバージョン情報記憶部135を有する。
【0026】
学習用情報記憶部131は、学習用情報を記憶する。学習用情報は、CV推定モデルを学習するためのモデルである。
図4は、実施形態に係る学習用情報記憶部131の一例を示す図である。
【0027】
図4に示すように、学習用情報記憶部131は、広告ID、利用者ID、コンテンツIDおよびCV数などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。広告IDは、配信広告を識別するための識別子である。
【0028】
利用者IDは、対応する配信広告が配信された利用者を識別する識別子である。コンテンツIDは、配信広告とともに配信されるコンテンツを識別する識別子である。CV数は、対応する配信広告における対応する利用者のCV数である。
【0029】
図4に示す例では、広告ID「AD.01」で識別される配信広告を利用者ID「U01」で識別される利用者へコンテンツID「C01」で識別されるコンテンツとともに配信したときのCV数が「1回」であることを示す。
【0030】
学習用情報記憶部131に記憶する学習用情報は、たとえば、プラットフォーマーによるITPの搭載がなされていない利用者を対象とした情報、あるいは、ITPが搭載されるよりも前に取得した情報である。
【0031】
図3の説明に戻り、CV推定モデル記憶部132について説明する。CV推定モデル記憶部132は、CV推定モデルを記憶する。CV推定モデルは、CV情報からCV数を推定するモデルである。
【0032】
図5は、実施形態に係るCV推定モデル記憶部132の一例を示す図である。
図5に示すように、CV推定モデル記憶部132は、モデルID、モデル情報およびCV数といった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0033】
モデルIDは、CV推定モデルを識別するための識別子である。モデル情報は、CV推定モデル本体に関する情報である。CV数は、対応するCV推定モデルが学習した配信広告のCV数である。
【0034】
すなわち、
図5の例では、モデルID「M01」によって識別されるCV推定モデルのモデル情報が「D01」であり、CV数「2回」の配信広告の特徴を学習したことを示す。
【0035】
また、
図5の例では、
図5の例では、モデルID「M02」によって識別されるCV推定モデルのモデル情報が「D02」であり、CV数「3回」の配信広告の特徴を学習したことを示す。
【0036】
なお、ここでは、CV数毎の配信広告の特徴をそれぞれ異なるモデルで学習していることを示しているが、これに限定されるものではなく、2以上のCV数が観測された配信広告の特徴をまとめて学習したモデルを生成するようにしてもよい。
【0037】
図3の説明に戻り、配信広告情報記憶部133について説明する。配信広告情報記憶部133は、配信広告情報を記憶する。配信広告情報は、各広告主から入稿された配信広告に関する情報であり、たとえば、配信広告として表示する画像(あるいは映像および音声)、配信条件(配信ターゲット)、配信目標数、目標コンバージョン単価(tCPA)、ランディングページのURLに関する情報が含まれる。
【0038】
配信計画情報記憶部134は、配信計画情報を記憶する。配信計画情報は、たとえば、各配信広告のCVRを最適化して配信するための配信計画に関する情報である。
【0039】
コンバージョン情報記憶部135は、コンバージョン情報を記憶する。コンバージョン情報は、配信広告毎のコンバージョンに関する情報である。
【0040】
制御部120は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部120は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0041】
図3に示すように、制御部120は、取得部121と、学習部122と、配信部123と、推定部124と、補正部125と、出力部126とを有する。
【0042】
取得部121は、利用者端末50から各種情報を取得する。取得部121が取得する情報として、たとえば、配信広告に対するリクエスト、コンバージョン情報などが含まれる。
【0043】
取得部121は、配信広告に対するリクエストを取得した場合、当該リクエストに関する情報を配信部123へ渡し、コンバージョン情報を取得した場合、コンバージョン情報を推定部124へ渡す。
【0044】
学習部122は、複数回のコンバージョンに至る配信広告の特徴を学習する。たとえば、学習部122は、学習用情報記憶部131に記憶された学習用情報を用いた機械学習によって複数回のコンバージョンに至る配信広告の特徴を学習する。
【0045】
具体的には、配信広告に関する情報として、フォーマット、カテゴリ、配信実績(インプレッション数、クリック数等)等に関する情報、配信広告の表示媒体に関する情報(URL,コンテンツの内容)、および、利用者情報(年齢、性別、類似ユーザ、IPアドレス)などといった項目の情報を学習用情報として利用する。
【0046】
たとえば、学習部122は、これらの学習用情報を利用して、モデルが出力されるスコアが正解データ(複数回のCV)に近づくように、ポアソン回帰、平均二乗誤差、平均絶対誤差等の評価指標を用いた学習処理を行うことで、CV推定モデルを生成する。
【0047】
なお、学習部122は、複数回のコンバージョンを行った利用者に関する利用者情報と、配信広告との関係を学習したCV推定モデルを学習するようにしてもよい。この場合、どのような利用者がどのような配信広告で複数回のコンバージョンに至るかいとった傾向を学習することになる。これにより、各配信広告に対する利用者のコンバージョン数を適切に推定することができる。
【0048】
また、学習部122は、コンバージョン数毎に配信広告の特徴を学習したコンバージョン推定モデルを学習するようにしてもよい。すなわち、この場合、学習部122は、コンバージョン数毎にそれぞれの配信広告の特徴を学習したCV推定モデルの学習を行うことになる。
【0049】
なお、CV推定モデルの生成は、機械学習に関する種々の従来技術を適宜用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。また、例えば、モデルの生成は、教師なし学習の機械学習に関する技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、深層学習(ディープラーニング)の技術を用いて行われてもよい。例えば、モデルの生成は、DNN(Deep Neural Network)やRNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術を適宜用いて行われてもよい。
【0050】
配信部123は、利用者端末50による配信広告に対するリクエスト(以下、単にリクエストと記載)に対して配信広告を配信する。たとえば、配信部123は、リクエストのリクエスト元となる利用者や、配信広告の表示媒体に関する情報等に基づき、配信計画情報記憶部134に記憶された配信計画情報に沿って配信する配信広告を選択する。
【0051】
そして、配信部123は、リクエストに対して配信する配信広告を選択すると、リクエスト元となる利用者端末50に対して配信広告を配信する。
【0052】
推定部124は、取得部121によって取得された利用者のCV情報に基づいて、配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する。たとえば、推定部124は、取得部121から受け取ったCV情報および利用者に関する利用者情報をCV推定モデル記憶部132に記憶されたCV推定モデルに入力することで、当該利用者によるコンバージョンが複数回のコンバージョンか否かを推定する。
【0053】
なお、この際、推定部124は、CV推定モデルを用いて、CV数を推定するようにしてもよい。そして、推定部124は、推定したコンバージョンに関する情報を補正部125へ渡す。
【0054】
補正部125は、配信広告に対するCVを計測し、推定部124によって推定されたCV数に応じて、CV数を補正する。具体的には、補正部125は、推定部124によって推定されたCV数が2回である場合、CV数を2回へ補正する。
【0055】
これにより、CVの計測結果を実際のコンバージョン数に近づけることができる。そして、補正部125は、CVの計測結果をコンバージョン情報記憶部135へコンバージョン情報として記憶する。
【0056】
出力部126は、各種情報を出力する。たとえば、出力部126は、配信広告(キャンペーン)毎にCVあるいはCVRに関する広告主レポートを生成し、各広告主当てに出力する。
【0057】
〔3.処理フロー〕
次に、
図6および
図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る学習処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、実施形態に係るコンバージョン計測処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
図6に示すように、まず、情報処理装置100は、学習用情報を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置100は、CV推定モデルを学習し(ステップS102)、処理を終了する。
【0059】
次に、
図7を用いて、コンバージョン計測処理の処理手順について説明する。
図7に示すように、情報処理装置100は、CV情報を取得すると(ステップS111)、CV推定モデルを用いて、CV情報のコンバージョン数を推定する(ステップS112)。
【0060】
つづいて、情報処理装置100は、推定したコンバージョン数に基づいて、CV計測を行い(ステップS113)、処理を終了する。
【0061】
〔4.変形例〕
上述した情報処理装置100では、CV推定モデルによる推定結果をCV計測に活用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、CV推定モデルによる推定結果を用いて、各配信広告の配信計画を作成するようにしてもよい。
【0062】
〔5.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置100は、配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、利用者が複数回のコンバージョンに至る配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習部122と、学習部122によって学習された
コンバージョン推定モデルを用いて、配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定部124とを備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、配信広告のコンバージョンを適切に推定することができる。
【0063】
また、実施形態に係る学習部122は、コンバージョン数毎に配信広告の特徴を学習したコンバージョン推定モデルを学習し、推定部124は、コンバージョン推定モデルを用いて、配信広告に対するコンバージョン数を推定する。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、コンバージョン数を適切に推定することができる。
【0064】
また、実施形態に係る情報処理装置100は、推定部124によって推定されたコンバージョン数に応じて、配信広告のコンバージョン数を補正する補正部125を備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、コンバージョン数を適切に計測することができる。
【0065】
また、実施形態に係る学習部122は、複数のコンバージョンに至った利用者と、配信広告の特徴との関係性を学習したコンバージョン推定モデルを学習し、推定部124は、利用者に応じて、複数のコンバージョンであるか否かを推定する。したがって、実施形態に係る情報処理装置100によれば、コンバージョンの推定精度を向上させることができる。
【0066】
また、上述した実施形態に係る情報処理方法はコンピュータが実行する情報処理方法であって、配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習工程と、前記学習工程によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定工程とを含む。したがって、実施形態に係る情報処理方法によれば、配信広告のコンバージョンを適切に推定することができる。
【0067】
また、上述した実施形態に係る情報処理プログラムは、配信広告に対する利用者のコンバージョン履歴に基づいて、前記利用者が複数回のコンバージョンに至る前記配信広告の特徴に関するコンバージョン推定モデルを学習する学習手順と、前記学習手順によって学習された前記コンバージョン推定モデルを用いて、前記配信広告に対するコンバージョンが複数回のコンバージョンであるか否かを推定する推定手順とをコンピュータに実行させる。したがって、実施形態に係る情報処理プログラムによれば、配信広告のコンバージョンを適切に推定することができる。
【0068】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図8は、実施形態に係る情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0069】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0070】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0071】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(
図8では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0072】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0073】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部120の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0074】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0075】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0076】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0077】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0078】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部121は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0079】
1 情報処理システム
50 利用者端末
100 情報処理装置
121 取得部
122 学習部
123 配信部
124 推定部
125 補正部
126 出力部
130 記憶部
131 学習用情報記憶部
132 CV推定モデル記憶部
133 配信広告情報記憶部
134 配信計画情報記憶部
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