(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】自動ロード・アンロード装置及びトレイ付きのチップ素材自動ロードシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20240926BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B65G1/00 547B
H01L21/68 A
(21)【出願番号】P 2022110299
(22)【出願日】2022-07-08
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】202110776849.8
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121556888.9
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502286074
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王程
(72)【発明者】
【氏名】李軼
(72)【発明者】
【氏名】盧超
(72)【発明者】
【氏名】魏棋
(72)【発明者】
【氏名】張千
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-086655(JP,A)
【文献】特開2002-313870(JP,A)
【文献】特開平05-008130(JP,A)
【文献】特開2019-18983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動枠組み、ピックアンドプレース装置及びバッファ装置を備える自動ロード・アンロード装置であって、
前記可動枠組みは、内部にX軸方向に沿って左右に配置された第1領域及び第2領域を有し、
前記ピックアンドプレース装置は、前記第1領域に設けられ、かつ昇降機構、移載機構、回転機構及び搬送機構を備え、
前記昇降機構は、前記移載機構に接続され、前記搬送機構、前記回転機構および前記移載機構は、Z軸方向に沿って上から下へ順に積み重ねて接続され、
前記搬送機構は、搬送方向において往復移動して素材をつかみ上げ又は下ろすことができるように構成され、前記回転機構は、前記搬送機構が前記移載機構に対して回転方向において回転できるように構成され、
前記昇降機構は、前記移載機構が前記Z軸方向において昇降できるように構成され、前記移載機構は、前記回転機構
をX
軸方向において往復移動
させることにより、前記搬送機構が前記バッファ装置に対してX軸方向において往復移動できるように構成され、
前記バッファ装置は、前記第2領域に設けられ、かつバッファボックス及びバッファボックス位置決め台を備え、前記バッファボックスは、前記バッファボックス位置決め台の上部に取り出し又は載置可能に設けられることを特徴とする、自動ロード・アンロード装置。
【請求項2】
光学自己校正システム、再起動自己復旧システム、ピックアンドプレース力制御システム及び直交位置決めシステムのうち1つ又は複数のシステムを更に備え、
前記光学自己校正システムは、前記自動ロード・アンロード装置とロード装置の相対位置情報に基づき、前記自動ロード・アンロード装置の位置を補正し、
前記再起動自己復旧システムは、停電から再起動した後、停電前の履歴データに基づき前記ピックアンドプレース装置が停電前の位置に自動的に復帰するように構成され、
前記ピックアンドプレース力制御システムは、前記素材が所定の位置に置かれているかの第1位置情報及び/又は前記素材のつかみ上げ又は下ろし過程の抵抗情報を検出し、かつ前記第1位置情報及び/又は前記抵抗情報に基づき前記搬送機構の動作を制御し、
前記直交位置決めシステムは、前記搬送機構における前記素材の前記バッファ装置の1つの断面に対する直交位置を確定する、請求項1に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項3】
前記光学自己校正システムは、
前記ロード装置に設けられる第1光学標識点、
前記回転機構の前記ロード装置に対向する側面の中央部に設けられ、かつ前記第1光学標識点の第2位置情報を収集可能に配置されるカメラ、および
前記第2位置情報に基づき、前記搬送機構、前記回転機構及び/又は前記移載機構の動作を制御する第1制御コマンドを生成する第1制御システムを備える、請求項2に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項4】
前記第1光学標識点は、1つ又は複数の赤外線LED光源を含み、前記カメラは、赤外線カメラである、請求項3に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項5】
前記第1光学標識点は、複数の前記赤外線LED光源を含み、
前記光学自己校正システムは、前記回転機構に接続され且つ前記X軸方向における前記回転機構の傾斜度を調整可能な傾斜度調整機構を更に備える、請求項4に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項6】
前記停電前の履歴データは、産業用コンピュータのデータベースに記憶され、前記産業用コンピュータは、停電前の履歴データに基づき前記ピックアンドプレース装置が停電前の位置に自動的に復帰するようにする、請求項2に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項7】
前記産業用コンピュータは、さらに、前記自動ロード・アンロード装置の運行データ及び/又は外部との対話データを記憶する、請求項6に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項8】
前記ピックアンドプレース力制御システムは、
前記搬送機構の前端に設けられ、前記素材が所定の位置に置かれているかの前記第1位置情報を取得可能であり及び/又は前記素材のつかみ上げ又は下ろし過程の抵抗情報を取得可能な第1力覚センサ、および
前記第1位置情報及び/又は前記抵抗情報に基づき、前記搬送機構の往復移動を制御する第2制御コマンドを生成する第2制御システムを備える、請求項2に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項9】
前記直交位置決めシステムは、
前記回転機構の中心点であり且つ初期正面方向を有する原点を中心回転点とし、前記原点から前記バッファ装置の前記断面までの直交位置の左右両側にある複数の検知点を検知して距離を測定することにより、対応する複数の検知結果を取得する検知測距機構、および
前記複数の検知結果を分析することにより、前記直交位置の左右両側の領域において同じ検知結果を示す検知点を取得して基準点とし、前記基準点に基づき前記初期正面方向と前記直交位置の偏向角を分析する分析手段を備え、
前記回転機構は、さらに、前記偏向角を回転させて前記搬送機構に載置された前記素材の正面方向と前記断面が直交するようにする、請求項2に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項10】
前記可動枠組みは、枠構造、前記枠構造に取り付けられる殻体、および前記枠構造に取り付けられるキャスターを備える、請求項1に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項11】
前記キャスターは、調整可能なキャスターであり、かつ前記Z軸方向において高さを調整可能に構成される、請求項10に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項12】
前記可動枠組みは、さらに、
電気的に制御され且つ前記第1領域に対応して設けられる第1キャビネットドア、及び/又は電気的に制御され且つ前記第2領域に対応して設けられる第2キャビネットドア、および
前記第1キャビネットドア及び/又は前記第2キャビネットドアと電気的に接続され、かつ前記第1キャビネットドア及び/又は前記第2キャビネットドアの自動開閉を制御する電気制御機構を備える、請求項10に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項13】
前記可動枠組みは、1つの側面に形成され且つ前記搬送機構の出入りに用いられる第1開口を更に備える、請求項10に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項14】
前記昇降機構は、さらに、
前記Z軸方向に沿って配置され且つその上に第1摺動子が設けられる第1線形レール、
前記第1線形レールに平行して設けられる第1ボールねじ、
前記第1ボールねじ及び前記第1摺動子に同時に接続され、前記移載機構を引き受ける昇降引き受け板、および
前記第1ボールねじに連動可能に接続され、前記第1ボールねじを駆動して前記昇降引き受け板が上下に摺動するようにする第1モータを備える、請求項1に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項15】
前記第1線形レールの数が2つであり、各第1線形レールは、レール基板を利用して前記可動枠組みの1つの側面に取り付けられ、及び/又は、
前記第1ボールねじは、2つの第1線形レールの間に設けられ且つ固定基板を利用して固着される、請求項14に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項16】
前記移載機構は、
1つの側面がそれぞれ前記昇降引き受け板に接続される2つの固定側板、
前記X軸方向に沿って配置され、かつその上に第2摺動子が設置される第2線形レール、
前記第2線形レールに平行して設置される第2ボールねじ、
前記固定側板に固定接続され、かつ前記固定側板、前記第2線形レールと前記第2ボールねじが互いに平行して外から内へ順に設置されている並進基板、および
前記第2ボールねじに連動可能に接続され、前記第2ボールねじを駆動して前記X軸方向に沿って移動するようにする第2モータを備える、請求項14に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項17】
前記移載機構は、2つの前記第2線形レールを備え、
前記2つの固定側板は、前記並進基板の最外層の両側に位置し、2つの前記第2線形レールは、2つの前記固定側板の間に設けられ、前記第2ボールねじは、2つの前記第2線形レールの間に設けられる、請求項16に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項18】
前記回転機構は、
前記第2ボールねじ及び前記第2摺動子に接続される回転基板、
前記回転基板の正面に設けられる第1同期ホイール、
前記回転基板の正面の中央部に設けられる第2同期ホイール、
前記第1同期ホイールと前記第2同期ホイールを連結する第1同期ベルト、
前記第2同期ホイールのフランジ側面に接続される回転引き受け板、および
前記回転基板の裏面に設けられ、かつ前記第1同期ホイールに連動可能に接続される第3モータを備え、
前記第3モータは、前記第1同期ホイールを駆動して回転するようにし、かつ前記第1同期ベルトを利用して前記第2同期ホイールを駆動して同期回転するようにし、前記第2同期ホイールは、さらに前記回転引き受け板を駆動して第1作業位置と第2作業位置の間において回転するようにする、請求項16に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項19】
前記回転機構は、複数の第1支柱を更に備え、
前記複数の第1支柱は、前記回転引き受け板の正面辺縁に均一に設けられ、前記搬送機構を支持接続する、請求項18に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項20】
前記搬送機構は、動力アセンブリ、連桿搬送アセンブリ及びつかみ上げジグアセンブリを備え、
前記動力アセンブリは、前記連桿搬送アセンブリに接続され、かつ前記連桿搬送アセンブリを駆動して前記搬送方向に沿って往復移動するようにし、前記つかみ上げジグアセンブリは、前記連桿搬送アセンブリの前端に設けられ、前記素材をつかみ上げ又は下ろすために用いられる、請求項1に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項21】
前記搬送機構は、搬送作業台に設けられ、
前記搬送作業台は、対置する正面及び裏面を有し、前記動力アセンブリは、前記搬送作業台の前記裏面側に設けられ、前記連桿搬送アセンブリは、前記搬送作業台の前記正面側に設けられる、請求項20に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項22】
前記バッファボックス位置決め台は、前記第2領域に固定されるバッファボックス引き受け台、
導入方向に沿って前記バッファボックス引き受け台の正面中部に設けられ、前記バッファボックスの底部にある案内溝と協力して、前記バッファボックスを導入して前記バッファボックス引き受け台に置かれるように案内する案内ブロック、
前記案内ブロックの末端に設けられ且つ前記バッファボックス引き受け台の側辺に接続され、前記バッファボックスの収納位置を決めるために用いられる仕切り板、
前記バッファボックスの底部にある位置決め孔に嵌挿される位置決め押桿を有する位置決めシリンダ、および
前記位置決めシリンダに接続される移載押桿を有する移載シリンダを備え、
前記移載シリンダは、前記位置決めシリンダを駆動してその位置決め押桿が前記位置決め孔に挿入するようにし、前記位置決めシリンダは、前記バッファボックスを駆動して収納位置までに摺動するようにする、請求項1に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項23】
前記バッファボックス位置決め台は、さらに、前記バッファボックス引き受け台と前記可動枠組みの底部を固定接続する4つの位置決め柱を備える、請求項22に記載の自動ロード・アンロード装置。
【請求項24】
請求項1~23の何れか1項に記載の自動ロード・アンロード装置によって遂行される自動ロード・アンロード方法であって、
前記自動ロード・アンロード装置を移動させてロード装置と対向するようにし、かつ前記自動ロード・アンロード装置の1つ又は複数の状態を調整して待機状態になるようにし、
前記自動ロード・アンロード装置のピックアンドプレース装置を用い、前記バッファボックスの収納格子からチップが載置されたトレイを取り出して前記ロード装置に入れることにより、前記チップの自動ロードを遂行し、又は
前記ロード装置から空き状態のトレイを取り出して前記バッファボックスの収納格子に入れることにより、前記トレイの自動アンロードを遂行することを含むことを特徴とする、自動ロード・アンロード方法。
【請求項25】
前記自動ロード・アンロード装置の1つ又は複数の状態を調整するに当たって、前記自動ロード・アンロード装置とロード装置の相対位置情報に基づき、前記自動ロード・アンロード装置の位置を補正する、請求項24に記載の自動ロード・アンロード方法。
【請求項26】
停電から前記自動ロード・アンロード装置を再起動した後、停電前の履歴データに基づき、前記ピックアンドプレース装置を停電前の位置に自動的に復帰させることを更に含む、請求項24に記載の自動ロード・アンロード方法。
【請求項27】
請求項1~23の何れか1項に記載の自動ロード・アンロード装置、およびロード装置を備え、
前記自動ロード・アンロード装置のピックアンドプレース装置を用い、チップが載置されたトレイを前記バッファボックスの収納格子から取り出して前記ロード装置に入れることで、前記チップの自動ロードを遂行し、又は
前記ロード装置から空き状態のトレイを取り出して前記バッファボックスの収納格子に入れることにより、前記トレイの自動アンロードを遂行することを特徴とする、トレイ付きのチップ素材自動ロードシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、知能化製造の分野に関し、特に自動ロード・アンロード装置及びトレイ付きのチップ素材自動ロードシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、インテリジェント製造およびインテリジェントロジスティクスの分野では自動化レベルが高くなるにつれ、工場実態が少人化の方向へますます推移しつつある。
【0003】
表面実装技術(Surface Mounted Technology,SMT)を利用する自動生産ラインのチップロードは、ロード装置のキャビネットドアを手動で開け、チップが載置されていない空き状態のトレイ(「トレイ盤」とも称する)を取り出し、代わりにチップが満載されたトレイを入れた後、ロード装置のキャビネットドアを閉めてロード装置のロード完了ボタンを押すことでチップロードを遂行する。
【0004】
チップの無損傷、精確な位置決め及びドッキング、精密チップ移動時の衝突防止処理、マシンと製造実行システム(Manufacturing Execution system,MES)のデータ対話などを確保するため、従来のチップのロード・アンロードは手作業によって遂行されるが、このような手作業には入れ替わりが激しく、作業手順が煩雑であり、人員コストが高いなどの問題点を抱えている。
【0005】
そこで、如何にSMT生産ラインの100%の自動化を実現することで素材搬送の仕上げ工程を実現し、工場のために斬新なSMT知能化生産ラインを構築することは、業界が差し迫って解決策を求める急務になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記問題を解決し、SMT生産ラインの自動化を実現するため、本発明は、自動ロード・アンロード装置及びトレイ付きのチップ素材自動ロードシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、自動ロード・アンロード装置を提供し、該自動ロード・アンロード装置は、可動枠組み、ピックアンドプレース装置及びバッファ装置を備え、
前記可動枠組みは、内部にX軸方向に沿って左右に配置された第1領域及び第2領域を有し、
前記ピックアンドプレース装置は、前記第1領域に設けられ、かつ昇降機構、移載機構、回転機構及び搬送機構を備え、
前記昇降機構は、前記移載機構に接続され、前記搬送機構、前記回転機構および前記移載機構は、Z軸方向に沿って上から下へ順に積み重ねて接続され、
前記搬送機構は、搬送方向において往復移動して素材をつかみ上げ又は下ろすことができるように構成され、前記回転機構は、前記搬送機構が前記移載機構に対して回転方向において回転できるように構成され、
前記昇降機構は、前記移載機構が前記Z軸方向において昇降できるように構成され、前記移載機構は、前記回転機構がX方向において往復移動できるように構成され、
前記バッファ装置は、前記第2領域に設けられ且つバッファボックス及びバッファボックス位置決め台を備え、前記バッファボックスは、前記バッファボックス位置決め台の上部に取り出し又は載置可能に設けられる。
【0008】
前記自動ロード・アンロード装置は、さらに光学自己校正システム、再起動自己復旧システム、ピックアンドプレース力制御システム及び直交位置決めシステムのうち1つ又は複数のシステムを備え、
前記光学自己校正システムは、前記自動ロード・アンロード装置とロード装置の相対位置情報に基づき、前記自動ロード・アンロード装置の位置を補正し、
前記再起動自己復旧システムは、停電から再起動した後、停電前の履歴データに基づき前記ピックアンドプレース装置が停電前の位置に自動的に復帰するように構成され、
前記ピックアンドプレース力制御システムは、前記素材が所定の位置に置かれているかの第1位置情報及び/又は前記素材のつかみ上げ又は下ろし過程の抵抗情報を検出し、かつ前記第1位置情報及び/又は前記抵抗情報に基づき前記搬送機構の動作を制御し、
前記直交位置決めシステムは、前記搬送機構における前記素材の前記バッファ装置の1つの断面に対する直交位置を確定する。
【0009】
前記光学自己校正システムは、前記ロード装置に設けられる第1光学標識点、前記回転機構の前記ロード装置に対向する側面の中央部に設けられ、かつ前記第1光学標識点の第2位置情報を収集可能に配置されるカメラ、および前記第2位置情報に基づき、前記搬送機構、前記回転機構及び/又は前記移載機構の動作を制御する第1制御コマンドを生成する第1制御システムを備える。
【0010】
前記光学標識点は、1つ又は複数の赤外線LED光源を含み、前記カメラは、赤外線カメラである。
【0011】
前記第1光学標識点は、複数の前記赤外線LED光源を含み、前記光学自己校正システムは、前記回転機構に接続され且つ前記回転機構の前記X軸方向における傾斜度を調整可能な傾斜度調整機構を更に備える。
【0012】
前記停電前の履歴データは、産業用コンピュータのデータベースに記憶され、前記産業用コンピュータは、停電前の履歴データに基づき前記ピックアンドプレース装置が停電前の位置に自動的に復帰するようにする。
【0013】
前記産業用コンピュータは、さらに、前記自動ロード・アンロード装置の運行データ及び/又は外部との対話データを記憶する。
【0014】
前記ピックアンドプレース力制御システムは、
前記搬送機構の前端に設けられ、前記素材が所定の位置に置かれているかの前記第1位置情報を取得可能であり及び/又は前記素材のつかみ上げ又は下ろし過程の抵抗情報を取得可能な第1力覚センサ、および
前記第1位置情報及び/又は前記抵抗情報に基づき、前記搬送機構の往復移動を制御する第2制御コマンドを生成する第2制御システムを備える。
【0015】
前記直交位置決めシステムは、
前記回転機構の中心点であり且つ初期正面方向を有する原点を中心回転点とし、前記原点から前記バッファ装置の前記断面までの直交位置の左右両側にある複数の検知点を検知して距離を測定することにより、対応する複数の検知結果を取得する検知測距機構、および
前記複数の検知結果を分析することにより、前記直交位置の左右両側の領域において同じ検知結果を示す検知点を取得して基準点とし、かつ前記基準点に基づき前記初期正面方向と前記直交位置の偏向角を分析する分析手段を備え、
そのうち前記回転機構は、さらに、前記偏向角を回転させて前記搬送機構に載置された前記素材の正面方向と前記断面が直交するようにする。
【0016】
前記可動枠組みは、枠構造、前記枠構造に取り付けられる殻体、および前記枠構造に取り付けられるキャスターを備える。
【0017】
前記キャスターは、調整可能なキャスターであり、かつ前記Z方向において高さを調整可能に構成される。
【0018】
前記可動枠組みは、さらに、
電気的に制御され且つ前記第1領域に対応して設けられる第1キャビネットドア及び/又は電気的に制御され且つ前記第2領域に対応して設けられる第2キャビネットドア、および
前記第1キャビネットドア及び/又は前記第2キャビネットドアと電気的に接続され、かつ前記第1キャビネットドア及び/又は前記第2キャビネットドアの自動開閉を制御する電気制御機構を備える。
【0019】
前記可動枠組みは、1つの側面に形成され且つ前記搬送機構の出入りに用いられる第1開口を更に備える。
【0020】
前記昇降機構は、さらに、前記Z軸方向に沿って配置され且つその上に第1摺動子が設けられる第1線形レール、前記第1線形レールに平行して設けられる第1ボールねじ、前記第1ボールねじ及び前記第1摺動子に同時に接続され、前記移載機構を引き受ける昇降引き受け板、および前記第1ボールねじに連動可能に接続され、前記第1ボールねじを駆動して前記昇降引き受け板が上下に摺動するようにする第1モータを備える。
【0021】
前記第1線形レールの数が2つであり、各第1線形レールは、レール基板を利用して前記可動枠組みの1つの側面に取り付けられ、及び/又は前記第1ボールねじは、2つの第1線形レールの間に設けられ且つ固定基板を利用して固着される。
【0022】
前記移載機構は、1つの側面がそれぞれ前記昇降引き受け板に接続される2つの固定側板、前記X軸方向に沿って配置され且つその上に第2摺動子が設置される第2線形レール、前記第2線形レールに平行して設置される第2ボールねじ、前記固定側板に固定接続され、かつ前記固定側板、前記第2線形レールと前記第2ボールねじが互いに平行して外から内へ順に設置されている並進基板、および前記第2ボールねじに連動可能に接続され、前記第2ボールねじを駆動して前記X軸方向に沿って移動するようにする第2モータを備える。
【0023】
前記移載機構は、2つの前記第2線形レールを備え、
前記2つの固定側板は、前記並進基板の最外層の両側に位置し、2つの前記第2線形レールは、2つの前記固定側板の間に設けられ、前記第2ボールねじは、2つの前記第2線形レールの間に設けられる。
【0024】
前記回転機構は、前記第2ボールねじ及び前記第2摺動子に接続される回転基板、前記回転基板の正面に設けられる第1同期ホイール、前記回転基板の正面の中央部に設けられる第2同期ホイール、前記第1同期ホイールと前記第2同期ホイールを連結する第1同期ベルト、前記第2同期ホイールのフランジ側面に接続される回転引き受け板、および前記回転基板の裏面に設けられ、かつ前記第1同期ホイールに連動可能に接続される第3モータを備え、
前記第3モータは、前記第1同期ホイールを駆動して回転するようにし、かつ前記第1同期ベルトを利用して前記第2同期ホイールを駆動して同期回転するようにし、前記第2同期ホイールは、さらに前記回転引き受け板を駆動して第1作業位置と第2作業位置の間において回転するようにする。
【0025】
前記回転機構は、複数の第1支柱を更に備え、前記複数の第1支柱は、前記回転引き受け板の正面辺縁に均一に設けられ、前記搬送機構を支持接続する。
【0026】
前記搬送機構は、動力アセンブリ、連桿搬送アセンブリ及びつかみ上げジグアセンブリを備え、
前記動力アセンブリは、前記連桿搬送アセンブリに接続され、かつ前記連桿搬送アセンブリを駆動して前記搬送方向に沿って往復移動するようにし、前記つかみ上げジグアセンブリは、前記連桿搬送アセンブリの前端に設けられ、前記素材をつかみ上げ又は下ろすために用いられる。
【0027】
前記搬送機構は、搬送作業台に設けられ、
前記搬送作業台は、対置する正面及び裏面を有し、前記動力アセンブリは、前記搬送作業台の前記裏面側に設けられ、前記連桿搬送アセンブリは、前記搬送作業台の前記正面側に設けられる。
【0028】
前記バッファボックス位置決め台は、
前記第2領域に固定されるバッファボックス引き受け台、
導入方向に沿って前記バッファボックス引き受け台の正面中部に設けられ、前記バッファボックスの底部にある案内溝と協力して、前記バッファボックスを導入して前記バッファボックス引き受け台に置かれるように案内する案内ブロック、
前記案内ブロックの末端に設けられ且つ前記バッファボックス引き受け台の側辺に接続され、前記バッファボックスの収納位置を決めるために用いられる仕切り板、
前記バッファボックスの底部にある位置決め孔に嵌挿される位置決め押桿を有する位置決めシリンダ、および
前記位置決めシリンダに接続される移載押桿を有する移載シリンダを備え、
前記移載シリンダは、前記位置決めシリンダを駆動してその位置決め押桿が前記位置決め孔に挿入するようにし、前記位置決めシリンダは、前記バッファボックスを駆動して収納位置までに摺動するようにする。
【0029】
前記バッファボックス位置決め台は、さらに、前記バッファボックス引き受け台と前記可動枠組みの底部を固定接続する4つの位置決め柱を備える。
【0030】
上記目的を達成すべく、本発明は、さらに自動ロード・アンロード方法を提供し、該自動ロード・アンロード方法は、
上記何れかの1項に記載の自動ロード・アンロード装置によって遂行され、
前記自動ロード・アンロード装置を移動させてロード装置と対向するようにし、かつ前記自動ロード・アンロード装置の1つ又は複数の状態を調整して待機状態になるようにし、
前記自動ロード・アンロード装置のピックアンドプレース装置を用い、前記バッファボックスの収納格子からチップが載置されたトレイを取り出して前記ロード装置に入れることにより、前記チップの自動ロードを遂行し、又は
前記ロード装置から空き状態のトレイを取り出して前記バッファボックスの収納格子に入れることにより、前記トレイの自動アンロードを遂行することを含む。
【0031】
前記自動ロード・アンロード装置の1つ又は複数の状態を調整するに当たって、前記自動ロード・アンロード装置とロード装置の相対位置情報に基づき、前記自動ロード・アンロード装置の位置を補正する。
【0032】
本発明のもう1つの実施形態において、前記自動ロード・アンロード方法は、停電から前記自動ロード・アンロード装置を再起動した後、停電前の履歴データに基づき、前記ピックアンドプレース装置を停電前の位置に自動的に復帰させることを更に含む。
【0033】
上記目的を達成すべく、本発明は、さらにトレイ付きのチップ素材自動ロードシステムを提供し、該トレイ付きのチップ素材自動ロードシステムは、
上記何れかの1項に記載の自動ロード・アンロード装置、およびロード装置を備え、
前記自動ロード・アンロード装置のピックアンドプレース装置を用い、チップが載置されたトレイを前記バッファボックスの収納格子から取り出して前記ロード装置に入れることで、前記チップの自動ロードを遂行し、又は
前記ロード装置から空き状態のトレイを取り出して前記バッファボックスの収納格子に入れることにより、前記トレイの自動アンロードを遂行できるように構成される。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、斬新な技術思想に基づくトレイ付きのチップ素材自動ロード・アンロード装置を用いて素材輸送の仕上げ工程を完了し、工場のために斬新なSMT知能化生産ラインを構築することでSMT生産ラインの100%の自動化を実現することができる。なお、本発明の他の側面や優勢は、以下の説明によっても明らかになり、当業者が以下の説明を参照することで実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1A】トレイ付きのチップ素材自動ロードシステムの構造を示す概略図である。
【
図1B】自動ロード・アンロード装置の構造を示す概略図である。
【
図1C】キャビネットドアを省いた自動ロード・アンロード装置の構造を示す概略図である。
【
図2】自動ロード・アンロード装置のピックアンドプレース装置の構造を示す概略図である。
【
図3A】
図2に示すピックアンドプレース装置の昇降機構の構造を示す概略図である。
【
図3B】
図2に示すピックアンドプレース装置の移載機構の構造を示す概略図である。
【
図3C】
図2に示すピックアンドプレース装置の回転機構の構造を示す概略図である。
【
図3D】
図2に示すピックアンドプレース装置の搬送機構の正面の構造を示す概略図である。
【
図3E】
図2に示すピックアンドプレース装置の搬送機構の裏面の構造を示す概略図である。
【
図3F】
図1Cに示す自動ロード・アンロード装置のバッファ装置の構造を示す概略図である。
【
図3G】
図3Fに示すバッファ装置のバッファボックス位置決め台の構造を示す概略図である。
【
図4】光学自己校正システムの傾斜度調整機構の構造を示す概略図である。
【
図6】自動ロード・アンロード方法の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。当業者であれば、本発明の趣旨および範囲から逸脱しない範囲で以下の実施形態に対して種々の変更や変更を加えることができ、これらの変更や変形も本発明の範囲内であることを理解できる。また、以下の図例と説明は、本発明を例示したに過ぎず、本発明を制限するものではない。なお、図において同じ又は類似した構造については同じ符号を付与し、重複となる説明を省略する。
【0037】
本明細書において要素や構成部分などを説明及び/又は図示する際、「1つ」、「一」、「該」、「前記」及び「少なくとも1つ」などを使うことがあるが、これらの用語は1つ又は複数の要素や構成部分などが存在することを意味する。また、「包含」、「含む」及び「備える」などは、開放的意味で使われる用語であり、例示した要素、構成部分に加えて他の要素や構成部分も存在しうることを意味する。以下の実施形態では「上」又は「下」などを使うことがあるが、これらの相対的意味で使われる用語は、図に示す1つの構成要素と他の構成要素との相対的関係を説明するものである。言うまでもないが、かかる装置を図示の状態から反転した場合、「上」側にある構成要素が「下」側にある構成要素になる。特許請求の範囲に記載の「第1」、「第2」などの用語は、標識用途に限られ、その標識対象に対する数字限定と解釈すべきではない。
【0038】
図1A~
図1Cに示すように、本発明に係るトレイ付きのチップ素材自動ロードシステム1000は、自動ロード・アンロード装置100(
図1B、
図1Cを参照)およびロード装置200を備えることができる。本発明の一の好適な実施形態において、自動ロード・アンロード装置100は、例えば、可動枠組み10、ピックアンドプレース装置20およびバッファ装置30を備える。他の実施形態において、自動ロード・アンロード装置100は、例えば、光学自己校正システム40、再起動自己復旧システム50、ピックアンドプレース力制御システム60、および直交位置決めシステム70のうち1つ又は複数のシステムを更に備えることができる。実施形態において、自動ロード・アンロード装置100のピックアンドプレース装置20を用い、バッファ装置30のバッファボックス31の収納格子311(
図3Fを参照)からチップが載置されているトレイ300(
図5を参照)を取り出してロード装置200に入れることによりチップの自動ロードを遂行する。または、自動ロード・アンロード装置100のピックアンドプレース装置20を用い、ロード装置200から空き状態のトレイ300を取り出してバッファ装置30のバッファボックス31の収納格子311に入れることによりトレイ300の自動下ろしを完了する。
図5に示すように、トレイ300は、長さL、幅Wおよび高さHを有し、その一端に更に締付け部301を備える。
【0039】
図1B~
図1Cに示すように、本発明の自動ロード・アンロード装置100において、可動枠組み10の内部に、X軸方向に沿って左右に配置される第1領域11及び第2領域12を有する。本発明の一の実施形態において、可動枠組み10は、例えば、枠構造13、枠構造13に取り付けられる殻体14、および枠構造13に取り付けられるキャスター15を備える。好ましくは、枠構造13は、形鋼構造であり、キャスター15は、調整可能なキャスターであり且つZ軸方向において高さを調整可能に構成される。本発明の一の実施形態において、可動枠組み10は、さらに電気的に制御される第1キャビネットドア16及び/又は電気的に制御される第2キャビネットドア17、および電気制御機構(図示せず)を備えることができる。そのうち、第1キャビネットドア16としては、例えば、第1領域11に対応して設置され、第2キャビネットドア17としては、例えば、第2領域12に対応して設置される。電気制御機構は、第1キャビネットドア16及び/又は第2キャビネットドア17に接続され、第1キャビネットドア16及び/又は第2キャビネットドア17の自動開閉を電気的に制御することができる。本発明において、可動枠組み10は、更に第1開口18を備え、第1開口18としては、例えば可動枠組み10の1つの側面(例えば、
図1Cに示す自動ロード・アンロード装置100の裏面)に形成され、ピックアンドプレース装置20の搬送機構24が出入りするために用いられる。
【0040】
図1Cに示すように、本発明の自動ロード・アンロード装置100において、ピックアンドプレース装置20は、第1領域11に設けられる。また、
図2を参照すれば、ピックアンドプレース装置20としては、例えば昇降機構21、移載機構22、回転機構23及び搬送機構24を備えてもよく、そのうち昇降機構21は、移載機構22に接続されてもよい。搬送機構24、回転機構23及び移載機構22は、Z軸方向に沿って上から下へ順に積み重ねて接続される。また、搬送機構24は、搬送方向Tにおいて往復移動することにより、例えばトレイ300(
図5を参照)に載せられた素材をつかみ上げ又は下ろすことができる。回転機構23は、搬送機構24が移載機構22に対して回転方向Rにおいて回転できるように形成され、昇降機構21は、移載機構22がZ軸方向において上下移動できるように形成され、移載機構22は、回転機構23がX方向において往復移動できるように形成される。
【0041】
図2に示すように、このときの搬送機構24としては、例えば第1位置D1に位置し、その搬送方向Tが図示のX軸方向と同じ方向となる。該状態下において、搬送機構24が搬送方向T(すなわち、X軸方向)に沿って往復移動することにより、バッファボックス31から素材をつかみ上げ又は下ろすことができる。一方、搬送機構24が回転機構23の回転につれ、移載機構22に対して回転方向Rにおいて第1位置D1から第2位置D2にまで回転すると、すなわち搬送機構24が反時計回りに90度回転すると、搬送機構24の搬送方向Tもそれに追従して変化し、すなわち図面において点線で示される搬送方向T'(図に示すY軸方向と同じ方向)となる。該状態下において、搬送機構24が搬送方向T'(すなわち、Y軸方向)に沿って往復移動することにより、ロード装置200(
図1Aを参照)から素材をつかみ上げ又は下ろすことができる。
【0042】
図1に加えて
図3Fも参照すると、本発明の自動ロード・アンロード装置100において、バッファ装置30は、第2領域12に設けられ、かつバッファボックス31及びバッファボックス位置決め台32を備えることができる。そのうち、バッファボックス31は、複数の収納格子311を備え(
図3Fを参照)、バッファボックス位置決め台32の上部から取り出し又は載置可能に設けられ、例えば、
図3Fに示すY軸方向に沿って取り出し又は載置可能に設けられる。
【0043】
図2に加えて
図3Aを参照すると、本発明の一の好適な実施形態において、昇降機構21は、例えば第1線形レール211、第1ボールねじ212、昇降引き受け板213及び第1モータ214を備えることができる。そのうち、第1線形レール211は、Z軸方向に沿って設けられ且つその上に第1摺動子2111が更に設けられ、第1ボールねじ212は、第1線形レール211に平行して設けられ、昇降引き受け板213は、第1ボールねじ212及び第1摺動子2111に同時に接続され、移載機構22を引き受けるために用いられ、第1モータ214は、第1ボールねじ212に連動可能に接続され、第1ボールねじ212を駆動して昇降引き受け板213がZ軸方向に沿って上下に摺動するようにする。
【0044】
好ましくは、第1線形レール211の数が2つであり、各第1線形レール211は、レール基板216を利用して可動枠組み10の1つの側面に取り付けられ、例えば、可動枠組み10の枠構造13と組み合せて
図1Cの左側面に取り付けられる。第1ボールねじ212は、2つの第1線形レール211の間に位置し、固定基板215を利用して固着することができる。
【0045】
図2に加えて
図3Bを参照すると、本発明の一の好適な実施形態において、移載機構22としては、例えば2つの固定側板221、第2線形レール222、第2ボールねじ223、並進基板224及び第2モータ225を備えることができる。そのうち、各固定側板221の1つの側面は、昇降受け板213に接続され、第2線形レール222は、X軸方向に沿って設けられ且つその上に更に第2摺動子2221が設けられ、第2ボールねじ223は、第2線形レール222に平行に設けられ、並進基板224は、固定側板221に固定接続される。また、固定側板221、第2線形レール222及び第2ボールねじ223は、互いに平行に外から内へと順に並進基板224に設けられる。第2モータ225は、第2ボールねじ223に連動可能に接続され、第2ボールねじ223を駆動してX軸方向に沿って移動できるようにする。
【0046】
好ましくは、第2線形レール222としては、例えば、2つの第2線形レール222を備え、2つの固定側板221が並進基板224の最外層の両側に位置し、2つの第2線形レール222が2つの固定側板221の間に位置し、第2ボールねじ223は、2つの第2線形レール222の間に位置して形成される。
【0047】
図2に加えて
図3Cを参照すると、本発明の一の好適な実施形態において、回転機構23としては、例えば回転基板231、第1同期ホイール232、第2同期ホイール233、第1同期ベルト234、回転引き受け板235及び第3モータ236を備えることができる。そのうち回転基板231は、第2ボールねじ223及び第2摺動子2221に接続され、第1同期ホイール232は、回転基板231の正面に設けられ、第2同期ホイール233は、回転基板231の正面中部に設けられ、第1同期ベルト234は、第1同期ホイール232と第2同期ホイール233を接続するために用いられる。また、回転引き受け板235は、第2同期ホイール233のフランジ側面に接続され、第3モータ236は、回転基板231の裏面に設けられ且つ第1同期ホイール232に連動可能に接続される。第3モータ236は、第1同期ホイール232を駆動して回転させ、かつ第1同期ベルト234を利用して第2同期ホイール233が同期的に回転するようにし、第2同期ホイール233は、さらに回転引き受け板235を駆動して第1作業位置(例えば、バッファ装置30から素材をつかみ上げ又は下ろすための作業位置)と第2作業位置(例えば、ロード装置200から素材をつかみ上げ又は下ろすための作業位置)の間において回転移動するようにする。
【0048】
好ましくは、回転機構23は、さらに複数の第1支柱237を備え、該複数の第1支柱237は、回転引き受け板235の正面辺縁に均一に設けられ、搬送機構24を支持して接続するために用いられる。本発明の一の好適な実施形態において、第1支柱237の数が4つであるが、第1支柱237の数や位置は、状況に応じて適宜選定することができ、本発明はこれらについて特に制限がない。
【0049】
図2に加えて
図3D~
図3Eを参照すると、本発明の一の好適な実施形態において、搬送機構24は、例えば、動力アセンブリ241、連桿搬送アセンブリ242及びつかみ上げジグアセンブリ243を備えることができる。そのうち動力アセンブリ241は、連桿搬送アセンブリ242に接続され、連桿搬送アセンブリ242に付勢して搬送方向Tに沿って往復移動するようにする。つかみ上げジグアセンブリ243は、連桿搬送アセンブリ242の前端Fに設けられ、素材が載せられたトレイ300(
図5を参照)をつかみ上げ又は下ろすために用いられる。
【0050】
搬送機構24は、好ましくは、搬送作業台244に設けられる。搬送作業台244は、対向する正面2441(
図3Dを参照)及び裏面2442(
図3Eを参照)を有し、動力アセンブリ241は、搬送作業台244の裏面2442側に設けられ、連桿搬送アセンブリ242は、搬送作業台244の正面2441側に設けられる。
【0051】
本発明の一の好適な実施形態において、
図3Eに示すように、動力アセンブリ241としては、例えばモータ2411、第1同期ホイール2412、第2同期ホイール2413、同期ベルト2414、線形レール2415、第3摺動子2416及び引き受け板2417を備えることができる。そのうち第1同期ホイール2412および第2同期ホイール2413は、それぞれ搬送方向Tに沿って搬送作業台244の後端B及び前端Fに設けられ、かつ同期ベルト2414を介して接続される。モータ2411は、第1同期ホイール2412に接続され、かつ搬送作業台244の後端Bに設けられる。線形レール2415は、搬送作業台244の裏面2442に設けられ、引き受け板2417は、同期ベルト2414及び線形レール2415に設置される第3摺動子2416に接続され、かつ連桿搬送アセンブリ242に接続されて、連桿搬送アセンブリ242を駆動して搬送方向Tに沿って往復移動するようにする。
【0052】
図3Dに示すように、連桿搬送アセンブリ242は、つかみ上げジグアセンブリ243に付勢して搬送方向Tに沿って往復移動するようにする。そのうちつかみ上げジグアセンブリ243としては、例えば、ジグ2431、およびジグ2431に接続される移動装置2432を備えることができる。移動装置2432は、ジグ2431を移動方向M(
図3Dに示すX軸方向と同じ方向)に沿って移動させ、前記ジグ2431が素材をつかみ上げ又は下ろすことができるようにし、このとき、例えばトレイ300(
図5を参照)の一端にある締付け部301と協力して素材をつかみ上げ又は下ろすことができる。そのうち搬送方向Tは、移動方向Mと直交する。
【0053】
本発明の一の実施形態において、搬送機構24としては、さらに搬送作業台244の正面2441に設けられる一対の素材搬送器具245を備えてもよく、各素材搬送器具245は、搬送方向Tに沿って延出し、かつそれぞれ搬送作業台244の左右両側に設置されることで取り出された素材を引き受ける。本発明の別の実施形態において、搬送機構24は、さらに搬送作業台244の正面前端Fに設けられる支持ローラー246を備え、取り出された素材を支持するために用いられる。搬送機構24は、さらに搬送作業台244の前端Fに設けられ、素材のつかみ上げ又は下ろし状態を検出する光電センサ247を備えることができる。
【0054】
図1Cに加えて
図3G~
図3Fを参照すると、本発明の一の好適な実施形態において、バッファボックス位置決め台32としては、例えばバッファボックス引き受け台321、案内ブロック322、仕切り板323、位置決めシリンダ324、および移載シリンダ325を備えることができる。そのうちバッファボックス引き受け台321は、第2領域321に固定され、案内ブロック322は、導入方向G(図のY軸方向と同じ方向)に沿ってバッファボックス引き受け台321の正面中部に設けられ、かつバッファボックス31の底部にある案内溝312に協力して、バッファボックス31を導いてバッファボックス引き受け台321に置かれるようにする。仕切り板323は、案内ブロック322の末端に位置し且つバッファボックス引き受け台321の側辺に接続され、バッファボックス31の収納位置を制限する。位置決めシリンダ324は、バッファボックス31の底部にある位置決め孔(図示せず)に嵌挿する位置決め押桿を備え、移載シリンダ325は、位置決めシリンダ324に接続される移載押桿を備える。そのうち移載シリンダ325は、位置決めシリンダ324に付勢してその位置決め押桿がバッファボックス31の底部にある位置決め孔に挿入できるようにし、位置決めシリンダ324は、バッファボックス31に付勢して収納位置にまで摺動するようにする。
【0055】
好ましくは、バッファボックス位置決め台32は、さらに4つの位置決め柱326を備え、バッファボックス引き受け台321と可動枠組み10(
図1Cを参照)の底部を固定接続するために用いられる。
【0056】
本実施形態において、光学自己校正システム40は、自動ロード・アンロード装置100とロード装置200の相対位置情報に基づき、自動ロード・アンロード装置100の位置を補正するように構成される。
【0057】
本発明の一の好適な実施形態において、
図1Aに示すように、光学自己校正システム40としては、例えば第1光学標識点41、カメラ42及び第1制御システム(図示せず)を備えることができる。そのうち第1光学標識点41は、ロード装置200に設けられ、かつ1つ又は複数の赤外線LED光源を備えることが好ましく、例えば、
図1Aでは3つの赤外線LED光源を備えることができる。カメラ42としては、例えば赤外線カメラであり、回転機構23のロード装置200に対向する側面の中部に設けられ、第1光学標識点41の第2位置情報を収集することができる。第1制御システムは、第2位置情報に基づき、搬送機構24、回転機構23及び/又は移載機構22の動作を制御する第1制御コマンドを生成するように構成される。例えば、光学自己校正システム40は、第1制御システムを利用して第2モータ225を制御し、そして第2ボールねじ223を駆動することにより、自動ロード・アンロード装置100とロード装置200の水平方向における自己校正を遂行することができる。
【0058】
本発明の別の実施形態において、第1光学標識点41としては、例えば複数の赤外線LED光源を備え、光学自己校正システム40としては、例えば、回転機構23に接続され且つ回転機構23のX軸方向における傾斜度を調整することのできる傾斜度調整機構43を更に備えることができる(
図4を参照)。
図4に示すように、傾斜度調整機構43としては、例えば固定ベース431、回動機構432及び移動機構433を備えることができる。そのうち固定ベース431としては、例えば移載機構22の並進基板224であってもよく、回転機構23の回転基板231に回転可能に接続される。回動機構432は、固定ベース431に取り付けられる。移動機構433は、回動機構432と回転機構23を接続させ、かつ回動機構432が生成した回転動作を第2方向F2(例えば、
図1Cに示すZ軸方向と同じ方向)に沿う平行移動に変換することのでき、そのうち第2方向F2は、第1方向F1(例えば、
図1Cに示すX軸方向と同じ方向)と直交し、移動機構433は、回転機構23に付勢して第2方向F2に沿って移動させることにより、回転機構23の第1方向F1における傾斜度を調整することができる。
【0059】
好ましくは、回動機構432は、例えば駆動装置4321、軸受台4322、軸受4323、ねじスリーブ4324、第1ベルト車4325、第2ベルト車4326及びベルト4327を備えることができる。駆動装置4321としては、例えば、駆動軸を有するモータであってもよく。軸受台4322は、固定ベース431に固着される。軸受4323は、軸受台4322に取り付けられ、ねじスリーブ4324は、軸受4323に套設される。第1ベルト車4325は、駆動装置4321の駆動軸に套設され、第2ベルト車4326は、ねじスリーブ4324に套設される。ベルト4327は、第1ベルト車4325と第2ベルト車4326を接続させ、駆動装置4321は、第1ベルト車4325を駆動して回転させ、その回転力がベルト4327を介して第2ベルト車4326に伝われ、そしてねじスリーブ4324に伝われてねじスリーブ4324が回転するようにする。
【0060】
好ましくは、移動機構433としては、例えば位置制限ブロック4331、位置制限軸4332及びねじ桿4333を備えることができる。そのうち位置制限ブロック4331は、回転機構23の回転基板231の底部に固着され、位置制限軸4332の第1端は、位置制限ブロック4331に枢接される。また、ねじ桿4333の第1端は、位置制限軸4332の第2端に固定接続され、ねじ桿4333の第2端は、ねじスリーブ4324にねじ接続される。このように、ねじ桿4333がねじスリーブ4324の回転に追従して第2方向F2に沿って平行移動するようになる。
【0061】
駆動装置4321は、第1ベルト車4325を駆動して回転させ、回転力がベルト4327を介して第2ベルト車4326に伝われ、ねじスリーブ4324と第2ベルト車4326が固定されているため、ねじスリーブ4324を次第に回転するようになる。ねじスリーブ4324の上下移動が制限されて回転動作のみが許容され、加えてねじ接続の特性を考慮すると、ねじ桿4333は、回転が制限されて上下移動するしかできないため、ねじスリーブ4324が回転すると、ねじ桿4333がそれに追従して第2方向F2に沿って上下に平行移動するようになる。その結果、ねじ桿4333が駆動装置4321に駆動されて平行移動することにより、回転機構23の傾斜度を調整することができる。
【0062】
実施形態において、再起動自己復旧システム50は、停電から再起動した後、停電前の履歴データに基づきピックアンドプレース装置20が停電前の位置に自動的に復帰するように構成される。好ましくは、停電前の履歴データとしては、例えば産業用コンピュータのデータベースに記憶され、産業用コンピュータは、停電前の履歴データに基づき、ピックアンドプレース装置20が停電前の位置に自動的に復帰できるようにする。本発明の一部の実施形態において、産業用コンピュータは、さらに自動ロード・アンロード装置100の運行データ及び/又は外部との対話データを記憶できるように構成される。
【0063】
本発明において、ピックアンドプレース力制御システム60は、素材が所定の位置に置かれているかの第1位置情報及び/又は素材をつかみ上げ又は下ろすときの抵抗情報を検出し、かつ第1位置情報及び/又は抵抗情報に基づき搬送機構24の動作を制御できるように構成される。
【0064】
本発明の一部の実施形態において、
図1B、
図2に加えて
図3Dを参照すると、ピックアンドプレース力制御システム60としては、例えば力覚センサ61、および第2制御システム(図示せず)を備えることができる。そのうち力覚センサ61は、搬送機構24の前端Fに設けられ、また、つかみ上げジグアセンブリ243に設けられる第1力覚センサ611及び/又は第2力覚センサ612を備えてもよい。第1力覚センサ611は、例えば素材が所定の位置に置かれているかの第1位置情報を取得することができ、第2力覚センサ612は、例えば素材をつかみ上げ又は下ろすときの抵抗情報を取得することができる。第2制御システムは、第1位置情報及び/又は抵抗情報に基づき第2制御コマンドを生成することにより、搬送機構24の往復移動を制御できるように構成される。
【0065】
実施形態において、直交位置決めシステム70は、搬送機構24に置かれた素材のバッファ装置30の1つの断面に対する直交位置を確定できるように構成される。
【0066】
本発明の一の実施形態において、直交位置決めシステム70としては、例えば検知測距機構71(例えば、
図2に示すレーザ測距機構)及び分析手段(図示せず)を備えることができる。そのうち検知測距機構71は、例えば、回転機構23の中心点であり且つ初期正面方向を有する原点を中心回転点とし、原点からバッファ装置30の断面までの直交位置の左右両側にある複数の検知点を検知して距離を測定することにより、対応する複数の検知結果を取得する。分析手段は、複数の検知結果を分析し、直交位置の左右両側の領域において同じ検知結果を示す検知点を取得して基準点とし、該基準点に基づき初期正面方向と直交位置の偏向角を分析する。そのうち回転機構23は、偏向角を回転させることにより搬送機構24に載置された素材(例えば、トレイ)の正面方向とバッファ装置30の断面が直交するように構成される。
【0067】
図1A、
図1C及び
図2に加えて
図6を参照すると、実施形態は、さらに自動ロード・アンロード方法600を提供し、該自動ロード・アンロード方法600は、主に下記のステップS601、ステップS602及びステップS603を含む。
【0068】
つまり、ステップS601において、自動ロード・アンロード装置100を配置する。
【0069】
ステップS602において、自動ロード・アンロード装置100を移動させてロード装置200に対向するようにし(
図1Aを参照)、かつ自動ロード・アンロード装置100の1つ又は複数の状態を調整することにより待機状態にする。
【0070】
ステップS603において、自動ロード・アンロード装置100のピックアンドプレース装置20を用い、バッファボックス31の収納格子311(
図3Fを参照)からチップが載置されたトレイ300(
図5を参照)を取り出してロード装置200に入れることにより、チップの自動ロードを遂行し、又はロード装置200から空き状態のトレイ300を取り出してバッファボックス31の収納格子311に入れることにより、トレイの自動下ろしを遂行する。
【0071】
本発明の一の実施形態によれば、ステップS602において、自動ロード・アンロード装置の1つ又は複数の状態を調整するに当たって、自動ロード・アンロード装置100とロード装置200の相対位置情報に基づき、自動ロード・アンロード装置100の位置を補正することを含む。
【0072】
本発明の一の実施形態において、自動ロード・アンロード方法600は、さらに、停電から自動ロード・アンロード装置100を再起動した後、停電前の履歴データに基づき、ピックアンドプレース装置20を停電前の位置に自動的に復帰させることを含む。
【0073】
以上において、幾つかの実施形態を挙げて本発明のトレイ付きのチップ素材自動ロード・アンロード装置及び方法を説明したが、本発明はこれらに制限されない。例えば、無人搬送車(Automated Guided Vehicle,AGV)との精確なドッキングを実現するため、バッファ装置のキャビネットドア17及び柱脚構造部分に、自動制御機構及び電子制御素子などを追加配備することができ、そして配車システム及び制御ソフトウェアを利用してAGVとの精確なドッキングを行い、AGVを利用してチップ素材が載せられたトレイの遠隔配達を実現することができる。
【0074】
本発明によれば、斬新な技術思想に基づくトレイ付きのチップ素材自動ロード・アンロード装置を採用することで、素材輸送の仕上げ工程を完了し、かつ工場のために斬新なSMT知能化生産ラインを構築することができ、SMT生産ラインの100%の自動化を実現することができる。
【0075】
以上では本発明の実施形態を説明したが、本発明の宗旨から逸脱しない限り本発明の上記実施形態に対して適宜変更、変化を加えてもよく、これらの変更、変化も本発明の範囲内にあることは当業者にとって容易に理解できる。