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特許7561184積み重なったパッケージを検出するシステム
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  • 特許-積み重なったパッケージを検出するシステム 図1
  • 特許-積み重なったパッケージを検出するシステム 図2
  • 特許-積み重なったパッケージを検出するシステム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】積み重なったパッケージを検出するシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/48 20060101AFI20240926BHJP
   B07C 1/04 20060101ALN20240926BHJP
【FI】
B65G47/48
B07C1/04
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022513453
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 US2020044556
(87)【国際公開番号】W WO2021066932
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】62/909,399
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508181663
【氏名又は名称】レイトラム,エル.エル.シー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】フォーニー,マシュー エル.
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0001138(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0026300(US,A1)
【文献】特表2001-520934(JP,A)
【文献】実公昭50-24800(JP,Y1)
【文献】特表2005-537913(JP,A)
【文献】中国実用新案第205868847(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/48
B07C 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージ上に印付けされた識別情報を読み取り、パッケージのサイズを測定し、前記識別情報に従って前記パッケージを複数の一次宛先に仕分けする一次識別/サイズ決定システムをそれぞれ含む1つ又は複数の一次仕分け装置と、
前記パッケージ上に印付けされた識別情報を読み取り、パッケージのサイズを測定し、前記識別情報に従って前記パッケージを複数の二次宛先に仕分けする二次識別/サイズ決定システムをそれぞれ含む1つ又は複数の二次仕分け装置と、
前記1つ又は複数の一次仕分け装置に仕分けされるパッケージを供給する一次送込みコンベアラインと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置の対応するものに仕分けされるパッケージをそれぞれ供給する1つ又は複数の二次送込みコンベアラインであって、
前記1つ又は複数の一次仕分け装置それぞれの前記一次宛先の少なくとも一部が前記1つ又は複数の二次送込みコンベアラインである、1つ又は複数の二次送込みコンベアラインと、
各パッケージについて前記一次識別/サイズ決定システムによって測定される前記サイズを前記二次識別/サイズ決定システムによって測定される前記サイズと比較するコントローラと
を含む、仕分けシステム。
【請求項2】
前記1つ又は複数の一次仕分け装置及び二次仕分け装置のそれぞれが一列の中で隔たりを介して前記パッケージの間隔をあけるように構成される、前記識別/サイズ決定システムの上流の分離器を含み、前記一次識別/サイズ決定システム及び二次識別/サイズ決定システムによって測定される前記サイズは、前記識別/サイズ決定システムを通過する分離された各パッケージの又は積み重なった各パッケージ群の重量及び寸法の少なくとも1つである、請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項3】
前記一次送込みコンベアラインにパッケージを再び運ぶ又は前記パッケージの仕分け元である前記二次仕分け装置の前記二次送込みコンベアラインにパッケージを運ぶ前記1つ又は複数の二次仕分け装置それぞれの前記二次宛先の少なくとも1つとして再循環コンベアを含む再循環システムを含み、前記コントローラが、前記二次識別/サイズ決定システムによって測定されるサイズが前記一次識別/サイズ決定システムによって測定される前記サイズと最大許容サイズ差を上回って異なるパッケージを前記再循環システムに仕分けするように前記1つ又は複数の二次仕分け装置に指示する、請求項1に記載の仕分けシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、その識別情報を前記二次識別/サイズ決定システムが識別することができないパッケージを前記再循環システムに仕分けして、前記識別されないパッケージを前記一次送込みコンベアラインに再循環させるように前記1つ又は複数の二次仕分け装置に指示する、請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記二次識別/サイズ決定システムが如何なる識別情報も読み取ることができない又は複数の識別情報を読み取る個々の又は積み重なったパッケージを前記再循環システムに仕分けして、それらのパッケージを前記対応する1つ又は複数の二次送込みコンベアラインに再循環させるように前記1つ又は複数の二次仕分け装置に指示する、請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項6】
前記コントローラは、前記二次識別/サイズ決定システムによって測定されるサイズが前記一次識別/サイズ決定システムによって測定される前記サイズと最大サイズ差の分だけ異なるパッケージを、前記対応する1つ又は複数の二次送込みコンベアラインに戻すために前記再循環システムに仕分けするように前記1つ又は複数の二次仕分け装置に指示する、請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、各パッケージが各一次仕分け装置上の前記一次識別/サイズ決定システムを通過するとき前記各パッケージに宛先を指定し、他の二次仕分け装置上の宛先又は一次仕分け装置上の宛先に宛てられていると前記二次識別/サイズ決定システムが識別するパッケージを前記再循環システムに仕分けして、前記識別されないパッケージを前記一次送込みコンベアラインに再循環させるように前記1つ又は複数の二次仕分け装置に指示する、請求項3に記載の仕分けシステム。
【請求項8】
1つ又は複数の二次仕分け装置にパッケージをそれぞれ供給する1つ又は複数の一次仕分け装置を有するマトリクス型仕分け装置内でパッケージを仕分けするための方法であって、
1つ又は複数の一次仕分け装置上でパッケージを分離するステップと、
前記1つ又は複数の一次仕分け装置上で運ばれる前記分離されたパッケージ上に印付けされる識別情報を走査するステップと、
前記1つ又は複数の一次仕分け装置上で運ばれる前記分離されたパッケージのサイズを測定するステップと、
前記パッケージの前記サイズを前記識別情報に関連付けるステップと、
前記パッケージの識別情報に基づいて前記パッケージのそれぞれに宛先を指定するステップであって、前記宛先の一部は1つ又は複数の二次仕分け装置沿いにある、指定するステップと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置沿いの宛先が指定された前記パッケージを前記1つ又は複数の二次仕分け装置に運ぶステップと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置上の前記パッケージを分離するステップと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置上で運ばれる前記分離されたパッケージ上に印付けされる識別情報を走査するステップと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置上で運ばれる前記分離されたパッケージの前記サイズを測定するステップと、
前記1つ又は複数の二次仕分け装置上で測定される前記パッケージの前記サイズを前記1つ又は複数の一次仕分け装置上の前記同じ識別情報を有する前記パッケージの前記サイズと比較するステップと、
前記1つ又は複数の一次仕分け装置から前記1つ又は複数の二次仕分け装置へとそのサイズが既定の量を超えて変化したパッケージを識別するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記1つ又は複数の一次仕分け装置から前記1つ又は複数の二次仕分け装置へとそのサイズが前記既定の量を超えて増加したパッケージを積み重なったパッケージとして識別するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ又は複数の一次仕分け装置から前記1つ又は複数の二次仕分け装置へとそのサイズが既定の量を超えて変化したパッケージとして識別される前記パッケージを前記1つ又は複数の二次仕分け装置から前記1つ又は複数の一次仕分け装置に又は前記1つ又は複数の二次仕分け装置に再循環させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パッケージのサイズの測定値として前記パッケージの重量を求めるために、前記1つ又は複数の一次仕分け装置及び二次仕分け装置上の前記パッケージを計量するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記パッケージのサイズの測定値として前記パッケージの寸法を求めるために、前記1つ又は複数の一次仕分け装置及び二次仕分け装置上の前記パッケージを走査するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ又は複数の二次仕分け装置上で走査され、1つの識別情報よりも多い又は少ない識別情報を有するパッケージを前記1つ又は複数の一次仕分け装置又は二次仕分け装置に再循環させるステップを含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に動力駆動コンベアに関し、具体的には仕分けコンベア及びパッケージを仕分けするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マトリクス型仕分け装置は、多くの宛先にパッケージのバルクフローを素早く仕分けするように構成される一次仕分け装置及び二次仕分け装置のネットワークである。入ってくるパッケージのバルクフローが一次仕分け装置に均等に分散される。一次仕分け装置は各パッケージを分離し、計量し、走査し、測定する。一次仕分け装置によって識別される全てのパッケージに宛先が指定される。一次仕分け装置はパッケージをその指定された宛先に従って仕分けし、かかる宛先は一次仕分け装置沿い又は二次仕分け装置沿いであり得る。二次仕分け装置は一次仕分け装置から受け取るパッケージを二次仕分け装置沿いの最終宛先へと仕分けする。任意選択的に、二次仕分け装置を除いて一次仕分け装置が最終宛先へと一部のパッケージを直接仕分けすることもできる。二次仕分け装置に仕分けされるパッケージは、一次仕分け装置によって各二次仕分け装置のためのバルクフローの中に入れられる。それらのパッケージはバルクフローの中に戻されるので、各二次仕分け装置はそれらのパッケージをその最終宛先に向けて再び分離し、走査し、仕分けする。
【0003】
パッケージは個々のパッケージへと適切に分離されないこともある。例えば2つ以上のパッケージが部分的に重なり、又は互いの上に積み重なる場合がある。一意の識別情報を含む積み重なったパッケージのタグ又はラベルを走査し読み取ることができるように、各仕分け装置の走査システムのすぐ上流に人間オペレータを配置して積み重なったパッケージの積み重なりを取り除き、パッケージを面揃えするのが一般的である。一次仕分け装置の走査システムによって識別されない又は重すぎる若しくは大き過ぎるパッケージを入ってくるバルクフローの中に再循環させるために再循環コンベアが使用される。再循環されるパッケージは、自動化された一次仕分け装置によって適切に分離され面揃えされる別の機会を得る。二次仕分け装置が無人のマトリクス型仕分け装置では、1つのパッケージのタグ又はラベルしか見えていない状態の積み重なったパッケージが走査されるタグに従って仕分けされる。そのため、積み重なったものの中の読み取られない如何なるパッケージも誤った宛先に送られる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の特徴を実装する仕分けシステムの或るバージョンは、1つ又は複数の一次仕分け装置及び1つ又は複数の二次仕分け装置を含む。一次仕分け装置のそれぞれは、パッケージ上に印付けされた識別情報を読み取り、パッケージのサイズを測定し、識別情報に従ってパッケージを複数の一次宛先に仕分けする一次識別/サイズ決定システムを含む。二次仕分け装置のそれぞれは、パッケージ上に印付けされた識別情報を読み取り、パッケージのサイズを測定し、識別情報に従ってパッケージを複数の二次宛先に仕分けする二次識別/サイズ決定システムを含む。一次送込みコンベアラインが、1つ又は複数の一次仕分け装置に仕分けされるパッケージを供給する。1つ又は複数の二次送込みコンベアラインが、1つ又は複数の二次仕分け装置の対応するものに仕分けされるパッケージをそれぞれ供給する。1つ又は複数の一次仕分け装置それぞれの一次宛先の少なくとも一部は1つ又は複数の二次送込みコンベアラインである。コントローラが、各パッケージについて一次識別/サイズ決定システムによって測定されるサイズを二次識別/サイズ決定システムによって測定されるサイズと比較する。
【0005】
1つ又は複数の二次仕分け装置にパッケージをそれぞれ供給する1つ又は複数の一次仕分け装置を有するマトリクス型仕分け装置内でパッケージを仕分けするための本発明の特徴を実装する方法は、(a)1つ又は複数の一次仕分け装置上のパッケージを分離するステップと、(b)1つ又は複数の一次仕分け装置上で運ばれる分離されたパッケージ上に印付けされる識別情報を走査するステップと、(c)1つ又は複数の一次仕分け装置上で運ばれる分離されたパッケージのサイズを測定するステップと、(d)パッケージのサイズを識別情報に関連付けるステップと、(e)パッケージの識別情報に基づいてパッケージのそれぞれに宛先を指定するステップであって、宛先の一部は1つ又は複数の二次仕分け装置沿いにある、指定するステップと、(f)1つ又は複数の二次仕分け装置沿いの宛先が指定されたパッケージを1つ又は複数の二次仕分け装置に運ぶステップと、(g)1つ又は複数の二次仕分け装置上のパッケージを分離するステップと、(h)1つ又は複数の二次仕分け装置上で運ばれる分離されたパッケージ上に印付けされる識別情報を走査するステップと、(i)1つ又は複数の二次仕分け装置上で運ばれる分離されたパッケージのサイズを測定するステップと、(j)1つ又は複数の二次仕分け装置上で測定されるパッケージのサイズを1つ又は複数の一次仕分け装置上の同じ識別情報を有するパッケージのサイズと比較するステップと、(k)1つ又は複数の一次仕分け装置から1つ又は複数の二次仕分け装置へとそのサイズが既定の量を超えて変化したパッケージを識別するステップとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の特徴を実装するマトリクス型仕分け装置の一部の簡略図である。
図2図1のマトリクス型仕分け装置内で使用されるコントローラのブロック図である。
図3】積み重なったパッケージを検出し、適切な是正措置を取るために図2のコントローラによって実行されるプログラムステップの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特徴を実装するマトリクス型仕分け装置の一部を図1に示す。マトリクス型仕分け装置10は、N個の一次仕分け装置PS~PS及びM個の二次仕分け装置SS~SSを含む。(総称的な一次仕分け装置をPSと呼び、添え字nは1からNまでの任意の整数であり、総称的な二次仕分け装置をSSと呼び、添え字mは1からMまでの任意の整数である。図面を簡単にするために図1では一例として2つの一次仕分け装置PS、PSだけ、及び二次仕分け装置SSだけ図示する)。それぞれの一次仕分け装置及び二次仕分け装置は、分離器12及びギャッパ14を含む。それぞれの分離器12の前は(図1には不図示の)段ばらしコンベアである。一次送込みコンベアライン16がパッケージのバルクフローを1つ又は複数の一次仕分け装置PS~PSのそれぞれに均等に分散する。分離器12及びギャッパ14がそれらのパッケージを個々のパッケージに又は時として不所望の部分的に重なった若しくは積み重なったパッケージ群へと隔てる。
【0008】
分離器12及びギャッパ14の下流では、分離されたパッケージが、このバージョンでは重量選別カメラシステムである識別/サイズ決定システム18を通過する。重量選別機が各パッケージの重量Wを測定し、カメラが各パッケージを走査して、各パッケージの寸法Dをそこから測定可能なデジタル画像を生成する。各パッケージに付けられたタグ又はラベル上に印付けされる一意識別情報をデジタル画像から読み取ることができる。そのため識別/サイズ決定システムのこのバージョンでは、タグ走査Sから読み取られる一意のパッケージ識別情報によって各パッケージが識別される。それぞれのタグ走査Sに関連付けられるのが、パッケージのサイズの測定値としてのパッケージの重量W及び寸法Dである。他のバージョンでは、タグ走査Sと共に重量Wだけ又は寸法Dだけが測定される。一部のバージョンでは、重量Wは重量選別機又は他の計量器なしに寸法Dから推定され得る。他のバージョンでは、パッケージを識別するためにバーコード読取装置又は他の専用タグ読取装置によってタグを走査することができる。又はパッケージの寸法は、ライトカーテン又は距離計等の他の光学装置によって測定されてもよい。
【0009】
図2に示すように、プログラム可能コントローラ又は他のプログラム可能プロセッサ又は計算装置又はそのような個々のコントローラのネットワーク化されたグループとして実現され得るコントローラ20は、各パッケージの識別情報及びサイズ(重量Wの測定値若しくは寸法Dの測定値又はその両方)を処理するプログラムメモリ内のプログラム命令を実行する。コントローラ20は、コントローラによってアクセス可能なデータメモリ内に各パッケージのタグ走査Sの測定値を記憶する。タグ走査Sに由来するパッケージの識別情報に基づき、コントローラ20は各パッケージに宛先を指定する。コントローラ20は、N個の一次仕分け装置PS~PSのそれぞれの中の識別/サイズ決定システム18P、及びM個の二次仕分け装置SS~SSのそれぞれの中の識別/サイズ決定システム18Sからデータを受信する。
【0010】
図1に示すように、各一次仕分け装置PS及び二次仕分け装置SSは、隔てられたパッケージを一列に合流させ、それらをリニア仕分け装置28上に供給する合流コンベア26を有する。リニア仕分け装置28は複数の仕分け宛先、つまり1つ又は複数の二次仕分け装置SSのための最終宛先30及び1つ又は複数の一次仕分け装置PSのための最終宛先30及び非最終宛先32をそれぞれ有する。コントローラは、一次仕分け装置PS沿いの最終宛先30が指定されたパッケージを仕分け装置から離してパッケージの最終宛先に導く。二次仕分け装置SS沿いの最終宛先が指定されたパッケージは、一次仕分け装置PSの経路を外れてM個の二次送込みコンベアラインC~Cとして実現される非最終宛先32の1つに送られる。各二次送込みコンベアラインC~Cは、全ての一次仕分け装置PS~PSから二次仕分け装置SSの1つにパッケージを運ぶ。パッケージはN個の一次仕分け装置PSによって二次送込みコンベアラインC上へと非同期的に仕分けされるので、パッケージは分離されていないバルクフローを再び形成する。二次仕分け装置SS内の分離器は、最終宛先に仕分けされる前にそれらのパッケージを分離する。コントローラ20は二次仕分け装置SS上の仕分けアクチュエータ29に仕分け信号27を送信し、二次仕分け装置SSはパッケージをその指定された最終宛先に進路変更する。
【0011】
二次送込みコンベア送りラインC~C上のパッケージは、積み重なったパッケージ及びタグが遮られた状態で面するパッケージを含む大量の流れの中で運ばれるので、各二次仕分け装置は一次識別/サイズ決定システム18Pと同じ情報を集める識別/サイズ決定システム18Sを有する。一致するパッケージタグ走査Sごとに、コントローラは二次仕分け装置SSにおけるサイズ測定値、つまり重量W若しくは寸法D又はその両方を一次仕分け装置PSにおけるサイズ測定値と比較する。重量W又は寸法Dの差の大きさがパッケージの積み重なりの検出を示す最大許容重量差又は寸法差を上回る場合、コントローラがその積み重なりを二次リニア仕分け装置28から局所再循環システム34に進路変更し、局所再循環システム34は積み重なりが出て行った二次仕分け装置SSの入り口に積み重なりを再循環させ、そのため二次仕分け装置SSの分離器12及びギャッパ14が積み重なりの中のパッケージの分離を再試行することができる。
【0012】
二次仕分け装置SSの二次識別/サイズ決定システム18Sが各パッケージ群走査内でタグを読み取らない又は2つ以上のタグを読み取る場合、コントローラは、その二次仕分け装置にパッケージを戻す局所再循環システム34又は一次送込みコンベア送りライン16にパッケージを戻す一次再循環システム36への再循環コンベアにより、パッケージ群を再循環システムに進路変更するようリニア仕分け装置28に指示する。例えば所与の二次仕分け装置SS上の全てのパッケージタグが遮られて読み取れない場合、又は1つのパッケージ群の中で複数のタグが読み取られ、全てのタグが所与の二次仕分け装置沿いの最終宛先行きのパッケージ用である場合、コントローラは局所再循環システム34を用いてそれらのパッケージを再循環させる。しかし1つのパッケージ群について複数のパッケージタグが読み取られ、タグの1つ又は複数が別の二次仕分け装置行きのパッケージを識別する場合、コントローラは、一次送込みコンベアライン16上のバルクフローの中に再び入れるためにパッケージ群を一次再循環システム36に進路変更するようリニア仕分け装置18に命令する。最後に、二次リニア仕分け装置28から仕分けされない如何なるパッケージも、マトリクス型仕分け装置の再循環システムの一部である再循環経路38によって仕分け装置の入り口に再循環される。或いはその再循環経路は一次送込みコンベアライン16に戻ることができる。
【0013】
プログラムメモリ内に記憶されコントローラによって実行されるプログラムステップの一例の単純化した流れ図を、1つの一次仕分け装置PS及び1つの二次仕分け装置SSに関して図3に示す。まずステップ40で、コントローラが分離されたパッケージ又は部分的に重なった若しくは積み重なったパッケージ群に対する一次仕分け装置のタグ走査の結果を確認する。コントローラが走査内で単一のタグよりも多い又は少ないタグを検出する場合、ステップ42で、一次仕分け装置の1つに運ばれるようにそのパッケージ群を一次送込みコンベアラインに再循環させるようコントローラがリニア仕分け装置に命令する。パッケージタグが1つだけ検出される場合、ステップ44で、コントローラはタグ走査Sに関するパッケージのサイズ測定値(重量W若しくは寸法D又はその両方)をメモリ内に記憶する。パッケージの一意識別タグ走査Sから、ステップ46で、コントローラがパッケージPに最終宛先を指定する。パッケージPが二次仕分け装置SS沿いの最終宛先を有する場合、ステップ48で、二次識別/サイズ決定システムの識別タグ走査Sを確認する。走査に関して単一のタグ走査Sよりも多く又は少なく検出される場合、そのパッケージ又はパッケージ群を一次仕分け装置PSに再循環させるようコントローラが二次リニア仕分け装置に命令する。識別パッケージタグが走査内で1つだけ登場する場合、ステップ50で、その最終宛先が二次仕分け装置沿いであるパッケージの一次仕分け装置によるタグ走査との識別情報の一致を求めてコントローラがタグ走査Sを確認する。一致が認められない場合、パッケージPは一次仕分け装置PS~PSに再循環させる。一致が認められる場合、ステップ52で、コントローラが一次仕分け装置及び二次仕分け装置における重量測定値の差|ΔW|を予め設定された最大許容重量差ΔWMAXと比較する。重量差の大きさ|ΔW|が予め設定された値ΔWMAXを上回る場合、ステップ54で、コントローラが二次仕分け装置の対応する送込みコンベアラインにパッケージPを再循環させるよう二次リニア仕分け装置に命令する。重量差が許容可能である場合、ステップ56で、コントローラは寸法Dについての同様の比較を行う。一次測定値から二次測定値への寸法差の大きさ|ΔD|が予め設定された最大許容寸法差ΔDMAXを上回る場合、コントローラはパッケージPを二次仕分け装置の入り口に再循環させるよう二次リニア仕分け装置に命令する。パッケージPの重量W又は寸法Dが最大許容値よりも多く増加する場合、そのパッケージは再循環を必要とする積み重なったパッケージとして識別する。さもなければパッケージPがチェックアウトし、二次リニア仕分け装置沿いのその適切な最終宛先に仕分けされる。
【0014】
本発明を幾つかの例示的バージョンに関して説明してきたが、他のバージョンもあり得る。例えば識別情報又はサイズの基準を満たさないパッケージを一次送込みコンベアラインに再循環させるために、一次仕分け装置上の再循環コンベアを含む再循環システムが設置されてもよく又は典型的には設置される。識別情報又はサイズの基準を満たさないパッケージを再循環させる代わりに、仕分け装置は手作業で扱われるように有人ステーションにそれらのパッケージを運ぶことができる。別の例として、記載したマトリクス型仕分け装置は二次仕分け装置からパッケージを受け付ける三次仕分け装置を追加することによって拡張することができる。
図1
図2
図3