(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】多孔質の対流加熱器を備えるエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240926BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240926BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022525725
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2020084090
(87)【国際公開番号】W WO2021110664
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-09-21
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ライト,アレック
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-506594(JP,A)
【文献】特表2019-525726(JP,A)
【文献】特表2012-506263(JP,A)
【文献】国際公開第2018/211252(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0184711(US,A1)
【文献】特表2009-509523(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/20
A24F 40/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置であって、
エアロゾル生成基材を少なくとも部分的に受け取るように構成されたチャンバと、
前記チャンバを通って延びる空気流路と、
前記流路を通る流れの方向に前記チャンバの上流に配置され、多孔質構造を含む加熱素子を備える対流加熱器であって、前記流路を通って流れることになる空気が前記加熱素子を通過して前記チャンバに到達するように構成される、対流加熱器と、
を含み、
前記加熱素子は、焼結された金属材料からなるか又はこれを含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記金属材料の抵抗温度係数αは、0.0000~0.001の間、好ましくは0.0000~0.0009の間、より好ましくは0.0000~0.0008の間、更により好ましくは0.0000~0.0007の間、更により好ましくは0.0000~0.0006の間、更により好ましくは0.0000~0.0005の間、更により好ましくは0.0000~0.0004の間、更により好ましくは0.0000~0.0003の間、更により好ましくは0.0000~0.00025の間、更により好ましくは0.0000~0.0002の間、更により好ましくは0.0000~0.00015の間である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記金属材料は、ステンレス鋼、NiCr、CuNi、NiCrAl、及び/又はSiCrNを、好ましくはNiCrを含む、請求項1~2のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記エアロゾル生成基材の少なくとも一部分を加熱するように構成された伝導加熱構成要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記加熱素子は、バイアスプレートである第1の電極と接地プレートである第2の電極とを備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記加熱素子は、前記バイアスプレートと前記接地プレートとの間に配置される、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記バイアスプレート及び前記接地プレートのうちの少なくとも1つは、空気が前記バイアスプレート及び/又は前記接地プレートを通って流れるように構成された細孔を含む、請求項5~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記バイアスプレート及び/又は前記接地プレートの有孔率は、前記加熱素子の前記多孔質構造の有孔率よりも大きい、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記バイアスプレート及び/又は前記接地プレートの平均細孔径は、前記加熱素子の前記多孔質構造の平均細孔径よりも大きい、請求項7又は8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記バイアスプレートは、実質的に前記バイアスプレートの中央に配置されたバイアス接続を備える、請求項5~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記接地プレートは、前記接地プレートを接地する1つ又は複数の接地接続を備えており、前記1つ又は複数の接地接続は、前記接地プレートの周縁に沿った1つ又は複数の位置に配置される、請求項5~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記接地プレートは、前記1つ又は複数の接地接続に対応する位置に配置された1つ又は複数のバラスト抵抗を備える、請求項11に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記多孔質構造は、微孔質構造である、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記加熱素子の前記多孔質構造の平均細孔径は、0.025mm±0.02mm、好ましくは0.025mm±0.01mm、より好ましくは0.025mm±0.005mm、最も好ましくは0.025mm±0.0025mmの範囲内である、請求項13に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項15】
前記接地プレート及び/又は前記バイアスプレートの平均細孔径は、100~400μmの間、好ましくは150~350μmの間、より好ましくは175~325μmの間、更により好ましくは200~300μmの間、更により好ましくは225~275μmの間、最も好ましくは240~260μmの間である、請求項7~12のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、エアロゾル生成装置に関する。特に、本発明は、対流加熱素子を備えるエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル生成装置は通常、空気を加熱する対流加熱器を採用し、この空気を使用して、エアロゾル生成基材を加熱してエアロゾル又は蒸気を生成する。しかしながら、現在の対流加熱器の構成には幾つかの欠点がある。対流加熱器が加熱プレートとして構成される場合、この加熱プレートでは、加熱されることになる空気のための接触面が小さくなり、従って、不均質で弱い加熱性能がもたらされる。他の構成では、熱拡散器と組み合わされた加熱素子が採用され、熱拡散器は、加熱素子によって生成された熱を分散させるか、又は加熱器によって加熱された空気を拡散させて、エアロゾル生成基材のより均質な加熱を達成する。それは更に、加熱素子自体がより均質な態様で加熱されて、場合によっては熱暴走を回避できるように支援するという目的に役立つことがある。しかしながら、熱拡散器は能動的な加熱素子ではないので、加熱性能が欠如している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本開示の目的は、加熱性能の改善及び/又は加熱器のより均質な加熱をもたらす対流加熱器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、独立請求項の特徴によって規定される本発明によって達成される。本発明の有利な好ましい実施形態は、従属請求項の特徴によって規定される。
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、エアロゾル生成装置を提供し、このエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基材を少なくとも部分的に受け取るように構成されたチャンバと、チャンバを通って延びる空気流路と、空気流路を通る流れの方向にチャンバの上流に配置された対流加熱器と、多孔質の構造を備える加熱素子であって、空気流路を通って流れることになる空気が加熱素子を通過してチャンバに到達するように構成される加熱素子と、を含む。加熱素子の多孔質の構造により、プレート又はロッドの形状をした加熱素子と比べて、より高い体積対加熱面比がもたらされる。これにより、多孔質構造を通過する空気を効果的に且つ均質に加熱することができる。
【0006】
本発明の第1の態様による第1の好ましい実施形態では、加熱素子は、焼結された金属材料からなるか又はこれを含む。焼結された金属材料の使用は有利である、というのも、焼結処理は、例えば、金属材料の中実片から多孔質構造を生成しようと試みる場合の機械加工ステップを必要とせずに、多孔質構造を既にもたらすからである。
【0007】
本発明の前出の実施形態のいずれか1つによる第2の好ましい実施形態では、加熱素子は、低い抵抗温度係数αを有する金属材料を含む。低い抵抗温度係数を有するということは、金属材料が加熱されたときであっても、金属材料の電気抵抗は殆ど変わらないことを意味する。これは有利である、というのも、これにより、加熱素子におけるホットスポットの出現が抑制され、従って加熱器の壊滅的な故障、並びに/又はエアロゾル生成装置への及び場合によってはエアロゾル生成装置のユーザへの加熱ダメージにつながることがある熱暴走の可能性が低減されるからである。
【0008】
本発明の前出の実施形態のいずれか1つによる第3の好ましい実施形態では、抵抗温度係数αは、0.0000~0.001の間、好ましくは0.0000~0.0009の間、より好ましくは0.0000~0.0008の間、更により好ましくは0.0000~0.0007の間、更により好ましくは0.0000~0.0006の間、更により好ましくは0.0000~0.0005の間、更により好ましくは0.0000~0.0004の間、更により好ましくは0.0000~0.0003の間、更により好ましくは0.0000~0.00025の間、更により好ましくは0.0000~0.0002の間、更により好ましくは0.0000~0.00015の間である。
【0009】
本発明の第1~第3の好ましい実施形態のいずれか1つによる第4の好ましい実施形態では、金属材料は、ステンレス鋼、NiCr、CuNi、NiCrAl、及び/又はSiCrNを、好ましくはNiCrを含む。
【0010】
本発明の前出の実施形態のいずれか1つによる第5の好ましい実施形態では、エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基材の少なくとも一部分を加熱するように構成された伝導加熱構成要素を含む。追加の伝導加熱器を有することにより、エアロゾル生成装置は、例えば、タバコベースのエアロゾル生成基材などの、伝導加熱を必要とする又は好むエアロゾル生成基材からエアロゾルを生成することができる。
【0011】
本発明の前出の実施形態のいずれか1つによる第6の好ましい実施形態では、加熱素子は、バイアスプレートである第1の電極と接地プレートである第2の電極とを備えている。プレートの形状でバイアスコンタクト及び接地コンタクトを設けることにより、加熱素子を通る電流が空間的により一様になるおかげで、加熱素子のより均質な加熱を達成することができる。一例として、3Vより大きな、好ましくは4Vより大きな、より好ましくは5Vより大きな、最も好ましくは6Vより大きな電圧が、バイアスプレートに印加されることがある。
【0012】
本発明の第6の好ましい実施形態による第7の好ましい実施形態では、加熱素子は、バイアスプレートと接地プレートとの間に配置される。これにより更に、そのような配置に起因するより均質な電場のおかげで、加熱素子のより均質な加熱がもたらされる。
【0013】
本発明の第6~第7の好ましい実施形態のいずれか1つによる第8の好ましい実施形態では、バイアスプレート及び接地プレートのうちの少なくとも1つは、空気がそのバイアスプレート及び/又は接地プレートを通って流れるように構成された細孔を含む。バイアスプレート及び/又は接地プレート内に細孔を設けることにより、バイアスプレート及び/又は接地プレートが設けられる側面から空気が加熱素子を通過することができ、従って、加熱素子を通る空気流量が増加する。
【0014】
前出の実施形態による第9の好ましい実施形態では、バイアスプレート及び/又は接地プレートの有孔率は、加熱素子の多孔質構造の有孔率よりも大きく、本発明の第8又は第9の好ましい実施形態のいずれか1つによる第10の好ましい実施形態では、バイアスプレート及び/又は接地プレートの平均細孔径は、加熱素子の多孔質構造の平均細孔径よりも大きい。これら2つの実施形態は有利である、というのも、それらにより、バイアスプレート及び/又は接地プレートではなく、加熱素子が、加熱素子を通る空気流量の律速因子となり、従って、加熱素子を通過する空気の十分な供給が確実になるからである。
【0015】
本発明の第7~第10の好ましい実施形態のいずれか1つによる第11の好ましい実施形態では、バイアスプレートは、実質的にバイアスプレートの中央に配置されたバイアス接続を備えている。
【0016】
本発明の第7~第11の好ましい実施形態のいずれか1つによる第12の好ましい実施形態では、接地プレートは、接地プレートを接地する1つ又は複数の接地接続を備えており、この1つ又は複数の接地接続は、接地プレートの周縁に沿った1つ又は複数の位置に配置される。接地接続は、接地プレートのための改善された又はより安定した接地接続を提供することを支援することができる。
【0017】
第14の実施形態による第13の好ましい実施形態では、接地プレートは、1つ又は複数の接地接続に対応する位置に配置された1つ又は複数のバラスト抵抗を備えている。接地接続と共に設けられるバラスト抵抗により、加熱素子の信頼性及び耐用寿命が向上する、というのも、バラスト抵抗は、各接地接続での電流の差異を相殺し、従ってより空間的に均質な電流が加熱素子を通ること、従って、加熱素子がより空間的に均質に加熱されることを確実にするからである。
【0018】
本発明の前出の実施形態のいずれかによる第14の好ましい実施形態では、多孔質構造は、微孔質構造である。
【0019】
本発明の第14の好ましい実施形態による第15の好ましい実施形態では、加熱素子の多孔質構造の平均細孔径は、0.025mm±0.02mm、好ましくは0.025mm±0.01mm、より好ましくは0.025mm±0.005mm、最も好ましくは0.025mm±0.0025mmの範囲内である。
【0020】
本発明の第10~第13の好ましい実施形態のいずれか1つによる第16の好ましい実施形態では、接地プレート及び/又はバイアスプレートの平均細孔径は、100~400μmの間、好ましくは150~350μmの間、より好ましくは175~325μmの間、更により好ましくは200~300μmの間、更により好ましくは225~275μmの間、最も好ましくは240~260μmの間である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態による対流加熱器を有するエアロゾル生成装置の概略断面図を示す。
【
図2A】本発明の実施形態による対流加熱器の概略斜視図を示す。
【
図2B】本発明の実施形態によるバイアスプレートの概略上面図を示す。
【
図2C】本発明の実施形態による接地プレートの概略上面図を示す。
【
図2D】本発明の実施形態による加熱素子の概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態について、添付の図面と共に、追って本明細書で説明する。
【0023】
図1で示すように、エアロゾル生成装置100はハウジング110を含むことがある。ハウジング110は、チャンバ120内でエアロゾルを生成するためのエアロゾル生成基材105を少なくとも部分的に受け取ることができるチャンバ120を収容することができるように、構成されている。チャンバ120は、エアロゾル生成基材105をチャンバ120の中に少なくとも部分的に挿入することができるように、エアロゾル生成装置100の一つの側面に対して開いていることがある。エアロゾル生成基材105は、e-vapor又はt-vaporに基づくエアロゾルに適した任意の基材であり得る。エアロゾル生成基材105は、例えば、刻みタバコ及び粒状タバコなどの様々な形態のタバコ材料を含んでいることがあり、且つ/又はタバコ材料は、t-vaporに適している場合にはタバコ葉及び/若しくは再構成タバコを含んでいることがある。
【0024】
エアロゾル生成装置100は、チャンバ120を通って延びる空気流路の上流に配置された対流加熱器200を備える。空気流路は、例えば、エアロゾル生成基材105を少なくとも部分的に受け取るための開口部が受け取られることがあるハウジング110の側面の反対側の開口部によって実現されることがある。更に又はその代わりに、図には示されていないが、任意の適切位置でエアロゾル生成装置100の外側に向けて開いている入口開口部から対流加熱器200の上流に配置された出口開口部まで、出口開口部を出てゆく空気の少なくとも一部分が対流加熱器200を通るように延びる、ハウジング内に設けられた1つ又は複数の空気流チャネルによって、空気流路が実現されることもある。対流加熱器200は、
図2A、
図2B、
図2C、及び
図2Dの文脈において以下に説明するような対流加熱器であり得る。更に、チャンバ120内に少なくとも部分的に受け取られたエアロゾル生成基材が伝導により加熱されるように、伝導加熱器150が設けられることがある。これは、伝導加熱器150がエアロゾル生成基材の少なくとも一部分を直接的に加熱するように、伝導加熱器150によって達成することができる。更に又はその代わりに、伝導加熱器は、伝導加熱器150がチャンバ120の壁を加熱して、それによりチャンバ壁が伝導によりエアロゾル生成基材の少なくとも一部分を加熱するように、設けられることがある。伝導加熱器150は、エアロゾル生成基材を直接的に又は間接的に加熱するのに適した任意のタイプの加熱器であり得る。例えば、伝導加熱器150は、抵抗加熱用の導電性加熱トラックと、絶縁材料を含む1つ又は複数のベース層と、を備えるフィルムヒーターであり得る。絶縁材料は、ポリイミド、シリコーン、及び/又はPEEKなどの樹脂材料であり得る。
【0025】
エアロゾル生成装置は更に、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成装置に電力を供給するための、電池などの、可搬型電源130を備えることがある。更に、エアロゾル生成装置100を動作させる且つ/又は制御するための任意の機能を制御するために、制御回路140が設けられることがある。可搬型電源130を任意の適切な手段によって充電することができるように、充電ポート141が設けられることがある。更に又はその代わりに、可搬型電源130は交換可能/入替可能であり得る。
【0026】
図2A~
図2Dに示すように、対流加熱器200は、多孔質構造を有する加熱素子210を含む。多孔質構造を有する加熱素子210は、円形の基礎形状を有する実質的にプレート状であるものとして示されているが、加熱素子は、加熱素子210を通過する空気を加熱するのに適した任意の形状又は形態のものであり得る。エアロゾル生成装置100及び/又はチャンバ120の構成及び寸法に応じて、加熱素子210はその代わりに、例えば、棒状、立方体状、又は球状であり得る。多孔質構造210を有する加熱素子210は、空気が加熱素子210を通過できるようにする複数の加熱素子細孔211を含む。加熱素子210は、焼結された金属材料からなるか又はこれを含むことがある。金属材料は、低い抵抗温度係数αを有する任意の金属材料であり得る。抵抗係数αは、0.0000~0.001の間、好ましくは0.0000~0.0009の間、より好ましくは0.0000~0.0008の間、更により好ましくは0.0000~0.0007の間、更により好ましくは0.0000~0.0006の間、更により好ましくは0.0000~0.0005の間、更により好ましくは0.0000~0.0004の間、更により好ましくは0.0000~0.0003の間、更により好ましくは0.0000~0.00025の間、更により好ましくは0.0000~0.0002の間、最も好ましくは0.0000~0.00015の間であり得る。金属材料は、ステンレス鋼、NiCr、CuNi、NiCrAl、及び/若しくはSiCrN、好ましくはNiCrを、又は類似の特徴を持つ任意の金属材料を含むことがある。加熱素子細孔211は、実質的に同じ寸法の且つ/又は実質的に同じ形状のものであり得る。加熱素子細孔211はそれぞれ、異なる寸法及び/又は異なる形状のものであってもよい。加熱素子210の多孔質構造の平均細孔径は、0.025mm±0.02mm、好ましくは0.025mm±0.01mm、より好ましくは0.025mm±0.005mm、最も好ましくは0.025mm±0.0025mmの範囲内であり得る。
【0027】
バイアスプレート220が加熱素子210の第1の側面上に設けられることがあり、接地プレート230が、加熱素子の第1の側面と反対側の第2の側面上に設けられることがある。バイアスプレート220及び接地プレート230は、実質的にプレート状をしており、実質的に加熱素子210の第1又は第2の側面の全体を覆うように示されているが、それらのプレートは任意の適切な形状及び寸法のものとすることができ、加熱素子210の第1及び/又は第2の側面の全体又は一部分のみを覆うことができる。更に、バイアスプレートは、接地プレートが設けられていない加熱素子210の任意の側面に設けることができる。
図2Aに示すように、バイアスプレート220の厚さは、加熱素子210の厚さよりも薄い。バイアスプレート220の厚さは、好ましくは最大で加熱素子210の厚さの80%、より好ましくは最大で70%、更により好ましくは最大で60%、最も好ましくは最大で50%である。これにより、空気がタバコ物品に到達する前に冷却される可能性が最小限に抑えられる。バイアスプレート220及び/又は接地プレート230は、空気がバイアスプレート及び/又は接地プレートを通って流れることができるように構成された複数の細孔221/231を含むことがある。バイアスプレート細孔221及び/又は接地プレート細孔231のそれぞれは、実質的に同じ寸法及び/又は実質的に同じ形状のものであり得る。或いは、バイアスプレート細孔221及び/又は接地プレート細孔231のそれぞれは、異なる寸法及び/又は異なる形状のものであり得る。更に、複数の細孔の寸法、形状、及び/又は平均寸法のいずれか1つに関して、バイアスプレートの多孔質構造は、接地プレートの多孔質構造と比較して、同じであっても又は異なっていてもよい。
【0028】
バイアスプレート220及び/又は接地プレート230の有孔率は、加熱素子の多孔質構造の有孔率よりも大きいことがある。更に、バイアスプレート220及び/又は接地プレート230の複数の細孔221/231の平均細孔径は、加熱素子210の多孔質構造の平均細孔径よりも大きいことがある。更に、バイアスプレートは、バイアスプレートの実質的に中央に配置されたバイアス接続222を介して、接触させることができる。バイアスプレートは、1つ又は複数の位置で1つ又は複数のバイアス接続222を介して接触させることもできる。
【0029】
接地プレートは、接地接続を実現するために接地プレート230の外周に沿った1つ又は複数の位置に配置されることがある1つ又は複数の接地接続232を備えていることがある。更に、1つ又は複数のバラスト抵抗232が、この1つ又は複数の接地接続の位置に対応する位置で、接地プレート230に設けられることがある。1つ若しくは複数の接地接続232及び/又は1つ若しくは複数のバラスト抵抗232は、
図2A及び
図2Cでは、接地プレート230の外周に沿って互いに等距離の位置に配置されるように示されているが、1つ若しくは複数の接地接続232及び/又は1つ若しくは複数のバラスト抵抗232は、例えば、加熱素子210及び/又はチャンバの幾何学的な又は構造上のパラメータに起因して必要な場合、接地プレート230の外周に沿った位置間に任意の適切な距離を有する任意の適切な位置に配置されることがある。
【0030】
なお、チャンバ120、加熱器200、加熱素子210、バイアスプレート220、接地プレート230、又はそれらの任意の組み合わせのうちのいずれのものも、
図2A~
図2Dに示される円形の基礎の代わりに、楕円形、矩形、多角形、又は不規則な形状をした基礎プロファイルなどの、任意の適切な形状をした基礎を有することができることに留意されたい。
【0031】
本開示では、特定の実施形態及び一般的に関連する方法について説明してきたが、それらの実施形態及び方法の変形例及び置き換え例が、当業者には明らかであろう。従って、例示的な実施形態についての上記の説明は、本開示を規定又は制限するものではない。独立請求項及び従属請求項によって規定される本開示の範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、及び改変も可能である。
【符号の説明】
【0032】
100 エアロゾル生成装置
105 エアロゾル生成基材
110 ハウジング
120 チャンバ
130 電源
140 PCB/制御回路
141 充電ポート
150 伝導加熱器
200 対流加熱器
210 多孔質構造を有する加熱素子
211 加熱素子細孔
220 バイアスプレート
221 バイアスプレート細孔
222 バイアス接続
230 接地プレート
231 接地プレート細孔
232 接地接続/バラスト抵抗