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特許7561206エレベーターおよびエレベーターの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】エレベーターおよびエレベーターの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20240926BHJP
【FI】
B66B1/18 Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022560427
(86)(22)【出願日】2020-11-04
(86)【国際出願番号】 JP2020041161
(87)【国際公開番号】W WO2022097188
(87)【国際公開日】2022-05-12
【審査請求日】2023-04-07
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 太地
(72)【発明者】
【氏名】前原 知明
(72)【発明者】
【氏名】羽鳥 貴大
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 勇来
(72)【発明者】
【氏名】宮前 真貴
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-195529(JP,A)
【文献】特開2013-170034(JP,A)
【文献】特開2013-173595(JP,A)
【文献】特開2018-203454(JP,A)
【文献】特開2019-081622(JP,A)
【文献】特開2010-150013(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087250(WO,A1)
【文献】特開2002-302348(JP,A)
【文献】国際公開第2019/087249(WO,A1)
【文献】特開2004-277120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00 - 1/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗りかごと前記乗りかごの運行を制御する号機制御部を有する複数のエレベーター号機と、
前記複数のエレベーター号機の運行を管理する運行管理装置とを備えたエレベーターにおいて、
前記運行管理装置は、前記エレベーター号機のうちの何れかが積み残しを発生させたと判定した場合に、前記積み残しを発生させたエレベーター号機の他に乗りかごの配車が可能な割り当て号機がある場合には前記到着階に追加のエレベーター号機の乗りかごを即時配車し、前記積み残しを発生させたエレベーター号機の他に乗りかごの配車が可能な割り当て号機がない場合には、直前に指示した乗り場呼びを再登録し、かつ、配車が可能な乗りかごが発生するまで前記再登録した乗場呼びの割当を保留する
エレベーター。
【請求項2】
前記運行管理装置は、前記エレベーター号機のうちの何れかの乗りかごが満員状態であると判定した場合に、積み残しを発生させたと判定する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項3】
前記運行管理装置は、前記エレベーター号機のうちの何れかの乗りかごが満員状態であると判定した後に、前記乗りかごの荷重値が減少した場合に、積み残しを発生させたと判定する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項4】
前記満員状態は、かご内疎密値が任意の閾値を超えたと判定した場合の状態である
請求項2または3に記載のエレベーター。
【請求項5】
前記かご内疎密値は、乗車人数であり、エレベーターの定員数が任意の閾値を超えたと判定した場合の値である
請求項4に記載のエレベーター。
【請求項6】
前記かご内疎密値は、露出床面積率であり、未露出床面積が任意の閾値を超えたと判定した場合の値である
請求項4に記載のエレベーター。
【請求項7】
前記各エレベーター号機は、前記乗りかご内の乗客に情報を報知するための報知装置を備え、
前記報知装置は、乗りかごが満員状態であると前記運行管理装置が判定した場合に満員状態を報知する
請求項2または3に記載のエレベーター。
【請求項8】
前記運行管理装置は、乗り場における乗客の検知により積み残しを判定する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項9】
前記運行管理装置は、前記即時配車を行う際に、割り当て可能なエレベーター号機が無いと判断した場合には、積み残しを判定した前記乗りかごの到着階への乗り場呼びを再登録し、再登録した乗り場呼びの割り当てを保留する
請求項1に記載のエレベーター。
【請求項10】
乗りかごと前記乗りかごの運行を制御する号機制御部を有する複数のエレベーター号機と、
前記複数のエレベーター号機の運行を管理する運行管理装置とを備えたエレベーターの制御方法であって、
前記運行管理装置は、前記エレベーター号機のうちの何れかが積み残しを発生させたと判定した場合に、前記積み残しを発生させたエレベーター号機の他に乗りかごの配車が可能な割り当て号機がある場合には前記到着階に追加のエレベーター号機の乗りかごを即時配車し、前記積み残しを発生させたエレベーター号機の他に乗りかごの配車が可能な割り当て号機がない場合には、直前に指示した乗り場呼びを再登録し、かつ、配車が可能な乗りかごが発生するまで前記再登録した乗場呼びの割当を保留する
エレベーターの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターおよびエレベーターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターおよびエレベーターの制御方法に関する技術として、下記特許文献1に開示の技術がある。この特許文献1には、「かご内の乗客が満員であることを検出すると、自動的に解除した乗り場呼びを再登録する…。かご内が満員で積み残しとなっても、自動的に呼びが登録されるので再度登録を行うという煩わしさがなくなる。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平02-52880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、乗り場呼びの登録は、乗り場において乗りかごが戸開状態である場合においては自動的にキャンセルされる。したがって、上述した技術では、満員の乗りかごが戸閉じした後に、乗り場呼びの再登録がなされる必要があるため、積み残された乗客のための追加の乗りかごが到着するまでに時間を要し、乗り場の混雑を回避することができなかった。
【0005】
そこで本発明は、乗りかごへの乗車が満員閾値を超えた場合の乗り場の混雑を回避することが可能なエレベーターおよびエレベーターの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、乗りかごと前記乗りかごの運行を制御する号機制御部を有する複数のエレベーター号機と、前記複数のエレベーター号機の運行を管理する運行管理装置とを備えたエレベーターにおいて、前記運行管理装置は、前記エレベーター号機のうちの何れかが積み残しを発生させたと判定した場合に、前記乗りかごの到着階に追加のエレベーター号機の乗りかごを即時配車するエレベーターである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、乗りかごへ乗車が満員閾値を超えた場合の乗り場の混雑を回避することが可能なエレベーターおよびエレベーターの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態および第2実施形態に係るエレベーターの概略構成を示すシステム構成図である。
図2】エレベーターの学習部が作成する交通需要状況を説明するための図である。
図3】第1実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち号機制御部が実施する制御を示すフローチャートである。
図4】第1実施形態および第2実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する制御を示すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち号機制御部が実施する制御を示すフローチャートである。
図6】第3実施形態および第4実施形態に係るエレベーターの概略構成を示すシステム構成図である。
図7】第3実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち号機制御部が実施する制御を示すフローチャートである。
図8】第3実施形態および第4実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する複数台配車制御を示すフローチャートである。
図9】第4実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する複数台配車制御のための予測乗込人数の補正を示すフローチャートである。
図10】第4実施形態の予測乗込人数の補正を説明する図である。
図11】第4実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正を示すフローチャートである。
図12】第4実施形態の運行管理装置が実施する複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、各実施の形態においては、同様の構成要素には同一の符号を付し、同様の構成要素についての重複する説明は省略する。
【0010】
≪第1実施形態≫
-エレベーターの構成-
図1は、第1実施形態および第2実施形態に係るエレベーターの概略構成を示すシステム構成図である。以下、図1に基づき、必要に応じて他の図を参照しつつ、第1実施形態に係るエレベーター1の構成を説明する。
【0011】
この図に示すエレベーター1は、複数台(n台)のエレベーター号機10と、乗り場設備20と、複数台のエレベーター号機10の運行を管理する運行管理装置30とを備える。これらは、ネットワーク2によって相互に接続されている。以下、エレベーター1を構成する各要素の詳細を順に説明する。なお本発明を説明するにあたり、一般的に説明しやすい形で、実施例を構成したが、これに限った構成ではない。例えば、運行管理装置30とエレベーター号機10とは別の構成で切り分けているが、エレベーター号機10の中に運行管理装置30が構成する形でも良い。この場合、エレベーター号機10の中でマスター/スレーブの構成を構築し、マスター号機が運行管理装置30の役割を担う形でも良い。
【0012】
<エレベーター号機10>
エレベーター号機10は、建物に設けられたものであり、ここでは本エレベーター1は、1号機10-1~n号機10-nまでのn台のエレベーター号機10を有することとする。各エレベーター号機10は、乗りかご10aと、乗りかご10aを走行させるための巻上機(図示省略)を備える。乗りかご10aは、開閉が自在に制御されるかごドア(図示省略)を有する。
【0013】
また各エレベーター号機10は、それぞれが荷重検知部11、かご内カメラ12、行き先階登録部13、表示部14、スピーカー15、および号機制御部16を備えている。これらは次のようである。
【0014】
[荷重検知部11]
荷重検知部11は、乗りかご10aに、乗客や荷物が乗車することによって乗りかご10aに加わる荷重を検知する。検知された荷重は、号機制御部16に送信される。
【0015】
[かご内カメラ12]
かご内カメラ12は、乗りかご10a内を撮像する。撮像した画像情報は、号機制御部16を介して、または直接、運行管理装置30に送信される。
【0016】
[行き先階登録部13]
行き先階登録部13は、乗りかご10aの乗客が、行き先階を登録するためのものであって、例えば各行き先階をボタン操作によって登録する。ボタン操作された行き先階情報は、号機制御部16を介して、または直接、運行管理装置30に送信される。
【0017】
[表示部14]
表示部14は、号機制御部16からの指示に基づいて、乗りかご10aの行き先階などの情報を表示する。このような表示部14は、乗りかご10aの乗客に情報を報知するための報知手段の一つである。
【0018】
[スピーカー15]
スピーカー15は、号機制御部16からの指示に基づいて、乗りかご10aへの過剰乗車などの注意アナウンスを行う。このようなスピーカー15は、乗りかご10aの乗客に情報を報知するための報知手段の一つである。
【0019】
[号機制御部16]
号機制御部16は、荷重検知部11およびかご内カメラ12からの情報、さらには運行管理装置30からの指示に基づいて、巻上機の駆動による乗りかご10aの走行、乗りかご10aに設けられたかごドアの開閉、表示部14の表示、およびスピーカー15からの報知を制御する。このような号機制御部16は、計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Memory)やHDD(hard disk drive)のような不揮発性の記憶部、さらにはネットワークインターフェースを備えていてもよい。なお、計算機の構成は、以降において同様である。
【0020】
号機制御部16は、設定保持部16a、満員判定部16b、出力制御部16c、および出発管理部16dの各機能部を備える。このうち設定保持部16aは、超満員閾値や満員閾値など、各エレベーター号機10の乗りかご10aの走行やかごドアの開閉を制御するための各種の設定値を保持する。これらの設定値は、外部装置から入力された値であることとする。満員判定部16bは、設定保持部16aに保持された情報と、荷重検知部11やかご内カメラ12から得た情報とに基づいて、乗りかご10a内の混雑状態を判断する。出力制御部16cは、表示部14およびスピーカー15による情報の報知を制御する。出発管理部16dは、満員判定部16bおよび運行管理装置30からの情報に基づいて、乗りかご10aを走行させるための制御を実施する。これらの各機能部は、号機制御部16を構成する計算機に保存されたプログラムによって各機能を実行する。各機能部が実行する機能は、以降のエレベーターの制御方法において詳細に説明する。
【0021】
<乗り場設備20>
乗り場設備20は、各乗り場に設けられた設備であって、呼び登録部21、乗り場カメラ22、応答灯23、および乗り場報知部24である。これらは、それぞれが個別に、各乗り場に複数配置されていてもよいし1つであってもよい。複数設けられている場合には、一例として各エレベーター号機10に対応する乗り場ドアごとに配置されていることとする。次に、呼び登録部21、乗り場カメラ22、応答灯23、および乗り場報知部24を、順に説明する。
【0022】
[呼び登録部21]
呼び登録部21は、乗客が行先階を入力するためのものであり、例えばテンキー方式のものであったり、乗客が有する識別情報を読み取る構成のものであってもよい。呼び登録部21から入力されまたは読み取られた行先階は、運行管理装置30に送信される。
【0023】
[乗り場カメラ22]
乗り場カメラ22は、乗り場を撮像する。この乗り場カメラ22は、例えば乗り場で待機する乗客の人数および人数の増減をカウントできる程度の解像度のものであればよい。また、乗り場カメラ22は乗客の個人認証システムを構成する要素の一つであってもよい。乗り場カメラ22で撮像された画像は、例えばここでの図示を省略したデータ処理部で画像処理された後、各エレベーター号機10に送信され、また運行管理装置30に送信される。
【0024】
[応答灯23]
応答灯23は、乗り場階に到着するエレベーター号機10を、乗り場で待機する乗客に知らせるための表示部であり、各エレベーター号機10の乗り場ドアに対応して配置されている。このような応答灯23は、到着した乗りかご10aの走行方向を知らせる機能も備え、例えば上向き下向きとの2方向の何れかを点灯させることで、乗りかご10aの到着と走行方向を乗り場で待機する乗客に知らせる。
【0025】
[乗り場報知部24]
乗り場報知部24は、以降に説明する運行管理装置30からの指示に基づいて、エレベーター号機10の運行に関する様々な情報を報知する。この乗り場報知部24は、例えば表示部またはスピーカーであり、表示または音声による報知を実施する。
【0026】
<運行管理装置30>
運行管理装置30は、複数のエレベーター号機10の運行を管理するためのものであって、計算機によって構成されている。このような運行管理装置30は、機能部として管理制御部31と学習部32とを有する。これらは次のようである。
【0027】
[管理制御部31]
管理制御部31は、各エレベーター号機10から送信された情報と、各乗り場設備20から送信された情報と、次に説明する学習部32からの情報に基づいて、各乗り場階にエレベーター号機10を割り当て、各エレベーター号機10の運行ルートを策定する。また管理制御部31は、各乗り場設備20の応答灯23の点灯、および乗り場報知部24による報知を制御する。
【0028】
このような管理制御部31は、入力情報処理部31a、号機割り当て部31b、乗り場出力制御部31c、および複数台配車制御部31dの各機能部を備える。このうち入力情報処理部31aは、各乗り場設備20および各エレベーター号機10からの情報を制御する。号機割り当て部31bは、各エレベーター号機10に対する呼びの登録を制御し各エレベーター号機10に対して呼びの登録を指示する。乗り場出力制御部31cは、各乗り場設備20のうちの応答灯23と乗り場報知部24からの出力を制御する。複数台配車制御部31dは、所定の乗り場への所定期間の配車の集中を制御する。
【0029】
これらの各機能部は、管理制御部31を構成する計算機に保存されたプログラムによって各機能を実行する。各機能部が実行する機能は、以降のエレベーターの制御方法において詳細に説明する。
【0030】
[学習部32]
学習部32は、様々な情報に基づいて運転プログラムを選択し、この運転プログラムに基づく運行制御を管理制御部31に指示する。図2は、エレベーター1の学習部32の機能を説明するための図である。この図2および図1を参照すると、学習部32は、例えば各階の乗り場カメラから収集した情報に基づいて、交通需要状況の一つとして各階における単位時間帯あたりの乗降人数を示す利用状況データ41を作成する。さらに、学習部32は、過去に蓄積されたエレベーター1の運行データに基づいて、各エレベーター号機10の乗客の流れを表す交通流(人流とも呼ぶ)を学習し、学習結果(交通モードM1~M6)を生成する。生成した交通モードM1~M6は、横軸が下り乗降人数、縦軸が上り乗降人数の座標42上に区分けして示される。また学習部32は、ここでの図示を省略した知能部により生成された運転プログラムから、現時点の交通モードに最適な運転プログラムを選択し、この運転プログラムに基づく運行制御を管理制御部31に指示する。
【0031】
-第1実施形態のエレベーターの制御方法-
次に、以上のようなエレベーター1によって実施される第1実施形態のエレベーターの制御方法を説明する。図3は、第1実施形態に係るエレベーター1の制御方法のうち号機制御部が実施する制御を示すフローチャートであって、各エレベーター号機10の号機制御部16において実施される超満員時の制御の手順を示す。また図4は、第1実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する制御を示すフローチャートであって、運行管理装置30の管理制御部31において実施される制御の手順を示す。ここで、超満員とは、乗りかご10a内が非常に混雑した状態であって、乗りかご10aの発車を抑制する必要がある状態を言う。
【0032】
以下、先の図1を参照しつつ、図3および図4のフローチャートに沿った順に、第1実施形態のエレベーターの制御方法を説明する。なお、これらのフローは周期的に繰り返されることとする。
【0033】
<号機制御部16による制御(図3)>
先ず、図3のフローに基づいて、図1を参照しつつ各エレベーター号機10の号機制御部16において実施される超満員時の制御の手順を説明する。
【0034】
[ステップS11]
ステップS11において、出発管理部16dは、管理制御部31の号機割り当て部31bから、乗り場呼び登録の指示があったか否かを判断する。登録があった(YES)と判断した場合には、乗りかご10aを乗り場呼び登録の指示があった階に走行させてステップS12に進む。一方、登録がなかった(NO)と判断した場合には、処理を終了させる。
【0035】
[ステップS12]
ステップS12において、出発管理部16dは、乗り場呼び登録の指示があった階にステップS11にて登録した当該乗りかご10aが到着し、乗りかご10aが戸開した(YES)と判断した場合に次のステップS13に進み、戸開していない(NO)場合には処理を終了させる。
【0036】
[ステップS13]
ステップS13において、満員判定部16bは、荷重検知部11で検知された荷重値が、超満員閾値を超えているか否かを判断する。ここで超満員閾値とは、乗りかご10aの発車を抑制するために荷重値に対して設定された閾値であって、予め設定保持部16aに保持された値であるが、外部装置からの入力によって各エレベーター号機10の設定保持部16aに保持された値の場合もある。このような超満員閾値は、通常時であれば、各エレベーター号機10の定格積載荷重の110%程度の値である。
【0037】
この場合、満員判定部16bは、設定保持部16aに保持された超満員閾値と、荷重検知部11で検知された荷重値とを比較してこの判断を実施し、超えている(YES)と判断した場合にはステップS14に進む。一方、満員判定部16bは、荷重検知部11で検知された荷重値が、超満員閾値を超えていない(NO)と判断した場合にはステップS17に進む。
【0038】
[ステップS14]
ステップS14において、満員判定部16bは、管理制御部31に送信する超満員信号をONにする。これにより、管理制御部31への超満員信号の送信を開始する。
【0039】
[ステップS15]
ステップS15において、出発管理部16dは、乗り場呼び登録が指示された階において、かごドアの戸開状態を維持する。当該処理により、乗りかご10に対して、超満員を検出した際に当該階からの出発を抑制する制御を成立させる。
【0040】
[ステップS16]
ステップS16において、出力制御部16cは、スピーカー15に対して降車案内の報知を指示する。これにより、スピーカー15は、超満員状態による降車案内のアナウンスを実施する。その後、ステップS13に戻り、ステップS13において荷重値が超満員閾値を超えていない(NO)と判断されるまで、すなわち乗りかご10aから乗客が降車するなどして乗りかご10a内の荷重値が超満員閾値以下に減少するまで、ステップS13~ステップS16の手順を繰り返す。
【0041】
[ステップS17]
一方、ステップS17は、ステップS13において、荷重値が超満員閾値を超えていない(NO)と判断して進んだステップである。本ステップS17において、満員判定部16bは、管理制御部31に送信する超満員信号をOFFにする。
【0042】
[ステップS18]
ステップS18において、出発管理部16dは、乗りかご10aを戸閉し、次いで登録された行き先階に向けて乗りかご10aを走行させる。その後、処理を終了させる。
【0043】
<運行管理装置30による制御(図4)>
次に、図4のフローに基づいて、図1を参照しつつ運行管理装置30の管理制御部31において実施される即時配車の制御の手順を説明する。
【0044】
[ステップS101]
ステップS101において、入力情報処理部31aは、何れかの乗り場に積み残しが発生したか否かを判断する。ここでは、例えば1号機10-1から超満員信号を受信したか否かにより判断する。超満員信号を検出した際には、当該号機(例えば1号機10-1)の乗りかご10aの出発を抑制する制御が実施され、降車を促すアナウンスが発せられる。つまり必ず乗り場に一人以上が取り残されることがわかる。よって超満員信号を検出したということは、積み残しが発生したと同義となる。超満員信号は、図3のステップS14において号機制御部16の満員判定部16bから送信された信号である。なお、乗り場カメラ22のような乗り場の検知手段により、乗り場の積み残しの判断を行ってもよい。ステップS101において、積み残しの発生を判断した(YES)場合にステップS102に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0045】
[ステップS102]
ステップS102において、号機割り当て部31bは、割り当て可能号機があるか否かを判断する。この際、号機割り当て部31bは、複数のエレベーター号機10のうちから、積み残しを発生した号機(ここでは例えば1号機10-1)の他に、配車が不可能な号機を除いて、乗りかご10aの配車が可能なエレベーター号機10があれば、割り当て可能号機がある(YES)と判断し、ステップS103に進む。一方、号機割り当て部31bは、積み残しを発生した1号機10-1の他に、配車が可能なエレベーター号機10がなければ、割り当て可能な号機はない(NO)と判断し、ステップS105に進む。
【0046】
[ステップS103]
ステップS103において、号機割り当て部31bは、積み残しが発生した乗り場に、割り当て可能号機と判断したエレベーター号機10を追加で即時配車する。これにより、積み残しが発生した乗り場に、追加のエレベーター号機10が直ちに配車される。
【0047】
[ステップS104]
ステップS104において、乗り場出力制御部31cは、積み残しが発生した乗り場において、追加のエレベーター号機10に対応して配置された応答灯23に対し、直前の呼びと同方向を示す点灯の指示を送信する。これにより、当該到着階の応答灯23は、直前の呼びと同方向を示す点灯を実施する。
【0048】
[ステップS105]
一方、ステップS105は、ステップS102において、割り当て可能号機がない(NO)と判断して進んだステップである。ここで割り当て不可な号機とは、常時割り当て不可な号機としては、故障中の号機や、保守点検中など、乗り場呼びに応答できない号機のことを指す。また一時的に割り当てできない号機については、前段に示した超満員を検出し、これ以上当該号機10の乗りかご10aに乗車不可な状態が一時的に発生した場合や、特殊運転によって乗り合わせが禁止され乗り場呼びに応答しない状態を示す。本ステップS105において、呼び登録部21は、積み残しを発生した1号機10-1に対して、直前に指示した乗り場呼びを再登録する。そして、再登録した乗り場呼びの割り当てを保留し、処理を終了させる。これにより、積み残しを発生した1号機10-1の乗りかご10aが、乗り場呼び登録の指示があった階において戸開状態であっても、再登録した乗り場呼びがキャンセルされることはない。このため、積み残しを発生した1号機10-1が、到着階を出発した後に、利用者によって乗り場設備20の呼び登録部21において再度の呼びの登録を実施することなく、一時的に割り当て不可であった状態から割り当て可能な号機が現れた際に、当該号機に対して、当該乗り場呼びの割り当てを行う。また、点検中の号機や故障中の号機が配車可能な状態になった場合には、当該号機が配車されてもよい。本ステップS105の実施後、ステップS104に進む。
【0049】
-第1実施形態の効果-
以上説明した第1実施形態の制御方法によれば、何れかのエレベーター号機10が乗り場に積み残しを発生させたことを確認した場合、管理制御部31の号機割り当て部31bによって、積み残しが発生した乗り場に、追加号機が即時配車される。したがって、1号機10-1の到着階で積み残された乗客は、より短い待ち時間で次の到着号機に乗り込むことができる。この結果、乗りかご10aに乗車できずに乗り場で待機する乗客に対して、効率良く乗りかご10aを配車することができ、乗り場の混雑を回避することが可能となる。また、管理制御部31が乗り場に積み残しを確認した時点で、割り当て可能号機がない場合であっても、呼び登録部21によって、直前の乗り場呼びが自動的に再登録され、号機の割り当てが保留されるため、乗り場で待機する乗客による乗り場呼びの再登録の手間も省くことができる。
【0050】
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、第1実施形態の変形例であって、満員通過を行う場合の判断に用いる満員閾値を設定した場合の例である。満員通過とは、乗り場呼びがあっても乗りかご10a内が密状態のため乗り場呼びがある階を通過する必要がある状態を言う。このような第2実施形態は、第1実施形態において図1を用いて説明したエレベーター1を構成する号機制御部16および管理制御部31が有するプログラムが、第1実施形態とは異なる。このため以下においては、エレベーターの制御方法のみを説明する。
【0051】
-第2実施形態のエレベーターの制御方法-
図5は、第2実施形態に係るエレベーター1の制御方法のうち号機制御部16が実施する制御を示すフローチャートである。第2実施形態に係るエレベーター1の制御方法のうち運行管理装置30が実施する制御は図4と同等である。以下、先の図1を参照しつつ、図5および図4のフローチャートに沿った順に、第2実施形態のエレベーターの制御方法を説明する。なお、これらのフローは周期的に繰り返されることとする。
【0052】
<号機制御部16による制御(図5)>
先ず、図5のフローに基づいて、図1を参照しつつ各エレベーター号機10の号機制御部16において実施されるかご内が密状態の場合における制御の手順を説明する。
【0053】
[ステップS21]
ステップS21において、出発管理部16dは、管理制御部31の号機割り当て部31bから、乗り場呼び登録の指示があったか否かを判断する。登録があった(YES)と判断した場合には、乗りかご10aを乗り場呼び登録の指示があった階に走行させてステップS22に進む。一方、登録がなかった(NO)と判断した場合には、処理を終了させる。
【0054】
[ステップS22]
ステップS22において、出発管理部16dは、乗り場呼び登録の指示があった階に乗りかご10aが到着し、乗りかご10aが戸開した(YES)と判断した場合に次のステップS13に進み、戸開していない(NO)場合には処理を終了させる。
【0055】
[ステップS23]
ステップS23において、満員判定部16bは、エレベーター号機10の乗りかご10a内が密状態であるか否かの判断のために、かご内疎密値が、満員閾値を超えているか否かを判断する。ここでかご内疎密値とは、乗りかご10a内の密状態(混雑状態)を示す値であればよく、例えば乗りかご10aの荷重値、乗車人数、または未露出床面積率である。また満員閾値とは、通常の運行において満員通過を行う場合の判断に用いる値であって、乗りかご10a内の混雑状態に対して許容される最大のかご内疎密値である。このような満員閾値は、外部装置からの入力によって、各エレベーター号機10の設定保持部16aに保持された値であり、例えば、各エレベーター号機10の定格積載荷重の50%程度の値に設定されていることとする。
【0056】
また、かご内疎密値をかご内の乗車人数とした場合、満員判定部16bは、例えばかご内カメラ12からの画像情報に基づいて、乗りかご10a内の乗車人数を検知し、検知した乗車人数を、設定保持部16aに保持された各号機の定員数と満員閾値とによって算出された閾値と比較する。
【0057】
また、かご内疎密値を乗りかご10aの露出床面積率とした場合、満員判定部16bは、例えばかご内カメラ12からの画像情報を二値化処理した値に基づいて、またはかご内カメラ12として用いた3Dカメラからの距離画像情報に基づいて、乗りかご10aの床面積に占める未露出床面積を検知する。例えば乗りかご10aの内部に利用者が誰一人存在せず、床面のみ検出されている場合、当該未露出床面積は0%となる。また床面積が全て埋め尽くされる状態となっている場合は、100%となる。そして、検知した未露出床面積を、設定保持部16aに保持された満員閾値と比較する。
【0058】
満員判定部16bは、かご内疎密値が、満員閾値を超えていてかご内が密である(YES)と判断した場合にはステップS24に進み、満員閾値を超えておらずかご内が密ではない(NO)と判断した場合にはステップS26に進む。
【0059】
[ステップS24]
ステップS24において、満員判定部16bは、管理制御部31に対し、かご内疎密値が満員閾値を超えたことを知らせるための満員信号を送信する
【0060】
[ステップS25]
ステップS25において、出力制御部16cは、スピーカー15に対して、かご内が満員で密状態であるの報知を指示する。これにより、スピーカー15は、乗りかご10a内が密状態であることを報知するアナウンスを実施する。
[ステップS26]
ステップS26において、出発管理部16dは、乗りかご10aを戸閉し、次いで登録された行き先階に向けて乗りかご10aを走行させる。その後、処理を終了させる。
【0061】
<運行管理装置30による制御(図4)>
次に、図4のフローに基づいて、図1を参照しつつ運行管理装置30の管理制御部31において実施されるかご内が密状態の場合における制御の手順を説明する。ここで、ステップS101における乗り場の積み残し発生の判断方法が第1実施形態とは異なる。このため、ステップS101についてのみ説明する。
【0062】
[ステップS101]
ステップS101において、入力情報処理部31aは、何れかの乗り場に積み残しが発生したか否かを判断する。ここでは、例えば1号機10-1から満員信号を受信したのち、1号機10-1のかご内の荷重値の一定値以上の減少を検知したことにより判断する。満員状態を検知した後、密である旨のアナウンスが流れた際に、利用者の心理状態から密状態であるため降車する場合が想定されるため、密状態のアナウンス後の荷重変化によって積み残しが発生したことを検知する。この満員信号は、図5のステップS24において号機制御部16の満員判定部16bから送信された信号である。かご内の荷重値は、1号機10-1の荷重検知部11から取得する。ステップS101において、入力情報処理部31aは、積み残しの発生を判断した(YES)場合にステップS102に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0063】
-第2実施形態の効果-
以上説明した第2実施形態の制御方法によれば、満員信号を送信したエレベーター号機10の乗りかご10a内の荷重値が減少して、乗りかご10aから乗客が降車したことが検知された場合、管理制御部31の号機割り当て部31bによって、満員信号を発信したエレベーター号機10の到着階に、即時に追加号機が配車される。したがって、1号機10-1の到着階においてかごに乗車したものの、かご内が満員であるために自主的に降車した乗客に対しても、効率良く乗りかご10aを配車することができ、乗り場の混雑を回避することが可能となる。
【0064】
≪第3実施形態≫
-エレベーターの構成-
図6は、第3実施形態および第4実施形態に係るエレベーター1’の概略構成を示すシステム構成図である。この図に示す第3実施形態のエレベーター1’は、例えば乗客間の社会的距離を確保することを目的として、通常の運行において満員通過を行う場合の判断に用いる満員閾値を、基準の値に対して異なる値に変更する場合の構成である。
【0065】
このような、図6に示した第3実施形態のエレベーター1’のシステム構成が、図1に示した第1実施形態および第2実施形態のエレベーター1のシステム構成と異なるところは、運行管理装置30’の管理制御部31’が有する複数台配車制御部31d’の構成にある。その他の構成は、図1に示した第1実施形態および第2実施形態のエレベーター1の他の構成と同様である。このためここでは、複数台配車制御部31d’の構成を説明する。
【0066】
<運行管理装置30’>
[管理制御部31’]
管理制御部31’の複数台配車制御部31d’は、閾値補正部d1および複数台配車制御判定部d2を備える。なお、図6中の予測乗込人数補正部d3は、次の第4実施形態の構成であるためここでの説明は省略する。
【0067】
このうち、閾値補正部d1は、複数台配車制御に用いる各閾値を補正する部分である。また複数台配車制御判定部d2は、複数台配車制御の実施の判断と、配車台数の算出を行う部分である。これらの閾値補正部d1および複数台配車制御判定部d2によって実施される制御の詳細は、以降のエレベーターの制御方法において詳細に説明する。
【0068】
-第3実施形態のエレベーターの制御方法-
次に、以上のようなエレベーター1’によって実施される第3実施形態のエレベーターの制御方法を説明する。第3実施形態のエレベーターの制御方法は、第2実施形態のエレベーターの制御方法において、かご内が密状態であるか否かの判断に用いた満員閾値が変更可能な構成において実施される制御方法である。以下においては先ず、号機制御部16によるエレベーター号機の制御を説明し、次に運行管理装置30’による各制御を説明する。
【0069】
<号機制御部16によるエレベーター号機10の制御(図7)>
図7は、第3実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち号機制御部が実施する制御を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートに沿った順に、先の図6を参照しつつ、第3実施形態のエレベーターの制御方法におけるエレベーター号機10の制御を説明する。なお、このフローは周期的に繰り返されることとする。
【0070】
[ステップS31]
ステップS31において、出発管理部16dは、管理制御部31’の号機割り当て部31bから、乗り場呼び登録の指示があったか否かを判断する。登録があった(YES)と判断した場合には、乗りかご10aを乗り場呼び登録の指示があった階に走行させてステップS32に進む。一方、登録がなかった(NO)と判断した場合には、処理を終了させる。
【0071】
[ステップS32]
ステップS32において、出発管理部16dは、乗り場呼び登録の指示があった階に乗りかご10aが到着し、乗りかご10aが戸開した(YES)と判断された場合に、次のステップS33に進み、戸開していない(NO)場合には処理を終了させる。
【0072】
[ステップS33]
ステップS33において、満員判定部16bは、エレベーター号機10の乗りかご10a内が密状態であるか否かの判断のために、かご内疎密値が、満員閾値を超えているか否かを判断する。ここでかご内疎密値および満員閾値は、第2実施形態のステップS23(図5参照)で説明した値であるため、ここでの説明は省略する。
【0073】
ただし、満員閾値は、通常の運行において満員通過を行う場合の値として予め設定された基準の満員閾値であるか、または、予め設定された基準値とは異なる値に書き換えられた満員閾値である。単純に書き換えられたのみでなく、基準値よりも低い数値にて設定されたことにより、かご内密集状態を検出するような利用シーンを想定する。この場合、設定保持部16aは、基準の満員閾値が書き換えられた場合には書き換え情報を保持する。
【0074】
満員判定部16bは、設定保持部16aに保持された情報を参照し、かご内疎密値が満員閾値を超えている(YES)と判断した場合にはステップS34に進み、満員閾値を超えていない(NO)と判断した場合にはステップS36に進む。
【0075】
[ステップS34]
ステップS34において、満員判定部16bは、ステップS33の判断に用いた満員閾値は補正されているか否かを判断する。満員判定部16bは、設定保持部16aに保持された満員閾値が書き換え情報を有している場合には、書き換えあり(YES)と判断してステップS35に進む。一方、満員判定部16bは、設定保持部16aに保持された満員閾値が書き換え情報を有していない場合には、書き換えなし(YES)と判断してステップS36に進む。
【0076】
[ステップS35]
ステップS35において、満員判定部16bは、管理制御部31’に対し、書き換え情報を有する満員信号を送信する。ここで書き換え情報を有する満員信号とは、かご内疎密値が満員閾値を超えたことを知らせるための満員信号と、満員閾値が書き換えられたことを示す情報とである。
【0077】
[ステップS36]
ステップS36において、出発管理部16dは、乗りかご10aを戸閉し、次いで登録された行き先階に向けて乗りかご10aを走行させる。その後、処理を終了させる。
【0078】
<運行管理装置30’による制御(図8)>
図8は、第3実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する制御を示すフローチャートである。以下、図8のフローチャートに沿った順に、先の図7を参照しつつ、第3実施形態のエレベーターの制御方法における運行管理装置による制御方法を説明する。なお、これらのフローは周期的に繰り返されることとする。
【0079】
[ステップS301]
ステップS301において、入力情報処理部31aは、エレベーター号機10から書き換え情報を有する満員信号を受信したか否かを判断する。ここでは、例えば1号機10-1から書き換え情報を有する満員信号を受信したこととする。この書き換え情報を有する満員信号は、図7のステップS35において号機制御部16の満員判定部16bから送信された信号である。ステップS301において、入力情報処理部31aは、書き換え情報を有する満員信号を受信した(YES)と判断した場合にステップS302に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0080】
[ステップS302]
ステップS302において、複数台配車制御部31d’の閾値補正部d1は、1号機10-1から送信されたかご内の荷重値に基づいて、1号機10-1に対して設定された満員閾値であって、基準の満員閾値を書き換えた現在の満員閾値を算出する。なお、管理制御部31’が、エレベーター号機10の号機制御部16から、書き換えられた満員閾値の値を直接取得できる場合には、本ステップS302は省略してもよい。
【0081】
[ステップS303]
ステップS303において、複数台配車制御部31d’の閾値補正部d1は、ステップS302で算出した現在の満員閾値から、複数台配車制御に用いる各閾値を補正する。ここでは、例えば閾値補正部d1は、[現在の満員閾値]/[補正前の満員閾値(基準値)]を係数とし、この係数を書き換え前の各閾値に掛け合わせることにより、各閾値を補正する。
【0082】
[ステップS304]
ステップS304において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、各乗り場の複数台配車制御に用いる予測乗込人数を算出する。ここで、予測乗込人数とは、所定単位の各時間帯において、各階から各方向に向かって走行する乗りかご10aに乗車している乗客の人数の予測値である。ここでは、例えば学習部32が過去に蓄積されたエレベーター1の運行データに基づいて作成した予測乗込人数を用いる。
【0083】
[ステップS305]
ステップS305において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、何れかの乗り場階が複数台配車制御の実施条件を満たしたか否かを判断する。例えば、当該階の予測乗込人数が補正後の閾値を超過したか否かにより判断する。ここで、補正後の閾値はステップS303で算出したもの、予測乗込人数はステップS304で算出したものである。比較を行う対象は当該階の積み残し人数や、当該階の前回出発時の乗込人数などでもよい。または、例えば1号機10-1が当該階を出発してから所定時間(例えば5秒)を経過するまでの間に、当該階で同方向(当該方向)に向かう新たな乗り場呼びが発生したか否かにより判断してもよい。または、それら複数の条件の組み合わせにより判断してもよい。複数台配車制御判定部d2は、複数台配車制御の実施条件を満たした(YES)と判断した場合にはステップS306に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0084】
[ステップS306]
ステップS306において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、ステップS305の判断において複数台配車制御の実施条件を満たしたと判断された当該階の当該方向を、複数台配車制御の対象に設定する。
【0085】
[ステップS307]
ステップS307において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、ステップ306にて複数台配車制御の対象と判断された乗り場階に対して、複数台配車制御動作を行う。例えば、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、当該階に一定台数分のエレベーター号機10を常に配車し続ける。ここで、配車台数は当該階の予測乗込人数と閾値の大小関係から、当該乗り場階に配車するエレベーター号機10の台数を決定してもよい。閾値はステップS303で算出したもの、予測乗込人数はステップS304で算出したものである。
【0086】
[ステップS308]
ステップS308において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、ステップS306において複数台配車制御の対象に設定された乗り場階が、複数台配車制御の終了条件を満たしたか否かを判断する。例えば、当該階に戸閉じ待機となる号機があるか否かにより判断する。複数台配車制御判定部d2は、複数台配車制御の終了条件を満たした(YES)と判断した場合にはステップS309に進み、それ以外はステップS307に戻る。
【0087】
[ステップS309]
ステップS309において、複数台配車制御部31d’の複数台配車制御判定部d2は、ステップS306において設定した乗り場階の複数台配車制御の設定を解除し、処理を終了させる。
【0088】
-第3実施形態の効果-
以上の第3実施形態によれば、乗りかご10a内の密状態を判断するための満員閾値を変更した場合であっても、複数台配車制御部31dにおいて複数台配車制御に用いる閾値を補正することにより、書き換えられた満員閾値に即して複数台配車制御の実施の判断を行い、対象となる階に過不足なく必要台数の配車を実施することが可能である。これにより、満員閾値を変更することにより、乗りかご10a内においての乗客同士の社会的距離を世情に沿った状態に保ちつつ、乗り場における密状態をも解消することが可能な複数台配車制御の実施が可能となる。
【0089】
≪第4実施形態≫
第4実施形態は、第3実施形態の変形例であって、例えば乗客間の社会的距離を確保することを目的として、通常の運行において満員通過を行う場合の判断に用いる満員閾値を、基準の値に対して異なる値に変更する場合の他の構成例である。
【0090】
図6に示すように、第4実施形態のエレベーター1’は、第3実施形態の構成における複数台配車制御部31d’に対して、さらに予測乗込人数補正部d3を設けたところが異なる。予測乗込人数補正部d3の構成は、以降のエレベーターの制御方法において詳細に説明する。また、複数台配車制御部31d’の各部が実行する制御の手順は、第3実施形態とは異なる。このため以下においては、エレベーターの制御方法のみを説明する。
【0091】
-第4実施形態のエレベーターの制御方法-
第4実施形態のエレベーターの制御方法は、第3実施形態のエレベーターの制御方法の変形例であって、号機制御部16によるエレベーター号機の制御方法は、図7を用いて説明した第3実施形態における制御方法と同様である。このため、ここでは号機制御部16によるエレベーター号機の制御の説明は省略し、運行管理装置30’による各制御のみを説明する。
【0092】
<運行管理装置30’による制御>
本第4実施形態において運行管理装置30は、(1)予測乗込人数の補正を伴う複数台配車制御、(2)複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正を、この順に実施する。以下、これらを順に説明する。
【0093】
(1)予測乗込人数の補正を伴う複数台配車制御
図8のフローに基づいて、第4実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する複数台配車制御の手順を説明する。ここでは、ステップS304における予測乗込人数の算出方法が第3実施形態とは異なる。このため、ステップS304について制御フローを細分化した図9を用いて説明する。図10は、第4実施形態の予測乗込人数の補正を説明する図である。
【0094】
以下、図8におけるステップS304の制御方法をさらに細分化した図9のフローチャートに沿った順に、先の図6および図10を参照しつつ、運行管理装置が実施する複数台配車制御のための予測乗込人数の補正を説明する。なお、図9のフローは周期的に繰り返されることとする。
【0095】
[ステップS401]
ステップS401において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、ステップS302で閾値補正部d1が算出した現在の満員閾値から、単位時間帯あたりの輸送可能人数[Na]を算出する(図11(A)参照)。この場合、予測乗込人数補正部d3は、例えば交通計算により、停止確率を算出し、算出した停止確率、走行距離、走行時間、および[定員数]×[満員率]から、一周時間を算出し、台数換算して単位時間帯あたりの輸送可能人数[Na]を算出する。また予測乗込人数補正部d3は、各階の出発回数のログから、[出発回数]×[定員]×[満員率]により輸送可能人数[Na]を算出してもよい。さらに予測乗込人数補正部d3は、乗りかご10aの実際の走行時間、乗り場呼び、かご呼びの学習状況から、出発回数を算出し、輸送可能人数[Na]を算出してもよい。
【0096】
[ステップS402]
ステップS402において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]を、現在の時間帯[t]とする処理([t]=[t])を行う(図10A)。
【0097】
[ステップS403]
ステップS403において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t](先ずは時間帯[t])において、学習部32が作成した時間帯[t]の予測乗込人数[Nrt]が、ステップS403で算出した輸送可能人数[Na]を超えているか否かを判断する(図10(A)参照)。予測乗込人数補正部d3は、超えている(YES)と判断した場合にはステップS404に進み、超えていない(NO)と判断した場合にはステップS406に進む。
【0098】
[ステップS404]
ステップS404において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t](先ずは時間帯[t])における予測乗込人数[Nrt]が、輸送可能人数[Na]を超えないように補正を行う。例えば、時間帯[t](先ずは時間帯[t])における予測乗込人数[Nrt]に補正する(図10(B)参照)。次いで、次の時間帯[t+1]における予測乗込人数[Nrt+1]=[Nrt+1]+[Nrt]-[Na]に補正する(図10(B)参照)。
【0099】
[ステップS405]
ステップS405において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]を、次の時間帯[t+1]とする処理([t]=[t+1])を行う(図10(C)参照)。その後、予測乗込人数補正部d3は、ステップS403に戻り、ステップS403において時間帯[t]の予測乗込人数[Nrt]が、ステップS401で算出した輸送可能人数[Na]を超えていない(NO)と判断されるまで(図10(D)参照)、ステップS404~ステップS405を繰り返す。
【0100】
[ステップS406]
ステップS406は、ステップS405において時間帯[t]の予測乗込人数[Nrt]が、輸送可能人数[Na]を超えていない(NO)と判断して進んだステップである。本ステップS406において、乗り場出力制御部31cは、乗り場報知部24に対して時間帯[t]を案内するための報知を指示する。ここで報知する時間帯[t]は、当該乗り場において当該方向に向かう乗客の全てが、乗りかご10aへの乗り込みを完了する時間帯であって、図10に示した例では時間帯[t+2]である。ここでの報知は一定期間継続するものとする。また、ここでの時間帯[t]を経過したことをステップS308における複数台配車制御の終了条件としてもよい。本ステップS406の後には、処理を終了させる。
【0101】
[(1)予測乗込人数の補正を伴う複数台配車制御の効果]
以上により、満員閾値が書き換えられた場合には、書き換えられた満員閾値に基づいて、複数台配車制御に用いる予測乗込人数[Nrt]を補正することにより、書き換えられた満員閾値に即して複数台配車制御を実施することが可能である。また、予測乗込人数の補正により、基準の満員閾値で運行した場合には乗客が予測されない時間帯であっても、書き換えられた満員閾値で運行した場合に発生しうる乗客を考慮した複数台配車制御の実施が可能である。さらに、当該乗り場の乗客全てが乗りかごへ乗り込みを完了する時間帯の予測ができるため、その時間帯を経過するまで複数台配車制御を行うことで、乗り場における密状態を解消することが可能である。その時間帯を乗り場報知部で案内することにより、乗り場に到着した利用者に対して、ビル内の移動手段選択の際の判断材料を提供することが可能である。
【0102】
(2)複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正
図11は、第4実施形態に係るエレベーターの制御方法のうち運行管理装置が実施する複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正を示すフローチャートである。また図12は、第4実施形態の運行管理装置が実施する複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正を説明する図である。ここで補正する予測乗込人数は、図9および図10を用いて説明した複数台配車制御の判定のために補正した予測乗込人数[Nrt]である。
【0103】
以下、図11のフローチャートに沿った順に、先の図6および図12を参照しつつ、運行管理装置が実施する複数台配車制御のための予測乗込人数の補正を説明する。なお、図11のフローは周期的に繰り返されることとする。
【0104】
[ステップS501]
ステップS501において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]から、乗り場呼びが継続して発生しているか否かの判断を実施する。この際、予測乗込人数補正部d3は、階毎に各方向に向かう乗り場呼びが、時間帯[t]から次の時間帯[t+1]以降にも継続して発生している場合に、乗り場呼びが連続して発生している(YES)と判断してステップS502に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0105】
[ステップS502]
ステップS502において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]において複数台配車制御を実施した実績があるか否かを判断し、ある(YES)と判断した場合にはステップS503に進み、それ以外は処理を終了させる。
【0106】
[ステップS503]
ステップS503において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、乗り場呼びの継続が終了した時間帯(ここでは時間帯[t+2])を、時間帯[t]とする(図12(A)参照)。
【0107】
[ステップS504]
ステップS504において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]の予測乗込人数[Nrt]を、時間帯[t]~[t]までの予測乗込人数[Nrt]の合計値とする(図12(B)参照)。
【0108】
[ステップS505]
ステップS505において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t+1]~[t]までの各予測乗込人数[Nrt]をゼロとする(図12(C)参照)。
【0109】
[ステップS506]
ステップS506において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]を[t]とする処理([t]=[t])を行う(図12(C)参照)。
【0110】
[ステップS507]
ステップS507において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]の予測乗込人数[Nrt]が、基準の満員閾値での輸送可能人数[Nas]を、超えている否かの判断を実施する(図12(C)参照)。ここで基準の満員閾値とは、書き換えられていない満員閾値であることとする。予測乗込人数補正部d3は、基準の満員閾値として、過去に算出した満員閾値のうちの最大値であるか、現在の満員閾値から逆算した値を採用する。現在の満員閾値は、図8に示すステップS302において算出した補正値である。予測乗込人数補正部d3は、予測乗込人数[Nrt]が基準の満員閾値での輸送可能人数[Nas]を超えている(YES)と判断した場合にはステップS508に進み、超えていない(NO)と判断した場合には処理を終了させる。
【0111】
[ステップS508]
ステップS508において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t](先ずは時間帯[t])における予測乗込人数[Nrt]が、基準の満員閾値での輸送可能人数[Nas]を超えないように補正する(図12(D)参照)。例えば、時間帯[t](先ずは時間帯[t0])における予測乗込人数[Nrt]を基準の満員閾値での輸送可能人数[Nas]に補正する。次いで、時間帯[t]の次の時間帯[t+1]における予測乗込人数[Nrt+1]を、[Nrt+1]=[Nrt]-[Nas]に補正する(図12(D)および図12(E)参照)。[Nrt]は、ステップS508で補正する前の値であって、ステップS504での合計した値である。
【0112】
[ステップS509]
ステップS509において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]を、次の時間帯[t+1]とする処理([t]=[t+1])を行う(図12(E)参照)。
【0113】
[ステップS510]
ステップS510において、複数台配車制御部31d’の予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]が、時間帯[t]以下であるか否かの判断を行い、時間帯[t]以下である(YES)と判断した場合には、ステップS507に戻り、その後ステップS507以降を繰り返す。一方、予測乗込人数補正部d3は、時間帯[t]が時間帯[t]以下ではない(NO)と判断した場合には、処理を終了させる。
【0114】
[(2)複数台配車制御実施後の予測乗込人数の補正の効果]
以上により、予測乗込人数補正部d3は、書き換えられた満員閾値に即した複数台配車制御の実施のために補正した予測乗込人数[Nrt]を、書き換え前の基準の満員閾値に基づいて再補正することにより、予測乗込人数[Nrt]を学習部32が作成した補正前の値に近づけることができる。このため、満員閾値の書き換えが解除された場合でも、基準の満員閾値に即して複数台配車制御を行うことが可能である。
【0115】
なお、本発明は上記した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。例えば、第3実施形態および第4実施形態で説明した、複数台配車制御の設定および解除は、他の方法であってもよく、例えば乗り場カメラ22により乗り場の人数を検出可能な場合には、検出した人数を積み残した人数とし、その人数によって複数台配車制御の設定および解除を実施してもよい。
【符号の説明】
【0116】
1、1’…エレベーター、10…エレベーター号機、10-1~10-n…1号機~n号機、10a…乗りかご、15…スピーカー、16…号機制御部、16a…設定保持部、16b…満員判定部、16c…出力制御部、30,30’…運行管理装置、31b…号機割り当て部、31d、31d’…複数台配車制御部、32…学習部、d1…閾値補正部、d2…複数台配車制御判定部、d3…予測乗込人数補正部
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