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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】電池管理システムと給電機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/42 20060101AFI20240926BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240926BHJP
【FI】
H01M10/42 P
H01M10/48 P
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022557161
(86)(22)【出願日】2022-05-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2022094473
(87)【国際公開番号】W WO2023115804
(87)【国際公開日】2023-06-29
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】202111598891.1
(32)【優先日】2021-12-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524304976
【氏名又は名称】香港時代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY (HONG KONG) LIMITED
【住所又は居所原語表記】LEVEL 19, CHINA BUILDING, 29 QUEEN’S ROAD CENTRAL, CENTRAL, CENTRAL AND WESTERN DISTRICT, HONG KONG, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李佳瑩
【審査官】赤穂 嘉紀
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206579487(CN,U)
【文献】特開2021-185580(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105843763(CN,A)
【文献】特開2019-215964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/42-10/48
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池管理システムであって、
第一の電池管理モジュールと、
前記第一の電池管理モジュールと通信接続を行う第二の電池管理モジュールとを含み、
前記第二の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルを含むコーディング検出回路を含み、
前記第一の電池管理モジュールは、前記複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてデジタルシグナルを確定し、前記デジタルシグナルの数字配列の組み合わせをコーディングデータとして決定し、前記コーディングデータに基づいて前記第二の電池管理モジュールを身元認証するために用いられ、
前記サンプリングチャンネルは、電源端に接続されるか又は接地されるための設置チャンネルと、ワイヤーハーネスを介して前記設置チャンネルに接続され、又は分圧抵抗を介して前記設置チャンネルに接続されるための調節チャンネルとを含む、電池管理システム。
【請求項2】
前記第一の電池管理モジュールはさらに、予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力するために用いられる、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項3】
前記第一の電池管理モジュールはさらに、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力するために用いられる、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項4】
前記第二の電池管理モジュールは、対応する前記コーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続されているBMU低圧コネクタをさらに含む、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項5】
前記BMU低圧コネクタはさらに、外部低圧コネクタに接続されている、請求項4に記載の電池管理システム。
【請求項6】
前記第一の電池管理モジュールと前記第二の電池管理モジュールとの間でシリアル通信を行っている、請求項1に記載の電池管理システム。
【請求項7】
前記第一の電池管理モジュールと前記第二の電池管理モジュールとの間で、CANインターフェースを介してシリアル通信を行っている、請求項6に記載の電池管理システム。
【請求項8】
電池パックと、請求項1から7のいずれか一つに記載の電池管理システムとを含む、給電機器。
【請求項9】
各前記電池パックは、外部負荷にパラレルに給電する、請求項8に記載の給電機器。
【請求項10】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電池管理システムに用いられる電池管理方法であって、
前記第一の電池管理モジュールは、前記複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてデジタルシグナルを確定し、前記デジタルシグナルの数字配列の組み合わせをコーディングデータとして決定し、前記コーディングデータに基づいて前記第二の電池管理モジュールを身元認証することを含む、電池管理方法。
【請求項11】
前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電池管理システムに用いられる電池管理装置であって、
前記複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてデジタルシグナルを確定し、前記デジタルシグナルの数字配列の組み合わせをコーディングデータとして決定するための決定ユニットと、
前記コーディングデータに基づいて前記第二の電池管理モジュールを身元認証するための認証ユニットとを含む、電池管理装置。
【請求項14】
前記装置は、
予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出するための検出ユニットと、
前記検出ユニットが、誤ったコーディングデータが存在することを検出した場合、故障提示情報を出力するための第一の提示ユニットとをさらに含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記装置は、
受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断するための判断ユニットと、
前記判断ユニットが、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しないことを検出した場合、故障提示情報を出力するための第二の提示ユニットとをさらに含む、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池技術分野に関し、特に電池管理システムと給電機器に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年12月24日に提出された名称が「電池管理システムと給電機器」である中国特許出願202111598891.1の優先権を主張しており、この出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
【背景技術】
【0003】
電池管理システム(Battery Management System、BMS)は、電池とユーザとの間の絆であり、主な対象は、二次電池であり、電池の利用率を向上させ、電池に過充電と過放電の現象が現れることを防止し、電池の使用寿命を延長し、電池状態をモニタリングする目的を達成することができることを目的としている。複数のBMS間で身分識別を行うために、従来の方法としては、以下の通りである。ソフトウェアシリアルコーディング方案を使用し、マスター制御ユニットは、コーディング信号をスレーブ制御ユニットに送信し、スレーブ制御ユニットは、コーディング信号を順次に受信した後にコーディングし、現在のコーディングとコーディング信号を次のスレーブ制御ユニットに送信し、全てのスレーブ制御ユニットは、コーディングを完了した後、コーディング完了フラグと現在のコーディング数をマスター制御ユニットに戻す。コーディング過程においていずれか一つのスレーブ制御ユニットに問題が発生すると、後続のスレーブ制御ユニットもコーディングし続けることができず、管理信頼性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づき、上記問題について、管理信頼性を向上させることができる電池管理システムと給電機器を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
電池管理システムであって、
第一の電池管理モジュールと、
前記第一の電池管理モジュールと通信接続を行う第二の電池管理モジュールとを含み、
前記第二の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルを含むコーディング検出回路を含み、
前記第一の電池管理モジュールは、前記複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定し、前記コーディングデータに基づいて前記第二の電池管理モジュールを身元認証するために用いられる。
【0006】
上記電池管理システムは、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定してから、第二の電池管理モジュールのコーディングデータを身元認証し、認証結果を得る。第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0007】
そのうちの一実施例では、前記第一の電池管理モジュールはさらに、予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力するために用いられる。コーディングデータが誤っている場合、故障提示情報を出力し、故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0008】
そのうちの一実施例では、前記第一の電池管理モジュールはさらに、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力するために用いられる。受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力し、同様に故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0009】
そのうちの一実施例では、前記コーディング検出回路のサンプリングチャンネルは、電源端に接続されるか又は接地されるための設置チャンネルと、ワイヤーハーネスを介して設置チャンネルに接続され、又は分圧抵抗を介して設置チャンネルに接続されるための調節チャンネルとを含む。コーディング検出回路の設置チャンネルを電源端に接続し、又は接地し、調節チャンネルは、ワイヤーハーネス又は分圧抵抗の方式で設置チャンネルに接続され、一部のチャンネルの電圧を固定させ、残りのチャンネル電圧を調整可能な方式で各チャンネルの電圧を設置することによって、電池管理モジュールのコーディング情報を調節可能にすることを実現する。
【0010】
そのうちの一実施例では、前記第二の電池管理モジュールは、電池管理ユニット(Battery Management Unit、BMUと略称される)低圧コネクタをさらに含み、前記BMU低圧コネクタは、対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続されている。BMU低圧コネクタを対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続することは、配置されていないチャンネルに対して電圧設置を行うことに便利である。
【0011】
そのうちの一実施例では、前記BMU低圧コネクタはさらに、外部低圧コネクタに接続されている。外部低圧コネクタを利用してコーディング検出回路において配置されていないチャンネルをすでに配置されたチャンネルに接続し、電池管理モジュールに対するコーディング配置を実現し、且つ電池管理モジュールの体積を減らすこともできる。
【0012】
そのうちの一実施例では、前記第一の電池管理モジュールと前記第二の電池管理モジュールとの間でシリアル通信を行っている。第一の電池管理モジュールと第二の電池管理モジュールとの間でシリアル通信を行うことは、電池管理モジュール間のコーディングデータの伝送と集約に便利である。
【0013】
そのうちの一実施例では、前記第一の電池管理モジュールと前記第二の電池管理モジュールとの間で、コントローラローカルエリアネットワーク(Controller Area Network、CANと略称される)インターフェースを介してシリアル通信を行い、データ通信のリアルタイム性が強い。
【0014】
電池パックと、上記電池管理システムとを含む給電機器である。
【0015】
上記給電機器は、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定してから、第二の電池管理モジュールのコーディングデータを身元認証し、認証結果を得る。第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0016】
そのうちの一実施例では、各前記電池パックは、外部負荷にパラレルに給電する。各電池パックは、パラレル方法を採用して外部負荷に給電し、外部負荷に高圧給電を提供することができる。
【0017】
上記に記載の電池管理システムに用いられる電池管理方法であって、
前記第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定し、前記コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証することを含む。これで分かるように、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、第一の電池管理モジュールが、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0018】
そのうちの一実施例では、前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力することをさらに含む。コーディングデータが誤っている場合、故障提示情報を出力し、故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0019】
そのうちの一実施例では、前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力することをさらに含む。受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力し、同様に故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0020】
上記に記載の電池管理システムに用いられる電池管理装置であって、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定するための決定ユニットと、
前記コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証するための認証ユニットとを含む。
【0021】
上記電池管理装置は、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、電池管理装置が、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0022】
そのうちの一実施例では、前記装置は、
予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出するための検出ユニットと、
前記検出ユニットが、誤ったコーディングデータが存在することを検出した場合、故障提示情報を出力するための第一の提示ユニットとをさらに含む。コーディングデータが誤っている場合、故障提示情報を出力し、故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0023】
そのうちの一実施例では、前記装置は、
受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断するための判断ユニットと、
前記判断ユニットが、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しないことを検出した場合、故障提示情報を出力するための第二の提示ユニットとをさらに含む。受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力し、同様に故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施例における電池管理システムの接続概略図である。
図2】一実施例における内接電源とGNDとを含むBMSサンプリング概略図である。
図3】一実施例における外接ワイヤーハーネスが接続して連係されるBMSサンプリング概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、添付図面及び実施例を結び付けながら、本出願をさらに詳細に説明する。理解すべきことは、ここに記述される具体的な実施例は、本出願を解釈するだけに用いられ、本出願を限定するために用いられない。
【0026】
特に定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術と科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じである。本明細書で、本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を記述するためにのみ使用され、本出願を制限することを意図するものではない。
【0027】
なお、一つの素子が別の素子に「接続」されていると考えられる場合、それは、別の素子に直接接続されてもよく、又は中央素子を介して別の素子に接続することであってもよい。以下の実施例における「接続」は、接続されている回路、モジュール、ユニットなどが互に電気信号又はデータの伝達を有する場合、「電気接続」、「通信接続」などと理解されるべきである。
【0028】
ここで使用する場合、単数形の「一」、「一つの」と「前記/この」は、コンテキストが他の方法を明確に指摘しない限り、複数の形式を含んでもよい。さらに理解すべきことは、用語である「包括/包含」又は「有する」などは、記述されている特徴、全体、ステップ、操作、コンポーネント、一部又はそれらの組み合わせの存在を指定するが、一つ又はより多くの他の特徴、全体、ステップ、操作、コンポーネント、一部又はそれらの組み合わせが存在し、又は追加される可能性が排除されない。同時に、本明細書で使用されている用語は、記載のプロジェクトに関連する任意及び全ての組み合わせを含む。
【0029】
背景技術に記述されているように、従来で使用されるソフトウェアのシリアルコーディング方案では、マスター制御ユニットは、コーディング信号をスレーブ制御ユニットに送信し、スレーブ制御ユニットは、コーディング信号を順次に受信した後にコーディングし、現在のコーディングとコーディング信号を次のスレーブ制御ユニットに送信する。全てのスレーブ制御ユニットは、コーディングを完了した後、コーディング完了フラグと現在のコーディング数をマスター制御ユニットに戻す。シリアルコーディングのため、スレーブ制御ユニット数が多くなると、かなりの時間がかかる。コーディング過程においていずれか一つのスレーブ制御ユニットに問題が発生すると、後続のスレーブ制御ユニットもコーディングし続けることができない。
【0030】
現在、電気自動車の一つの大きな競争力は、航続距離であり、より大きな航続距離に達するために、現在、プロジェクトに配備されている電気ボックスは、ますます多くなっている。電気自動車以外にも、電気船、エネルギー貯蔵システムなどは、いずれもより多くの電気ボックスを追求してより多くの電力量を得る。これに伴い、電池コア数が急増し、BMU、SPI及びCAN-Busのloadingが高過ぎ、単一のBMUがすでに複数の電気ボックス情報処理需要を満たすことができないリスクがある。
【0031】
そのため、現在急速に発展しているアーキテクチャは、マスタースレーブBMSアーキテクチャであり、即ち全体システムは、一つのマスターBMSによってマスターコントロールと対外インタラクションが行われ、システムにおける各電池パック又は各分岐路には、データ収集及びモニタリングを行うスレーブBMSが追加配備されており、マスターBMSとリアルタイムで通信することである。このアーキテクチャは、マルチパックシステム及び各単体の制御可能性を効果的に向上させることができる。
【0032】
このようなマスタースレーブアーキテクチャについて、複数のBMS間の身分識別は、主なポイントである。各BMS身分を識別できない場合、具体的な障害パケットを正確に特定することができない。また、身分識別と関連検出がなければ、電池パックの予期しない切断、デフォルト、ひいては余分なリスクが存在する。これに基づき、本方案は、マルチ電気ボックスシステムについて、簡単で迅速なBMSが硬線コーディング検出と身分識別に基づく方案を提供し、マルチ電気ボックスシステムには、異なるワイヤーハーネスで接続され、ウェイクアップ後のごく短時間内(100ミリ秒(ms)内)で全ての電気ボックスの身分を取得し、各電気ボックスの接続状況を診断することができることを意図している。任意の電気ボックスの欠落又は接続故障は、残りの電気ボックスの身分識別と診断にまったく影響しない。固定されるワイヤーハーネス接続は、ユニークな身分コーディングに対応し、即ち、コーディングを知ると、必ずすぐに対応する電気ボックスに正確に位置付けることができ、故障点検、電気ボックス点検及びメンテナンスに便利を提供する。開電気ボックス間の身分識別を除き、飛行機/車両/船/エネルギー貯蔵のようなキャリア分類、キャリアタイプの細分化(例えば、一つのプロジェクトは、S/M/L型車種が同時に存在し得る)を識別することができる。
【0033】
一実施例では、電池管理システムを提供した。電池は、車載又は他の機器への給電を行ってもよく、理解の便宜上、以下、いずれも電池を車載給電として用いる例を例にして解釈して説明する。図1に示すように、電池管理システムは、第一の電池管理モジュールと、第二の電池管理モジュールとを含み、第二の電池管理モジュールは、第一の電池管理モジュールと通信接続を行っている。第二の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルを含むコーディング検出回路を含み、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定し、コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証するために用いられる。
【0034】
そのうち、第一の電池管理モジュールと第二の電池管理モジュールは、いずれも電池管理システム(BMS)を採用することができる。第一の電池管理モジュールは、マスターBMSとして、第二の電池管理モジュールに対してコーディング検出と身分識別を行う。第二の電池管理モジュールの数は、一つであってもよく、複数であってもよい。なお、第一の電池管理モジュールには、複数のサンプリングチャンネルを含むコーディング検出回路がさらに設置されてもよく、自体のコーディングデータを識別するために用いられる。理解の便宜上、以下、第一の電池管理モジュールと第二の電池管理モジュールがBMSであり、且ついずれもコーディング検出回路が設置されていることを例にして解釈して説明する。
【0035】
マルチ電気ボックスシステムにおける各電気ボックスには、電池パックとBMSが対応して配置されており、電池パックは、一つ又は複数の直列に接続される電池を含んでもよく、BMSは、電池パックに対する充放電管理として使用されている。電池パックとBMSの数は、一意ではない。例えば、図1に示すように、電池パックは、Battery Pack 1、Battery Pack 2、…、Battery Pack Nを含んでもよく、BMSは、BMS 1、BMS 2、…、BMS Nを含む。電池パック間で、外部負荷にパラレルに給電し、車載給電を例にして、電池パックのシリアル後、車両高圧線路に接続し、車両に給電するように高圧電力を出力する。各電池パックは、パラレル方法を採用して外部負荷に給電し、外部負荷に高圧給電を提供することができる。異なるBMS間でシリアル又はハイブリットの方式を採用して接続することができ、本実施例において、BMS間でシリアル通信を行っている。各BMS間でシリアル通信を行い、BMS間のコーディングデータの伝送と集約に便利である。さらに、一実施例において、各BMS間でCANインターフェースを介してシリアル通信を行い、データ通信のリアルタイム性が強い。なお、各BMSは、CANインターフェースを介してシリアル通信を行った後、さらに車両制御ユニット(Vehicle Control Unit)に接続されて通信する。
【0036】
具体的には、各電気ボックスにおけるBMSは、ウェイクアップされた後にコーディング検出回路における一部又は全てのサンプリングチャンネルの電圧を取得し、各サンプリングチャンネルの電圧の組み合わせ方式に基づいて電気ボックスの身分を決定する。検出回路において、各サンプリングチャンネルの電圧は、電源端、接地端又は分圧抵抗に接続されることによって設置されてもよい。例えば、回路設置を介して全てのサンプリングチャンネルを電源端又は接地端にそれぞれ接続してもよく、回路設置を介して一部のサンプリングチャンネルを電源端又は接地端に接続してから、他のサンプリングチャンネルをすでに設置されたチャンネルに接続してもよく、同様に全てのチャンネルに対する電圧設置を実現することができる。
【0037】
一実施例では、コーディング検出回路のサンプリングチャンネルは、電源端に接続されるか又は接地されるための設置チャンネルと、ワイヤーハーネスを介して設置チャンネルに接続され、又は分圧抵抗を介して設置チャンネルに接続されるための調節チャンネルとを含む。コーディング検出回路の設置チャンネルを電源端に接続し、又は接地し、調節チャンネルは、ワイヤーハーネス又は分圧抵抗の方式で設置チャンネルに接続され、一部のチャンネルの電圧を固定させ、残りのチャンネル電圧を調整可能な方式で各チャンネルの電圧を設置することによって、電池管理モジュールのコーディング情報を調節可能にすることを実現する。
【0038】
さらに、一実施例では、図2に示すように、第二の電池管理モジュールは、対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続されているBMU低圧コネクタ(BMU LV connector)をさらに含む。具体的には、サンプリングチャンネルは、チャンネルChannel 1、チャンネルChannel 2、チャンネルChannel 3、チャンネルChannel 4、…、チャンネルChannel Nを含み、チャンネルChannel 1とチャンネルChannel 5を設置チャンネルとして、残りのチャンネルを調節チャンネルとすることができる。そのうち、チャンネルChannel 1は、電源端に接続され、具体的に12ボルト(V)電圧にアクセスし、チャンネルChannel 5は、接地される。BMU低圧コネクタを対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続することは、配置されていないチャンネルに対して電圧設置を行うことに便利である。
【0039】
なお、一実施例では、BMU低圧コネクタはさらに、外部低圧コネクタに接続されている。外部低圧コネクタを利用してコーディング検出回路において配置されていないチャンネルをすでに配置されたチャンネルに接続し、電池管理モジュールに対するコーディング配置を実現し、且つ電池管理モジュールの体積を減らすこともできる。図3に示すように、車載給電を例にすると、外部低圧コネクタは、車両低圧コネクタ(Vehicle LV connector)である。車両低圧コネクタを利用して他のサンプリングチャンネルをそれぞれチャンネルChannel 1又はチャンネルChannel 5に接続し、各チャンネルのサンプリング結果は、高レベル12V、又は低レベル0Vに分け、結果を1-高レベル、0-低レベルにデジタル化して処理する。このように、BMSが、各サンプリングチャンネルで該当する電圧を収集することができ、その後、BMSが、収集した電圧をデジタルシグナルとして処理すると、全てのチャンネルは、ユニークな数字配列の組み合わせに組み合わせることができ、このような配列は、電気ボックスにユニークなコーディング身分を付与している。そのうち、BMSが一つのサンプリングチャンネルの電圧を収集する場合、処理して得られた一つの数字をコーディングデータとする。BMSが複数のサンプリングチャンネルの電圧を収集する場合、処理して得られた複数の数字配列の組み合わせをコーディングデータとする。
【0040】
マスターBMSは、全てのBMSのコーディングデータを取得した後、コーディングデータを身元認証し、該当する電気ボックスの身分情報を取得する。具体的には、マスターBMSは、コーディングデータに基づいて分析して電気ボックス身分、キャリア分類とキャリアタイプなどの情報を得て、認証結果とすることができる。最後に、マスターBMSはさらに、得られた認証結果を車両制御ユニットに出力することができる。
【0041】
一実施例では、第一の電池管理モジュールは、予め設定される定義範囲に基づいて第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力するためにさらに用いられる。コーディングデータが誤っている場合、故障提示情報を出力し、故障点検をタイムリーに行うことに便利である。マルチチャンネル組み合わせで電気ボックス身分を設定するコーディングが事前に規定されているため、コーディング値が定義範囲内でなければ、応答故障を報告することができ、例えば、故障提示情報を車両制御ユニットに提出して、ハードウェアの検出とメンテナンスの必要があるように注意する。
【0042】
さらに、一実施例では、第一の電池管理モジュールはさらに、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力するために用いられる。受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力し、同様に故障点検をタイムリーに行うことに便利である。具体的には、完成車の連係によって、例えば統一的な診断サービス(Unified Diagnostic Services、UDSと略称される)により完成車がラインオフする際に規定される電気ボックス数を入力することによって、マスターBMSは、現在リアルタイムで収集した電気ボックス数と予め設定される値とを比較することができる。一致しない場合、同様に故障提示情報を車両制御ユニットに出力し、故障警報の方法で電気ボックスの点検及び通信を完成車に注意することができる。
【0043】
上記電池管理システムは、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定してから、第二の電池管理モジュールのコーディングデータを身元認証し、認証結果を得る。第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0044】
一実施例では、電池パックと、上記電池管理システムとを含む給電機器をさらに提供した。そのうち、各電池パックは、外部負荷にパラレルに給電する。各電池パックは、パラレル方法を採用して外部負荷に給電し、外部負荷に高圧給電を提供することができる。
【0045】
具体的には、電池管理システムは、第一の電池管理モジュールと、第二の電池管理モジュールとを含み、第二の電池管理モジュールは、第一の電池管理モジュールと通信接続を行っている。第二の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルを含むコーディング検出回路を含み、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定し、コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証するために用いられる。
【0046】
一実施例では、コーディング検出回路のサンプリングチャンネルは、電源端に接続されるか又は接地されるための設置チャンネルと、ワイヤーハーネスを介して設置チャンネルに接続され、又は分圧抵抗を介して設置チャンネルに接続されるための調節チャンネルとを含む。コーディング検出回路の設置チャンネルを電源端に接続し、又は接地し、調節チャンネルは、ワイヤーハーネス又は分圧抵抗の方式で設置チャンネルに接続され、一部のチャンネルの電圧を固定させ、残りのチャンネル電圧を調整可能な方式で各チャンネルの電圧を設置することによって、電池管理モジュールのコーディング情報を調節可能にすることを実現する。
【0047】
さらに、一実施例では、第二の電池管理モジュールは、BMU低圧コネクタをさらに含み、BMU低圧コネクタは、対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続されている。BMU低圧コネクタを対応するコーディング検出回路のサンプリングチャンネルに接続することは、配置されていないチャンネルに対して電圧設置を行うことに便利である。
【0048】
なお、一実施例では、BMU低圧コネクタはさらに、外部低圧コネクタに接続されている。外部低圧コネクタを利用してコーディング検出回路において配置されていないチャンネルをすでに配置されたチャンネルに接続し、電池管理モジュールに対するコーディング配置を実現し、且つ電池管理モジュールの体積を減らすこともできる。
【0049】
一実施例では、第一の電池管理モジュールは、予め設定される定義範囲に基づいて第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力するためにさらに用いられる。コーディングデータが誤っている場合、故障提示情報を出力し、故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0050】
さらに、一実施例では、第一の電池管理モジュールはさらに、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力するために用いられる。受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力し、同様に故障点検をタイムリーに行うことに便利である。
【0051】
上記給電機器は、第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定してから、第二の電池管理モジュールのコーディングデータを身元認証し、認証結果を得る。第二の電池管理モジュールにコーディング検出回路を設置し、コーディング検出回路におけるサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定することによって、電池管理モジュールに故障がある場合に他の電池管理モジュールのコーディングデータ収集に影響せず、管理信頼性が高い。
【0052】
上記電池管理システムと給電機器をより良く理解するために、以下、具体的な実施例を結び付けながら詳細に解釈して説明する。
【0053】
本出願によるBMSコーディング検出と身分識別案は、BMSとワイヤーハーネスとが連係された後の電圧サンプリング方案を採用して各電気に対してボックスコーディング及び対応する診断を行っている。各電気ボックスのユニークな身分コーディングは、複数のサンプリングチャンネルでサンプリング値を得るユニークな組み合わせに由来する。固定されるワイヤーハーネス方案が、固定されるサンプリング結果を提供しているため、電気ボックスコーディングは、固定されている。シリアル接続でもパラレル接続でも任意の電気ボックスの中断又は通信問題によって残りの電気ボックスの使用が制限されることはない。
【0054】
具体的には、多分岐路(マスタースレーブ)電気ボックスと完成車の接続略図は、図1に示すように、電池パックは、パラレル高圧方案、シリアルCAN通信の方案を提供している。上記アーキテクチャに基づき、本出願に使用される電気ボックスコーディング方案は、各電気ボックス内のBMSによってコーディング検出回路が提供されることである。この回路は、N路サンプリングチャンネルと、予め設置されるプルアップ電源チャンネルと、プルダウン接地チャンネルと、各チャンネルが追加できる分圧抵抗とを含んでいる。
【0055】
簡略化される内部回路案は、図2に示すように、BMSが、回路上の設計固定チャンネル2に対応するサンプリング回路に一つの12Vのプルアップ電源を直接内蔵すると、このサンプリングチャンネル2が収集できる電圧は、すでに12Vに固定されている(任意の損失と精度を考慮しない場合)。同様に、BMSが、チャンネル5のサンプリング回路にプルダウン接地点を内蔵すると、チャンネル2の電圧は、0Vに固定される。次に、外部のワイヤーハーネスによる異なるチャンネル間の短絡又は分圧抵抗付き接続が必要である。このように、BMSは、各サンプリングチャンネルで該当する電圧を収集することができる。その後、BMSが、収集した電圧をデジタルシグナルに処理すると、全てのチャンネルは、ユニークな数字配列の組み合わせに組み合わせることができ、このような配列は、電気ボックスにユニークなコーディング身分を付与している。
【0056】
外部ワイヤーハーネスの連係で各電気ボックスの一意のコーディング身分を標定して区別することによって、電池パックとBMSの設計を維持し、生産管理に便利を提供し、アフターサービスにも一定の携帯意義を持つことができる。このアーキテクチャ案は、使用中にいずれか一つの電気ボックスの接続の中断によって通信又は機能上の制限を起こさない。
【0057】
外部のワイヤーハーネスの簡略化された連係設計は、図3に示されてもよい。図3の例示的な方案によって、電圧降下損失などを考慮しないと、各チャンネルのサンプリング結果は、高レベル12V、又は低レベル0Vに分けられるしかない。そのため、結果を1-高レベル、0-低レベルにデジタル化して処理する。異なる需要に応じて各チャンネルの意味を定義する。例えば、
1.チャンネル1:キャリア――0-車、1-船
2.チャンネル2:タイプ――0-BEV、1-PHEV
3.チャンネル3:タイプ――0-Car、1-Bus
4.チャンネル4:車/船仕様――0-S、1-M
5.マルチチャンネル組み合わせ:身分コーディング――電気ボックス1/2/3…
【0058】
例、チャンネル5-8が電気ボックスコーディングを示すとすると、図1の例示的な方案によって、チャンネル5は、すでに0に固定されている。チャンネル6-8は、依然としてそれぞれ0又は1であってもよい。そうすると、これらの4つのチャンネルは、0/1の数字組み合わせによって以下の結果を得ることができ、各組み合わせは、専用の電気ボックス身分として定義されることができる。
【0059】
0000――電気ボックス1
0001――電気ボックス2
0011――電気ボックス3
0100――電気ボックス4
0101――電気ボックス5
0110――電気ボックス6
0111――電気ボックス7
従って、この方案は、完全に一致している電気ボックスを使用することをサポートし、異なるワイヤーハーネスだけを介して一意の身分情報を付与することができ、生産管理とアフターサービスに便利を提供することができる。同時に、この方案は、完成車に連係して電気ボックスコーディングの検出を行うことができ、検出結果が失敗すると、故障警報を通じて、フールプルーフ効果を達成した。
【0060】
上記方案に基づき、マルチチャンネル組み合わせで電気ボックス身分を設定するコーディングが事前に規定されてもよいため、コーディング値が定義範囲内になければ、応答故障を報告して、ハードウェアの検出とメンテナンスの必要があるように注意することができる。
【0061】
なお、完成車の連係によって、例えば、UDSにより完成車がラインオフする際に規定される電気ボックス数を入力することによって、マスターBMSは、現在リアルタイムで収集した電気ボックス数と予め設定される値とを比較することができる。一致しない場合、故障警報の方法で電気ボックスの点検及び通信を完成車に注意する。
【0062】
上記方案の各チャンネルは、2つの可能性しかない。各チャンネルの可能性を増やすことでチャンネル数を減らすには、ワイヤーハーネス端又はBMS端で抵抗を増やすことを選択してもよい。このように接続された後、異なる抵抗組み合わせの方式で分圧することで各チャンネルが収集したレベル階段を増やすことができ、0/1の制限を飛び出すことができる。
【0063】
一実施例では、上記実施例に記載の電池管理システムに用いられる電池管理方法をさらに提供した。前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定し、前記コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証することを含む。
【0064】
さらに、一実施例では、前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出し、誤ったコーディングデータが存在する場合、故障提示情報を出力することをさらに含む。
【0065】
さらに、一実施例では、前記方法は、
前記第一の電池管理モジュールは、受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断し、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しない場合、故障提示情報を出力することをさらに含む。
【0066】
電池管理方法の具体的な限定に関し、本出願の上記電池管理システムの実施例における関連内容を参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0067】
一実施例では、上記実施例に記載の電池管理システムに用いられる電池管理装置をさらに提供した。前記装置は、
複数のサンプリングチャンネルのうちの少なくとも一つのサンプリングチャンネルの電圧に基づいてコーディングデータを決定するための決定ユニットと、
前記コーディングデータに基づいて第二の電池管理モジュールを身元認証するための認証ユニットとを含む。
【0068】
さらに、一実施例では、前記装置は、
予め設定される定義範囲に基づいて前記第二の電池管理モジュールのコーディングデータが正確であるか否かを検出するための検出ユニットと、
前記検出ユニットが、誤ったコーディングデータが存在することを検出した場合、故障提示情報を出力するための第一の提示ユニットとをさらに含む。
【0069】
さらに、一実施例では、前記装置は、
受信したコーディングデータの数が予め設定される値と一致しているか否かを判断するための判断ユニットと、
前記判断ユニットが、コーディングデータの数が予め設定される値と一致しないことを検出した場合、故障提示情報を出力するための第二の提示ユニットとをさらに含む。
【0070】
電池管理装置の具体的な限定に関し、本出願の上記電池管理システムの実施例における関連内容を参照すればよく、ここでこれ以上説明しない。
【0071】
上述した実施例の各技術的特徴は、任意の組み合わせを行ってもよく、記述を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせについて記述していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載された範囲と考えるべきである。
【0072】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施の形態のみを示しており、その記述は、比較的に具体的かつ詳細であるが、それによって発明の特許範囲に対する制限として理解することができない。指摘すべきなのは、当業者にとって、本出願の構想から逸脱しない前提で、若干の変形と改良を行ってもよく、これらは、いずれも本出願の保護範囲に属する。そのため、本出願特許の保護範囲は、添付される請求項を基準とすべきである。
図1
図2
図3