(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-25
(45)【発行日】2024-10-03
(54)【発明の名称】モータサイクルの動作を制御する制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/14 20060101AFI20240926BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240926BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20240926BHJP
【FI】
B60W30/14
G08G1/16 D
B62J45/00
(21)【出願番号】P 2022570757
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2021061393
(87)【国際公開番号】W WO2022136990
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2020214073
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(72)【発明者】
【氏名】プファウ ラース
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/030131(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00-99/00
B62J 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えて
おり、
前記他車両走行状態情報は、前記カーブを走行している複数の前記別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である、
制御装置。
【請求項2】
前記安全動作実行部(53)は、前記モータサイクル(100)が直進走行している段階で、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に前記安全動作を実行させる、
請求項
1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記他車両走行状態情報は、前記別のモータサイクル(200)の速度、減速度、位置、及び、進行方向のうちの少なくとも何れか一つの情報を含む、
請求項1
又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに前方への注意を促す動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに減速操作を促す動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車列間走行を促す動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車線変更を促す動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)に生じている速度を自動で低下させる動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項11】
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作を自動で解除又は中断する動作である、
請求項1~
3の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項12】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに前方への注意を促す動作である、
制御装置。
【請求項13】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに減速操作を促す動作である、
制御装置。
【請求項14】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作である、
制御装置。
【請求項15】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車列間走行を促す動作である、
制御装置。
【請求項16】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車線変更を促す動作である、
制御装置。
【請求項17】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)に生じている速度を自動で低下させる動作である、
制御装置。
【請求項18】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる動作である、
制御装置。
【請求項19】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作を自動で解除又は中断する動作である、
制御装置。
【請求項20】
前記オートクルーズ動作は、アダプティブクルーズコントロール動作である、
請求項1~
19の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項21】
前記オートクルーズ動作は、クルーズコントロール動作である、
請求項1~
19の何れか一項に記載の制御装置。
【請求項22】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御装置(50)であって、
前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部(52)を備えており、
更に、
前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部(51)と、
前記取得部(51)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行部(53)と、
を備えており、
前記オートクルーズ動作は、クルーズコントロール動作である、
制御装置。
【請求項23】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えて
おり、
前記他車両走行状態情報は、前記カーブを走行している複数の前記別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である、
制御方法。
【請求項24】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに前方への注意を促す動作である、
制御方法。
【請求項25】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに減速操作を促す動作である、
制御方法。
【請求項26】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作である、
制御方法。
【請求項27】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車列間走行を促す動作である、
制御方法。
【請求項28】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)のライダーに車線変更を促す動作である、
制御方法。
【請求項29】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、前記モータサイクル(100)に生じている速度を自動で低下させる動作である、
制御方法。
【請求項30】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる動作である、
制御方法。
【請求項31】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記安全動作は、実行中の前記オートクルーズ動作を自動で解除又は中断する動作である、
制御方法。
【請求項32】
モータサイクル(100)の動作を制御する制御方法であって、
制御装置(50)のオートクルーズ動作実行部(52)が、前記モータサイクル(100)にオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップ(S102)を備えており、
更に、
前記制御装置(50)の取得部(51)が、前記モータサイクル(100)の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル(200)の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップ(S101)と、
前記制御装置(50)の安全動作実行部(53)が、前記取得ステップ(S101)で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクル(100)に安全動作を実行させる安全動作実行ステップ(S103、S104)と、
を備えており、
前記オートクルーズ動作は、クルーズコントロール動作である、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートクルーズ動作を実行可能なモータサイクルの動作を制御する制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータサイクル(自動二輪車又は自動三輪車)にオートクルーズ動作を実行させる技術が公知である。オートクルーズ動作は、ライダーによる加減速操作によらずにモータサイクルの速度を自動で制御する動作である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、モータサイクルの進行方向において車線がカーブしている場合には、取得される情報量に制限が生じる。特に、オートクルーズ動作が実行されている状況下では、ライダーの注意力が散漫になる傾向があるため、取得されるべき情報量が多くなる。また、モータサイクルのオートクルーズ動作では、モータサイクルが他種の車両(例えば、乗用車、トラック等)と異なる運転傾向を有していることに起因して、特有の情報が必要となる。つまり、車線がカーブしている状況でのオートクルーズ動作では、モータサイクルに特有な情報が多く取得される必要があるにも関わらず、情報量が不足することで、ライダーによるモータサイクルの運転を適切に支援することが困難となる場合が生じ得る。
【0005】
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ライダーによるモータサイクルの運転を適切に支援することができる制御装置を得るものである。また、ライダーによるモータサイクルの運転を適切に支援することができる制御方法を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る制御装置は、モータサイクルの動作を制御する制御装置であって、前記モータサイクルにオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行部を備えており、更に、前記モータサイクルの進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクルの走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得部と、前記取得部で取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクルに安全動作を実行させる安全動作実行部と、を備えている。
【0007】
本発明に係る制御方法は、モータサイクルの動作を制御する制御方法であって、制御装置のオートクルーズ動作実行部が、前記モータサイクルにオートクルーズ動作を実行させるオートクルーズ動作実行ステップを備えており、更に、前記制御装置の取得部が、前記モータサイクルの進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクルの走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得する取得ステップと、前記制御装置の安全動作実行部が、前記取得ステップで取得された前記他車両走行状態情報に基づいて、前記オートクルーズ動作を実行中の前記モータサイクルに安全動作を実行させる安全動作実行ステップと、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る制御装置及び制御方法では、取得部が、モータサイクルの進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクルの走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得し、安全動作実行部が、取得部で取得された他車両走行状態情報に基づいて、オートクルーズ動作を実行中のモータサイクルに安全動作を実行させる。そのため、車線がカーブしている状況でのオートクルーズ動作において、モータサイクルに特有な情報を取得して情報量の不足を補うことが可能となって、ライダーによるモータサイクルの運転を適切に支援することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、モータサイクルへの搭載状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を説明するための図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置における制御フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る制御装置及び制御方法について、図面を用いて説明する。
【0011】
なお、「モータサイクル」との用語は、ライダーが跨って搭乗する鞍乗型車両のうちの自動二輪車又は自動三輪車を意味する。モータサイクルには、エンジンを推進源とする自動二輪車又は自動三輪車、電動モータを推進源とする自動二輪車又は自動三輪車等が含まれ、例えば、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。また、以下では、モータサイクルが自動二輪車である場合を説明しているが、モータサイクルが自動三輪車であってもよい。
【0012】
また、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係る制御装置及び制御方法は、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。また、以下では、同一の又は類似する説明を適宜簡略化又は省略している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
【0013】
実施の形態
以下に、実施の形態に係るライダー支援システムを説明する。
【0014】
<ライダー支援システムの構成>
実施の形態に係るライダー支援システムの構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、モータサイクルへの搭載状態を示す図である。
図2は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、システム構成を説明するための図である。
【0015】
図1及び
図2に示されるように、ライダー支援システム1は、モータサイクル100に搭載される。ライダー支援システム1は、少なくとも、モータサイクル100の前方の周囲環境を検出する周囲環境検出装置10と、ライダーによって操作される入力装置20と、モータサイクル100の走行状態を検出する走行状態検出装置30と、制御装置(ECU)50と、を含む。
【0016】
周囲環境検出装置10は、モータサイクル100の前方を監視して、モータサイクル100の前方の各種情報を検出する。具体的には、周囲環境検出装置10は、モータサイクル100が今後通過すると予測される経路である予測経路を検出する。周囲環境検出装置10が、予測経路に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。また、周囲環境検出装置10は、モータサイクル100から前走車までの距離を検出する。周囲環境検出装置10が、モータサイクル100から前走車までの距離に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
【0017】
例えば、モータサイクル100の前方を複数の車両が走行している場合、周囲環境検出装置10は、モータサイクル100の予測経路及び複数の車両の挙動に基づいて、モータサイクル100の走行車線と同一の車線においてモータサイクル100から最も近い位置を走行する車両を、モータサイクル100からの距離の検出の対象となる前走車として選択する。この際、モータサイクル100の走行車線と同一の車線においてモータサイクル100から最も近い位置を走行する車両のみならず、モータサイクル100の複数台前を走行する車両、モータサイクル100の走行車線に隣接する車線を走行する車両等が、モータサイクル100からの距離の検出の対象となる前走車に含まれていてもよい。モータサイクル100から前走車までの距離の検出結果を用いて、後述されるアダプティブクルーズコントロール動作が実行される。なお、後述されるクルーズコントロール動作が実行される場合には、モータサイクル100から前走車までの距離が検出されなくてよい。
【0018】
周囲環境検出装置10としては、例えば、モータサイクル100の前方を撮像するカメラ及びモータサイクル100から前方の対象物までの距離を検出可能なレーダーが用いられる。その場合、例えば、カメラにより撮像される画像を用いて白線やガードレール等を認識し、これらの認識結果及びレーダーの検出結果を利用することによって、モータサイクル100の予測経路を検出することができる。また、例えば、カメラにより撮像される画像を用いて前走車を認識し、前走車の認識結果及びレーダーの検出結果を利用することによって、モータサイクル100から前走車までの距離を検出することができる。周囲環境検出装置10は、例えば、車体の前部に設けられる。
【0019】
なお、周囲環境検出装置10の構成は上記の例に限定されない。例えば、周囲環境検出装置10によるモータサイクル100の予測経路の検出及びモータサイクル100から前走車までの距離の検出の機能は、レーダーのみによって実現されてもよく、また、ステレオカメラによって実現されてもよい。また、例えば、周囲環境検出装置10によるモータサイクル100の予測経路の検出の機能は、GPS(Global Positioning System)衛星から受信した信号と地図情報を利用することによって実現されてもよい。
【0020】
入力装置20は、ライダーによる走行モードの選択操作を受け付け、ライダーにより選択されている走行モードを示す情報を出力する。ここで、モータサイクル100では、制御装置50によってアダプティブクルーズコントロール動作又はクルーズコントロール動作が実行可能である。アダプティブクルーズコントロール動作及びクルーズコントロール動作は、ライダーによる加減速操作によらずにモータサイクル100の速度を自動で制御するオートクルーズ動作の一例に相当する。クルーズコントロール動作では、ライダーによって設定された目標速度でモータサイクル100が走行するように、制御装置50によってモータサイクル100の速度が制御される。一方で、アダプティブクルーズコントロール動作では、そのような制御に加えて、前走車との車間距離又は衝突回避性の維持が図られる。つまり、アダプティブクルーズコントロール動作では、前走車が居ない場合には、ライダーによって設定された目標速度でモータサイクル100が走行するように、制御装置50によってモータサイクル100の速度が制御される。また、前走車が居る場合には、その目標速度以下であって、且つ、前走車との車間距離又は衝突回避性の維持を目指す速度でモータサイクル100が走行するように、制御装置50によってモータサイクル100の速度が制御される。ライダーは、入力装置20を用いて、いずれのオートクルーズ動作も実行されない走行モード、アダプティブクルーズコントロール動作が実行される走行モード、又は、クルーズコントロール動作が実行される走行モードを選択することができる。入力装置20としては、例えば、レバー、ボタン又はタッチパネル等が用いられる。入力装置20は、例えば、ハンドルに設けられる。
【0021】
走行状態検出装置30は、例えば、前輪回転速度センサ、後輪回転速度センサ等を含む。前輪回転速度センサ及び後輪回転速度センサは、車輪の回転速度を検出し、検出結果を出力する。前輪回転速度センサ及び後輪回転速度センサが、車輪の回転速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
【0022】
また、走行状態検出装置30は、例えば、慣性計測装置を含む。慣性計測装置は、3軸のジャイロセンサ及び3方向の加速度センサを備えており、モータサイクル100の3軸の加速度と3軸の角速度の検出結果を出力する。慣性計測装置が、3軸の加速度と3軸の角速度に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
【0023】
また、走行状態検出装置30は、例えば、制動力計測装置、駆動力計測装置等を含む。制動力計測装置は、例えば、ライダーのブレーキ操作の操作量、制動装置60に生じている実際の制動力等の検出結果を出力する。制動力計測装置が、ライダーのブレーキ操作の操作量及び制動装置60に生じている実際の制動力に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。また、駆動力計測装置は、例えば、ライダーのアクセル操作の操作量、駆動装置70に生じている実際の駆動力等の検出結果を出力する。駆動力計測装置が、ライダーのアクセル操作の操作量及び駆動装置70に生じている実際の駆動力に実質的に換算可能な他の物理量を検出するものであってもよい。
【0024】
また、走行状態検出装置30は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号の受信機と地図情報の記憶部とを含む。モータサイクル100の位置又は進行方向を検出可能な他の構成が採用されてもよい。
【0025】
制御装置50は、モータサイクル100の動作を制御する。例えば、制御装置50の一部又は全ては、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されている。また、例えば、制御装置50の一部又は全ては、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。制御装置50は、例えば、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。
【0026】
制御装置50は、
図2に示されるように、取得部51と、オートクルーズ動作実行部52と、安全動作実行部53と、を備える。
【0027】
取得部51は、モータサイクル100に搭載されている各装置から出力される情報を取得し、オートクルーズ動作実行部52へ出力する。具体的には、取得部51は、周囲環境検出装置10から出力される情報に基づいて周囲環境情報を取得し、入力装置20から出力される情報に基づいてライダー設定情報を取得し、走行状態検出装置30から出力される情報に基づいてモータサイクル100の走行状態情報を取得する。走行状態情報には、モータサイクル100の速度、減速度、位置、及び、進行方向のうちの少なくとも何れか一つの情報が含まれる。
【0028】
オートクルーズ動作実行部52は、モータサイクル100に搭載されている各装置(制動装置60、駆動装置70等)の動作を制御することによって、モータサイクル100に生じさせる駆動力及び制動力を制御する。それにより、オートクルーズ動作実行部52は、モータサイクル100の加減速度を制御して、オートクルーズ動作(つまり、アダプティブクルーズコントロール動作又はクルーズコントロール動作)を実行する。なお、オートクルーズ動作実行部52は、オートクルーズ動作の実行中に、ライダーにより加減速操作(つまり、アクセル操作又はブレーキ操作)が行われた場合、オートクルーズ動作を解除又は中断する。
【0029】
また、取得部51は、モータサイクル100の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル200の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得し、安全動作実行部53へ出力する。好ましくは、別のモータサイクル200は、モータサイクル100と同一車線を走行しているモータサイクルである。取得部51は、別のモータサイクル200の走行状態検出装置130から出力される情報に基づいて他車両走行状態情報を取得する。走行状態検出装置130は、モータサイクル100に搭載された走行状態検出装置30と同様のものであってもよく、また、異なるものであってもよい。つまり、他車両走行状態情報には、別のモータサイクル200の速度、減速度、位置、及び、進行方向のうちの少なくとも何れか一つの情報が含まれる。取得部51は、周囲環境検出装置10で検出されるモータサイクル100の周囲に位置するモータサイクルの位置情報が、モータサイクル100の進行方向においてカーブを走行していて、且つ、モータサイクル100から所定の距離以内に位置することを示す情報である場合に、そのモータサイクルを別のモータサイクル200として特定する。カーブに起因する死角の発生によって、周囲環境検出装置10によるそのモータサイクルの位置情報が検出不能である場合、又は、オートクルーズ動作としてクルーズコントロール動作のみが実行可能であって、周囲環境検出装置10がそもそも搭載されていない場合には、そのモータサイクルとの無線通信によってその位置情報が検出され得る。つまり、別のモータサイクル200に、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号の受信機と地図情報の記憶部とが設けられているとよい。なお、別のモータサイクル200の位置情報が、他の手段によって検出されてもよい。
【0030】
他車両走行状態情報は、別のモータサイクル200の周辺車両300に搭載された周囲環境検出装置210、又は、別のモータサイクル200の周辺インフラ設備400に設けられた周囲環境検出装置310から出力される、別のモータサイクル200の走行状態の情報であってもよい。周囲環境検出装置210及び周囲環境検出装置310は、モータサイクル100に搭載された周囲環境検出装置10と同様のものであってもよく、また、異なるものであってもよい。別のモータサイクル200、周辺車両300、又は、周辺インフラ設備400は、それら自身の位置を認識可能であり、その位置の情報と、モータサイクル100の周囲に位置するモータサイクルのその位置に対する相対位置の情報と、が取得部51で取得されることで、別のモータサイクル200の特定が可能である。
【0031】
取得部51は、他車両走行状態情報を、モータサイクル100の通信機と、別のモータサイクル200、周辺車両300、又は、周辺インフラ設備400の通信機と、の直接的な無線通信によって取得してもよく、また、モータサイクル100の通信機と、別のモータサイクル200、周辺車両300、又は、周辺インフラ設備400の通信機と、の他の媒体(例えば、ネットワークサーバー、携帯端末等)を介した間接的な無線通信によって取得してもよい。
【0032】
安全動作実行部53は、取得部51で取得された他車両走行状態情報に基づいて、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があるか否かを判定し、必要があると判定される場合に、モータサイクル100に安全動作を実行させる。安全動作は、モータサイクル100のライダーの安全性を向上する動作である。
【0033】
例えば、安全動作には、モータサイクル100に搭載されている報知装置80を用いて、ライダーに前方への注意を促す動作、ライダーに減速操作を促す動作、ライダーに実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作、ライダーに車列間走行を促す動作、ライダーに車線変更を促す動作等が含まれる。また、例えば、安全動作には、モータサイクル100に生じている速度を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作、実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作、実行されているオートクルーズ動作を自動で解除又は中断させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作等が含まれる。なお、これらの各動作同士が組み合わされていてもよい。
【0034】
ここで、報知装置80は、音(つまり、聴覚器が感覚器として用いられる知覚)によってライダーに警告するものであってもよく、また、表示(つまり、視覚器が感覚器として用いられる知覚)によってライダーに警告するものであってもよく、また、振動(つまり、触覚器が感覚器として用いられる知覚)によってライダーに警告するものであってもよく、また、それらの組み合わせによって警告するものであってもよい。また、報知装置80は、モータサイクル100に設けられていてもよく、また、ヘルメット等のモータサイクル100に付随する装備に設けられていてもよい。また、報知装置80は、1つの出力器で構成されていてもよく、また、複数の同一種類又は異なる種類の出力器で構成されていてもよい。その複数の出力器は、一体的に設けられていてもよく、また、別体的に設けられていてもよい。また、報知装置80は、モータサイクル100に瞬時的な加減速度を生じさせることによってライダーに警告するものであってもよい。つまり、報知装置80は、制動装置60、駆動装置70等によって実現されていてもよい。
【0035】
他車両走行状態情報として、カーブを走行する別のモータサイクル200の速度の情報が取得される場合において、例えば、その情報が、別のモータサイクル200の速度がモータサイクル100の速度と比較して小さく、且つ、その差が基準値を上回ることを示す情報である際に、安全動作実行部53は、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があると判定する。特に、安全動作として、ライダーに前方への注意を促す動作、ライダーに減速操作を促す動作、ライダーに実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作、モータサイクル100に生じている速度を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作、実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作等のうちの少なくとも一つが行われるとよい。他車両走行状態情報が、カーブを走行する複数の別のモータサイクル200の速度の情報であるとよい。そのように構成されることで、判定の正確性が向上する。複数の別のモータサイクル200の速度の平均値がモータサイクル100の速度と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよく、また、複数の別のモータサイクル200の速度の最小値がモータサイクル100の速度と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよい。また、モータサイクル100が直進走行している、つまり、モータサイクル100がカーブ走行に移行する前の段階で、安全動作が実行されるとよい。そのように構成されることで、ライダーが比較的ゆとりのある状況で安全動作が実行されることとなって、安全性が向上する。なお、モータサイクル100がカーブ走行している段階で、安全動作が実行されてもよい。そのような場合であっても、ライダーの安全性が向上する。
【0036】
他車両走行状態情報として、カーブを走行する別のモータサイクル200の減速度の情報が取得される場合において、例えば、その情報が、減速度が基準値を上回っていることを示す情報である際に、安全動作実行部53は、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があると判定する。特に、安全動作として、ライダーに前方への注意を促す動作、ライダーに減速操作を促す動作、ライダーに実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を低下させる操作を促す動作、モータサイクル100に生じている速度を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作、実行中のオートクルーズ動作の目標速度の設定値を自動で低下させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作等のうちの少なくとも一つが行われるとよい。他車両走行状態情報が、カーブを走行する複数の別のモータサイクル200の減速度の情報であるとよい。そのように構成されることで、判定の正確性が向上する。複数の別のモータサイクル200の減速度の平均値が基準値と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよく、また、複数の別のモータサイクル200の減速度の最大値が基準値と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよい。また、モータサイクル100が直進走行している、つまり、モータサイクル100がカーブ走行に移行する前の段階で、安全動作が実行されるとよい。そのように構成されることで、ライダーが比較的ゆとりのある状況で安全動作が実行されることとなって、安全性が向上する。なお、モータサイクル100がカーブ走行している段階で、安全動作が実行されてもよい。そのような場合であっても、ライダーの安全性が向上する。
【0037】
他車両走行状態情報として、カーブを走行する別のモータサイクル200の位置の情報が取得される場合において、例えば、その情報が、別のモータサイクル200が車線境界からの距離が基準値を下回る位置を走行していることを示す情報である際に、安全動作実行部53は、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があると判定する。特に、安全動作として、ライダーに前方への注意を促す動作、ライダーに車列間走行を促す動作、実行されているオートクルーズ動作を自動で解除又は中断させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作等のうちの少なくとも一つが行われるとよい。他車両走行状態情報が、カーブを走行する複数の別のモータサイクル200の位置の情報であるとよい。そのように構成されることで、判定の正確性が向上する。複数の別のモータサイクル200の車線境界からの距離の平均値が基準値と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよく、また、複数の別のモータサイクル200の車線境界からの距離の最小値が基準値と比較されて、安全動作を実行させる必要があるか否かが判定されてもよい。また、モータサイクル100が直進走行している、つまり、モータサイクル100がカーブ走行に移行する前の段階で、安全動作が実行されるとよい。そのように構成されることで、ライダーが比較的ゆとりのある状況で安全動作が実行されることとなって、安全性が向上する。なお、モータサイクル100がカーブ走行している段階で、安全動作が実行されてもよい。そのような場合であっても、ライダーの安全性が向上する。
【0038】
他車両走行状態情報として、カーブを走行する別のモータサイクル200の進行方向の情報が取得される場合において、例えば、その情報が、別のモータサイクル200が車線変更していることを示す情報である際に、安全動作実行部53は、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があると判定する。特に、安全動作として、ライダーに前方への注意を促す動作、ライダーに車線変更を促す動作、実行されているオートクルーズ動作を自動で解除又は中断させる指令をオートクルーズ動作実行部52に出力する動作等のうちの少なくとも一つが行われるとよい。他車両走行状態情報が、カーブを走行する複数の別のモータサイクル200の進行方向の情報であるとよい。そのように構成されることで、判定の正確性が向上する。複数の別のモータサイクル200の全てが車線変更している場合に、安全動作を実行させる必要があると判定されてもよく、また、複数の別のモータサイクル200の何れか一つが車線変更している場合に、安全動作を実行させる必要があると判定されてもよい。また、モータサイクル100が直進走行している、つまり、モータサイクル100がカーブ走行に移行する前の段階で、安全動作が実行されるとよい。そのように構成されることで、ライダーが比較的ゆとりのある状況で安全動作が実行されることとなって、安全性が向上する。なお、モータサイクル100がカーブ走行している段階で、安全動作が実行されてもよい。そのような場合であっても、ライダーの安全性が向上する。
【0039】
<ライダー支援システムの動作>
実施の形態に係るライダー支援システムの動作について説明する。
図3は、本発明の実施の形態に係るライダー支援システムの、制御装置における制御フローの一例を示す図である。
【0040】
制御装置50は、オートクルーズ動作が有効になっている間において、
図3に示される制御フローを繰り返し実行する。
【0041】
(取得ステップ)
ステップS101において、取得部51は、モータサイクル100の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル200の走行状態の情報である他車両走行状態情報を取得する。
【0042】
(オートクルーズ動作実行ステップ)
ステップS102において、オートクルーズ動作実行部52は、モータサイクル100に搭載されている各装置(制動装置60、駆動装置70等)の動作を制御することによって、モータサイクル100にオートクルーズ動作を実行させる。
【0043】
(安全動作実行ステップ)
ステップS103において、安全動作実行部53は、ステップS101で取得された他車両走行状態情報に基づいて、モータサイクル100に安全動作を実行させる必要があるか否かを判定し、必要があると判定される場合に、ステップS104において、モータサイクル100に安全動作を実行させる。
【0044】
<ライダー支援システムの効果>
実施の形態に係るライダー支援システムの効果について説明する。
【0045】
ライダー支援システム1では、制御装置50の取得部51が、モータサイクル100の進行方向においてカーブを走行している別のモータサイクル200の走行状態の情報である他車両走行状態情報を、無線通信を介して取得し、制御装置50の安全動作実行部53が、取得部51で取得された他車両走行状態情報に基づいて、オートクルーズ動作を実行中のモータサイクル100に安全動作を実行させる。そのため、車線がカーブしている状況でのオートクルーズ動作において、モータサイクルに特有な情報を取得して情報量の不足を補うことが可能となって、ライダーによるモータサイクル100の運転を適切に支援することが可能となる。
【0046】
好ましくは、ライダー支援システム1では、他車両走行状態情報が、カーブを走行している複数の別のモータサイクル200の走行状態の情報である。そのように構成されることで、安全動作の必要性の判定の正確性が向上して、ライダーによるモータサイクル100の運転をより適切に支援することが可能となる。
【0047】
好ましくは、ライダー支援システム1では、安全動作実行部53が、モータサイクル100が直進走行している段階で、オートクルーズ動作を実行中のモータサイクル100に安全動作を実行させる。そのように構成されることで、ライダーが比較的ゆとりのある状況で安全動作が実行されることとなって、ライダーによるモータサイクル100の運転をより適切に支援することが可能となる。
【0048】
好ましくは、ライダー支援システム1では、他車両走行状態情報が、別のモータサイクル200の速度の情報を含む。例えば、モータサイクルでは、他種の車両(例えば、乗用車、トラック等)と比較して車体挙動の安定性が低いことに起因して、特有な速度でカーブを走行する傾向にある。そのように構成されることで、別のモータサイクル200で生じている速度、つまり、カーブでのモータサイクルに特有の運転傾向が加味された安全動作を十分な情報量で実行することが可能となって、ライダーによるモータサイクル100の運転の支援がより適切化される。
【0049】
好ましくは、ライダー支援システム1では、他車両走行状態情報が、別のモータサイクル200の減速度の情報を含む。例えば、モータサイクルでは、他種の車両(例えば、乗用車、トラック等)と比較して車体挙動の安定性が低いことに起因して、カーブで特有な減速度が生じる傾向にある。そのように構成されることで、別のモータサイクル200で生じている減速度、つまり、カーブでのモータサイクルに特有の運転傾向が加味された安全動作を十分な情報量で実行することが可能となって、ライダーによるモータサイクル100の運転の支援がより適切化される。
【0050】
好ましくは、ライダー支援システム1では、他車両走行状態情報が、別のモータサイクル200の位置の情報を含む。例えば、モータサイクルでは、他種の車両(例えば、乗用車、トラック等)と比較して車幅が狭いことに起因して、特有な走行位置でカーブを走行することが可能である。そのように構成されることで、別のモータサイクル200の走行位置、つまり、カーブでのモータサイクルに特有の運転傾向が加味された安全動作を十分な情報量で実行することが可能となって、ライダーによるモータサイクル100の運転の支援がより適切化される。
【0051】
好ましくは、ライダー支援システム1では、他車両走行状態情報が、別のモータサイクル200の進行方向の情報を含む。例えば、モータサイクルでは、他種の車両(例えば、乗用車、トラック等)と比較して車幅が狭いことに起因して、カーブで特有な進行方向に走行することが可能である。そのように構成されることで、別のモータサイクル200の進行方向、つまり、カーブでのモータサイクルに特有の運転傾向が加味された安全動作を十分な情報量で実行することが可能となって、ライダーによるモータサイクル100の運転の支援がより適切化される。
【0052】
本発明は実施の形態の説明に限定されない。例えば、実施の形態の一部のみが実施されてもよく、また、実施の形態の一部同士が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ライダー支援システム、10、210、310 周囲環境検出装置、20 入力装置、30、130 走行状態検出装置、50 制御装置、51 取得部、52 オートクルーズ動作実行部、53 安全動作実行部、60 制動装置、70 駆動装置、80 報知装置、100 モータサイクル、200 別のモータサイクル、300 別のモータサイクルの周辺車両、400 別のモータサイクルの周辺インフラ設備。