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特許7561182ペプチドがロードされたキャリアシステムおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】ペプチドがロードされたキャリアシステムおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240926BHJP
   C07K 17/04 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20240926BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 47/69 20170101ALI20240926BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 39/002 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/436 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/616 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 31/195 20060101ALI20240926BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20240926BHJP
   C07K 5/093 20060101ALN20240926BHJP
   C07K 5/113 20060101ALN20240926BHJP
   C07K 5/083 20060101ALN20240926BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
C07K19/00
C07K17/04
A61P37/04
A61P35/00
A61P31/12
A61P33/00
A61P31/04
A61K47/69
A61P37/06
A61K39/00 H
A61K39/02
A61K39/12
A61K39/002
A61K31/436
A61K31/59
A61K31/56
A61K31/616
A61K31/195
A61K39/00 A
A61K39/39
C07K5/093
C07K5/113
C07K5/083
C12N15/62 Z ZNA
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022506143
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 US2020043963
(87)【国際公開番号】W WO2021021861
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】62/880,421
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505008028
【氏名又は名称】中央研究院
【氏名又は名称原語表記】ACADEMIA SINICA
【住所又は居所原語表記】128 Academia Road,Section 2,Nankang Taipei,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100137626
【弁理士】
【氏名又は名称】田代 玄
(72)【発明者】
【氏名】フ チェ-ミン ジャック
(72)【発明者】
【氏名】リン チェン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リン ジュン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】パイ チェン-スエ
【審査官】坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-513934(JP,A)
【文献】国際公開第2017/165506(WO,A1)
【文献】特表2012-522786(JP,A)
【文献】特表2018-506812(JP,A)
【文献】特表2010-535714(JP,A)
【文献】特表2010-527607(JP,A)
【文献】Appl. Mater. Interfaces,2018年,Vol.10,p.17437-17447
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 5/00
C07K 17/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナノキャリアおよびナノキャリアと非共有結合的に会合したペプチドを含むキャリアシステムであって、ペプチドが、標的ペプチドのN末端にスペーサーセグメントを介して融合されたアダプターペプチド配列を含有し、ナノキャリアが、コアおよび表面を有し、コアが、親水性であり、表面が、正味の負電荷を有するか、正味の正電荷を有するか、または1つもしくは複数の官能基を持ち、アダプターペプチド配列が、DDD(配列番号8)またはDDDD(配列番号9)であり、スペーサーセグメントが、GGG(配列番号10)であり、標的ペプチドが、スペーサーセグメントのC末端に融合されている、キャリアシステム。
【請求項2】
標的ペプチドが、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープである、請求項1に記載のキャリアシステム。
【請求項3】
インターフェロン遺伝子の刺激剤(STING)アゴニスト、CpG-ODN、R848およびポリ(I:C)から選択される免疫応答刺激剤をさらに含む、請求項2に記載のキャリアシステム。
【請求項4】
ラパマイシン、アスピリン、ビタミンD、ステロイドおよびN-アセチルシスチンから選択される免疫応答抑制剤をさらに含む、請求項2に記載のキャリアシステム。
【請求項5】
ナノキャリアが、中空ポリマーナノ粒子である、請求項3に記載のキャリアシステム。
【請求項6】
ナノキャリアが、中空ポリマーナノ粒子である、請求項4に記載のキャリアシステム。
【請求項7】
ペプチド抗原の免疫原性を改善するための方法であって、ペプチド抗原をアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成すること、および免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させることを含み、標的ペプチドが、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、ナノキャリアが、親水性コアを有し、アダプターペプチド配列が、DDD(配列番号8)またはDDDD(配列番号9)であり、
方法が、ペプチド抗原およびアダプターペプチド配列の間でスペーサーセグメントを融合することをさらに含み、スペーサーセグメントが、GGG(配列番号10)であり、ペプチド抗原が、スペーサーセグメントのC末端に融合されている、方法。
【請求項8】
対象における状態を処置するための免疫化組成物を製造する方法であって、標的ペプチドをアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成すること、および免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合してキャリアシステムを形成するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させることを含み、標的ペプチドが、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、ナノキャリアが、親水性コアを有し、アダプターペプチド配列が、DDD(配列番号8)またはDDDD(配列番号9)であり、状態が、がん、ウイルス感染、細菌感染、寄生生物感染、自己免疫または生物学的処置に対する望ましくない免疫応答であり、
方法が、アダプターペプチド配列のC末端および標的ペプチドのN末端の間でスペーサーセグメントを融合することをさらに含み、スペーサーセグメントが、GGG(配列番号10)であり、標的ペプチドが、スペーサーセグメントのC末端に融合されている、方法。
【請求項9】
ナノキャリアに、インターフェロン遺伝子の刺激剤(STING)アゴニスト、CpG-ODN、R848およびポリ(I:C)から選択される免疫応答刺激剤を組み込むことをさらに含み、標的ペプチドが、がん抗原、ウイルス抗原、細菌抗原または寄生生物抗原である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ナノキャリアに、ラパマイシン、アスピリン、ビタミンD、ステロイドおよびN-アセチルシスチンから選択される免疫応答抑制剤を組み込むことをさらに含み、標的ペプチドが、自己抗原であり、キャリアシステムの投与が、自己抗原に対する寛容を誘導する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
ナノキャリアが、中空ポリマーナノ粒子である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ナノキャリアが、中空ポリマーナノ粒子である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか1項に記載のキャリアシステムを含む、対象における状態を処置するための免疫化組成物。
【請求項14】
状態が、がん、ウイルス感染、細菌感染、寄生生物感染、自己免疫または生物学的処置に対する望ましくない免疫応答である、請求項13に記載の免疫化組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
個別化がんワクチンが開発されており、これは、動物研究および初期臨床試験において有望な結果を示す。けれども、これらの研究および治験は、個別化ワクチンの将来性を完全に実現し得る前に、解決する必要があるいくつかの重大な課題を明らかにした。例えば、強い抗がん効果のために必要な、複数のがんペプチド標的に対するT細胞の刺激は、ワクチン送達のための新たな技術を要求する困難なタスクである。現在の臨床試験レジメンは、観察可能な細胞性免疫を誘発するための10回ものブースターワクチン接種を含み(Sahin et al., Nature 547: 222-226;Keskin et al., Nature 565:234-239;Hilf et al., Nature 565:240-245;およびOtt et al., Nature 547:217-221を参照されたい)、長期の処置期間および妥協された処置有効性をもたらす。
合成ナノキャリアが、ペプチド抗原のための送達ビヒクルとして試験されている。そのようなナノキャリアは、投与後に、厳しい細胞外環境からペプチドを遮蔽し、その細胞取り込みを促進し、増強された有効性をもたらすと考えられる。加えて、免疫学的アジュバントが、免疫応答を誘発するための理想である、免疫を強化するシグナルおよびペプチドの同時送達のためのナノキャリアに組み込まれている(Crouse, J. et al., Nature Rev. Immunol. 15:231-42を参照されたい)。しかしながら、このアプローチは、複雑な化学、または非生体適合性材料の使用を必要とし(Kuai, R., et al., Nature Materials 16:489-496;Li, A.W. et al., Nature Materials 17:528-534;Luo, M., et al., Nature Nanotechnol. 12:648-654;およびLiu, H., et al., Nature 507:519-522を参照されたい)、ロジスティックおよび安全性の懸念の両方を高める。
【0002】
さまざまな物理化学的特徴のペプチドを、労力を要する化学を用いることなく、ナノキャリアと容易に会合することができるキャリアシステムを開発する必要性が存在する。このアプローチは、複数ペプチドの製剤および送達を容易にし、それによって、ペプチドに基づく治療学の研究および臨床適用を拡大する。特に、さまざまなペプチド抗原をそれらの免疫原性を損なうことなく送達する戦略は、有効な複数抗原ワクチンの開発のために必要である。キャリアシステム技術は、有効なネオ抗原ワクチン接種のために重要であり、感染性疾患の管理および免疫寛容誘導の領域においても適用可能である。
【発明の概要】
【0003】
上記に記載されるように標的ペプチドを効率的に送達するために、ナノキャリアおよびナノキャリアと非共有結合的に会合したペプチドを含むキャリアシステムが提供される。ペプチドは、標的ペプチドのN末端に融合されたアダプターペプチド配列で構成される。ナノキャリアは、疎水性または親水性であり得るコアを有する。ナノキャリアは、正味の負電荷、正味の正電荷または1つもしくは複数の官能基を有し得る表面も有する。アダプターペプチド配列は、疎水性コア、親水性コア、正味の負電荷を有する表面、正味の正電荷を有する表面、または1つもしくは複数の官能基を持つ表面と非共有結合的に会合するように設計される。
ペプチド抗原の免疫原性を改善するための方法も提供される。この方法は、ペプチド抗原をアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成するステップ、および免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させるステップを含む。標的ペプチドは、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、ナノキャリアは、親水性コアを有し、アダプターペプチド配列は、D、E、R、KおよびHから選択される2つ以上の親水性アミノ酸を含む。
対象における状態を処置するための免疫化方法がさらに開示される。この方法は、標的ペプチドをアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成すること、免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合してキャリアシステムを形成するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させること、およびキャリアシステムを対象に投与し、それによって標的ペプチドに対する免疫応答を高めることによって行われる。標的ペプチドは、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、この方法は、がん、ウイルス感染、細菌感染、寄生生物感染、自己免疫または生物学的処置に対する望ましくない免疫応答を患う対象を処置するために使用することができる。
【0004】
1つまたは複数の実施形態の詳細を、下記の説明および実施例において説明する。他の特徴、目的および利点は、詳細な説明から、図面から、および添付の特許請求の範囲からも明らかである。
下記の説明は、添付の図面を指す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1図1は、本発明のペプチドの略図である。これは、アダプターペプチド配列(適合性を提供するセグメント)、任意のスペーサーセグメント(切断可能リンカー)および標的ペプチドを含む。それぞれの丸は、単一のアミノ酸を表す。
図2図2は、図1に示されたペプチドを有するキャリアシステムにおいて使用するための異なるナノキャリアの概略図を示す。
図3図3は、ペプチドが疎水性または親水性相互作用によりナノキャリアのコアと会合する本発明の例示的なキャリアシステムを示す。
図4図4は、ペプチドがナノキャリアの表面電荷と相互作用する本発明に包含される追加のキャリアシステムを示す。
図5図5は、ペプチドのエピトープを抗原保持アダプターによりナノキャリアに結合する、官能基、すなわち、抗体をナノキャリアの表面に有するキャリアシステムを示す。
図6図6は、ペプチドと相互作用する表面官能基を有するキャリアシステムの別の例を示す。
図7図7は、ナノキャリア表面の自己集合部分、および標的ペプチドに融合された同じ部分を有するキャリアシステムを示す。
図8図8は、中空の薄いシェルのナノ粒子ならびに親水性ペプチドA(gp100;KVPRNQDWL-配列番号1)およびB(Trp1m;TAYRYHLL-配列番号2)、ならびに未修飾チロシナーゼ放出タンパク質2(Trp2;SVYDFFVWL-配列番号3)(上側のグラフ)、ならびにDMSO中の対照Trp2ペプチド(下側のグラフ)のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図9図9は、そのN末端でペプチドアダプター/スペーサー配列D33と融合された中空の薄いシェルのナノ粒子封入Trp2(D33-Trp2;上側のグラフ)、およびDMSO中の対照D33-Trp2ペプチド(下側のグラフ)のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図10図10は、Trp2ペプチドによる脾細胞負荷後のインターフェロン-ガンマ(IFN-γ)を産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、インターフェロン遺伝子の刺激剤(STING)アゴニストの環状di-GMPと一緒に中空の薄いシェルのナノ粒子に封入された、示されたTrp2ペプチドでワクチン接種されたマウスから単離した。
図11A図11Aは、B16F10マウス黒色腫細胞の接種後の日数に対する腫瘍サイズのグラフである。マウスは、(i)修飾D33-Trp2ペプチドがロードされた中空の薄いシェルのナノ粒子(NP)、(ii)修飾D33-Trp2ペプチドと環状di-GMP(ペプチド+dcGMP)、(iii)修飾D33-Trp2ペプチドとポリ(I:C)(ペプチド+ポリ(IC))、またはPBSでワクチン接種された。
図11B図11Bは、B16F10マウス黒色腫細胞の接種後の日数に対する生存のプロットである。接種は、図11Aへの凡例に記載の通りであった。
図12図12は、3つの修飾標的ペプチド、すなわち、D33修飾RalBP1関連Epsドメイン含有タンパク質1(D33-Resp1)、D33修飾ADP依存性グルコキナーゼ(D33-Adpgk)およびD43修飾ドリチル-ホスフェートN-アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼ(D43-Dpagt1)が同時にロードされた中空の薄いシェルのナノ粒子(上のグラフ)、ならびにDMSO中の対照ペプチド(下の3つのグラフ)のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図13A図13Aは、Resp1、AdpgkおよびDpagt1ペプチドによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、(i)3つの修飾ペプチドD33-Resp1、D33-AdpgkおよびD43-Dpagt1ならびにSTINGアゴニストの環状di-GMPがロードされた中空の薄いシェルのナノ粒子(ナノ粒子)、(ii)3つの未修飾ペプチドと環状di-GMP(ペプチド+cdGMP)、ならびに(iii)3つの未修飾ペプチドとポリ(I:C)(ペプチド+ポリ(IC))でワクチン接種されたマウスから単離した。
図13B図13Bは、図13Aへの凡例に記載の通りワクチン接種されたマウスへのMC38マウス結腸腺がん細胞の接種後の日数に対する腫瘍サイズのグラフである。
図14図14は、D33-Trp2ならびに親水性ペプチドC(gp100)およびD(Trp1m)を含有する中空の薄いシェルのナノ粒子のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図15図15は、オボアルブミンエピトープOVA257-264ペプチドによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、環状di-GMPと一緒に中空の薄いシェルのナノ粒子に封入された、示されたOVA257-264ペプチドでワクチン接種されたマウスから単離した。
図16A図16Aは、示された疎水性未修飾ペプチド抗原による脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞(上半分)およびIFN-γを産生するCD4 T細胞(下半分)のパーセンテージを示す棒グラフを含む。脾細胞を、環状di-GMPと一緒に中空の薄いシェルのナノ粒子に封入された、示されたペプチドでワクチン接種されたマウスから単離した。
図16B図16Bは、示された親水性未修飾ペプチド抗原による脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞(上半分)およびIFN-γを産生するCD4 T細胞(下半分)のパーセンテージを示す棒グラフを含む。脾細胞を、図16Aについての凡例に記載の通りワクチン接種されたマウスから単離した。
図17図17は、個別化がんワクチン標的化ナノエピトープを製造するための容易で統合されたプロセスを示す概略図である。
図18A図18Aは、M05、M24、M27、M28、M30、M33およびM50(グループI)として指定される7つの別個のB16黒色腫ネオエピトープを含有する中空の薄いシェルのナノ粒子のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。IEDBコンセンサス法バージョン2.5を使用して予測された21のネオエピトープのうちのこれらの7つを、自由裁量で一緒にグループ化して、ナノ粒子を調製した。
図18B図18Bは、M08、M12、M17、M21、M25、M29およびM44(グループII)として指定される7つの別個のB16黒色腫ネオエピトープを含有する中空の薄いシェルのナノ粒子のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図18C図18Cは、M20、M22、M36、M45、M46、M47およびM48(グループIII)として指定される7つの別個のB16黒色腫ネオエピトープを含有する中空の薄いシェルのナノ粒子のHPLC分析についての保持時間に対する吸光度のグラフである。
図19A図19Aは、マウスB16黒色腫において予測されたネオエピトープによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、環状di-GMPと一緒に中空の薄いシェルのナノ粒子に封入された修飾ネオペプチドでワクチン接種されたマウスから単離した。図18A~18Cへの凡例に列挙されたネオエピトープ候補は、IEDBコンセンサス法バージョン2.5を使用して予測した。
図19B図19Bは、DeepHLApanを使用してマウスB16黒色腫において予測されたネオエピトープによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、図19Aへの凡例に記載の通り単離した。
図20A図20Aは、結腸直腸がん患者においてDeepHLApanによって予測されたネオエピトープによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、環状di-GMPと一緒に中空の薄いシェルのナノ粒子に封入された修飾ネオペプチドでワクチン接種されたヒトHLAトランスジェニックマウスから単離した。
図20B図20Bは、第2の結腸直腸がん患者においてDeepHLApanによって予測されたネオエピトープによる脾細胞負荷後のIFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを示す棒グラフである。脾細胞を、図20Aへの凡例において上記に記載の通り単離した。
図21A図21Aは、ペプチドをペプチドアダプター配列で修飾すること、およびそれを免疫抑制剤と一緒にナノキャリアに封入することによる、ペプチド抗原に対する寛容の誘導を示す概略図である。
図21B図21Bは、D43修飾OTIIナノ粒子(D43-OTII;配列番号4)によりOVA323-339に対するマウスの寛容を誘導するためのタイムラインである。
図22A図22Aは、示されたアスピリン/ペプチド製剤または対照が接種されたマウスに由来する脾細胞におけるCD25+Foxp3+reg集団のパーセンテージを示すフローサイトメトリーのプロットである。NP=ナノ粒子。
図22B図22Bは、示された通り接種されたマウスにおける総CD4 T細胞中のCD25+Foxp3+regの平均パーセンテージを示す棒グラフである。
図22C図22Cは、上記の通り接種されたマウスにおけるCD25+Foxp3+reg細胞の総数を示す棒グラフである。
図22D図22Dは、示された通り接種されたマウスに由来する脾細胞におけるOTII四量体陽性CD4 T細胞中のFoxp3+reg細胞のパーセンテージを示すフローサイトメトリーのプロットである。
図22E図22Eは、示された通り接種されたマウス由来のOTII四量体陽性CD4 T細胞中のFoxp3+reg細胞の平均パーセンテージを示す棒グラフである。
図23】インビボでの免疫寛容誘導の評価のためのナノ粒子接種スケジュールおよびプロトコールを図示する概略図。
図24図24は、細胞が示されたアスピリン/ペプチド製剤とともに共培養された後にフローサイトメトリー分析によって評価された、CD80(左上パネル)、CD86(右上パネル)、MHC I(左下パネル)およびMHC II(右下パネル)を発現するJAWSII樹状細胞のパーセンテージを示す棒グラフを含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明のキャリアシステムは、ナノキャリアおよびナノキャリアと非共有結合的に会合したペプチドを含む。
上記で述べたように、ペプチドは、標的ペプチドのN末端に融合されたアダプターペプチド配列を含有する。図1を参照されたい。
アダプターペプチド配列は、D、E、R、KおよびHから選択される2つ以上の親水性アミノ酸を含むことができる。親水性アミノ酸を含有するアダプターペプチド配列は、疎水性標的ペプチドに融合され得、それによって融合ペプチドを親水性にする。アダプターペプチド配列は、親水性標的ペプチドに融合することもできる。アダプターペプチド配列の配列は、限定されるものではないが、Dn、En、(DE)n、(DX)nまたは(EX)n(式中、nは、2~20の整数であり、Xは、任意のアミノ酸である)であり得る。特定の例において、アミノ酸P、A、V、I、L、M、F、Y、Wは、この段落において示されるアダプターペプチド配列から排除される。
【0007】
使用することができる他のアダプターペプチド配列は、A、V、I、L、P、F、WおよびMから選択される2つ以上の疎水性アミノ酸を含む。
さらに、正電荷アミノ酸、例えば、K、RおよびHを有するアダプターペプチド配列は、本発明の範囲内であり、負電荷アミノ酸、例えば、DおよびEを有するアダプターペプチド配列も同様である。
加えて、アダプターペプチド配列は、官能基、例えば、FLAGタグ(DYKDDDK-配列番号5)、HAタグ(YPYDVPDYA-配列番号6)およびMycタグ(EQKLISEEDL-配列番号7)に結合するものであり得、これらのそれぞれは、それぞれの抗タグ抗体に結合することができる。図5を参照されたい。
ポリヒスチジンもアダプターペプチド配列に含まれ得る。図6を参照されたい。
最後に、図7に示されるように、アダプターペプチド配列は、自己集合配列(例えば、アルファヘリックス、Q11ペプチド、イオン相補的自己集合ペプチドおよび長鎖アルキル化ペプチド)であり得る。追加の自己集合配列は、Sun et al., Int. J. Nanomedicine 2017:73-86およびLi et al., Soft Matter, 15:1704-1715に記載されている。
【0008】
開示されるキャリアシステム中のペプチドは、標的ペプチドおよびアダプターペプチド配列の間で融合されたスペーサーセグメントを含むことができる。スペーサーセグメントは、G、A、SおよびPから選択される2つ以上のアミノ酸残基を含むことができる。例示的なスペーサーセグメントは、アミノ酸配列Gn(式中、nは、1~15の整数である)を有する。スペーサーセグメントは、ペプチドのナノキャリアによる細胞への送達の際に、アダプターペプチド配列が標的ペプチドから切断され得るような、細胞機構による切断に感受性であり得る。
ペプチドの具体的な例は、アダプターペプチド配列DDD(配列番号8)またはDDDD(配列番号9)、およびスペーサーセグメントGGG(配列番号10)を含有する。このペプチドにおいて、アダプターペプチド配列は、スペーサーセグメントのN末端に融合され、このセグメントは、次に、標的ペプチドに融合される。図1を参照されたい。
【0009】
上記で述べたように、キャリアシステムはナノキャリアを含む。ナノキャリアは、限定されるものではないが、(i)親水性カーゴを封入するための1つまたは複数の水性コアを含有する中空構築物、(ii)疎水性カーゴを封入するための疎水性コアを有する固体または油系構造体、(iii)負電荷カーゴを運ぶための正の帯電を有するキャリア、(iv)正電荷カーゴを運ぶための負の帯電を有するキャリア、および(v)規定されたペプチド配列と会合するための規定された表面官能基を有するキャリアであり得る。図2を参照されたい。
具体的な例において、ナノキャリアは、その内容がその全体で本明細書に組み込まれるHuらの国際出願公開第2007/165506号に記載の1つまたは複数の水性コアを有する中空の薄いシェルのナノ粒子である。
上記に記載のアダプターペプチド配列は、キャリアシステムおよび特定の標的ペプチドにおけるナノキャリアの種類に基づいて選択することができる。例えば、上記に記載の親水性アミノ酸を含有するアダプターペプチド配列は、標的ペプチドに融合されて、その水溶性を増加させることができる。この水溶性ペプチドは、中空ポリマーナノ粒子の内部水性コアに封入することができる。図3を参照されたい。あるいは、疎水性アミノ酸に基づくアダプターペプチド配列は、固体または油系キャリアの疎水性区画への組み込みのために標的ペプチドに融合され得る。
【0010】
荷電したアミノ酸を含有するアダプターペプチド配列を使用して、標的ペプチドおよび逆の帯電を持つナノキャリアの間の会合を促進することができる。例えば、負電荷のアスパラギン酸またはグルタミン酸を含有するアダプターペプチド配列は、融合ペプチドが正電荷のナノキャリアと会合するように、標的ペプチドに融合され得る。図4を参照されたい。同様に、正電荷アミノ酸、例えば、リジン、アルギニンおよびヒスチジンを有するアダプターペプチド配列は、標的ペプチドに融合され得、そのようにして、負電荷を持つキャリアと会合し得る。図4も参照されたい。
キャリアシステムの官能化を用いて、アダプターペプチド配列中のアミノ酸の特定の配列に対する特異的な親和性を有するナノキャリアを与えることができる。上記で述べたように、アダプターペプチド配列は、例えば、FLAGタグ、HAタグおよびMycタグを含むことができる。これらのアダプターペプチド配列に融合された標的ペプチドは、タグに結合する抗体をその表面上に持つナノキャリアと会合することができる。図5を参照されたい。
【0011】
さらなる例において、ナノキャリアは、金属キレート化剤、例えば、NiまたはCoイオンの存在下でポリヒスチジンに対する強い親和性を有するニトリロ三酢酸で表面官能化することができる。ポリヒスチジンを含有するアダプターペプチド配列は、標的ペプチドに融合され得、その結果、融合ペプチドは、非共有結合的にキャリアの表面に結合する。図6を参照されたい。
また、自己集合アミノ酸配列、例えば、アルファヘリックスまたはQ11ペプチドを、アダプターペプチド配列の一部として、また、ナノキャリア表面を官能化するために、使用することができる。そのため、特定の配列の自己集合能力により、アダプターペプチド連結標的ペプチドが、ナノキャリアにカップリングされ得る。図7を参照されたい。
本明細書に開示されるキャリアシステムは、上記で説明されたナノキャリアおよびアダプターペプチド配列-標的ペプチド融合体の組み合わせを含有することができる。例えば、例示的なキャリアシステムは、そのそれぞれが親水性アミノ酸を有するアダプターペプチド配列を含む2つの別個のペプチドがロードされた親水性コアを有するナノキャリアを含む。
キャリアシステムを使用して、アダプターペプチド配列に融合されている任意の所望の標的ペプチドを送達することができる。一例において、標的ペプチドは、治療用ペプチドである。別の例において、ナノキャリアは、インビボで検出され得、標的ペプチドは、ナノキャリアを特定の解剖学的部位に局在化させる働きをする。
【0012】
加えて、標的ペプチドは、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり得る。そのような標的ペプチドは、キャリアシステムとともに使用されて、エピトープに対するT細胞応答を増強する。
特定の例において、標的ペプチドは、がんネオ抗原、ネオ抗原ではないがん抗原、細菌抗原、ウイルス抗原または寄生生物抗原である。
標的ペプチドの特定の例としては、結核菌p25、インフルエンザ核タンパク質NP311、ならびにがん関連抗原のAdpgk、Dpagt、Resp1、Trp1mおよびgp100が挙げられる。マラリア原虫、HIV、HBVおよびMERS-CoV由来の抗原ペプチドは、標的ペプチドの他の例である。
抗原性標的ペプチドを含むキャリアシステムは、アダプターペプチド配列/標的ペプチド融合体と一緒に、ナノキャリアに封入された免疫調節剤を含むこともできる。免疫調節剤は、免疫応答刺激剤、例えば、インターフェロン遺伝子の刺激剤(STING)アゴニスト、例えば、環状di-GMP(cdGMP)、CpG-ODN、R848およびポリ(I:C)であり得る。そのようなキャリアシステムを使用して、標的ペプチドに対する免疫応答を増強することができる。
【0013】
あるいは、キャリアシステムを用いて、標的ペプチドに対する免疫応答を抑制することができる。そのようなシステムにおいて、ナノキャリアに封入される免疫調節剤は、免疫応答抑制剤、例えば、ラパマイシン、アスピリン、ビタミンD、ステロイドおよびN-アセチルシスチンであり得る。
ペプチド抗原の免疫原性を改善するための方法も本発明の範囲内である。この方法は、ペプチド抗原をアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成するステップ、および免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させるステップを含む。
ペプチド抗原の免疫原性の改善は、ペプチド抗原の免疫応答を修飾ペプチド抗原、すなわち、免疫化ペプチドの免疫応答と比較することによって評価される。免疫応答は、ペプチド特異的CD4+またはCD8+ T細胞(「T細胞」)の数を、総T細胞のパーセンテージ、すなわち、頻度として、測定することによって特徴付けられる。したがって、改善された免疫応答は、未修飾ペプチド抗原と比較して、修飾ペプチド抗原によって誘導されたペプチド特異的T細胞の頻度において、1.2~250倍(例えば、1.2、1.5、1.8、2、4、6、8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225および250倍)の増加として規定することができる。
【0014】
標的ペプチドは、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、ナノキャリアは、親水性コアを有し、アダプターペプチド配列は、D、E、R、KおよびHから選択される2つ以上の親水性アミノ酸を含む。標的ペプチド抗原、アダプターペプチド配列およびナノキャリアは、上記に詳細に記載されている。
好ましい実施形態において、免疫化ペプチドは、アダプターペプチド配列DDD(配列番号8)またはDDDD(配列番号9)、アダプターペプチド配列のC末端に融合されたスペーサーセグメントGGG(配列番号10)、およびスペーサーセグメントのC末端に融合されたペプチド抗原を含有する。
上記に記載のキャリアシステムの利点を取る、対象における状態を処置するための免疫化方法も提供される。免疫化方法は、(i)標的ペプチドをアダプターペプチド配列に融合して、免疫化ペプチドを形成するステップ、(ii)免疫化ペプチドがナノキャリアと非共有結合的に安定に会合してキャリアシステムを形成するように、免疫化ペプチドをナノキャリアと接触させるステップ、および(iii)キャリアシステムを対象に投与し、それによって標的ペプチドに対する免疫応答を高めるステップを含む。
この方法において、標的ペプチドは、MHCクラスI制限エピトープまたはMHCクラスII制限エピトープであり、状態は、がん、ウイルス感染、細菌感染、寄生生物感染または生物学的処置に対する望ましくない免疫応答である。
さらなる精緻化なく、当業者は、本明細書における開示に基づいて、その最大限まで本開示を利用することができると考えられる。したがって、以下の具体的な実施例は、単なる説明として解釈されるべきであり、どんな方法であれ、本開示の残部の制限ではない。本明細書において引用されるすべての刊行物は、それらの全体が参照によって組み込まれる。
【実施例
【0015】
(実施例1)
疎水性ペプチドの送達
疎水性ペプチド、すなわち、Trp2180-188(Trp2;SVYDFFVWL-配列番号3)を、ペプチドアダプター配列への融合によって修飾し、ナノ粒子に封入した。Trp2は、免疫優性の高疎水性B16マウス黒色腫エピトープである。このペプチドを、そのN末端で、親水性アダプター、すなわち、ペプチドアダプター配列として3つのアスパラギン酸残基(D)および切断可能リンカーを形成する3つのグリシン残基(G)のスペーサーセグメントを含有するD33に融合した。ペプチドを、日常的な手順によって合成した。修飾Trp2ペプチドの配列は、DDDGGGSVYDFFVWL(D33-Trp2;配列番号11)である。
水性コアを有する中空の薄いシェルのナノ粒子を、本質的に、Huらに記載の通り調製した。
【0016】
ナノ粒子にロードされたペプチドを定量化するために、HPLC分析を以下の通り行った。ナノ粒子を、凍結乾燥し、次いで、95%のアセトンを添加することによって破壊した。アセトンを、乾燥バスにおける60℃でのインキュベーションによって除去し、試料を、H2Oに再懸濁させ、グラジエントHPLC法を使用して、Agilent 1100シリーズHPLCシステムにおいて分析した。例示的な方法において、開始移動相は、水中の0.1%のトリフルオロ酢酸およびアセトン中の0.1%のトリフルオロ酢酸の75:25の混合物で構成された。第2の移動相は、水中の0.1%のトリフルオロ酢酸およびアセトン中の0.1%のトリフルオロ酢酸の15:85の混合物で20分間であり、続いて、アセトン中の0.1%のトリフルオロ酢酸である第3の移動相での10分間の溶出を行った。ペプチドの定量化のための標準較正曲線を、220nmの波長での吸光度によって決定した。
未修飾Trp2ペプチドは、水に難溶性であり、0.06mMの最大溶解度を有する。Vasievich, E.A., et al., Molecular pharmaceutics, 2012, 9:261-8を参照されたい。そのため、HPLC分析によって示されるように、中空ナノ粒子の水性コアに封入することができなかった。図8を参照されたい。対照的に、2つの親水性ペプチド、すなわち、gp100(ペプチドA)およびTrp1m(ペプチドB)は、ナノ粒子に容易に組み込まれた。図8を参照されたい。
対照的に、D33-Trp2ペプチドは、Trp2ペプチドよりも500倍を超えて高い、H2O中で>30mMの溶解度を有していた。D33-Trp2ペプチドは、ナノ粒子の水性コアに容易に組み込まれた。図9を参照されたい。
【0017】
(実施例2)
修飾ペプチドの免疫原性
修飾Trp2ペプチドの免疫原性を、中空の薄いシェルのナノ粒子の水性コアに、それらを固定された量のインターフェロン遺伝子の刺激剤(STING)アゴニストの環状di-GMP(cdGMP)と一緒に封入すること、およびそれらをマウスに注射することによって試験した。
修飾Trp2ペプチドは、以下の通りであった:(i)D4-Trp2-D5、(ii)Trp2-D5、(iii)D5-Trp2、(iv)D23-Trp2-G32、(v)Trp2-G33、および(vi)D33-Trp2。Trp2それ自身は、その疎水性に起因して水性コアに組み込むことができず、より長いTrp2ペプチド、すなわち、Trp2168-195を陽性対照として封入した。
【0018】
等用量のTrp2ペプチドの1つおよびcdGMPをそれぞれ含有するナノ粒子を、上記の実施例1に記載の通り調製し、C57BL/6マウスに、0日目および21日目に、尾の付け根に、皮下注射によって投与した。28日目に、ワクチン接種されたマウスの脾細胞を、単離し、Trp2特異的CD8 T細胞の免疫応答について調べた。簡潔には、それぞれのマウスからの脾細胞を、Trp2ペプチドで負荷し、CD8 T細胞におけるIFN-γの発現を、細胞内サイトカイン染色およびフローサイトメトリーによって測定した。結果を図10に示す。
親水性アスパラギン酸配列で修飾されたTrp2ペプチドはすべて、Trp2と比較して、それらの水溶解度において顕著な改善、すなわち、少なくとも30mMを示した。試験されたペプチドのうち、親水性ペプチドアダプター配列が切断可能スペーサーセグメントと一緒にN末端にのみ融合されたD33-Trp2は、最も高いレベルのT細胞刺激を生じ、IFN-γを産生するCD8 T細胞が4%に達することを示した。図10を参照されたい。切断可能スペーサーセグメントの包含、および標的ペプチドのN末端における親水性アダプターおよびスペーサーセグメントの位置決めの両方が、ペプチドの最大免疫原性を得るために重要であったことは驚くべきことであった。
【0019】
また、修飾D33-Trp2を含有するナノ粒子による免疫化マウスは、B16F10黒色腫負荷に対して顕著な保護をもたらした。より具体的には、これらのナノ粒子で免疫されたマウスにおいて、腫瘍成長が阻害され(図11Aを参照されたい)、生存が増加し(図11Bを参照されたい)、D33修飾がTrp2ペプチドの抗腫瘍活性を低減しなかったことを示した。
理論に拘束されないが、N末端に融合されたD33ペプチドは、細胞保護機構により容易にプロセシングされ、ペプチド抗原に対する妨げられない免疫応答をもたらすと考えられる。
さらにまた、標的エピトープに隣接するアミノ酸配列、すなわち、アミノ酸180~188を含有する長いペプチドであるTrp2168-195の免疫原性も、親水性アダプターのモダリティとの比較のために評価した。Trp2168-195の水溶性は、Trp2180-188の水溶性よりも良好であり、水性コアへのより長いペプチドの組み込みを可能にする。それでも、Trp2168-195ペプチドは、D33-Trp2と比較して、約20倍弱いCD8+T細胞応答を誘導した。図10を参照されたい。
【0020】
(実施例3)
がんネオエピトープによるワクチン接種
上記で説明された修飾戦略を、MC38マウス結腸腺がん細胞において、Resp1、AdpgkおよびDpagt1遺伝子に由来する3つのがんネオエピトープにおいても試験した。Yadav, M. et al., Nature 515:572-576を参照されたい。これらの3つのネオエピトープは、高い割合の疎水性アミノ酸をそれぞれ含有し、したがって、本質的に、H2Oに難溶性である。D33ペプチドのそれらのN末端への融合後、融合ペプチド中の疎水性アミノ酸の部分は、40%未満に低減され、それらの溶解度はすべて、H2O中で30mMを超えるまでに増加した。
3つの修飾ペプチド、すなわち、D33-Resp1、D33-AdpgkおよびD33-Dpagtを、実施例1に記載の通り、二重エマルションプロセスを使用して調製された中空PLGA系ナノ粒子に、同時に、共封入した。HPLCによるナノ粒子の分析は、3つのペプチドすべてが共封入されたことを確認した。図12を参照されたい。
マウスを、(i)3つのD33修飾ネオエピトープペプチドおよびSTINGアゴニストアジュバントを含有するナノ粒子、または(ii)未修飾ネオエピトープペプチドおよびポリ(I:C)アジュバントで、実施例2に説明される通り、ワクチン接種した。異なるワクチン接種によって上昇した免疫応答を、CD8 T細胞のサイトカイン産生によって、および腫瘍細胞負荷によって、調べた。
【0021】
IFN-γを産生するCD8 T細胞のパーセンテージを、それぞれの未修飾ネオエピトープペプチドによって別々に負荷された脾細胞において、上記に記載の通り測定した。図13Aに示される結果は、ネオエピトープ負荷後、5%~12%のCD8 T細胞がIFN-γを産生したことを示した。測定可能なCD8 T細胞応答は、遊離未修飾ネオエピトープペプチドでワクチン接種されたマウスからの脾細胞において見られなかった。
腫瘍細胞負荷に目を向けると、MC38細胞を、(i)PBS、(ii)3つの未修飾ネオエピトープペプチドとポリ(I:C)アジュバントとの混合物、(iii)3つの未修飾ネオエピトープペプチドとSTINGアゴニストの環状di-GMPとの混合物、または(iv)3つの修飾ネオ抗原ペプチドすべておよびSTINGアゴニストを含有するナノ粒子で以前に免疫されたマウスに、皮下注射した。結果を図13Bに示す。ナノ粒子ワクチン接種は、腫瘍成長の阻害によって証拠付けられるように、MC38腫瘍細胞による皮下の負荷に対して、顕著な防御免疫を付与した。対照的に、3つの遊離ネオエピトープペプチドと環状di-GMPまたはポリ(I:C)アジュバントによるワクチン接種は、腫瘍成長の遅延において有効性が顕著に低かった。
【0022】
上記の結果は、親水性ペプチドアダプター、例えば、D33を多種多様なペプチドの物理化学的特徴を統一するために用いることができることを明らかにする。この戦略により、異なるペプチドを、それらの元の特性に関わりなく、中空の薄いシェルのナノ粒子に同時に封入することが可能である。
共封入の追加例において、D33-Trp2は、2つの親水性ペプチド、すなわち、gp100およびTrp1mとともに成功裏に共封入された。図14を参照されたい。
【0023】
(実施例4)
水溶性ペプチドエピトープの修飾
水溶性ペプチドエピトープの免疫原性に対する親水性ペプチドアダプターの効果を、オボアルブミンペプチドエピトープOVA257-264(OVA;SIINFEKL-配列番号12)を修飾すること、およびそれらをナノ粒子に組み込むことによって、試験した。修飾OVAペプチドは、以下の通りであった:(i)D4-OVA-D5、(ii)OVA-D4、(iii)D4-OVA、(iv)D23-OVA-G32、(v)OVA-G34、および(vi)D33-OVA。
2mMのOVA257-264の水溶性は、そのN末端に親水性ペプチドアダプター、すなわちD33を融合することによって、50mMに改善された。同様の溶解度の改善が、D33をOVA257-264のC末端に融合することによって、およびD43をそのN末端またはそのC末端に融合することによって、得られた。
OVAおよびそれぞれの修飾OVAペプチドの免疫原性を、上記に記載の通り試験した。図15に示す結果は、免疫されたマウスからの脾細胞におけるOVAペプチド特異的応答が、D3G3ペプチドアダプターをN末端で使用する場合に増加したが、他の修飾は、わずかに低減された免疫原性をもたらしたことを実証した。
【0024】
(実施例5)
MHCクラスIおよびIIエピトープの修飾
上記に記載のペプチドアダプター修飾戦略の広範な適用可能性を、下記の表1に示す融合ペプチドを調製することによって調べた。
【表1】
【0025】
それぞれの融合ペプチドを、上記に記載の通り、1000分子のcdGMPと一緒に、中空の薄壁のナノ粒子の水性コアにロードした。すべての修飾ペプチドは、未修飾親水性ペプチドエピトープと同様に、ナノ粒子の水性コアに容易に組み込まれた。
上記で説明される通り、ナノ粒子を使用して、マウスにワクチン接種し、T細胞応答を、未修飾ペプチドエピトープによるワクチン接種マウスから単離された脾細胞を負荷した後、CD8またはCD4 T細胞の細胞内サイトカイン染色によって測定した。結果を図16Aおよび16Bに示す。
試験された修飾ペプチド抗原はすべて、未修飾ペプチド抗原でワクチン接種されたマウスと比較して、ワクチン接種マウスにおいて増強された免疫応答をもたらした。この増強は、試験された抗原について必要に応じて、CD8およびCD4 T細胞の両方について示した。明らかに、上記に記載のペプチド抗原修飾戦略は、それらの固有の疎水性および親水性に関わらず、多くの異なるペプチド抗原配列に適用可能である。
【0026】
さらに、上記のデータは、予想外にも、D33またはD43で修飾された親水性ペプチド抗原がすべて、両方とも同じキャリアシステムによって送達されたにも関わらず、未修飾親水性ペプチド抗原に対応するレベルを超えて免疫原性を増加させたことを示す。図16Bを参照されたい。この予想外の結果は、ペプチドアダプターが、異なるペプチド抗原の物理化学的特性を統一するように働くだけでなく、抗原のプロセシングおよび抗原の提示も改善することを示す。
また、これは、免疫応答性が未修飾ペプチド抗原で負荷された脾細胞において測定されたことを繰り返し担う。修飾ペプチド抗原でワクチン接種されたマウスからの脾細胞が、未修飾ペプチド抗原に対して応答したという事実は、修飾が、所望の抗原配列に対するT細胞応答の特異性に影響を与えなかったことを示す。
【0027】
(実施例6)
薄いシェルのナノ粒子封入修飾ペプチドによるネオ抗原の同定および免疫化
ネオ抗原として公知の個々のがん患者における固有の変異は、腫瘍特異的免疫応答を引き起こすためのそれらの可能性に起因して、研究されている。この個別化がんワクチンアプローチは、腫瘍異種性および患者特異的HLAハプロタイプの相違などの課題を克服することができ、それによってそれぞれの患者に対する抗腫瘍有効性を最大化する。
上記に記載のペプチドアダプター修飾は、ネオエピトープなどの別個のペプチドの物理化学的特性を統一するために理想的であり、したがって、それらが、合理化されたプロセスにおいて薄いシェルのナノ粒子に共封入されるのを可能にする。図17を参照されたい。
このアプローチの生存率を、(i)免疫エピトープデータベース(IEDB)コンセンサス法バージョン2.5、および(ii)DeepHLApanソフトウェアを使用して21のマウスB16黒色腫ネオエピトープの2つのセットを別々に予測することによって試験した(Wu et al., 2019, Front. Immunol. 10:2559を参照されたい)。個々のペプチドを、合成し、親水性アダプターD43で修飾し、次いで、7つのペプチドのグループで、薄いシェルのナノ粒子に組み込んだ。
HPLC分析は、7つの修飾ペプチドのグループで、IEDBコンセンサス法によって予測された21のネオエピトープすべての中空ナノ粒子への成功裏の封入を示した。図18A~18Cを参照されたい。同様の結果が、DeepHLApanによって予測された21のエピトープで得られた(データは示さない)。
【0028】
マウスを、上記に記載の通り、cdGMPとともにナノ粒子にロードされた修飾ペプチドで、薬物刺激および追加免疫した。強いCD8+ T細胞応答が、6つのIEDBコンセンサスが予測したネオエピトープ(M33、M21、M28、M47、M05およびM45;図19Aを参照されたい)、および3つのDeepHLApanが予測したネオエピトープ(N22、N8およびN14;図19Bを参照されたい)に対して検出され、その大部分は新規である。予測されたマウスB16黒色腫ネオエピトープのうち、M28、M45、N22、N8およびN14が新たに発見された。
加えて、長い合成ペプチドでマウスをワクチン接種した場合に予想外の優勢CD4+ T細胞応答を報告した以前の文献(Kreiter et al., 2015, Nature 520(7549): 692-696を参照されたい)とは対照的に、顕著なCD4+ T細胞応答は観察されなかった。明らかに、ペプチド親水性アダプター修飾は、個別化がんワクチンの製造を容易にするだけでなく、正確なネオエピトープ特異的免疫も促進する。
【0029】
(実施例7)
薄いシェルのナノ粒子封入修飾ペプチドによるヒトがんネオ抗原の同定および免疫化
上記で説明されたペプチドアダプター修飾を、患者に由来するネオエピトープにおいて用いた。腫瘍試料を、2人の結腸直腸がん患者から収集し、次世代シークエンシングを行って、腫瘍特異的変異を同定した。9および21のネオエピトープのセットを、DeepHLApanを使用して予測し、結合した親水性アダプターD33を用いて合成した。
患者特異的HLAハプロタイプを持つトランスジェニックマウスを、修飾ネオエピトープ含有ナノ粒子ワクチンで免疫した。結果は、別個のCD8+ T細胞応答が、1人の患者からの3つのエピトープ(図20Aを参照されたい)および他の患者からの5つのエピトープ(図20Bを参照されたい)に対して刺激された。
これらの結果は、ペプチドアダプター設計が、薄いシェルのナノ粒子によるネオエピトープの共送達を促進するためにペプチドのさまざまな特性を調整するための実現可能な戦略であることを示す。加えて、免疫原性エピトープの同定および検証は、ヒトHLAトランスジェニックマウスと一緒のこのアプローチによって加速することができる。これは、個別化ネオ抗原ワクチン開発のための容易で強力なプラットフォームを提供する。
【0030】
(実施例8)
修飾ペプチド抗原によるTreg細胞の誘導
ペプチドアダプター修飾戦略を用いて、中空ポリマーナノ粒子に、アダプター修飾ペプチド抗原と免疫抑制剤、すなわちアスピリンを共封入することによって、寛容誘導ナノ粒子を調製した。アスピリンは、樹状細胞において寛容原性の表現型を誘発することができる化合物である。この化合物を特異的抗原と組み合わせることにより、抗原特異的制御性T細胞(Treg)の誘導を可能にする。そのようなTreg細胞は、自己免疫疾患を処置するため、および治療用生物製剤に対する免疫応答を低減するために使用することができる。図21Aを参照されたい。
【0031】
アスピリンおよびD43修飾OTIIペプチド抗原(D43-OTII)を、ナノ粒子に共封入した。図21Bに示されるように、ナノ粒子を使用して、寛容を誘導した。ナノ粒子を、1週間の間隔で3回、マウスに静脈内注射した。最後の注射の7日後、マウスを、R848としても公知のレシキモドと混合されたOTIIペプチドで負荷して、免疫刺激事象をシミュレートした。対照マウスに、PBS、またはD43-OTIIおよび遊離アスピリンを注射した。
結果は、ナノ粒子接種マウスが、PBS、および遊離アスピリン/ペプチドで処置されたマウスと比較して、7~10倍高い数のCD25+Foxp3+Treg細胞を産生したことを示した。図22A~22Cを参照されたい。
産生したTreg細胞を、OTII四量体への結合による抗原特異性を調べることによって、さらに分析した。Foxp3+でもあるOTIIに特異的なCD4 T細胞のパーセンテージは、D43-OTIIおよびアスピリンがロードされたナノ粒子でワクチン接種されたマウスから単離された脾細胞のうち、15%に達し、D43-OTIIおよび遊離アスピリンでワクチン接種されたマウスよりも少なくとも9倍高かった。図22Dおよび22Eを参照されたい。
【0032】
(実施例9)
寛容誘導の機構
寛容原性樹状細胞は、多くの場合、それらの表面における、MHC分子(例えば、MHC IおよびMHC II)および共刺激分子(例えば、CD80およびCD86)の特徴的な低発現を有する表現型を示す。
樹状細胞の表面マーカー発現を、インビトロ系において調べて、寛容誘導ナノ粒子が、寛容原性表現型に対して樹状細胞をどのように歪めるかを解明した。
樹状細胞を、アダプター修飾OTIIペプチドおよびアスピリン、またはアダプター修飾ペプチドのみを共封入するナノ粒子とともに6時間インキュベートし、次いで、低用量のリポ多糖(「LPS」)で刺激した。樹状細胞の表現型を、24時間後に観察した。図23中の実験スキームを参照されたい。結果を図24に示す。
【0033】
予想通り、LPS処理は、媒体対照と比較して、処理された樹状細胞表面におけるCD80、CD86、MHC IおよびMHC IIの増加した発現をもたらした。図24の黒色のバーを参照されたい。アダプター修飾OTIIペプチドを封入するナノ粒子は、CD80、CD86、MHC IおよびMHC IIのLPS誘導発現に対してほとんど効果を有さなかった。図24のそれぞれのグラフにおける左から5番目のバーを参照されたい。驚くべきことに、アダプター修飾OTIIペプチドおよびアスピリンを共封入するナノ粒子は、CD80、CD86、MHC IおよびMHC IIのLPS誘導発現を抑制した。図24のそれぞれのグラフにおける右端のバーを参照されたい。これらのデータは、アダプター修飾戦略を、寛容原性ナノ粒子を調製して、樹状細胞を、細胞におけるMHC分子および共刺激分子の発現を低減することによって、寛容原性樹状細胞に形質転換するために用いることができることを示す。
上記の結果は、ペプチドアダプター修飾戦略が、修飾ペプチドのエピトープの特性を損なうことなく、抗原/ナノキャリアカップリングを促進することによって、寛容原性ナノ粒子の調製を可能にすることを明らかに実証する。
上記の実施例は、ペプチドアダプターが、複数のペプチド標的が選択されたキャリアシステムと会合するためにペプチド標的に普遍的に適用することができることを実証する。また、ペプチドアダプターの標的ペプチドへの融合は、予想外に、標的ペプチドの免疫原性または特異性を低減しない。これは、ネオエピトープに対する個別化がんワクチンの製造において特に重要である。腫瘍特異的ネオエピトープが同定されたら、エピトープの詳細な特性評価の必要性なく、それらを、それらのN末端に結合されるペプチドアダプターと一緒に合成することができる。
【0034】
他の実施形態
本明細書に開示される特徴はすべて、任意の組み合わせで、組み合わせられ得る。本明細書に開示されるそれぞれの特徴は、同じ、等価または類似の目的を果たす代替特徴によって置き換えられ得る。したがって、他に明白に述べられない限り、開示されるそれぞれの特徴は、包括的な一連の等価または類似の特徴の例のみである。
上記の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に解明することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明のさまざまな変化および改変を行って、さまざまな使用法および条件にそれを適合させることができる。したがって、他の実施形態も、特許請求の範囲内である。
図1
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【配列表】
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