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特許7561189試料の成分を分離するためのシステム、方法および装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】試料の成分を分離するためのシステム、方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B04B 7/08 20060101AFI20240926BHJP
   A61M 1/02 20060101ALI20240926BHJP
   A61J 1/05 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
B04B7/08
A61M1/02 120
A61J1/05 351B
【請求項の数】 64
(21)【出願番号】P 2022525168
(86)(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 US2020058145
(87)【国際公開番号】W WO2021087222
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】62/928,584
(32)【優先日】2019-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/085,043
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518429872
【氏名又は名称】エクリプス メッドコープ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】カールソン、スコット
(72)【発明者】
【氏名】テッパー、ジョン
【審査官】奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05560830(US,A)
【文献】国際公開第2018/197592(WO,A1)
【文献】特表2014-513630(JP,A)
【文献】特開昭55-027993(JP,A)
【文献】特開平05-018964(JP,A)
【文献】特表2005-524451(JP,A)
【文献】特表2006-502389(JP,A)
【文献】特表2014-532874(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0189168(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B04B 1/00-15/12
B01D 1/00-71/82
B03B 1/00-13/06
B03C 1/00-11/00
B07B 1/00-15/00
A61J 1/05
A61M 1/02
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全血の形態にある液体生物学的試料の成分を分離するためのシステムであって、
前記液体生物学的試料を受容するための管状体;
1つまたは複数のゲルの形態にあるチキソトロピー性材料であって、前記管状体の底部内面に沿って位置する、チキソトロピー性材料;ならびに
コア、
上面、および
底面
を備えるフロートを備える装置を備え、
前記フロートが前記チキソトロピー性材料の比重未満またはそれに等しい比重を有し
前記フロートが前記管状体の底部に留まるように前記フロートの少なくとも底部分が前記チキソトロピー性材料に覆われており、
前記フロートは遠心分離中に変形しないように構成される、システム。
【請求項2】
前記フロートが前記チキソトロピー性材料の比重未満の比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フロートが円形断面を有し、前記フロートの前記円形断面の直径が前記管状体の内径の50%以上に等しく、かつ前記管状体の内径以下である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記チキソトロピー性材料が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、水素化スチレンブタジエンゴム、およびこれらの2種以上の組合せから選択されるポリマーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記フロートが1~50のショア硬度を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記フロートが1.02~1.09g/mLの比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記フロートが1.025~1.035g/mLの比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記チキソトロピー性材料が1.02~1.09g/cmの比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記フロートが血小板接着を制限するよう構成された表面を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記フロートが1つ以上の突起を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記フロートが複数の突起を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記突起が、前記管状体の内壁に隣接するよう構成された前記フロートの表面に沿って位置する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記突起が、前記フロートの中心軸を前記管状体の中心軸に沿って維持するよう構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記突起が、側方方向にまたは長手方向にまたはその両方に、前記フロートの表面に沿って等距離で離間される、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記突起が、前記管状体の内壁に隣接する前記フロートの表面に沿って等距離で離間される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記突起が、前記フロートの前記コアとは異なる材料を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記フロートの前記底面の半径方向最外部を取り囲む円の直径が、前記フロートの前記上面の最外部を取り囲む円の直径の0.6倍以上かつ1倍以下である、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記フロートが円筒状であり、前記フロートが前記フロートより低密度の試験流体に完全に沈められた後、前記フロートによって置き換えられる前記試験流体の体積が前記フロートを取り囲む円筒の体積の0.5倍以上かつ1倍以下である場合、前記フロートが円筒状とみなされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記フロートの前記上面が前記フロートの前記底面よりも大きい直径を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記フロートが弾丸状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記フロートの一部分が爪状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記管状体に隣接する前記フロートの表面が、鋸歯または狭間を設けたパターンを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記管状体に隣接する前記フロートの表面が正弦波パターンを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記フロートが球状であり、前記フロートが前記フロートより低密度の試験流体に完全に沈められた後、前記フロートによって置き換えられる前記試験流体の体積が前記フロートを取り囲む球体の体積の0.5倍以上かつ1倍以下である場合、前記フロートが球状である、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記フロートが空洞をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記空洞の体積が前記フロートの全体積の50%より大きい、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記フロートが歯状である、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記管状体の内壁がコーティングを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記コーティングが不活性材料を備える、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記フロートが、前記液体生物学的試料の前記成分のうち最小の比重を有する成分より大きい比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項31】
前記チキソトロピー性材料が、前記液体生物学的試料の前記成分のうち最大の比重を有する成分より小さい比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記管状体には、ストッパとの組み合わせにより真空部分が形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項33】
前記管状体の内部が0~101kPaの絶対圧にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記フロートおよび前記チキソトロピー性材料の色が異なる、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記フロートおよびチキソトロピー性材料が放出可能に結合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離による前記液体生物学的試料の前記成分の密度分離を可能とするよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項37】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離中に前記フロートの外面と前記管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、前記管状体に隣接する前記フロートの表面と前記管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成され、不透過性とは、少なくとも前記管状体、前記チキソトロピー性材料、フロート、第1の相および第2の相を備える構成要素のセットが静止しているとき、前記不透過性の封止部の対向面上の前記液体生物学的試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、請求項1に記載のシステム。
【請求項39】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、前記管状体に隣接する前記フロートの表面と前記管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項40】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離後に前記管状体に隣接する前記フロートの表面と前記管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項41】
前記チキソトロピー性材料が、赤血球の比重未満の比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項42】
前記チキソトロピー性材料および前記フロートが、血漿の比重より大きい比重を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項43】
抗凝固剤をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項44】
前記装置内に設置された抗凝固剤をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項45】
前記抗凝固剤がクエン酸塩およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)から選択される、請求項43に記載のシステム。
【請求項46】
前記チキソトロピー性材料およびフロートが、輸送中に前記管状体に対して固定された位置に留まり、前記固定された位置に留まることが、前記フロート上の点および前記チキソトロピー性材料の境界が、前記管状体の中心軸または長さに沿って、前記フロートの長手方向軸または前記中心軸に沿った前記フロートの長さの15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%より多く動かないことを意味する、請求項1に記載のシステム。
【請求項47】
前記フロートが、流体を前記フロートの内部から前記フロートの外部に通すよう構成されたアパーチャを有さないという意味、および流体をバリアの第1の表面から前記バリアの対向面に通すよう構成されたアパーチャを有さないという意味で中実である、請求項1に記載のシステム。
【請求項48】
前記フロートが単一の一体型ピースであるか、または固定されており遠心分離中に互いに対して不動となるよう構成されている複数のピースである、請求項1に記載のシステム。
【請求項49】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離による前記液体生物学的試料の前記成分の密度分離を可能とするよう構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項50】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離中に前記管状体の内壁に隣接する前記フロートの外面と前記管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離後に前記管状体の内壁に隣接する前記フロートの外面と前記管状体の内壁の間に不透過性のバリアを作出するよう構成され、不透過性とは、少なくとも前記管状体、前記チキソトロピー性材料、フロート、第1の相および第2の相を備える構成要素のセットが静止しているとき、前記不透過性のバリアの対向面上の前記液体生物学的試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、請求項49に記載のシステム。
【請求項52】
前記チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびに前記フロートの寸法が、遠心分離後に前記管状体の内壁に隣接する前記フロートの外面と前記管状体の前記内壁の間に不透過性のバリアを作出するよう構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項53】
前記液体生物学的試料が血液を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項54】
前記フロートの前記上面の少なくとも一部分が、遠心分離後に前記チキソトロピー性材料の上に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項55】
前記フロートの前記上面が、遠心分離後に前記チキソトロピー性材料の上に位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項56】
多血小板血漿を調製するための方法であって、
請求項1に記載のシステムおよび血液試料を用意する工程、
前記血液試料の前記成分を第1の相および第2の相に分離するのに十分な時間および速度で前記装置を遠心分離する工程であって、前記第1の相が赤血球を含み、前記第2の相が血漿を含む、工程、ならびに
前記第2の相の一部分を除去して多血小板血漿を得る工程を備える、方法。
【請求項57】
前記第2の相から除去される前記一部分が乏血小板血漿を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記多血小板血漿を撹拌する工程をさらに備える、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記フロートおよびチキソトロピー性材料が、前記第1の相と前記第2の相の間に平衡して維持される、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
請求項1に記載のシステムを使用して全血の形態にある液体生物学的料の成分を分離するための方法であって、
前記液体生物学的試料を前記装置に導入する工程と、
前記装置を、前記液体生物学的試料の前記成分を複数の相に分離するのに十分な時間および速度で遠心分離に供する工程と、を備える、方法。
【請求項61】
前記複数の相が、赤血球を含む第1の相および血漿を含む第2の相を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記フロートおよびチキソトロピー性材料が、遠心分離後に前記フロートの外面と前記管状体の内壁の間に不透過性のバリアを形成し、不透過性とは、少なくとも前記管状体が静止しているとき、前記不透過性のバリアの対向面上の前記液体生物学的試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
遠心分離後に、前記フロートの前記上面の少なくとも一部分が前記チキソトロピー性材料の上に位置する、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
遠心分離後に、前記フロートの前記上面が前記チキソトロピー性材料の上に位置する、請求項60に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料の成分を分離するためのシステム、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この背景セクションは、本開示で考察される実施形態を理解するのに役立つ可能性がある技術の関連する態様の考察を提供するものである。本明細書に含まれるものはいずれも、何が先行技術であるかまたはないかを容認するものではなく、したがってこのセクションは、その観点から考慮されるべきである。
【0003】
多血小板血漿(PRP)は、周囲細胞に損傷組織を修復し、新たな組織を再生するようシグナル伝達することにより治癒カスケードを調節する血小板由来成長因子(PDGF)、形質転換成長因子(TGF)、上皮成長因子(EGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、およびケラチノサイト成長因子(KGF)などの成長因子も含有する、血漿中の血小板の濃縮物であると一般に理解される。
【0004】
PRPを調製するための種々のシステムおよび方法が公知である。しかし、様々な理由から、これらの方法およびシステムは、有効な血小板の捕捉を一貫してもたらさない。例えば、セパレータゲルを利用するデバイスおよびシステムは、セパレータゲルへの血小板接着、および遠心分離後のセパレータゲルの破損に関する問題を有する傾向にある。結果として、臨床医には、望ましい数未満の患者への投与に利用可能な血小板が残されることが多い。さらに、試料の成分を分離するためにセパレータフロートまたはバリアを単独で利用するシステムは、製造が困難であるおよび/または複雑であることが多いため、ポイントオブケア用途に実用的ではない。
【0005】
前述の課題を克服するために、血小板濃度を富化し、患者への投与に利用可能な血小板の数を増加させる、簡潔で費用対効果が高く、信頼性があり臨床的に有用な方法に対する必要性が残されている。本開示の実施形態は、これらおよび他の目的を満たすように設計される。
【発明の概要】
【0006】
この概要は、本発明のある特定の実施形態の態様の考察を提供する。特許請求される発明または特許請求の範囲における用語のいずれかを制限するものではない。概要は、いくつかの態様を提供するが、ここで考察されない本発明の態様および実施形態が存在する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示は、試料の成分を分離するためのシステムであって、液体生物学的試料を受容するための管状体;チキソトロピー性材料;ならびにコア、上面および底面を備えるフロートを備える装置を備え、フロートがチキソトロピー性材料の比重未満またはそれに等しい比重を有するシステムに関する。いくつかの実施形態では、管状体は、近位端および遠位端を備え、遠位端は外部環境に近く、近位端は試料を受容することが可能なアパーチャを有する。いくつかの実施形態では、管状体の近位端は、ストッパによって外部環境から封止される。
【0008】
本開示の他の実施形態は、試料の成分を分離するためのシステムであって、管状体、フロートおよびチキソトロピー性材料を備え、チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離による試料の成分の密度分離を可能とするよう構成される、システムを提供する。
【0009】
本開示の他の実施形態は、本明細書に記載される方法またはシステムのいずれか1つによって生成された生成物を含む組成物を提供し、一方で他の実施形態は、本明細書に記載される方法またはシステムのいずれか1つによって生成された生成物を使用する方法を提供する。
【0010】
また、本開示のさらなる実施形態は、生物学的試料の成分を分離するためのシステムであって、生物学的試料、管、チキソトロピー性材料および管内に設置されたフロート、前記管に相対遠心力を適用するための手段、ならびに前記管を撹拌するための手段を備えるシステムを提供する。
【0011】
本開示の適用可能なさらなる分野は、以下に提供される詳細な説明から明らかになる。詳細な説明および特定の例は、実施形態を記載するとともに、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】生物学的試料の導入後かつ遠心分離後の、試料の成分を分離するための管の実施形態の部分断面図。
図2】生物学的試料の導入前かつ遠心分離前の、試料の成分を分離するための管の実施形態の部分断面図。
図3A】遠心分離後の、試料の成分を分離するための管の実施形態の図。
図3B】遠心分離後の、試料の成分を分離するための管の実施形態の図。
図4A】管が垂直と水平の間の固定角度で遠心分離された、遠心分離後の管の実施形態の図。
図4B】管が水平に遠心分離された、遠心分離後の管の実施形態の図。
図5】本開示の方法およびシステムの実施形態によって遠心分離後に作出された、フロート-ゲルバリアの実施形態の上面斜視図。
図6】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの図。
図7A】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の様々な図。
図7B】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の様々な図。
図7C】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の様々な図。
図7D】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の様々な図。
図8A】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の図。
図8B】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の図。
図9】本開示のいくつかの実施形態によるフロートの代替的な実施形態の図。
図10】本開示のいくつかの実施形態に従う、管内の突起を伴わないフロートの一実施形態の上面図。
図11】本開示のいくつかの実施形態に従う、突起を伴うフロートの実施形態の上部斜視図。
図12図11のフロートの側面図。
図13図11のフロートの上部平面図。
図14図11のフロートの底部平面図。
図15図13に示される矢印の方向で、図13に例示される平面に沿って撮られた図11のフロートの断面図。
図16図14で特定される箇所における、図11のフロートの詳細図。
図17】チキソトロピー性材料を含む管状体に配置された、図11のフロートの実施形態の上面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
いくつかの実施形態では、本開示は、管中に位置するフロートとチキソトロピー性材料の間の相補的相互作用を伴う。ある特定の実施形態では、本開示は、本明細書に記載されるシステムおよび装置、例えばフロート、チキソトロピー性材料および管のいずれか1つを提供する。いくつかの実施形態では、本開示のシステムおよび装置は、試料の成分の相対密度に基づいて試料の成分を分離するために使用される。いくつかの実施形態では、試料はヒトの血液を含む。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料およびフロートは、それぞれ特定の比重で操作され、フロートはチキソトロピー性材料の比重未満またはそれに等しい比重を有する。いくつかの実施形態では、フロートおよびチキソトロピー性材料は、それぞれ赤血球のものより低い比重を有する。(参照物品より低いゲル、フロートまたは血液成分の比重を参照する場合、比重が参照物品の比重より小さいことを意図する。遠心分離前または後の管中の下側の位置を指すものではない。例えば、チキソトロピー性材料が1.06の比重を有する場合、1.03の比重を有するフロートは、チキソトロピー性材料より低い比重を有する。)いくつかの実施形態では、フロートおよびチキソトロピー性材料は、それぞれ血漿より高い比重を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料およびフロートは、全血の場合:1)固定角度の遠心分離を使用するか、スイングバケット遠心分離を使用するかにかかわらず、上清としても公知の遠心分離後の上部成分(例えば、血漿)と下側成分(例えば、赤血球)の間に、ゲル単独で形成される封止部より優れた封止部を、管の内壁と連動して形成する、2)血小板の収率をゲルのみの分離システムより増加させる、および3)チキソトロピー性材料がフロートの上面より上に上昇し、上清(例えば、血漿)を汚染するおよび/または血小板数に悪影響を与える可能性を低減させるように相補的に作用する。
【0015】
当業者が本開示を読むことで理解するように、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、フロートおよび管状体(例えば、試験管)の内面と組み合わせてバリアを形成するのに有効な任意の量で提供されてもよい。チキソトロピー性材料の有効量は、試験管のサイズおよびチキソトロピー性材料とともに使用されるフロートのサイズ、および試料体積に応じて変化してもよい。加えて、当業者が理解するように、チキソトロピー性材料は、チキソトロピー性材料が、フロートおよび成分に分離される任意の試料とともに管状体に収まらないような多量で使用されるべきではない。さらに、遠心分離中または後に、チキソトロピー性材料の小球体、円板、部分または上部分がフロートより上の位置に移動しやすくなるような多量のチキソトロピー性材料を回避することが有利であり得る。当業者が認識するように、チキソトロピー性材料の所望の体積は、ゲルの所望の厚さにフロートと管状体の内面との間の環状空間の断面積を乗じ、さらにフロートの延長部を十分に包含するのに必要な体積を考慮することによって決定されてもよい(図1を参照されたい)。当業者はさらに、いくつかの実施形態では、フロートとチキソトロピー性材料の間の相対比重を、フロートの上面が遠心分離後にチキソトロピー性材料を含まないまたは実質的に含まないままであることを保証するよう十分に異ならせてもよいことを認識する。一方、例として、ゲルの所望の厚さは、最低でも厚さが遠心分離後に耐久性のある不透過性バリアをもたらすのに十分であるように確立されてもよい。任意選択で、厚さは、チキソトロピー性材がフロートの上端より上に延長するようになる厚さを超えないか、またはさらなる代替として、厚さは、チキソトロピー性材料が本開示に記載されるフロートの上面の任意の選択された部分を覆うようにするのを回避するよう選択される。いくつかの実施形態では、フロートおよび管状体の内面と組み合わせて十分なバリアをもたらし、(i)チキソトロピー性材料に関連する費用を回避する、(ii)血小板がチキソトロピー性材料によって捕捉されるのを回避する、または(iii)これらの任意の組合せを行う最小量のチキソトロピー性材料を使用することが望ましい。
【0016】
いくつかの実施形態では、フロートおよびチキソトロピー性材料は、それぞれ上清(例えば、血漿)のものと赤血球のものとの間の比重を有する。チキソトロピー性材料およびフロートの比重は、遠心分離後にチキソトロピー性材料がフロートを封入し、フロートと組み合わせて封止部を形成する一方で、フロートの上面がチキソトロピー性材料を含まないまたは実質的に含まないままであるように操作されてもよい。これは、例えば遠心分離後に、(1)かつ管状体が頂部にある管状体の開口に対して配向された後に(遠心分離が異なる配向で行われるかどうかにかかわらず)、フロートの90、80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7もしくは6体積%以下がチキソトロピー性材料の上側面に対して平行の、接線方向の、もしくは平行と接線方向の両方である基準面の下にあり、ここでチキソトロピー性材料の上側面はフロートに接触し、(2)かつ管状体が頂部にある管状体の開口に対して配向された後に(遠心分離が異なる配向で行われるかどうかにかかわらず)、フロートの90、80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6もしくは5体積%以上が、チキソトロピー性材料の上側面に対して平行の、接線方向の、もしくは平行と接線方向の両方である基準面の下にあり、ここでチキソトロピー性材料の上側面はフロートに接触し、(3)フロートの70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7もしくは6体積%以下がチキソトロピー性材料でコーティングされ、ここでチキソトロピー性材料でコーティングされたフロートの体積は、フロートが重力下で試験液体中を自由に浮動することが許容される場合、フロートをコーティングするチキソトロピー性材料の連続質量の最下点を通る仮想水平基準面より上のフロートの体積として定義される(遠心分離が異なる配向で行われるかどうかにかかわらず)、(4)フロートの60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6もしくは5体積%以上がチキソトロピー性材料でコーティングされ、ここでチキソトロピー性材料でコーティングされたフロートの体積は、フロートが重力下で試験液体中を自由に浮動することが許容される場合、フロートをコーティングするチキソトロピー性材料の連続質量の最下点を通る仮想水平基準面より上のフロートの体積として定義される(遠心分離が異なる配向で行われるかどうかにかかわらず)、(5)フロートの全表面積の80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6もしくは5%以上がチキソトロピー性材料でコーティングされる、(6)フロートの全表面積の80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6%以下がチキソトロピー性材料でコーティングされる、(7)フロートの表面積の90、80、70、60、50、40、30、20%以上がチキソトロピー性材料の上側面の下にある、(8)フロートの表面積の90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2、1%以下がチキソトロピー性材料の上側面の下にある、(9)フロートの上面の表面積の60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0%以上がチキソトロピー性材料でコーティングされる、または(10)フロートの上面の表面積の70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1もしくは0%以下がチキソトロピー性材料でコーティングされ、いくつかの実施形態では、任意選択で、フロートの上面は、フロートの上から、任意選択で(i)フロートの質量中心の真上から、(ii)フロートの中心軸に沿った点から、(iii)フロートの長手方向軸もしくはフロートの長さに沿った点から、(iv)フロートが重力下で流体(例えば、比較的流動性のある流体、25℃で0.5ミリパスカル秒(0.5cP)から最大40ミリパスカル秒(40cP)の粘度を有する流体、ニュートン流体であるもしくはそれに近似する流体、もしくはこれらの任意の組合せ)中を自由に浮動している間に、(iv)遠心分離の軸に平行な線に沿って、もしくは(v)これらの任意の組合せで視認可能なフロートの一部分と定義される、(11)フロートの全表面積の80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6もしくは5%以上が血漿でコーティングされる、(12)フロートの全表面の80、70、60、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6%以下が血漿でコーティングされる、または(13)これらの任意の組合せを意味する場合がある。
【0017】
フロート(またはフロートの表面によって包囲された体積)の表面(例えば、上面)は、セパレータとしてチキソトロピー性材料のみを用いる分離システムにおけるゲルに取って代わり、このシステムでは、求められる上清成分(例えば、血小板)の一部がチキソトロピー性材料に接着するため、これらの成分の回収が低減される。フロートの上面が形成されるバリアの上にある本開示のある特定の実施形態では、フロートの硬質で不浸透性の非粘着性表面が、当技術分野で記載される従来的なゲルのみの分離システムで使用される粘着性材料間の相互作用を最小化するため、求められる上清成分(例えば、血小板)の回収が増強される。いくつかの実施形態では、少量のチキソトロピー性材料がフロートの上面の上に上昇してもよい。しかし、他の実施形態では、チキソトロピー性材料の上側面は、遠心分離後にフロートの上面の下にあり、血小板のチキソトロピー性材料への曝露を制限し、それによりAPC(本明細書で以下に定義される)の不必要な低減を回避する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態は、現行の分離システムによって提示される他の問題にも対処する。例えば、封止部を形成するよう設計されたフロートと管の内径との間に適正な封止部またはバリアを達成するには、当技術分野で認識される問題が存在する(例えば、欧州特許第0744026号明細書、欧州特許第2913108号明細書を参照されたい)。これは、管が量産される際の製造プロセスにおける正確性の欠如によってしばしば引き起こされる。本開示の実施形態は、チキソトロピー性材料とフロートの固有の組合せの使用によってこの問題に対処し、それにより製造における絶対的な正確性に対する必要性、および関連する費用を排除するだけでなく、現在利用可能なゲルのみの分離システムで観察される破損を低減するまたは排除する。
【0019】
本明細書で使用される場合、用語「破損」は、遠心分離後の試料の血漿部分への赤血球の浸潤を指す。従来的なゲルのみのシステムでは、破損は、例えば遠心分離後の管の撹拌、振盪または反転後に、セパレータ材料が完全性を維持できないことによって生じる場合がある。この撹拌、振盪または反転は、例えば使用説明書(「IFU」)が、典型的にいくつかの方法に対して、遠心分離後に血小板をPRP試料に再懸濁するよう要求するために生じる場合がある(これは、例えばセパレータゲルから血小板を解くために使用されてもよい)。本開示のいくつかの実施形態は、遠心分離を使用して分離される第1の成分または第2の相(例えば、血漿)と第2の成分または第1の相(例えば、血球、赤血球)との間に弾性が高いバリアをもたらす。有利には、本開示のいくつかの実施形態の弾性が高いバリアは、より穏やかな撹拌、例えば、おそらく最大10秒間にわたって1秒間に1回の管の反転または傾斜のみを典型的に要求し、振盪は要求しない場合がある既存のシステムのIFUによって許容または提案されるものより激しい撹拌を可能にする。本開示のいくつかの実施形態の撹拌の増加は、血小板の血漿または多血小板血漿(PRP)へのより良好な懸濁ももたらすことができる。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、既存の実施形態と比べて増加した利用可能血小板数(APC)を有する血漿または多血小板血漿(PRP)を提供する。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、所与の相対遠心分離力(RCF)でのより短期間の遠心分離後に、商業的に有用な血漿またはPRPを提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料およびフロートは、輸送中に実質的に適所に(例えば、管状体、例えば試験管中に)留まる(例えば、管状体の中心軸または長さに沿って、長手方向軸もしくは中心軸に沿ったフロートの長さ、またはフロートの長さの15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%以下移動する)よう設計される。特に、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、管状体の閉鎖端に設置され、フロートは、管状体の底部に留まるように材料に包埋される。これは、管状体の開放端に、血液などの生物学的試料が管状体中に配置されるアクセス可能な空の体積を残すことにより、採血への干渉の回避を促す場合がある。試料を管に添加する前にフロートが正確な位置にあることが保証されるため、これは本開示のいくつかの実施形態によって提供される重要な利益である。
【0021】
いくつかの実施形態では、試料は生物学的試料である。いくつかの実施形態では、管はチキソトロピー性材料を含有する。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料は、糊またはゲルである。さらなる実施形態は、遠心分離後に、管中に結合しないまたは「自由な」チキソトロピー性材料がほとんどまたは全く存在しないシステムを提供する。いくつかの実施形態では、管は、抗凝固剤をさらに備える。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態は、ガラス、変性ポリアミド(MPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、および生物学的試料に対して不活性の任意の他の材料から選択される材料を備える管状体を提供する。いくつかの実施形態では、管状体は、管状体の外部壁が内部壁とは異なる材料から作製される積層構造を備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される装置は、試料を受け取るように構成された任意の形状を有する容器を備える。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される装置は、遠心分離されることが可能な任意の形状を有する容器を備える。いくつかの実施形態では、容器は、長方形または四角形の断面を有する容器(例えば、キュベット)および三角形の断面を有する容器から選択される。容器が実質的に円形の断面を有さないこれらの実施形態では、フロートは、容器の幾何学的形状に従って構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、管状体はストッパをさらに備える。いくつかの実施形態では、ストッパは、生物学的試料に対して不活性の材料を備える。他の実施形態では、ストッパは、崩れない材料を備える。ある特定の実施形態では、ストッパは、シリコーン、ブチルゴムまたはそのハロ誘導体配合物(例えば、ハロブチルゴム、クロロブチルゴム、またはブロモブチルゴム)を備える。さらなる実施形態では、ストッパは、約40~60ショアAの硬度を有する。他の実施形態では、ストッパは、安定な真空(例えば、管状体内部に)を約18~約36ヶ月間提供するよう設計される。
【0025】
いくつかの実施形態では、用語「バリア」および「封止部」は互換可能に使用される。
いくつかの実施形態では、管状体は、約4ml~約100mlの生物学的試料を受容することが可能である。他の実施形態では、管状体は、約8ml~約50mlの生物学的試料を受容するよう設計される。またさらなる実施形態は、約10ml~約30または40mlの生物学的試料を受容するよう設計された管状体を提供する。他の実施形態は、約11ml~約22mlの生物学的試料を受容するよう設計された管状体を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、管状体は、真空管、非真空管、プラスチック管、ガラス管、剛性管、非剛性管、半剛性管、およびこれらの任意の組合せから選択される。いくつかの実施形態では、用語「管」、「収集管」、「試験管」、「管状体」などは互換可能に使用することができる。いくつかの実施形態では、真空管は、液体生物学的試料(例えば、血液)の真空管への移動を容易にするのに有用であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、管状体は、ゲルをさらに備える。いくつかの実施形態では、ゲルはチキソトロピー性ゲルを含む。ゲルは、遠心分離後に赤血球と血漿の間にバリアを形成するための、当技術分野で公知の任意のチキソトロピー性ゲルからなってもよい。さらなる実施形態では、ゲルはポリマーを含む。ある特定の実施形態では、ゲルは、モノマーの組合せを含むホモポリマーまたはコポリマーであってもよい。いくつかの実施形態では、ゲルは、ポリアクリレート、ポリオレフィンまたはポリエステルを含む。いくつかの実施形態では、ゲルは、水素化スチレン-ブタジエンゴム、シリカ、ホワイトオイルおよび酸化防止剤を含む。チキソトロピー性ゲルの例は、ワンウォールストリート、バーリントン(One Wall Street、Burlington)、マサチューセッツ州 01803、米国に所在地を有するセキスイダイアグノスティクス社(Sekisui Diagnostics)から入手可能な血清分離ゲルである。
【0028】
またさらなる実施形態は、約1.03g/cm~約1.09g/cmの25℃での密度を有するチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)を提供する。他の実施形態は、約1.04g/cm~約1.07g/cmの25℃での密度を有するチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)を提供する。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、約1.045g/cm~約1.05g/cm、または約1.035~約1.055g/cmの25℃での密度を有する。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07または1.08g/cm以上の25℃での密度;1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08または1.09g/cm以下の25℃での密度;25℃での赤血球(例えば、試料から)の密度未満の25℃での密度;25℃でのPRP(例えば、試料から)の密度より大きい25℃での密度;ゲルとともにバリアを形成するよう構成されたフロートの25℃での密度より大きい25℃での密度;チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)とともにバリアを形成するよう構成されたフロートの25℃での密度に等しい25℃で密度;またはこれらの任意の組合せを有する。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、400,000~700,000ミリパスカル秒、400,000、500,000、600,000、もしくは700,000ミリパスカル秒以上、400,000、500,000、600,000、もしくは700,000ミリパスカル秒以下、またはこれらの任意の組合せの粘度;任意選択で20℃、25℃、または30℃で測定される粘度;および任意選択で第1のせん断速度(例えば、分離を目的とした所望の遠心加速度での遠心分離中に経験されると予想されるせん断速度より低いせん断速度;例として、せん断速度は、0.1/s、0.2/s、0.3/s、0.4/s、0.5/s、0.6/s、0.7/s、0.8/s、0.9/s 1/s、2/s、3/s、4/s、5/s、10/s、20/s、30/s、40/s、50/s、100/s、200/s、300/s、400/s、500/s、600/s、700/s、800/s、もしくは900/sであり得ることが予想される)で測定される粘度;またはこれらの任意の組合せを有してもよい。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)は、0~399,000ミリパスカル秒より大きい;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、10,000、100,000、200,000、300,000、または399,000以上;1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、10,000、100,000、200,000、300,000、または399,000以下の密度;任意選択で20℃、25℃または30℃で測定される密度;および任意選択で第2のせん断速度(例えば、分離を目的とした所望の遠心加速度での遠心分離中に経験されると予想されるせん断速度である第1のせん断速度より高いせん断速度;例として、せん断速度は、0.2/s、0.3/s、0.4/s、0.5/s、0.6/s、0.7/s、0.8/s、0.9/s 1/s、2/s、3/s、4/s、5/s、10/s、20/s、30/s、40/s、50/s、100/s、200/s、300/s、400/s、500/s、600/s、700/s、800/s、900/s、または1000/sであり得ることが予想される)で測定される粘度を有してもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、フロートは、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07もしくは1.08g/cm以上の25℃での密度;1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08もしくは1.09g/cm以下の25℃での密度;25℃での赤血球(例えば、試料から)の密度未満の25℃での密度;25℃でのPRP(例えば、試料から)の密度より大きい25℃での密度;フロートとともにバリアを形成するよう構成されたチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の25℃での密度未満の25℃での密度;フロートとともにバリアを形成するよう構成されたチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の25℃での密度に等しい25℃での密度;またはこれらの任意の組合せを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、フロートは様々な形状をとることができ、様々な材料から構築されてもよい。例として、フロートは、ポリマー、複数のポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、プラスチック、ゴム、金属、複数の金属、金属合金、またはこれらの任意の組合せから作製されてもよく、備えてもよく、から本質的になってもよく、またはからなってもよい。フロートに使用することができる材料の例は、立方センチメートルあたり1.03グラムの密度を有するABSを含む。フロートは、弾丸状、円筒、ウェハ状、円錐、球状、または他の対称的もしくは非対称的な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、フロートは、下側部分に延長部または爪を備えてもよく、それによりフロートが管中のチキソトロピー性材料に包埋された際に、チキソトロピー性材料が接着するための表面積を増加させる。フロートの直径は、その長さに沿って変化してもよい。フロートの上面は、血小板の接着を制限するよう構成(例えば、成形)されてもよい(例えば、円錐または凸状または他の構成)。フロートおよび/もしくは管の表面またはその任意の部分、例えば管の上面は、血小板の接着を制限するために処理されてもよい(例えば、コーティング、材料、ポリマー、プラスチック、固定化液体(IL)層、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロペルヒドロフェナントレン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、シリコーン油、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロトリペンチルアミン、係留液体ペルフルオロカーボン(TLP)IL層、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、またはこれらの任意の組合せによって)。接着防止表面をもたらすための手法の例は、アイリーニ・ソチリら(Irini Sotiri et al.)、Experimental Biology and Medicine[メイウッド(Maywood)](2016年5月)、241(9):908-918によって記載されるが、他の材料も血小板の接着を制限するために本開示のいくつかの実施形態で使用されてもよい。有利には、血小板のフロートへの接着を予防することにより、高濃度の血小板を有する血漿または多血小板血漿を得ることができる。フロートの底面は、管の底部に適合するように適応されてもよい。管の内壁に隣接するフロートの表面は、管、チキソトロピー性材料、およびフロートによって作出される封止部またはバリアを改善するために幾何学的に構成されてもよい(例えば、狭間、溝、正弦波状の輪郭、突起、くぼみ、ハニカムまたは他の適応)。フロートは、その長さに沿った異なる幾何学的形状を呈してもよい(例えば、ハイポサイクロイド、多面(3、4、5、6以上の面)、ボルト状(例えば、ある長さの部分はより大きな直径であり、残りの長さはより小さな直径である)、または他の幾何学的形状)。フロートは、例えば、異なる遠心分離方法により良好に対応するために、記載されたこれらの幾何学的形状に加えて非対称的であってもよい。
【0031】
ある特定の実施形態では、フロートは、非多孔質材料から構成され、実質的に平滑な表面を有する。いくつかの実施形態では、フロートまたはフロートの一部分は、突出を備える、突起を備える、延長部を備える、および/または少なくとも部分的に歯状である(例えば、フロートは、突出、突起または延長部(爪状であってもよい)をフロートの底部に備える)、またはこれらの任意の組合せであり、任意選択でフロートの突出、突起、延長部、一部分の歯様の形状、またはこれらの任意の組合せは、フロートとチキソトロピー性材料の間の接触および係合のためのさらなる表面積をもたらすよう構成される。例えば、フロートとチキソトロピー性材料の間の接触、係合、接着またはこれらの任意の組合せのためのさらなる表面積は、フロートが遠心分離開始前にチキソトロピー性材料と接触することを意図するもしくはそのように構成されている場所、またはフロートが遠心分離後にチキソトロピー性材料と接触し、フロートおよびチキソトロピー性材料を備えるバリアを形成することを意図する場所、またはこれらの任意の組合せに設けられてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、生物学的試料は自己由来である。いくつかの実施形態では、生物学的試料は哺乳動物の血液を含む。いくつかの実施形態では、哺乳動物の血液は、ヒトの血液を含む。いくつかの実施形態では、生物学的試料は全血を含む。
【0033】
またさらなる実施形態は、血漿画分を含む、から本質的になる、またはからなる第1の成分、およびリンパ球、単球、およびエリスロサイトを含む、から本質的になる、またはからなる第2の成分を含む生物学的試料を提供する。いくつかの実施形態では、相対遠心力は、第1の成分と第2の成分の間にバリアを形成する(例えば、フロートの一部分およびゲルまたはチキソトロピー性材料によって形成される)のに十分な時間にわたって適用される。他の実施形態では、相対遠心力は、血漿画分とリンパ球、単球およびエリスロサイトを含む第2の成分との間にバリアを形成するのに十分な時間にわたって適用される。
【0034】
ある特定の実施形態では、血漿画分は血小板を含む。いくつかの実施形態では、血漿画分の異なる画分は、異なる濃度の血漿を含む。例として、いくつかの実施形態では、血漿画分は多血小板血漿(PRP)および乏血小板血漿(PPP)を含む。
【0035】
いくつかの実施形態は、第1の成分(例えば、血漿であってもよい上清または第2の相)の少なくとも一部分を除去し、例えばPRPを得るためにさらに加工することができるPPPを得る工程をさらに備える。この第1の成分(例えば、血漿であってもよい上清)の少なくとも一部分(例えば、PPP)は、典型的に第1の成分(例えば、血漿)の上部から除去され、一方で残りの部分(例えば、PRP)は、第1の成分(例えば、血漿)の少なくとも一部分(例えば、PPP)を除去した後に残る第1の成分(例えば、血漿)の一部分である。いくつかの実施形態では、第1の成分(例えば、血漿)の少なくとも一部分(例えば、PPP)は、第1の成分(例えば、血漿)の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以上、第1の成分(例えば、血漿)の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以下、またはこれらの任意の組合せを占める。したがって、いくつかの実施形態では、PRPを作出するために第1の成分の約25パーセント(25%)~約90パーセント(90%)が除去され、任意選択で第1の成分の約30パーセント(30%)~約85パーセント(85%)が除去され、第1の成分の約35パーセント(35%)~約80パーセント(80%)が除去され、第1の成分の約40パーセント(40%)~約75パーセント(75%)が除去され、第1の成分の約45パーセント(45%)~約70パーセント(70%)が除去され、第1の成分の約50パーセント(50%)~約65パーセント(65%)が除去され、任意選択で第1の成分の約50パーセント(50%)、約60パーセント(60%)、約70パーセント(70%)、約80パーセント(80%)、または約90パーセント(90%)が除去される(例えば、それによりPPPが得られる)。いくつかの実施形態では、第1の成分(例えば、血漿)の少なくとも一部分(例えば、PPP)を除去した後に残る第1の成分(例えば、血漿)の残りの部分(例えば、PRP)は、血漿の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以上、血漿の10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以下、またはこれらの任意の組合せを占める。
【0036】
いくつかの実施形態では、約500g~約5000gの相対遠心力(「RCF」)が前記管状体に適用される。他の実施形態では、約750g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。一方で他の実施形態では、約1000g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。また他の実施形態では、約1500g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。いくつかの実施形態では、約2000g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。いくつかの実施形態では、約2500g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。いくつかの実施形態では、約3000g~約5000gのRCFが前記管状体に適用される。他の実施形態では、約3000g~約4000gのRCFが前記管状体に適用される。一方で他の実施形態では、約1500g~約2500gのRCFが前記管状体に適用される。いくつかの実施形態では、前記管状体に適用されるRCFは、500、750、1000、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、2000、3000、4000もしくは5000g以上;500、750、1000、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、2000、3000、4000もしくは5000g以下;またはこれらの任意の組合せである。
【0037】
RCF力は、試料の成分を分離するのに十分な継続期間にわたって前記管状体に適用される。当業者が認識するように、これらの継続期間は、分離される試料、管のサイズ、適用されるRCFおよび他の要因に応じて変化する。いくつかの実施形態では、RCFは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15分以上;5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは30分以下;またはこれらの任意の組合せにわたって適用される。
【0038】
いくつかの実施形態では、RCFは、フロート-ゲルアセンブリの表面と血漿画分の表面との間に血漿-フロート-ゲル界面を作出する。いくつかの実施形態では、血漿-フロート-ゲル界面は、血小板を含む。ある特定の実施形態では、血漿-フロート-ゲル界面中の血小板は、ゲルの表面に放出可能に結合される。いくつかの実施形態では、撹拌によって血漿-フロート-ゲル界面から血小板が放出される。いくつかの実施形態では、血漿-フロート-ゲル界面から放出される血小板は、血漿画分に懸濁される。
【0039】
いくつかの実施形態では、管状体は抗凝固剤をさらに備える(または含有する)。いくつかの実施形態では、抗凝固剤は、クエン酸塩(例えば、緩衝クエン酸ナトリウム)、EDTA塩(カリウム-エチレンジアミン四酸)、クエン酸-テオフィリン-アデノシン-ジピリダモール(CTAD)、ヒルジン、ベンジルスルホニル-d-Arg-Pro-4-アミジノベンジルアミド(BAPA)、クエン酸/クエン酸塩デキストロース(ACD)、ヘパリン、ヨード酢酸塩、シュウ酸塩、フッ化物塩、およびこれらの2種以上の組合せから選択される。そのような実施形態では、生物学的試料は、抗凝固剤で前処理されている可能性があるか、または生物学的試料は抗凝固化される必要がない。
【0040】
他の実施形態は、本明細書に記載される方法またはシステムのいずれか1つの生成物を含む組成物を提供する。またさらなる実施形態は、脱毛症、褥瘡、皺、疼痛、腱炎、関節炎、ざ瘡、瘢痕、目尻の小皺、整形外科的な問題(例えば、靱帯捻挫および裂傷)ならびに/または皮膚病変を処置または予防するための、本明細書に記載される方法またはシステムのいずれか1つの生成物を含む組成物の使用を提供する。
【0041】
またさらなる実施形態は、試料の成分を分離するためのシステムであって、試料、管状体、前記管状体にRCFを適用するための手段(例えば、遠心分離機)、チキソトロピー性材料、フロート、および前記管状体を撹拌するための手段を備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるシステムは、生物学的試料中の色を測定するための手段をさらに備える。いくつかの実施形態では、生物学的試料中の色を測定するための手段は、分光光度計および濃度計から選択される。いくつかの実施形態では、システムは、本明細書に記載される任意の成分、デバイス、または材料を備える。いくつかの実施形態では、システムまたはシステムの成分の任意の選択を使用して、本明細書に記載される任意の方法を実施することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、遠心分離機は、固定角度遠心分離機、水平回転遠心分離機、またはスイングバケット遠心分離機から選択される。
いくつかの実施形態では、管状体を撹拌するための手段は、管状体を直線撹拌するよう適応される。いくつかの実施形態では、管状体を撹拌するための手段は、管ロッカーである。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態は、血小板カウンタをさらに備える本明細書に記載されるシステムを提供する。他の実施形態は、プロセッサをさらに備える。いくつかの実施形態では、プロセッサは、RCFを適用するための手段、管状体を撹拌するための手段、生物学的試料中の色を測定するための手段、および血小板カウンタに無線結合される。いくつかの実施形態では、RCFを適用するための手段、管状体を撹拌するための手段、生物学的試料中の色を測定するための手段、血小板カウンタおよびプロセッサは、単一の装置に収容される。
【0044】
本明細書で使用される場合、用語「利用可能な血小板数」(または「APC」)は、それを必要とする対象への投与のために臨床医が容易に入手することができる血小板の数を指すことを意図する。例として、容易に入手可能な血小板は、(1)抽出して対象に投与する(例えば、ヒトに静脈内投与する)ことができる相もしくは相の一部分で生じる血小板、(2)任意選択で管状体(例えば、試験管)の開口が上方に面している際に、任意選択で管状体の中心軸もしくは長手方向軸もしくは長さが垂直に配向されている際に、フロート、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)および管状体の内壁によって形成されるバリアの上にある血小板、(3)任意選択で管状体(例えば、試験管)の開口が上方に面している際に、任意選択で管状体の中心軸もしくは長手方向軸もしくは長さが垂直に配向されている際に、フロート、チキソトロピー性材料および管状体の内壁によって形成されるバリアの下に捕捉されない、もしくはバリアに包埋されない血小板、または(4)これらの組合せからなるまたは含むと定義されてもよい。APCは、マイクロリットルあたりの血小板の数としての単位で表される。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法およびシステムは、全血から抽出された血漿またはPRPのAPCを、対照システムによって全血から抽出された血漿またはPRPのAPCに対して(すなわち、それと比べて)少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%増加させる。例えば、対照システムのAPC数がXである場合、本明細書に記載されるいくつかの実施形態の血漿またはPRPのAPCは、X+Xの100%であってもよく、これは2Xに等しい。
【0046】
本明細書で使用される場合、第1の例としての「対照システム」は、比較血漿またはPRPシステムを意味してもよく、この比較血漿またはPRPシステムは、いずれも全血の単一試料(例えば、全血の初期試料が本質的に同一であるように、全血の同種試料)から血漿またはPRPを抽出するために使用して検討されている試験システム(例えば、本明細書に開示されるシステムの任意の実施形態)に対して定義される。試験血漿またはPRPシステムと比較血漿またはPRPシステムの両方は、同じ遠心分離セパレータを使用し、セパレータフロートの使用または不使用、ならびに試験血漿またはPRPシステム内のゲルおよびセパレータフロートの構成を除いて同じ条件および構成を使用して作動される。したがって、試験血漿またはPRPシステムは、本開示に開示されるシステムが保有する任意の特徴の組合せを備えることができ、一方で特徴のいずれか1つまたは任意の組合せは、比較血漿またはPRPシステムから省略されてもよい。比較血漿またはPRP管は、試験血漿またはPRP管のサイズと同じサイズを有する。比較血漿またはPRPシステムは、遠心分離後に全血の他の部分から血漿を分離するのに有効な量のゲルを比較血漿またはPRP管内で使用するが、セパレータフロートを含まない。一方、試験PRPシステムは、試験血漿またはPRP管内部で同じゲルおよびセパレータフロートを使用し、ゲルは、セパレータフロートと組み合わせて、遠心分離後に全血の他の部分から血漿を分離するのに有効な量で試験血漿またはPRP管中に存在する。識別を容易にするために比較血漿またはPRP管および試験血漿またはPRP管という用語が使用されるが、比較を目的として、比較血漿またはPRP管および試験血漿またはPRP管は同一であってもよく、しかしそれらの内容物(例えば、(i)チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)対チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)およびフロート、(ii)チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積、(iii)チキソトロピー性材料の種類、または(iv)これらの任意の組合せ)は、所望通り異なっても同じであってもよいことを指摘することが有意義である。比較を目的として、試験血漿またはPRPシステムおよび比較血漿またはPRPシステムを使用した遠心分離の前に、全血試料の体積が試験血漿またはPRPシステムの試験血漿またはPRP管に配置され、同じ体積の全血試料(例えば、比較血漿またはPRPシステムの使用説明書に記載される通り)が比較PRPシステムの比較PRP管に配置される。各全血試料の遠心分離は、試験血漿またはPRPシステムおよび比較血漿またはPRPシステムで、指定される相対遠心力(rcf)(例えば、500、750、1000、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、2000、3000、4000または5000g、比較血漿またはPRPシステムの使用説明書に従って、本出願の任意の実施形態に対して指定された相対遠心力に従って、またはこれらの任意の組合せ)で、一定期間(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15分、比較血漿またはPRPシステムの使用説明書に従って、本出願の任意の実施形態に対して指定された遠心分離時間に従って、それぞれ(i)比較血漿もしくはPRPシステムの場合、比較血漿もしくはPRPシステム中の赤血球と血漿を分離するのに十分な遠心分離時間、および(ii)試験血漿もしくはPRPシステムの場合、試験血漿もしくはPRPシステム中の赤血球と血漿を分離するのに十分な遠心分離時間、またはこれらの任意の組合せ)にわたって行われる。遠心分離が、一定期間または第2の成分(例えば、赤血球)と第1の成分(例えば、血漿)を分離するのに十分な時間にわたって比較血漿またはPRPシステムおよび試験血漿またはPRPシステムで実施された後、第1の成分(例えば、血漿または第2の相)は、チキソトロピー性材料を含むバリアの上に位置付けられる。次に、(i)第1の成分(例えば、血漿)の全体を撹拌し(血小板を懸濁するために)、試験血漿もしくはPRPシステムおよび比較血漿もしくはPRPシステムのそれぞれから抜き取ってもよく、または(ii)第1の成分(例えば、血漿)の上清もしくは上部分(例えば、PPP)を比較血漿もしくはPRPシステムおよび試験血漿もしくはPRPシステムのそれぞれから除去し、第1の成分の残り部分(例えば、PRP)を残してもよい。第1の成分の上清または上部分(例えば、PPP)は、比較血漿またはPRPシステムの使用説明書に従う量であってもよく、本開示に記載される任意の実施形態に従う量であってもよく、第1の成分(例えば、血漿)の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以上を占めてもよく、第1の成分(例えば、血漿)の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90%以下を占めてもよく、またはこれらの任意の組合せであってもよい。第1の成分の上清または上部分が除去される選択肢で継続する場合、(i)比較血漿またはPRPシステムからの残り部分(例えば、PRP)および(ii)試験血漿またはPRPシステムからの残り部分(例えば、PRP)を撹拌する(例えば、比較血漿またはPRPシステムの使用説明書に従って、開始点より7.62センチメートル(3インチ)上および開始点より7.62センチメートル(3インチ)下の振幅で、1秒あたり4回の完全な振動の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110もしくは120秒にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動することによって撹拌する、本開示の任意の実施形態に従って撹拌する、またはこれらの任意の組合せ)。第1の成分の撹拌後に第1の成分(例えば、血漿)を、または残り部分の撹拌後に残り部分(例えば、PRP)を得た後、(i)比較血漿またはPRPシステムの血漿またはPRPおよび(ii)試験血漿またはPRPシステムの血漿またはPRPのマイクロリットルあたりの血小板数または利用可能な血小板数(APC)を比較してもよい。このプロトコールを実施した後、対照システムから抽出された血漿またはPRPの体積のマイクロリットルあたりの血小板数またはAPCが、Xに等しい比較血小板濃度またはAPC数として定義されてもよい。一方、本明細書に記載される試験PRPシステムのいくつかの実施形態を使用して抽出された血漿またはPRPの体積の血小板濃度またはAPC数は、X+AXに等しい試験血小板濃度またはAPC数として定義されてもよく、ここでAは、少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%であり、任意選択で、Aは最大約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%であってもよい。本明細書に記載される実施形態によってさらなる改善が可能であることが予想される。
【0047】
本明細書で使用される場合、第2の例としての「対照システム」は、比較システムを意味してもよく、この比較システムは、いずれも全血の単一試料(例えば、全血の初期試料が本質的に同一であるように、全血の同種試料)から血漿を分離するために使用して検討されている試験システムに対して定義される。試験システムと比較システムの両方は、同じ遠心分離セパレータを使用する。試験システムは、本開示に開示されるシステムが保有する任意の特徴の組合せ(例えば、セパレータフロート、例えば図11の爪状フロートの使用、試験システム内のゲルの構成、試験システム内のセパレータフロートの構成、またはこれらの任意の組合せ)を備えてもよく、一方で特徴のいずれか1つまたは任意の組合せは、比較システムから省略される。比較システムは、市販されているゲルのみのシステムであってもよい。比較システムは、遠心分離後に全血の他の部分から血漿を分離するのに有効な量のゲルを比較管内で使用するが、さらにセパレータフロートを含まない。一方、試験システムは、ゲルおよびセパレータフロートを使用し、ゲルは、セパレータフロートと組み合わせて遠心分離後に全血の他の部分から血漿を分離するのに有効な量で試験システム中に存在する。識別を容易にするために比較システムおよび試験システムという用語が使用されるが、比較を目的として、比較管および試験管は同一であってもよく、しかしそれらの内容物(例えば、(i)チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)対チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)およびフロート、(ii)チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積、(iii)チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の種類、または(iv)これらの任意の組合せ)は、所望通り異なっても同じであってもよいことを指摘することが有意義である。比較を目的として、試験システムおよび比較システムを使用した遠心分離の前に、全血試料の体積が試験システム管に配置され、使用説明書(IFU)に記載される体積の全血試料が比較システムの比較システム管に配置される。その後、比較システムのIFUまたは本開示に記載される任意の実施形態に従う比較システム中の、および比較システムのIFUまたは本開示に記載される任意の実施形態に従う試験システム中の血液の分離を達成するのに十分に遠心分離した後、かつ比較システムのIFUまたは本開示に記載される任意の実施形態に従う試験システム、比較システムまたは両方での撹拌を実施した後、得られた血漿を試験システム管と比較システム管の両方から抽出する。(注記:血漿、PPPまたはPRPの除去の例は本明細書に提供され、技術も比較システムの使用説明書に提供される場合がある。比較を目的として、除去される血漿の分量は、同じ除去プロトコールを使用する試験システムと比較システムの両方の血漿相の上部からの固定パーセンテージであってもよい。固定パーセンテージは、本開示に記載される任意のパーセンテージ、例えば、血漿の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以上、血漿の25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以下、またはこれらの任意の組合せであってもよい。比較システムのIFU、本明細書に記載される任意の実施形態の工程、またはその両方の後にそれぞれ得られた、試験システムおよび比較システム中の血漿の単位体積での血小板数の結果を比較することにより、妥当な比較を行うことができる。)このプロトコールを実施した後、得られた血小板数により、比較システムおよび試験システムの利用可能血小板数(APC)がそれぞれ得られる。比較システムからの単位体積でのAPCは、Xに等しい比較APC数として定義されてもよい。一方、本明細書に記載される試験システムのいくつかの実施形態を使用した同じ単位体積でのAPCは、X+AXに等しい試験APC数として定義されてもよく、ここでAは、少なくとも約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%であり、任意選択で、Aは最大約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%であってもよい。本明細書に記載される実施形態によってさらなる改善が可能であることが予想される。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法およびシステムは、血小板約375,000/マイクロリットル、血小板約400,000/マイクロリットル、血小板約425,000/マイクロリットル、血小板約450,000/マイクロリットル、血小板約475,000/マイクロリットル、血小板約500,000/マイクロリットル、血小板約525,000/マイクロリットル、血小板約550,000/マイクロリットル、血小板約575,000/マイクロリットル、血小板約600,000/マイクロリットル、血小板約625,000/マイクロリットル、血小板約650,000/マイクロリットル、血小板約675,000/マイクロリットル、血小板約700,000/マイクロリットル、血小板約725,000/マイクロリットル、血小板約750,000/マイクロリットル、血小板約775,000/マイクロリットル、血小板約800,000/マイクロリットル、血小板約825,000/マイクロリットル、血小板約850,000/マイクロリットル、血小板約875,000/マイクロリットル、血小板約900,000/マイクロリットル、血小板約925,000/マイクロリットル、血小板約950,000/マイクロリットル、または血小板約975,000/マイクロリットルより高いAPCを有する生成物(例えば、PRP)を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法およびシステムは、端点がこの段落に列挙された任意のAPCである範囲内のAPCを有する生成物(例えば、PRP)を提供する。
【0049】
他の実施形態は、血小板を遠心分離後の生物学的試料(もしくは遠心分離された生物学的試料)に懸濁する;生物学的試料もしくはその部分中のAPCを増加させる(例えば、生物学的試料を(i)生物学的試料に比べて増加したAPCを有する多血小板血漿(PRP)および(ii)残りの生物学的試料に分離する);ならびに/または生物学的試料もしくはその部分中の血小板数を富化する(例えば、生物学的試料を(i)生物学的試料に比べて増加した血小板数を有する多血小板血漿(PRP)および(ii)残りの生物学的試料に分離する)ための方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、生物学的試料、フロートおよびチキソトロピー性ゲルを含有する収集管を遠心分離する工程;ならびに収集管を、前記生物学的試料の上部に泡の層を作出するのに有効な角度および速度で撹拌する工程を備える。任意選択で、方法は、任意のシステム、システムの任意の成分、または本明細書に記載されるシステムの成分の任意の組合せを使用する。
【0050】
図1は、生物学的試料の遠心分離後に試料の成分を分離するための管の実施形態の図である。示される通り、管100は、内径Dを画定する内面107、および外面108を含む。いくつかの実施形態では、内面107は材料でコーティングされる。いくつかの実施形態では、内面107は、不活性材料、例えば二酸化ケイ素でコーティングされる。いくつかの実施形態では、内面107は抗凝固剤106でコーティングされるか、または抗凝固剤106が管内に設置される。管100は、遠心分離の前、間および後に試料(例えば、液体生物学的試料、例えばヒトの血液)を受容および維持することができる、当技術分野で公知の任意の材料から作製されてもよい。図1は、種々の形状およびサイズのものであってもよいフロート103をさらに図示する。本明細書で図示される場合、フロート103の下側部分(例えば、底部)は爪状である。さらに図示される通り、上面の下にあるフロート103は、チキソトロピー性材料101によって包含される、封入される、囲まれるまたはこれらの組合せである。フロートの爪状部分は、チキソトロピー性材料がフロートに対して係合するためのさらなる表面積をもたらすのに有用な場合がある。理論によって束縛されることを望むことなく、より広い表面積は、いくつかのフロートとチキソトロピー性材料の間により強力な封止部をもたらすのを支援し得ると考えられる。図1はまた、遠心分離後の試料(例えば、ヒトの血液)の種々の成分を図示する。特に図1に図示されるように、管100は、赤血球成分102、およびとりわけ血小板を含有する血漿成分105を含有する。管100はまた、管100内の真空を長期間(例えば、18~36ヶ月)にわたって維持するよう構成されてもよいストッパ104を含む。血漿-フロート-チキソトロピー性材料界面106は、血小板捕捉および本明細書に記載されるシステムおよび装置の性能において役割を果たしてもよい。
【0051】
図2は、生物学的試料の流入前かつ遠心分離前の、試料の成分を分離するための管の実施形態の図である。示される通り、フロート203およびチキソトロピー性材料202は、輸送中に管200内の適所に留まるよう構成される。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料202およびフロート203は、輸送中に管200内の実質的に固定された位置に留まる。輸送中の管内の実質的に固定された位置の例は、チキソトロピー性材料が輸送中に流動性でなく、管状体(例えば、管200)の内面と係合し、それによりチキソトロピー性材料が管状体の内面に対して静止したままであり、かつフロートがチキソトロピー性材料に包埋され、さらに管状体の内面に対して静止したままであることを意味する。いくつかの実施形態では、チキソトロピー性材料およびフロートが管状体に対して幾分移動することが許容されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フロート上の点、チキソトロピー性材料の境界、またはいずれも、管の中心軸または長さに沿って、遠心分離前の長手方向軸もしくは中心軸に沿ったフロートの長さまたはフロートの長さの15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%より多く動かない。管200はまた、内径Dを画定する内面205、および外面206を有する。管200は、管200内の真空を長期間(例えば、18~36ヶ月)にわたって維持するよう構成されてもよいストッパ204を含む。管200はまた、抗凝固剤201を含む。いくつかの実施形態では、抗凝固剤は、ヒトに使用するために設計された製品と使用するのに好適な、当技術分野で公知の任意の抗凝固剤であってもよい。
【0052】
図3Aおよび図3Bは、フロートおよびゲルを備えるシステムを使用して、遠心分離後に血球(管の下側部分)と多血小板血漿(PRP)(管の上側部分)を分離する方法を例示する。
【0053】
図4Aは、チキソトロピー性材料の量Mが遠心分離後にフロートの上に観察されるシステム(すなわち、管状体が垂直と水平の間の固定角度で遠心分離に供されたシステム)の図である。これは、例えば、システムが非常に多量のゲルを含むと同時に、ゲルの密度がフロートの密度に等しいもしくは近いとき、またはシステムの初期構成がフロートの上面より上にゲルを含む場合、およびシステムが、ゲルがフロートの上面より下に位置する平衡位置に近い位置に到達するのに十分な時間にわたって遠心分離に供されない場合に生じる可能性がある。当業者が認識するように、このチキソトロピー性材料は、血小板捕捉に悪影響を及ぼし、それにより分離システムの性能を低減させる場合がある。したがって、図4Aの遠心分離後の結果(本開示の実施形態によるあまり好ましくない結果)を図4B(本開示の実施形態によるより好ましい結果)と比較すると、本発明者らによって開発された特徴の組合せの効果、ならびにいくつかの実施形態が他の実施形態より好ましいにもかかわらず、全血試料の血液およびPRPへの分離を達成するために種々の実施形態が有用であることが強調される。
【0054】
図5は、チキソトロピー性材料0504(例えば、ゲル)に囲まれたフロート0506を備えるシステム0500の実施形態を例示する。チキソトロピー性材料は、フロートと管状体0502(例えば、管)の内面との間に位置し、バリアまたは封止部をもたらす。図10もまた、チキソトロピー性材料1004(例えば、ゲル)に囲まれたフロート1006を備えるシステム1000の実施形態を例示する。チキソトロピー性材料は、フロートと管状体1002(例えば、管)の内面との間に位置し、バリアまたは封止部をもたらす。
【0055】
図6は、弾丸様の形状を有するフロート設計の実施形態を例示する。見ることができるように、フロート600は、管の内壁に隣接するフロートの表面から延長する任意選択の複数の突起602の一部としての任意選択の突起602を備える。図示されるように、各突起は隆起部を形成する。フロート600は、突起を長手方向隆起部として図示するが、フロート上の複数の突起は、フロートの長手方向軸または長さまたは中心軸が管の長手方向軸または長さまたは中心軸と整列するように、管の内面に隣接するフロートの表面の周囲にあるような幾何学的形状であってもよく、そのような点に位置付けられてもよい。フロートの底部分は、管の底部に適合するように適応されてもよい。図示されるように、各突起602はまた、フロート600が垂直に配向された中心軸を有する管中を自由に浮動する際に、その長さが実質的に垂直に配向されるよう構成される。隆起部は、ゲルがフロートの表面をより容易に被包するために、その長さに沿って中断されてもよい。突起は、ゲルの接着のためのさらなる表面積をもたらす。しかし、各突起の長さはまた、フロート600の外面に接線方向で配向されるか、またはフロートの外面に対する接線から選択されたオフセット角度(例えば、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以下)までで配向されてもよい。いくつかの実施形態では、各突起の長さは、角度(例えば、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以下)によってフロートの中心軸からオフセットされてもよい。
【0056】
有利には、フロートの側面に沿った突起602は、フロートの長手方向軸または長さまたは中心軸を管の長手方向軸、中心軸または長さに沿って多少整列させ、それによってゲルまたはチキソトロピー性材料がより良好にフロートを取り巻くことを可能にすることにより、安定性を加えて良好な封止部を保証することを支援する。したがって、突起の長さおよびフロート表面からの延長部はまた、フロートが垂直に配向された中心軸を有する管中を自由に浮動する際に、フロートの中心軸が管の中心軸に対して平行から選択された許容角度(例えば、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以下)以内で配向されるよう構成されてもよい。
【0057】
例示されるように、突起を含むフロートの直径は、管の直径未満であるよう構成される。これは、隆起部を含む場合でも隆起部を含まない場合でも、管の内径に等しいまたはそれを超えるフロート直径を有するフロートと比べた、本明細書に開示されるいくつかの実施形態の顕著な特徴である。他のシステムと比べた開示されるいくつかの実施形態のさらなる顕著な特徴は、(i)デバイスにおける1つもしくは複数のゲルポート、(ii)互いに対して移動する2つ以上のピース、(iii)各ピースが他のピースとは異なる密度を有する2つ以上のピース、(iv)材料が遠心分離中にデバイスの上部から底部、もしくは底部から上部、もしくは両方を通ることを可能にするよう構成されたアパーチャもしくはチャネル、(v)材料をポートから絞り出すためのプランジャー、(vi)例えば、ゲルのペレットを破壊する、機構を使用して遠心分離中にゲルをデバイスから排出する、もしくはこれらの任意の組合せによって遠心分離中にゲルをデバイスから吐出するためのブラダー、1つもしくは複数のポート、ピストン、他の機構もしくはこれらの組合せ、(vii)またはこれらの任意の組合せを必要とする他のシステムと比較して、フロートと組み合わせてのゲルまたはチキソトロピー性材料の併用が簡単であることである。
【0058】
対照的に、本開示によるフロートの実施形態は、任意選択で(i)単一のピースであるか、または固定されており互いに対して不動となるよう構成される複数のピースから作製されてもよい、(ii)アパーチャ(例えば、ポートもしくはチキソトロピー性材料ポート)を伴わずに、内腔を伴わずに、もしくはこれらの任意の組合せを伴わずに中実構築物(例えば、液体もしくは気体状態とは対照的に固相、充填されており中空でないという意味での中実、もしくはこれらの任意の組合せ)から作製されてもよい、(iii)内腔によってもたらされ、内腔をフロートの外部に接続するアパーチャもしくはポートを有さない中空構築物によって作製されてもよい、(iv)すべて同じ1種もしくは複数の材料から作製され、より高密度のピースの密度の+/-10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1%以内の同じ密度を有するよう構成された単一のピースもしくは複数のピースから作製されてもよい、または(v)これらの任意の組合せである。
【0059】
他のフロートと比べた、本明細書に開示されるいくつかの実施形態の第3の顕著な特徴は、遠心分離中のフロートまたは管の変形、ならびにフロートのみのPRP管で必要とされる対応する正確な操作および製造が必要とされないことである。例えば、比較フロートは、フロートが圧縮されないまたは遠心分離に供されないとき、管の内径と同じ大きさまたはそれより大きい直径を有する場合がある。したがって、これらの比較フロートは、比較フロートの直径を低減させるために、または管を半径方向に拡大させ、比較フロートが管の長さに沿って移動できるようにするために、遠心分離の適用を必要とする場合がある。対照的に、本明細書に記載される実施形態には、管の内径より小さい外径(例えば、フロートおよび任意の突起または隆起部を取り囲む円に対応する直径)が設けられてもよく、したがって管の半径方向の拡大、フロートの圧縮または遠心分離によって生じるフロートの直径の低減に依存せずに、管の長さに沿って移動できるようになる。それにもかかわらず、本明細書に開示される実施形態は、フロートが垂直に配向された中心軸を有する管中を自由に浮動する際に、フロートの中心軸が管の中心軸に対して平行から選択された許容角度(例えば、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以下)以内で配向されるのに十分大きくなるよう構成された外径(例えば、フロートおよび任意の突起または隆起部を取り囲む円に対応する直径)を有してもよい。
【0060】
図7Aは、本開示のフロート700であって、フロートの下側部分702(例えば、フロートの底部分712を含む)が4つの爪状突出704、706、708、710を有し、フロートの外面に沿って突起602(例えば、4つの隆起部、任意選択で各爪状突出に対して1つ以上)を有するフロート700の実施形態の側面図である。図7Bは、その軸を中心に90度回転させた図7Aのフロートの側面図である。図7Cは、図7Aのフロートの上部平面図である。図7Dは、図7Aのフロートの側面の断面図である。図7Dに示される断面の場所が図7Bに例示される。
【0061】
図8Aは、本開示のフロート800の実施形態の側面図であり、反対側は図8Aの鏡像である。図8Aに見ることができるように、フロートの下側部分802は、鐘様の形状を有する。図8Bは、その軸を中心に90度回転させた図8Aのフロートの側面図であり、フロートの反対側は図8Bの鏡像である。
【0062】
図9は、本開示のフロート900の実施形態の上部からの斜視図であり、フロートの下側部分902は半球形状を有しており、フロートの上側部分904は、いくつかの実施形態で上部から底部にかけて幾分内向きに先細りされ、上側部分904に円錐台の形状を与えることができる円筒状を有する。見られるように、いくつかの実施形態では、フロート900は全体として弾丸状に近い。下側部分は、管の幾何学的形状と適合するよう成形されてもよい。さらに、図9に例示されるように、いくつかの実施形態では、フロートは複数のピースを備えてもよい。
【0063】
図10は、フロートの外面の局所的な凹部または突出に対応する特徴(例えば、突起または隆起部)を有さないフロート1006の実施形態を備えるシステム1000の図である。フロートは、チキソトロピー性材料1004によって周方向に囲まれ、チキソトロピー性材料1004は、フロート1006および管状体1002の内面とともにバリアを形成する。例えば、このバリアは、試料の2つの相を分離するために使用されてもよい。図10に見ることができるように、フロート1006の中心軸は、管状体1002の中心軸と同心円状ではない。この構成は、例えば図17に例示されるように、フロートと管状体の中心軸がより同心円状に近いシステムと比較して、不透過性または実質的に不透過性のバリアを形成するのにあまり好ましくない場合がある。それにもかかわらず、そのような実施形態は依然として機能することができ、既存のシステムに対する改善をもたらすことができる。
【0064】
図11~16は、突起を備えるフロート1100の実施形態の図である。図11および12に例示されるように、フロート1100は、爪様の突出、第1のセットの突起1106(例えば、より長い突起または隆起部のセット)を備える下側部分1104、1204、および第2のセットの突起1108(例えば、より短い突起または隆起部のセット)を備える上側部分1202を備える。図13は、フロートの上面1102を例示する。図14は、フロートの底面1104を例示する。図15は、図13に図示される面に沿ったフロート1100の断面図を例示する。図16は、図14に例示される場所の詳細を例示する。
【0065】
図17は、管内部の図11のフロートの上面図である。例示されるように、フロート1100は、チキソトロピー性材料1704によって周方向に囲まれる。さらに例示されるように、フロート1100、チキソトロピー性材料1704および管状体の内面1702は、バリアを形成する。例として、バリアは、試料の遠心分離後に試料の第1の相と第2の相を分離するために使用されてもよい。図17は、突起1106、1108を使用して、フロートの中心軸を管状体の中心軸と整列させるのを支援することができる方法を例示しており、これは、例えば図10に例示されるように、管状体とあまり同心円状でないフロートと比較して、不透過性または実質的に不透過性のバリアを形成するために好ましい可能性がある。
【0066】
他の形状、サイズまたはその組合せを有するフロートの他の実施形態も可能である。
疑義を回避するために、本明細書に記載される方法のいずれか1つの少なくとも一部分は、本明細書に記載される装置のいずれか1つとともに、または本明細書に記載されるシステムのいずれか1つにおいて使用するのに好適であり得る。
【0067】
本開示の記述は以下を含む:
記述1:試料の成分を分離するためのシステムであって、液体生物学的試料を受容するための管状体;チキソトロピー性材料;ならびにコア、上面および底面を備えるフロートを備える装置を備え、フロートがチキソトロピー性材料の比重未満またはそれに等しい比重を有し、任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面に沿って位置し、任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合し(例えば、接着的に、摩擦的に、またはこれらの組合せで)、任意選択でフロートの一部分(例えば、フロートの底部分)がチキソトロピー性材料に包埋され、任意選択で、フロートおよびチキソトロピー性材料が、輸送中(例えば、25℃および101.325kPaで)に管状体内の適所に留まるよう構成され、任意選択で、チキソトロピー性材料が25℃および101.325kPaで、(i)チキソトロピー性材料が流動性ではない、(ii)チキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合する(例えば、接着的に、摩擦的に、もしくはこれらの組合せで)(例えば、チキソトロピー性材料が、重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは本質的に静止したままであるように)、(iii)フロートがチキソトロピー性材料に包埋される場合、フロートが重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは本質的に静止したままである、または(iv)これらの組合せであるよう構成され、任意選択でフロートが中実であり、任意選択でフロートが単一の一体型ピースであり、任意選択でフロートが非多孔質であり、任意選択で、フロートが本開示に記載される相対遠心力の任意の値、範囲または範囲の組合せ下で変形しないよう構成され、任意選択でフロートが複数の相互に離間された突起(例えば、隆起部)を備え、任意選択で、突起または隆起部がフロートの中心軸、長手方向軸、長さまたはこれらの組合せに対して平行から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以内で長手方向に配向する)、システム。
【0068】
記述2:フロートがチキソトロピー性材料の比重未満の比重を有する、記述1に記載のシステム。
記述3:フロートが管状体の内径未満またはそれに等しい直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、または99.8%以上の直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9%以下の直径を有する、記述1または記述2に記載のシステム。
【0069】
記述4:(i)任意選択で、チキソトロピー性材料がポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレート、およびこれらの2種以上の組合せから選択されるポリマーを含み、または(ii)任意選択で、チキソトロピー性材料が水素化スチレン-ブタジエンゴム、シリカ、ホワイトオイル、酸化防止剤もしくはこれらの任意の組合せを含む、記述1~3のいずれか1つに記載のシステム。
【0070】
記述5:フロートが約10~約60ショアAの硬度を有し、任意選択でフロートが不浸透性の非粘着性表面を有する、記述1~4のいずれか1つに記載のシステム。
記述6:(i)任意選択で、フロートが約1.0g/mL~約1.1g/mL、任意選択で約1.01g/mL~約1.09g/mL、もしくは約1.02g/mL~約1.08g/mL、もしくは約1.03g/mL~約1.07g/mL、もしくは約1.04g/mL~約1.06g/mL、もしくは約1.05g/mL、もしくは約1.02~約1.04g/mL、もしくは約1.025~1.035g/mL、もしくは約1.03g/mLの比重を有する、または(ii)任意選択で、フロートが1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07もしくは1.08g/cm以上の25℃での密度;1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08もしくは1.09g/cm以下の25℃での密度;25℃での赤血球(例えば、試料から)の密度未満の25℃での密度;25℃でのPRP(例えば、試料から)の密度より大きい25℃での密度;フロートとともにバリアを形成するよう構成されたチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の25℃での密度未満の25℃での密度;フロートとともにバリアを形成するよう構成されたチキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の25℃での密度に等しい25℃での密度;またはこれらの任意の組合せを有する、記述1~5のいずれか1つに記載のシステム。
【0071】
記述7:フロートが約1.03g/mLの比重を有する、記述6に記載のシステム。
記述8:(i)チキソトロピー性材料が約1.0g/mL~約1.1g/mL、任意選択で約1.01g/mL~約1.09g/mL、もしくは約1.02g/mL~約1.08g/mL、もしくは約1.03g/mL~約1.07g/mL、もしくは約1.04g/mL~約1.06g/mL、もしくは約1.045g/mL、もしくは約1.05g/mL、もしくは約1.035~約1.055g/cmの比重を有する、または(ii)任意選択で、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)が1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07もしくは1.08g/cm以上の25℃での密度;1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08もしくは1.09g/cm以下の25℃での密度;25℃での赤血球(例えば、試料から)の密度未満の25℃での密度;25℃でのPRP(例えば、試料から)の密度より大きい25℃での密度;ゲルとともにバリアを形成するよう構成されたフロートの25℃での密度より大きい25℃での密度;チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)とともにバリアを形成するよう構成されたフロートの25℃での密度に等しい25℃での密度;またはこれらの任意の組合せを有する、記述1~7のいずれか1つに記載のシステム。
【0072】
記述9:フロートが血小板の接着を制限するよう構成された幾何学的形状および表面またはいずれかを有する、例えば、フロートおよび/もしくは管の表面またはその任意の部分、例えば管の上面が、血小板の接着を制限するために処理/前処理され(例えば、コーティング、材料、ポリマー、プラスチック、固定化液体(IL)層、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロペルヒドロフェナントレン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、シリコーン油、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロトリペンチルアミン、係留液体ペルフルオロカーボン(TLP)IL層、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、またはこれらの任意の組合せによって)、任意選択でフロートの表面が血小板の接着を制限する材料を備える、記述1~8のいずれか1つに記載のシステム。
【0073】
記述10:フロートが1つ以上の突起602を備える、記述1~9のいずれか1つに記載のシステム。
記述11:フロートが複数の突起602を備える、記述1~10のいずれか1つに記載のシステム。
【0074】
記述12:突起602が、管状体の内壁に隣接する表面に沿って位置する、記述10または記述11に記載のシステム。
記述13:突起602が、フロートの中心軸を管状体の中心軸に沿って実質的に維持する(例えば、フロートの中心軸は、管状体の中心軸に対して平行な状態から、平行な状態から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以下離れる)よう構成される、記述9~11のいずれか1つに記載のシステム。
【0075】
記述14:突起602がフロートの表面に沿って等距離で離間される、記述9~12のいずれか1つに記載のシステム。
記述15:突起602が管状体の内壁に隣接するフロートの表面に沿って等距離で離間される、記述14に記載のシステム。
【0076】
記述16:突起がフロートのコアとは異なる材料を備える、記述10~15のいずれかに記載のシステム。
記述17:フロートの上面およびフロートの底面が実質的に同様の直径を有する(例えば、フロートの底面の半径方向最外部を取り囲む円の直径が、フロートの上面の最外部を取り囲む円の直径の0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、または0.99倍以上かつ0.5、0.6、07、0.8、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99または1倍以下である)、記述1~16のいずれか1つに記載のシステム。
【0077】
記述18:フロートが実質的に円筒状である(例えば、フロートがフロートより低密度の試験流体に完全に沈められる場合、フロートによって置き換えられる試験流体の体積は、フロートを取り囲む円筒の体積の0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、または0.99倍以上かつ1倍以下である)、記述1~17のいずれか1つに記載のシステム。
【0078】
記述19:フロートの上面がフロートの底面より大きい直径を有する、記述1~18のいずれか1つに記載のシステム。
記述20:フロートが円錐である、記述1~16のいずれか1つに記載のシステム。
【0079】
記述21:フロートの断面がハイポサイクロイドである、記述1~17のいずれか1つに記載のシステム。
記述22:管状体に隣接するフロートの表面が、鋸歯または狭間を設けたパターンを有する、記述1~19のいずれか1つに記載のシステム。
【0080】
記述23:管状体に隣接するフロートの表面が正弦波パターンを有する、記述1~19のいずれか1つに記載のシステム。
記述24:フロートが実質的に球状である(例えば、フロートがフロートより低密度の試験流体に完全に沈められる場合、フロートによって置き換えられる試験流体の体積は、フロートを取り囲む球体の体積の0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、または0.99倍以上かつ1倍以下である)、記述1~16のいずれか1つに記載のシステム。
【0081】
記述25:フロートが空洞(例えば、例えばフロートの外面における凹部の形態の外部空洞)をさらに備える、記述1~23のいずれか1つに記載のシステム。
記述26:空洞がフロートの全体積の約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、または約50%より大きい、任意選択でフロートの全体積の100%、90%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の体積を有し、フロートの全体積がフロートの表面上の任意の2点間の任意の仮想線上のすべての点からなり、任意選択で、空洞が、チキソトロピー性材料が被包するためのより多くの表面積をもたらし、それによってより良好な封止部を促進するよう構成される、記述25に記載のシステム。
【0082】
記述27:フロートの輪郭が歯状であり、複数の突出または延長部(例えば、爪のような形状を有する)がフロートの主体から延長する、記述24または記述25に記載のシステム。
【0083】
記述28:管状体の内壁がコーティングを備える、記述1~27のいずれか1つに記載のシステム。
記述29:コーティングが不活性材料を備える、記述28に記載のシステム。
【0084】
記述30:フロートが、生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段をさらに備える、記述1~29のいずれか1つに記載のシステム。
記述31:フロートが、遠心分離後に生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段をさらに備える、記述1~30のいずれか1つに記載のシステム。
【0085】
記述32:生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段が、視覚的に認知可能な指標を備える、記述30または記述31に記載のシステム。
記述33:視覚的に認知可能な指標が、線、記号、色の変化、画像およびこれらの2種以上の組合せから選択される、記述32に記載のシステム。
【0086】
記述34:フロートおよびチキソトロピー性材料の色が異なる、記述1~33のいずれか1つに記載のシステム。
記述35:フロートおよびチキソトロピー性材料が放出可能に結合される、記述1~34のいずれか1つに記載のシステム。
【0087】
記述36:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離による試料の成分の密度分離を可能とするよう構成される、記述1~35のいずれか1つに記載のシステム。
【0088】
記述37:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離中にフロートの外面と管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、記述1~36のいずれか1つに記載のシステム。
【0089】
記述38:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性の封止部を作出すると同時に、フロートの上面がチキソトロピー性ゲルの上に全体的にまたは部分的に維持されるよう構成される、記述1~37のいずれか1つに記載のシステム。
【0090】
記述39:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性の封止部を作出するよう構成される、記述1~38のいずれか1つに記載のシステム。
【0091】
記述40:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出すると同時に、フロートの上面がチキソトロピー性ゲルの上に全体的にまたは部分的に維持されるよう構成される、記述1~39のいずれか1つに記載のシステム。
【0092】
記述41:チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成される、記述1~40のいずれか1つに記載のシステム。
【0093】
記述42:チキソトロピー性材料が、赤血球の比重未満かつ血漿より大きい比重を有する、記述1~41のいずれか1つに記載のシステム。
記述43:任意選択で、チキソトロピー性材料およびフロートが血漿の比重より大きい比重を有し、任意選択で管状体の内部が本開示で記載される任意の真空圧で設けられる、記述1~42のいずれか1つに記載のシステム。
【0094】
記述44:抗凝固剤をさらに備える、記述1~43のいずれか1つに記載のシステム。
記述45:装置内に設置された抗凝固剤をさらに備える、記述1~44のいずれか1つに記載のシステム。
【0095】
記述46:抗凝固剤がクエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)から選択される、記述43または記述44に記載のシステム。
記述47:液体生物学的試料の成分を分離するためのシステムであって、管状体;フロート;およびチキソトロピー性材料を備え、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離による試料の成分の密度分離を可能とするよう構成され、任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面に沿って位置し、任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合し(例えば、接着的に、摩擦的に、またはこれらの組合せで)、任意選択でフロートの一部分(例えば、フロートの底部分)がチキソトロピー性材料に包埋され、任意選択で、フロートおよびチキソトロピー性材料が、輸送中(例えば、管状体の内部が周囲条件、25℃、101.325kPa、本明細書に記載される真空圧、またはこれらの任意の組合せにある場合)に管状体内の適所に留まるよう構成され、任意選択で、チキソトロピー性材料が25℃および101.325kPaまたは本明細書に記載される真空圧で、(i)チキソトロピー性材料が流動性でない、(ii)チキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合する(例えば、接着的に、摩擦的に、もしくはこれらの組合せで)(例えば、チキソトロピー性材料が、重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは実質的に静止したままであるように)、(iii)フロートがチキソトロピー性材料に包埋される場合、フロートが重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは実質的に静止したままである、または(iv)これらの組合せであるよう構成され、任意選択でフロートが中実であり、任意選択でフロートが単一の一体型ピースであり、任意選択でフロートが非多孔質であり、任意選択で、フロートが本開示に記載される相対遠心力の任意の値、範囲または範囲の組合せ下で変形しないよう構成され、任意選択で、フロートが複数の相互に離間された突起(例えば、隆起部)を備え、任意選択で、突起または隆起部がフロートの中心軸、長手方向軸、長さまたはこれらの任意の組合せに対して平行から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以内で長手方向に配向される)、システム。
【0096】
記述48:チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離中に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、記述47に記載のシステム。
【0097】
記述49:チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性のバリアを作出するよう構成され、任意選択で、それと同時にフロートの上面のすべてまたは実質的にすべてが、ゲル表面によって形成されるバリアの上に留まる(例えば、管状体の中心軸が垂直に配向されるとき、フロートの上面の表面積の10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%以下がゲル表面によって形成されるバリアの下にある)、記述47または記述48に記載のシステム。
【0098】
記述50:チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に不透過性のバリアを作出するよう構成される、記述47~49のいずれか1つに記載のシステム。
【0099】
記述51:試料が血液(例えば、ヒトの血液)を含む、記述1~50のいずれか1つに記載のシステム。
記述52:多血小板血漿を調製するための方法であって、記述に記載のシステムおよび血液試料を用意する工程、血液試料の成分を第1の相および第2の相に分離するのに十分な時間および速度で装置を遠心分離する工程であって、第1の相が赤血球を含み、第2の相が血漿を含む、工程、ならびに第2の相の一部分を除去して多血小板血漿を得る工程を備える、方法。
【0100】
記述53:第2の相から除去される一部分が乏血小板血漿を含む、記述52に記載の方法。
記述54:血小板を多血小板血漿に再懸濁する工程をさらに備える、記述52または記述53に記載の方法。
【0101】
記述55:フロート-ゲル-内壁アセンブリ(例えば、実質的に不透過性のバリアを形成する)が第1の相と第2の相の間に平衡して維持される、記述52~54のいずれか1つに記載の方法。
【0102】
記述56:生物学的試料を分離するための方法であって、生物学的試料を、管状体;フロート;チキソトロピー性材料(例えば、ゲル);および任意選択で抗凝固剤を備える装置に導入する工程;装置を、血液試料の成分を複数の相に分離するのに十分な時間および速度で遠心分離に供する工程を備える、方法。
【0103】
記述57:複数の相が、赤血球を含む第1の相および血漿を含む第2の相を含む、記述56に記載の方法。
記述58:フロートおよびチキソトロピー性材料が、フロートの外面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性のバリアを形成し、任意選択で、それと同時にフロートの上面が形成されるバリアの上に実質的にまたは完全に留まり(例えば、管状体の中心軸が垂直に配向されるとき、フロートの上面の表面積の10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%以下が形成されるバリアの下にある)、任意選択で、フロートおよびチキソトロピー性材料が遠心分離後に第1の相の上にある、記述56または記述57に記載の方法。
【0104】
記述59:ざ瘡、脱毛症、疼痛、歯周病、歯周欠損、慢性創傷、糖尿病性足部潰瘍、外傷性損傷、瘢痕、失禁、および/または皺に関連する症状を処置、予防または緩和するための方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に記述52~58のいずれか1つに記載の方法によって生成された生成物を投与する工程を備える、方法。
【0105】
記述60:毛髪成長、組織治癒、組織再生、性的健康、骨成長、骨再生、および/または歯周再生を増加、増強または促進するための方法であって、それを必要とする哺乳動物対象に記述52~59のいずれか1つに記載の方法によって生成された生成物を投与する工程を備える、方法。
【0106】
記述61:請求項51~56のいずれか1つに記載の方法によって生成された生成物および担体を含む組成物。
記述62:担体が、薬学的に許容される担体および美容的に許容される担体から選択される、記述61に記載の組成物。
【0107】
記述63:任意選択で、実質的に不透過性が、(i)少なくとも管状体、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)、フロート、第1の相および第2の相を備える(またはからなる)構成要素のセットの管状体が静止しているとき、ならびに(ii)任意選択で管状体(チキソトロピー性ゲル、フロート、第1の相および第2の相を含有する)が、開始点より7.62センチメートル(3インチ)上および開始点より7.62センチメートル(3インチ)下の振幅で、1秒あたり4回の完全な振動の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110または120秒にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動される後に、実質的に不透過性のバリアの対向面上の試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性が、第1の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第2の相に対するバリアを通ることが許容され、第2の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第1の相に対するバリアを通ることが許容されるよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性とは、少なくとも一般的にゲルのみのバリアが破損すると当業者が認識する条件のセット下で(例えば、例えばスプレー塗料缶を2分間振盪するような激しい振盪後)、実質的に不透過性の封止部の対向面上の試料(例えば、液体生物学的試料、例えば血液試料)の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、記述1~62のいずれかに記載の実施形態、システム、方法または組成物。
【実施例
【0108】
実施例1
異なる密度および形状のフロートならびに異なる体積のチキソトロピー性材料を備えるシステムを評価するために、検証実験を行った。
【0109】
【表1】
【0110】
表1(上記)に記載されるデータによって例示されるように、フロートとゲルの両方の密度およびそれぞれの体積は、適切に試料の成分を分離してバリアを作出するために重要である。特に、ゲルおよびフロートの量および密度は、破損を回避し血漿の結果を達成するために正確に調整されなければならない。表1(上記)に記載されるデータは、本開示のシステムが、試料中のより高密度の成分による血漿の汚染を最小限に抑えた血小板捕捉を実証することを実証する。
【0111】
実施例2
実施例1(上記)に記載された結果に基づき、2種のフロート設計(弾丸[例えば、図6を参照されたい]および爪[例えば、図2および7A~7Dを参照されたい])、ならびに2種のゲル体積(2mLおよび3mL)を含む本開示の4種のシステムを用いてさらなる実験を行った。これらの実験の結果を表2で以下に記載する。
【0112】
【表2】
【0113】
表2(上記)に記載されるデータによって例示されるように、本開示の4種のシステムすべてが非常に良好に動作した。詳細には、赤血球(RBC)および白血球(WBC)からの多血小板血漿(PRP)の明確な分離が存在した。血小板数は、4種の実験すべてで全血をはるかに上回った。フロートの上面は、全体的にまたは大部分がフロートおよびゲルによって形成されるバリアの上に留まった。管は激しい振盪に供され、PRP体積へのRBCの認知可能な漏出は存在しなかった。以前述べた通り、ゲルのみの分離システムでは、最小限の振盪で破損が生じてRBCの漏出を引き起こし、桃色またはさらには赤いPRP混合物をもたらす場合があるため、これは重大である。これはまた、限られた量のゲルに接着する可能性がある血小板が、撹拌によって成功裡に剥がれることができるため重大である。
【0114】
実施例3
表1および2に記載される実験に加え、1つの「弾丸」フロートおよび1つの「爪」フロートを、実施例1および2に使用される管よりわずかに大きい直径を有する管に配置した。表3(以下)に記載される結果によって例示される通り、フロートの外径と管の内径の間の嵌合は、極めて正確でなくてもよい。さらに重要なことに、このデータは、本開示のいくつかのシステムが、管の内径および管内に配備されるフロートの変動にもかかわらず、試料の成分を成功裡に分離することができることを実証する。
【0115】
【表3】
【0116】
さらなる実施形態
以下の条項は、本開示のシステム、方法および組成物の実施形態のさらなる記載を提供する。
1.試料の成分を分離するためのシステム(任意選択で、試料(例えば、液体生物学的試料)の成分を分離するよう構成された、遠心分離中に試料の成分を分離するよう構成された、またはこれらの任意の組合せのシステム)であって、
試料(例えば、液体生物学的試料)を受容するための管状体;
チキソトロピー性材料;ならびに
コア、
上面、および
底面
を備えるフロート
を備える装置を備え、
任意選択で、フロートがチキソトロピー性材料の比重未満またはそれに等しい比重を有し、任意選択でシステムが試料を備え、チキソトロピー性材料の比重が、試料の成分のうち最大の比重を有する成分もしくは分離された相、またはこれらの任意の組合せの比重に等しいまたはそれ未満である、またはそうであるよう構成され、
任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面に沿って位置し、
任意選択でチキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合し(例えば、接着的に、摩擦的に、またはこれらの組合せで)、
任意選択でフロートの一部分(例えば、フロートの底部分)がチキソトロピー性材料に包埋され、
任意選択で、フロートおよびチキソトロピー性材料が、輸送中(例えば、25℃および101.325kPaで)に管状体内の適所に留まるよう構成され、任意選択で、チキソトロピー性材料が25℃および101.325kPaで、(i)チキソトロピー性材料が流動性でない、(ii)チキソトロピー性材料が管状体の底部内面と係合する(例えば、接着的に、摩擦的に、もしくはこれらの組合せで)(例えば、チキソトロピー性材料が、重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは本質的に静止したままであるように)、(iii)フロートがチキソトロピー性材料に包埋される場合、フロートが重力下で管状体の底部内面に対して静止したもしくは本質的に静止したままである、または(iv)これらの組合せであるよう構成され、任意選択でフロートが中実(例えば、液体または気体状態とは対照的に固相、充填されており中空でないという意味で、またはこれらの任意の組合せで)であり、任意選択で、フロートが内腔によってもたらされる中空構築物によって作製され、任意選択で、フロートが内腔をフロートの外部に接続するためのアパーチャまたはポートを有さず、任意選択でフロートが単一の一体型ピースであり、任意選択でフロートが非多孔質であり、任意選択で、フロートが本開示に記載される相対遠心力の任意の値、範囲または範囲の組合せ下で変形しないよう構成され、任意選択でフロートが複数の相互に離間された突起(例えば、隆起部)を備え、任意選択で、突起または隆起部がフロートの中心軸、長手方向軸、長さまたはこれらの組合せに対して平行から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1度以内で長手方向に配向され)、
任意選択で、システムが装置の遠心分離によって試料の成分を分離するよう構成され、一方で管状体が、液体生物学的試料、チキソトロピー性材料およびフロートを含有し、
任意選択で、管状体が、ストッパと組み合わせて、管状体の内部が0~101kPa(0~1atm);0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.005、0.001、1×10^(-4)、1×10^(-5)、1×10^(-6)、1×10^(-7)、1×10^(-8)、1×10^(-9)、1×10^(-10)、1×10^(-11)、1×10^(-12)、1×10^(-13)、1×10^(-14)、1×10^(-15)atm以下;0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.2、0.1、0.05、0.04、0.03、0.02、0.01、0.005、0.001、1×10^(-4)、1×10^(-5)、1×10^(-6)、1×10^(-7)、1×10^(-8)、1×10^(-9)、1×10^(-10)、1×10^(-11)、1×10^(-12)、1×10^(-13)、1×10^(-14)、1×10^(-15)atm以上、またはこれらの任意の組合せの真空圧である絶対圧にあるよう構成される(例えば、真空が、血液である試料の採取を容易にするために使用されるように)、システム。
2.任意選択で、フロートがポリマー、複数のポリマー、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、プラスチック、ゴム、金属、複数の金属、金属合金、またはこれらの任意の組合せから作製される、備える、から本質的になる、またはからなり、
任意選択で、フロートがチキソトロピー性材料の比重未満の比重、最小の比重を有する試料の成分の比重より大きい比重、またはこれらの任意の組合せを有し、
任意選択で、チキソトロピー性材料が、試料の成分のうち最大の比重を有する成分より小さい比重を有する、条項1に記載のシステム。
3.任意選択で、フロートが円形断面を有し、任意選択で、フロート(例えば、フロートの円形断面)が管状体の内径未満またはそれに等しい任意の突起を含む直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、または99.8%以上の任意の突起を含む直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9%以下の任意の突起を含む直径を有し、フロートが管状体の内径未満またはそれに等しい任意の突起を除く直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、または99.8%以上の任意の突起を除く直径を有し、任意選択でフロートが管状体の内径の55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8または99.9%以下の任意の突起を除く直径を有し、任意選択で管状体の内径が5、10、15、20、25、30、35、40、45または50mm以上であり、任意選択で管状体の内径が5、10、15、20、25、30、35、40、45または50mm以下であるか、またはこれらの任意の組合せである、条項1または条項2に記載のシステム。
4.チキソトロピー性材料が、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアクリレートから選択されるポリマー、水素化ブタジエンゴム、シリカ、ホワイトオイル、および酸化防止剤ならびにこれらの2種以上の組合せを含む、条項1~3のいずれかに記載のシステム。
5.フロートが約1~約50、任意選択で約5~約45、任意選択で約10~約35、任意選択で約15~約30、任意選択で約20~約25、好ましくは約30のショア硬度を有する、条項1~4のいずれかに記載のシステム。
6.フロートが、約1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、もしくは1.1g/mL以上、約1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、もしくは1.1g/mL以下、またはこれらの任意の組合せ、任意選択で約1.02~1.09g/mL、任意選択で約1.0g/mL~約1.1g/mL、任意選択で約1.01g/mL~約1.09g/mL、もしくは約1.02g/mL~約1.08g/mL、もしくは約1.03g/mL~約1.07g/mL、もしくは約1.04g/mL~約1.06g/mL、もしくは約1.05g/mL、約1.02~約1.04g/mL、もしくは約1.025~1.035g/mLの比重を有する、条項1~5のいずれかに記載のシステム。
7.フロートが約1.03g/mLの比重を有する、条項1~6のいずれかに記載のシステム。
8.チキソトロピー性材料が、約1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、もしくは1.1g/cm^3以上、約1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、もしくは1.1g/cm^3以下、またはこれらの任意の組合せ、任意選択で約1.02~1.09g/cm、任意選択で約1.0g/mL~約1.1g/mL、任意選択で約1.01g/mL~約1.09g/mL、もしくは約1.02g/mL~約1.08g/mL、もしくは約1.03g/mL~約1.07g/mL、もしくは約1.04g/mL~約1.06g/mL、もしくは約1.045g/mL、もしくは約1.05g/mLもしくは約1.035~約1.055g/cmの比重を有する、条項1~7のいずれかに記載のシステム。
9.フロートが血小板の接着を制限するよう構成された表面を有する、例えば、フロートおよび/もしくは管状体の表面またはその任意の部分(例えば管状体の上面)が、血小板の接着を制限するために処理/前処理され(例えば、コーティング、材料、ポリマー、プラスチック、固定化液体(IL)層、フルオロポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロカーボン、ペルフルオロデカリン、ペルフルオロペルヒドロフェナントレン、アーモンド油、ヤシ油、オリーブ油、ヒマシ油、シリコーン油、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロトリペンチルアミン、係留液体ペルフルオロカーボン(TLP)IL層、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、またはこれらの任意の組合せによって)、任意選択でフロートの表面が血小板の接着を制限する材料を備え、任意選択で、フロートが、遠心分離後にバリアが形成された(例えば、フロート、ゲルおよび管状体の内面を備えるバリア)際の高さより上の、ゲルが位置付けられることが意図されないフロートの高さに対応するフロートの点より上で、幾何学的形状(例えば、底部が上部より大きい円錐状)、円筒状、ドーム状、鐘様の形状、球形状または丸みを帯びた形状を有する、条項1~8のいずれかに記載のシステム。
10.フロートが1つ以上の突起を備える、条項1~9のいずれかに記載のシステム。
11.フロートが複数の突起を備える、条項1~10のいずれかに記載のシステム。
12.突起が、管状体の1つまたは複数の内壁に隣接するよう構成された(例えば、遠心分離前、遠心分離完了後、またはこれらの任意の組合せで1つまたは複数の内壁に隣接するよう構成された表面、複数の表面、または表面のいずれかに沿って位置する、条項10または条項11に記載のシステム。
13.突起が、フロートの中心軸を管状体の中心軸に沿って実質的に維持するよう構成される、実施形態10~12のいずれか1つに記載のシステム。
14.突起がフロートの表面に沿って側方方向に、または長手方向に、または両方に等距離で離間される、条項10~13のいずれか1つに記載のシステム。
15.突起が、管状体の内壁に隣接するフロートの表面に沿って等距離で離間される、条項14に記載のシステム。
16.突起がフロートのコアとは異なる材料を備える、条項10~15のいずれかに記載のシステム。
17.フロートの上面およびフロートの底面が実質的に同様の直径を有する(例えば、フロートの底面の半径方向最外部を取り囲む円が、フロートの上面の最外部を取り囲む円の直径の0.2、0.25、0.30、0.35、0.40、05.0、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、または0.99倍以上かつ0.5、0.6、07、0.8、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99または1倍以下の直径を有する)、条項1~16のいずれかに記載のシステム。
18.フロートが実質的に円筒状である(例えば、フロートがフロートより低密度の試験流体に完全に沈められる場合、フロートによって置き換えられる試験流体の体積は、フロートを取り囲む円筒の体積の0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、または0.99倍以上かつ1倍以下である、条項1~17のいずれかに記載のシステム。
19.フロートの上面がフロートの底面より大きい直径を有する、条項1~18のいずれかに記載のシステム。
20.フロートまたはその一部分(例えば、下側部分または底部)が円錐、爪状、弾丸状、またはこれらの任意の組合せである、条項1~17のいずれか1つに記載のシステム。
21.フロートが管の軸に沿ってハイポサイクロイドである、条項1~17のいずれか1つに記載のシステム。
22.管状体に隣接するフロートの表面が、鋸歯または狭間を設けたパターン(例えば、鋸歯もしくは狭間を設けたパターンを有する外面、または鋸歯もしくは狭間を設けた縁を有する外面)を有する、条項1~21のいずれかに記載のシステム。
23.管状体に隣接するフロートの表面が正弦波パターンを有する、条項1~18のいずれか1つに記載のシステム。
24.フロートが実質的に球状である、条項1~16のいずれか1つに記載のシステム。
25.フロートが空洞をさらに備える、条項1~23のいずれか1つに記載のシステム。
26.空洞がフロートの全体積の50%より大きい体積を有する、条項25に記載のシステム。
27.フロートまたはフロートの一部分が突出を備える、突起を備える、延長部を備える、少なくとも部分的に歯状である(例えば、フロートが突出、突起または延長部(爪状であってもよい)をフロートの底部に備える)、またはこれらの任意の組合せであり、任意選択でフロートの一部分の突出、突起、延長部、歯様の形状、またはこれらの任意の組合せが、フロートとチキソトロピー性材料の間に接触、係合、接着またはこれらの任意の組合せのためのさらなる表面積をもたらすよう構成され、任意選択でフロートとチキソトロピー性材料の間の接触および係合のためのさらなる表面積が、フロートが遠心分離開始前にチキソトロピー性材料と接触することを意図するもしくはそのように構成されている場所、フロートが遠心分離後にチキソトロピー性材料と接触し、フロートおよびチキソトロピー性材料を備えるバリアを形成することを意図する場所、またはこれらの任意の組合せに設けられてもよい、条項1~26のいずれかに記載のシステム。
28.管状体の内壁がコーティングを備える、条項1~27のいずれかに記載のシステム。
29.コーティングが不活性材料を備える、条項28に記載のシステム。
30.フロートが、生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段をさらに備える、条項1~29のいずれかに記載のシステム。
31.フロートが、遠心分離後に生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段をさらに備える、条項1~30のいずれかに記載のシステム。
32.生物学的試料の成分が十分に分離されることを使用者に信号伝達するための手段が、視覚的に認知可能な指標を備える、条項30または条項31に記載のシステム。
33.視覚的に認知可能な指標が、線、記号、色の変化、画像およびこれらの2種以上の組合せから選択される、条項32に記載のシステム。
34.フロートおよびチキソトロピー性材料の色が異なる、条項1~33のいずれかに記載のシステム。
35.フロートおよびチキソトロピー性材料が放出可能に結合される、条項1~34のいずれかに記載のシステム。
36.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離による試料の成分の密度分離を可能とするよう構成される、条項1~35のいずれかに記載のシステム。
37.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離中にフロートの外面と管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、条項1~36のいずれかに記載のシステム。
38.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性の封止部を作出するよう構成される、条項1~37のいずれかに記載のシステム。
39.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性の封止部を作出するよう構成され、任意選択でフロートおよびチキソトロピー性材料が第1の相の上にある、条項1~38のいずれかに記載のシステム。
40.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成され、任意選択でフロートおよびチキソトロピー性材料が第1の相の上にある、条項1~39のいずれかに記載のシステム。
41.チキソトロピー性ゲルの体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体に隣接するフロートの表面と管状体の内壁の間に不透過性の封止部を作出するよう構成される、条項1~40のいずれかに記載のシステム。
42.チキソトロピー性材料が赤血球の比重未満の比重を有する、条項1~41のいずれかに記載のシステム。
43.チキソトロピー性材料およびフロートが、血漿の比重より大きい比重を有する、条項1~42のいずれかに記載のシステム。
44.抗凝固剤をさらに備える、条項1~43のいずれかに記載のシステム。
45.装置内に設置された抗凝固剤をさらに備える、条項1~44のいずれかに記載のシステム。
46.抗凝固剤がクエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)から選択される、条項44または条項45に記載のシステム。
47.チキソトロピー性材料およびフロートが、輸送中に実質的に固定された位置(例えば、管状体に対して)に留まり、任意選択で実質的に固定された位置に留まることが、フロート上の点およびチキソトロピー性材料の境界が、管状体の中心軸または長さに沿って、フロートの長手方向軸もしくは中心軸に沿ったフロートの長さ、または最も離れたフロートの外面上の2点の15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%より多く動かないことを意味する)、条項1~46のいずれかに記載のシステム。
48.試料の成分を分離するためのシステムであって、
管状体;
フロート;および
チキソトロピー性材料を備え、
チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離による試料の成分の密度分離を可能とするよう構成される、システム。
49.チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離中に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に通路を作出するよう構成される、条項48に記載のシステム。
50.チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性のバリアを作出するよう構成され、任意選択で、実質的に不透過性とは、少なくとも管状体、チキソトロピー性材料、フロート、第1の相および第2の相を備える構成要素のセットが静止しているとき、実質的に不透過性のバリアの対向面上の試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、条項48または条項49に記載のシステム。
51.チキソトロピー性材料の体積およびレオロジープロファイルならびにフロートの寸法が、遠心分離後に管状体の内壁に隣接するフロートの外面と管状体の内壁の間に不透過性のバリアを作出するよう構成される、条項48~50のいずれか1つに記載のシステム。
52.試料が血液(例えば、ヒトの血液)を含む、条項1~51のいずれかに記載のシステム。
53.フロートの上面の少なくとも一部分が、遠心分離後にチキソトロピー性材料の上に位置する、条項1~52のいずれかに記載のシステム。
54.フロートの上面が遠心分離後にチキソトロピー性材料の上に位置する、条項1~53のいずれかに記載のシステム。
55.多血小板血漿を調製するための方法であって、
条項1~54のいずれかに記載のシステムおよび血液試料を用意する工程、
血液試料の成分を第1の相および第2の相に分離するのに十分な時間および速度で装置を遠心分離する工程であって、第1の相が赤血球を含み、第2の相が血漿を含む、工程、ならびに
第2の相の一部分を除去して(例えば、装置の管状体から)多血小板血漿を得る(例えば、管状体中に)工程を備える、方法。
56.第2の相から除去される一部分が乏血小板血漿を含む、条項55に記載の方法。
57.血小板を多血小板血漿に再懸濁する工程、多血小板血漿を撹拌する工程、またはこれらの組合せをさらに備える、条項55または条項56に記載の方法。
58.フロートおよびチキソトロピー性材料が、第1の相と第2の相の間に平衡して維持される、条項55~57のいずれか1つに記載の方法。
59.試料中の成分を分離するための方法であって、
試料を、
管状体;
フロート;
チキソトロピー性材料;および
任意選択で抗凝固剤
を備える装置(例えば、条項1~58のいずれかに記載の装置、または本出願に開示される任意の装置もしくは装置を含む任意のシステム)に導入する工程、
装置を、試料の成分を複数の相に分離するのに十分な時間および速度で遠心分離に供する工程を備える、方法。
60.複数の相が、赤血球を含む第1の相および血漿を含む第2の相を含む、条項59に記載の方法。
61.フロートおよびチキソトロピー性材料が、遠心分離後にフロートの外面と管状体の内壁の間に実質的に不透過性のバリアを形成する、条項59または条項60に記載の方法。
62.遠心分離後に、フロートの上面の少なくとも一部分がチキソトロピー性材料の上に位置する、条項59~61のいずれか1つに記載の方法。
63.遠心分離後に、フロートの上面がチキソトロピー性材料の上に位置する、条項59~62のいずれか1つに記載の方法。
64.ざ瘡、
脱毛症、
疼痛、
歯周病、
歯周欠損、
慢性創傷、
糖尿病性足部潰瘍、
外傷性損傷、
瘢痕、
失禁、および/または
皺に関連する症状を処置、予防または緩和するための方法であって、
それを必要とする哺乳動物対象に条項55~63のいずれか1つに記載の方法によって生成された生成物を投与する工程を備える、方法。
65.毛髪成長、
組織治癒、
組織再生、
性的健康、
骨成長、
骨再生、および/または
歯周再生を増加、増強または促進するための方法であって、
それを必要とする哺乳動物対象に条項55~63のいずれか1つに記載の方法によって生成された生成物を投与する工程を備える、方法。
66.第2の相の一部分を除去して多血小板血漿を得る工程が、
第2の相から(例えば、第2の相または血漿の上部分から)乏血小板血漿を除去し、それにより第2の相の残り部分(例えば、第2の相または血漿の底部分)を残すこと、
第2の相の残り部分を撹拌し(例えば、血小板を第2の相に懸濁するために)、撹拌された残り部分を得ること、および
撹拌された残り部分を装置から除去し、それにより多血小板血漿を得ること
を備え、
任意選択で、乏血小板血漿を除去する工程が、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以上の第2の相もしくは血漿、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85もしくは90体積%以下の第2の相もしくは血漿、またはこれらの任意の組合せを除去することを備え、
任意選択で、第2の相の残り部分を撹拌する工程が、(i)装置の使用説明書に従う撹拌、(ii)第2の相の残り部分を手動で振盪すること、(iii)第2の相の残り部分を、開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以上上(および任意選択で開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以下上)かつ開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以上下(および任意選択で開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以下下)の振幅で、1秒あたり1、2、3もしくは4回以上の完全な振動(および任意選択で1秒あたり1、2、3もしくは4回以下の完全な振動)の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110もしくは120秒以上(および任意選択で10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110もしくは120秒以下)にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動させること、(iv)本開示の任意の実施形態に従って撹拌すること、(v)第2の相の残り部分が管状体中にある間に、かつ任意選択で、ストッパが第2の相の残り部分を含有するための管状体に結合
されている間に第2の相の残り部分を撹拌すること、または(vi)これらの任意の組合せを備える、条項55~65のいずれかに記載の方法。
67.任意選択で、第2の相の一部分を除去して多血小板血漿を得る工程の前に第2の相が撹拌され、
任意選択で、第2の相の一部分を除去して多血小板血漿を得る工程が、第2の相または血漿の本質的にすべてを除去して多血小板血漿を得ること、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100体積%以上の第2の相もしくは血漿を除去すること、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100体積%以下の第2の相もしくは血漿を除去すること、またはこれらの任意の組合せを備え、
任意選択で、第2の相を撹拌することが、血小板を第2の相に懸濁して撹拌された第2の相をもたらし、
任意選択で、装置から撹拌された第2の相を除去することによって多血小板血漿が得られ、
任意選択で、第2の相を撹拌する工程が、(i)装置の使用説明書に従う撹拌、(ii)第2の相を手動で振盪すること、(iii)第2の相を、開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以上上(および任意選択で開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以下上)かつ開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以上下(および任意選択で開始点より2.54、5.08、もしくは7.62センチメートル(1、2もしくは3インチ)以下下)の振幅で、1秒あたり1、2、3もしくは4回以上の完全な振動(および任意選択で1秒あたり1、2、3もしくは4回以下の完全な振動)の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110もしくは120秒以上(および任意選択で10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110もしくは120秒以下)にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動させること、(iv)本開示の任意の実施形態に従って撹拌すること、(v)第2の相が管状体中にある間、かつ任意選択でストッパが第2の相を含有するための管状体に結合されている間に第2の相を撹拌すること、または(vi)これらの任意の組合せを備える、条項55~66のいずれかに記載の方法。
68.任意選択で、管状体の遠心分離が、500、750、1000、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、2000、3000、4000もしくは5000g以上;500、750、1000、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、2000、3000、4000もしくは5000g以下;またはこれらの任意の組合せの管状体への相対遠心力(RCF)の適用をもたらし、
任意選択で、RCFが、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14もしくは15分以上;5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15もしくは30分以下;またはこれらの任意の組合せにわたって管状体に適用される、条項55~67のいずれかに記載の方法。
69.条項55~68のいずれか1つに記載の方法によって生成される生成物および担体を含む組成物。
70.担体が、薬学的に許容される担体および美容的に許容される担体から選択される、条項69に記載の組成物。
71.任意選択で、第1の体積が(a)第2の成分、(b)第1の相、(c)バリアの下の相、(d)バリアの下の成分、(e)血球(例えば、バリアの下)または(f)これらの任意の組合せの体積から選択され、
任意選択で、第2の体積が(a)第1の成分、(b)第2の相、(c)バリアの上の相、(d)バリアの上の成分、(e)血漿、血小板、もしくはこれらの任意の組合せ(例えば、バリアの上)または(f)これらの任意の組合せの体積から選択され、
任意選択で、第3の体積が(a)第1の成分および第2の成分の全体積、(b)第1の相および第2の相の全体積、(c)試料からのすべての相の全体積、(d)試料のすべての成分の全体積、(e)試料中の血漿、血小板および血球の全体積、または(f)これらの任意の組合せから選択され、
任意選択で、遠心分離後に、第1の体積が第3の体積の(I)45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64もしくは65体積%以上、(II)45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64もしくは65体積%以下、または(III)これらの任意の組合せを占める、あるいは第1の体積がこれらを占めるようにシステムが構成され、
任意選択で、遠心分離後に、第2の体積が第3の体積の(I)35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54もしくは55体積%以上、(II)35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54もしくは55体積%以下、または(III)これらの任意の組合せを占める、あるいは第2の体積がこれらを占めるようにシステムが構成され、
任意選択で、実質的に不透過性が、(i)少なくとも管状体、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)、フロート、第1の相および第2の相を備える(またはからなる)構成要素のセットの管状体が静止しているとき、ならびに(ii)任意選択で、管状体(チキソトロピー性ゲル、フロート、第1の相および第2の相を含有する)が、開始点より7.62センチメートル(3インチ)上および開始点より7.62センチメートル(3インチ)下の振幅で、1秒あたり1、2、3または4回の完全な振動の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110または120秒にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動される後に、実質的に不透過性のバリアの対向面上の試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性が、第1の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第2の相に対するバリアを通ることが許容され、第2の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第1の相に対するバリアを通ることが許容されるよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性とは、少なくとも一般的にゲルのみのバリアが破損すると当業者が認識する条件のセット下で(例えば、例えばスプレー塗料缶を2分間振盪するような激しい振盪後)、実質的に不透過性の封止部の対向面上の試料(例えば、液体生物学的試料、例えば血液試料)の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味する、
またはこれらの任意の組合せである、条項1~70のいずれかに記載の実施形態、システム、方法または組成物。
72.任意選択で、フロートが(i)単一の一体型ピースであるか、または固定されており遠心分離中に互いに対して不動となるよう構成されている複数のピースから作製される、(ii)中実であり、アパーチャを伴わない(例えば、ポートの形態のアパーチャ、例えば、チキソトロピー性材料がアパーチャを介してフロートを通ることを許容する、チキソトロピー性材料がフロートの内腔からフロートの外部に通ることを許容する、試料の第1の相の一部分が試料の第2の相に対するバリアを通ることを許容する、試料の第2の相の一部分が試料の第1の相に対するバリアを通ることを許容する、もしくはこれらの任意の組合せであるよう構成されたアパーチャを伴わない)、内腔を伴わない、もしくはこれらの任意の組合せを伴わない)、(iii)中空であり、内腔を有し、内腔をフロートの外部に接続するアパーチャもしくはポートを有さない、(iv)すべてが最も高密度のピースの密度の+/-10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1%以内の同じ密度を有するよう構成される単一の一体型ピースもしくは複数のピースから作製される、同じ1種もしくは複数の材料から作製される、またはこれらの任意の組合せである、(v)任意選択でフロートが中実である(例えば、液体または気体状態とは対照的に固相である、充填されており中空でないという意味で、流体(例えば、チキソトロピー性材料、例えばゲル)をフロート内部からフロート外部に通すよう構成されたアパーチャを有さないという意味で、流体(例えば、第1の相の一部分、第2の相の一部分、もしくはこれらの組合せ)をバリアの第1の表面からバリアの対向面に通すよう構成されたアパーチャを有さないという意味で、またはこれらの任意の組合せ)、(vi)任意選択でフロートが単一の一体型ピースである、(vii)任意選択でフロートが非多孔質である、(viii)任意選択で、フロートが本開示に記載される相対遠心力の任意の値、範囲もしくは範囲の組合せ下で変形しないよう構成される、(ix)任意選択でフロートが複数の相互に離間された突起(例えば、隆起部)を備え、任意選択で、突起または隆起部が、フロートの中心軸、長手方向軸、長さもしくはこれらの組合せに対して平行から30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2もしくは1度以内で長手方向に配向される、または(x)これらの任意の組合せである、条項1~71のいずれかに記載の実施形態、システム、方法または組成物。
73.本出願に開示される任意の実施形態。
74.(i)実施形態、システム、方法、組成物またはこれらの任意の組合せ、(ii)(i)の任意の成分、または(ii)もしくは(i)の任意の工程が、(1)本出願に開示される任意の特徴もしくは特徴の組合せを備える、(2)本出願に開示される任意の構造もしくは構造の組合せを備える、(3)本出願に開示される任意の工程もしくは工程の組合せを備える、(4)本出願に開示される任意の様態で、もしくは任意の目的のために構成される、または(5)これらの任意の組合せである、条項1~73のいずれかに記載の実施形態、システム、方法または組成物。
【0117】
いくつかの実施形態は、値を特徴付けるために約という用語を使用して記載されたが、値に関連付けられる用語「約」を含む言語が、値の「+/-30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1%」で置き換えられるさらなる実施形態が作出されてもよい。さらに、単純に単語「約」を削除することによってさらなる実施形態が作出されてもよい。
【0118】
いくつかの実施形態は、本開示に記載される任意の実施形態、システム、方法または組成物に対して文言「実質的に不透過性」を使用して本明細書に記載されたが、任意選択で、実質的に不透過性が、(i)少なくとも管状体、チキソトロピー性材料(例えば、ゲル)、フロート、第1の相および第2の相を備える(またはからなる)構成要素のセットの管状体が静止しているとき、および(ii)任意選択で、管状体(チキソトロピー性ゲル、フロート、第1の相および第2の相を含有する)が、開始点より7.62センチメートル(3インチ)上および開始点より7.62センチメートル(3インチ)下の振幅で、1秒あたり1、2、3または4回の完全な振動の速度で、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110または120秒にわたって垂直軸に沿って開始点の周りで振動される後に、実質的に不透過性のバリアの対向面上の試料の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性が、第1の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第2の相に対するバリアを通ることが許容され、第2の相からの材料の3、2、1、0.5、0.4、0.3、0.2または0.1wt.%以下が第1の相に対するバリアを通ることが許容されるよう構成されることを意味し、任意選択で、実質的に不透過性とは、少なくとも一般的にゲルのみのバリアが破損すると当業者が認識する条件のセット下で(例えば、例えばスプレー塗料缶を2分間振盪するような激しい振盪後)、実質的に不透過性の封止部の対向面上の試料(例えば、液体生物学的試料、例えば血液試料)の第1の相と第2の相の混合を予防するよう構成されることを意味するさらなる実施形態が作出されてもよい。
【0119】
本明細書で使用される場合、物体の長手方向軸および中心軸は互換可能に使用され、いずれも対称的な物体に存在する対称性の最長軸を意味し、この物体は、例えば任意選択で試験管またはフロートの形態の管状体であってもよい。本明細書で使用される場合、長さは、2点間の距離、特定の経路もしくは軸(例えば、長手方向軸もしくは対称性の軸)に沿った距離、参照物体の表面の最も遠く離れた2点間の距離、またはこれらの任意の組合せを指す。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態が前述の明細書で開示されたが、前述の記載および関連する図面に提示される教示から利益を得る、本発明が属する分野の技術者により、多数の改変および本発明の他の実施形態が想到されることが理解される。したがって、本発明は上記で開示された特定の実施形態に制限されず、多くの改変および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれるものであることが理解される。さらに、特定の用語が本明細書および以下の特許請求の範囲で利用されるが、これらは一般的かつ説明的な意味のみで使用され、記載された本発明も以下の特許請求の範囲も制限するためのものではない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17